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Title:
RESIN COMPOSITION AND METHOD FOR PRODUCING SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2023/062490
Kind Code:
A1
Abstract:
The present invention relates to a resin composition including 50-98 parts by mass of (A) a modified starch, 2-50 parts by mass of (B) polyvinyl alcohol, and 0.01-0.15 part by mass of (C) a compound represented by formula (1) or a salt thereof, the total content of component (A), component (B), and component (C) being 100 parts by mass, and the average amylose content of the modified starch (A) being at least 50% by mass.

Inventors:
OTA MASAHIKO (JP)
Application Number:
PCT/IB2022/059583
Publication Date:
April 20, 2023
Filing Date:
October 07, 2022
Export Citation:
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Assignee:
PLANTIC TECH LTD (AU)
International Classes:
B29C48/08; B29C51/00; B32B1/02; B32B7/12; B32B27/28; B32B27/30; B65D1/00; B65D1/34; B65D25/00; C08J5/18; C08L3/04; C08L3/08; C09D103/08
Domestic Patent References:
WO2021156751A12021-08-12
WO2020136598A12020-07-02
WO2006042364A12006-04-27
WO2021016305A12021-01-28
Foreign References:
US20200339785A12020-10-29
US20200281889A12020-09-10
CN110358236A2019-10-22
US20010025068A12001-09-27
JP2002532600A2002-10-02
Other References:
STARCH, vol. 50, no. 4, 1998, pages 158 - 163
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Claims:
45 請 求の範 囲

[請求項 1] 5 0-9 8質量部の変性デンプン (A) 、

2-5 0質量部のポリビニルアルコール (B) 、 及び 〇. 01 -0. 1 5質量部の式 ( 1 ) : [化 1]

[式中、 Riは炭素数 1 - 1 2のアルキル基、 炭素数 6-20のアリ ール基、 又は炭素数 7-2 0のアラルキル基を示し、 R2〜 R 5はそ れぞれ独立に、 水素原子、 ハロゲン原子、 炭素数 1 - 1 2のアルキル 基、 ヒドロキシル基、 又は炭素数 1 - 1 2のアルコキシ基を示し、 R 6は ヒドロキシル基又は炭素数 1 - 1 2のアルコキシ基を示す] で表される化合物又はその塩 (C) を含み、 該 (A) 成分、 (B) 成分及び (C) 成分の合計含有量は 1 〇〇質量部であり、 変性デンプン (A) の平均アミロース含有量は 5 〇質量%以上である、 樹脂組成物。

[請求項 2] 前記式 ( 1 ) 中、 R 1は炭素数 1〜 6のアルキル基又は炭素数 7〜

9のアラルキル基である、 請求項 1 に記載の樹脂組成物。

[請求項 3] 変性デンプン (A) 、 ポリビニルアルコール (B) 及び前記式 (1

) で表される化合物又はその塩 (C) の合計含有量は、 樹脂組成物の 質量に対 して、 80質量%以上である、 請求項 1又は 2に記載の樹脂 組成物。

[請求項 4] 変性デンプン (A) は、 エーテル化デンプン、 エステル化デンプン

、 カチオン化デンプン及び架橋デンプンからなる群から選択される少 な くとも 1つである、 請求項 1 -3のいずれかに記載の樹脂組成物。 46

[請求項 5] 変性デンプン (A) は、 炭素原子数が 2~6個であるヒドロキシア ルキル基を有するエーテル化デンプン及びジカルボン酸無水物由来の 構造単位を有するエステル化デンプンか らなる群から選択される少な くとも 1つである、 請求項 1〜 4のいずれかに記載の樹脂組成物。

[請求項 6] ポリビニルアルコール (B) は、 J 丨 S Z 880 3に準拠 して 測定 した 4 %水溶液の 2 O°Cにおける粘度が 1〜 50m P a • sであ る、 請求項 1〜 5のいずれかに記載の樹脂組成物。

[請求項 7] 〇. 1〜 1 0質量部のポリオキシアルキレン (D) 及び/又は〇・ 〇 1~5質量部のポリオール可塑剤 (E) をさらに含み、 前記 (A) 成分、 (B) 成分、 (C) 成分、 (D) 成分及び (E) 成分の合計含 有量は 1 00質量部である、 請求項 1〜 6のいずれかに記載の樹脂組 成物。

[請求項 8] 請求項 1〜 7のいずれかに記載の樹脂組成物を含む含水組成物であ って、 含水率は 1〜 50質量%である、 含水組成物。

[請求項 9] 請求項 8に記載の含水組成物を紙又はフィルムに被覆してなる、 被 覆物。

[請求項 10] 請求項 9に記載の被覆物と 1つ以上の層 (X) とを含む、 多層構造 体。

[請求項 11] 請求項 9に記載の被覆物、 又は請求項 1 〇に記載の多層構造体から なる、 包材。

[請求項 12] 押出機を用いて、 請求項 8に記載の含水組成物を、 引取機で搬送さ れたフ ィルム又は紙に被覆する工程を含む、 請求項 9に記載の被覆物 の製造方法。

[請求項 13] 請求項 1〜 7のいずれかに記載の樹脂組成物からなるフィルム又は シー ト。

[請求項 14] 請求項 1 3に記載のフィルム又はシートと 1つ以上の層 (X) とを 含む、 積層体。

[請求項 15] 請求項 1 3に記載のフィルムもしくはシート、 又は、 請求項 1 4に 47 記載の積層体を含んでなる包装用 トレイ又はカップ。

[請求項 16] 押出機を用いて、 請求項 1〜 7のいずれかに記載の樹脂組成物を成 形 してフィルム又はシートを得る工程 ; ラミネートにより、 得られた フ ィルム又はシートに 1つ以上の層 (X) を積層して積層体を得るエ 程 ;及び得られた積層体を包装用トレイ又はカップに熱成形する工程 ; を含む、 請求項 1 5に記載の包装用トレイ又はカップの製造方法。

[請求項 17] 前記式 ( 1 ) で表される化合物又はその塩 (C ) を、 該 (C ) 以外 の成分 と同時に混合する工程を含む、 請求項 1〜 7のいずれかに記載 の樹脂組成物の製造方法。

[請求項 18] 前記式 ( 1 ) で表される化合物又はその塩 (C ) 以外の成分を混合 した混合物を製造後、 該混合物に前記 (C ) 成分の水溶液を添加する 工程 と、 任意にさらに乾燥する工程を含む、 請求項 1〜 7のいずれか に記載の樹脂組成物又は請求項 8に記載の含水組成物の製造方法。

Description:
明 細 書 発明 の名称 : 樹脂組成物 及びそ の製造方 法 技術分 野

[0001 I 本発明は、 食品の包装容器等に用いられる樹脂組成物及 びその製造方法、 該樹脂組成物を含む含水組成物及びその製造 方法、 該含水組成物を紙又はフ イルムに被覆してなる被覆物及びその製造方 法、 該被覆物を含む多層構造体 、 該樹脂組成物からなるフィルム又はシート、 該フィルム又はシートを含む 積層体、 該被覆物又は該多層構造体からなる包材、 並びに該フィルムもしく はシート又は該積層体を含んでなる包装用ト レイ又はカップ及びその製造方 法に関する。 背景技 術

[0002] 従来、 変性デンプン及びポリビニルアルコールを含 む樹脂組成物は、 生分 解性に優れることから、 食品を包装する容器等に広く用いられている (例え ば特表 2 0 0 2 - 5 3 2 6 0 0号公報) 〇 先行技 術文献 特許文 献

[0003] 特許文献 1 :特表 2 0 0 2 - 5 3 2 6 0〇号公報 発明 の概要 発明 が解決 しようと する課題

[0004] これらの食品を包装する容器として用いられ る樹脂組成物には、 高い酸素 バリア性に加え、 衝撃による破断等を回避するために優れた衝 撃強度が要求 される。 しかし、 本発明者の検討によれば、 衝撃強度を向上させる目的で、 変性デンプン及びポリビニルアルコールを含 む樹脂組成物に、 タルク等の無 機物やゴム粒子といった衝撃強度改善剤を添 加しても、 +分な衝撃強度が得 られず、 しかも高い酸素バリア性を維持できないこと もわかった。

[0005] 従って、 本発明の目的は、 衝撃強度及び酸素バリア性に優れた樹脂組成 物 及びその製造方法、 該樹脂組成物を含む含水組成物及びその製造 方法、 該含 水組成物を紙又はフィルムに被覆してなる被 覆物及びその製造方法、 該被覆 物を含む多層構造体、 該樹脂組成物からなるフィルム又はシート、 該フィル ム又はシートを含む積層体、 該被覆物又は該多層構造体からなる包材、 並び に該フィルムもしくはシート又は該積層体を 含んでなる包装用トレイ又はカ ップ及びその製造方法を提供することにある 。 課題 を解決す るため の手段

[0006I 本発明者は、 上記課題を解決するために、 変性デンプン (A) 及びポリビ 二ルアルコール (B) を含む樹脂組成物について詳細に検討を重ね 、 本発明 を完成させるに至った。 すなわち、 本発明には、 以下の好適な態様が含まれ る。

[0007] [ 1 ] 50-98質量部の変性デ ンプン (A) 、

2-5 0 質量部のポリビニルアルコール (B) 、 及び

〇. 01 -0. 1 5質量部の式 ( 1 ) :

[化 1]

[式中、 Riは炭素数 1 -1 2のアルキル基、 炭素数 6-20のアリール基、 又は炭素数 ?-2 0 のアラルキル基を示し、 R2〜R5はそれぞれ独立に、 水 素原子、 ハロゲン原子、 炭素数 1 -1 2のアルキル基、 ヒドロキシル基、 又 は炭素数 1〜 1 2のアルコキシ基を示し、 R 6はヒドロキシル基又は炭素数 1 - 1 2のアルコキシ基を示す] で表される化合物又はその塩 (C) を含み、 該 (A) 成分、 (B) 成分及び (C) 成分の合計含有量は 1 00質 量部であり、 変性デンプン (A) の平均アミロース含有量は 50質量%以上 である、 樹脂組成物。 [2] 前記式 (1 ) 中、 Riは炭素数 1〜 6のアルキル基又は炭素数 7~9の アラルキル基である、 [ 1 ] に記載の樹脂組成物。

[3I 変性デンプン (A) 、 ポリビニルアルコール (B) 及び前記式 (1 ) で表される化合物又はその塩 (C) の合計含有量は、 樹脂組成物の質量に対 して、 80質量%以上であ る、 [1 ] 又は [2] に記載の樹脂組成物。

[4J 変性デンプン (A) は、 エーテル化デンプン、 エステル化デンプン、 カチオン化デンプン及び架橋デンプンからな る群から選択される少なくとも 1つである、 [1 ] 〜 [3] のいずれかに記載の樹脂組成物。

[5I 変性デンプン (A) は、 炭素原子数が 2~6個であるヒドロキシアル キル基を有するエーテル化デンプン及びジカ ルボン酸無水物由来の構造単位 を有するエステル化デンプンからなる群から 選択される少なくとも 1つであ る、 [1 ] 〜 [4 ] のいずれかに記載の樹脂組成物。

[6I ポリビニルアルコール (B) は、 J 丨 S Z 880 3に準拠 して測 定した 4 %水溶液の 20 °Cにおける粘度が 1〜 50m P a ・ sである、 [1 ] 〜 [5] のいずれかに記載の樹脂組成物。

[7J 〇. 1〜 1 0質量部のポリオキシアルキレン (D) 及び/又は〇・ 〇 1~5質量部のポ リオール可塑剤 (E) をさらに含み、 前記 (A) 成分、 ( B) 成分、 (C) 成分、 (D) 成分及び (E) 成分の合計含有量は 1 00質 量部である、 [1 ] 〜 [6] のいずれかに記載の樹脂組成物。

[8] [1 ] 〜 [7] のいずれかに記載の樹脂組成物を含む含水組 成物であ って、 含水率は 1〜 50質量%である、 含水組成物。

[9] [8] に記載の含水組成物を紙又はフィルムに被覆 してなる、 被覆物

[1 〇! [9] に記載の被覆物と 1つ以上の層 (X) とを含む、 多層構造体

[1 1 ] [9] に記載の被覆物、 又は [1 〇] に記載の多層構造体からなる 、 包材。

[1 2] 押出機を用いて、 [8] に記載の含水組成物を、 引取機で搬送され たフィルム又は紙に被覆する工程を含む、 [9] に記載の被覆物の製造方法

[ 1 3] [1 ] 〜 [7] のいずれかに記載の樹脂組成物からなるフィ ルム又 はシート。

[ 1 4] [ 1 3I に記載のフィルム又はシートと 1つ以上の層 (X) とを含 む、 積層体。

[1 5] [ 1 3 ] に記載のフィルムもしくはシート、 又は、 [1 4 ] に記載 の積層体を含んでなる包装用トレイ又はカッ プ。

[1 6] 押出機を用いて、 [1 ] 〜 [7] のいずれかに記載の樹脂組成物を 成形してフィルム又はシートを得る工程 ;ラミネートにより、 得られたフィ ルム又はシートに 1つ以上の層 (X) を積層して積層体を得る工程 ;及び得 られた積層体を包装用トレイ又はカップに熱 成形する工程;を含む、 [1 5 ] に記載の包装用トレイ又はカップの製造方法 。

