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Title:
REFRIGERATION CYCLE DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/101818
Kind Code:
A1
Abstract:
A refrigeration cycle device (100) has a first compressor (101), a second compressor (102) parallelly connected in a refrigeration circuit (200) to the first compressor (101), a heat dissipater (103) for cooling refrigerant compressed by each of the compressors, an expander (104) connected to the rotating shaft of the first compressor (101), an evaporator (105) for evaporating the refrigerant expanded by the expander (104), and a controller (115). The controller (115) has an efficiency enhancing means. When the temperature of a heat medium flowing into the heat dissipater (103) is within a predetermined temperature range, the efficiency enhancing means performs a first processing including a step of changing the rotational speed of the first compressor (101) as processing for increasing the coefficient of performance (COP) of the refrigeration cycle device (100), while when the temperature of the heat medium flowing into the heat dissipater (103) is not within the predetermined temperature range, the efficiency enhancing means performs second processing including a step of changing the rotational speed of the second compressor (102) as processing for enhancing the coefficient of performance of the refrigeration cycle device (100).

Inventors:
YAKUMARU YUICHI
TANIGUCHI KATSUJI
HONMA MASAYA
MATSUMOTO SUBARU
Application Number:
PCT/JP2009/000578
Publication Date:
August 20, 2009
Filing Date:
February 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
YAKUMARU YUICHI
TANIGUCHI KATSUJI
HONMA MASAYA
MATSUMOTO SUBARU
International Classes:
F25B1/00; F24F11/02; F25B11/02
Domestic Patent References:
WO2006035934A12006-04-06
Foreign References:
JP2007132622A2007-05-31
JP2004212006A2004-07-29
JPH04340062A1992-11-26
GB2309748A1997-08-06
JP2006527836A2006-12-07
JP2004108683A2004-04-08
JP2007255889A2007-10-04
JP2008039237A2008-02-21
JP2001116371A2001-04-27
JP2004212006A2004-07-29
Attorney, Agent or Firm:
KAMADA, Koichi (UMEDA PLAZA BLDG. ANNEX 4-3-25, Nishitenma, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 47, JP)
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Claims:
 第1圧縮機と、
 冷媒回路において前記第1圧縮機に並列に接続された第2圧縮機と、
 前記各圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する放熱器と、
 前記第1圧縮機の回転軸に連結された膨張機と、
 前記膨張機で膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器と、
 前記放熱器で加熱されるべき熱媒体の温度が予め定められた温度範囲内にある場合には、当該冷凍サイクル装置の成績係数を高めるための処理として前記第1圧縮機の回転数を変更するステップを含む第1処理を実行する一方、前記放熱器で加熱されるべき前記熱媒体の温度が前記予め定められた温度範囲内にない場合には、前記成績係数を高めるための処理として前記第2圧縮機の回転数を変更するステップを含む第2処理を実行する効率向上手段を有するコントローラと、
 を備えた、冷凍サイクル装置。
 前記予め定められた温度範囲は、前記蒸発器の周囲の雰囲気温度に対応して定められた温度範囲である、請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
 前記予め定められた温度範囲は、さらに、前記第1処理を実行する際の前記第2圧縮機の回転数、および前記第2処理を実行する際の前記第1圧縮機の回転数に対応して定められた温度範囲である、請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
 前記第1圧縮機の回転数を変更するステップは、冷凍サイクルの高圧側における冷媒の圧力Pdが前記成績係数を最も高くできる最適高圧Pmに近づくように前記第1圧縮機の回転数を変更するステップであり、
 前記第2圧縮機の回転数を変更するステップは、前記膨張機の入口冷媒密度ρeと前記圧縮機の入口冷媒密度ρcとの密度比Qが前記成績係数を最も高くできる最適密度比Qmに近づくように前記第2圧縮機の回転数を変更するステップである、請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
 前記効率向上手段は、
 前記第1処理において、前記圧力Pdと前記最適高圧Pmとを比較することによって現在の前記圧力Pdを変更する必要があるかどうかを判断するとともに、前記圧力Pdが低すぎる場合には前記第1圧縮機の回転数を上げ、前記圧力Pdが高すぎる場合には前記第1圧縮機の回転数を下げる一方、
 前記第2処理において、前記密度比Qと前記最適密度比Qmとを比較することによって現在の前記密度比Qを変更する必要があるかどうかを判断するとともに、前記密度比Qが小さすぎる場合には前記第2圧縮機の回転数を上げ、前記密度比Qが大きすぎる場合には前記第2圧縮機の回転数を下げる、請求項4に記載の冷凍サイクル装置。
 当該冷凍サイクル装置の起動契機を取得することを条件として、当該冷凍サイクル装置に対する要求能力を発揮しうる前記第1圧縮機および前記第2圧縮機の各初期回転数を設定する初期設定手段を前記コントローラがさらに有する、請求項5に記載の冷凍サイクル装置。
 前記放熱器の出口における冷媒の温度を検出する放熱器出口温度センサをさらに備え、
 前記放熱器出口温度センサの検出結果に基づいて前記放熱器で加熱されるべき熱媒体の温度を間接的に検出する、請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
 流量調節弁を有し、前記放熱器の出口と前記膨張機の中間圧部とを前記流量調節弁を介して接続するインジェクション回路をさらに備え、
 前記第2処理が、前記流量調節弁の開度を変更するステップをさらに含む、請求項1に記載の冷凍サイクル装置。

