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Title:
REAGENT FOR ORGANIC SYNTHESIS REACTION CONTAINING ORGANIC TRIOL BORATE SALT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/093637
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide an organoboron compound-containing reagent for organic synthesis reactions which undergoes no trimerization with dehydration, does not necessitate activation with a base, and is stable and highly active. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] The reagent for organic synthesis reactions contains an organic triol borate salt represented by any of the general formulae (I) to (III) and general formula (XVI): (wherein R1 represents alkyl, alkenyl, etc.; R2 represents optionally substituted alkyl, alkenyl, alkynyl, etc. or represents hydrogen; m+ represents an alkali metal ion, phosphonium ion, or given ammonium ion; M2+ represents an alkaline earth metal; X represents halogen or alkoxide; Y represents an alkali metal ion, etc.; A represents optionally substituted methylene; and n is an integer).

Inventors:
MIYAURA NORIO
YAMAMOTO YASUNORI
Application Number:
PCT/JP2008/051208
Publication Date:
August 07, 2008
Filing Date:
January 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNIV HOKKAIDO NAT UNIV CORP (JP)
MIYAURA NORIO
YAMAMOTO YASUNORI
International Classes:
C07F5/04
Foreign References:
JPH01257043A1989-10-13
Other References:
ROSE M.E. ET AL.: "Negative-ion electrospray and fast atom bombardment mass spectrometry of esters of boron acids", ORGANIC MASS SPECTROMETRY, vol. 27, no. 8, 1992, pages 876 - 882
Attorney, Agent or Firm:
AKAO, Kenichiro et al. (Kyobashi-Nichiei Biru3-4 Kyobashi,3-chome Chuo-ku, Tokyo 31, JP)
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Claims:
下記一般式(I)~(III)及び一般式(XVI)
(式中、R 1 はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はアラルキル基;R 2 は置換基を有していてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロ環基、又は水素原子;R 4 は、置換基を有していてもよい、二価の芳香族炭化水素基又はヘテロ環基;m + はアルカリ金属イオン、ホスホニウムイオン、又は一般式(IV)
(式中、R 3 はアルキル基を表す。)で示されるアンモニウムイオン;M 2+ はアルカリ土類金属イオン、Xはハロゲン又はアルコキシド;Yは、アルカリ金属イオン、ホスホニウムイオン、一般式(IV)で示されるアンモニウムイオン、又は一般式(XVII)
(式中、Mはアルカリ土類金属、Xはハロゲン原子又はアルコキシドを表す。)で示される基;Aは置換基を有していてもよいメチレン基;nはそれぞれ同一又は異なっていてもよい1以上の整数を表す。)で示される有機トリオールボレート塩のうち少なくとも1つを含んでなる有機合成反応用試薬。
 nが1であり、Aがメチレン基である、請求項1に記載の有機合成反応用試薬。
 R 1 がメチル基、エチル基又はtert-ブチル基である、請求項1に記載の有機合成反応用試薬。
 R 4 が、一般式(XVIII)
(式中、R 5 ~R 6 は、夫々独立してアルキル基を示す。)で示される基、フェニレン基又は下記式(XIX)
で示される基である、請求項1に記載の有機合成反応用試薬。
 前記有機合成反応用試薬が用いられる有機合成反応が、炭素-窒素結合形成反応、炭素-酸素結合形成反応又は炭素-硫黄結合形成反応である、請求項1に記載の有機合成反応用試薬。
 前記有機合成反応用試薬が用いられる有機合成反応が、クロスカップリング反応又は付加反応である、請求項1に記載の有機合成反応用試薬。
 請求項1に記載の有機合成反応用試薬を、パラジウム触媒、ニッケル触媒又は銅触媒の存在下で有機ハロゲン化物、アミン、アルコール又はチオアルコール化合物と反応させることを特徴とする、クロスカップリング方法。
 請求項1に記載の有機合成反応用試薬を、ロジウム触媒又はパラジウム触媒の存在下で電子吸引性基置換オレフィン化合物、カルボニル化合物又はイミン化合物と反応させることを特徴とする、付加反応方法。
 下記一般式(I)~(III)及び一般式(XVI)
(式中、R 1 はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はアラルキル基;R 2 は置換基を有していてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基若しくはヘテロ環基、又は水素原子;R 4 は、置換基を有していてもよい、二価の芳香族炭化水素基又はヘテロ環基;m + はアルカリ金属イオン、ホスホニウムイオン又は一般式(IV)
(式中、R 3 はアルキル基を表す。)で示されるアンモニウムイオン;M 2+ はアルカリ土類金属イオン、Xはハロゲン又はアルコキシド;Yは、アルカリ金属イオン、ホスホニウムイオン、一般式(IV)で示されるアンモニウムイオン、又は一般式(XVII)
(式中、Mはアルカリ土類金属、Xはハロゲン原子又はアルコキシドを表す。)で示される基;Aは置換基を有していてもよいメチレン基;nはそれぞれ同一又は異なっていてもよい1以上の整数を表す。)で示される有機トリオールボレート塩のうち少なくとも1つによる有機合成反応用試薬としての使用。
下記一般式(I)~(III)及び一般式(XVI)
(式中、R 1 はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はアラルキル基;R 2 は置換基を有していてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基若しくはヘテロ環基、又は水素原子;R 4 は、置換基を有していてもよい、二価の芳香族炭化水素基又はヘテロ環基;m + はアルカリ金属イオン、ホスホニウムイオン又は一般式(IV)
(式中、R 3 はアルキル基を表す。)で示されるアンモニウムイオン;M 2+ はアルカリ土類金属イオン、Xはハロゲン又はアルコキシド;Yは、アルカリ金属イオン、ホスホニウムイオン、一般式(IV)で示されるアンモニウムイオン、又は一般式(XVII)
(式中、Mはアルカリ土類金属、Xはハロゲン原子又はアルコキシドを表す。)で示される基;Aは置換基を有していてもよいメチレン基;nはそれぞれ同一又は異なっていてもよい1以上の整数を表す。)のうち少なくとも1つで示される有機トリオールボレート塩。
 nが1であり、Aがメチレン基である、請求項10に記載の有機トリオールボレート塩。
 R 1 がメチル基、エチル基又はtert-ブチル基である、請求項10に記載の有機トリオールボレート塩。
 R 2 が、チエニル基、ピリジル基、チオフェニル基、フラニル基及びピロリル基から選ばれるヘテロ環基又はアルキニル基である、請求項10に記載の有機トリオールボレート塩。
 R 4 が、一般式(XVIII)
(式中、R 5 ~R 6 は、夫々独立してアルキル基を示す。)で示される基、フェニレン基又は下記式(XIX)
で示される基である、請求項10に記載の有機トリオールボレート塩。
Description:
有機トリオールボレート塩を含 でなる有機合成反応用試薬

 この発明は、有機合成化学の反応試薬等 用いて好適な有機トリオールボレート塩を んでなる有機合成反応用試薬、それを用い クロスカップリング方法及び付加反応方法 並びに有機合成反応用試薬としての使用、 機トリオールボレート塩に関する。

 有機ホウ素化合物はその取り扱い易さか 有機合成に多用され、現在有機ボロン酸と て300種類以上が流通している。また、新規 有機ホウ素化合物も種々開発されている。

 しかしながら、ボロン酸は容易に脱水反 が起こり、環状無水物を生成し三量化する め純粋なものを得ることが難しい。このた 反応に用いる際に反応物との量論比が定ま ず、ボロン酸を理論量より多量に使用しな ればならず、高価な試薬の場合はコストが かる点が問題となっている。また、公知の ロン酸は一般的に反応性が低く、塩基等に る活性化が必要である等の問題を有してい 。

 そこで、近年、脱水三量化しない有機ボ ン酸エステルや有機トリフルオロボレート リウム塩が開発されている(特許文献3、非 許文献2)。しかしながら、これら有機ホウ素 化合物も反応性が低いため、反応の際に、例 えば塩基を添加する等の活性化処理が必要で ある等の問題を有している。

 また、トリヒドロキシボレート塩やトリ ルコキシボレート塩も検討されている(特許 文献4、非特許文献1)。しかしながら、これら は3個のヒドロキシル基又はアルコキシ基が 立している構造上、解離し易く、安定性に しいため単離が困難である。

 他にも新規な有機ホウ素化合物が各種検討 れているが、これらを有機ボロン試薬とし 使用し得るか否かの検討はされていない(特 許文献1、特許文献2、特許文献5)。
 更に、異なる構造を有する有機トリオール レート塩が開示されている(非特許文献4)。

 更に、一般に塩基水溶液中で行われる有 ボロン酸のクロスカップリング反応ではC-B 合の加水分解が競合的に進行することがあ 、大過剰のボロン酸が必要になることがあ 。このような状況はヘテロ芳香族ボロン酸 顕著であり、特に2-ピリジンボロン酸の加 分解は極めて速く、実用性に乏しいことか 反応に使用された例はほとんどない。

 このような状況下、脱水三量化せず、反 活性も高く、保存安定性もよい新規な有機 ウ素化合物の開発が望まれている。

特開平11-116580号公報

特開2000-212195号公報

カナダ特許第2285578号明細書

国際公開WO2005/105817号パンフレット

米国特許第2909560号明細書 Organic Letters 2006, 8, 4071. Organic Letters 2006, 8, 761. Organic Mass spectrometry 1992, 27, 876. J. Org. Chem., Vol.61, No.17, 1996

 すなわち、本発明は、脱水三量化せず、 基による活性化を必要としない安定かつ高 性な有機ホウ素化合物を含んでなる有機合 反応用試薬の提供を目的とする。

 本発明は、
(1)下記一般式(I)~(III)及び一般式(XVI)
(式中、R 1 はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基 、アリール基又はアラルキル基;R 2 は置換基を有していてもよい、アルキル基、 アルケニル基、アルキニル基、アリール基、 アラルキル基若しくはヘテロ環基、又は水素 原子;R 4 は、置換基を有していてもよい、二価の芳香 族炭化水素基又はヘテロ環基;m + はアルカリ金属イオン、ホスホニウムイオン 又は一般式(IV)
(式中、R 3 はアルキル基を表す。)で示されるアンモニ ムイオン;M 2+ はアルカリ土類金属、Xはハロゲン又はアル キシド;Yは、アルカリ金属イオン、ホスホニ ウムイオン、一般式(IV)で示されるアンモニ ムイオン、又は一般式(XVII)
(式中、Mはアルカリ土類金属、Xはハロゲン原 子又はアルコキシドを表す。)で示される基;A は置換基を有していてもよいメチレン基;nは れぞれ同一又は異なっていてもよい1以上の 整数を表す。)で示される有機トリオールボ ート塩のうち少なくとも1つを含んでなる有 合成反応用試薬である。

(2)又、本発明は、上記(1)に記載の有機合成 反応用試薬を、パラジウム触媒、ニッケル触 媒又は銅触媒の存在下で有機ハロゲン化物、 アミン、アルコール又はチオアルコール化合 物と反応させることを特徴とする、クロスカ ップリング方法である。

(3)又、本発明は、上記(1)に記載の有機合成 反応用試薬を、ロジウム触媒又はパラジウム 触媒の存在下で電子吸引性基置換オレフィン 化合物、カルボニル化合物又はイミン化合物 と反応させることを特徴とする、付加反応方 法である。

