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Title:
REFRIGERATION CYCLE DEVICE AND FLUID MACHINE USED THEREFOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/139667
Kind Code:
A1
Abstract:
A fluid machine (10) comprises a sealed container (11) at the bottom of which an oil reservoir (16) for storing oil is formed. In the sealed container (11), a main compression mechanism (3) to which the oil stored in the oil reservoir (16) is supplied and which compresses a working fluid, a rotary electric motor (8) placed above the oil reservoir (16) in the sealed container (11), a main compressor shaft (38) coupling the main compression mechanism (3) and the rotary electric motor (8), a power recovery mechanism (5) recovering power from the working fluid by performing a suction stroke for sucking the working fluid and a discharge stroke for discharging the sucked working fluid, a sub-compression mechanism (2) driven by the power recovery mechanism (5), compressing the working fluid, and discharging the working fluid to the main compression mechanism (3) side, and a power recovery shaft (12) coupling the power recovery mechanism (5) and the sub-compression mechanism (2) are placed.

Inventors:
HASEGAWA HIROSHI
MATSUI MASARU
OGATA TAKESHI
OYAGI SHINGO
WADA MASANOBU
Application Number:
PCT/JP2008/000329
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
February 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
HASEGAWA HIROSHI
MATSUI MASARU
OGATA TAKESHI
OYAGI SHINGO
WADA MASANOBU
International Classes:
F01C13/04; F01C1/356; F04C18/02; F04C18/356; F04C23/00; F04C23/02; F04C29/02
Domestic Patent References:
WO2006103821A12006-10-05
Foreign References:
JP2006266171A2006-10-05
JP2005098604A2005-04-14
JP2007315227A2007-12-06
JP2006266171A2006-10-05
Other References:
See also references of EP 2154330A4
Attorney, Agent or Firm:
KAMADA, Koichi (TOMOE MARION BLDG.4-3-1, Nishitenma, Kita-ku,Osaka-sh, Osaka 47, JP)
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Claims:
 オイル溜まりが底部に形成される密閉容器と、
 前記密閉容器内に配置され、前記オイル溜まりに溜められたオイルが供給されると共に、作動流体を圧縮する主圧縮機構と、
 前記密閉容器内において、前記オイル溜まりの上方に配置された回転電動機と、
 前記回転電動機によって前記主圧縮機構が駆動されるように、前記主圧縮機構と前記回転電動機とを連結する主圧縮機用シャフトと、
 前記オイル溜まり内に配置され、前記作動流体を吸入する吸入行程と、前記吸入した作動流体を吐出する吐出行程とを行うことにより、前記作動流体から動力を回収する動力回収機構と、
 前記オイル溜まり内に配置され、前記動力回収機構により駆動され、前記作動流体を圧縮して前記主圧縮機構側に吐出する副圧縮機構と、
 前記動力回収機構で回収された動力によって前記副圧縮機構が駆動されるように、前記動力回収機構と副圧縮機構とを連結する動力回収シャフトと、
を備えた流体機械。
 請求項1に記載された流体機械において、
 前記動力回収機構は、前記副圧縮機構よりも下方に配置されている流体機械。
 請求項1に記載された流体機械において、
 前記主圧縮機用シャフトの下端部に配置され、前記主圧縮機構に対して前記オイルを供給するオイル供給部をさらに備えた流体機械。
 請求項1に記載された流体機械において、
 前記主圧縮機構は、前記圧縮した作動流体を前記密閉容器内に吐出する流体機械。
 請求項1に記載された流体機械において、
 前記回転電動機は、前記主圧縮機構よりも低い位置に配置されている流体機械。
 請求項1に記載された流体機械において、
 前記副圧縮機構は、前記作動流体を吸入する吸入行程と、前記吸入した作動流体を吐出する吐出行程とを行うことにより、前記作動流体を圧縮するものであり、
 前記動力回収機構及び前記副圧縮機構のうちの少なくとも一方は、前記吸入行程と前記吐出行程とを実質的に連続して行う流体圧モータである流体機械。
 請求項1に記載された流体機械において、
 前記主圧縮機構の型式及び前記動力回収機構の型式の少なくとも一方は、ロータリ型である流体機械。
 請求項1に記載された流体機械において、
 前記副圧縮機構の吐出側と前記主圧縮機構の吸入側とを連絡する連絡管をさらに備え、
 前記連絡管の少なくとも一部は、前記密閉容器外に配置されている流体機械。
 請求項1に記載された流体機械において、
 前記動力回収機構と前記副圧縮機構とは動力回収ユニットを構成しており、
 前記動力回収ユニットは、前記密閉容器に対して固定されている流体機械。
 請求項9に記載された流体機械において、
 前記密閉容器は、
  筒状の胴シェルと、
  前記胴シェルの上部開口を塞ぐ上シェルと、
  前記胴シェルの下部開口を塞ぐ底シェルと、
を有し、
 前記動力回収ユニットは、前記胴シェル又は底シェルに対して固定されている流体機械。
 請求項9に記載された流体機械において、
 前記動力回収ユニットは、前記副圧縮機構において前記密閉容器に対して固定されている流体機械。
 請求項1に記載された流体機械において、
 前記動力回収機構と前記副圧縮機構とは動力回収ユニットを構成しており、
 前記動力回収ユニットは、前記密閉容器とは異なる部材に固定されている流体機械。
 請求項1に記載の流体機械を備えた冷凍サイクル装置。
 請求項13に記載された冷凍サイクル装置において、
 前記作動流体は、二酸化炭素である冷凍サイクル装置。
Description:
冷凍サイクル装置及びそれに用 る流体機械

 本発明は冷凍サイクル装置及びそれに用 る流体機械に関する。

 一般的に、冷媒回路は、冷媒を圧縮する 縮機、冷媒を冷却する放熱器、冷媒を膨張 せる膨張弁、及び冷媒を加熱する蒸発器が 次接続されてなる。この冷媒回路における 凍サイクルでは、膨張弁において冷媒が高 から低圧へと膨張を伴いながら圧力降下し その際に内部エネルギーが放出される。こ ため、冷媒回路の低圧側(蒸発器側)と高圧 (放熱器側)との間の圧力差が大きい場合は、 放出される内部エネルギーが比較的大きくな る。従って、冷凍サイクルのエネルギー効率 が大幅に低下してしまう。

 このような問題に鑑み、膨張時において 出される冷媒の内部エネルギーを回収する 術が種々提案されている。例えば、特開2006 -266171号公報や文献1(International Refrigeration and  Air Conditioning Conference at Purdue, July 17-20,  2006, R169, “BASIC OPERATINGCHARACTERISTICS OF CO2 R EFRIGERATION CYCLES WITH EXPANDER-COMPRESSOR UNIT”)に は、相互にシャフトにより連結された膨張機 構とブロア(副圧縮機構)とにより構成された 積形流体機械を動力回収機構として用いて 力回収を行う冷凍サイクル装置が提案され いる。

 特開2006-266171号公報や文献1に記載された 凍サイクル装置では、特開2006-266171号公報 図6に示すように、容積形流体機械と主圧縮 構とは、それぞれ別個の密閉容器に収納さ ている。そして、それぞれの密閉容器内に 、容積形流体機械や主圧縮機構に供給され 冷凍機油が溜められるオイル溜まりが設け れている。

 しかしながら、主圧縮機構から冷媒回路 吐出される冷凍機油の量と、容積形流体機 から冷媒回路に吐出される冷凍機油の量と 常に同じであるとは限らない。通常は、主 縮機構から冷媒回路に吐出される冷凍機油 量と、容積形流体機械から冷媒回路に吐出 れる冷凍機油の量とのうちの一方が、他方 りも多い。このため、特開2006-266171号公報 文献1に記載された冷凍サイクル装置のよう 、容積形流体機械を収納する密閉容器と、 圧縮機構を収納する密閉容器とのそれぞれ 、個別のオイル溜まりを設けた場合、一方 オイル溜まりに溜められた冷凍機油の量と 他方のオイル溜まりに溜められた冷凍機油 量との均衡が崩れる虞がある。つまり、一 の密閉容器では冷凍機油が過剰となり、他 の密閉容器では冷凍機油が不足する可能性 ある。そうすると、容積形流体機械や主圧 機構の潤滑やシールが適切に行われなくな 虞がある。

 例えば、文献1には、主圧縮機構と放熱器 との間にオイルセパレータを配置し、そのオ イルセパレータで回収した冷凍機油を膨張機 構-副圧縮機構ユニットが収納された密閉容 に供給することが記載されている。このよ にすることで、例えば、膨張機構-副圧縮機 ユニットが収納された密閉容器内に溜めら た冷凍機油の量の減少を抑制することがで る。

