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Patent Searching and Data


Title:
REFRIGERATION AIR CONDITIONER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/084573
Kind Code:
A1
Abstract:
A refrigeration air conditioner that is capable of dehumidification by moisture adsorbing means and capable of regeneration of the moisture adsorbing means by the use of condensation exhaust heat in refrigerating cycle and exhaust heat in low temperature zone, and that exhibits stable performance even at a dry-bulb temperature of 0°C or below. In a space of given temperature range not higher than 0°C in terms of dry-bulb temperature, an adsorbent agent of 5 μm or less, preferably 20 nm or less, still preferably 1 to 1.4 nm pore diameter is applied so as to be supported on desiccant rotor (1) as moisture adsorbing means. Further, while rotating the desiccant rotor (1), within a refrigerator, the air having been dehumidified by the desiccant rotor (1) is fed to evaporator (20d) disposed on the lee to thereby prevent dew condensation on the evaporator (20d). Outside the refrigerator, the air having been dried by the exhaust heat from condenser (20b) disposed on the windward is fed to the desiccant rotor (1) to thereby attain drying of the adsorbent agent having absorbed moisture and consequent regeneration of the adsorptive capacity thereof.

Inventors:
MORIMOTO HIROYUKI (JP)
SUGIMOTO TAKESHI (JP)
MATSUOKA FUMIO (JP)
YAMASHITA TETSUYA (JP)
YAMASHITA KOJI (JP)
MAEGAWA TAKEYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/067164
Publication Date:
July 17, 2008
Filing Date:
September 04, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI ELECTRIC CORP (JP)
MORIMOTO HIROYUKI (JP)
SUGIMOTO TAKESHI (JP)
MATSUOKA FUMIO (JP)
YAMASHITA TETSUYA (JP)
YAMASHITA KOJI (JP)
MAEGAWA TAKEYUKI (JP)
International Classes:
F24F3/14; B01D53/26
Foreign References:
JP2006308236A2006-11-09
JP2006308229A2006-11-09
JP2006046776A2006-02-16
Attorney, Agent or Firm:
KOBAYASHI, Hisao et al. (The 6th Central Bldg. 19-10, Toranomon 1-chome, Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 冷媒が充填され、冷媒を圧縮する圧縮機、凝縮器、絞り装置及び蒸発器を備えた冷媒回路を有する冷凍空調装置において、
 乾球温度が0℃以下の冷蔵室を冷却し、該冷蔵室内空気の水分を吸着し、外気に前記吸着した水分を放出する水分吸着手段を備え、
 前記水分吸着手段は細孔径が1nm以上で5μm以下の吸着剤を担持することを特徴とする冷凍空調装置。
 前記水分吸着手段は、前記吸着剤に代えて、細孔径が20nm以下の吸着剤を担持することを特徴とする請求項1記載の冷凍空調装置。
 前記水分吸着手段は、前記吸着剤に代えて、細孔径が1~1.4nmの吸着剤を担持することを特徴とする請求項1記載の冷凍空調装置。
 前記凝縮器は前記水分吸着手段に対し前記外気側空間の風上側に配置され、前記蒸発器は前記水分吸着手段に対して前記冷蔵室内空気の風下側に配置されたことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の冷凍空調装置。
 前記水分吸着手段にデシカントロータを用い、前記吸着剤を前記デシカントロータに担持させたことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の冷凍空調装置。
 蒸発器の吹き出し温度と相対湿度を検知する温湿度センサと、
 前記温湿度センサの出力が、予め設定した相対湿度の目標値になるように前記圧縮機の周波数または前記絞り装置の開度を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の冷凍空調装置。
Description:
冷凍空調装置

この発明は、冷蔵あるいは冷凍倉庫に設置 され、乾球温度が0℃以下において使用する 凍空調装置に関するものである。

 従来の除湿機能を有する冷凍空調装置は 圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器と デフロストヒーターとで構成されている。 凍空調装置の冷凍サイクル内には冷媒が充 されている。圧縮機で圧縮された冷媒は高 高圧のガス冷媒となり、凝縮器に送り込ま る。凝縮器に流れ込んだ冷媒は、空気に熱 放出することにより液化する。液化した冷 は膨張弁で減圧されて気液二相流状態とな 、蒸発器にて周囲空気から熱を吸収するこ でガス化し、圧縮機へと流れる。特に、冷 ・冷蔵倉庫においては0℃より低い温度帯に 制御しなければならないため、蒸発温度が0 より低くなる。(一般的に、冷凍・冷蔵倉庫 は-10℃以下に制御されるケースが多い。)こ のため、蒸発器で霜が発生し冷却能力を低下 させていた。そこで、蒸発器にヒーターを取 り付け定期的に霜取り運転を行っていた。そ の結果、除霜のために余計なエネルギーを消 費することになり、冷凍空調装置の冷却効率 の低下を引き起こしていた。さらに、除霜運 転後は、冷凍・冷蔵倉庫内の温度が上昇し、 冷凍空調装置の負荷が増大し、消費電力の増 大を招いていた。

