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Patent Searching and Data


Title:
RESISTANCE CHANGE NONVOLATILE MEMORY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/141857
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a resistance change nonvolatile memory device which enables the optimization of the size of a transistor of a memory cell. The resistance change nonvolatile memory device comprises a memory cell (300) constituted by connecting in series a resistance change element (309) including a lower electrode (309a), an upper electrode (309c), and a resistance change layer (309b) which reversibly changes according to electrical signals of different polarities applied between both the electrodes, and a transistor (317) including a semiconductor substrate (301) and two N-type diffusion layer regions (302a, 302b). The resistance change layer (309b) contains an oxygen-deficient oxide of transition metal, the lower electrode (309a) and the upper electrode (309c) are formed of materials composed of different elements, the standard electrode potential V1 of the lower electrode (309a), the standard electrode potential V2 of the upper electrode (309c), and the standard electrode potential Vt of the transition metal satisfy the relations of Vt

Inventors:
SHIMAKAWA KAZUHIKO
KANZAWA YOSHIHIKO
MITANI SATORU
MURAOKA SHUNSAKU
Application Number:
PCT/JP2008/003769
Publication Date:
November 26, 2009
Filing Date:
December 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
SHIMAKAWA KAZUHIKO
KANZAWA YOSHIHIKO
MITANI SATORU
MURAOKA SHUNSAKU
International Classes:
H01L27/10; H01L45/00; H01L49/00
Domestic Patent References:
WO2008029446A12008-03-13
WO2007083362A12007-07-26
WO2008059701A12008-05-22
WO2008107941A12008-09-12
Foreign References:
JP2007258533A2007-10-04
JP2002537627A2002-11-05
Attorney, Agent or Firm:
NII, Hiromori (JP)
New house extensive 守 (JP)
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Claims:
 半導体基板と、
 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在させ、前記第1電極と前記第2電極と接するように設けられており、前記第1電極と前記第2電極間に与えられる極性の異なる電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化層からなる不揮発性記憶素子と、
 前記半導体基板の主面に構成された、第1のN型拡散層領域と、ゲートと、前記ゲートを挟んで前記第1のN型拡散層領域と反対側に構成される第2のN型拡散層領域よりなるN型MOSトランジスタと
 を備え、
 前記抵抗変化層はタンタルおよびハフニウムのいずれか一方の酸素不足型の酸化物を含み、
 前記第1電極と前記第2電極は、異なる元素からなる材料によって構成され、
 前記第1電極の標準電極電位V 1 と、前記第2電極の標準電極電位V 2 と、タンタルおよびハフニウムのいずれか前記一方の標準電極電位V t とが、V t <V 2 かつV 1 <V 2 を満足し、
 前記第1電極と、前記N型MOSトランジスタの前記第1のN型拡散層領域とを接続してメモリセルを構成する
 ことを特徴とする抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 半導体基板と、
 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在させ、前記第1電極と前記第2電極と接するように設けられており、前記第1電極と前記第2電極間に与えられる極性の異なる電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化層からなる不揮発性記憶素子と、
 前記半導体基板の主面に構成されたNウェルと、
 前記Nウェルの領域内に構成される、第1のP型拡散層領域と、ゲートと、前記ゲートを挟んで前記第1のP型拡散層領域と反対側に構成される第2のP型拡散層領域よりなるP型MOSトランジスタと
 を備え、
 前記抵抗変化層はタンタルおよびハフニウムのいずれか一方の酸素不足型の酸化物を含み、
 前記第1電極と前記第2電極は、異なる元素からなる材料によって構成され、
 前記第1電極の標準電極電位V 1 と、前記第2電極の標準電極電位V 2 と、タンタルまたはハフニウムのいずれか前記一方の標準電極電位V t とが、V t <V 2 かつV 1 <V 2 を満足し、
 前記第2電極と、前記P型MOSトランジスタの前記第1のP型拡散層領域とを接続してメモリセルを構成する
 ことを特徴とする抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 さらに、前記第1電極の標準電極電位V 1 と、タンタルおよび前記ハフニウムのいずれか前記一方の標準電極電位V t とが、V 1 ≦V t を満足する
 ことを特徴とする請求項1または2に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 前記第2電極は、白金、イリジウム、パラジウム、銀、銅、金からなる群から選択され、
 前記第1電極は、タングステン、ニッケル、タンタル、チタン、アルミニウム、チッ化タンタル、チッ化チタンからなる群から選択される
 ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 前記第2電極は、タングステン、銅、白金、金からなる群から選択され、
 前記第1電極は、アルミニウム、チタン、ハフニウム、チッ化タンタル、チッ化チタンからなる群から選択される
 ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 前記抵抗変化層がタンタル酸化物を含み、当該タンタル酸化物をTaO x と表した場合に、0.8≦x≦1,9を満足するように構成されている
 ことを特徴とする請求項1または2に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 前記第1電極、前記第2電極、および前記抵抗変化層は、半導体基板の主面に積層され、
 前記第1電極が前記半導体基板の主面により近い下部電極として配置され、
 前記第2電極が前記半導体基板の主面からより遠い上部電極として配置される
 ことを特徴とする請求項1に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 前記不揮発性記憶素子の抵抗値の変化は、前記第2電極と接する前記抵抗変化層の領域である関与領域で発現し、
 前記抵抗変化層の前記関与領域でない領域と接する前記第1電極と、前記N型MOSトランジスタの前記第1のN型拡散層領域とを接続する
 ことを特徴とする請求項1に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 前記関与領域の高抵抗状態への変化は、前記第2電極から前記第1電極へ向かう電界により、前記抵抗変化層に含まれる酸素イオンが前記第2電極方向に移動し、前記関与領域における酸素不足型のタンタルまたはハフニウムの酸化物と結合することで発現し、
 前記関与領域の低抵抗状態への変化は、前記第1電極から前記第2電極へ向かう電界により、前記結合した酸素イオンが前記第1電極方向に移動し、前記関与領域から離脱することで発現する
 ことを特徴とする請求項8に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 前記第1電極の電圧を基準として正の電圧V HR を超える電圧を前記第2電極に印加したとき、前記不揮発性記憶素子の抵抗値がR H に変化し、
 前記第2電極の電圧を基準として正の電圧V LR を超える電圧を前記第1電極に印加したとき、前記不揮発性記憶素子の抵抗値がR H よりも小さいR L に変化する
 ことを特徴とする請求項1に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 さらに、複数のビット線と、複数のソース線と、前記ビット線と前記ソース線とを駆動する駆動回路とを備え、
 前記ビット線と前記ソース線の組み合わせごとに前記メモリセルが設けられ、
 各メモリセルの不揮発性記憶素子の第2電極は、前記複数のビット線の中の対応する1つに接続され、
 各メモリセルのN型MOSトランジスタの第2のN型拡散層領域は、前記複数のソース線の中の対応する1つに接続され、
 前記駆動回路は、
 前記不揮発性記憶素子を高抵抗状態に変化させる場合、対応するビット線の電圧を、対応するソース線の電圧よりも高く、かつ、前記第1電極の電圧を基準として前記第2電極の電圧が前記正の電圧V HR を超えるような電圧にし、
 前記不揮発性記憶素子を低抵抗状態に変化させる場合、対応するソース線の電圧を、対応するビット線の電圧よりも高く、かつ、前記第2電極の電圧を基準として前記第1電極の電圧が前記正の電圧V LR を超えるような電圧にする
 ことを特徴とする請求項10に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 さらに、複数のビット線と、複数のソース線と、前記ビット線と前記ソース線とを駆動する駆動回路とを備え、
 前記ビット線と前記ソース線の組み合わせごとに前記メモリセルが設けられ、
 各メモリセルの不揮発性記憶素子の第2電極は、前記複数のソース線の中の対応する1つに接続され、
 各メモリセルのN型MOSトランジスタの第2のN型拡散層領域は、前記複数のビット線の中の対応する1つに接続され、
 前記駆動回路は、
 前記不揮発性記憶素子を高抵抗状態に変化させる場合、対応するソース線の電圧を、対応するビット線の電圧よりも高く、かつ、前記第1電極の電圧を基準として前記第2電極の電圧が前記正の電圧V HR を超えるような電圧にし、
 前記不揮発性記憶素子を低抵抗状態に変化させる場合、対応するビット線の電圧を、対応するソース線の電圧よりも高く、かつ、前記第2電極の電圧を基準として前記第1電極の電圧が前記正の電圧V LR を超えるような電圧にする
 ことを特徴とする請求項10に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 さらに、複数のビット線と、複数のソース線と、前記ビット線と前記ソース線とを駆動する駆動回路とを備え、
 前記ビット線と前記ソース線の組み合わせごとに前記メモリセルが設けられ、
 各メモリセルの不揮発性記憶素子の第2電極は、前記複数のソース線の中の対応する1つを介して、固定された基準電圧を供給する基準電源に接続され、
 各メモリセルのN型MOSトランジスタの第2のN型拡散層領域は、前記複数のビット線の中の対応する1つに接続され、
 前記駆動回路は、
 前記不揮発性記憶素子を高抵抗状態に変化させる場合、対応するビット線の電圧を、前記基準電圧よりも低く、かつ、前記第1電極の電圧を基準として前記第2電極の電圧が前記正の電圧V HR を超えるような電圧にし、
 前記不揮発性記憶素子を低抵抗状態に変化させる場合、対応するビット線の電圧を、前記基準電圧よりも高く、かつ、前記第2電極の電圧を基準として前記第1電極の電圧が前記正の電圧V LR を超えるような電圧にする
 ことを特徴とする請求項10に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 前記第1電極、前記第2電極、および前記抵抗変化層は、半導体基板の主面に積層され、
 前記第1電極が前記半導体基板の主面からより遠い上部電極として配置され、
 前記第2電極が前記半導体基板の主面により近い下部電極として配置される
 ことを特徴とする請求項2に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 前記不揮発性記憶素子の抵抗値の変化は、前記第2電極と接する前記抵抗変化層の領域である関与領域で発現し、
 前記抵抗変化層の前記第2電極と、前記P型MOSトランジスタの前記第1のP型拡散層領域とを接続する
 ことを特徴とする請求項2に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 前記関与領域の高抵抗状態への変化は、前記第2電極から前記第1電極へ向かう電界により、前記抵抗変化層に含まれる酸素イオンが前記第2電極方向に移動し、前記関与領域における酸素不足型のタンタルまたはハフニウムの酸化物と結合することで発現し、
 前記関与領域の低抵抗状態への変化は、前記第1電極から前記第2電極へ向かう電界により、前記結合した酸素イオンが前記第1電極方向に移動し、前記関与領域から離脱することで発現する
 ことを特徴とする請求項15に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 前記第2電極の電圧を基準として正の電圧V HR を超える電圧を前記第1電極に印加したとき、前記不揮発性記憶素子の抵抗値がR H に変化し、
 前記第1電極の電圧を基準として正の電圧V LR を超える電圧を前記第2電極に印加したとき、前記不揮発性記憶素子の抵抗値がR H よりも小さいR L に変化する
 ことを特徴とする請求項2に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 さらに、複数のビット線と、複数のソース線と、前記ビット線と前記ソース線とを駆動する駆動回路とを備え、
 前記ビット線と前記ソース線の組み合わせごとに前記メモリセルが設けられ、
 各メモリセルの不揮発性記憶素子の第1電極は、前記複数のビット線の中の対応する1つに接続され、
 各メモリセルのP型MOSトランジスタの第2のP型拡散層領域は、前記複数のソース線の中の対応する1つに接続され、
 前記駆動回路は、
 前記不揮発性記憶素子を高抵抗状態に変化させる場合、対応するソース線の電圧を、対応するビット線の電圧よりも高く、かつ、前記第1電極の電圧を基準として前記第2電極の電圧が前記正の電圧V HR を超えるような電圧にし、
 前記不揮発性記憶素子を低抵抗状態に変化させる場合、対応するビット線の電圧を、対応するソース線の電圧よりも高く、かつ、前記第2電極の電圧を基準として前記第1電極の電圧が前記正の電圧V LR を超えるような電圧にする
 ことを特徴とする請求項17に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 さらに、複数のビット線と、複数のソース線と、前記ビット線と前記ソース線とを駆動する駆動回路とを備え、
 前記ビット線と前記ソース線の組み合わせごとに前記メモリセルが設けられ、
 各メモリセルの不揮発性記憶素子の第1電極は、前記複数のソース線の中の対応する1つに接続され、
 各メモリセルのP型MOSトランジスタの第2のP型拡散層領域は、前記複数のビット線の中の対応する1つに接続され、
 前記駆動回路は、
 前記不揮発性記憶素子を高抵抗状態に変化させる場合、対応するビット線の電圧を、対応するソース線の電圧よりも高く、かつ、前記第1電極の電圧を基準として前記第2電極の電圧が前記正の電圧V HR を超えるような電圧にし、
 前記不揮発性記憶素子を低抵抗状態に変化させる場合、対応するソース線の電圧を、対応するビット線の電圧よりも高く、かつ、前記第2電極の電圧を基準として前記第1電極の電圧が前記正の電圧V LR を超えるような電圧にする
 ことを特徴とする請求項17に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
 さらに、複数のビット線と、複数のソース線と、前記ビット線と前記ソース線とを駆動する駆動回路とを備え、
 前記ビット線と前記ソース線の組み合わせごとに前記メモリセルが設けられ、
 各メモリセルの不揮発性記憶素子の第1電極は、前記複数のソース線の中の対応する1つを介して、固定された基準電圧を供給する基準電源に接続され、
 各メモリセルのP型MOSトランジスタの第2のP型拡散層領域は、前記複数のビット線の中の対応する1つに接続され、
 前記駆動回路は、
 前記不揮発性記憶素子を高抵抗状態に変化させる場合、対応するビット線の電圧を、前記基準電圧よりも高く、かつ、前記第1電極の電圧を基準として前記第2電極の電圧が前記正の電圧V HR を超えるような電圧にし、
 前記不揮発性記憶素子を低抵抗状態に変化させる場合、対応するビット線の電圧を、前記基準電圧よりも低く、かつ、前記第2電極の電圧を基準として前記第1電極の電圧が前記正の電圧V LR を超えるような電圧にする
 ことを特徴とする請求項17に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
Description:
抵抗変化型不揮発性記憶装置

