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Patent Searching and Data


Title:
REINFORCING FIBER BASE OF CURVED SHAPE, LAYERED PRODUCT EMPLOYING THE SAME, PREFORM, FIBER-REINFORCED RESIN COMPOSITE MATERIAL, AND PROCESSES FOR PRODUCING THESE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/088029
Kind Code:
A1
Abstract:
A curved reinforcing fiber base (1) characterized by having a curved planar shape and by comprising: reinforcing fiber yarns (2) arranged parallel with circumferential directions (3) for the curved shape; and auxiliary weft yarns (4) arranged in directions crossing the reinforcing fiber yarns (2) arranged in one of the circumferential directions (3). Also provided are: a curved reinforcing-fiber layered product employing the base; a preform; a reinforced composite material; and processes for producing the base, layered product, preform, and composite material. The reinforcing fiber base curves longitudinally and includes reinforcing fibers oriented along the curved shape in a desirable arrangement. The curved reinforcing-fiber layered product includes at least one layer of the reinforcing fiber base; and the process for producing the same enables this layered product to be efficiently produced in a short time. The preform employs the layered product; and the process for producing the same enables the preform to be efficiently formed. The curved fiber-reinforced composite material is a continuous one obtained from the preform.

Inventors:
SHINODA, Tomoyuki (Toray Industries Inc., 1515, Oaza-tsutsui, Masaki-cho, Iyo-gu, Ehime 93, 7913193, JP)
篠田知行 (〒93 愛媛県伊予郡松前町大字筒井1515 東レ株式会社 愛媛工場内 Ehime, 7913193, JP)
KIBE, Ryuzo (Toray Industries Inc., 1515, Oaza-tsutsui, Masaki-cho, Iyo-gu, Ehime 93, 7913193, JP)
Application Number:
JP2009/050105
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
January 08, 2009
Export Citation:
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Assignee:
Toray Industries, Inc. (1-1 Nihonbashi Muromachi 2-chome, Chuo-ku Tokyo, 66, 1038666, JP)
東レ株式会社 (〒66 東京都中央区日本橋室町2丁目1番1号 Tokyo, 1038666, JP)
SHINODA, Tomoyuki (Toray Industries Inc., 1515, Oaza-tsutsui, Masaki-cho, Iyo-gu, Ehime 93, 7913193, JP)
篠田知行 (〒93 愛媛県伊予郡松前町大字筒井1515 東レ株式会社 愛媛工場内 Ehime, 7913193, JP)
International Classes:
B29C70/20; B32B5/28; D04H3/04; D04H5/10
Attorney, Agent or Firm:
BAN, Toshimitsu (Ban & Associates, Shinko Bldg.1-9, Nishishinjuku 8-chome,Shinjuku-k, Tokyo 23, 1600023, JP)
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Claims:
 平面形状が湾曲形状であり、複数の強化繊維糸条が前記湾曲形状の周方向に沿う方向に並行に配列されており、該周方向の一方向に配列されている複数の強化繊維糸条と交差する方向によこ糸の補助糸条が配列されていることを特徴とする湾曲形状強化繊維基材。
 前記強化繊維糸条が複数の束に形成され、該複数の強化繊維糸条束が前記湾曲形状の径方向に隣り合うように配列されている、請求項1に記載の湾曲形状強化繊維基材。
 強化繊維糸条間に、強化繊維糸条に対し並行に延びるたて糸の補助糸条が配列されている、請求項1または2に記載の湾曲形状強化繊維基材。
 少なくとも片面に、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料が点状、線状または不連続状に付着されている、請求項1~3のいずれかに記載の湾曲形状強化繊維基材。
 前記強化繊維糸条として炭素繊維糸条を含む、請求項1~4のいずれかに記載の湾曲形状強化繊維基材。
 平面形状が湾曲形状である平板状の強化繊維層が複数積層された積層体であって、前記複数積層された強化繊維層の少なくとも1層が、請求項1~5のいずれかに記載の湾曲形状強化繊維基材により形成された、複数の強化繊維糸条が前記湾曲形状の周方向に沿う方向に並行に配列された湾曲周方向配向強化繊維層であることを特徴とする湾曲形状強化繊維積層体。
 前記複数積層された強化繊維層の中に、さらに、強化繊維糸条が前記湾曲形状の周方向に対する角度が鋭角または垂直となる方向に並行に配列された強化繊維層が含まれている、請求項6に記載の湾曲形状強化繊維積層体。
 前記平板状の複数の強化繊維層が積層状態にて互いに接着されることにより一体化されている、請求項6または7に記載の湾曲形状強化繊維積層体。
 平面形状が湾曲形状である平板状の強化繊維層を複数積層して積層体を製造するに際し、
 請求項1~5のいずれかに記載の湾曲形状強化繊維基材を用いて、複数の強化繊維糸条が前記湾曲形状の周方向に沿う方向に並行に配列された湾曲周方向配向強化繊維層を形成し、
 該湾曲周方向配向強化繊維層を、積層すべき複数の強化繊維層の中の少なくとも1層として積層することを特徴とする湾曲形状強化繊維積層体の製造方法。
 前記湾曲周方向配向強化繊維層とは別の積層すべき強化繊維層の中の少なくとも1層を形成するに際し、
 連続した強化繊維糸条を複数一方向に並行するように引き揃えた強化繊維糸条群と、前記強化繊維糸条と交差する方向に延在し複数の強化繊維糸条群を結束する補助糸条から構成された一方向強化繊維織物を、強化繊維糸条と直交する方向に切断することにより複数の直交切断一方向強化繊維糸条束を作製し、
 該複数の直交切断一方向強化繊維糸条束を、各糸条束の強化繊維糸条が前記湾曲形状の径方向に延びるように、前記湾曲形状の周方向に沿う方向に配置する、請求項9に記載の湾曲形状強化繊維積層体の製造方法。
 前記湾曲周方向配向強化繊維層とは別の積層すべき強化繊維層の中の少なくとも1層を形成するに際し、
 連続した強化繊維糸条を複数一方向に並行するように引き揃えた強化繊維糸条群と、前記強化繊維糸条と交差する方向に延在し複数の強化繊維糸条群を結束する補助糸条から構成された一方向強化繊維織物を、強化繊維糸条と所定の鋭角を成す方向に切断することにより複数の鋭角切断一方向強化繊維糸条束を作製し、
 該複数の鋭角切断一方向強化繊維糸条束を、各糸条束の強化繊維糸条が前記湾曲形状の径方向と所定の角度を成す方向に延びるように、前記湾曲形状の周方向に沿う方向に配置する、請求項9または10に記載の湾曲形状強化繊維積層体の製造方法。
 湾曲形状を有する板状の強化繊維層が複数積層された湾曲形状強化繊維積層体の形態を有し、前記複数積層された強化繊維層の中に、請求項1~5のいずれかに記載の湾曲形状強化繊維基材を用いて形成された、強化繊維糸条が前記湾曲形状の周方向に沿う方向に並行に配列されてなる湾曲周方向配向強化繊維層が少なくとも1層含まれているとともに、強化繊維糸条が前記湾曲形状の径方向に沿う方向に並行に配列された強化繊維層および/または強化繊維糸条が前記湾曲形状の周方向に対する角度が鋭角となる方向に並行に配列された強化繊維層とが含まれており、前記湾曲形状強化繊維積層体が、該積層体の長手方向と直交する積層体幅方向の断面で見て、前記湾曲形状の周縁に沿って折れ曲がったフランジ状部を有する形状に賦形されていることを特徴とするプリフォーム。
 平面形状が湾曲形状である平板状の複数の強化繊維層として、請求項1~5のいずれかに記載の湾曲形状強化繊維基材を用いて形成され、強化繊維糸条が前記湾曲形状の周方向に沿う方向に並行に配列されてなる湾曲周方向配向強化繊維層と、強化繊維糸条が前記湾曲形状の径方向に沿う方向に並行に配列された強化繊維層および/または強化繊維糸条が前記湾曲形状の周方向に対する角度が鋭角となる方向に並行に配列された強化繊維層とを作製し、
 作製された複数の強化繊維層を予め定められた所定の積層順に積層して湾曲形状強化繊維積層体を作製し、
 該湾曲形状強化繊維積層体を、該積層体の長手方向と直交する積層体幅方向の断面で見て、前記湾曲形状の周縁に沿って折り曲げることにより、フランジ状部を有する形状に賦形することを特徴とする、プリフォームの製造方法。
 平面形状が湾曲形状である平板状の複数の強化繊維層として、請求項1~5のいずれかに記載の湾曲形状強化繊維基材を用いて形成され、強化繊維糸条が前記湾曲形状の周方向に沿う方向に並行に配列されてなる湾曲周方向配向強化繊維層と、強化繊維糸条が前記湾曲形状の径方向に沿う方向に並行に配列された強化繊維層および/または強化繊維糸条が前記湾曲形状の周方向に対する角度が鋭角となる方向に並行に配列された強化繊維層とを作製し、
 作製された複数の強化繊維層を予め定められた所定の積層順に積層して湾曲形状強化繊維積層体を作製し、
 該湾曲形状強化繊維積層体を、該積層体の長手方向と直交する積層体幅方向の断面で見て、前記湾曲形状の周縁に沿って折り曲げることにより、フランジ状部を有する形状のプリフォームに賦形し、
 賦形されたプリフォームに樹脂を含浸し、
 含浸した樹脂を硬化させることを特徴とする、繊維強化樹脂複合材料の製造方法。
 請求項14に記載の方法により製造された繊維強化樹脂複合材料。
Description:
湾曲形状強化繊維基材、および れを用いた積層体、プリフォーム、繊維強 樹脂複合材料とそれらの製造方法

 本発明は、長手方向に沿って湾曲した形 を有する湾曲形状強化繊維基材、およびそ 湾曲形状強化繊維基材を用いた積層体、そ 積層体を用いて賦形されたプリフォーム、 のプリフォームを用いて成形された繊維強 樹脂複合材料とそれらを効率よく製造する 法に関する。

 繊維強化樹脂複合材料は、軽量で強度、 性の高い素材として広く知られている。比 的長尺の繊維強化樹脂複合材料を成形する 合、目標とする方向に高い強度や剛性を確 するために、強化繊維の配向方向が所定の 方向に設定された複数の強化繊維層の積層 の構成を採用することが多い。強化繊維に 硬化の樹脂を含浸させたプリプレグの形態 積層体を採用することもあるが、目標とす 所定形状への製造のし易さを考慮すると、 常、樹脂が含浸されていないドライの強化 維積層体を作製し、その強化繊維積層体を 定形状のプリフォームに賦形し、賦形され プリフォームにマトリックス樹脂を含浸さ 、樹脂を硬化させて所定形状の繊維強化樹 複合材料を製造する方法が採られる。

 最近、例えば航空機の胴体の構成部材等 、軽量で強度、剛性の高い、長手方向に沿 て湾曲した形状を有する比較的長尺の繊維 化樹脂複合材料、とくに、横断面形状が単 る平板状ではなくフランジ部等を備えた折 曲がり部を有する湾曲形状繊維強化樹脂複 材料が要求されるようになってきた。この うな湾曲形状を有する繊維強化樹脂複合材 の成形に、上述のような繊維強化樹脂複合 料の製造方法を適用する場合、湾曲形状を する強化繊維基材を作製するステップ、作 された複数の強化繊維基材を積層して強化 維層の積層体を作製するステップ、作製さ たドライの強化繊維積層体を所定形状のプ フォームに賦形するステップ、賦形された リフォームにマトリックス樹脂を含浸させ 脂を硬化させて所定形状の繊維強化樹脂複 材料に成形するステップのそれぞれに、最 的に目標とする性能を備えた成形体を得る めの工夫が必要になる。とくに、最終的に ランジ部等を備えることを前提に、強化繊 糸条が所望の方向に配向された湾曲平面形 を有する強化繊維基材を準備するステップ 、複数の湾曲平面形状を有する平板状の強 繊維層を各層が目標とする繊維配向を維持 きるように積層して強化繊維積層体を作製 るステップ、作製された湾曲強化繊維積層 の所定部位を折り曲げたりすることにより 定の横断面形状を有するプリフォームに賦 するステップには、目標とする形態の湾曲 化繊維積層体やプリフォームを得るための 別の工夫が必要になる。

 上記のような湾曲強化繊維積層体、およ それからなるプリフォームを作製するため 、特許文献1には、同心の円弧状に配列され た0度配列糸からなる糸層を含む複数の糸層 厚さ方向糸で結合された扇面板状部を有す 三次元繊維構造体が開示されている。また 特許文献2には、所定の横断面形状を有し長 方向に沿って湾曲された型の上面上に、型 湾曲形状に沿わせて強化繊維基材がレイア プされて強化繊維層が形成され、その上に 化繊維が斜めに配向された強化繊維層や、 物層が順次、型の横断面形状に沿わせてレ アップされる湾曲繊維強化複合構造部材の 造方法が開示されている。さらに、特許文 3には、所定の横断面形状を有し長手方向に 沿って湾曲された型上に、互いに異なる配向 方向の強化繊維を含み樹脂が含浸された平板 状のプリプレグが配置され、該プリプレグの 幅方向両端部が順次、型の側面に当接する方 向に折り曲げられる、繊維強化複合材料の湾 曲ビームの製造方法が開示されている。

 上記特許文献1に開示されている三次元繊 維構造体では、円錐台の繊維束配列用治具を 用いて湾曲形状を有する扇面板状の糸層を形 成しているので、湾曲形状糸層の形成に多大 な時間を要し、生産性が悪いという問題があ る。また、複数の糸層を厚さ方向糸で結合し ているので、その結合にさらに時間を要する とともに、円錐台の繊維束配列用治具から積 層体を外すと、上記結合により、積層体の厚 みに起因する円錐台の内外の周長差に起因す るうねりが発生するという問題もある(つま 、円錐台の繊維束配列用治具から外した積 体を、上面が平面の台上に平板状に展開し 載置した場合、繊維束配列用治具の円錐台 外面形状に沿った円弧状のうねり形状が連 された状態で積層体に残存してしまうため その積層体を平板形態(平面的に湾曲形状を する平板形態)に是正できないという問題が 発生する)。また、上記特許文献2に開示され いる湾曲繊維強化複合構造部材の製造方法 は、各強化繊維層が順次積層され、該積層 同時に型の横断面形状に沿わせた賦形を行 ようになっているので、手間や時間を要す 賦形動作が各強化繊維層ごとに必要になり 最終的に所定の形状に賦形されたプリフォ ムを完成させるまでに非常に長い時間がか り、やはり生産性が悪いという問題がある 特に周方向に沿って繊維が配置される0°層 、ウェブ部とフランジ部を別々にレイアッ する必要があるため、特に時間を要する。 らに、上記特許文献3に開示されている湾曲 ビームの製造方法では、基本的に長手方向に 沿って湾曲したプリプレグを先に作成してお き、そのプリプレグを所定の断面形状に形成 する方法を採用しているため、本発明で対象 としている先にドライの強化繊維積層体を作 製し、それを所定形状のプリフォームに賦形 した後、賦形されたプリフォームにマトリッ クス樹脂を含浸させ樹脂を硬化させて所定形 状の繊維強化樹脂複合材料に成形する方法に は適用できない。また、この特許文献3には 強化繊維を湾曲形状に沿う方向に配置する とについては何ら記載されていない。

 また、上記のような長手方向に湾曲した形 を有する複合材料とは別に、長尺の繊維強 樹脂複合材料にフランジ部を形成するため 、平板状の強化繊維基材の断面における両 を折り曲げ賦形し、所定形状に賦形された ライの強化繊維基材にマトリックス樹脂を 浸させ硬化させる方法が採用されることが い。強化繊維基材としてプリプレグを使用 る場合には、そのプリプレグに所定のフラ ジ部を折り曲げ形成した後、樹脂を加熱硬 させることが多い。特許文献4には、ブラダ ー(bladder) を用いブラダーの膨張動作によっ 強化繊維基材の所定部分をマンドレルに押 付けることにより、強化繊維基材を所定のC 形断面形状に賦形する方法が開示されている 。しかしながらこの方法では、マンドレルに 対向させ、間に強化繊維基材を配置した状態 でブラダーが設けられているため、膨張した ブラダーは強化繊維基材の両側部分を一方向 にしか押圧できず、上記の如くC形断面形状 しか賦形できず、Z形断面形状等への賦形に 対応できない。また、一枚のブラダーの膨 動作を利用するようになっているため、強 繊維基材の両側部分は実質的に同時に折り げられることになり、折り曲げ時に、屈曲 分等に皺等が残りやすい賦形方法となって る。また、特許文献5には、プリプレグの積 層体を、プレス機に挟んでT字形に賦形した 、頂部にローラーを押し当てて曲げ、J形やZ 形断面に賦形する方法が開示されている。し かしながらこの方法では、少なくとも駆動可 能なプレス装置、パンチ装置、ローラー装置 が必要になり、設備が大がかりで複雑、高価 なものになる。さらに、強化繊維糸条を経糸 、緯糸とした織物でかつ該織物が螺旋状に延 在された螺旋状織物に関する技術が特許文献 6、7に開示されているが、この技術は、後述 本発明とは基本的に異なるものであり、織 が螺旋状に連続的に織成されていくもので り、かつ、たて糸、よこ糸がともに強化繊 糸条からなるものである。

