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Title:
RECIPROCATING ENGINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/066400
Kind Code:
A1
Abstract:
A reciprocating engine (1) includes a piston (2) having a piston upper body (8) that has an upper surface (3) for receiving combustion/expansion gas pressure and also has a land section (7) provided with piston ring grooves (4, 5, 6); a skirt section (9) formed below the piston upper body (8); and a piston boss section (11) for supporting a piston pin (10). The piston upper body (8) is formed eccentric to the anti-thrust side (13) relative to the center line (14) of the piston (2).

Inventors:
BANDO SHIGERU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000075
Publication Date:
May 28, 2009
Filing Date:
January 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BANDO KIKO CO (JP)
BANDO SHIGERU (JP)
International Classes:
F02F3/00
Foreign References:
JPH06346788A1994-12-20
JPH04347352A1992-12-02
Attorney, Agent or Firm:
TAKADA, Takeshi (Hanabusa Building 12-6, Minamiaoyama 5-chome, Minato-k, Tokyo 62, JP)
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Claims:
 燃焼・膨張ガス圧力を受けるピストンの上面とピストンリングを装着したランド部とからなるピストン上部体と、このピストン上部体の下部に形成されたスカート部とを備えたピストンにおいて、上記ピストン上部体がピストン中心線に対して反スラスト側に偏心して形成され、反スラスト側において、ピストン上部体の外周面とスカート部の最大径部の外周面とが垂直線上にそろえて形成され、ピストンがシリンダに直立姿勢に収められた状態で、反スラスト側においてピストン上部体の外周面とスカート部の最大径部の外周面とがシリンダの内面に添い当り状態となり、かつ、スラスト側においてピストン上部体の外周面とシリンダの内面との間に隙間が形成され、ピストン上部体の外周面に配置された第1ピストンリングは、ピストン上面からの距離が反スラスト側からスラスト側に向かって次第に長くなるように、傾斜して配置され、トップランドがスラスト側で広く、反スラスト側に向かって次第に狭く形成されており、上死点、また上死点近傍において、ピストンの上方高圧ガスを、反スラスト側のトップランドに回り込ませにくくすると共に、スラスト側のトップランドに主に作用させて、ピストンをスラスト側から支持し、かつ、反スラスト側においてピストン上部体の外周面とスカート部がシリンダ内面に接して爆発、膨張行程を下降するようにした往復動エンジン。
Description:
往復動エンジン

 本発明は、爆発、膨張行程において、コ ロッドの傾きによりピストンに働くスラス 力(側圧)に対抗して、ピストン上方の高圧 スによりピストンをスラスト側から反スラ ト側に向かって支持することにより、スラ ト側におけるピストンとシリンダとのフリ ションロスの低減を図った往復動エンジン 関する。

 本発明は、ピストンを、そのピストン上 部の外周面におけるトップランドにおいて ガス圧によりピストンを支持するようにし 往復動エンジンに関する。

 更に、本発明は、ピストンの上面に近い ップリングを傾斜して設け、トップランド スラスト側で広く、反スラスト側で狭くし ピストンを組込んだ往復動エンジンの改良 係る。

 もちろん、本発明は、4サイクルガソリン エンジン、2サイクルガソリンエンジン、デ ーゼルエンジンとして使用できる往復動エ ジンである。

国際公開第WO92/02722号パンフレット

 この特許文献1に記載の技術においては、 ピストンのトップリングが、傾斜して設けら れている。そして、このトップリングは、ピ ストンの上面からの距離が、反スラスト側で 短く、スラスト側で長く、反スラスト側から スラスト側に向って次第に長くなるように配 置されている。従って、ピストン上面とトッ プリングとの間の外周面、つまり、トップラ ンドはスラスト側で広く、反スラスト側で狭 くなっている。

 上記の構成になるピストンを組込んだ従 の往復動エンジンは、爆発、膨張行程で、 ストン上方の爆発・膨張の高圧ガスをトッ ランドのスラスト側に主に作用させ、ピス ンに働くスラスト力(側圧)に対抗してピス ンをスラスト側から反スラスト側に向かっ 、支持し、スラスト側でのピストンとシリ ダとの摺動摩擦抵抗の低減を図ったもので る。

