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Title:
RECIPROCAL ENGINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/075054
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a reciprocal engine which can reduce particulates by employing the homogeneous charge compression ignition method and activating initial combustion by means of high pressure ignition. The reciprocal engine comprises a piston (3) which is provided with a cylinder pressure rise relaxing means (11) capable of expanding the volume of a combustion chamber (4) of a cylinder (2) when an internal pressure of the combustion chamber (4) rises over a set level, thereby suppressing sharp rise of internal pressure of the combustion chamber at the initial stage of combustion and lowering the flame temperature. This enables reduction of NOx and prevention of occurrence of knocking, thereby realizing a reciprocal engine with an expanded range of use of the homogeneous charge compression ignition which is conventionally limited to use under low load.

Inventors:
MARUTANI YOICHI (JP)
KURASHINA MAMORU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/003180
Publication Date:
June 18, 2009
Filing Date:
November 05, 2008
Export Citation:
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Assignee:
IHI CORP (JP)
MARUTANI YOICHI (JP)
KURASHINA MAMORU (JP)
International Classes:
F02F3/00; F02B23/00
Foreign References:
JP2001193510A2001-07-17
JPH0921350A1997-01-21
JPH0617665A1994-01-25
Attorney, Agent or Firm:
patent firm YAMADA PATENT OFFICE (5-3 Uchikanda 3-chome, Chiyoda-k, Tokyo 47, JP)
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Claims:
 シリンダの燃焼室内で燃料を燃焼させることにより、ピストンを往復運動させるレシプロエンジンにおいて、
  シリンダの燃焼室内圧が設定圧を超えて上昇した際に燃焼室容積を拡張可能な筒内圧上昇緩和手段をピストンに具備したレシプロエンジン。
 前記筒内圧上昇緩和手段を、
  クランクシャフトに対しコンロッドを介してピストンピンにより連結されるインナーピストンと、
  該インナーピストンに対し燃焼室容積を拡張する方向へ変位可能となるよう外嵌され且つ前記シリンダの燃焼室内に往復運動可能となるよう嵌入されるアウターピストンと、
  前記インナーピストンとアウターピストンとの間に介装され且つ前記シリンダの燃焼室内圧が設定圧を超えて上昇した際に収縮して前記アウターピストンをインナーピストンに対し燃焼室容積を拡張する方向へ変位させる弾性部材と
  から構成した請求項1記載のレシプロエンジン。 
Description:
レシプロエンジン

 本発明は、レシプロエンジンに関するも である。

 一般に、レシプロエンジン(Reciprocating eng ine)は、往復動機関或いはピストンエンジン とも称される内燃機関であって、シリンダ 燃焼室内での燃料の燃焼による熱エネルギ を作動流体の圧力として先ずピストンの往 運動に変換し、次いでその往復運動をコン ッドを介してクランクシャフトへ伝えるこ により回転運動の力学的エネルギーとして り出す原動機であり、自動車用エンジンは とより、自動車以外の発電機や航空機等に 広く用いられている。

 近年、レシプロエンジンでも特にディー ルエンジンの場合、燃料を高圧で且つピス ン行程における上死点より早期に噴射する とにより燃料と空気を予混合し、該混合気 圧縮して高温にし自己着火させ一気に燃焼 せる、いわゆる予混合圧縮着火方式が注目 れている。

 尚、回転速度に応じて圧縮比を変化させる うにしたレシプロエンジンの一般的技術水 を示すものとしては、例えば、特許文献1が ある。

特開平9-228858号公報

 前記予混合圧縮着火方式においては、高 噴射により初期の燃焼を活発化させると、 ティキュレート(Particulate Matter:粒子状物質) は低減できる反面、燃焼室内圧が急激に上昇 する結果、火炎温度が上がり、NOxが増加する と共に、ノッキングが発生してエンジンに悪 影響を及ぼす虞があるため、その使用範囲が ノッキングの発生しない低負荷時にのみ限定 されていた。