(4)又、本発明は、上記一般式(I)~(III)及び一 般式(XVI)で示される有機トリオールボレート のうち少なくとも1つによる有機合成反応用 試薬としての使用、及び

(5)上記一般式(I)~(III)及び一般式(XVI)のうち なくとも1つで示される有機トリオールボレ ート塩、の発明である。

 即ち、発明者等は、上記問題点を解決す く鋭意研究を行った結果、特定構造を有す 有機トリオールボレート塩を用いることに り、例えば炭素-炭素結合形成反応、炭素- 素結合形成反応、炭素-酸素結合形成反応、 素-硫黄結合形成反応等の有機合成反応、具 体的には、例えばクロスカップリング反応、 付加反応等を効率よく行うことができること を見出し、本発明を完成するに至った。

 本発明に係る有機トリオールボレート塩 、脱水三量化しないため、純粋な化合物と て、また、塩基による活性化を必要としな ため、安定かつ高活性な化合物として得る とができる。更に、当該有機トリオーリボ ート塩は、無水有機溶媒中での反応が可能 なるため、これを例えば炭素-炭素結合形成 反応、炭素-窒素結合形成反応、炭素-酸素結 形成反応、炭素-硫黄結合形成反応等の有機 合成反応(特にクロスカップリング反応、付 反応等)用試薬として用いた場合、効率よく 応を行うことができる。特に、従来は、C-B 合が加水分解のため切れやすく、例えばピ ジル化等のカップリング反応用試薬等の有 合成反応用ボロン試薬として用いることが 実上できなかった。例えば2-ピリジンボロ 酸、2-チオフェンボロン酸、2-ピロールボロ 酸、2-フランボロン酸等のヘテロ環ボロン 、2-アルキニルボロン酸等に対応する本発明 の有機トリオールボレート塩を用いれば、効 率よくピリジル化等のクロスカップリング反 応を行うことができるようになる。

 本発明の有機合成反応用試薬は、上記一般 (I)~(III)及び一般式(XVI)で示される有機トリ ールボレート塩のうち少なくとも1つを含ん なるが、上記一般式(I)~(III)及び一般式(XVI) 示される有機トリオールボレート塩のうち2 又は3種を含んで成ってもよく、4種を全て んでもよい。
 一般式(I)~(III)及び一般式(XVI)に於いて、R 1 で示されるアルキル基としては、直鎖状、分 枝状或いは環状でもよく、通常炭素数1~10、 ましくは1~6、より好ましくは1~4のものが挙 られ、具体的には、例えばメチル基、エチ 基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチ 基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチ 基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペ チル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基 2-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、n- キシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基 tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチル ペンチル基、3-メチルペンチル基、1,2-ジメチ ルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1-エチル ブチル基、2-エチルブチル基、n-ヘプチル基 イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプ ル基、ネオヘプチル基、2-メチルヘキシル基 、3-メチルヘキシル基、2,2-ジメチルペンチル 基、3-エチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチ ル基、1-エチル-1-メチルブチル基、1,2,3-トリ チルブチル基、n-オクチル基、イソオクチ 基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオ クチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec- ニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、n-デ ル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デ ル基、ネオデシル基、シクロプロピル基、 クロブチル基、シクロペンチル基、シクロ キシル基、シクロヘプチル基、シクロオク ル基、シクロノニル基、シクロデシル基等 挙げられ、中でも、メチル基、エチル基又 tert-ブチル基が好ましく、就中、メチル基 より好ましい。

 R 1 で示されるアルケニル基としては、直鎖状、 分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素 数2~12、好ましくは2~6のものが挙げられ、具 的には、例えばビニル基、アリル基、1-プロ ペニル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基 2-ブテニル基、3-ブテニル基、2-メチルアリ 基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペ テニル基、4-ペンテニル基、2-メチル-2-ブテ ニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3- ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、2-メチル-2- ンテニル基、1-ヘプテニル基、2-ヘプテニル 、3-ヘプテニル基、4-ヘプテニル基、5-ヘプ ニル基、6-ヘプテニル基、1-オクテニル基、 2-オクテニル基、1-ノネニル基、デセニル基 ウンデセニル基、1-ドデセニル基、2-ドデセ ル基、3-ドデセニル基、4-ドデセニル基、5- デセニル基、6-ドデセニル基、7-ドデセニル 基、8-ドデセニル基、9-ドデセニル基、10-ド セニル基、11-ドデセニル基、1-シクロブテニ ル基、1-シクロペンテニル基、1-シクロヘキ ニル基等が挙げられる。

 R 1 で示されるアルキニル基としては、直鎖状、 分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素 数2~12、好ましくは2~6のものが挙げられ、具 的には、例えばエチニル基、1-プロピニル基 、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル 基、3-ブチニル基、1-メチル-2-プロピニル基 1-ペンチニル基、2-ペンチニル基、3-ペンチ ル基、4-ペンチニル基、1-メチル-3-ブチニル 、1-ヘキシニル基、2-ヘキシニル基、3-ヘキ ニル基、4-ヘキシニル基、5-ヘキシニル基、 2-メチル-4-へプチニル基、1-へプチニル基、2- へプチニル基、3-へプチニル基、4-へプチニ 基、5-へプチニル基、6-へプチニル基、1-オ チニル基、2-オクチニル基、3-オクチニル基 4-オクチニル基、5-オクチニル基、6-オクチ ル基、7-オクチニル基、1-ノニニル基、2-ノ ニル基、3-ノニニル基、4-ノニニル基、5-ノ ニル基、6-ノニニル基、7-ノニニル基、8-ノ ニル基、1-デシニル基、3-デシニル基、5-デ ニル基、7-デシニル基、9-デシニル基、1-ウ デシニル基、3-ウンデシニル基、5-ウンデシ ニル基、7-ウンデシニル基、9-ウンデシニル 、1-ドデシニル基、3-ドデシニル基、5-ドデ ニル基、7-ドデシニル基、9-ドデシニル基、1 1-ドデシニル基等が挙げられる。

 R 1 で示されるアリール基としては、通常炭素数 6~10のものが挙げられ、具体的には、例えば ェニル基、ナフチル基等が挙げられ、中で フェニル基が好ましい。

 これらアリール基は、置換基を通常1~5個 していてもよく、当該置換基としては、例 ばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イ プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec -ブチル基、tert-ブチル基等の炭素数1~4のアル キル基、例えばフェニル基等のアリール基、 例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ ウ素原子等のハロゲン原子、例えばメトキシ カルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プ ポキシカルボニル基、イソプロポキシカル ニル基等の炭素数1~3のアルコキシカルボニ 基、例えばフェノキシ基等のアリールオキ 基等が挙げられる。

 R 1 で示されるアラルキル基としては、通常炭素 数7~12のものが挙げられ、具体的には、例え ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロ ル基、フェニルブチル基、フェニルペンチ 基、フェニルヘキシル基等が挙げられ、中 もベンジル基が好ましい。

 R 2 で示される置換基を有していてもよいアルキ ル基のアルキル基としては、直鎖状、分枝状 或いは環状でもよく、通常炭素数1~20、好ま くは1~10のものが挙げられ、具体的には、例 ばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イ プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec -ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イ ペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル 、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1-エ チルプロピル基、n-ヘキシル基、イソヘキシ 基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオ キシル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペ ンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,2-ジメチ ブチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチ ル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘ プチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基 2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、 2,2-ジメチルペンチル基、3-エチルペンチル基 、2,4-ジメチルペンチル基、1-エチル-1-メチル ブチル基、1,2,3-トリメチルブチル基、n-オク ル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、ter t-オクチル基、ネオオクチル基、n-ノニル基 イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基 ネオノニル基、n-デシル基、イソデシル基、 sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、 n-ウンデシルオキシ基、イソウンデシルオキ 基、sec-ウンデシルオキシ基、tert-ウンデシ オキシ基、ネオウンデシルオキシ基、n-ド シルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec- デシルオキシ基、tert-ドデシルオキシ基、 オドデシルオキシ基、n-トリデシル基、イソ トリデシル基、sec-トリデシル基、tert-トリデ シル基、ネオトリデシル基、n-テトラデシル 、イソテトラデシル基、sec-テトラデシル基 、tert-テトラデシル基、ネオテトラデシル基 n-ペンタデシル基、イソペンタデシル基、se c-ペンタデシル基、tert-ペンタデシル基、ネ ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、イソヘ キサデシル基、sec-ヘキサデシル基、tert-ヘキ サデシル基、ネオヘキサデシル基、n-ヘプタ シル基、イソヘプタデシル基、sec-ヘプタデ シル基、tert-ヘプタデシル基、ネオヘプタデ ル基、n-オクタデシル基、イソオクタデシ 基、sec-オクタデシル基、tert-オクタデシル 、ネオオクタデシル基、n-ノナデシル基、イ ソノナデシル基、sec-ノナデシル基、tert-ノナ デシル基、ネオデシル基、n-イコシル基、イ イコシル基、sec-イコシル基、tert-イコシル 、ネオイコシル基、シクロプロピル基、シ ロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘ シル基、シクロヘプチル基、シクロオクチ 基、シクロノニル基、シクロデシル基、シ ロウンデシルオキシ基、シクロドデシルオ シ基等が挙げられる。

 一般式(I)~(III)に於いて、R 2 で示される置換基を有していてもよいアルケ ニル基のアルケニル基としては、直鎖状、分 枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数 2~20、好ましくは1~10のものが挙げられ、具体 には、例えばビニル基、アリル基、1-プロ ニル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、 2-ブテニル基、3-ブテニル基、2-メチルアリル 基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペン テニル基、4-ペンテニル基、2-メチル-2-ブテ ル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3- キセニル基、5-ヘキセニル基、2-メチル-2-ペ テニル基、1-ヘプテニル基、2-ヘプテニル基 、3-ヘプテニル基、4-ヘプテニル基、5-ヘプテ ニル基、6-ヘプテニル基、1-オクテニル基、2- オクテニル基、1-ノネニル基、デセニル基、 ンデセニル基、1-ドデセニル基、2-ドデセニ ル基、3-ドデセニル基、4-ドデセニル基、5-ド デセニル基、6-ドデセニル基、7-ドデセニル 、8-ドデセニル基、9-ドデセニル基、10-ドデ ニル基、11-ドデセニル基、トリデセニル基 テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘ サデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタ セニル基、ノナデセニル基、イコセニル基 1-シクロブテニル基、1-シクロペンテニル基 、1-シクロヘキセニル基等が挙げられる。

 R 2 で示される置換基を有していてもよいアルキ ニル基のアルキニル基としては、直鎖状又は 分枝状でもよく、通常炭素数2~20、好ましく 2~10のものが挙げられ、具体的には、例えば チニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基 、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基 、1-メチル-2-プロピニル基、1-ペンチニル基 2-ペンチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチ ル基、1-メチル-3-ブチニル基、1-ヘキシニル 、2-ヘキシニル基、3-ヘキシニル基、4-ヘキ ニル基、5-ヘキシニル基、2-メチル-4-へプチ ニル基、1-へプチニル基、2-へプチニル基、3- へプチニル基、4-へプチニル基、5-へプチニ 基、6-へプチニル基、1-オクチニル基、2-オ チニル基、3-オクチニル基、4-オクチニル基 5-オクチニル基、6-オクチニル基、7-オクチ ル基、1-ノニニル基、2-ノニニル基、3-ノニ ル基、4-ノニニル基、5-ノニニル基、6-ノニ ル基、7-ノニニル基、8-ノニニル基、1-デシ ル基、3-デシニル基、5-デシニル基、7-デシ ル基、9-デシニル基、1-ウンデシニル基、3- ンデシニル基、5-ウンデシニル基、7-ウンデ シニル基、9-ウンデシニル基、1-ドデシニル 、3-ドデシニル基、5-ドデシニル基、7-ドデ ニル基、9-ドデシニル基、11-ドデシニル基、 トリデシニル基、テトラデシニル基、ペンタ デシニル基、ヘキサデシニル基、ヘプタデシ ニル基、オクタデシニル基、ノナデシニル基 、イコシニル基等が挙げられる。

