| JP02212303 | OXIDE SUPERCONDUCTING THIN FILM |
| JP01115823 | PRODUCTION OF THIN FILM SUPERCONDUCTOR |
| JP01219154 | MANUFACTURE OF THIN CERAMICS SUPERCONDUCTING FILM |
三浦正志 (〒62 東京都江東区東雲1丁目10番13号財団法人国際超電導産業技術研究センター 超電導工学研究所内 Tokyo, 1350062, JP)
NAKANISHI, Tatsuhisa (1-10-13 Shinonome, Koto-k, Tokyo 62, 1350062, JP)
中西達尚 (〒62 東京都江東区東雲1丁目10番13号財団法人国際超電導産業技術研究センター 超電導工学研究所内 Tokyo, 1350062, JP)
SUTOH, Yasunori (1-10-13 Shinonome, Koto-k, Tokyo 62, 1350062, JP)
財団法人国際超電導産業技術研究センター (〒62 東京都江東区東雲1丁目10番13号 Tokyo, 1350062, JP)
SWCC SHOWA CABLE SYSTEMS CO., LTD. (1-1-18, Toranomon Minato-k, Tokyo 01, 1050001, JP)
昭和電線ケーブルシステム株式会社 (〒01 東京都港区虎ノ門1丁目1番18号 Tokyo, 1050001, JP)
MIURA, Masashi (1-10-13 Shinonome, Koto-k, Tokyo 62, 1350062, JP)
三浦正志 (〒62 東京都江東区東雲1丁目10番13号財団法人国際超電導産業技術研究センター 超電導工学研究所内 Tokyo, 1350062, JP)
NAKANISHI, Tatsuhisa (1-10-13 Shinonome, Koto-k, Tokyo 62, 1350062, JP)
| 基板上に中間層を介して形成したReBa y Cu 3 O z 系超電導体において、前記Reは、Y、Nd、Sm、Gd又はEuから選択されたいずれか1種の元素からなり、前記Baのモル比をy<2の範囲内とするとともに、前記超電導体中にZrを含む50nm以下の酸化物粒子を磁束ピンニング点として分散させたことを特徴とするRe系酸化物超電導線材。 |
| 基板上に中間層を介して形成したReBa y Cu 3 O z 系超電導体において、前記Reは、Re=A 1-x B x の組成を有し、A及びBは、それぞれY、Nd、Sm、Gd又はEuから選択されたいずれか1種以上の異なる元素からなり、前記Baのモル比をy<2の範囲内とするとともに、前記超電導体中にZrを含む50nm以下の酸化物粒子を磁束ピンニング点として分散させたことを特徴とするRe系酸化物超電導線材。 |
| 基板上に中間層を介して形成したReBa y Cu 3 O z 系超電導体において、前記Reは、Re=Y 1-x Sm x の組成を有し、前記Baのモル比をy<2の範囲内とするとともに、前記超電導体中にSmを含む酸化物粒子及びZrを含む50nm以下の酸化物粒子を磁束ピンニング点として分散させたことを特徴とするRe系酸化物超電導線材。 |
| Baのモル比は1.3<y<1.8の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載のRe系酸化物超電導線材。 |
| 磁束ピンニング点は、5~30nmのZrを含む酸化物粒子であることを特徴とする請求項1、2及び4いずれか1項記載のRe系酸化物超電導線材。 |
| 磁束ピンニング点は、Smを含む酸化物粒子及び5~30nmのZrを含む酸化物粒子であることを特徴とする請求項3又は4記載のRe系酸化物超電導線材。 |
| Zrの添加量は、金属濃度で0.5~10モル%であることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載のRe系酸化物超電導線材。 |
| Zrの添加量は、金属濃度で0.5~5モル%であることを特徴とする請求項7記載のRe系酸化物超電導線材。 |
| 基板上に、中間層を介して原料溶液を塗布した後、仮焼熱処理を施し、次いで超電導体生成の熱処理を施すことによりReBa y Cu 3 O z 系超電導体を製造する方法において、前記原料溶液として、Re(Re=Y、Nd、Sm、Gd又はEuから選択された1種の金属元素を示す。)、Ba及びCuを含む有機金属錯体溶液とBaと親和性の大きいZr、Ce、Sn又はTiから選択された少なくとも1種以上の金属を含む有機金属錯体溶液からなる混合溶液を用い、前記Baのモル比をy<2の範囲内とするとともに、前記超電導体中にZr、Ce、Sn又はTiを含む50nm以下の酸化物粒子を磁束ピンニング点として分散させることを特徴とするRe系酸化物超電導線材の製造方法。 |