 本発明は、電気的信号に基づいて可逆的 抵抗値が変化する抵抗変化素子とトランジ タとで構成されたメモリセルを有する抵抗 化型不揮発性記憶装置に関する。

 近年、抵抗変化素子を用いて構成された モリセルを有する不揮発性記憶装置の研究 発が進んでいる。抵抗変化素子とは、電気 信号によって抵抗値が可逆的に変化する性 を有し、さらにはこの抵抗値に対応したデ タを、不揮発的に記憶することが可能な素 をいう。

 抵抗変化素子を用いた不揮発性記憶装置 して、直交するように配置されたビット線 ワード線、ソース線との交点の位置に、MOS ランジスタと抵抗変化素子を直列に接続し 、いわゆる1T1R型と呼ばれるメモリセルをマ トリックス状にアレイ配置した不揮発性記憶 装置が一般的に知られている。

 特許文献1では、ペロブスカイト型結晶構 造の酸化物を抵抗変化素子として用いた1T1R メモリセルで構成された不揮発性記憶装置 示されている。

 図28は、その中で示されているメモリセ の断面の模式図である。

 メモリセル1011は、トランジスタ1006と抵 変化素子1010とを電気的に直列に接続して形 されている。

 トランジスタ1006は、半導体基板1001上に 製した第1の拡散層領域であるソース領域1002 、第2の拡散層領域であるドレイン領域1003、 よびゲート酸化膜1004上に形成されたゲート 電極1005からなる。

 抵抗変化素子1010は、電圧印加によって抵 抗値が変化する可変抵抗層1008を、下部電極10 07と上部電極1009との間に挟持してなる。

 ドレイン領域1003と下部電極1007とは電気 に接続されている。

 上部電極1009は、ビット線1012となる金属 線に接続され、ゲート電極1005はワード線に 続され、ソース領域1002はソース線1013とな 金属配線に接続される。

 ここでは、可変抵抗層1008に用いる材料とし ては、Pr 1-x Ca x MnO 3 、La 1-x Ca x MnO 3 (PCMO)などが開示されているが、電極材料に関 しては特に言及されていない。

 また、メモリセル1011への書き込み方法に ついては、上部電極1009にVpp、ソース領域1002 Vss、ゲート電極に所定の電圧振幅Vwpのパル 電圧を印加すると、低抵抗状態から高抵抗 態に変化し、逆に、上部電極1009にVss、ソー ス領域1002にVpp、ゲート電極に所定のVweのパ ス電圧を印加すると、高抵抗状態から低抵 状態に変化できることが開示されている。

 特許文献2では、前述の電気的信号により 抵抗変化が生じる抵抗変化素子とは抵抗変化 の原理が異なる抵抗変化素子を用いた、1T1R メモリセルで構成された不揮発性記憶装置 示されている。この記憶装置は、相変化メ リと呼ばれている。

 相変化メモリでは、カルコゲナイド材料 呼ばれる相変化材料が、結晶状態とアモル ァス状態で抵抗が異なることを利用して、 ータが記憶される。書き換えは相変化材料 電流を流して融点近傍で発熱させることに り、状態を変化させて行う。リセット動作 呼ばれる高抵抗化(アモルファス化)は、比 的高温に保つ制御により行い、セット動作 呼ばれる低抵抗化(結晶化)は、比較的低温に 十分な期間保つ制御により行われる。

 また、相変化メモリではデータの書換え 必要な電流はリセット動作とセット動作で なり、リセット動作の方が比較的大きな電 が必要とされることが開示されている。

 図29は、特許文献2に開示される、相変化 モリの断面図である。

 メモリセル1021は、記憶部1022とNMOSトラン スタ1027とを用いて、1T1R型で構成されてい 。NMOSトランジスタ1027は、ソースおよびドレ インに対応するN型拡散層領域1029およびN型拡 散層領域1030、ならびにそれらに挟まれたゲ ト電極1031からなる。

 記憶部1022は、相変化素子1024を挟んで、 部側を第2メタル配線層1023、下部側をコンタ クトビア1025、第1メタル配線層1026で形成され 、NMOSトランジスタ1027のN型拡散層領域1029に がる。

 NMOSトランジスタ1027の反対側のN型拡散層 域1030は、各配線層を介して第3メタル配線 1028に接続される。

 ここでは第2メタル配線層1023がソース線 第3メタル配線層1028がビット線、NMOSトラン スタ1027のゲート電極1031がワード線に対応し ている。

 特許文献2では、相変化メモリ装置におい てソース線を制御する機構を取り入れ、セッ ト動作時とリセット動作時で、電流を流す向 きを切り替えることが開示されている。

 比較的大きい電流を流す必要があるリセ ト動作時には、ソース線を所定のハイレベ 、ビット線をロウレベルに設定し、比較的 さい電流で足りるセット動作時には、ビッ 線を所定のハイレベル、ソース線をロウレ ルに設定している。

 この設定に従って、リセット動作時の電 の向きは、メモリセルのNMOSトランジスタ102 7のソース電位(この場合、N型拡散層領域1030 電位に対応)が、半導体基板の電位とほぼ同 ロウレベルに維持される方向となる。その め、いわゆるMOSトランジスタの基板バイア 効果の影響が小さくなるので、トランジス の駆動能力が高い(大きな電流が得られる) 態で、リセット動作が行われる。

 他方、セット動作時の電流の向きは、メ リセルのNMOSトランジスタ1027のソース電位( の場合、N型拡散層領域1029の電位に対応)が NMOSトランジスタ1027のオン抵抗値と相変化 子1024の抵抗値との分圧関係で決まる電圧値 上昇する方向となる。そのため、いわゆるM OSトランジスタの基板バイアス効果の影響が きくなり、トランジスタを流れる電流が比 的小さく抑えられる状態で、セット動作が われる。

 この構成により、セット動作およびリセ ト動作のそれぞれに適した大きさの電流を 別して与えることが容易になり、それぞれ 動作結果が安定的に得られるようになる。

 ところで、一般に、高密度なメモリセル レイを構成するためには、メモリセルをで るだけ小面積で形成する必要があり、その めにはメモリセルの構成要素である抵抗変 素子とともに、トランジスタをできるだけ 面積に形成することが重要である。

 トランジスタを小面積に形成するために 、トランジスタのゲート長Lをできるだけ短 く構成すること、およびトランジスタのゲー ト幅Wをできるだけ無駄なく最小の幅で構成 ることが有効である。

 このことを、特許文献1に開示される不揮 発性記憶装置に当てはめて考えてみる。

 特許文献1によれば、図28に示される不揮 性記憶装置において、メモリセル1011の低抵 抗状態から高抵抗状態への変化(高抵抗化)は 下部電極1007に対し上部電極1009に正電圧を 加すること、つまり、ビット線1012をVpp、ソ ス線1013を0Vに設定することで行われる。

 このとき、トランジスタ1006の第1の拡散 領域であるソース領域1002(この場合、ソース 領域1002がトランジスタ1006のソースとして機 する)の電位は、半導体基板1001の電位とほ 同じ0Vとなり、トランジスタ1006に生じる基 バイアス効果は小さく抑えられる。

 他方、メモリセル1011の高抵抗状態から低 抵抗状態への変化(低抵抗化)は、ビット線1012 を0V、ソース線をVppに設定することで行われ 。

 このとき、第2の拡散層領域であるドレイ ン領域1003(この場合、ドレイン領域1003がトラ ンジスタ1006のソースとして機能する)の電位 、抵抗変化素子1010の抵抗値とトランジスタ 1006のオン抵抗との分圧で決まる電圧に上昇 、トランジスタ1006に生じる基板バイアス効 は、高抵抗化の場合と比べて大きくなる。

 このように、低抵抗化と比べてより大き 電流を必要とする高抵抗化を、トランジス に生じる基板バイアス効果がより小さくな 方向の電流によって行うことは、トランジ タの駆動能力に無駄な余裕を持たせる必要 なくなり、メモリセルのトランジスタを最 な寸法で構成する上で合理的である。

 なお、特許文献2に開示される半導体装置に おいても、より大きな電流を必要とするリセ ット動作を、トランジスタに生じる基板バイ アス効果がより小さくなる方向の電流によっ て行う点で、同様の考え方が取り入れられて いる。

特開2005-25914号公報(図2)

特開2005-267837号公報(図7、図8)

 本願発明者らは、抵抗変化型不揮発性記 装置の1つとして、遷移金属の酸素不足型の 酸化物を抵抗変化層とする1T1R型メモリセル 構成された抵抗変化型不揮発性記憶装置を 討している。

 ここで、酸素不足型の酸化物とは、酸素が 学量論的組成から不足した酸化物をいう。 移金属の1つであるTa(タンタル)の例で言え 、化学量論的な組成を有する酸化物としてTa 2 O 5 がある。このTa 2 O 5 では、O(酸素)がタンタルの2.5倍含まれており 、酸素含有率で表現すると、71.4%である。こ 酸素含有率71.4%よりも酸素含有率が低くな た状態の酸化物、すなわちTaO x と表現したとき、0<x<2.5を満足する非化 量論的な組成を有するタンタル酸化物を、 素不足型のタンタル酸化物と呼ぶ。

 課題を説明するための準備として、酸素 足型のタンタル酸化物を抵抗変化層とする 抗変化素子について、測定で得られたいく かの特性を説明する。

 図1は、測定に用いた抵抗変化素子の基本 構造を示す模式図である。抵抗変化層3302に 素不足型のタンタル酸化物を用い、これをPt (白金)からなる下部電極3301と、同じくPtから る上部電極3303でサンドイッチしたような上 下対称な構造とした。

 以下、この不揮発性素子を素子Aと呼ぶ。 なお、素子の名称と電極材料の関係は、実施 の形態で説明する素子も含めて、表1に示し 。

 図2は、この素子Aの抵抗変化の様子の一 を示す電流-電圧のヒステリシス特性を示す ラフであり、下部電極3301を基準にしたとき の上部電極3303の電圧を横軸に表し、素子Aに れる電流値を縦軸に表している。

 図2において、下部電極3301を基準に上部 極3303に正電圧を印加していくと、電流はほ 電圧に比例して増加し、A点で示す正電圧を 超えると急激に電流は減少する。すなわち低 抵抗状態から高抵抗状態へ変化(高抵抗化)し いる様子を示している。

 一方、高抵抗状態において、下部電極3301 を基準に上部電極3303に負電圧(上部電極3303を 基準に下部電極3301に正電圧を印加すること 等価)を印加していくと、B点で示す負電圧を 超えると急激に電流は増加する。すなわち高 抵抗状態から低抵抗状態へ変化(低抵抗化)し いる様子を示している。

 図2の特性を示す抵抗変化素子と、特許文 献1に開示される抵抗変化素子とは、抵抗変 層の材料は異なるものの、いずれも、双方 的な印加電圧によって高抵抗状態と低抵抗 態が切り換わる、いわゆるバイポーラ動作 し、かつ、下部電極に対し上部電極へ、正 圧の印加で高抵抗化し、負電圧の印加で低 抗化するという点で共通している。

 また、図2の特性は、高抵抗化はA点を通 して初めて起こり、低抵抗化はB点を通過し 起こることを示している。この特性から、 発明に係る抵抗変化素子の高抵抗化には、 抵抗化に比べて、より大きな電流が必要と れることが分かる。

 前述したように、より多くの電流が必要 高抵抗化を、メモリセルを構成するトラン スタに生じる基板バイアス効果が小さくな 極性の電圧印加にて行い、より小さい電流 足りる低抵抗化を、その逆極性の電圧印加 て行うことが、メモリセルのトランジスタ 最適な寸法で構成する上で合理的である。

 しかしながら、本願発明者らは、検討を める中で、1つの方向の抵抗変化(低抵抗化 たは高抵抗化)を安定的に生ぜしめる電圧印 方向(駆動極性)は必ずしも一様ではなく、 下電極にPtを用い、抵抗変化層に酸素不足型 のタンタル酸化物を用いて同一材料で作製し た抵抗変化素子の中でも、駆動極性が異なる ものがあることを見出した。

 例えば、ある抵抗変化素子は、下部電極3 301よりも上部電極3303が高い電圧を正として 上下の電極間に+2.0V、100nsのパルス電圧を印 することで低抵抗化し、-2.6V、100nsのパルス 電圧を印加することで高抵抗化することが確 認された。

 また、他の抵抗変化素子は、下部電極3301 よりも上部電極3303が高い電圧を正として、 下の電極間に-2.0V、100nsのパルス電圧を印加 ることで低抵抗化し、+2.7V、100nsのパルス電 圧を印加することで高抵抗化することが確認 された。

 図3(a)、図3(b)は、これらの抵抗変化素子 ついて、低抵抗化を引き起こすパルス電圧 高抵抗化を引き起こすパルス電圧とを交互 印加し続けたときの、その都度の抵抗値を したグラフである。横軸は加えた電気的な ルスの数を表し、縦軸は抵抗値を表してい 。

 図3(a)に示されるように、ある抵抗変化素 子は、最初、約33kωの高抵抗状態にあり、+2.0 Vのパルス電圧の印加で約500ωの低抵抗状態に 変化し、次に-2.6Vのパルス電圧の印加で約40k の高抵抗状態に変化した後、下部電極3301に し上部電極3303に正のパルス電圧の印加によ る低抵抗化と、下部電極3301に対し上部電極33 03に負のパルス電圧の印加による高抵抗化と 繰り返す。

