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Title:
RESIN POWDER COMPOSITION FOR SLUSH MOLDING AND MOLDED ARTICLES
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/108038
Kind Code:
A1
Abstract:
The invention provides a resin powder composition for slush molding which can give slush-molded articles more excellent in the resistance to moist-heat aging. The invention relates to a resin powder composition for slush molding which is characterized by comprising as the main component a thermoplastic polyurethane resin powder, preferably a thermoplastic polyurethane elastomer powder, and containing a poly- carbodiimide prepared by polymerizing tetramethylxylylene diisocyanate, preferably an alkoxy-terminated one having a number-average molecular weight of 500 to 30,000.

Inventors:
FUJIBAYASHI SHINYA (JP)
WATANABE SHINJI (JP)
OHTO CHIKARA (JP)
NAKAGAWA SHUJI (JP)
TAKAHASHI IKUO (JP)
SUZUKI SHIGEKAZU (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/073309
Publication Date:
September 12, 2008
Filing Date:
December 03, 2007
Export Citation:
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Assignee:
SANYO CHEMICAL IND LTD (JP)
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
NISSHIN SPINNING (JP)
FUJIBAYASHI SHINYA (JP)
WATANABE SHINJI (JP)
OHTO CHIKARA (JP)
NAKAGAWA SHUJI (JP)
TAKAHASHI IKUO (JP)
SUZUKI SHIGEKAZU (JP)
International Classes:
C08L75/04; B29C41/18; B60R13/02; C08L79/00; B29K75/00; B29L31/58; B60K37/00
Foreign References:
JP2004002786A2004-01-08
JP2000296362A2000-10-24
JP2000017033A2000-01-18
JPH10251414A1998-09-22
Attorney, Agent or Firm:
FURUTANI, Shinya (1-27 Dojima 2-chome,Kita-k, Osaka-shi Osaka 03, JP)
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Claims:
 熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末(B)を主体とし、テトラメチルキシリレンジイソシアネートを重合してなるポリカルボジイミド(A)を含有することを特徴とするスラッシュ成形用樹脂粉末組成物。
 ポリカルボジイミド(A)の数平均分子量が、500~30,000である請求項1に記載の樹脂粉末組成物。
 ポリカルボジイミド(A)の末端基がアルコキシル基である請求項1又は2に記載の樹脂粉末組成物。
 熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末(B)が、熱可塑性ポリウレタンエラストマー粉末(C)である請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂粉末組成物。
 請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂粉末組成物をスラッシュ成形してなる樹脂成形品。
 自動車内装材である請求項5に記載の樹脂成形品。
Description:
スラッシュ成形用樹脂粉末組成 及び成形品

 本発明は、インスツルメントパネル、ド トリム等の自動車内装部品の成形用素材と て適する、熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末 主体とするスラッシュ成形用の樹脂粉末組 物であって、自動車内装部品等に成形した 合に、耐湿熱老化性に優れた樹脂粉末組成 に関するものである。

 自動車内装部品等は長期間の高温、高湿 晒されることがあり、そのため表皮の強度 低下する虞がある。近年、スラッシュ成形 の熱可塑性樹脂粉末からなる樹脂成形品に いて、高温多湿な使用環境等により樹脂中 存在するエステル結合が加水分解する可能 があることがわかってきた。

 一方、ウレタン樹脂のなかでもポリエステ 系ポリウレタン樹脂は、長期間の高温、高 下で樹脂中のエステル結合が加水分解し、 脂の物性が低下することがあることが知ら ている。この問題を解決するために、加水 解後の樹脂中のカルボン酸と結合をなし安 させるカルボジイミド化合物が効果を上げ いる。(例えば特許文献1~4参照)。

特開平9-255752号公報

特開平9-272726号公報

特開平6-287442号公報

特表平10-510311号公報

 しかしながら、自動車内装部品等を製造 るためのスラッシュ成形用樹脂粉末組成物 適用することができる高温、高湿下の耐劣 技術は知られていない。

 本発明が解決しようとする課題は、耐湿 老化性により優れるスラッシュ成形品を製 することのできるスラッシュ成形用の樹脂 末組成物を提供することである。

 本発明者は鋭意研究した結果、本発明を完 させるに至った。
 すなわち本発明は、熱可塑性ポリウレタン 脂粉末(B)を主体とし、テトラメチルキシリ ンジイソシアネートを重合してなるポリカ ボジイミド(A)を含有することを特徴とする ラッシュ成形用樹脂粉末組成物;及び該樹脂 粉末組成物をスラッシュ成形してなる樹脂成 形品である。