| 基板上に、中間層を介して原料溶液を塗布した後、仮焼熱処理を施し、次いで超電導体生成の熱処理を施すことによりReBa y Cu 3 O z 系超電導体を製造する方法において、前記原料溶液として、Re(Re=A 1-x B x の組成を有し、A及びBは、それぞれY、Nd、Sm、Gd又はEuから選択されたいずれか1種以上の異なる元素を示す。)、Ba及びCuを含む有機金属錯体溶液とBaと親和性の大きいZr、Ce、Sn又はTiから選択された少なくとも1種以上の金属を含む有機金属錯体溶液からなる混合溶液を用い、前記Baのモル比をy<2の範囲内とするとともに、前記超電導体中にZr、Ce、Sn又はTiを含む50nm以下の酸化物粒子を磁束ピンニング点として分散させることを特徴とするRe系酸化物超電導線材の製造方法。 |
| 基板上に、中間層を介して原料溶液を塗布した後、仮焼熱処理を施し、次いで超電導体生成の熱処理を施すことによりReBa y Cu 3 O z 系超電導体を製造する方法において、前記原料溶液として、Re(Re=Y 1-x Sm x の組成を元素を示す。)、Ba及びCuを含む有機金属錯体溶液とBaと親和性の大きいZr、Ce、Sn又はTiから選択された少なくとも1種以上の金属を含む有機金属錯体溶液からなる混合溶液を用い、前記Baのモル比をy<2の範囲内とするとともに、前記超電導体中にSmを含む酸化物粒子及びZr、Ce、Sn又はTiを含む50nm以下の酸化物粒子を磁束ピンニング点として分散させることを特徴とするRe系酸化物超電導線材の製造方法。 |
| Baのモル比は1.3<y<1.8の範囲内であることを特徴とする請求項9乃至11いずれか1項記載のRe系酸化物超電導線材の製造方法。 |
| 磁束ピンニング点は、5~30nmのZrを含む酸化物粒子であることを特徴とする請求項9、10及び12いずれか1項記載のRe系酸化物超電導線材の製造方法。 |
| 磁束ピンニング点は、Smを含む酸化物粒子及び5~30nmのZrを含む酸化物粒子であることを特徴とする請求項11記載のRe系酸化物超電導線材の製造方法。 |
| Zrの添加量は、金属濃度で0.5~10モル%であることを特徴とする請求項9乃至14いずれか1項記載のRe系酸化物超電導線材の製造方法。 |
| Zrの添加量は、金属濃度で0.5~5モル%であることを特徴とする請求項15記載のRe系酸化物超電導線材の製造方法。 |
| Reを含む有機金属錯体溶液は、有機溶媒とReを含むトリフルオロ酢酸(TFA)塩、ナフテン酸塩、オクチル酸塩、レブリン酸塩、ネオデカン酸塩のいずれか1種以上を含む混合溶液からなることを特徴とする請求項9乃至16いずれか1項記載のRe系酸化物超電導線材の製造方法。 |
| Baを含む有機金属錯体溶液は、有機溶媒とBaを含むトリフルオロ酢酸(TFA)塩の混合溶液からなることを特徴とする請求項9乃至17いずれか1項記載のRe系酸化物超電導線材の製造方法。 |
| Cuを含む有機金属錯体溶液は、有機溶媒とCuを含むナフテン酸塩、オクチル酸塩、レブリン酸塩、ネオデカン酸塩のいずれか1種以上を含む混合溶液からなることを特徴とする請求項9乃至18いずれか1項記載のRe系酸化物超電導線材の製造方法。 |
| Baと親和性の大きい金属を含む有機金属錯体溶液は、有機溶媒とZrを含むトリフルオロ酢酸(TFA)塩、ナフテン酸塩、オクチル酸塩、レブリン酸塩、ネオデカン酸塩のいずれか1種以上を含む混合溶液からなることを特徴とする請求項9乃至19いずれか1項記載のRe系酸化物超電導線材の製造方法。 |
| Baと親和性の大きい金属を含む有機金属錯体溶液は、有機溶媒とCe、Sn又はTiから選択された少なくとも1種以上の金属を含むトリフルオロ酢酸(TFA)塩、ナフテン酸塩、オクチル酸塩、レブリン酸塩、ネオデカン酸塩のいずれか1種以上を含む混合溶液からなることを特徴とする請求項9乃至12及び17乃至19いずれか1項記載のRe系酸化物超電導線材の製造方法。 |
| 仮焼熱処理は、400~500℃の温度範囲の熱処理により施されることを特徴とする請求項9乃至21いずれか1項記載のRe系酸化物超電導線材の製造方法。 |
| 仮焼熱処理は、水蒸気分圧3~76Torr、酸素分圧300~760Torrの雰囲気中で施されることを特徴とする請求項22記載のRe系酸化物超電導線材の製造方法。 |
| 超電導体生成の熱処理は、700から800℃の温度範囲で施されることを特徴とする請求項9乃至23いずれか1項記載のRe系酸化物超電導線材の製造方法。 |
| 超電導体生成の熱処理は、水蒸気分圧30~100Torr、酸素分圧0.05~1Torrの雰囲気中で施されることを特徴とする請求項24記載のRe系酸化物超電導線材の製造方法。 |