 この抵抗変化の方向と印加電圧の極性と 関係を、便宜的にAモードと呼ぶ。

 図3(b)に示されるように、他の抵抗変化素 子は、最初、約42kωの高抵抗状態にあり、-2.0 Vのパルス電圧の印加で約600ωの低抵抗状態に 変化し、次に+2.7Vのパルス電圧の印加で約40k の高抵抗状態に変化した後、下部電極3301に し上部電極3303に負のパルス電圧の印加によ る低抵抗化と、下部電極3301に対し上部電極33 03に正のパルス電圧の印加による高抵抗化と 繰り返す。

 この抵抗変化の方向と印加電圧の極性と 関係を、便宜的にBモードと呼ぶ。図2に示 た電圧-電流ヒステリシス特性は、このBモー ドに対応している。

 なお、上述のパルス電圧値は、パルス発 器の設定出力電圧値を指しており、抵抗変 素子の両端間に印加されている実効的な電 値は、測定系を通じた電圧降下のためこれ り小さな電圧値と考えられる。

 このような結果が得られた素子Aにおいて 、上部電極3303と下部電極3301はいずれもPtか なり、それらに挟まれた酸素不足型のタン ル酸化物からなる抵抗変化層3302は、電極に して電気的には上下対称な関係である。

 このため、抵抗変化特性としてAモードお よびBモードのいずれが出現するかは必ずし 自明ではなく、経験則や実証的な測定結果 基づいていた。そしてこれらの現象は、抵 変化のメカニズムにおいて解明されていな 何らかの異方性要因により定まっていると 想される。

 AモードおよびBモードが不定に出現する 合、1T1R型のメモリ装置を構成する上で、次 課題が考えられる。

 第1の課題は、トランジスタのサイズを最 適化できないことである。

 抵抗変化特性をAモードおよびBモードの ずれか一方に限定できるのであれば、従来 り知られている考え方に従い、基板バイア 効果の小さい条件でトランジスタが動作す として、高抵抗化に必要な電流を駆動でき 最小限のサイズでトランジスタを構成する とができる。

 しかし、モードが不定であれば、基板バ アス効果の大きい条件でトランジスタが動 することも考慮して、高抵抗化に必要な電 を駆動できる余裕のあるサイズでトランジ タを構成しておく必要がある。そのため、 ードを限定できる場合に比べ、トランジス のゲート幅Wをより広く構成しておく必要が あり、メモリセルサイズの縮小化の大きな弊 害となり、好ましくない。

 第2の課題は、抵抗変化特性のモードを識 別する情報を管理する必要が生じることであ る。

 モードが不定であれば、抵抗状態を変化 せるために印加する電圧の極性と、電圧印 後に読み出される抵抗状態(高抵抗状態およ び低抵抗状態のいずれか)との対応が不定で るから、抵抗変化素子を実際的に記憶素子 して使用するためには、モードを識別する 報が必須となる。

 例えば、ロットやスライスの単位で同じ ードが出現する場合は、チップ内に管理用 記憶素子を設け、製造段階で、その管理用 記憶素子に、抵抗変化素子がAモードおよび Bモードのいずれで抵抗変化するかを示す識 情報を記録しておき、利用段階で、その識 情報に応じて、書き込み動作において印加 圧の極性を反転するか、または読み出し動 において出力データの極性を反転する。

 そうすれば、抵抗変化素子を実際的に記 素子として使用することができると考えら るが、回路構成や制御方法が複雑になり、 ましくない。さらには、もう少し細かな単 、例えばメモリセルの単位で異なるモード 出現する場合は、メモリセルごとに管理用 記憶素子を設けてモードの識別情報を記録 ることは、実際的には不可能である。

 本発明は、このような事情に鑑みてなさ たものであり、抵抗変化素子を用いた1T1R型 の不揮発性記憶装置について、抵抗変化素子 の抵抗変化特性のAモードおよびBモードの出 を制御可能とし、最適なトランジスタ寸法 メモリセルの設計を可能とする技術を提供 ることを目的とする。

 上記の課題を解決するために、本発明の不 発性記憶装置は、半導体基板と、第1電極と 、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との 間に介在させ、前記第1電極と前記第2電極と するように設けられており、前記第1電極と 前記第2電極間に与えられる極性の異なる電 的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化す 抵抗変化層からなる不揮発性記憶素子と、 記半導体基板の主面に構成された、第1のN型 拡散層領域と、ゲートと、前記ゲートを挟ん で前記第1のN型拡散層領域と反対側に構成さ る第2のN型拡散層領域よりなるN型MOSトラン スタと、を備え、前記抵抗変化層はタンタ およびハフニウムのいずれか一方の酸素不 型の酸化物を含み、前記第1電極と前記第2 極は、異なる元素からなる材料によって構 され、前記第1電極の標準電極電位V 1 と、前記第2電極の標準電極電位V 2 と、タンタルおよびハフニウムのいずれか前 記一方の標準電極電位V t とが、V t <V 2 かつV 1 <V 2 を満足し、前記第1電極と、前記N型MOSトラン スタの前記第1のN型拡散層領域とを接続し メモリセルを構成する。

 また、本発明の不揮発性記憶装置は、半導 基板と、第1電極と、第2電極と、前記第1電 と前記第2電極との間に介在させ、前記第1 極と前記第2電極と接するように設けられて り、前記第1電極と前記第2電極間に与えら る極性の異なる電気的信号に基づいて可逆 に抵抗値が変化する抵抗変化層からなる不 発性記憶素子と、前記半導体基板の主面に 成されたNウェルと、前記Nウェルの領域内に 構成される、第1のP型拡散層領域と、ゲート 、前記ゲートを挟んで前記第1のP型拡散層 域と反対側に構成される第2のP型拡散層領域 よりなるP型MOSトランジスタと、を備え、前 抵抗変化層はタンタルおよびハフニウムの ずれか一方の酸素不足型の酸化物を含み、 記第1電極と前記第2電極は、異なる元素から なる材料によって構成され、前記第1電極の 準電極電位V 1 と、前記第2電極の標準電極電位V 2 と、タンタルまたはハフニウムのいずれか前 記一方の標準電極電位V t とが、V t <V 2 かつV 1 <V 2 を満足し、前記第2電極と、前記P型MOSトラン スタの前記第1のP型拡散層領域とを接続し メモリセルを構成する。

 本発明の不揮発性記憶装置によると、抵 変化層に抵抗変化を起こさせにくい電極材 である第1電極と抵抗変化層に抵抗変化を起 こさせやすい電極材料である第2電極とで抵 変化層を挟んでなる抵抗変化型の不揮発性 憶素子を用いてメモリセルを構成するので 各メモリセルにおいて、第1電極を基準にし 第2電極に正の電圧を印加することで高抵抗 化し、第2電極を基準にして第1電極に正の電 を印加することで低抵抗化するように、抵 変化のための電圧印加方向(駆動極性)を一 的に決定できる。

 一般的に、抵抗変化素子を高抵抗化させ 場合、低抵抗化させる場合と比べて、低い 抗値の状態にある抵抗変化素子に抵抗変化 起こすだけの電圧を発生させるために、よ 多くの駆動電流が必要となる。

 そこで、前記抵抗変化素子とN型MOSトラン ジスタとでメモリセルを構成する場合、前記 抵抗変化素子の第1電極とN型MOSトランジスタ 第1のN型拡散層領域とを接続する。この接 により、前記抵抗変化素子を高抵抗化する 合、N型MOSトランジスタの第2のN型拡散層領 を接地し、N型MOSトランジスタに基板バイア 効果が生じにくい接地バイアスにて、前記 抗変化素子に駆動電流を供給することがで る。

 また、前記抵抗変化素子とP型MOSトランジ スタとでメモリセルを構成する場合、前記抵 抗変化素子の第2電極とP型MOSトランジスタの 1のP型拡散層領域とを接続する。この接続 より、前記抵抗変化素子を高抵抗化する場 、P型MOSトランジスタの第2のN型拡散層領域 電源に接続し、P型MOSトランジスタに基板バ アス効果が生じにくい電源バイアスにて、 記抵抗変化素子に駆動電流を供給すること できる。

 その結果、基板バイアス効果の大きい条 でトランジスタが動作することも考慮して 高抵抗化に必要な電流を駆動できる余裕の るサイズでトランジスタを構成しておく必 がなくなり、最適なトランジスタ寸法でメ リセルの設計が可能となる。

 さらには、抵抗変化現象は抵抗変化層と 極材料との間の相互作用であり、抵抗変化 料だけではなく、特定の電極材料との組合 が重要となる。例えば電極として、PtやIr( リジウム)などの比較的高価な材料と組み合 せる場合、一方の電極だけに使用し、他方 電極はW(タングステン)などのできるだけ安 な材料で構成できることが望ましい。その うな場合において、どちら側の電極とトラ ジスタを接続するのが有効かを確実に決定 ることができる。

 すなわち、1T1R型メモリセルを用いた抵抗 変化型の不揮発性記憶装置を、小さなレイア ウト面積で実現し、集積度の向上ならびにコ ストの低減を図ることができる。

図1は、本発明の基礎データとしての不 揮発性記憶素子の基本構造を示す模式図であ る。 図2は、本発明の基礎データとしての不 揮発性記憶素子の抵抗変化における電流-電 のヒステリシス特性の一例を示す図である 図3(a)、(b)は、本発明の基礎データとし ての不揮発性記憶素子の抵抗値と電気パルス 印加回数との関係の一例を示す図である。 図4は、本発明の基礎データとしての不 揮発性記憶素子のタンタル酸化物層の組成の 解析結果を示す図である。 図5は、本発明の基礎データとしての不 揮発性記憶素子の構成を示す断面図である。 図6(a)、(b)は、本発明の基礎データとし ての不揮発性記憶素子の抵抗値と電気パルス 印加回数との関係を示す図である。 図7(a)、(b)は、本発明の基礎データとし ての不揮発性記憶素子の抵抗値と電気パルス 印加回数との関係を示す図である。 図8(a)、(b)は、本発明の基礎データとし ての不揮発性記憶素子の抵抗値と電気パルス 印加回数との関係を示す図である。 図9(a)、(b)は、本発明の基礎データとし ての不揮発性記憶素子の抵抗値と電気パルス 印加回数との関係を示す図である。 図10(a)、(b)は、本発明の基礎データと ての不揮発性記憶素子の抵抗値と電気パル 印加回数との関係を示す図である。 図11(a)、(b)は、本発明の基礎データと ての不揮発性記憶素子の抵抗値と電気パル 印加回数との関係を示す図である。 図12は、本発明の基礎データとしての 揮発性記憶素子の抵抗値と電気パルス印加 数との関係を示す図である。 図13(a)~(h)は、本発明の基礎データとし ての不揮発性記憶素子の抵抗値と電気パルス 印加回数との関係を示す図である。 図14は、本発明の基礎データとしての 揮発性記憶素子の電極材料種と標準電極電 の関係を示す図である。 図15(a)、(b)は、本発明の基礎データと ての不揮発性記憶素子の動作を説明するた の断面模式図である。 図16(a)、(b)は、本発明の基礎データと ての不揮発性記憶素子の動作を説明するた の断面模式図である。 図17は、本発明の基礎データとしての 揮発性記憶素子のハフニウム酸化物層の組 の解析結果を示す図である。 図18(a)、(b)は、本発明の基礎データと ての不揮発性記憶素子の抵抗値と電気パル 印加回数との関係を示す図である。 図19(a)~(g)は、本発明の基礎データとし ての不揮発性記憶素子の抵抗値と電気パルス 印加回数との関係を示す図である。 図20は、本発明の基礎データとしての 揮発性記憶素子の電極材料種と標準電極電 の関係を示す図である。 図21は、本発明の実施の形態に係る抵 変化型不揮発性記憶装置の構成図である。 図22は、本発明の実施の形態に係る抵 変化型不揮発性記憶装置のメモリセル部の 成の一例を示す断面図である。 図23(a)~(c)は、本発明の実施の形態に係 る抵抗変化型不揮発性記憶装置の動作タイミ ングチャートである。 図24は、本発明の実施の形態に係る抵 変化型不揮発性記憶装置のメモリセル特性 シミュレーション図である。 図25(a)~(f)は、本発明の実施の形態に係 るメモリセルの回路構成を示す回路図である 。 図26(a)~(f)は、本発明の実施の形態に係 るメモリセルを実現するための抵抗変化素子 とトランジスタとの接続関係を示す図である 。 図27は、本発明の実施の形態に係る抵 変化型不揮発性記憶装置のメモリセル部の 成の一例を示す断面図である。 図28は、従来の抵抗変化型不揮発性記 装置のメモリセルの断面模式図である。 図29は、従来の相変化メモリを用いた 導体装置の断面図である。

符号の説明

  200  不揮発性記憶装置
  201  メモリ本体部
  202  メモリアレイ
  203  列選択回路
  204  センスアンプ
  205  データ入出力回路
  206  書き込み回路
  207  行ドライバ
  208  行選択回路
  209  アドレス入力回路
  210  制御回路
  211  書き込み用電源
  212  低抵抗(LR)化用電源
  213  高抵抗(HR)化用電源
  300  メモリセル
  301  半導体基板
  302a、302b N型拡散層領域
  303a ゲート絶縁膜
  303b ゲート電極
  304、306、308、310 ビア
  305、307、311 配線層
  309  抵抗変化素子
  309a、309d 下部電極
  309b、309e 抵抗変化層
  309c、309f 上部電極
  317  トランジスタ
  400  メモリセル
  402a、402b P型拡散層領域
  409  抵抗変化素子
  417  トランジスタ
  418  Nウェル
  500  不揮発性記憶素子
  501  単結晶シリコン基板
  502  酸化物層
  503  下部電極
  504  酸素不足型の遷移金属の酸化物層
  505  上部電極
  506  素子領域
 1401、1501 下部電極
 1402、1502 酸素不足型のタンタル酸化物層
 1403、1503 上部電極
 1404、1504 酸素イオン
 3301  下部電極
 3302  抵抗変化層
 3303  上部電極

