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Title:
REFRIGERATION CYCLE SYSTEM, NATURAL GAS LIQUEFYING EQUIPMENT, METHOD OF CONTROLLING REFRIGERATION CYCLE SYSTEM, AND METHOD OF RECONSTRUCTING REFRIGERATION CYCLE SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/087731
Kind Code:
A1
Abstract:
A refrigeration cycle system for cooling of a medium to be cooled, comprising refrigerant compressor (3) for compressing of the refrigerant after cooling of a medium to be cooled; condenser (6) for condensing of the refrigerant having been compressed by the refrigerant compressor (3); uniaxial gas turbine (27) directly connected to the refrigerant compressor (3); return flow channel (12) connecting the downstream side of the condenser (6) with the inlet of the refrigerant compressor (3); and throttle valve (13) for controlling of the flow rate through the return flow channel (12). Accordingly, not only can the power required at the start-up of the refrigerant compressor be reduced but also there can be attained stabilization of the start-up of the refrigerant compressor in the employment of the uniaxial gas turbine as driving source.

Inventors:
SHIBATA TAKANORI (JP)
BANNAI MASAAKI (JP)
FUKUSHIMA YASUO (JP)
HORITSUGI MUTSUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/050714
Publication Date:
July 24, 2008
Filing Date:
January 18, 2007
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI LTD (JP)
HITACHI PLANT TECHNOLOGIES LTD (JP)
SHIBATA TAKANORI (JP)
BANNAI MASAAKI (JP)
FUKUSHIMA YASUO (JP)
HORITSUGI MUTSUMI (JP)
International Classes:
F25B11/02; F04D27/00; F04D27/02; F25B1/00; F25B1/10; F25J1/00
Foreign References:
JP2002530616A2002-09-17
JP2004251514A2004-09-09
JP2004316462A2004-11-11
JP2001123852A2001-05-08
JPH06147190A1994-05-27
JPS63233274A1988-09-28
JP2002322996A2002-11-08
Attorney, Agent or Firm:
KASUGA, Yuzuru (4-1 Nihonbashi-honcho 3-chom, Chuo-ku Tokyo 23, JP)
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Claims:
 被冷却媒体を冷却する冷凍サイクル系統において、
 被冷却媒体を冷却した後の冷媒を圧縮する冷媒圧縮機と、
 この冷媒圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
 前記冷媒圧縮機に直結された一軸式のガスタービンと、
 前記凝縮器の下流側と前記冷媒圧縮機の入口とを接続する戻り流路と、
 この戻り流路の流量を制御する絞り部と
を備えたことを特徴とする冷凍サイクル系統。
 被冷却媒体を冷却する冷凍サイクル系統において、
 凝縮した冷媒を受け入れる受液器と、
 この受液器から供給された冷媒を膨張させる膨張部と、
 この膨張部で膨張した冷媒を被冷却媒体と熱交換させて蒸発させる蒸発部と、
 この蒸発部で被冷却媒体を冷却した後の冷媒を圧縮する冷媒圧縮機と、
 この冷媒圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
 前記冷媒圧縮機に直結された一軸式のガスタービンと、
 前記凝縮器の下流側と前記冷媒圧縮機の入口とを接続する戻り流路と、
 この戻り流路の流量を制御する絞り部と、
 前記凝縮器の下流側を大気開放する放風流路と、
 この放風流路の流量を制御する放風弁と
を備えたことを特徴とする冷凍サイクル系統。
 請求項1の冷凍サイクル系統において、
 前記ガスタービンの回転数を検出する回転数検出器と、
 この回転数検出器からの検出信号を基に前記ガスタービンの回転数を演算する演算部と、
 前記絞り部の開度を制御する制御部と
を備えたことを特徴とする冷凍サイクル系統。
 請求項1の冷凍サイクル系統において、
 前記ガスタービンの回転数を検出する回転数検出器と、
 この回転数検出器からの検出信号を基に前記ガスタービンの回転数を演算する演算部と、
 この演算部の演算結果を基に、前記ガスタービンが定格回転数に達するまでは昇速率が目標値に近付くように、前記ガスタービンが定格回転数に達した後は回転数が実質一定になるように、前記絞り部を制御する制御部と
を備えたことを特徴とする冷凍サイクル系統。
 請求項1の冷凍サイクル系統において、
 前記ガスタービンの吸気流量を制御する吸気流量調整手段と、
 前記ガスタービンの回転数を検出する回転数検出器と、
 この回転数検出器からの検出信号を基に前記ガスタービンの回転数を演算する演算部と、
 この演算部の演算結果を基に前記吸気流量調整手段の開度を増加させ、前記吸気流量調整手段が最大開度になった後に前記絞り部の開度を増加させる制御部と
を備えたことを特徴とする冷凍サイクル系統。
 請求項2の冷凍サイクル系統において、前記放風流路における前記放風弁よりも下流側に設けた真空ポンプを備えることを特徴とする冷凍サイクル系統。
 請求項1の冷凍サイクル系統において、前記放風流路における前記放風弁よりも下流側に設けたエジェクタを備えることを特徴とする冷凍サイクル系統。
 被冷却媒体を冷却する冷凍サイクル系統において、
 被冷却媒体を冷却した後の冷媒を圧縮する冷媒圧縮機と、
 この冷媒圧縮機の吸気流量を調整する手段と、
 前記冷媒圧縮機に直結された一軸式のガスタービンと
を備えたことを特徴とする冷凍サイクル系統。
 請求項1~8のいずれかの冷凍サイクル系統と、
 この冷凍サイクル系統で冷却された被冷却媒体を冷媒として天然ガスを冷却し液化する主熱交換器と、
 この主熱交換器で天然ガスを冷却した被冷却媒体を圧縮し前記冷凍サイクル系統に供給する混合冷媒冷凍サイクル系統と
を備えた天然ガス液化設備。
 被冷却媒体を冷却した後の冷媒を圧縮する冷媒圧縮機、及び前記冷媒圧縮機に直結された一軸式のガスタービンを有する冷凍サイクル系統の制御方法において、
 前記ガスタービンが定格回転数に達するまでは昇速率が目標値に近付くように、前記ガスタービンが定格回転数に達した後は回転数が実質一定になるように、前記冷媒圧縮機の吸気流量を制御する
ことを特徴とする冷凍サイクル系統の制御方法。
 被冷却媒体を冷却した後の冷媒を圧縮する冷媒圧縮機、前記冷媒圧縮機に直結された一軸式のガスタービン、及び前記ガスタービンの吸気流量を制御する吸気流量調整手段を有する冷凍サイクル系統の制御方法において、
 前記ガスタービンの回転数に応じて前記吸気流量調整手段の開度を増加させ、前記吸気流量調整手段が最大開度になった後に前記冷媒圧縮機の吸気流量を増加させる
ことを特徴とする冷凍サイクル系統の制御方法。
 被冷却媒体を冷却した後の冷媒を圧縮する冷媒圧縮機、前記冷媒圧縮機に直結された一軸式のガスタービン、及び前記冷媒圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器を有する冷凍サイクル系統の改造方法において、
 前記凝縮器の下流側と前記冷媒圧縮機の入口とを接続する戻り流路、及び前記戻り流路の流量を制御する絞り部を追設し、
 前記ガスタービン及び前記冷媒圧縮機の少なくとも一方を前記戻り流路が追設された後の前記冷凍サイクルに相応したものに交換する
ことを特徴とする冷凍サイクル系統の改造方法。
Description:
冷凍サイクル系統、天然ガス液 設備、冷凍サイクル系統の制御方法、及び 凍サイクル系統の改造方法