 本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成物 ら成形された樹脂成形品は、耐湿熱老化性 優れ、引裂強度保持率が高い。
 本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成物 ら成形された樹脂成形品は、スラッシュ成 時の裏面溶融性が向上する。
 本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成物 ら成形された樹脂成形品は、色褪せ・グロ の変化が少なく、耐熱性が向上する。

 本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成物 、テトラメチルキシリレンジイソシアネー を重合してなるポリカルボジイミド(A)を含 するために耐湿熱老化性に優れる。テトラ チルキシリレンジイソシアネート(以下、TMX DIと略記する。)を重合してなるポリカルボジ イミド(A)としては、TMXDIが重合したポリカル ジイミドが挙げらる。
TMXDIとは下記の一般式(1)で示されるジイソシ ネートであり、これには位置異性体としてm -TMXDI、p-TMXDI等がある。このうち、m-TMXDIが好 しい。

 ポリカルボジイミド(A)の数平均分子量は 低分子量に起因する樹脂からのブリードア トの観点から500以上が好ましく、1,000以上 より好ましく、2,000以上がさらに好ましく、 10,000以上が一層好ましい。また、ポリカルボ ジイミドの粘度と、樹脂溶解時の流動性確保 の観点から30,000以下が好ましく、25,000以下が より好ましい。数平均分子量は、ポリカルボ ジイミドの末端のNCO基をジブチルアミンでキ ャップし、ゲルパーミエーションクロマトグ ラフィー(GPC)[測定機器は、例えば昭和電工の SHODEX-KFタイプ、溶媒は、THFを使用]で測定さ る。

 ポリカルボジイミド(A)の末端基としては 例えば、イソシアネート基(末端基が封止さ れていないもの)、アルコキシル基(例えば、 端イソシアネート基がエチレングリコール ノメチルエーテルで封止されているもの)、 ポリエチレングリコールモノアルキルエーテ ル残基(例えば、末端イソシアネート基がポ エチレングリコールモノメチルエーテルで 止されているもの。ポリエチレングリコー はエチレンオキシドの付加モル数が5以上の の。)等が挙げられる。これらのなかで、耐 加水分解安定性、耐熱性の観点からアルコキ シル基(例えば、メトシキ、エトキシ等)が好 しい。また、耐加水分解安定性の観点から ソシアネート基(末端基が封止されていない もの)が好ましい。上記のようなポリカルボ イミド(A)は、TMXDIの脱二酸化炭素を伴う縮合 反応によりイソシアネート末端のTMXDIを重合 てなるポリカルボジイミドを合成し、末端 がアルコキシル基の場合、更にこのイソシ ネート末端のTMXDIを重合してなるポリカル ジイミドにエチレングリコールモノアルキ エーテルを反応させることにより製造する とができる。

 本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成 は、熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末(B)の重 に基づいて、ポリカルボジイミド(A)を好ま くは0.1~10重量%含有し、より好ましくは0.5~8 量%含有し、さらに好ましくは1~5重量%含有 る。(A)の含量が、0.1重量%以上であると安定 としての効果を充分得ることができ、また 10重量%以下であるとスラッシュ成形用樹脂 末組成物からなる成形物の物性に悪い影響 与えないので好ましい。

 本発明において、熱可塑性ポリウレタン 脂粉末(B)(以下、ポリウレタン樹脂粉末又は 単に(B)ともいう)とは、スラッシュ成形用に 用可能なポリウレタン樹脂粉末であれば特 制限はない。好ましい例としては、高温時 溶融性を示し、低温時にゴム弾性を示す熱 塑性ポリウレタンエラストマー粉末(C)が挙 られる。

 本発明において、熱可塑性ポリウレタン 脂粉末(B)に他の熱可塑性樹脂粉末を配合す こともできる。他の熱可塑性樹脂粉末とし は、例えば、(以下、熱可塑性を省略して記 載する。)ポリ塩化ビニル樹脂粉末、ポリオ フィン樹脂粉末、ポリビニル芳香族樹脂粉 、ポリアクリレート樹脂粉末、共役ジエン 脂粉末、およびこれらの2種以上の混合物が げられる。他の熱可塑性樹脂粉末の配合量 、(B)100重量部あたり0~100重量部が好ましい

 ポリウレタン樹脂粉末におけるポリウレ ン樹脂は、高分子ポリオール、ポリイソシ ネート、必要に応じて低分子ジオール、低 子ジアミン、低分子モノオールを原料とし 合成した樹脂である。

