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Title:
RESISTANCE CHANGE ELEMENT, METHOD FOR MANUFACTURING THE RESISTANCE CHANGE ELEMENT, AND SEMICONDUCTOR STORAGE DEVICE USING THE RESISTANCE CHANGE ELEMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/072201
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a resistance change element comprising a transition metal nitride-containing first electrode, a second electrode containing a noble metal or a noble metal oxide, and a transition metal oxide film disposed between the first electrode and the second electrode.

Inventors:
NOSHIRO HIDEYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/073545
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
December 06, 2007
Export Citation:
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Assignee:
FUJITSU LTD (JP)
NOSHIRO HIDEYUKI (JP)
International Classes:
H01L27/10; H01L45/00; H01L49/00
Foreign References:
JP2007180202A2007-07-12
JP2006080259A2006-03-23
Other References:
MASAYUKI FUJIMOTO ET AL.: "Ti02 anatase nanolayer on TiN thin film exhibiting high- speed bipolar resistive switching", APPL.PHYS.LETT., vol. 89, 28 November 2006 (2006-11-28), pages 223509, XP012087369, DOI: doi:10.1063/1.2397006
Attorney, Agent or Firm:
ITOH, Tadahiko (Yebisu Garden Place Tower20-3, Ebisu 4-chome,Shibuya-k, Tokyo 32, JP)
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Claims:
 遷移金属窒化物を含む第1の電極と、
 貴金属又は貴金属酸化物を含む第2の電極と、
 前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された遷移金属酸化膜と、
 を有することを特徴とする抵抗変化素子。
 前記遷移金属酸化膜中の遷移金属と、前記第1の電極を構成する遷移金属とが同一種であることを特徴とする請求項1に記載の抵抗変化素子。
 前記第1の電極は、ニッケル、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル、タングステンから選ばれる少なくとも1つの金属の窒化物からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の抵抗変化素子。
 前記遷移金属酸化物は、ニッケル、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル、タングステンから選ばれる金属の酸化物からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の抵抗変化素子。
 半導体基板の上方に遷移金属窒化膜を形成する工程と、
 前記遷移金属窒化膜上に遷移金属酸化膜を形成する工程と、
 前記遷移金属酸化膜上に貴金属又は貴金属酸化物からなる貴金属膜を形成する工程と、
 を有することを特徴とする抵抗変化素子の製造方法。
 前記遷移金属窒化膜を形成する工程は、
 遷移金属を含むターゲットを用いてスパッタ法で前記遷移金属窒化膜を形成することを特徴とする請求項5に記載の抵抗変化素子の製造方法。
 前記遷移金属窒化膜を形成する工程は、
 前記半導体基板の上方に第1の遷移金属膜を形成する工程と、
 前記第1の遷移金属膜を窒化する工程と、を有していることを特徴とする請求項5に記載の抵抗変化素子の製造方法。
 前記窒化する工程は、前記第1の遷移金属膜を、窒素含有雰囲気で加熱することを特徴とする請求項7に記載の抵抗変化素子の製造方法。
 前記窒化する工程は、前記第1の遷移金属膜を、アンモニア含有雰囲気でプラズマ処理することを特徴とする請求項7に記載の抵抗変化素子の製造方法。
 前記遷移金属酸化膜を形成する工程は、遷移金属を含むターゲットを用いてスパッタ法で前記遷移金属酸化膜を形成することを特徴とする請求項5~9のいずれか1項に記載の抵抗変化素子の製造方法。
 前記遷移金属酸化膜は、
 第2の遷移金属膜を形成する工程と、
 前記第2の遷移金属膜を酸素含有雰囲気で加熱することを特徴とする請求項5~9のいずれか1項に記載の抵抗変化素子の製造方法。
 前記遷移金属窒化物、前記遷移金属酸化物、及び前記貴金属膜を、塩素を含むガスを用いてエッチングすることを特徴とする請求項5~9のいずれか1項に記載の抵抗変化素子の製造方法。
 前記エッチング後、水洗処理を行うことを特徴とする請求項12に記載の抵抗変化素子の製造方法。
 前記遷移金属酸化膜中の遷移金属と、前記遷移金属窒化膜中の遷移金属とが同一種であることを特徴とする請求項5~9のいずれか1項に記載の抵抗変化素子の製造方法。
 前記遷移金属窒化膜を形成する工程は、窒素含有雰囲気で、遷移金属を含むターゲットを用いてスパッタ法で前記遷移金属窒化膜を形成し、
 前記遷移金属酸化膜を形成する工程は、酸素含有雰囲気で、前記ターゲットを用いてスパッタ法で前記遷移金属酸化膜を形成し、
 前記遷移金属窒化膜を形成する工程と前記遷移金属酸化膜を形成する工程とは、連続して行われることを特徴とする請求項5に記載の抵抗変化素子の製造方法。
 複数の選択トランジスタと、
 前記選択トランジスタにそれぞれ接続された複数の抵抗変化素子と、
 を有し、
 前記複数の抵抗変化素子のそれぞれは、
 遷移金属窒化物を含む第1の電極と、
 貴金属又は貴金属酸化物を含む第2の電極と、
 前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された遷移金属酸化膜と、
 を備えたことを特徴とする半導体記憶装置。
 一対の前記選択トランジスタと前記抵抗変化素子のそれぞれは、マトリクス状に配置されていることを特徴とする請求項16に記載の半導体記憶装置。
 ビット線と、接地線を更に有し、
 前記第2の電極は、前記ビット線に接続され、
 前記第1の電極は、前記選択トランジスタを介して、接地線に接続されていることを特徴とする請求項16又は17に記載の半導体記憶装置。
 前記遷移金属酸化膜中の遷移金属と、前記接地側電極を構成する遷移金属とが同一種であることを特徴とする請求項16又は17に記載の半導体記憶装置。
 前記遷移金属窒化膜は、NixNy(0<x≦3、0<y≦2)を含み、前記遷移金属酸化膜は、NiOz(0<z≦2)を含むことを特徴とする請求項16又は17に記載の半導体記憶装置。
Description:
抵抗変化素子とその製造方法、 び抵抗変化素子を用いた半導体記憶装置