 そこで、冷凍機と水分吸着手段であるデシ ントロータを組み合わせ、細孔径が1.5~2.5nm 度の細孔を多数有し、なお且つ30%~60%の範囲 における相対湿度に対する水分の平衡吸着量 の変化率が当該30%~60%以外の範囲におけるそ よりも大きいシリカゲルやゼオライトなど 吸着剤を表面に担持するデシカントロータ より蒸発器(吸熱器)に流れ込む空気の水分を あらかじめ除去し、霜取運転を無くす方法が 開示されている。
 すなわち、水分吸着手段であるデシカント ータにシリカゲルやゼオライトなどの多数 細孔を有する吸着剤を担持させ、デシカン ロータを冷凍庫の内外に跨るように構成し 一定の速度で回転させ、デシカントロータ 冷凍庫外から冷凍庫内へ移動した部分に設 られた吸着剤によって冷凍庫内の空気を減 し、減湿された空気を蒸発器(吸熱器)へ供 する一方、凝縮器(放熱器)からの排熱によっ て加熱された高温の空気をデシカントロータ の冷凍庫内から冷凍庫外の外気側空間に移動 した部分へ供給することで、デシカントロー タの吸着剤が吸着した水分を脱着させて再生 するという動作を繰り返す。(例えば、特許 献1参照)。

特開2006-46776号公報(図2、図4、図6、段落0 017~0018、0024、0027)

 上記特許文献1に示されるような従来の冷 凍空調装置では、デシカントロータの表面に 設けられる吸着剤としてゼオライトやシリカ ゲルを用いており、空気条件が0℃を上回る 合には上記吸着剤の細孔内の水分は凍結せ 液として存在するため、冷凍サイクルの排 を利用して再生することができる。しかし がら、冷凍庫内などのように乾球温度が0℃ 下の環境下では、温度(例えば、-10℃以下) 吸着剤の細孔径の条件によっては、上記吸 剤の細孔内の水分は凍結してしまい、安定 た除湿性能を得ることができなかった。ま 、吸着剤を再生するためには、「融解エネ ギー+蒸発エネルギー」を与える必要があり 冷凍サイクルだけでなく、デフロストヒー ーやボイラー等の加熱手段も必要とし、除 の際には大幅なエネルギー消費効率の低下 招いていた。

 また、デシカントロータで広く用いられ いるゼオライトは、細孔径が非常に小さい め(約0.3~0.5nm程度)、乾球温度0℃以下の環境 では、吸着剤の細孔内の水分が壁面と干渉 、凍結が発生していた。その結果、再生に 要なエネルギーが非常に大きくなり、除湿 際にはエネルギー消費の効率が大幅に低下 ていた。

 また、吸着剤がシリカゲルの場合、図5b 示すように、細孔径のバラツキが大きく、 較的大きな細孔の割合が多いため、0℃以下 環境下では、細孔径の大きい細孔内で吸着 た水分が凍結し、性能が大幅に低下すると う問題があった。シリカゲルの細孔径のバ ツキが大きいのは、シリカの粒子がゲル化 る際に、粒子が成長・凝縮して空隙をもつ リカヒドロゲルとなり、3次元の細孔構造が 形成され、この空隙(=細孔)はさまざまな大き さを取り得るためである。

 また、細孔内で水分が凍結すると、膨張 るため、吸着剤の細孔を破壊し、性能を著 く低下させるという問題があった。

 この発明は上記のような課題を解消する めになされたもので、乾球温度が0℃以下の 環境下においても水分吸着手段による除湿機 能を有し、水分吸着手段に吸着された水分を 凍結させることなく冷凍サイクルにおける凝 縮排熱や低い温度帯の排熱を用いて水分吸着 手段から水分を脱着することが可能で、安定 した冷却性能を発揮する冷凍空調装置を得る ことを目的としている。

 この発明に係る冷凍空調装置は、冷媒が 填され、冷媒を圧縮する圧縮機、凝縮器、 り装置及び蒸発器を備えた冷媒回路を有す ものであって、乾球温度が0℃以下の冷蔵室 を冷却し、冷蔵室内空気の水分を吸着し、外 気に前記吸着した水分を放出する水分吸着手 段を備え、水分吸着手段に細孔径が5μm以下 吸着剤を担持させたものである。

