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Title:
REFRIGERATING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/108055
Kind Code:
A1
Abstract:
A compressor (20) and an expander (30) are installed in the refrigerant circuit (11) of an air conditioner (10). In the compressor (20), the refrigerant compressed by a compressing mechanism (21) is discharged into the internal space of a compressor casing (24). In the compressor (20), the refrigerator oil collected in the bottom of the compressor casing (24) is supplied to the compressing mechanism (21). The refrigerator oil collected in the bottom of the compressor casing (24) is introduced directly into the expanding mechanism (31) of the expander (30) through an oil supply pipe (41).

Inventors:
SAKITANI KATSUMI (JP)
OKAMOTO MASAKAZU (JP)
KUMAKURA EIJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000159
Publication Date:
September 12, 2008
Filing Date:
February 06, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
SAKITANI KATSUMI (JP)
OKAMOTO MASAKAZU (JP)
KUMAKURA EIJI (JP)
International Classes:
F25B11/02; F25B1/00; F25B43/00
Domestic Patent References:
WO2006095572A12006-09-14
WO2006126396A12006-11-30
Foreign References:
JP2003240366A2003-08-27
JP2004325019A2004-11-18
JP2006250392A2006-09-21
JP2007024439A2007-02-01
JP2000241033A2000-09-08
JP2005299632A2005-10-27
JP2005002832A2005-01-06
Other References:
See also references of EP 2123996A4
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Hiroshi et al. (5-7 Hommachi 2-chome,Chuo-k, Osaka-shi Osaka 53, JP)
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Claims:
 圧縮機(20)と膨張機(30)とが接続された冷媒回路(11)を備え、該冷媒回路(11)で冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷凍装置であって、
 上記圧縮機(20)は、密閉容器状の圧縮機ケーシング(24)と、該圧縮機ケーシング(24)に収容されると共に吸入した冷媒を圧縮して該圧縮機ケーシング(24)内へ吐出する圧縮機構(21)とを備え、上記圧縮機ケーシング(24)内に貯留された潤滑油を上記圧縮機構(21)へ供給するように構成され、
 上記膨張機(30)は、流入した冷媒を膨張させて動力を発生させる膨張機構(31)と、該膨張機構(31)を収容する膨張機ケーシング(34)とを備える一方、
 上記圧縮機ケーシング(24)内に貯留された潤滑油を上記膨張機構(31)へ供給するための油供給通路(41)が設けられ、該油供給通路(41)を通じて供給された潤滑油によって上記膨張機構(31)が潤滑される
ことを特徴とする冷凍装置。
 請求項1において、
 一端が上記圧縮機ケーシング(24)の底部に接続されて他端が上記膨張機構(31)に接続される給油用配管(41)を備えており、該給油用配管(41)が上記油供給通路を形成している
ことを特徴とする冷凍装置。
 請求項1において、
 上記膨張機ケーシング(34)内に溜まった潤滑油を上記圧縮機(20)へ戻すための油戻し通路(42)が設けられている
ことを特徴とする冷凍装置。
 請求項3において、
 上記油戻し通路(42)は、潤滑油を上記圧縮機構(21)の吸入側へ導入するように構成されている
ことを特徴とする冷凍装置。
 請求項1において、
 上記油供給通路(41)を流れる潤滑油を上記圧縮機構(21)へ吸入される冷媒と熱交換させて冷却するための冷却用熱交換器(46)を備えている
ことを特徴とする冷凍装置。
 請求項3において、
 上記油供給通路(41)を流れる潤滑油を上記油戻し通路(42)を流れる潤滑油と熱交換させて冷却するための冷却用熱交換器(47)を備えている
ことを特徴とする冷凍装置。
 請求項1において、
 上記油供給通路(41)を流れる潤滑油を室外空気と熱交換させて冷却するための冷却用熱交換器(48)を備えている
ことを特徴とする冷凍装置。
 請求項1乃至7の何れか1つにおいて、
 上記冷媒回路(11)には、該冷媒回路(11)の蒸発器と上記膨張機ケーシング(34)の内部空間とを連通させる第1吸入側通路(17)と、該膨張機ケーシング(34)の内部空間と上記圧縮機構(21)の吸入側とを連通させる第2吸入側通路(18)とが設けられており、
 上記膨張機ケーシング(34)は、上記第1吸入側通路(17)から流入した冷媒をガス冷媒と液冷媒に分離してガス冷媒を上記第2吸入側通路(18)へ送り込むように構成されている
ことを特徴とする冷凍装置。
 請求項8において、
 上記膨張機(30)は、上記膨張機ケーシング(34)に収容されて上記膨張機構(31)により駆動される発電機(33)を備える一方、
 上記膨張機ケーシング(34)の内部空間では、上記発電機(33)の下側の部分に上記第1吸入側通路(17)が連通し、上記発電機(33)の上側の部分に上記第2吸入側通路(18)が連通している
ことを特徴とする冷凍装置。
Description:
冷凍装置

 本発明は、圧縮機と膨張機を備えた冷凍 置における膨張機への潤滑油の供給方式に するものである。

 従来より、冷媒回路で冷媒を循環させて 凍サイクルを行う冷凍装置が知られており 空調機等の用途に広く利用されている。例 ば特許文献1には、冷媒を圧縮する圧縮機と 、冷媒を膨張させる動力回収用の膨張機とを 備えた冷凍装置が開示されている。具体的に 、特許文献1の図1に記載された冷凍装置では 膨張機が圧縮機と1本の軸で連結され、膨張 機で得られた動力が圧縮機の駆動に利用され る。また、特許文献1の図6に記載された冷凍 置では、圧縮機には電動機が、膨張機には 電機がそれぞれ連結されている。この冷凍 置は、圧縮機が電動機により駆動されて冷 を圧縮する一方、発電機が膨張機より駆動 れて発電を行っている。

 膨張機と圧縮機を1本の軸で連結した流体 機械は、例えば特許文献2に開示されている この特許文献に開示された流体機械では、 縮機としての圧縮機構と、膨張機としての 張機構と、両者を連結する軸とが1つのケー ング内に収容されている。また、この流体 械では、軸の内部に給油通路が形成されて り、ケーシングの底部に溜まった潤滑油が 油通路を通じて圧縮機構や膨張機構へ供給 れる。

 また、特許文献3には、いわゆる密閉型圧縮 機が開示されている。この密閉型圧縮機では 、圧縮機構と電動機が1つのケーシング内に 容されている。また、この密閉型圧縮機で 、圧縮機構の駆動軸に給油通路が形成され おり、ケーシングの底部に溜まった潤滑油 給油通路を通じて圧縮機構へ供給される。

特開2000-241033号公報

特開2005-299632号公報

特開2005-002832号公報

 上記特許文献1に開示されているような互 いに別体の圧縮機と膨張機が冷媒回路に接続 された冷凍装置では、特許文献3に開示され いるような密閉型圧縮機を用いることがで る。その場合、圧縮機では、ケーシング内 溜まった潤滑油を用いて圧縮機構の潤滑が われる。

 ところで、膨張機の膨張機構は、圧縮機 圧縮機構と同様に流体機械で構成される。 のため、膨張機構についても、圧縮機構と 様に潤滑油による潤滑が必要となる。しか ながら、従来は、膨張機の膨張機構に対し どの様に潤滑油を供給するかについて、具 的な検討がなされていなかった。

 本発明は、かかる点に鑑みてなされたも であり、その目的は、別体に形成された圧 機と膨張機を備える冷凍装置において、圧 機と膨張機のそれぞれに潤滑油を確実に供 して冷凍装置の信頼性を確保することにあ 。

 第1の発明は、圧縮機(20)と膨張機(30)とが 続された冷媒回路(11)を備え、該冷媒回路(11 )で冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷 装置を対象とする。そして、上記圧縮機(20) 、密閉容器状の圧縮機ケーシング(24)と、該 圧縮機ケーシング(24)に収容されると共に吸 した冷媒を圧縮して該圧縮機ケーシング(24) へ吐出する圧縮機構(21)とを備え、上記圧縮 機ケーシング(24)内に貯留された潤滑油を上 圧縮機構(21)へ供給するように構成され、上 膨張機(30)は、流入した冷媒を膨張させて動 力を発生させる膨張機構(31)と、該膨張機構(3 1)を収容する膨張機ケーシング(34)とを備える 一方、上記圧縮機ケーシング(24)内に貯留さ た潤滑油を上記膨張機構(31)へ供給するため 油供給通路(41)が設けられ、該油供給通路(41 )を通じて供給された潤滑油によって上記膨 機構(31)が潤滑されるものである。

 第1の発明では、冷媒回路(11)内を冷媒が 環することによって冷凍サイクルが行われ 。圧縮機(20)において、圧縮機構(21)は、吸入 した冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を圧縮機ケ ーシング(24)の内部空間へ吐出する。圧縮機 ーシング(24)から導出された高圧冷媒は、空 や水などの対象物へ放熱し、その後に膨張 (30)の膨張機構(31)へ流入して膨張する。膨 機構(31)では、流入した高圧冷媒から動力が 収される。膨張機構(31)で膨張した冷媒は、 空気や水などの対象物から吸熱し、その後に 圧縮機(20)の圧縮機構(21)へ吸入される。

 第1の発明の圧縮機ケーシング(24)では、 の内圧が圧縮機構(21)から吐出された直後の 媒の圧力と等しくなると共に、その内部空 に潤滑油が貯留される。圧縮機ケーシング( 24)内に貯留された潤滑油は、圧縮機構(21)へ 給されて圧縮機構(21)の潤滑に利用される。 た、圧縮機ケーシング(24)内に貯留された潤 滑油は、油供給通路(41)を通じて膨張機構(31) も供給され、膨張機構(31)の潤滑に利用され る。

