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Title:
RETENTION MEMBER FOR RECOVERY OF INORGANIC MATERIAL FROM ORGANIC MATERIAL/INORGANIC MATERIAL COMPOSITE, METHOD OF RECOVERING INORGANIC MATERIAL THEREWITH AND INORGANIC MATERIAL RECOVERY APPARATUS HAVING THE MEMBER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/004802
Kind Code:
A1
Abstract:
A method and apparatus for recovering inorganic materials from an organic material/inorganic material composite, designed to reutilize used catalyst particles in the cracking of organic materials to thereby eliminate the need to separate catalyst particles from inorganic materials after the cracking operation and also to discard catalyst particles, thereby attaining recovery of inorganic materials by efficiently treating the organic materials of the organic material/inorganic material composite. These inorganic material recovering method and apparatus can be provided by the use of a retention member for retaining of the composite thereinside, comprised of a wall member having an opening of size allowing passage of catalyst particles but not allowing passage of obtained inorganic materials therethrough. Preferably, the retention member has a spherical basket form.

Inventors:
SATO YASUYUKI
SAKAI YASUHIKO
UTUMI SYOUGO
YOKOYAMA HIDEKI
Application Number:
PCT/JP2008/001737
Publication Date:
January 08, 2009
Filing Date:
July 02, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
SATO YASUYUKI
SAKAI YASUHIKO
UTUMI SYOUGO
YOKOYAMA HIDEKI
International Classes:
B09B3/00; B01J35/02; C22B1/00
Domestic Patent References:
WO2007122967A12007-11-01
Foreign References:
JP2007125459A2007-05-24
JP2002031872A2002-01-31
JP2005139440A2005-06-02
JP2004182837A2004-07-02
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Mitsuo et al. (IMP Building3-7, Shiromi 1-chome, Chuo-ku,Osaka-sh, Osaka 01, JP)
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Claims:
 有機物と無機物を含む複合体を触媒粒子と接触させることで、複合体の有機物を分解除去して無機物を回収するために使用する保持要素であって、
 開口部を有する壁部材により構成され、複合体を内部に保持するための保持要素。
 壁部材の開口部は、触媒粒子が出入り自由な寸法を有する請求項1に記載の保持要素。
 壁部材の開口部は、回収される無機物が保持要素内に保持される寸法を有する請求項1又は2に記載の保持要素。
 保持要素は球形である請求項1~3のいずれかに記載の保持要素。
 保持要素はカゴ状である請求項1~4のいずれかに記載の保持要素。
 有機物と無機物を含む複合体が、請求項1~5のいずれかに記載の保持要素内に保持された状態で触媒粒子と接触させられることで、複合体の有機物を分解して無機物を回収する方法。
 保持要素内に保持された複合体と触媒粒子との接触が、連続式で行われる請求項6に記載の回収方法。
 スクリューフィーダーを用いて連続式で行われる請求項7に記載の回収方法。
 保持要素内に保持された複合体と触媒粒子との接触が、バッチ式で行われる請求項6に記載の回収方法。
 攪拌槽を用いてバッチ式で行われる請求項9に記載の回収方法。
 触媒粒子は、TiO 2 粒子である請求項6~10のいずれかに記載の回収方法。
 無機物は、金属である請求項6~11のいずれかに記載の回収方法。
 電気器具部品である有機物と無機物を含む複合体から無機物を回収する請求項6~12のいずれかに記載の回収方法。
 触媒と請求項1~5のいずれかに記載の保持要素を有する、有機物と無機物を含む複合体の有機物を分解して無機物を回収する装置であって、
 複合体が保持要素内に保持された状態で触媒粒子と接触させられることで、複合体の有機物を分解して無機物を回収する装置。
Description:
有機物と無機物の複合体から無 物を回収するための保持要素、それを用い 無機物回収方法及びそれを有する無機物回 装置

 本発明は、有機物と無機物を含む複合体を 媒粒子と接触させることで、複合体の有機 を分解して無機物を回収するために使用す 保持要素であって、開口部を有する壁部材 より構成され、複合体を内部に保持するた の保持要素に関する。本発明は、特に無機 が金属である複合体を触媒粒子としてのTiO 2 粒子と接触させることで、複合体の有機物を 分解して金属を回収するために使用する保持 要素に関する。更に、本発明は、そのような 保持要素を用いる無機物の回収方法に関し、 これは実質的に無機物の製造方法に関する。 更にまた、そのような保持要素を有する無機 物の回収装置に関する。