[1 7] 前記式 (1 ) で表される化合物又はその塩 (C) を、 該 (C) 以外 の成分と同時に混合する工程を含む、 [1 ] 〜 [7] のいずれかに記載の樹 脂組成物の製造方法。

[ 1 8I 前記式 (1 ) で表される化合物又はその塩 (C) 以外の成分を混合 した混合物を製造後、 該混合物に前記 (C) 成分の水溶液を添加する工程と 、 任意にさらに乾燥する工程を含む、 [ 1 ! 〜 [7I のいずれかに記載の樹 脂組成物又は [8] に記載の含水組成物の製造方法。 発明 の効果

[0008I 本発明の樹脂組成物は、 衝撃強度及び酸素バリア性に優れている。 そのた め、 食品用包装及び容器等の材料として好適に使 用できる。 図面 の簡単な 説明

[0009] [図 1]実施例における被覆物の製造過程を示す概 図である。

[図 2]実施例で使用された二軸押出機の概略図で る。 発明 を実施す るため の形態

[0010] [樹脂組成物] 本発明の樹脂組成物は、 50-9 8質量部の変性デンプン (A) 、 2-5 〇質量部のポリビニルアルコール (B) 、 及び〇• 0 1〜〇• 1 5質量部の 式 ( 1 ) :

[化 2]

[式中、 R iは炭素数 1 - 1 2のアルキル基、 炭素数 6-20のアリール基、 又は炭素数 ?-2 0 のアラルキル基を示し、 R2〜R5はそれぞれ独立に、 水 素原子、 ハロゲン原子、 炭素数 1 - 1 2のアルキル基、 ヒドロキシル基、 又 は炭素数 1 〜 1 2のアルコキシ基を示し、 R 6はヒドロキシル基又は炭素数 1 - 1 2のアルコキシ基を示す] で表される化合物又はその塩 (C) を含み、 該 (A) 成分、 (B) 成分及び (C) 成分の合計含有量は 1 〇〇質量部であり、 変性デンプン (A) の平均 アミロース含有量が 50質量%以上である。 なお、 式 ( 1 ) で表される化合 物を化合物 ( 1 ) と称することがあり、 化合物 ( 1 ) 又はその塩 (C) を総 称して化合物 (C) ということがある。 また、 変性デンプン (A) を (A) 成分又は単に (A) ということがある。 他の成分についても同様である。

[0011I 本発明者は、 変性デンプン及びポリビニルアルコールを含 む樹脂組成物の 衝撃強度を +分に改善できる添加成分について検討を進 たところ、 平均ア ミロース含有量が 5〇質量%以上であり、 かつ 50-9 8質量部の変性デン プン (A) 及び 2-50 質量部のポリビニルアルコール (B) を含む樹脂組 成物に、 式 ( 1 ) で表される化合物又はその塩 (C) を〇・ 〇 1 -0. 1 5 質量部というわずかな量添加すると、 驚くべきことに、 優れた酸素バリア性 を維持しつつ、 衝撃強度を顕著に向上できることを見出した 。 理由は定かで ないが、 式 ( 1 ) で表される化合物又はその塩 (C) が、 変性デンプン (A ) 及びポリビニルアルコール ( B ) と有効に相互作用し局所的に反可塑化効 果を与えるからだと推定される。

[0012I く変性デンプン ( A ) > 変性デンプン ( A ) は、 例えばエーテル化デンプン、 エステル化デンプン 、 カチオン化デンプン及び架橋デンプンからな る群から選択される少なくと も 1つであることが好ましい。

[0013] デンプンとしては、 キヤツサバ、 トウモロコシ、 馬鈴薯、 甘諸、 サゴ、 夕 ピオカ、 モロコシ、 豆、 ワラビ、 ハス、 ヒシ、 小麦、 コメ、 オート麦、 クズ ウコン、 エンドウ等に由来するデンプンが挙げられる 。 中でもトウモロコシ 、 キャッサバに由来するデンプンが好ましく、 高アミロースのトウモロコシ に由来するデンプンがさらに好ましい。 デンプンは単独又は二種以上を組み 合わせて使用できる。

[0014] エーテル化デンプンとしては、 例えばメチルエーテル化デンプン等のアル キルエーテル化デンプン;例えばカルボキシ メチルエーテル化デンプン等の カルボキシアルキルエーテル化デンプン ;例えば炭素原子数が 2~6個であ るヒドロキシアルキル基を有するエーテル化 デンプン等のヒドロキシアルキ ルエーテル化デンプン等が挙げられる。 また、 アリルエーテル化デンプン等 も用いることができる。

[0015] エステル化デンプンとしては、 例えば酢酸由来の構造単位を有するエステ ル化デンプン等のカルボン酸由来の構造単位 を有するエステル化デンプン; 例えばマレイン酸無水物由来の構造単位を有 するエステル化デンプン、 フタ ル酸無水物由来の構造単位を有するエステル 化デンプン、 オクテニルスクシ ン酸無水物由来の構造単位を有するエステル 化デンプン等のジカルボン酸無 水物由来の構造単位を有するエステル化デン プン ;例えば硝酸エステル化デ ンプン、 リン酸エステル化デンプン、 尿素リン酸エステル化デンプン等のオ キソ酸由来の構造単位を有するエステル化デ ンプンが挙げられる。 他の例と しては、 キサントゲン酸エステル化デンプン、 アセト酢酸エステル化デンプ ン等が挙げられる。 [0016I カチオン化デンプンとしては、 デンプンと 2ージエチルアミノエチルクロ ライ ドとの反応物、 デンプンと 2 , 3ーエポキシプロピルトリメチルアンモ ニウムクロライ ドとの反応物等が挙げられる。

[0017] 架橋デンプンとしては、 ホルムアルデヒド架橋デンプン、 エピクロルヒド リン架橋デンプン、 リン酸架橋デンプン、 アクロレイン架橋デンプン等が挙 げられる。

[0018] 変性デンプン ( A ) としては、 樹脂組成物をフィルム又はシート及び被覆 物に成形する際の成膜性を高めやすい観点か ら、 炭素原子数が 2~6個であ るヒドロキシアルキル基を有するエーテル化 デンプン及びジカルボン酸無水 物由来の構造単位を有するエステル化デンプ ンからなる群から選択される少 なくとも 1つであることが好ましく、 ヒドロキシエチルエーテル化デンプン 、 ヒドロキシプロピルエーテル化デンプン、 ヒドロキシブチルエーテル化デ ンプン、 マレイン酸無水物由来の構造単位を有するエ ステル化デンプン、 フ タル酸無水物由来の構造単位を有するエステ ル化デンプン及びオクテニルス クシン酸無水物由来の構造単位を有するエス テル化デンプンからなる群から 選択される少なくとも 1つであることがより好ましい。 変性デンプン ( A ) は単独又は二種以上組み合わせて使用できる 。 なお、 本明細書において、 「 デンプン」 の前に記載された炭素原子数は、 デンプン中の 1つの水酸基に置 換した基 (デンプン中の 1つの水酸基を変性して形成された基) の炭素原子 数を表す。 例えば炭素原子数 2~5のヒドロキシアルキル基を有するエーテ ル化デンプンは、 該デンプン中の 1つの水酸基を変性して形成されたヒドロ キシアルキル基の炭素原子数が 2〜 5であることを示す。

[0019] 炭素原子数が 2~6個であるヒドロキシアルキル基を有する ーテル化デ ンプンは、 例えばエチレンオキサイ ド、 プロピレンオキサイ ド、 ブチレンオ キサイ ド等のアルキレンオキシドとデンプンとの反 応により得られるもので あってよい。 変性に用いられるヒドロキシ基の平均数は、 デンプン中の 1 グ ルコースユニツ ト当たり好ましくは〇. 0 5〜 2である。

[0020] 変性デンプン ( A ) は、 変性デンプン ( A ) 中の平均アミロース含有量が 5 0質量%以上である。 変性デンプン (A) の平均アミロース含有量が 50 質量%未満であると、 +分な衝撃強度、 酸素バリア性及び成形加工性が得ら れない傾向がある。 変性デンプン (A) の平均アミロース含有量は、 50質 量%以上、 好ましくは 55質量%以上、 より好ましくは 60質量%以上、 さ らに好ましくは 65質量%以上、 特に好ましくは 70質量%以上である。 平 均アミロース含有量が上記の下限以上である と、 衝撃強度、 酸素バリア性及 び成形加工性を高めやすい。 変性デンプン (A) 中の平均アミロースの含有 量は、 通常 90質量%以下である。 本明細書において、 アミロース含有量は 、 例えば 「 S t a r c h 5〇 N o. 4 1 58- 1 63 (1 998) J に記載のヨウ素呈色法により測定できる。 なお、 平均アミロース含有量は、 変性デンプンが 1種類の場合は、 該 1種類の変性デンプンのアミロース含有 量を示し、 変性デンプンを 2種類以上使用する場合は、 2種以上の変性デン プンのアミロース含有量を加重平均したもの である。 そのため、 例えば、 変 性デンプンを 2種類以上使用し、 平均アミロース含有量を 50質量%以上と する場合、 アミロース含有量が 5〇質量%未満の変性デンプンを含んでいて もよい。

[0021I 変性デンプン (A) は、 変性デンプン (A) 中の含水率が好ましくは 5〜 1 5質量%である。

[0022] 変性デンプン (A) は、 市販されているものを用いることもできる。 変性 デンプン (A) の代表的市販品の例としては、 例えば I n g r e d i o n社 製のヒドロキシプロピルエーテル化デンプン である、 ECO F I LM (商標 ) や N a t i o n a l 1 658 (商標) などが挙げられる。

[0023] 変性デンプン (A) の含有量は、 成分 ( A) 、 (B) 及び (C) の合計 1 。 0質量部に対して、 50-9 8質量部である。 変性デンプン (A) の含有 量が 50質量部未満 98質量部超であると、 衝撃強度、 酸素バリア性、 引取 性、 非密着性及び耐折り曲げ性が低下する傾向が ある。 なお、 本明細書にお いて、 成分 (A) 、 (B) 及び (C) の合計量は、 成分 (D) 及び/又は ( E) を含む場合には、 成分 (D) 及び/又は成分 (E) を加えた合計量であ る〇 変性デンプン (A) の含有量は、 成分 (A) 、 (B) 及び (C) の合計 1 00 質量部に対 して、 50質量部以上、 好ましくは 60質量部以上、 より好 ましくは 68質量部以上、 さらに好ましくは 70質量部以上であり、 98質 量部以下、 好ましくは 95質量部以下、 より好ましくは 92質量部以下であ る。 変性デンプン (A) の含有量が上記範囲内であると、 衝撃強度、 酸素バ リア性、 引取性、 非密着性及び耐折り曲げ性を高めやすい。 なお、 本明細書 において、 引取性とは、 搬送された紙又はフィルム上に押出機のダイ ス出口 から吐出された樹脂組成物 (又は含水組成物) を被覆する際に、 該樹脂組成 物が裂けずに被覆し得る特性を意味し、 引取性が向上する又は高まるとは、 紙又はフィルムを高速搬送させた場合におい ても該樹脂組成物が裂けずに被 覆しやすくなることを示す。 また、 非密着性とは、 製造時に金属ロールと密 着しにくい特性を意味し、 非密着性が向上する又は高まるとは、 製造時の金 属ロールとの密着性が低減することを意味す る。

[0024I くポリビニルアルコール ( B) > 本発明の樹脂組成物に含まれるポリビニルア ルコール (B) は、 鹼化度が 好ましくは 80-9 9. 9モル%である。 ポリビニルアルコール (B) の鹼 化度が上記範囲内である場合には、 衝撃強度、 酸素バリア性及び引取性を高 めやすい。 鹼化度は、 より好ましくは 85モル%以上、 さらに好ましくは 8 8 モル%以上、 さらにより好ましくは 95モル%以上である。 なお、 本明細 書において、 鹼化度は、 ポリビニルアルコール (B) における水酸基とエス テル基との合計に対する水酸基のモル分率を いう。