本発明は、超電導マグネット、超電導ケ ブル、電力機器等に有用な酸化物超電導線 及びその製造方法に係り、特に超電導応用 器の中でも超電導マグネット等の磁場下で 用する機器に利用可能な超電導線材及びそ 製造方法の改良に関する。
酸化物超電導体は、その臨界温度(Tc)が液 体窒素温度を超えることから超電導マグネッ ト、超電導ケーブル、電力機器及びデバイス 等への応用が期待されており、多くの研究結 果が報告されている。
酸化物超電導体を上記の分野に適用するた には、臨界電流密度(Jc)が高く、かつ高い臨 界電流値(Ic)を有する長尺の線材を製造する 要があり、一方、長尺線材を得るためには 強度及び可撓性の観点から金属基体上に酸 物超電導体を形成する必要がある。また、Nb 3 SnやNb 3 Al等の金属系超電導体と同等に実用レベルで 用可能とするためには、500A/cm(77K、自己磁 中)程度のIc値が必要である。
また、酸化物超電導体はその結晶方位に り超電導特性が変化することから、Jcを向 させるためには、その面内配向性を向上さ ることが必要であり、酸化物超電導体をテ プ状の基板上に形成する必要がある。この め、面内配向性の高い基板上に酸化物超電 体をエピタキシャル成長させる成膜プロセ が採用されている。
この場合、Jcを向上させるためには、酸 物超電導体のc軸を基板の板面に垂直に配向 せ、かつそのa軸(又はb軸)を基板面に平行に 面内配向させて、超電導状態の量子的結合性 を良好に保持する必要があり、このため、面 内配向性の高い金属基板上に面内配向度と方 位を向上させた中間層を形成し、この中間層 の結晶格子をテンプレートとして用いること によって、超電導層の結晶の面内配向度と方 位を向上させることが行われている。また、 Icを向上させるためには、基板上に形成され 酸化物超電導体の膜厚を厚くする必要があ 。
テープ状のRe系酸化物超電導体、即ち、ReBa 2 Cu 3 O z 系酸化物超電導体(ここでReは、Y、Nd、Sm、Gd Eu,Yb、Pt又はHoから選択された少なくとも1種 上の元素を示す。以下Re系(123)超電導体と称 する。)の製造方法として、MOD法(Metal Organic Deposition Processes:金属有機酸塩堆積法)が知ら ている。
このMOD法は、金属有機酸塩を熱分解させ もので、超電導体を構成する金属成分を含 有機化合物が均一に溶解した溶液を基板上 塗布した後、これを加熱して熱分解させる とにより基板上に薄膜を形成する方法であ 、非真空プロセスであることから低コスト 高速成膜が可能である上、高いJcが得られ ことから、長尺のテープ状酸化物超電導線 の製造に適する利点を有する。
MOD法においては、出発原料である金属有 酸塩を熱分解させると通常アルカリ土類金 (Ba等)の炭酸塩が生成されるが、この炭酸塩 を経由する固相反応による酸化物超電導体の 形成には800℃以上の高温熱処理を必要とする 。更に、厚膜化を行った際、結晶成長のため の核生成が基板界面以外の部分からも生じる ため結晶成長速度を制御することが難しく、 結果として、面内配向性に優れた、即ち、高 いJcを有する超電導膜を得ることが難しいと う問題がある。
MOD法における上記の問題を解決するため 、炭酸塩を経由せずにRe系(123)超電導体を形 成する方法として、フッ素を含む有機酸塩( えば、TFA塩:トリフルオロ酢酸塩)を出発原料 とし、水蒸気雰囲気中の水蒸気分圧の制御下 で熱処理を行い、フッ化物の分解を経由して 超電導体を得る方法が近年精力的に行われて いる。
このTFA塩を出発原料とするMOD法では、塗 膜の仮焼後に得られるフッ素を含むアモル ァス前駆体と水蒸気との反応により、HFガ を発生しつつ超電導膜が成長する界面にHFに 起因する液相を形成することにより基板界面 から超電導体がエピタキシャル成長する。こ の場合、熱処理中の水蒸気分圧によりフッ化 物の分解速度を制御できることから超電導体 の結晶成長速度が制御でき、その結果、優れ た面内配向性を有する超電導膜が製造できる 。また、同法では比較的低温で基板上面から Re系(123)超電導体をエピタキシャル成長させ ことができる。
従来、厚膜化と高速仮焼プロセスを可能 するために、出発原料としてY及びBaのTFA塩 、またCuのナフテン酸塩をY:Ba:Cu=1:2:3のモル で有機溶媒中に混合した溶液を用いること 仮焼プロセスにおけるHFガスの大量発生を 制している。
上述のように、MOD法によりテープ状の酸化 超電導体を製造する場合、実用化のために Ic値を向上させるための厚膜化が必要不可 である。TFA塩を出発原料とするMOD法により の厚膜化を達成するためには、TFA塩を含む 料溶液の粘性を高くして塗布膜を厚くする とが考えられるが、1回当たりの塗布膜厚が くなると、熱処理により分解生成するHF及 CO 2 ガスの発生量が増加するため仮焼時に塗布 が飛散する現象が生じ、結果として高特性 有するテープ状酸化物超電導厚膜を製造す ことは難しい。