 本発明は、異なる抵抗状態の間を遷移可 な抵抗変化素子と、これを利用してデータ 記憶する抵抗変化メモリに関する。

 近年の電子情報機器には、より一層の小 化、省電力化、及び高機能化が要求されて る。これに伴って、高集積が可能であり、 作速度が速く、かつ電力を供給しなくても ータが消失しない不揮発性半導体メモリへ 要望が高まっている。このような要望に応 ることのできる次世代の不揮発性半導体メ リのひとつとして、抵抗変化素子を備えた 抗変化メモリ(ReRAM:Resistive Random Access Memory )が開発されている。特に、抵抗の変化によ て異なるデータ値を保持する抵抗変化膜と て、二元遷移金属酸化物を用いることが提 されている(たとえば、非特許文献1及び2参 )。

 図1Aに、一般的な抵抗変化素子(メモリに 用されるときは「ReRAM素子」とも称する)の 成を示す。抵抗変化素子100は、白金(Pt)で形 成された一対の電極(101,103)の間に、ニッケル 酸化物(NiO)などの遷移金属を含む抵抗変化膜1 02を挟んで構成される。図1Bは、抵抗変化素 100の動作を説明するための図である。矢印F 示すように、抵抗変化素子100に所定の初期 圧を印加すると、異なる2つの抵抗状態の間 を遷移可能な機能が発現するようになる。こ の初期電圧印加プロセスをフォーミング(elect roforming)と称する。いったんフォーミングが されると、印加電流又は印加電圧を制御す ことによって、抵抗変化素子100を低抵抗状 と高抵抗状態の間を遷移(スイッチング)させ ることができる。

 具体的には、図1Bの破線で示すように、 抵抗状態(この例ではリセット状態)にある抵 抗変化素子100に電圧パルスを印加すると、1.5 V近傍で、急峻にIVプロファイルが変化して、 低抵抗状態(この例ではセット状態)に遷移す (矢印a)。このとき、電流制限が設定されて るので、低抵抗状態への遷移は一定のレベ に制御される(矢印b)。その後は、電圧パル を印加しなくても、低抵抗状態は維持され (矢印c)。低抵抗状態から高抵抗状態にリセ トするには、電流制限を解除して、1V程度 電圧パルスを印加するか、あるいは10mA程度 電流パルスを印加する。そうすると、電流 限値を超えてから徐々に抵抗が上がり(矢印 d)、その後一気に高抵抗状態へと遷移する(矢 印e)。