 また、この発明に係る冷凍空調装置は、 媒が充填され、冷媒を圧縮する圧縮機、凝 器、絞り装置及び蒸発器を備えた冷媒回路 有するものであって、乾球温度が0℃以下の 冷蔵室を冷却し、冷蔵室内空気の水分を吸着 し、外気に前記吸着した水分を放出する水分 吸着手段を備え、水分吸着手段に細孔径が20n m以下の吸着剤を担持させたものである。

 また、この発明に係る冷凍空調装置は、 媒が充填され、冷媒を圧縮する圧縮機、凝 器、絞り装置及び蒸発器を備えた冷媒回路 有するものであって、乾球温度が0℃以下の 冷蔵室を冷却し、冷蔵室内空気の水分を吸着 し、外気に前記吸着した水分を放出する水分 吸着手段を備え、水分吸着手段に細孔径が1~1 .4nmの吸着剤を担持させたものである。

 この発明に係る冷凍空調装置によれば、 媒が充填され、冷媒を圧縮する圧縮機、凝 器、絞り装置及び蒸発器を備えた冷媒回路 有し、乾球温度が0℃以下の所定の温度範囲 の空間を冷却するものであって、細孔径が5μ m以下の吸着剤を担持し、冷蔵室内空気の水 を吸着し、外気に前記吸着した水分を放出 る水分吸着手段を備えたことにより、乾球 度が0℃以下においても水分吸着手段の細孔 の水分が凍結せず、安定した除湿性能を得 ことができる。

この発明の実施の形態1における冷凍空 調装置の構成を説明する概略図である。 この発明の実施の形態1における冷凍空 調装置のデシカントロータ1の駆動状態を説 する概略図である。 この発明の実施の形態1における冷凍空 調装置のデシカントロータ1が担持する吸着 の水分吸着特性を説明する特性図である。 この発明の実施の形態1における冷凍空 調装置の動作を説明する空気線図である。 この発明の実施の形態1における冷凍 調装置のデシカントロータ1が担持する吸着 の細孔径の分布を示す図である。 従来のシリカゲルの細孔分布の一例( ラツキが大きい細孔分布)を示す図である。 従来のシリカゲルの細孔分布の一例( ラツキが大きい細孔分布)であり、凍結発生 細孔径を示す図である。 この発明の実施の形態1における冷凍空 調装置のデシカントロータ1が担持する吸着 の細孔径と毛管凝縮現象が発生する相対湿 との関係を示す図である。 この発明の実施の形態1における冷凍空 調装置のデシカントロータ1の除湿能力と回 速度との関係を示す図である。 この発明の実施の形態1における冷凍空 調装置のデシカントロータ1が担持する吸着 の細孔径と含水率(吸着特性)の急激な変化を 示す相対湿度との関係を示す特性図である。 この発明の実施の形態1における冷凍空 調装置のデシカントロータ1が担持する吸着 の細孔径と凍結温度との関係を示す図であ 。 細孔径約1~1.4nmの細孔を有するメソポ ラスシリカの温度と吸熱量との関係を示す である。 細孔径約0.3~0.5nmの細孔を有するゼオラ イトの温度と吸熱量との関係を示す図である 。 細孔径約0.3~0.5nmの細孔を有するゼオラ イトの時間と吸着量との関係を示す図である 。

符号の説明

 1 デシカントロータ、2 モータ、3a ファ ン、3b ファン、4a 第1の空気、4b 第2の空気 5 デシカントロータの回転方向、20 冷凍機 、20a 圧縮機、20b 凝縮器、20c 絞り装置、20d  蒸発器、20e 温度検知手段(蒸発温度)、20f  湿度検知手段、20g 温湿度検知手段、20h 制 御・演算手段、100a 外気側空間、100b 冷蔵室 。

実施の形態1.
 本実施の形態1における冷凍空調装置の構成 を説明する。図1は、この発明の実施の形態1 おける冷凍空調装置の構成を説明する概略 である。この冷凍空調装置は、水分吸着手 であるデシカントロータ1と冷凍機20とを備 ている。また、デシカントロータ1を駆動す るための駆動手段であるモータ2、第1の空調 間である外気側空間100aの第1の空気4aをデシ カントロータ1へ供給するための第1の送風手 であるファン3a、第2の空調空間である冷蔵 100bの第2の空気4bをデシカントロータ1へ供 するための第2の送風手段であるファン3bを 備える。冷凍機20は、HFC(ハイドロフルオロ ーボン)系の冷媒であるR404Aが封入され、圧 機20a、凝縮器20b、絞り装置である膨張弁20c 蒸発器20dなどから構成されている。冷媒はR1 34a、R407C、R410A、CO2、アンモニア、HCなどでも よい。