 以下、本発明の実施形態について、図面 参照しながら詳細に説明する。

 本発明の実施の形態における抵抗変化型 揮発性記憶装置は、抵抗変化素子とMOSトラ ジスタとを直列に接続してなる1T1R型の不揮 発性記憶装置であって、抵抗変化素子の抵抗 変化特性のモードを固定するとともに、固定 されるモードに応じてMOSトランジスタの構成 を最適化するものである。

 [本発明の基礎データ]
 準備として、本発明の抵抗変化型不揮発性 憶装置に用いられる2種類の抵抗変化素子に 関する基礎的なデータを説明する。

 これらの抵抗変化素子は、異種の材料か なる上下の電極で、それぞれ酸素不足型の ンタル酸化物からなる抵抗変化層、および 素不足型のハフニウム酸化物からなる抵抗 化層を挟んで構成される。

 これらの抵抗変化素子は、可逆的に安定 た書き換え特性を有する、抵抗変化現象を 用した不揮発性記憶素子を得ることを目的 して本願発明者らにより発明されたもので り、それぞれ関連特許出願である特願2007-26 7583号、および特願2008-121947号(特許文献)で詳 に説明されている。

 これらの抵抗変化素子が有している、抵 変化特性を前述のAモードおよびBモードの ずれか意図した一方に固定できるという特 を、本発明の抵抗変化型不揮発性記憶装置 利用する。以下では説明のために、前記関 特許出願の内容の一部を引用する。

 なお、本明細書において、「抵抗変化素 」と「抵抗変化型の不揮発性記憶素子(また は、短く、不揮発性記憶素子)」とを同義で いる。

 [抵抗変化層に酸素不足型のタンタル酸化物 を用いた抵抗変化素子]
 まず、酸素不足型のタンタル酸化物を使っ バイポーラ動作する抵抗変化型の不揮発性 憶素子に関する第1の実験について説明する 。

 第1の実験では、酸素不足型のタンタル酸 化物を使ったバイポーラ動作する抵抗変化型 の不揮発性記憶素子を、上下のどちらかの電 極近傍でのみ抵抗変化が起こりやすく構成す ることによって、可逆的に安定した書き換え 特性が得られるかを検証した。

 この検証のため、抵抗変化の起きやすさ 電極の材料種によって変化すると想定して 異種材料の上下電極で酸素不足型のタンタ 酸化物を挟んだ構造の抵抗変化素子を作製 、抵抗変化特性を測定した。

 以下では、第1の実験の結果について説明 する。

 なお、この検証結果を説明する前に、酸 不足型のタンタル酸化物層の形成方法や、 素含有率の好適な範囲を説明する。

 その後、抵抗変化の起こりやすさが電極材 に依存するかどうかの確認を行うため、Pt W、Ta、TaN(チッ化タンタル)からなる電極でTaO x 層を挟んだ構造を形成し、電気パルスによる 抵抗変化現象の様子を調べた結果について述 べる。

 そして最後に、動作しやすい電極材料と 作しにくい電極材料で酸素不足型のタンタ 酸化物を挟み込んだ構造の抵抗変化素子の 抗変化の測定結果について述べる。

 [スパッタリング時の酸素流量比とタンタル 酸化物層の酸素含有率との関係]
 まず、第1の実験における酸素不足型のタン タル酸化物層の作製条件及び酸素含有率の解 析結果について述べる。

 酸素不足型のタンタル酸化物層は、Taター ットをアルゴン(Ar)ガスとO 2 (酸素)ガス雰囲気中でスパッタリングする、 わゆる、反応性スパッタリングで作製した

 第1の実験での具体的な酸素不足型のタン タル酸化物の作製方法は次の通りである。

 まずスパッタリング装置内に基板を設置し スパッタリング装置内を7×10 -4 Pa程度まで真空引きする。Taをターゲットと て、パワーを250W、ArガスとO 2 ガスとをあわせた全ガス圧力を3.3Pa、基板の 定温度を30℃にし、スパッタリングを行っ 。ここでは、Arガスに対するO 2 ガスの流量比を0.8%から6.7%まで変化させた。

 まずは、組成を調べる事が目的であるため 基板としては、シリコン(Si)上にSiO 2 を200nm堆積したものを用い、タンタル酸化物 の膜厚は約100nmになるようにスパッタリン 時間を調整した。

 このようにして作製したタンタル酸化物 の組成をラザフォード後方散乱法(RBS法)、 びオージェ電子分光法(AES法)によって解析し た結果を図4に示す。

 この図から、酸素分圧比を0.8%から6.7%に変 させた場合、タンタル酸化物層中の酸素含 率は約35at%(TaO 0.66 )から約70at%(TaO 2.3 )へと変化していることが分かる。

 以上の結果より、タンタル酸化物層中の酸 含有率を酸素流量比によって制御可能であ 事と、タンタルの化学量論的な酸化物であ Ta 2 O 5 (TaO 2.5 )の酸素含有率71.4at%よりも酸素が不足してい 、酸素不足型のタンタル酸化物が形成され いる事が明らかとなった。

 なお、第1の実験では、タンタル酸化物層 の解析にラザフォード後方散乱法(RBS)及びオ ジェ電子分光法(AES)を利用したが、蛍光X線 析法(XPS)や電子線マイクロアナリシス法(EPMA )等の機器分析手法も利用可能である。

 [酸素不足型のタンタル酸化物層の組成と抵 抗変化特性]
 以上のように作製した酸素不足型のタンタ 酸化物のうち、どの程度の酸素含有率を有 る酸素不足型のタンタル酸化物が抵抗変化 示すのかを調べた。ここで酸素不足型のタ タル酸化物層を挟む電極の材料として用い のは、上下の電極ともにPtである。

 上下にPtを用いた場合は、上述のように バイポーラ型の抵抗変化型の不揮発性素子 しては不適当である。しかしながら、Ptは後 述するように、抵抗変化を非常に示しやすい 電極材料であり、ある酸素含有率を有する酸 素不足型のタンタル酸化物が抵抗変化を示す か否かの判定を行うには最も好適な材料であ る。

 以上のような理由から、図5のような不揮 発性記憶素子500を形成した。

 すなわち、単結晶シリコン基板501上に、 さ200nmの酸化物層502を熱酸化法により形成 、下部電極503としての厚さ100nmのPt薄膜を、 パッタリング法により酸化物層502上に形成 た。

 その後、Taをターゲットとして、反応性ス ッタリングによって酸素不足型のタンタル 化物層504を形成した。第1の実験で検討した 囲では、上記の分析試料と同様に、O 2 ガスの流量比を、0.8%から6.7%まで変化させて 揮発性記憶素子を作製した。酸素不足型の ンタル酸化物層504の膜厚は30nmとした。

 その後、酸素不足型のタンタル酸化物層5 04の上に、上部電極505としての厚さ150nmのPt薄 膜をスパッタ法により堆積した。

 最後にフォトリソグラフィー工程とドラ エッチング工程によって、素子領域506を形 した。なお、素子領域506は、直径が3μmの円 形パターンである。

 以上のように作製した不揮発性記憶素子 抵抗変化現象を測定した。その結果、図4の α点(酸素流量比約1.7%、酸素含有率約45at%)か β点(酸素流量比約5%、酸素含有率約65at%)のタ ンタル酸化膜を使った不揮発性記憶素子では 、高抵抗値が低抵抗値の5倍以上と良好であ た。

 図6(a)、図6(b)は、それぞれ、α点およびβ の酸素含有率を有するタンタル酸化物層を った不揮発性記憶素子についてのパルス印 回数に対する抵抗変化特性を測定した結果 ある。

 図6(a)、図6(b)によれば、α点およびβ点の 素含有率を有するタンタル酸化物層を使っ 素子では、共に、高抵抗値が低抵抗値の5倍 以上と良好であることが判る。

 従って、酸素含有率が45~65at%の組成範囲、 ち抵抗変化層をTaO x と表記した場合におけるxの範囲が0.8≦x≦1.9 範囲がより適切な抵抗変化層の範囲である 言える(酸素含有率=45at%がx=0.8に、酸素含有 =65at%がx=1.9にそれぞれ対応)。

 [W、Ta、TaNを上下の電極材料に用いた抵抗変 化素子の抵抗変化特性]
 次に、抵抗変化の起こりやすさが、電極材 に依存するかどうかの確認を行うため、Pt 外の材料として、W、Ta、TaNから成る下部電 503と上部電極505で酸素不足型のタンタル酸 物層504を挟んだ構造を作製し、電気パルス よる抵抗変化の様子を調べた結果について 明する。

 なお、ここでも抵抗変化の起こりやすさだ を評価する目的で実験を行ったので、上下 電極材料は同一とした。また、使用した酸 不足型のタンタル酸化物の酸素含有率は、 適な酸素含有率の範囲のほぼ中間の58at%(TaO 1.38 )とした。素子の形成方法は上記とほぼ同じ あり、Pt、W、Ta、TaNのいずれもスパッタリン グ法によって堆積した。

 まず、比較のため、下部電極503と上部電 505のいずれもPtからなる薄膜により形成し 不揮発性記憶素子(以下、素子Bと表す)の抵 変化特性について述べる。

 図7(a)、図7(b)は、このようにして作製し 素子Bの電気パルスによる抵抗変化の測定結 である。

 図7(a)は、下部電極503と上部電極505の間に は、パルス幅が100nsecで、下部電極503を基準 して上部電極505に+3.0Vと-1.5Vの電圧を有する 気的パルスを交互に印加した時の抵抗の測 結果である。

 この場合、+3.0Vの電圧の電気パルスを印 する事で抵抗値は800~1000ω程度となり、-1.5V 電圧の電気パルスを印加した場合は、150ω程 度と変化していた。すなわち、上部電極505に 下部電極503よりも高い電圧の電気パルスを加 えた時に高抵抗化する変化を示した。

 また、詳細は省略するが、追加的な実験 ら、このときの抵抗変化は上部電極505の近 で生じていることを推認する結果が得られ 。

 次に、印加する電圧のバランスを変化さ 、負の電圧を大きくした場合の結果が図7(b) である。この場合、下部電極503に対して上部 電極505に-3.0Vと+1.5Vの電圧の電気的パルスを 加した。すると、-3.0Vの電気パルスを印加し た時に、高抵抗化し、抵抗値は600~800ω程度と なり、+1.5Vの電気パルスを印加した時に低抵 化して、抵抗値は150ω程度となっている。 なわち、上部電極505に下部電極503よりも高 電圧の電気パルスを加えた時に低抵抗化し おり、図7(a)を測定した時と、正反対の動作 示した。

 また、詳細は省略するが、追加的な実験 ら、このときの抵抗変化は下部電極503の近 で生じていることを推認する結果が得られ 。

 次に、下部電極503と上部電極505のいずれ Wからなる薄膜により形成した不揮発性記憶 素子(以下、素子Cと表す)の抵抗変化特性につ いて述べる。

 図8(a)、図8(b)は、このようにして作製し 素子Cの電気パルスによる抵抗変化の測定結 である。

 図8(a)は、上部電極505の近傍での抵抗変化 を起こさせる(上部電極モード)事を目的に、 部電極503を基準にして上部電極505に+7Vと、- 5Vを交互に印加した時の抵抗値の変化を示す 上部電極モードは、下部電極を基準として 部電極に正電圧を印加することで高抵抗化 起こすモードであり、前述のBモードに対応 する。

 図8(a)から分かるように、パルス数が30回 度まででは、弱いながらも、Bモードでの抵 抗変化が観測されており、+7Vの電気パルスを 印加した時に高抵抗化し、-5Vの電気パルスを 印加した時に低抵抗化している。しかしなが ら、パルス数が30回を超えると、抵抗変化が とんど観測されなくなっている。

 逆に下部電極503の近傍での抵抗変化を起 させる(下部電極モード)事を目的に、上部 極505に+5Vと、-7Vを交互に印加した時の抵抗 の変化を図8(b)示す。下部電極モードは、上 電極を基準として下部電極に正電圧を印加 ることで高抵抗化を起こすモードであり、 述のAモードに対応する。

 図8(b)から分かるように、この場合はほと んど抵抗値の変化は観測されておらず、抵抗 値は30ω程度で一定の値になっている。

 ここで図7(a)の上下の電極をPtで形成した 子Bの結果と図8(a)の結果を比較すると、Wを 極に使用した時、明らかに抵抗変化が起こ にくくなっているのが分かる。

 素子Bの測定結果である図7(a)では、低抵 状態の抵抗値は150ω、高抵抗状態の抵抗値は 約1000ωと、比率にして7倍程度の変化をして るのに対し、Wを電極材料に使用した素子Cの 測定結果である図8(a)では、大きく抵抗変化 ている範囲でも、高々、50ωと100ωの間で抵 変化が起こっているだけであり、比率とし は、2倍程度の変化をしているだけである。

 印加している電圧も、図7(a)の測定時は、 +3.0Vと-1.5Vであるのに対し、図8(a)では、+7Vと- 5Vと非常に高い電圧を印加しているにも関わ ず、ほとんど抵抗変化が見られていない。

 以上のように、Wを電極に使用した場合、 電極にPtを使用した場合に比べて、明らかに 抗変化が起こりにくい事がわかる。

 以上の結果は、酸素不足型のタンタル酸 物を抵抗変化層に用いた抵抗変化素子の動 は、使用する電極の材料に非常に強く依存 る事を意味している。すなわち、少なくと 、Ptを電極に用いた場合は抵抗変化が起こ やすく、Wを電極に用いた場合、抵抗変化は こりにくいのは明らかである。

 また、詳しくは説明しないが、TaやTaNを 下の電極に用いた抵抗変化素子も作製し、 抗変化特性の測定を行った。

 図9(a)、図9(b)は下部電極503と上部電極505 いずれにも、Taを用いた素子Dの抵抗変化特 である。

 図9(a)は、上部電極505に+7Vと-5Vの電気パル スを加えた場合で、図9(b)は上部電極505に+5V -7Vの電気パルスを加えた場合の測定結果で る。いずれの場合も、ほとんど抵抗変化は こっていない。