 近年、地球環境保護等の観点から、様々 リサイクルが行われるようになった。しか 、プラスチック等の有機物のリサイクルは 常に困難であるため、現在、有機物の大部 は埋立て又は焼却により処理されている。

 有機物の焼却による処理として、例えばキ ン式ガス化炉を用いる処理を例示できる。 ルン式ガス化炉は、廃棄物を間接的に加熱 て、廃棄物中の有機物を熱分解する。そし 、発生した熱分解ガスを熱分解残渣から分 する。多くの焼却施設では、得られた熱分 ガスや熱分解残渣は、ガスタービンによる 電を行うための、また廃棄物を間接的に加 するための燃料として利用される。
 このような焼却による有機物の処理では、 毒ガスやダイオキシンの発生等の問題が生 得る。
 また、埋立てによる有機物の処理では、埋 て場所等の不足の問題を生じ得る。

 これに対し、新たな有機物の処理方法と て、加熱した酸化チタン粒子と有機物を接 させて分解する方法が提案されている(例え ば、特許文献1及び2参照)。この方法は、焼却 と比較して低温で簡単に行うことができ、有 毒ガスやダイオキシンの発生を抑制できると いう特徴を有する。

 図1は、特許文献1に記載の有機物分解装置 一部を破断した斜視図を示す。また、図2に 該有機物分解装置を用いる有機物分解方法 フローを示す。
 該有機物分解装置1は、空気導入装置2、有 物導入部3及び加熱装置4を有する。分解装置 1に酸化チタン粒子5が供給具6から充填され、 加熱装置4によって所定の温度に加熱される 有機物導入部3から有機物が分解装置1内に導 入され、所定温度の酸化チタン粒子5と混合 れ攪拌されると、酸化チタン触媒によって 機物は分解されて気体が発生する。尚、こ 例では、空気導入装置2から噴出する空気を いて攪拌も同時に行われるので、分解装置1 に攪拌装置は特に設けられていない。
 発生した気体及び反応に使用されなかった 気は、排出口7から排出されるが、この際、 酸化チタン粒子5の一部も空気に同伴して排 される。そこで、排出口7から排出される酸 チタン粒子5を補うため、酸化チタン粒子5 供給具6から分解装置1に補給される。
 従って、図1に示す有機物分解装置を用いる 有機物分解方法のフローは、図2に示すよう 、まず、有機物を分解工程に送り、そこで 化チタン触媒を用いて有機物を分解して分 ガスを発生させ、その後、分解ガスを気体 して排出し、また残留する酸化チタン触媒 、固形粒子として回収するものとなる。

 一般に廃棄物として有機物のみが単独で 棄されることもあるが、金属等の無機物と 複合物として有機物は廃棄されることも多 。これは、元々有機物と無機物の複合物と て種々の製品が製造され、使用されるから ある。従って、前記有機物分解装置をその ま用いて、有機物と無機物の複合物を処理 ると、有機物のみが分解されるので、分解 置1内に無機物が蓄積する。従って、複合物 を処理すると、無機物が蓄積され、その結果 、目的とする有機物の分解効率が低下すると いう問題がある。

 従って、上述の有機物分解装置1を用いる 有機物と無機物の複合体を処理するフローは 、図3に示すフローとなる。図3に示すフロー 、有機物の分解工程を完了すると、分解ガ を排気することは図2に示すフローと同じで あるが、図3に示すフローでは、二酸化チタ 触媒粒子は、複合体の有機物が分解除去さ て得られる無機物との混合物となる。即ち 図3に示す処理フローは、得られる無機物が 二酸化チタン触媒との混合物となる点で、 2に示すフローと異なる。一般に触媒粒子は 高価であり、地球環境の点からも、再使用す ることが好ましい。図3に示すフローでは、 用した触媒粒子を、有機物の分解に再利用 るために、分解処理後の触媒粒子と無機物 を分別することが必要である。篩による選 及び磁力による選別等の既存技術で、全て 無機物を触媒粒子から分別し回収すること 容易ではない。従って、図3に示すフローで 、触媒粒子は有機物の分解に再利用される となく、二酸化チタン触媒粒子と無機物は 緒に廃棄処分されている。

