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Title:
RESIN COMPOSITION, PREPREG, METAL FOIL-CLAD LAMINATE BOARD, RESIN COMPOSITE SHEET, AND, PRINTED CIRCUIT BOARD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175537
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a resin composition having a low dielectric constant and dielectric dissipation factor and high heat resistance, and a prepreg, a metal foil-clad laminate board, a resin composite sheet, and a printed circuit board in which the resin composition is used. The present invention provides a resin composition including a polyfunctional vinyl aromatic polymer (A) and a thermosetting compound (B), and not including a radical polymerization initiator.

Inventors:
SUZUKI MIKA (JP)
KOBAYASHI TAKASHI (JP)
HASEBE KEIICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/007686
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 26, 2020
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI GAS CHEMICAL CO (JP)
International Classes:
C08L25/08; B32B15/08; B32B15/082; C08J5/24; C08K3/013; C08L101/00; H05K1/03
Domestic Patent References:
WO2018181842A12018-10-04
WO2017115813A12017-07-06
Foreign References:
JP2002114823A2002-04-16
JPH0415215A1992-01-20
JPH0413756A1992-01-17
JPH0413751A1992-01-17
JP2020029504A2020-02-27
Other References:
THIOUNN, TIMMY AND LAUER MOIRA K., BEDFORD MONTE S., SMITH RHETT C., TENNYSON ANDREW G.: "Thermally-healable network solids of sulfur- crosslinked poly(4-allyloxystyrene", R SC ADVANCES, vol. 8, no. 68, 2018, pages 3 9074 - 39082, XP055736885, DOI: 10.1039/C8RA06847J
Attorney, Agent or Firm:
SIKs & Co. (JP)
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Claims:
〇 2020/175537 44 卩(:171? 2020 /007686 請求の範囲

[請求項 1 ] 多官能ビニル芳香族重合体 ( ) と熱硬化性化合物 (巳) とを含み 、 ラジカル重合開始剤を含まない樹脂組成物。

[請求項 2] 前記多官能ビニル芳香族重合体 ( ) が、 式 (V) で表される構成 単位を有する重合体である、 請求項 1 に記載の樹脂組成物。

[化 1 ]

族炭化水素連結基を表す。 *は、 結合位置を表す

[請求項 3] 前記熱硬化性化合物 (巳) がシアナト基、 ビニル基、 マレイミ ド基 、 およびナジイミ ド基からなる群より選ばれる 1つ以上の官能基を有 する、 請求項 1 または 2に記載の樹脂組成物。

[請求項 4] 樹脂組成物中の樹脂成分の総量 1 〇〇質量部に対する、 前記熱硬化 性化合物 (巳) の含有量が、 5〜 9 5質量部である、 請求項 1〜 3の いずれか 1項に記載の樹脂組成物。

[請求項 5] 樹脂組成物中の樹脂成分の総量 1 〇〇質量部に対する、 前記多官能 ビニル芳香族重合体 ( ) の含有量が、 5〜 9 5質量部である、 請求 項 1〜 4のいずれか 1項に記載の樹脂組成物。

[請求項 6] さらに充填材 (〇) を含む、 請求項 1〜 5のいずれか 1項に記載の 樹脂組成物。

[請求項 7] 樹脂組成物中の樹脂成分の総量 1 〇〇質量部に対する、 前記充填材 (〇) の含有量が、 1 〇〜 5 0 0質量部である、 請求項 6に記載の樹 脂組成物。

[請求項 8] 基材と、 請求項 1〜 7のいずれか 1項に記載の樹脂組成物とから形 成された、 プリプレグ。 〇 2020/175537 45 卩(:171? 2020 /007686

[請求項 9] 請求項 8に記載のプリプレグから形成された少なくとも 1つの層と

、 前記プリプレグから形成された層の片面または両面に配置された金 属箔とを含む、 金属箔張積層板。

[請求項 10] 支持体と、 前記支持体の表面に配置された請求項 1〜 7のいずれか

1項に記載の樹脂組成物から形成された層とを含む、 樹脂複合シート

[請求項 1 1 ] 絶縁層と、 前記絶縁層の表面に配置された導体層とを含むプリント 配線板であって、 前記絶縁層が、 請求項 1〜 7のいずれか 1項に記載 の樹脂組成物から形成された層および請求項 8に記載のプリプレグか ら形成された層の少なくとも一方を含む、 プリント配線板。

Description:
\¥0 2020/175537 1 ?<:17 2020 /007686

明 細 書

発明の名称 :

樹脂組成物、 プリプレグ、 金属箔張積層板、 樹脂複合シート、 および、 プ リント配線板

技術分野

[0001 ] 本発明は、 樹脂組成物、 ならびに、 これを用いたプリプレグ、 金属箔張積 層板、 樹脂複合シート、 および、 プリント配線板に関する。

背景技術

[0002] 近年、 携帯端末をはじめ、 電子機器や通信機器等に用いられる半導体素 子 の高集積化および微細化が加速している。 これに伴い、 半導体素子の高密度 実装を可能とする技術が求められており、 その重要な位置をしめるプリント 配線板についても改良が求められている。

一方、 電子機器等の用途は多様化し拡大をつづけて いる。 これを受け、 プ リント配線板やこれに用いる金属箔張積層板 、 プリプレグなどに求められる 諸特性も多様化し、 かつ厳しいものとなっている。 そうした要求特性を考慮 しながら、 改善されたプリント配線板を得るために、 各種の材料や加工法が 提案されている。 その 1つとして、 プリプレグを構成する樹脂材料の改良開 発が挙げられる。

[0003] 例えば、 特許文献 1 には、 ポリフエニレンエーテル骨格を有する 2官能性 フエニレンエーテルオリゴマーの末端ビニル 化合物 (3) 、 特定のマレイミ ド化合物 (13) 、 ナフトールアラルキル型のシアン酸エステル 樹脂 (〇) お よびナフタレン骨格変性したノボラック型の エポキシ樹脂 (¢0 を含む樹脂 組成物が開示されている。

[0004] 特許文献 2では、 少なくとも一端にマレイミ ド基を有する樹脂 (1\1 , 1\1’ - 4 , 4’ ージフエニルメタンビスマレイミ ドとジアミンを原料とするアミ ノビスマレイミ ド系樹脂) と、 式 (〇 1) で示されるブロモ化スチレンと式 (〇 2) で示されるジビニルベンゼンとの共重合体と からなる難燃性樹脂組 〇 2020/175537 2020 /007686

成物が開示されている。

[化 1 ]

(〇 2) 先行技術文献

特許文献

[0005] 特許文献 1 :特開 2 0 1 〇- 1 3 8 3 6 4号公報

特許文献 2 :特開平 0 3 - 0 0 6 2 9 3号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006] 上述した例を含め、 その材料開発により、 プリント配線板における諸特性 の改良が進められてきているが、 技術の進展やアプリケーシヨンの拡大に鑑 みると、 さらなる性能の向上が求められる。 特に近年、 高い耐熱性を有しつ つ、 低誘電率 ·低誘電正接である材料が求められている。

本発明はかかる課題を解決することを目的と するものであって、 誘電率お よび誘電正接が低く、 耐熱性が高い樹脂組成物、 およびこれを用いたプリプ レグ、 金属箔張積層板、 樹脂複合シート、 プリント配線板の提供を目的とす る。

課題を解決するための手段

[0007] 上記課題のもと、 本発明者らはプリプレグ等のプリント配線板 の用途に特 に適した樹脂組成物の成分組成を検討した結 果、 多官能ビニル芳香族重合体 と熱硬化性化合物とを組み合わせた樹脂組成 物は、 低誘電率 ·低誘電正接を 示し、 かつ、 耐熱性が高いことが分かった。 しかしながら、 ラジカル重合開 始剤を添加すると、 これらの性能が劣ることが分かった。 本発明はかかる知 〇 2020/175537 3 卩(:171? 2020 /007686

見により完成されるに至ったものであり、 具体的には、 下記手段<1>によ り、 好ましくは<2>〜<1 1>により、 上記課題は解決された。

[0008] <1>多官能ビニル芳香族重合体 ( ) と熱硬化性化合物 (巳) とを含み、 ラジカル重合開始剤を含まない樹脂組成物。

< 2>前記多官能ビニル芳香族重合体 ( ) が、 式 (V) で表される構成単 位を有する重合体である、 < 1>に記載の樹脂組成物。

[化 2]

(式中、 「は芳香族炭化水素連結基を表す。 *は、 結合位置を表す。 ) <3>前記熱硬化性化合物 (巳) がシアナト基、 ビニル基、 マレイミ ド基、 およびナジイミ ド基からなる群より選ばれる 1つ以上の官能基を有する、 < 1>または<2>に記載の樹脂組成物。

<4>樹脂組成物中の樹脂成分の総量 1 0 0質量部に対する、 前記熱硬化性 化合物 (巳) の含有量が、 5〜 9 5質量部である、 <1>〜<3>のいずれ か 1つに記載の樹脂組成物。

< 5>樹脂組成物中の樹脂成分の総量 1 0 0質量部に対する、 前記多官能ビ ニル芳香族重合体 ( ) の含有量が、 5〜 9 5質量部である、 <1>〜<4 >のいずれか 1つに記載の樹脂組成物。

< 6>さらに充填材 (〇 を含む、 < 1>〜<5>のいずれか 1つに記載の 樹脂組成物。

< 7>樹脂組成物中の樹脂成分の総量 1 0 0質量部に対する、 前記充填材 ( 〇) の含有量が、 1 〇〜 5 0 0質量部である、 <6>に記載の樹脂組成物。 <8>基材と、 <1>〜<7>のいずれか 1つに記載の樹脂組成物とから形 成された、 プリプレグ。

< 9><8>に記載のプリプレグから形成された なくとも 1つの層と、 前 〇 2020/175537 4 卩(:171? 2020 /007686

記プリプレグから形成された層の片面また は両面に配置された金属箔とを含 む、 金属箔張積層板。

<1 〇>支持体と、 前記支持体の表面に配置された<1>〜< 7>のいずれ か 1つに記載の樹脂組成物から形成された層と 含む、 樹脂複合シート。 <1 1>絶縁層と、 前記絶縁層の表面に配置された導体層とを含 むプリント 配線板であって、 前記絶縁層が、 < 1>〜<7>のいずれか 1つに記載の樹 脂組成物から形成された層および< 8>に記載のプリプレグから形成された 層の少なくとも一方を含む、 プリント配線板。

発明の効果

[0009] 本発明により、 誘電率および誘電正接が低く、 耐熱性が高い樹脂組成物、 およびこれを用いたプリプレグ、 金属箔張積層板、 樹脂複合シート、 プリン 卜配線板を提供可能になった。

発明を実施するための形態

[0010] 以下において、 本発明の内容をその好ましい実施形態に沿っ て詳細に説明 する。 なお、 本明細書において 「〜」 とはその前後に記載される数値を下限 値および上限値として含む意味で使用される 。

[001 1 ] 本実施形態に係る樹脂組成物は、 多官能ビニル芳香族重合体 ( ) と熱硬 化性化合物 (巳) とを含み、 ラジカル重合開始剤を含まないことを特徴と す る。