 抵抗変化素子100を構成する抵抗変化膜102 、NiOなどの酸化物であるため、その両側を む電極101、103には、白金(Pt)やイリジウム(Ir )など、酸化されにくい貴金属が使用されて る。しかし、貴金属の電極とした場合、動 に必要な電圧電流が高く、メモリデバイス 搭載することが困難であった。図1Aおよび図 1Bの例では、フォーミング電圧が約5V、リセ ト電流が10mA程度と高く、メモリデバイス搭 可能な電圧3.3V以下、電流1mA以下という基準 を大きく越えてしまう。

 なお、高速スイッチングが可能な抵抗変化 子として、白金(Pt)の上部電極と下部電極の 間に、TiO2/TiNのナノクリスタル薄膜を配置す 構成も提案されている(たとえば、非特許文 献3参照)。この文献では、膜厚200nmのPt下部電 極上に、膜厚200nmのTiN膜を形成し、400℃、20 の酸素アニールでTiN表面を酸化してTiO2を形 する。このTiO2/TiN膜上に、Pt上部電極を形成 してReRAM素子を作製する。
K. Kinoshita, et al., "Bias polarity dependent  data retention of resistive random access memory cons isting of binary transition metal oxide", Applied Phy sics Letter 89, 103509 (2006) S. Seo, et al., "Reproducible resistance switchi ng in polycriystalline NiO films" Applied Physics Let ter, Vol. 85, No. 23, 6 December, 2004 M. Fujimoto, et al., "High-speed Resistive Switc hing of TiO2/TiN Nano-Crystalline Thin Film", Japanese  Journal of Applied Physics, Vol. 45, No. 11, 2006,  pp. L310-L312

 本発明は、消費電力を実用化に適したレ ルまで低減するために、特にリセット動作 必要な電流量を低減しつつ、抵抗変化素子 構成する電極の状態を適正に維持すること できる抵抗変化素子と、その製造方法を提 することを課題とする。

 リセット時に必要な電流量を低減するた に、図2Aに示すように、抵抗変化素子10の接 地側の電極(この例では下部電極)11を、貴金 に代えて、ニッケル(Ni)などの遷移金属で構 することが考えられる。一方、正極側の電 (この例では上部電極)13は、酸化に強い白金 (Pt)電極13とする。Ni電極11とPt電極13の間に、 抗変化膜としてNiO膜12を配置する。このよ な構成とすることで、図2Bに示すように、リ セット時の電流を、デバイス搭載可能な電流 にまで低減することができる。

 しかし、図2Aの構成を採用した場合、Ni等 の遷移金属の下部電極11を微細加工する際に 塩素(Cl2)ガスなどの反応性ガスによる腐食( ロージョン)が発生するおそれがある。この 腐食は、デバイスの安定性を阻害する要因と なるかもしれない。

 そこで、腐食耐性を高めるために、接地 の電極を、窒化ニッケル(NiN)などの遷移金 窒化物を含む膜で構成する。この場合、対 電極(正極側電極)は、貴金属又は貴金属酸化 物を含む膜で構成する。そして、抵抗変化膜 としての遷移金属酸化膜を、接地側電極と正 極側電極の間に挿入する。

 第1の側面では、抵抗変化素子は、遷移金 属窒化物を含む第1の電極と、貴金属又は貴 属酸化物を含む第2の電極と、前記第1の電極 と前記第2の電極との間に配置された遷移金 酸化膜と、を有する。

 遷移金属酸化膜中の遷移金属と、前記第1 の電極を構成する遷移金属とは、同一の種類 であってもよいし、異なる種類であってもよ い。

 第2の側面では、抵抗変化素子の製造方法を 提供する。この方法は、
 半導体基板の上方に遷移金属窒化膜を形成 る工程と、
 前記遷移金属窒化膜上に遷移金属酸化膜を 成する工程と、
 前記遷移金属酸化膜上に貴金属又は貴金属 化物からなる貴金属膜を形成する工程と、
を含む。

 上記の遷移金属窒化膜を形成するには、 とえば、遷移金属を含むターゲットを用い スパッタ法で形成する。或いは、前記半導 基板の上方に第1の遷移金属膜を形成し、こ の第1の遷移金属膜を窒化する工程を含んで よい。この場合、窒化の手法としては、前 第1の遷移金属膜を、窒素含有雰囲気で加熱 理してもよいし、或いは、アンモニア含有 囲気でプラズマ処理してもよい。

