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Patent Searching and Data


Title:
REINFORCED CONCRETE STRUCTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175183
Kind Code:
A1
Abstract:
Corrosion of reinforced concrete is prevented without performing construction involving rebar exposure. A reinforced concrete structure 2 comprises a storage section 23 that is formed inside the concrete 21 of the reinforced concrete structure 2 and that holds an anticorrosion solution 4; the anticorrosion solution 4 permeates and defuses from the storage section 23 into the concrete 21, hinders the drying of the concrete 21 near rebar 22, and passivates the rebar 21.

Inventors:
TAKEUCHI YOSUKE (JP)
ISHII RYUTA (JP)
KAMISHO TAKUYA (JP)
TSUDA MASAYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/005759
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 14, 2020
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON TELEGRAPH & TELEPHONE (JP)
International Classes:
E04C5/18; E04C5/02; E04G21/02; E04G21/12; E04H12/12
Foreign References:
JP2007002585A2007-01-11
JPH08319589A1996-12-03
Attorney, Agent or Firm:
MIYOSHI Hidekazu et al. (JP)
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Claims:
〇 2020/175183 9 卩(:171? 2020 /005759

請求の範囲

[請求項 1 ] 鉄筋コンクリート構造物であって、

前記鉄筋コンクリート構造物のコンクリート内部に形成され、 防食 溶液を保持する貯蔵部を備え、

前記防食溶液は、 前記貯蔵部から前記コンクリートに拡散浸透し、 鉄筋近傍のコンクリートの乾燥を妨げ、 前記鉄筋を不働体化すること を特徴とする鉄筋コンクリート構造物。

[請求項 2] 前記鉄筋コンクリート構造物は、 コンクリートポールであること を特徴とする請求項 1記載の鉄筋コンクリート構造物。

[請求項 3] 前記コンクリートポールの内部に形成された空洞を仕切る仕切り部 を備え、

前記貯蔵部は、 前記仕切り部を用いて形成されること

を特徴とする請求項 2記載の鉄筋コンクリート構造物。

[請求項 4] 前記仕切り部は、 前記コンクリートポールが設置される際に、 地際 近傍となる位置に形成されること

を特徴とする請求項 3に記載の鉄筋コンクリート構造物。

[請求項 5] 前記防食溶液は、 1~1 7から 1~1 1 2の範囲の 1~1値であること を特徴とする請求項 1から 4のいずれか 1項に記載の鉄筋コンクリ 卜構造物。

[請求項 6] 前記防食溶液は、 炭酸水素ナトリウム、 水酸化カリウム、 水酸化ナ トリウムおよび水酸化カルシウムの少なくとも 1つを含むこと を特徴とする請求項 1から 5のいずれか 1項に記載の鉄筋コンクリ 卜構造物。

[請求項 7] 前記防食溶液は、 水酸化カルシウムを含み、 前記防食溶液の水面に は、 大気の二酸化炭素と水酸化カルシウムとが反応した炭酸カルシウ ムの膜が形成されること

を特徴とする請求項 1から 5のいずれか 1項に記載の鉄筋コンクリ 卜構造物。

Description:
\¥0 2020/175183 1 卩(:17 2020 /005759 明 細 書

発明の名称 : 鉄筋コンクリート構造物

技術分野

[0001 ] 本発明は、 鉄筋コンクリート構造物に関する。

背景技術

[0002] 金属の腐食は湿潤環境にて生じるが、 アルカリ環境では、 鉄は不働態化し 腐食は起こらないとみなせる (非特許文献 1) 。 鉄筋コンクリートは、 コン クリートもしくはセメントがアルカリ性であ ることから、 鉄を防食しており 、 コンクリートが健全な限り鉄筋の健全性も保 たれる。

[0003] 屋外において、 コンクリートの中性化の深さ (進度) は、 1年で数 111111単位 であるため、 十分なかぶり厚があれば鉄筋は防食される (非特許文献 2) 。 ただし、 コンクリートが中性化した場合には鉄筋は腐 食する恐れがある。 特 に、 コンクリートにひび割れが生じた場合には、 ひび割れた箇所の近傍で局 所的なコンクリートの中性化が進行し、 ひび割れた箇所の鉄筋が腐食する ( 非特許文献 3) 。