 しかしながら、文献1に記載のように、主 圧縮機構と放熱器との間にオイルセパレータ を設けた場合であっても、膨張機構-副圧縮 構ユニットが収納された密閉容器内のオイ 溜まり又は主圧縮機構が収納された密閉容 内のオイル溜まりに溜められた冷凍機油の の減少を十分に抑制することは困難である なぜならば、たとえオイルセパレータで回 した冷凍機油を膨張機構-副圧縮機構ユニッ が収納された密閉容器内に供給したとして 、膨張機構-副圧縮機構ユニットから冷媒回 路に吐出される冷凍機油の量がオイルセパレ ータで回収される冷凍機油の量を上回ってい るような場合には、膨張機構-副圧縮機構ユ ットが収納された密閉容器内のオイル溜ま に溜められた冷凍機油の量が減少するから ある。また、主圧縮機構から冷媒回路に吐 される冷凍機油の量が比較的多い場合には 主圧縮機構が収納された密閉容器内のオイ 溜まりに溜められた冷凍機油の量が減少す からである。

 本発明は、斯かる点に鑑みてなされたも であり、その目的とするところは、圧縮機 及び動力回収機構へのオイルの安定供給を ることにある。

 本発明に係る流体機械は、オイル溜まり 底部に形成される密閉容器と、密閉容器内 配置され、オイル溜まりに溜められたオイ が供給されると共に、作動流体を圧縮する 圧縮機構と、密閉容器内において、オイル まりの上方に配置された回転電動機と、回 電動機によって主圧縮機構が駆動されるよ に、主圧縮機構と回転電動機とを連結する 圧縮機用シャフトと、オイル溜まり内に配 され、作動流体を吸入する吸入行程と、吸 した作動流体を吐出する吐出行程とを行う とにより、作動流体から動力を回収する動 回収機構と、オイル溜まり内に配置され、 力回収機構により駆動され、作動流体を圧 して主圧縮機構側に吐出する副圧縮機構と 動力回収機構で回収された動力によって副 縮機構が駆動されるように、動力回収機構 副圧縮機構とを連結する動力回収シャフト 、を備えている。

 本発明に係る流体機械では、主圧縮機構 副圧縮機構及び動力回収機構を潤滑するオ ルが、密閉容器内のオイル溜まりに一括し 溜められている。このため、冷凍機油の過 足の問題が本質的に生じない。このため、 圧縮機構及び動力回収部へオイルを安定的 供給することができる。

 本発明に係る冷凍サイクル装置は、上記 発明に係る流体機械を備えている。

 本発明によれば、圧縮機構及び動力回収 構へオイルを安定的に供給することができ 。

実施形態における流体機械の断面図 実施形態に係る冷凍サイクル装置の構 図 図1におけるIII-III矢視図 図1におけるIV-IV矢視図 動力回収機構の動作原理図 副圧縮機構の動作原理図 冷凍サイクルのモリエル線図 変形例1における流体機械の断面図 変形例2における流体機械の断面図 変形例3における流体機械の断面図

 《実施形態》
 図1は、本実施形態に係る冷凍サイクル装置 1に用いられる流体機械10Aの断面図である。 2は、本実施形態に係る冷凍サイクル装置1の 構成図である。まず、図2を参照しながら、 凍サイクル装置1の概略構成について説明す 。尚、ここで説明する冷凍サイクル装置1は 、本発明を実施した好ましい形態の一例であ って、本発明は、下記構成に何ら限定される ものではない。

 <冷凍サイクル装置1の概要構成>
 図2に示すように、冷凍サイクル装置1は、 圧縮機構3と、放熱器4と、動力回収機構5と 蒸発器6と、副圧縮機構2と、を有する冷媒回 路9を備えている。冷媒回路9には、主圧縮機 3から放熱器4を経て動力回収機構5に至る高 側部分において超臨界圧力となる冷媒が充 されている。具体的に、冷媒回路9には二酸 化炭素が充填されている。但し、本発明は、 この構成に限定されるものではない。例えば 、冷媒回路9には、高圧側において超臨界圧 とならない冷媒が充填されていてもよい。 体的に、冷媒回路9には、例えば、フロン系 媒が充填されていてもよい。

 主圧縮機構3は、電動機8(回転電動機)によ り駆動される。主圧縮機構3は、冷媒回路9内 循環する冷媒を高温高圧に圧縮する。尚、 実施形態では、主圧縮機構3がスクロール型 の圧縮機構である例について説明する。但し 、本発明において、主圧縮機構3は、スクロ ル型の圧縮機構に限定されない。本発明に いて、主圧縮機構3は、例えば、ロータリ型 圧縮機構であってもよい。

 放熱器(ガスクーラ)4は、主圧縮機構3に接 続されている。放熱器4は、主圧縮機構3によ 圧縮された冷媒を放熱させる。言い換えれ 、放熱器4は、主圧縮機構3により圧縮され 冷媒を冷却する。放熱器4により冷却された 媒は低温高圧になる。

 動力回収機構5は、放熱器4に接続されて る。本実施形態では、動力回収機構5は、ロ タリ型の流体圧モータにより構成されてい 。具体的に、動力回収機構5は、放熱器4か の冷媒を吸入する行程と、吸入した冷媒を 出する行程と、を実質的に連続して行う。 なわち、動力回収機構5は、放熱器4によって 低温高圧にされた冷媒を吸入し、実質的に体 積変化させることなく蒸発器6側に吐出する ここで、主圧縮機構3から動力回収機構5に至 る部分が高圧となっており、動力回収機構5 ら主圧縮機構3に至る部分が低圧となってい 。このため、動力回収機構5に吸入された冷 媒は動力回収機構5から吐出されるときに膨 し、低圧となる。尚、本発明において、動 回収機構5は、ロータリ型の流体圧モータに 定されない。動力回収機構5は、ロータリ型 以外の流体圧モータであってもよい。また、 動力回収機構5は、例えば固有の容積比を有 る(容積比が1より大きい)膨張機構であって よい。

 蒸発器6は、動力回収機構5に接続されて る。蒸発器6は、動力回収機構5からの冷媒を 加熱して蒸発させる。

 副圧縮機構2は、蒸発器6と主圧縮機構3と 間に配置されている。副圧縮機構2は、動力 回収シャフト12によって動力回収機構5に連結 されている。副圧縮機構2は、動力回収機構5 より回収された動力により駆動される。こ 副圧縮機構2によって、蒸発器6側からの冷 が予備的に昇圧された後に、主圧縮機構3に 給される。本実施形態では、この副圧縮機 2と、動力回収機構5とによって、動力回収 ニット7が構成されている。

 尚、副圧縮機構2は、吸入した冷媒を、作 動室内において圧縮した後に吐出するものに 限定されない。副圧縮機構2は、例えば、蒸 器6からの冷媒を吸入する行程と、吸入した 媒を主圧縮機構3側に吐出する行程と、を実 質的に連続して行う流体圧モータ(ブロアと いう。)であってもよい。つまり、副圧縮機 2は、主圧縮機構3に吸入される冷媒を昇圧 きるものであれば特に限定されない。尚、 こでは、副圧縮機構2が流体圧モータにより 成されている例を挙げて説明する。

 <冷凍サイクル装置1の具体的構成>
 (流体機械10A)
 図1及び図2に示すように、流体機械10Aは、 円柱状の密閉容器11と、主圧縮機構3と、電 機8と、動力回収ユニット7とを備えている。 密閉容器11は、筒状の胴シェル11aと、上シェ 11bと、底シェル11cとを備えている。胴シェ 11aの上部開口は、蓋状の上シェル11bによっ 塞がれている。一方、胴シェル11aの下部開 は、碗状の底シェル11cによって塞がれてい 。

 密閉容器11の底部には、冷凍機油が溜め れるオイル溜まり16が形成されている。密閉 容器11における、オイル溜まり16よりも高い 置には、主圧縮機構3と、電動機8とが配置さ れている。詳細には、主圧縮機構3がオイル まり16から最も離れて配置されている。電動 機8は、主圧縮機構3よりも低い位置に配置さ ている。オイル溜まり16内には、動力回収 ニット7が配置されている。動力回収ユニッ 7のうち、副圧縮機構2が主圧縮機構3寄りに 置されている。つまり、副圧縮機構2が比較 的高い位置に配置されている。

 (電動機8及び主圧縮機構3の構成)
 電動機8は、円筒状の固定子8bと、円柱状の 転子8aとにより構成されている。固定子8bは 、焼き嵌めにより、密閉容器11の胴シェル11a 対して回転不能に固定されている。回転子8 aは、固定子8bの内部に配置されている。回転 子8aは、固定子8bに対して回転自在である。 転子8aの平面視中央には、軸方向に貫通する 貫通孔が形成されている。その貫通孔に回転 子8aから上下に延びる主圧縮機用シャフト38 挿入されて固定されている。この主圧縮機 シャフト38は、電動機8が駆動されることで 転する。

 主圧縮機用シャフト38の下端部は、胴シ ル11aに固定された略円盤状の副軸受部材71に 回転自在に支持されている。副軸受部材71は オイル溜まり16内に配置されている。副軸 部材71には、1又は複数の開口71aが形成され おり、オイル溜まり16に溜められた冷凍機油 が副軸受部材71の上下を流動することができ ようになっている。副軸受部材71には、油 を安定させるための油面安定板としての働 もある。