 温湿度センサ20fは、冷蔵室100b内の温度を 検知しており、制御演算手段20hは、温湿度セ ンサ20fの検出結果に基づいて、常に冷蔵室100 b内が所定温度(本実施の形態1では-10℃)にな ように、冷凍機20を制御している。この様に 、通常、冷蔵室100b内は、常に管球温度が0℃ 下の温度環境にコントロールされている。 、ファン3aが回転することにより、第1の空 4aが凝縮器20bと熱交換するとともにデシカ トロータ1を通過するように気流を形成する また、ファン3bが回転することにより、第2 空気4bがデシカントロータ1を通過し、蒸発 20dと熱交換するように気流を形成する。ま 、凝縮器20bは、水分吸着手段であるデシカ トロータ1に対し第1の空気4aの風上側に配置 され、蒸発器20dは、デシカントロータ1に対 第2の空気4bの風下側に配置される。

 図2に示すように、デシカントロータ1は 柱形をしており、モータ2により矢印5の方向 に回転し、外気側100aと冷蔵室100bとの間を時 とともに移動する。なお、デシカントロー 1の回転速度については、図7に示すように 吸着速度、脱着速度の関係から最適回転速 が存在する。本実施の形態1においては、予 色々な運転条件で実験を行い、その結果確 された最適な回転速度でデシカントロータ1 が回転移動するようにしている。

 次に、冷凍手段20の動作について説明す 。圧縮機20aで圧縮された冷媒は、高温・高 の冷媒となって凝縮器20bに流れ込む。凝縮 20bに流れ込んだ冷媒は、周囲空気に熱を捨 、液冷媒になる。この周囲に捨てた熱(凝縮 熱)を、デシカントロータ1の再生に利用す 。液状態となった冷媒は、膨張弁20cによっ 減圧されて低圧の気液二相冷媒になり、蒸 器20dに送り込まれる。

 特に、冷媒にCO2を用いた場合、臨界圧以 で凝縮器(ガスクーラ)が作用するため、冷 は凝縮器では顕熱変化する(通常、HFC冷媒は 縮器では潜熱変化する)。この物性の特徴と 、熱交換器での風の流し方を対向流にするこ とによって、吹出しの空気温度(図1の(5))を圧 縮機の吐出温度近くまでヒートアップさせる ことができる。その結果、デシカントロータ 1の性能が上昇するためデシカントロータ1の 型化を図ることができる。

 蒸発器20dに送り込まれた二相冷媒は、周 の空気から熱を吸収(吸熱)することでガス 態になり、圧縮機20aに吸引される。また、 発器20dに流れ込む空気は予めデシカントロ タ1によって水分が除去された空気であり、 の空気から吸熱するため蒸発器20dの表面(フ ィン、伝熱管)に霜が着かないのが特徴であ 。

 図6はこの発明の実施の形態1における冷 空調装置のデシカントロータ1が担持する吸 剤の細孔の直径(以下、細孔径という)と毛 凝縮現象が発生する相対湿度との関係を示 図である。横軸は細孔径[nm(ナノメートル)] 縦軸は冷却等を行う対象空間における空気 相対湿度[%](現在の湿度をP、現在の湿度にお ける飽和湿度をP0としたとき、相対湿度はP/P0 と表せる)を表す。図6は数1で表されるケルビ ンの式に基づいて算出したグラフである。

 ここで、V1は凝縮分子体積、γは表面張力、 θは毛細管に接触する際の角度、Rは気体定数 (8.31[J/mol・°K])、Tは絶対温度、rは細孔の半径 を示している。この関係は水蒸気の場合にも 成立し、或る相対圧力P/P0に対して、水蒸気 毛管凝縮を生じるために必要な細孔の半径r 理論的に求めることができる。
 図6に示すようにメソ孔、ナノ孔、ミクロ孔 と呼ばれるような孔径の細孔では、その細孔 径に応じた相対湿度において毛管凝縮(細孔 の蒸気(水分)が液化する現象)が起こる。図6 おいて、Aゾーンは細孔内に水分子を保持で き、一方、Bゾーンは細孔内に水分子を保持 ることができない。すなわち、Aゾーンでは 気中の水分を吸着することができ、逆にBゾ ーンの空気状態にすることによって、吸着剤 を再生することができるのである。