特開2005-48160号公報

特開2005-169293号公報

 本発明は、かかる課題を解決するために われたものであって、有機物と無機物の複 体から無機物を回収する従来の方法及び装 と比較して、使用した触媒粒子を、有機物 分解に再利用するために、分解処理後の触 粒子と無機物とを分別することが容易であ 、その結果、分別した触媒粒子を容易に再 用できる、即ち、より効率的に有機物と無 物を含む複合体の有機物を処理して、無機 を回収する方法及び装置を提供することを 的とする。

 本発明者らは、上記課題を解決するため 鋭意検討した結果、触媒粒子は通ることが きるが、得られる無機物は通ることができ いような大きさの開口部を有する壁部材で 成された、複合体用の保持要素(又は治具) 用いることで上述の課題を解決することが きることを見出した。即ち、上記特定の保 要素内に、有機物と無機物を含む複合体を 持した状態で、触媒粒子と複合体とを接触 せると、複合体の有機物の分解を行いなが 、得られる無機物を保持要素内に保持する とができるので、有機物の分解処理後の触 粒子と無機物とを分別することが容易であ 、触媒粒子を実質的に廃棄することなく、 り効率的に有機物と無機物を含む複合体の 機物を分解処理して、無機物を回収するこ ができることを見出して、本発明を完成さ るに至ったものである。

 本発明の一の要旨において、有機物と無機 を含む複合体を触媒粒子と接触させること 、複合体の有機物を分解して無機物を回収 るために使用する保持要素であって、
 開口部を有する壁部材により構成され、複 体を内部に保持するための保持要素を提供 る。
 本発明に係る保持要素を、複合体の有機物 分解して無機物を回収する方法及び装置に 用すると、従来の有機物と無機物を含む複 体から無機物を回収する方法及び装置と比 して、使用した触媒粒子を、有機物の分解 再利用するために、分解処理後の触媒粒子 無機物を分別することが不要であり、触媒 子を廃棄することが不要であり、より効率 に有機物と無機物を含む複合体の有機物を 理して、無機物を回収することができる。

 本発明の一の態様において、壁部材の開口 は、触媒粒子が出入り自由な寸法を有する 持要素を提供する。保持要素の壁部材の開 部が、触媒粒子が出入り自由な寸法を有す 場合、有機物の分解反応をより良好に制御 きるので、よりスムーズによりバランスよ 無機物の回収を行うことができる。
 本発明の他の態様において、壁部材の開口 は、回収される無機物が保持要素内に保持 れる寸法を有する保持要素を提供する。壁 材の開口部が、回収される無機物が保持要 内に保持される寸法を有する場合、回収さ る無機物がより十分に保持要素に保持され より触媒と無機物との分離が容易となる。

 本発明の更なる態様において、球形である 持要素を提供する。保持要素が球状である 合、保持要素が処理装置内部でより円滑に 転し、複合体の有機物の分解処理がより均 に行われる。
 本発明の好ましい態様において、カゴ状の 持要素を提供する。保持要素がカゴ状の場 、保持要素内に触媒がより均一に出入り自 となり、複合体の有機物の分解処理がより 一に行われる。

 本発明の他の要旨において、有機物と無機 を含む複合体が、上述のいずれかに記載の 持要素内に保持された状態で触媒粒子と接 させられることで、複合体の有機物を分解 て無機物を回収する方法を提供する。
 本発明に係る保持要素を、複合体の有機物 分解して無機物を回収する方法に使用する で、上述したように、使用した触媒粒子を 有機物の分解に再利用するために、分解処 後の触媒粒子と無機物を分別することを要 ず、触媒粒子を廃棄することが不要となり より効率的に有機物と無機物との複合体の 機物を分解処理して、無機物を回収するこ ができる。

 本発明の一の態様において、保持要素内に 持された複合体と触媒粒子との接触が、連 式で行われる回収方法を提供する。保持要 内に保持された複合体と触媒粒子との接触 、連続式で行われるので、より効率的に無 物の回収を行うことができる。
 本発明の他の態様において、スクリューフ ーダーを用いて連続式で行われる回収方法 提供する。回収方法は、スクリューフィー ーを用いて連続式で行われ、保持要素を一 ずつ触媒の中に分離して入れることができ ので、より確実に各々の複合体の有機物の 解を行うことができる。