 また、図10(a)は下部電極503と上部電極505 いずれにも、TaNを用いた素子Eの抵抗変化特 である。図10(a)は、上部電極505に+7Vと-5Vの 気パルスを加えた場合で、図10(b)は上部電極 505に+5Vと-7Vの電気パルスを加えた場合の測定 結果である。この場合も、ほとんど変化して いないと言って良い程度の抵抗変化しか起こ っていない。

 以上のように、W以外にも抵抗変化が起こ りにくい材料は存在する。

 [WとPtを電極に用いた抵抗変化素子の抵抗変 化特性]
 次に抵抗変化を起こしやすい材料であるPt 、抵抗変化を起こしにくい材料でかつ、プ セス安定性の高い材料であるWで酸素不足型 タンタル酸化物を挟み込んだ形の抵抗変化 子である素子Fの抵抗変化特性について述べ る。

 用意した素子は、下部電極503としてW薄膜 を用い、上部電極505としてPt薄膜を用いて作 した。W薄膜とPt薄膜は、それぞれ、Wターゲ ットとPtターゲットをArガス中でスパッタリ グする事で堆積した。

 以上のようにして作製した素子Fの電気パ ルスによる抵抗変化の様子を図11(a)、図11(b) 示す。

 図11(a)は、上部電極505の近傍での抵抗変 を起こさせる(Bモード)事を目的に、下部電 503を基準にして上部電極505に+2.5Vと、-1.5Vを 互に印加した時の抵抗値の変化である。こ 場合、抵抗値は、+2.5Vの電気パルスを印加 た時には約600ωとなり、-1.5Vの電気パルスを 加した時に60ωとなって安定して変化してい る。

 一方で、下部電極503の近傍での抵抗変化 起こさせる(Aモード)事を目的に、下部電極5 03を基準にして上部電極505に+1.5Vと、-2.5Vを交 互に印加した時の抵抗値の変化を図11(b)に示 。この場合は、抵抗変化は、60ωと100ωの間 抵抗変化が起こっているだけであり、Bモー ドの抵抗変化を起こさせるための電圧印加と 比較して、無視できる程度の抵抗変化しか起 こっていない。

 以上の図11(a)、図11(b)の結果から、素子F 、片側の電極近傍だけで抵抗変化を起こす イポーラ動作する抵抗変化型の不揮発性記 素子の理想的な動作を示している。

 また、AモードとBモードの混ざりあいの うな現象もみられなかった。

 例えば、図12は、図11(a)、図11(b)の測定結 を得た素子Fとは別の素子(同一基板上の異 る素子)に1000回程度電気パルスを加えた結果 を示しているが、抵抗変化現象が非常に安定 して発生しているのが見て取れる。

 以上の事から、抵抗変化現象を起こしや い電極と、抵抗変化現象を起こしにくい電 で抵抗変化層を挟んだ構造を形成する事で 意図した片側の電極側で抵抗変化させるこ ができるため安定動作し、望ましいバイポ ラ動作を示す抵抗変化型の不揮発性記憶素 が作製可能である事が分かった。

 また、印加電圧と抵抗値の関係は、抵抗 化を起こしやすい電極に正の電圧の電気パ スを印加した時に、抵抗値が高くなり、負 電圧の電気パルスを印加した時に抵抗値が くなるような動作を示す。

 [上下の電極材料種に応じた抵抗変化素子の 抵抗変化特性]
 次に、電極材料が相異なるいくつかの素子 ついて抵抗変化の起こりやすさを評価した 2の実験の結果を示す。

 第2の実験の結果として、下部電極503をW 固定し、上部電極505をPt以外の相異なる材料 で構成した複数の素子の抵抗変化の様子につ いて述べる。ここで下部電極503をWに固定し のは、Wが比較的安定した材料であり、加工 比較的容易である事による。

 なお、素子の作製方法は、第1の実験で説明 した方法と同様であり、下部電極503、上部電 極505は全てスパッタリング法によって形成し た。また、抵抗変化材料である酸素不足型の タンタル酸化物もタンタル金属をO 2 とAr中でスパッタリングして作製した。

 電極の違いに応じた抵抗変化の特性を調べ ため、酸素不足型のタンタル酸化物の組成 全て同じに設定した。すなわち、酸素含有 を約58at%の酸素不足型のタンタル酸化物(TaO x と表現した時、xは1.38)に固定した。

 また、第2の実験では、下部電極503を動作 しにくいWとしたので、抵抗値の変化がほと ど生じないAモード(上部電極に対し、下部電 極に高い電圧を加えた時に高抵抗化するモー ド)の結果は省略し、Bモード(下部電極に対し 、上部電極に高い電圧を加えた時に高抵抗化 するモード)の結果のみを示す。Bモードで抵 変化させた時の電気パルスの電圧は、素子 よって若干の違いはあるが、下部電極を電 の基準として、高抵抗化させる時の電圧は+ 1.8~+2.0Vとし、低抵抗化させる時の電圧は-1.3~- 1.6Vとした。

 図13(a)~図13(h)に測定結果をまとめる。

 まず、図13(a)の上部電極にIrを用いた素子 G、図13(b)の上部電極にAg(銀)を用いた素子H、 13(c)の上部電極にCu(銅)を用いた素子Iの結果 を見ると、比較的安定して、大きな幅で抵抗 変化が生じているのが分かる。次に、図13(d) 上部電極にNi(ニッケル)を用いた素子J、図13 (h)の上部電極にTaNを用いた素子Nでは、若干 抵抗変化が見られたがその変化幅が小さい

 次に、図13(e)の上部電極にTaを用いた素子 K、図13(f)の上部電極にTi(チタン)を用いた素 L、図13(g)が上部電極にAl(アルミニウム)を用 た素子Mでは、全く抵抗変化現象は観測され なかった。これらの材料は、本質的に抵抗変 化が生じにくい性質を持っていると考えられ る。

 以上の結果から分かる事は、酸素不足型 タンタル酸化物を用いた不揮発性記憶素子 は、抵抗変化現象が生じやすい(動作しやす い)材料と、生じにくい(動作しにくい)材料が 存在すると言う事である。第2の実験の範囲 言えば、動作しやすい電極はPt、Ir、Ag、Cuで あり、動作しにくい電極材料はW、Ni、Ta、Ti Al、TaNである。

 これらの材料の組み合わせで酸素不足型 タンタル酸化物を挟んだ構造の抵抗変化素 を形成すれば、モードの混ざり合いのない 定した抵抗変化が得られる。但し、図7(a)、 図11(b)、図13(d)、図13(h)を参照すると、W、Ni、 TaN電極では、微弱ながらも抵抗変化は観測さ れている。それ故にこれらの材料を一つの電 極に用い、例えば、第2の実験で全く抵抗変 が観測されなかった電極材料であるTa、Ti、A lをもう一つの電極に用いた場合、微弱なが も安定した抵抗変化が期待できる。

 次に、抵抗変化自体の起こるメカニズム 、抵抗変化の起こりやすさの材料依存性に いて若干の考察を行う。

 図14は、第1の実験と第2の実験の結果をま とめたものである。横軸は電極材料、縦軸に は標準電極電位をプロットしてある。図14の は抵抗変化が起こりやすかった事を意味し △は変化の割合が小さいものの抵抗変化が こった事を意味し、×は抵抗変化が起こら かった事を意味する。なお、TiN(チッ化チタ )は第1の実験および第2の実験では用いなか た電極材料であり、参考のために・で示し いる。

 図14において、TaN、TiN以外の電極材料の 準電極電位は、非特許文献1:「CRC HANDBOOK of CHEMISTRY and PHYSICS, DAVID R.LIDE Editor-in-chif, 8 4th Edition 2003-2004, CRC PRESS」に開示された文 献値であり、TaN、TiNの標準電極電位は、発明 者らが測定したデータである。

 発明者らは、TaN、TiNを含むいくつかの電極 料の標準電極電位を、Solartron社製の電気化 測定システムSI1280Bを用いて構成した3電極 のポテンショスタットにより測定した。測 条件として、作用極に測定対象となる電極 料、対極にPt電極、参照極にAg/AgCl電極を用 、電解液には1wt%KCl7mlをN 2 バブリング下で用いた。

 このような条件下で作用極と対極との間 電位平衡点を探索することによって、電極 料のAg/AgCl電極に対する電位平衡点における 電位を測定した後、測定された電位に+0.196V 加えた値を、電極材料の標準水素電極に対 る電位(すなわち標準電極電位)とした。

 図14を見ると、抵抗変化層の構成元素で るTaよりも標準電極電位が高い材料では抵抗 変化が起こっており、低い材料では抵抗変化 が起こりにくくなっている事が分かる。そし て、標準電極電位の差が大きいほど抵抗変化 が起こりやすく、差が小さくなるにつれて、 抵抗変化が起こりにくくなっているのが分か る。

 一般に標準電極電位は、酸化のされ易さ 一つの指標であり、この値が大きければ酸 されにくく、小さければ酸化されやすい事 意味する。この事から酸化のされやすさが 抗変化現象のメカニズムに大きな役割を果 しているのではないかと推測される。

 以上の結果をもとに、抵抗変化のメカニ ムを考える。まず。抵抗変化が起こり易い 料(標準電極電位が大きく酸化されにくい材 料)によって上部電極が構成されている場合 ついて、図15(a)、図15(b)を使って説明する。

 図15(a)のように、下部電極1401と、酸素不 型のタンタル酸化物層1402と、Taよりも酸化 れにくい材料によって構成されている上部 極1403からなる抵抗変化素子に、下部電極140 1に対して高い電圧を上部電極1403に印加した 合、酸素不足型のタンタル酸化物中の酸素 子がイオンとなって、電界によって移動し 上部電極1403の界面近傍に集まる。

 しかし、上部電極1403を構成する金属はTa 比べて酸化されにくいので、酸素イオン1404 は酸素不足型のタンタル酸化物層1402と上部 極1403の界面に滞留した状態になり、界面付 でTaと結合し、酸素濃度の高い酸素不足型 タンタル酸化物を形成する。この事によっ 素子は高抵抗化する。

 次に、図15(b)のように、下部電極1401に高 電圧を印加した場合、酸素原子は再び酸素 オンとなって、酸素不足型のタンタル酸化 層1402の内部に戻っていく。これにより、低 抵抗化が起っていると考えられる。

 次に、Taよりも酸化されやすい材料によ て上部電極が構成されている場合について 明した図が図16(a)、図16(b)である。

 図16(a)のように下部電極1501と、酸素不足 のタンタル酸化物層1502と、Taよりも酸化さ 易い材料によって構成されている上部電極1 503からなる抵抗変化素子に、下部電極1501に して高い電圧を上部電極1503に印加した場合 酸素不足型のタンタル酸化物中の酸素原子 イオンとなって電界によって移動し、上部 極1503の界面近傍に集まる。

 この場合、上部電極1503はTaよりも酸化さ やすいので、酸素イオン1504は上部電極1503 内部に吸いとられて、上部電極1503を形成し いる材料と結合を起こす。この場合、図15(a )とは異なり、酸素不足型のタンタル酸化物 1502と上部電極1503の界面に高抵抗層が形成さ れず、さらに上部電極1503を構成する元素の に対して酸素イオンの数は少ないために、 抗値はほとんど上昇しない。

 逆に、図16(b)のように、下部電極1501に高 電圧を印加した場合、上部電極1503に吸い取 られた酸素は、上部電極材との結合がより安 定であるため、酸素不足型のタンタル酸化物 層1502の中には戻りにくく、抵抗値は大きく 変化しないと考えられる。

 もし、図15(a)、図15(b)、図16(a)、および図1 6(b)において、上部電極を構成する材料の酸 のされやすさがTaと同程度の場合、上記の2 の例の中間的な変化が生じ、微弱な抵抗変 が生じると考えられる。

 以上の結果から分かるように、酸素不足 のタンタル酸化物を抵抗変化層に使用した 揮発性記憶素子では、上部電極と下部電極 で異なる標準電極電位を有する材料を用い ば良い。

 これにより、片側の電極近傍で優勢に抵 変化が起こって、理想的なバイポーラ型の 抗変化を実現できる。さらに、抵抗変化モ ドの混ざり合いも起こらず、安定した抵抗 化動作が可能となる。

 より好適には、一方の電極材料には、Ta 標準電極電位よりも大きく、かつ差の大き 材料を用い、もう一方の電極材料には、Taの 標準電極電位よりも大きく差の小さな材料を 用いればよい。

 さらにより好適には、一方の電極材料に 、Taの標準電極電位よりも大きな材料を用 、もう一方の電極材料には、Taの標準電極電 位よりも小さな材料を用いればよい。

 なお、第2の実験の結果としては記述して いないが、下部電極および上部電極に、それ ぞれTaNおよびPtを用いた抵抗変化素子につい 、安定した抵抗変化現象が起こったことを す良好な実験結果が得られている。

 TaNの標準電極電位は、発明者らの測定に れば+0.48eVであり、PtおよびTaの標準電極電 は、非特許文献1によればそれぞれ+1.18eV、-0. 6eVである。

 この例は、上部電極には、Taの標準電極 位よりも大きく、かつ差の大きな材料であ Ptを用い、下部電極には、Taの標準電極電位 りも大きく差の小さな材料であるTaNを用い 一例である。

 すなわち、この例では、上述の標準電極 位に関する条件を満たすTaNおよびPtを電極 料として用いたことで、第2の実験の結果と て述べた作用効果が得られたと考えられる

 また他の例として、下部電極および上部 極にそれぞれTiNおよびPtを用いてもよい。Ti Nの標準電極電位は、発明者らによる前述の 定によれば+0.55eVである。したがって、TiNとP tとの組み合わせは、抵抗変化層にタンタル 化物を用いた場合の標準電極電位に関する 件を満たすので、TiNおよびPtを電極材料とし て用いることで、第2の実験の結果として述 た作用効果が期待できる。