 ところで、往復動エンジンのピストン上 体の径は、スカート部の最大径部に比べ小 く、ピストン全体として台形状になってい 。即ち、ピストン上部体はシリンダ内径に して隙間(クリアランス)をもってシリンダ 組込まれている。即ち、ピストンのピスト 上部体は、スラスト側及び反スラスト側の 方において、シリンダ内面との間に必ず隙 が存在する。

 このため、従来の技術のように、トップ ング上方のトップランドをスラスト側で広 、反スラスト側で狭くし、高圧ガスを、主 トップランドのスラスト側に作用させるこ によりピストンを支持しても、上死点での ストンの揺動現象は変わりない。即ち、上 隙間の存在のため、機関運転中、特に、上 点での反転時、モーメント荷重、スラスト によりピストンは首振り、揺動を起す。ピ トンのピストン上部体及びスカート部がシ ンダに衝突する。このためピストンとシリ ダ、ピストンリングとシリンダ、ピストン ングとピストンリング溝との間でフリクシ ンロスを生じさせている。また、ピストン 振れにより、ブローバイガスの発生を起こ ている。

 そこで、本発明は、機関運転中、ピスト の首振り、揺動、横揺れ等ピストンの振れ 抑え、ピストンとシリンダ、ピストンリン とピストン溝とのフリクションロスの低減 ブローバイガスの発生の低減を図ると共に ピストン上部体の効果的な冷却、混合ガス 燃焼速度が高められる往復動エンジンの提 を図ったものである。

 以下、トップリングを第1ピストンリング と称す。

 本発明の往復動エンジンは、燃焼・膨張 ス圧力を受けるピストンの上面とピストン ングを装着したランド部とからなるピスト 上部体と、このピストン上部体の下部に形 されたスカート部とを備えたピストンにお て、上記ピストン上部体がピストン中心線 対して反スラスト側に偏心して形成され、 スラスト側において、ピストン上部体の外 面とスカート部の最大径部の外周面とが垂 線上にそろえて形成され、ピストンがシリ ダに直立姿勢に収められた状態で、反スラ ト側においてピストン上部体の外周面とス ート部の最大径部の外周面とがシリンダの 面に添い当り状態となり、かつ、スラスト においてピストン上部体の外周面とシリン の内面との間に隙間が形成され、ピストン 部体の外周面に装置された第1ピストンリン グは、ピストン上面からの距離が反スラスト 側からスラスト側に向かって次第に長くなる ように、傾斜して配置され、トップランドが スラスト側で広く、反スラスト側に向かって 次第に狭く形成されており、上死点、また上 死点近傍において、ピストンの上方高圧ガス を反スラスト側のトップランドに回り込ませ にくくすると共に、スラスト側のトップラン ドに主に作用させて、ピストンをスラスト側 から支持し、かつ反スラスト側においてピス トン上部体の外周面とスカート部がシリンダ 内面に接して爆発、膨張行程を降下するよう にしたものである。

 上記の構成によれば、シリンダに組込ま たピストンは、直立姿勢で反スラスト側に いて、ピストン上部体の外周面とスカート の最大径部の外周面とが、共にシリンダの 面に添い当り接している。他方、スラスト においては、ピストン上部体の外周面とシ ンダの内面との間に隙間が形成されている しかも、ピストン上部体のトップランドは スラスト側で広く、反スラスト側に向って 第に狭くなり、反スラスト側において、ピ トン上部体の外周面はシリンダの内面に接 た状態となっている。

 このため、ピストンが圧縮行程終期から 発膨張行程初期、即ち上死点また上死点近 に位置するとき、ピストンの上方の高圧ガ が、ピストンのスラスト側において、トッ ランドに広い面積で作用し、反スラスト側 トップランドにはその作用が非常に小さい

 よって、ピストンはスラスト側から主に され、反スラスト側からの押し返しが生ぜ 、ピストンはスラスト側からガス圧によっ 支持された状態が形成される。

 燃焼・膨張行程を降下するピストンには コンロッドのスラスト側の傾きにより、ス スト側に向って側圧(スラスト力)が働くが 上記ガス圧による支持によって対抗し、ピ トンとシリンダの内面とフリクションが低 される。