 主圧縮機用シャフト38の下端部には、オ ル供給部としてのオイルポンプ72が配置され ている。このオイルポンプ72によってオイル まり16に溜められた冷凍機油が吸い上げら 、主圧縮機用シャフト38の内部に形成された オイル供給孔(図示せず)を介して、主圧縮機 3に冷凍機油が供給される。これにより、主 圧縮機構3の潤滑及びシールが図られている 主圧縮機構3に供給された冷凍機油は、回転 8aと固定子8bとの間の隙間などをつたって、 再びオイル溜まり16に戻る。

 図1に示すように、主圧縮機構3は、スク ール型の圧縮機構である。主圧縮機構3は、 閉容器11の胴シェル11aに対して固定されて る。主圧縮機構3は、固定スクロール32と、 回スクロール33と、オルダムリング34と、軸 部材35と、マフラー36とを備えている。

 固定スクロール32は密閉容器11の胴シェル 11aに対して変位不能に取り付けられている。 固定スクロール32の下面には平面視渦巻き状( 例えばインボリュート形状等)のラップ32aが 成されている。旋回スクロール33は固定スク ロール32に対向配置されている。旋回スクロ ル33の固定スクロール32に対向する面の中央 部にはラップ32aとかみ合う平面視渦巻き状( えばインボリュート形状等)のラップ33aが形 されている。これらラップ32aとラップ33aと 間に三日月状の作動室(圧縮室)39が区画形成 されている。固定スクロール32には、作動室3 9に開口する開口32dが形成されている。この 口32dには、吸入管32cが取り付けられている 吸入管32cは、図2に示すように連絡管70によ て吐出管51に接続されている。この連絡管70 び吸入管32cを介して、作動室39に冷媒が供 される。

 旋回スクロール33の対向表面の周辺部は 定スクロール32の下側表面周辺部に突出して 設けられたスラスト軸受32bに当接して支持さ れている。

 旋回スクロール33の下面中央部には、回 子8aから延びる主圧縮機用シャフト38の上端 に設けられ、主圧縮機用シャフト38とは異 る中心軸を有する偏心部38aが嵌合挿入され 固定されている。また、旋回スクロール33の 下側にはオルダムリング34が配置されている このオルダムリング34は旋回スクロール33の 自転を規制するものである。このオルダムリ ング34の機能により、旋回スクロール33は主 縮機用シャフト38の回転に伴って主圧縮機用 シャフト38の中心軸から偏心した状態で旋回 動する。

 旋回スクロール33の旋回運動に伴い、ラ プ32aとラップ33aとの間に形成された作動室39 が外側から内側に移動する。この移動に伴っ て、作動室39の容積が縮小される。これによ 、吸入管32cから作動室39に吸入された冷媒 圧縮される。そして、圧縮された冷媒は、 定スクロール32の中央部に形成された吐出孔 32e及びマフラー36の内部空間36aを経由し、固 スクロール32及び軸受部材35を貫通して形成 された吐出経路40から密閉容器11の内部空間11 eへと吐出される。吐出された冷媒は、内部 間11eに一時滞留する。その滞留期間中に冷 に混入した冷凍機油等が重力や遠心力など より分離される。そして、冷凍機油等が分 された冷媒は、密閉容器11の上シェル11bに取 り付けられた吐出管11dから冷媒回路9へと吐 される。

 (動力回収ユニット7)
 図1及び図2に示すように、動力回収ユニッ 7は、オイル溜まり16内に配置されている。 力回収ユニット7は、比較的下方に配置され 動力回収機構5と、比較的上方に配置された 副圧縮機構2とによって構成されている。動 回収機構5と副圧縮機構2とは、動力回収シャ フト12及び第1閉塞部材15を介して一体に配置 れている。動力回収ユニット7は、副圧縮機 構2の構成部材である第3閉塞部材14において 胴シェル11aに固定されている。

  -動力回収機構5の構成-
 図1に示すように、動力回収機構5は、第1閉 部材15と、第2閉塞部材13とを備えている。 1閉塞部材15と第2閉塞部材13とは、相互に対 している。第1閉塞部材15と第2閉塞部材13と 間には、第1シリンダ22が配置されている。 1シリンダ22は略円筒形の内部空間を有する その第1シリンダ22の内部空間は、第1閉塞部 15と第2閉塞部材13とによって閉塞されてい 。

 動力回収シャフト12は、第1シリンダ22内 第1シリンダ22の軸方向に貫通している。動 回収シャフト12は第1シリンダ22の中心軸上に 配置されている。動力回収シャフト12は、上 第2閉塞部材13と、後述する第3閉塞部材14と よって支持されている。動力回収シャフト1 2には、動力回収シャフト12を軸方向に貫通す る給油孔12a(図3及び図4参照)が形成されてい 。この給油孔12aを経由して、密閉容器11内の 冷凍機油が、副圧縮機構2や動力回収機構5の 受や隙間等に供給される。

 第1ピストン21は、第1シリンダ22の内周面 第1閉塞部材15と第2閉塞部材13とにより区画 成された略円筒形状の内部空間内に配置さ ている。第1ピストン21は、動力回収シャフ 12の中心軸に対して偏心した状態で動力回 シャフト12にはめ込まれている。具体的には 、動力回収シャフト12は、動力回収シャフト1 2の中心軸と異なる中心軸を有する偏心部12b 備えている。この偏心部12bに筒状の第1ピス ン21がはめ込まれている。このため、第1ピ トン21は、第1シリンダ22の中心軸に対して 心している。従って、第1ピストン21は、動 回収シャフト12の回転に伴って偏心回転運動 する。

 この第1ピストン21と第1シリンダ22の内周 と第1閉塞部材15と第2閉塞部材13とにより、 1シリンダ22内に第1作動室23が区画形成され いる(図3も参照)。

 図3に示すように、第1シリンダ22には、第 1作動室23に開口する線条の溝22aが形成されて いる。この線条溝22aには、板状の第1仕切部 24が摺動自在に挿入されている。第1仕切部 24と線条溝22aの底部との間には、付勢手段25 配置されている。この付勢手段25によって 第1仕切部材24は第1ピストン21の外周面に対 て押圧されている。これにより、第1作動室2 3は、2つの空間に区画されている。具体的に 第1作動室23は、高圧側の吸入作動室23aと、 圧側の吐出作動室23bとに区画されている。

 尚、付勢手段25は、例えば、ばねによっ 構成することができる。具体的に、付勢手 25は、圧縮コイルばねであってもよい。

 また、付勢手段25は、所謂ガスばね等で ってもよい。すなわち、第1仕切部材24が、 1仕切部材24の背面空間65の体積を縮小する方 向にスライドしたときに、第1仕切部材24と線 条溝22aの底部との間の空間内の圧力が、第1 動室23の圧力よりも高くなるように設定され ており、その圧力差により、第1仕切部材24に 対して第1ピストン21方向への押圧力が作用す るようにしてもよい。具体的には、例えば、 第1仕切部材24の背面空間65を密閉空間として 背面空間65の体積が第1仕切部材24により減 したときに第1仕切部材24に反力が加わるよ にしてもよい。勿論、付勢手段25を、圧縮コ イルばねやガスばね等の複数種類のばねによ り構成してもよい。尚、第1作動室23の圧力と は、吸入作動室23aの圧力と吐出作動室23bの圧 力との平均圧力をいうものとする。

 吸入作動室23aの第1仕切部材24と隣接する 分には、図3に示すように、吸入経路27が開 している。図1に示すように、この吸入経路 27は第1シリンダ22の下側に位置する第2閉塞部 材13に形成されている。吸入経路27は吸入管28 と連通している。図2に示す放熱器4からの高 の冷媒は、吸入管28及び吸入経路27を介して 吸入作動室23aに導かれる。

 吸入経路27の吸入作動室23aに対する開口( 入口)26は、吸入作動室23aの第1仕切部材24と 接する部分から吸入作動室23aの広がる方向 円弧状に延びる略扇状に形成されている。 入口26は、第1ピストン21が上死点に位置す ときにおいてのみ、第1ピストン21によって 全に閉鎖される。そして、第1ピストン21が 死点に位置する瞬間を除いた全期間にわた て、吸入口26の少なくとも一部が吸入作動室 23aに露出している。具体的には、平面視にお いて、吸入口26の外側端辺26aが、上死点に位 する第1ピストン21の外周面に沿った円弧状 形成されている。言い換えれば、外側端辺2 6aは、第1ピストン21の外周面と略同一の半径 円弧状に形成されている。

 一方、吐出作動室23bの第1仕切部材24と隣 する部分には、吐出経路30が開口している 図1に示すように、この吐出経路30も、吸入 路27と同様に、第2閉塞部材13に形成されてい る。吐出経路30は、吐出管31と連通している これにより、吐出作動室23b内の冷媒は、吐 経路30及び吐出管31を介して蒸発器6側に吐出 される。