 第2の発明は、上記第1の発明において、 端が上記圧縮機ケーシング(24)の底部に接続 れて他端が上記膨張機構(31)に接続される給 油用配管(41)を備えており、該給油用配管(41) 上記油供給通路を形成しているものである

 第2の発明では、油供給通路が給油用配管 (41)によって構成される。給油用配管(41)では その一端に圧縮機ケーシング(24)内の潤滑油 が流入し、流入した潤滑油がその他端へ向か って流れる。給油用配管(41)を流れる潤滑油 、給油用配管(41)の他端から膨張機構(31)へ導 入される。

 第3の発明は、上記第1又は第2の発明にお て、上記膨張機ケーシング(34)内に溜まった 潤滑油を上記圧縮機(20)へ戻すための油戻し 路(42)が設けられるものである。

 第3の発明では、冷凍装置に油戻し通路(42 )が設けられる。膨張機(30)において、油供給 路(41)を通じて膨張機構(31)へ供給された潤 油は、その一部は膨張機構(31)通過する冷媒 共に膨張機(30)から流出してゆくが、残りは 膨張機構(31)から漏れだして膨張機ケーシン (34)内に溜まり込む。この膨張機ケーシング( 34)内に溜まった潤滑油は、油戻し通路(42)を って圧縮機(20)へ送り返される。

 第4の発明は、上記第3の発明において、 記油戻し通路(42)は、潤滑油を上記圧縮機構( 21)の吸入側へ導入するように構成されるもの である。

 第4の発明において、膨張機ケーシング(34 )内に溜まった潤滑油は、油戻し通路(42)を通 て圧縮機構(21)の吸入側へ流入し、低圧冷媒 と共に圧縮機構(21)へ吸入される。圧縮機構(2 1)へ冷媒と共に吸入された潤滑油は、圧縮さ た冷媒と共に圧縮機構(21)から圧縮機ケーシ ング(24)の内部空間へ吐出される。

 第5の発明は、上記第1~第4の何れか1つの 明において、上記油供給通路(41)を流れる潤 油を上記圧縮機構(21)へ吸入される冷媒と熱 交換させて冷却するための冷却用熱交換器(46 )を備えるものである。

 第5の発明では、冷凍装置に冷却用熱交換 器(46)が設けられる。冷却用熱交換器(46)では 油供給通路(41)を流れる潤滑油と、上記圧縮 機構(21)へ吸入される冷媒とが互いに熱交換 る。圧縮機構(21)へ吸入される冷媒は、油供 通路(41)を流れる潤滑油よりも低温である。 このため、冷却用熱交換器(46)では、油供給 路(41)を流れる潤滑油が冷却される。

 第6の発明は、上記第3又は第4の発明にお て、上記油供給通路(41)を流れる潤滑油を上 記油戻し通路(42)を流れる潤滑油と熱交換さ て冷却するための冷却用熱交換器(47)を備え ものである。

 第6の発明では、冷凍装置に冷却用熱交換 器(47)が設けられる。冷却用熱交換器(47)では 油供給通路(41)を流れる潤滑油と、上記油戻 し通路(42)を流れる潤滑油とが互いに熱交換 る。油戻し通路(42)を流れる潤滑油は、油供 通路(41)を流れる潤滑油よりも低温である。 このため、冷却用熱交換器(47)では、油供給 路(41)を流れる潤滑油が冷却される。

 第7の発明は、上記第1~第4の何れか1つの 明において、上記油供給通路(41)を流れる潤 油を室外空気と熱交換させて冷却するため 冷却用熱交換器(48)を備えるものである。

 第7の発明では、冷凍装置に冷却用熱交換 器(48)が設けられる。冷却用熱交換器(48)では 油供給通路(41)を流れる潤滑油と、室外空気 とが互いに熱交換する。室外空気は、油供給 通路(41)を流れる潤滑油よりも低温である。 のため、冷却用熱交換器(48)では、油供給通 (41)を流れる潤滑油が冷却される。

 第8の発明は、上記第1~第7の何れか1つの 明において、上記冷媒回路(11)には、該冷媒 路(11)の蒸発器と上記膨張機ケーシング(34) 内部空間とを連通させる第1吸入側通路(17)と 、該膨張機ケーシング(34)の内部空間と上記 縮機構(21)の吸入側とを連通させる第2吸入側 通路(18)とが設けられており、上記膨張機ケ シング(34)は、上記第1吸入側通路(17)から流 した冷媒をガス冷媒と液冷媒に分離してガ 冷媒を上記第2吸入側通路(18)へ送り込むよう に構成されるものである。

 第8の発明では、冷媒回路(11)に第1吸入側 路(17)と第2吸入側通路(18)とが設けられる。 の冷媒回路(11)において、蒸発器から流出し た低圧冷媒は、第1吸入側通路(17)を通って膨 機ケーシング(34)の内部空間へ流入する。膨 張機ケーシング(34)の内部空間へ流入した冷 は、第2吸入側通路(18)を通って圧縮機構(21) 吸入される。つまり、この発明の冷媒回路(1 1)において、蒸発器から流出した冷媒は、膨 機ケーシング(34)の内部空間を通過してから 圧縮機(20)の圧縮機構(21)へ吸入される。

 ここで、冷媒回路(11)の蒸発器では、流入 した冷媒が完全には蒸発しきらず、一部の冷 媒が液冷媒のままで蒸発器から流出してゆく 場合がある。このような場合において、蒸発 器から流出する液冷媒の量が多いと、液冷媒 が圧縮機構(21)へ吸入されて圧縮機構(21)の破 を招くおそれがある。

 それに対し、この第8の発明では、第1吸 側通路(17)から膨張機ケーシング(34)の内部空 間へ気液二相状態の冷媒が流入したとしても 、その冷媒はガス冷媒と液冷媒に分離され、 ガス冷媒が第2吸入側通路(18)を通って圧縮機 (21)へ送られる。つまり、この発明の膨張機 ケーシング(34)は、いわゆるアキュームレー として機能する。

 第9の発明は、上記第8の発明において、 記膨張機(30)は、上記膨張機ケーシング(34)に 収容されて上記膨張機構(31)により駆動され 発電機(33)を備える一方、上記膨張機ケーシ グ(34)の内部空間では、上記発電機(33)の下 の部分に上記第1吸入側通路(17)が連通し、上 記発電機(33)の上側の部分に上記第2吸入側通 (18)が連通しているものである。

 第9の発明では、膨張機ケーシング(34)内 発電機(33)が収容される。発電機(33)は、膨張 機構(31)によって駆動されて発電を行う。こ 発明において、第1吸入側通路(17)を通って膨 張機ケーシング(34)の内部空間へ流入した低 冷媒は、発電機(33)を下から上に向かって通 してから第2吸入側通路(18)へ流入する。第1 入側通路(17)から膨張機ケーシング(34)へ流 する冷媒が気液二相状態である場合、ガス 媒は発電機(33)を通過して第2吸入側通路(18) 流入する一方、液冷媒は発電機(33)に付着し その後に膨張機ケーシング(34)の底部へ向か って流れ落ちてゆく。

 本発明では、内圧が圧縮機構(21)から吐出 された直後の冷媒の圧力と等しい圧縮機ケー シング(24)に潤滑油を貯留し、その潤滑油を 縮機構(21)と膨張機構(31)の両方へ供給してい る。つまり、本発明では、冷媒回路(11)内に いて最も高圧となる部分に潤滑油を貯留し その潤滑油を、圧縮機ケーシング(24)の内圧 りも低圧の部分が存在する圧縮機構(21)や膨 張機構(31)へ供給している。このため、潤滑 の供給元がその供給先に比べて高圧となり 圧縮機構(21)や膨張機構(31)に対して確実に潤 滑油が供給されることになる。従って、本発 明によれば、圧縮機構(21)や膨張機構(31)に対 る潤滑油の供給量を確保することができ、 縮機構(21)や膨張機構(31)の焼き付き等のト ブルを未然に防止して冷凍装置の信頼性を 保することができる。

 上記第3の発明では、膨張機ケーシング(34 )内に溜まった潤滑油が油戻し通路(42)を通っ 圧縮機(20)へと戻される。冷媒回路(11)内に 在する潤滑油の量は一定であるため、膨張 ケーシング(34)内に溜まった潤滑油の量が増 ると、その分だけ圧縮機ケーシング(24)にお ける潤滑油の貯留量が減ることになり、圧縮 機構(21)や膨張機構(31)へ潤滑油が充分に供給 れなくなるおそれがある。それに対し、こ 発明では、膨張機ケーシング(34)内の潤滑油 が油戻し通路(42)を通じて圧縮機構(21)へ送り される。従って、この発明によれば、圧縮 ケーシング(24)における潤滑油の貯留量を充 分に確保することができ、圧縮機構(21)や膨 機構(31)へ潤滑油を一層確実に供給すること できる。

 上記第4の発明では、膨張機ケーシング(34 )内に溜まった潤滑油が圧縮機構(21)の吸入側 送られる。圧縮機構(21)の吸入側は、冷媒回 路(11)内で最も低圧となる部分である。つま 、この発明では、潤滑油が溜まり込む膨張 ケーシング(34)の内部空間と潤滑油の戻し先 の間に確実に圧力差ができる。従って、こ 発明によれば、膨張機ケーシング(34)内に溜 まった潤滑油を確実に圧縮機(20)へ送り返す とができ、圧縮機ケーシング(24)内の潤滑油 貯留量を確保することができる。