 さらに他の例として、Au(金)またはPdを電 材料として用いてもよい。非特許文献1によ ればAu、Pdの標準電極電位はそれぞれ+1.692eV、 +0.951eVであり、Taの標準電極電位-0.6eVよりも い。したがって、抵抗変化層としてタンタ 酸化物を用いた場合に、抵抗変化しやすい 極材料としてAuおよびPdの一方を用い、かつ 抗変化しにくい電極材料としてAuおよびPdの 前記一方よりも標準電極電位が低い材料(例 ば、標準電極電位が+0.1eVであるW)を用いるこ とで、第2の実験の結果として述べた作用効 が期待できる。

 また、上記のメカニズムからも明らかな うに、抵抗変化を起こしやすい電極に正の 圧の電気パルスを印加した時に、抵抗値が くなり、負の電圧の電気パルスを印加した に抵抗値が低くなるような動作を示す。

 [抵抗変化層に酸素不足型のハフニウム酸化 物を用いた抵抗変化素子]
 次に、他の同様な例として、酸素不足型の フニウム酸化物を抵抗変化層として用いた イポーラ動作する不揮発性記憶素子に関す 第3の実験について説明する。

 第1の実験の説明と同様に、まず、酸素不 足型のハフニウム酸化物層の形成方法や、酸 素含有率の好適な範囲を説明する。

 その後、抵抗変化の起こりやすさが電極材 に依存するかどうかの確認を行うため、Al Ti、Ta、W、Cu、Ptからなる電極でHfO x 層を挟んだ構造を形成し、電気パルスによる 抵抗変化現象の様子を調べた結果について述 べる。そして最後に、動作しやすい電極材料 と動作しにくい電極材料で酸素不足型のハフ ニウム酸化物を挟み込んだ構造の抵抗変化素 子の抵抗変化の測定結果について述べる。

 [スパッタリング時の酸素流量比とハフニウ ム酸化物層の酸素含有率との関係]
 まず、第3の実験における酸素不足型のハフ ニウム酸化物層の作製条件及び酸素含有率の 解析結果について述べる。

 酸素不足型のハフニウム酸化物層は、Hf(ハ ニウム)ターゲットをArガスとO 2 ガス雰囲気中でスパッタリングする、いわゆ る、反応性スパッタリングで作製した。第3 実験での具体的な酸素不足型のハフニウム 化物の作製方法は次の通りである。

 まずスパッタリング装置内に基板を設置し スパッタリング装置内を3×10 -5 Pa程度まで真空引きする。Hfをターゲットと て、パワーを300W、ArガスとO 2 ガスとをあわせた全ガス圧力を0.9Pa、基板の 定温度を30℃にし、スパッタリングを行っ 。ここでは、Arガスに対するO 2 ガスの流量比を2%から4.2%まで変化させた。

 まずは、組成を調べる事が目的であるため 基板としては、Si上にSiO 2 を200nm堆積したものを用い、ハフニウム酸化 層の膜厚は約50nmになるようにスパッタリン グ時間を調整した。

 このようにして作製したハフニウム酸化 層の組成をラザフォード後方散乱法(RBS法) よって解析した結果を図17に示す。

 この図から、酸素流量比を2%から4.2%に変化 せた場合、ハフニウム酸化物層中の酸素含 率は約37.7at%(HfO 0.6 )から約69.4at%(HfO 2.3 )へと変化していることが分かる。

 以上の結果より、ハフニウム酸化物層中の 素含有率を酸素流量比によって制御可能で る事と、Hfの化学量論的な酸化物であるHfO 2 の酸素含有率66.7at%よりも酸素が不足してい 、酸素不足型のハフニウム酸化物から酸素 過剰に含有されていると思われるハフニウ 酸化物までが形成されている事が明らかと った。

 なお、第3の実験では、ハフニウム酸化物 層の解析にラザフォード後方散乱法(RBS)を利 したが、オージェ電子分光法(AES)、蛍光X線 析法(XPS)、電子線マイクロアナリシス法(EPMA )等の機器分析手法も利用可能である。

 [酸素不足型のハフニウム酸化物層の抵抗変 化特性]
 以上のように作製した酸素不足型のハフニ ム酸化物のうち、どの程度の酸素含有率を する酸素不足型のハフニウム酸化物が抵抗 化を示すのかを調べた。ここで酸素不足型 ハフニウム酸化物層を挟む電極の材料とし 用いたのは、上下の電極ともにPtである。

 上下にPtを用いた場合は、上述のように バイポーラ型の抵抗変化型の不揮発性素子 しては不適当である。しかしながら、Ptは後 述するように、抵抗変化を非常に示しやすい 電極材料であり、ある酸素含有率を有する酸 素不足型のハフニウム酸化物が抵抗変化を示 すか否かの判定を行うには最も好適な材料で ある。

 以上のような理由から、図5のような不揮 発性記憶素子を形成した。

 すなわち、単結晶シリコン基板501上に、 さ200nmの酸化物層502を熱酸化法により形成 、下部電極503としての厚さ100nmのPt薄膜を、 パッタリング法により酸化物層502上に形成 た。

 その後、Hfをターゲットとして、反応性ス ッタリングによって酸素不足型のハフニウ 酸化物層504を形成した。第3の実験で検討し 範囲では、上記の分析試料と同様に、O 2 ガスの流量比を、2%から4.2%まで変化させて不 揮発性記憶素子を作製した。酸素不足型のハ フニウム酸化物層504の膜厚は30nmとした。

 その後、酸素不足型のハフニウム酸化物 504の上に、上部電極505としての厚さ150nmのPt 薄膜をスパッタ法により堆積した。

 最後にフォトリソグラフィー工程とドラ エッチング工程によって、素子領域506を形 した。なお、素子領域506は、直径が3μmの円 形パターンである。

 以上のように作製した不揮発性記憶素子 抵抗変化現象を測定した。その結果、図17 α点(酸素流量比約2.7%、酸素含有率約46.6at%) らβ点(酸素流量比約3.3%、酸素含有率約62at%) ハフニウム酸化膜を使った不揮発性記憶素 では、高抵抗値が低抵抗値の4倍以上と良好 であった。

 図18(a)、図18(b)は、それぞれ、α点および 点の酸素含有率を有するハフニウム酸化物 を使った不揮発性記憶素子についてのパル 印加回数に対する抵抗変化特性を測定した 果である。

 図18(a)、図18(b)によれば、α点及びβ点の 素含有率を有するハフニウム酸化物層を使 た素子では、共に、高抵抗値が低抵抗値の4 以上と良好であることが判る。

 従って、酸素含有率が46.6~62at%の組成範囲、 即ち抵抗変化層をHfO x と表記した場合におけるxの範囲が0.9≦x≦1.6 範囲がより適切な抵抗変化層の範囲である 言える(酸素含有率=46.6at%がx=0.9に、酸素含 率=62at%がx=1.6にそれぞれ対応)。

 [上下の電極材料種に応じた抵抗変化素子の 抵抗変化特性]
 次に、抵抗変化の起こりやすさが、電極材 に依存するかどうかの確認を行うため、Wか らなる下部電極503とAl、Ti、Hf、Ta、W、Cu、Pt 1つから成る上部電極505で、酸素不足型のハ ニウム酸化物層504を挟んだ複数種の素子を 製し、電気パルスによる抵抗変化の様子を べた結果について説明する。

 使用した酸素不足型のハフニウム酸化物の 素含有率は、好適な酸素含有率の範囲で上 に近い61at%(HfO 1.56 )とした。素子の形成方法は、ハフニウム酸 物の成膜方法は上記とほぼ同じであるが、Al 、Ti、Hf、Ta、W、Cu、Ptはハフニウム酸化物を 成後、一旦大気中に出し、別のスパッタ装 でスパッタリング法によって堆積した。

 作製した素子O~素子Uに使用した下部電極 上部電極の材料を表2に示す。

 上記の素子O~素子Uを、所定の振幅でパル 幅100nsecの電気パルスを与えて抵抗変化させ た。

 第3の実験では、下部電極503を動作しにく いWとしたので、Aモード(上部電極に対し、下 部電極に高い電圧を加えた時に高抵抗化する ようなモード)の結果は省略し、Bモード(下部 電極に対し、上部電極に高い電圧を加えた時 に高抵抗化するようなモード)の結果のみを す。

 上部電極モードで抵抗変化させた時の電 パルスの電圧は、素子によって若干の違い あるが、下部電極を電圧の基準として、高 抗化させる時の電圧は+1.1~+1.9Vとし、低抵抗 化させる時の電圧は-1.1~-1.5Vとした。

 図19(a)~図19(g)に測定結果をまとめる。

 まず、図19(a)の上部電極にAlを用いた素子 O、図19(b)の上部電極にTiを用いた素子P、図19( c)の上部電極にHfを用いた素子Qの結果を見る 、ほとんど抵抗変化しないか、あるいはま たく抵抗変化しないのが分かる。次に、図1 9(d)の上部電極にTaを用いた素子Rでは、最初 ずかであるが抵抗変化が見られたがパルス とともにその変化幅が減少していき、ほと ど抵抗変化を示さなくなった。これらの材 は、本質的に抵抗変化が生じにくい性質を っていると考えられる。

 次に、図19(e)の上部電極にWを用いた素子S 、図19(f)の上部電極にCuを用いた素子T、図19(g )の上部電極にPtを用いた素子Uでは、比較的 定した抵抗変化が生じた。

 以上の結果から分かる事は、酸素不足型 ハフニウム酸化物を用いた不揮発性記憶素 では、抵抗変化現象が生じやすい(動作しや すい)材料と、生じにくい(動作しにくい)材料 が存在すると言う事である。第3の実験の範 で言えば、動作しやすい電極はPt、Cu、Wであ り、動作しにくい電極材料はTa、Hf、Ti、Alで る。

 これらの材料の組み合わせで酸素不足型 ハフニウム酸化物を挟んだ構造の抵抗変化 子を形成すれば、モードの混ざり合いのな 安定した抵抗変化が得られる。但し、図19(d )を参照すると、Ta電極では、微弱ながらも抵 抗変化は観測されている。それ故にこの材料 を一つの電極に用い、例えば、第3の実験で く抵抗変化が観測されなかった電極材料で るTi、Hfをもう一つの電極に用いた場合、微 ながらも安定した抵抗変化が期待できる。

 次に、抵抗変化自体の起こるメカニズム 、抵抗変化の起こりやすさの材料依存性に いて若干の考察を行う。

 図20は、酸素不足型のハフニウム酸化物 用いた不揮発性記憶素子に係る結果をまと たものである。横軸は電極材料、縦軸には 準電極電位をプロットしてある。図20の○は 抵抗変化が起こりやすかった事を意味し、△ は変化の割合が小さいものの抵抗変化が起こ った事を意味し、×は抵抗変化が起こらなか た事を意味する。

 図20を見ると、抵抗変化層の構成元素で るHfよりも標準電極電位が高い材料では抵抗 変化が起こっており、低い材料では抵抗変化 が起こりにくくなっている事が分かる。そし て、標準電極電位の差が大きいほど抵抗変化 が起こりやすく、差が小さくなるにつれて、 抵抗変化が起こりにくくなっているのが分か る。

 この結果は、第2の実験に関して述べた、 酸素不足型のタンタル酸化物を用いた不揮発 性記憶素子に係る結果と全く同一の傾向を示 している。すなわち、酸素不足型のハフニウ ム酸化物を用いた不揮発性記憶素子について 説明した抵抗変化のメカニズム(図15(a)、図15( b)、図16(a)、および図16(b)を参照)が、酸素不 型のハフニウム酸化物を用いた不揮発性記 素子にも同様に働いていると考えられる。

 以上の結果から分かるように、酸素不足 のハフニウム酸化物を抵抗変化層に使用し 不揮発性記憶素子では、上部電極と下部電 とで異なる標準電極電位を有する材料を用 れば良い。

 これにより、片側の電極近傍で優勢に抵 変化が起こって、理想的なバイポーラ型の 抗変化を実現できる。さらに、抵抗変化モ ドの混ざり合いも起こらず、安定した抵抗 化動作が可能となる。

 より好適には、一方の電極材料には、Hf 標準電極電位よりも大きく、かつ差の大き 材料を用い、もう一方の電極材料には、Hfの 標準電極電位よりも大きく、かつ差の小さな 材料を用いれば良い。

 さらにより好適には、一方の電極材料に 、Hfの標準電極電位よりも大きな材料も用 、もう一方の電極材料には、Hfの標準電極電 位以下の材料を用いればよい。

 なお、第3の実験の結果としては記述して いないが、非特許文献1によれば、Auの標準電 極電位は+1.692eVであるので、Hfの標準電極電 -1.55eVよりも高い。したがって、抵抗変化層 してHf酸化物を用いた場合に、抵抗変化し すい電極材料としてAuを用いても、第3の実 の結果として述べた作用効果が期待できる

 また他の例として、第2の実験に関連して 述べたように、下部電極にTaNおよびTiNの一方 を用い、上部電極にPtを用いてもよい。前述 た標準電極電位の値から、これらの電極材 の組み合わせは、抵抗変化層にHf酸化物を いた場合の標準電極電位に関する条件を満 すので、TaNおよびTiNの一方とPtとを電極材料 として用いることで、第3の実験の結果とし 述べた作用効果が期待できる。

 また、上記のメカニズムからも明らかな うに、抵抗変化を起こしやすい電極に正の 圧の電気パルスを印加した時に、抵抗値が くなり、負の電圧の電気パルスを印加した に抵抗値が低くなるような動作を示す。

 なお、上記の第1の実験、第2の実験及び 3の実験では、抵抗変化層として酸素不足型 タンタル酸化物及びハフニウム酸化物を用 た例について説明したが、これに限定され ものではなく、他の遷移金属の酸素不足型 酸化膜を抵抗変化層に用いた不揮発性記憶 子についても、上記で説明したように電極 加えられた電界による酸素イオンの移動が こると考えられるため、同様に応用可能で る。その場合も、用いる遷移金属材料の標 電極電位を基準にして電極材料を選択すれ 、片側で優勢的に動作する不揮発性記憶素 が形成できる。また、抵抗変化層としての ンタル酸化物やハフニウム酸化物に、抵抗 化特性を大きく変化させない程度に微量の ーパントを添加してもよい。