[0004] ひび割れが大きい場合には、 鉄筋コンクリート構造物は更改されるが、 ひ び割れが微小な場合には補修が施される。 中性化したコンクリートの補修方 法としては、 電気化学的工法による再アルカリ化がある (非特許文献 4) 。 電気化学的工法は、 電気化学装置を使用して劣化した既設コンク リート構造 物に対して大きな電流を短期間流すことで、 脱塩して補修する技術である。 先行技術文献

非特許文献

[0005] 非特許文献 1 :原, “金属の腐食の基礎概念” , 丄 3〇. 3〇〇. , V 0 1. 44 _860 非特許文献 2 :三橋, “コンクリートの中性化進行速度に及ぼす気 象環境条件 の影響に関する研究” , コンクリートエ学論文集, 10, 卩 . 143-149(1999) 非特許文献 3 :半田, “コンクリート中鉄筋の水素による遅れ破壊 ” ,

6〇11门.1〇31· [¾6卩〇「1;, (^2009-47, 卩卩· 7-10(2009) 非特許文献 4 :上田, “コンクリート構造物の劣化と問題点” , 材料と環境, 59, pp. 1 1 1 -1 16(2010)

非特許文献 5 : “Standard Test Method for Cor ros i on Potent i a ls of Uncoa ted Re i nforc i ng Stee l i n Concrete” , ASTM C 876-15, Annua l book of AST M Standards, vo l. 03. 02, pp. 457-462(1999)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006] 微小なひび割れが生じた鉄筋コンクリートに 対して、 電気化学的工法によ る再アルカリ化を実施するには、 鉄筋に電気的接続をする必要があるため、 一部のコンクリートを斫り、 鉄筋を露出するなど破壊を伴う施工が必要と な る。

[0007] 本発明は、 前記課題に鑑みてなされたものであり、 本発明の目的は、 鉄筋 の露出を伴う施工を行うことなく、 鉄筋コンクリートを防食することにある 課題を解決するための手段

[0008] 上記目的を達成するため、 本発明の一態様は、 鉄筋コンクリート構造物で あって、 前記鉄筋コンクリート構造物のコンクリート 内部に形成され、 防食 溶液を保持する貯蔵部を備え、 前記防食溶液は、 前記貯蔵部から前記コンク リートに拡散浸透し、 鉄筋近傍のコンクリートの乾燥を妨げ、 前記鉄筋を不 働体化する。

発明の効果

[0009] 本発明によれば、 鉄筋の露出を伴う施工を行うことなく、 鉄筋コンクリー 卜を防食することができる。

図面の簡単な説明

[0010] [図 1]鉄筋コンクリート試供体の電位測定の結 を示す図である。

[図 2]本発明の実施形態に係る鉄筋コンクリー 構造物の構成図である。

[図 3]鉄筋コンクリート構造物の断面図である 〇 2020/175183 3 卩(:171? 2020 /005759

[図 4]コンクリートポールの断面図である。

[図 5]変形例のコンクリートポールの断面図で る。

発明を実施するための形態

[001 1] 以下、 本発明の実施の形態について、 図面を参照して説明する。

[0012] 鉄筋コンクリートは、 内部の鉄筋がコンクリートの強度を高める役 割を持 つことに加え、 アルカリ性のコンクリートが鉄筋を覆うこと で鉄筋を防食す る。 ひび割れのない健全な鉄筋コンクリートの中 の鉄筋は、 コンクリートの アルカリ環境に覆われているため不働態化し ている。 しかし、 ひび割れが生 じた鉄筋コンクリートでは、 ひび割れた部分のコンクリート内部の中性化 が 進行し、 脱不働態化して鉄筋の腐食が進行する。

[0013] コンクリートにひび割れが生じると、 ひび割れ内部が中性化し、 ここに中 性から酸性の水分が侵入した際に鉄筋が腐食 する。 しかし、 ひび割れ内部が 中性化した場合でも、 アルカリ性の溶液を鉄筋近傍に滞留させるこ とで防食 することが可能となる。