 吐出経路30の吐出作動室23bに対する開口( 出口)29は、吐出作動室23bの第1仕切部材24と 接する部分から吐出作動室23bの広がる方向 円弧状に延びる略扇状に形成されている。 出口29は、第1ピストン21が上死点に位置す ときにおいてのみ、第1ピストン21によって 全に閉鎖される。そして、第1ピストン21が 死点に位置する瞬間を除いた全期間にわた て、吐出口29の少なくとも一部が吐出作動室 23bに露出している。具体的には、平面視にお いて、第1シリンダ22の径方向外側に位置する 吐出口29の外側端辺29aが、上死点に位置する 1ピストン21の外周面に沿った円弧状に形成 れている。言い換えれば、外側端辺29aは、 1ピストン21の外周面と略同一の半径の円弧 に形成されている。

 尚、第1ピストン21が上死点に位置すると とは、図5(S1)に示すように、第1仕切部材24 線条溝22aに最大限に押し込まれたときをい 。また、「第1ピストン21が上死点に位置す 瞬間」とは、厳密に第1ピストン21が上死点 位置している瞬間に限定されるものではな 、第1ピストン21が上死点に位置していると を挟んである程度の期間を有するものであ てもよい。すなわち、第1ピストン21が上死 に位置しているときの第1ピストン21の回転 (θ)を0°とすると、例えば、第1ピストン21の 転角(θ)が0°±5°以内(又は0°±3°以内)である 期間にわたって吸入口26及び吐出口29の両方 閉じられるような構成も、吸入経路27から吐 出経路30へと冷媒が吹き抜けない構成に含ま るものとする。

 上記のように吸入経路27と吐出経路30とを 形成することによって、図5(S1)に示すように 第1ピストン21が上死点に位置する瞬間にお てのみ吸入口26と吐出口29との両方が完全に 閉じられる。すなわち、第1作動室23がひとつ となる瞬間に吸入口26と吐出口29との両方が 全に閉じられる。より詳細には、吸入作動 23aが吐出経路30と連通する瞬間まで、吸入作 動室23aは吸入経路27と連通している。そして 吸入作動室23aが吐出経路30と連通して吸入 動室23aが吐出作動室23bとなった瞬間以降は 吸入口26が第1ピストン21によって閉じられる 。このため、吸入経路27から吐出経路30への 媒の吹き抜けが抑制される。従って、高効 な動力回収が実現される。

 尚、吸入経路27から吐出経路30への冷媒の 吹き抜けを完全に規制する観点からは、第1 ストン21が上死点に位置する瞬間において、 吸入口26と吐出口29との両方が閉じられるこ が好ましい。但し、第1ピストン21が上死点 位置する瞬間において、吸入口26と吐出口29 の一方のみしか閉じられていない場合であ ても、吸入口26が閉じられるタイミングと 吐出口29が閉じられるタイミングとの差が、 動力回収シャフト12の回転角にして、10°程度 よりも小さければ、吸入経路27と吐出経路30 の間で実質的に吹き抜けは生じない。つま 、吸入口26が閉じられるタイミングと、吐出 口29が閉じられるタイミングとの差が、動力 収シャフト12の回転角にして、10°程度より 小さく設定することで、吸入経路27から吐 経路30への冷媒の吹き抜けを抑制することが できる。

 上述のように、吸入作動室23aは、常に吸 経路27と連通している。また、吐出作動室23 bは、常に吐出経路30に連通している。言い換 えれば、動力回収機構5において、冷媒を吸 する行程と、吸入した冷媒を吐出する行程 が実質的に連続して行われる。動力回収機 5は、固有の容積比を有さず、吸入容積と吐 容積との比が1である。このため、吸入した 冷媒は、実質的に体積変化することなく動力 回収機構5を通過する。

  -動力回収機構5の動作-
 次に、図5を参照しながら動力回収機構5の 作原理について詳細に説明する。図5(S1)は第 1ピストン21の回転角(θ)が0°、360°、720°であ ときの図である。図5(S2)は第1ピストン21の 転角(θ)が90°、450°であるときの図である。 5(S3)は第1ピストン21の回転角(θ)が180°、540° であるときの図である。図5(S4)は第1ピストン 21の回転角(θ)が270°、630°であるときの図で る。尚、回転角(θ)は、図5において反時計回 り方向を正としたときのものである。

 図5(S1)に示すように、第1ピストン21が上 点に位置するとき(θ=0°)、吸入口26及び吐出 29はいずれも第1ピストン21によって閉じら ている。このため、第1作動室23は吸入経路27 及び吐出経路30のいずれにも連通していない 立した状態にある。

 この状態から第1ピストン21が回転するこ により、吸入口26を介して吸入経路27に連通 する吸入作動室23aが形成される。ここで、吸 入作動室23aは、冷媒回路9の高圧側に接続さ ている。このため、吸入口26が開くと、図5(S 2)~(S4)に示すように、吸入口26から流入する高 圧の冷媒によって吸入作動室23aの容積が増大 していく。この吸入作動室23aの容積拡大に伴 って第1ピストン21に加わる回転トルクが動力 回収シャフト12の回転駆動力の一部となる。 の冷媒の吸入行程は、回転角(θ)が360°にな まで、すなわち第1ピストン21が再び上死点 位置するまで行われる。つまり、冷媒の吸 行程は、吸入作動室23aが吐出経路30と連通 る直前まで行われる。

 図5(S1)に示すように、第1ピストン21が再 上死点に位置した瞬間、本実施形態では、 1ピストン21によって吸入口26及び吐出口29の 方が閉じられる。これにより、第1作動室23 再び孤立する。

 この状態から、第1ピストン21が回転する 、孤立していた第1作動室23が吐出口29を介 て吐出経路30と連通し、吐出作動室23bとなる 。ここで、動力回収機構5を境にして蒸発器6 は、主圧縮機構3の働きにより、放熱器4側 比較して低圧となっている。このため、孤 した第1作動室23が吐出口29を介して吐出経路 30と連通して吐出作動室23bとなった瞬間に、 出作動室23b内の低温高圧の冷媒が低圧側に 引される。よって、第1作動室23内の冷媒が 張する。そして、吐出作動室23b内の圧力は 冷媒回路9の低圧側の圧力と等しくなる。こ の冷媒の吐出行程によって、第1ピストン21に 加わる回転トルクも動力回収シャフト12の回 駆動力の一部となる。すなわち、動力回収 ャフト12は、吸入作動室23aへの高圧の冷媒 流入と、吐出行程における冷媒の吸引とに って回転する。そして、この動力回収シャ ト12の回転トルクは、後に詳述するように、 副圧縮機構2の動力として利用される。

 さらに第1ピストン21の回転角(θ)が大きく なるに伴って吐出作動室23b内の冷媒が順次冷 媒回路9の低圧側に吐出されていく。そして 図5(S1)に示すように、第1ピストン21が再び上 死点に位置したとき(θ=720°)吐出作動室23bは 滅する。この吐出行程と同期して、吸入作 室23aが再び形成され、次の吸入行程が行わ る。以上のように、吸入行程開始から吐出 程終了までの一連の行程は、第1ピストン21 720°回転すると完了する。

  -副圧縮機構2の構成-
 副圧縮機構2は動力回収シャフト12により動 回収機構5と連結されている。言い換えれば 、動力回収機構5の動力回収シャフト12は、副 圧縮機構2のシャフトを兼ねている。さらに い換えれば、動力回収機構5のシャフトと副 縮機構2のシャフトとは、一体に連結されて いる。

 副圧縮機構2の基本的な構成は、上述の動 力回収機構5と略同一である。具体的に、副 縮機構2は、図1に示すように、第1閉塞部材15 と、第3閉塞部材14とを備えている。第1閉塞 材15は、副圧縮機構2と動力回収機構5との共 の構成部材である。第1閉塞部材15と第3閉塞 部材14とは、相互に対向している。具体的に 、第3閉塞部材14は、第1閉塞部材15の第2閉塞 部材13と対向する面とは反対側の面と対向し いる。第1閉塞部材15と第3閉塞部材14との間 は、第2シリンダ42が配置されている。第2シ リンダ42は略円筒形の内部空間を有する。そ 第2シリンダ42の内部空間は、第1閉塞部材15 第3閉塞部材14とによって閉塞されている。

 動力回収シャフト12は、第2シリンダ42内 第2シリンダ42の軸方向に貫通している。動 回収シャフト12は第2シリンダ42の中心軸上に 配置されている。第2ピストン41は、第2シリ ダ42の内周面と第1閉塞部材15と第3閉塞部材14 とにより区画形成された略円筒形状の内部空 間内に配置されている。第2ピストン41は、動 力回収シャフト12の中心軸に対して偏心した 態で動力回収シャフト12にはめ込まれてい 。具体的には、動力回収シャフト12は、動力 回収シャフト12の中心軸と異なる中心軸を有 る偏心部12cを備えている。この偏心部12cに 状の第2ピストン41がはめ込まれている。こ ため、第2ピストン41は、第2シリンダ42の中 軸に対して偏心している。従って、第2ピス トン41は、動力回収シャフト12の回転に伴っ 偏心回転運動する。