                                                                              
Description:
冷凍サイクル装置

 本発明は、冷凍サイクル装置に関する。

 例えば特開2001-116371号公報に記載されて るように、膨張機と圧縮機を回転軸で連結 、膨張機で得られた動力を圧縮機の駆動に 用して成績係数(COP:coefficient of performance)の 上を図る冷凍サイクル装置が知られている この冷凍サイクル装置には、設計上の理想 件とは異なる運転条件での効率が芳しくな 弱点がある。なぜなら、膨張機と圧縮機と 回転軸で連結されており、膨張機と圧縮機 押しのけ容積の比を変更できないからであ 。

 どのような運転条件でも高いCOPが得られ ように、膨張機をバイパスするバイパス回 を設けたり、膨張機の上流側に予膨張弁を けたりする提案がある。すなわち、膨張機 押しのけ量が不足する場合には、放熱後の 媒の一部をバイパス回路に流して冷媒の循 量を確保する。逆に、膨張機の押しのけ量 過剰な場合には、予膨張弁で冷媒を減圧し 冷媒の比容積を予め増大させる。

 ただし、バイパス回路や予膨張弁を使用 ると膨張機で回収できる動力が減少し、COP 向上効果が薄れる。この問題を受けて、特 2004-212006号公報では、図14に示すような冷凍 サイクル装置が提案されている。この冷凍サ イクル装置は、第1圧縮機21、第1圧縮機21に連 結された膨張機23および第1圧縮機21に並列に 置された第2圧縮機22を備えている。サイク の高圧が目標値よりも高い場合、第1圧縮機 21と第2圧縮機22の押しのけ量の合計値が理想 よりも大きいことを意味する。したがって 第2圧縮機22の回転数を下げてその押しのけ を減らす。すると、膨張機23を流れる冷媒 量が減るので、サイクルの高圧が目標値に づく。逆に、サイクルの高圧が目標値より 低ければ、第2圧縮機22の回転数を上げる。 のように、第2圧縮機22の回転数を調節する とで、効率のよい運転を行える。

 第1圧縮機21の回転数と第2圧縮機22の回転 とを交互に調節する制御方法も考えられる 、システムの安定性の面で不安が残るし、 御が複雑になることも予想される。その意 において、第1圧縮機21の回転数を固定し、 2圧縮機22の回転数を調節する制御方法は理 かなっている。

 ところが、本発明者らが詳細な検討を行 ったところ、第2圧縮機22の回転数のみを上 下げするよりも効率をよくできる制御方法 存在することを突き止めた。

 すなわち、本発明は、
 第1圧縮機と、
 冷媒回路において前記第1圧縮機に並列に接 続された第2圧縮機と、
 前記各圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する 熱器と、
 前記第1圧縮機の回転軸に連結された膨張機 と、
 前記膨張機で膨張した冷媒を蒸発させる蒸 器と、
 前記放熱器で加熱されるべき熱媒体の温度 予め定められた温度範囲内にある場合には 当該冷凍サイクル装置の成績係数を高める めの処理として前記第1圧縮機の回転数を変 更するステップを含む第1処理を実行する一 、前記放熱器で加熱されるべき前記熱媒体 温度が前記予め定められた温度範囲内にな 場合には、前記成績係数を高めるための処 として前記第2圧縮機の回転数を変更するス ップを含む第2処理を実行する効率向上手段 を有するコントローラと、
 を備えた、冷凍サイクル装置を提供する。

 上記本発明では、放熱器で加熱されるべ 熱媒体の温度が所定の温度範囲内にあるか うかを判断し、その判断結果に応じて、第1 処理を実行するのか第2処理を実行するのか 選択する。熱媒体の温度が所定の温度範囲 にあれば第1処理を実行し、熱媒体の温度が 定の温度範囲内になければ第2処理を実行す る。このようにすれば、単純に第2圧縮機の 転数を上げ下げするよりも効率がよくなる その理由の詳細は後述する。また、第1圧縮 の回転数と第2圧縮機の回転数とを交互に調 節しなくても済むので、各圧縮機の制御も容 易であり、システムの安定性も高まる。

本発明の第1実施形態にかかる冷凍サイ クル装置を示す構成図 入水温度とCOPの関係を示すグラフ(外気 温度:2℃) 入水温度とCOPの関係を示すグラフ(外気 温度:16℃) 外気温度と最適密度比の関係図(入水温 度:35℃) 入水温度と最適密度比の関係図(入水温 度:2℃) 超臨界サイクルの高圧とCOPの関係図 第1実施形態の冷凍サイクル装置におけ る各圧縮機の回転数と高圧との関係図 第2圧縮機が設けられていない冷凍サイ クル装置における第1圧縮機の回転数と高圧 の関係図 第1実施形態にかかる制御のフローチャ ート 図9のフローチャートに示す制御で実 されるCOPプロファイルを示す概略図 図10Aの部分拡大図 本発明の第2実施形態にかかる冷凍サ クル装置を示す構成図 入水温度とCOPの関係を示すグラフ(外 温度:2℃) 第2実施形態にかかる制御のフローチ ート 従来の冷凍サイクル装置を示す構成図