 ポリウレタン樹脂粉末としては、例えば以 の製造方法で得られるものが挙げられる。
(1)ウレタン結合およびウレア結合を有し、水 および分散安定剤存在下で、イソシアネート 基末端ウレタンプレポリマーとブロックされ た鎖伸長剤(例えばケチミン化合物)とを反応 せる方法で製造されるもの。具体的には、 えば、特開平8-120041号公報等に記載された のを使用することができる。
(2)ウレタン結合およびウレア結合を有するウ レタンプレポリマーを、該ウレタンプレポリ マーが溶解しない有機溶剤および分散安定剤 存在下で、鎖伸長剤(例えばジアミンおよび/ たはジオール)と反応させる方法で製造され るもの。具体的には、例えば、特開平4-202331 公報等に記載されたものを使用することが きる。
(3)ジイソシアネートと高分子ジオールと必要 に応じて鎖伸長剤(低分子ジオール、低分子 アミン)とを反応させることで熱可塑性ポリ レタン樹脂の塊状物を得る。ついで粉末化( 例えば冷凍粉砕、溶融状態下に細孔を通し切 断する方法)する方法で製造されるもの。

 ポリ塩化ビニル樹脂粉末は、例えば、懸 重合法又は塊状重合法によって製造した塩 ビニル単独重合体、塩化ビニルモノマーと チレン酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル ノマーを主成分とする共重合体の樹脂粉末 挙げられる。

 ポリオレフィン樹脂粉末は、一般的にオ フィン系熱可塑性エラストマーに属する物 あればいかなるものも使用でき、さらに、 えば、エチレン-プロピレン-ジエン-ゴム(EPM 、EPDM)とプロピレン系重合体等のポリオレフ ン等とを複合したオレフィン系熱可塑性エ ストマーを挙げることができる。また、α- レフィン共重合体よりなるオレフィン熱可 性エラストマー、α-オレフィン共重合体と ロピレン系樹脂から成るオレフィン熱可塑 エラストマーの微粉末も使用することがで る。

 ポリビニル芳香族樹脂粉末には、芳香族 ニル化合物単独重合体、芳香族ビニル化合 とビニル系モノマーの共重合体の樹脂粉末 が含まれる。芳香族ビニル化合物としては 例えば、スチレン、t-ブチルスチレン、α- チルスチレン、p-メチルスレン、ジビニルベ ンゼン、1,1-ジフェニルスチレン、ブロモス レン、ビニルスチレン、ビニルキシレン、 ルオロスチレン、エチルスチレンなどが挙 られ、特にスチレン、α-メチルスチレンが ましい。

 ポリアクリレート樹脂粉末は、例えば、( メタ)アクリル酸エステル単独重合体、(メタ) アクリル酸エステルとビニル系モノマーの共 重合体の樹脂粉末等が挙げられる。

 共役ジエン樹脂粉末は、共役ジエン系共 合体中の共役ジエン系部分を水素添加また 一部水素添加して得られる共重合体であり 例えば、芳香族ビニル化合物-共役ジエン化 合物ランダム共重合体の水素添加物、芳香族 ビニル化合物-共役ジエン化合物ブロック共 合体の水素添加物、共役ジエン化合物ブロ ク共重合体の水素添加物の樹脂粉末が含ま る。

 熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末(B)の体積 均粒径は、好ましくは10~500μm、さらに好ま くは70~300μmの範囲にある。

 本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成 には、必要に応じて、金型汚れを起こさず ロッキング防止を行える範囲で、その他の 加物を配合することができる。その他の添 物としては、例えば、公知慣用の顔料、無 充填剤、可塑剤、離型剤、有機充填剤、分 剤、紫外線吸収剤(光安定剤)、酸化防止剤 が挙げられる。

 上記添加剤の配合量は、熱可塑性ポリウ タン樹脂粉末(B)の重量に対して、好ましく 0~60重量%、より好ましくは10~50重量%である

 本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成物 製造する方法としては、ウレタン樹脂を使 する場合を例に挙げれば、以下の方法が挙 られる。他の熱可塑性樹脂の場合も、これ 準じて行うことができる。
(1)ポリウレタン樹脂を合成する際、ポリカル ボジイミド(A)を高分子ジオール及びジイソシ アネートの少なくとも一方と混合させる。
(2)ウレタンプレポリマーに(A)を混ぜ合わせる 。
(3)必要に応じて添加される可塑剤、顔料、安 定剤等と混合させる。
(4)上記3つの方法を併用する。
 これらのなかで、(2)の方法が好ましい。
 ポリカルボジイミド(A)は、固体粉末状、又 溶液状等で添加することができるが、溶液 で添加することが好ましい。