このような構成とすることにより、 誘電率および誘電正接が低く、 耐熱性 が高い樹脂組成物を提供可能になる。 さらに、 ピール強度を高くすることも 可能になる。 また、 その他の各種性能も向上させることが可能に なる。 特に 近年、 通信や動作信号が高周波数化する傾向にある が、 本実施形態に係る樹 脂組成物は、 高周波数領域でも、 低誘電率 ·低誘電正接を達成し、 耐熱性を 高くすることが可能である。

この理由は、 以下に限定されないが、 以下のとおりであると考えられる。 すなわち、 本実施形態に係る樹脂組成物は、 多官能ビニル芳香族重合体 (八 ) や熱硬化性化合物 (巳) が有する熱硬化性基が熱によって硬化する熱 硬化 〇 2020/175537 5 卩(:171? 2020 /007686

性樹脂組成物である。 このような樹脂組成物が熱ラジカル重合開始 剤を含ま ない場合、 多官能ビニル芳香族重合体 ( ) の重合開始温度と熱硬化性化合 物 (巳) の重合開始温度とが近くなり、 多官能ビニル芳香族重合体 ( ) と 熱硬化性化合物 (巳) が共に十分に硬化でき、 その結果、 低誘電率 ·低誘電 正接、 高耐熱性を達成できると考えられる。 また、 光ラジカル重合開始剤を 含まないことにより、 保存時に遮光をしなくても、 多官能ビニル芳香族重合 体 ( ) や熱硬化性化合物 (巳) の光硬化を効果的に抑制できる。

なお、 本実施形態に係る樹脂組成物は、 光によって硬化を進行させるので はなく、 主に、 熱によって硬化を進行させる非感光性熱硬化 性樹脂組成物で あることが好ましい。

[0012] <多官能ビニル芳香族重合体 (八) >

本実施形態に係る樹脂組成物は、 多官能ビニル芳香族重合体 ( ) を含有 する。

多官能ビニル芳香族重合体 (八) は、 2つ以上のビニル基を分子内に有す る芳香族化合物を重合させた重合体であるこ とが好ましい。 2つ以上のビニ ル基を分子内に有する芳香族化合物は、 例えば、 ビニル基について、 各位置 異性体のいずれであってもよく、 また、 そのような位置異性体の混合物であ ってもよい。 より具体的には、 多官能ビニル芳香族重合体 (八) が 2つのビ ニル基を分子内に有する芳香族化合物である 場合、 体、 〇—体 またはこれらの位置異性体混合物のいずれで あってもよく、 体 またはこれらの位置異性体混合物のいずれか であることが好ましい。

多官能ビニル芳香族重合体 ( ) を構成する単量体としては、 1つまたは 2つ以上のビニル基を有する芳香族化合物 (以下、 2つ以上のビニル基を有 する芳香族化合物を多官能ビニル芳香族化合 物ともいう) が挙げられ、 1つ または 2つのビニル基を有する芳香族化合物である とが好ましい。 例えば 、 多官能ビニル芳香族重合体 ( ) として、 2つのビニル基を有する芳香族 化合物 (ジビニル芳香族化合物ともいう) に由来する構成単位 (3) と、 1 つのビニル基を有する芳香族化合物に由来す る構成単位 (匕) を含む重合体 〇 2020/175537 6 卩(:171? 2020 /007686

が例示される。

[0013] 構成単位 (3) を形成するジビニル芳香族化合物は、 炭化水素芳香族環を 有する化合物であることが好ましく、 ジビニルベンゼン、 ジアリルベンゼン 、 ビス (ビニルオキシ) ベンゼン、 ビス (1 —メチルビニル) ベンゼン、 ジ ビニルナフタレン、 ジビニルアントラセン、 ジビニルビフエニル、 ジビニル フエナントレン、 ビス (4—アリルオキシフエニル) フルオレンなどが挙げ られる。 中でもジビニルベンゼンが特に好ましい。 ジビニル芳香族化合物に 由来する構成単位の重合体中での形態は、 (3 _ 1) ビニル基の 1つだけが 重合反応し、 もう 1つのビニル基が未反応のまま残された形態 、 (3— 2 ) 2つとも重合反応した形態とがあり得る。 本実施形態においては、 ビニル 基の一方が反応せずに残された形態 ( 3 _ 1) が含まれることが好ましい。 なお、 多官能ビニル芳香族化合物 (好ましくはジビニル芳香族化合物) は、 本発明の効果を奏する範囲で任意の置換基 (例えば、 炭素数 1〜 6のアル キル基、 炭素数 2〜 6のアルケニル基、 炭素数 2〜 6のアルキニル基、 炭素 数 1〜 6のアルコキシ基、 ヒドロキシ基、 アミノ基、 カルボキシ基、 ハロゲ ン原子等が挙げられる) を有していてもよい。

[0014] 上記の多官能ビニル芳香族化合物 (好ましくはジビニル芳香族化合物) に 由来する構成単位 (3) は、 下記式 (V) で表される構成単位を含むことが 好ましい。

[化 3]

式 (V) 中、 「は芳香族炭化水素連結基を表す。 具体例としては、 下記 1_ 1 の例が挙げられる。 式中の氺は結合位置を表す。

芳香族炭化水素連結基とは、 置換基を有していてもよい芳香族炭化水素の みからなる基であってもよいし、 置換基を有していてもよい芳香族炭化水素 〇 2020/175537 7 卩(:171? 2020 /007686

と他の連結基の組み合わせからなる基であ ってもよく、 置換基を有していて もよい芳香族炭化水素のみからなる基である ことが好ましい。 なお、 芳香族 炭化水素が有していてもよい置換基は、 上述の置換基 が挙げられる。 また 、 上記芳香族炭化水素は、 置換基を有さない方が好ましい。

芳香族炭化水素連結基は、 通常、 2価の連結基である。

[0015] 芳香族炭化水素連結基は、 具体的には、 置換基を有していてもよい、 フエ ニレン基、 ナフタレンジイル基、 アントラセンジイル基、 フエナントレンジ イル基、 ビフエニルジイル基、 フルオレンジイル基が挙げられ、 中でも置換 基を有していてもよいフエニレン基が好まし い。 置換基は、 上述の置換基 が例示されるが、 上述したフエニレン基等の基は置換基を有さ ない方が好ま しい。

[0016] 多官能ビニル芳香族化合物 (好ましくはジビニル芳香族化合物) に由来す る構成単位 (3) は、 下記式 (V I) で表される構成単位、 下記式 (V 2) で表される構成単位、 および下記式 い/ 3) で表される構成単位の少なくと も 1つを含むことがより好ましい。 なお、 下記式中の*は結合位置を表す。

[0017] [化 4]

式 (V I) 〜 ( 3) 中、 1_ 1 は芳香族炭化水素連結基 (炭素数 6〜 2 2が 好ましく、 6〜 1 8がより好ましく、 6〜 1 0がさらに好ましい) である。 具体的には、 置換基を有していてもよい、 フエニレン基、 ナフタレンジイル 基、 アントラセンジイル基、 フエナントレンジイル基、 ビフエニルジイル基 、 フルオレンジイル基が挙げられ、 中でも置換基を有していてもよいフエニ レン基が好ましい。 置換基は、 上述の置換基 が例示されるが、 上述したフ エニレン基等の基は置換基を有さない方が好 ましい。 〇 2020/175537 8 卩(:171? 2020 /007686

[0018] 多官能ビニル芳香族重合体 ( ) は、 上述のとおり、 構成単位 (3) の単 独重合体であってもよいが、 構成単位 (匕) 等との共重合体であってもよい 。 多官能ビニル芳香族重合体 ( ) は、 共重合体であるとき、 その共重合比 は、 構成単位 ( 3) が 5モル%以上であることが好ましく、 1 0モル%以上 であることがより好ましく、 1 5モル%以上であることがさらに好ましい。 上限値としては、 9 0モル%以下であることが実際的である。

[0019] 多官能ビニル芳香族重合体 ( ) が、 モノビニル芳香族化合物に由来する 構成単位 (匕) を含む共重合体であるとき、 モノビニル芳香族化合物の例と しては、 スチレン、 ビニルナフタレン、 ビニルビフエニルなどのビニル芳香 族化合物; 〇-メチルスチレン、 ーメチルスチレン、 ーメチルスチレン 、 〇, ジメチルスチレン、 〇—エチルビニルベンゼン、 01—エチルビニ ルベンゼン、 _エチルビニルベンゼン、 メチルビニルビフエニル、 エチル ビニルビフエニルなどの核アルキル置換ビニ ル芳香族化合物などが挙げられ る。 ここで例示したモノビニル芳香族化合物は適 宜上述の置換基 を有して いてもよい。 また、 これらのモノビニル芳香族化合物は、 1種を用いても 2 種以上を用いてもよい。

[0020] モノビニル芳香族化合物に由来する構成単位 (匕) は、 下記式 ( 4) で 表される構成単位であることが好ましい。

[0021 ] [化 5]

式 ( 4) 中、 !_ 2 は芳香族炭化水素連結基であり、 好ましいものの具体例 としては、 上記 !_ 1 の例が挙げられる。

は水素原子または炭素数 1〜 1 2の炭化水素基 (好ましくはアルキル 基) である。 が炭化水素基であるとき、 その炭素数は 1〜 6が好ましく 、 1〜 3がより好ましい。 および 1_ 2 は上述の置換基 を有していてもよ 〇 2020/175537 9 卩(:171? 2020 /007686

い。

[0022] 多官能ビニル芳香族重合体 ( ) が構成単位 (匕) を含む共重合体である とき、 構成単位 (匕) の共重合比は、 1 0モル%以上であることが好ましく 、 1 5モル%以上であることがさらに好ましい。 上限値としては、 9 8モル %以下であることが好ましく、 9 0モル%以下であることがより好ましく、

8 5モル%以下であることがさらに好ましい。

[0023] 多官能ビニル芳香族重合体 ( ) は、 その他の構成単位を有していてもよ い。 その他の構成単位としては、 例えば、 シクロオレフィン化合物に由来す る構成単位 (〇) などが挙げられる。 シクロオレフィン化合物としては、 環 構造内に二重結合を有する炭化水素類が挙げ られる。 具体的に、 シクロブテ ン、 シクロペンテン、 シクロヘキセン、 シクロオクテンなどの単環の環状才 レフインの他、 ノルボルネン、 ジシクロペンタジェンなどのノルボルネン環 構造を有する化合物、 インデン、 アセナフチレンなどの芳香族環が縮合した シクロオレフィン化合物などを挙げることが できる。 ノルボルネン化合物の 例としては、 特開 2 0 1 8 - 3 9 9 9 5号公報の段落 0 0 3 7〜〇 0 4 3に 記載のものが挙げられ、 これの内容は本明細書に組み込まれる。 なお、 ここ で例示したシクロオレフィン化合物はさらに 上述の置換基 を有していても よい。

[0024] 多官能ビニル芳香族重合体 ( ) が構成単位 (〇) を含む共重合体である とき、 構成単位 (〇) の共重合比は、 1 0モル%以上であることが好ましく 、 2 0モル%以上であることがより好ましく、 3 0モル%以上であることが さらに好ましい。 上限値としては、 9 0モル%以下であることが好ましく、

8 0モル%以下であることがより好ましく、 7 0モル%以下であることがさ らに好ましく、 5 0モル%以下であってもよく、 3 0モル%以下であっても よい。

[0025] 多官能ビニル芳香族重合体 (八) にはさらに異なる重合性化合物 (以下、 他の重合性化合物ともいう) に由来する構成単位 (〇1) が組み込まれていて もよい。 他の重合性化合物 (単量体) としては、 例えば、 ビニル基を 3つ含 〇 2020/175537 10 卩(:171? 2020 /007686