 [本発明の実施の形態における抵抗変化型不 揮発性記憶装置]
 次に、本発明の実施の形態として、上記で 明した抵抗変化素子を用いた1T1R型の不揮発 性記憶装置について説明する。

 [NMOS構成の1T1R不揮発性記憶装置]
 図21は、本発明の実施の形態に係る不揮発 記憶装置の構成を示すブロック図である。

 図21に示すように、本実施の形態に係る 揮発性記憶装置200は、半導体基板上に、メ リ本体部201を備えており、メモリ本体部201 、メモリアレイ202と、行選択回路208、ワー 線ドライバWLD、ソース線ドライバSLDからな 行ドライバ207と、列選択回路203と、データ 書き込みを行うための書き込み回路206と、 択ビット線に流れる電流量を検出し、記憶 れているデータが「1」か「0」かを判定する センスアンプ204と、端子DQを介して入出力デ タの入出力処理を行うデータ入出力回路205 を備える。

 さらには、書き込み用電源211として低抵 (LR)化用電源212と高抵抗(HR)化用電源213を備 、低抵抗(LR)化用電源212の出力V2は、行ドラ バ207に供給され、高抵抗(HR)化用電源213の出 V1は、書き込み回路206に供給されている。

 さらに、外部から入力されるアドレス信 を受け取るアドレス入力回路209と、外部か 入力されるコントロール信号に基づいて、 モリ本体部201の動作を制御する制御回路210 を備えている。

 メモリアレイ202は、半導体基板の上に形 された、互いに交差するように配列された 数のワード線WL0、WL1、WL2、・・・および複 のビット線BL0、BL1、BL2、・・・と、これら ワード線WL0、WL1、WL2、・・・、およびビッ 線BL0、BL1、BL2、・・・の交点に対応してそ ぞれ設けられた複数のNMOSトランジスタN11、 N12、N13、N21、N22、N23、N31、N32、N33、・・・( 下、「トランジスタN11、N12、・・・」と表 )と、トランジスタN11、N12、・・・と1対1に 列接続された複数の抵抗変化素子R11、R12、R1 3、R21、R22、R23、R31、R32、R33、・・・(以下、 抵抗変化素子R11、R12、・・・」と表す)とを 備え、個々がメモリセルM11、M12、M13、M21、M22 、M23、M31、M32、M33、・・・(以下、「メモリ ルM11、M12、・・・」と表す)を構成している ここで、抵抗変化素子R11、R12、・・・が、 発明の基礎データとして上記で説明した抵 変化素子である。

 図21に示すように、トランジスタN11、N21 N31、・・・のゲートはワード線WL0に接続さ 、トランジスタN12、N22、N32、・・・のゲー はワード線WL1に接続され、トランジスタN13 N23、N33、・・・のゲートはワード線WL2に接 され、トランジスタN14、N24、N34、・・・の ートはワード線WL3に接続されている。

 また、トランジスタN11、N21、N31、・・・ よびトランジスタN12、N22、N32、・・・はソ ス線SL0に共通に接続され、トランジスタN13 N23、N33、・・・およびトランジスタN14、N24 N34、・・・はソース線SL2に共通に接続され いる。

 また、抵抗変化素子R11、R12、R13、R14、・ ・はビット線BL0に接続され、抵抗変化素子R 21、R22、R23、R24、・・・はビット線BL1に接続 れ、抵抗変化素子R31、R32、R33、R34、・・・ ビット線BL2に接続されている。

 アドレス入力回路209は、外部回路(図示せ ず)からアドレス信号を受け取り、このアド ス信号に基づいて行アドレス信号を行選択 路208へ出力するとともに、列アドレス信号 列選択回路203へ出力する。ここで、アドレ 信号は、複数のメモリセルM11、M12、・・・ うちの選択される特定のメモリセルのアド スを示す信号である。

 制御回路210は、データの書き込みサイク においては、データ入出力回路205に入力さ た入力データDinに応じて、書き込み用電圧 印加を指示する書き込み信号を書き込み回 206へ出力する。他方、データの読み出しサ クルにおいて、制御回路210は、読み出し動 を指示する読み出し信号をセンスアンプ204 出力する。

 行選択回路208は、アドレス入力回路209か 出力された行アドレス信号を受け取り、こ 行アドレス信号に応じて、行ドライバ207よ 、複数のワード線WL0、WL1、WL2、・・・のう の何れかに対応するワード線ドライバ回路W LDより、その選択されたワード線に対して、 定の電圧を印加する。

 また同様に、行選択回路208は、アドレス 力回路209から出力された行アドレス信号を け取り、この行アドレス信号に応じて、行 ライバ207より、複数のソース線SL0、SL2、・ ・のうちの何れかに対応するソース線ドラ バ回路SLDより、その選択されたソース線に して、所定の電圧を印加する。

 また、列選択回路203は、アドレス入力回 209から出力された列アドレス信号を受け取 、この列アドレス信号に応じて、複数のビ ト線BL0、BL1、BL2、・・・のうちの何れかを 択し、その選択されたビット線に対して、 き込み用電圧または読み出し用電圧を印加 る。

 書き込み回路206は、制御回路210から出力 れた書き込み信号を受け取った場合、列選 回路203に対して選択されたビット線に対し 書き込み用電圧の印加を指示する信号を出 する。

 また、センスアンプ204は、データの読み しサイクルにおいて、読み出し対象となる 択ビット線に流れる電流量を検出し、記憶 れているデータが「1」か「0」かを判定す 。その結果得られた出力データDOは、データ 入出力回路205を介して、外部回路へ出力され る。

 書き込み用電源211は、低抵抗(LR)化用電源 212と高抵抗(HR)化用電源213より構成され、そ 出力は各々、行ドライバ207および書き込み 路206に入力されている。

 書き込み動作に関して、実施の形態で用 た上下の電極の材料種が異なる抵抗変化素 もまた、上下の電極にPtを用いた抵抗変化 子における電流-電圧のヒステリシス特性(図 2)と類似したヒステリシス特性を有している

 抵抗変化素子R11、R12、・・・が有する電流- 電圧のヒステリシス特性において、図2のA点 対応する電圧を高抵抗化電圧V HR 、図2のB点に対応する電圧を低抵抗化電圧V LR と表記するとき、HR化用電源213は、抵抗変化 子R11、R12、・・・に対して、高抵抗化電圧V HR を超える正の電圧の印加が可能な電源回路で あり、LR化用電源212は、抵抗変化素子R11、R12 ・・・に対して、低抵抗化電圧V LR の絶対値を超える負の電圧の印加が可能な電 源回路である。

 図22は、図21におけるC部に対応するメモ セル300の構成(2ビット分の構成)を示す断面 、および抵抗変化素子309の拡大図である。

 トランジスタ317、抵抗変化素子309は、各 図21におけるトランジスタN11、N12と抵抗変 素子R11、R12に対応している。

 メモリセル300は、半導体基板301上に、第2 のN型拡散層領域302a、第1のN型拡散層領域302b ゲート絶縁膜303a、ゲート電極303b、第1ビア3 04、第1配線層305、第2ビア306、第2配線層307、 3ビア308、抵抗変化素子309、第4ビア310、第3 線層311を順に形成して構成される。

 第4ビア310と接続される第3配線層311がビ ト線BL0に対応し、トランジスタ317の第2のN型 拡散層領域302aに接続された、第1配線層305お び第2配線層307が、この図面に垂直に走るソ ース線SL0に対応している。

 半導体基板301の電圧は0Vで、0V電源線(図 なし)より、一般的に知られている構成で供 されている。

 図22の拡大部分に示されるように、抵抗 化素子309は、第3ビア308上に下部電極309a、抵 抗変化層309b、上部電極309cがサンドイッチ状 形成され、さらには第3配線と接続される第 4ビア310につながっている。

 ここで、抵抗変化層309bは酸素不足型のタ ンタル酸化物よりなり、下部電極309aと上部 極309cは異なる材料で構成され、下部電極309a が抵抗変化を起こしにくい電極材料であるW 構成され、ビアを介してトランジスタの第1 N型拡散層領域302bに接続され、上部電極309c 抵抗変化を起こしやすいPtで構成し、ビア 介して第3配線層311で形成のビット線BL0に接 される構造となっている。

 [抵抗変化型不揮発性記憶装置の動作]
 以上の様に構成された抵抗変化型不揮発性 憶装置について、データを書き込む場合の き込みサイクル、およびデータを読み出す 合の読み出しサイクルにおける動作例につ て、図23(a)~図23(c)に示すタイミングチャー を参照しながら説明する。

 図23(a)~図23(c)は、本発明の実施の形態に る不揮発性記憶装置の動作例を示すタイミ グチャートである。なお、ここでは、抵抗 化層が高抵抗状態の場合をデータ「1」に、 抵抗状態の場合をデータ「0」にそれぞれ割 り当てると定義して、その動作例を示す。ま た、説明は、メモリセルM11についてデータの 書き込みおよび読み出しをする場合のみにつ いて示す。

 また、図23(a)において、LR化用電源212で発生 する電圧V2は、抵抗変化素子R11、R12、・・・ 対し、低抵抗化電圧V LR を超える電圧が印加される電圧値に決定され る。

 図23(b)において、HR化用電源213で発生する電 圧V1は、抵抗変化素子R11、R12、・・・に対し 高抵抗化電圧V HR を超える電圧が印加される電圧値に決定され る。

 V1およびV2の決定方法については、後述す る。

 図23(c)において、Vreadは、センスアンプ204で 発生されている読み出し用電圧で、高抵抗化 電圧V HR 以下の電圧が、抵抗変化素子R11、R12、・・・ に印加される電圧値である。

 また、図23(a)~図23(c)において、VDDは不揮 性記憶装置200に供給される電源電圧に対応 ている。

 図23(a)に示すメモリセルM11に対するデー 「0」書き込みサイクルにおいては、最初に 択ビット線BL0、ソース線SL0を電圧V2に設定 る。次に、選択するワード線WL0を電圧VDDに 定し、選択メモリセルM11のNMOSトランジスタN 11をオンする。この段階ではトランジスタ317 第2のN型拡散層領域302aと、第1のN型拡散層 域302bはともに電圧V2が印加されているので 電流は流れない。

 次に、選択ビット線BL0を所定期間、電圧0V 設定し、所定期間後、再度電圧V2となるパル ス波形を印加する。この段階で、抵抗変化素 子309には下部電極309aを基準にして上部電極30 9cに、低抵抗化電圧V LR を超える絶対値を持つ負の電圧が印加され、 高抵抗値から低抵抗値に書き込みが行われる 。その後、ワード線WL0を電圧0Vに設定し、ト ンジスタ317をオフして、データ「0」の書き 込みが完了する。

 図23(b)に示すメモリセルM11に対するデー 「1」書き込みサイクルにおいては、最初に 択ビット線BL0、ソース線SL0を電圧0Vに設定 る。次に、選択するワード線WL0を電圧VDDに 定し、選択メモリセルM11のNMOSトランジスタN 11をオンする。

 次に、選択ビット線BL0を所定期間、電圧V1 設定し、所定期間後、再度電圧0Vとなるパル ス波形を印加する。この段階で、抵抗変化素 子309には下部電極309aを基準にして上部電極30 9cに、高抵抗化電圧V HR を超える正の電圧が印加され、低抵抗値から 高抵抗値に書き込みが行われる。その後、ワ ード線WL0を電圧0Vに設定し、データ「1」の書 き込みが完了する。

 図23(c)に示すメモリセルM11に対するデー の読み出しサイクルにおいては、最初に選 ビット線BL0、ソース線SL0を電圧0Vに設定する 。次に、選択するワード線WL0を電圧VDDに設定 し、選択メモリセルM11のNMOSトランジスタN11 オンする。

 次に、選択ビット線BL0を所定期間、読み し電圧Vreadに設定し、センスアンプ204によ 、選択メモリセルM11に流れる電流値を検出 ることで、記憶されているデータがデータ 0」かデータ「1」かを判定する。その後、ワ ード線WL0を電圧0Vに設定し、データの読み出 動作を完了する。

 [1T1R型メモリセルの特性]
 実施の形態における1T1R型メモリセルM11、M12 、・・・について、特にNMOSトランジスタN11 N12、・・・の構成について説明する。

 本実施の形態に従うと、図22の拡大部分 示すように、抵抗変化素子309は、上部電極30 9c側に抵抗変化層309bが抵抗変化をしやすい電 極が使用されており、下部電極309aに対し上 電極309cに正電圧を印加することで、この界 近傍で酸化現象が進行し高抵抗状態に変化 、逆方向の電圧を印加することで還元現象 進行し低抵抗状態に変化すると考えられ、 圧印加方向に対する抵抗変化の状態が一通 に限定できる。

 図24は、メモリセルの両端に2.2Vを印加し とき、抵抗変化素子に印加される電圧を抵 変化素子の抵抗値との関係を示している。

 印加方向1は図21において、ビット線BL0、B L1、・・・に所定の正電圧を、ソース線SL0、S L1・・・に0Vを印加したとき、すなわち、下 電極309aに対し上部電極309cに正の電圧を印加 したときの特性である。

 また、印加方向2は図21において、ビット BL0、BL1、・・・に0Vを、ソース線SL0、SL1、 ・・に所定の正電圧を、すなわち、下部電 309aに対し上部電極309cに負の電圧を印加した ときの特性を示している。

 例えば、素子抵抗値が1000ωの時、印加方 1の場合は、抵抗変化素子には約2.1Vが印加 きることを示しており、電流値としては、2. 1Ví1000ω=2.1mAが駆動できることを示している また印加方向2の場合は、抵抗変化素子には 1.25Vが印加できることを示しており、電流 としては、1.25Ví1000ω=1.25mAが駆動できること を示している。