[0014] また、 コンクリートの中性化の深さ (進度) は、 1年で数 111111単位であるこ とから、 コンクリートには未中性化領域が多く残って いる。 そのため、 ひび 割れ内部に雨水などの中性から酸性の水分が 侵入した場合でも、 この水分が 滞留した場合には、 滞留した水分に未中性化領域のコンクリート の水酸化力 ルシウムが溶解し、 コンクリートを介して拡散することで、 鉄筋近傍がアル カリ環境に変化する。

[0015] したがって、 鉄筋コンクリートにアルカリから中性の水分 を供給して維持 し、 鉄筋近傍にアルカリ性の水分を保持させ、 中性から酸性の水分の侵入を 防ぐことができれば、 鉄筋を防食できる。

[0016] 図 1は、 鉄筋コンクリートの供試体の電位測定の結果 を示す図である。 図

1は、 0. 1111111幅のひび割れを有する鉄筋コンクリー の供試体に対し、 7時間 の水浸潰による湿潤過程と、 41時間の恒温槽設置 (60 ° 〇維持) による乾燥過 程を 1サイクルとする乾湿繰り返し試験を実施し のち、 湿度約 70%の環境に 放置した際の電位測定の結果を示したもので ある。 図 1では、 乾湿繰り返し 〇 2020/175183 4 卩(:171? 2020 /005759

試験を継続した期間 (0〜 40日) では、 電位の卑化が示され、 湿度約 70%の環 境に放置した期間 (100日〜) では電位の貴化が示されている。 なお、 40〜 10 0日の期間の測定データはないが、 電位は- 35011^から -20011^まで緩やかに上昇 していると考えらえる。

[0017] 非特許文献 ある領域の電位が- 0 巳よりもマイナスの場合、 90%以上の確率でその領域の鉄筋が腐食してい る と判定される。 このことから、 乾湿繰り返しにより腐食が進行しているとみ なすことができる。 一方、 電位の貴化は腐食の停止を示しており、 湿度 70% の環境に放置することにより、 ひび割れ内部に水分が滞留した結果と考えら れ、 水分の滞留が防食効果を有することが示され ている。

[0018] <第 1の実施形態>

図 2は、 第 1の実施形態の鉄筋コンクリート構造物 (鉄筋コンクリート) の構成を示す図である。

[0019] 図示する鉄筋コンクリート構造物 2は、 コンクリート 2 1の内部に複数の 鉄筋 2 2が配置されている。 鉄筋コンクリート構造物 2には、 コンクリート 2 1の内部に防食溶液 4を保持 (貯蔵) する溶液貯蔵部 2 3が形成されてい る。 溶液貯蔵部 2 3は、 コンクリート 2 1 に囲まれた空間 (空洞) であって 、 防食溶液が溜められる領域である。 溶液貯蔵部 2 3は、 鉄筋コンクリート 構造物 2に製品形状としてあらかじめ形成されてい ものとする。 鉄筋コン クリート構造物 2は、 溶液貯蔵部 2 3の上に配置された蓋 2 4を有する。 蓋 2 4は、 開閉可能であり、 防食溶液 4は、 蓋 2 4を介して溶液貯蔵部 2 3に 供給される。

[0020] 本実施形態では、 溶液貯蔵部 2 3に防食溶液 4を保持することで、 鉄筋 2

2近傍のコンクリート 2 1 に防食溶液 4の水分を常時保持させる。 これによ り、 本実施形態では、 鉄筋コンクリート構造物 2内部の鉄筋 2 2の腐食を抑 制する。

[0021 ] 具体的には、 コンクリート 2 1 に囲まれた溶液貯蔵部 2 3に保持された防 食溶液 4は、 浸透および拡散によりコンクリート 2 1内部に浸透する。 これ \¥0 2020/175183 5 卩(:17 2020 /005759

により、 鉄筋 2 2に到達するひび割れが生じた場合であって 、 コンクリー 卜 2 1 を介した防食溶液 4の拡散により、 鉄筋 2 2近傍は防食環境が保たれ る。