 ところで、圧縮機ケーシング(24)の内部空 間では、潤滑油と圧縮機構(21)から吐出され 冷媒とが共存している。このため、圧縮機 ーシング(24)内に貯留された潤滑油の温度は 圧縮機構(21)から吐出された冷媒の温度と同 程度となる。圧縮機構(21)から吐出された直 の冷媒は、冷媒回路(11)内を循環する冷媒の ちで最も高温である。このため、圧縮機ケ シング(24)内に貯留された高温の潤滑油をそ のまま膨張機構(31)へ供給すると、膨張機構(3 1)を通過する冷媒が潤滑油によって加熱され 膨張機構(31)から流出する冷媒のエンタルピ が増大する。膨張機構(31)から流出する冷媒 エンタルピが増大すると、膨張後の冷媒が 気や水などから吸熱する熱量が減少し、冷 装置の能力低下を招くおそれがある。

 それに対し、上記第5,第6,第7の発明では 圧縮機ケーシング(24)から流出して油供給通 (41)を流れる潤滑油を、冷却用熱交換器(46,47 ,48)で冷却してから膨張機構(31)へ供給してい 。このため、圧縮機ケーシング(24)内に貯留 された潤滑油をそのまま膨張機構(31)へ導入 る場合に比べ、油供給通路(41)を通じて供給 れた潤滑油から膨張機構(31)を通過する冷媒 へ侵入する熱量を削減することができる。従 って、これらの発明によれば、膨張機構(31) ら流出する冷媒のエンタルピを低く抑える とができ、冷凍装置の能力低下を抑制する とができる。

 特に、上記第5の発明では、圧縮機構(21) 吸入される冷媒(即ち、冷媒回路(11)内を循環 する冷媒のうちで最も低温の冷媒)と油供給 路(41)を流れる潤滑油とを熱交換させている 従って、この発明によれば、油供給通路(41) を通じて膨張機構(31)へ導入される潤滑油の 度を確実に低下させることができ、冷凍装 の能力低下を一層確実に抑えることができ 。

 上記第8の発明において、膨張機ケーシン グ(34)は、圧縮機(20)へ吸入される冷媒から液 媒を分離するためのアキュームレータとし も機能する。このため、冷媒回路(11)にアキ ュームレータを別途設ける必要が無くなり、 冷媒回路(11)の構成部品を削減して冷凍装置 構成を簡素ができる。

 上記第9の発明では、第1吸入側通路(17)か 膨張機ケーシング(34)へ流入した冷媒が発電 機(33)を通過した後に第2吸入側通路(18)へ流入 する。このため、第1吸入側通路(17)から膨張 ケーシング(34)へ流入した冷媒が気液二相状 態となる場合も、第2吸入側通路(18)へ流入す 冷媒は、ほぼガス冷媒だけとなる。従って この発明によれば、液冷媒を吸入すること よる圧縮機構(21)の破損を確実に回避するこ とができ、圧縮機(20)の信頼性を確保するこ ができる。

 また、この第9の発明では、発電機(33)を 媒が通過するため、発電機(33)が冷媒によっ 冷却される。従って、この発明によれば、 電機(33)の温度上昇を抑制することができ、 発電機(33)の効率向上を図ることが可能とな 。

図1は、実施形態1における空調機の構 を示す冷媒回路図である。 図2は、実施形態1における膨張機の要 を示す概略の縦断面図である。 図3は、実施形態1における膨張機構の 部拡大図である。 図4は、実施形態1の膨張機構における 力軸の回転角90°毎の各ロータリ機構部の状 を示す概略の横断面図である。 図5は、実施形態1の変形例1における空 機の構成を示す冷媒回路図である。 図6は、実施形態1の変形例2における空 機の構成を示す冷媒回路図である。 図7は、実施形態2における空調機の構 を示す冷媒回路図である。 図8は、実施形態2の変形例における空 機の構成を示す冷媒回路図である。 図9は、実施形態3における膨張機の要 を示す概略の縦断面図である。 図10は、実施形態3の膨張機構の状態を 出力軸の回転角90°毎に示した概略の横断面 である。 図11は、実施形態3の変形例における膨 張機の要部を示す概略の縦断面図である。

符号の説明

 10  空調機(冷凍装置)
 11  冷媒回路
 17  第1配管(第1吸入側通路)
 18  第2配管(第2吸入側通路)
 20  圧縮機
 21  圧縮機構
 24  圧縮機ケーシング
 30  膨張機
 31  膨張機構
 33  発電機
 34  膨張機ケーシング
 41  給油用配管(油供給通路)
 42  油戻し用配管(油戻し通路)
 46  冷却用熱交換器
 47  冷却用熱交換器
 48  冷却用熱交換器

 以下、本発明の実施形態を図面に基づい 詳細に説明する。

 《発明の実施形態1》
 本発明の実施形態1について説明する。本実 施形態は、本発明に係る冷凍装置によって構 成された空調機(10)である。

   〈空調機の全体構成〉
 図1に示すように、本実施形態の空調機(10) 、冷媒回路(11)を備えている。この冷媒回路( 11)には、圧縮機(20)と、膨張機(30)と、室外熱 換器(14)と、室内熱交換器(15)と、第1四方切 弁(12)と、第2四方切換弁(13)とが接続されて る。冷媒回路(11)には、冷媒として二酸化炭 素(CO 2 )が充填されている。また、冷媒回路(11)には 給油用配管(41)と、油戻し用配管(42)と、冷 用熱交換器(46)とが設けられている。

 冷媒回路(11)の構成について説明する。圧 縮機(20)は、その吐出管(26)が第1四方切換弁(12 )の第1のポートに接続され、その吸入管(25)が 第1四方切換弁(12)の第2のポートに接続されて いる。膨張機(30)は、その流出管(36)が第2四方 切換弁(13)の第1のポートに接続され、その流 管(35)が第2四方切換弁(13)の第2のポートに接 続されている。室外熱交換器(14)は、その一 が第1四方切換弁(12)の第3のポートに接続さ 、その他端が第2四方切換弁(13)の第4のポー に接続されている。室内熱交換器(15)は、そ 一端が第2四方切換弁(13)の第3のポートに接 され、その他端が第1四方切換弁(12)の第4の ートに接続されている。この冷媒回路(11)で は、圧縮機(20)の吸入管(25)と第1四方切換弁(12 )の第2のポートとを繋ぐ配管が吸入側配管(16) を構成している。

 室外熱交換器(14)は、冷媒を室外空気と熱 交換させるための空気熱交換器である。室内 熱交換器(15)は、冷媒を室内空気と熱交換さ るための空気熱交換器である。第1四方切換 (12)と第2四方切換弁(13)は、それぞれ、第1の ポートと第3のポートが連通し且つ第2のポー と第4のポートが連通する第1状態(図1に実線 で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが 連通し且つ第2のポートと第3のポートが連通 る第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換 わるように構成されている。

 圧縮機(20)は、いわゆる高圧ドームタイプ の全密閉型圧縮機である。この圧縮機(20)は 縦長の円筒形に形成された圧縮機ケーシン (24)を備えている。圧縮機ケーシング(24)の内 部には、圧縮機構(21)と電動機(23)と駆動軸(22) とが収容されている。圧縮機構(21)は、いわ るロータリ式の容積型流体機械を構成して る。圧縮機ケーシング(24)内では、圧縮機構( 21)の上方に電動機(23)が配置されている。駆 軸(22)は、上下方向へ延びる姿勢で配置され 圧縮機構(21)と電動機(23)を連結している。

 圧縮機ケーシング(24)には、吸入管(25)と 出管(26)が設けられている。吸入管(25)は、圧 縮機ケーシング(24)の胴部の下端付近を貫通 ており、その終端が圧縮機構(21)へ直に接続 れている。吐出管(26)は、圧縮機ケーシング (24)の頂部を貫通しており、その始端が圧縮 ケーシング(24)内における電動機(23)の上側の 空間に開口している。圧縮機構(21)は、吸入 (25)から吸い込んだ冷媒を圧縮して圧縮機ケ シング(24)内へ吐出する。

 圧縮機ケーシング(24)の底部には、潤滑油 としての冷凍機油が貯留されている。本実施 形態では、ポリアルキレングリコール(PAG)が 凍機油として用いられる。駆動軸(22)の内部 には、図示しないが、その軸方向へ延びる給 油通路が形成されている。この給油通路は、 駆動軸(22)の下端に開口している。駆動軸(22) 下端は、油溜まり(27)に浸かった状態となっ ている。圧縮機ケーシング(24)内の冷凍機油 、駆動軸(22)の給油通路を通じて圧縮機構(21) へ供給される。

 膨張機(30)は、縦長の円筒形に形成された 膨張機ケーシング(34)を備えている。膨張機 ーシング(34)の内部には、膨張機構(31)と発電 機(33)と出力軸(32)とが収容されている。膨張 構(31)は、いわゆるロータリ式の容積型流体 機械を構成している。膨張機構(31)の詳細は 述する。膨張機ケーシング(34)内では、膨張 構(31)の下方に発電機(33)が配置されている 出力軸(32)は、上下方向へ延びる姿勢で配置 れ、膨張機構(31)と発電機(33)を連結してい 。

 膨張機ケーシング(34)には、流入管(35)と 出管(36)が設けられている。流入管(35)と流出 管(36)は、何れも膨張機ケーシング(34)の胴部 上端付近を貫通している。流入管(35)は、そ の終端が膨張機構(31)へ直に接続されている 流出管(36)は、その始端が膨張機構(31)へ直に 接続されている。膨張機構(31)は、流入管(35) 通って流入した冷媒を膨張させ、膨張後の 媒を流出管(36)へ送り出す。つまり、膨張機 (30)を通過する冷媒は、膨張機ケーシング(34) 内部空間へは流れ込まずに膨張機構(31)だけ を通過する。