特開2005-97759号公報

米国公開特許2006/0249868A1号公報

欧州公開特許1666353A1号公報

米国特許第5772950号公報

特開2004-351882号公報

特許第3225323号公報

特許第3234918号公報

 そこで本発明の課題は、上記のような従 技術における問題点に着目し、長手方向に って湾曲し湾曲形状に沿って強化繊維が望 しい形態で配向された強化繊維基材、およ 、その強化繊維基材を含む複数の強化繊維 材層が積層されたドライの強化繊維積層体 よびその積層体を効率よくかつ短時間で作 可能な強化繊維積層体の製造方法、および その強化繊維積層体をフランジ状部等を有 る所定の横断面形状に精度良く賦形したプ フォームおよびそのプリフォームを効率的 所定の横断面形状に短時間で賦形可能なプ フォームの製造方法、並びに、そのプリフ ームを用いて成形された長手方向に沿って 曲した形状を有する比較的長尺の繊維強化 合材料およびその製造方法を提供すること ある。特に、長手方向に沿って湾曲した形 を有する長尺の繊維強化複合材料において 湾曲周方向を基準の方向(0°方向)として、 べての強化繊維がこの0°方向を基準に配列 ている繊維強化複合材料およびその製造方 を提供する。湾曲周方向に沿って0°配向強 繊維を配列することにより、周方向の物性 向上できること、また、周方向の長手方向 いずれの箇所においても、実質的に湾曲の 方向である0°方向に対して、同一の積層構 を有することができる。

 また、本発明は、併せて、とくに上記の リフォームを製造するに際し、基本的に大 かりな駆動系を必要とせず、簡単な構造で 価に構成可能な設備を使用すればよく、C形 断面はもとよりZ形断面等の賦形のための屈 方向が異なる断面形状であっても、皺等の 題を発生させることなく円滑にかつ容易に 定横断面形状のプリフォームに賦形するこ が可能なプリフォームの製造方法も提供す 。

 上記課題を解決するために、本発明に係 湾曲形状強化繊維基材は、平面形状が湾曲 状であり、複数の強化繊維糸条が前記湾曲 状の周方向に沿う方向に並行に配列されて り、該周方向の一方向に配列されている複 の強化繊維糸条と交差する方向によこ糸の 助糸条が配列されていることを特徴とする のからなる。

  このような本発明に係る湾曲形状強化 維基材においては、強化繊維糸条が湾曲形 の周方向に沿う方向(0°方向)に並行に配列さ れているとともに、それらと交差する方向に よこ糸の補助糸条が配列されている。すなわ ち、通常の一方向強化繊維基材では並行に配 列される複数の強化繊維糸条は一方向に直線 状に配列され、そのままの形態で使用される のであるが、本発明では、上記基材において は、各強化繊維糸条が湾曲形状の周方向に沿 う方向(0°方向)に並行に配列され、かつ、そ ら強化繊維糸条の配列形態がよこ糸の補助 条によって維持される構成とされている。 化繊維糸条の配列形態が補助糸条によって 持されるので、この湾曲形状強化繊維基材 使用する際、とくに積層体を作製するため 積層する際にも、所定の基材層の形態が崩 ることがなく、目標とする湾曲形状を有す 積層体が精度良く形成されることになる。 たがって、この湾曲形状強化繊維基材を用 ることにより、最終的に成形される湾曲形 の繊維強化複合材料中においても、湾曲形 の周方向に沿う方向(0°方向)の強化繊維糸 の配列形態、つまり、比較的長尺で長手方 に沿って湾曲した繊維強化複合材料の成形 の目標とする強度や剛性を達成するための 化繊維糸条の望ましい配列形態が、維持さ ることになる。

 上記本発明に係る湾曲形状強化繊維基材 おいては、強化繊維糸条、よこ糸の補助糸 、および、必要に応じて配されるたて糸の 助糸条の織構成により、必要な大きさの一 の基材が一枚で構成されていることが好ま い。これにより、積層体を作製するときに 積層する基材の枚数が少なくて済むため、 層時間を大幅に低減することができるため ましいのである。

 本発明の湾曲形状強化繊維基材に用いる 化繊維糸条には、炭素繊維やガラス繊維、 ラミド繊維やBPBO(ポリパラフェニレンベン ビスオキサゾール)繊維などの高強度、高弾 率繊維が好ましく用いられる。中でも炭素 維は、これらの繊維の中でもより高強度、 弾性率であることから、優れた機械的特性 FRPが得られることから、より好ましい。引 強さが4500MPa以上で、かつ引張弾性率が250GPa 以上の炭素繊維であることより優れたコンポ ジット特性が得られることから、さらに好ま しい。

 本発明で使用するよこ糸は、ナイロン6繊 維、ナイロン66繊維、ナイロン11繊維、ナイ ン12繊維、ポリエステル繊維、ポリアラミド 繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポ リエーテルイミド繊維、ポリエーテルスルフ ォン繊維、ポリケトン繊維、ポリエーテルケ トン繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維 やガラス繊維から選ばれる少なくとも1種を 成分とすることが好ましい。中でもナイロ 66繊維、ガラス繊維は、マトリックス樹脂と の接着性が良いため好ましい。さらに、ガラ ス繊維は、熱により収縮しないため、より好 ましい。

 また、よこ糸としては、マルチフィラメ ト糸であることが好ましい。マルチフィラ ント糸であると、フィラメント単糸の繊度( 直径)を小さくすることが可能となる。これ 実質的に撚りのない状態で使用すると、基 において、よこ糸が、フィラメントの単糸 厚み方向に重ならずに平行に並んでいる形 となり、よこ糸の厚さが薄くなり、強化繊 糸条とよこ糸の交錯または交差によるクリ プが小さくなり、繊維強化複合材料におい 強化繊維の真直性を高め、高い力学特性を 現できる。

 同様の理由により、よこ糸の繊度は6デシ テックスを超え70デシテックス未満が好まし 。より好ましくは、15デシテックスを超え 50デシテックス未満である。また、よこ糸の 織密度は0.3本/cmを超え、6.0本/cm未満が好まし く、よこ糸の織密度がこの範囲よりも小さい と、製織途中や製織後の樹脂粉末散布工程な どにおいて、よこ糸の配列乱れが起きやすく なるため好ましくない。また、湾曲形状を保 持しにくいため好ましくない。よこ糸の織密 度が上記範囲よりも大きくなると、強化繊維 糸条のクリンプが大きくなる。また、よこ糸 の繊維量が多くなることになり、よこ糸の吸 湿によって繊維強化複合材料の耐熱性を低下 させるので好ましくない。

 つまり、本発明の湾曲形状強化繊維基材 、湾曲の周方向を0°方向として、強化繊維 条が一方向に配列したことを特徴とする一 向強化繊維基材(UD基材:Unidirectional基材)であ り、よこ糸には補強効果を期待しない。

 また、本発明の湾曲形状強化繊維基材は たて糸の補助糸条を有し、局所的には後述 図9に示すような織物構造を有することによ り、強化繊維糸条のクリンプを実質的に抑制 したNCW(Non-Crimp Woven )基材であることが好ま い。

 上記本発明に係る湾曲形状強化繊維基材 おいては、上記複数の強化繊維糸条は、湾 形状の基材平面の実質的に全体にわたって ぼ均一に分布されるように、湾曲形状の周 向に沿う方向に並行に配列された形態を採 ことができる。この場合には、上記よこ糸 補助糸条は、適当な本数の強化繊維糸条毎 、強化繊維糸条を縫うように配列されれば い。しかし本発明では、とくに、上記強化 維糸条が複数の束に形成され、該複数の強 繊維糸条束が前記湾曲形状の径方向に隣り うように配列されている形態が好ましい。 数の強化繊維糸条が束ねられた各強化繊維 条束の形態としては、各種横断面形状のも 、例えば、円形や長円形、矩形横断面形状 形態を採り得る。中でも、各強化繊維糸条 が矩形横断面形状を有するテープ状に形成 れている形態が好ましい。複数の強化繊維 条の幅による強化繊維糸条束の幅が比較的 幅で帯状シートの形態であれば、湾曲の曲 が大きい(曲率半径が小さい)形状に対して 、強化繊維の蛇行や皺の発生を抑制して配 でき、所望形態の基材を作製しやすいため ましい。一方で、一枚の基材を構成するた に、複数の強化繊維糸条束を配置する必要 生じるため、各強化繊維糸条束の幅は湾曲 状に応じて適切に設定することが好ましい このように強化繊維糸条束の形態を採用す 場合には、上記よこ糸の補助糸条は、テー 状等に形成された各強化繊維糸条束の範囲 において複数の強化繊維糸条と交差する方 に配列されている形態(つまり、よこ糸の補 糸条が隣接する強化繊維糸条束間にわたっ は延びていない形態)とすることができる。 このように湾曲形状強化繊維基材を構成する 複数の強化繊維糸条が、テープ状等の複数の 強化繊維糸条束に形成されている場合には、 各強化繊維糸条束は湾曲形状強化繊維基材全 体の幅に比べ狭幅でよいから、各強化繊維糸 条束自体は非常に取り扱いやすいものになり 、各強化繊維糸条束は精度良く所定の湾曲形 状に沿わせることが可能になるとともに、強 化繊維糸条束の配列本数によって容易に湾曲 形状強化繊維基材全体の幅を目標とする幅に 精度良く調整することが可能になり、所望形 状の湾曲形状強化繊維基材が一層容易に得ら れるようになる。

 また、本発明に係る湾曲形状強化繊維基 においては、強化繊維糸条間に、強化繊維 条に対し並行に延びるたて糸の補助糸条が 列されている形態を採用することができる このように必要に応じてたて糸の補助糸条 配列しておくことで、強化繊維糸条、よこ の補助糸条、たて糸の補助糸条による織構 をより容易に構成することができる。

 本発明で使用するたて糸は、樹脂粉末散 の工程や、マトリックス樹脂の硬化成形時 加熱により、収縮しないガラス繊維が好ま い。たて糸は実質的に補強効果は期待しな ので、繊度は100デシテックスを超え、470デ テックス未満が好ましい。

 強化繊維糸条の間にたて糸を配置するこ により、たて糸により設けられた空間が樹 の流路として機能するため好ましい。また 織構成として、後述の図9に示すようなたて 糸33とよこ糸34の構成にすることにより、強 繊維糸条32のクリンプを低減することができ るため好ましい。

 また、本発明に係る湾曲形状強化繊維基材 おいては、少なくとも片面に、熱可塑性樹 を主成分とする樹脂材料が点状、線状また 不連続状に付着されている形態を採用する とができる。樹脂材料を湾曲形状強化繊維 材に付着することは、それによって基材を 成している強化繊維糸条および補助糸条の れを抑制できるので、基材の形状をより安 させることができるため、好ましいのであ 。この形態は、この湾曲形状強化繊維基材 他の湾曲形状強化繊維基材を用いて、後述 ような積層体を形成することを想定したも である。すなわち、点状、線状または不連 状に付着された樹脂材料により、積層体に ける隣接強化繊維層同士を適切に接着でき ようにしたものである。この接着には、積 体としての形状、さらにはプリフォームに 形された際の形状を維持できるだけの、仮 め程度の接着力があればよいから、樹脂材 は全面にわたって付着されている必要はな 、点状、線状または不連続状に付着されて ればよい。また、プリフォームにマトリッ ス樹脂を注入含浸するときに、樹脂材料が 状または線状に付着している方が、マトリ クス樹脂が含浸しやすいため好ましいので る。例えば、樹脂材料のガラス転移温度が0 ℃以上95℃以下の範囲にあり、樹脂材料の付 量が2g/m 以上40g/m 以下の範囲にあればよい。

 ここで、「付着」とは、湾曲形状強化繊 基材を配置するのに先立ち、樹脂材料を湾 形状強化繊維基材に付与することを意味し おり、「接着」とは、基材を積層した後、 の積層体の層間を樹脂材料を介して一体化 せることを意味する。樹脂材料のガラス転 温度Tgが0℃未満であると、常温でべたつく め取り扱いにくく、Tgが95℃を超えると、常 温ではべたつかないが、基材を積層した後に 、基材同士を接着させるための加熱温度を高 くする必要があり、接着しにくくなる。なお 、ここで言うガラス転移温度Tgとは、示差走 熱量分析計DSC(Differential scanning colorimeter ) により測定した値を言う。

 また、とくに航空機の一次構造材用の材 においては、飛翔物の衝突や修理中におけ 工具の落下による損傷の影響を受けにくい うに、好ましくは衝撃後の残存圧縮強さ(Com pression After Impact、以下CAIと記す。)が高いこ とが要求される。上記樹脂材料は、基材の表 面に付着しているため、繊維強化複合材料の 成形後においても、層間に存在し、層間を形 成しやすい。この層間はマトリックス樹脂の 他に、該樹脂材料を含むため、該樹脂材料に 高靱性な熱可塑性樹脂を用いた場合には、層 間を選択的に高靱性化することが可能となり 、CAIを向上することができるため好ましい。 そのため該樹脂材料を最適化することにより 、接着のみならず、CAIも向上することができ る。

 樹脂材料の付着量が2g/m 未満であると、付着量が少なすぎて、十分な 接着性が発現されない。一方、付着量が40g/m より多いと、付着量が多すぎて、繊維強化複 合材料の重量が増大し、軽量性を損なう。

 樹脂材料は、CAIを向上させるために、高 性の熱可塑性樹脂と、強化繊維基材への付 及び基材間の接着が容易な熱硬化性樹脂と 混合物を用いると、適度の靱性を有しなが 、強化繊維基材への接着性を持たせること できる。

 上記熱可塑性樹脂としては、ポリ酢酸ビ ル、ポリカーボネイト、ポリアセタール、 リフェニレンオキシド、ポリフェニレンス フィド、ポリアリレート、ポリエステル、 リアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリ ーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケ ン、ポリアラミド、ポリベンゾイミダゾー 、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸セ ロースなどを例示できる。また、熱硬化性 脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエ テル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノー 樹脂などを使用することができる。

 上記樹脂材料の基材への付着形態は、点 、線状または不連続線状であることが重要 ある。点状に付着させるためには、粉体形 の樹脂材料を強化繊維基材の表面に散布し 融着させるとよい。また、線状または不連 線状に付着させるためには、不織布や織物 どの連続繊維からなる布帛を基材の表面に り合わせた後、熱融着させるとよい。この うに樹脂材料を付着させることにより、基 の湾曲形状を保持しやすくなるため好まし 。

 さらに、本発明に係る湾曲形状強化繊維 材の強化繊維糸条としては、前述の如く、 素繊維糸条を含むことが好ましい。炭素繊 を使用することにより、複合材料成形後に い強度や剛性を発現可能となる。また、炭 繊維糸条は、他の種類の強化繊維糸条に比 剛直性(直線状態を保つ剛性)が高く、基材 湾曲形状に形成したり賦形したりする際に 強化繊維糸条同士がばらけやすい素材であ が、本発明の湾曲形状強化繊維基材では補 糸条により炭素繊維糸条からなる強化繊維 条の所定の並行湾曲配列形態を維持できる で、本発明は炭素繊維糸条を含む強化繊維 材を用いる場合に特に有効となる。ただし 他の強化繊維、例えばガラス繊維やアラミ 繊維等も使用可能であり、2種以上の強化繊 を含むハイブリッド構成も採用可能である

 本発明に係る湾曲形状強化繊維積層体は 平面形状が湾曲形状である平板状の強化繊 層が複数積層された積層体であって、前記 数積層された強化繊維層の少なくとも1層が 、上述したような湾曲形状強化繊維基材によ り形成された、複数の強化繊維糸条が前記湾 曲形状の周方向に沿う方向に並行に配列され た湾曲周方向配向強化繊維層であることを特 徴とするものからなる。

 このような本発明に係る湾曲形状強化繊 積層体においては、複数積層される平板状 強化繊維層の中に、湾曲周方向配向強化繊 層が少なくとも1層含まれており、この湾曲 周方向配向強化繊維層には、強化繊維糸条が 湾曲形状の周方向に沿う方向(0°方向)に並行 配列されている。本発明では、この湾曲周 向配向強化繊維層が、前述した湾曲形状強 繊維基材、すなわち、平面形状が湾曲形状 あり、複数の強化繊維糸条が前記湾曲形状 周方向に沿う方向に並行に配列されており 該周方向の一方向に配列されている複数の 化繊維糸条と交差する方向によこ糸の補助 条が配列されている湾曲形状強化繊維基材 用いて形成されている。したがって、この 層体における湾曲周方向配向強化繊維層に いては、各強化繊維糸条が湾曲形状の周方 に沿う方向(0°方向)に並行に配列され、か 、それら強化繊維糸条の配列形態がよこ糸 補助糸条によって維持される構成とされて る。強化繊維糸条の配列形態が補助糸条に って維持されるので、この湾曲周方向配向 化繊維層が積層体形成のために積層される には、その層形態が崩されることなく、優 た積層操作性をもって短時間のうちに容易 所定の積層が行われるようになる。換言す ば、よこ糸の補助糸条を備えた強化繊維基 から湾曲周方向配向強化繊維層が形成され いることにより、積層体中における湾曲形 の周方向に沿う方向(0°方向)の強化繊維糸条 の配列形態、つまり、比較的長尺で長手方向 に沿って湾曲した繊維強化複合材料の成形後 の目標とする強度や剛性を達成するための強 化繊維糸条の望ましい配列形態が、確実に達 成されて維持されることになり、そのような 長尺の湾曲繊維強化複合材料の成形に用いて 最適な湾曲形状強化繊維積層体が得られる。

 湾曲形状強化繊維層を形成する本発明の 曲形状強化繊維基材を、複数の強化繊維糸 束から構成することにより、各強化繊維糸 束には、強化繊維糸条が直線状に配列して る従来の強化繊維基材を使用することがで るため、好ましい。一方で、この湾曲形状 化繊維層を形成する一層の湾曲形状強化繊 基材は複数の強化繊維糸条束を配置して作 する必要があるが、本発明では平面上に複 の強化繊維糸条束を配置して、所望の湾曲 状強化繊維基材を作製することができるた 、三次元形状の賦形型上に強化繊維糸条を 置する従来の方法に比べて、簡易に積層体 プリフォームを作製できるため好ましい。