 図6から、細孔径と吸着等温線の関係を求め ることができる。図8はこの発明の実施の形 1における冷凍空調装置のデシカントロータ1 が担持する吸着剤の細孔径と含水率(吸着特 )の急激な変化(以下、立ち上がりという)を す相対湿度との関係を示す特性図である。 8に示すように、デシカントロータ1の細孔径 を相対的に小さくすれば、立ち上がり位置の 相対湿度が相対的に低くなり(図8の線(ア))、 に相対的に大きくすれば、立ち上がり位置 相対湿度が相対的に高くなる(図8の線(イ))
 例えば、細孔径を1.4nm程度に設定すれば線( )のように、相対湿度20%付近で急激に立ち上 がる特性を示す吸着剤となる。また、細孔径 を20nm程度に設定すれば、相対湿度が90%付近 急激に立ち上がる特性を示す吸着剤となる すなわち、図6を利用することによって、吸 剤の特性を自在にコントロールすることが 能である。

 図3は、この発明の実施の形態1における冷 空調装置のデシカントロータ1が担持する吸 剤の水分吸着特性を説明する特性図である 吸着剤は多孔質ケイ素材料(例えば、シリカ ゲル)であり、1.4nm(ナノメートル)程度の細孔 多数設けられたものである。図3において、 横軸は空調空間の相対湿度、縦軸は水分の平 衡吸着量である。図3から分かるように、本 施の形態1で用いる吸着剤は、相対湿度が20%~ 30%の範囲における相対湿度に対する水分の平 衡吸着量の変化率である傾斜が、20%未満また は30%を超える範囲における相対湿度に対する 水分の平衡吸着量の変化率である傾斜よりも 遥かに大きい。
 上述したように、細孔径とは、吸着剤の細 の直径を表している。細孔径をBJH法(細孔の 形状が円柱状であると仮定し、細孔分布を算 出する計算方法)により求めた一例を図5aに示 す。また、吸着剤の細孔径には図5aに示すよ な分布が存在しており、本発明での細孔径 は、細孔径分布の中心値を表している。

 図4は本実施の形態1における冷凍空調装 の動作を説明する空気線図である。この図4 図1を参照しながら上記冷凍空調装置の動作 を説明する。なお、ここでは冷蔵室100bのデ カントロータ1を通過する第2の空気4bに対し デシカントロータ1を通過する前の空気の状 態を(1)、デシカントロータ1を通過した直後 空気の状態を(2)、蒸発器20dと熱交換した直 の空気の状態を(3)とする。また、外気側空 100aのデシカントロータ1を通過する第1の空 4aに対し、凝縮器20bの風上側空気の状態を(4) 、凝縮器20bと熱交換した直後の空気の状態を (5)、デシカントロータ1を通過した直後の空 の状態を(6)とする。

 まず、デシカントロータ1が冷蔵室100b内 水分を吸着する動作を説明する。状態(1)の 気は、乾球温度が-10[℃]、相対湿度が60%、絶 対湿度が0.96[g/kg]である。デシカントロータ1 供給された状態(1)の空気は、等エンタルピ 線に沿って、相対湿度が60%から例えば20%ま 減湿され、絶対湿度は0.96[g/kg]から0.36[g/kg] で減湿され、乾球温度は-10[℃]から-8.5[℃]ま で上昇した状態(2)の空気となって蒸発器20dへ 向かう。図3に示すように、デシカントロー 1に設けられる吸着剤は、相対湿度30%以上の 域では吸着できる水分量が大きいので、状 (1)の空気を減湿できる。一方、状態(2)の空 は蒸発器20dで熱交換され、絶対湿度が一定 状態で顕熱のみが除去されて冷却され、相 湿度が100%未満、乾球温度が-20[℃]である状 (3)の空気となる。制御・演算手段20hは、除 運転をしなくて済むようにするために、蒸 器20dの蒸発温度が状態(2)の空気における露 温度(本実施の形態では-25.7[℃])よりも高く るように、絞り手段である膨張弁20cの開度 圧縮機20aの回転速度、ファン3bの回転速度 を制御している。状態(3)の空気は冷蔵室100b へ拡散され、冷蔵室100bの乾球温度を-10[℃] 保つ。また、デシカントロータ1の水分を吸 着した領域は、モータ2により外気側空間100a 移動され、外気側空間100aで脱着される。