 R 2 で示される置換基を有していてもよいアリー ル基のアリール基としては、通常炭素数6~10 ものが挙げられ、具体的には、例えばフェ ル基、ナフチル基等が挙げられる。

 R 2 で示される置換基を有していてもよいアラル キル基のアラルキル基としては、通常炭素数 7~20のものが挙げられ、具体的には、例えば ンジル基、フェネチル基、フェニルプロピ 基、フェニルブチル基、フェニルペンチル 、フェニルヘキシル基、フェニルヘプチル 、フェニルオクチル基、フェニルノニル基 フェニルデシル基、フェニルウンデシル基 フェニルドデシル基、フェニルトリデシル 、フェニルテトラデシル基等が挙げられる

 R 2 で示される置換基を有していてもよいヘテロ 環基のヘテロ環基としては、例えば5員環又 6員環であり、異性原子として1~3個の例えば 素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原 を含んでいるもの等が挙げられ、具体的に 、例えばチオフェニル基、ピリジル基、イ デニル基、フリル基、ピラニル基、イミダ リル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、ピ ミジニル基、ピリダジニル基、ピロリジニ 基、ピロリニル基、イミダゾリニル基、ピ ゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペラジ ル基、モルホリニル基、キヌクリジニル基 ピロリジル-2-オン基、ピペリジル基、ピペ ジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基、 ヌクリジニル基、チアゾリル基、ピロリル 、インドリル基、イミダゾリル基、プリニ 基、キノリル基、ピラニル基、ピラジル基 ピリミジル基、オキサゾリル基、3,4-メチレ ンジオキシフェニル基、2-ベンゾ[b ]チエニ 基、下記に示される基等が挙げられる。

 R 2 で示される置換基を有していてもよいアルキ ル基、アルケニル基、アルキニル基、アリー ル基、アラルキル基及びヘテロ環基の置換基 としては、例えばアルキル基、アルコキシ基 、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン 原、アシル基等が挙げられる。

 置換基として挙げられるアルキル基とし は、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでも く、通常炭素数1~6、好ましくは1~4のものが げられ、具体的には、例えばメチル基、エ ル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブ チル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブ チル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec- ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル 、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキ ル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基等 挙げられる。

 置換基として挙げられるアルコキシ基と ては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れで よく、通常炭素数1~6、好ましくは1~4のもの 挙げられ、具体的には、例えばメトキシ基 エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポ シ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec- トキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキ 基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオ キシ基、tert-ペンチルオキシ基、ネオペンチ オキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキ ルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘ シルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基等が げられる。

 置換基として挙げられるアリール基として 、例えばフェニル基等が挙げられる。
 置換基として挙げられるアリールオキシ基 しては、例えばフェノキシ基等が挙げられ 。

 置換基として挙げられるハロゲン原子と ては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素 子、ヨウ素原子等が挙げられる。

 置換基として挙げられるアシル基として 、通常炭素数2~4のものが挙げられ、具体的 は、例えばアセチル基基、プロピオニル基 ブチリル基、イソブチリル基等が挙げられ 。

 置換基を有するアリール基の具体例とし は、例えばトリル基、キシリル基、メシチ 基、tert-ブチルフェニル基、メトキシフェ ル基、ビフェニル基、ペンタフルオロフェ ル基、メトキシカルボニル基(特にp-メトキ カルボニル基)、フェノキシフェニル基等が げられる。

 これらアラルキル基は、例えばアルコキ 基等の置換基を通常1~5個、好ましくは1~3個 していてもよい。

 置換基として挙げられるアルコキシ基と ては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れで よく、通常炭素数1~4のものが挙げられ、具 的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n -プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキ シ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert- ブトキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブ トキシ基等が挙げられる。

 置換基を有するアラルキル基の具体例と ては、例えばアニシル基(特にm-アニシル基) 等が挙げられる。

 一般式(XVI)に於いて、R 4 で示される置換基を有していてもよい二価の 芳香族炭化水素基の二価の芳香族炭化水素基 としては、例えばアリーレン基、一般式(XVIII )
(式中、R 5 ~R 6 は、夫々独立してアルキル基を示す。)で示 れる基等が挙げられる。

 当該アリーレン基としては、通常炭素数6 ~10のものが挙げられ、具体的には、例えばo- ェニレン基、m-フェニレン基、p-フェニレン 基、1,5-ナフチレン基、1,8-ナフチレン基、2,7- ナフチレン基、2,6-ナフチレン基等が挙げら る。

 一般式(XVIII)に於けるR 5 ~R 6 で示されるアルキル基は、直鎖状、分枝状或 いは環状の何れでもよく、中でも直鎖状又は 分枝状が好ましく、通常炭素数1~15、好まし は1~12のものが挙げられ、具体的には、例え メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ ロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec- チル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソ ンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基 ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1-エチ ルプロピル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル 、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘ シル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペン チル基、1,2-ジメチルブチル基、2,2-ジメチル チル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル 基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプ チル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、2 -メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、2,2 -ジメチルペンチル基、3-エチルペンチル基、 2,4-ジメチルペンチル基、1-エチル-1-メチルブ チル基、1,2,3-トリメチルブチル基、n-オクチ 基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert- クチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキ ル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニ 基、tert-ノニル基、ネオノニル基、n-デシル 、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル 、ネオデシル基、n-ウンデシル基、イソウ デシル基、sec-ウンデシル基、tert-ウンデシ 基、ネオウンデシル基、n-ドデシル基、イソ ドデシル基、sec-ドデシル基、tert-ドデシル基 、ネオドデシル基、n-トリデシル基、イソト デシル基、sec-トリデシル基、tert-トリデシ 基、ネオトリデシル基、n-テトラデシル基 イソテトラデシル基、sec-テトラデシル基、t ert-テトラデシル基、ネオテトラデシル基、n- ペンタデシル基、イソペンタデシル基、sec- ンタデシル基、tert-ペンタデシル基、ネオペ ンタデシル基、シクロプロピル基、シクロブ チル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル 基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、 シクロノニル基、シクロデシル基等が挙げら れる。

 一般式(XVI)に於いて、R 4 で示される置換基を有していてもよい二価の ヘテロ環基のヘテロ環としては、例えば窒素 原子、硫黄原子、酸素原子等のヘテロ原子を 通常1つ以上、好ましくは1~3個、より好まし は1~2個有する5員又は6員のものが挙げられ、 単環又は多環でもよく、具体的には、例えば チオフェン環、フラン環、2H-ピロール環、ピ ロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、 チアゾール環、イソチアゾール環、イソキサ ゾール環、フラザン環等の5員単環系、例え ピラン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリ ジン環、ピリダジン環等の6員単環系、例え ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、イ ドリジン環、イソインドール環、3H-インド ル環、インドール環、1H-インダゾール環、 リン環、ベンゾチオフェン環等の5員と6員 らなる縮合二環系、例えばクロメン環、4H- ノリジン環、イソキノリン環、キノリン環 フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサ ン環、キナゾリン環等の2個の6員からなる縮 合二環系等が挙げられる。

 R 4 で示される置換基を有していてもよい二価の 芳香族炭化水素基又は二価のヘテロ環基の置 換基としては、例えば2,5-ビス(ヘキシロキシ) -1,4-フェニレン基、2,3-ビス[(トリメチルシリ )エチニル]-1,4-フェニレン基、2,5-ジヘキシ -1,4-フェニレン基、2-フェニル-9,10-アントラ ニル基、2-(2-エチルヘキシロキシ)-5-メトキ -1,4-フェニレン基、2-デシロキシ-1,4-フェニ ン基、2,5-(フェニルエチニル)-1,4-フェニレ 基、3,4-ビス[2-(トリメチルシリル)エチニル]- 2,5-チオフェニル基、3-クロロ-2,5-チオフェニ 基、3-ヘキシル-2,5-チオフェニル基等が挙げ られる。

 一般式(I)及び(XVI)に於いて、m + 及びYで示されるアルカリ金属イオンとして 、例えばリチウムイオン、ナトリウムイオ 、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セ ウムイオン等が挙げられ、中でも、例えば チウムイオン、ナトリウムイオン、カリウ イオン等が好ましい。

 m + 及びYで示されるホスホニウムイオンとして 、例えばテトラメチルホスホニウムイオン テトラエチルホスホニウムイオン、テトラ-n -プロピルホスホニウムイオン等の炭素数1~3 アルキルホスホニウムイオン、例えばテト フェニルホスホニウムイオン等のアリール スホニウムイオン等が挙げられる。

 一般式(IV)に於いて、R 3 で示されるアルキル基としては、直鎖状、分 枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数 1~6、好ましくは1~4のものが挙げられ、具体的 には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピ 基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブ ル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げ れ、中でもn-ブチル基が好ましい。

 一般式(IV)で示される3つのR 3 は同一でも異なっていてもよいが、同一のも のが好ましい。

 一般式(II)及び(XVII)に於いて、M 2+ で示されるアルカリ土類金属イオンとしては 、例えばベリリウム、マグネシウム、カルシ ウム、ストロンチウム、バリウムのイオン等 が挙げられ、中でも、例えばマグネシウムイ オン、カルシウムイオン又はバリウムイオン が好ましい。

 Xで示されるハロゲン原子としては、例え ばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素 原子等が挙げられる。

 Xで示されるアルコキシドとしては、直鎖 状又は分枝状の何れでもよく、通常炭素数1~4 のものが挙げられ、具体的には、例えばメト キシド、エトキシド、n-プロポキシド、イソ ロポキシド、n-ブトキシド、イソブトキシ 、sec-ブトキシド、tert-ブトキシド等が挙げ れる。

 一般式(II)及び(XVII)に於いて、MX + の具体例としては、塩化マグネシウムカチオ ン、塩化カルシウムカチオン等が挙げられる 。

 一般式(III)に於いて、M 2+ で示されるアルカリ土類金属イオンとしては 、例えばベリリウムイオン、マグネシウムイ オン、カルシウムイオン、ストロンチウムイ オン、バリウムイオン等が挙げられ、中でも 、マグネシウムイオン、カルシウムイオン又 はバリウムイオンが好ましい。

 一般式(I)~(III)及び(XVI)に於いて、Aで示され 置換基を有していてもよいメチレン基の具 例としては、-CH 2 -、-CH(CH 3 )-、-C(CH 3 ) 2 -等が挙げられ、中でも-CH 2 -(メチレン基)が好ましい。