 本発明は主、冷凍サイクル系統、天然ガ 液化設備、冷凍サイクル系統の制御方法、 び冷凍サイクル系統の改造方法に関する。

 気体の天然ガスを輸送に適した液化天然 スにするためには、天然ガスを加圧した状 で-150℃程度の低温まで冷却してから外気圧 近傍まで膨張させる必要がある。この冷却は 、プロパンや混合冷媒等の複数の冷凍サイク ルの組合せにより実現されている。これらの 冷凍サイクルの起動の際には、プロセス内の 冷媒の温度・圧力が定格運転時と異なるため 、冷媒圧縮機の起動に必要なトルク(以下、 動トルクという)が定格運転時よりも大きく り、駆動源のトルク特性によっては冷媒圧 機が起動できなくなる可能性が指摘されて る。この問題の解決のため、(a)冷媒圧縮機 吸い込みラインに絞り機構を設置して起動 に吸い込み流量を絞る方法、(b)予め容量が きい駆動源を設置する方法、(c)冷媒圧縮機 吐出側に放出口を設けて冷媒を外部に排出 る方法が一般に知られている。特許文献1に よると、圧縮機の吸い込みラインに設置した 絞り機構の開度を圧縮機の回転数に応じて操 作して圧縮機を起動する方法が示されている 。

特開2002-322996号公報

 冷媒圧縮機の吸い込み部における冷媒の 度と圧力は、上流側の蒸発器で蒸発させた 媒の温度と、その温度に対応する飽和圧力 等しい。上記特許文献1に記載された技術を 含め、起動時に圧縮機の吸い込み流量を絞る 方法は質量流量を低減できるので起動トルク の低減には有効であるが、定常運転時には絞 り装置が圧縮機の吸い込みラインの抵抗とな って圧縮機の軸動力増大に繋がるので省エネ ルギの観点では望ましくない。また、冷媒が 高温で飽和圧力が高い状態から起動させるた め吸い込み流量が比較的大きく、起動トルク を軽減する効果が制限される。

 特に、駆動機として冷媒圧縮機に直結さ た一軸のガスタービンを用いた場合、ガス ービンが発生し得るトルクは定格回転数以 では極限られており、吸気部の絞り機構の 御のみでは十分に対応することができず、 動トルクとして裕度の大きい駆動機を選定 ざるを得ず設備コストが増大する傾向にあ た。また、定格運転時だけでなく起動時の とを考慮して駆動機を選定する必要がある め、定格点が必ずしも駆動源の最適運転点 ならず駆動機の効率が低下する場合があっ 。

 そこで本発明は、冷媒圧縮機の起動時の 要動力を低減し、一軸のガスタービンを駆 源とした場合の冷媒圧縮機の起動安定化を ることができる冷凍サイクル系統、天然ガ 液化設備、冷凍サイクル系統の制御方法、 び冷凍サイクル系統の改造方法を適用する とを目的とする。

 上記目的を達成するため、本発明は、被 却媒体を冷却した冷媒を冷媒圧縮機で圧縮 、凝縮された冷媒の一部を冷媒圧縮機の入 に戻すように構成し、冷媒圧縮機を駆動す 一軸式のガスタービンが定格回転数に達す までガスタービンの昇速率が目標値に近付 ように冷媒圧縮機の入口に戻す冷媒の流量 制御する。