 本発明の更なる態様において、保持要素内 保持された複合体と触媒粒子との接触が、 ッチ式で行われる回収方法を提供する。保 要素内に保持された複合体と触媒粒子との 触を、バッチ式で行うことで、一度に大量 保持要素を攪拌槽内に入れることができる また、保持要素を確実に触媒粒子の中に埋 させた状態で処理を開始できるため、複合 と触媒粒子との接触をより確実に行うこと でき、より高速かつ安全性の高い処理を行 ことができる。(接触状態が悪い場合、複合 体の有機物の分解が不十分となり得、有毒ガ スが発生し得る。)更に保持要素内に保持さ た複合体と触媒粒子との接触を、バッチ式 行う場合、撹拌槽の高さを保持要素の最大 幅(例えば、球形の場合、直径であり、楕円 の場合、長径である)に対して十分な寸法( は高さ)にし得るので、保持要素が、触媒粒 内に常に沈んだ状態で接触分解反応を行う とができる。従って、複合体に付着した有 物が触媒粒子と常に接触し、その結果有機 の分解が促進され得ると同時に、有機物の 解により発生する有機成分を含むガス(接触 分解反応による熱で、有機物がガス化したも の)も、触媒粒子により効率的に分解され得 。
 本発明の更なる別の態様において、攪拌槽 用いてバッチ式で行われる回収方法を提供 る。本発明に係る処理方法は、攪拌槽を用 てバッチ式で、より手軽に容易に複合体の 機物の分解処理を行うことができる。

 本発明の好ましい態様において、触媒粒子 、TiO 2 粒子である回収方法を提供する。触媒粒子と して、TiO 2 粒子を使用することで、より効率的に、無機 物を回収することができる。
 本発明の他の好ましい態様において、無機 は、金属である回収方法を提供する。本発 に係る回収方法は、回収する無機物として 金属に対して好ましく適用することができ 。
 本発明の他のより好ましい態様において、 機物と無機物を含む複合体が電気器具部品 あり、その電気器具部品から無機物を回収 る方法を提供する。本発明に係る回収方法 、電器器具部品に好ましく適用して、無機 を回収することができる。

 本発明の更なる要旨において、触媒と上述 いずれかに記載の保持要素を有する、有機 と無機物を含む複合体の有機物を分解して 機物を回収する装置であって、
 複合体が保持要素内に保持された状態で触 粒子と接触させられることで、複合体の有 物を分解して無機物を回収する装置を提供 る。
 本発明に係る装置は、上述の本発明に係る 持要素を使用するので、上述したように、 用した触媒粒子を、有機物の分解に再利用 るために、分解処理後の触媒粒子と無機物 分別することを要さず、触媒粒子を廃棄す ことが不要となり、より効率的に有機物と 機物との複合体の有機物を分解処理して、 機物を回収することができる。

図1は、特許文献1に記載の従来の有機 分解方法で用いられる分解装置を一部破断 て得られる斜視図を示す。 図2は、特許文献1に記載の従来の有機 分解方法を用いて、有機物のみを処理した 合のフロー図を示す。 図3は、特許文献1に記載の従来の有機 分解方法を用いて、有機物と無機物を含む 合体を処理した場合のフロー図を示す。 図4は、本発明の実施の形態1で記載し 保持要素を示す。 図5は、本発明の実施の形態2で用いた クリューフィーダーを用いた連続式装置を 式的に示した。 図6は、本発明の実施の形態3で用いた 拌槽を用いたバッチ式装置を模式的に示し 。

符号の説明

 1 有機物分解装置、 2 空気導入部、 3  有機物導入部、 4 加熱装置、 5 酸化チタ 粒子、 6 排出口、 7 補給具、 10 保持要 、 11 上部保持要素、 12 下部保持要素、 13 メネジ加工部、 14 オネジ加工部、 15  ィーダー槽、 16 スクリュー、 17 回転用 ーター、 18 投入装置、 19 シャッター、 20 スクリューフィーダーを用いた連続式装 、 21 酸化チタン粒子、 22 取り出し装置  23 開閉蓋、 24 リターン装置、 25 網(メ ッシュ)、 26 排気装置、 27 酸素(又は空気) 供給装置、 28 排出口、 29 回転用モーター 、 30 攪拌槽、 31 攪拌羽根、 32 酸素(又 空気)供給装置、 33 排気装置、 35 攪拌槽 用いたバッチ式装置

発明を実施するための形態

 本発明に係る「保持要素」は、開口部を有 る壁部材で構成される。
 「壁部材」とは、保持要素の壁部分を構成 る部材であって、複合体の有機物を分解す 条件下で、劣化しないものであれば特に制 されるものではない。そのような部材の素 として、例えば、金属、セラミック、ガラ 等を例示することができる。尚、「壁部材 は、ほとんど枠のみであってよい。