 第3の側面では、半導体記憶装置を提供する 。半導体記憶装置は、
 複数の選択トランジスタと、
 前記選択トランジスタにそれぞれ接続され 複数の抵抗変化素子と、
を有し、
 前記複数の抵抗変化素子のそれぞれは、
 遷移金属窒化物を含む第1の電極と、
 貴金属又は貴金属酸化物を含む第2の電極と 、
 前記第1の電極と前記第2の電極との間に配 された遷移金属酸化膜と、
を備えることを特徴とする。

 抵抗変化素子の動作電流や電圧を実用レ ルに低減することができる。また、腐食耐 を改善して動作の安定性を向上することが きる。

従来の抵抗変化素子の概略構成図であ る。 従来の抵抗変化素子の電気特性図であ る。 本発明に至る過程で提案され得る抵抗 変化素子の概略構成図である。 本発明に至る過程で提案され得る抵抗 変化素子の電気特性図である。 本発明の一実施形態の抵抗変化素子の 概略構成図である。 本発明の抵抗変化素子の変形例を示す 図である。 第1実施形態の抵抗変化素子の電気特性 を示すグラフである。 第1実施形態の抵抗変化素子の繰り返 動作による電気特性を示すグラフである。 比較例として、図2Aの提案構成での繰 返し動作による電気特性を示すグラフであ 。 図3Aの抵抗変化素子を用いた半導体記 装置の作製工程図である。 図3Aの抵抗変化素子を用いた半導体記 装置の作製工程図である。 図3Aの抵抗変化素子を用いた半導体記 装置の作製工程図である。 図3Aの抵抗変化素子を用いた半導体記 装置の作製工程図である。 図3Aの抵抗変化素子を用いた半導体記 装置の作製工程図である。 図3Aの抵抗変化素子を用いた半導体記 装置の作製工程図である。 図3Aの抵抗変化素子を用いた半導体記 装置の作製工程図である。 図3Aの抵抗変化素子を用いた半導体記 装置の作製工程図である。 図3Bの抵抗変化素子の作製工程図であ 。 図3Bの抵抗変化素子の作製工程図であ 。 図3Bの抵抗変化素子の作製工程図であ 。 図3Bの抵抗変化素子の作製工程図であ 。 図3Bの抵抗変化素子の作製方法におい 、Ni膜上にNiN膜を成膜するときの第1の手法 示す表である。 図3Bの抵抗変化素子の作製方法におい 、Ni膜上にNiN膜を成膜するときの第2の手法 示す表である。 ニッケル酸化物(NiOx)を上下電極で挟み込んだ 抵抗変化素子において、ニッケル酸化物の下 側の電極に窒化チタンニッケル(Ti 1-x Ni x )Nを用いた例を示す概略断面図である。 図10AのサンプルでNiの組成が8%のとき 電気特性を示すグラフである。 TiとNiの比率(Ti:Ni)と歩留まりの関係を す表である。

符号の説明

20、30、60、80、90 抵抗変化素子
21、31、61、81、91 接地側電極(第1の電極又は 部電極)
31a、81a Ni電極膜
31b、81b NiN電極膜
22、32、62、82、92 抵抗変化膜
23、33、63、83、93 正極側電極(第2の電極又は 部電極)
50 半導体記憶装置(ReRAM)
51 接地線
68 ビット線
Tr 選択トランジスタ

 以下、図面を参照して、本発明の良好な 施の形態について説明する。図3Aは、本発 の一実施形態による抵抗変化素子の構成を す概略断面図であり、図3Bは、その変形例を 示す概略断面図である。

 図3Aにおいて、抵抗変化素子20は、窒化ニ ッケル(NiN)などの遷移金属窒化物で構成され 接地側電極(第1の電極、この例では下部電 )21と、白金(Pt)などの貴金属又はその酸化物 構成される正極側電極(第2の電極、この例 は上部電極)23と、これらの間に挿入される 抗変化膜としての遷移金属酸化膜22を有する 。この例では、NiN下部電極21の膜厚は100nm、Ni O抵抗変化膜22の膜厚は20nm、Pt上部電極23の膜 は50nmである。なお、この例でNiNの組成はNix Ny(0<x≦3,0<y≦2)であり、NiOの組成は、NiOz( 0<z≦2)である。