 本発明によれば、冷媒圧縮機の起動時の 要動力を低減し、一軸のガスタービンを駆 源とした場合の冷媒圧縮機の起動安定化を ることができる。

本発明の冷凍サイクル系統の第1実施例 の概略図である。 本発明の冷凍サイクル系統の起動時か 定常運転時にかけての各弁の開度及び冷媒 縮機の入口圧、出口圧の時間変化を示した ラフである。 本発明の冷凍サイクル系統の第1実施例 を用いた天然ガス液化設備の概略図である。 本発明の冷凍サイクル系統の第1実施例 の他の構成例の概略図である。 本発明の冷凍サイクル系統の第1実施例 のさらに他の構成例の概略図である。 本発明の冷凍サイクル系統の第2実施例 の概略図である。 本発明の冷凍サイクル系統の第3実施例 の概略図である。

符号の説明

3    冷媒圧縮機
5    受液器
6    凝縮器
12   戻り流路
13   絞り弁
14   放風流路
15   放風弁
25   膨張部
26   蒸発部
27   ガスタービン
31   IGV
35   回転数検出器
36   操作盤
45   可変静翼
50   真空ポンプ
60   エジェクタ
100  主熱交換器
120  混合冷媒冷凍サイクル系統
130  プロパン冷凍サイクル系統

 以下に図面を用いて本発明の実施の形態を 明する。
  本発明に係る冷凍サイクル系統は、冷媒 熱交換させることで被冷却媒体を冷却する のである。冷却後の被冷却媒体は、これを 熱源として利用する熱利用施設に供給され 。熱利用施設の一例としては、例えば気体 状態の天然ガスを冷却し液化する施設が挙 られる。天然ガスは液化することにより体 が減少し運搬効率が向上する。勿論、天然 スを液化する施設に限らず冷却後の被冷却 体を熱源として利用できる施設であれば、 発明の冷凍サイクル系統の被冷却媒体の利 先とすることができる。

 (構成)
 図1を用いて本発明に係る冷凍サイクル系統 の第1実施例を説明する。

 本冷却系統は、例えばプロパンを作動流 としており、冷媒圧縮機3、凝縮器6、受液 5、膨張部25、蒸発部26を有している。

 冷媒圧縮機3は、一軸式のガスタービン27 同軸に連結され、ガスタービン27とともに 体となって回転軸4を中心に回転するロータ 構成する。ガスタービン27は、外気を吸い んで圧縮する空気圧縮機1、この空気圧縮機1 からの圧縮空気とともに燃料を燃焼して燃焼 ガスを発生させる燃焼器(図示せず)、燃焼器 らの燃焼ガスにより回転動力を得るタービ 2を備えている。空気圧縮機1の入口にはIGV( ンレットガイドベーン)31が設けられており 空気圧縮機1への吸気流量が調整可能になっ ている。冷媒圧縮機3は、これに直結された スタービン27の回転動力を駆動源としてガス タービン27と同一回転数で回転し、蒸発部26 被冷却媒体を冷却した後で配管21~23を介して 導かれた冷媒を圧縮する。

 IGV31は操作盤36からの指令信号S31により開 度調整される。操作者は、操作盤36の操作に る制御対象の手動操作も操作盤36内に格納 た自動運転プログラムによる自動運転も可 である。なお、操作盤36の制御対象とは、代 表的には、IGV31他、後述する各弁13,15,16,18,31,4 1,42やガスタービン27の燃焼器の燃料供給系統 等が挙げられる。また、ガスタービン27の回 数は回転数検出器35により検出され、回転 検出器35により検出された回転数の検出信号 S35は操作盤36に出力される。回転数検出器35 、一体となって回転するガスタービン27及び 冷媒圧縮機3のロータのどの部分の回転数を 出するようにしても良いが、図1では冷媒圧 機3のロータの回転数を検出している。

 操作盤36は、内部に制御装置を備えてお 、回転数検出器35からの検出信号S35を基にガ スタービン27の回転数を演算する演算手段と ての機能、制御対象であるIGV31、各弁13,15,16 ,18,31,41,42等に開度を操作者の操作に応じて指 令する指令信号を出力する制御部としての機 能、或いは格納した自動運転プログラムによ り制御対象を自動制御する制御部としての機 能を有する。これらの機能は同一の操作盤36 持たせずに独立した複数の制御装置に分担 せても良い。

 上記凝縮器6は、冷媒圧縮機3の出口に配 20を介して接続しており、配管11を介して導 れた外気又は海水等の冷熱源と熱交換させ ことにより、冷媒圧縮機3で圧縮された冷媒 を冷却して凝縮させる。

 受液器5は、配管17を介して凝縮器6に接続 しており、凝縮器6で凝縮した冷媒を受け入 る。配管17の途中には弁16が設けられている 弁16は操作盤36からの指令信号S16により開度 調整される。

 膨張部25は、受液器5から供給された液体 冷媒を膨張させるものであり、本実施例で 、高圧膨張弁18、中圧膨張弁41、低圧膨張弁 42の複数の膨張弁で構成することで、冷媒を 階的に膨張させ減温させるようになってい 。膨張弁18,41,42は操作盤36からの指令信号S18 ,S41,S42によりそれぞれ開度調整される。

 蒸発部26は、配管10を通る被冷却媒体から 熱を奪うとともに奪った熱で冷媒を蒸発させ るものである。本実施例では、高圧蒸発器9 中圧蒸発器8、低圧蒸発器7の複数の蒸発器で 蒸発部26を構成することにより、膨張部25で 生した低温冷媒と熱交換させて配管10を流通 する被冷却媒体を順次冷却すると同時に膨張 部25で膨張した冷媒を蒸発させる。