 また、複数の強化繊維糸条束からなる湾 形状強化繊維基材は、所定の積層構成に基 いて積層された後、基材間を、該基材の表 に付着されている樹脂材料を用いて接着一 化されていることが好ましい。

 また、該湾曲形状強化繊維基材は、強化 維糸条束間は、よこ糸により結束されてい いため、一枚の基材として取り扱うことが しい場合がある。そのため、該湾曲形状強 繊維基材を所定の積層構成に積層し、該基 間を、樹脂材料により接着一体化した状態 することにより、取扱い性が向上するため ましい。また、接着一体化することにより 積層体における強化繊維糸条の配列角度の れを抑えることができ、所定の配列角度の 態を安定させることができるため、好まし 。

 このように、本発明では従来構造とは異 り、湾曲形状強化繊維層を形成する本発明 湾曲形状強化繊維基材では、たて糸方向に 化繊維糸条が配列され、所定の強化繊維糸 束が配列された層として形成でき、この場 のよこ糸は非強化繊維の補助糸条となる。 た、よこ糸の補助糸条とともにたて糸の補 糸条を配すれば、前述のようなNCWの望まし 形態を容易に採ることができる。よこ糸の 助糸条は、一方向織物構成とする際の基材 状の保持ができればよい。

 上記湾曲周方向配向強化繊維層は、上記 曲形状強化繊維積層体の平面方向全体にわ って延在されていることが好ましい。例え 、この平板状の湾曲形状強化繊維積層体を ウエブ部とフランジ部を有する横断面形状 プリフォームに賦形し、それと対応する横 面形状を有する繊維強化複合材料へと成形 ていく場合、0°層(強化繊維糸条が上記湾曲 形状の周方向に沿う方向に配向された層)は ウエブ部やフランジ部のみに配置されてい よりは、ウエブ部とフランジ部を含め全体 わたって配置されている方が好ましく、そ によって、最終的に成形される繊維強化複 材料の全体に対して目標とする強度や剛性 与えやすくなる。

 また、上記湾曲形状強化繊維積層体にお る複数積層された強化繊維層の中には、上 0°層以外に、さらに、強化繊維糸条が上記 曲形状の周方向に対する角度が鋭角(例えば 、±45°層)または垂直となる方向(90°層)に並 に配列された強化繊維層を含ませることが きる。この構成は、鋭角の層(例えば、±45° )と垂直となる方向の層(90°層)の両層が存在 する形態も含む。0°層は、長尺の湾曲繊維強 化複合材料への成形後には主として長手方向 における曲げ強度や曲げ剛性を担うことにな るが、このように積層体が0°層以外に各方向 の強化繊維層を含むことにより、湾曲繊維強 化複合材料の曲率半径方向の強度や剛性を高 めたり、捩じり剛性を高めたりすることが可 能になり、全体として総合的に強度や剛性が 高められ、しかも、全体にわたって機械特性 のバランスの向上も可能になる。

 また、上記平板状の複数の強化繊維層は 層状態にて一体化されている形態を採用す ことができる。一体化されていると、湾曲 状強化繊維積層体が長尺であっても、容易 一素材として扱うことが可能になり、次の 程への移送や、次の工程での取扱いも容易 される。

 上記一体化は、複数の強化繊維層が、互い 接着されることにより一体化されているこ が、一体化のための手間や準備がはるかに なくて済むことから、より好ましい。とく 、積層方向に互いに隣接する強化繊維層の なくとも一方の少なくとも片面に、熱可塑 樹脂を主成分とする樹脂材料が付与されて り、該樹脂材料を介して隣接する強化繊維 同士が互いに接着されている形態が好まし 。この積層体における樹脂材料は、強化繊 層1層に対し、2g/m 以上40g/m 以下の範囲内の付着量にて、該強化繊維層の 少なくとも片面に付与されていることが好ま しい。この樹脂材料は、本来複合材料のCAIの 向上を目的として付着されており、その樹脂 材料を積層体においては基材同士の(強化繊 層同士の)部分接着、プリフォームにおてい 基材同士の全面接着に利用するものである すなわち、積層体において、基材間(強化繊 維層間)を全面接着すると、プリプレグと同 に強化繊維糸条が適当にずれることができ くなって賦形性が悪化するので、積層体に いては部分接着がよい。一旦賦形してしま た後は、基材に賦形性は必要ないため、全 接着して、プリフォーム形状を保持するこ が好ましい。さらに、積層体全体を所定の 態に維持する観点から、上記点在状態また 不連続状態で付与された樹脂材料は互いに 面する強化繊維層間で、該強化繊維層の全 にわたって強化繊維層同士の接着に用いら ていることが好ましく、かつ、該樹脂材料 、対面(相対する面)の基材の全面にわたり、 部分的に接着しており、かつそれぞれの接着 部分の最大長さは1mm以上強化繊維糸条の幅H 下であることが好ましい。すなわち、本発 の積層体は、基材の全面に点状、線状また 不連続線状に付着している樹脂材料の一部 対面の基材に一体化、つまり接着すること よって構成されていることが好ましい。積 体における基材間を部分的に接着する方法 しては、治具を用いて接着する箇所のみを 圧した状態にて加熱することにより、接着 ることができる。部分的に接着することに って、積層体として取扱いが可能でありな ら、良好な賦形性を損なうことがないため ましい。上記の如く、積層体における基材 を部分的ではなく、全面にわたって接着す と、接着しない場合に比べて賦形性が損な れるため、後の工程で積層体を賦形する際 、賦形の形状によっては、皺が発生するこ がある。

 また、上記湾曲形状強化繊維積層体にお る上記湾曲形状強化繊維基材は、前述の如 、上記強化繊維糸条として炭素繊維糸条を むことが好ましい。炭素繊維を使用するこ により、複合材料成形後に高い強度や剛性 発現可能となる。ただし、他の強化繊維、 えばガラス繊維やアラミド繊維等も使用可 であり、2種以上の強化繊維を含むハイブリ ッド構成も採用可能である。

 本発明に係る湾曲形状強化繊維積層体の製 方法は、平面形状が湾曲形状である平板状 強化繊維層を複数積層して積層体を製造す に際し、
 前述の湾曲形状強化繊維基材を用いて、複 の強化繊維糸条が前記湾曲形状の周方向に う方向に並行に配列された湾曲周方向配向 化繊維層を形成し、
 該湾曲周方向配向強化繊維層を、積層すべ 複数の強化繊維層の中の少なくとも1層とし て積層することを特徴とする方法からなる。

 すなわち、順次積層される強化繊維層の の少なくとも1層に、よこ糸の補助糸条を備 えた湾曲形状強化繊維基材を用いて形成した 湾曲周方向配向強化繊維層を使用することに より、前述の如き優れた特性の湾曲形状強化 繊維積層体を製造できる。

 上記湾曲周方向配向強化繊維層を形成する 際しては、例えば、
 連続した強化繊維糸条を複数一方向に並行 るように引き揃えた強化繊維糸条群と、前 強化繊維糸条と交差する方向に延在し複数 強化繊維糸条群を結束する補助糸条から構 された一方向強化繊維織物を、複数の強化 維糸条群の一部を含みかつ該強化繊維糸条 に並行になるように切断することにより、 定の幅を有する複数の一方向強化繊維糸条 (例えば、所定の幅を有する複数のテープ状 一方向強化繊維糸条束)を作製し、
 該複数の一方向強化繊維糸条束を、前記湾 周方向配向強化繊維層の平面形状を完成す まで、前記湾曲形状の周方向に沿う方向に 行に所定本数互いに隣接させて配列するこ ができる。一方向強化繊維糸条束は、横断 矩形状のものが好ましいが、矩形以外の横 面の基材であってもよい。すなわち、この 法は、所定の幅を有する複数の一方向強化 維糸条束を前もって作製し、それらを所定 幅を持った平板状の湾曲形状を形成できる うに順次隣接させて配列していく方法であ 。

 また、上記湾曲周方向配向強化繊維層とは の積層すべき強化繊維層の中の少なくとも1 層を形成するに際しては、例えば、
 連続した強化繊維糸条を複数一方向に並行 るように引き揃えた強化繊維糸条群と、前 強化繊維糸条と交差する方向に延在し複数 強化繊維糸条群を結束する補助糸条から構 された一方向強化繊維織物を、強化繊維糸 と直交する方向に切断することにより複数 直交切断一方向強化繊維糸条束を作製し、
 該複数の直交切断一方向強化繊維糸条束を 各糸条束の強化繊維糸条が前記湾曲形状の 方向に延びるように、前記湾曲形状の周方 に沿う方向に配置するとともに、前記湾曲 状内の外側部位においては、互いに隣接す 強化繊維糸条の間の隙間を拡げ、前記湾曲 状内の内側部位においては、互いに隣接す 強化繊維糸条の間の隙間を狭めるように変 させて配置することができる。すなわち、 る幅を持った直交切断一方向強化繊維糸条 を、強化繊維糸条が上記湾曲形状の径方向 延びるように湾曲形状の周方向に沿う方向 順次配置していく場合、単にそのまま配置 たのでは、湾曲形状内の外側部位と内側部 間に周長差が存在するため、外側部位では 接糸条束間に比較的大きな隙間が生じるお れがあり、内側部位では隣接糸条束同士が ーバラップしたりするおそれがある。そこ 上記の如く、湾曲形状内の外側部位では強 繊維糸条の間の隙間を拡げ、湾曲形状内の 側部位では強化繊維糸条の間の隙間を狭め ように糸条束を変形させて配置することに り、このようなおそれを除去できるととも 、強化繊維糸条の配置密度には差があるも の湾曲形状内の全体にわたって強化繊維糸 は切れ目なく層形態をなすように存在する とができるようになる。

 また、上記湾曲周方向配向強化繊維層とは の積層すべき強化繊維層の中の少なくとも1 層を形成するに際し、例えば、
 連続した強化繊維糸条を複数一方向に並行 るように引き揃えた強化繊維糸条群と、前 強化繊維糸条と交差する方向に延在し複数 強化繊維糸条群を結束する補助糸条から構 された一方向強化繊維織物を、強化繊維糸 と直交する方向に切断することにより複数 直交切断一方向強化繊維糸条束を作製し、
 該複数の直交切断一方向強化繊維糸条束を 各糸条束の強化繊維糸条が前記湾曲形状の 方向に延びるように、前記湾曲形状の周方 に沿う方向に配置するとともに、前記湾曲 状内の外側部位においては、互いに隣接す 前記直交切断一方向強化繊維糸条束の間に 間を設け、前記湾曲形状内の内側部位にお ては、互いに隣接する前記直交方向一方向 化繊維糸条束の間の隙間を狭めるように配 することができる。すなわち、湾曲形状内 外側部位と内側部位間の周長差によって、 接直交切断一方向強化繊維糸条束間にやむ 得ず隙間が生じる場合にあっては、湾曲形 内の内側部位においては極力その隙間を狭 ることにより、好ましくは湾曲形状内の内 部位においては隣接直交切断一方向強化繊 糸条束同士の端縁が当接する状態とするこ により、直交切断一方向強化繊維糸条束が たすべき強度、剛性向上機能等を最大限発 させることが可能となる。

 上記直交切断一方向強化繊維糸条束の配置 の工夫は、湾曲形状の径方向(90°方向)以外 斜め方向に強化繊維が配向される強化繊維 対しても適用できる。例えば、上記湾曲周 向配向強化繊維層とは別の積層すべき強化 維層の中の少なくとも1層を形成するに際し 、
 連続した強化繊維糸条を複数一方向に並行 るように引き揃えた強化繊維糸条群と、前 強化繊維糸条と交差する方向に延在し複数 強化繊維糸条群を結束する補助糸条から構 された一方向強化繊維織物を、強化繊維糸 と所定の鋭角を成す方向に切断することに り複数の鋭角切断一方向強化繊維糸条束を 製し、
 該複数の鋭角切断一方向強化繊維糸条束を 各糸条束の強化繊維糸条が前記湾曲形状の 方向と所定の角度を成す方向に延びるよう 、前記湾曲形状の周方向に沿う方向に配置 るとともに、前記湾曲形状内の外側部位に いては、互いに隣接する強化繊維糸条の間 隙間を拡げ、前記湾曲形状内の内側部位に いては、互いに隣接する強化繊維糸条の間 隙間を狭めるように変形させて配置するこ ができる。

 また、上記湾曲周方向配向強化繊維層とは の積層すべき強化繊維層の中の少なくとも1 層を形成するに際し、
 連続した強化繊維糸条を複数一方向に並行 るように引き揃えた強化繊維糸条群と、前 強化繊維糸条と交差する方向に延在し複数 強化繊維糸条群を結束する補助糸条から構 された一方向強化繊維織物を、強化繊維糸 と所定の鋭角を成す方向に切断することに り複数の鋭角切断一方向強化繊維糸条束を 製し、
 該複数の鋭角切断一方向強化繊維糸条束を 各糸条束の強化繊維糸条が前記湾曲形状の 方向と所定の角度を成す方向に延びるよう 、前記湾曲形状の周方向に沿う方向に配置 るとともに、前記湾曲形状内の外側部位に いては、互いに隣接する前記鋭角切断一方 強化繊維糸条束の間に隙間を設け、前記湾 形状内の内側部位においては、互いに隣接 る前記鋭角切断一方向強化繊維糸条束の間 隙間を狭めるように配置することができる

 本発明に係るプリフォームは、湾曲形状 有する板状の強化繊維層が複数積層された 曲形状強化繊維積層体の形態を有し、前記 数積層された強化繊維層の中に、前述の湾 形状強化繊維基材を用いて形成された、強 繊維糸条が前記湾曲形状の周方向に沿う方 に並行に配列されてなる湾曲周方向配向強 繊維層が少なくとも1層含まれているととも に、強化繊維糸条が前記湾曲形状の径方向に 沿う方向に並行に配列された強化繊維層およ び/または強化繊維糸条が前記湾曲形状の周 向に対する角度が鋭角となる方向に並行に 列された強化繊維層とが含まれており、前 湾曲形状強化繊維積層体が、該積層体の長 方向と直交する積層体幅方向の断面で見て 前記湾曲形状の周縁に沿って折れ曲がった ランジ状部を有する形状に賦形されている とを特徴とするものからなる。すなわち、 述の湾曲形状強化繊維基材を用いて形成さ た平板状のドライの湾曲形状強化繊維積層 が、フランジ状部を有する横断面形状に賦 されたものであり、所定の長尺湾曲形状を する繊維強化複合材料成形のための中間形 体としてのプリフォームである。

 上記プリフォームにおいては、前述の湾 形状強化繊維積層体と同様、上記湾曲周方 配向強化繊維層は、強化繊維糸条が上記湾 形状の周方向に沿う方向に並行に配列され テープ状の強化繊維糸条束が、複数、湾曲 状の径方向に隣り合うように配列されて形 されていることが好ましい。

 また、上記フランジ状部は、上記湾曲形 強化繊維積層体の幅方向片側のみに形成さ る形態も可能であるが、湾曲形状強化繊維 層体の幅方向両側に形成されている場合に 、両フランジ状部のうち、湾曲形状の曲率 径が大きい側の湾曲形状の周縁に沿って折 曲がったフランジ状部が、上記積層体の長 方向に複数のフランジ状部に分割されてお 、隣接する分割フランジ状部間に空間が形 されている構成とすることができる。この うな構成においては、曲率半径が大きい側 フランジ状部に、折り曲げの際に皺が発生 るおそれがあった場合にあっても、各分割 ランジ状部間に空間が存在するため、皺の い状態に保たれ、良好な所定の横断面形状 保たれる。

 また、プリフォームに賦形された際に、 定の横断面形状に保たれるためには、賦形 リフォームの素材である上記複数の板状の 化繊維層が、積層方向に互いに隣接する強 繊維層間に点状、線状または不連続状に付 された熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材 を介して強化繊維層同士が互いに接着され ことにより一体化されていることが好まし 。この樹脂材料の好ましい付与形態は、前 した通りである。本発明の積層体を所定の リフォームの形状に賦形した後は、プリフ ームの形状を保持するために強化繊維基材 士が全面にわたり接着一体化されているこ が好ましい。プリフォームの形状を保持で ることにより、プリフォームの搬送が容易 なり、かつ、賦形用とは別の成形用の型に 精度をもって配置することができる。

 本発明に係るプリフォームの製造方法は、 面形状が湾曲形状である平板状の複数の強 繊維層として、前述の湾曲形状強化繊維基 を用いて形成され、強化繊維糸条が前記湾 形状の周方向に沿う方向に並行に配列され なる湾曲周方向配向強化繊維層と、強化繊 糸条が前記湾曲形状の径方向に沿う方向に 行に配列された強化繊維層および/または強 化繊維糸条が前記湾曲形状の周方向に対する 角度が鋭角となる方向に並行に配列された強 化繊維層とを作製し、
 作製された複数の強化繊維層を予め定めら た所定の積層順に積層して湾曲形状強化繊 積層体を作製し、
 該湾曲形状強化繊維積層体を、該積層体の 手方向と直交する積層体幅方向の断面で見 、前記湾曲形状の周縁に沿って折り曲げる とにより、フランジ状部を有する形状に賦 することを特徴とする方法からなる。

 この方法においては、上記フランジ状部 賦形した状態で、例えば、上記湾曲形状強 繊維積層体を所定時間加熱することにより 樹脂材料を介して、基材同士を接着してプ フォームの賦形形態を固定することができ 。賦形形態を加熱固定しておくことにより プリフォーム全体として取り扱いやすくな とともに、局部的な強化繊維の乱れの発生 防止することも可能になり、最終的に繊維 化複合材料に成形した場合の、機械特性の 好な均一性を保証できるようになる。