む化合物が挙げられる。 具体的には、 1 , 3 , 5 -トリビニルベンゼン、 1 , 3 , 5—トリビニルナフタレン、 1 , 2 , 4—トリビニルシクロヘキサン が挙げられる。 あるいは、 エチレングリコールジアクリレート、 ブタジエン 等が挙げられる。 他の重合性化合物に由来する構成単位 (¢0 の共重合比は 、 3 0モル%以下であることが好ましく、 2 0モル%以下であることがより 好ましく、 1 0モル%以下であることがさらに好ましい。

[0026] 多官能ビニル芳香族重合体 ( ) の一実施形態として、 構成単位 (3) を 必須とし、 構成単位 (匕) 〜 (¢0 の少なくとも 1種を含む重合体が例示さ れる。 さらには、 構成単位 (3) 〜 (¢0 の合計が、 全構成単位の 9 5モル %以上、 さらには 9 8モル%以上を占める態様が例示される。

多官能ビニル芳香族重合体 ( ) の他の _実施形態として、 構成単位 (3 ) を必須とし、 末端を除く全構成単位のうち、 芳香族環を含む構成単位が 9 0モル%以上のものであることが好ましく、 9 5モル%以上のものであるこ とがより好ましく、 1 0 0モル%のものであってもよい。

全構成単位当たりのモル%を算出するにあた り、 1つ構成単位とは、 多官 能ビニル芳香族重合体 ( ) を構成する単量体 1分子に由来するものとする

[0027] 多官能ビニル芳香族重合体 (八) の製造方法は特に限定されず常法によれ ばよいが、 例えば、 ジビニル芳香族化合物を含むモノマーを (必要により、 モノビニル芳香族化合物、 シクロオレフイン化合物等を共存させ) 、 ルイス 酸触媒の存在下で重合させることが挙げられ る。 ルイス酸触媒としては、 金 属フッ化物またはその錯体を用いることがで きる。

[0028] 多官能ビニル芳香族重合体 ( ) の鎖末端の構造は特に限定されないが、 上記ジビニル芳香族化合物に由来する基につ いて言うと、 以下の式 (巳 1) の構造を取ることが挙げられる。 なお、 式 (巳 1) 中の は上記式 (V I) で規定したものと同じである。 氺は結合位置を表す。

氺一〇 1 ~ 1 =〇 1 ~ 1 - 1_ 1 -〇 1 ~ 1 =〇 1 ~ 1 2 (巳 1)

[0029] モノビニル芳香族化合物に由来する基が鎖末 端となったときには、 下記式 〇 2020/175537 11 卩(:171? 2020 /007686

(巳 2) の構造を取ることが挙げられる。 式中の!- 2 および VI はそれぞれ前 記の式 ( 4) で定義したものと同じ意味である。 *は結合位置を表す。

氺一〇 1 ~ 1 =〇 1 ~ 1 - 1_ 2 - 1 (巳 2)

[0030] 多官能ビニル芳香族重合体 (八) の分子量は、 数平均分子量 IV! n で、 30

0以上であることが好ましく、 500以上であることがより好ましく、 1 ,

000以上であることがさらに好ましい。 上限としては、 1 00, 000以 下であることが好ましく、 1 0, 000以下であることがより好ましく、 5 , 000以下であることがさらに好ましく、 4, 000以下であることがさ らに好ましい。 重量平均分子量 IV! と数平均分子量 IV! n の比で表される単分 散度 (Mw/Mn) は、 1 00以下であることが好ましく、 50以下である ことがより好ましく、 20以下であることがさらに好ましい。 下限値として は、 1. 1以上であることが実際的である。 多官能ビニル芳香族重合体 (八 ) は、 トルエン、 キシレン、 テトラヒドロフラン、 ジクロロエタンまたはク ロロホルムに可溶であることが好ましい。

[0031] 本明細書において多官能ビニル芳香族重合体 ( ) については、 国際公開 第 201 7/1 1 581 3号の段落 0029〜〇 058に記載の化合物およ びその合成反応条件等、 特開 201 8 _ 039995号公報の段落 001 3 〜 0058に記載の化合物およびその合成反応条件 、 特開 201 8_ 1 6 8347号公報の段落 0008〜 0043に記載の化合物およびその合成反 応条件等、 特開 2006— 0701 36号公報の段落 001 4〜〇 042に 記載の化合物およびその合成反応条件等、 特開 2006 _ 089683号公 報の段落〇 01 4〜 006 1 に記載の化合物およびその合成反応条件等、 特 開 2008— 248001号公報の段落 0008〜〇 036に記載の化合物 およびその合成反応条件等を参照することが でき、 本明細書に組み込まれる

[0032] 多官能ビニル芳香族重合体 ( ) の含有量は、 樹脂組成物中の樹脂成分の 総量を 1 00質量部としたとき、 5質量部以上であることが好ましく、 1 0 質量部以上であることがより好ましく、 1 5質量部以上であることがさらに 〇 2020/175537 12 卩(:171? 2020 /007686

好ましく、 2 0質量部以上であることが一層好ましく、 さらには、 3 0質量 部以上、 4 0質量部以上、 5 0質量部以上、 6 0質量部以上であってもよい 。 多官能ビニル芳香族重合体 ( ) の含有量を上記の下限値以上とすること で、 特に、 低誘電率を効果的に達成できる。 他方、 多官能ビニル芳香族重合 体 ( ) の含有量の上限値は、 樹脂組成物中の樹脂成分の総量を 1 0 0質量 部としたとき、 9 5質量部以下であることが好ましく、 9 0質量部以下であ ることがより好ましく、 8 5質量部以下であることがさらに好ましく、 8 0 質量部以下であることが一層好ましい。

多官能ビニル芳香族重合体 ( ) は、 樹脂組成物中に、 1種のみ含まれて いても、 2種以上含まれていてもよい。 2種以上含まれる場合は、 合計量が 上記範囲となることが好ましい。

なお、 樹脂成分とは、 多官能ビニル芳香族重合体 (八) および熱硬化性化 合物 (巳) 並びに後述する他の樹脂を含む。

[0033] <熱硬化性化合物 (巳) >

本実施形態に係る樹脂組成物は、 熱硬化性化合物 (巳) を含有する。 本明 細書において熱硬化性化合物 (巳) とは、 多官能ビニル芳香族重合体 (八) 以外の熱硬化性化合物を意味する。 熱硬化性化合物 (巳) としては、 シアナ 卜基、 ビニル基 (ただし、 多官能ビニル芳香族重合体となる基、 マレイミ ド 基、 ナジイミ ド基は含まない。 ビニルフエニル基が好ましい。 ) 、 マレイミ ド基、 およびナジイミ ド基からなる群より選ばれる 1つ以上の官能基を有す る化合物が好ましく、 シアナト基を有するシアン酸エステル化合物 (巳 1)

、 ビニル基 (好ましくはビニルフエニル基) を有する変性ポリフエニレンエ —テル化合物 (巳 2) 、 マレイミ ド基を有するマレイミ ド化合物 (巳3) 、 ナジイミ ド基を有するナジイミ ド化合物 (巳 4) がより好ましく、 シアナト 基を有するシアン酸エステル化合物 (巳 1) 、 ビニル基 (好ましくはビニル フエニル基) を有する変性ポリフエニレンエーテル化合物 (巳 2) 、 マレイ ミ ド基を有するマレイミ ド化合物 (巳 3) がさらに好ましい。

[0034] «シアン酸エステル化合物 (巳 1) » 〇 2020/175537 13 卩(:171? 2020 /007686

シアン酸エステル化合物はシアナト基を有 する化合物の総称である。 本発 明で用いるシアン酸エステル化合物 (巳 1) は、 1分子中にシアナト基を 1 以上有することが好ましく、 2以上有することがより好ましい。 また、 シア ン酸エステル化合物 (巳 1) 1分子中のシアナト基の数の上限は、 1 2以下 であることが好ましく、 1 0以下であることがより好ましい。 また、 上述し たシアン酸エステル化合物 (巳 1) のシアナト基は、 芳香環に直接結合した シアナト基であることが好ましい。

シアン酸エステル化合物 (巳 1) としては、 例えば、 ナフトールアラルキ ル型シアン酸エステル化合物 (ナフトールアラルキル型シアネート) 、 ナフ チレンエーテル型シアン酸エステル化合物、 フエノールノボラック型シアン 酸エステル化合物、 ビフエニルアラルキル型シアン酸エステル化 合物、 ビス フエノール八型シアン酸エステル化合物、 ジアリルビスフエノール八型シア ン酸エステル化合物、 ビスフエノール IV!型シアン酸エステル化合物、 キシレ ン樹脂型シアン酸エステル化合物、 トリスフエノールメタン型シアン酸エス テル化合物、 およびアダマンタン骨格型シアン酸エステル 化合物からなる群 より選択される少なくとも 1種が挙げられる。 これらの中でも、 ナフトール アラルキル型シアン酸エステル化合物、 ナフチレンエーテル型シアン酸エス テル化合物、 およびキシレン樹脂型シアン酸エステル化合 物からなる群より 選択される少なくとも 1種であることが好ましく、 ナフトールアラルキル型 シアン酸エステル化合物であることがより好 ましい。 これらのシアン酸エス テル化合物は、 公知の方法により調製してもよく、 市販品を用いてもよい。

[0035] シアン酸エステル化合物 (巳 1) としては、 下記式 (3 1) で示されるナ フトールアラルキル型シアン酸エステル化合 物が挙げられる。 式 (3 1) で 示されるナフトールアラルキル型シアン酸エ ステル化合物は、 ナフトール あるいは /3 -ナフトール等のナフトール類と -キシリレングリコール、 « , -ジメ トキシ- -キシレン、 1 , 4—ジ(2 -ヒドロキシ _ 2—プロピル)ベ ンゼン等との反応により得られるナフトール アラルキル樹脂とハロゲン化シ アンとを縮合させて得られるものである。 その製法は特に限定されず、 シア 〇 2020/175537 14 卩(:171? 2020 /007686

ン酸エステル合成として現存するいかなる 方法で製造してもよい。

[化 6]

式 (3 1) 中、 [¾ 〜[¾〇 4 はそれぞれ独立に水素原子またはメチル 基を表 す。 门〇は 1から 1 0の数である。 n cが異なる化合物が 2種以上含まれてい てもよい。

シアン酸エステル化合物 (巳 1) については、 特開 2 0 1 0 - 1 3 8 3 6 4号公報の段落 0 0 2 4および 0 0 2 5を参照することができ、 その内容は 本明細書に組み込まれる。

[0036] «変性ポリフエニレンエーテル化合物 (巳 2) »

熱硬化性化合物 (巳) は、 ビニル基 (好ましくはビニルフエニル基) を含 有する置換基により末端変性された変性ポリ フエニレンエーテル化合物 (巳 2) であることが好ましい。 本発明で用いる変性ポリフエニレンエーテル 化 合物 (巳 2) は、 1分子中にビニル基を 1以上有することが好ましく、 2以 上有することがより好ましい。 また、 変性ポリフエニレンエーテル化合物 ( 巳 2) 1分子中のビニル基の数の上限は、 5以下であることが好ましく、 3 以下であることがより好ましい。