 接地側電極(下部電極)21をニッケル(Ni)な の遷移金属とした場合、その露出面は、抵 変化素子20の微細加工時の反応性ガスと反応 しやすく、腐食が生じる可能性が高い。たと えば、反応ガスに塩素(Cl2)ガスを用い、下部 極21をニッケル(Ni)で構成した場合、塩化ニ ケル(NiCl2)が生成され、これが腐食物となる 。本実施形態では、腐食を生じさせにくくす るために、接地側電極を遷移金属の窒化物で 構成する。一方、正極側電極(上部電極)23は Ptなどの貴金属やその酸化物で構成されてい る。その理由は、貴金属又はその酸化物は、 ニッケルと比較して反応性ガスとの反応の度 合いが小さく、耐酸化性に優れているからで ある。

 下部電極21は、NiN以外に、チタン(Ti)、バ ジウム(V)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(C o)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ジルコニウム (Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ハフニウム (Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)などの金 窒化物であってもよい。

 抵抗変化膜22は、NiOの他、チタン(Ti)、バ ジウム(V)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(C o)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ジルコニウム (Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ハフニウム (Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)などの金 酸化物であってもよい。

 下部電極21の材料となる遷移金属と、抵 変化膜22の材料となる遷移金属は、同じ種類 であっても、異なる種類であってもよい。

 図3Bの変形例では、抵抗変化素子30の接地 側電極(この例では下部電極)31は、少なくと 抵抗変化膜32の界面と接する部分に、遷移金 属窒化膜31bを含む。一例として、下部電極31 、抵抗変化膜(NiO膜)32との界面側に位置する NiN膜31bと、その下層に位置するNi膜31aとで構 されている。後述するように、抵抗変化膜3 2との界面側の遷移金属窒化膜(NiN膜)31bと、そ れ以外の遷移金属膜(Ni膜)31aとの境界は、成 方法によって、徐々に窒化膜に変化してゆ 場合と、明確に2層に分かれる場合がある。 ずれの方法によっても、少なくとも抵抗変 膜32との界面側に遷移金属窒化膜31bが存在 ればよい。

 この例では、下部電極31を構成するNi膜31a の膜厚が80nm、下部電極31を構成するNiN膜31bの 膜厚が20nm~25nm、NiO抵抗変化膜32の膜厚が20nm、 Pt上部電極33の膜厚が50nmである。

 図4は、図3Aの構成を有する抵抗変化素子2 0の電気特性を示すグラフである。実線が低 抗状態から高抵抗状態へ遷移するリセット の電流電圧特性、破線が高抵抗状態から低 抗状態へ遷移するセット時の電流電圧特性 あり、3回のループの平均をとったものであ 。下部電極にNiやNiNを用いた場合、フォー ングが不必要になる場合が多い。これは、 期状態が低抵抗状態だからである。この場 、抵抗変化を起こす領域形成は、最初のリ ット動作時に行われる。

 このグラフから明らかなように、下部電 をNiNなどの遷移金属酸化物で構成すること 、図1BのPt電極対を用いる場合と比較して、 リセット時の電流量が1mAのオーダーに低減さ れることがわかる。すなわち、デバイス搭載 に適した範囲内の電流電圧特性が実現される 。

 図5Aは、図3Aの抵抗変化素子20の構成に基 き、下部電極膜21をNiN膜で構成し、Pt上部電 極膜23上にTiN膜を形成したサンプル(TiN(50nm)/Pt (20nm))を作製して、3回のループで測定した電 特性のグラフである。図5Bは比較例として 図2Aの提案構成の抵抗変化素子10の構成に基 き、下部電極膜11をNi膜とし、Pt上部電極膜1 3上に、同じくTiN膜を形成したサンプル(TiN(50n m)/Pt(20nm))を作製して、3回のループで測定し 電気特性のグラフである。

 図5AのサークルAで示すように、実施形態 構成では、接地側電極21を遷移金属の窒化 で構成しているので、腐蝕が生じにくく、 セット動作が安定することがわかる。一方 図5Bの提案構成の特性図では、3回の平均を ると、図2Bのようにリセット電流は1mAのオー ダーに低減されるが、動作のばらつきが激し いことがわかる。これは、抵抗変化素子10の 工の過程で、Ni下部電極11に生じる腐蝕が原 因であると考えられる。