 また、上記方法においても、上記フラン 状部を、湾曲形状強化繊維積層体幅方向の 側で折り曲げ形成することにより、横断面C 形や横断面Z形のプリフォームの製造が可能 ある。また、この場合、湾曲形状強化繊維 層体幅方向の両側で折り曲げ形成すべきフ ンジ状部形成部のうち、湾曲形状の曲率半 が大きい側の湾曲形状の周縁に沿って折れ げ形成すべきフランジ状部形成部を、予め 記積層体の長手方向に複数のフランジ状部 成部に分割するとともに隣接する分割フラ ジ状部形成部間に空間を形成した後、各分 フランジ状部形成部を折り曲げてフランジ 部を有する形状に賦形することが好ましい このように予め分割し空間を形成しておく とにより、曲率半径が大きい側の湾曲形状 周縁に沿ってフランジ状部を折り曲げ形成 る際皺が発生しにくくなり、容易に所望の ランジ状部を折り曲げ形成できるようにな 。湾曲形状強化繊維積層体幅方向の両側に ランジ状部を折り曲げ形成する場合、上記 ような空間を設けていないフランジ部該当 所を先に賦形した後に、空間が設けられて るフランジ部該当箇所を賦形することによ 、皺の発生をより効率よく抑制できるよう なる。

 また、上記フランジ状部は、例えば、所 形状の成形型上に上記湾曲形状強化繊維積 体を配置し、該湾曲形状強化繊維積層体上 弾力性を有するシートを被せて該湾曲形状 化繊維積層体を密封し、シート内部を減圧 シート外部との差圧によってシートで湾曲 状強化繊維積層体を前記成形型に沿わせて 成形型に向けて押圧することにより、折り げ形成することができる。プリフォームは 該湾曲形状強化繊維積層体を押圧した状態 おいて、加熱することにより、強化繊維基 同士を全面にわたり接着一体化することも ましい。

 あるいは、上記フランジ状部を、所定形 の両面型内に上記湾曲形状強化繊維積層体 配置し、該両面型内で前記湾曲形状強化繊 積層体を押圧することにより、折り曲げ形 することもできる。この場合においても、 リフォームは、該湾曲形状強化繊維積層体 押圧した状態において、加熱することによ 、強化繊維基材同士を全面にわたり接着一 化することも好ましい。

 さらに、上記フランジ状部を、所定形状 成形型の両側にそれぞれ、独立して膨縮動 可能なブラダー(bladder) を設け、成形型上 上記湾曲形状強化繊維積層体を配置し、配 された湾曲形状強化繊維積層体の各ブラダ の位置に対応する各部分を、各ブラダーの 縮動作により前記成形型に沿う形状に賦形 ることにより、折り曲げ形成することもで る。

 このブラダーを使用する方法においては ブラダーが成形型の両側にそれぞれ設けら 、かつ、それぞれのブラダーが独立して膨 動作可能であるので、成形型上に配置され 湾曲形状強化繊維積層体の各ブラダーの位 に対応する各部分の、成形型に対する賦形 向は制限されず、賦形のタイミングも制限 れない。したがって、C形断面等のフランジ 状部が同じ方向へ屈曲賦形することが要求さ れる場合、Z形断面等の互いに異なる方向へ 屈曲賦形が要求される場合のいずれの場合 も賦形が可能になる。また、両側に配置し ブラダーの膨張動作のタイミングをずらす とにより、一方のブラダーの膨張動作によ 賦形時に賦形前の強化繊維積層体に皺やそ 他の不具合がたとえ発生しようとしたとし も、独立作動可能な他方のブラダーの膨張 作による賦形時にその皺やその他の不具合 解消するように伸ばしながら賦形すること 可能になり、円滑にかつ容易に目標品質に 所望形状への賦形を行うことが可能になる このように、ブラダーの膨張動作の順番を 御することで、湾曲形状強化繊維積層体の ブラダーの位置に対応する各部分を、順に 形することができ、それによって賦形時の 等の不具合の発生を抑制することができる

 もちろん、湾曲形状強化繊維積層体の各 ラダーの位置に対応する各部分を、同時に 形することも可能であり、皺等の不具合の 生のおそれが無いか少ない場合には、同時 形によって賦形時間を短縮できる。

 また、一つの成形型を用いて湾曲形状強 繊維積層体を賦形することも可能であるが 湾曲形状強化繊維積層体を成形型間に挟持 、成形型の両側に延在する部分を各ブラダ の膨張動作により賦形することもできる。 曲形状強化繊維積層体を成形型間に挟持す ことで、積層体の各部分を賦形する際にも 積層体全体を所定姿勢に保持することが可 になり、所定形状への賦形の精度が向上す 。

 賦形は基本的には成形型に沿う形状にな ように、湾曲形状強化繊維積層体の所定部 を成形型の対応部分に押し付ければよい。

 また、ブラダーの膨張動作については、 なくとも各ブラダーを密閉可能なチャンバ 内に収容し、該チャンバー内を減圧するこ により各ブラダーを膨張させることができ 。この場合には、例えば、チャンバー内の 圧時に各ブラダー内に大気を導入するよう することができる。つまり、減圧されたチ ンバー内圧と大気圧との差圧を利用してブ ダー内に大気を導入することができる。

 あるいは、各ブラダー内に加圧流体を導 することにより各ブラダーを膨張させるこ もできる。この場合には、上記のような減 作動可能なチャンバーは不要である。上述 如く大気圧を利用するか、加圧流体を導入 るかは、賦形される強化繊維基材の性状や イズに応じて適宜決定すればよい。

 また、上記賦形動作は、湾曲形状強化繊 積層体の長手方向に順に行うことも可能で る。例えば、長手方向に所定の長さを賦形 た後、積層体を引き抜いて賦形装置に対す 相対位置をずらし、長手方向に隣接する箇 を続けて賦形することを繰り返す方法を採 できる。この方法では、真空チャンバーの 密を保持することが難しいので、加圧流体 導入する方法を採用することがより好まし 。とくに、賦形される湾曲形状強化繊維積 体が長尺の場合には有効であり、小型の賦 装置でもって、長尺の湾曲形状強化繊維積 体を順に所定形状に賦形していくことが可 である。

 このようなブラダーによる賦形動作にお ては、独立作動可能なブラダーによる賦形 作のタイミングを賦形部分に応じてずらし 賦形の順番を制御することにより、皺の発 を抑える、または最終製品の形状外の箇所 皺を発生させて製品の形状内の皺の発生を える、または皺を分散させて大きな皺の発 を抑えることなどが可能になり、良好な品 での賦形が可能になる。

 このようなブラダーを使用する方法では 用いる装置として、基本的に駆動系を必要 しないか、大がかりな駆動系を必要とせず 簡単で安価な装置構造に構成可能であり、 立作動可能な各ブラダーの膨縮動作のみで C形断面はもとよりZ形断面等の賦形のため 屈曲方向が互いに異なる断面形状であって 、さらには本発明の如く長手方向に湾曲す 部分を有する形状であっても、皺等の問題 発生させることなく円滑にかつ容易に所望 状の賦形を行うことができる。

 本発明に係る繊維強化樹脂複合材料の製造 法は、平面形状が湾曲形状である平板状の 数の強化繊維層として、前述の湾曲形状強 繊維基材を用いて形成され、強化繊維糸条 前記湾曲形状の周方向に沿う方向に並行に 列されてなる湾曲周方向配向強化繊維層と 強化繊維糸条が前記湾曲形状の径方向に沿 方向に並行に配列された強化繊維層および/ または強化繊維糸条が前記湾曲形状の周方向 に対する角度が鋭角となる方向に並行に配列 された強化繊維層とを作製し、
 作製された複数の強化繊維層を予め定めら た所定の積層順に積層して湾曲形状強化繊 積層体を作製し、
 該湾曲形状強化繊維積層体を、該積層体の 手方向と直交する積層体幅方向の断面で見 、前記湾曲形状の周縁に沿って折り曲げる とにより、フランジ状部を有する形状のプ フォームに賦形し、
 賦形されたプリフォームに樹脂を含浸し、
 含浸した樹脂を硬化させることを特徴とす 方法からなる。

 この方法においては、例えば、上記フラ ジ状部を賦形した状態で、上記湾曲形状強 繊維積層体を所定時間加熱してプリフォー の賦形状態を固め、しかる後に樹脂を含浸 ることができる。加熱により、樹脂材料に る接着を介してプリフォームの賦形状態を めておくことにより、樹脂含浸時にもその 態が崩れることが防止され、最終的に目標 する形状の繊維強化樹脂複合材料が精度良 得られるようになる。

 また、繊維強化樹脂複合材料の成形には 上記賦形されたプリフォームを成形型上に 置し、該プリフォームをバッグ材で覆って 部を密閉し、密閉された内部を吸引により 圧して減圧された内部に樹脂を注入し、注 された樹脂をプリフォームに含浸させ、含 された樹脂を硬化させる方法を採用できる

 あるいは、繊維強化樹脂複合材料の成形 は、上記賦形されたプリフォームを両面型 らなる成形型内に配置し、該成形型内に樹 を注入し、注入された樹脂をプリフォーム 含浸させ、含浸された樹脂を硬化させる方 も採用できる。

 本発明に係る繊維強化樹脂複合材料は、 記のような方法により製造されたものから る。

 本発明に係る繊維強化樹脂複合材料は、 くに軽量特性が要求される長尺の湾曲構造 に好適なものであり、例えば、航空機の胴 フレームとして好適なものである。

 本発明によれば、長手方向に沿って所定 形状に湾曲し、その湾曲形状に沿って強化 維が望ましい形態で精度良く配向された湾 形状強化繊維基材を提供できる。また、こ 湾曲形状強化繊維基材を少なくとも1層の強 化繊維として用い、複数の強化繊維層を積層 することにより、全体として強化繊維が望ま しい形態で精度良く配向されたドライの湾曲 形状強化繊維積層体を提供できる。また、こ のような望ましい形態の強化繊維積層体を、 効率よくかつ短時間で作製可能な湾曲形状強 化繊維積層体の製造方法を提供できる。

 また、上記湾曲形状強化繊維積層体を用 て、フランジ状部等を有する所定の横断面 状に精度良く賦形されたプリフォームを提 できる。また、このような望ましい形態の リフォームを効率的に所定の横断面形状に 時間で賦形可能なプリフォームの製造方法 提供できる。また、このような望ましい形 のプリフォームを、簡単な構造で安価に構 可能な設備を使用して、C形断面はもとより Z形断面等の賦形のための屈曲方向が異なる 面形状であっても、皺等の問題を発生させ ことなく円滑にかつ容易に所定横断面形状 プリフォームに賦形することが可能なプリ ォームの製造方法も提供できる。

 また、上記プリフォームを用いて、長手 向に沿って目標とする湾曲した形状に精度 く成形された比較的長尺の繊維強化複合材 と、その製造方法を提供できる。とくに、 空機の胴体フレーム等として好適な長尺の 曲繊維強化複合材料を、安価にかつ大量生 に適した状態で提供できる。

 さらに、長手方向に沿って湾曲した形状 有する長尺の繊維強化複合材料において、 曲の周方向を基準の方向(0°方向)としてす ての強化繊維が所望の方向に配列している 維強化複合材料およびその製造方法を提供 きる。そして、湾曲の周方向に沿って0°配 強化繊維を配列することにより、周方向の 性を向上できること、また、周方向のいず の箇所においても、実質的に湾曲の周方向 対して、同一の積層構成を有することがで る。

本発明の一実施態様に係る湾曲形状強 繊維基材の概略平面図である。 本発明の一実施態様に係る湾曲形状強 繊維基材の作製例を示す概略平面図である 本発明における90°配向湾曲形状強化繊 維基材の作製例を示す概略平面図である。 本発明における鋭角配向湾曲形状強化 維基材の作製例を示す概略平面図である。 比較のために示した従来の強化繊維基 の概略構成図であり、(A)は0°配向基材、(B) 90°配向基材、(C)は45°配向基材を示してい 。 従来の0°配向強化繊維基材から湾曲形 の基材を切り出す場合の一例を示す概略構 図である。 湾曲周方向配向強化繊維基材の実際の 製例を示す平面図である。 湾曲周方向配向強化繊維基材の別の実 の作製例を示す平面図である。 鋭角配向強化繊維基材の実際の作製例 示す平面図である。 接着用の樹脂材料付与例を示す一方向 強化繊維織物の部分斜視図である。 本発明の一実施態様に係る湾曲形状強 化繊維積層体の各強化繊維層を分解して示し た平面図である。 本発明の一実施態様に係るプリフォー ムの斜視図である。 本発明の別の実施態様に係るプリフォ ームの斜視図である。 本発明のさらに別の実施態様に係るプ リフォームの斜視図である。 本発明における弾力性シートを用いた プリフォームの賦形の一例を示す賦形装置の 概略断面図であり、(A)~(C)は賦形の順序を示 ている。 本発明におけるブラダーを用いたプリ フォームの賦形の一例を示す賦形装置の概略 断面図であり、(A)~(C)は賦形の順序を示して る。 本発明におけるプリフォームの一例を 示す斜視図である。 本発明におけるプリフォームの別の例 を示す斜視図である。 本発明の一実施態様に係る湾曲形状繊 維強化樹脂複合材料の製造方法を示す成形装 置の概略斜視図である。 本発明の別の実施態様に係る湾曲形状 繊維強化樹脂複合材料の製造方法を示す成形 装置の概略斜視図である。 実施例1で用いた湾曲形状強化繊維基 織機の概略斜視図である。 実施例5で作製した切欠きを有する湾 形状強化繊維積層体の概略平面図である。 比較例1で作製した強化繊維層を観察 た図である。 ブラダーを用いた展開技術における代 表的な強化繊維基材の賦形形状を示す斜視図 である。 本展開技術における別の代表的な強化 繊維基材の賦形形状(湾曲部を有する場合)を す斜視図である。 本展開技術におけるさらに別の代表的 な強化繊維基材の賦形形状(湾曲部およびス ットを有する場合)を示す斜視図である。 本展開技術におけるさらに別の代表的 な強化繊維基材の賦形形状(湾曲部およびス ットを有する場合)を示す斜視図である。 本展開技術における賦形の一例を示す 賦形装置の概略断面図である。 図28の次のステップを示す賦形装置の 略断面図である。 図29の次のステップを示す賦形装置の 略断面図である。

符号の説明

1 湾曲形状強化繊維基材
2 強化繊維糸条
3 湾曲形状の周方向
4 よこ糸の補助糸条
5 たて糸の補助糸条
11 テープ状の強化繊維糸条束
12 湾曲テープ状強化繊維糸条束
13 0°配向湾曲形状強化繊維基材
21 強化繊維糸条束
22 扇状強化繊維糸条束
23 90°配向湾曲形状強化繊維基材
24 強化繊維糸条間の隙間
25 湾曲形状の径方向内側
26 湾曲形状の径方向外側
27 強化繊維糸条束間の隙間
31 強化繊維糸条束
32 変形強化繊維糸条束
33 鋭角配向湾曲形状強化繊維基材
34 強化繊維糸条間の隙間
35 湾曲形状の径方向内側
36 湾曲形状の径方向外側
37 強化繊維糸条束間の隙間
41a 0°配向基材
41b 90°配向基材
41c 45°配向基材
42 湾曲形状基材
51 0°配向湾曲形状強化繊維基材
52 0°配向湾曲形状強化繊維基材
53 鋭角配向湾曲形状強化繊維基材
61 一方向強化繊維織物
62 強化繊維糸条
63 よこ糸の補助糸条
64 たて糸の補助糸条
65 樹脂材料
71 湾曲形状強化繊維積層体
72、72a、72b、72c、72d 強化繊維層
81、91、101 プリフォーム
82a、82b、92a、92b、102a、102b フランジ状部
83、93、104 ウエブ部
102a’ 分割フランジ状部
103 空間
111 賦形型
112 湾曲形状強化繊維積層体
113 弾力性シート
114 シーラント
115 真空吸引手段
116 大気圧
117 C形断面プリフォーム
118 熱媒の流路
121 チャンバー
122、123 成形型としてのマンドレル
124 湾曲形状強化繊維積層体
125、126 ブラダー
127 大気
128 積層体の一方側の端部
129 積層体の他方側の端部
130 Z形断面プリフォーム
131、132、141、151 プリフォーム
142 成形型
143 バッグ材
152 下型
153 上型
154 両面型からなる成形型
161 湾曲形状強化繊維基材織機
162 0°配向湾曲形状強化繊維基材
163 強化繊維糸条
164 たて糸の補助糸条
165、166 ヘルド
167 筬
168 よこ糸の補助糸条
169 よこ糸入れ機構
170、171、172 マンドレル
173 樹脂材料散布装置
174 樹脂粒子
175 台座
181 湾曲形状強化繊維積層体
182 切欠き
191 強化繊維層
192 うねり
201、211、221、231 賦形後の強化繊維基材
202、212、222、232 ウエブ部
203、204、213、214、223、224、233、234 フランジ
225、235 スリット
241 チャンバー
242、243 成形型としてのマンドレル
244 強化繊維基材としての積層体
245、246 ブラダー
247 大気
248 積層体の一方側の端部
249 積層体の他方側の端部
250 Z形断面プリフォーム

 以下に、本発明について、望ましい実施の 態とともに、図面を参照しながら、より具 的に説明する。
 図1は、本発明の一実施態様に係る湾曲形状 強化繊維基材1を示している。図1に示す湾曲 状強化繊維基材1は、平面形状が幅Wで曲率 径Rの湾曲形状に形成されており、複数の(図 示例では、7本の)強化繊維糸条2がこの湾曲形 状の周方向3(0°方向)に沿う方向に並行に配列 されており、該周方向の一方向に配列されて いる複数の強化繊維糸条2と交差する方向(図 例では、湾曲形状周方向3と直交する方向(90 °方向))によこ糸の補助糸条4が配列されてい 。よこ糸の補助糸条4によって、基本的に複 数の強化繊維糸条2の所定の湾曲形態が保持 れているが、本実施態様では、強化繊維糸 2と並行する方向に、たて糸の補助糸条5が配 列されており、このたて糸の補助糸条5と上 よこ糸の補助糸条4とは、好ましくは互いに 絡され、両補助糸条4、5によって複数の強 繊維糸条2の所定の湾曲形態が保持されてい 。このような湾曲形状強化繊維基材1は、例 えば、複数の強化繊維糸条2を引き揃え、よ 糸の補助糸条4を配列させた状態において、 曲形状の曲率半径Rに沿うようにテーパロー ルなどにより巻き出すことにより、所定の湾 曲形状に形成することができる。