変性ポリフエニレンエーテル化合物 (巳 2) は、 例えば、 ポリフエニレン エーテルの末端の全部または一部が、 ビニル基ないしビニルフエニル基によ り末端変性された変性物である。 本明細書に言う 「ポリフエニレンエーテル 」 とは、 下記式 (X I) で表されるポリフエニレンエーテル骨格を有 する化 合物をいう。

[0037] 〇 2020/175537 15 卩(:171? 2020 /007686

式 (X I) 中、 [¾ 24 、 [¾ 25 、 [¾ 26 、 および[¾ 27 は、 同一または異なっても よく、 炭素数 6以下のアルキル基、 アリール基、 ハロゲン原子、 または水素 原子を表す。 氺は結合位置を表す。

[0038] 変性ポリフエニレンェーテルは、 式 (乂 2) または式 (乂3) で表される 繰返し単位をさらに含んでもよい。

[化 8]

同一または異なっても よく、 炭素数 6以下のアルキル基またはフエニル基である [¾ 31 、 [¾ 32

3 は、 同一または異なってもよく、 水素原子、 炭素数 6以下のアルキル基また はフエニル基である。 氺は結合位置を表す。

[化 9]

式 (乂3) 中、 [¾ 36 、 [¾ 37 、 [¾ 38 、 [¾ 39 、 [¾ 40 、 [¾ 41 、 [¾ 42 、 [¾ 43 は、 同一または異なってもよく、 水素原子、 炭素数 6以下のアルキル基またはフ エニル基である。 は、 炭素数 1以上 20以下の直鎖状、 分岐状または環状 の 2価の炭化水素である。 *は結合位置を表す。

[0039] 変性ポリフエニレンェーテル化合物 (巳 2) は、 一部または全部を、 ビニ 〇 2020/175537 16 卩(:171? 2020 /007686

ルベンジル基等のエチレン性不飽和基、 エポキシ基、 アミノ基、 ヒドロキシ 基、 メルカプト基、 カルボキシ基、 およびシリル基等で官能基化された変性 ポリフエニレンエーテルを用いることもでき る。 これらは 1種または 2種以 上を組み合わせて用いてもよい。 末端がヒドロキシ基であるポリフエニレン エーテルとしては例えば、 3八巳 丨 〇イノべーティブプラスチックス社製 3 八 9 0等が挙げられる。

[0040] 変性ポリフエニレンエーテル化合物 (巳 2) の製造方法は、 本発明の効果 が得られるものであれば特に限定されない。 例えば、 ビニルベンジル基で官 能基化されたものは、 2官能フエニレンエーテルオリゴマーとビニ ベンジ ルクロライ ドを溶剤に溶解させ、 加熱撹拌下で塩基を添加して反応させた後 、 樹脂を固形化することで製造できる。 カルボキシ基で官能基化されたもの は、 例えばラジカル開始剤の存在下または非存在 下において、 ポリフエニレ ンエーテルに不飽和カルボン酸やその官能基 化された誘導体を溶融混練し、 反応させることによって製造される。 あるいは、 ポリフエニレンエーテルと 不飽和カルボン酸やその官能的誘導体とをラ ジカル開始剤存在下または非存 在下で有機溶剤に溶かし、 溶液下で反応させることによって製造される 。

[0041 ] 変性ポリフエニレンエーテル化合物 (巳 2) は、 少なくとも一方の末端 ( 好ましくは両末端) にエチレン性不飽和基を有する変性ポリフエ ニレンエー テル (以下、 「変性ポリフエニレンエーテル (9) 」 ということがある) を 含むものであることが好ましい。 エチレン性不飽和基としては、 エテニル基 、 アリル基、 アクリロイル基、 メタクリロイル基、 プロべニル基、 ブテニル 基、 ヘキセニル基およびオクテニル基等のアルケ ニル基、 シクロペンテニル 基およびシクロヘキセニル基等のシクロアル ケニル基、 ビニルフエニル基、 ビニルベンジル基およびビニルナフチル基等 のアルケニルアリール基が挙げ られる。 両末端の 2つのエチレン性不飽和基は、 同一の官能基であってもよ いし、 異なる官能基であってもよい。

[0042] 変性ポリフエニレンエーテル (9) として式 (1) で表される構造が挙げ られる。 \¥0 2020/175537 17 卩(:17 2020 /007686

[化 10]

式 ( 1) 中、 X 3 は芳香族基を表し、 (丫 3 -〇) 01はポリフエニレンエー テル部分を表し、 [¾ 2 3 はそれぞれ独立して水素原子、 アルキル基、 アルケニル基またはアルキニル基を表し、 01は 1〜 1 0 0の数を表し、 nは 1〜 6の数を表し、 は 1〜 4の数を表す。 好ましくは、

素原子である。 好ましくは、 は 1以上 5 0以下の数であり、 より好ましく は、 1以上 3 0以下の数である。 好ましくは、 nは 1以上 4以下の数であり 、 さらに好ましくは、 门は 1 または 2であり、 一層好ましくは、 门は 1であ る。 また、 好ましくは、 は 1以上 3以下の数であり、 さらに好ましくは、 は 1 または 2であり、 一層好ましくは、 は 2である。

、 n、 9がそれぞれ異なる化合物が 2種以上含まれていてもよい。

[0043] 変性ポリフエニレンェーテル (9) は、 式 (2) で表されることが好まし い。

[化 1 1] 式 (2) における 8、 少なくともいずれか一方が 0でない、 〇〜 1 0 0の数を表す。 3および匕は、 好ましくは 1以上 5 0以下の数であり、 よ り好ましくは、 1以上 3 0以下の数である。

ここで、 一 (〇一X—〇) 一は、 式 (3) または式 (4) で表されること が好ましい。 3、 13が異なる化合物が 2種以上含まれていてもよい。 〇 2020/175537 18 卩(:171? 2020 /007686

[化 12]

11は、 同一または異なってもよく 、 炭素数 6以下のアルキル基またはフエニル基である [¾ 7 、 同 —または異なってもよく、 水素原子、 炭素数 6以下のアルキル基またはフエ ニル基である。 氺は結合位置を表す。

[化 13]

式 (4) 中、 [¾ 12 、 [¾ 13 、 [¾ 14 、 [¾ 15 、 [¾ 16 、 [¾ 17 、 [¾ 18 、 [¾ 19 は、 同 —または異なってもよく、 水素原子、 炭素数 6以下のアルキル基またはフエ ニル基である。 は、 炭素数 20以下の直鎖状、 分岐状または環状の 2価の 炭化水素基である。 *は結合位置を表す。

[0044] また、 式 (2) における一 (丫一〇) 一は、 式 (5) で表されることが好 ましい。

[化 14]

式 (5) 中、 [¾ 22 、 [¾ 23 は、 同一または異なってもよく、 水素原子、 炭素 数 6以下のアルキル基またはフエニル基である [¾ 21 は、 同一または 異なってもよく、 炭素数 6以下のアルキル基またはフエニル基である \¥02020/175537 19 卩(:17 2020 /007686

[0045] 式 (4) における八 1 としては、 例えば、 メチレン、 エチリデン、 1 -メチ ルエチリデン、 1 , 1 —プロピリデン、 2, 2—プロピリデン、 1 , 4—フ エニレンビス ( 1 -メチルエチリデン) 、 1 , 3 -フエニレンビス ( 1 -メ チルエチリデン) 、 シクロヘキシリデン、 フエニルメチレン、 ナフチルメチ レン、 1 -フエニルエチリデン等の 2価の有機基が挙げられるが、 これらに 限定されるものではない。

[0046] 上記変性ポリフエニレンエーテルのなかでは 、 [¾ 4 、 [¾ 5 、 [¾ 6 、 [¾ 10

1 、 が炭素数 3以下のアルキル基であり、 2 、 [¾ 13 、 [¾ 14 、 [¾ 15 、 [¾ 16 、 [¾ 17 、 [¾ 18 、 [¾ 19 、 [¾ 22 23 が水素原子また は炭素数 3以下のアルキル基であるポリフエニレンエ テルが好ましく、 特 に式 (3) または式 (4) で表される一 (〇一 X—〇) 一が、 式 (9) 、 式 (1 0) 、 および/または式 (1 1) であり、 式 ( 5) で表される一 (丫一 〇) 一が、 式 (1 2) または式 (1 3) であるか、 あるいは式 (1 2) と式 (1 3) がランダムに配列した構造であることがより 好ましい。

[0047] [化 15]

式 (1 0) 中、 [¾45、 [^46、 [¾47は、 同一でも異なってもよく、 水 素原子またはメチル基である。 八 2 は、 炭素数 20以下の直鎖状、 分岐状また は環状の 2価の炭化水素基である。 *は結合位置である。 式 (1 0) 、 式 ( 1 1) 中の八 2 は、 式 (4) における八 1 の具体例と同じものが具体例として 挙げられる。 〇 2020/175537 20 卩(:171? 2020 /007686

[0048] 変性ポリフェニレンエーテル化合物 (巳 2) の◦ 〇法によるポリスチレ ン換算の数平均分子量は、 5 0 0以上 3 0 0 0以下であることが好ましい。 数平均分子量が上記下限値以上であることに より、 本実施形態の樹脂組成物 を塗膜状にする際にべたつきがより一層抑制 される傾向にある。 数平均分子 量が上記上限値以下であることにより、 溶剤への溶解性がより一層向上する 傾向にある。

また、 変性ポリフェニレンエーテル化合物 (巳 2) の〇 〇によるポリス チレン換算の重量平均分子量は、 8 0 0以上 1 0 0 0 0以下であることが好 ましく、 8 0 0以上 5 0 0 0以下であることがより好ましい。 前記下限値以 上とすることにより、 樹脂組成物の誘電率および誘電正接がより低 くなる傾 向にあり、 上記上限値以下とすることにより、 溶剤への溶解性、 低粘度およ び成形性がより向上する傾向にある。

さらに、 変性ポリフェニレンエーテル化合物 (巳 2) の末端の炭素一炭素 不飽和二重結合当量は、 炭素一炭素不飽和二重結合 1つあたり 4 0 0〜 5 0 0 0 9であることが好ましく、 4 0 0 9 ~ 2 5 0 0 9であることがより好ま しい。 前記下限値以上とすることにより、 誘電率および誘電正接がより低く なる傾向にある。 上記上限値以下とすることにより、 溶剤への溶解性、 低粘 度および成形性がより向上する傾向にある。

[0049] 変性ポリフェニレンエーテル化合物 (巳 2) の製造方法は、 特に限定され ず、 例えば、 2官能性フェノール化合物と 1官能性フェノール化合物とを酸 化カップリングして 2官能性フェニレンエーテルオリゴマーを得 工程 (酸 化カップリングエ程) と、 得られる 2官能性フェニレンエーテルオリゴマー の末端フェノール性水酸基をビニルベンジル エーテル化する工程 (ビニルべ ンジルエーテル化工程) とにより製造できる。 また、 このような変性ポリフ ェニレンエーテル化合物 (巳 2) としては、 例えば、 三菱ガス化学 (株) 製 (〇 巳一 2 3 1: 1 2 0 0など) を用いることができる。

[0050] «マレイミ ド化合物 (巳 3) »