 次に、デシカントロータ1に吸着された水 分が外気側空間100aで脱水される動作を説明 る。制御・演算手段20hは、凝縮器20bの凝縮 度が55[℃]になるように、膨張弁20cの開度、 縮機20aの回転速度、ファン4aの回転速度等 制御する。状態(4)の空気は、気温である乾 温度が32[℃]、相対湿度が60%、絶対湿度が18.0 4[g/kg]である。凝縮器20bに供給された状態(4) 空気は、凝縮器20bで熱交換されて加熱され 絶対湿度が一定の状態で顕熱のみが加わり 乾球温度が53[℃]まで上昇し、相対湿度が20% で減湿された状態(5)の空気となってデシカ トロータ1へ供給される。デシカントロータ 1へ供給された状態(5)の空気は、等エンタル ー線に沿って、相対湿度が20%から60%まで増 され、絶対湿度が18.04[g/kg]から24.38[g/kg]まで 湿され、乾球温度が53[℃]から37.3[℃]まで低 下した状態(6)の空気となり、外気側空間100a 放出される。相対湿度が20%である状態(5)の 気がデシカントロータ1に供給されれば、図3 に示すようにデシカントロータ1に設けられ いる吸着剤で保持できる水分量が相対湿度30 %以上の領域における水分量よりも極端に小 くなるため、外気側空間100aの空気に水分を 出することができる。水分が脱着されたデ カントロータ1の領域は、モータ2によって び冷蔵室100b内へ移動する。この動作を繰り すことにより、冷蔵室100b内を減湿する。

 次に、冷凍機20の制御方法の一例を説明 る。冷凍機20は、蒸発器20dの温度を検知する 温度センサ20eと、蒸発器20dの吸込み空気温度 T1と相対湿度RH1を検知する温湿度センサ20fと 凝縮器20bの吹出し空気温度T2と相対湿度RH2 検知する温湿度センサ20gと、これらの手段 制御する制御・演算手段20hとを備えている 温湿度センサ20fによって検知された蒸発器20 dの吸込み空気温度T1と相対湿度RH1は、制御・ 演算手段20hによって露点温度Tdに換算される 蒸発温度Teを露点温度以上に制御すれば、 発器20dに霜が着かず、デフロスト運転(除霜 転)が不要となり、大幅に冷凍効率を改善で きる。本実施の形態1では、センサの誤差、 気回路のバラツキなどを考慮して、「露点 度+所定の温度(マージン)」を目標蒸発温度Te mとする。例えば、「露点温度Td℃+1℃」を目 の蒸発温度Temとする。制御手段20hは、温度 ンサ20fによって検知される蒸発温度Teが目 の蒸発温度Temになるように圧縮機20aの周波 、膨張弁の開度20cを制御する。即ち、Te>Te mの場合には、制御・演算手段20hは、Teを下げ るようにするために圧縮機20aの周波数(回転 度)をアップさせたり、膨張弁20cの開度を小 くしたりする。逆に、Te<Temの場合には、 御・演算手段20hは、Teを上げるようにする めに圧縮機20aの周波数をダウンさせたり、 張弁20cの開度を大きくしたりする。

 次に、凝縮器の制御方法の一例を説明す 。温湿度センサ20gは吹出し空気の温度T2と 対湿度RH2を検知する。制御・演算手段20hは 温湿度センサ20gによって検知された凝縮器20 bの吹出し空気の相対湿度RH2が目標の相対湿 RHm(本実施の形態では20%)になるように圧縮機 20aの周波数、膨張弁の開度20cを制御する。即 ち、RH2>RHmの場合には、制御・演算手段20h 、RH2を下げるようにするために圧縮機20aの 波数をアップさせたり、膨張弁20cの開度を さくしたりする。逆に、RH2<RHmの場合には 制御・演算手段20hは、RH2を上げるようにす ために圧縮機20aの周波数をダウンさせたり 膨張弁20cの開度を大きくしたりする。

 このように、本実施の形態1における冷凍 空調装置は冷蔵室100b内を減湿できるので、 蔵室100bを低温に保つ蒸発器への着霜をなく ことができる。また、第1の相対湿度及び第 2の相対湿度が20%から30%の範囲である吸着剤 担持するデシカントロータ1を用いたので、 蔵室100bにおける湿度が30%より高く、外気側 空間100aにおける湿度が20%より低い場合には 冷蔵室100b内を除湿するとともに、冷凍サイ ルにおける凝縮排熱を用いてデシカントロ タ1を再生できる。また、デシカントロータ 1が担持する吸着剤の細孔の径を適切に選択 ることにより、第1の湿度及び第2の湿度の値 を適宜設定することができる。