 給油用配管(41)は、その始端が圧縮機(20) 接続され、その終端が膨張機(30)に接続され いる。具体的に、給油用配管(41)の始端部は 、圧縮機ケーシング(24)の底部を貫通し、圧 機ケーシング(24)の内部空間に開口している この給油用配管(41)の始端部は、圧縮機ケー シング(24)の底に溜まった冷凍機油に浸かっ 状態となっており、駆動軸(22)の下端と概ね じ高さに開口している。一方、給油用配管( 41)の終端部は、膨張機ケーシング(34)内の膨 機構(31)に直に接続されている。膨張機構(31) に対する給油用配管(41)の接続位置について 後述する。この給油用配管(41)は、油供給通 を構成している。圧縮機ケーシング(24)の底 に溜まった冷凍機油は、給油用配管(41)を通 て膨張機構(31)へ供給される。

 冷却用熱交換器(46)は、給油用配管(41)と 入側配管(16)とに接続されている。この冷却 熱交換器(46)は、給油用配管(41)を流れる冷 機油と、吸入側配管(16)を流れる冷媒とを熱 換させる。

 油戻し用配管(42)は、その始端が膨張機(30 )に接続され、その終端が吸入側配管(16)に接 されている。具体的に、油戻し用配管(42)の 始端部は、膨張機ケーシング(34)の底部を貫 し、膨張機ケーシング(34)の内部空間に開口 ている。この油戻し用配管(42)の始端部は、 膨張機ケーシング(34)の底面付近に開口して る。一方、油戻し用配管(42)の終端部は、吸 側配管(16)における冷却用熱交換器(46)の下 側に接続されている。膨張機(30)では、膨張 構(31)から漏れ出た冷凍機油が膨張機ケーシ ング(34)内に溜まり込む。この膨張機ケーシ グ(34)内に溜まった冷凍機油は、油戻し用配 (42)を通って吸入側配管(16)へ導入され、吸 側配管(16)を流れる冷媒と共に圧縮機構(21)へ 吸入される。

   〈膨張機の構成〉
 膨張機(30)の構成について、図2~図4を参照し ながら詳細に説明する。

 図2に示すように、出力軸(32)の上端部に 、2つの偏心部(79,89)が形成されている。2つ 偏心部(79,89)は、出力軸(32)の主軸部(38)より 大径に形成されており、下側のものが第1偏 部(79)を、上側のものが第2偏心部(89)をそれ れ構成している。第1偏心部(79)と第2偏心部( 89)とは、何れも同じ方向へ偏心している。第 2偏心部(89)の外径は、第1偏心部(79)の外径よ も大きくなっている。主軸部(38)の軸心に対 る偏心量は、第2偏心部(89)の方が第1偏心部( 79)よりも大きくなっている。

 出力軸(32)には、給油通路(90)が形成され いる。給油通路(90)は、出力軸(32)の軸心に沿 って延びている。給油通路(90)の一端は、出 軸(32)の上端面に開口している。給油通路(90) の他端は、直角に屈曲して出力軸(32)の径方 へ延びており、出力軸(32)のうち第1偏心部(79 )から幾分下がった部分の外周面に開口して る。給油通路(90)には、出力軸(32)の径方向へ 延びる分岐通路(91,92)が2つ形成されている。 1分岐通路(91)は、第1偏心部(79)の外周面に開 口している。第2分岐通路(92)は、第2偏心部(89 )の外周面に開口している。

 膨張機構(31)は、いわゆる揺動ピストン型 のロータリ式流体機械で構成されている。こ の膨張機構(31)には、対になったシリンダ(71,8 1)及びピストン(75,85)が二組設けられている。 また、膨張機構(31)には、フロントヘッド(61) 、中間プレート(63)と、リアヘッド(62)とが けられている。

 膨張機構(31)では、下から上へ向かって順 に、フロントヘッド(61)、第1シリンダ(71)、中 間プレート(63)、第2シリンダ(81)、リアヘッド (62)、上部プレート(65)が積層された状態とな ている。この状態において、第1シリンダ(71 )は、その下側端面がフロントヘッド(61)によ 閉塞され、その上側端面が中間プレート(63) により閉塞されている。一方、第2シリンダ(8 1)は、その下側端面が中間プレート(63)により 閉塞され、その上側端面がリアヘッド(62)に り閉塞されている。また、第2シリンダ(81)の 内径は、第1シリンダ(71)の内径よりも大きく っている。

 出力軸(32)は、積層された状態のフロント ヘッド(61)、第1シリンダ(71)、中間プレート(63 )、第2シリンダ(81)を貫通している。また、出 力軸(32)は、その第1偏心部(79)が第1シリンダ(7 1)内に位置し、その第2偏心部(89)が第2シリン (81)内に位置している。

 図3及び図4にも示すように、第1シリンダ( 71)内には第1ピストン(75)が、第2シリンダ(81) には第2ピストン(85)がそれぞれ設けられてい る。第1及び第2ピストン(75,85)は、何れも円環 状あるいは円筒状に形成されている。第1ピ トン(75)の外径と第2ピストン(85)の外径とは 互いに等しくなっている。第1ピストン(75)の 内径は第1偏心部(79)の外径と、第2ピストン(85 )の内径は第2偏心部(89)の外径とそれぞれ概ね 等しくなっている。そして、第1ピストン(75) は第1偏心部(79)が、第2ピストン(85)には第2 心部(89)がそれぞれ貫通している。

 第1ピストン(75)は、その外周面が第1シリ ダ(71)の内周面に、一方の端面がフロントヘ ッド(61)に、他方の端面が中間プレート(63)に れぞれ摺接している。第1シリンダ(71)内に 、その内周面と第1ピストン(75)の外周面との 間に第1流体室(72)が形成される。一方、上記 2ピストン(85)は、その外周面が第2シリンダ( 81)の内周面に、一方の端面がリアヘッド(62) 、他方の端面が中間プレート(63)にそれぞれ 接している。第2シリンダ(81)内には、その 周面と第2ピストン(85)の外周面との間に第2 体室(82)が形成される。

 第1及び第2ピストン(75,85)のそれぞれには ブレード(76,86)が1つずつ一体に設けられて る。ブレード(76,86)は、ピストン(75,85)の半径 方向へ延びる板状に形成されており、ピスト ン(75,85)の外周面から外側へ突出している。 1ピストン(75)のブレード(76)は第1シリンダ(71) のブッシュ孔(78)に、第2ピストン(85)のブレー ド(86)は第2シリンダ(81)のブッシュ孔(88)にそ ぞれ挿入されている。各シリンダ(71,81)のブ シュ孔(78,88)は、シリンダ(71,81)を厚み方向 貫通すると共に、シリンダ(71,81)の内周面に 口している。

 各シリンダ(71,81)には、一対のブッシュ(77 ,87)が一組ずつ設けられている。各ブッシュ(7 7,87)は、内側面が平面となって外側面が円弧 となるように形成された小片である。各シ ンダ(71,81)において、一対のブッシュ(77,87) 、ブッシュ孔(78,88)に挿入されてブレード(76, 86)を挟み込んだ状態となる。各ブッシュ(77,87 )は、その内側面がブレード(76,86)と摺接し、 の外側面がシリンダ(71,81)と摺動する。そし て、ピストン(75,85)と一体のブレード(76,86)は ブッシュ(77,87)を介してシリンダ(71,81)に支 され、シリンダ(71,81)に対して回動自在で且 進退自在となっている。

 第1シリンダ(71)内の第1流体室(72)は、第1 ストン(75)と一体の第1ブレード(76)によって 切られており、図3,図4における第1ブレード( 76)の左側が高圧側の第1高圧室(73)となり、そ 右側が低圧側の第1低圧室(74)となっている 第2シリンダ(81)内の第2流体室(82)は、第2ピス トン(85)と一体の第2ブレード(86)によって仕切 られており、図3,図4における第2ブレード(86) 左側が高圧側の第2高圧室(83)となり、その 側が低圧側の第2低圧室(84)となっている。

 第1シリンダ(71)と第2シリンダ(81)とは、そ れぞれの周方向におけるブッシュ(77,87)の位 が一致する姿勢で配置されている。言い換 ると、第2シリンダ(81)の第1シリンダ(71)に対 る配置角度が0°となっている。上述のよう 、第1偏心部(79)と第2偏心部(89)とは、主軸部 (38)の軸心に対して同じ方向へ偏心している 従って、第1ブレード(76)が第1シリンダ(71)の 側へ最も退いた状態になるのと同時に、第2 ブレード(86)が第2シリンダ(81)の外側へ最も退 いた状態になる。

 第1シリンダ(71)には、流入ポート(67)が形 されている。流入ポート(67)は、第1シリン (71)の内周面のうち、図3,図4におけるブッシ (77)のやや左側の箇所に開口している。流入 ポート(67)は、第1高圧室(73)と連通可能となっ ている。図示しないが、流入ポート(67)には 流入管(35)が接続されている。

 第2シリンダ(81)には、流出ポート(68)が形 されている。流出ポート(68)は、第2シリン (81)の内周面のうち、図3,図4におけるブッシ (87)のやや右側の箇所に開口している。流出 ポート(68)は、第2低圧室(84)と連通可能となっ ている。図示しないが、流出ポート(68)には 流出管(36)が接続されている。