[0025I ポリビニルアルコール (B) は、 ビニルアルコール単位以外の他の単量体 単位をさらに含むことができる。 他の単量体単位としては、 エチレン性不飽 和単量体に由来する単量体単位等が挙げられ る。 エチレン性不飽和単量体と しては、 エチレン、 プロピレン、 nーブテン、 イソブチレン、 1 ーヘキセン などの aーオレフィン類 ; アクリル酸及びその塩 ; アクリル酸エステル基を 有する不飽和単量体 ; メタクリル酸及びその塩 ; メタクリル酸エステル基を 有する不飽和単量体 ; アクリルアミ ド、 Nーメチルアクリルアミ ド、 Nーエ チルアクリルアミ ド、 N , N —ジメチルアクリルアミ ド、 ジアセトンアクリ ルアミ ド、 アクリルアミ ドプロパンスルホン酸及びその塩、 アクリルアミ ド プロピルジメチルアミン及びその塩 (例えば 4級塩) ; メタクリルアミ ド、 N ーメチルメタクリルアミ ド、 Nーエチルメタクリルアミ ド、 メタクリルア ミ ドプロパンスルホン酸及びその塩、 メタクリルアミ ドプロピルジメチルア ミン及びその塩 (例えば 4級塩) ; メチルビニルエーテル、 エチルビニルエ ーテル、 n ―プロピルビニルエーテル、 i ―プロピルビニルエーテル、 n - ブチルビニルエーテル、 i —ブチルビニルエーテル、 t —ブチルビニルエー テル、 ドデシルビニルエーテル、 ステァリルビニルエーテル、 2 , 3ージア セトキシー 1 ービニルオキシプロパンなどのビニルエーテ ル類 ; アクリロニ トリル、 メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類 ;塩化ビニル、 フッ化 ビニルなどのハロゲン化ビニル類;塩化ビニ リデン、 フッ化ビニリデンなど のハロゲン化ビニリデン類 ;酢酸アリル、 2 , 3ージアセトキシー 1 ーアリ ルオキシプロパン、 塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸 、 イタコン 酸、 フマル酸などの不飽和ジカルボン酸及びその 塩又はエステル ; ビニルト リメ トキシシランなどのビニルシリル化合物、 酢酸イソプロペニル;蟻酸ビ 二ル、 酢酸ビニル、 プロピオン酸ビニル、 酪酸ビニル、 イソ酪酸ビニル、 ピ バリン酸ビニル、 バーサチック酸ビニル、 カプロン酸ビニル、 カルリル酸ビ 二ル、 ラウリル酸ビニル、 パルミチン酸ビニル、 ステァリン酸ビニル、 オレ イン酸ビニル、 安息香酸ビニルなどのビニルエステル単量体 が例示される。 他の単量体単位の含有量は、 1 0モル%以下であることが好ましく、 5モル % 以下であることがより好ましい。 ポリビニルアルコール ( B ) は単独又は 二種以上組み合わせて使用できる。

[0026I ポリビニルアルコール ( B ) の製造方法は特に限定されない。 例えばビニ ルアルコール単量体及び任意に他の単量体を 重合し、 得られた重合体を鹼化 してビニルアルコール単位に変換する方法が 挙げられる。 重合する際の重合 方式としては、 回分重合、 半回分重合、 連続重合、 半連続重合等が挙げられ る。 重合方法としては、 塊状重合法、 溶液重合法、 懸濁重合法、 乳化重合法 等の公知の方法が挙げられる。 重合体の鹼化は、 公知の方法を適用できる。 例えばアルコール又は含水アルコールに該重 合体が溶解した状態で行うこと ができる。 このとき使用できるアルコールは、 例えばメタノール、 エタノー ル等の低級アルコールであることが好ましい 。

[0027I ポリビニルアルコール (B) は、 J I S Z 880 3 に準拠して測定し た 4 %水溶液の 2 O°Cにおける粘度が好ましく 1 m P a • s以上、 より好ま しくは 2 m P a • s以上、 さらに好ましくは 3 m P a • s以上であり、 好ま しくは 50 m P a • s以下、 より好ましくは 45 m P a • s以下、 さらに好 ましくは 35 m P a • s以下である。 ポリビニルアルコール (B) の上記粘 度が上記の下限以上であると酸素バリア性が 向上しやすく、 該粘度が上記の 上限以下であると、 衝撃強度及び引取性を高めやすい。 なお、 ポリビニルア ルコール (B) の上記粘度は粘度計を用いて測定でき、 例えば実施例に記載 の方法により測定できる。

[0028I ポリビニルアルコール (B) の含有量は、 成分 (A) 、 (B) 及び (C) の合計 1 〇〇質量部に対して、 2~50質量部である。 ポリビニルアルコー ル (B) の含有量が 2質量部未満 50質量部超であると、 衝撃強度、 酸素バ リア性、 引取性、 非密着性及び耐折り曲げ性が低下する傾向が ある。 ポリビニルアルコール (B) の含有量は、 成分 (A) 、 (B) 及び (C) の合計 1 〇〇質量部に対して、 2質量部以上、 好ましくは 5質量部以上、 よ り好ましくは 8質量部以上であり、 50質量部以下、 好ましくは 40質量部 以下、 より好ましくは 32質量部以下、 さらに好ましくは 30質量部以下で ある。 ポリビニルアルコール (B) の含有量が上記の下限以上であると、 衝 撃強度、 酸素バリア性、 引取性及び耐折り曲げ性を高めやすく、 また該含有 量が上記の上限以下であると、 非密着性を高めやすい。

[0029I く化合物 (C) 又はその塩> 本発明の樹脂組成物は、 式 ( 1 ) [化 3]

[式中、 !^は炭素数1〜1 2のアルキル基、 炭素数 6~20のアリール基、 又は炭素数 7~2 0のアラルキル基を示し、 R2〜R5はそれぞれ独立に、 水 素原子、 ハロゲン原子、 炭素数 1〜 1 2のアルキル基、 ヒドロキシル基、 又 は炭素数 1〜 1 2のアルコキシ基を示し、 R 6はヒドロキシル基又は炭素数 1 - 1 2のアルコキシ基を示す] で表される化合物又はその塩 (C) を含む。 本発明の樹脂組成物は、 わずか な量の化合物 (C) を含むことにより、 優れた酸素バリア性を損なうことな く、 衝撃強度を顕著に向上できる。 さらに前記樹脂組成物が化合物 (C) を 含むと、 樹脂組成物を含水状態で長期間保管した後で あっても優れた色調を 有することができる。 なお、 本明細書において、 色調に優れるとは、 着色度 が低いこと、 例えば b値 (黄色度、 Y 丨 ) が低いことを示し、 色調が高まる 又は向上するとは、 着色度が低減されること、 例えば b値が低減されること を意味する。 また、 含水状態で長期間保管した後の色調を、 単に保管後の色 調ということがある。

[0030I 式 (1 ) 中の RUこおいて、 炭素数 1〜 1 2のアルキル基としては、 例えば メチル基、 エチル基、 nープロピル基、 イソプロピル基、 n—ブチル基、 イ ソブチル基、 s e c—ブチル基、 t e r t —ブチル基、 nーペンチル基、 2 ーメチルーブチル基、 3 —メチルブチル基、 2ーエチループロピル基、 n — ヘキシル基、 n —ヘプチル基、 n —オクチル基、 t e r t —オクチル基、 n ーノニル基及び nーデシル基等が挙げられ、 衝撃強度、 酸素バリア性及び保 管後の色調を高めやすい観点から、 メチル基、 エチル基、 nープロピル基、 n― ブチル基、 イソブチル基、 s e c-ブチル基等の炭素数 1〜 6のアルキ ル基が好ましく、 炭素数 1〜 4のアルキル基がより好ましい。 炭素数 6~2 〇のアリール基としては、 例えばフェニル基、 トリル基、 ナフチル基等が挙 げられ、 衝撃強度、 酸素バリア性及び保管後の色調を高めやすい 観点から、 フェニル基等の炭素数 6~8のア リール基が好ましい。 炭素数 7~20のア ラルキル基としては、 例えばベンジル基、 フェネチール基等が挙げられ、 衝 撃強度、 酸素バリア性及び保管後の色調を高めやすい 観点から、 ベンジル基 等の炭素数 ?~9のアラルキル基が好ま しい。 式 (1 ) の Riの中でも、 衝撃 強度、 酸素バリア性及び保管後の色調を高めやすい 観点から、 上記炭素数 1 〜 6のアルキル基又は上記炭素数 7~9のアラルキル基が好ましい。

[0031I 式 (1 ) 中の R2〜 R5において、 ハロゲン原子としては、 フッ素原子、 塩 素原子、 臭素原子、 ヨウ素原子が挙げられる。 炭素数 1〜 1 2のアルキル基 としては、 1の炭素数1〜 1 2のアルキル基として上記に例示のものが挙 られ、 炭素数 1〜 4のアルキル基が好ましい。 炭素数 1〜 1 2のアルコキシ 基としては、 例えばメトキシ基、 エトキシ基、 プロポキシ基、 イソプロポキ シ基、 nーブトキシ基、 イソブトキシ基、 s e c—ブトキシ基、 t e r t — ブトキシ基、 nーペントキシ基、 ネオペントキシ基、 nーへキソキシ基、 n - オクトキシ基等が挙げられ、 炭素数 1〜 4のアルコキシ基が好ましい。 式 (1 ) の R2〜 R5の中でも、 衝撃強度、 酸素バリア性及び保管後の色調を高 めやすい観点から、 水素原子又は炭素数 1〜 4のアルキル基が好ましく、 水 素原子がより好ましい。

[0032I 式 ( 1 ) 中の R6において、 炭素数 1〜 1 2のアルコキシ基としては、 R 2 〜 R5の炭素数 1〜 1 2のアルコキシ基として上記に例示のものが げられ、 炭素数 1〜 4のアルコキシ基が好ましい。 式 (1 ) の R 6の中でも、 衝撃強度 、 酸素バリア性及び保管後の色調を高めやすい 観点から、 ヒドロキシル基が 好ましい。

[0033] 本発明の好適実施態様における化合物 (1 ) は、 R】が炭素数 1〜 6のアル キル基又は炭素数 7〜 9のアラルキル基であり、 R 2〜 R 5がそれぞれ独立に 水素原子又は炭素数 1〜 4のアルキル基であり、 R6がヒドロキシル基である 〇 このような化合物 ( 1 ) を含むと、 樹脂組成物の衝撃強度、 酸素バリア性 及び保管後の色調を向上しやすい。

[0034I 化合物 (C) の具体例としては、 例えばメチルパラベン、 エチルパラベン 、 ベンジルパラベン、 nープロピルパラベン、 イソプロピルパラベン、 n - ブチルパラベン、 及びこれらの塩が挙げられ、 衝撃強度、 酸素バリア性及び 保管後の色調を高めやすい観点から、 メチルパラベン、 エチルパラベン、 ベ ンジルパラベン、 nープロピルパラベン、 及びこれらの塩が好ましい。 化合 物 (C) は単独又は二種以上組み合わせて使用できる 。

[0035] 化合物 (C) の含有量は、 成分 (A) 、 (B) 及び (C) の合計 1 00質 量部に対して、 〇• 0 1〜〇• 1 5質量部である。 化合物 (C) の含有量が 〇・ 〇 1質量部未満〇. 1 5質量部超であると、 衝撃強度、 酸素バリア性、 引取性及び非密着性が低下する傾向がある。 化合物 (C) の含有量は、 〇. 0 1質量部以上、 より好ましくは〇. 02 質量部以上、 さらに好ましくは〇. 04質量部以上であり、 〇. 1 5質量部 以下、 好ましくは〇. 1 2質量部以下、 さらに好ましくは〇. 1 0質量部以 下、 さらにより好ましくは〇. 09質量部以下、 特に好ましくは〇. 08質 量部以下、 特により好ましくは〇. 07質量部以下である。 化合物 (C) の 含有量が上記の下限以上であると、 衝撃強度及び保管後の色調を高めやすく 、 また化合物 (C) の含有量が上記の上限以下であると、 衝撃強度及び酸素 バリア性を高めやすい。 本発明によれば、 化合物 (C) をわずかな量含むだ けで、 衝撃強度、 酸素バリア性及び保管後の色調を顕著に向上 できる。

[0036] くポリオキシアルキレン (D) 及びポリオール可塑剤 (E) > 本発明の樹脂組成物は、 ポリオキシアルキレン (D) 及び/又はポリオー ル可塑剤 (E) をさらに含んでいてもよい。 ポリオキシアルキレン (D) 及 び/ 又はポリオール可塑剤 (E) を含むと、 衝撃強度、 保管後の色調、 引取 性及び非密着性が向上しやすい。 ポリオキシアルキレン (D) は、 ポリアルキレンオキサイ ド及びポリアル キレングリコールを示し、 下記式 (2) : [化 4]