 次に、図6A~図6Fを参照して、第1実施形態 ReRAM(半導体記憶装置)の製造工程を説明する 。第1実施形態では、図3Aの抵抗変化素子20の 成を採用してReRAMを作製する。まず、図6Aに おいて、シリコン基板41にSTI(Shallow Trench Isol ation)などの素子分離42を形成し、通常のMOSプ セスで選択トランジスタTrを形成する。す わち、STI42で区画される領域に、ウェル(不 示)を形成し、シリコンゲート絶縁膜44を介 てゲート電極45を形成する。ゲート電極45は ード線と兼用してもよい。ゲート電極45の 側に、ソース・ドレインとなる高濃度不純 層46a、46bを形成する(図示の便宜上、ゲート 極45の側壁に形成されるサイドウォールス ーサやシリコン基板41の表面領域に形成され るソース・ドレインエクステンションは省略 する)。

 次に、図6Bに示すように、全面に層間絶 膜47を堆積し、高濃度不純物層46と電気的に 続するコンタクトプラグ48a、48bを形成する この例では、2本のゲート電極45の間に位置 る高濃度不純物領域46bをソースとし、STI42 に位置する高濃度不純物領域46aをドレイン する。たとえば、CVD法によりシリコン酸化 47を堆積し平坦化した後、フォトリソグラフ ィ及びドライエッチングにて、ソース領域46b 及びドレイン領域46aに達するコンタクトホー ル(不図示)を形成する。スパッタ法やCVD法に りバリヤメタルとしての窒化チタン(TiN)膜 、タングステン(W)膜を堆積し、CMP法で平坦 してコンタクトプラグ48a、48bを形成する。

 次に、図6Cに示すように、全面にアルミ ウム(Al)や銅(Cu)などの導電膜を堆積し、フォ トリソグラフィ及びドライエッチングにより 、中継配線(またはパッド電極)52と、接地線51 を形成する。中継配線52は、コンタクトプラ 48aを介してドレイン46aに電気的に接続され 接地線51は、コンタクトプラグ48bを介して ース46bに電気的に接続される。

 次に、図6Dに示すように、CVD法により全 に層間絶縁膜53を堆積し、平坦化した後、フ ォトリソグラフィ及びドライエッチングによ り、中継配線(パッド電極)52と電気的に接続 るコンタクトプラグ54を形成する。

 次に、抵抗変化素子の作製工程に入る。 6Eに示すように、平坦化された全表面にTiN 55、NiN膜56、NiO膜57、Pt膜58、TiN膜59をスパッ 法により、順次成膜する。TiN膜55は、バリア 膜又は密着膜として機能するが、下部電極の 一部として用いられてもよい。TiN膜59は、パ ーンニング用の反射防止膜として機能する 、上部電極の一部として用いられてもよい 各膜の膜厚は、一例として、TiN膜55が20nm、N iN膜56が100nm、NiO膜57が20nm、Pt膜58が20nm、TiN膜5 9を50nmである。もっとも、NiN膜56の膜厚は、50 nm~150nmの範囲で選択され、TiN膜59の膜厚も20nm~ 50nmの範囲で選択される。TiN膜56を下部電極の 一部とする時は、これらの膜の膜厚は、適宜 調整される。抵抗変化膜となるNiO膜57の膜厚 、10nm~50nm、Pt膜58の膜厚は10nm~100nmである。Ti N膜59を上部電極の一部として用いる場合は、 たとえば、Pt膜58を20nm、TiN膜59を50nmとしても い。

 下部電極となるNiN膜56は、たとえばNiN固 ターゲットを用いて、スパッタリングする とにより形成される。或いは、抵抗変化膜 しての遷移金属酸化膜57が、下部電極に用い られる遷移金属と同じ種類(この場合はニッ ル)で構成される場合は、その遷移金属(Ni)の ターゲットを共用することができる。たとえ ば、Niターゲットを用い、若干量のArガスと もにN2ガスを導入してスパッタリングするこ とで、NiN膜56を形成し、その後、ガスの供給 止めて、いったんパワーを切った後、若干 のArガスとともにO2ガスを導入してパワーを 投入し、NiN膜56とNiO膜57を順次形成すること できる。この場合は、プロセスが容易にな 。