 高圧蒸発器9は配管19を介して受液器5に接 続しており、高圧膨張弁18は配管19の途中に けられている。中圧蒸発器8は配管28を介し 高圧蒸発器9に接続しており、中圧膨張弁41 配管28の途中に設けられている。低圧蒸発器 7は配管29を介して中圧蒸発器8に接続してお 、低圧膨張弁42は配管29の途中に設けられて る。蒸発器7~9は、それぞれ配管23,22,21を介 、冷媒圧縮機3の低圧段・中圧段・高圧段に 続している。

 配管10を流通する被冷却媒体は、例えば メタン・エタン・プロパンからなる混合冷 を作動流体とした混合冷媒サイクル系統(図 せず)から供給されており、高圧蒸発器9、 圧蒸発器8、低圧蒸発器7で順次冷却される。 最終的に低圧蒸発器7で例えば-35℃程度まで 却された配管10は、図示しない天然ガス冷却 系統へ送られ、例えば天然ガスを冷却する冷 熱源として利用される。

 さらに、本実施例の冷凍サイクル系統に いては、配管17(凝縮器6の下流側)と冷媒圧 機3の入口を接続する戻り流路12、戻り流路12 の途中に設けた絞り弁13、戻り流路12から分 して外気に連通した放風流路14、及び放風流 路14の途中に設けた放風弁15を有している。 り流路12は凝縮器6で凝縮された冷媒を冷媒 縮機3の入口に戻す流路であり、絞り弁13は り流路12を流れる冷媒の流量を制御する絞り 部である。放風流路14は冷媒圧縮機3から吐出 された圧縮冷媒の一部を大気へ放風(放出)す 流路であり、放風弁15は放風流路14を流れる 冷媒の流量(大気放出量)を制御する絞り部で る。絞り弁13及び放風弁15の開度は操作盤36 らの指令信号S13,S15によりそれぞれ制御され る。

 (定常運転時の動作)
 図1及び図2を用いて本実施例の冷凍サイク 系統の定常運転状態の動作を説明する。以 の説明では、作動媒体にプロパンを用いた 合を例に挙げて説明し、各段階において考 られ得る冷媒や被冷却媒体の温度や圧力の 例を(括弧)内に記載する。また、以下の動作 は、操作盤36による手動操作によるものであ ても、操作盤36内に予め格納してある自動 転プログラムに順ずる操作盤36内の制御装置 の自動制御によるものであっても良い。

 図2は本実施例の冷凍サイクル系統の起動 時から定常運転時にかけての各弁の開度及び 冷媒圧縮機3の入口圧、出口圧の時間変化を したグラフである。

 定常運転時すなわち定格負荷定格回転数( FSFL)に達した後は、回転数検出器35からの検 信号S35に応じて操作盤36内で演算されたガス タービン27の回転数を基に、ガスタービン27 回転数が実質一定になるように絞り弁13等の 開度を制御する。具体的には、定常運転時に 移行した後、絞り弁13及び放風弁15は操作盤36 からの指令信号S13,S15に応じて最小開度(例え 全閉~10%程度)に設定され、弁16及び膨張弁18, 41,42は指令信号S16,S18,S41,S42によりそれぞれ最 開度に設定される。IGV31も最大開度である これにより冷媒圧縮機3で圧縮された冷媒は て又は大部分が配管17を介し受液器5に導か て一時貯留される。この場合、配管17を介 て受液器5へ導かれた冷媒流量と同量の冷媒 配管19を介して受液器5から高圧蒸発器9へ供 給され、受液器5→膨張部25→蒸発部26→冷媒 縮機3→受液器5の経路の閉ループをなす。 液器5は外気によって外気温度程度(温度T0)に 温められ、仮に外気温度が40℃の時には、受 器5内のプロパンの圧力は40℃のプロパンの 和圧力(1.4MPa)程度になる。

 本冷凍サイクル系統では、受液器5に貯蔵 された液体プロパン冷媒(40℃,1.4MPa)が配管19 流通し、高圧膨張弁18を通過する際に概ね所 定の圧力P1(0.63MPa)まで減圧され、断熱膨張す ことにより圧力P1のプロパンの飽和温度に 応した温度T1(9℃)の気液混合状態となる。

 高圧蒸発器9では、温度T1のプロパン冷媒 うち、液相部分が蒸発し蒸発潜熱を奪うこ により、配管10を流通する被冷却媒体(40℃) 冷却する。その後、気相のプロパン冷媒は 管21を介して冷媒圧縮機3の高圧段に供給さ 、回転駆動する冷媒圧縮機3により冷媒圧縮 機3の出口圧力Pout(1.5MPa)まで圧縮される。一 、高圧蒸発器9内の液相のプロパン冷媒は、 管28を流通し中圧膨張弁41を通過する際に断 熱膨張することにより、圧力P1より低い圧力P 2(0.25MPa)に減圧し、圧力P2の飽和温度である温 度T2(-19℃)の気液混合状態となる。

 中圧蒸発器8では、温度T2(-19℃)のプロパ 冷媒のうち、液相部分が蒸発して蒸発潜熱 奪うことにより被冷却媒体をさらに低温ま 冷却する。その後、気相のプロパン冷媒は 配管22を介して冷媒圧縮機3の中圧段に供給 れ、最終的に冷媒圧縮機3の出口圧力Pout(1.5MP a)まで圧縮される。一方、中圧蒸発器8内の液 相のプロパン冷媒は、配管29を流通し低圧膨 弁42を通過する際に断熱膨張することによ 、圧力P2より低い圧力P3(0.1MPa)に減圧し、圧 P3の飽和温度である温度T3(-41℃)の気液混合 態となる。