TR ー 〇 廿 ⑵

[式中、 Rはアルキレン基であり、 nは 1以上である] で表される構成単位 (構成単位 ( 2 ) ともいう) を有する。 ポリオキシアル キレン ( D ) は異なる構成単位 ( 2 ) を 2種以上有していてもよい。

[0037] 式 ( 2 ) において、 アルキレン基としては、 例えばエチレン基、 プロピレ ン基、 トリメチレン基、 ブチレン基、 イソブチレン基、 ペンチレン基、 へキ シレン基、 ヘプチレン基、 オクチレン基、 ノニレン基、 デシレン基等の炭素 原子数が 2~ 1 〇個であるアルキレン基が挙げられる。 これらの中でも、 衝 撃強度、 引取性、 非密着性及び耐折り曲げ性を高めやすい観点 から、 炭素原 子数が 2~6個であるアルキ レン基が好ましく、 エチレン基及び/又はプロ ピレン基がより好ましい。 nが 2以上の場合、 これらのアルキレン基は単独 又は二種以上組み合わせて使用できる。

[0038] 式 ( 2 ) 中の nは、 好ましくは 5以上、 より好ましくは 5 0以上、 さらに 好ましくは 1 〇〇以上であり、 好ましくは 1 2 0 , 0 0 0以下、 より好まし くは 7〇, 0 0 0以下である。 nが上記範囲内であると、 衝撃強度、 酸素バ リア性、 引取性、 非密着性及び耐折り曲げ性を高めやすい。 ポリオキシアル キレン ( D ) が異なる構成単位 ( 2 ) を含む場合、 各構成単位の繰り返し数 n は同一であっても、 異なっていてもよい。

[0039] ポリアルキレンオキサイ ドとしては、 例えば、 炭素原子数が 2~6個であ るアルキレンオキサイ ド由来の構成単位を有するポリマーが挙げら れ、 具体 的にはポリエチレンオキサイ ド、 ポリプロピレンオキサイ ド、 ポリ トリメチ レンオキサイ ド (ポリオキセタン) 、 ポリブチレンオキサイ ド、 ポリイソブ チレンオキサイ ド、 又はこれらを構成するモノマーの共重合体な どが挙げら れる。 ポリアルキレングリコールとしては、 例えば、 炭素原子数が 2~6個 であるアルキレングリコール由来の構成単位 を有するポリマーが挙げられ、 具体的にはポリエチレングリコール、 ポリプロピレングリコール、 ポリ トリ メチレングリコール、 ポリブチレングリコール、 ポリイソブチレングリコー ル、 又はこれらを構成するモノマーの共重合体な どが挙げられる。 これらの 中でも、 衝撃強度、 引取性、 非密着性及び耐折り曲げ性を高めやすい観点 か ら、 ポリオキシアルキレン (D) は、 ポリエチレンオキサイ ド、 ポリプロピ レンオキサイ ド、 ポリエチレングリコール、 ポリプロピレングリコール又は これらを構成するモノマーの共重合体である ことが好ましい。 該共重合体と しては、 エチレンオキサイ ドとプロピレンオキサイ ドとの共重合体、 エチレ ングリコールとプロピレングリコールとの共 重合体などが好ましい。

[0040I ポリオキシアルキレン (D) は、 本発明の効果を損なわない範囲であれば 、 構成単位 (2) 以外の他のモノマー由来の構成単位を含んで いてよい。 ポ リオキシアルキレン (D) が共重合体である場合、 共重合体の重合形態は特 に限定されず、 ランダム状、 ブロック状、 グラフト状、 又はティパード状の いずれであってもよい。

[0041I ポリオキシアルキレン (D) の重量平均分子量は、 好ましくは 1 0, 00 〇以上、 より好ましくは 5〇, 000以上であ り、 好ましくは 5, 000, 。 00以下、 より好ましくは 3, 000, 00 0以下であ る。 重量平均分子 量が上記範囲内であると、 衝撃強度、 酸素バリア性、 引取性、 非密着性及び 耐折り曲げ性を高めやすい。

[0042I ポリオキシアルキレン (D) は、 市販されているものを用いることもでき る。 ポリオキシアルキレン (D) の代表的市販品の例としては、 明成化学エ 業株式会社製のアルコックス (商標) E — 75 G、 アルコックス (商標) L — 1 1、 アルコックス (商標) L — 6、 アルコックス (商標) E P 1 01 0 N 、 住友精化株式会社製のペオ (商標) P EO— 1、 P E0-2 などが挙げ られる。

[0043I 本発明の樹脂組成物がポリオキシアルキレン (D) を含む場合、 ポリオキ シアルキレン (D) の含有量は、 成分 (A) 、 (B) 、 (C) 、 (D) 及び (E) の合計 1 00質量部に対して、 好ましくは〇• 1質量部以上、 より好 ましくは〇• 5質量部以上であり、 好ましくは 1 0質量部以下、 より好まし くは 8質量部以下、 さらに好ましくは 5質量部以下、 さらにより好ましくは 3 質量部以下である。 ポリオキシアルキレン (D) の含有量が上記の下限以 上であると、 衝撃強度、 保管後の色調、 引取性、 非密着性及び耐折り曲げ性 を高めやすく、 また該含有量が上記の上限以下であると、 酸素バリア性を高 めやすい。

[0044I ポリオール可塑剤 (E) は、 樹脂組成物の柔軟性を向上し得るため、 特に 硬さや柔らかさを制御するために使用できる 。 ポリオール可塑剤 (E) とし ては、 例えばソルビトール、 マルチトール、 グリセロール、 マンニトール、 キシリ トール、 エリスリ トール、 エチレングリコール、 プロピレングリコー ルなどが挙げられる。 ポリオール可塑剤 (E) は単独又は二種以上組み合わ せて使用できる。 これらの中でも、 衝撃強度、 保管後の色調、 酸素バリア性 、 引取性、 非密着性、 柔軟性及び耐折り曲げ性を高めやすい観点か ら、 ソル ビトールが好ましい。

[0045I 本発明の樹脂組成物がポリオール可塑剤 (E) を含む場合、 その含有量は

、 好ましくは〇・ 〇 1質量部以上、 より好ましくは〇• 1質量部以上、 さら に好ましくは〇. 5質量部以上であり、 好ましくは 5質量部以下、 より好ま しくは 4質量部以下、 さらに好ましくは 3質量部以下である。 ポリオール可 塑剤 (E) の含有量が上記の下限以上であると、 樹脂組成物の柔軟性を高め やすく、 また上記の上限以下であると、 衝撃強度、 保管後の色調、 酸素バリ ア性、 引取性、 非密着性及び耐折り曲げ性を高めやすい。 なお、 後述の通り 、 本発明では押出成形が可能であるため、 ポリオール可塑剤を使用しなくて も、 水等を可塑剤として樹脂組成物を製造できる 。

[0046I <樹脂組成物> 本発明の樹脂組成物は、 成分 (A) 、 (B) 及び (C) の合計 1 00質量 部に対して、 50-9 8質量部の変性デンプン (A) 、 2-5 0質量部のポ リビニルアルコール (B) 、 及び〇. 〇 1 -0. 1 5質量部の化合物 (C) を含み、 成分 (A) の平均アミロース含有量が 50質量%以上であるため、 優れた衝撃強度と優れた酸素バリア性とを両 立できる。 そのため、 酸素バリ ア性を有しつつ、 衝撃を受けても破断等の発生を有効に抑制で き、 生分解性 にも優れる。 また、 本発明の樹脂組成物は、 化合物 (C ) を含むことにより 、 長期間含水状態で保管した後であっても、 優れた色調を有することもでき る。 そのため、 水を可塑剤とする含水組成物を成形加工する 場合に、 水を加 えて長期間保管した後であっても使用するこ とができる。 本発明の好適な実 施態様では、 本発明の樹脂組成物は、 さらに引取性及び非密着性に優れるた め、 例えば、 被覆物の製造の際に、 高い搬送速度で製造できるとともに、 金 属ロールへの貼りつきによる破損等が生じず 、 良好な外観を有することがで きる。 しかも、 耐折り曲げ性にも優れるため、 得られる成形体 (例えば被覆 物) を繰り返し折り曲げた後の折部からの液体等 の浸透を抑制できる。 した がって、 本発明の樹脂組成物は、 食品用包装及び容器等の材料として好適に 使用できる。

[0047I 本発明の樹脂組成物は、 炭素原子数が 1 2~2 2の脂肪酸及び/又はその 脂肪酸塩をさらに含んでいてよい。 炭素原子数が 1 2~2 2の脂肪酸及びそ の脂肪酸塩としては、 例えばステァリン酸、 ステアリン酸カルシウム、 ステ アリン酸ナトリウム、 パルミチン酸、 ラウリン酸、 ミリスチン酸、 リノレイ ン酸、 ベへ二ン酸などが挙げられる。 これらの中でも加工性の観点から、 ス テァリン酸、 ステアリン酸カルシウム、 ステァリン酸ナトリウムが好ましい 〇 炭素原子数が 1 2~2 2の脂肪酸及びその脂肪酸塩はそれぞれ単独 は二 種以上組み合わせて使用できる。

[0048I 本発明の樹脂組成物が、 炭素原子数が 1 2〜 2 2の脂肪酸及び/又はその 脂肪酸塩を含有する場合、 樹脂組成物中の含有量は、 樹脂組成物の質量に対 して、 好ましくは〇• 0 1〜 3質量%、 より好ましくは〇• 0 3〜 2質量% 、 さらに好ましくは〇. 1〜 1質量%である。 炭素原子数が 1 2〜 2 2の脂 肪酸及び/ 又はその脂肪酸塩の含有量が上記範囲である と加工性の点で有利 となる傾向がある。

[0049I 本発明の樹脂組成物は、 粘土をさらに含んでいてもよい。 粘土としては、 合成又は天然層状ケイ酸塩粘土、 例えばモンモリロナイ ト、 ベントナイ ト、 バイデライ ト、 雲母 (マイカ) 、 ヘクトライ ト、 サポナイ ト、 ノントロナイ 卜、 ソーコナイ ト、 バーミキュライ ト、 レディカイ ト、 マガダイ ト、 ケニャ アイ ト、 スチーブンサイ ト、 ヴォルコンスコイ トなどが挙げられる。 粘土は 単独又は二種以上組み合わせて使用できる。

[0050I 本発明の樹脂組成物が粘土を含有する場合、 樹脂組成物中の含有量は、 樹 脂組成物の質量に対して、 好ましくは〇. 1〜 5質量%、 より好ましくは〇 . 1~3質量%、 さらに好ましくは〇. 5~2質量%である。 粘土の含有量 が上記範囲内であると、 透明性、 色調及び強度の点で有利となる傾向がある 〇

[0051 ] 本発明の樹脂組成物は、 ポリオール可塑剤 ( E ) 以外の他の可塑剤 ( F ) を含むことができる。 可塑剤 ( F ) としては、 例えば水、 トリオレイン酉麦グ リセロール、 エポキシ化アマニ油、 エポキシ化大豆油、 クエン酸トリブチル 、 クエン酸アセチルトリエチル、 トリ酢酸グリセリル、 2 , 2 , 4ートリメ チルー 1 , 3ーペンタンジオールジイソブチラートが挙 られる。 可塑剤 ( F ) は単独又は二種以上組み合わせて使用できる 。 これらの可塑剤 ( F ) の 中でも、 良好な成膜性及び塗布性が得られる観点から 、 水が好ましい。

[0052] 樹脂組成物中の含水率 (含水量) は、 樹脂組成物の衝撃強度と酸素バリア 性を高めやすい観点から、 樹脂組成物の質量に対して、 好ましくは 3~2 0 質量%、 より好ましくは 4~ 1 8質量%、 さらに好ましくは 7~ 1 5質量% である。 なお、 含水率は、 例えば加熱乾燥式水分計を用いて、 1 3 O °Cで 6 〇分間測定して求めることができる。

[0053] 本発明の樹脂組成物は、 必要に応じて、 充填剤、 加工安定剤、 耐候性安定 剤、 着色剤、 紫外線吸収剤、 光安定剤、 酸化防止剤、 帯電防止剤、 難燃剤、 他の熱可塑性樹脂、 潤滑剤、 香料、 消泡剤、 消臭剤、 増量剤、 剥離剤、 離型 剤、 補強剤、 架橋剤、 防かび剤、 防腐剤、 結晶化速度遅延剤などの添加剤を さらに含むことができる。