(第1実施形態)
 図1に示すように、本実施形態の冷凍サイク ル装置100は、第1圧縮機101と、第2圧縮機102と 放熱器103と、膨張機104と、蒸発器105とを備 ている。これらの機器が配管で接続される とによって冷媒回路200が形成されている。 1圧縮機101および第2圧縮機102は、それぞれ 冷媒を圧縮する。放熱器103は、第1圧縮機101 圧縮された冷媒および第2圧縮機102で圧縮さ れた冷媒を冷却する。膨張機104は、放熱器103 で冷却された冷媒を膨張させる。蒸発器105は 、膨張機104で膨張した冷媒を加熱する。冷媒 回路200において、第2圧縮機102は、第1圧縮機1 01に対して並列に設けられている。第1圧縮機 101および第2圧縮機102のそれぞれに冷媒が導 れるように、蒸発器105の下流側で冷媒回路 分岐している。圧縮された冷媒の全量が放 器103に流入するように、放熱器103の上流側 冷媒回路200が合流している。冷媒回路200に 、二酸化炭素やハイドロフルオロカーボン の冷媒が充填されている。

 冷凍サイクル装置100が給湯機に適用され 場合、放熱器103に水熱交換器を使用でき、 発器105に空気熱交換器を使用できる。冷凍 イクル装置100が空調機に適用される場合、 熱器103および蒸発器105の両者に空気熱交換 を使用できる。本実施形態では、放熱器103 水熱交換器である例を示している。放熱器1 03の内部には、水回路129が通されており、水 路129を流れる水(熱媒体)と冷媒回路200を流 る冷媒とが放熱器103で熱交換する。

 第1圧縮機101、第2圧縮機102および膨張機10 4は、それぞれ、スクロール型、ロータリ型 レシプロ型等の容積型流体機械で構成され いる。冷媒が膨張時に開放するエネルギー 、膨張機104によって動力の形で回収される 回収動力が第1圧縮機101で使用されるように 第1圧縮機101と膨張機104とが回転軸123によっ て連結されている。第1圧縮機101と膨張機104 の間には、回転軸123を駆動するためのモー 110が配置されている。回転軸123で連結され いるため、本実施形態では、第1圧縮機101の 転数と膨張機104の回転数とが常に等しい。 方、第2圧縮機102には、専用のモータ111が接 続されている。モータ110とモータ111とは別々 に回転数を制御可能である。言い換えれば、 第1圧縮機101の回転数と第2圧縮機102の回転数 を独立して制御可能である。これにより、 度比一定の制約を回避できる。

 第1圧縮機101、モータ110、回転軸123および 膨張機104は、共通の密閉容器(図示せず)内に 容されている。このタイプの流体機械は、 えば国際公開2006/035934号パンフレットに開 されている。同様に、第2圧縮機102およびモ タ111も共通の密閉容器(図示せず)内に収容 れている。

 冷凍サイクル装置100は、さらに、運転を 御する手段としてのコントローラ115と、モ タ110に給電する第1インバータ125と、モータ 111に給電する第2インバータ127とを備えてい 。具体的に、コントローラ115には、A/D変換 路、入出力回路、演算回路、記憶装置等を むDSP(Digital Signal Processor)が用いられる。コ トローラ115は、インバータ125および127を制 することによって、モータ110およびモータ1 11の回転数、すなわち、第1圧縮機101および第 2圧縮機102の回転数を調節する。

 冷媒回路200には、放熱器103の出口におけ 冷媒の温度を検出する放熱器出口温度セン 112と、放熱器103の出口における冷媒の圧力 検出する圧力センサ117とが設けられている 蒸発器105の近傍には、蒸発器105の周囲の雰 気温度(例えば外気温度)を検出する雰囲気 度センサ113が設けられている。水回路129に 、放熱器103で加熱されるべき水(熱媒体)の温 度を検出する入水温度センサ114が設けられて いる。これらの温度センサには、サーミスタ や熱電対などの温度検出素子を使用できる。 圧力センサ117としては、半導体素子を使用し たものが挙げられる。各センサの信号はコン トローラ115に入力される。

 第1圧縮機101の吸入容積と、第2圧縮機102 吸入容積とは、異なっていてもよいが、等 い方が有利である。第1圧縮機101と第2圧縮機 102とに共通の流体機械を用いることによって 、コストを低減できるからである。なお、「 吸入容積」とは、吸入完了時の閉じ込め容積 のことである。

 次に、冷凍サイクル装置100の運転につい 説明する。

 まず、冷凍サイクル装置100を給湯式暖房機 適用したときの当該冷凍サイクル装置100のC OPの変化を調べるために行なった予備実験に いて説明する。この予備実験では、(i)第2圧 縮機102の回転数を所定値に固定する一方、最 適高圧が得られるように第1圧縮機101の回転 を調節する制御と、(ii)第1圧縮機101の回転数 を所定値に固定する一方、最適密度比が得ら れるように第2圧縮機102の回転数を調節する 御とを試した。「最適高圧」とは、冷媒の 性の観点からCOPが最高になると考えられる 冷凍サイクルの高圧を意味する。「冷凍サ クルの高圧」とは、第1圧縮機101および第2圧 縮機102から吐出され、放熱器103を経て膨張機 104に導かれる冷媒の圧力を意味する。「最適 密度比」とは、設計上COPが最高になると考え られる密度比を意味する。「密度比」とは、 第1圧縮機101の入口における冷媒の密度ρeと 張機104の入口における冷媒の密度ρcとの比Q( Q=ρe/ρc)を意味する。予備実験の条件は以下 通りである。結果を図2および図3に示す。図 2および図3の縦軸および横軸は、それぞれ、 凍サイクル装置100のCOPと入水温度センサ114 検出温度を表している。
 第1圧縮機の吸入容積:4cc
 第2圧縮機の吸入容積:4cc
 膨張機の吸入容積:0.8cc
 第1圧縮機の固定回転数:60Hz
 第2圧縮機の固定回転数:60Hz
 冷媒:二酸化炭素
 外気温度:2℃または16℃