 強化繊維糸条、よこ糸の本数は特に限定 れるものではない。また、曲率半径Rは、図 1では、湾曲形状強化繊維基材の幅方向の中 における曲率を示しているが、曲率半径Rは 定の設計に基づいて、該基材の幅方向の両 部のいずれか、または、幅方向のいずれか 箇所に設定することもできる。また、本発 の湾曲形状強化繊維基材の曲率半径Rは、1m 上であることが好ましい。より好ましくは2 m以上である。曲率半径Rが1m未満であると、 化繊維糸条または、強化繊維糸条束の折曲 蛇行しわの発生などが生じやすくなるるた 好ましくない。一方、曲率半径Rが10m以上に っても、本発明は適用できるが、曲率半径R が大きくなればなる程、強化繊維糸条の配列 が直線に近づくため、本発明の利点が小さく なる。例えば、航空機用の胴体の構成部材の 製造に本発明を適用する場合を想定すると、 構成部材の曲率半径Rとして1~7mの範囲程度が められるが、この程度の範囲の曲率半径Rの 場合、本発明は最適に適用可能となる。

 上記のような湾曲形状強化繊維基材は、 えば図2に示すような強化繊維糸条束の配列 によって、より容易に作製することができる 。例えば図2(A)に示すように、複数の強化繊 糸条2が一方向に並行に、かつ直線状に延び ように配列され、よこ糸の補助糸条4とたて 糸の補助糸条5を有する一方向強化繊維織物 、強化繊維糸条2に沿う方向に、つまり、よ 糸の補助糸条4を切断する方向に切断して、 所定の幅を有する比較的狭幅の(幅W1の)テー 状の強化繊維糸条束11を複数作製する。次に 、図2(B)に示すように、各テープ状強化繊維 条束11を所定の曲率半径にて湾曲させ、湾曲 テープ状強化繊維糸条束12に形成する。そし 、図2(C)に示すように、湾曲テープ状強化繊 維糸条束12を所定本数、湾曲形状の径方向に いに隣り合うように配列することにより、 面形状として目標とする幅W2を有し、目標 する曲率半径Rの湾曲形状を有し、その湾曲 状の周方向3に沿って各強化繊維糸条2が並 に延びる、目標とする形態の強化繊維糸条2 0°方向(湾曲形状の周方向3)に並行に配列さ た0°配向湾曲形状強化繊維基材13を完成さ ることができる。

 後述する本発明における湾曲形状強化繊 積層体においては、平面形状が曲率半径Rの 湾曲形状である平板状の強化繊維層が複数積 層されたものに構成され、複数積層される強 化繊維層の少なくとも1層に、上記のような 化繊維糸条が湾曲形状周方向に沿って並行 延びる湾曲形状強化繊維基材が使用される 、残りの強化繊維層には、例えば図3や図4に 示すような、強化繊維糸条が異なる方向に並 行に延びる湾曲形状強化繊維基材を使用する ことができる。

 図3に示す湾曲形状強化繊維基材は、例え ば次のように作製される。例えば図3(A)に示 ように、複数の強化繊維糸条2が一方向に並 に、かつ直線状に延びるように配列され、 こ糸の補助糸条4とたて糸の補助糸条5を有 る所定幅の一方向強化繊維織物を、強化繊 糸条2と直交する方向に切断して、所定の幅 所定の長さを有する比較的狭幅の(幅W3の)強 化繊維糸条束21を複数作製する。このような 交切断強化繊維糸条束21の矩形形状のまま は、複数配列しても全体として湾曲形状を 成することができないため、図3(B)に示すよ に、各強化繊維糸条2間の間隔を調整して強 化繊維糸条束21を扇状に変形させ、扇状強化 維糸条束22に形成する。各強化繊維糸条2間 間隔は、各強化繊維糸条2が重ならず、且つ 3mm以内であることが好ましい。そのため使用 する一方向強化繊維織物は、構成する強化繊 維糸条の間にあらかじめ隙間を有している織 物であることも好ましい。そして、図3(C)に すように、扇状強化繊維糸条束22を所定個数 、湾曲形状の周方向3に互いに隣り合うよう 配列することにより、平面形状として目標 する幅W4(実質的にW4はW3に同じ)を有し、目標 とする曲率半径Rの湾曲形状を有し、その湾 形状の周方向3と直交する方向に各強化繊維 条2が並行に延びる、目標とする形態の強化 繊維糸条2が90°方向(湾曲形状の周方向3と直 する方向)に並行に配列された90°配向湾曲形 状強化繊維基材23を完成させることができる この湾曲形状強化繊維基材23においては、 接させて配列される各強化繊維糸条束22が図 3(B)に示したような扇形形状に形成されてい ことから、強化繊維糸条束22内における強化 繊維糸条2間の隙間24は、湾曲形状の径方向内 側25よりも径方向外側26の方が拡げられてい ことになる。湾曲形状強化繊維基材は、図3( C)の内側25では、強化繊維糸条2の密度が大き 、外側26では、強化繊維糸条2の密度が小さ なる傾向にあるが、強化繊維糸条2間に隙間 を設けることにより、湾曲形状強化繊維基材 の全体に隙間を分散させ、局所的に大きな隙 間を形成しないようにすることができるため 好ましい。さらに、隣接する強化繊維糸条束 22間の隙間27についても、湾曲形状強化繊維 材23の湾曲形状の径方向内側25よりも径方向 側26の方が拡げられるように形成すること より、湾曲形状強化繊維基材23全体として、 より望ましい強化繊維糸条2の分布形態の達 が可能となる。この強化繊維糸条束22間の隙 間27は、特に限定されないが、3mm以内になる うに設定することが好ましい。3mm以内にす ことにより、隙間があったとしても、複合 料において、顕著な物性低下が見られない め好ましい。

 図4に示す湾曲形状強化繊維基材は、例え ば次のように作製される。例えば図4(A)に示 ように、複数の強化繊維糸条2が一方向に並 に、かつ直線状に延びるように配列され、 こ糸の補助糸条4とたて糸の補助糸条5を有 る所定幅の一方向強化繊維織物を、強化繊 糸条2の延在方向に対して鋭角を成す方向に 断して、所定の幅と所定の長さを有する比 的狭幅(幅W5の)の強化繊維糸条束31を複数作 する。このような鋭角切断強化繊維糸条束3 1の菱形形状のままでは、複数配列しても全 として湾曲形状を形成することができない め、図4(B)に示すように、各強化繊維糸条2間 の間隔を調整して強化繊維糸条束31を扇状に た形状に変形させ、変形強化繊維糸条束32 形成する。そして、図4(C)に示すように、変 強化繊維糸条束32を所定個数、湾曲形状の 方向3に互いに隣り合うように配列すること より、平面形状として目標とする幅W6を有 、目標とする曲率半径Rの湾曲形状を有し、 の湾曲形状の周方向3に対し鋭角を成す方向 に各強化繊維糸条2が並行に延びる、目標と る形態の強化繊維糸条2が0°方向(湾曲形状の 周方向3)に対し鋭角の方向(例えば、+45°や-45 の方向)に並行に配列された鋭角配向湾曲形 強化繊維基材33を完成させることができる この湾曲形状強化繊維基材33においては、隣 接させて配列される各強化繊維糸条束32が図4 (B)に示したような扇形に似た形状に形成され ていることから、強化繊維糸条束32内におけ 強化繊維糸条2間の隙間34は、湾曲形状の径 向内側35よりも径方向外側36の方が拡げられ ている。上記90°配向湾曲形状強化繊維基材23 の場合と同様に、強化繊維糸条2間に隙間を けることにより、湾曲形状強化繊維基材の 体に隙間を分散させ、局所的に大きな隙間 形成しないようにすることができるため好 しい。さらに、隣接する強化繊維糸条束32間 の隙間37についても、湾曲形状強化繊維基材3 3の湾曲形状の径方向内側35よりも径方向外側 36の方が拡げられるように形成することによ 、湾曲形状強化繊維基材33全体として、よ 望ましい強化繊維糸条2の分布形態の達成が 能となる。この強化繊維糸条束32間の隙間37 も、特に限定されないが、3mm以内になるよう に設定することが好ましい。

 このように、図3(A)、図4(A)に示したよう 強化繊維糸条束に含まれる強化繊維糸条の 数および形状は、湾曲形状に強化繊維糸条 を配置したときに強化繊維糸条束間の隙間 少なくとも3mm以内になるようにすることが ましい。

 図5、図6に、比較のために、従来の強化 維基材における強化繊維糸条の配向状態と その基材から湾曲形状基材を切り出す場合 例を示す。図5に示すように、従来の一方向 材としては、強化繊維糸条2が0°方向に配向 された0°配向基材41a(図5(A))や、強化繊維糸条 2が90°方向に配向された90°配向基材41b(図5(B)) 、強化繊維糸条2が45°方向(または、-45°方向) に配向された45°配向基材41c(図5(C))が知られ いるが、強化繊維糸条2の配向形状が湾曲さ た長尺の基材を作製するためには、前述の うな本発明における特別の工夫が必要であ 。仮に、図6に示すように、図5(A)に示した うな0°配向基材41aから、図1に示したような 曲周方向3に沿って単に湾曲形状基材42を切 出したのでは、強化繊維糸条2を湾曲周方向 3に沿わせることはできない。

 前述のような本発明における強化繊維糸 束を用いて湾曲形状強化繊維基材を作製す に際しては、従来技術で作製される一方向 化繊維織物を用いることができるため、特 な織物の製織技術が不要である。また、湾 形状は、前述したように強化繊維糸条間の 間を調整することにより形成可能であり、 つ、隙間1つあたりの大きさは小さくて済む ため、材料均質化の観点からも好ましい形態 の基材を作製することができる。

 前述の図1に示したような形態の湾曲形状 強化繊維基材について、実際に作製したもの の例を図7に示す。図7に示す湾曲形状強化繊 基材は、複数の強化繊維糸条2を引き揃え、 よこ糸の補助糸条4を配列させた状態の織物 、所定の湾曲形状の曲率半径Rに対応したテ パを有するロールの間に挟み、ロールを回 することによって、該織物を引き出すこと より作製した一枚の基材からなる湾曲形状 化繊維基材51を示したものである。

 また、前述のような強化繊維糸条束を用 た方法で実際に作製された湾曲形状強化繊 基材について、図8に、図2に示した方法に り0°配向湾曲形状強化繊維基材52を作製した 例を、図9に、図4に示した方法により鋭角(-45 °)配向湾曲形状強化繊維基材53を作製した例 、それぞれ示す。図8に示す0°配向湾曲形状 強化繊維基材52においては、例えば4本の強化 繊維糸条から構成された強化繊維糸条束12が 所定本数、湾曲径方向に配列されて、目標 する幅を有する湾曲形状強化繊維基材52が 成されている。図9に示す鋭角配向湾曲形状 化繊維基材53においては、例えば12本の強化 繊維糸条から構成された鋭角切断強化繊維糸 条束32が、所定本数、湾曲周方向に配列され 、目標とする幅を有する湾曲形状強化繊維 材53が形成されている。

 上記のように作製された各強化繊維基材が 化繊維層として積層体へと積層される場合 平板状の各強化繊維層が積層状態にて一体 されていることが好ましく、とくに、樹脂 料による接着によって一体化されているこ が好ましい。すなわち、前述したように、 層方向に互いに隣接する強化繊維層の少な とも一方の少なくとも片面に(つまり、積層 される湾曲形状強化繊維基材の少なくとも片 面に)、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材 が点状、線状または不連続状に付与されて ることが好ましく、該樹脂材料を介して積 体の隣接する強化繊維層同士が互いに接着 れている形態が好ましい。例えば、図10に、 前述したような湾曲形状強化繊維基材へと形 成される一方向強化繊維織物の一部61を示す うに、一方向に並行に配列され強化繊維糸 62をよこ糸の補助糸条63およびたて糸の補助 糸条64の結束により所定形態に保持した一方 強化繊維織物61に、点状、線状または不連 状に熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料65 が付与されている形態とすることができ、こ の樹脂材料65を介して、強化繊維積層体を形 する際に隣接する強化繊維層同士を互いに 着することができる。この樹脂材料65の付 量は、前述の如く、2g/m 以上40g/m 以下の範囲にあることが好ましく、樹脂材料 のガラス転移温度が0℃以上95℃以下の範囲に あることが好ましい。このような樹脂材料65 付与により、湾曲形状強化繊維積層体とし の形態が保たれやすくなり、かつ、積層体 取り扱いやすくなる。

 上記のように作製された各湾曲形状強化 維基材を、各強化繊維層として積層するこ により、本発明に係る湾曲形状強化繊維積 体が作製される。図11は、本発明の一実施 様に係る湾曲形状強化繊維積層体の分解図 模式的に示している。本実施態様では、湾 形状強化繊維積層体71は、平面形状が曲率半 径Rの湾曲形状である平板状の強化繊維層72が 複数積層されたものからなる。図示例では、 強化繊維層72aとして、図1や図2に示したよう 、強化繊維糸条2が湾曲形状の周方向3に並 に配列された0°配向湾曲形状強化繊維基材 用いられ、強化繊維層72bとして、図3に示し ような、強化繊維糸条2が湾曲形状の周方向 3に対し直交する方向に並行に配列された90° 向湾曲形状強化繊維基材が用いられ、強化 維層72c,72dとして、図4に示したような、強 繊維糸条2が湾曲形状の周方向3に対し鋭角を 成す方向に並行に配列された-45°配向湾曲形 強化繊維基材および+45°配向湾曲形状強化 維基材が用いられている。各強化繊維層72の 少なくとも片面には、図10に示したように樹 材料が付与されていることが好ましく、そ によって各強化繊維層72が望ましい形態で 着一体化される。このような樹脂材料の付 により、湾曲形状強化繊維積層体71全体とし ての形態が保たれやすくなり、かつ、積層体 を取り扱いやすくなる。また、次に述べるプ リフォームに賦形する際、さらには、賦形さ れたプリフォームから繊維強化複合材料へと 成形する際に、所望の特性が得られやすくな る。

 上記のように作製された湾曲形状強化繊 積層体を用いて、フランジ状部を有する所 の横断面形状のプリフォームが賦形される プリフォームは、例えば、図12~14に示すよ な形状に賦形される。

 図12に示すプリフォーム81においては、例 えば図11に示したような積層により作製され 湾曲形状強化繊維積層体71が、該積層体71の 長手方向と直交する積層体幅方向の断面で見 て、湾曲形状の周縁に沿って(つまり、曲率 径Rの湾曲形状の周方向3に沿って)折れ曲げ 成されたフランジ状部82a、82bを有する形状 賦形されている。両フランジ状部82a、82bは 方向に折り曲げ形成されており、プリフォ ム81はC形の横断面形状を有している。フラ ジ状部82a、82bのウエブ部83に対する屈曲角と しては、90度以外であってもよく、ウエブ部8 3に対するフランジ状部82a、82bの屈曲角が互 に異なっていてもよい。また、フランジ状 82a、82bのサイズについても、同一でも互い 異なっていてもよい。このプリフォーム81は 、所定の長尺湾曲形状を有する繊維強化複合 材料成形のための中間形成体としてのドライ のプリフォームである。

 図13に示すプリフォーム91においては、例 えば図11に示したような積層により作製され 湾曲形状強化繊維積層体71が、曲率半径Rの 曲形状の周方向3に沿って折れ曲げ形成され たフランジ状部92a、92bを有する形状に賦形さ れている。本例では、両フランジ状部92a、92b はウエブ部93に対して互いに反対方向に折り げ形成されており、プリフォーム91はZ形の 断面形状を有している。

 図14に示すプリフォーム101においては、 えば図11に示したような積層により作製され た湾曲形状強化繊維積層体71が、曲率半径Rの 湾曲形状の周方向3に沿って折れ曲げ形成さ たフランジ状部102a、102bを有する形状に賦形 されている。本例では、両フランジ状部102a 102bはウエブ部104に対して互いに反対方向に り曲げ形成され、プリフォーム101はZ形の横 断面形状を有している。そして本例では、両 フランジ状部102a、102bのうち、湾曲形状の曲 半径が大きい側の湾曲形状の周縁に沿って れ曲がったフランジ状部102bが、積層体71の 手方向に複数のフランジ状部102b’に分割さ れており、隣接する分割フランジ状部102b’ に空間103が形成されている。空間103は、図 の如く、適当な長さ分、ウエブ部104まで延 ていることが好ましい。このように曲率半 が大きい側のフランジ状部102bを分割フラン 状部102b’と間に空間103を有する形状に形成 することにより、折り曲げの際に皺が発生す ることを防止可能となる。

 上記のようなプリフォームは、前述した うに、成形型とその上に配する弾力性シー を用いる方法、両面型を用いる方法、ブラ ーを用いる方法等の各種の方法によって賦 可能である。とくに前記のようなC形横断面 を有する形状に賦形する場合には、弾力性シ ートを用いる方法が簡易で好適であり、その 装置例を図15に示す。