 次に、本発明のポイントである低温域に 要な吸着剤の仕様(細孔径)を説明する。0℃ 下の温度が求められるような冷蔵倉庫では 吸着剤の細孔内で凍結が生じない細孔径に 定する必要がある。水が凍結する温度は0℃ 以下であるが、細孔の中では、水の凍結温度 は細孔径が小さいほど低くなるという性質を 示すことが知られている(Gibbs-Thomson効果)。文 献(PHYSICAL REVIEW E 67、061602)によれば、0℃付 (正確には-0.02℃)において、細孔内で凍結し ない細孔径は5μm程度であるとされている。 なわち、冷凍空調装置を低温領域、つまり 0℃以下において動作させる場合、水分吸着 段の細孔内で水分を凍結させずに冷凍空調 置を動作させるためには、吸着剤の細孔径 5μmより小さくする必要がある。

 そこで、上記条件を満足するメソポーラス リカ(以下、MPSという場合もある)を製造し うとすると、従来の製造方法では以下の課 があることが判明した。すなわち、従来はMP Sの製造に際しては、製造コストを抑えるた に、安価なテンプレート(細孔を作り出すた の物質)を用いていたため、比較的大きな細 孔径(5nm程度)のものしか得られなかった。ま 、製造プロセスを簡略化し、製造条件を相 的に甘くしていたため、図5aのように細孔 の分布がシャープではなかった。
 その結果、細孔の仕上がり精度はバラツキ 大きくなり、後述する通り、その細孔径ゆ に、0℃以下では水分が細孔内で凍結する虞 があった。例えば、庫内温度-10℃において、 細孔内で凍結が発生しない細孔径は図9より 6~7nmであるため、図5cに示すようなシリカゲ を用いた場合、ハンチング部分の細孔では 結が発生してしまう。すなわち、大半の細 にて凍結が発生してしまうため、性能が大 に低下する。

 本願発明者は、細孔径と凍結温度との相関 係について着目し、MPSの製造にあたり、そ 細孔径を選別し、選択し、製造コントロー した。
 選別、選択、製造コントロールにおいては 上述したように、製造コストの課題があっ が、水熱合成法を改良することで対処した
 そして、細孔径を選択して製造したMPSを担 するデシカントロータ1が0℃以下の低温領 において、果たして水分吸着手段として利 可能か否かの検討を行なった。
 まず、デシカントロータ1を試作し、次に、 0℃以下の環境下で静的な単体試験を実施し 0℃以下で凍結せずに、吸脱着が可能である 、また冷凍サイクルの排熱で再生できるか( 低温再生が可能か)を確認した。結果は図10、 図11、図12の如くであり、図9に示す細孔径と 結温度の関係とほぼ一致した。また、図12 り、0℃以下(温度-9℃/相対湿度43%)において 吸着することができ、さらに低温(温度-1℃/ 対湿度11%)で再生(脱着)することができた。
 以上より、本願発明者は「実機におけるMPS 細孔径と凍結温度との相関関係を初めて確 」し、0℃以下でも水が凍結しない細孔径を 、冷凍空調装置の低温領域で水分吸着手段と して採用するまでに至った。

 細孔径と凍結温度には相関関係があり、 1にその理論的関係の一例を示す。また、前 記文献値と表1の理論的関係を図示したもの 図9である。図9より、使用する冷蔵倉庫や冷 凍倉庫の温度によって、吸着剤の仕様(細孔 )を選択することができる。例えば、本実施 形態1のように、庫内温度が-10℃の場合、図 9より吸着剤の細孔径を6~7nmに設計すれば、細 孔径で水分が凍結することがなくなり、安定 した除湿性能が得られる。

   表1 細孔径と融解点の関係 ( )内は℃
               
                                           
   細孔径[nm]      融解点[°K]、()内は℃                 
               
                                           
    2.9         249(-24)                   
               
                                           
    3.5         253(-20)                   
               
                                           
   4.2         256(-17)                    
               
                                           
   5.0          258(-15)                   
               
                                           
    5.8         261(-12)                   
               

 ところで、冷凍機は除湿を目的に吸着剤 使用するため、相対湿度の上限は100%未満で ある。吸着剤の特性としては、相対湿度90%付 近において、急激な立ち上がり特性を示す図 8中の線(イ)が冷凍機で用いる吸着特性の上限 値であり、その細孔径は20nm程度である。す わち、乾球温度が0℃以下の冷蔵倉庫や冷凍 庫で用いる除湿用の吸着剤の細孔径の上限 20nmとなる。