超電導厚膜を製造するために、原料の塗 及び仮焼の工程を繰返して行うことで仮焼 を厚膜化する方法が考えられるが、上記の 来技術による仮焼熱処理法では、金属有機 塩の分解速度に影響する仮焼熱処理中の昇 速度が速いためにTFA塩を始めとする金属有 酸塩の分解が不十分であり、仮焼により得 れる酸化物超電導前駆体膜中に溶媒や有機 塩が残存する傾向がある。そのため、その の結晶化熱処理中の昇温時に、残存してい フッ化物等の有機酸塩が急激に分解して膜 に突沸痕や異物、ポアなどが発生する。ま 、仮焼膜が分解してYBCO(Y系(123)超電導体を す。)の結晶を形成する時の体積収縮により に応力が生じ、突沸痕や異物、ポアなどを 点としたクラックが生ずる。
この傾向は、塗布と仮焼熱処理を繰り返 て多層構造の酸化物超電導前駆体膜を形成 て厚膜化する場合に著しくなる。その結果 得られた前駆体厚膜を結晶化し超電導膜を る際にクラックがそのままの状態で残存す ため、通電時の電流経路を阻害してしまう とによりJc特性は著しく低下する。
このような問題を解決するために、仮焼 処理中の昇温速度を制御することにより、 属有機酸塩を十分に分解させ、高いJcと厚 化を達成する方法が知られている(例えば、 許文献1参照。)。
また、基板上に形成した酸化物超電導前 体の熱処理時の仮焼熱処理温度及び/又は結 晶化熱処理雰囲気中の導入ガスの水蒸気分圧 を制御することにより、高配向性と高Jcを有 る厚膜のテープ状酸化物超電導体を製造す 方法が知られている(例えば、特許文献2参 。)。
しかしながら、上記の仮焼熱処理中の昇 速度を制御する方法や仮焼熱処理温度及び/ 又は結晶化熱処理雰囲気中の導入ガスの水蒸 気分圧を制御する方法においては、従来より も厚膜化は達成されるものの、その膜厚は1μ m程度に止まり、結晶化熱処理を改良した方 においても1.5μm程度になるとクラックが発 し、高いJc及びIcを有する厚膜を得ることは 難であった。
その後の研究により、本出願人を構成す 出願人等は、このような厚膜化に伴うJcの 下や予想される値よりも低いIcが、クラック の発生だけでなく結晶粒界の電気的結合性の 低下に起因することを知見し、このようなク ラックの発生及び結晶粒界の電気的結合性の 低下の原因を除去又は抑制することにより、 高いJc及びIcを有する厚膜のテープ状Re系(123) 電導体を製造する方法を先に出願している( 特願2006-226421)。
この方法は、基板上に、Re系(123)超電導体 を構成する金属元素を含む原料溶液を塗布し た後、仮焼熱処理を施し、次いで超電導体生 成の熱処理を施すことによりRe系(123)超電導 を製造する方法において、前記原料溶液中 Re、Ba及びCuのモル比をRe:Ba:Cu=1:y:3としたとき に、Baのモル比をy<2の範囲、例えば、1.0≦y ≦1.8(好ましくは1.3≦y≦1.7)の範囲内に低減す ることにより、Baの偏析を抑制することがで 、その結果、結晶粒界でのBaべ一スの不純 の析出が抑制されることによりクラックの 生が抑制されるとともに結晶粒間の電気的 合性が向上し、超電導膜をMOD法により形成 ることにより、高速で均一な厚膜を有する 電導特性に優れたテープ状Re系(123)超電導体 容易に製造するものである。
しかしながら、上記のTFA―MOD法により製造 たテープ状Re系(123)超電導線材は、溶液の組 成を制御することにより、超電導体の粒界特 性及び結晶性が改善され、自己磁場Jc、即ち 77K、0T(テスラ)におけるJcが向上することが 認されているが、77K、1TにおけるJcは磁場印 加角度依存性の影響を受け、Jc ,min は0.19MA/cm 2 と低く、Jcの磁場印加角度依存性は、Jc ,min /Jc ,max =0.47と異方性を示すため、印加磁場下で使用 る機器に利用するためには、超電導体内に 束ピンニング点を導入する必要がある。
この問題を解決する一つの方法として、基 上にYの一部をSmに置き換えたY 0.77 Sm 0.23 Ba 1.5 Cu 3 O z 超電導体をTFA―MOD法を用いて形成することに より磁束ピンニング点を超電導体内に導入す る方法が試みられた。この方法によれば、超 電導体内にlow-Tc相である粒子状のSmーrich相(Sm 1+x Ba 2-x Cu 3 O z )が磁束ピンニング点として形成され、77K、1T におけるJcの磁場印加角度依存性は改善され Jc ,min /Jc ,max =0.6と約1.3倍に異方性が改善されるが、磁束 ンニング点のサイズが大きいため、未だJcの 磁場印加角度依存性は大きい。
また、S. V. Ghalsaki他により、LaAlO 3
単結晶基板上にYの一部をSmに置き換えたY 0.33
Sm 0.66
Ba 2
Cu 3
O z
超電導体をTFA―MOD法を用いて形成