 次に、図6Fに示すように、フォトリソグ フィ及びドライエッチングで、TiN膜59、Pt膜5 8、NiO膜57、NiN膜56、TiN膜55を順次加工して、 抗変化素子60を形成する。エッチングガスは 、塩素(Cl2)を含むガスである。抵抗変化素子6 0は、NiN下部電極61、NiO抵抗変化膜62、Pt上部 極63を含み、NiN下部電極61が、トランジスタT rを介して共通接地線51に接続されている。こ の状態で、抵抗変化素子60を構成する各膜の 面がエッチングガス中に露出するが、下部 極61を塩素に対して腐食しにくいNiNで形成 ているので、露出面での腐蝕を抑制するこ ができる。その結果、腐蝕に起因する動作 ばらつきを低減することができる。なお、 述のように、TiN膜64を下部電極の一部として 用いてもよいし、TiN反射防止膜65を上部電極 一部として用いてもよい。抵抗変化素子60 パターニングが完了すると、ウェーハを水 して、残留塩素を洗い流す。

 次に、図6Gに示すように、CVD法にて全面 層間絶縁膜67を堆積し平坦化して、層間絶縁 膜67に抵抗変化素子60に達するコンタクトホ ル(不図示)を形成する。スパッタ法やCVD法に より、バリヤメタルとしてのTiN膜とタングス テン(W)膜を堆積してコンタクトホールを埋め 込み、平坦化して、抵抗変化素子60と電気的 接続されるコンタクトプラグ68を形成する

 次に、図6Hに示すように、層間絶縁膜67上 に、スパッタ法などにより導電膜(たとえばTi N/Al/TiN/Ti)を堆積し、所定の配線形状に加工し てビット線69を形成する。

 図7A~図7Dは、第2実施形態のReRAM(半導体記 装置)の製造工程を説明する。第2実施形態 は、図3Bの抵抗変化素子30の構成を採用してR eRAMを作製する。第2実施形態では、接地側電 (たとえば下部電極)のうち、少なくとも抵 変化膜との界面側を遷移金属窒化膜で構成 る。選択トランジスタTrと第1配線層(接地線5 1と中継配線52)、及びそれらと電気的に接続 れるコンタクトプラグの作製工程は、図6A~ 6Dと同様なので説明を省略し、抵抗変化素子 の作製工程から説明する。

 まず、図7Aにおいて、層間絶縁膜53および コンタクトプラグ54を覆って、全面にTiN膜71 Ni膜72を、それぞれ膜厚20nmと100nmで順にスパ タリングする。

 次に、図7Bにおいて、Ni膜72の表面を窒化 て、NiN膜73を形成する。窒化は、一例とし 、アンモニア(NH3)ガス、またはN2ガスとNH3ガ の混合ガスを使用したプラズマ処理により う。このときの処理条件は、RF電力400W、350 、5Pa、1~3分とする。NH3のみでプラズマ窒化 るときのNH3量は100cc、混合ガスでプラズマ 化するときのガス量は、NH3ガスとN2ガスをそ れぞれ50ccとする。この窒化により、Ni膜72は8 0nm程度の膜厚で残り、その上に20~25nmのNiN膜73 が形成されることになる。なお、プラズマ窒 化に代えて、N2アニールによりNiN膜73を形成 てもよい。

 次に、図7Cにおいて、NiO膜74を20nm、Pt膜75 20nm、TiN膜76を50nmの膜厚で、順次スパッタリ ングで成膜する。続いて、図7Dにおいて、フ トリソグラフィ及びドライエッチングで、T iN膜76、Pt膜75、NiO膜74、NiN膜73、Ni膜72、TiN膜71 を順次加工して、抵抗変化素子80を形成する 以降の工程は、図6G~図6Hと同様である。

 このようにして作製された抵抗変化素子8 0は、接地側電極(下部電極)81と、抵抗変化膜 してのNiO膜82と、正極側電極(上部電極)83を し、下部電極81は、NiO膜82との界面側に位置 するNiN膜81bと、接地側に位置するNi膜81aを含 。この構成により、ドライエッチングで塩 ガスを使用する場合でも、NiO抵抗変化膜82 の界面側に位置するNiN膜81bが腐食を抑制し リセット電流のばらつきを抑制することが きる。これは、抵抗値を変化させるフィラ ント(導電経路)の増大、減少が、電極と抵抗 変化膜との界面状態に大きく影響されるから だと考えられる。

 図8及び図9は、第3実施形態の抵抗変化素 の作製方法を説明するための表である。第3 実施形態の抵抗変化素子も、図3Bのように下 電極31を、抵抗変化膜32との界面側のNiN膜31b と、接地側のNi膜31aの2層構成とする。