 図2および図3において、COPが単調減少し いるグラフは、第1圧縮機101の回転数を60Hzに 固定する一方、最適密度比が得られるように 第2圧縮機102の回転数を調節した場合の結果 示している。入水温度が低ければ低いほど 2圧縮機102の回転数は高く、入水温度が高け ば高いほど第2圧縮機102の回転数は低い。た だし、入水温度と第2圧縮機102の回転数とは 例していない。

 図2および図3において、極値を有するグ フは、第2圧縮機102の回転数を60Hzに固定する 一方、最適高圧が得られるように第1圧縮機10 1の回転数を調節した場合の結果を示してい 。入水温度が低ければ低いほど第1圧縮機101 回転数は高く、入水温度が高ければ高いほ 第1圧縮機101の回転数は低い。ただし、入水 温度と第1圧縮機101の回転数とは比例してい い。なお、COPは、モータの消費電力、沸き げ温度、入水温度および給湯量から算出し 。

 図2および図3に示す結果をさらに検討す 。

 一般に、入水温度が低ければ低いほど放 器103での熱交換効率がよくなるので、入水 度に対してCOPが単調に増減する傾向を予測 きる。第1圧縮機101の回転数を所定値に固定 する一方、最適密度比が得られるように第2 縮機102の回転数を調節する制御(ii)によると そのような傾向が現れている。しかし、第2 圧縮機102の回転数を所定値に固定する一方、 最適高圧が得られるように第1圧縮機101の回 数を調節する制御(i)によると、COPが単調に 減せず、ある特定の入水温度にピークが現 る。このような結果が得られた理由は必ず も明らかではないが、第1圧縮機101と膨張機1 04とが回転軸123で連結されていること、およ 超臨界冷媒である二酸化炭素の物性が影響 ているものと考えられる。

 二酸化炭素等の超臨界冷媒を作動流体に 用し、圧縮機と回転軸で連結された膨張機 搭載した冷凍サイクル装置のCOPを高めるに 、以下の2つのポイントに特に留意する必要 がある。1つのポイントは、密度比Qを最適密 比に調節することである。他の1つのポイン トは、冷凍サイクルの高圧を最適高圧に調節 することである。

 仮に、実際の密度比Qが最適密度比に一致 したときに自動的に最適高圧が得られている のであれば、上述した制御(i)または(ii)を行 だけで常に最高のCOPが得られるはずである しかし、現実は異なっている。図2および図3 から明らかなように、冷凍サイクル装置100の COPが最も高くなる制御方法は運転条件によっ て切り替わる。最適密度比が得られているか らといって、最適高圧が得られているとは限 らない。

 図2に示すように、例えば外気温度が2℃ ときは、入水温度が35~45℃の範囲では上述し た制御(i)を行うことでより高いCOPが得られ、 その範囲外では上述した制御(ii)を行うこと より高いCOPが得られる。図3に示すように、 気温度が16℃のときは、入水温度が40~47℃の 範囲では制御(i)を行うことでより高いCOPが得 られ、その範囲外では制御(ii)を行うことで り高いCOPが得られる。

 例えば、冷凍サイクル装置100を用いた暖 機は、温水が循環する暖房回路(図1に示す 回路129に相当する)を有している。そのため 放熱器103で加熱されるべき水の温度が30~50 程度になるのが一般的である。したがって 冷凍サイクル装置100を効率よく運転するに 、入水温度や外気温度等の運転条件に応じ 制御方法を切り替えることが望ましい。

 また、制御方法を切り替えるべき入水温 T1およびT2は、第1圧縮機101および第2圧縮機1 02の固定回転数にも依存する。つまり、固定 転数が変われば、COPプロファイルも図2およ び図3に示す形とは異なるものになる。例え 、冷凍サイクル装置100の能力の調節範囲が 要でない場合には、第1圧縮機101の定格回転 を制御(ii)における第1圧縮機101の固定回転 として採用し、かつ第2圧縮機102の定格回転 を制御(i)における第2圧縮機102の固定回転数 として採用できる。他方、制御方法を切り替 えるべき入水温度T1およびT2が、外気温度お び固定回転数に対応して定められていると 冷凍サイクル装置100の能力の調節範囲が広 なる。

 次に、密度比Qおよび最適密度比について 詳しく説明する。

 第1圧縮機101の吸入容積をVc、膨張機104の吸 容積をVe、第1圧縮機101の回転数をHz1、第2圧 縮機102の回転数をHz2、第1圧縮機101の入口に ける冷媒の比容積をMc、膨張機104の入口にお ける冷媒の比容積をMe、冷凍サイクル装置100 おける冷媒の重量循環量をGとすると、下記 式(1)の関係が成立する。
 Vc*Hz1:Ve*Hz1=Mc*(Hz1/(Hz1+Hz2))*G:Me*G・・・(1)