 低圧蒸発器7では、温度T3(-41℃)のプロパ 冷媒の全てを蒸発させて、被冷却媒体を目 温度Tm(-35℃)程度まで冷却する。蒸発したプ パン冷媒は配管23を介して冷媒圧縮機3の低 段(吸気部)に供給され、冷媒圧縮機3の出口 力Pout(1.5MPa)にまで圧縮される。冷媒圧縮機3 の吸気部において、プロパン冷媒は吸気圧Pin に対応した飽和状態にあるが、冷媒圧縮機3 圧縮されるにつれて圧縮動力を得て冷媒圧 機3の出口では高圧高温状態の過飽和状態に る。冷媒圧縮機3で圧縮された過飽和状態の 冷媒は、配管20を介して凝縮器6に供給され、 配管11から供給された外気又は海水等の冷熱 により外気温度程度に冷却される。

 蒸発器9,8,7で順次冷却された被冷却媒体 、配管10を通って天然ガス液化プラント等の 熱利用施設(図示せず)に冷媒として供給され 。

 (起動時の動作)
 次に本実施例の冷凍サイクル系統の起動時 動作を説明する。

 起動時すなわちガスタービン27が定格負 定格回転数(FSFL)に達するまでは、回転数検 器35からの検出信号S35に応じて操作盤36内で 算されたガスタービン27の回転数を基に、 スタービン27の昇速率が目標値(例えば図2中 最上段のグラフに示す傾き)に近付くように 絞り弁13等の開度を制御する。また、ガスタ ビン27の回転数(演算結果)に応じてIGV31の開 を増加させ、IGV31が最大開度になった後に り弁13の開度を増加させる。

 順番に説明すると、起動時には、高圧膨 弁18、中圧膨張弁41、低圧膨張弁42の開度は 操作盤36からの指令信号S18,S41,S42に応じ、定 格運転時における各弁18,41,42の出口圧力P1~P3 それぞれ設定圧力(例えば、0.63MPa、0.25MPa、0. 1MPa)程度になるように予め調整されている。

 IGV31の制御は次の通りである。

 駆動源としてのガスタービン27は、回転 が低速領域(例えば定格回転数の70%以下の範 )にある間、空気圧縮機1のサージングを回 するためにIGV31の開度を最小として空気圧縮 機1の吸気流量を絞って起動する。ガスター ン27の回転数は回転数検出器35から入力され 回転数の検出信号S35により操作盤36でモニ することができる。IGV31の開度は操作盤36か の指令信号S31により設定される。自動運転 場合、操作盤36内の制御装置が自動運転プ グラムにしたがって検出信号S35に応じてIGV31 への指令信号S31を演算し出力するようにする 。

 その後、ガスタービン27の回転数が上昇 たら、回転数が所定範囲(例えば70%から90%の 囲)にある間は回転数の増加に比例させてIGV 31の開度を徐々に大きくする。本例の場合、 スタービン27の回転数が90%以上の範囲では IGV31の開度は変わらず実質一定(最大開度)で る。ここでは、無負荷定格回転数(FSNL)に達 た後、基本的に燃料流量の制御のみでガス ービン27の出力を制御することを想定した 冷媒圧縮機3の負荷が許容範囲以下であれば 回転数が所定時間(例えば5分程度)で定格負 定格回転数(FSFL)に達する。

 各弁の制御は次の通りである。

 ここで説明する弁13,15,16,18,41,42の開度は 回転数検出器35からのガスタービン27の回転 の検出信号S35に応じて操作盤36から順次出 される(又は操作者の操作により操作盤36か 適宜出力される)指令信号S13,S15,S16,S18,S41,S42 したがって制御される。ガスタービン27の回 転数は、既述したように回転数検出器35から 検出信号S35を基に操作盤36内の制御装置に 演算される。

 起動前の時点では、膨張弁18,41,42と弁16は 最小開度又は全閉になっており、高圧のプロ パン冷媒が冷凍サイクル系統全体に充満しな いように、受液器5の前後でプロパン冷媒の 通が遮断されている。受液器5内の冷媒温度 外気によって温度T0まで温められており、 えば温度T0が40℃程度であれば、受液器5内の 冷媒の圧力は40℃のプロパン冷媒の飽和圧力 ある1.4MPa程度になっている。このとき、放 弁15を開放しておくことで、冷凍サイクル 統内に残留したプロパン冷媒が大気放出さ 、冷媒圧縮機3の内部圧力が外気圧付近にま 減圧される。ガスタービン27の回転数が無 荷定格回転数(FSNL)に達して冷媒圧縮機3の内 圧力が外気圧よりもやや高くなった時点で 風弁15を最小開度とする。このとき、放風 15を全閉とせず微開(例えば10%開度)にし、微 のプロパン冷媒を大気放出し冷凍サイクル 統への外気の流入を防止すると良い。

 絞り弁13は、ガスタービン27の回転数が無 負荷定格回転数(FSNL)に達するまで開けておき 、凝縮器6で冷却されたプロパン冷媒が配管12 を介して冷媒圧縮機3の入口へ戻されるよう しておく。この間、絞り弁13の開度はガスタ ービン27の回転数の上昇とともに小さくして く。無負荷定格回転数(FSNL)に達するまでは 放風弁15が開放され凝縮器6の下流側が大気 放されてほぼ一定圧となっているため、絞 弁13の開度が小さくなると絞り弁13の前後差 圧が増大し冷媒圧縮機3の入口圧力が次第に 下する。このようにして入口圧力を低下さ ていくことにより冷媒圧縮機3の圧縮動力を 減し、図2に示したような単調に増加する目 標又はそれに近い昇速率でガスタービン27及 冷媒圧縮機3を定格回転数に到達させていく 。