マレイミ ド化合物 (巳3) は分子中に 1個以上マレイミ ド基を有する化合 〇 2020/175537 21 卩(:171? 2020 /007686

物を指す。 本発明で用いるマレイミ ド化合物 (巳3) は、 1分子中にマレイ ミ ド基を 1以上有することが好ましく、 2以上有することがより好ましい。 また、 マレイミ ド化合物 (巳3) 1分子中のマレイミ ド基の数の上限は、 1 5以下であることが好ましく、 1 3以下であることがより好ましい。 中でも 分子中に 2個以上のマレイミ ド基を有するビスマレイミ ド化合物、 ポリマレ イミ ド化合物が好ましく、 4 , 4’ ージフエニルメタンマレイミ ド、 4 , 4 ’ ージフエニルエーテルビスマレイミ ド、 01—フエニレンビスマレイミ ド、

1 , 6—ビスマレイミ ドー (2 , 2 , 4—トリメチル) ヘキサン、 下記式 ( 3 1) 〜 (3 4) のいずれかで表される構成単位を含む化合物 であることが 一層好ましい。

[化 16]

式 (3 1) 中、 および はそれぞれ独立に、 水素原子 、 炭素数 1〜 8のアルキル基またはフエニル基を表す。

式 (3 1) 中、 [¾ 5 1 、 [¾ 5 2 、 および それぞれ独立に、 メチル 基、 エチル基、 フエニル基または水素原子であることが好ま しく、 水素原子 であることがより好ましい。

n 1は、 1〜 1 0の数であり、 1〜 4の数がより好ましい。 n 1が異なる 化合物が 2種以上含まれていてもよい。

[0051 ] \¥0 2020/175537 22 卩(:17 2020 /007686

[化 17]

、 、

7 はそれぞれ独立に水素原子またはメチル 基を表す。

のうち、 1〜 3つがメチル基であり、 残りの 3〜 1つがエチル 基であることが好ましく、 4 のうち、 2つがメチル基であり、 残り の 2つがエチル基であることがより好ましい。 さらに、 2つの芳香族環につ いて、 それぞれ、 置換している

がより好ましい。

[0052] [化 18]

基を表す。

メチル基であるこ とがより好ましい。

[0053] [化 19]

〇 2020/175537 23 卩(:171? 2020 /007686 式 (3 4) 中、 水素原子、 メチル基またはェチル 基を表す。

メチル基であるこ とがより好ましい。

[0054] マレイミ ド化合物 (巳 3) の不飽和イミ ド基の当量は、 2 0 0 9 / 6 9以 上であることが好ましく、 また、 4 0 0 9以下であることが好ましい

。 なおここでの当量は、 2種以上のマレイミ ド化合物を含む場合、 樹脂組成 物に含まれる各マレイミ ド化合物の質量を考慮した加重平均の不飽和 イミ ド 基の当量とする。

[0055] «ナジイミ ド化合物 (巳 4) »

ナジイミ ド化合物 (巳 4) は、 分子内にナジイミ ド基を有する化合物であ る。 本発明で用いるナジイミ ド化合物 (巳4) は、 1分子中にナジイミ ド基 を 1以上有することが好ましく、 2以上有することがより好ましい。 また、 ナジイミ ド化合物 (巳 4) 1分子中のナジイミ ド基の数の上限は、 5以下で あることが好ましく、 3以下であることがより好ましい。 ナジイミ ド化合物 (巳 4) は、 より具体的には、 下記式 (N 1 ) または (N 2) で表される基 を有することが好ましい。 氺は結合位置を表す。

[化 20]

、 はそれぞれ独立に、 水素原子ま たは炭素数 1 〜 6のアルキル基を表す。

[0056] ナジイミ ド化合物としては、 下記式 (N 3) で表される化合物がさらに好 ましい。 \¥0 2020/175537 24 ?01/1?2020/007686

[化 21 ]

、 原子または炭素数 1〜 6のアルキ ル基を表し、 は、 炭素数 1〜 6のアルキレン基または芳香環を含む 2価の 連結基を示す。 芳香環を含む 2価の連結基としては、 フヱニレン基、 ビフエ ニレン基およびナフチレン基が例示される。

その他、 ナジイミ ド化合物 (巳 4) としては、 国際公開第 2 0 1 5 / 1 0 5 1 0 9号の段落 0 0 2 6〜 0 0 3 5の記載を参酌でき、 これらの内容は本 明細書に組み込まれる。

[0057] 本実施形態に係る樹脂組成物における樹脂成 分の総量 1 0 0質量部に対す る、 熱硬化性化合物 (巳) の含有量は、 5質量部以上であることが好ましく 、 1 〇質量部以上であることがより好ましく、 1 5質量部以上であることが さらに好ましく、 2 0質量部以上であることが一層好ましい。 上限値として は、 9 5質量部以下であることが好ましく、 8 0質量部以下であることがよ り好ましく、 7 0質量部以下であることがさらに好ましい。

また、 多官能ビニル芳香族重合体 (八) 1 0 0質量部に対し、 1質量部以 上であることが好ましく、 1 0質量部以上であることがより好ましく、 2 0 質量部以上であることがさらに好ましい。 上限値としては、 1 9 0 0質量部 以下であることが好ましく、 9 0 0質量部以下であることがより好ましく、 4 0 0質量部以下であることがさらに好ましく、 1 2 0質量部以下であって もよく、 8 0質量部以下であってもよく、 6 0質量部以下であってもよい。 樹脂組成物は、 熱硬化性化合物 (巳) を、 1種のみ含んでいてもよいし、

2種以上含んでいてもよい。 2種以上含む場合、 合計量が上記範囲となるこ とが好ましい。 〇 2020/175537 25 卩(:171? 2020 /007686

[0058] 本実施形態に係る樹脂組成物は、 後述する充填材 (〇 を含まない場合、 樹脂成分が樹脂組成物の 9 0質量%以上を占めることが好ましく、 9 5質量 %以上を占めることがより好ましく、 9 8質量%以上を占めることがさらに 好ましい。

本実施形態に係る樹脂組成物は、 充填材 (<3) を含む場合、 樹脂成分が樹 脂組成物の 1 5質量%以上を占めることが好ましく、 2 0質量%以上を占め ることがより好ましく、 3 0質量%以上を占めることがさらに好ましい ま た、 上限値としては、 樹脂成分が樹脂組成物の 9 0質量%以下を占めること が好ましく、 8 5質量%以下を占めることがより好ましく、 8 0質量%以下 を占めることがさらに好ましい。

[0059] <ラジカル重合開始剤>

本実施形態に係る樹脂組成物は、 ラジカル重合開始剤を含まない。 ここで 「含まない」 とは、 積極的に配合しないことを意味し、 不純物等が意図せず に配合される場合まで含む趣旨ではない。 不純物等意図せずに配合される場 合とは、 例えば、 質量基準で、 4 〇1以下であり、 さらには 1 以下 である。 本発明では、 0 であることが好ましい。

ラジカル重合開始剤の種類は特に限定されず 、 熱ラジカル重合開始剤およ び光ラジカル重合開始剤が挙げられる。

ラジカル重合開始剤として具体的には、 ペルオキシド (過酸化物) 、 アゾ 化合物、 ベンゾイン化合物、 アセトフエノン化合物、 アントラキノン化合物 、 チオキサントン化合物、 ケタール化合物、 ベンゾフエノン化合物、 ホスフ ィンォキサイ ド化合物が挙げられる。

ペルオキシドは分子内にペルオキシ基 (一〇一〇一) を有する化合物が挙 げられ、 1—ブチルペルオキシ基を有する化合物やク ルペルオキシ基を有 する化合物、 ベンゾイルペルォキシ基を有する化合物が好 ましい。 具体例と しては、 ベンゾイルペルオキシド (巳 〇) 、 _クロロべンゾイルぺルオ キシド、 ジクミルペルオキシド (¢1 丨 〇リ ) 、 ジ_ 1—ブチルペルオキシ ド、 ジイソプロピルペルオキシカーボネート、 2 , 5—ジメチルー 2 , 5 - 〇 2020/175537 26 卩(:171? 2020 /007686

ジー I _ブチルペルオキシヘキシン (0丫巳 ) 、 2 , 5—ジメチルー 2 ,

5 -ジー I -ブチルペルオキシヘキサンが挙げられる。 市販品としては、 日 油社製の、 パーブチル!· I、 パーブチル 、 パーブチル 、 パークミル!· I、 パークミル 、 パークミルロ、 パーオクタ!· I、 パーへキサ 2 5巳、 などが挙 げられる。

アゾ化合物は分子内にアゾ基 (一 = 1\1 _) を有する化合物を指し、 具体 的には、 アゾビスイソプチロニトリル (八 丨 巳1\1) が挙げられる。 市販品と しては、 富士フイルム和光純薬製の八 丨 巳1\1、 V - 7 0 , ー6 5などが挙 げられる。

また、 過酸化物ではないが、 2 , 3 -ジメチルー 2 , 3 -ジフエニルブタ ンもラジカル重合開始剤として挙げられる。 市販品としてはノフマー巳〇一 9 0などが挙げられる。

さらに、 国際公開第 2 0 1 3 / 0 4 7 3 0 5号の段落 0 0 4 2に記載のラ ジカル重合開始剤も例示され、 これらの内容は本明細書に組み込まれる。 一方、 本実施形態に係る樹脂組成物は、 カチオン重合開始剤を含まない構 成とすることもできる。 さらに、 本実施形態に係る樹脂組成物は、 光重合開 始剤を含まない構成とすることもできる。

[0060] <充填材 (〇 >

本実施形態に係る樹脂組成物は、 低誘電率、 低誘電正接、 耐燃性および低 熱膨張性の向上のため、 充填材 (<3) を含むことが好ましく、 無機充填材が 好ましい。 使用される充填材 (<3) としては、 公知のものを適宜使用するこ とができ、 その種類は特に限定されず、 当業界において一般に使用されてい るものを好適に用いることができる。 具体的には、 天然シリカ、 溶融シリカ 、 合成シリカ、 アモルファスシリカ、 アエロジル、 中空シリカ等のシリカ類 、 ホワイ トカーボン、 チタンホワイ ト、 酸化亜鉛、 酸化マグネシウム、 酸化 ジルコニウム、 窒化ホウ素、 凝集窒化ホウ素、 窒化ケイ素、 窒化アルミニウ ム、 硫酸バリウム、 水酸化アルミニウム、 水酸化アルミニウム加熱処理品 ( 水酸化アルミニウムを加熱処理し、 結晶水の一部を減じたもの) 、 ベーマイ 〇 2020/175537 27 卩(:171? 2020 /007686

卜、 水酸化マグネシウム等の金属水和物、 酸化モリブデンやモリブデン酸亜 鉛等のモリブデン化合物、 ホウ酸亜鉛、 錫酸亜鉛、 アルミナ、 クレー、 カオ リン、 タルク、 焼成クレー、 焼成カオリン、 焼成タルク、 マイカ、 巳ーガラ ス、 八ーガラス、 巳ーガラス、 〇ーガラス、 !_—ガラス、 ガラス、 3 -ガラス、 IV! -ガラス 0 2 0、 ガラス短繊維 (巳ガラス、 丁ガラス、 〇ガラ ス、 3ガラス、 〇ガラス等のガラス微粉末類を含む。 ) 、 中空ガラス、 球状 ガラスなど無機系の充填材の他、 スチレン型、 ブタジエン型、 アクリル型な どのゴムパウダー、 コアシェル型のゴムパウダー、 シリコーンレジンパウダ —、 シリコーンゴムパウダー、 シリコーン複合パウダーなど有機系の充填材 などが挙げられる。