[0054] 本発明の樹脂組成物において、 変性デンプン ( A ) 、 ポリビニルアルコー ル ( B ) 及び化合物 ( C ) の合計含有量は、 樹脂組成物の質量に対して、 好 ましくは 60質量%以上、 より好ましくは 80質量%以上、 さらに好ましく は 85質量%以上、 さらにより好ましくは 90質量%以上であり、 好ましく は 1 00質量%以下である。 成分 (A) 、 (B) 及び (C) の合計含有量が 、 上記範囲内であると、 衝撃強度、 酸素バリア性、 保管後の色調、 引取性、 非密着性及び耐折り曲げ性を高めやすい。 なお、 上述の通り、 成分 (A) 、 (B) 及び (C) の合計含有量は、 成分 (D) 及び/又は (E) を含む場合 には、 成分 (D) 及び/又は成分 (E) を加えた合計含有量である。

[0055I 本発明の樹脂組成物は、 ペレット、 フィルム又はシートの形態であってよ い。 本発明の樹脂組成物をフィルム又はシートと して用いる場合、 フィルム の厚みは一般的には 5 — 1 〇 Oumであり、 シートの厚みは一般的には 1 〇 。 A(, m~ 1 000 umである。 また、 フィルム又はシートは単層体又は多層 体 (例えば後述の積層体) であってもよい。 なお、 本明細書において、 ペレット、 フィルム又はシート形態となった樹脂組成物 も、 用語 「樹脂組成物」 に含まれ、 樹脂組成物からなるペレット、 フィルム 及びシートはそれぞれ、 ペレット状樹脂組成物、 フィルム状樹脂組成物及び シート状樹脂組成物ということがある。

[0056I 本発明の一実施態様において、 本発明の樹脂組成物の衝撃強度は、 好まし くは 5 m N/jucm以上、 より好ましくは 6 m N/jucm以上、 さらに好ましく は 8 m N/jucm以上、 さらにより好ましくは 1 OmN/^m 以上、 特に好ま しくは 1 2mN/um 以上、 特により好ましくは 1 4 m N/jucm以上である 〇 衝撃強度が上記の下限以上であると、 衝撃を受けても破断等の発生を有効 に抑制しやすい。 衝撃強度の上限は通常 1 00mN/um 以下である。 衝撃 強度は、 樹脂組成物を 23°C50%RH に 2週間保管し調湿させた後、 衝撃 強度測定装置を用いて測定でき、 例えば実施例に記載の方法により測定でき る。

[0057I 本発明の一実施態様において、 本発明の樹脂組成物の 23°C - 5〇% RH における酸素透過度 (mL ■ 20 /£ m/m 2 - a t m - 24 h r ) は、 好まし くは 5. 〇以下、 より好ましくは 4. 〇以下、 さらに好ましくは 3. 〇以下 、 さらにより好ましくは 2. 8以下である。 酸素透過度が上記の上限以下で あると、 優れた酸素バリア性を発現できる。 なお、 酸素透過度は、 樹脂組成 物を 23°C - 5〇% R Hに二週間保管し調湿させた後、 酸素透過量測定装置 により測定でき、 例えば実施例に記載の方法により測定できる 。 また、 本明 細書において、 酸素バリア性が向上する又は高まるとは、 酸素透過度が低減 されることを示し、 酸素バリア性に優れるとは、 酸素透過度が低いことを示 す。

[0058I 本発明の樹脂組成物は、 含水率 35 ± 1質量%の含水状態で 23°C下、 9 〇日間保管後の b値が、 好ましくは 35以下、 より好ましくは 30以下、 さ らに好ましくは 25以下、 さらにより好ましくは 20以下、 特に好ましくは 1 8以下、 特により好ましくは 1 6以下である。 保管後の b値が上記の上限 以下であると、 保管した後であっても優れた色調を有するこ とができる。 保 管後の b値の下限は、 通常一 1 〇以上である。 保管後の b値 (黄色度、 丫 I ともいう) は、 樹脂組成物を 35 ± 1質量%の含水状態で 23°C下、 90日 間保管後、 測色色差計を用いて測定でき、 例えば実施例に記載の方法により 測定できる。

[0059] [樹脂組成物の製造方法] 本発明の樹脂組成物は、 該樹脂組成物を構成する成分、 少なくとも、 変性 デンプン (A) 、 ポリビニルアルコール (B) 及び化合物 (C) を混合する 工程 (丨 ) を含む方法により製造できる。 本発明の好適な実施態様における 樹脂組成物の製造方法は、 工程 ( I ) に加え、 該工程 ( I ) で得られた混合 物を押出す工程 (丨 丨 ) 、 及び押出された混合物を冷却及び乾燥する工 程 ( I I I ) を含む。

[0060] 工程 (丨 ) では、 変性デンプン (A) 、 ポリビニルアルコール (B) 及び 化合物 (C) 、 並びに任意にポリオキシアルキレン (D) 及び/又はポリオ ール可塑剤 (E) 、 他の成分、 例えば前記炭素原子数が 1 2~22の脂肪酸 及び/ 又はその脂肪酸塩、 前記粘土、 前記可塑剤 (F) 、 及び前記添加剤を 共に混合することができる。 [0061I 本発明の一実施態様において、 工程 ( I ) では、 化合物 (C) を、 該化合 物 (C) 以外の成分と同時に混合することが好ましい 。 このような方法であ ると、 得られる樹脂組成物の衝撃強度、 保管後の色調、 酸素バリア性、 引取 性、 非密着性及び耐折り曲げ性を高めやすい。 なお、 化合物 (C) 以外の成 分とは、 樹脂組成物を構成する化合物 (C) 以外の成分 (又は原料) を意味 する。

[0062] 工程 ( I ) は通常、 押出機を用いて行う。 押出機中において、 各成分にス クリューによりせん断応力を与え、 バレルへの外部熱の適用により加熱しな がら均質に混合する。

[0063] 押出機としては、 例えば二軸スクリュー押出機を用いることが できる。 二 軸スクリュー押出機は、 共回転又は逆回転のいずれであってもよい。 スクリ ュー直径は、 例えば 2〇〜 1 50 mm、 押出機長さ (L) とスクリュー直径 (D) の比 L/D比は、 例えば 20〜 50であってよい。 スクリューの回転 速度は、 好ましくは 80 r p m以上、 より好ましくは 1 00 r p m以上であ る。 また、 押出成形圧力は、 好ましくは 5バール (〇• 5 M P a) 以上、 よ り好ましくは 1 〇バール ( 1 . OM P a) 以上である。 各成分はそれぞれ直 接、 押出機中へ導入することができる。 また、 これらの各成分はミキサーを 用いて予備混合したものを押出機中へ導入し てもよい。

[0064] 工程 (丨 ) において、 樹脂組成物の成膜性と酸素バリア性を高めや すい観 点から、 混合物の質量に対して、 下限として好ましくは〇. 1質量%以上、 より好ましくは 1質量%以上、 さらに好ましくは 1 〇質量%以上、 特に好ま しくは 1 5質量%以上、 最も好ましくは 20質量%以上、 上限として好まし くは 50質量%以下、 より好ましくは 45質量%以下、 さらに好ましくは 4 〇質量%以下の可塑剤 (F) 、 好ましくは水を混合することが好ましい。 こ こで、 該混合物の質量は可塑剤 (F) を含む混合物の総質量を示す。 工程 ( I ) において、 押出の初期段階に可塑剤 (F) を導入してもよく、 上記加熱 温度に達する前、 例えば 1 〇〇 °C以下のときに可塑剤 (F) を導入すること ができる。 変性デンプン (A) は、 水分、 熱及びせん断応力の組み合わせに よりクッキング処理が施され、 ゼラチン (ゲル) 化させることができる。 ま た、 別途可塑剤 ( F ) 、 好ましくは水を導入することにより、 ポリビニルア ルコール ( B ) 等の水溶性ポリマーを溶解し、 樹脂組成物を軟化し、 モジュ ラス及び脆性を低下させることができる。

[0065I 工程 (丨 ) において、 好ましくは 1 〇 O °C超 1 5 O °C以下、 より好ましく は 1 1 5 °C以上 1 4 O °C以下の温度に加熱してクッキング処理を行 う。 ここ で、 クッキング処理とは、 デンプン粒を破砕し、 ゲル化させる処理である。 加熱は押出機のバレルに外部から熱を適用す ることにより行うことができる 〇 各バレルへは、 段階的に変えた温度を適用することにより、 目的とする温 度まで加熱できる。 1 2 O °C超の温度においてクッキング処理を行う場 合、 加工性の点で有利となる。

[0066I クッキング処理した混合物は、 発泡を防止するため、 好ましくは 8 5~ 1

2 0 °C、 より好ましくは 9 0~ 1 1 〇 0 Cの温度へ低下しながら、 ダイの方へ 押し進めることが好ましい。 また、 バレルから排気することにより発泡を防 止し、 水分を除去できる。

[0067] 押出機中の滞留時間は、 温度プロファイルやスクリュー速度に応じて 設定 可能であり、 好ましくは 1〜 2 . 5分である。

[0068] 工程 (丨 ) で得られた混合物を押出す工程 ( I I ) では、 溶融混練されな がら押出機中を押し進められてきた溶融した 混合物をダイから押出す。 ダイ の温度は好ましくは 8 5〜 1 2 0 °C、 より好ましくは 9 0~ 1 1 〇 °Cの温度 である。

[0069] 押出された混合物 (溶融物) を冷却及び乾燥する工程 ( I I I ) では、 混 合物 (溶融物) はフィルム状、 シート状又はストランド状に押出すことがで きる。

[0070] 混合物をフィルム状又はシート状に押出す場 合、 混合物はフィルム又はシ ート成形用ダイから押出し、 次いで引取りローラーで巻取りながら冷却及 び 乾燥することができる。 ダイ及びローラーの間では、 混合物がローラーに付 着するのを防ぐように冷却するのが好ましい 。 ダイ及びローラーの間に成形 用のロールを設置してもよい。 成形用のロールの材質は例えば、 ゴム製、 樹 脂製、 金属製である。 乾燥のために、 ロールは加温してもよく、 巻取の際に 脱湿空気を供給してもよい。 脱湿空気は、 吹込チューブ法の場合、 フィルム 又はシートがダイを退出するときにフィルム 又はシートを膨張させるために 使用できる。 タルクを空気流中に同伴させてフィルム又は シートのブロッキ ングを防ぐこともできる。

[0071 I 混合物をストランド状に押出す場合、 複数穴のストランドノズルから押出 し、 回転カッターで切断することでストランドを ペレッ ト形状にできる。 ペ レッ トの膠着を防ぐために、 振動を定期的もしくは定常的に与え、 熱風、 脱 湿空気又は赤外線ヒーターによりペレッ ト中の水分を除去することができる 〇

[0072] [含水組成物及びその製造方法] 本発明は、 前記樹脂組成物を含み、 含水率が 1〜 5 0質量%である含水組 成物を包含する。 本発明の一実施態様では、 樹脂組成物の成膜性を高めるた めに、 樹脂組成物を紙又はフィルムにコートする際 に、 該樹脂組成物に水を 加えて含水組成物を調製してもよい。

[0073] 本発明では、 樹脂組成物が上述の組成で構成されているた め、 水の添加に よるベタッキを抑制でき、 被覆物製造時の引取性及び最大ドロー比を向 上で きるとともに、 金属ロールとの密着性を低減 (非密着性を向上) できる。 含 水率は、 加熱乾燥式水分計を用いて、 1 3 0 °Cで 6 0分間測定して求めるこ とができ、 例えば実施例に記載の方法により測定できる 。 本明細書において 、 含水組成物は、 水を含む樹脂組成物において上記方法で測定 した含水率が 1 ~5 0質量%のものを全て含む意味である。 すなわち、 含水組成物は製造 した樹脂組成物に水を加えて作製してもよい し、 樹脂組成物を製造した時点 で樹脂組成物自体の含水率が上記範囲内であ れば、 含水組成物の概念に含ま れる。 言い換えれば、 樹脂組成物が水を含む場合にも樹脂組成物の 概念に含 まれるが、 樹脂組成物のうち、 特に含水率が 1〜 5 0質量%に特定された樹 脂組成物を含水組成物と称する。 [0074I 本発明の含水組成物の含水率は、 好ましくは 5質量%以上、 より好ましく は 8質量%以上であり、 好ましくは 4 5質量%以下、 より好ましくは 4 0質 量%以下である。 含水率が上記範囲内であると、 得られる成形体の衝撃強度 、 酸素バリア性、 引取性、 非密着性及び耐折り曲げ性を高めやすい。 なお、 本明細書において、 成形体とは、 樹脂組成物又は含水組成物の形態が変化し たものを意味し、 例えば樹脂組成物をシート状又はフィルム状 にしたもの、 樹脂組成物又は含水組成物を用いて得られる 被覆物、 積層体、 多層構造体、 包材などを含む意味である。