 尚、第2ピストン41が取り付けられた偏心 12cは、第1ピストン21が取り付けられた偏心 12bと略同一の方向に偏心している。このた 、本実施形態では、第1シリンダ22の中心軸 対する第1ピストン21の偏心方向と、第2シリ ンダ42の中心軸に対する第2ピストン41の偏心 向とは、相互に略同一である。

 この第2ピストン41と第2シリンダ42の内周 と第1閉塞部材15と第3閉塞部材14とにより、 2シリンダ42内に第2作動室43が区画形成され いる(図4も参照)。

 図4に示すように、第2シリンダ42には、第 2作動室43に開口する線条の溝42aが形成されて いる。この線条溝42aには、板状の第2仕切部 44が摺動自在に挿入されている。第2仕切部 44と線条溝42aの底部との間には、付勢手段45 配置されている。この付勢手段45によって 2仕切部材44は第2ピストン41の外周面に対し 押しつけられている。これにより、第2作動 43は、2つの空間に区画されている。具体的 、第2作動室43は、低圧側の吸入作動室43aと 高圧側の吐出作動室43bとに区画されている

 尚、付勢手段45は、例えば、ばねによっ 構成することができる。具体的に、付勢手 45は、圧縮コイルばねであってもよい。

 また、付勢手段45は、所謂ガスばね等で ってもよい。すなわち、第2仕切部材44が背 空間55の体積を縮小する方向にスライドした ときに、背面空間55内の圧力が、第2作動室43 圧力よりも高くなるように設定されており その背面空間55と第2作動室43との間の圧力 により、第2仕切部材44に対して第2ピストン4 1方向への押圧力が作用するようにしてもよ 。具体的には、例えば、背面空間55を密閉空 間として、背面空間55の体積が第2仕切部材44 より減少したときに第2仕切部材44に反力が わるようにしてもよい。また、第2仕切部材 44が最も第2ピストン41寄りに位置するときに 背面空間55が密閉空間ではないものの、第2 切部材44がある程度第2ピストン41から離れ ときに背面空間55が密閉空間となるようにし てもよい。勿論、付勢手段45を、圧縮コイル ねやガスばね等の複数種類のばねにより構 してもよい。尚、第2作動室43の圧力とは、 入作動室43aの圧力と吐出作動室43bの圧力と 平均圧力をいうものとする。

 吸入作動室43aの第2仕切部材44と隣接する 分には、図4に示すように、吸入経路47が開 している。図1に示すように、この吸入経路 47は第2シリンダ42の上側に位置する第3閉塞部 材14に形成されている。吸入経路47は、吸入 48と連通している。蒸発器6(図2参照)からの 媒は、吸入管48及び吸入経路47を介して吸入 動室43aに導かれる。

 図4に示すように、吸入経路47の吸入作動 43aに対する開口(吸入口)46は、吸入作動室43a の第2仕切部材44と隣接する部分から吸入作動 室43aの広がる方向に円弧状に延びる略扇状に 形成されている。吸入口46は、第2ピストン41 上死点に位置するときにおいてのみ、第2ピ ストン41によって完全に閉鎖される。そして 第2ピストン41が上死点に位置する瞬間を除 た全期間にわたって、吸入口46の少なくと 一部が吸入作動室43aに露出している。具体 には、平面視において、第2シリンダ42の径 向外側に位置する吸入口46の外側端辺46aが、 上死点に位置する第2ピストン41の外周面に沿 った円弧状に形成されている。言い換えれば 、外側端辺46aは、第2ピストン41の外周面と略 同一の半径の円弧状に形成されている。

 一方、吐出作動室43bの第2仕切部材44と隣 する部分には、吐出経路50が開口している 図1に示すように、この吐出経路50も、吸入 路47と同様に、第3閉塞部材14に形成されてい る。吐出経路50は、吐出管51と連通している これにより、吐出作動室43b内の冷媒は、吐 経路50及び吐出管51を介して主圧縮機構3側に 吐出される。主圧縮機構3側に吐出された冷 は、連絡管70及び吸入管32cを介して主圧縮機 構3に供給される。

 吐出経路50の吐出作動室43bに対する開口( 出口)49は、吐出作動室43bの第2仕切部材44と 接する部分から吐出作動室43bの広がる方向 円弧状に延びる略扇状に形成されている。 出口49は、第2ピストン41が上死点に位置す ときにおいてのみ、第2ピストン41によって 全に閉鎖される。そして、第2ピストン41が 死点に位置する瞬間を除いた全期間にわた て、吐出口49の少なくとも一部が吐出作動室 43bに露出している。具体的には、平面視にお いて、第2シリンダ42の径方向外側に位置する 吐出口49の外側端辺49aが、上死点に位置する 2ピストン41の外周面に沿った円弧状に形成 れている。言い換えれば、外側端辺49aは、 2ピストン41の外周面と略同一の半径の円弧 に形成されている。

 尚、第2ピストン41が上死点に位置すると とは、図6(ST1)に示すように、第2仕切部材44 線条溝42aに最大限に押し込まれたときをい 。また、「第2ピストン41が上死点に位置す 瞬間」とは、厳密に第2ピストン41が上死点 位置している瞬間に限定されるものではな 、第2ピストン41が上死点に位置していると を挟んである程度の期間を有するものであ てもよい。すなわち、第2ピストン41が上死 に位置しているときの第2ピストン41の回転 (θ)を0°とすると、例えば、第2ピストン41の 回転角(θ)が0°±5°以内(又は0°±3°以内)であ 期間にわたって吸入口46及び吐出口49の両方 閉じられるような構成も、吸入経路47から 出経路50へと冷媒が吹き抜けない構成に含ま れるものとする。

 上記のように吸入経路47と吐出経路50とを 形成することによって、図6(ST1)に示すように 、第2ピストン41が上死点に位置する瞬間にお いてのみ吸入口46と吐出口49との両方が完全 閉じられる。すなわち、第2作動室43がひと となる瞬間に吸入口46と吐出口49との両方が 全に閉じられる。より詳細には、吸入作動 43aが吐出経路50と連通する瞬間まで、吸入 動室43aは吸入経路47と連通している。そして 、吸入作動室43aが吐出経路50と連通して吸入 動室43aが吐出作動室43bとなった瞬間以降は 吸入口46が第2ピストン41によって閉じられ 。このため、比較的圧力が高い吐出経路50か ら、比較的圧力が低い吸入経路47への冷媒の 流が抑制される。従って、高効率な過給が 現される。その結果、回収された動力の利 効率が向上する。

 尚、吐出経路50から吸入経路47への冷媒の 逆流を完全に規制する観点からは、第2ピス ン41が上死点に位置する瞬間において、吸入 経路47と吐出経路50との両方が閉じられるこ が好ましい。但し、第2ピストン41が上死点 位置する瞬間において、吸入口46と吐出口49 の一方のみしか閉じられていない場合であ ても、吸入口46が閉じられるタイミングと 吐出口49が閉じられるタイミングとの差が、 動力回収シャフト12の回転角にして、10°程度 よりも小さければ、吐出経路50から吸入経路4 7への冷媒の逆流は実質的に生じない。つま 、吸入口46が閉じられるタイミングと、吐出 口49が閉じられるタイミングとの差が、動力 収シャフト12の回転角にして、10°程度より 小さく設定することで、吐出経路50から吸 経路47への冷媒の逆流を抑制することができ る。

 上述のように吸入作動室43aは、常に吸入 路47と連通している。また、吐出作動室43b 、常に吐出経路50に連通している。言い換え れば、副圧縮機構2において、冷媒を吸入す 行程と、吸入した冷媒を吐出する行程とが 質的に連続して行われる。副圧縮機構2は、 有の容積比を有さず、吸入容積と吐出容積 の比が1である。このため、吸入した冷媒は 、実質的に体積変化することなく副圧縮機構 2を通過する。

  -副圧縮機構2の動作-
 次に、図6を参照しながら副圧縮機構2の動 原理について詳細に説明する。図6(ST1)は第2 ストン41の回転角(θ)が0°、360°、720°である ときの図である。図6(ST2)は第2ピストン41の回 転角(θ)が90°、450°であるときの図である。 6(ST3)は第2ピストン41の回転角(θ)が180°、540° であるときの図である。図6(ST4)は第2ピスト 41の回転角(θ)が270°、630°であるときの図で る。尚、回転角(θ)は、図6において反時計 り方向を正としたときのものである。

 上述のように、動力回収シャフト12は、 力回収機構5によって回収された動力によっ 回転する。この動力回収シャフト12の回転 共に、第2ピストン41も回転し、副圧縮機構2 駆動される。

 図6(ST1)に示すように、第2ピストン41が上 点に位置するとき(θ=0°)、吸入口46及び吐出 口49はいずれも第2ピストン41によって閉じら ている。このため、第2作動室43は吸入経路4 7及び吐出経路50(図4参照)のいずれにも連通し ておらず、第2作動室43は孤立した状態にある 。