これらの中でも、 シリカ、 水酸化アルミニウム、 ベーマイ ト、 酸化マグネ シウムおよび水酸化マグネシウムからなる群 から選択される 1種または 2種 以上が好適であり、 シリカがより好ましい。 シリカは、 球状のシリカが好ま しい。 球状シリカは、 また、 中空シリカであってもよい。

これらの充填材を使用することで、 樹脂組成物の熱膨張特性、 寸法安定性 、 難燃性などの特性が向上する。

[0061 ] 本実施形態に係る樹脂組成物における充填材 (〇 の含有量は、 所望する 特性に応じて適宜設定することができ、 特に限定されないが、 樹脂組成物中 の樹脂成分の総量を 1 〇〇質量部とした場合、 1 〇質量部以上であることが 好ましく、 2 0質量部以上であることがより好ましく、 3 0質量部以上であ ることがさらに好ましく、 5 0質量部以上であってもよい。 上限値としては 、 5 0 0質量部以下であることが好ましく、 4 0 0質量部以下であることが より好ましく、 3 0 0質量部以下であることがさらに好ましく、 2 5 0質量 部以下であることが一層好ましく、 2 0 0質量部以下であってもよい。 充填材 (<3) は 1種を用いても 2種以上を用いてもよい。 2種以上を用い る場合はその合計量が上記の範囲となること が好ましい。

[0062] <他の樹脂成分>

本実施形態に係る樹脂組成物は、 上述した多官能ビニル芳香族重合体 (八 〇 2020/175537 28 卩(:171? 2020 /007686

) および熱硬化性化合物 (巳) 以外の他の樹脂成分を含んでいてもよい。 他 の樹脂成分としては、 エポキシ樹脂、 フヱノール樹脂、 オキセタン樹脂、 ベ ンゾオキサジン化合物、 重合可能な不飽和基を有する化合物、 エラストマー および活性エステル化合物よりなる群から選 択される 1種以上が例示される 本実施形態に係る樹脂組成物においては、 樹脂成分中の多官能ビニル芳香 族重合体 ( ) および熱硬化性化合物 (巳) の合計含有量が、 5 0質量%以 上であることが好ましく、 7 0質量%以上であることが好ましく、 8 0質量 %以上であることがより好ましく、 9 0質量%以上であることがさらに好ま しく、 9 5質量%以上であってもよく、 9 7質量%以上であってもよく、 9 8質量%以上であってもよい。

[0063] <硬化促進剤 (触媒) >

本実施形態に係る樹脂組成物は、 硬化促進剤をさらに含んでもよい。 硬化 促進剤としては、 特に限定されないが、 例えば、 有機金属塩類 (例えば、 才 クチル酸亜鉛、 ナフテン酸亜鉛、 ナフテン酸コバルト、 ナフテン酸銅、 アセ チルアセトン鉄、 オクチル酸ニッケル、 オクチル酸マンガン等) 、 フエノー ル化合物 (例えば、 フエノール、 キシレノール、 クレゾール、 レゾルシン、 カテコール、 オクチルフエノール、 ノニルフエノール等) 、 アルコール類 ( 例えば、 1 —ブタノール、 2—エチルへキサノール等) 、 イミダゾール類 ( 例えば、 2—メチルイミダゾール、 2—エチルー 4—メチルイミダゾール、

2—フエニルイミダゾール、 1 —シアノエチルー 2—フエニルイミダゾール 、 1 —シアノエチルー 2—エチルー 4—メチルイミダゾール、 2—フエニル - 4 , 5—ジヒドロキシメチルイミダゾール、 2—フエニルー 4—メチルー 5—ヒドロキシメチルイミダゾール等) 、 およびこれらのイミダゾール類の カルボン酸若しくはその酸無水類の付加体等 の誘導体、 アミン類 (例えば、 ジシアンジアミ ド、 ベンジルジメチルアミン、 4—メチルー 1\1 , 1\1 _ジメチ ルベンジルアミン等) 、 リン化合物 (例えば、 ホスフィン系化合物、 ホスフ ィンオキシド系化合物、 ホスホニウム塩系化合物、 ダイホスフィン系化合物 〇 2020/175537 29 卩(:171? 2020 /007686

等) 、 エポキシーイミダゾールアダクト系化合物が 挙げられる。

好ましい硬化促進剤は、 イミダゾール類および有機金属塩であり、 イミダ ゾール類がより好ましい。

[0064] 硬化促進剤の含有量は、 含有する場合、 下限値は、 樹脂組成物中の樹脂成 分の総量 1 0 0質量部に対し、 〇. 0 0 5質量部以上であることが好ましく 、 〇. 0 1質量部以上であることがより好ましく、 〇. 1質量部以上である ことがさらに好ましい。 また、 前記硬化促進剤の含有量の上限は、 樹脂組成 物中の樹脂成分の総量 1 〇〇質量部に対し、 1 〇質量部以下であることが好 ましく、 5質量部以下であることがより好ましく、 2質量部以下であること がさらに好ましい。

硬化促進剤は、 1種を単独で、 または 2種以上を組み合わせて用いること ができる。 2種以上用いる場合は、 合計量が上記範囲となる。

[0065] <溶剤>

本実施形態に係る樹脂組成物は、 溶剤を含有してもよく、 有機溶剤を含有 することが好ましい。 この場合、 本実施形態に係る樹脂組成物は、 上述した 各種樹脂成分の少なくとも一部、 好ましくは全部が溶剤に溶解または相溶し た形態 (溶液またはワニス) である。 溶剤としては、 上述した各種樹脂成分 の少なくとも一部、 好ましくは全部を溶解または相溶可能な極性 有機溶剤ま たは無極性有機溶剤であれば特に限定されず 、 極性有機溶剤としては、 例え ば、 ケトン類 (例えば、 アセトン、 メチルエチルケトン、 メチルイソプチル ケトン等) 、 セロソルブ類 (例えば、 プロピレングリコールモノメチルエー テル、 プロピレングリコールモノメチルエーテルア セテート等) 、 エステル 類 (例えば、 乳酸エチル、 酢酸メチル、 酢酸エチル、 酢酸プチル、 酢酸イソ アミル、 乳酸エチル、 メ トキシプロピオン酸メチル、 ヒドロキシイソ酪酸メ チル等) アミ ド類 (例えば、 ジメ トキシアセトアミ ド、 ジメチルホルムアミ ド類等) が挙げられ、 無極性有機溶剤としては、 芳香族炭化水素 (例えば、 トルエン、 キシレン等) が挙げられる。

溶剤は、 1種を単独で、 または 2種以上を組み合わせて用いることができ \¥02020/175537 30 卩(:17 2020 /007686

る。

[0066] <その他の成分>

本実施形態に係る樹脂組成物は、 本発明の効果を阻害しない範囲で、 上記 の成分の他、 難燃剤、 紫外線吸収剤、 酸化防止剤、 蛍光増白剤、 光増感剤、 染料、 顔料、 増粘剤、 流動調整剤、 滑剤、 消泡剤、 分散剤、 レべリング剤、 光沢剤、 重合禁止剤、 シランカップリング剤等を含んでもよい。 これらの添 加剤は、 1種を単独で、 または 2種以上を組み合わせて用いることができる

[0067] <樹脂組成物の物性>

本実施形態に係る樹脂組成物は、 ·! . 6 〇!厚の板状の硬化物に成形した とき、 1 0◦ 1 ~ 12における誘電率 (01<) を 2. 6以下とすることができ、 2. 5以下とすることもできる。 前記誘電率の下限値は、 1. 0が理想であ るが、 2. 1以上が実際的である。

また、 本実施形態に係る樹脂組成物は、 ·! . 6 〇!厚の板状の硬化物に成 形したとき、 1 0◦ 1 ~ 12における誘電正接 (0干) を〇. 0030以下とす ることができ、 〇. 0025以下とすることもでき、 〇. 0020以下とす ることもでき、 0. 001 5以下とすることもできる。 前記誘電率の下限値 は、 0が理想であるが、 〇. 0001以上が実際的である。

誘電率および誘電正接は、 後述する実施例に記載の方法で測定される。

[0068] 本発明の好ましい実施形態に係る樹脂組成物 においては、 低い熱膨張係数 (〇丁巳) を実現することができる。 例えば、 」 丨 3 0 6481 5.

1 9 に規定された〇丁巳 ( 〇!/。〇) でいうと、 75以下であることが 好ましく、 72以下であることがより好ましく、 70以下であることがさら に好ましい。 下限値は特に制限されないが、 50以上であることが実際的で ある。

[0069] 本実施形態に係る樹脂組成物は、 ·! . 6 〇!厚の板状の硬化物に成形した とき、 ガラス転移温度を 230°〇以上とすることができ、 235°〇以上とす ることもでき、 240 ° 〇以上とすることもできる。 前記ガラス転移温度の上 〇 2020/175537 31 卩(:171? 2020 /007686

限値は、 特に定めるものではないが、 4 0 0 ° 〇以下、 さらには、 3 5 0 ° 〇以 下が実際的である。

本実施形態に係る樹脂組成物は、 また、 1 . 6 〇!厚の板状の硬化物に成 形したとき、 ガラス転移温度が、 かかる樹脂組成物に含まれる樹脂成分の 1 質量%に相当する量の熱ラジカル重合開始剤 (例えば、 日油社製、 パープチ ル (商品名) ) を配合した樹脂組成物から形成される 1 . 板状の硬化物のガラス転移温度よりも、 8 ° 〇以上高いことが好ましく、 1 0 °〇以上高いことがより好ましい。 上限値としては、 例えば、 2 5 °〇以下であ る。

ガラス転移温度は、 後述する実施例に記載の方法で測定される。

[0070] <樹脂組成物の製造方法>

本実施形態に係る樹脂組成物は、 常法によって製造することができる。 例 えば、 多官能ビニル芳香族重合体 (八) と熱硬化性化合物 (巳) とを混合す る態様が挙げられる。 このときの好ましい含有量は上記で述べたと おりであ る。 また、 本実施形態に係る樹脂組成物においては、 さらに、 充填材 (〇) や他の樹脂成分、 その他の添加剤を適宜共存させて混練等を行 ってもよい。 他の樹脂成分を配合することにより、 外観を向上させたり、 その他の特性を 良化させたりしてもよい。

本実施形態に係る樹脂組成物の一例は、 溶剤を含むワニスである。 また、 本実施形態に係る樹脂組成物の他の一例は、 板状の硬化物やフィルムである 。 さらに、 本実施形態に係る樹脂組成物は、 後述する用途に好ましく用いら れる。

[0071 ] <用途>

本実施形態に係る樹脂組成物は、 硬化物として用いることができる。 具体 的には、 本実施形態の樹脂組成物は、 低誘電率材料および/または低誘電正 接材料として、 プリント配線板の絶縁層、 半導体パッケージ用材料として好 適に用いることができる。 本実施形態の樹脂組成物は、 プリプレグ、 プリプ レグから形成された金属箔張積層板、 樹脂複合シート、 およびプリント配線 〇 2020/175537 32 卩(:171? 2020 /007686