[0075] 本発明の好適なー実施態様では、 本発明の含水組成物は、 前記樹脂組成物 に水を添加し、 例えば攪拌混合することに得ることができる 。 樹脂組成物同 士の膠着を防ぎ、 ペレッ ト全体に水を吸着させるために、 水を 2回以上に分 けて添加しながら攪拌を行うことが好ましい 。 また、 含水率を一定に保った めに、 含水組成物は密閉容器内で保管してもよい。 また、 本発明の別の実施 態様では、 含水組成物は、 化合物 ( C ) 以外の成分を混合した混合物を製造 後、 該混合物に化合物 ( C ) の水溶液を添加する工程と、 任意にさらに乾燥 する工程を含む方法により製造してもよい。 また、 かかる方法により樹脂組 成物を製造してもよい。 該混合物の製造方法としては、 上記 [樹脂組成物の 製造方法] の項に記載の樹脂組成物の製造方法と同様の 方法が挙げられる。 化合物 ( C ) の水溶液は、 例えば化合物 ( C ) に水を加えて攪拌混合等する ことに得られ、 化合物 ( C ) の水溶液中の水の量は、 化合物 ( C ) の溶解度 や得られる含水組成物又は樹脂組成物の含水 率に応じて適宜調整すればよい 〇 また、 乾燥工程における乾燥温度及び乾燥時間も、 得られる含水組成物又 は樹脂組成物の含水率等に応じて適宜選択す ればよい。

[0076] [被覆物及びその製造方法] 本発明は、 本発明の含水組成物を紙又はフィルムに被覆 してなる被覆物を 包含する。 本発明の被覆物は、 前記含水組成物を含むため、 衝撃強度及び酸 素バリア性に優れている。 さらに含水状態で長期間保管した含水組成物 から 形成されても、 優れた色相を有することができる。 さらには、 本発明の好適 な実施態様では、 本来両立し難い製造時の高引取性と非密着性 とを両立する こともできるため、 金属ロールへの貼りつきによる被覆物の破損 等を抑制し つつ高い搬送速度で製造でき、 歩留まり率及び生産効率を向上できる。 しか も、 耐折れ性及び生分解にも優れる。

[0077I 含水組成物を紙に被覆する場合、 該紙としては、 特に限定されず、 例えば クラフト紙、 上質紙、 模造紙、 グラシン紙、 パーチメント紙、 合成紙、 白板 紙、 マニラボール、 ミルクカートン原紙、 カップ原紙、 アイボリー紙、 白銀 紙、 薄葉紙、 板紙、 レーヨン紙などが挙げられる。 被覆物中の紙の厚みは、 特に限定されず、 好ましくは 1〜 500 um、 より好ましくは 1 0〜 300 Atmである。 被覆物中の紙の厚みが上記範囲であると、 被覆物製造時の引取 速度を大きくでき、 生産性が向上しやすい。

[0078I 含水組成物をフィルムに被覆する場合、 該フィルムとしては、 特に限定さ れず、 例えばポリエチレンテレフタレート (P ET) フィルム、 二軸延伸ポ リプロピレン (BOP P) フィルム、 ポリエチレン (P E) フィルム (好ま しくは低密度ポリエチレン (LD P E) フィルム) 及びポリ乳酸フィルム等 が挙げられる。 被覆物中のフィルムの厚みは、 特に限定されず、 好ましくは 1 〜 500 um、 より好ましくは 1 0〜 300 um、 さらに好ましくは 50 ~ 1 00 u mである。

[0079I 本発明の被覆物中の含水組成物の厚みは、 好ましくは 1〜 300 “m、 よ り好ましくは 5~ 1 〇 Oum、 さらに好ましくは 1 〇〜 50umである。 被 覆物中の含水組成物の厚みが上記範囲内であ ると、 良好な成膜性及び酸素バ リア性が得られやすく、 被覆物の衝撃強度を向上しやすいとともに、 製造時 の金属ロールへの貼りつきを抑制しやすい。

[0080] 本発明の一実施態様において、 本発明の被覆物の酸素透過度は、 上記の樹 脂組成物における酸素透過度と同様の範囲か ら選択できる。 該酸素透過度の 意味及び測定方法も樹脂組成物における酸素 透過度と同様である。

[0081] 本発明の被覆物の製造方法は、 紙又はフィルムに含水組成物を被覆できる 方法であれば、 特に限定されない。 好ましい実施態様では、 本発明の被覆物 は、 押出機を用いて、 前記含水組成物を、 引取機で搬送されたフィルム又は 紙に被覆する工程 (工程 ( A ) とする) を含む方法により製造できる。

[0082I 本発明の一実施態様では、 工程 ( A ) において、 含水組成物を押出機に投 入する。 押出機としては、 例えば単軸スクリュー押出機、 二軸スクリュー押 出機などが挙げられる。 押出機のスクリュー直径は例えば 2 0~ 1 5 0 m m であり、 押出機長さ ( L ) とスクリュー直径 ( D ) の比 L / D比は例えば 1 5 ~5 0であり、 スクリューの回転速度は、 好ましくは 8 0 r p m以上、 よ り好ましくは 1 〇〇 r p m以上である。 押出機中のシリンダー温度は例えば 8 〇〜 1 2 0 °C、 好ましくは 9 0~ 1 1 0 °Cであってよい。

[0083] 押出機に投入された含水組成物は可塑化され 、 ダイス出口から吐出される 〇 一方、 引取機、 好ましくはローラー式引取機で紙又はフィル ムを搬送させ る。 該搬送させた紙又はフィルム上にダイス出口 から吐出した含水組成物を コートすることで被覆物が得られる。 得られた被覆物は、 金属ロールを含む 複数のロールの間で紙又はフィルムと圧着さ れつつ搬送され、 巻取機でロー ル状に巻き取ることができる。 複数のロールとしては、 例えば加圧ロール、 キャストロール、 タッチロールなどが挙げられ、 通常、 キャストロールが金 属ロール (金属製のロール) である。 このとき、 本発明では、 コートされた 含水組成物と金属ロールとの密着性が低いた め、 金属ロールとの剥離性が高 く、 金属ロールに被覆物中の含水組成物が貼りつ いて破損等することを有効 に防止できる。 なお、 被覆物を製造する際に、 水分が蒸発等するため、 被覆 後の含水組成物の含水率は被覆前と比べて減 少するが、 被覆後の含水組成物 の含水率も、 上記含水組成物の含水率として記載した好適 な範囲内であるこ とが好ましい。

[0084] 工程 ( A ) において、 下記式 ( X ) で表されるドロー比が 5〜 2 0である ことが好ましい。 このようなドロー比で被覆物を製造すると、 生産性が向上 され、 かつ紙又はフィルムと含水組成物との密着性 、 酸素バリア性及び衝撃 強度に優れた被覆物が得られやすい。 なお、 押出機のダイス出口の流速は、 上記の通り、 (吐出量) / ( (リップ開度) X (ダイ幅) ) で表される。 吐 出量を単位時間当たりの質量で表現する場合 、 吐出量は好ましくは 1〜 50 O k g/h r、 より好ましくは 5〜 200 k g/h rであり、 リップ開度は 好ましくは〇• 01〜 5 mm、 より好ましくは〇• 1〜 1 mmであり、 ダイ 幅は好ましくは 1 〇〇〜 3000 mm、 より好ましくは 20〇〜 2000m m である。 なお、 本発明では、 上記製造過程で、 含水組成物の水が蒸発する ため、 得られる被覆物中の含水組成物の含水率は製 造前よりも低減される。 ドロー比 = (引取機の引取速度) / (押出機のダイス出口の流速)

(X)

[0085] [前記被覆物を含む多層構造体及び包材] 本発明は、 前記被覆物と 1つ以上の層 (X) とを含む多層構造体を包含す る。 層 (X) としては、 例えばフィルム、 紙又は接着剤などが挙げられる。 層 (X) が 2つ以上である場合、 層 (X) は同一であっても異なっていても よい。 本発明の多層構造体は複数の層 (X) を有するが、 層の数は特に限定 されず、 例えば 3〜 1 〇層であってよい。 フィルム及び紙としては、 それぞ れ、 [被覆物及びその製造方法] の項に記載のフィルム及び紙として例示の ものが挙げられる。

[0086] 多層構造体に含んでもよい接着剤としては、 例えばアクリル系接着剤、 ウ レタン系接着剤、 エポキシ系接着剤、 酢酸ビニル系接着剤、 エチレンー酢酸 ビニル系接着剤、 塩化ビニル系接着剤、 シリコーン系接着剤、 ニトリルセル ロース系接着剤、 フェノール系接着剤、 ポリビニルアルコール系接着剤、 メ ラミン系接着剤、 スチレン系接着剤などが挙げられる。

[0087] 本発明の好適な実施態様において、 多層構造体は、 フィルム/接着剤/含 水組成物/ 紙/接着剤/ フィルムの順に積層された層構成を有する。 この態 様において、 フィルム又は紙の種類は特に限定されないが 、 フィルムはポリ エチレンフィルムであることが好ましい。

[0088] 本発明は、 本発明の被覆物、 又は多層構造体からなる包材を包含する。 該 包材は、 衝撃強度、 酸素バリア性、 含水組成物と紙又はフィルムとの密着性 、 生分解性、 耐折り曲げ性に優れることから、 食品用の包材として好適に用 いることができる。

[0089] [樹脂組成物からなるフィルム又はシート及 該フィルム又はシートを含む 積層体] 本発明は、 樹脂組成物からなるフィルム又はシート (フィルム状樹脂組成 物又はシート状樹脂組成物) を包含する。 本発明のフィルム又はシートは、 上記の通り、 衝撃強度及び酸素バリア性に優れている。

[0090] 本発明の一実施態様において、 本発明のフィルム又はシートの酸素透過度 及び衝撃強度はそれぞれ、 上記 <樹脂組成物>の項に記載の酸素透過度及 衝撃強度と同様の範囲から選択できる。

[0091 ] 本発明のフィルム又はシートの製造方法は、 特に限定されないが、 例えば 上記 [樹脂組成物の製造方法] の項に記載の樹脂組成物からフィルム又はシ ートを得る方法が挙げられる。

[0092] 本発明は、 フィルム又はシートと 1つ以上の層 ( X ) とを含む積層体を包 含する。 層 ( X ) としては、 例えば、 [前記被覆物を含む多層構造体及び包 材] の項に記載の層 ( X ) と同様のものを使用できる。 本発明の好適な実施 態様において、 積層体は、 例えば、 シート状又はフィルム状樹脂組成物層/ 接着層/ 基材層の順に積層された層構成などを有する ことが好ましい。 接着 層は接着剤からなり、 基材層は例えばフィルムからなる。

[0093] 本発明の積層体の製造方法は特に制限されな いが、 ラミネートにより製造 することが好ましい。 例えば、 積層体が、 シート状又はフィルム状樹脂組成 物層/ 接着層/基材層をこの順に有する積層体であ 場合、 接着層と基材層 を共押出する工程と、 次いで接着層側を、 シート状又はフィルム状樹脂組成 物層にコートする工程とを含む、 方法が挙げられる。 他には例えば、 接着層 を押出する工程と、 次いで接着層を、 シート状又はフィルム状樹脂組成物層 と基材層の間にコートする工程を含む方法や ;シート状又はフィルム状樹脂 組成物層、 もしくは基材層の上に接着剤の溶解液や分散 液をグラビアロール 等でコートした後乾燥する工程と、 次いで接着層側を、 接着剤を塗布してい ないもう一方の、 シート状又はフィルム状樹脂組成物層、 もしくは基材層と 密着させる工程とを含む方法が挙げられる。

[0094] 本発明の一実施態様において、 接着層と基材層を共押出する工程では、 例 えば二種二層共押出キャスト製膜設備 (プラスチック工学研究所製押出機)

(押出機 (a) 基材層用 :一軸、 スクリュー40 mm径、 L/D = 32、 押 出機 (b) 接着層用 :一軸、 スクリュー32 mm径、 L/D = 26) を用い ることができる。 押出機の温度条件は、 使用する熱可塑性樹脂に応じて適宜 設定すればよく、 例えば、 押出機 (a) 基材層用にて、 P ET (ポリエチレ ンテレフタラート) を押し出す場合、 シリンダー温度を 250〜270°C、 アダプター温度を 27 O°C、 ダイス温度を 275 °Cとすることができる。 また、 例えば、 押出機 (b) 接着層用にて、 ポリオレフィンを押し出す場 合、 シリンダー温度を 1 75-2 7〇 0 C s アダプター温度を 270°C、 ダイ ス温度を 27 5°Cとすることができる。 また、 押出機 (a) のダイス温度と 押出機 (b) のダイス温度の差の絶対値は 1 0 °C以内が好ましく、 O°Cであ ることがより好ましい。 例えば、 押出機 (a) に用いる樹脂と、 押出機 (b ) に用いる樹脂とで、 最適なダイス温度が異なる場合、 最適なダイス温度が 高い方を採用して、 ダイス温度を調整することが好ましい。