 この状態から第2ピストン41が回転するこ により、吸入口46を介して吸入経路47に連通 した吸入作動室43aが形成される。第2ピスト 41の回転角(θ)が360°になるまで、回転角(θ) 増大するにつれ、吸入作動室43aが拡大して く。回転角(θ)が360°に達したときに、冷媒 吸入行程が終了する。

 回転角(θ)が360°に達するまで、吸入作動 43aは、常に吸入経路47と連通している。回 角(θ)が360°に達したとき、吸入経路47は、第 2ピストン41によって閉鎖される。また、回転 角(θ)が360°のときは、吐出経路50も閉じられ いる。すなわち、第2作動室43は、吸入経路4 7と吐出経路50との両方から隔離され、孤立す る。そして、回転角(θ)が360°を超えて回転す ると、第2作動室43は、吐出口49を介して吐出 路50と連通し、吐出作動室43bになる。そし 、第2ピストン41の回転角(θ)が360°からさら 大きくなると、吐出作動室43bの容量が小さ なっていく。それと共に吐出作動室43bから 媒が主圧縮機構3側に吐出されていく。そし 、図6(ST1)に示すように、第2ピストン41が再 上死点に位置したとき(θ=720°)、吐出作動室 43bは消滅する。この吐出行程にわたって、吐 出作動室43bは吐出経路50に常に連通している そして、この吐出行程と同期して、吸入作 室43aが再び形成され、次の吸入行程が行わ る。以上のように、吸入行程開始から吐出 程終了までの一連の行程は、第2ピストン41 720°回転すると完了する。

 上述のように、第2作動室43は、実質的に 量が不変である。かつ、吸入作動室43aは吸 経路47と常に連通している。吐出作動室43b 吐出経路50と常に連通している。このため、 副圧縮機構2の第2作動室43内においては、冷 は圧縮も膨張もしない。動力回収シャフト12 が動力回収機構5によって回転し、副圧縮機 2が駆動される分、第2作動室43の上流側より 第2作動室43の下流側の方が高圧になる。言 換えれば、動力回収機構5によって回収され た動力で駆動される副圧縮機構2によって、 出口49よりも主圧縮機構3側の圧力が吸入口46 よりも蒸発器6側の圧力より高くなる。つま 、副圧縮機構2によって昇圧される。

 尚、本実施形態において、上記動力回収 構5の第1ピストン21が上死点に位置するタイ ミングと、副圧縮機構2の第2ピストン41が上 点に位置するタイミングとは相互に略同一 なっている。

 《冷凍サイクル》
 次に、図7を参照しながら、冷凍サイクル装 置1における冷凍サイクルについて説明する 図7中に示す点Fは臨界点である。F-Lは飽和液 線である。F-Gは飽和ガス線である。L P は臨界点Fを通る等圧線である。R T は臨界点Fを通る等温線である。図7に示すモ エル線図上で、飽和ガス線F-Gより右側で等 線L P より下の領域は気相である。飽和液線F-Lより 左側で等温線R T より下側の領域は液相である。等圧線L P よりも上側で、かつ等温線R T よりも上側の領域は超臨界相である。飽和液 線F-Lより右側で飽和ガス線F-Gよりも左側の領 域は気液二相である。尚、図7中、h A 、h B 、h C 、h D 、h E は、それぞれA、B、C、D、Eの各点における冷 のエンタルピーを示している。

 図7中のABCDEの閉ループは、図2で示した動 力回収型の冷凍サイクル装置1の冷凍サイク を示している。ABCDEの閉ループ中のA-Bは、副 圧縮機構による冷媒の状態変化を示している 。B-Cは、主圧縮機構3における冷媒の状態変 を示している。C-Dは、放熱器4における冷媒 状態変化を示している。D-Eは、動力回収機 5における冷媒の状態変化を示している。E-A は、蒸発器6における冷媒の状態変化を示し いる。

 主圧縮機構3において、冷媒は低圧の気相 (点B)から高圧の超臨界相(点C)へと圧縮される 。主圧縮機構3で圧縮された冷媒は、放熱器4 おいての超臨界相(点C)から液相(点D)まで冷 される。

 その後、冷媒は、動力回収機構5において 、飽和液(点S)を経て低温高圧の液相(点D)から 気液二相(点E)まで膨張(圧力降下)する。この 力降下(膨張)の行程において、点Dから点Sま では冷媒が非圧縮性の液相であるため、冷媒 の比容積はそれほど変化しない。その一方、 点Sから点Eの間は液相から気相への相変化に る急激な比容積の変化を伴う圧力降下、す わち、膨張を伴う圧力降下となる。

 動力回収機構5からの冷媒は、蒸発器6に いて加熱され、蒸発を伴いながら気液二相( E)から気相(点A)へと変化する。蒸発器6によ 加熱された冷媒は、副圧縮機構2にて昇圧さ れ気相(点B)へと変化する。

 《作用及び効果》
 以上説明したように、本実施形態では、密 容器11内に設けられ、主圧縮機構3に対して 給される冷凍機油が溜められたオイル溜ま 16内に動力回収ユニット7が配置されている このようにすることで、主圧縮機構3と動力 回収ユニット7とに冷凍機油を供給するオイ 溜まりをひとつにまとめることができる。

 例えば、主圧縮機構3用のオイル溜まりと は別に動力回収ユニット7用のオイル溜まり 設けた場合は、一方のオイル溜まりから冷 回路9に流出した冷凍機油が他方のオイル溜 りに戻ることとなり、一方のオイル溜まり 溜められた冷凍機油の量が減少してしまう がある。そうなると、主圧縮機構3又は動力 回収ユニット7の潤滑やシールが十分に行わ なくなる虞がある。

 それに対して、本実施形態のように、主 縮機構3及び動力回収ユニット7のオイル溜 りを共通化した場合は、たとえ、冷凍機油 オイル溜まり16から冷媒回路9に流出したと ても、流出した冷凍機油は、冷媒回路9を廻 て再びオイル溜まり16に戻る。従って、オ ル溜まり16に溜められた冷凍機油の量が減少 することを抑制することができる。その結果 、主圧縮機構3及び動力回収ユニット7へ冷凍 油を安定的に供給することができる。よっ 、主圧縮機構3や動力回収ユニット7の摺動 の適切な潤滑により、冷凍サイクル装置1の 頼性の向上が図られる。また、主圧縮機構3 や動力回収ユニット7の漏れ隙間を高い確実 でシールすることが可能となるため、冷凍 イクル装置1の運転効率を向上させることが きる。

 また、本実施形態では、主圧縮機構3から の冷媒は、密閉容器11内に吐出され、密閉容 11内において、冷媒から冷凍機油が分離さ る。分離された冷凍機油は、再びオイル溜 り16に戻る。このように、冷媒に混入した冷 凍機油は、密閉容器11内にて冷媒から分離さ てオイル溜まり16に戻るため、オイル溜ま 16に溜められた冷凍機油の減少がより効果的 に抑制される。その結果、主圧縮機構3及び 力回収ユニット7へ冷凍機油をより安定的に 給することができる。

 また、主圧縮機構3により圧縮された冷媒 が、密閉容器11内に一旦吐出される構成とす ことで、密閉容器11内の圧力を比較的高く ることができる。これにより、主圧縮機用 ャフト38内に形成された図示しないオイル供 給孔を経由して主圧縮機構3に冷凍機油が供 されやすくなる。また、動力回収ユニット7 の冷凍機油の浸透も促進される。その結果 主圧縮機構3及び動力回収ユニット7へ冷凍 油をさらに確実に供給することが可能とな 。これにより、冷凍サイクル装置1の信頼性 より向上すると共に、冷凍サイクル装置1の 運転効率がさらに向上する。

 また、主圧縮機構3及び動力回収ユニット 7のオイル溜まりを共通化することで、主圧 機構3用のオイル溜まりとは別に動力回収ユ ット7用のオイル溜まりを設けた場合のよう に、各オイル溜まりに溜められた冷凍機油の 量のバランスをとるための均油管など、特別 な機構が不要になる。従って、冷凍サイクル 装置1の構成が簡単になると共に、製造コス を低減することができる。

 さらに、動力回収ユニット7をオイル溜ま り16内に配置することで、動力回収ユニット7 用の別途の密閉容器が不要となる。従って、 冷凍サイクル装置1のコンパクト化及び低コ ト化を図ることができる。また、動力回収 構5と副圧縮機構2とで第1閉塞部材15を共通に 使用することで、流体機械10Aひいては冷凍サ イクル装置1のさらなるコンパクト化が図ら ている。

 また、本実施形態のように、動力回収ユ ット7をオイル溜まり16内に配置するのであ ば、密閉容器11の胴シェル11a及び底シェル11 cの一方又は両方を変更するのみで足り、主 縮機構3の設計を変更する必要がない。言い えれば、主圧縮機構3は、動力回収ユニット 7とは関わりなく、自由に設計することがで る。従って、高い自由度を実現することが きる。また、密閉容器11の形状を変更するの みで、その他の設計をそれほど変更すること なく、本実施形態の構成を採用することがで きるため、設計コストを削減することができ る。また、他の冷凍サイクル装置と部品を共 通化することも比較的容易である。その結果 、冷凍サイクル装置1のさらなる低コスト化 実現することが可能となる。