 第1圧縮機101の入口における冷媒の密度ρcと 膨張機104の入口における冷媒の密度ρeを用い て式(1)を展開すると、次式(2)が得られる。
 ρe/ρc=(Vc/Ve)*((Hz1+Hz2)/Hz1)・・・(2)

 右辺のVc/Veは設計値であり、これを任意 変更するのは困難である。したがって、所 の密度比Q(Q=ρe/ρc)を得るためには、第1圧縮 101の回転数Hz1および/または第2圧縮機102の 転数Hz2を調節する必要がある。ここで、図4 示すように、外気温度が低くなればなるほ 最適密度比は大きくなる。図5に示すように 、入水温度が低くなればなるほど最適密度比 は大きくなる。その他、最適密度比は圧縮機 の吸入冷媒温度、冷凍サイクル装置の仕様、 冷媒充填量等の様々な要因から影響を受ける 。

 例えば、外気温度が7℃(冬期条件)、密度 Qの目標値(最適密度比)が10である場合を考 る。第1圧縮機101の吸入容積Vcを4cc、第1圧縮 101の回転数Hz1を60Hz、膨張機104の吸入容積Ve 0.8ccとすると、第2圧縮機102の回転数Hz2は60Hz である。外気温度が25℃(夏期条件)で密度比Q 目標値が8である場合には、第2圧縮機102の 転数Hz2は36Hzである。

 本実施形態では、最適密度比が得られる うに第2圧縮機102を制御する。第1圧縮機101 回転数を所定値に固定しつつ第2圧縮機102の 転数を変化させると、膨張機104の体積流量 一定に保ちながら圧縮冷媒の体積流量のみ 増減できるので、密度比の調節幅が大きく る利点がある。昼夜や季節間の温度差が激 い地域では最適密度比の差も大きくなるの 、この利点が特に意義を持つ。また、本実 形態では、最適高圧を得るために第1圧縮機 101の回転数を調節する。第1圧縮機101の回転 が変化すると、膨張機104の回転数も変化す 。そのため、第1圧縮機101を使用すると冷凍 イクルの高圧の微調節が容易である。

 次に、冷凍サイクルの高圧および最適高 について詳しく説明する。

 二酸化炭素を冷媒に使用した冷凍サイク は、高圧側(圧縮機から放熱器を経て膨張機 に至る部分)で冷媒が超臨界状態となる超臨 サイクルを形成する。そのため、図6に示す うに、高圧に対してCOPがピークを持つ。し し、ピークに対応する最適高圧は、放熱器1 03の出口における冷媒の温度や外気温度等に って変化する。図6は、過熱度が5℃、入水 度が35℃のときの例である。

 最適高圧は冷凍サイクルの状態から計算 きる。具体的には、放熱器出口温度センサ1 12および雰囲気温度センサ113の検出結果に基 いて最適高圧を計算できる。高圧を変化さ る最も有効な手段は、圧縮機の回転数を変 させることである。第1圧縮機101の回転数を 変化させることによって高圧を任意に調節で きる。

 確認実験として、各圧縮機の回転数と高 との関係を季節毎に調べた。結果を図7に示 す。例えば中間期条件では、実際の高圧(図7 にひし形の印で表されたデータ)が最適高圧 (図7中に×印で表されたデータ)に一致するよ に第1圧縮機101の回転数を調節し、必要な加 熱能力が得られるように第2圧縮機102の回転 を調節した。第1圧縮機101および第2圧縮機102 を適切に制御することにより、冬期、中間期 および夏期の全てにおいて、実際の高圧と最 適高圧とを一致させることができた。

 また、第2圧縮機が設けられていない冷凍 サイクル装置における、第1圧縮機の回転数 高圧との関係も季節毎に調べた。結果を図8 示す。冬期条件では実際の高圧と最適高圧 がよく一致したが、中間期条件および夏期 件では実際の高圧が最適高圧から大きく乖 した。これは、第1圧縮機および膨張機が冬 期条件をベースに設計されているからである 。第2圧縮機が設けられていない場合、密度 Qが回転数に関係なく常に一定になるため(密 度比一定の制約)、高圧は成り行き任せにな 。冬期だけなら高いCOPが得られるが、通年 COPは芳しくない。

 次に、各圧縮機の制御手順について、図9 のフローチャートを参照して説明する。冷凍 サイクル装置100が給湯機(暖房機を含む)に適 された例について説明する。

 コントローラ115は、図9に示す制御を定期 的に実行する。まず、ステップ201において、 冷凍サイクル装置100の起動契機を取得したか どうかを判断する。「起動契機」には、運転 を開始すべき旨をコントローラ115に通知する 契機や、冷凍サイクル装置100に対する要求能 力が変更されたことをコントローラ115に通知 する契機等が含まれる。前者の契機は、例え ば、ユーザーが蛇口を開いて湯を使用し始め たとき、暖房のスイッチをオンしたとき、タ ンクに貯めた湯の量が所定量以下となったと き、深夜に自動的に貯湯運転を行なうとき等 に発生する。後者の契機は、例えば、ユーザ ーが暖房の設定温度を変更したとき、暖房の 強さを弱から強に変更したとき等に発生する 。「要求能力」とは、冷凍サイクル装置100が 発揮するべき能力を意味する。