する際にBaZrO 3
粒子を添加する方法が報告されている(例え
、非特許文献1参照。)。
この方法によれば、磁束ピンニング点を形 するためにBaZrO 3 粒子が添加されるが、膜厚が0.2μm程度と薄い 上、磁束ピンニング点を形成するZr化合物が3 0nm以上と大きい上その分散状態も不均一であ り、異方性による問題を解決するに至ってい ない。
一方、J.GUTIERREZ他により、SrTiO 3 単結晶基板上にYBCO超電導体をTFA―MOD法を用 て形成する際にBaZrO 3 塩を添加する方法が報告されている(例えば 非特許文献2参照。)。
この方法によれば、磁束ピンニング点を形 するためにBaZrO 3 塩が添加されるが、膜厚が同様に0.2μm程度と 薄い上、磁束ピンニング点を形成するZr化合 (BaZrO 3 )が5~数十nm以上と大きい上その分散状態も不 一で、かつ、基板近傍に集中して分散する め、77K、1TにおけるJcの磁場印加角度依存性 は、Jc ,min /Jc ,max =0.66に留まり、同様に異方性による問題を解 するに至っていない。
以上述べたように、印加磁場下で使用する 電導機器応用のためには、超電導線材は、 らゆる磁場印加角度に対して高いJc(Ic)を有 ることが望まれる。例えば、超電導線材に りソレノイドコイルを形成した場合に、コ ルの両端部において基板面(超電導面)に対 て、Jcが低下する角度で磁場が加わるため、 コイルの設計はJc ,min の値によって律速されることになる。このこ とは、高磁場下で使用される超電導変圧器や SMES等への電力機器への応用に対して大きな 題となる。
また、超電導体は印加磁場の増加に伴い 電導体内に侵入する量子化磁束の密度が増 、それらが運動して超電導状態が壊れるこ によりJcが低下する。さらに、上述のよう 、超電導体は、結晶構造に起因してa軸方向 磁場を加えた際のJcよりもc軸方向に磁場印 時のJcが低いという特性を有する。そこで 電導体内における量子化磁束の移動を妨げ ためにあらゆる磁場方向にも有効な等方的 形状のナノサイズの磁束ピンニング点を超 導体内にナノメートル間隔に均一に導入す 必要がある。しかしながら、TFA―MOD法は気 成長と異なり前駆体からの相変態で結晶成 するため、導入した磁束ピンニング点は粗 化し易く、微細人工ピンニング点の導入は しいとされていた。
本発明は、以上の問題を解決するために されたもので、厚膜で粒界特性及び結晶性 優れた超電導体内に均一で微細な磁束ピン ング点を導入することにより、高磁場にお る磁場印加角度依存性に優れたRe系酸化物 電導線材及びその製造方法を提供すること その目的とする。
上記の問題を解決するために、本発明のRe 酸化物超電導線材は、基板上に中間層を介 て形成したReBa y Cu 3 O z 系超電導体において、ReとしてY、Nd、Sm、Gd又 はEuから選択されたいずれか1種の元素を用い 、Baのモル比をy<2の範囲内とするとともに 超電導体中にZrを含む50nm以下の酸化物粒子 磁束ピンニング点として分散させたもので る。
上記のRe系酸化物超電導線材は、基板上に 中間層を介して原料溶液を塗布した後、仮 熱処理を施し、次いで超電導体生成の熱処 を施すことによりReBa y Cu 3 O z 系超電導体を製造する方法において、原料溶 液として、Re(Re=Y、Nd、Sm、Gd又はEuから選択さ れた1種の金属元素を示す。)、Ba及びCuを含む 有機金属錯体溶液とBaと親和性の大きいZr、Ce 、Sn又はTiから選択された少なくとも1種以上 金属を含む有機金属錯体溶液からなる混合 液を用い、Baのモル比をy<2の範囲内とす とともに、超電導体中にZr、Ce、Sn又はTiを含 む50nm以下の酸化物粒子を磁束ピンニング点 して分散させることにより製造することが きる。
また、本発明の他のRe系酸化物超電導線材 、基板上に中間層を介して形成したReBa y Cu 3 O z 系超電導体において、ReをRe=A 1-x B x の組成とし、A及びBは、それぞれY、Nd、Sm、Gd 又はEuから選択されたいずれか1種以上の異な る元素からなり、Baのモル比をy<2の範囲内 するとともに、超電導体中にZrを含む50nm以 の酸化物粒子を磁束ピンニング点として分 させたものである。
上記のRe系酸化物超電導線材は、基板上に 中間層を介して原料溶液を塗布した後、仮 熱処理を施し、次いで超電導体生成の熱処 を施すことによりReBa y Cu 3 O z 系超電導体を製造する方法において、原料溶 液として、Re(Re=A 1-x B x の組成を有し、A及びBは、それぞれY、Nd、Sm Gd又はEuから選択されたいずれか1種以上の異 なる元素を示す。)、Ba及びCuを含む有機金属 体溶液とBaと親和性の大きいZr、Ce、Sn又はTi から選択された少なくとも1種以上の金属を む有機金属錯体溶液からなる混合溶液を用 、Baのモル比をy<2の範囲内とするとともに 、前記超電導体中にZr、Ce、Sn又はTiを含む50nm 以下の酸化物粒子を磁束ピンニング点として 分散させることにより製造することができる 。