 中間プレート(63)には、連通路(64)が形成 れている。この連通路(64)は、中間プレート( 63)を厚み方向へ貫通している。中間プレート (63)における第1シリンダ(71)側の面では、第1 レード(76)の右側の箇所に連通路(64)の一端が 開口している。中間プレート(63)における第2 リンダ(81)側の面では、第2ブレード(86)の左 の箇所に連通路(64)の他端が開口している。 そして、図2に示すように、連通路(64)は、中 プレート(63)の厚み方向に対して斜めに延び ており、第1低圧室(74)と第2高圧室(83)とを互 に連通させている。

 上述のように、第1ロータリ機構部(70)の 1低圧室(74)と、第2ロータリ機構部(80)の第2高 圧室(83)とは、連通路(64)を介して互いに連通 ている。そして、第1低圧室(74)と連通路(64) 第2高圧室(83)とによって1つの閉空間が形成 れ、この閉空間が膨張室(66)を構成している 。

 フロントヘッド(61)は、その中央部が下方 へ突出した形状となっている。また、フロン トヘッド(61)の中央部には貫通孔が形成され おり、この貫通孔に出力軸(32)が挿通されて る。フロントヘッド(61)は、出力軸(32)にお る第1偏心部(79)の下側の部分を支持する滑り 軸受を構成している。フロントヘッド(61)で 、出力軸(32)の主軸部(38)が挿通される貫通孔 の下部に、円周溝が形成されている。この円 周溝は、出力軸(32)の外周面に開口する給油 路(90)の端部と対向する位置に形成されてお 、下側油溜め室(102)を構成している。

 リアヘッド(62)の中央部には貫通孔が形成 されており、この貫通孔に出力軸(32)の主軸 (38)が挿通されている。リアヘッド(62)は、出 力軸(32)における第2偏心部(89)の上側の部分を 支持する滑り軸受を構成している。

 上部プレート(65)は、やや厚肉の円板状に 形成されており、リアヘッド(62)の上に載置 れている。上部プレート(65)では、その下面 中央部に円形の凹陥部が形成されている。 部プレート(65)は、その凹陥部が出力軸(32) 上端面と対面する位置に設けられる。上部 レート(65)には、給油用配管(41)の終端が接続 されている。給油用配管(41)の終端は、上部 レート(65)を上方から下方へ向かって貫通し 凹陥部に開口している。上部プレート(65)の 凹陥部は、給油用配管(41)から供給された冷 機油を溜めるための上側油溜め室(101)を構成 している。また、上部プレート(65)では、そ 下面に凹溝(103)が形成されている。凹溝(103) 、上側油溜め室(101)の周縁から上部プレー (65)の外周方向へ延びている。

 膨張機構(31)では、リアヘッド(62)に第1油 路(111)が形成され、中間プレート(63)に第2油 通路(112)が形成され、フロントヘッド(61)に第 3油通路(113)が形成されている。第1油通路(111) は、リアヘッド(62)を厚み方向へ貫通し、凹 (103)の終端を第2シリンダ(81)のブッシュ孔(88) と連通させている。第2油通路(112)は、中間プ レート(63)を厚み方向へ貫通し、第2シリンダ( 81)のブッシュ孔(88)を第1シリンダ(71)のブッシ ュ孔(78)と連通させている。フロントヘッド(6 1)において、第3油通路(113)の一端は、フロン ヘッド(61)の上面のうち第1シリンダ(71)のブ シュ孔(78)に臨む部分に開口している。また 、フロントヘッド(61)において、第3油通路(113 )の他端は、出力軸(32)が挿通される貫通孔の 周面に開口している。

 以上のように構成された本実施形態の膨 機構(31)では、第1シリンダ(71)と、そこに設 られたブッシュ(77)と、第1ピストン(75)と、 1ブレード(76)とが第1ロータリ機構部(70)を構 成している。また、第2シリンダ(81)と、そこ 設けられたブッシュ(87)と、第2ピストン(85) 、第2ブレード(86)とが第2ロータリ機構部(80) を構成している。

  -運転動作-
 上記空調機(10)の動作について説明する。

   〈冷房運転〉
 冷房運転時には、第1四方切換弁(12)及び第2 方切換弁(13)が第1状態(図1に実線で示す状態 )に設定され、冷媒回路(11)で冷媒が循環して 気圧縮冷凍サイクルが行われる。この冷媒 路(11)で行われる冷凍サイクルは、その高圧 が冷媒である二酸化炭素の臨界圧力よりも高 い値に設定されている。

 圧縮機(20)では、電動機(23)によって圧縮 構(21)が回転駆動される。圧縮機構(21)は、吸 入管(25)から吸い込んだ冷媒を圧縮して圧縮 ケーシング(24)内へ吐出する。圧縮機ケーシ グ(24)内の高圧冷媒は、吐出管(26)を通って 縮機(20)から吐出される。圧縮機(20)から吐出 された冷媒は、室外熱交換器(14)へ送られて 外空気へ放熱する。室外熱交換器(14)で放熱 た高圧冷媒は、膨張機(30)へ流入する。

 膨張機(30)では、流入管(35)を通って膨張 構(31)へ流入した高圧冷媒が膨張し、それに って発電機(33)が回転駆動される。発電機(33 )で発生した電力は、圧縮機(20)の電動機(23)へ 供給される。膨張機構(31)で膨張した冷媒は 流出管(36)を通って膨張機(30)から送り出され る。膨張機(30)から送出された冷媒は、室内 交換器(15)へ送られる。室内熱交換器(15)では 、流入した冷媒が室内空気から吸熱して蒸発 し、室内空気が冷却される。室内熱交換器(15 )から出た低圧冷媒は、圧縮機(20)の吸入管(25) へ流入する。

   〈暖房運転〉
 暖房運転時には、第1四方切換弁(12)及び第2 方切換弁(13)が第2状態(図1に破線で示す状態 )に設定され、冷媒回路(11)で冷媒が循環して 気圧縮冷凍サイクルが行われる。冷房運転 と同様に、この冷媒回路(11)で行われる冷凍 サイクルは、その高圧が冷媒である二酸化炭 素の臨界圧力よりも高い値に設定されている 。

 圧縮機(20)では、電動機(23)によって圧縮 構(21)が回転駆動される。圧縮機構(21)は、吸 入管(25)から吸い込んだ冷媒を圧縮して圧縮 ケーシング(24)内へ吐出する。圧縮機ケーシ グ(24)内の高圧冷媒は、吐出管(26)を通って 縮機(20)から吐出される。圧縮機(20)から吐出 された冷媒は、室内熱交換器(15)へ送られる 室内熱交換器(15)では、流入した冷媒が室内 気へ放熱し、室内空気が加熱される。室内 交換器(15)で放熱した高圧冷媒は、膨張機(30 )へ流入する。

 膨張機(30)では、流入管(35)を通って膨張 構(31)へ流入した高圧冷媒が膨張し、それに って発電機(33)が回転駆動される。発電機(33 )で発生した電力は、圧縮機(20)の電動機(23)へ 供給される。膨張機構(31)で膨張した冷媒は 流出管(36)を通って膨張機(30)から送り出され る。膨張機(30)から送出された冷媒は、室外 交換器(14)へ送られる。室外熱交換器(14)では 、流入した冷媒が室外空気から吸熱して蒸発 する。室外熱交換器(14)から出た低圧冷媒は 圧縮機(20)の吸入管(25)へ流入する。

   〈圧縮機及び膨張機の潤滑動作〉
 圧縮機(20)と膨張機(30)を冷凍機油により潤 する動作について説明する。

 圧縮機(20)では、圧縮機ケーシング(24)の 圧が、圧縮機構(21)から吐出された冷媒の圧 とほぼ同じになっている。このため、圧縮 ケーシング(24)の底に溜まった冷凍機油の圧 力も、圧縮機構(21)から吐出された冷媒の圧 とほぼ同じになっている。一方、圧縮機構(2 1)は、吸入管(25)から低圧冷媒を吸入する。従 って、圧縮機構(21)には、圧縮機ケーシング(2 4)の内圧よりも低圧となる部分が存在する。 のため、圧縮機ケーシング(24)の底に溜まっ た冷凍機油は、駆動軸(22)内の給油通路(90)を って圧縮機構(21)へ流入し、圧縮機構(21)の 滑に利用される。圧縮機構(21)へ供給された 凍機油は、圧縮された冷媒と共に圧縮機ケ シング(24)内へ吐出され、再び圧縮機ケーシ ング(24)の底部へ戻ってくる。

 冷媒回路(11)を循環する冷媒の圧力は、圧 縮機(20)から膨張機(30)へ至るまでの間に幾分 下する。このため、膨張機構(31)を通過する 冷媒の圧力は、必然的に圧縮機ケーシング(24 )の内圧よりも低くなる。このため、圧縮機 ーシング(24)の底に溜まった冷凍機油は、給 用配管(41)を通って膨張機構(31)へ流入する その際、給油用配管(41)へ流入した冷凍機油 、冷却用熱交換器(46)で吸入側配管(16)内の 媒と熱交換して冷却され、その後に膨張機 (31)へ流入する。

 膨張機構(31)に流入した冷凍機油は、膨張 機構(31)の潤滑に利用される。その後、この 凍機油は、その一部は膨張機構(31)から漏れ て膨張機ケーシング(34)の底に溜まり、残り は膨張後の冷媒と共に膨張機(30)から流出す 。冷媒と共に膨張機(30)から流出した冷凍機 は、冷媒と共に冷媒回路(11)内を流れて圧縮 機(20)へ吸入される。一方、膨張機ケーシン (34)の底に溜まった冷凍機油は、油戻し用配 (42)を通って吸入側配管(16)へ流入し、冷媒 共に圧縮機(20)へ吸入される。吸入側配管(16) を流れる冷媒の圧力は、冷媒回路(11)内で最 低くなっている。このため、膨張機ケーシ グ(34)内の冷凍機油は、油戻し用配管(42)を流 れて吸入側配管(16)に流入する。