 上記混合に使用する混合装置としては、 知の粉体混合装置を使用でき、容器回転型 合機、固定容器型混合機、流体運動型混合 のいずれも使用できる。例えば固定容器型 合機としては高速流動型混合機、複軸パド 型混合機、高速剪断混合装置(ヘンシエルミ キサー(登録商標)等)、低速混合装置(プラネ リーミキサー等)や円錐型スクリュー混合機( ナウターミキサー(登録商標)等)を使ってドラ イブレンドする方法が良く知られている。こ れらの方法の中で、複軸パドル型混合機、低 速混合装置(プラネタリーミキサー等)、およ 円錐型スクリュー混合機(ナウターミキサー (登録商標、以下省略)等)を使用するのが好ま しい。

 本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成 からなる樹脂成形品はスラッシュ成形法で 形することができる。例えば、本発明の粉 組成物が入ったボックスと加熱した金型を に振動回転させ、パウダーを型内で溶融流 させた後、冷却後、固化させ、表皮を製造 る方法で好適に実施することができる。上 金型温度は好ましくは200~300℃、さらに好ま しくは210~280℃である。

 本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成 で成形された表皮厚さは、0.5~1.5mmが好まし 。成形表皮は、表面を発泡型に接するよう セットし、ウレタンフォームを流し、裏面 5mm~15mmの発泡層を形成させて、樹脂成形品 することができる。

 本発明の樹脂成形品は、自動車内装材、 えばインストルメントパネル、ドアトリム に好適に使用される。

 以下、製造例、実施例により本発明を更 詳細に説明するが、本発明はこれに限定さ るものではない。以下において「部」は重 部、「%」は重量%を示す。

製造例1
プレポリマー溶液の製造
 温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた 応容器に、数平均分子量(以下Mnと記す。)が 1000のポリブチレンアジペート(497.9部)、Mnが90 0のポリヘキサメチレンイソフタレート(124.5 )、ペンタエリスリトール テトラキス[3-(3,5- ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ ネート][チバスペシャリティーケミカルズ( )社製;イルガノックス1010](1.12部)、体積平均 径9.2μmのカオリン(90.7部)を仕込み、窒素置 した後、撹拌しながら110℃に加熱して溶融 せ、60℃まで冷却した。続いて、1-オクタノ ール(9.7部)、ヘキサメチレンジイソシアネー (153.4部)テトラヒドロフラン(125部)、2-(2H-ベ ゾトリアゾール-2-イル)-6-(直鎖及び側鎖ド シル)-4-メチルフェノール[チバスペシャリテ ィーケミカルズ(株)社製;チヌビン571](2.22部) TMXDI(TMXDIはm体で純度98%)のポリカルボジイミ (A-1)[Mn15,000、末端基:メトキシ基、性状:70%メ チルエチルケトン(以下、MEK)溶液、日清紡績( 株)社製;Carbodilite V-09M](2.15部)を投入し、85℃ 6時間反応させプレポリマー溶液(C-1)を得た (C-1)のNCO含量は、2.05%であった。

製造例2
ジアミンのMEKケチミン化物の製造
 ヘキサメチレンジアミンと過剰のMEK(ジアミ ンに対して4倍モル量)を80℃で24時間還流させ ながら生成水を系外に除去した。その後減圧 にて未反応のMEKを除去してMEKケチミン化物を 得た。

製造例3
熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末の製造
 反応容器に、製造例1で得たプレポリマー溶 液(C-1)(100部)と製造例2で得たMEKケチミン化合 (5.6部)を投入し、そこにジイソブチレンと レイン酸との共重合体のNa塩を含む分散剤( 洋化成工業(株)製サンスパールPS-8)(1.3重量部 )を溶解した水溶液340重量部を加え、ヤマト 学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて900 0rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を 度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反 容器に移し、窒素置換した後、撹拌しなが 50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別 及び乾燥を行い、熱可塑性ポリウレタンエラ ストマー粉末である熱可塑性ポリウレタン樹 脂粉末(B-1)を製造した。(B-1)のMnは2.5万、体積 平均粒径は155μmであった。