 ガスタービン27の回転数が無負荷定格回 数(FSNL)に達したら、放風弁15を最小開度にす るのに前後して(或いは同時に)徐々に高圧膨 弁18を開けていき、冷媒圧縮機3を循環する ロパン冷媒の流量を増やしていく。高圧膨 弁18の開度が小さい間は、高圧膨張弁18によ る圧力損失で蒸発器9,8,7を通った後の冷媒圧 は定格値よりも低くなる場合があるが、高 膨張弁18の開度の増加とともに冷媒圧縮機3 入口圧力Pinは高くなる。回転数を一定とし 考えると、高圧膨張弁18が開けて入口圧力Pi nが上昇した分だけ冷媒圧縮機3の出口圧力Pout が上昇し、高圧膨張弁18の開度増大とともに 口圧力Pin及び出口圧力Poutとも定常運転時の 定格値に近付いていく。

 このとき、IGV31が最大開度となった後、 負荷定格回転数(FSNL)から定格負荷定格回転 (FSFL)に達するまでの間、配管12を通過するプ ロパン冷媒の質量流量が増大するため、配管 12の絞りが利き過ぎて冷媒圧縮機3の作動状態 がサージングにならないように絞り弁13の開 を次第に大きくしていく必要がある。そし 、冷媒圧縮機3の出口圧力Poutが受液器5の内 圧P0(例えば1.4MPa)を超えた時点で、絞り弁13 最小開度(全閉又は微開(例えば10%))として弁 16を開放しプロパン冷媒を受液器5へ送り込む 。弁16を開放した時点で定格負荷定格回転数 達するので、その後は絞り弁13及び放風弁15 は最小開度(例えば全閉~10%程度)、弁16及び膨 弁18,41,42は最大開度を保ち、先に説明した 常運転に移行する。

 (作用効果)
 本実施例の冷凍サイクル系統により得られ 作用効果を説明する。

 一般に冷媒圧縮機は入口での媒体密度が さいほど質量流量が減って圧縮動力が低下 るため、絞り弁13を閉じて吸気圧を低くす ことで起動時の圧縮動力を低減する効果が られる。定格運転時には、冷媒圧縮機3は、 定の圧力比α(例えば15)の圧縮機として働く め、起動時に放風弁15を開いて凝縮器6の下 側を大気開放しつつ絞り弁13を絞って定格 転数(FSNL)で運転した場合、外気圧の1/α(圧力 比15の場合は1/15、0.007MPa程度)まで冷媒圧縮機 3の入口圧力Pinを下げることができる。した って、非常に低い入口圧力Pinで冷媒圧縮機3 作動させることができ、冷媒圧縮機3の動力 を入口圧力Pinが外気圧程度の状態で作動させ た場合の1/αに低減することができる。

 図2の最下段には本発明の冷媒圧縮機3及 比較例の圧縮動力が示されている。この比 例は、本実施例の冷凍サイクル系統におけ 戻り流路12及び絞り弁13を省略したもので、 媒圧縮機の入口圧力Pinを定格条件0.1MPaで一 に設定し、受液器5から連続的に冷媒を供給 して圧縮後の冷媒を冷媒圧縮機の出口で放風 する起動方法を想定している。

 同図に示すように、本発明の場合、定格 転数に達するまでの所要圧縮動力を比較例 比べて大幅に削減することができる。よっ 、定格回転時以外の出力が小さいガスター ンを駆動機として一軸に冷媒圧縮機3を直結 した場合であっても、補助動力を設置するこ となく冷媒圧縮機3を安定に起動し目標又は れに近い昇速率で定格回転数にまでガスタ ビン27及び冷媒圧縮機3を昇速することがで る。

 また本実施例では、冷媒圧縮機3の起動時 に冷媒圧縮機3で圧縮されて高温化されたプ パン冷媒が配管12を介して吸気側へ戻る閉ル ープを構成しているが、その途中の凝縮器6 おいて外気温度相当にまでプロパン冷媒が 却されるため、圧縮動力で作動媒体が高温 されることを防ぐことができる。起動時に 縮器6に供給されるプロパン冷媒は、外気圧 度の低圧プロパンであるため、凝縮器6で外 気温度まで冷却されたとしても液化すること はない。

 また、本発明の場合、放風して消費する ロパン冷媒は、大部分が起動時に冷媒圧縮 3の内部に残ったプロパンであり、起動時に 冷媒圧縮機3で圧縮されるプロパン冷媒は配 12を通って循環する。よって、起動時に連続 的に冷媒を消費する比較例に比して冷媒の消 費が小さく経済的である。

 (改造方法)
 本発明の冷凍サイクル系統の場合、最も特 的な構成要素が戻り流路12及び絞り弁13と簡 便なものであるため、冷媒圧縮機を有する既 存の冷凍サイクル系統に、戻り流路12と絞り 13に相当する部材を追加することで構成可 である。放風流路14・放風弁15に相当する部 が既存の冷凍サイクル系統にない場合、こ も追加することが好ましい。

 このとき、戻り流路を介して圧縮後の冷 を冷媒圧縮機に戻すことによりサイクル全 の流体条件(圧力・流量等)も変化する。そ ため、ガスタービン及び冷媒圧縮機の少な とも一方を戻り流路が追設された後の冷凍 イクルの流体条件に相応したものに交換す 必要がある。既存の冷凍サイクル系統は、 り流路がなくても起動可能なサイクルであ ため、戻り流路を設けて冷媒圧縮機の入口 を低下させなくても起動できるように補助 駆動源を別途用意したりしているのが通常 ある。したがって、改造後には、補助動力 省略したり補助動力を小型のものに代替し りすることができる。