 このことから、NMOSトランジスタの基板バ イアス効果の影響が少ない印加方向1が、印 方向2の場合に比べ、この場合であれば約1.7 大きな電流が駆動できることがわかる。

 また、図23(a)で説明のLR化用電源212で発生 されている電圧V2の値は、印加方向2の特性を 用いて決めることができる。

 例えば、抵抗変化素子309の高抵抗状態に ける抵抗値が10kωとすると、メモリセルの 端に2.2Vの印加で、抵抗変化素子309には約1.5V まで印加できることが分かる(図24のC点)。こ ときの電流値は1.5Ví10kω=0.15mAである。

 抵抗変化素子309を低抵抗化させるための低 抗化電圧V LR が例えば-1.3Vとすると、LR化用電源212にて、 圧V2を2.2Vとし、かつ0.15mA以上の電流駆動能 があれば、抵抗変化素子309に対し低抵抗化 圧V LR を超える電圧が印加できることがわかる。

 同様に、図23(b)で説明のHR化用電源213で発 生されている電圧V1の値は、印加方向1の特性 を用いて決めることができる。

 例えば、抵抗変化素子309の低抵抗状態に ける抵抗値が1000ωとすると、メモリセルの 端に2.2Vの印加で、抵抗変化素子309には約2.1 Vまで印加できることが分かる(図24のD点)。こ のときの電流値は2.1Ví1000ω=2.1mAである。

 抵抗変化素子309を高抵抗化させるための高 抗化電圧V HR が例えば1.2Vとすると、HR化用電源213にて、電 圧V1を2.2Vとし、かつ2.1mA以上の電流駆動能力 あれば、抵抗変化素子309に対し高抵抗化電 V HR を超える電圧が印加できることがわかる。よ り好適には、電圧V1をより低い電圧(例えば1.8 V等)で、一定以上の余裕度をもった電圧値に 定してもよい。

 また、設計段階では上述の様な手法で大 の電圧を設定しておき、製品検査の段階で 電圧V1や電圧V2を抵抗変化が安定にできる電 圧に動作確認しながら最適電圧に微調整して 決定する従来一般的に知られている手法を併 用してもよい。

 以上説明したように、本実施の形態の抵 変化型不揮発性記憶装置では、抵抗変化を こしやすい電極材料で上部電極を形成し、 抗変化を起こしにくい電極材料で下部電極 形成してなる抵抗変化素子を用いるので、 メモリセルにおいて、1つの方向の抵抗変化 (低抵抗化または高抵抗化)を安定的に生ぜし る電圧印加方向(駆動極性)が一義的に決ま 。

 そして、この下部電極とNMOSトランジスタ のN型拡散層領域の1つとを接続してメモリセ を構成するので、より大きな電流が必要な 抵抗から高抵抗への抵抗変化のための電圧 加を、印加方向1に確実に一致させて行うこ とができ、印加方向2になる場合を想定する 要がなく、最適なトランジスタ寸法でメモ セルを設計することができる。

 このことは、電流駆動能力に余裕があれ 、特にHR化電源電圧V1を、より低電圧化でき ることでもあり、低電圧化や低消費電力化に も有効である。

 さらには、駆動極性が一義的に決まるこ で、抵抗変化特性のモードを識別する情報 管理する必要がなく、単純で安価な回路構 にできる。

 また、Ptの様な高価な電極材料を使用す 場合、一方の電極材料だけの適用ですむの 、製造コストの低減にも有効となる。

 [その他の1T1R型メモリセルの構成例]
 図25(a)~図25(f)は、実施の形態で説明した1T1R メモリセルを含め、一般的に知られている 抗変化素子に用いられている、1T1R型メモリ セルの回路構成を示す回路図である。

 図25(a)は、実施の形態で説明したNMOSトラ ジスタを使用した構成を示す。

 図25(b)は、図25(a)の構成に対し、ビット線 とソース線の接続関係を入れ替えた構成を示 す。

 図25(c)は、図25(b)の構成に対し、ソース線 を、固定された基準電圧を供給する基準電源 に接続した構成を示す。この場合、基準電圧 に対してビット線電圧を高くするか、低くす るかで書き込み状態を制御する。

 図25(d)は、NMOSトランジスタを使用した図2 5(a)の構成に対し、PMOSトランジスタを使用し 構成を示す。この場合、PMOSトランジスタの 基板電圧は、電源電圧VDDなどの高電位が供給 される。また、メモリセルはワード線をロウ レベルにすることで選択される点が異なるが 、その他の制御方法は図25(a)のNMOSトランジス タで構成した場合と同じである。

 図25(e)は、図25(d)の構成に対し、ビット線 とソース線の接続関係を入れ替えた構成を示 す。

 図25(f)は、図25(e)の構成に対し、ソース線 を、固定された基準電圧を供給する基準電源 に接続した構成を示す。この場合、基準電圧 に対してビット線電圧を高くするか、低くす るかで書き込み状態を制御する。

 図26(a)~図26(f)は、図25(a)~図25(f)の回路を実 現するための、抵抗変化素子とトランジスタ の本発明に係る接続関係を示す図である。

 ここで、抵抗変化層309eは抵抗変化層309b 同じく酸素不足型のタンタル酸化物よりな 、下部電極309dは上部電極309cの構成材料と同 じく抵抗変化を起こしやすいPtで構成され、 部電極309fは下部電極309aと同じく抵抗変化 起こしにくい電極材料であるWで構成される

 図26(a)は、図22(a)に示される構成と同一で あるので、説明は省略する。

 図26(b)は、図26(a)の構成に対し、ビット線 とソース線の接続関係を入れ替えて構成され 、抵抗変化を起こしやすい電極材用で構成さ れた上部電極309cがソース線に接続され、抵 変化を起こしにくい電極材料で構成された 部電極309aが、NMOSトランジスタを介してビッ ト線に接続される。

 この場合も図26(a)の場合と同様、ソース とワード線は同方向に配線され、ビット線 これらに垂直方向に配線される。

 図26(c)の構成では、抵抗変化を起こしや い電極材用で構成された上部電極309cが基準 源に接続され、抵抗変化を起こしにくい電 材料で構成された下部電極309aが、NMOSトラ ジスタを介してビット線に接続される。

 図26(d)は、図26(a)の場合とは反対に、抵抗 変化を起こしにくい電極材用で構成された上 部電極309fがビット線に接続され、抵抗変化 起こしやすい電極材料で構成された下部電 309d側が、PMOSトランジスタを介してソース線 に接続される。この場合も図26(a)の場合と同 、ソース線とワード線は同方向に配線され ビット線はこれらに垂直方向に配線される

 図26(e)は、図26(d)の構成に対し、ビット線 とソース線の接続関係を入れ替えて構成され 、抵抗変化を起こしにくい電極材用で構成さ れた上部電極309fがソース線に接続され、抵 変化を起こしやすい電極材料で構成された 部電極309dが、PMOSトランジスタを介してビッ ト線に接続される。

 この場合も図26(d)の場合と同様、ソース とワード線は同方向に配線され、ビット線 これらに垂直方向に配線される。

 図26(f)は、抵抗変化を起こしにくい電極 用で構成された上部電極309fが基準電源に接 され、抵抗変化を起こしやすい電極材料で 成された下部電極309dが、PMOSトランジスタ 介してビット線に接続される。

 図27は、PMOSトランジスタで構成される図2 6(d)の1T1R型のメモリセル400を、不揮発性記憶 置に適用した場合に、図21におけるC部(2ビ ト分)に対応する断面図、および抵抗変化素 409の拡大図である。なお、図22に示される モリセル300と共通する部分は同じ符号を付 、重複する説明は省略する。

 メモリセル400は、半導体基板301上に、Nウ ェル418、第2のP型拡散層領域402a、第1のP型拡 層領域402b、ゲート絶縁膜303a、ゲート電極30 3b、第1ビア304、第1配線層305、第2ビア306、第2 配線層307、第3ビア308、抵抗変化素子409、第4 ア310、第3配線層311を順に形成して構成され る。

 第4ビア310と接続される第3配線層311がビ ト線BL0に対応し、トランジスタ417の第2のP型 拡散層領域402aに接続された、第1配線層305お び第2配線層311が、この図面に垂直に走るソ ース線SL0に対応している。Nウェルには、こ 不揮発性記憶装置200の電源電圧VDDが、VDD電 線(図示なし)より、一般的に知られている構 成で供給されている。

 図27の拡大部分に示されるように、抵抗 化素子409は、第3ビア308上に下部電極309d、抵 抗変化層309e、上部電極309fがサンドイッチ状 形成され、さらには第3配線と接続される第 4ビア310につながっている。

 ここで、PMOSトランジスタで構成した1T1R メモリセル(図26(d)~図26(f))の場合、NMOSトラン ジスタで構成した1T1R型メモリセル(図26(a)~図2 6(c))の場合とは逆に、トランジスタ417の第1の P型拡散層領域402bと接続される下部電極309dを 、抵抗変化を起こしやすい電極材料であるPt 構成し、上部電極309fを、抵抗変化を起こし にくい電極材料であるWで構成している。

 これは、基板バイアス効果の影響が少な 、電流駆動能力が大きく取れるトランジス 417の駆動方向は、第2のP型拡散層領域402aを ースとし、このPMOSトランジスタの基板電圧 となるNウェル418の電圧(VDD)に近くなる、すな わち、下部電極309dをハイレベルとし、上部 極309fをロウレベルにする方向である。

 この電圧印加方向に、より大きな電流が 要な低抵抗状態から高抵抗状態の抵抗変化 向を一致させるには、下部電極309dを抵抗変 化を起こしやすい電極材料で構成し、反対に 上部電極309fを抵抗変化を起こしにくい電極 料で構成することであり、上部電極309fに対 下部電極309dに正の電圧が印加され、このと き、下部電極309dの界面近傍で酸化現象が進 し高抵抗状態に変化できる。

 なお、一般的には1T1R型メモリセルには、 NMOSトランジスタが使用される場合が多いが PMOSトランジスタでメモリセルを形成する場 として、次のような場合が考えられる。

 例えば、選択するメモリセルにおいて、 り大きなトランジスタの駆動電流を得る目 で、メモリセルのトランジスタの閾値電圧 けを低く設定することがある。この場合、 択メモリセルが属するビット線に接続され 、選択メモリセル以外の非選択メモリセル のリーク電流も増大する。その結果、読み し特性が低下することが考えられる。

 選択メモリセルの駆動電流を維持したま リーク電流増大を回避する一つの方法とし 、半導体基板301の領域をいくつかのブロッ に電気的に分離した構造とし、選択メモリ ルが属するブロック以外のトランジスタに いてその閾値電圧が高くなるように、その ロックの基板電圧を変えてそのリーク電流 低減する方法が考えられる。

 一般的に、多くのCMOS型半導体装置におい て、半導体基板301にはP型シリコン半導体が いられている。従って、このような構成を 施しようとすると、メモリセルのトランジ タをNMOSトランジスタで構成する場合、例え トリプルウェル構造として知られているウ ル構造を採用して、基板領域をいくつかの ロックに電気的に分離する必要がある。そ 場合、新たな製造工程の追加が必要になり コスト増大につながる。

 これに対し、メモリセルのトランジスタ PMOSトランジスタで構成する場合、Nウェル41 8を所望の単位でレイアウト設計してブロッ 化すればよいだけなので、製造工程の追加 伴わずブロックごとの分離が実施できる優 点が考えられる。

 また、図22および図27の断面図は、それぞ れ図26(a)、図26(d)に対応して示している。

 NMOSトランジスタで構成される図26(b)、図2 6(c)に対応する断面図は、図22(a)の断面図に対 して、ソース線、ビット線、基準電源が接続 される配線層が変わるだけなので、説明を省 略する。

 また、PMOSトランジスタで構成される図26( e)、図26(f)に対応する断面図は、図27の断面図 に対して、ソース線、ビット線、基準電圧が 接続される配線層が変わるだけなので、説明 を省略する。

 表3は、図26(a)~図26(f)に対応するメモリセ 構造に関して、その各々について、抵抗素 に低抵抗化書き込みを行う場合と、高抵抗 書き込みを行う場合の、ビット線とソース の制御方法を示すものである。

 なお、図26(b)及び図26(d)の構造の場合、図 21に示すブロック図において、LR化用電源212 出力V2は、書き込み回路206に供給され、HR化 電源213の出力V1は、行ドライバ207に供給さ る構成となる。

 また図26(c)及び図26(f)の構造の場合、図21に すブロック図において、書き込み回路206に 給されているHR化用電源213の出力V1は、抵抗 変化素子309を高抵抗化させるための高抵抗化 電圧V HR と抵抗変化素子309を低抵抗化させるための低 抵抗化電圧V LR の和以上の電圧値が設定され、行ドライバ207 に供給されているLR化用電源212の出力V2は、 の中間付近の電圧値が設定される。

 各メモリセルにおいて、1つの方向の抵抗 変化(低抵抗化または高抵抗化)を安定的に生 しめる電圧印加方向(駆動極性)は、表3に従 て一義的に決まるので、抵抗変化特性のモ ドを識別する情報を管理する必要がなく、 路構成が単純化できる。

 なお、上記した実施形態では、抵抗変化 とした酸素不足型のタンタル酸化物、ハフ ウム酸化物を用いた例について説明したが これに限定されるわけではなく、他の遷移 属の酸素不足型の酸化膜を抵抗変化層に用 た不揮発性記憶素子にも応用可能である。

 なお、本実施の形態において、抵抗変化 起こしやすい電極材料としてPtを用いたが 他にIr、Pd、Ag、Cuを用いてもよい。

 同様に、抵抗変化を起こしにくい電極材 としてWを用いたが、他にNi、Ta、Ti、Al、チ 化Taを用いてもよい。

 以上説明したように、本発明では、抵抗 化素子を用いた1T1R型メモリセルで構成され た抵抗変化型不揮発性記憶装置を、小さなレ イアウト面積で実現することができるので、 例えば、高集積かつ小面積のメモリを実現す るのに有用である。




 
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