[0022] 図 3は、 図 2に示す鉄筋コンクリート構造物 2の断面図である。 図 3では 、 溶液貯蔵部 2 3に防食溶液 4が貯蔵されている。

[0023] 防食溶液 4は、 溶液貯蔵部 2 3からコンクリート 2 1 に浸透および拡散し 、 鉄筋 2 2近傍のコンクリート 2 1の乾燥を妨げ、 アルカリ化し、 鉄筋 2 2 を不働体化する溶液である。 防食溶液 4は、 1 ~ 1 7から 1 ~ 1 1 2の範囲の 1 ~ 1値である。 すなわち、 防食溶液 4は、 アルカリ性の溶液である。

[0024] 防食溶液 4は、 例えば、 炭酸水素ナトリウム、 水酸化カリウム、 水酸化ナ トリウムおよび水酸化カルシウムの少なくと も 1つを含んでいてもよい。

[0025] また、 防食溶液 4は、 炭酸水素ナトリウム、 水酸化カリウム、 水酸化ナト リウムおよび水酸化カルシウムのいずれか 1つを主成分とした溶液であるこ とが望ましい。 これにより、 中性の水分を防食溶液 4として用いる場合に生 じるコンクリート 2 1の劣化を防止しつつ、 鉄筋 2 2の防食を実現すること ができる。 主成分とは、 少なくとも 0. 1 %以上の濃度の溶液であることを意味 する。

[0026] また、 水酸化カルシウムを含む防食溶液 4を用いた場合、 防食溶液 4の水 面には、 大気の二酸化炭素と水酸化カルシウムとが反 応した炭酸カルシウム の膜 4 1が形成される。 これにより、 防食溶液 4の蒸発を防止することがで きる。

[0027] 鉄筋コンクリート構造物 2を設置する際に、 溶液貯蔵部 2 3に防食溶液 4 を供給し、 溶液貯蔵部 2 3には常に防食溶液 4が保持 (貯蔵) されている状 態とする。 また、 防食溶液 4が蒸発するなどして、 溶液貯蔵部 2 3の防食溶 液 4が減少または枯渴した場合は、 蓋 2 4を開けて防食溶液 4を溶液貯蔵部 2 3に供給 (補充) する。

[0028] <第 2の実施形態>

次に、 第 1の実施形態の鉄筋コンクリート構造物 2を、 コンクリートポー 〇 2020/175183 6 卩(:171? 2020 /005759

ルに適用した第 2の実施形態について説明する。 コンクリートポールは、 例 えば電柱などの円柱状の鉄筋コンクリート構 造物である。

[0029] 一般的な市販のコンクリートポールは、 底部に蓋が取り付けられ、 水抜き 穴が形成されている。 降雨等によりコンクリートポール内部に侵入 した水分 は、 水抜き穴から地中に排出される。 水分は、 コンクリートポールの側面に 形成されている穴 (不図示) などからコンクリートポール内部に侵入する 。

[0030] 図 4は、 コンクリートポール 2八の断面図である。 図示するコンクリート ポール 2八は、 コンクリート 2 1の内部に複数の鉄筋 2 2が配置されている 。 コンクリートポール 2八には、 コンクリート 2 1の内部に防食溶液を保持 する溶液貯蔵部 2 3が形成されている。 溶液貯蔵部 2 3は、 周囲をコンクリ —卜 2 1 に囲まれた空洞であって、 防食溶液が溜められる領域である。 本実 施形態の防食溶液は、 第 1の実施形態の防食溶液 4と同様である。

[0031 ] 図示するコンクリートポール 2八は、 コンクリートポール 2八の内部の空 洞を仕切る仕切り部 2 5 (例えば、 仕切り板など) を備える。 本実施形態 では、 仕切り部 2 5八を用いて、 コンクリート 2 1内部に溶液貯蔵部 2 3を 形成する。 コンクリートポール 2八に形成されている空洞を仕切り部 2 5八 で仕切ることで、 本実施形態では、 簡易に溶液貯蔵部 2 3を形成することが できる。

[0032] なお、 コンクリートポール 2八のひび割れ発生は、 地面と接する地際部分 、 段落し部分 (鉄筋本数の減少部分) 、 ケーブル類の設置部分などに多く見 られる。 このため、 仕切り部 2 5八は、 コンクリートポール 2八が設置され る際に、 上記のひび割れ多発部分の近傍となる位置に 形成されることが望ま しい。 例えば、 地際部分のひび割れに対しては、 コンクリートポール 2八の 地中への埋め込み深さを考慮して、 仕切り部 2 5 の配置位置を地際部近傍 に決定することが望ましい。