 また、本実施形態では、主圧縮機構3の主 圧縮機用シャフト38と動力回収ユニット7の動 力回収シャフト12とが別体である。このため 主圧縮機構3及び動力回収ユニット7の設計 由度がより高くなる。その結果、さらなる コスト化が図られる。

 また、この構成によれば、主圧縮機用シ フト38と動力回収シャフト12とを、主圧縮機 用シャフト38の軸線と動力回収シャフト12の 線とが直線上に位置するように配置する必 がなくなる(例えば、図9も参照)。よって、 圧縮機構3と動力回収ユニット7との配置の自 由度も向上する。その結果、流体機械10Aの設 計自由度が向上する。また、場合によっては 、さらなるコンパクト化も可能となる。

 より設計自由度を向上する観点からは、 実施形態のように、主圧縮機構3及び電動機 8と、動力回収ユニット7とを直接固定せず、 力回収ユニット7を密閉容器11に固定するこ が好ましい。そうすることで、動力回収ユ ット7や主圧縮機構3と電動機8とのユニット 他の冷凍サイクル装置1と共通化することが 、より容易となる。よって、開発コストの低 減、製造コストの低減がさらに可能となる。

 また、本実施形態では、動力回収ユニッ 7は、胴シェル11aに対して固定されているた め、上シェル11b及び底シェル11cの設計自由度 が非常に高くなっている。胴シェル11aは、筒 状であるため、比較的高さを高くすることは 容易である。従って、動力回収ユニット7を シェル11aに対して固定することで、特に高 設計自由度を実現することができる。

 また、動力回収ユニット7を胴シェル11aに 固定すると共に、主圧縮機構3も胴シェル11a 固定するようにすることで、吸入管32cと吐 管51との間の距離の誤差を小さくすることが できる。このため、連絡管70の取り付けを容 にすることができる。その結果、冷凍サイ ル装置1のさらなる低コスト化が実現される 。

 また、密閉容器11外に配置された連絡管70 を用いることで、主圧縮機構3や動力回収ユ ット7の構成にかかわらず、容易に吸入管32c 吐出管51とを接続することができる。また この構成によれば、密閉容器11内の構成の設 計変更が実質的に不要となるため、主圧縮機 構3や動力回収ユニット7を他の冷凍サイクル 置1と共通化しやすくなる。

 尚、本実施形態では、動力回収機構5により 動力が回収される。動力回収機構5で回収さ た動力は、副圧縮機構2の動力として利用さ る。このため、高いエネルギー効率が実現 れている。具体的に、図7を用いて説明する と、動力回収機構5では、冷媒から(h D -h E )に相当するエンタルピー差に相当するエネ ギーが動力として回収される。おおよその ころ、この回収されたエンタルピー(h D -h E )に、動力回収機構5の効率η exp と副圧縮機構2の効率η pump とを乗じて得られるエンタルピーη exp ・η pump (h D -h E )=(h B -h A )に相当するエネルギーが、副圧縮機構2によ て冷媒に与えられる。その結果、冷媒は、 7に示す点Aから点Bまで昇圧される。

 例えば、副圧縮機構2が配置されていない冷 凍サイクル装置では、主圧縮機構3が蒸発器6 出口側の点Aから放熱器4の入口側の点Cまで 媒を圧縮する。それに対して、動力回収機 5に接続された副圧縮機構2が設けられた本 施形態の冷凍サイクル装置1では、副圧縮機 2から吐出されることによって、冷媒は点A ら点Bまで昇圧される。このため、主圧縮機 3は、冷媒を点Bから点Cまで圧縮すればよい 従って、主圧縮機構3の仕事量を(h B -h A )に相当するエネルギー分だけ減らすことが きる。その結果、冷凍サイクル装置1のCOP(coe fficient of performance)を向上させることができ 。

 尚、冷媒として二酸化炭素を用いた場合 、放熱器4における圧力と、蒸発器6におけ 圧力との差が比較的大きくなる。このため 二酸化炭素を冷媒として用いる場合は、本 施形態のように、放熱器4と蒸発器6との間に 動力回収機構5を配置することで、比較的大 なエネルギー回収が可能となり、より高い ネルギー効率を実現することができる。

 ところで、例えば、副圧縮機構2を配置せ ず、動力回収機構5の動力回収シャフト12を主 圧縮機構3に接続することにより、動力回収 することも考えられる。しかしながら、主 縮機構3は、動力回収機構5と比較して非常に 高温である。このため、主圧縮機構3と動力 収機構5とを接続すると、主圧縮機構3と動力 回収機構5との間で熱交換がおこりやすくな 。具体的には、主圧縮機構3の温度が低下し しまう。その結果、冷凍サイクル装置1のCOP が低下する。一方、副圧縮機構2であれば主 縮機構3ほどは高温ではない。このため、副 縮機構2と動力回収機構5とを接続した場合 、動力回収機構5と主圧縮機構3とを接続した 場合ほど熱交換はおこらない。従って、本実 施形態のように、副圧縮機構2を主圧縮機構3 は別個に設けて、副圧縮機構2と動力回収機 構5とを接続することで、冷凍サイクル装置1 COPの低下を抑制することができる。言い換 れば、冷凍サイクル装置1のエネルギー効率 を向上させることができる。

 また、本実施形態では、副圧縮機構2が比 較的高温な主圧縮機構3寄りに配置されてお 、比較的低温な動力回収機構5は、副圧縮機 2よりも主圧縮機構3から離れた位置に配置 れている。従って、主圧縮機構3と動力回収 構5との間の熱交換が効果的に抑制されてい る。

 また、本実施形態では、動力回収ユニッ 7は、副圧縮機構2において密閉容器11に固定 されている。詳細には、第3閉塞部材14におい て密閉容器11に固定されている。このため、 閉容器11からの熱は、直接動力回収機構5に わらず、副圧縮機構2を介して伝わることと なる。従って、副圧縮機構2が熱抵抗となり 動力回収機構5への密閉容器11を介しての熱 導が効果的に抑制される。

 尚、動力回収機構5とは異なり、副圧縮機 構2は多少温度上昇しても大きな問題はない 主圧縮機構3から副圧縮機構2へ熱移動が生じ ると、主圧縮機構3において冷媒に付与され エネルギーがそれだけ低下するものの、副 縮機構2へ移動した熱量分だけ、副圧縮機構2 から吐出される冷媒の温度が上昇する。言い 換えれば、主圧縮機構3において冷媒に付与 れるエネルギーは減少するものの、副圧縮 構2において冷媒に付与されるエネルギーは 大し、主圧縮機構3に、より高温の冷媒が供 給されることとなる。つまり、主圧縮機構3 ら副圧縮機構2へ熱移動が生じても、主圧縮 構3が冷媒に付与するエネルギーの減少分が 、副圧縮機構2が冷媒に付与するエネルギー 増加分によって実質的に相殺されるため、 凍サイクル装置1のCOPは、それほど低下しな 。

 また、主圧縮機構3と副圧縮機構2との間 電動機8が配置されている。このため、動力 収機構5が主圧縮機構3からより遠ざけられ いる。従って、主圧縮機構3と動力回収機構5 との間の熱交換がより効果的に抑制されてい る。

 また、本実施形態では、オイルポンプ72 主圧縮機用シャフト38の下端部に配置されて いる。このように構成することで、比較的高 温である主圧縮機構3をオイル溜まり16から遠 ざけることができる。その結果、オイル溜ま り16の温度上昇を防止することができる。よ て、オイル溜まり16内に配置された動力回 機構5の温度上昇を抑制することができる。 って、冷凍サイクル装置1のCOPをより向上す ることができる。

 尚、本実施形態では、副圧縮機構2及び動 力回収機構5がそれぞれ流体圧モータである について説明したが、副圧縮機構2及び動力 収機構5のそれぞれが、吸入した冷媒を圧縮 又は膨張させる行程を行った後に冷媒を吐出 するものであってもよい。すなわち、副圧縮 機構2及び動力回収機構5は、それぞれ、固有 容積比を有していてもよい。但し、流体圧 ータは、上記圧縮行程が行われる圧縮機構 膨張行程が行われる膨張機構と比較して、 ンプルな構成を有する。従って、副圧縮機 2及び動力回収機構5を流体圧モータとする とで、流体機械10Aの構成をよりシンプルに ると共に小型化することができる。その結 、冷凍サイクル装置1をよりシンプル化、小 化及び低コスト化することができる。シン ル化、小型化及び低コスト化の観点から、 圧縮機構2及び動力回収機構5は、それぞれ ータリ型の流体圧モータであることが特に ましい。

 このように、動力回収ユニット7を小型化 することで、オイル溜まり16の容量を小さく ることも可能となる。それにより、オイル まり16に溜められる冷凍機油の量も少なく ることができる。その結果、オイル溜まり16 の油面の高さをより安定させることができる 。よって、主圧縮機構3及び動力回収ユニッ 7へより確実に冷凍機油を供給することがで る。