 圧縮機(20)の圧縮機構(21)へ冷媒と共に吸 された冷凍機油は、圧縮後の冷媒と共に圧 機構(21)から圧縮機ケーシング(24)の内部空間 へ吐出され、その後に圧縮機ケーシング(24) 底部へと流れ落ちてゆく。

   〈膨張機構の動作〉
 膨張機構(31)の動作について、図4を参照し がら説明する。

 先ず、第1ロータリ機構部(70)の第1高圧室( 73)へ超臨界状態の高圧冷媒が流入する過程に ついて説明する。回転角が0°の状態から出力 軸(32)が僅かに回転すると、第1ピストン(75)と 第1シリンダ(71)の接触位置が流入ポート(67)の 開口部を通過し、流入ポート(67)から第1高圧 (73)へ高圧冷媒が流入し始める。その後、出 力軸(32)の回転角が90°,180°,270°と次第に大き なるにつれて、第1高圧室(73)へ高圧冷媒が 入してゆく。この第1高圧室(73)への高圧冷媒 の流入は、出力軸(32)の回転角が360°に達する まで続く。

 次に、膨張機構(31)において冷媒が膨張す る過程について説明する。回転角が0°の状態 から出力軸(32)が僅かに回転すると、第1低圧 (74)と第2高圧室(83)が連通路(64)を介して互い に連通し、第1低圧室(74)から第2高圧室(83)へ 冷媒が流入し始める。その後、出力軸(32)の 転角が90°,180°,270°と次第に大きくなるにつ れ、第1低圧室(74)の容積が次第に減少すると 時に第2高圧室(83)の容積が次第に増加し、 果として膨張室(66)の容積が次第に増加して く。この膨張室(66)の容積増加は、出力軸(32 )の回転角が360°に達する直前まで続く。そし て、膨張室(66)の容積が増加する過程で膨張 (66)内の冷媒が膨張し、この冷媒の膨張によ て出力軸(32)が回転駆動される。このように 、第1低圧室(74)内の冷媒は、連通路(64)を通っ て第2高圧室(83)へ膨張しながら流入してゆく

 続いて、第2ロータリ機構部(80)の第2低圧 (84)から冷媒が流出してゆく過程について説 明する。第2低圧室(84)は、出力軸(32)の回転角 が0°の時点から流出ポート(68)に連通し始め 。つまり、第2低圧室(84)から流出ポート(68) と冷媒が流出し始める。その後、出力軸(32) 回転角が90°,180°,270°と次第に大きくなって ゆき、その回転角が360°に達するまでの間に って、第2低圧室(84)から膨張後の低圧冷媒 流出してゆく。

 膨張機構(31)では、給油用配管(41)を通じ 供給された冷凍機油が上側油溜め室(101)へ導 入される。上側油溜め室(101)へ流入した冷凍 油は、出力軸(32)の給油通路(90)と、出力軸(3 2)とリアヘッド(62)の摺動部分と、凹溝(103)と 分配される。

 出力軸(32)の給油通路(90)へ流入した冷凍 油は、その一部が各分岐通路(91,92)を通じて 心部(79,89)とピストン(75,85)の摺動部分に供 され、残りが下側油溜め室(102)へ流入する。 下側油溜め室(102)へ流入した冷凍機油は、出 軸(32)とフロントヘッド(61)の摺動部分へ供 される。

 凹溝(103)へ流入した冷凍機油は、第1油通 (111)を通って第2シリンダ(81)のブッシュ孔(88 )へ流入する。このブッシュ孔(88)へ流入した 凍機油は、その一部が、第2シリンダ(81)と ッシュ(87)の摺動部分や、第2ブレード(86)と ッシュ(87)の摺動部分へ供給される。ブッシ 孔(88)へ流入した冷凍機油の残りは、第2油 路(112)を通って第1シリンダ(71)のブッシュ孔( 78)へ流入する。このブッシュ孔(78)へ流入し 冷凍機油は、その一部が、第1シリンダ(71)と ブッシュ(77)の摺動部分や、第1ブレード(76)と ブッシュ(77)の摺動部分へ供給される。ブッ ュ孔(78)へ流入した冷凍機油の残りは、第3油 通路(113)を通じてフロントヘッド(61)と出力軸 (32)の隙間へ供給される。

  -実施形態1の効果-
 本実施形態では、内圧が圧縮機構(21)から吐 出された直後の冷媒の圧力と等しい圧縮機ケ ーシング(24)に冷凍機油を貯留し、その冷凍 油を圧縮機構(21)と膨張機構(31)の両方へ供給 している。つまり、本実施形態では、冷媒回 路(11)内において最も高圧となる部分に冷凍 油を貯留し、その冷凍機油を、圧縮機ケー ング(24)の内圧よりも低圧の部分が存在する 縮機構(21)や膨張機構(31)へ供給している。 のため、冷凍機油の供給元がその供給先に べて高圧となり、圧縮機構(21)や膨張機構(31) に対して確実に冷凍機油が供給されることに なる。従って、本実施形態によれば、圧縮機 構(21)や膨張機構(31)に対する冷凍機油の供給 を確保することができ、圧縮機構(21)や膨張 機構(31)の焼き付き等のトラブルを未然に防 して空調機(10)の信頼性を確保することがで る。

 また、本実施形態では、膨張機ケーシン (34)内に溜まった冷凍機油が油戻し用配管(42 )を通って圧縮機(20)へと戻される。冷媒回路( 11)内に存在する冷凍機油の量は一定であるた め、膨張機ケーシング(34)内に溜まった冷凍 油の量が増えると、その分だけ圧縮機ケー ング(24)における冷凍機油の貯留量が減るこ になり、圧縮機構(21)や膨張機構(31)へ冷凍 油が充分に供給されなくなるおそれがある それに対し、この発明では、膨張機ケーシ グ(34)内の冷凍機油が油戻し用配管(42)を通じ て圧縮機構(21)へ送り返される。従って、こ 本実施形態によれば、圧縮機ケーシング(24) おける冷凍機油の貯留量を充分に確保する とができ、圧縮機構(21)や膨張機構(31)へ冷 機油を一層確実に供給することができる。

 また、本実施形態では、膨張機ケーシン (34)内に溜まった冷凍機油が吸入側配管(16) 送られる。圧縮機構(21)の吸入管(25)に接続す る吸入側配管(16)は、冷媒回路(11)内で最も低 となる部分である。つまり、本実施形態で 、冷凍機油が溜まり込む膨張機ケーシング( 34)の内部空間と冷凍機油の戻し先との間に確 実に圧力差ができる。従って、本実施形態に よれば、膨張機ケーシング(34)内に溜まった 凍機油を確実に圧縮機(20)へ送り返すことが き、圧縮機ケーシング(24)内の冷凍機油の貯 留量を確保することができる。

 ここで、圧縮機ケーシング(24)の内部空間 では、冷凍機油と圧縮機構(21)から吐出され 冷媒とが共存している。このため、圧縮機 ーシング(24)内に貯留された冷凍機油の温度 、圧縮機構(21)から吐出された冷媒の温度と 同程度となる。一方、圧縮機構(21)から吐出 れた直後の冷媒は、その温度が80℃~100℃程 に達する場合があり、冷媒回路(11)内を循環 る冷媒のうちで最も高温である。このため 圧縮機ケーシング(24)内に貯留された高温の 冷凍機油をそのまま膨張機構(31)へ供給する 、膨張機構(31)を通過する0℃~30℃程度の冷媒 が冷凍機油によって加熱され、膨張機構(31) ら流出する冷媒のエンタルピが上昇する。 張機構(31)から流出する冷媒のエンタルピが 昇すると、室内熱交換器(15)や室外熱交換器 (14)における冷媒の吸熱量が減少し、空調機(1 0)の能力低下を招くおそれがある。

 それに対し、本実施形態では、圧縮機ケ シング(24)から流出して給油用配管(41)を流 る冷凍機油を、冷却用熱交換器(46)で冷却し から膨張機構(31)へ供給している。このため 、圧縮機ケーシング(24)内に貯留された冷凍 油をそのまま膨張機構(31)へ導入する場合に べ、給油用配管(41)を通じて供給された冷凍 機油から膨張機構(31)を通過する冷媒へ侵入 る熱量を削減することができる。従って、 実施形態によれば、膨張機構(31)から流出す 冷媒のエンタルピを低く抑えることができ 空調機(10)の冷房能力や暖房能力の低下を抑 制することができる。

 特に、本実施形態では、圧縮機構(21)へ吸 入される冷媒(即ち、冷媒回路(11)内を循環す 冷媒のうちで最も低温の冷媒)と給油用配管 (41)を流れる冷凍機油とを、冷却用熱交換器(4 6)において互いに熱交換させている。従って 本実施形態によれば、給油用配管(41)を通じ て膨張機構(31)へ導入される冷凍機油の温度 確実に低下させることができ、空調機(10)の 力低下を一層確実に抑えることができる。

  -実施形態1の変形例1-
 本実施形態の空調機(10)では、図5に示すよ に、給油用配管(41)と吸入側配管(16)に接続す る冷却用熱交換器(46)に加えて、給油用配管(4 1)と油戻し用配管(42)に接続する冷却用熱交換 器(47)を設けてもよい。この冷却用熱交換器(4 7)は、給油用配管(41)を流れる冷凍機油と、油 戻し用配管(42)を流れる冷媒とを熱交換させ 。