実施例1
スラッシュ成形用樹脂粉末組成物の製造
 100Lのナウタミキサー内に、熱可塑性ポリウ レタン樹脂粉末(B-1)(100部)、芳香族縮合リン エステル[大八化学(株)社製;CR-741](13.6部)、ジ ペンタエリスリトールペンタアクリレート[ 洋化成工業(株)社製;DA600](3.9部)、ビス(1,2,2,6, 6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート及び メチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセ ケート(混合物)[商品名:TINUVIN765、チバ社製](0 .27部)を投入し80℃で2時間混合した。次いで メチルポリシロキサン[日本ユニカー(株)製; イL45-1000](0.1部)、カルボキシル変性シリコ [信越化学工業(株)製;X-22-3710](0.1部)を投入し1 時間混合した後室温まで冷却した。最後に、 架橋ポリメチルメタクリレート[ガンツ化成( );ガンツパールPM-030S](0.3部)を投入混合する とでスラッシュ成形用樹脂粉末組成物(D-1) 得た。(D-1)の体積平均粒径は155μmであった。 (D-1)に含まれるテトラメチルキシリレンジイ シアネートを重合してなるポリカルボジイ ド(A-1)の重量%は、熱可塑性ポリウレタン樹 粉末(B-1)の重量に対して1.0重量%であった。

実施例2
 製造例1において、(A-1)2.15部の代わりに(A-1)9 .68部を使用する以外は製造例1と同様にして レポリマー溶液(C-2)を得た。(C-2)のNCO含量は 1.95%であった。続いて、製造例3と同様にし 熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末(B-2)を得、 れを用いて実施例1と同様にしてスラッシュ 形用樹脂粉末組成物(D-2)を得た。(D-2)の体積 平均粒径は155μmであった。(D-2)に含まれるテ ラメチルキシリレンジイソシアネートを重 してなるポリカルボジイミド(A-1)の重量%は 熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末(B-2)の重量 対して4.5重量%であった。

実施例3
 製造例1において、(A-1)2.15部の代わりにTMXDI( TMXDIはm体で純度98%)を重合してなるポリカル ジイミド(A-2)[Mn2,000、末端基:PEGモノメチルエ ーテル残基(エチレンオキシドの付加モル数10 )、性状:液体、日清紡績(株)社製;Elastostab H01] 1.51部を使用する以外は製造例1と同様にして レポリマー溶液(C-3)を得た。(C-3)のNCO含量は 、2.08%であった。続いて、製造例3と同様にし て熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末(B-3)を得、 れを用いて実施例1と同様にしてスラッシュ 成形用樹脂粉末組成物(D-3)を得た。(D-3)の体 平均粒径は125μmであった。(D-2)に含まれるテ トラメチルキシリレンジイソシアネートを重 合してなるポリカルボジイミド(A-2)の重量%は 、熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末(B-3)の重量 対して1.0重量%であった。

実施例4
 製造例1において、(A-1)2.15部の代わりにTMXDI( TMXDIはm体で純度98%)を重合してなるポリカル ジイミド(A-3)[Mn800、末端基:イソシアネート 、性状:液体、日清紡績(株)社製;Carbodilite V-0 5]1.51部を使用する以外は製造例1と同様にし プレポリマー溶液(C-4)を得た。(C-4)のNCO含量 、2.18%であった。続いて、製造例3と同様に て熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末(B-4)を得 これを用いて実施例1と同様にしてスラッシ 成形用樹脂粉末組成物(D-4)を得た。(D-4)の体 積平均粒径は152μmであった。(D―4)に含まれ テトラメチルキシリレンジイソシアネート 重合してなるポリカルボジイミド(A-3)の重量 %は、熱可塑性樹脂粉末(B-4)の重量に対して1.0 重量%であった。

比較例1
 製造例1において、(A-1)0.8部の代わりに(A-1) 使用しない以外は製造例1と同様にしてプレ リマー溶液(C-5)を得た。(C-5)のNCO含量は、2.1 0%であった。続いて、製造例3と同様にして熱 可塑性ポリウレタン樹脂粉末(B-5)を得、これ 用いて実施例1と同様にしてスラッシュ成形 用樹脂粉末組成物(D-5)を得た。(D-5)の体積平 粒径は155μmであった。(D-5)に含まれるテトラ メチルキシリレンジイソシアネートを重合し てなるポリカルボジイミドの重量%は、熱可 性ポリウレタン樹脂粉末(B-5)の重量に対して 0重量%であった。