 3つのnは、夫々同一又は異なっていても く、夫々、通常1~10、好ましくは1又は2であ 。

 (A)nで示されるn個のAは、夫々同一でもよく は異なっていてもよい。即ち、例えば(A) 2 (n=2である)の場合、その具体例としては、例 ばCH 2 CH 2 、CH(CH 3 )CH(CH 3 )、C(CH 3 ) 2 CH 2 、C(CH 3 ) 2 C(CH 3 ) 2 などが挙げられる。

 一般式(I)で示される有機トリオールボレ ト塩の代表例として化合物(1)~(35)を以下に すが、これらに限定されるものではない。

 尚、化合物(1)~(35)のカウンターカチオンを 般式(II)又は(III)で示される化合物に対応す カウンターカチオンに交換したものが、夫 一般式(II)又は(III)で示される化合物の代表 となる。

 一般式(XVI)で示される有機トリオールボレ ト塩の代表例として化合物(36)~(41)を以下に すが、これらに限定されるものではない。

 本発明に係る、一般式(I)~(III)で示される有 トリオールボレート塩の製造方法としては 例えば(1)対応する有機ボロン酸〔R 2 B(OH) 2 (式中、R 2 は前記と同じ)〕と、当該有機ボロン酸に対 て0.1~1.5倍モル、好ましくは0.9~1.1倍モルのト リオール〔R 1 C[(A)nOH] 3 (式中、R 1 、A及びnは前記と同じ。)とを、反応溶媒中、 加熱還流下で反応させ、次いで、当該有機ボ ロン酸に対して0.1~1.5倍モル、好ましくは0.9~1 .0倍モルの、金属水酸化物〔mOH、M(OH) 2 (式中、m及びMは前記したものと同じ)又は金 水素化物〔mH、MH 2 (式中、m及びMは前記したものと同じ。)〕を 応させる方法、(2)一般式(XV)
(式中、R 1 、Aおよびnは前記したものと同じ。)で表され るトリオールボレートと、当該トリオールボ レートの0.1~1.5倍モル、好ましくは0.9~1.1倍モ の、例えばR 2 m、R 2 MX(式中、R 2 、m、M及びXは前記したものと同じ)等の有機 属化合物とを、反応溶媒中で反応させる方 、(3)反応溶媒中、対応する有機リチウム化 物或いは有機マグネシウム化合物とホウ酸 リメチル或いはホウ酸トリイソプロピルと 反応させることにより得られる有機トリア コキシボレートに対して、当該有機トリア コキシボレートの0.1~1.5倍モル、好ましくは0 .9~1.1倍モルのトリオールを反応させる方法等 が挙げられる。

 一般式(XVI)で示される有機トリオールボレ ト塩の製造法としては、例えば(4)対応する 機ボロン酸〔R 4 (B(OH) 2 ) 2 (式中、R 4 は前記したものと同じ)〕と、当該有機ボロ 酸に対して0.1~3倍モル、好ましくは1.8~2.2倍 ルのトリオール〔R 1 C[(A)nOH] 3 (式中、R 1 、A及びnは前記したものと同じ。)とを、反応 溶媒中、加熱還流下で反応させ、次いで、当 該有機ボロン酸に対して1.8~2.0倍モルの金属 酸化物〔mOH、M(OH) 2 (式中、m及びMは前記したものと同じ)又は金 水素化物〔mH、MH 2 (式中、m及びMは前記したものと同じ。)〕を 応させる方法、(5)一般式(VII)で表されるトリ オールボレートと、当該トリオールボレート の0.4~0.5倍モルの、例えばR 4 (m) 2 、R 4 (MX) 2 (式中、R 4 、m、M及びXは前記したものと同じ)等の有機 属化合物とを、反応溶媒中で反応させる方 、(6)反応溶媒中、対応する有機リチウム化 物或いは有機マグネシウム化合物と、ホウ トリメチル或いはホウ酸トリイソプロピル を反応させることにより得られる有機トリ ルコキシボレートに対して、当該有機トリ ルコキシボレートの1.8~2.2倍モルのトリオー を反応させる方法等が挙げられる。

 このように、本発明の有機トリオーリボ ート塩は、従来の有機ボロン酸が脱水三量 するため反応時に理論量以上使用しなけれ ならない等の問題を有することなく、理論 を用いて目的の反応を行うことができるた 、例えば高価な試薬の場合効率よく使用す ことが可能となる。

 上記有機ボロン酸〔R 2 B(OH) 2 〕の具体例としては、例えばメチルボロン酸 、エチルボロン酸、プロピルボロン酸、プロ ペニルボロン酸、イソプロピルボロン酸、ブ チルボロン酸、ブテニルボロン酸、ブチニル ボロン酸、イソブチルボロン酸、sec-ブチル ロン酸、tert-ブチルボロン酸、ペンチルボロ ン酸、ペンテニルボロン酸、イソペンチルボ ロン酸、ネオペンチルボロン酸、ヘキシルボ ロン酸、ヘキセニルボロン酸、ヘキシニルボ ロン酸、ヘプチルボロン酸、オクチルボロン 酸、オクチニルボロン酸、ノニルボロン酸、 デシルボロン酸、シクロプロピルボロン酸、 シクロペンチルボロン酸、シクロヘキシルボ ロン酸、ベンジルボロン酸、フェニルボロン 酸、トリルボロン酸、tert-ブチルフェニルボ ン酸、メトキシフェニルボロン酸、フェノ シフェニルボロン酸、m-アニシルボロン酸 キシリルボロン酸、メシチルボロン酸、フ オロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフ ニルボロン酸、トリフルオロフェニルボロ 酸、アセチルフェニルボロン酸、ビフェニ ボロン酸、チオフェニルボロン酸、ピリジ ボロン酸、インデニルボロン酸、ナフチル ロン酸、フリルボロン酸、チエニルボロン 、3,4-メチレンジオキシフェニルボロン酸、2 -ベンゾ[β]チエニルボロン酸、6-メチル-2-ピ ジンボロン酸、6-メトキシ-3-ピリジンボロン 酸、α-フェニルビニルボロン酸等が挙げられ る。

 上記金属水酸化物〔mOH、M(OH) 2 〕の具体例としては、例えば水酸化リチウム 、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸 化セシウム、水酸化ルビジウム等のアルカリ 金属水酸化物、例えば水酸化マグネシウム、 水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、 水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化 物等が挙げられる。

 上記金属水素化物〔mH、MH 2 〕の具体例としては、例えば水素化リチウム 、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のア ルカリ金属水素化物等が挙げられる。

 一般式(XV)で示されるトリオールボレート の具体例としては、例えば4-メチル-2,6,7-トリ オキサ-1-ボラビシクロ[2,2,2]オクタン、4-エチ ル-2,6,7-トリオキサ-1-ボラビシクロ[2,2,2]オク ン、4-tert-ブチル-2,6,7-トリオキサ-1-ボラ-ビ クロ[2,2,2]オクタン等が挙げられる。

 有機リチウム化合物の具体例としては、 えばメチルリチウム、エチルリチウム、プ ピルリチウム、プロペニルリチウム、イソ ロピルリチウム、ブチルリチウム、ブテニ リチウム、ブチニルリチウム、イソブチル チウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリ ウム、ペンチルリチウム、ペンテニルリチ ム、イソペンチルリチウム、ネオペンチル チウム、ヘキシルリチウム、ヘキセニルリ ウム、ヘキシニルリチウム、ヘプチルリチ ム、オクチルリチウム、ノニルリチウム、 シルリチウム、シクロプロピルリチウム、 クロペンチルリチウム、シクロヘキシルリ ウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウ 、トリルリチウム、m-アニシルリチウム、 シリルリチウム、メシチルリチウム、ペン フルオロフェニルリチウム、ビフェニルリ ウム、チオフェニルリチウム、ピリジルリ ウム、インデニルリチウム、ナフチルリチ ム、フリルリチウムが挙げられる。

 有機マグネシウム化合物の具体例として 、例えば沃化メチルマグネシウム、沃化エ ルマグネシウム、沃化プロピルマグネシウ 、臭化プロペニルマグネシウム、臭化イソ ロピルマグネシウム、臭化ブチルマグネシ 、臭化ブテニルマグネシウム、沃化ブチニ マグネシウム、塩化イソブチルマグネシウ 、塩化sec-ブチルマグネシウム、臭化t-ブチ マグネシウム、臭化ペンチルマグネシウム 臭化ペンテニルマグネシウム、臭化イソペ チルマグネシウム、塩化ネオペンチルマグ シウム、塩化ヘキシルマグネシウム、臭化 キセニルマグネシウム、沃化ヘキシニルマ ネシウム、塩化ヘプチルマグネシウム、塩 オクチルマグネシウム、塩化ノニルマグネ ウム、塩化デシルマグネシウム、臭化シク プロピルマグネシウム、臭化シクロペンチ マグネシウム、臭化シクロヘキシルマグネ ウム、塩化ベンジルマグネシウム、臭化フ ニルマグネシウム、塩化トリルマグネシウ 、塩化m-アニシルマグネシウム、塩化キシ ルマグネシウム、塩化メシチルマグネシウ 、塩化ペンタフルオロフェニルマグネシウ 、塩化ビフェニルマグネシウム、塩化チオ ェニルマグネシウム、臭化ピリジルマグネ ウム、塩化インデニルマグネシウム、塩化 フチルマグネシウム、塩化フリルマグネシ ム等が挙げられる。

 本発明の有機トリオールボレート塩の製 方法(1)~(3)に用いられる反応溶媒としては、 反応原料および反応生成物に対して不活性で あれば特に限定されないが、例えばn-ヘキサ 、n-ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水 類、例えばベンゼン、トルエン、キシレン の芳香族炭化水素類、例えばジエチルエー ル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチ エーテル等のエーテル類等が挙げられる。 れらは単独で用いても、二種以上適宜組み わせて用いてもよい。また、使用する反応 媒やその組合せにより反応の選択性を変え ことができる。

 有機トリオールボレート塩の製造の際の 応温度は、通常-100℃~200℃の範囲から適宜 択すればよいが、例えば上記方法(1)の場合 、好ましくは50~150℃、上記方法(2)の場合は 好ましくは-80~100℃である。

 反応時間は、用いた原料が消費され目的 有機トリオールボレートが生成するまでの 間と同等であれば特に問題ないが、通常3~24 時間である。

 本発明に係る有機トリオールボレート塩 、例えば穏和な温度条件で合成できる、脱 三量化しない、塩基等による活性化を必要 しない等の利点を有しているため、安定か 高活性な有機ホウ素試薬、即ち、炭素-炭素 結合形成反応、炭素-窒素結合形成反応、炭 -酸素結合形成反応、炭素-硫黄結合形成反応 等の有機合成反応(より具体的には、例えば ロスカップリング反応、付加反応等)用試薬 して用いることができる。

 本発明の有機トリオールボレート塩を含 でなる有機合成反応用試薬は、これを反応 として用いた場合、例えばクロスカップリ グ反応、付加反応等の炭素-炭素結合形成反 応、炭素-窒素結合形成反応、炭素-酸素結合 成反応、炭素-硫黄結合形成反応等の全ての 反応に好ましく使用できるが、例えば従来の 有機ボロン酸試薬を用いることができ、パラ ジウム触媒クロスカップリング反応、ロジウ ム触媒付加反応、銅触媒アミノ化反応、銅触 媒エーテル化反応等が具体例として挙げられ る。