 冷凍サイクル装置100が運転中でない場合 または、運転中であっても要求能力に変更 あった場合には、ステップ202~204の初期設定 処理を実行する。他方、冷凍サイクル装置100 が既に運転中であり、かつ要求能力に変更が ない場合には、ステップ202~204を省略してス ップ205以降の処理を実行する。

 ステップ202では、まず、起動契機に含ま た情報であるユーザーの指示等に基づいて 求能力を計算する。冷凍サイクル装置100が 呂の給湯機に適用されるのであれば、「ユ ザーの指示」とは、例えばユーザーがリモ ン等で選択する「追い炊き運転」や「足し 運転」である。「追い炊き運転」のときは 湯温度が50℃になるように要求能力(例えば5 kW)を設定し、「足し湯運転」のときは出湯温 度が40℃になるように要求能力(例えば4kW)を 定する。冷凍サイクル装置100が暖房機に適 されるのであれば、例えば、ユーザーが設 した室温に応じて要求能力が設定される。 た、コントローラ115が外気温度、必要な湯 、入水温度等のパラメータに基づいて要求 力を自動で設定することもある。

 次に、ステップ203において、要求能力を 揮できるように第1圧縮機101および第2圧縮 102の各初期回転数を決定する。具体的には 要求能力に対応する形で第1圧縮機101および 2圧縮機102の各初期回転数が予め定められて いる。第1圧縮機101の初期回転数と第2圧縮機1 02の初期回転数とは同一であってもよいし、 なっていていてもよい。また、要求能力だ でなく、雰囲気温度センサ113や入水温度セ サ114の検出結果に基づいて初期回転数が決 されてもよい。決定された初期回転数で第1 圧縮機101および第2圧縮機102が動作するよう 、インバータ125,127に指示を与える。

 次に、ステップ204において、入水温度を 出して、冷凍サイクル装置100の現在の制御 ードを設定する。図10Aに示すように、入水 度がT1よりも小さい場合、または入水温度 T2よりも大きい場合には、先に説明した制御 (ii)を実行する「密度比制御モード」を設定 、メモリに記憶する。他方、入水温度がT1~T2 の範囲内にある場合には、先に説明した制御 (i)を実行する「高圧制御モード」を設定し、 メモリに記憶する。

 次に、ステップ205において、当該冷凍サ クル装置100の運転状態を認識するために、 熱器出口温度センサ112、雰囲気温度センサ1 13および入水温度センサ114から信号を取得し 各温度を検出する。

 次に、ステップ206において、検出された 水温度が予め定められた温度範囲T1~T2内に るかどうかを判断する。「予め定められた 度範囲」は、蒸発器105の周囲の雰囲気温度 対応して定められた温度範囲である。図2お び図3を参照して説明したように、例えば、 外気温度が2℃の場合には「予め定められた 度範囲」は35~45℃であり、外気温度が16℃の 合には「予め定められた温度範囲」は40~47 である。

 また、各圧縮機の固定回転数が一定でな 場合、「予め定められた温度範囲」は、高 制御モードで第1処理を実行する際の第2圧 機102の固定回転数、および密度比制御モー で第2処理を実行する際の第1圧縮機101の固定 回転数に対応して定められた温度範囲でもあ る。後述するように、「第1処理」は、第1圧 機101の回転数を変更するステップを含む処 である。同様に、「第2処理」は、第2圧縮 102の回転数を変更するステップを含む処理 ある。

 入水温度が温度範囲T1~T2内にある場合、 凍サイクルの高圧を最適高圧Pmに合わせるこ とによって冷凍サイクル装置のCOPを最も高く できる。したがって、ステップ207に移り、ま ず、制御モードを切り替える必要があるかど うかを判断する。制御モードを切り替える必 要がある場合には、ステップ208で各圧縮機の 回転数を調節する。

 図10Aに示すように、入水温度が徐々に上昇 てT1を超えたとき、制御モードが密度比制 モードから高圧制御モードに切り替わる。 まり、図10Bに示すように、COPプロファイル 点P 1 から点P 2 に向かうラインを辿る。例えば、点P 1 における第1圧縮機101の回転数(固定回転数)が 60Hzであり、第2圧縮機102の回転数が45Hzである とする。また、点P 2 における第1圧縮機101の回転数が48Hzであり、 2圧縮機102の回転数(固定回転数)が60Hzである とする。固定回転数で運転するべき圧縮機を 第1圧縮機101から第2圧縮機102に切り替えるの 、点P 1 から点P 2 への変化の過程で各圧縮機の回転数の調節を 行う。もちろん、固定回転数で運転するべき 圧縮機を第2圧縮機102から第1圧縮機101に切り える場合もある。なお、各圧縮機の回転数 急激に変化すると、サイクルが不安定にな 可能性があるので、ステップ208における各 縮機の回転数の変化は、なるべく緩やかで ることが好ましい。

 次に、ステップ209において、COPを最も高 できる最適高圧Pm(目標高圧)を計算する。よ く知られているように、最適高圧Pmは入水温 や放熱器出口温度と密接に関係している。 水温度と最適高圧Pmとの相関式(または相関 ーブル)をコントローラ115に予めインプット しておけば、検出された入水温度に基づいて 、最適高圧Pmを求めることができる。入水温 に代えて、放熱器出口温度を用いる場合で 同様である。