 上述したように、膨張機構(31)を通過する 冷媒の温度は0℃~30℃程度である。このため この膨張機構(31)から漏れ出て膨張機ケーシ グ(34)内に溜まる冷凍機油の温度は、膨張機 構(31)を通過する冷媒の温度と同程度の比較 低い値となる。冷却用熱交換器(47)では、圧 機ケーシング(24)から流出して給油用配管(41 )を流れる比較的高温の冷凍機油が、膨張機 ーシング(34)から流出して油戻し用配管(42)を 流れる比較的低温の冷凍機油と熱交換する。

 膨張機構(31)へは、これら2つの冷却用熱 換器(46,47)で順に冷却された冷凍機油が導入 れる。給油用配管(41)を通じて膨張機構(31) 導入される冷凍機油の温度を一層低くする とができ、空調機(10)の能力低下を一層確実 抑えることが可能となる。

  -実施形態1の変形例2-
 本実施形態の空調機(10)では、図6に示すよ に、給油用配管(41)と吸入側配管(16)に接続す る冷却用熱交換器(46)に加えて、給油用配管(4 1)内の冷凍機油を室外空気と熱交換させる冷 用熱交換器(48)を設けてもよい。給油用配管 (41)において、この冷却用熱交換器(48)は、給 用配管(41)と吸入側配管(16)に接続する冷却 熱交換器(46)の上流側に配置される。

 上述したように、圧縮機構(21)から吐出さ れた直後の冷媒の温度は80℃~100℃程度に達し 、圧縮機ケーシング(24)内に貯留された冷凍 油の温度もそれと同程度となる。一方、室 空気の温度は、夏季でも30℃~40℃程度である のが通常であり、50℃を超えることは殆ど無 。つまり、給油用配管(41)を流れる冷凍機油 は、室外空気よりも高温となる。このため、 冷却用熱交換器(48)では、給油用配管(41)を流 る冷凍機油が室外空気によって冷却される

 膨張機構(31)へは、これら2つの冷却用熱 換器(48,46)で順に冷却された冷凍機油が導入 れる。このため、給油用配管(41)を通じて膨 張機構(31)へ導入される冷凍機油の温度を一 低くすることができ、空調機(10)の能力低下 一層確実に抑えることが可能となる。

 《発明の実施形態2》
 本発明の実施形態2について説明する。本実 施形態は、膨張機ケーシング(34)にアキュー レータとしての機能を持たせたものである ここでは、本実施形態の空調機(10)について 上記実施形態1と異なる点を説明する。

 図7に示すように、本実施形態の冷媒回路 (11)では、吸入側配管(16)が第1配管(17)と第2配 (18)とによって構成されている。

 第1配管(17)の一端は、第1四方切換弁(12)の 第2のポートに接続されている。第1配管(17)の 他端は、膨張機ケーシング(34)に接続され、 張機ケーシング(34)の内部空間における膨張 構(31)と発電機(33)の間に開口している。こ 第1配管(17)は、室内熱交換器(15)と室外熱交 器(14)のうち蒸発器として動作している方と 張機ケーシング(34)の内部空間とを連通させ る第1吸入側通路を構成している。

 第2配管(18)の一端は、膨張機ケーシング(3 4)に接続され、膨張機ケーシング(34)の内部空 間における膨張機構(31)と発電機(33)の間に開 している。第2配管(18)の他端は、圧縮機(20) 吸入管(25)に接続されている。この第1配管(1 7)は、膨張機ケーシング(34)の内部空間と圧縮 機(20)の吸入側とを連通させる第2吸入側通路 構成している。本実施形態において、油戻 用配管(42)は、第2配管(18)における冷却用熱 換器(46)の上流側に接続されている。

 ここで、室内熱交換器(15)と室外熱交換器 (14)のうち蒸発器として動作している方では そこへ流入した冷媒が完全には蒸発しきら 、一部の冷媒が液冷媒のままでそこから流 する場合がある。このような場合において 熱交換器(14,15)から流出する液冷媒の量が多 と、液冷媒が圧縮機構(21)へ吸入されて圧縮 機構(21)の破損を招くおそれがある。

 それに対し、本実施形態では、第1配管(17 )から膨張機ケーシング(34)の内部空間へ気液 相状態の冷媒が流入したとしても、その冷 は膨張機ケーシング(34)内でガス冷媒と液冷 媒に分離され、ガス冷媒が第2配管(18)を通っ 圧縮機構(21)へ送られる。このため、圧縮機 構(21)へ吸入される冷媒は、ほぼガス冷媒だ になる。つまり、本実施形態によれば、膨 機ケーシング(34)をアキュームレータとして 機能させ、アキュームレータを別途設ける となく液バックによる圧縮機(20)の損傷を防 ぐことができる。

  -実施形態2の変形例-
 本実施形態では、膨張機ケーシング(34)にお ける第1配管(17)の接続位置を変更してもよい

 図8に示すように、本変形例の第1配管(17) 、膨張機ケーシング(34)の下部に接続され、 膨張機ケーシング(34)の内部空間における発 機(33)の下側に開口している。本変形例にお て、第1配管(17)を通って膨張機ケーシング(3 4)の内部空間へ流入した冷媒は、発電機(33)に おけるロータとステータの隙間などを下から 上へ向かって通過し、その後に第2配管(18)へ 入する。

 冷媒が発電機(33)を通過する際には、その 冷媒中の液冷媒は発電機(33)に付着して下方 流れ落ちてゆき、主にその冷媒中のガス冷 が発電機(33)を通過して第2配管(18)へ到達す 。従って、本変形例によれば、膨張機ケー ング(34)の内部空間においてガス冷媒と液冷 を確実に分離することができ、液バックに る圧縮機(20)の損傷を一層確実に防ぐことが できる。

 また、本変形例では、発電機(33)を冷媒が 通過するため、発電機(33)が冷媒によって冷 される。従って、本変形例によれば、発電 (33)の温度上昇を抑制することができ、発電 (33)の効率向上を図ることが可能となる。

 《発明の実施形態3》
 本発明の実施形態3について説明する。本実 施形態の空調機(10)は、上記実施形態1におい 膨張機(30)の構成を変更したものである。こ こでは、本実施形態の膨張機(30)について、 記実施形態1と異なる点を説明する。

 図9に示すように、出力軸(32)の上端部に 、1つの偏心部(59)が形成されている。この偏 心部(59)は、出力軸(32)の主軸部(38)よりも大径 に形成されている。出力軸(32)には、給油通 (90)が形成されている。給油通路(90)は、出力 軸(32)の軸心に沿って延びている。給油通路(9 0)の一端は、出力軸(32)の上端面に開口してい る。給油通路(90)の他端は、直角に屈曲して 力軸(32)の径方向へ延びており、出力軸(32)の うち偏心部(59)から幾分下がった部分の外周 に開口している。給油通路(90)には、出力軸( 32)の径方向へ延びる分岐通路(93)が1つ形成さ ている。この分岐通路(93)は、偏心部(59)の 周面に開口している。

 膨張機構(31)は、いわゆる揺動ピストン型 のロータリ式流体機械で構成されている。こ の膨張機構(31)には、フロントヘッド(61)と、 リンダ(51)と、ピストン(55)と、リアヘッド(6 2)と、上部プレート(65)とが1つずつ設けられ いる。

 膨張機構(31)では、下から上へ向かって順 に、フロントヘッド(61)、シリンダ(51)、リア ッド(62)、上部プレート(65)が積層された状 となっている。この状態において、シリン (51)は、その下側端面がフロントヘッド(61)に より閉塞され、その上側端面がリアヘッド(62 )により閉塞されている。

 出力軸(32)は、積層された状態のフロント ヘッド(61)、シリンダ(51)、リアヘッド(62)を貫 通している。また、出力軸(32)は、その偏心 (59)がシリンダ(51)内に位置している。

 図10にも示すように、シリンダ(51)内には ストン(55)が設けられている。このピストン (55)は、円環状あるいは円筒状に形成されて る。ピストン(55)の内径は偏心部(59)の外径と 概ね等しくなっている。そして、ピストン(55 )には出力軸(32)の偏心部(59)が貫通している。

 ピストン(55)は、その外周面がシリンダ(51 )の内周面に、一方の端面がフロントヘッド(6 1)に、他方の端面がリアヘッド(62)にそれぞれ 摺接している。シリンダ(51)内には、その内 面とピストン(55)の外周面との間に流体室(52) が形成される。

 ピストン(55)には、ブレード(56)が一体に けられている。ブレード(56)は、ピストン(55) の半径方向へ延びる板状に形成されており、 ピストン(55)の外周面から外側へ突出してい 。このブレード(56)はシリンダ(51)のブッシュ 孔(58)に挿入されている。シリンダ(51)のブッ ュ孔(58)は、シリンダ(51)を厚み方向へ貫通 ると共に、シリンダ(51)の内周面に開口して る。

 シリンダ(51)には、一対のブッシュ(57)が けられている。各ブッシュ(57)は、内側面が 面となって外側面が円弧面となるように形 された小片である。シリンダ(51)において、 一対のブッシュ(57)は、ブッシュ孔(58)に挿入 れてブレード(56)を挟み込んだ状態となる。 ブッシュ(57)は、その内側面がブレード(56)と 接し、その外側面がシリンダ(51)と摺動する 。そして、ピストン(55)と一体のブレード(56) 、ブッシュ(57)を介してシリンダ(51)に支持 れ、シリンダ(51)に対して回動自在で且つ進 自在となっている。