 本発明に係る有機合成反応用試薬を用い ことにより、触媒以外の添加剤を必要とせ に円滑に進行させることができる。

 上記各種有機合成反応は、要すれば反応 媒中、本発明に係る有機トリオールボレー 塩と、対応する反応基質とを触媒存在下で 応させればよい。

 当該反応に用いられる触媒としては、例 ば鉄触媒、ルテニウム触媒、オスミウム触 、ニッケル触媒、パラジウム触媒、白金触 、コバルト触媒、ロジウム触媒、イリジウ 触媒、銅触媒、銀触媒、金触媒等が挙げら る。

 鉄触媒としては、鉄原子価が0~3、好まし は3価のものが挙げられる。

 ルテニウム触媒としては、ルテニウム原 の原子価が通常0~2価、好ましくは0価のもの が挙げられる。

 オスミウム触媒としては、オスミウム原 価が通常0~3価、好ましくは2価のものが挙げ られる。

 ニッケル触媒としては、ニッケル原子の 子価が通常0~2価、好ましくは0価のものが挙 げられる。

 パラジウム触媒としては、パラジウム原 価が0~4価、好ましくは0価のものが挙げられ る。

 白金触媒としては、白金原子の原子価が 常0~4価、好ましくは0価のものが挙げられる 。

 コバルト触媒としては、コバルト原子の 子価が通常0又は1価、好ましくは1価のもの 挙げられる。

 ロジウム触媒としては、ロジウム原子の 子価が通常0又は1価、好ましくは0価のもの 挙げられる。

 イリジウム触媒としては、イリジウム原 の原子価が通常0~5価、好ましくは1~3価、よ 好ましくは3価のものが挙げられる。

 銅触媒としては、銅原子の原子価が通常0 ~2価、好ましくは1価のものが挙げられる。

 銀触媒としては、銀原子の原子価が通常0 ~2価、好ましくは1価のものが挙げられる。

 金触媒としては、金原子の原子価が通常0 ~2価、好ましくは1価のものが挙げられる。

 上記した如き触媒は、鉄、ルテニウム、 スミウム、ニッケル、パラジウム、白金、 バルト、ロジウム、イリジウム、銅、銀又 金の金属そのものでも、それら金属の酸化 、ハロゲン化物、酢酸塩でも、或いは配位 が配位しているものでもよく、また、それ 金属、金属酸化物、ハロゲン化物、酢酸塩 いは金属錯体が種々の担体に担持されて成 ものでもよい。以下、担体に担持されてい 触媒を「担体担持金属触媒」、担体に担持 れていない触媒を「金属触媒」と略記する とがある。

 本発明に係る有機合成反応に用いられる触 のうち、配位子が配位していてもよい金属 媒の配位子としては、例えばトリフェニル スフィン(PPh 3 ),1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン(Ph2PCH 2PPh2),1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(P h2PCH2CH2PPh2),1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)プ ロパン(Ph2PCH2CH2CH2PPh2),1,2-ビス(ジフェニルホ フィノ)ブタン(Ph2PCH2CH2CH2CH2PPh2),PMe2Ph、P(OMe)2P h、P(OMe)Ph2、P(OMe)3、PEt2Ph、P(OEt)2Ph、P(OEt)Ph2、P (OEt)3、Me2PCH2CH2CH2PMe2 、1,5-シクロオクタジエ (COD)、ジベンジリデンアセトン(DBA)、ビピリ ジン(BPY)、フェナントロリン(PHE)、ベンゾニ リル(PhCN)、イソシアニド(RNC)、トリエチルア ルシン(As(Et) 3 )、アセチルアセトナト(acac)、ペンタメチル クロペンタジエニル(Cp*)、ジメチルフェニル ホスフィン(P(CH 3 ) 2 Ph),ジフェニルホスフィノフェロセン(DPPF),ト メチルホスフィン(P(CH 3 ) 3 ),トリエチルホスフィン(PEt 3 ),トリtert-ブチルホスフィン(P t Bu 3 ),トリシクロヘキシルホスフィン(PCy 3 ),トリメトキシホスフィン(P(OCH 3 ) 3 ),トリエトキシホスフィン(P(OEt) 3 ),トリtert-ブトキシホスフィン(P(O t Bu) 3 ),トリフェノキシホスフィン(P(OPh) 3 )、トリo-トリルホスフィン(P(o-tolyl) 3 )等の有機ホスフィン配位子、例えば2,2’-ビ リジン、1,5-シクロオクタジエン、ノルボル ナジエン、シクロペンタジエニル配位子(C 5 H 5 )、一酸化炭素、テトラヒドロフラン等が挙 られる。

 パラジウム金属触媒の具体例としては、例 ばPd、例えばPd(OH) 2 等の水酸化パラジウム触媒、例えばPdO等の酸 化パラジウム触媒、例えばPdBr 2 、PdCl 2 、PdI 2 等のハロゲン化パラジウム触媒、例えばパラ ジウムアセテート(Pd(OAc) 2 ),パラジウムトリフルオロアセテート(Pd(OCOCF 3 ) 2 )等のパラジウム酢酸塩触媒、例えばPd(RNC) 2 Cl 2 ,Pd(acac) 2 ,ジアセテートビス(トリフェニルホスフィン) パラジウム[Pd(OAc) 2 (PPh 3 ) 2 ],Pd(PPh 3 ) 4 ,Pd 2 (dba) 3 ,Pd(NH 3 ) 2 Cl 2 ,Pd(CH 3 CN) 2 Cl 2 ,ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム[Pd (PhCN) 2 Cl 2 ],Pd(dppe)Cl 2 ,Pd(dppf)Cl 2 ,Pd[PCy 3 ] 2 Cl 2 ,Pd(PPh 3 ) 2 Cl 2 ,Pd[P(o-tolyl) 3 ] 2 Cl 2 ,Pd(cod) 2 Cl 2 ,Pd(PPh 3 )(CH 3 CN) 2 Cl 2 等の配位子に配位されたパラジウム金属錯体 触媒等が挙げられる。

 白金金属触媒の具体例としては、例えばPt 例えばPtO 2 等の酸化白金触媒、例えばPtCl 4 、PtCl 2 、K 2 PtCl 4 等のハロゲン化白金触媒、例えばPtCl 2 (cod)、PtCl 2 (dba)、PtCl 2 (PCy 3 ) 2 、PtCl 2 (P(OEt) 3 ) 2 、PtCl 2 (P(O t Bu) 3 ) 2 、PtCl 2 (bpy)、PtCl 2 (phe)、Pt(PPh 3 ) 4 、Pt(cod) 2 、Pt(dba) 2 、Pt(bpy) 2 、Pt(phe) 2 等の配位子に配位された白金金属錯体触媒等 が挙げられる。

 ロジウム金属触媒の具体例としては、例え Rh、例えばRhCl(PPh 3 ) 3 、[Rh(coe) 2 Cl] 2 、[Rh(nbd)((R)-binap)]BF 4 等の配位子に配位されたロジウム金属錯体触 媒等が挙げられる。

 イリジウム金属触媒の具体例としては、例 ばIr、例えばIr(cod)(acac)、Cp*Ir(P(CH 3 ) 3 )IrCl 2 等の配位子に配位されたイリジウム金属錯体 触媒等が挙げられる。

 ルテニウム金属触媒の具体例としては、例 ばRu、例えばRuCl 2 (PPh 3 ) 3 等の配位子に配位されたルテニウム金属錯体 触媒等が挙げられる。

 ニッケル金属触媒の具体例としては、例え Ni、例えばNiO等の酸化ニッケル触媒、例え NiCl 2 等のハロゲン化ニッケル触媒、例えばNiCl 2 (dppe)、NiCl 2 (PPh 3 ) 2 、Ni(PPh 3 ) 4 、Ni(P(OPh) 3 ) 4 、Ni(cod) 2 等の配位子に配位されたニッケル金属錯体触 媒等が挙げられる。

 コバルト金属触媒の具体例としては、例え Co(C 3 H 5 ){P(OCH 3 ) 3 } 3 等の配位子に配位されたコバルト金属錯体触 媒等が挙げられる。

 上記した如き金属触媒が、担体に担持され ものである場合の担体としては、例えばカ ボン、アルミナ、シリカゲル、ゼオライト モレキュラーシーブ、イオン交換樹脂、ポ マー等が挙げられる。
 これらの触媒は、単独で用いても二種以上 適宜混合して用いてもよい。

 本発明の有機合成反応に用いる触媒の使 量は、それが担体等に担持されているか否 に拘わらず、反応の基質として用いられる 該有機トリオールボレート塩に対して、通 所謂触媒量、次いで順に好ましく0.01~80重量 %、0.01~50重量%、0.01~20重量%となる量であり、 た、該触媒全体に含まれる触媒金属量が、0 .0005重量%~20重量%となる量である。

 本発明の有機合成反応に於ける反応温度 、通常10℃~300℃、好ましくは20~180℃である

 本発明の有機合成反応に於ける反応時間 、通常30分~100時間、好ましくは1~50時間、よ り好ましくは1~30時間、更に好ましくは3~30時 である。

 本発明に係る、当該有機トリオールボレー 塩を含んでなる有機合成反応用試薬を用い 、パラジウム触媒カップリング反応を行う 合を例にとって説明する。
 即ち、例えば、当該有機トリオールボレー 塩(基質)、該基質に対して0.1~3倍モル、好ま しくは0.5~2倍モルの有機ハロゲン化物及び該 質に対して0.01~80重量%のパラジウム触媒(パ ジウム金属が該基質に対して0.0005~20重量%) 、反応溶媒(触媒に対して1~20000当量、好まし くは10~700当量となる量)に加え、約20℃~200℃ 約30分~100時間撹拌反応させることにより目 物が得られる。

 また、本発明に係る、当該有機トリオール レート塩を含んでなる有機合成反応用試薬 用いて、ロジウム触媒1,4-付加反応を行う場 合を例にとって説明する。
 即ち、例えば、当該有機トリオールボレー 塩(基質)、該基質に対して0.1~3倍モル、好ま しくは0.5~2倍モルの電子吸引性基置換オレフ ン化合物及び該基質に対して0.01~80重量%の ジウム触媒(ロジウム金属が該基質に対して0 .0005~20重量%)を、反応溶媒(触媒に対して1~20000 当量、好ましくは10~700当量となる量)に加え 約20℃~200℃で約30分~100時間撹拌反応させる とにより目的物が得られる。

 更に、本発明に係る、当該有機トリオール レート塩を含んでなる有機合成反応用試薬 用いて、銅触媒アミノ化反応を行う場合を にとって説明する。
 即ち、例えば、当該有機トリオールボレー 塩(基質)、該基質に対して0.1~3倍モル、好ま しくは0.5~2倍モルのアミン化合物及び該基質 対して0.01~80重量%の銅触媒(銅金属が該基質 対して0.0005~20重量%)を、反応溶媒(触媒に対 て1~20000当量、好ましくは10~700当量となる量 )に加え、反応系内を酸素で置換した後、約20 ℃~200℃で約30分~100時間撹拌反応させること より目的物が得られる。

 また、本発明に係る、当該有機トリオー ボレート塩を含んでなる有機合成反応用試 を用いてエーテル化反応を行う場合は、ア ン化合物の代わりに各種アルコールを用い こと以外は、銅触媒アミノ化反応の場合と 様の操作を行うことにより目的物が得られ 。