 図15は賦形装置とプリフォームの横断面 示している。まず図15(A)に示すように、賦形 型111の所定の位置に、湾曲形状強化繊維積層 体112を配置する。次に(B)に示すように、弾力 性シート113で、湾曲形状強化繊維積層体112を 覆い、シーラント114などにより、弾力性シー ト113と賦形型111との間に密閉する。次に(C)に 示すように、密閉した内部を真空吸引手段115 で真空吸引して、減圧することにより、大気 圧116により湾曲形状強化繊維積層体112を賦形 型111に押しあてて、C形断面プリフォーム117 作製する。

 真空吸引した状態において、熱風オーブ などを利用して、プリフォーム117を加熱す ことにより、湾曲形状強化繊維積層体112の 化繊維層の間を、樹脂材料を介して全面に たり、接着一体化して、プリフォーム117の 定形状を保持することができる。また、真 吸引しながら加熱する時間及び温度を適切 調整することにより、接着一体化するだけ なく、プリフォーム117の厚みを調整するこ も可能である。加熱方法としては、図15に すように、賦形型111に設けた熱媒の流路118 、温水や温油などの熱媒を循環させる方法 採用も可能である。

 また、前述したようなZ形横断面を有する 形状に賦形する場合には、後述の図20に示す うな両面型を用いて賦形することも可能で るが、ブラダーを用いる方法が好適であり その装置例と賦形例を図16に示す。

  まず、図16(A)に示すように、チャンバー 121内の所定位置に、成形型としてのマンドレ ル122、123と、マンドレル122、123に挟持された 湾曲形状強化繊維積層体124と、マンドレル122 、123の両側にそれぞれ配置された独立して膨 縮動作可能なブラダー125、126を設ける。ブラ ダー125、126は、例えばシリコンゴムからなり 、内部に相対的な加圧流体が導入されること により膨張動作し、加圧流体が排出されるこ とにより収縮動作する。

 チャンバー121が密閉され、チャンバー121 ブラダー125収容側部分の内部が減圧される とにより、図16(B)に示すように、ブラダー12 5内に外部から大気127が導入されるとともに 導入された大気127の圧力(大気圧)と減圧され たチャンバー121の内圧との差圧による相対的 な加圧によりブラダー125が膨張する。この膨 張したブラダー125により、積層体124の断面の 一方側の端部128がマンドレル122に押し当てら れ、マンドレル122の側面形状に沿うフランジ 状部の形状に折り曲げられ賦形される。

 次に、チャンバー121のブラダー126収容側 分の内部が減圧されることにより、図16(C) 示すように、ブラダー126内に外部から大気12 7が導入されるとともに、導入された大気127 圧力(大気圧)と減圧されたチャンバー121の内 圧との差圧による相対的な加圧によりブラダ ー126が膨張する。この膨張したブラダー126に より、積層体124の断面の他方側の端部129がマ ンドレル123に押し当てられ、マンドレル123の 側面形状に沿うフランジ状部の形状に折り曲 げられ賦形される。積層体124の断面における 一方側の端部128がマンドレル122側に、他方側 の端部129がマンドレル123側に、互いに反対方 向に屈曲賦形されることにより、Z形断面プ フォーム130が形成される。

 次に、図16(C)の状態で加熱して、積層体12 4を賦形形状をホールドさせるようにする。 熱は、チャンバー121内全体を加熱してもよ 、マンドレル122、123を加熱媒体通液や電気 ータ等により加熱してもよい。さらに、ブ ダー125、126内への導入流体を加熱すること 可能である。

 上記のような賦形装置は、駆動系を有さ 、大気圧を加圧源としているため、装置構 が非常にシンプルである。また、各ブラダ 125、126による加圧の順番を制御することに り、賦形の順序を容易に制御することがで る。また、各ブラダー125、126による賦形の 序を制御するとともに、長尺積層体に対し 所定の賦形を行っていく場合、積層体を長 方向に適切にずらしながら賦形することが きるので、皺などが生じにくくなる。この き、図14に示したように、空間103を設けて き、空間103を間に分割フランジ状部102b’に 形する場合、皺等を一層発生しにくくする とができる。さらに、長尺積層体に対して 定形状のフランジ状部を賦形する際、湾曲 状積層体における長手方向中央部を先に賦 した後、該中央部の長手方向両側部分を賦 することも好ましい。

 なお、上記例では大気127をブラダー125、1 26内へ導入したが、前述したように、大気127 外の適当な加圧流体を導入することも可能 ある。その場合には、導入加圧流体でブラ ー125、126を膨張させることができるので、 閉可能なチャンバーは不要である。ただし ブラダー125、126が膨張して賦形方向に加圧 を発揮する際の反力を受ける部材は必要で る。

 さらに、このブラダーを使用する方法は C形横断面への賦形にも適用可能である。例 えば図16(A)~(C)において、ブラダー125、126をマ ンドレル122または123に対し左右対象位置に配 置すれば、容易にC形断面への賦形が可能に る。

 このように所定断面形状に賦形されたド イのプリフォームを用いて、該プリフォー にマトリックス樹脂を含浸し、含浸した樹 を硬化させることにより所望形状の繊維強 樹脂複合材料が成形される。この場合、プ フォームのフランジ状部を賦形した状態で 所定時間加熱してプリフォームの賦形状態 固め、しかる後に樹脂を含浸することもで る。加熱によりプリフォームの賦形状態を めておくことにより、樹脂含浸時にもその 態が崩れることが防止される。湾曲形状繊 強化樹脂複合材料の成形は、例えば、RTM成 方法(Resin Transfer Molding)によって行うこと でき、マトリックス樹脂(例えば、エポキシ 脂等の熱硬化性樹脂)がプリフォームに含浸 され、含浸された樹脂が所定温度に加熱され て硬化され、所望形状の繊維強化樹脂複合材 料が製造される。

 上記のように賦形されるプリフォームの を図17、図18に示す。図17は、C型横断面に形 成されたプリフォーム131を例示しており、図 18は、Z型横断面に形成されたプリフォーム132 を例示している。

 湾曲形状繊維強化樹脂複合材料の製造方 としては、前述の如く、バッグ材を用いる 法、両面型を用いる方法のいずれも採用で る。図19は、バッグ材を用いる方法(いわゆ 、真空アシストRTM成形方法)の一例を示して いる。前述の如く所定横断面形状に賦形され たプリフォーム141が成形型142上に配置され、 プリフォーム141がシート状のバッグ材143で覆 われて内部が密閉される。密閉された内部は 、吸引により減圧され、減圧された内部にマ トリックス樹脂が注入され、注入された樹脂 がプリフォーム141に含浸される。含浸された 樹脂は、例えば加熱により硬化される。この ような成形方法では、下型としての成形型142 さえ高精度に製作されていれば、バッグ材143 としては所定の面積を有するものを使用すれ ばよいので、極めて簡単に大型の湾曲形状繊 維強化樹脂複合材料を成形できる。

 また、図20に示す成形方法においては、 述の如く所定横断面形状に賦形されたプリ ォーム151が、下型152と上型153の両面型から る成形型154内に配置され、該成形型154内に トリックス樹脂が注入され(減圧による吸引 入、加圧注入のいずれでもよい)、注入され た樹脂がプリフォームに含浸され、含浸され た樹脂が例えば加熱により硬化される。この ような成形方法では、成形される繊維強化樹 脂複合材料の形状が両面から規定されるので 、より高精度で湾曲形状繊維強化樹脂複合材 料を成形することが可能である。

 以下、実施例及び比較例を用いて本発明を 体的に説明する。実施例及び比較例におけ 材料としては次のものを用いた。
・強化繊維糸条:ポリアクリロニトリル(PAN)系 炭素繊維糸条(24,000フィラメント、繊度1030tex 引張強度5.9GPa、引張弾性率294GPa)
・よこ糸の補助糸条:ガラス繊維糸条(繊度 4. 2tex)
・たて糸の補助糸条:ガラス繊維糸条(繊度22.5 tex)
・樹脂材料には次の材料から製造した粒子を 用いた。
“スミカエクセル”5003P(ポリエーテルスルホ ン、住友化学(株)製)
“エピコート”806(ビスフェノールF型エポキ 樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製)
“NC-3000”(ビフェニルアラルキル型エポキシ 脂、日本化薬(株)製)
“TEPIC”-P(イソシアヌレート型エポキシ樹脂 日本化学工業(株)製)
 “エピコート”806(23.5重量%)、NC-3000(12.5重量 %)、“TEPIC”-P(4重量%)を100℃において均一に るまで混合し、エポキシ樹脂混合物を得た 次に“スミカエクセル”5003P(60重量%)、エポ シ樹脂混合物を2軸押出機にて溶融混練して 相溶させた樹脂組成物を、冷凍粉砕して粒子 にした。得られた粒子の平均粒子径は90μmで った(レーザー回折・散乱法を用いた(株)セ シン社製LMS34)。

〔実施例1〕
 図21に示す湾曲形状強化繊維基材織機161を いて、図1に示した湾曲形状の周方向に強化 維糸条が配列した0°配向湾曲形状強化繊維 材162を作製した。基材162の形状は、曲率半 R:3m、基材の幅:200mm、長さ:4.7mである。図21 示すように、湾曲形状強化繊維基材織機161 、強化繊維糸条163およびたて糸の補助糸条16 4用のヘルド165、166、筬167、よこ糸の補助糸 168を挿入するよこ糸入れ機構169、上部、下 および中間マンドレル170、171、172から構成 れている。これらマンドレルの後方には、 脂材料散布装置173および更にその後方には 外線加熱装置(図示せず)が取り付けられてお り、製織された湾曲形状強化繊維基材162の上 に散布された樹脂粒子174を加熱し、湾曲形状 強化繊維基材162に付着できるようになってい る。湾曲形状強化繊維基材162は台座175上に送 り出される。ここで上部および下部のマンド レル170、171はテーパー形状を有しており、テ ーパー度は1/50とした。強化繊維糸条163、よ 糸およびたて糸の補助糸条164、168は、上下 ンドレル170、171間に導入され、各マンドレ は製織速度に応じた速度で回転しており、 化繊維糸条163およびたて糸の補助糸条164に 切な張力をかけることができる。

 40本の強化繊維糸条163、強化繊維糸条間と 基材幅の両端の合計41本のたて糸164、1本の こ糸168を該織機161に配置して、湾曲形状強 繊維基材162の製織を行った。マンドレルか 引き出された湾曲形状強化繊維基材162の表 に、樹脂材料174の目付が27g/m 2 となるように、樹脂材料174を散布し、赤外線 加熱装置を用いて、湾曲形状強化繊維基材162 の表面温度を180℃に加熱して、樹脂材料174を 付着させた。

 作製された湾曲形状強化繊維基材は、図1 0に示したようなNCW構造であり、周方向の長 方向の全長に渡り、強化繊維糸条が曲率半 R=3mの周方向(0°方向)に沿って並行に配列し いることを確認した。

〔実施例2〕
 実施例1と同じ材料を用いて、作製された強 化繊維糸条が一方向に並行に、かつ直線状に 延びるように配列され、たて糸の補助糸条は 強化繊維糸条の間に並行に配列され、よこ糸 の補助糸条を実質的に強化繊維糸条およびた て糸の補助糸条に対して直交するように配列 して、幅1mの一方向強化繊維織物を製織した 一方向強化繊維織物の表面に、樹脂材料の 付が27g/m 2 となるように、樹脂材料を散布し、赤外線加 熱装置を用いて、湾曲形状強化繊維基材の表 面温度を180℃に加熱して、樹脂材料を付着し た。この一方向強化繊維織物を用いて図3(C) 示したような90°配向湾曲形状強化繊維基材 作製した。

 まず、該一方向強化繊維織物を強化繊維 条の長手方向が200mmとなるように強化繊維 条と直交方向に切断して、図3(A)に示すよう 幅200mm、長さ1mの矩形形状の強化繊維糸条束 を4枚と幅200mm、長さ0.7mの強化繊維糸条束1枚 作製した。すべての強化繊維糸条束は、構 している強化繊維糸条間の間隔を調節して 曲率半径3mの湾曲形状となるように変形さ 、変形させた強化繊維糸条束同士を強化繊 糸条束の長手方向に、強化繊維糸条が重な ず且つ隙間が3mm以上生じないように配置し 継ぎ合わせることにより、幅200mm、長さ4.7m 90°配向湾曲形状強化繊維基材を作製した。

 作製された90°配向湾曲形状強化繊維基材 は、図10に示したようなNCW構造であり、周方 の長手方向の全長に渡り、強化繊維糸条が 率半径R=3mの周方向(0°方向)に対して、90°方 向に配列していることを確認した。

「実施例3」
 実施例2で準備したNCW構造を有する幅1mの一 向強化繊維織物を準備した。該一方向強化 維織物を強化繊維糸条の配列方向に対して4 5°方向に切断し、さらに強化繊維糸条12本毎 強化繊維糸条間を切断して、図4に示したよ うな12本の強化繊維糸条を有する幅200mmの強 繊維糸条束を56枚作製した。すべての強化繊 維糸条束は、強化繊維糸条束間の間隔を調節 して、湾曲形状に沿うように、湾曲形状の長 手方向に、強化繊維糸条が重ならず且つ隙間 が3mm以上生じないように配置して継ぎ合わせ ることにより、幅200mm、長さ4.7mの45°配向湾 形状強化繊維基材を作製した。同様にして-4 5°配向湾曲形状強化繊維基材を作製した。

 作製された45°および-45°配向湾曲形状強 繊維基材は、図10に示したようなNCW構造で り、周方向の長手方向の全長に渡り、強化 維糸条が曲率半径R=3mの周方向(0°方向)に対 て、45°、-45°方向に配列していることを確 した。

〔実施例4〕
 実施例1~3の方法で、0°、90°、±45°配向湾曲 形状強化繊維基材を作製し、積層構成[(45/0/-4 5/90)] 3S に基づいて積層することにより積層体を作製 した。まず実施例3の方法と同様に、45°配向 曲形状強化繊維基材を作製し、45°配向湾曲 形状強化繊維基材の上に実施例1の方法にて 製した0°配向湾曲形状強化繊維基材を積層 、さらにその上に実施例3の方法と同様に-45 配向湾曲形状強化繊維基材を作製して積層 、さらにその上に実施例2の方法と同様に90° 配向湾曲形状強化繊維基材を作製して積層し て、[45/0/-45/90]の積層体を作製した。同様の 層を2回繰返し、12plyからなる[45/0/-45/90] 3 を作製した。

 12plyからなる[45/0/-45/90] 3 の積層体の上に、断面がφ3mmの圧子が25mm間隔 で格子状に配列した圧子ジグを配置し、圧子 が積層体を1kg/cm の圧力で加圧した状態にて、積層体を70℃に 熱、5分間保持することによって、積層体を 構成する湾曲形状強化繊維基材間を部分的に 接着して一体化することにより、積層体を作 製した。同様にして、[90/-45/0/45] 3 の積層体を作製し、同様に基材間を部分的に 接着して一体化することにより、積層体を作 製した。これらの積層体を重ねることにより 、[(45/0/-45/90)] 3S の積層体を作製した。積層体は基材同士が接 着一体化しているため、積層体を成形型へ搬 送する場合にも、基材がばらけたりせずに、 積層体として良好に取り扱えることを確認し た。

〔実施例5〕
 実施例4で作製した積層体を、自動裁断機に より、曲率半径の大きい側(図3(C)で示す外側2 6)の湾曲形状の周縁に沿って、図22に示すよ に、湾曲形状強化繊維積層体181の長手方向 、幅50mm、間隔150mm、高さ50mmの形状で切り欠 た(切欠き182)。図19に示した賦形型を兼ねた 曲率半径R=3mで長手方向に湾曲している成形 142の上に、積層体を配置し、さらに積層体 厚み3mmのシリコン製シートで覆い、シリコ 製シートと成形型の間を気密にシールした その後にシリコン製シートの内部を真空吸 して減圧することにより、積層体を成形型 押し付けてC形断面で長手方向に湾曲した形 に賦形した。

 真空吸引を継続した状態において、積層 を70℃に加熱して2時間保持することにより 湾曲形状強化繊維基材の間を全面に渡り接 一体化して、プリフォームを作製した。プ フォームはウェブ、フランジ共に顕著なシ はなく、品位のよいプリフォームであるこ を確認した。

 プリフォームの作製完了後、シリコン製 ート内の真空吸引を止め、シリコン製シー を成形型から取り外し、プリフォームへの トリックス樹脂の注入・含浸に必要な副資 (ピールプライ、樹脂拡散媒体、樹脂注入路 、樹脂排出路、真空吸引路)を配置し、バギ グフィルムで覆い、バギングフィルムと成 型の間を気密にシールした。その後に、バ ングフィルム内を真空吸引して減圧し、そ 状態において、70℃に加熱して粘度を低下さ せたエポキシ樹脂を、樹脂注入路から樹脂拡 散媒体を介してプリフォームに注入・含浸し た。プリフォームへのエポキシ樹脂の注入・ 含浸の完了後、余剰にプリフォームに注入・ 含浸したエポキシ樹脂を樹脂排出路より、真 空吸引により排出した。排出完了後、180℃に 加熱することにより、エポキシ樹脂を硬化さ せ、曲率半径R=3mの長手方向に湾曲形状を有 るC形断面形状の繊維強化樹脂複合材料を作 した。

 繊維強化樹脂複合材料の表層の45°層の強 化繊維糸条の配向角度を目視にて確認した結 果、強化繊維糸条は長手方向に渡り、湾曲形 状の周方向(0°方向)に対して、45°±3°以内に まっていることが確認された。

 一方、繊維強化複合材料のウェブ部の長 方向の両端および中央から50×50mmの試験片 切り出し、計3枚の試験片を準備した。X線CT より、試験片中の各層のたて糸の補助糸条( ガラス繊維)の配向角度を測定した。たて糸 補助糸条は強化繊維糸条に並行に配列して るため、たて糸の補助糸条の配向を強化繊 糸条の配向として評価した。