[0095] その後、 接着層側をシート状又はフィルム状樹脂組成 物にコートする工程 では、 例えば、 シート状又はフィルム状樹脂組成物の上に、 共押出された積 層体の接着層側を引取ながらコートし、 ニップロールにて貼り合わる方法が 採用できる。 引取速度は 1〜 50m/分が好ま しい。 なお、 上記に好ましい 押出機を記載したが、 押出機の種類、 スクリュー径、 l/Dは適宜変更でき る。

[0096] [包装容器及びその製造方法] 本発明は、 本発明のフィルムもしくはシート又は本発明 の積層体を含んで なる包装容器、 特に包装用トレイ又はカップを包含する。 該包装容器は本発 明の積層体のみからなるものでもよいし、 他の材料を複合するものでもよい 。 例えば、 本発明の積層体を熱成形して包装容器とする ことができる。

[0097] 本発明の一実施態様では、 本発明の包装容器、 特に包装用トレイ又はカッ プは、 押出機を用いて、 前記樹脂組成物を成形してフィルム又はシー トを得 る工程 ; ラミネートにより、 得られたフィルム又はシートに 1つ以上の層 ( X ) を積層して積層体を得る工程 ;及び得られた積層体を包装用トレイ又は カップに熱成形する工程 : を含む方法により製造できる。

[0098I 押出機を用いて、 前記樹脂組成物を成形してフィルム又はシー トを得るエ 程としては、 例えば上記 [樹脂組成物の製造方法] の項に記載のフィルム又 はシートの成形方法を用いることができる。 ラミネートにより、 得られたフ イルム又はシートに 1つ以上の層 ( X ) を積層して積層体を得る工程として は、 例えば上記 [樹脂組成物からなるフィルム又はシート及 該フィルム又 はシートを含む積層体] の項に記載の積層体の製造方法が挙げられる 。

[0099] 積層体を包装用トレイ又はカップに熱成形す る工程において、 熱成形する 方法としては、 特に限定されないが、 一般的な真空成形、 圧空成形や、 これ らの応用として、 積層体の片面にプラグを接触させて成形を行 うプラグアシ スト法、 また、 積層体の両面に一対をなす雄雌型を接触させ て成形を行う、 いわゆるマルチモールド成形と称される方法 等が挙げられる。 また、 成形前 に積層体を加熱軟化させる方法としては、 非接触加熱または直接加熱が挙げ られ、 非接触加熱としては、 赤外線ヒーター等による輻射加熱が挙げられ る 〇 また、 直接加熱としては、 熱盤に直接触れさせる熱盤加熱等、 公知の加熱 方法を適用することができる。

[0100] 本発明の包装容器は、 衝撃強度及び酸素バリア性に優れることから 、 特に 食品用の包装容器として好適に用いることが できる。 実施例

[0101 ] 以下、 実施例により本発明を詳述するが、 本発明はこれに限定されるもの ではない。

[0102] く試験方法>

( 1 ) 衝撃強度の評価方法 実施例及び比較例で得られたシート状樹脂組 成物 (シート) を 2 3 °C 5 0

% R Hに 2週間保管し調湿させた後、 1 0 X 1 O c mの切片にし、 東洋製機 製フィルムインパクトテスタを用いて、 衝撃強度を測定した。

[0103] (2) 酸素透過度の測定 実施例及び比較例で得られたシート状樹脂組 成物 (シート) をそれぞれ、 23°C50%RH に 2週間保管し調湿させた後、 酸素透過量測定装置に取り 付け、 酸素透過度を測定した。 測定条件は以下の通りとした。 装置 :モダンコントロール社製 「 MOCO N OX-T R AN 2/2 〇

J 温度 : 23 °C 酸素供給側及びキャ リアガス側の湿度 : 50%R H 酸素圧 : 1 . 0 a t m キャ リアガス圧力: 1 . 0 a t m

[0104] 酸素透過度が 5. 〇 ( m L - 20 /£ m/ m 2 - a t m - 24 h r ) 以下の場 合、 酸素バリア性が良好であると評価できる。

[0105] (3) 色調 (b値) の評価方法 実施例及び比較例で得られたペレッ ト状樹脂組成物に含水率が 35質量% になるように水を加え、 ペレッ トと水が均一になるように攪拌、 及び吸水さ せた。 実施例 1 4については、 含水率が 35質量%となる量の水に、 nープ ロピルパラベンナトリウム塩 (5 g) を溶解させ、 得られた n—プロピルパ ラベンナトリウム塩の水溶液をペレッ ト状樹脂組成物に加え、 ペレッ トと水 が均一になるように攪拌、 及び吸水させた。 水分量はメ トラー・ トレド社製 加熱乾燥式水分計 「 H R 73J を用いて、 1 3〇 0 Cで 60分間測定すること で 35 ± 1質量%であることを確認した。 水分の揮発を防ぐためにアルミニ ウムパウチに密封し、 23°Cに 3か月間 (90日間) 保管した後、 日本電色 工業製測色色差計 「 ZE-2000J を用いて、 保管後のペレッ ト状樹脂組 成物の b値 (黄色度、 丫 I ) を測定した。

[0106] (4) ポリビニルアルコール (B) の粘度測定法

J I S Z 880 3 (落球式粘度計) 及び J 丨 S K 672 6 (ポリ ビニルアルコール試験方法) に準拠して、 実施例及び比較例におけるポリビ 二ルアルコールの 4%水溶液を調製 し、 ヘブラー粘度計を用いて 20°Cでの 粘度を測定し、 ポリビニルアルコール (B) の 4%水溶液における粘度 (2 〇 0 C) とした。

[0107] (5) 用いた材料

< 高アミロース変性デンプン (A— 1 ) >

• ECO F I LM (商標) : プロピレンオキサイ ドにより変性されたトウモ ロコシデンプン、 アミロース含有量 7〇質量%、 I n g r e d i 〇 n社製 < 低アミロース変性デンプン (A — 2) >

■ N a t i 〇 n a I 1 658 (商標) : プロピレンオキサイ ドにより変性さ れたトウモロコシデンプン、 アミロース含有量 20質量%、 丨 n g r e d i 〇 n社製

[0108] くポリビニルアルコール (B) >

- E L V A N 0 L (商標) 7 1 -30 :ポリビニルアルコール樹脂、 鹼化度 9 9 m〇 I %以上、 粘度 27 — 33 m P a • s ( 20 °C、 4 %水溶液) 、 株 式会社クラレ製

• クラレポバール (商標) 5-98 :ポリビニルアルコール樹脂、 鹼化度 9 8m 。 丨%、 粘度 5 m P a - s (20°C、 4 %水溶液) 、 株式会社クラレ製 • クラレポバール (商標) 3-98 :ポリビニルアルコール樹脂、 鹼化度 9 8m 。 丨%、 粘度 3m P a - s (20°C、 4 %水溶液) 、 株式会社クラレ製 [0109] く添加成分>

(化合物 (C) )

• n —プロピルパラベンナトリウ厶塩:上野製薬 株式会社製

• n —プロピルパラベン :上野製薬株式会社製

• メチルパラベン :上野製薬株式会社製

•ベンジルパラベン :上野製薬株式会社製

( (C) 以外の化合物)

•安息香酸、 富士フィルム和光純薬株式会社製

・ ソルビン酸、 富士フィルム和光純薬株式会社製 • プロピオン酸、 東京化成工業株式会社製

•安息香酸ナトリウム、 富士フィルム和光純薬株式会社製

•衝撃強度改良剤 1 :タルク、 日本タルク株式会社製、 商品名 「ナノエース (商標) J

•衝撃強度改良剤 2 :シリコーン・ アクリルゴム粒子、 三菱ケミカル株式会 社製、 商品名 「メタブレン S-2030 (商標) 」

[0110] (化合物 (D) )

•ポリエチレンオキサイ ド ( P EO) 樹脂:重量平均分子量 1 〇万、 明成化 学工業株式会社製、 商品名 「アルコックス (商標) L- 1 1 J

[0111] (化合物 (E) )

・ ソルビトール :物産フードサイエンス株式会社製、 商品名 「ソルビトール

S GJ

[0112] く実施例 1 >

(樹脂組成物) 原料として ECO F I LM (商標) (9. 795 k g) 、 クラレポバール (商標) 5-9 8 (200 g) 及び n —プロピルパラベンナトリウム塩 (5 g) をタンブラーミキサー内で 2時間混合し、 得られた混合物を、 液体ポン プを接続した二軸押出機に供した。 図 2に実施例 1で用いられた二軸押出機 の概略図を示し、 押出機のスクリュー直径、 L/D比、 回転速度、 運転方式 、 及び温度プロファイルを表 1 に示した。

[0113] [表 1]

[0114] スク リュー直径 : 27 mm

L/Dh 匕 : 48 スク リュー回転速度 500 r p m 運転方式 :共回転 (かみ合せ自己ワイピング) 方式 [01 15I 具体的には、 得られた混合物を二軸押出機の重量フィーダ ーを経由して 3 . 5 k g /時間の速度で C 1 におけるホッパーを通ってバレル内に供給し た 〇 水を C 4における液体ポンプ ( L ) を通して、 2 6 g /分の流速でバレル 内に噴射した。 C 5~C 9の温度域はクッキング域であり、 これらの帯域内 でデンプンの完全なアルファー化を完了した 。 c i 1以後にあるフィルム成 形用ダイから押出し、 次いで引取りローラーで巻き取った。 巻き取り時は、 ロールを加温及び脱湿空気を供給することに よって、 シートの乾燥と冷却を 行った。 乾燥冷却後に 1 〇〇 u mの厚みのシート状樹脂組成物 (シート) を 得た。

[01 16] (被覆物) 上記と同様にして押出しを行う際に、 上記フィルム成形用ダイを複数穴の ストランドノズル及び回転カッターに変更す ることで、 混合物のストランド をペレツ ト形状に成形した。 ペレツ トは過剰の水分を含有するため、 膠着を 防ぐために振動を定常的に与えながら、 熱風で水分を除去した。 得られたペ レッ ト状樹脂組成物に、 該樹脂組成物の質量に対して 3 5質量%となるまで 水を添加した。 水の添加時はペレッ ト同士の膠着を防ぎ、 かつペレッ ト全体 に水を均一に吸収させるために、 水を複数回に分けて添加しながらタンブラ ーミキサーで 1 5分間攪拌した。 攪拌後は水分が揮散しないようにポリエチ レン袋に入れて密封し 6時間室温で静置した。 このようにして、 含水率が 3 5 質量%の含水ペレッ ト (含水組成物) を得た。 なお、 含水率は、 メ トラー • トレド社製加熱乾燥式水分計 「 H R 7 3 J を用いて、 1 3〇 0 Cで 6 0分間 測定することで確認した。 続いて得られた含水ペレッ トを、 図 1 に記載の単軸押出機 2に投入し、 製 膜用ダイス 3から押出した。 次いで、 ダイス 3出口から押し出された含水組 成物 4をローラー式引取機 (図示せず) で搬送させた紙 5の上にコートした 〇 コートして得られた被覆物 6は直ちに加圧ロール (ゴム製) 7 a、 キャス トロール (金属製) 7 b及びタッチロール (ゴム製) 7 cを通じて紙 5 (基 材) と圧着させた後、 巻取機 (図示せず) でロール状に巻き取った。 使用し た単軸押出機及び運転条件の詳細と、 温度プロファイル (表 2) を以下に示 す。

•単軸押出機:プラスチック工学研究所製 押出機 (40mm 径、 L/D = 2

5)

[表 2]

•吐出量 : 20 k g/h r

•ダイス : 450mm 幅コートハンガーダイ、 リップ開度〇• 2mm

•ダイス-キャストロール間の距離 (エアーギヤップ) : 1 50mm

・紙: 日本製紙株式会社製 白銀 (無塗工紙、 厚み 70 vm)

[0117I 得られた被覆物は偏肉や異物等が見られず、 良好な外観であった。

[0118] く実施例 2> 原料として、 ECO F I LM (商標) (6. 995 k g) 、 クラレポバー ル (商標) 5-9 8 (3. 00 k g) 及び n —プロピルパラベンナトリウム 塩 (5 g) を用いたこと以外は、 実施例 1 と同様にしてシート状樹脂組成物 、 含水組成物及び被覆物を得た。