 さらに、ピストンはスラスト側からの上 ガス圧の支持により反スラスト側において ピストン上部体の外周面とスカート部の外 面とがシリンダの内面に添い当り接し状態 形成し、直立姿勢を保つため、ピストンは 振れ、揺動、シリンダとの衝突が抑えられ 。このため、ピストンとピストンリングと フリクションロスの低減、ピストンの振動 よるブローバイガスの吹き抜け防止が得ら る。

 更に、ピストンは、高温高圧のガス圧を ける上面を有するピストン上部体が、反ス スト側において、シリンダに接しているた 、従来のピストンリングのみのシリンダと 接触に比べ、シリンダとの接触面積が広く 加し、ピストンからシリンダへの熱の流れ 大きく、ピストン上面の冷却が効果的に行 れる。

 これ故、異常燃焼が防止でき、またエン ン全体の熱上昇が低く吸収効率が良好に確 できる。

 本発明によれば、機関運転中、ピストン 首振り、揺動等、ピストンの横振れを抑え ピストンとシリンダ、ピストンリングとピ トン溝とのフリクションロスの低減、ブロ バイガス発生の低減を図ると共に、ピスト 上部体の効果的な冷却、混合ガスの燃焼速 が高められる往復動エンジンを提供し得る  

 以下、本発明の実施形態を図面に示した 施例について説明する。

 図1は、本発明の実施の形態の例の縦断面説 明図、
 図2は、図1に示す例の動作説明図、
 図3は、図1に示す例の横断面説明図、そし
 図4は、図1に示す例のピストンの説明図で る。

 図1から図3には、本発明の往復動エンジ の実施例が示してある。図4には、本実施例 往復動エンジン1のピストン2が示してある

 さて、ピストン2は、燃焼・膨張ガス圧力 を受けるピストンの頂面、つまりピストン2 上面3とピストンリング溝4、5、6を有するラ ド部7とからなるピストン上部体8と、この ストン上部体8の下側に形成したスカート部9 と、ピストンピン10を支持するピストンボス 11とを備える。

 上記ランド部7は上記ピストン上部体8の 周面16をも指す。以下、ランド部7をピスト 上部体8の外周面16と称す。

 上記ピストンリング溝4、5、6は、ピスト 2の上面3に近い順に、第1ピストンリング溝4 、第2ピストンリング溝5、オイルリング溝6で ある。

 第1ピストンリング溝4には第1ピストンリ グ26が入れられ、第2ピストンリング溝5には 第2ピストンリング27が入れられ、オイルリン グ溝6にはオイルリング28が入れられる。

 もちろん、第1ピストンリング26はトップ ング、第2ピストンリング27はセカンドリン である。

 上記ピストン上部体8の外周面16において ピストン2の上面3と第1ピストンリング4との 間は、もちろんトップランド30であり、第1ピ ストンリング溝4と第2ピストンリング溝5との 間がセカンドランドである。

 図1から図4において、12はスラスト側を示 し、13は反スラスト側を示す。特に、図4に示 すように、ピストン2は、上記ピストン上部 8が、ピストン2の中心線14に対して、反スラ ト側13に偏心して形成されている。15は上記 ピストン上部体8の中心線を示す。

 ピストン2は、直立姿勢で、反スラスト側 13において、上記ピストン上部体8の外周面16 スカート部9の最大径部の外周面17とが垂直 18上にそろえられて、形成されている。

 一方、スラスト側12において、ピストン 部体8の外周面16は、スカート部17の最大径部 の外周面20を通る垂直線21から内側に位置し 隙間19がある。

 ピストン2は、上記の如く形状であるため 、第1図に示すように、シリンダ23に組込まれ 、直立姿勢にあるとき、反スラスト側13にお て、ピストン上部体8の外周面16とスカート 9の最大径部の外周面17とが同時に、共にシ ンダ23の内面24に添い当り接している。

 他方、スラスト側12においては、ピスト 上部体8の外周面16とシリンダ23の内面24との には隙間(クリアランス)25が存在する。

 また、ピストン2は、少なくとも上記第1 ストンリング溝4が、ピストン2の軸線29に直 する面に対して傾斜して設けられている。

 さらに、その第1ピストンリング溝4の傾 は、ピストン2の上面3からの距離Aが反スラ ト側13からスラスト側12に向かうに従って、 第に長くなるように設けられている。

 このため、ピストン2の上面3と第1ピスト リング溝4との間の、トップランド30は、反 ラスト側13で狭く、スラスト側12で広く、反 スラスト側13からスラスト側12に向って次第 広くなっている。