 尚、特許文献1に開示されたレシプロエン ジンの場合、クランクシャフトにブリッジを 取り付け、該ブリッジの一端にピストンのコ ンロッドを連結し、ブリッジ他端に所定の軸 を中心として揺動する揺動アーム端を連結し 、該軸を偏心軸としてその位置を変化させる ことにより、低速回転域ではピストンの上死 点の位置を上げ圧縮比を高めて安定した着火 燃焼を行い、高速域では上死点を下げ圧縮比 を低くして充分な吸気量を確保できるように しているが、このような構造では、燃焼室内 圧の急激な上昇に対処することは困難となっ ていた。

 本発明は、斯かる実情に鑑み、予混合圧 着火方式を採用し高圧噴射にて初期の燃焼 活発化させることにより、パティキュレー を低減でき、且つ燃焼初期の燃焼室内圧の 激な上昇を抑制して火炎温度を下げ、NOxの 減並びにノッキングの発生防止を図ること でき、これまで低負荷時にのみ限定されて た予混合圧縮着火の使用範囲を拡張し得る シプロエンジンを提供しようとするもので る。

 本発明は、シリンダの燃焼室内で燃料を燃 させることにより、ピストンを往復運動さ るレシプロエンジンにおいて、
  シリンダの燃焼室内圧が設定圧を超えて 昇した際に燃焼室容積を拡張可能な筒内圧 昇緩和手段をピストンに具備したレシプロ ンジンにかかるものである。

 上記手段によれば、以下のような作用が られる。

 予混合圧縮着火方式を採用して、高圧噴 により初期の燃焼を活発化させると、パテ キュレートが低減されると共に、燃焼室内 が設定圧を超えて上昇した際には、ピスト に具備した筒内圧上昇緩和手段により燃焼 容積が拡張されるため、燃焼初期の燃焼室 圧の急激な上昇が抑制されて火炎温度が下 り、NOxが増加しにくくなると共に、ノッキ グが発生せず、エンジンに悪影響を及ぼす がなくなり、その使用範囲がノッキングの 生しない低負荷時にのみ限定されず、高負 時においても予混合圧縮着火方式の使用が 能となる。

 前記レシプロエンジンにおいては、前記筒 圧上昇緩和手段を、
  クランクシャフトに対しコンロッドを介 てピストンピンにより連結されるインナー ストンと、
  該インナーピストンに対し燃焼室容積を 張する方向へ変位可能となるよう外嵌され つ前記シリンダの燃焼室内に往復運動可能 なるよう嵌入されるアウターピストンと、
  前記インナーピストンとアウターピスト との間に介装され且つ前記シリンダの燃焼 内圧が設定圧を超えて上昇した際に収縮し 前記アウターピストンをインナーピストン 対し燃焼室容積を拡張する方向へ変位させ 弾性部材と
  から構成することができ、このようにす と、前記シリンダの燃焼室内圧が設定圧以 であれば、アウターピストンは弾性部材の 勢力にてインナーピストンに対し燃焼室容 を拡張する方向へ変位しないが、前記シリ ダの燃焼室内圧が設定圧を超えて上昇した には、前記アウターピストンが弾性部材の 勢力に抗してインナーピストンに対し燃焼 容積を拡張する方向へ変位する形となり、 焼室内圧の上昇が抑制される。

 本発明のレシプロエンジンによれば、予 合圧縮着火方式を採用し高圧噴射にて初期 燃焼を活発化させることにより、パティキ レートを低減でき、且つ燃焼初期の燃焼室 圧の急激な上昇を抑制して火炎温度を下げ NOxの低減並びにノッキングの発生防止を図 ことができ、これまで低負荷時にのみ限定 れていた予混合圧縮着火の使用範囲を拡張 得るという優れた効果を奏し得る。

本発明の一実施例を示す概要断面図で る。 本発明の一実施例におけるクランク角 燃焼室内圧との関係を示す線図である。

符号の説明

  1    ディーゼルエンジン(レシプロエン ン)
  2    シリンダ
  3    ピストン
  3a  インナーピストン
  3b  アウターピストン
  4    燃焼室
  5    シリンダヘッド
 11    筒内圧上昇緩和手段
 12    クランクシャフト
 13    コンロッド
 14    ピストンピン
 15    弾性部材