 各試験片の各層のたて糸の補助糸条は、 曲形状の周方向(0°方向)に対する各層の強 繊維の配向角度に対して、±3°以内に配向し ていることを確認し、各層の強化繊維糸条は 湾曲形状の周方向(0°方向)に対して、積層構 に基づいた積層角度に配向していることを 認した。

〔実施例6〕
 実施例2で準備したNCW構造を有する幅1mの一 向強化繊維織物を準備した。該一方向強化 維織物を図2(A)のように、幅は4本のストラ ド(図2(A)では3本)を含む長さ4.7mの強化繊維糸 条束を10枚作製した。すべての強化繊維糸条 は、湾曲形状に沿うように、湾曲形状の長 方向に、曲げながら配置した。すべての強 繊維糸条束は、強化繊維糸条が重ならず且 隙間が3mm以上生じないように配置して継ぎ わせることにより、幅200mm、長さ4.7mの0°配 湾曲形状強化繊維基材を作製した。作製さ た0°配向湾曲形状強化繊維基材は、図10に したようなNCW構造であり、周方向の長手方 の全長に渡り、強化繊維糸条が曲率半径R=3m 周方向(0°方向)に対して、0°方向に配列し いることを確認した。

〔実施例7〕
 実施例4で用いた0°配向湾曲形状強化繊維基 材を実施例6で作製した0°配向湾曲形状強化 維基材にする以外は、実施例4と同様の方法 より、積層体を作製した。さらにこの積層 を用いて、実施例5と同様の方法によりプリ フォームを作製した。プリフォームはウェブ 、フランジ共に顕著なシワはなく、品位のよ いプリフォームであることを確認した。

 更に実施例5と同様の方法により、曲率半 径R=3mの長手方向に湾曲形状を有するC形断面 状の繊維強化樹脂複合材料を作製した。作 された繊維強化樹脂複合材料の表層の45°層 の強化繊維糸条の配向角度を目視にて確認し た結果、強化繊維糸条は長手方向に渡り、湾 曲形状の周方向(0°方向)に対して、45°±3°以 に収まっていることが確認された。

 一方、繊維強化複合材料のウェブ部の長 方向の両端および中央から50×50mmの試験片 切り出し、計3枚の試験片を準備した。X線CT より、試験片中の各層のたて糸の補助糸条( ガラス繊維)の配向角度を測定した。たて糸 補助糸条は強化繊維糸条に並行に配列して るため、たて糸の補助糸条の配向を強化繊 糸条の配向として評価した。各試験片の各 のたて糸の補助糸条は、湾曲の周方向(0°方 )に対する各層の強化繊維の配向角度に対し て、±3°以内に配向していることを確認し、 層の強化繊維糸条は湾曲形状の周方向(0°方 向)に対して、積層構成に基づいた積層角度 配向していることを確認した。

〔比較例1〕
 特許文献1に記載の方法にて、積層構成[(45/0 /-45/90)] 3S の積層体を作製して評価した。繊維束配列用 治具は、直径310mm、高さ300mmの円筒形状であ 、高さ50mmおよび250mmの円周方向に48mm間隔で ンが配列されている。

 まず、実施例3で用いた45°配向湾曲形状用 強化繊維糸条束をピンに刺して配置して、 筒表面を覆って、45°配向強化繊維層を作製 た。0°配向強化繊維層用の強化繊維糸条束 実施例2で用いた一方向強化繊維織物を、強 化繊維糸条の配列方向を長手方向として、長 さ940mm、幅200mmに裁断して準備した。この強 繊維糸条束を45°配向強化繊維層の上に配置 て、0°配向強化繊維層を積層した。さらに の上に実施例3で用いた-45°配向湾曲形状用 強化繊維糸条束を、同様に0°配向強化繊維 の上に配置して、-45°配向強化繊維層を積 した。さらにその上に90°配向強化繊維層用 強化繊維糸条束は実施例2で用いた一方向強 化繊維織物を、強化繊維糸条の配列方向を幅 方向として、長さ940mm、幅200mmに裁断して準 した。この強化繊維糸条束を-45°配向強化繊 維層の上に配置して、-45°配向強化繊維層を 層した。同様に積層構成[(45/0/-45/90)] 3S になるまで、各層の積層を繰返した。積層完 了後、積層体を繊維束配列用治具に配置した 状態において、たて糸の補助糸条に用いたガ ラス繊維を用いて、積層体を厚み方向にステ ッチして一体化した。ステッチは積層体の長 手方向に48mm、幅方向に48mmの間隔で行った。 テッチ完了後、積層体を幅方向に切断して 繊維束配列用治具から取り外した。積層体 平板状に置いたところ、図23に示すように 各強化繊維層191には大きなうねり192が発生 て、プリフォームを作製できないことが分 った。

 なお、以上の説明において、前述のブラ ーを有する装置を用いたプリフォームの賦 方法および装置、並びに、そのプリフォー を用いた繊維強化樹脂複合材料の製造方法 よび装置は、湾曲形状プリフォームや湾曲 状繊維強化樹脂複合材料以外にも、比較的 尺の特定横断面を有するプリフォームの賦 や繊維強化樹脂複合材料の製造にも適用、 開できる。そのようなブラダーを有する装 を用いた展開技術としてのプリフォームの 形技術およびそのプリフォームを用いた繊 強化樹脂複合材料の製造技術について、以 に説明しておく。

 すなわち、この展開技術は、プリフォー の賦形方法および装置、並びに、繊維強化 脂複合材料の製造方法および製造装置に関 、とくに、マトリックス樹脂の含浸や硬化 に強化繊維基材を所定形状に効率よく屈曲 形可能な、プリフォームの賦形方法および 置、並びに、そのプリフォームを用いた繊 強化樹脂複合材料の製造方法および製造装 に関する。

 とくに長尺の繊維強化樹脂複合材料、例 ば長尺の梁を構成する繊維強化樹脂複合材 を成形するに際しては、フランジ部を形成 るために、平板状の強化繊維基材の断面に ける両側を折り曲げ賦形し、所定形状に賦 されたドライの強化繊維基材にマトリック 樹脂を含浸させ硬化させることが多い。強 繊維基材としてプリプレグを使用する場合 は、所定のフランジ形状に折り曲げ賦形し 後、樹脂を加熱硬化させることが多い。

 このように、マトリックス樹脂の含浸や 化前に強化繊維基材を所定形状に屈曲賦形 る方法として、ブラダー(bladder) を用いる 法(例えば、前述の特許文献4)や加圧ローラ を用いる方法(例えば、前述の特許文献5)が られている。ここでブラダーとは、前述の く、内部に気体等の流体を導入、導出させ ことにより風船状に膨縮可能な、強化繊維 材の所定形状への賦形のための、ゴム等の 力性のある材料からなる加圧体であり、こ ブラダーの膨張動作によって、強化繊維基 の所定部分を成形型に押し付けることによ 、強化繊維基材を所定形状に屈曲賦形でき ものである。

 特許文献4は、前述の如く、平板状の強化 繊維基材をC形断面形状に賦形する方法を記 している。この方法では、チャンバー内の 壁面に膨縮可能なブラダーが装着されてお 、チャンバー内に配置された型(マンドレル) 上に強化繊維基材を配し、チャンバーを密閉 して内部を真空吸引することによりブラダー を膨張させ、膨張したブラダーにより強化繊 維基材をマンドレルに押し付けることによっ て強化繊維基材がC形断面形状に賦形される

 しかしながらこの方法では、前述の如く マンドレルに対向させ、間に強化繊維基材 配置した状態でブラダーが設けられている め、膨張したブラダーは強化繊維基材の両 部分を一方向にしか押圧できず、上記の如 C形断面形状にしか賦形できない。したがっ て、例えば、強化繊維基材の両側部分の折り 曲げ方向が互いに反対方向となる、Z形断面 状等への賦形には対応できない。また、一 のブラダーの膨張動作を利用するようにな ているため、強化繊維基材の両側部分は実 的に同時に折り曲げられることになり、折 曲げ時に、屈曲部分等に皺等が残りやすい 形方法となっている。

 特許文献5は、前述の如く、プリプレグ積 層体からなる強化繊維基材を、プレス機に挟 んでT字形に賦形した後、頂部にローラーを し当てて曲げ、J形やZ形断面に賦形する方法 を開示している。しかしながらこの方法では 、少なくとも駆動可能なプレス装置、パンチ 装置、ローラー装置が必要になり、設備が大 がかりで複雑、高価なものになる。

 そこで、基本的に大がかりな駆動系を必 とせず、簡単な構造で安価に構成可能な設 を使用すればよく、C形断面はもとよりZ形 面等の賦形のための屈曲方向が異なる断面 状であっても、さらには長手方向に湾曲す 部分を有する形状であっても、皺等の問題 発生させることなく円滑にかつ容易に賦形 ることが可能で、長尺の梁部材(ストリンガ )等の成形に極めて好適な、プリフォームの 賦形方法および装置、並びに、繊維強化樹脂 複合材料の製造方法および製造装置の提供が 望まれる。

 上記要望を満たすために、ここで説明す プリフォームの賦形方法および繊維強化樹 複合材料の製造方法は、成形型の両側にそ ぞれ、独立して膨縮動作可能なブラダーを け、成形型上に配置された強化繊維基材の ブラダーの位置に対応する各部分を、各ブ ダーの膨張動作により成形型に沿う形状に 形する工程を有することを特徴とする方法 らなる。

 この方法においては、ブラダー(bladder)  成形型の両側にそれぞれ設けられ、かつ、 れぞれのブラダーが独立して膨縮動作可能 あるので、成形型上に配置された強化繊維 材の各ブラダーの位置に対応する各部分の 成形型に対する賦形方向は制限されず、賦 のタイミングも制限されない。したがって C形断面等の同じ方向への屈曲賦形が要求さ る場合、Z形断面等の互いに異なる方向への 屈曲賦形が要求される場合のいずれの場合に も賦形が可能になる。また、両側に配置した ブラダーの膨張動作のタイミングをずらすこ とにより、一方のブラダーの膨張動作による 賦形時に基材に皺やその他の不具合が発生し ようとしたとしても、独立作動可能な他方の ブラダーの膨張動作による賦形時にその皺や その他の不具合を解消するように伸ばしなが ら賦形することが可能になり、円滑にかつ容 易に目標品質にて所望形状への賦形を行うこ とが可能になる。

 このように、本プリフォームの賦形方法 よび繊維強化樹脂複合材料の製造方法にお ては、ブラダーの膨張動作の順番を制御す ことで、強化繊維基材の各ブラダーの位置 対応する各部分を、順に賦形することがで 、それによって賦形時の皺等の不具合の発 を抑制することができる。

 もちろん、強化繊維基材の各ブラダーの 置に対応する各部分を、同時に賦形するこ も可能であり、皺等の不具合の発生のおそ が無いか少ない場合には、同時賦形によっ 賦形時間を短縮できる。

 また、一つの成形型を用いて強化繊維基 を賦形することも可能であるが、本方法で 、強化繊維基材を成形型間に挟持し、成形 の両側に延在する強化繊維基材部分を各ブ ダーの膨張動作により賦形することもでき 。強化繊維基材を成形型間に挟持すること 、強化繊維基材の各部分を賦形する際にも 強化繊維基材全体を所定姿勢に保持するこ が可能になり、所定形状への賦形の精度が 上する。

 賦形は基本的には成形型に沿う形状にな ように、強化繊維基材の所定部分を成形型 対応部分に押し付ければよい。例えば、強 繊維基材の各ブラダーの位置に対応する各 分を、各ブラダーの膨張動作によって折り げることにより成形型に沿う形状に賦形す ことができる。

 この折り曲げについては、前述の如く、 化繊維基材の各ブラダーの位置に対応する 部分を、互いに反対方向に折り曲げて、Z形 等の断面形状に賦形することもできるし、強 化繊維基材の各ブラダーの位置に対応する各 部分を、同じ方向に折り曲げて、C形等の断 形状に賦形することもできる。

 また、ブラダーの膨張動作については、 なくとも各ブラダーを密閉可能なチャンバ 内に収容し、該チャンバー内を減圧するこ により各ブラダーを膨張させることができ 。この場合には、例えば、チャンバー内の 圧時に各ブラダー内に大気を導入するよう することができる。つまり、減圧されたチ ンバー内圧と大気圧との差圧を利用してブ ダー内に大気を導入することができる。

 あるいは、各ブラダー内に加圧流体を導 することにより各ブラダーを膨張させるこ もできる。この場合には、上記のような減 作動可能なチャンバーは不要である。上述 如く大気圧を利用するか、加圧流体を導入 るかは、賦形される強化繊維基材の性状や イズに応じて適宜決定すればよい。

 また、本プリフォームの賦形方法および 維強化樹脂複合材料の製造方法においては 強化繊維基材を長手方向に順に賦形するこ も可能である。長手方向に所定の長さを賦 した後、引き抜いて、長手方向に隣接する 化繊維基材の箇所を賦形することを繰り返 ことにより対応可能である。この方法では 真空チャンバーの気密を保持することが難 いので、加圧流体を導入する方法を採用す ことがより好ましい。とくに、賦形される 化繊維基材が長尺の場合には有効であり、 型の賦形装置でもって、長尺の強化繊維基 を順に所定形状に賦形していくことが可能 ある。

 また、本プリフォームの賦形方法および 維強化樹脂複合材料の製造方法は、強化繊 基材がドライの強化繊維材からなる場合、 化繊維基材がプリプレグからなる場合のい れの場合にも適用できる。強化繊維基材が ライの強化繊維材からなる場合には、各ブ ダーを膨張させ、強化繊維基材を賦形した 態において、強化繊維基材を加熱するステ プを加えることができ、それによってより 定して所定形状への賦形、賦形形状の維持 可能になる。強化繊維基材がプリプレグか なる場合には、賦形前に、強化繊維基材を 熱するステップを加えることができ、それ よって樹脂を軟化させ、プリプレグに対し より簡単に折り曲げ等の賦形動作を行うこ が可能になる。なお、いずれの場合にあっ も、加熱動作としては、外部から加熱した 、成形型内部から加熱したりすることがで 、ブラダー内に加熱流体を導入することに って強化繊維基材を加熱することもできる 成形型に熱媒の流路を設置して、該流路に 型温調器を利用して熱媒を流すことにより 熱する方法は、オーブンなどの大型の設備 不要であるため、より好ましい。

 また、本プリフォームの賦形方法および 維強化樹脂複合材料の製造方法は、とくに 化繊維基材が積層体からなる場合に好適な 法である。積層体の場合には、強化繊維基 を屈曲賦形する際に、望ましくない内部応 等が発生して皺等が生じやすくなる傾向に るが、前述の如く、独立作動可能なブラダ による賦形動作のタイミングを賦形部分に じてずらし、賦形の順番を制御することに り、皺の発生を抑える、または製品の形状 の箇所に皺を発生させて製品の形状内の皺 発生を抑える、または皺を分散させて大き 皺の発生を抑えるなどして、良好な品質で 賦形が可能になる。

 とくに強化繊維基材がドライの強化繊維 の積層体からなる場合には、表面に樹脂粒 を有する強化繊維材の積層体からなる強化 維基材であり、隣接する強化繊維材間が、 脂粒子により、部分的に接着されているこ が好ましく、これによって、形態を保ちな ら積層体としての取り扱いが可能になり、 つ、賦形動作のための適度な基材のドレー 性を維持できるため、皺の発生を良好に抑 して賦形することが可能となる。また、賦 した状態において加熱することによって、 分的に接着していた隣接強化繊維材間を全 にわたり接着することにより、賦形後の所 形状の保持も一層容易になる。また、加熱 ることにより、樹脂粒子を軟化させた状態 て、ブラダーを膨張させて加圧することに り、樹脂粒子をつぶして積層体の厚みを薄 し、厚みをコントロールすることも可能で る。

 また、本プリフォームの賦形方法および 維強化樹脂複合材料の製造方法は、長尺の 化繊維基材を所定の断面形状に賦形する場 に好適な方法である。この場合、強化繊維 材を、その長手方向に沿って直線状に延び 形状に賦形することもできるし、とくに本 明方法では、強化繊維基材を、その長手方 に沿う方向に見て湾曲部を有する形状に賦 することが可能である。とくに湾曲部を有 る形状に賦形する場合には、賦形時に皺等 発生の可能性が高くなるが、前述の如く、 立作動可能なブラダーによる賦形動作のタ ミングを賦形部分に応じてずらすことによ 、容易に皺等を吸収することが可能になる また、湾曲部を有する形状に賦形する場合 は、湾曲部の長手方向中央部を先に賦形し 後、該中央部の長手方向両側部分を賦形す ことが好ましい。先に長手方向両側部分を 形すると、湾曲部の長手方向中央部を賦形 る際に、強化繊維基材の賦形部分に(とくに 、凹状の形状になる賦形部分に)突っ張って まう箇所が生じるおそれがあり、所定形状 の賦形が困難になったり皺が発生したりす おそれが生じる。湾曲部の長手方向中央部 先に賦形することで、該中央部賦形時には の両側部分を固定されていない状態に保つ とができ、中央部における皺などを発生さ ようとする応力を両側部分へと逃がすこと でき、望ましくない応力が残っていない状 で続いて両側部分が賦形されることになる で、全体として皺などの発生しない形状へ 賦形が可能になる。さらに、湾曲部の長手 向中央部賦形後の両側部分の賦形が、先に 形された中央部に対して長手方向に略対称 行われるようにすることが、より好ましい このようにすれば、一層確実に皺などの発 しない形状への賦形が可能になる。