板を構成する材料として好適に用いること ができる。

本実施形態に係る樹脂組成物は、 これを用いて層状の成形品としたとき、 その厚さは、 5 01以上であることが好ましく、 1 〇 以上であることが より好ましい。 上限値としては、 2 01 01以下であることが好ましく、 1 01 111 以下であることがより好ましい。 なお、 上記層状の成形品の厚さは、 例えば 、 本実施形態の樹脂組成物をガラスクロス等に 含浸させたものである場合、 ガラスクロスを含む厚さを意味する。

本実施形態に係る樹脂組成物から形成される フィルム等の成形品は、 露光 現像してパターンを形成する用途に用いても よいし、 露光現像しない用途に 用いてもよい。 特に、 露光現像しない用途に適している。

[0072] «プリプレグ》

好ましい実施形態に係るプリプレグは、 基材 (プリプレグ基材) と、 本実 施形態に係る樹脂組成物とから形成される。 本実施形態のプリプレグは、 例 えば、 本実施形態に係る樹脂組成物を基材に適用 (例えば、 含浸または塗布 ) させた後、 加熱 (例えば、 1 2 0 ~ 2 2 0 ° 〇で2 ~ 1 5分乾燥させる方法 等) によって半硬化させることにより得られる。 この場合、 基材に対する樹 脂組成物の付着量、 すなわち半硬化後のプリプレグの総量に対す る樹脂組成 物量 (充填材を含む) は、 2 0〜 9 9質量%の範囲であることが好ましい。

[0073] 基材としては、 各種プリント配線板材料に用いられている基 材であれば特 に限定されない。 基材の材質としては、 例えば、 ガラス繊維 (例えば、 巳ガ ラス、 ロガラス、 !_ガラス、 3ガラス、 丁ガラス、 〇ガラス、 11 1\1ガラス、 巳ガラス、 球状ガラス等) 、 ガラス以外の無機繊維 (例えば、 クォーツ等 ) 、 有機繊維 (例えば、 ポリイミ ド、 ポリアミ ド、 ポリエステル、 液晶ポリ エステル等) が挙げられる。 基材の形態としては、 特に限定されず、 織布、 不織布、 口ービング、 チョップドストランドマッ ト、 サーフエシングマッ ト 等の層状の繊維から構成される基材が挙げら れる。 特に、 ガラスクロス等の 長繊維から構成される基材が好ましい。 ここで、 長繊維とは、 例えば、 数平 均繊維長が 6 以上のものをいう。 これらの基材は、 1種を単独で、 また 〇 2020/175537 33 卩(:171? 2020 /007686

は 2種以上を組み合わせて用いることができる これらの基材の中でも、 寸 法安定性の観点から、 超開繊処理、 目詰め処理を施した織布が好ましく、 吸 湿耐熱性の観点から、 エポキシシラン処理、 アミノシラン処理などのシラン カップリング剤等により表面処理したガラス 織布が好ましく、 電気特性の観 点から、 1_ _ガラスや 巳_ガラス、 〇_ガラス等の低誘電率性、 低誘電正 接性を示すガラス繊維からなる、 低誘電ガラスクロスが好ましい。 基材の厚 みは、 特に限定されず、 例えば、 〇. 0 1〜 0 . 1 程度であってもよ い。

[0074] «金属箔張積層板》

好ましい実施形態に係る金属箔張積層板は、 本実施形態のプリプレグから 形成された少なくとも 1つの層と、 前記プリプレグから形成された層の片面 または両面に配置された金属箔とを含む。 本実施形態の金属箔張積層板は、 例えば、 本実施形態のプリプレグを少なくとも 1枚配置し (好ましくは 2枚 以上重ね) 、 その片面または両面に金属箔を配置して積層 成形する方法で作 製できる。 より詳細には、 プリプレグの片面または両面に銅、 アルミニウム 等の金属箔を配置して積層成形することによ り作製できる。 プリプレグの枚 数としては、 1〜 1 0枚が好ましく、 2〜 1 0枚がより好ましく、 2〜 7枚 がさらに好ましい。 金属箔としては、 プリント配線板用材料に用いられるも のであれば特に限定されないが、 例えば、 圧延銅箔、 電解銅箔等の銅箔が挙 げられる。 銅箔の厚さは、 特に限定されず、 1 . 5〜 7 0 程度であって もよい。 成形方法としては、 プリント配線板用積層板および多層板を成形 す る際に通常用いられる方法が挙げられ、 より詳細には多段プレス機、 多段真 空プレス機、 連続成形機、 オートクレープ成形機等を使用して、 温度 1 8 0 〜 3 5 0 程度、 加熱時間 1 0 0〜 3 0 0分程度、

〇〇! 2 程度で積層成形する方法が挙げられる。 また、 本実施形態のプリプレグ と、 別途作製した内層用の配線板 (内層回路板ともいう) とを組み合わせて 積層成形することにより、 多層板とすることもできる。 多層板の製造方法と しては、 例えば、 本実施形態のプリプレグ 1枚の両面に 3 5 程度の銅箔 〇 2020/175537 34 卩(:171? 2020 /007686

を配置し、 上記の成形方法にて積層形成した後、 内層回路を形成し、 この回 路に黒化処理を実施して内層回路板を形成し 、 この後、 この内層回路板と本 実施形態のプリプレグとを交互に 1枚ずつ配置し、 さらに最外層に銅箔を配 置して、 上記条件にて好ましくは真空下で積層成形す ることにより、 多層板 を作製することができる。 本実施形態の金属箔張積層板は、 プリント配線板 として好適に使用することができる。

[0075] «プリント配線板»

好ましい実施形態に係るプリント配線板は、 絶縁層と、 前記絶縁層の表面 に配置された導体層とを含むプリント配線板 であって、 前記絶縁層が、 本実 施形態に係る樹脂組成物から形成された層お よび上記実施形態に係るプリプ レグから形成された層の少なくとも一方を含 む。 このようなプリント配線板 は、 常法に従って製造でき、 その製造方法は特に限定されない。 以下、 プリ ント配線板の製造方法の一例を示す。 まず上述した銅箔張積層板等の金属箔 張積層板を用意する。 次に、 金属箔張積層板の表面にエッチング処理を施 し て内層回路の形成を行い、 内層基板を作製する。 この内層基板の内層回路表 面に、 必要に応じて接着強度を高めるための表面処 理を行い、 次いでその内 層回路表面に上述したプリプレグを所要枚数 重ね、 さらにその外側に外層回 路用の金属箔を積層し、 加熱加圧して一体成形する。 このようにして、 内層 回路と外層回路用の金属箔との間に、 基材および熱硬化性樹脂組成物の硬化 物からなる絶縁層が形成された多層の積層板 が製造される。 次いで、 この多 層の積層板にスルーホールやバイアホール用 の穴あけ加工を施した後、 この 穴の壁面に内層回路と外層回路用の金属箔と を導通させるめっき金属皮膜を 形成し、 さらに外層回路用の金属箔にエッチング処理 を施して外層回路を形 成することで、 プリント配線板が製造される。

[0076] 上記の製造例で得られるプリント配線板は、 絶縁層と、 この絶縁層の表面 に形成された導体層とを有し、 絶縁層が上述した本実施形態の樹脂組成物を 含む構成となる。 すなわち、 上述した本実施形態のプリプレグ (例えば、 基 材およびこれに含浸または塗布された本実施 形態の樹脂組成物から形成され 〇 2020/175537 35 卩(:171? 2020 /007686

たプリプレグ) 、 上述した本実施形態の金属箔張積層板の樹脂 組成物から形 成された層が、 本実施形態の絶縁層となる。

[0077] «樹脂複合シート》

好ましい実施形態に係る樹脂複合シートは、 支持体と、 前記支持体の表面 に配置された本実施形態に係る樹脂組成物か ら形成された層とを含む。 樹脂 複合シートは、 ビルドアップ用フィルムまたはドライフィル ムソルダーレジ ストとして使用することができる。 樹脂複合シートの製造方法としては、 特 に限定されないが、 例えば、 上記の本実施形態の樹脂組成物を溶剤に溶解 さ せた溶液を支持体に塗布 (塗工) し乾燥することで樹脂複合シートを得る方 法が挙げられる。

[0078] ここで用いる支持体としては、 例えば、 ポリエチレンフィルム、 ポリプロ ピレンフィルム、 ポリカーボネートフィルム、 ポリエチレンテレフタレート フィルム、 エチレンテトラフルオロエチレン共重合体フ ィルム、 並びにこれ らのフィルムの表面に離型剤を塗布した離型 フィルム、 ポリイミ ドフィルム 等の有機系のフィルム基材、 銅箔、 アルミ箔等の導体箔、 ガラス板、 3 11 3 板、 等の板状のものが挙げられるが、 特に限定されるものではない。

[0079] 塗布方法 (塗工方法) としては、 例えば、 樹脂組成物を溶剤に溶解させた 溶液を、 バーコーター、 ダイコーター、 ドクターブレード、 ベーカーアプリ ケーター等で支持体上に塗布する方法が挙げ られる。 また、 乾燥後に、 支持 体と樹脂組成物が積層された樹脂複合シート から支持体を剥離またはエッチ ングすることで、 単層シートとすることもできる。 なお、 上記の本実施形態 の樹脂組成物を溶剤に溶解させた溶液を、 シート状のキャビティを有する金 型内に供給し乾燥する等してシート状に成形 することで、 支持体を用いるこ となく単層シートを得ることもできる。

[0080] 本実施形態の樹脂複合シートの作製において 、 溶剤を除去する際の乾燥条 件は、 特に限定されないが、 低温であると樹脂組成物中に溶剤が残りやす く 、 高温であると樹脂組成物の硬化が進行するこ とから、 2 0 ° 〇〜 2 0 0 ° 〇の 温度で 1〜 9 0分間が好ましい。 また、 樹脂複合シートにおいて、 樹脂組成 〇 2020/175537 36 卩(:171? 2020 /007686

物は溶剤を乾燥しただけの未硬化の状態で 使用することもできるし、 必要に 応じて半硬化 (巳ステージ化) の状態にして使用することもできる。 さらに 、 本実施形態の樹脂複合シートの樹脂層の厚み は、 本実施形態の樹脂組成物 の溶液の濃度と塗布厚みにより調整すること ができ、 特に限定されないが、 一般的には塗布厚みが厚くなると乾燥時に溶 剤が残りやすくなることから、 〇. 1〜 5 0 0 が好ましい。

実施例

[0081 ] 以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的 に説明する。 以下の実施例に 示す材料、 使用量、 割合、 処理内容、 処理手順等は、 本発明の趣旨を逸脱し ない限り、 適宜、 変更することができる。 従って、 本発明の範囲は以下に示 す具体例に限定されるものではない。

本実施例において、 特に述べない限り、 測定は 2 3 ° 〇で行った。

[0082] <実施例 1 >

下記で合成した多官能ビニルベンゼン重合体 (3 ) 7 5質量部と、 ビフ エニルアラルキル型マレイミ ド (日本化薬社製、 1\/1 丨 [¾ - 3 0 0 0 (商品名 ) ) 2 5質量部と、 イミダゾール触媒 (四国化成社製、 2巳4 !\/1 2 (商品名 ) ) 0 . 5質量部とを、 メチルエチルケトンで溶解して混合し、 ワニスを得 た。

[0083] (多官能ビニルベンゼン重合体 (3 ) の合成)