 次に、ステップ210において、圧力センサ1 17によって実際の高圧Pdを検出し、検出した 圧Pdと最適高圧Pmとの大小を比較する。Pd<P mの場合はステップ211に移り、第1圧縮機101の 転数を上げる。Pd≧Pmの場合はステップ212に 移り、第1圧縮機101の回転数を下げる。なお 圧力センサ117を使用せずに実際の高圧Pdを求 める(推定する)こともできる。よく知られて るように、冷凍サイクルの高圧は、圧縮機 回転数や外気温度等のパラメータと密接に 係している。したがって、そのようなパラ ータに対応する形で高圧が記述された相関 ーブルを使用して実際の高圧Pdを求めても い。

 なお、最適高圧Pmを得るための第1圧縮機1 01の回転数が入水温度に対応する形で記述さ た相関テーブルがコントローラ115に予めイ プットされていてもよい。その相関テーブ を参照することにより、入水温度に応じて 1圧縮機101の回転数を一義的に決定できる。

 他方、入水温度が温度範囲T1~T2内にない 合、密度比Qを最適密度比Qmに一致させるこ によって冷凍サイクル装置のCOPを最も高く きる。ステップ213に移り、まず、制御モー を切り替える必要があるかどうかを判断す 。制御モードを切り替える必要がある場合 は、ステップ214で各圧縮機の回転数を調節 る。ステップ213および214の処理は、先に説 したステップ207および208と同じ処理である

 次に、ステップ215において、COPを最も高 できる最適密度比Qm(目標密度比)を計算する 。図4および図5を参照して説明したように、 適密度比Qmは入水温度や外気温度と密接に 係している。入水温度と最適密度比Qmとの相 関式(または相関テーブル)をコントローラ115 予めインプットしておけば、検出された入 温度に基づいて、最適密度比Qmを求めるこ ができる。入水温度に代えて、外気温度を いる場合でも同様である。

 ステップ216では、実際の密度比Qと最適密 度比Qmとの大小を比較する。Q<Qmの場合はス テップ217に移り、第2圧縮機102の回転数を上 る。Q≧Qmの場合はステップ218に移り、第2圧 機102の回転数を下げる。実際の密度比Qは、 前述した(2)式に基づいて計算できる。

 なお、ステップ206~218の処理を実行した後 、第1圧縮機101の回転数または第2圧縮機102の 転数を補正する処理を実行してもよい。具 的には、第1圧縮機101の回転数または第2圧 機102の回転数を変更したことに起因して、 圧縮機の回転数が要求能力を発揮するのに 要十分であるかどうかを判断する。能力が りない場合には、不足している能力を補償 うる補正係数を各圧縮機の回転数に乗じて 各圧縮機の回転数を上げる。同様に、能力 過剰な場合には、過剰な能力を削減しうる 正係数を各圧縮機の回転数に乗じて、各圧 機の回転数を下げる。言い換えると、コン ローラ115は、第1処理(ステップ209~212)または 2処理(ステップ215~218)が実行された後に、当 該冷凍サイクル装置100に対する要求能力を満 たすようにその時点の第1圧縮機101の回転数 よび/または第2圧縮機102の回転数を補正する 手段をさらに有する。このような補正を行う ことで、COPを高く維持しつつ、必要十分な能 力での運転が可能になる。なお、補正を行う と固定回転数が変化するので、温度範囲T1~T2 変化する。

 以上のように、コントローラ115は、入水 度が予め定められた温度範囲T1~T2内にある 合には、当該冷凍サイクル装置100のCOPを高 るための処理として第1処理を実行する一方 入水温度が予め定められた温度範囲T1~T2内 ない場合には、COPを高めるための処理とし 第2処理を実行する効率向上手段を有する。 1処理(ステップ209~212)は、第1圧縮機101の回 数を変更するステップを含む処理である。 2処理(ステップ215~218)は、第2圧縮機102の回転 数を変更するステップを含む処理である。冷 凍サイクル装置100の運転状態に応じて2つの 御方法(制御モード)を切り替えることによっ て、全ての運転条件において優れたCOPが得ら れる。

 第1処理のステップ211および212は、冷凍サ イクルの高圧側における冷媒の圧力PdがCOPを も高くできる最適高圧Pmに近づくように第1 縮機101の回転数を変更するステップである( 最適高圧制御)。第2処理のステップ217および2 18は、膨張機104の入口冷媒密度ρeと第1圧縮機 101(または第2圧縮機102)の入口冷媒密度ρcとの 密度比QがCOPを最も高くできる最適密度比Qmに 近づくように第2圧縮機102の回転数を変更す ステップである(最適密度比制御)。

 具体的に、第1処理において、高圧Pdと最 高圧Pmとを比較することによって現在の高 Pdを変更する必要があるかどうかを判断する 。高圧Pdが低すぎる場合には第1圧縮機101の回 転数を上げ、高圧Pdが高すぎる場合には第1圧 縮機101の回転数を下げる。第2処理において 密度比Qと最適密度比Qmとを比較することに って現在の密度比Qを変更する必要があるか うかを判断する。密度比Qが小さすぎる場合 には第2圧縮機102の回転数を上げ、密度比Qが きすぎる場合には第2圧縮機102の回転数を下 げる。このような第1処理および第2処理を適 に実行することによって、全ての運転条件 おいて優れたCOPが得られる。