 用途毎に細孔径を選択し、製造を行えば 製造量が少なくなり、吸着剤のコストアッ に繋がる。また、ナノスケールの細孔は人 の目では見えないので、細孔径が異なる吸 剤を識別することができない。その結果、 って最適ではない細孔径の吸着剤を製品に 載する虞があり、品質の低下につながりか ない。そこで、吸着剤の細孔径を1種類に集 約することがコスト面、品質面から望ましい 。そこで、0℃以下において、製品として成 するためには、細孔内で水分の凍結が発生 ず、尚且つ、大部分の用途(大部分の湿度条 )において、除湿できる吸着剤を開発しなけ ればならない。

 表2に、用途毎に求められる細孔径(相対湿 )の一例を示す。例えば、青果物を保存する 庫では、相対湿度が70~95%程度が求められる め、図6に示す吸着特性において、相対湿度 が85~95%付近で急激に立ち上がる細孔径にすれ ば良い。すなわち、図6(細孔径と毛管現象と 関係を示す図)から、吸着剤の細孔径を10~20n mに設計すればよい。また、空調空間(人が居 する空間)においては、相対湿度が30~60%に保 持されるべきであると一般に言われている。
 以上述べたように、一般的な相対湿度の下 値はおおよそ20~30%と考えられ、図3に示すよ うな20%~30%付近にて急激に立ち上がる吸着特 (細孔径は約1.4nm)を有する吸着剤を用いれば 大部分の用途を網羅することができ、同一 様(同一細孔径)の吸着剤の使用量が増える で、吸着剤の低コスト化を図ることが可能 なり、さらに製造品質も向上する。

        表2
   
   分野              細孔径[nm]     相対湿度条件[%]   
   
   青果物             6~20        70~95       
   
   畜産物             4~20        65~95       
   
   製薬工場            2~4         40~50       
   
   図書館             2~4          40~50       
   
   美術館/博物館/図書館     2~5          40~55       
   
   写真工場            1~6         24~70       
   
   人               1~2          20~30       
   
 日本冷凍空調学会講演会「最新の湿度制御 術」論文集P5~6 平成17年5月25日

 尚、冷凍空調装置における冷凍サイクル 設計圧力は凝縮温度で約65℃相当の凝縮圧 である。この制約から、凝縮器において、 気側100aの空気は65℃程度までしかヒートア プさせることができないため、冷凍サイク の凝縮器の排熱で作り出せる相対湿度の下 値は10%程度と考えるのが現実的である(32℃ 相対湿度60%の外気を凝縮器で65℃、相対湿度 10%にヒートアップ)。そのときの細孔径は、 6より約1nmである。すなわち、乾球温度が0℃ 以下の冷蔵倉庫や冷凍倉庫で用いる除湿用の 吸着剤の細孔径の下限は1nmとなる。

 図10、図11に低温示差走査熱量測定(以下、 温DSCという。DSC:Differential Scanning Calorimetry) 定結果を示す。図10は細孔径が1~1.4nm程度の ソポーラスシリカに水(液体)を吸着させ、 ルミニウムバンに封入したサンプルについ DSC測定を行った結果である。図11は細孔径が 0.3~0.5nm程度のゼオライトについて同様の方法 にてDSC測定を行った結果である。図10におい 、0℃付近と、-40℃付近に吸着ピークが存在 している。この測定は-120℃から20℃まで徐々 に温度を上昇させながらサンプルへの熱の出 入りを測定しており、-40℃で現れるピークは 、細孔内の凍結していた水分が融解したため に生じた吸熱ピークを意味している。すなわ ち、細孔径1~1.4nm内部に存在する水の融点は 40℃であることを意味しており、逆に言えば 、このような細孔の内部に存在する水は、-40 ℃まで凍結しないことを裏付けるデータであ る。
 図10における0℃付近のピークは細孔内部に 在する水ではなく、吸着剤粒子間に存在す 水分が融解しているものであり、通常の氷 融点である0℃で吸熱ピークを示しているこ とから、細孔内に存在する氷の融解ではない 。
 図11はゼオライトの結果であるが、図10のよ うに氷点下(マイナス)領域での大きな吸熱ピ クが見られず、0℃付近のみにピークがある ことから、細孔径が0.3~0.5nmの範囲では、細孔 内に存在する水は、0℃のみにおいて融解が 生することを意味している。ゼオライトの うに小さい細孔径を有する吸着剤において 、細孔の内部に存在する水は0℃付近で凍結 ると考えられる。

 以上より、0℃以下でより安定した除湿性 能が得られ、冷凍サイクルの排熱で再生でき 、尚且つ1種類の細孔径に集約するためには 1.0~1.4nmの細孔径を有する吸着剤を使用する 要があるが、前述した通り、用途毎に吸着 を用いれば、用途に応じた最適設計が可能 なる。




 
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