 更に、本発明に係る、当該有機トリオー ボレート塩を含んでなる有機合成反応用試 を用いてチオエーテル化反応を行う場合は アミン化合物の代わりに各種チオアルコー を用いる以外は、銅触媒アミノ化反応の場 と同様の操作を行うことにより目的物が得 れる。

 即ち、例えば、当該有機トリオールボレ ト塩(基質)、該基質に対して0.1~3倍モル、好 ましくは0.5~2倍モルのアミン化合物及び該基 に対して0.01~80重量%の銅触媒(銅金属が該基 に対して0.0005~20重量%)を、反応溶媒(触媒に して1~20000当量、好ましくは10~700当量となる 量)に加え、反応系内を酸素で置換した後、 20℃~200℃で約30分~100時間撹拌反応させるこ により目的物が得られる。

 本発明の有機トリオールボレート塩を用 て、例えばクロスカップリング反応、1,4-付 加反応等の炭素-炭素結合形成反応、炭素-窒 結合形成反応、炭素-酸素結合形成反応、炭 素-硫黄結合形成反応等を行えば、無水有機 媒中での反応が可能となるため、これを例 ばクロスカップリング反応、1,4-付加反応等 有機合成反応用試薬として用いた場合、効 よく反応を行うことができる。特に、従来 、C-B結合が加水分解のため切れやすく、例 ばピリジル化等のカップリング反応用試薬 して用いることが事実上できなかった。例 ば2-ピリジンボロン酸、2-チオフェンボロン 酸、2-ピロールボロン酸、2-フランボロン酸 のヘテロ環ボロン酸、例えば2-オクチニルボ ロン酸等のアルキニルボロン酸等に対応する 本発明の有機トリオールボレート塩を用いれ ば、効率よくピリジル化等のクロスカップリ ング反応を行うことができるようになる。

 以下、実施例により本発明を詳細に説明す が、本発明はこれにより限定されるもので ない。
 尚、実施例1~36及び実施例46~51は有機トリオ ルボレート塩の合成例を示し、実施例37~45 有機トリオールボレート塩を用いた反応例 示す。

 フェニルボロン酸(100 mmol)と、1,1,1-トリ (ヒドロキシメチル)エタン(100 mmol)のトルエ 溶液(200ml)を4時間加熱還流し酢酸エチルで 出した後、溶媒を留去し得られた固体のト エン溶液に水酸化カリウム(90 mmol)を加え、 らに4時間加熱還流した。これを室温まで冷 却後、濾別し、得られた固体を減圧乾燥した 。生成物の収率は83%であった。生成物はフェ ニルトリオールボレートカリウム塩と同定さ れた(化合物(3)、式(V))。

〔物性データ〕
   1 H-NMR (DMSO-d 6 , 400MHz) δ: 0.47 (s, 3H), 3.56 (s, 6H), 6.88-6.98  (m, 3H), 7.30 (d, J = 6.8 Hz, 2H);  13 C-NMR (DMSO-d 6 , 100MHz) δ:16.5, 73.9, 124.2, 125.7, 132.3;  11 B-NMR (DMSO-d 6 , 128MHz) δ:4.39; MS (m/z) 56(5), 104(100), 148(27),  205(10, M + ); exact mass calcd for C 11 H 14  BO 3 : 205.1036; found 205.1041; anal. calcd for C 11 H 14 BKO 3 : C, 54.12, H, 5.78; found C, 52.76, H, 5.65.

 フェニルボロン酸(100 mmol)と、1,1,1-トリ (ヒドロキシメチル)エタン(120 mmol)のエーテ 溶液(200 ml)と、無水硫酸マグネシウム(20g) を加え、25度で24時間攪拌した。これに水と 酸エチルを加えて抽出し、硫酸マグネシウ で乾燥後、溶媒を留去することにより、フ ニルボロン酸トリオールエステルが得られ 。このエステルのNMRの化学シフトは以下の りである。

〔物性データ〕
   1 H-NMR (DMSO-d 6 , 400MHz) δ: 0.87 (s, 3H), 3.33 (d, J = 4.9 Hz, 2H), 3.75 (d, J = 10.3 Hz, 2H), 3.75 (d, J = 10 .7 Hz, 2H), 4.85 (t, J = 4.9 Hz, 1H), 7.31-7.44 ( m, 3H), 7.68 (d, J = 7.8 Hz, 2H);  13 C-NMR (DMSO-d 6 , 100MHz) δ:17.4, 36.7, 63.1, 67.7, 127.8, 130.9, 1 33.7;  11 B-NMR (DMSO-d 6 , 128MHz) δ:30.1; MS (m/z) 43(14), 57(36), 72(39),  78(16), 91(14), 105(100), 117(55), 122(38), 132(43), 1 51(17), 159(15), 173(35), 188(16), 206(83, M + ); exact mass calcd for C 11 H 15  BO 3 : 206.1114; found 206.1102.
 次に、上記エステルを水素化ナトリウムと に25℃のエーテル中で24時間攪拌し、目的物 が収率90%で得られた。目的物はフェニルトリ オールボレートナトリウム塩と同定された( 合物(2)、式(VI))。目的物のNMRの化学シフトは 以下の通りである。

〔物性データ〕
   1 H-NMR (DMSO-d 6 , 400MHz) δ: 0.47 (s, 3H), 3.57 (s, 6H), 6.88-6.98  (m, 3H), 7.30 (d, J = 6.8 Hz, 2H);  13 C-NMR (DMSO-d 6 , 100MHz) δ:16.5, 34.6, 73.9, 124.2, 125.7, 132.3;  11 B-NMR (DMSO-d 6 , 128MHz) δ:8.84

 トリオールボレート(100 mmol)のTHF溶液(200 ml )にフェニルグリニヤール溶液を-78度で滴下 、そのまま1時間攪拌した。反応混合物を25 まで昇温して1時間攪拌した。抽出後溶媒を 去し得られた個体のトルエン溶液に水酸化 リウム(90 mmol)を加え、さらに4時間加熱還 した。これを室温まで冷却後、濾別し、得 れた固体を減圧乾燥した。生成物の収率は63 %であった。生成物はフェニルトリオールボ ートカリウム塩と同定された(化合物(3)、式( VII))。

 フェニルリチウム(100mmol)のTHF溶液(200ml)に -78度でホウ酸トリメチル(110mmol)を滴下後、-78 度で2時間攪拌した。室温まで昇温後、1,1,1- リス(ヒドロキシメチル)エタン(100mmol)のTHF溶 液(150ml)を加え、そのまま5時間攪拌した。溶 を留去し乾燥すると目的物が得られた(収率 52%、化合物(1)、式(VIII))。

〔物性データ〕
   1 H-NMR (DMSO-d 6 , 400MHz) δ:0.46 (s, 3H), 3.55 (s, 6H), 6.86-6.97  (m, 3H), 7.29 (d, J = 6.4 Hz, 2H);  13 C-NMR (DMSO-d 6 , 100MHz) δ:16.5, 34.7, 74.0, 124.1, 125.6, 132.4;  11 B-NMR (DMSO-d 6 , 128MHz) δ:3.94

 2-ブロモピリジン(100mmol)のTHF溶液(400ml)に- 78度でn-ブチルリチウム-ヘキサン溶液(110mmol) 滴下し、1時間攪拌する。反応混合物にホウ 酸トリイソプロピル(120mmol)を滴下後、-78度で 2時間攪拌した。室温まで昇温後、1,1,1-トリ (ヒドロキシメチル)エタン(100mmol)のTHF溶液(15 0ml)を加え、そのまま5時間攪拌した。溶媒を 去し乾燥すると目的物が得られた(収率82%、 化合物(26)、式(IX))。

〔物性データ〕
   1 H-NMR (DMSO-d 6 , 400MHz) δ: 0.54 (s, 3H), 3.67 (s, 6H), 7.06-7.51  (m, 3H), 8.24 (br s, 2H);  13 C-NMR (DMSO-d 6 , 100MHz) δ:15.9, 73.5, 120.8, 127.8, 134.4, 146.9; 11 B-NMR (DMSO-d 6 , 128MHz) δ:3.25

実施例6~36
 フェニルボロン酸、1,1,1-トリル(ヒドロキシ メチル)エタン又は/及び水酸化カリウムの代 りに表2に記載のものを用いた以外は実施例 1、2及び5の何れかと同様の操作を行うことに より目的物を得た。その結果を表1に併せて す。

 尚、実施例5~25及び27~36により得られる本 明に係る有機トリオールボレート塩の物性 ータは以下の通りである。

化合物(4) 1 H NMR (DMSO-d 6 , 400MHz) δ:0.47 (s, 3H), 3.57 (s, 6H), 6.89-6.99  (m, 3H), 7.30 (d, J = 6.8 Hz, 2H);  13 C NMR (DMSO-d 6 , 100MHz) δ:16.5, 34.6, 73.9, 124.2, 125.8, 132.3;  11 B NMR (DMSO-d 6 , 128MHz) δ:4.23

化合物(5) 1 H NMR (DMSO-d 6 , 400MHz) δ:0.47 (s, 3H), 3.56 (s, 6H), 6.87-6.98  (m, 3H), 7.30 (d, J = 6.8 Hz, 2H);  13 C NMR (DMSO-d 6 , 100MHz) δ:16.5, 34.6, 73.9, 124.2, 125.7, 132.3;  11 B NMR (DMSO-d 6 , 128MHz) δ:4.02

化合物(6) 1 H NMR (DMSO-d 6 , 400MHz) δ:0.46 (s, 3H), 0.92 (t, J = 7.3 Hz, 1 2H), 1.28 (m, 8H), 1.53 (m, 8H), 3.13 (m, 8h), 3.5 6 (s, 6H), 6.87-6.97 (m, 3H), 7.30 (d, J = 6.8 Hz , 2H);  13 C NMR (DMSO-d 6 , 100MHz) δ:13.7, 16.5, 19.4, 23.2, 34.7, 57.6, 73. 7, 124.2, 125.6, 132.4;  11 B NMR (DMSO-d 6 , 128MHz) δ:4.36

化合物(7) 1 H NMR (DMSO-d 6 , 400MHz) δ:0.69 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.93 (q, J  = 7.6 Hz, 2H), 3.56 (s, 6H), 6.86-6.97 (m, 3H),  7.29 (d, J = 7.8 Hz, 2H);  13 C NMR (DMSO-d 6 , 100MHz) δ:8.29, 24.3, 36.7, 71.8, 124.0, 125.6, 1 32.4;  11 B NMR (DMSO-d 6 , 128MHz) δ:4.07

化合物(8) 1 H NMR (DMSO-d 6 , 400MHz) δ:0.70 (t, J = 7.7 Hz, 3H), 0.93 (q, J  = 7.7 Hz, 2H), 3.56 (s, 6H), 6.87-6.97 (m, 3H),  7.29 (d, J = 7.8 Hz, 2H);  13 C NMR (DMSO-d 6 , 100MHz) δ:8.21, 24.3, 35.7, 71.8, 124.1, 125.7, 1 32.3;  11 B NMR (DMSO-d 6 , 128MHz) δ:3.10

化合物(9) 1 H-NMR (DMSO-d 6 , 400MHz) δ:0.69 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.93 (q, J  = 7.6 Hz, 2H), 3.57 (s, 6H), 6.87-6.97 (m, 3H),  7.30 (d, J = 7.8 Hz, 2H);  13 C-NMR (DMSO-d 6 , 100MHz) δ:8.20, 24.2, 36.7, 71.8, 124.2, 125.7, 1 32.3;  11 B NMR (DMSO-d 6 , 128MHz) δ:4.58