 また、本プリフォームの賦形方法および 維強化樹脂複合材料の製造方法においては 可能であれば、強化繊維基材の各ブラダー 位置に対応する各部分および/またはその近 傍部分の少なくとも一部に、強化繊維基材の 長手方向に交差する方向に延びるスリットを 予め形成しておくことも好ましい。この場合 、強化繊維基材の一方のブラダーの位置に対 応する部分および/またはその近傍部分の少 くとも一部にのみ、強化繊維基材の長手方 に交差する方向に延びるスリットを予め形 しておき、他方のブラダーの位置に対応す スリットが形成されていない強化繊維基材 部分を該他方のブラダーの膨張動作により 形した後、前記スリットが形成されている の強化繊維基材の部分を前記一方のブラダ の膨張動作により賦形するようにすること できる。

 例えば、フランジ部として賦形すべき強 繊維基材の該当する箇所に、強化繊維基材 長手方向に交差する方向にスリット(切り欠 き)が設けられている強化繊維基材を用いる とが好ましい。特に長手方向に湾曲部を有 る場合、このようなスリットを設けておく とにより、賦形時の皺の発生を抑制できる め好ましい。更に、独立作動可能なブラダ により、スリットの設けていないフランジ 該当箇所を先に賦形した後に、スリットを けているフランジ部該当箇所を賦形するこ により、皺の発生を効率よく抑制できるよ になる。

 本プリフォームの賦形方法および繊維強 樹脂複合材料の製造方法における強化繊維 材の種類、とくに使用強化繊維の種類はと に限定されない。代表的には、強化繊維基 が炭素繊維を含む基材からなる。もちろん の強化繊維、例えばガラス繊維やアラミド 維等を含む強化繊維基材を使用してもよく 2種以上の強化繊維を含むハイブリッド構成 の強化繊維基材であってもよい。

 本繊維強化樹脂複合材料の製造方法にお ては、上記のような強化繊維基材の賦形後 は、マトリックス樹脂を硬化させて所望の 維強化樹脂複合材料を製造する。とくに強 繊維基材がドライの強化繊維材からなる場 には、強化繊維基材の賦形後に強化繊維基 に樹脂を含浸させ硬化させる、いわゆるRTM( Resin Transfer Molding) 成形方法を採用できる。 また、真空圧を利用したVacuum assisted RTM(VaRTM )成形方法も採用できる。VaRTM は、加圧装置 不要であり、簡易に成形できるため、より ましい。プリプレグの場合には、賦形した 、オートクレーブを用いて、加熱加圧する とにより、マトリックス樹脂を硬化させる 形方法を採用できる。

 本プリフォームの賦形装置および繊維強 樹脂複合材料の製造装置は、強化繊維基材 形用の成形型と、該成形型の両側にそれぞ 設けられ、独立して膨縮動作可能で、膨張 作により成形型上に配置された強化繊維基 の対応部分を成形型に沿う形状に賦形可能 ブラダーとを有することを特徴とするもの らなる。

 このプリフォームの賦形装置および繊維 化樹脂複合材料の製造装置においては、上 成形型が強化繊維基材を挟持可能な少なく も一対の成形型からなり、上記各ブラダー 、前記一対の成形型の両側に延在する強化 維基材部分を膨張動作により賦形可能なブ ダーからなる構成とすることができる。

 また、各ブラダーが、膨張動作により強 繊維基材を成形型に沿う形状に折り曲げ可 なブラダーからなる構成を採ることができ 。この成形型の両側に設けられたブラダー 、強化繊維基材の各ブラダーの位置に対応 る各部分を、互いに反対方向に折り曲げ可 なブラダーからなる構成とすれば、Z形断面 形状等への円滑な賦形が可能になり、成形型 の両側に設けられたブラダーが、強化繊維基 材の各ブラダーの位置に対応する各部分を、 同じ方向に折り曲げ可能なブラダーからなる 構成とすれば、C形断面形状等への円滑な賦 が可能になる。

 また、少なくとも各ブラダーが収容され 内部を減圧することにより各ブラダーを膨 させることが可能なチャンバーを有する構 とすることができる。このようにすれば、 ブラダーが、チャンバー内の減圧時に各ブ ダー内に大気を導入可能なブラダーからな 構造とすることが可能になり、大気圧を利 できる。

 また、各ブラダーが、加圧流体が導入さ ることにより膨張可能なブラダーからなる 成とすることも可能である。このようにす ば、上記のような減圧のためのチャンバー 不要である。

 また、本プリフォームの賦形装置および 維強化樹脂複合材料の製造装置は、とくに 形すべき強化繊維基材が長尺の場合、強化 維基材を長手方向に順に賦形可能に構成す こともできる。更に、所定の長さを賦形し 後、長手方向に所定の長さだけ引き抜くこ が可能な構成とすることにより、装置を小 化することができる。

 また、強化繊維基材はドライの強化繊維 からなっていてもよく、プリプレグからな ていてもよい。前者の場合には、賦形した 態にて強化繊維基材を加熱可能な手段を有 ることが好ましく、後者の場合には、賦形 に強化繊維基材を加熱可能な手段を有する とが好ましい。

 また、強化繊維基材は積層体から形成す ことができ、とくに、強化繊維基材がドラ の強化繊維材の積層体からなる場合、隣接 る強化繊維材間が樹脂粒子等により部分的 接着していることが好ましい。

 また、強化繊維基材は、その長手方向に って直線状に延びる形状に賦形されること できるし、長手方向に沿う方向に見て湾曲 を有する形状に賦形されることもできる。 曲部を有する形状に賦形される場合には、 曲部の長手方向中央部を賦形した後、該中 部の長手方向両側部分を賦形可能に構成さ ていることが好ましい。

 また、強化繊維基材の各ブラダーの位置 対応する各部分および/またはその近傍部分 の少なくとも一部に、強化繊維基材の長手方 向に交差する方向に延びるスリットが予め形 成されている構成とすることもできる。この 場合、強化繊維基材の一方のブラダーの位置 に対応する部分および/またはその近傍部分 少なくとも一部にのみ、強化繊維基材の長 方向に交差する方向に延びるスリットが予 形成されており、他方のブラダーの位置に 応するスリットが形成されていない強化繊 基材の部分が該他方のブラダーの膨張動作 より賦形された後、前記スリットが形成さ ている側の強化繊維基材の部分が前記一方 ブラダーの膨張動作により賦形されるよう 、両ブラダーの作動順が制御される構成と ることもできる。

 強化繊維基材としては、代表的には炭素 維を含む基材を挙げることができる。

 本繊維強化樹脂複合材料の製造装置は、 望の繊維強化樹脂複合材料を得るために、 トリックス樹脂の硬化手段を有する。とく 、強化繊維基材がドライの強化繊維材から る場合、強化繊維基材の賦形後に強化繊維 材に樹脂を含浸させ硬化させる手段を有す 。

 このようなプリフォームの賦形方法およ 装置並びに繊維強化樹脂複合材料の製造方 および装置によれば、基本的に駆動系を必 としないか、大がかりな駆動系を必要とせ 、簡単で安価な装置構造に構成可能であり 独立作動可能な各ブラダーの膨縮動作のみ 、C形断面はもとよりZ形断面等の賦形のた の屈曲方向が互いに異なる断面形状であっ も、さらには長手方向に湾曲する部分を有 る形状であっても、皺等の問題を発生させ ことなく円滑にかつ容易に強化繊維基材を 望形状に賦形することができる。とくに各 ラダーの膨張動作の順序を制御することに り、強化繊維基材が積層体である場合にも 適度な層間ずれを許容しつつ皺等の不具合 発生を適切に抑えることが可能になり、強 繊維基材を優れた品質をもって高精度で所 形状に賦形することができる。

 以下に、本プリフォームの賦形方法および 置並びに繊維強化樹脂複合材料の製造方法 よび装置の望ましい実施の形態を、図面を 照しながら説明する。
 図24~図27は、本プリフォームの賦形方法お び装置並びに繊維強化樹脂複合材料の製造 法および装置における、代表的な強化繊維 材の賦形形状を示している。この強化繊維 材は、前述の如く、ドライの強化繊維材か 構成されることもでき、プリプレグから構 されることもでき、それらの単層、積層体 いずれにも構成されることができる。図24に 示す賦形後の強化繊維基材201は、横断面形状 がウエブ部202と、ウエブ部202の両側で互いに 反対方向に折れ曲がって延びるフランジ部203 、204とからなり、長手方向X-Xには直線状に延 びる形状に賦形されている。本発明では、こ のような断面形状をZ形断面形状と呼び、該Z 断面形状は、ウエブ部202からのフランジ部2 03、204の屈曲角が90度以外のものも含み、ウ ブ部202に対するフランジ部203、204の屈曲角 互いに異なるものも含む概念である。また フランジ部203、204のサイズについても、同 でも互いに異なっていてもよい。

 また、図25に示す賦形後の強化繊維基材21 1は、横断面形状がウエブ部212と、ウエブ部21 2の両側で互いに反対方向に折れ曲がって延 るフランジ部213、214とからなるZ形断面形状 らなるが、長手方向X-Xに沿う方向に見て湾 部を有する形状に賦形されている。図25に 全体が湾曲している例を示しているが、長 方向X-Xにおいて部分的に湾曲部を有し、そ 他の部分は図24に示したように直線状に延び る部分に形成されたもの、湾曲部および/ま は直線状に延びる部分が長手方向X-Xに複数 在するものも含む。Z形断面形状に関しては 図24で説明した概念と同様の概念まで含ま る。また、フランジ部213、214のサイズにつ ても、同一でも互いに異なっていてもよい

 また、図26に示す賦形後の強化繊維基材22 1は、横断面形状がウエブ部222と、ウエブ部22 2の両側で互いに反対方向に折れ曲がって延 るフランジ部223、224とからなるZ形断面形状 らなり、長手方向X-Xに沿う方向に見て湾曲 を有する形状に賦形されている。そして、 方のフランジ部223には、長手方向X-Xに対し 差する方向に延びる複数のスリット225が形 されており、これらスリット225は、賦形前 段階で強化繊維基材221のフランジ部223の該 する箇所に予め形成されている。図26には 25と同様に全体が湾曲している例を示してい るが、長手方向X-Xにおいて部分的に湾曲部を 有し、その他の部分は図24に示したように直 状に延びる部分に形成されたもの、湾曲部 よび/または直線状に延びる部分が長手方向 X-Xに複数存在するものも含む。Z形断面形状 関しては、図24で説明した概念と同様の概念 まで含まれる。また、フランジ部223、224のサ イズについても、同一でも互いに異なってい てもよい。

 また、図27に示す賦形後の強化繊維基材23 1は、横断面形状がウエブ部232と、ウエブ部23 2の両側で互いに反対方向に折れ曲がって延 るフランジ部233、234とからなるZ形断面形状 らなり、長手方向X-Xに沿う方向に見て湾曲 を有する形状に賦形されている。そして、 方のフランジ部233に対応する部分には、長 方向X-Xに対し交差する方向にフランジ部233 らウエブ部232の一部にわたって延びる複数 スリット235が形成されており、これらスリ ト235は、賦形前の段階で強化繊維基材231の ランジ部233およびウエブ部232の該当する箇 に予め形成されている。図27には図25と同様 に全体が湾曲している例を示しているが、長 手方向X-Xにおいて部分的に湾曲部を有し、そ の他の部分は図24に示したように直線状に延 る部分に形成されたもの、湾曲部および/ま たは直線状に延びる部分が長手方向X-Xに複数 存在するものも含む。Z形断面形状に関して 、図24で説明した概念と同様の概念まで含ま れる。また、フランジ部233、234のサイズにつ いても、同一でも互いに異なっていてもよい 。

 さらに、前述したように、本発明は強化 維基材のC形断面形状への賦形にも適用でき る。図示は省略するが、本発明におけるC形 面形状とは、例えば図24に示したようなウエ ブ部202の両側に折り曲げ賦形されたフランジ 部203、204を有する断面形状において、フラン ジ部203、204が同じ方向に折り曲げられた断面 形状を意味し、その際のウエブ部2に対する ランジ部203、204の屈曲角は同一でも互いに なっていてもよく、90度以外のものも含む。 また、フランジ部203、204のサイズについても 、同一でも互いに異なっていてもよい。

 本発明における強化繊維基材の賦形に関 、図24~図27に示したようなZ形断面形状への 形の一例について、図28~図30を参照して説 する。図28~図30は、基本的に、前述の図16(A) (B)、(C)と同じである。図28~図30は、繊維強 樹脂複合材料として例えば長尺梁(ストリン ー)を製造するに際し、ドライの強化繊維材 の積層体からなる平板状の強化繊維基材をZ 断面形状に賦形してプリフォームを作製す 例を示しており、その賦形を、密閉可能な ャンバーを用いて行う場合を示している。

 まず、図28に示すように、チャンバー241 の所定位置に、成形型としてのマンドレル24 2、243と、マンドレル242、243に挟持された強 繊維基材としての積層体244と、マンドレル24 2、243の両側にそれぞれ配置された独立して 縮動作可能なブラダー245、246を設ける。ブ ダー245、246は、例えばシリコンゴムからな 、内部に相対的な加圧流体が導入されるこ により膨張動作し、加圧流体が排出される とにより収縮動作する。

 チャンバー241が密閉され、チャンバー241 ブラダー245収容側部分の内部が減圧される とにより、図29に示すように、ブラダー245 に外部から大気247が導入されるとともに、 入された大気247の圧力(大気圧)と減圧された チャンバー241の内圧との差圧による相対的な 加圧によりブラダー245が膨張する。この膨張 したブラダー245により、積層体244の断面の一 方側の端部248がマンドレル242に押し当てられ 、マンドレル242の側面形状に沿う形状に折り 曲げられ賦形される。

 次に、チャンバー241のブラダー246収容側 分の内部が減圧されることにより、図30に すように、ブラダー246内に外部から大気247 導入されるとともに、導入された大気247の 力(大気圧)と減圧されたチャンバー241の内圧 との差圧による相対的な加圧によりブラダー 246が膨張する。この膨張したブラダー246によ り、積層体244の断面の他方側の端部249がマン ドレル243に押し当てられ、マンドレル243の側 面形状に沿う形状に折り曲げられ賦形される 。積層体244の断面における一方側の端部248が マンドレル242側に、他方側の端部249がマンド レル243側に、互いに反対方向に屈曲賦形され ることにより、Z形断面プリフォーム250が形 される。

 次に、図30の状態で加熱して、積層体244 賦形形状をホールドさせるようにする。加 は、チャンバー241内全体を加熱してもよく マンドレル242、243を加熱媒体通液や電気ヒ タ等により加熱してもよい。さらに、ブラ ー245、246内への導入流体を加熱することも 能である。

 このようにZ形断面形状に賦形されたドラ イのプリフォーム250を用いて、例えばRTM成形 方法により、マトリックス樹脂(例えば、エ キシ樹脂等の熱硬化性樹脂)がプリフォーム2 50に含浸され、所定温度に加熱されて硬化さ 、所望形状の繊維強化樹脂複合材料が製造 れる。

 上記例では、ドライの強化繊維材の積層 244を使用したが、プリプレグの積層体を用 ることも可能であり、その場合には、マト ックス樹脂含浸工程は不要である。また、 25に示したような湾曲部を有する形状に賦 する場合には、必要に応じて、図26、図27に したように湾曲賦形がより円滑に行われる うに、フランジ部223、233やウエブ部232の一 にスリット(切り欠き)を設けておいてもよ 。

 特に図28~図30に示した賦形装置は、駆動 を有さず、大気圧を加圧源としているため 装置構成が非常にシンプルである。また、 ブラダー245、246による加圧の順番を制御す ことにより、賦形の順番を容易に制御する とができる。各ブラダー245、246による賦形 順を制御することにより、とくに図25~図28に 示したような湾曲部を有する形状に賦形する 場合、積層体を形成している強化繊維束を適 切にずらしながら賦形することができるため 、皺などが生じにくくなる。中でも、図26、 27に示したような湾曲部を有し、かつ、フ ンジ部223、233にスリット(切り欠き)225、235を 有する場合(場合によっては、ウエブ部232に スリット235を有する場合)には、スリットを しない側のフランジ部224、234を先に賦形し 後、スリットを有するフランジ部223、233を 形することにより、皺などが発生しにくく る。

 また、図25~図27に示したような湾曲部を する形状に賦形する場合には、湾曲部の長 方向中央部を先に賦形した後、該中央部の 手方向両側部分を賦形することが好ましい 例えば図26に示した湾曲部を有する形状への 賦形についてみると、とくにスリットを有し ない側のフランジ部224を賦形するに際し、そ の湾曲部の長手方向中央部Aを先に賦形した 、該中央部Aの長手方向両側部分B、Bを賦形 ることが好ましい。両側のB、B部分は順に賦 形してもよく、同時賦形も可能である。さら に、両側のB、B部分が中央部Aに対して長手方 向に対称に位置されるようになっていること が好ましい。このように長手方向中央部Aを に賦形することにより、前述したように皺 どの発生しない望ましい形状への賦形が可 になる。

 なお、上記例では大気247をブラダー245、2 46内へ導入したが、前述したように、大気247 外の適当な加圧流体を導入することも可能 ある。その場合には、導入加圧流体でブラ ー245、246を膨張させることができるので、 閉可能なチャンバーは不要である。ただし ブラダー245、246が膨張して賦形方向に加圧 を発揮する際の反力を受ける部材は必要で る。

 さらに前述したように、本技術はC形断面 への賦形にも適用可能である。例えば図28~図 30において、ブラダー245、246をマンドレル242 たは243に対し左右対象位置に配置すれば、 易にC形断面への賦形が可能になる。

 このようなブラダーを用いた技術は、成 型の両側で屈曲賦形することが要求される らゆる繊維強化樹脂複合材料のための賦形 適用できる。

 本発明は、とくに大型、長尺の湾曲形状 維強化樹脂複合材料の成形、その成形に供 るプリフォームの賦形、そのプリフォーム 賦形に供する強化繊維積層体、その積層体 作製に供する強化繊維基材に好適なもので り、例えば、航空機の胴体フレームの成形 適用して好適なものである。