 シリンダ(51)内の流体室(52)は、ピストン(5 5)と一体のブレード(56)によって仕切られてお り、図10におけるブレード(56)の左側が高圧側 の高圧室(53)となり、その右側が低圧側の低 室(54)となっている。フロントヘッド(61)には 流入ポート(67)が形成されている。流入ポー (67)は、フロントヘッド(61)の上面のうち高圧 室(53)に臨む部分に開口している。また、流 ポート(67)の開口位置は、シリンダ(51)の内周 面の近傍で且つ図10におけるブレード(56)の左 側近傍に設定されている。シリンダ(51)には 出ポート(68)が形成されている。流出ポート( 68)は、シリンダ(51)の内周面のうち、図10にお けるブッシュ(57)のやや右側の箇所に開口し いる。この流出ポート(68)は、低圧室(54)と連 通可能となっている。

 フロントヘッド(61)は、その中央部が下方 へ突出した形状となっている。また、フロン トヘッド(61)の中央部には貫通孔が形成され おり、この貫通孔に出力軸(32)の主軸部(38)が 挿通されている。フロントヘッド(61)は、出 軸(32)における偏心部(59)の下側の部分を支持 する滑り軸受を構成している。フロントヘッ ド(61)では、出力軸(32)が挿通される貫通孔の 部に、円周溝が形成されている。この円周 は、出力軸(32)の外周面に開口する給油通路 (90)の端部と対向する位置に形成されており 下側油溜め室(102)を構成している。フロント ヘッド(61)の全体形状や、フロントヘッド(61) 下側油溜め室(102)が形成される点は、上記 施形態1と同様である。

 リアヘッド(62)の中央部には貫通孔が形成 されており、この貫通孔に出力軸(32)の主軸 (38)が挿通されている。リアヘッド(62)は、出 力軸(32)における偏心部(59)の上側の部分を支 する滑り軸受を構成している。また、リア ッド(62)の上面の中央部には、円形の凹陥部 が貫通孔と同軸上に形成されている。この凹 陥部は、給油用配管(41)から供給された冷凍 油を溜めるための上側油溜め室(101)を構成し ている。更に、リアヘッド(62)の上面には、 溝(103)が形成されている。凹溝(103)は、上側 溜め室(101)の周縁からリアヘッド(62)の外周 向へ延びている。

 上部プレート(65)は、やや厚肉の円板状に 形成されており、リアヘッド(62)の上に載置 れている。上部プレート(65)には、給油用配 (41)の終端が接続されている。給油用配管(41 )の終端は、上部プレート(65)を上方から下方 向かって貫通して上側油溜め室(101)に開口 ている。

 膨張機構(31)では、リアヘッド(62)に第1油 路(121)が形成され、フロントヘッド(61)に第2 油通路(122)が形成されている。第1油通路(121) 、リアヘッド(62)を厚み方向へ貫通し、凹溝 (103)の終端をシリンダ(51)のブッシュ孔(58)と 通させている。フロントヘッド(61)において 第2油通路(122)の一端は、フロントヘッド(61) の上面のうちシリンダ(51)のブッシュ孔(58)に む部分に開口している。また、フロントヘ ド(61)において、第2油通路(122)の他端は、出 力軸(32)が挿通される貫通孔の内周面に開口 ている。

  -運転動作-
 空調機(10)の冷房運転及び暖房運転や、圧縮 機構(21)及び膨張機構(31)へ冷凍機油を供給す 動作は、上記実施形態1の場合と同様である 。ここでは、本実施形態の膨張機構(31)が冷 から動力を回収する動作について、図10を参 照しながら説明する。

 出力軸(32)が同図(a)の状態(回転角が0°の 態)から同図の反時計方向へ僅かに回転する 、流入ポート(67)が高圧室(53)と連通し、流 ポート(67)から高圧室(53)へ高圧冷媒が流入す る。この時、低圧室(54)は流出ポート(68)と連 しており、低圧室(54)の圧力は冷凍サイクル の低圧と概ね等しくなっている。このため、 ピストン(55)は高圧室(53)へ流入した冷媒によ て押し動かされ、出力軸(32)が同図の反時計 方向へ回転を続ける。

 そして、同図(b)~(d)に順次示すように、高 圧室(53)の容積はピストン(55)が移動するのに れて拡大する一方、低圧室(54)の容積はピス トン(55)が移動するのにつれて縮小してゆく その後、ピストン(55)は同図(a)の状態に戻る 、慣性力によって回転し続け、再び高圧室( 53)に流入ポート(67)が連通すると同時に低圧 (54)に流出ポート(68)が連通する状態となり、 出力軸(32)が継続的に回転駆動される。

 膨張機構(31)では、給油用配管(41)を通じ 供給された冷凍機油が上側油溜め室(101)へ導 入される。上側油溜め室(101)へ流入した冷凍 油は、出力軸(32)の給油通路(90)と、出力軸(3 2)とリアヘッド(62)の摺動部分と、凹溝(103)と 分配される。

 出力軸(32)の給油通路(90)へ流入した冷凍 油は、その一部が分岐通路(93)を通じて偏心 (59)とピストン(55)の摺動面に供給され、残 が下側油溜め室(102)へ流入する。下側油溜め 室(102)へ流入した冷凍機油は、出力軸(32)とフ ロントヘッド(61)の摺動部分へ供給される。

 凹溝(103)へ流入した冷凍機油は、第1油通 (121)を通ってシリンダ(51)のブッシュ孔(58)へ 流入する。このブッシュ孔(58)へ流入した冷 機油は、その一部が、シリンダ(51)とブッシ (57)の摺動部分や、ブレード(56)とブッシュ(5 7)の摺動部分へ供給される。ブッシュ孔(58)へ 流入した冷凍機油の残りは、第2油通路(122)を 通じてフロントヘッド(61)と出力軸(32)の隙間 供給される。

  -実施形態3の変形例-
 本実施形態では、膨張機構(31)のフロントヘ ッド(61)に給油用配管(41)が接続されていても い。

 図11に示すように、本変形例の膨張機構(3 1)では、フロントヘッド(61)に対してその径方 向の外側から給油用配管(41)が接続されてい 。この給油用配管(41)は、フロントヘッド(61) の第2油通路(122)に連通している。本変形例の フロントヘッド(61)では、出力軸(32)の主軸部( 38)が挿通される貫通孔の上端部に円周溝が形 成され、この円周溝が下側油溜め室(102)を構 する。また、このフロントヘッド(61)では、 第2油通路(122)が下側油溜め室(102)に連通して る。

 本変形例の出力軸(32)において、給油通路 (90)の下端は、出力軸(32)の外周面のうち偏心 (59)の下側近傍に開口し、下側油溜め室(102) 連通している。また、この出力軸(32)には、 偏心部(59)の外周面に開口する分岐通路(93)の に、もう1つの分岐通路(94)が形成されてい 。この分岐通路(94)は、出力軸(32)の外周面の うち偏心部(59)の上側近傍に開口している。

 本変形例の膨張機構(31)では、給油用配管 (41)を通じて供給された冷凍機油が第2油通路( 122)へ導入される。第2油通路(122)へ流入した 凍機油は、下側油溜め室(102)と、シリンダ(51 )のブッシュ孔(58)とに分配される。

 下側油溜め室(102)へ流入した冷凍機油は 出力軸(32)の給油通路(90)と、出力軸(32)とフ ントヘッド(61)の摺動部分とに分配される。 力軸(32)の給油通路(90)へ流入した冷凍機油 、その一部が分岐通路(93)を通って偏心部(59) とピストン(55)の摺動部分に供給され、残り 一部が分岐通路(94)を通って出力軸(32)とリア ヘッド(62)の摺動部分に供給され、更にその りが上側油溜め室(101)へ流入する。

 シリンダ(51)のブッシュ孔(58)へ流入した 凍機油は、その一部が、シリンダ(51)とブッ ュ(57)の摺動部分や、ブレード(56)とブッシ (57)の摺動部分へ供給される。ブッシュ孔(58) へ流入した冷凍機油の残りは、第1油通路(121) を通って上側油溜め室(101)へ流入する。

 《その他の実施形態》
 上記の各実施形態では、膨張機構(31)がいわ ゆるローリングピストン型のロータリ式流体 機械で構成されていてもよい。この場合、膨 張機構(31)では、ブレード(56,75,86)がピストン( 55,75,85)と別体に形成される。そして、ブレー ド(56,75,86)は、シリンダ(51,71,81)に対して進退 在に支持され、その先端がピストン(55,75,85) の外周面に押し付けられる。

 また、上記の各実施形態では、膨張機構( 31)がスクロール型の流体機械で構成されてい てもよい。この場合、膨張機構(31)では、固 スクロールと可動スクロールによって形成 れた膨張室内で冷媒が膨張し、可動スクロ ルに係合する出力軸が回転駆動される。

 また、上記の各実施形態では冷凍装置に って空調機を構成しているが、冷凍装置に って給湯機を構成し、圧縮機(20)から吐出さ れた冷媒によって水を加熱して温水を生成す るようにしてもよい。

 また、上記実施形態1の変形例1では、給 用配管(41)の冷凍機油を吸入側配管(16)の冷媒 と熱交換させる冷却用熱交換器(46)を省略し 給油用配管(41)の冷凍機油を油戻し用配管(42) の冷凍機油と熱交換させる冷却用熱交換器(47 )だけを空調機(10)に設けてもよい。

 また、上記実施形態1の変形例2では、給 用配管(41)の冷凍機油を吸入側配管(16)の冷媒 と熱交換させる冷却用熱交換器(46)を省略し 給油用配管(41)の冷凍機油を室外空気と熱交 させる冷却用熱交換器(48)だけを空調機(10) 設けてもよい。

 なお、以上の実施形態は、本質的に好ま い例示であって、本発明、その適用物、あ いはその用途の範囲を制限することを意図 るものではない。

 以上説明したように、本発明は、互いに 体に形成された圧縮機と膨張機を備える冷 装置について有用である。