 「壁部材」が有する「開口部」は、少なく も保持要素内に触媒粒子が出入り自由であ 程度に大きく、保持要素内に入れた複合体 ら回収される無機物が、保持要素内部から 部に出られない程度に小さいことを要する そのような開口部の寸法及び形状は、触媒 子の寸法及び形状、複合物から回収される 機物の寸法及び形状に基づいて適切に定め れるものである。開口部の形状は、円形、 円形、三角形(例えば、正三角形等)、四角 (例えば正方形、長方形等)、五角形、六角形 (例えば、正六角形等)を例示できるが、円形 長方形等が好ましい。
 尚、壁部材は、開口率が、40%以上であるこ が好ましい。ここで、開口率とは、保持要 の外側の表面積(開口部の表面積も含む)を10 0%とする、開口部の割合(%)をいう。
 保持要素内に入れられた複合体の有機物の 触分解をできるだけ速く行うためには開口 を大きくして酸化チタンの出入りを積極的 することが望ましいが、保持要素は、一般 に480℃~500℃という温度領域で空気等にさら され、流動する酸化チタンの圧力や攪拌を促 進するスクリューとの接触により変形する恐 れがあるため、保持要素構成部品の壁部材の 厚みを薄くして開口率を極端に大きくするこ とは望ましくない。開口率は40~85%であること が好ましく、60~80%であることがより好ましく 、70~80%であることが特に好ましい。

 開口部を有する壁部材で構成された「保 要素」は、その内部に複合体を含むことが きる限り、その形状及び寸法は特に制限さ るものではない。「保持要素」の形状は、 状、卵状、袋状、箱状であってよい。また 保持要素は、カゴ状であってよい。複合体 入れるための入口を設け、入口を開き、複 体を中に入れた後、入口を閉じてよい。「 持要素」は、球状であって、カゴ状である とがより好ましい。「保持要素」の寸法は その中に入れる複合体及び触媒と複合体を 触させるために用いる装置等に基づいて適 に選択される。「保持要素」の寸法は、「 持要素」が球状の場合、直径が、80~120cmで ることが好ましく、90~100cmであることがより 好ましい。

 本発明において無機物を回収するために処 する複合体は、有機物と無機物を含んで成 。
 本発明において「有機物」とは、一般に炭 原子を構造の基本骨格に持つ化合物である 、無機物と複合体を形成し得るものであっ 、触媒粒子と接触することで分解し得るも であれば、特に制限されるものではない。
 そのような有機物として、例えば、プラス ック、潤滑油、接着剤、塗料等を例示する とができる。有機物は、有機物の単独又は み合わせであってよい。

 本発明において「無機物」とは、一般に有 物以外の化合物をいい、上記有機物と複合 を形成し得るものであれば、特に制限され ものではない。
 そのような無機物として、例えば、金属、 ラミック、ガラス等を例示することができ 。無機物は、無機物の単独又は組み合わせ あってよい。

 本発明に係る「複合体」は、上述のよう 有機物と無機物を含んで成るが、有機物は 媒粒子と接触して分解されることから、分 すべき有機物は複合体中で触媒と接触可能 ように存在することが必要である。従って 通常、分解すべき有機物は無機物の外側に 在し、例えば外側に付着している。

 複合体は、有機物と無機物を含んで成り 触媒粒子と接触させることで有機物を分解 て無機物を回収できるものであれば、特に 限されるものではない。複合体は、例えば 電気器具部品(特に廃家電)、自動車部品(特 、廃車)等に由来することを例示することが できる。複合体も、複合体の単独又は組合せ であってよい。

 複合体は、保持要素内に保持された状態で 媒粒子と接触させられるので、保持要素内 保持される大きさであることが必要である 従って、保持要素と比較して複合体が大き ぎる場合、複合体と触媒との接触を妨げな 範囲で、複合体をつぶしたり、折り曲げた 、より小さいサイズに分解することが好ま い。但し、複合体のサイズは、保持要素内 から外側へ脱落しないよう、保持要素の壁 材の開口部より大きいことが好ましい。
 より具体的には、複合体のサイズは、2~9cm あることが好ましく、3~5cmであることがより 好ましい。
 更に、壁部材の有する開口部のサイズは、 口部が円形の場合、直径が、0.5~3cmであるこ とが好ましく、1~2cmであることがより好まし 。
 また、壁部材の有する開口部のサイズは、 口部が長方形の場合、長辺の長さが、0.5cm~3 cmであることが好ましく、1cm~2cmであることが より好ましい。短辺の長さが、0.5cm~2cmである ことが好ましく、1cm~1.5cmであることがより好 ましい。