上記のRe=A 1-x B x の組成を有するRe系酸化物超電導線材及びそ 製造方法においては、Re=Y 1-x Sm x の組成とすることが好適する。この場合には 、超電導体中にSmを含む酸化物粒子及びZrを む50nm以下の酸化物粒子を磁束ピンニング点 して分散させることができる。
以上述べたRe系酸化物超電導線材及びその 造方法において、Baのモル比を1.3<y<1.8の 範囲内とすることが好ましい。Baのモル比を の標準モル比より小さくすることにより、B aの偏析が抑制され、結晶粒界でのBaべ一スの 不純物の析出が抑制される結果、クラックの 発生が抑制されるとともに、結晶粒間の電気 的結合性が向上して通電電流によって定義さ れるJcが向上する。Baのモル比を低減するこ により、磁束ピンニング点であるY 2 Cu 2 O 5 やCuOが形成され、磁界特性が改善される。
超電導体中に人工的に導入される磁束ピ ニング点として分散するZr、Ce、Sn又はTiを む酸化物粒子は、50nm以下とされるが、特に 5~30nmのZrを含む酸化物粒子であることが好 しい。
この場合、Y 1-x Sm x の組成を用いた場合には、先に述べたように 、超電導体内にlow-Tc相である粒子状のSmーrich 相(Sm 1+x Ba 2-x Cu 3 O z )が磁束ピンニング点として形成され、磁束 ンニング点がSmを含む酸化物粒子及び5~30nmの Zrを含む酸化物粒子により形成される結果、 しくピンニング力が向上する。
人工的に導入される磁束ピンニング点を 成するために添加されるZrの添加量は、金 濃度で0.5~10モル%であることが好ましく、Zr 添加量が0.5モル%未満の場合、酸化物粒子の 度が十分でないため、高磁場で十分なピン ング力が得られず、一方、10モル%を超える 析出物が粗大化して結晶性を低下させる。 に、金属濃度で0.5~5モル%の範囲が好ましい
本発明によれば、Ba濃度を低減したRe系超電 導体において、超電導体中に人工的にZr含有 束ピンニング点を微細分散させることがで 、これにより、Jcの磁場印加角度依存性が さく、かつ、高磁場で高いJcを有する磁場特 性を有するとともに、Jcの磁場印加角度依存 (Jc ,min /Jc ,max )も著しく向上するため、あらゆる磁場印加 度方向に対しても有効に磁束をピンニング ることができる。
図4は、本発明により製造されるRe系酸化 超電導線材の軸方向に垂直な断面を示した ので、テープ状のRe系超電導線材10は、テー プ状の複合基板1の表面にRe系超電導層2及びAg 等からなる安定化層3が形成された断面構造 有する。
上記の複合基板1としては、LaAlO 3 等の単結晶基板上に中間層を形成したものも 用いることができるが、長尺線材の製造には 配向性Ni基板上に中間層を形成したものやIBAD 法(Ion Beam Assisted Deposition)を用いた複合基板 等の多結晶基板を用いることができる。この IBAD複合基板は、非磁性で高強度のテープ状Ni 系基板上(ハステロイC276等)に、このNi系基板 対して斜め方向からイオンを照射しながら ターゲットから発生した粒子を堆積させて 成した高配向性を有し超電導体を構成する 素との反応を抑制する中間層を1層又は2層 けたものである(特開平4-329867号、特開平4-331 795号参照)。
複合基板1は、同図に示すように、Ni基合 等の金属基板1aの上に高配向性の中間層を1 または複数層、例えば、第1中間層1b及び第2 中間層1cを形成した複合基板であることが好 しい。この第1中間層は、バッファ層として の機能を有し、超電導層との反応を抑制して 超電導特性の低下を防止し、一方、第2中間 は、超電導層との整合性を維持するために 置される。
上記の金属基板1a上に2層構造の中間層が形 された複合基板1上に、Re系超電導層2、即ち 、ReBa y Cu 3 O z 系超電導層が形成される。
Re系超電導層2は、MOD法により形成されるが
この原料溶液としては、下記(a)~(b)の混合溶
液を用いることが好ましい。
(a)Reを含む有機金属錯体溶液:Reを含むトリフ
オロ酢酸塩、ナフテン酸塩、オクチル酸塩
レブリン酸塩、ネオデカン酸塩のいずれか1
種以上を含む溶液、特に、Reを含むトリフル
ロ酢酸塩溶液
(b)Baを含む有機金属錯体溶液:Baを含むトリフ
オロ酢酸塩の溶液
(c)Cuを含む有機金属錯体溶液:Cuを含むナフテ
酸塩、オクチル酸塩、レブリン酸塩、ネオ
カン酸塩のいずれか1種以上を含む溶液
(d)Baと親和性の大きい金属を含む有機金属錯