[0033] また、 コンクリートポール 2八は、 複数の仕切り部 2 5八を有してもよい 。 複数のひび割れ多発部分のそれぞれに仕切り 部 2 5 を形成することで、 コンクリートポール 2 の内部に複数の溶液貯蔵部 2 3を形成することも可 〇 2020/175183 7 卩(:171? 2020 /005759

能である。

[0034] 仕切り部 2 5 を地際近傍に形成した場合、 防食溶液の貯蔵量が少ない場 合であっても、 コンクリートポール 2八のひび割れ発生が多い地際部分のコ ンクリート 2 1では、 防食溶液の水分が保持され、 防食環境を保つことがで きる。 したがって、 仕切り部 2 5 を地際近傍に形成することで、 防食溶液 の貯蔵量を節減することができる。

[0035] コンクリートポール 2八は、 上部に配置された、 開閉可能な蓋 2 4を有す る。 防食溶液は、 蓋 2 4、 または、 コンクリートポール 2八の側面に形成さ れている穴 (不図示) を介して溶液貯蔵部 2 3に供給される。 また、 コンク リートポール 2八は、 底部 (下部) に配置された蓋 2 6を有する。 蓋 2 6は 、 水分を地中に排出する水抜き穴 2 6 1 を有する。

[0036] なお、 コンクリートポールの健柱後 (設置後) に、 仕切り部を形成しても よい。

[0037] 図 5は、 健柱後 (設置後) に仕切り部 2 5巳を形成したコンクリートポー ル 2巳の断面図である。 図示する仕切り部 2 5巳は、 底部の蓋 2 6の水抜き 穴 2 6 1 を塞ぐように、 蓋 2 6の上に形成される。 これにより、 コンクリー トポール 2巳の空洞全体が、 溶液貯蔵部 2 3となる。 例えば上部の蓋 2 4を 開けて、 セメントまたは硬化性樹脂をコンクリートポ ール 2巳の空洞に注入 し、 底部の蓋 2 6 (特に水抜き穴 2 6 1) の上に堆積させる。 堆積したセメ ントまたは硬化性樹脂が硬化することで、 仕切り部 2 5巳が形成される。

[0038] 以上説明した本実施形態の鉄筋コンクリート 構造物は、 鉄筋コンクリート のコンクリート内部に形成され、 防食溶液を保持する貯蔵部を備え、 防食溶 液は、 貯蔵庫からコンクリートに拡散浸透し、 鉄筋近傍のコンクリートの乾 燥を妨げ、 前記鉄筋を不働体化する。 すなわち、 本実施形態では、 溶液貯蔵 部に防食溶液を保持することで、 鉄筋近傍のコンクリートに防食溶液の水分 を常時保持させ、 鉄筋コンクリート構造物の鉄筋の腐食を抑制 する。 したが って、 本実施形態では、 ひび割れが生じた鉄筋コンクリート構造物に 対して 、 鉄筋の露出を伴う施工を行うことなく、 簡易に低コストで鉄筋コンクリー 〇 2020/175183 8 卩(:171? 2020 /005759

卜を防食することができる。

[0039] 具体的には、 防食溶液は、 浸透および拡散によりコンクリート内部に浸 透 し、 これにより、 鉄筋に到達するひび割れが生じた場合であっ ても、 コンク リートを介した防食溶液の拡散により、 鉄筋近傍は防食環境を保つことがで きる。 すなわち、 鉄筋近傍に水分を保持させることで、 外部環境からの酸性 から中性の水分の侵入を妨げるとともに、 コンクリートの未中性化領域から アルカリ成分を溶出させ鉄筋を防食すること ができる。

[0040] また、 本発明は上記実施形態に限定されるものでは なく、 その要旨の範囲 内で数々の変形が可能である。 符号の説明

[0041] 2 :鉄筋コンクリート構造物

2八、 2巳 : コンクリートポール

2 1 : コンクリート

22 :鉄筋

23 :溶液貯蔵部

24 :上部の蓋

25八、 25巳 :仕切り部

26 :底部の蓋

26 1 :水抜き穴