 (天然ガス液化設備)
 図3は本実施例の冷凍サイクル系統を用いた 天然ガス液化設備の全体構成図である。図3 用いて本実施例の冷凍サイクル系統の天然 ス液化設備への適用例を説明する。

 図示した天然ガス液化設備の主要な構成 素は、天然ガス導入配管101から導入した天 ガス(気体状態)を冷却して液化する主熱交 器100、主熱交換器100に低温の冷媒を供給す 混合冷媒冷凍サイクル系統120、混合冷媒冷 サイクル系統120の冷媒を冷却するプロパン 凍サイクル系統130である。

 プロパン冷凍サイクル系統130は、図1に示 した本実施例における冷凍サイクル系統であ る。プロパンサイクル系統130の被冷却媒体を 流通する配管10は気液分離器140に接続してお 、プロパン冷凍サイクル系統130により所定 度(例えば-35℃)まで冷却された混合冷媒は 液分離器140によって気液分離され、液相成 は配管141を介して、気相成分は配管142を介 てそれぞれ気液分離器140から主熱交換器100 部に流通される。

 気液分離器140から延びる配管141,142は、主 熱交換器100の内部を通った後で一旦主熱交換 器100の外部に取り出され、主熱交換器100の内 部に設置したノズル109,110に再び接続してい 。配管141,142の主熱交換器100の外部に一旦導 れた部分には、それぞれ膨張弁107,108が設け られており、配管141,142を流通する被冷却媒 は膨張弁107,108で断熱膨張し温度を低下させ これにより生成した低温冷媒(低温化された 被冷却媒体)がノズル109,110から主熱交換器100 内部に散布される。

 主熱交換器100は、伝熱経路102,103,104,105,106 を内部に備えている。伝熱経路102は配管141の 途中に設けられており、気液分離器140で気相 成分と分離されたプロパン冷凍サイクル系統 130における被冷却媒体の液相成分を主熱交換 器100内のさらに低温の冷媒と熱交換させる。 伝熱経路103,104は配管142の途中に設けられて り、気液分離器140からの上記被冷却媒体の 相成分を主熱交換器100内の冷媒と熱交換さ る。伝熱経路105,106は天然ガス導入配管101の 中に設けられており、配管101を流通する天 ガスを主熱交換器100内の冷媒と熱交換させ 。

 なお、特に図示していないが、天然ガス 入配管101には、その上流側において、酸性 ス除去工程、水分除去工程など、液化工程 必要な前処理工程を終えた天然ガスが導か る。また、天然ガス導入配管101は、主熱交 器100を通った後、主熱交換器100の外部に延 している。天然ガス導入配管101における主 交換器100の下流側には膨張弁107が設けられ いる。

 混合冷媒冷凍サイクル系統120は、低圧圧 機121、高圧圧縮機122、中間冷却器125、後置 却器126、電動機127を備えている。低圧圧縮 121は配管123を介して主熱交換器100に接続し おり、主熱交換器100内に一次貯留された被 却媒体が配管123を介して低圧圧縮機121の入 に導かれる。低圧圧縮機121と高圧圧縮機122 配管124を介して接続しており、低圧圧縮機1 21から吐出された被冷却媒体は配管124を介し 高圧圧縮機122の入口に導かれる。高圧圧縮 122の出口にはプロパン冷凍サイクル系統130 通る配管10が接続しており、混合冷媒冷凍 イクル系統120を経た被冷却媒体は配管10を流 通してプロパン冷凍サイクル系統130に導かれ る。中間冷却器125は配管124に設けられ、後置 冷却器126は配管10に設けられている。また、 圧圧縮機121及び高圧圧縮機122はその駆動装 である電動機127と同軸に連結される。電動 127は、図示しないガスタービン発電装置に って発電した電力により駆動される。

 上記構成の天然ガス液化設備では、まず ロパン冷凍サイクル系統130において所定温 (例えば-35℃)まで冷却された被冷却媒体の ち気液分離器140で気相成分と分離された液 成分は、配管141を流通して主熱交換器100の 熱経路102に導かれ所定温度(例えば-100℃程度 )まで冷却された後、膨張弁107で断熱膨張し さらに低い温度(例えば-120℃程度)まで冷却 れ、主熱交換器100内のノズル109に供給され 。ノズル109から散布された冷媒は、主熱交 器100の内部で、比較的低位置に設けた伝熱 路を冷却する。これにより伝熱経路102を流 する液相混合冷媒、伝熱経路103を流通する 相混合冷媒、伝熱経路105を流通する天然ガ がそれぞれ冷却される。

 気液分離器140で分離された被冷却媒体の 相成分は、配管142から主熱交換器100の伝熱 路103に供給され所定温度(例えば約-100℃程 )まで冷却される。さらに、下流側の伝熱経 104でノズル110から散布される低温(例えば約 -170℃)の冷媒と熱交換して所定温度(例えば約 -150℃)まで冷却されて大部分が凝縮する。凝 された冷媒は、膨張弁108で断熱膨張してさ に低い温度(例えば-170℃程度)まで冷却され 主熱交換器100のノズル110に供給される。ノ ル110から散布された低温冷媒は、主熱交換 100の内部で、比較的高位置に設けた伝熱経 を冷却する。これにより、伝熱経路104を流 する混合冷媒と、伝熱経路106を流通する天 ガスをそれぞれ所定温度(例えば-150℃程度) で冷却する。

 所定温度(例えば-150℃程度)まで冷却され 天然ガスは、主熱交換器100を出て膨張弁107 導かれ、大気圧近くまで断熱膨張させて所 温度(例えば-162℃)の液化天然ガスとして取 出される。伝熱経路104,106を流通する流体と 熱交換して温度上昇した混合冷媒は、下流側 で伝熱経路102,103,105を流通する流体の冷却に 利用される。