ジビニルベンゼン 2 . 2 5モル (2 9 2 . 9 ) 、 エチルビニルベンゼン 1 . 3 2モル ( 1 7 2 . 0 ) 、 スチレン 1 1 . 4 3モル ( 1 1 9 0 . 3 9 ) 、 酢酸 11 -プロピル 1 5 . 0モル (1 5 3 2 . 0 9 ) を反応器内に投入し 、 7 0 ° 〇で 6 0 0ミリモルの三フッ化ホウ素のジエチルエー ル錯体を添加 し、 4時間反応させた。 重合溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液で停止 させた 後、 純水で 3回油層を洗浄し、 6 0 ° 〇で減圧脱揮し、 多官能ビニルベンゼン 重合体 (3 ) を回収した。 得られた多官能ビニルベンゼン重合体 (3 ) を秤量して、 多官能ビニルベンゼン重合体 (3 ) 8 6 0 . 8 9が得られた ことを確認した。 〇 2020/175537 37 卩(:171? 2020 /007686

[0084] 得られた多官能ビニルベンゼン重合体 (3 ) のMnは 2060、

30700、 9であった。 13 〇 - IV! および 1 1~1 - IV! 8分析を行うことにより、 多官能ビニルベンゼン重合体 (3 ) には、 各単 量体単位に由来する共鳴線が観察された。 測定結果、 および、 ◦〇分 析結果に基づき、 多官能ビニルベンゼン重合体 (3 ) の構成単位の割合は 以下のように算出された。

ジビニルベンゼン由来の構成単位: 2〇. 9モル% (24. 3質量%) エチルビニルベンゼン由来の構成単位: 9. 1モル%(1 0. 7質量%) スチレンに由来する構成単位: 70. 0モル% (65. 0質量%)

また、 ジビニルベンゼン由来の残存ビニル基をもつ 構成単位は、 1 6. 7 モル% (1 8. 5質量%) であった。

[0085] «厚さ 1. 6 〇!の硬化板の試験片の製造》

得られたワニスから溶剤を蒸発留去すること で混合樹脂粉末を得た。 混合 樹脂粉末を 1辺 1 00〇!〇!、 厚さ 1. 60101の型に充填し、 両面に 1 2 銅箔 (3巳(3-1\/13- 1_ ?、 三井金属鉱業 (株) 製) を配置し、 圧力 30 1< 9/〇〇1 2 、 温度 220°〇で 1 20分間真空プレスを行い、

、 厚さ 1. の硬化板を得た。

[0086] 得られた 1. 6 厚の硬化板について、 後述する方法に従って物性等 ( 誘電特性 (〇 !<、 0†) 、 ピール強度、 ガラス転移温度、 熱膨張係数 (<3丁 º) ) の評価を行った。

[0087] <実施例 2>

ビフエニルアラルキル型マレイミ ド 25質量部を 1 2. 5質量部とし、 フ エニルエーテル型マレイミ ド (ケイ · アイ化成社製、 巳1\/1 丨 -80 (商品名)

) 1 2. 5質量部を追加した以外は、 実施例 1 と同様にして、 ワニスを得た 。 得られたワニスより、 実施例 1 と同様にして、 1. 厚の硬化板を得 た。 得られた 1. 6 厚の硬化板について、 後述する方法に従って物性等 の評価を行った。

[0088] <実施例 3> 〇 2020/175537 38 卩(:171? 2020 /007686

ビフエニルアラルキル型マレイミ ド 25質量部に代えて、 巳 丨 3 IV!型マレ イミ ド (ケイ · アイ化成社製、 巳1\/1 I -巳 丨 (商品名) ) 25質量部を用 いた以外実施例 1 と同様にして、 ワニスを得た。 得られたワニスより、 実施 例 1 と同様にして、 1. 6 厚の硬化板を得た。 得られた 1. 硬化板について、 後述する方法に従って物性等の評価を行った 。

[0089] <実施例 4>

ビフエニルアラルキル型マレイミ ド 25質量部に代えて、 末端変成ポリフ エニレンエーテル (三菱ガス化学社製、 〇 巳一23 1 200 (商品名 ) ) 25質量部を用い、 イミダゾール触媒を用いなかった以外は、 実施例 1 と同様にして、 ワニスを得た。 得られたワニスより、 実施例 1 と同様にして 、 1. 6 厚の硬化板を得た。 得られた 1. 厚の硬化板について、 後述する方法に従って物性等の評価を行った 。

[0090] <実施例 5>

ビフエニルアラルキル型マレイミ ド 25質量部に代えて、 下記のナフトー ルアラルキル型シアン酸エステル樹脂 25質量部を用い、 イミダゾール触媒 〇. 5質量部に代えて、 有機金属触媒 (日本化学産業社製、 (商 品名) ) 〇. 1質量部を用いた以外は、 実施例 1 と同様にして、 ワニスを得 た。 得られたワニスより、 実施例 1 と同様にして、 1. 厚の硬化板を 得た。 得られた 1. 厚の硬化板について、 後述する方法に従って物性 等の評価を行った。

[0091] («_ナフトールアラルキル型シアン酸エステ ル樹脂の合成)

トールアラルキル樹脂 (3 495 V、 〇 1 ~ 1基当量: 2369 / 69. 、 新日鐵化学 (株) 製:ナフトールアラルキルの繰り返し単位数 は 1 〜 5のものが含まれる。 ) 〇. 47モル (〇1 ~ 1基換算) を、 クロロホルム 5 00 !_に溶解させ、 この溶液にトリエチルアミン〇. 7モルを添加し、 溶 液 1 を作成した。 温度を一 1 〇 ° 〇に保ちながら、 反応器内に仕込んだ 0. 9 3モルの塩化シアンのクロロホルム溶液 3009に、 溶液 1 を 1. 5時間か けて滴下し、 滴下終了後、 30分撹拌した。 その後、 さらに、 〇. 1モルの 〇 2020/175537 39 卩(:171? 2020 /007686

トリエチルアミンとクロロホルム 3 0 9の混合溶液を反応器内に滴下し、 3 〇分撹拌して反応を完結させた。 副生したトリエチルアミンの塩酸塩を反応 液から濾別した後、 得られた濾液を〇. 1 1\1塩酸 5 0 0 1_で洗浄した後、 水 5 0 0 1_での洗浄を 4回繰り返した。 これを硫酸ナトリウムにより乾燥 した後、 7 5 °〇でエバポレートし、 さらに 9 0 °〇で減圧脱気することにより 、 褐色固形の式 (3 1) で表される ナフトールアラルキル型シアン酸エ ステル化合物 (式中の はすべて水素原子であり、 门。は1 ~ 5の混 合物である。 ) を得た。 得られた ナフトールアラルキル型シアン酸エス テル化合物を赤外吸収スぺクトルにより分析 したところ、 2 2 6 4〇 付 近にシアン酸エステル基の吸収が確認された 。

[化 22]

[0092] <参考例 1 >

熱ラジカル重合開始剤 (日油社製、 パープチル (商品名) ) 1質量 部を追加した以外は、 実施例 1 と同様にして、 ワニスを得た。 得られたワニ スより、 実施例 1 と同様にして、 1 . 厚の硬化板を得た。 得られた 1 . 厚の硬化板について、 後述する方法に従って物性等の評価を行った

[0093] <参考例 2 >

熱ラジカル重合開始剤 (日油社製、 パープチル (商品名) ) 1質量 部を追加した以外は、 実施例 4と同様にして、 ワニスを得た。 得られたワニ スより、 実施例 4と同様にして、 1 . 厚の硬化板を得た。 得られた 1 . 厚の硬化板について、 後述する方法に従って物性等の評価を行った

[0094] <参考例 3 > 熱ラジカル重合開始剤 (日油社製、 パープチル P (商品名) ) 1質量 部を追加した以外は、 実施例 5と同様にして、 ワニスを得た。 得られたワニ スより、 実施例 5と同様にして、 1. 6 mm厚の硬化板を得た。 得られた 1 . 6 m m厚の硬化板について、 後述する方法に従って物性等の評価を行った

[0095] <誘電特性 (D kおよび D f ) >

得られた 1. 6 mm厚の硬化板の銅箔をエッチングにより除去 た試験片 について、 摂動法空洞共振器を用いて、 1 0GH zにおける比誘電率 (D k ) および誘電正接 (D f ) を測定した。 測定温度は 23 ° Cとした。

摂動法空洞共振器は、 アジレントテクノロジー社製品、 A g i I e n t 8 722 E Sを用いた。

[0096] <ピ_ル強度>

上記のようにして得られた硬化板を用い、 J I S C6481の 5. 7 「引きはがし強さ」 の規定に準じて、 銅箔ピール強度 (接着力) を 2回測定 し、 平均値を求めた。 測定温度は 23 ° Cとした。

[0097] <ガラス転移温度>

ガラス転移温度 (T g) は、 得られた 1. 6 mm厚の硬化板の銅箔をエッ チングにより除去した試験片について、 J I S C 6481 5. 1 7. 2 に準拠して、 動的粘弾性分析装置で DM A (動的機械分析: D y n a m i c Me c h a n i c a l A n a l y s i s) 曲げ法により測定した。 得ら れた t a n 5のチヤートからガラス転移温度を見積もっ 。

動的粘弾性分析装置は、 T Aインスツルメント製の装置を用いた。

[0098] <熱膨張係数 (CT E) >

(C r t : Coefficient of linear Thermal Expansion)

1. 6 mm厚の硬化板の銅箔をエッチングにより除去 た試験片に対し、

J I S C 6481 5. 1 9 に規定される T M A法 (熱機械分析: T h e r mo— Me e h a n i c a l A n a l y s i s) により硬化板の熱 膨張係数を測定し、 その値を求めた。 具体的には、 上記で得られた硬化板の 〇 2020/175537 41 卩(:171? 2020 /007686

両面の銅箔をエッチングにより除去した後 に、 熱機械分析装置 (丁 インス ツルメント製) で 40 ° 〇から 340 ° 〇まで毎分 1 0 ° 〇で昇温し、 線熱膨張係 数 ( 01/ ° 〇) を測定した。 01は、 体積比である。 その他の詳細につ いては、 上記」 丨 3 〇 6481 5. 1 9に準拠する。

[0099]

〔¾二

〇 2020/175537 43 卩(:171? 2020 /007686

(表の注記)

0 1< : 1 0◦ 1 ~ 1 2における比誘電率

〇干 : における誘電正接

ピール強度:銅箔の剥離試験の結果

ガラス転移温度: 口1\/1八法により測定される 1 3 n 5から見積もられたガラ ス転移温度

〇丁巳 : 丁1\/1 法により測定された熱膨張係数

[0100] 上記表 1の結果から、 本実施形態に係る多官能ビニル芳香族重合体 (八) (多官能ビニルベンゼン重合体 (3 ) ) と熱硬化性化合物 (巳) とを組み 合わせた樹脂組成物は、 誘電特性 (低誘電率、 低誘電正接) に優れ、 かつ、 高いガラス転移温度および低熱膨張係数を有 していた。 さらに、 ピール強度 も高かった。

一方、 ラジカル重合開始剤を含有すると、 参考例 1 と実施例 1、 参考例 2 と実施例 4、 参考例 3と実施例 5との対比から明らかなとおり、 誘電正接が 高くなり、 ガラス転移温度が低下し、 熱膨張係数も高くなった。 さらに、 ピ _ル強度も低かった。