 第2実施形態では、図7Bの工程で、あらか め成膜したNi膜の表面をプラズマ窒化又は 素アニールすることによって、Ni膜とNiN膜の 2層構造を形成した。第3実施形態では、Ni膜 NiN膜を連続して成膜することによって、2層 造を形成する。

 図8のレシピでは、まず、Niターゲットを 置したチャンバ内にArガスを20秒間導入し( テップ1)、その後パワーを投入して、30秒間 パッタリングを行ってNi膜を成膜する(ステ プ2)。続いて、パワーを切らずに、Arガスと N2ガスを1:9の割合で供給することで、連続し NiN膜を成膜する(ステップ3)。NiN膜の成膜が 了すると、パワーを切って、ガスの供給を める(ステップ4)。

 この方法では、下部電極31(図3B参照)にお て、Ni膜31aからNiN膜31bへと徐々に移行し、 界があいまいであるが処理時間が短い。も とも、スイッチング特性を決定するのは、 抗変化膜32との界面領域なので、界面側にNiN 膜31bが設けられていれば、Ni膜との境界状態 影響しない。

 一方、図9のレシピでは、Ni膜31aとNiN膜31b 境界が明確になる。ステップ1及び2でNi膜を 成膜した後、ガスの導入を止めて、30秒間パ ーを切る(ステップ3)。その後、ArガスとN2ガ スを1:9の割合で供給し(ステップ4)、パワーを 投入してNiN膜を形成する(ステップ5)。NiN膜の 成膜が完了すると、パワーを切って、ガスの 供給を止める(ステップ6)。

 いずれのレシピを用いても、抵抗変化膜3 2との界面側にNiNなどの遷移金属窒化膜31bを 成することができる。

 図10は、本発明の第4実施形態における抵抗 化素子90の概略断面図である。この例では 下部電極91に、窒化チタンニッケル(Ti 1-x Ni x )Nを用いる。上述のように、下部電極に窒化 ッケル(NiN)を用いると動作電流の低減が実 されるが、加工性に若干の問題が残る。窒 チタン(TiN)を用いると、動作電流が増加する が、加工性の問題は解決できる。そこで、両 者を合わせたTiNiNで下部電極91を構成し、加 性と電流低減の両方の効果を実現する。上 電極93はPt、抵抗変化膜92はNiO膜である。

 このような抵抗変化素子90を用いてReRAMを作 製する場合は、図6A~図6Hに示すプロセスと同 であるが、図6EのNiN膜56に代えて、TiNバリア 膜55上にTiNiN膜を形成する。TiNiN膜の形成は、 適切な比率のTiNiターゲットを用いてスパッ 法により形成する。このようにすることで 図6Fに対応する加工工程において、下部電極 の加工性が良くなる。TiNiN膜の組成を(Ti 1-x Ni x )Nと表わすと、Niの組成は0<x≦0.2、すなわ TiNi全体に対するNiの比率は20%以下であるこ が望ましい。

 図10Bは、Niの組成xを0.08(Ni含有量が8%)にし たときの抵抗変化素子90の電気特性を示すグ フである。実線が低抵抗から高抵抗へのリ ット電流、点線が高抵抗から低抵抗へのセ ト電流である。実線で示すように、リセッ 動作において、動作電流が1mA以下と小さく また3回ループのばらつきが非常に小さい。 これは、下部電極91をTiNiNで形成したことに り微細化のときの加工精度を向上し、腐食 問題を解決したため、安定した電気特性が 現されたことを示す。

 図11は、TiNiターゲットのTi:Ni比と歩留ま の関係を示す表である。TiとNiの含有量を合 せて100とした場合、Ni比が20%を越えると、 子の歩留まりが60%以下に落ちる。これに比 、Ni比が20%以下のときは、素子歩留まりが70~ 90%と良好である。このように、第4実施形態 は、良好な電気特性を高歩留まりで得るこ ができる。

 以上、特定の実施形態に基づいて本発明 説明してきたが、本発明は上述した実施例 限定されない。たとえば、抵抗変化膜とし のNiO膜は、スパッタリング以外に、Ni膜成 後に、酸素含有雰囲気下での加熱する方法 形成してもよいし、当業者が採用し得る任 の手法で形成することができる。