 また、本実施形態では、当該冷凍サイク 装置100の起動契機を取得することを条件と て、当該冷凍サイクル装置100に対する要求 力を発揮しうる第1圧縮機101および第2圧縮 102の各初期回転数を設定する初期設定手段 コントローラ115が有する。冷凍サイクル装 100の起動後、入水温度が予め定められた温 範囲T1~T2内にある場合には、第1圧縮機101お び第2圧縮機102が各初期回転数で動作してい 初期動作状態での高圧Pdに基づいて、第1処 (ステップ209~212)を実行する。入水温度が予 定められた温度範囲T1~T2内にない場合には その初期動作状態での密度比Qに基づいて、 2処理(ステップ215~218)を実行する。このよう にすれば、冷凍サイクル装置100をスムーズに 起動できる。

 図10Aに示すように、温度T1およびT2で密度 比制御モードと高圧制御モードとの切り替え を行う結果、温度T1よりも低い入水温度およ 温度T2よりも高い入水温度では、入水温度 上昇に応じてCOPが単調減少する。温度範囲T1 ~T2では、入水温度の上昇に応じてCOPが増加お よび減少して1つの極値を示す。

 なお、本実施形態では、ステップ210にお て、高圧Pdと最適高圧Pmとの大小を比較して いる。ただし、最適高圧Pmが一定の範囲を有 ていてもよい。すなわち、高圧Pdが最適高 Pm+αを超えたときに第1圧縮機101の回転数を げる一方、高圧PdがPm-αを下回ったときに第1 圧縮機101の回転数を上げる。同様に、最適密 度比Qmが一定の範囲を有していてもよい。す わち、密度比Qが最適密度比Qm+αを超えたと に第2圧縮機102の回転数を下げる一方、密度 比Qが最適密度比Qm-αを下回ったときに第2圧 機102の回転数を上げる。このような不感帯 設けることにより、高圧Pdが多少ふらついた としても回転数の変更を頻繁にせずに済む。 同様の不感帯を温度T1およびT2に設けてもよ 。

(第2実施形態)
 図11に示すように、本実施形態の冷凍サイ ル装置300は、流量調節弁134を有するインジ クション回路132をさらに備えている点で第1 施形態と相違する。インジェクション回路1 32は、放熱器103の出口と膨張機104の中間圧部 を流量調節弁134を介して接続している。流 調節弁134の開度を調節するバルブコントロ ラ136がコントローラ115に接続されている。 ンジェクション回路132の冷媒流量は、流量 節弁134の開度に応じて変化する。なお、「 間圧部」とは、膨張過程の冷媒に高圧冷媒 混ぜるために設けられた部分である。典型 に、中間圧部は、膨張室内に面している開 部である。

 第1実施形態で説明したように、外気温度 が25℃(夏期条件)の場合、最適密度比Qmが8で り、このときの第2圧縮機102の回転数Hz2は36Hz である。しかし、第2圧縮機102を低回転数で 転することは信頼性の観点で好ましくない また、モータの効率が最大になる回転数(例 ば60Hz)で第2圧縮機102を運転することが望ま い。本実施形態によると、第2圧縮機102を定 格付近の回転数で運転しつつ、インジェクシ ョン回路132に余剰冷媒を流すことによってCOP を高く保てる。

 また、第1実施形態と同様、冷凍サイクル 装置300のCOPを最も高くできる制御方法(制御 ード)は、運転条件によって切り替わる。図1 2に示すように、本実施形態の冷凍サイクル 置300によると、例えば外気温度が2℃のとき 、入水温度が36~43℃の範囲では第1実施形態 説明した制御(i)を行うことでより高いCOPが られる。その範囲外では制御(ii)を行うこと でより高いCOPが得られる。このことは、より 高いCOPを得るために制御方法を切り替えるべ き温度範囲が、放熱器出口温度や外気温度だ けでなく、冷凍サイクル装置の構成に依存す ることを表している。

 本実施形態における制御のフローチャー を図13に示す。ステップ301~316は、第1実施形 態で説明したステップ201~216と同じである。 テップ316で現在の密度比Qと最適密度比Qmと 比較し、Q<Qmの場合はステップ317に移り、 2圧縮機102の回転数を上げる。Q≧Qmの場合は ステップ318に移り、第2圧縮機102の回転数を げると同時に、流量調節弁134の開度を大き する。第2圧縮機102の回転数を調節するだけ は実際の密度比Qを最適密度比Qmに合わせる とができない場合でも、インジェクション 路132に設けた流量調節弁134の働きにより、 凍サイクル装置300のCOPを高めることができ 。

(変形例)
 放熱器103の冷媒側出口において、冷媒の温 と水の温度との間には、密接な関係がある 例えば、ある給湯機では、(放熱器の出口に おける冷媒の温度)≒(入水温度+5℃)の関係が 立する。したがって、放熱器出口温度セン 112の検出結果に基づいて放熱器103で加熱さ るべき水の温度(入水温度)を間接的に検出 てもよい。その場合、入水温度センサ114を 略できるので、コスト低減に資する。また 外気温度から入水温度を間接的に検出する とも考えられる。すなわち、入水温度に代 て、放熱器103の出口における冷媒の温度ま は外気温度を用いて一連の制御を行っても い。また、放熱器103が水熱交換器以外の熱 換器(例えば空気熱交換器)である場合は、入 水温度に代えて、放熱器103で加熱されるべき 空気等の熱媒体の温度を使用できる。

 本発明は、給湯機、暖房機、浴室乾燥機 空気調和装置など、様々な用途の冷凍サイ ル装置に適用できる。