比較例2
 製造例1において、(A-1)2.25部の代わりに4,4- シクロヘキシルメタンジイソシアネートを 合してなるポリカルボジイミド(A-4)[Mn2,000、 端基メトキシ基、性状:50%トルエン溶液、日 清紡績(株)社製;Carbodilite V-03]3.0部を使用する 以外は製造例1と同様にしてプレポリマー溶 (C-6)を得た。(C-6)のNCO含量は、2.05%であった 続いて、製造例3と同様にして熱可塑性ポリ レタン樹脂粉末(B-6)を得、これを用いて実 例1と同様にしてスラッシュ成形用樹脂粉末 成物(D-6)を得た。(D-6)の体積平均粒径は150μm であった。(D-6)に含まれる4,4-ジシクロヘキシ ルメタンジイソシアネートを重合してなるポ リカルボジイミド(A-4)の重量%は、熱可塑性ポ リウレタン樹脂粉末(B-6)の重量に対して1.0重 %であった。

 実施例1~4のスラッシュ成形用樹脂粉末組 物(D-1)~(D-4)、及び比較例1~2のスラッシュ成 用樹脂粉末組成物(D-5)~(D-6)を使用して、下記 に示す方法で表皮を成形し、裏面溶融性の確 認および湿熱老化試験を行った。また、下記 に示す方法で表皮層を有するフォーム成形体 を成形し、耐熱試験を行った。結果を表1に した。

<表皮の作成>
 予め270℃に加熱されたしぼ模様の入ったNi 鋳型にスラッシュ成形用樹脂粉末組成物を 填し、10秒後余分な粉末樹脂粉末組成物を排 出する。230℃で更に90秒加熱後、水冷して表 (厚さ1mm)を作成した。この成形表皮の裏面 融性を評価し、表皮を用いて、湿熱老化試 を行った。

<表皮層を有するフォーム成形体の作成>
 上記の方法で作成した表皮をモールドにセ トし、その上にウレタンフォーム形成成分[ EOチップドポリプロピレントリオール(数平均 分子量5,000)95部、トリエタノールアミン5部、 水2.5部、トリエチルアミン1部、ポリメリッ MDI61.5部からなる]を添加し発泡密着させ、各 表皮層を有するフォーム成形体を得た。この 成形体を用いて、耐熱試験を行った。

<湿熱老化試験>
 成形表皮を、恒温恒湿機中に、温度80℃湿 95%RHで400時間処理した。試験後、表皮の引裂 強度を測定して、初期強度と比較した。
 湿熱老化試験後の引裂強度保持率を以下の (1)で算出した。
 引裂強度保持率(%)=(湿熱老化試験後の引裂 度/湿熱老化試験前の引裂強度)×100                       (1)

<耐熱試験>
 フォーム成形体を、循環乾燥機中に、110℃ 1260時間処理した。試験後、表皮の色褪せ、 グロスを確認した。

評価基準
・裏面溶融性
 成形品裏面中央部を、以下の判定基準で溶 性を評価した。
5:均一で光沢がある。
4:一部未溶融のパウダーが有るが、光沢があ 。
3:裏面全面に凹凸があり、光沢はない。表面 貫通するピンホールはない。
2:裏面全面にパウダーの形状の凹凸があり、 つ表面に貫通するピンホールはない。
1:パウダーが溶融せず、成形品にならない。
・色褪せ
 表皮サンプルを直接目視で観察し、以下の 準で評価した。
○:変色無し
△:変色あり
×:著しく変色
・グロス
 光沢計(ポータブルグロスメーターGMX-202:ム カミカラーリサーチラボラトリー製)を用い て、グロス測定を実施した。グロス値が高い ほど、艶がある。
・引裂強度
 表皮サンプルからJIS K 6301(1995年)の引裂試 片ダンベルB号形を3枚打ち抜いた。板厚は がっている場所の近傍5カ所の最小値をとっ 。これをオートグラフに取り付け、200mm/min 速さで引っ張り、試験片が破断にいたる最 強度を算出した。

 表1より、TMXDI由来のカルボジイミドを添加 た実施例1~4は、比較例1(カルボジイミド無 加)、比較例2(TMXDI以外のカルボジイミド添加 )と比べて、引裂強度保持率が高くなってい ことがわかる。引裂強度保持率が高くなっ いることから、耐加水分解安定性が向上し いる。
 また、耐熱試験においては実施例1~4は、比 例1、比較例2と比べ、色褪せ・グロスの変 が少ないことから、耐熱性が向上している
 また、実施例1~4は、比較例1、比較例2と比 して、裏面溶融性が良く、好ましい。

 本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成 から成形される表皮は、自動車内装材、例 ばインストルメントパネル、ドアトリム等 表皮として好適に使用される。