化合物(10) 1 H NMR (DMSO-d 6 , 400MHz) δ:0.69 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.93 (q, J  = 7.6 Hz, 2H), 3.57 (s, 6H), 6.87-6.98 (m, 3H),  7.29 (d, J = 6.8 Hz, 2H);  13 C NMR (DMSO-d 6 , 100MHz) δ:8.21, 24.3, 36.7, 71.8, 124.1, 125.7, 1 32.3;  11 B NMR (DMSO-d 6 , 128MHz) δ:3.29

化合物(11) 1 H NMR (DMSO-d 6 , 400MHz) δ:0.70 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.93 (q, J  = 7.6 Hz, 2H), 3.57 (s, 6H), 6.87-6.98 (m, 3H),  7.30 (d, J = 6.8 Hz, 2H);  13 C NMR (DMSO-d 6 , 100MHz) δ:8.21, 24.3, 36.7, 71.8, 124.2, 125.8, 1 32.4;  11 B-NMR (DMSO-d 6 , 128MHz) δ:3.43

化合物(12) 1 H-NMR (DMSO-d 6 , 400MHz) δ:0.69 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.92 (m, 1 4H), 1.29 (m, 8H), 1.54 (m, 8H), 3.14 (m, 8h), 3.5 6 (s, 6H), 6.86-6.96 (m, 3H), 7.29 (d, J = 7.8 Hz , 2H);  13 C-NMR (DMSO-d 6 , 100MHz) δ:8.19, 13.7, 19.4, 23.2, 24.3, 33.9, 57. 7, 71.8, 124.1, 125.6, 132.4;  11 B-NMR (DMSO-d 6 , 128MHz) δ:3.49

化合物(13) 1 H NMR (270 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.46 (s, 3H), 2.16 (s, 3H), 3.55 (s, 6H), 6.7 9 (d, J = 7.3 Hz, 2H,), 7.18 (d, J = 7.8 Hz, 2H ,);  13 C NMR (67.5 MHz, DMSO-d 6 ) δ:16.5, 21.2, 34.6, 73.8, 126.5, 132.2, 132.3; MS  m/z (%): 219 (M + ,15), 218 (5), 191 (5), 149 (7), 148 (100), 147 (5 ), 146 (19); HRMS m/z: calcd. for C 12 H 16 BO 3  219.1198, found 219.1197.

化合物(14) 1 H NMR (400 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.70 (s, 3H), 0.95 (q, J = 5.3 Hz, 2H,), 2.1 7 (s, 3H), 3.58 (s, 6H), 6.80 (d, J =4.9 Hz, 2H,) , 7.21 (d, J = 4.9 Hz, 2H,);  13 C NMR (100 MHz, DMSO-d 6 ) δ:8.17, 21.3, 24.2, 36.7, 71.5, 126.7, 132.4, 132 .5; MS m/z (%): 233 (M + ,100), 232 (26), 195 (36); HRMS m/z: calcd. for C 14 H 14 O 2  233.1349, found 233.1341.

化合物(15) 1 H NMR (270 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.48 (s, 3H), 1.22 (s, 9H), 3.57 (s, 3H), 7.0 2 (d, J = 7.4 Hz, 2H,), 7.24 (d, J = 7.5 Hz, 2H ,);  13 C NMR (67.5 MHz, DMSO-d 6 ) δ:16.5, 31.7, 34.0, 34.6, 73.6, 122.5, 132.1, 146 .2; MS m/z (%): 261 (M + ,19), 260 (5), 246 (4), 233 (15), 232 (5), 168 (9) , 153 (15), 148 (100), 146 (21); HRMS m/z: calcd.  for C 15 H 22 BO 3  261.1668, found 261.1666.

化合物(16) 1 H NMR (270 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.48 (s, 3H), 3.57 (s, 6H), 3.64 (s, 3H), 6.5 7 (d, J = 8.2 Hz, 2H,), 7.22 (d, J = 8.1 Hz, 2H ,);  13 C NMR (67.5 MHz, DMSO-d 6 ) δ:16.5, 34.6, 54.6, 73.8, 111.6, 133.1, 156.9.

化合物(17) 1 H NMR (270 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.49 (s, 3H), 3.61(s, 6H), 6.69 (d, J = 7.8  Hz, 2H,), 6.89 (d, J = 7.9 Hz, 2H,), 7.02 (t, J  = 7.3 Hz, 1H,), 7.37 (m, 4H);  13 C NMR (67.5 MHz, DMSO-d 6 ) δ:16.4, 34.6, 73.9, 117.2, 117.6, 122.3, 129.9, 1 33.7, 153.4, 158.5; MS m/z (%): 297 M + ,1), 287 (1), 276 (2), 275 (14), 269 (20), 183 (95 ), 181 (18).

化合物(18) 1 H NMR (270 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.47 (s, 3H), 3.56 (s, 6H), 5.77 (s, 2H), 6.5 5 (s, 1H), 6.80 (s, 3H);  13 C NMR (67.5 MHz, DMSO-d 6 ) δ:16.4, 34.6, 73.8, 99.1, 106.7, 112.3, 124.8, 14 4.3, 145.5; MS m/z (%): 249 (M + ,6), 248 (2), 192 (4), 148 (100), 146 (18), 195 (1 5), 183 (22), 170 (18); HRMS m/z: calcd. for C 12 H 14 BO 5  249.0940, found 249.0927.

化合物(19) 1 H NMR (400 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.66 (s, 3H), 3.82 (s, 6H), 7.33-7.69 (m, 6H),  8.96 (s, 1H);  13 C NMR (100 MHz, DMSO-d 6 ) δ:16.6, 34.9, 73.9, 122.9, 124.0, 125.0, 127.2, 1 29.3, 132.6, 133.4, 137.7.

化合物(20) 1 H NMR (270 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.47 (s, 3H), 3.56 (s, 6H), 6.70-6.78 (m, 2H),  7.30 (d, J = 7.5 Hz, 2H,);  13 C NMR (67.5 MHz, DMSO-d 6 ) δ:16.5, 34.6, 73.8, 124.4, 126.0, 132.3; MS m/z  (%): 223 (M + ,13), 222 (3), 153 (12), 148 (100), 147 (6), 146 ( 22); HRMS m/z: calcd. for C 11 H 13 BFO 3  223.0934, found 223.0947.

化合物(21) 1 H NMR (270 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.49 (s, 3H), 3.60 (s, 6H), 7.30 (d, J = 7.9  Hz, 2H,), 7.52 (d, J = 7.8 Hz, 2H,);  13 C NMR (67.5 MHz, DMSO-d 6 ) δ:16.3, 34.7, 73.8, 122.13, 122.2, 122.2, 122.3,  123.6, 124.5, 124.9, 125.4, 127.6, 132.7; MS m/z (%) : 273 (M + ,25), 272 (6), 258 (6), 245 (15), 153 (10), 148 (1 00), 146 (24); HRMS m/z: calcd. for C 12 H 13 BF 3 O 3  273.0915, found 273.0919.

化合物(22) 1 H NMR (270 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.49 (s, 3H), 3.61 (s, 6H), 7.20-7.27 (m, 2H),  7.59-7.65 (m, 2H);  13 C NMR (67.5 MHz, DMSO-d 6 ) δ:16.3, 34.8, 73.8, 121.2, 123.9, 126.7, 128.8, 1 36.2; HRMS m/z: calcd. for C 17 H 19 BO 4  273.0915, found 273.0919.

化合物(23) 1 H NMR (270 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.48 (s, 3H), 2.50 (s, 3H), 3.58 (s, 6H), 7.4 4-7.72 (m, 4H)

化合物(24) 1 H NMR (270 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.50 (s, 3H), 3.59 (s, 6H), 6.98 (s, 1H), 7.6 0 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.43 (s, 1H);  13 C NMR (67.5 MHz, DMSO-d 6 ) δ:16.4, 34.7, 73.7, 122.1, 139.5, 145.7, 153.6; M S m/z (%): 206 (M + ,8), 205 (2), 192 (4), 186 (3), 178 (4), 175 (7), 153 (7), 149 (7), 148 (100); HRMS m/z: calcd. for C 10 H 13 BNO 3  298.1376, found 298.1375.

化合物(26) 1 H NMR (270 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.54 (s, 3H), 2.35 (s, 3H), 3.67 (s, 6H), 6.9 1 (d, J = 7.56 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 7.56 Hz, 1 H), 7.40 (t, J = 7.56 Hz, 1H)

化合物(27) 1 H NMR (270 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.46 (s, 3H), 3.54 (s, 6H), 6.81-7.08 (m, 3H) ;  13 C NMR (67.5 MHz, DMSO-d 6 ) δ:16.3, 73.8, 123.5, 126.1, 126.6

化合物(28) 1 H NMR (270 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.49 (s, 3H), 3.59 (s, 6H), 7.36-8.02 (m, 5H)

化合物(29) 1 H NMR (270 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.45 (s, 3H), 3.54 (s, 6H), 6.84-7.03 (m, 3H)

化合物(30) 1 H NMR (400 MHz, DMSO-d 6 ) δ: 0.64 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.82-0.88 (m, 5H) , 1.22 (m, 4H), 1.79-1.84 (m, 2H), 3.44 (s, 6H), 5 .09 (d, J = 18.0 Hz, 1H), 5.33 (dt, J = 18.0, 6. 3 Hz, 1H);  13 C NMR (100MHz, DMSO-d 6 ) δ: 8.13, 14.2, 22.1, 24.2, 31.9, 35.6, 36.5, 71. 4, 133.0;  11 B NMR (128 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.37

化合物(31) 1 H NMR (270 MHz, DMSO-d 6 )δ:0.45 (s, 3H), 3.55 (s, 6H), 5.14 (br s, 2H), 7 .11-7.53 (m, 5H);  13 C NMR (67.5 MHz, DMSO-d 6 ) δ:16.4, 34.6, 73.6, 116.5, 124.4, 126.8, 127.6, 1 47.8

化合物(32) 1 H NMR (270 MHz, DMSO-d 6 ) δ:-0.23 (m, 2H), 0.37 (s, 3H), 0.76 (t, J = 6. 8, 3H), 1.05-1.12 (m, 4H), 3.39 (s, 6H);  13 C NMR (67.5 MHz, DMSO-d 6 ) δ:14.7, 16.6, 26.7, 28.8, 34.2, 73.5

化合物(33) 1 H NMR (270 MHz, DMSO-d 6 ) δ:-0.25 (m, 2H), 0.37 (s, 3H), 0.84 (t, J = 6. 6, 3H), 1.05-1.19 (m, 12H), 3.38 (s, 6H);  13 C NMR (67.5 MHz, DMSO-d 6 ) δ:14.2, 16.6, 22.4, 26.3, 29.2, 29.7, 31.7, 34.1,  34.2, 73.5

化合物(34) 1 H NMR (270 MHz, CDCl 3 /DMSO-d 6 ) δ:0.85 (br s, 6H), 1.05-1.57 (m, 8H), 2.09 (br  s, 2H), 3.51 (br s, 6H)

実施例37
 パラジウム触媒クロスカップリング反応:窒 素中、酢酸パラジウム(3 mol%)、2-ブロモアニ ール(1.0 mmol)とp-トリルトリオールボレート カリウム塩(化合物(13)、1.1 mmol)とをDMF/H 2 O 3 ml (DMF/H 2 O=5/1)に溶解し、25℃で22時間攪拌した。抽出 、カラムクロマトグラフィーで精製し、生 物を得た(式(X),収率98%)。

〔物性データ〕
   1 H-NMR (CDCl 3 , 400MHz) δ: 2.37 (s, 3H),3.76 (s, 3H), 6.93-7.02  (m, 1H), 7.19-7.31 (m, 5H), 7.39-7.44 (m, 2H);  13 C-NMR (CDCl 3 , 100MHz) δ:21.1, 55.4, 111.1, 120.7, 128.3, 128.6, 129.3, 130.7, 135.5, 136.5, 156.4; MS (m/z) 115(6), 128(6), 139(5), 155(16), 167(15), 198(100, M + ); exact mass calcd for C 14 H 14 O: 198.1049; found 198.1045.