溶液:Zr、Ce、Sn又はTiから選択された少なく
も1種以上の金属を含むトリフルオロ酢酸塩
、ナフテン酸塩、オクチル酸塩、レブリン酸
塩、ネオデカン酸塩のいずれか1種以上を含
溶液
Re系超電導層2は第2中間層1c上に形成され、
蒸気分圧3~76Torr、酸素分圧300~760Torrの雰囲気
中で400~500℃の温度範囲の仮焼熱処理後、水
気分圧30~100Torr、酸素分圧0.05~1Torrの雰囲気中
で700から800℃の温度範囲で超電導体生成の熱
処理を施すことが好ましい。
また、上記の仮焼熱処理と超電導体生成 熱処理との間に超電導体生成の熱処理温度 り低い温度で中間熱処理を施すことが有効 ある。これは、結晶化温度に至る前に仮焼 の残存有機分あるいは剰余フッ化物を排出 てクラックの発生を防止し、厚膜の超電導 を形成するためである(特開2007-165153号参照) 。
このときの知見によれば、TFA塩を出発原 とするMOD法の特徴は、結晶化熱処理におい フッ素を含む前駆体と水蒸気との反応によ 超電導体が生成し、水蒸気分圧により結晶 長速度を制御でき、超電導相の成長速度は 水蒸気分圧が上昇するにつれて増大するが YBCO超電導膜のJcは、臨界水蒸気分圧を超え と超電導膜中のクラックの発生やポアの生 により急激に低下するため、上記の範囲の 件で仮焼熱処理及び超電導体生成の熱処理 施すことが行われる。
一方、結晶化熱処理の際の昇温時の急激 有機分の分解・脱離後に形成されるポアが く荒れた組織が、その後のYBCO相生成に伴う 膜の体積収縮時の局所的な歪み応力の起点と なり、これがクラック発生の原因となるため 、中間熱処理を施すことが行われる。
しかしながら、その後の研究の結果、Jc Icの低下がクラックの発生にのみ起因するも のではなく、また、クラックの発生原因であ る局所的な歪み応力の起点がポアが多く荒れ た組織のみによるものでないことを知見する に至った。
即ち、Re系(123)超電導体を構成する金属元 素のうち、特にBaは仮焼プロセスの条件によ ては、仮焼膜中に均一に分散せずに偏析を じ易く、この偏析を生じた領域ではBaが局 的に過剰となるため、Re系(123)超電導体以外 Ba不純物が形成される。このBa不純物は多く の場合、結晶粒界に析出し、その結果、結晶 粒界に誘電体である不純物が介在することに なり、結晶粒間の電気的結合性を損なわせる 上、クラックの発生を誘発する要因の1つと り、結果としてJcやIcが低下する原因となっ いるものと考えられている。
上述のように、Baのモル比をその標準モ 比より小さくすることにより、Baの偏析が抑 制され、結晶粒界でのBaべ一スの不純物の析 が抑制される結果、クラックの発生が抑制 れるとともに、結晶粒間の電気的結合性が 上して通電電流によって定義されるJcが向 する。
本発明では、TFAーMOD法によるRe系酸化物超 導線材に磁束ピンニング点を導入する手法 して、TFAを含む溶液中にBaと親和性の高いZr 有ナフテン酸塩等を混合する手法が採用さ る。また、その導入量を制御することで、 界偏析によるJc低下の要因の一つであるBaと 結合してBaZrO 3 を形成し、粒内に分散させることにより粒界 特性が改善され、また、超電導体内に形成さ れたBaZrO 3 、ZrO 2 が膜面方向だけでなく、膜厚方向にもナノサ イズ、ナノ間隔に存在しこれらが磁束を有効 にピンニングし、磁場印加角度に対するJcの 方性を著しく改善することが可能となる。 た、BaZrO 3 、ZrO 2 のサイズ、密度及び分散を制御するためには 、Zr含有ナフテン酸塩等の導入量だけでなく 仮焼熱処理時及び結晶化熱処理時の酸素分 、水蒸気分圧、焼成温度の制御により可能 なり、これらの最適化を行うことにより有 な磁束ピンニング点の導入が可能となる。
以下、本発明の実施例について説明する
実施例
基板として、ハステロイテープ上にIBAD法に
よりGd 2
Zr 2
O 7
から成る第1中間層及びPLD法によりCeO 2
からなる第2中間層を順次形成した複合基板
用いた。この場合の第1中間層及び第2中間層
のδφは、それぞれ14及び4.5deg.であった。
一方、Y―TFA塩、Sm-TFA塩、Ba―TFA塩及びCu ナフテン酸塩をY:Sm:Ba:Cuのモル比が0.77:0.23:1.5 :3となるように有機溶媒中に混合し、この混 溶液中にZr含有ナフテン酸塩を金属モル比 1%配合して原料溶液を作製した。
上記の複合基板の第2中間層上に原料溶液 を塗布し、次いで、仮焼熱処理を施した。仮 焼熱処理は、水蒸気分圧16Torrの酸素ガス雰囲 気中で最高加熱温度(Tmax)500℃まで加熱した後 、炉冷することにより施した。
以上の仮焼熱処理の後、超電導体生成の 処理(結晶化熱処理)を施して複合基板上に 電導膜を形成した。この熱処理は、水蒸気 圧76Torr、酸素分圧0.23Torrのアルゴンガス雰囲 気中で760°の温度で保持した後、炉冷するこ により施した。