 伝熱経路102,103,105を冷却した後の混合冷 は、配管123を介して混合冷媒冷凍サイクル 統120の低圧圧縮機121に供給される。以下、 圧圧縮機121による圧縮と中間冷却器125によ 冷却、高圧圧縮機122による圧縮と後置冷却 126による冷却を経て、所定の状態(例えば40 、5MPa)となった混合冷媒は、再びプロパン冷 凍サイクル系統130に供給されて所定温度(例 ば-35℃程度)に冷却され、主熱交換器100に供 される。

 なお、本実施例においては、冷媒圧縮機3 の吸気流量を調整する手段として戻り流路12 絞り弁13を設けたが、その代わりに、図4に すように冷媒圧縮機3の吸気部に可変静翼45( 例えばIGV)を設け、可変静翼45の開度を絞り弁 13と同じ要領で制御して起動時に冷媒圧縮機3 の入口圧力を低下させることも考えられるし 、図5に示すように絞り弁13と可変静翼45を併 することも考えられる。図4及び図5では操 盤36及び操作盤36が授受する信号を図示省略 ている。勿論、このように構成した冷凍サ クル系統であっても図3に示したように天然 ガス液化設備に適用可能である。

 図6を用いて本発明に係る冷凍サイクル系 統の第2実施例を説明する。

 図6に示した実施例の特徴は、第1実施例 系統に対し、冷媒圧縮機3の内部圧を低くす ために放風流路14における放風弁15よりも下 流側に真空ポンプ50を設けたことにある。こ ように真空ポンプ50を設けることにより、 統内の圧力を外気圧よりも低くできるよう した点で本実施例は第1実施例と相違する。 の他の構成は第1実施例と同様である。

 本実施例では、冷媒圧縮機3の起動の際、 真空ポンプ50を動作させ、冷媒圧縮機3の出口 圧が外気圧以下になるよう系統内のプロパン 冷媒を外部へ放出する。真空ポンプ50を動作 せるのは、主に冷媒圧縮機3が定格回転数に 到達するまでの間でありプロパン冷媒の流れ が配管12を通る閉ループを構成しているとき ある。この間、弁16や膨張弁18は、第1実施 と同様に最小開度とする。本実施例によっ も第1実施例と同様の効果を得ることができ 第1実施例と同じ要領で図3に示したように 然ガス液化設備に適用することも可能であ 。

 加えて、真空ポンプ50は、その内部およ 系統圧を真空状態(例えば5×10-4MPa以下)にす ことが可能であり、真空ポンプ50を作動させ ることにより冷媒圧縮機3の起動時の必要動 をさらに小さくすることができる。真空ポ プ50は、冷媒圧縮機3の起動前に、その内部 び系統圧を真空状態にすることのみに利用 ても良いが、定格回転数に達するまでの間 継続して動作させた場合、定格回転数以前 高回転域における圧縮動力を削減すること なり、起動時の広い範囲で圧縮動力をほぼ0( ゼロ)にすることができる。

 図7を用いて本発明に係る冷凍サイクル系 統の第3実施例を説明する。

 図7に示した実施例の特徴は、第1実施例 系統に対し、冷媒圧縮機3の内部圧を低くす ために放風流路14における放風弁15よりも下 流側にエジェクタ60を設けたことにある。エ ェクタ60には高圧流体を大気放出方向に噴 することにより系統内のプロパン冷媒が引 張られ、系統内部の圧力を外気圧よりも低 することができる。本実施例の場合、配管61 を介してエジェクタ60と受液器5を接続し、エ ジェクタ60を動作させるための高圧源として 液器5内のプロパンを利用することとした点 も特徴的である。配管61に設けた弁62の開度 増加させることでエジェクタ60内の高圧プロ パンの噴射量が増加し、系統内部の圧力低減 作用が高まる。弁62を閉める(又は開度を小さ くする)ことで、系統内の圧力低減作用がな なる(又は弱まる)。

 本実施例では、冷媒圧縮機3の起動の際、 エジェクタ60を動作させ、冷媒圧縮機3の出口 圧が外気圧以下になるよう系統内のプロパン 冷媒を外部へ放出する。エジェクタ60を動作 せるのは、主に冷媒圧縮機3が定格回転数に 到達するまでの間でありプロパン冷媒の流れ が配管12を通る閉ループを構成しているとき ある。この間、弁16や膨張弁18は、第1実施 と同様に最小開度とする。本実施例によっ も第1実施例と同様の効果を得ることができ 第1実施例と同じ要領で図3に示したように 然ガス液化設備に適用することも可能であ 。

 加えて、エジェクタ60は、その内部およ 系統圧を真空状態(例えば5×10-4MPa以下)にす ことが可能であり、エジェクタ60を作動させ ることにより冷媒圧縮機3の起動時の必要動 をさらに小さくすることができる。エジェ タ60は、冷媒圧縮機3の起動前に、その内部 び系統圧を真空状態にすることのみに利用 ても良いが、定格回転数に達するまでの間 継続して動作させた場合、定格回転数以前 高回転域における圧縮動力を削減すること なり、起動時の広い範囲で圧縮動力をほぼ0( ゼロ)にすることができる。

 また、第2実施例のように真空化のために 真空ポンプを使う場合、真空ポンプを駆動す るモータ等の駆動源や発電設備が必要となる が、エジェクタの場合、図7に示したように 統内に存在する高圧プロパンを駆動源とし 利用することができ、設備の構成の簡素化 費用低減等の効果も大きい。