実施例38
 ロジウム触媒1,4-付加反応:窒素中、[Rh(nbd)((R )-binap)]BF 4 (3 mol%)存在下、2-シクロヘキセノン(1 mmol)、p -トリルトリオールボレートカリウム塩(化合 (13)、1.5 mmol)をDME/H 2 O(1.9 ml, 18/1)に溶解し、80℃で16時間攪拌した 。抽出後、カラムクロマトグラフィーで精製 し、生成物を得た(式(XI),収率88%、光学異性体 過剰率97%ee)。(nbd:2,5-norbornadiene、(R)-binap:(R)-2,2 '-bis(diphenylphosphino)-1,1'-binaphthyl)

〔物性データ〕
   1 H-NMR (CDCl 3 , 400MHz) δ: 1.70-1.88 (m, 2H), 2.01-2.19 (m, 2H), 2.33 (s, 3H), 2.36-2.60 (m, 4H), 2.97 (tt, J = 11 .6 and 4.0 Hz, 1H), 7.10-7.15 (m, 4H);  13 C-NMR (CDCl 3 , 100MHz) δ: 20.9, 25.5, 32.8, 41.1, 44.3, 49.0, 1 26.4, 129.3, 136.2, 141.4, 211.2; MS (m/z) 77(9), 83 (10), 94(38), 105(19), 118(39), 131(100), 145(26), 173 (5), 188(57, M + ); exact mass calcd for C 13 H 16 O: 188.1201; found 188.1201.

実施例39
 ロジウム触媒1,2-付加反応:窒素中、[Rh(coe) 2 Cl] 2 (1.5 mol%)とジフェニルホスフィノプロパン(dpp p, 3 mol%)をDME/H 2 O(3 ml, 1/1)の溶液に、さらに1-ナフトアルデ ド(1.0 mmol)とp-トリルトリオールボレートカ ウム塩(化合物(13)、1.5 mmol)を系に加えて、2 5℃で16時間攪拌した。抽出後、カラムクロマ トグラフィーで精製し生成物を得た(式(XII), 率89%)。
(coe: cis-cyclooctene)
〔物性データ〕
   1 H-NMR (CDCl 3 , 400MHz) δ: 2.3 (s, 3H), 2.46 (bs, 1H), 6.41 (bs , 1H), 7.08 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 8 .3 Hz, 2H), 7.35-7.46 (m, 3H), 7.60 (d, J = 7.3 H z, 1H), 7.72-7.83 (m, 2H), 7.95 (d, J = 7.8 Hz, 1 H);  13 C-NMR (CDCl 3 , 100MHz) δ: 21.1, 73.3, 123.9, 124.3, 125.3, 125.5 , 126.0, 127.0, 128.3, 128.7, 129.1, 130.6, 133.8, 1 37.3, 138.8, 140.2.

実施例40
 銅触媒アミノ化反応:酸素中、酢酸銅(10 mol% )、p-トリルトリオールボレートカリウム塩( (V),1.5 mmol)、モレキュラーシーブス4A(300 mg) トルエン溶液(6ml)にピペリジン(1.0 mmol)を加 え、25℃で20時間攪拌した。反応混合物をセ イト濾過、濾液を濃縮後、カラムクロマト ラフィーで精製し生成物を得た(式(XIII),収率 95%)。

〔物性データ〕
   1 H-NMR (CDCl 3 , 400MHz) δ: 1.55-1.71 (m, 6H), 2.26 (s, 3H), 3.09  (t, J = 5.12 Hz, 4H), 6.86 (d, J = 8.5 Hz, 2H) , 7.06 (d, J = 8.5 Hz, 2H);  13 C-NMR (CDCl 3 , 100MHz) δ: 20.4, 24.3, 25.9, 51.3, 116.9, 128.7, 129.5, 150.3.

実施例41~45
 2-ピリジンボレートリチウム塩(化合物(26)) パラジウム触媒クロスカップリング反応:窒 中、酢酸パラジウム、配位子、ヨウ化銅、 ロゲン化物(1.0 mmol)と2-ピリジントリオール ボレートリチウム塩(化合物(26)、1.1 mmol)とを DMF 3 mlに溶解し、80~100℃で22時間攪拌した。 抽出後、カラムクロマトグラフィーで精製し 、生成物を得た。その結果を表2に示す。

尚、実施例41~45により得られる化合物の物 データは以下の通りである。

実施例41;2-(4-nitrophenyl)pyridine:  1 H-NMR (CDCl 3 , 270MHz) δ: 7.07 (br s, 1H), 7.54 (br s, 2H), 7 .89 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 8.03 (d, J = 7.1 Hz, 2 H), 8.47 (br s, 1H);  13 C-NMR (CDCl 3 , 67.5MHz) δ: 121.1, 123.4, 123.9, 127.5, 137.0, 14 5.1, 148.0, 145.0, 154.6.

実施例42;1-(4-(pyridin-2-yl)phenyl)ethanone:  1 H-NMR (CDCl 3 , 270MHz) δ: 7.39 (dd, J = 4.8, 7.9 Hz, 1H), 7.6 7 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.90 (dt, J = 2.0, 7.9 H z, 1H), 8.06 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.64 (dd, J = 1.5, 4.8 Hz, 1H), 8.87 (d, J = 2.0 Hz, 1H);  13 C-NMR (CDCl 3 , 67.5MHz) δ: 26.4, 123.4, 126.9, 128.8, 134.2, 135 .0, 136.2, 142.0, 148.0, 149.0, 197.2.

実施例43;2,2'-bipyridine: 1 H-NMR (CDCl 3 , 270MHz) δ: 7.25-7.33 (m, 2H), 7.73-7.85 (m, 2H), 8.40 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 8.69 (d, J = 4.5 Hz, 1H);  13 C-NMR (CDCl 3 , 67.5MHz) δ: 121.1, 123.7, 136.9, 149.1, 156.0.

実施例44;2-(4-methoxyphenyl)pyridine: 1 H-NMR (CDCl 3 , 270MHz) δ: 3.77 (s, 3H), 6.91 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.05-7.10 (m, 1H), 7.56-7.65 (m, 2H), 7.87 (dt , J = 2.4, 6.7 Hz, 2H), 8.56 (d, J = 4.7 Hz, 1H );  13 C-NMR (CDCl 3 , 67.5MHz) δ: 55.3, 114.1, 119.8, 121.3, 128.1, 132 .0, 136.6, 149.5, 157.0, 160.4.

実施例45;2-p-tolylpyridine: 1 H-NMR (CDCl 3 , 270MHz) δ: 2.40 (s, 3H), 7.16-7.21 (m, 1H), 7.27  (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.70-7.71 (m, 2H), 7.89 (d,  J = 8.0 Hz, 2H), 8.67 (d, J = 4.7 Hz, 1H);  13 C-NMR (CDCl 3 , 67.5MHz) δ: 21.2, 120.2, 121.7, 126.7, 129.4, 136 .6, 138.9, 149.5, 157.4.

 本発明に係る有機トリオールボレート塩 用いた有機合成反応を行えば、従来の有機 ロン酸試薬が有する問題である、例えば脱 三量化するため純粋な化合物として単離で ない、反応活性が低いため塩基等による活 化が必要である、塩基水溶液中の反応のた 加水分解が生じやすい、例えばピリジンボ ン酸、チオフェンボロン酸、ピロールボロ 酸、フランボロン酸、アルキニルボロン酸 の構造を有するものについては有機合成反 用試薬として使用できない等の問題点を有 ることなく、安定且つ高活性な求核試薬と て用いることができることが分かった。

 また、実施例18〔化合物(16)〕及び実施例2 5〔化合物(23)〕により得られる本発明に係る 機トリオールボレート塩は、THF/水混合溶媒 中で、130時間経っても分解しないことがわか った。即ち、本発明の有機トリオールボレー ト塩は、保存安定性に優れていることがわか った。

実施例46
 1,4-フェニレンビスボロン酸(60 mmol)と、1,1,1 -トリス(ヒドロキシメチル)エタン(132 mmol)の ルエン溶液(120ml)を3時間加熱還流し酢酸エ ルで抽出した後、溶媒を留去し得られた固 のトルエン溶液に水酸化カリウム(120 mmol)を 加え、さらに4時間加熱還流した。反応終了 、これを室温まで冷却した後、濾別し、得 れた固体を減圧乾燥した。生成物の収率は99 %であった。生成物は1,4-フェニレンビストリ ールボレートカリウム塩と同定された(化合 物(36)、式(XX))。

実施例47~51
 実施例46の1,4-フェニレンビスボロン酸の代 りに表3に記載のものを用いたこと以外は実 施例46と同様の操作を行うことにより目的物 得た。その結果を表3に併せて示す。

 尚、実施例46~51により得られる本発明に る有機トリオールボレート塩の物性データ 以下の通りである。

化合物(36); 1 H NMR (400 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.43 (s, 6H), 3.52 (s, 12H), 6.95 (s, 4H)

化合物(37): 1 H NMR (400 MHz, DMSO-d 6 )δ:0.42 (s, 6H), 3.51 (s, 12H), 6.48 (s, 2H);  13 C NMR (100 MHz, DMSO-d 6 ) δ:16.7, 39.8, 74.1, 127.3

化合物(38); 1 H NMR (400 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.49 (s, 6H), 0.71 (br s, 6H), 0.71-0.74 (m,  4H), 1.00-1.07 (m, 12H), 1.80 (br s, 4H), 3.58 (s, 12H), 7.18-7.24 (m, 6H)

化合物(39); 1 H NMR (400 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.43 (s, 6H), 0.53 (br s, 6H), 0.76-0.79 (m,  4H), 0.97-1.14 (m, 20H), 1.80 (br s, 4H), 3.59 (s, 12H), 7.25-7.45 (m, 6H)

化合物(40); 1 H NMR (400 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.43 (s, 6H), 0.56 (br s, 6H), 0.81-0.85 (m,  4H), 0.97-1.18 (m, 36H), 1.83 (br s, 4H), 3.60 (s, 12H), 7.26-7.31 (m, 6H)

化合物(41); 1 H NMR (400 MHz, DMSO-d 6 ) δ:0.42 0.86 (m, 34H), 1.84 (br s, 4H), 3.60 (s,  12H), 7.31-7.42 (m, 6H)

 本発明に係る、一般式(XVI)で示される有 トリオールボレート塩を用いても、例えば ロスカップリング反応等の炭素-炭素結合形 反応を効率よく行うことができる。