 また、副圧縮機構2及び動力回収機構5の れぞれを流体圧モータにより構成すること よって、動力回収機構5による回収トルクの 形及び副圧縮機構2の負荷トルクの波形の両 方を動力回収シャフト12の回転角360°を一周 とした略正弦波状にすることができる。そ 結果、動力回収シャフト12が減速せずにスム ーズに回転する。よって、エネルギーの回収 効率を向上させることができる。また、冷凍 サイクル装置1における振動及び騒音の発生 抑制することができる。

 具体的に、動力回収機構5の第1ピストン21 が上死点に位置するタイミングと、副圧縮機 構2の第2ピストン41が上死点に位置するタイ ングとを同期させることにより、負荷トル の波形と、回収トルクの波形とを相互にあ せることができる。言い換えれば、動力回 シャフト12のどのような回転角においても、 負荷トルクと回収トルクとの比率が、実質的 に一定となる。従って、シャフトの回転速度 ムラを抑制することができる。その結果、冷 凍サイクル装置1のエネルギー効率をより向 させることができる。また、シャフトの回 速度ムラを抑制できるので、冷凍サイクル 置1の振動及び騒音を抑制することもできる

 より具体的に、本実施形態では、動力回 シャフト12に対して第1仕切部材24が配置さ た方向と、動力回収シャフト12に対して第2 切部材44が配置された方向とを相互に略同一 にすると共に、第1ピストン21の第1シリンダ22 の中心軸に対する偏心方向と、第2ピストン41 の第2シリンダ42の中心軸に対する偏心方向と も相互に略同一にすることによって、動力回 収機構5の第1ピストン21が上死点に位置する イミングと、副圧縮機構2の第2ピストン41が 死点に位置するタイミングとを同期させて る。このようにすることによって、流体機 10Aの製造が容易になる。

 また、第1ピストン21の第1シリンダ22の中 軸に対する偏心方向と、第2ピストン41の第2 シリンダ42の中心軸に対する偏心方向とも相 に略同一にすることによって、動力回収シ フト12と、その動力回収シャフト12を軸支す る第2閉塞部材13及び第3閉塞部材14との間の摩 擦力を低減することができる。

 詳細には、動力回収機構5の第1ピストン21 には、比較的高圧の吸入作動室23aから比較的 低圧の吐出作動室23bの方向に向かう差圧力が 作用する。同様に、副圧縮機構2の第2ピスト 41には、比較的高圧の吐出作動室43bから比 的低圧の吸入作動室43aに向かう差圧力が作 する。これらの差圧力は、偏心部12b、12cを して動力回収シャフト12を押し、動力回収シ ャフト12を軸支する第2閉塞部材13及び第3閉塞 部材14の軸受部に作用する。その結果、動力 収シャフト12に対して回転阻害力が生じ、 力回収シャフト12の摩耗、軸受部の摩耗が促 進される。それに対して、本実施形態では、 第1ピストン21と第2ピストン41とで、差圧力の 向きが互いに反対方向となっている。このた め、第1ピストン21と第2ピストン41との間で、 差圧力が相殺する。その結果、動力回収シャ フト12と、第2閉塞部材13及び第3閉塞部材14と 間の摩擦力を低減することができる。よっ 、動力回収シャフト12を回転させるために 要な動力を低減することができ、エネルギ 回収を向上させることができる。また、動 回収シャフト12と、第2閉塞部材13及び第3閉 部材14との摩耗も抑制することができる。

 《変形例1》
 上記実施形態では、動力回収ユニット7が胴 シェル11aに対して固定されている例について 説明した。但し、本発明は、この構成に限定 されない。例えば、図8に示すように、底シ ル11cを比較的深さの深い碗状に形成し、動 回収ユニット7を底シェル11cに取り付けるよ にしてもよい。このようにすることで、主 縮機構3と電動機8とを胴シェル11aに組み付 る一方、動力回収ユニット7を底シェル11cに み付けた後に、胴シェル11aに底シェル11cを り付けることで、流体機械10Bを組み立てる とができる。つまり、動力回収ユニット7と 主圧縮機構3及び電動機8とを別ラインで組み ててストックしておくことも可能となる。

 また、本変形例1の構成では、主圧縮機構 3及び電動機8が固定された胴シェル11a及び上 ェル11bは、他の構成の冷凍サイクル装置と 通に用いることができる。主圧縮機構3及び 電動機8が固定された胴シェル11a及び上シェ 11bの製造コストを低減することができる。 た、設計コストの低減を図ることができる さらに、本冷凍サイクル装置1に専用の部品 在庫を削減することも可能となる。

 《変形例2》
 上記実施形態及び変形例1では、動力回収ユ ニット7を密閉容器11に固定する例について説 明した。但し、本発明は、この構成に限定さ れない。動力回収ユニット7を密閉容器11以外 の部材に対して固定してもよい。例えば、図 9に示す流体機械10Cのように、固定部材80を介 して、副軸受部材71に固定してもよい。また 動力回収ユニット7を主圧縮機構3に対して 定してもよい。そうすることで、動力回収 ニット7と密閉容器11との溶接工程等が不要 なり、容易且つ安価に動力回収ユニット7を 定することができる。

 尚、本変形例2では、図9に示すように、 圧縮機構3の主圧縮機用シャフト38と動力回 ユニット7の動力回収シャフト12とが別個に けられている。このため、主圧縮機用シャ ト38と動力回収シャフト12とを、主圧縮機用 ャフト38の軸線と動力回収シャフト12の軸線 とが直線上に位置しないように配置すること が可能となる。これにより、主圧縮機構3と 力回収ユニット7との配置の自由度及び流体 械10Cの設計自由度が向上されている。

 《変形例3》
 上記実施形態及び変形例1、2では、オイル 給部としてのオイルポンプ72を用いて主圧縮 機構3に対して冷凍機油を供給する例につい 説明した。但し、本発明は、この構成に限 されるものではない。例えば、図10に示す流 体機械10Dのように、オイルポンプ72を設けず 主圧縮機構81を電動機8よりもオイル溜まり1 6寄りに配置し、主圧縮機構81をオイル溜まり 16に直接浸漬することで、主圧縮機構81に冷 機油を供給するようにしてもよい。尚、主 縮機構81をオイル溜まり16に直接浸漬する場 は、主圧縮機構81をロータリ型の圧縮機構 することが好ましい。

 《その他の変形例》
 流体機械10A~10Dのコンパクト化の観点から、 吸入経路27、吐出経路30、吸入経路47及び吐出 経路50のすべてを第1閉塞部材15に形成するよ にしてもよい。

 冷媒回路9には、高圧側において超臨界圧 力とならない冷媒が充填されていてもよい。 具体的に、冷媒回路9には、例えば、フロン 冷媒が充填されていてもよい。

 冷媒回路9が、主圧縮機構3と、放熱器4と 動力回収機構5と、蒸発器6と、副圧縮機構2 により構成されている例について説明した 、冷媒回路9は、上記構成要素以外の構成要 素をさらに有するものであってもよい。

 上記実施形態及び変形例では、動力回収 構5及び副圧縮機構2の両方が流体圧モータ より構成されている例について説明した。 かし、本発明はこの構成に限定されない。 えば、動力回収機構5を膨張機構により構成 てもよい。副圧縮機構2を作動室において冷 媒が圧縮される圧縮機構により構成してもよ い。

 《本明細書における用語等の定義》
 本明細書において、「冷凍機油」には、鉱 のみならず合成油も含まれる。

 「流体圧モータ」とは、冷媒を吸入する 入行程と、冷媒を吐出する吐出行程とを実 的に連続して行うものをいう。具体的に、 体圧モータでは、冷媒の吸入経路と吐出経 とが同時に閉じられる期間が実質的にない 言い換えれば、流体圧モータは、実質的に 期間にわたって冷媒の吸入経路と吐出経路 のうち少なくとも一方が開放されている。 こで、「吸入経路と吐出経路とが同時に閉 られる期間が実質的にない」とは、トルク 動が生じない程度において瞬間的に吸入経 と吐出経路とが同時に閉じられることを含 概念である。

 一方、「膨張機構」とは、冷媒を吸入す 吸入行程と、吸入した冷媒を膨張させる膨 行程と、膨張した冷媒を吐出する吐出行程 を行うものをいう。つまり、「膨張機構」 、吸入行程終了後、一旦作動室を孤立させ その孤立した作動室で冷媒を膨張させた後 、作動室から冷媒を吐出するものである。

 「圧縮機構」とは、冷媒を吸入する吸入 程と、吸入した冷媒を圧縮させる圧縮行程 、圧縮した冷媒を吐出する吐出行程とを行 ものをいう。つまり、「圧縮機構」は、吸 行程終了後、一旦作動室を孤立させ、その 立した作動室で冷媒を圧縮させた後に、作 室から冷媒を吐出するものである。

 本発明の流体機械を備えた冷凍サイクル 置は、給湯機、空気調和装置、暖房装置等 適用できる。