 なお、本実施例において、第2ピストンリ ング溝5は、上記第1ピストンリング溝4に平行 に設けられている。

 さて、図1、図2には、上記のようになる ストン2に、第1ピストンリング26、第2ピスト ンリング27、オイルリング28が装着されて、 リンダ23内に組込まれ、機関運転中の状態が 示されている。

 シリンダ23に組込まれたピストン2は、直 姿勢で反スラスト側13において、ピストン 部体8の外周面16とスカート部9の最大径部の 周面17とが、共にシリンダ23の内面24に添い り接している。

 他方、スラスト側12においては、ピスト 上部体8の外周面16とシリンダ23の内面24との に隙間25が形成されている。

 しかも、ピストン上部体8のトップランド 30は、スラスト側12で広く、反スラスト側13に 向って次第に狭くなり、反スラスト側13にお て、ピストン上部体8の外周面16はシリンダ2 3の内面24に接した状態となっている。

 このため、ピストン2が圧縮行程終期から 爆発、膨張行程初期、即ち上死点また上死点 近傍に位置するとき、シリンダ23の内面24と ピストン2のトップランド30との間の空間31は スラスト側12で大きく、ピストン2の上方の燃 焼室32の燃焼・膨張ガス圧33に十分に通じて り、かつガス圧を受けるトップランド30は広 い。

 他方、反スラスト側13においては、上記 間31が閉じられた状態にあり、このため、反 スラスト側13においては、ピストン2のトップ ランド30には、上記の燃焼・膨張ガス圧33は り込めない。

 従って、燃焼・膨張ガス圧33はピストン2 スラスト側12においてトップランド30に広い 面積で作用し、他方、反スラスト側13におい は、トップランド30への作用は非常に小さ 。

 よって、ピストン2は、スラスト側12から スラスト側13に向って主に押され、反スラ ト側13からの押し返し力は非常に小さく、ピ ストン2はスラスト側12において、トップラン ド30がガス圧支持(ガスフロート)され、反ス スト側13において、ピストン上部体8の外周 16とスカート部9の最大径部の外周面17がシリ ンダ23の内面24に添い接した状態となり、直 姿勢で、以降、燃焼膨張行程を下降する。

 なお、上死点また上死点近傍の位置にあ ピストン2を上から見れば、第3図に示すよ に、反スラスト側13においてピストン上部体 8の外周面16は円弧状にシリンダ23の内面24に しており、スラスト側12において、外周面16 シリンダ23の内面24との間に円弧状の隙間25 存在する。

 上記の状態にあるピストン2の上面3に圧 ガス圧、燃焼・膨張ガス圧33が作用すると、 このガス圧33はスラスト側12のトップランド30 に主に作用するが、反スラスト側13のトップ ンド30に回り込めない状態がよく判る。

 上記のようになる本実施例の往復動エン ン1によれば、燃焼・膨張行程中において、 コンロッド22のスラスト側12への傾きにより ストン2をスラスト側12のシリンダ23の内面24 押付けようとする側圧(スラスト力)Fが、ピ トン2に働いても、このピストン2はスラス 側12で、ピストン上部体8においてガス圧に り支持されて下降するため、ピストン2とシ ンダ23の内面24とのフリクションロスが低減 される。また、ピストン2はスラスト側12から ガス圧により反スラスト側13に押され、反ス スト側13においてピストン上部体8の外周面1 6とスカート部9の外周面17がシリンダ23の内面 24の添い当り接して、直立姿勢を保つ。この め、ピストン2は横振れ、揺動、シリンダと 衝突が抑えられる。よって、ピストン2とピ トンリング4、5とのフリクションロスの低減 、ピストン2の振動によるブローバイガスの き抜け防止が得られる。

 更に、ピストン2は、高温高圧のガス圧を 受ける上面3を有するピストン上部体8が、反 ラスト側13において、シリンダ23の内面24に しているため、従来のピストンリングのみ シリンダとの接触に比べ、シリンダ23の内 24の接触面積が広く増加し、ピストン2から リンダ23への熱の流れが大きく、ピストン2 上面3の冷却が効果的に行われる。

 これ故、異常燃焼が防止でき、またエン ン全体の熱上昇が低く吸収効率が良好に確 できる。