 以下、本発明の実施例を図面を参照して説 する。
 図1及び図2は本発明の一実施例であって、 中、1はレシプロエンジンとしてのディーゼ エンジン、2はディーゼルエンジン1のシリ ダ、3はシリンダ2内に摺動自在に嵌挿された ピストン、4はシリンダ2内におけるピストン3 の頂面側に形成される燃焼室、5はシリンダ2 上部に設けられたシリンダヘッド、6はシリ ンダヘッド5に設けられ且つ燃料噴射ポンプ( 示せず)から圧送される燃料を燃焼室4内に 射する燃料噴射弁、7はシリンダヘッド5に形 成された吸気ポート、8は吸気ポート7を開閉 る吸気バルブ、9はシリンダヘッド5に形成 れた排気ポート、10は排気ポート9を開閉す 排気バルブであり、シリンダ2の燃焼室4内圧 が設定圧を超えて上昇した際に燃焼室4容積 拡張可能な筒内圧上昇緩和手段11をピストン 3に具備するよう構成したものである。

 本実施例の場合、ピストン3を、クランク シャフト12に対しコンロッド13を介してピス ンピン14により連結されるインナーピストン 3aと、該インナーピストン3aに対し燃焼室4容 を拡張する方向へ変位可能となるよう外嵌 れ且つ前記シリンダ2の燃焼室4内に往復運 可能となるよう嵌入されるアウターピスト 3bとに分割し、前記インナーピストン3aとア ターピストン3bとの間に、前記シリンダ2の 焼室4内圧が設定圧を超えて上昇した際に収 縮して前記アウターピストン3bをインナーピ トン3aに対し燃焼室4容積を拡張する方向へ 位させる弾性部材15を介装することにより 前記筒内圧上昇緩和手段11を構成してある。

 前記弾性部材15は、図1の例では圧縮コイ スプリングとしているが、板バネ、或いは 熱性を有するゴムや合成樹脂等の所望の弾 係数を有する部材を採用することもできる

 次に、上記実施例の作用を説明する。

 ディーゼルエンジン1の運転時において、 シリンダ2の燃焼室4内圧が設定圧以下であれ 、筒内圧上昇緩和手段11を構成するアウタ ピストン3bは弾性部材15の付勢力にてインナ ピストン3aに対し燃焼室4容積を拡張する方 へ変位しないが(図1の実線参照)、前記シリ ダ2の燃焼室4内圧が設定圧を超えて上昇し 際には、前記アウターピストン3bが弾性部材 15の付勢力に抗してインナーピストン3aに対 燃焼室4容積を拡張する方向へ変位する形と り(図1の仮想線参照)、燃焼室4内圧の上昇が 抑制される。

 即ち、仮に前記筒内圧上昇緩和手段11が い場合には、あるクランク角に対する燃焼 4内圧が、図2の実線に示す如く、跳ね上がっ てしまうのに対し、前記筒内圧上昇緩和手段 11をピストン3に具備したことにより、図2の 想線に示す如く、あるクランク角に対する 焼室4内圧の上昇を抑えることが可能となる

 この結果、予混合圧縮着火方式を採用し 、高圧噴射により初期の燃焼を活発化させ と、パティキュレートが低減されると共に 燃焼室4内圧が設定圧を超えて上昇した際に は、ピストン3に具備した筒内圧上昇緩和手 11により燃焼室4容積が拡張されるため、燃 初期の燃焼室4内圧の急激な上昇が抑制され 火炎温度が下がり、NOxが増加しにくくなる 共に、ノッキングが発生せず、エンジンに 影響を及ぼす虞がなくなり、その使用範囲 ノッキングの発生しない低負荷時にのみ限 されず、高負荷時においても予混合圧縮着 方式の使用が可能となる。

 こうして、予混合圧縮着火方式を採用し高 噴射にて初期の燃焼を活発化させることに り、パティキュレートを低減でき、且つ燃 初期の燃焼室4内圧の急激な上昇を抑制して 火炎温度を下げ、NOxの低減並びにノッキング の発生防止を図ることができ、これまで低負 荷時にのみ限定されていた予混合圧縮着火の 使用範囲を拡張し得る。
 尚、本発明のレシプロエンジンは、上述の 施例にのみ限定されるものではなく、本発 の要旨を逸脱しない範囲内において種々変 を加え得ることは勿論である。