以上の方法により製造したテープ状Re系 電導体(YSmBCO+BZO)の膜厚は0.8μmであった。
このようにして得られた超電導膜について その磁場印加角度依存性、即ち、c軸に平行 な方向(ab面に垂直)に外部磁場を印加し、そ 値を変化させたときのJc(77K)を測定した。そ 結果を図2に示す。また、この超電導膜につ いて、その磁場印加角度依存性、即ち、1Tの 部磁場を印加し、ab面に対する角度を変化 せたときのJc(77K)を測定した。その結果を図1 に示す。図1において、Jcの磁場印加角度依存 性はJc ,min /Jc ,max =0.91であった。
また、超電導膜に垂直な断面におけるTEM を図3(a)に材料マッピングを同図(b)に示す。
このときの磁束ピンニング点は、Sm 1+x Ba y=2-x Cu 3 O z (low-Tc相)、BaZrO 3 及びZrO 2 であり、約20nm(5~25nm)程度のBaZrO 3 及びZrO 2 が超電導膜の(c軸に平行な)断面内において、 おおよそ50nmの間隔でその膜厚方向に均一に 散していることが確認された。
比較例1
実施例と同様の複合基板を用い、Y―TFA塩、
Sm-TFA塩、Ba―TFA塩及びCuのナフテン酸塩をY:Sm:
Ba:Cuのモル比が0.77:0.23:1.5:3となるように有機
媒中に混合して原料溶液を作製した。
上記の複合基板の第2中間層上に原料溶液 を塗布し、次いで、実施例と同様にして仮焼 熱処理及び超電導体生成の熱処理(結晶化熱 理)を施して複合基板上に超電導膜を形成し 。以上の方法により製造したテープ状Re系 電導体(YSmBCO)の膜厚は0.8μmであった。
このようにして得られた超電導膜について そのJcの磁場依存性を実施例と同様にして 定した。その結果を図2に示した。また、こ 超電導膜について、Jcの磁場印加角度依存 を実施例と同様にして測定した。Jcの磁場印 加角度依存性はJc ,min /Jc ,max =0.6であった。
このときの磁束ピンニング点は、Sm 1+x
Ba y=2-x
Cu 3
O z
(low-Tc相)であり、約100nm程度であった.
比較例2
実施例と同様の複合基板を用い、Y―TFA塩、
Ba―TFA塩及びCuのナフテン酸塩をY:Ba:Cuのモル
が1:1.5:3となるように有機溶媒中に混合して
原料溶液を作製した。
上記の複合基板の第2中間層上に原料溶液 を塗布し、次いで、実施例と同様にして仮焼 熱処理及び超電導体生成の熱処理(結晶化熱 理)を施して複合基板上に超電導膜を形成し 。以上の方法により製造したテープ状Re系 電導体(YBCO)の膜厚は0.8μmであった。
このようにして得られた超電導膜について そのJcの磁場依存性を実施例と同様にして 定した。その結果を図2に示した。また、こ 超電導膜について、Jcの磁場印加角度依存 を実施例と同様にして測定した。その結果 図1に示した。図1において、Jcの磁場印加角 依存性はJc ,min /Jc ,max =0.47であった。
以上の実施例及び比較例の結果から明ら なように、本発明によるテープ状Re系超電 体(YSmBCO+Zr含有酸化物粒)は、Yの一部をSmに置 き換えた比較例1のテープ状Re系超電導体(YSmBC O)及びBa濃度を標準組成よりも低減した比較 2のテープ状Re系超電導体(YBCO)と比較してJcの 磁場依存性が小さく、かつ、高磁場で高いJc 有する磁場特性を示している。
また、c軸に平行な方向(ab面に垂直)に1Tの 外部磁場を印加した場合(77K)、比較例1の(YSmBC O)は比較例2の(YBCO)と比較して1.3倍のJcを有す が、実施例の(YSmBCO+Zr含有酸化物粒)は比較 2の(YBCO)と比較して2.2倍のJcを有する。
更に、実施例の(YSmBCO+Zr含有酸化物粒)の磁 印加角度依存性(Jc ,min /Jc ,max )も、比較例2のYBCO及び比較例1のYSmBCOがそれ れ0.47及び0.6と異方性を示すのに対して0.91と 著しく向上する。
即ち、本発明によれば、Ba濃度を低減したRe 系超電導体において、人工的に磁束ピンニン グ点(BaZrO 3 及びZrO 2 等のZr含有酸化物)を微細分散させることによ り、77K、1TにおいてNbTi合金超電導体に匹敵す るJcを得ることができるとともに、あらゆる 場方向に対しても有効に磁束をピンニング ることができるため、Jc-B-θ特性を向上させ ることができ、等方的Jc特性が得られる。
本発明によれば、非真空で低コストプロ スであるTFA-MOD法に適したRe系酸化物超電導 材の高磁場下におけるJc及び磁場印加角度 対するJcの異方性が著しく向上するため、超 電導マグネット、超電導変圧器、超電導電力 貯蔵装置等の超電導機器への応用が可能であ る。