[0119] く実施例 3> 原料として、 ECO F I LM (商標) (8. 995 k g) 、 E L V A N 0 L (商標) 7 1 -30 ( 1 . 00 k g) 及び n —プロピルパラベンナトリウ 厶塩 (5 g) を用いたこと以外は、 実施例 1 と同様にしてシート状樹脂組成 物、 含水組成物及び被覆物を得た。

[0120] く実施例 4> デンプンとして、 ECO F I LM (商標) (6. 746 k g) 、 N a t i o n a I 1 658 (商標) (2. 249 k g) を用いたこと以外は、 実施例 3 と同様にしてシート状樹脂組成物、 含水組成物及び被覆物を得た。 [0121I く実施例 5> ポリビニルアルコール (B) として、 クラレポバール (商標) 3-98 ( 1 . 〇 O k g) を用いたこと以外は、 実施例 3と同様にしてシート状樹脂組 成物、 含水組成物及び被覆物を得た。

[0122] く実施例 6> 原料として、 ECO F I LM (商標) (7. 999 k g) 、 クラレポバー ル (商標) 5-9 8 (2. 00 k g) 及び n —プロピルパラベンナトリウム 塩 ( 1 g) を用いたこと以外は、 実施例 1 と同様にしてシート状樹脂組成物 、 含水組成物及び被覆物を得た。

[0123] <実施例 7> 原料として、 ECO F I LM (商標) (7. 995 k g) 、 クラレポバー ル (商標) 5-9 8 (2. 00 k g) 及び n —プロピルパラベンナトリウム 塩 (5 g) を用いたこと以外は、 実施例 1 と同様にしてシート状樹脂組成物 、 含水組成物及び被覆物を得た。

[0124] <実施例 8> 原料として、 ECO F I LM (商標) (7. 990 k g) 、 クラレポバー ル (商標) 5-9 8 (2. 00 k g) 及び n —プロピルパラベンナトリウム 塩 ( 1 0 g) を用いたこと以外は、 実施例 1 と同様にしてシート状樹脂組成 物、 含水組成物及び被覆物を得た。

[0125] <実施例 9> nープロ ピルパラベンナトリウム塩に代えて、 nープロピルパラベンを用 いたこと以外は、 実施例 7と同様にしてシート状樹脂組成物、 含水組成物及 び被覆物を得た。

[0126] <実施例 1 〇 > nープロ ピルパラベンナトリウム塩に代えて、 メチルパラベンを用いたこ と以外は、 実施例 7と同様にしてシート状樹脂組成物、 含水組成物及び被覆 物を得た。

[0127] <実施例 1 1 > nープロ ピルパラベンナトリウム塩に代えて、 ベンジルパラベンを用いた こと以外は、 実施例 7と同様にしてシート状樹脂組成物、 含水組成物及び被 覆物を得た。

[0128I く実施例 1 2> 原料として、 ECO F I LM (商標) (7. 895 k g) 、 クラレポバー ル (商標) 5-98 (2. 〇 O k g) 、 n ―プロピルパラベンナトリウム塩 (5 g) 及びアルコックス (商標) L- 1 1 ( 1 00 g) を用いたこと以外 は、 実施例 1 と同様にしてシート状樹脂組成物、 含水組成物及び被覆物を得 た。

[0129] く実施例 1 3> 原料として、 ECO F I LM (商標) (7. 895 k g) 、 クラレポバー ル (商標) 5-98 (2. 〇 O k g) 、 n ―プロピルパラベンナトリウム塩 (5 g) 及びソルビトール S G ( 1 00 g) を用いたこと以外は、 実施例 1 と同様にしてシート状樹脂組成物、 含水組成物及び被覆物を得た。

[0130] く実施例 1 4> 原料として、 ECO F I LM (商標) (7. 995 k g) 及びクラレポバ ール (商標) 5-9 8 (2. 00 k g) を用いたこと以外は、 実施例 1 と同 様にしてペレット状樹脂組成物を得た。 その後、 含水組成物の含水率が 35 質量%となる量の水に、 n -プロピルパラベンナトリウム塩 ( 5 g) を溶解 させ、 得られた n -プロピルパラベンナトリウム塩の水溶液を 記したペレ ット状樹脂組成物に混合、 吸水させることで含水率が 35%の含水組成物を 得た。 前記含水組成物を実施例 1 と同様にして被覆物を得た。 また、 被覆物 の製造と同様の工程にて基材となる紙を通さ ず、 単層製膜を行い、 乾燥させ ることで 1 00um の厚みのシー ト状樹脂組成物を得た。

[0131] く比較例 1 > デンプンとして、 ECO F I LM (商標) (1. 599 k g) 、 N a t i o n a I 1 658 (6. 396 k g) を用いたこと以外は、 実施例 7と同様 にしてシート状樹脂組成物、 含水組成物及び被覆物を得た。 [0132I く比較例 2> 原料として、 ECO F I LM (商標) (9. 995 k g ) 及び nープロピ ルパラベンナトリウム塩 (5 g) を用いたこと以外は、 実施例 1 と同様にし てシート状樹脂組成物、 含水組成物及び被覆物を得た。

[0133] く比較例 3> 原料として、 ECO F I LM (商標) (9. 895 k g) 、 クラレポバー ル (商標) 5-9 8 ( 1 00 g) 及び n —プロピルパラベンナトリウム塩 ( 5 g) を用いたこと以外は、 実施例 1 と同様にしてシート状樹脂組成物、 含 水組成物及び被覆物を得た。

[0134] <比較例 4> 原料として、 ECO F I LM (商標) (8. 000 k g) 及びクラレポバ ール (商標) 5-9 8 (2. 00 k g) を用いたこと以外は、 実施例 1 と同 様にしてシート状樹脂組成物、 含水組成物及び被覆物を得た。

[0135] <比較例 5> 原料として、 ECO F I LM (商標) (8. 000 k g) 、 クラレポバー ル (商標) 5-9 8 (2. 00 k g) 及び n —プロピルパラベンナトリウム 塩 (〇・ 1 g) を用いたこと以外は、 実施例 1 と同様にしてシート状樹脂組 成物、 含水組成物及び被覆物を得た。

[0136] <比較例 6> 原料として、 ECO F I LM (商標) (7. 980 k g) 、 クラレポバー ル (商標) 5-9 8 (2. 00 k g) 及び n —プロピルパラベンナトリウム 塩 (20 g) を用いたこと以外は、 実施例 1 と同様にしてシート状樹脂組成 物、 含水組成物及び被覆物を得た。

[0137] <比較例 7> 原料として、 ECO F I LM (商標) (7. 800 k g) 、 クラレポバー ル (商標) 5-9 8 (2. 00 k g) 及びナノエース (商標) (200 g) を用いたこと以外は、 実施例 1 と同様にしてシート状樹脂組成物、 含水組成 物及び被覆物を得た。 [0138I く比較例 8> 原料として、 ECO F I LM (商標) (7. 800 k g) 、 クラレポバー ル (商標) 5-9 8 (2. 00 k g) 及びメタブレン S-203 0 (商標) (2 00 g) を用いたこと以外は、 実施例 1 と同様にしてシート状樹脂組成 物、 含水組成物及び被覆物を得た。

[0139] く比較例 9> 原料として、 ECO F I LM (商標) (7. 990 k g) 、 クラレポバー ル (商標) 5-9 8 (2. 00 k g) 及び安息香酸 (1 0 g) を用いたこと 以外は、 実施例 1 と同様にしてシート状樹脂組成物、 含水組成物及び被覆物 を得た。

[0140] <比較例 1 〇 > 原料として、 ECO F I LM (商標) (7. 990 k g) 、 クラレポバー ル (商標) 5-9 8 (2. 00 k g) 及びソルビン酸 (1 0 g) を用いたこ と以外は、 実施例 1 と同様にしてシート状樹脂組成物、 含水組成物及び被覆 物を得た。

[0141] <比較例 1 1 > 原料として、 ECO F I LM (商標) (7. 990 k g) 、 クラレポバー ル (商標) 5-9 8 (2. 00 k g) 及びプロピオン酸 (1 0 g) を用いた こと以外は、 実施例 1 と同様にしてシート状樹脂組成物、 含水組成物及び被 覆物を得た。

[0142] <比較例 1 2> 原料として、 ECO F I LM (商標) (7. 990 k g) 、 クラレポバー ル (商標) 5-9 8 (2. 00 k g) 及び安息香酸ナトリウ厶 ( 1 0 g ) を 用いたこと以外は、 実施例 1 と同様にしてシート状樹脂組成物、 含水組成物 及び被覆物を得た。

[0143] <比較例 1 3> 原料として、 ECO F I LM (商標) (7. 790 k g) 、 クラレポバー ル (商標) 5-9 8 (2. 〇 O k g) 、 安息香酸ナトリウム ( 1 0 g) 及び ナノエース (商標) (20 0 g) を用いたこと以外は、 実施例 1 と同様にし てシート状樹脂組成物、 含水組成物及び被覆物を得た。

[0144I く比較例 1 4> 原料として、 ECO F I LM (商標) (7. 790 k g) 、 クラレポバー ル (商標) 5-9 8 (2. 〇 O k g) 、 安息香酸ナトリウム ( 1 0 g) 及び メタブレン S-2 0 3 0 (商標) (20 0 g) を用いたこと以外は、 実施例 1 と同様にしてシート状樹脂組成物、 含水組成物及び被覆物を得た。

[0145] 実施例 2~1 3で得られた被覆物も、 実施例 1 と同様に、 偏肉や異物等が 見られず、 良好な外観であった。

[0146] 実施例及び比較例で得られたシート状樹脂組 成物の衝撃強度、 酸素透過度 (2 3°C • 5〇% RH) 及び含水量 35士 1質量%の含水状態で 3カ月保管 後の色調 (b値) を測定した結果を表 3に示す。 また、 変性デンプン (A) の平均アミロース含有量 (平均 Am含有量と記す) 及び変性デンプン (A) の含有量、 ポリビニルアルコール (B) の鹼化度、 4%水溶液における粘度 (2 0°〇 及びその含有量、 添加成分の種類及びその含有量 [化合物 (C) 又は (C) 以外の化合物及びこれらの含有量、 化合物 (D) の種類及びその 含有量、 並びに化合物 (E) の種類及びその含有量] も表 3に示す。 なお、 (C) 成分の添加方法も表 3に示す。

[0147] 表 3に示されるように、 実施例 1〜 1 4で得られた樹脂組成物は、 全ての 比較例 1〜 1 4と比べて衝撃強度が顕著に大きかった。 実施例 2〜 7、 9~ 1 1、 1 3及び 1 4で得られた樹脂組成物は、 比較例 1〜 1 4と比べて酸素 透過度が低く、 実施例 1、 8及び 1 2で得られた樹脂組成物は、 比較例 1〜 3 及び 6〜 1 4と比べ酸素透過度が低く、 比較例 4及び 5と同程度の酸素透 過度であることが確認された。 よって、 実施例 1〜 1 4で得られた樹脂組成 物は、 衝撃強度及び酸素バリア性に優れていること がわかった。 さらに、 表 3に示されるように、 実施例 1〜 1 4で得られた樹脂組成物は 衝撃強度及び酸素バリア性だけでなく、 約 35質量%の含水状態で 3カ月保 管した後でも、 b値が低く、 色調に優れていることが確認された。

[0148] 実施例 3で得られたシート状樹脂組成物の両面に 20 Ojucmの P ETシー 卜 (三菱ケミカル株式会社製ノバクリアー (商標) A 3020) を接着剤 ( 三井化学株式会社製タケラック (商標) A 520とタケネー ト (商標) A5 〇の 1 〇 : 1 (重量比) 混合物) で貼り合わせ積層体を得た。 圧空真空成型 機 (株式会社浅野研究所製 F KS-0632-2 0) を用いて、 ヒーター温 度 60 0°C、 シート表面温度 1 20°C、 加熱時間 1 〇秒、 成形圧力 3 k g/ c m 2 の条件で前記積層体の熱成形を行い、 カップ (内径 70mm、 高さ 1 1 0mm) 状に成形した。 得られた成形体には破れや偏肉、 白濁等は見られず 良好な外観のカップを得た。 符号 の説明

[0149] 1 …含水ペレット, 2 ■■・単軸押出機, 3 ■■・製膜用ダイス, 4 ■■•含水組成物,

5 ■■・紙, 6 ■■•被覆物, 7 a ■■•加圧ロール (ゴム製) , 7 b ■■・キャストロール (金属製) , 7 c …タッチロール (ゴム製) , 8 …二軸押出機, 9 …ホッパ -, 1 0 •••液添ノズル, 1 1 •••樹脂温計, 1 2 •••樹脂圧計, 1 3 …アダプタ , 1 4 …ダイ