 本発明に係る保持要素は、複合体の有機 を分解して無機物を回収する方法及び装置 好適に使用することができる。本発明に係 保持要素を使用できる無機物回収方法及び 置であれば、方法及び装置は特に制限され ものではない。

 本発明では、複合体を上述の保持要素内に 持した状態で触媒粒子と接触させる。触媒 子は、保持要素の壁にある開口部を通って 持要素内に入り、保持要素内の複合体の有 物と接触する。その後、触媒粒子は、保持 素の壁の開口部を通って外に出る。
 このような保持要素内の複合体と触媒粒子 を接触させる有機物の分解は、種々の装置 び種々の方式を利用して行うことができる 有機物を分解して無機物を回収することが きる限り、方法及び装置は、特に制限され ものではない。

 有機物の分解は連続式で行うことができ 。「連続式」とは、一般的に連続式と呼ば る反応形式であればよく、通常、連続的に 応物である複合体が供給され、処理により られた無機物を連続的に取り出すことがで る反応形式をいう。連続式の反応は、種々 装置を使用して行うことができる。例えば キルン、スクリューフィーダー等を用いる とができる。

 また、有機物の分解はバッチ式で行うこ ができる。「バッチ式」とは、一般的にバ チ式と呼ばれる反応形式であればよく、通 、一回の反応毎に反応物である複合体が供 されて、得られた無機物を取り出す反応形 をいう。バッチ式の反応は、種々の装置を 用して行うことができる。例えば攪拌槽等 用いることができる。

 複合体と接触させる「触媒粒子」は、有機 を分解することができるものであれば特に 限されるものではない。そのような触媒と て、酸化チタンであることが好ましい。
 また、触媒粒子の形状及び寸法は、有機物 分解することができ、保持要素の開口部を 入り自由に通ることができる限り特に制限 れるものではない。

 複合体に含まれる有機物と触媒粒子とを 触させるときの反応条件は、使用する触媒 分解すべき有機物、反応時間等を考慮して 適切に選択される。例えば、使用する触媒 、酸化チタンである場合、空気雰囲気下、 応温度480~500℃を例示できる。

 更に本発明は、有機物と無機物を含む複合 を、上述の保持要素内に保持した状態で、 媒粒子と接触させることで、複合体の有機 を分解して無機物を回収する方法を提供す 。
 上述の保持要素を用いる無機物回収方法と て、例えば、下記の方法を例示することが きる。
 まず、上述の保持要素内に有機物と無機物 含む複合体を入れる。複合体は、保持要素 に入るように適宜つぶしてよい。次に、複 体を入れた保持要素を触媒と接触させる。 ッチ式で、例えば攪拌槽に触媒を入れてそ 中に保持要素を入れて攪拌することで、保 要素と触媒を接触させてもよいし、連続式 、例えば触媒を充填したスクリューフィー ーに保持要素を入れてスクリューを回転す ことで、保持要素と触媒を接触させてもよ 。複合体に含まれる有機物の分解を行うた に、適宜触媒を加熱したり、酸素ガス又は 気を触媒に送り込みながら、保持要素と触 を接触させる。保持要素は、分解処理中、 体が完全に触媒内に没することが好ましい 、複合体が触媒の外部にさらされない程度 、保持要素の一部は触媒内部から触媒の外 に出ていてもよい。分解反応終了後、例え 攪拌槽から保持要素を取り出すことで無機 を回収することができる。スクリューフィ ダーを使用する場合、スクリューフィーダ から保持要素及び触媒を押し出すことで、 応を終了させると同時に無機物を回収する とができる。

 また本発明は、触媒と上述の保持要素を する、有機物と無機物を含む複合体の有機 を分解して無機物を回収する装置であって 複合体を保持要素内に保持した状態で触媒 子と接触させることで、複合体の有機物を 解して無機物を回収する装置を提供する。 機物回収装置としては、バッチ式の装置と 続式の装置を例示することができる。バッ 式の装置として、例えば攪拌槽を用いる装 を例示することができ、連続式の装置とし 、スクリューフィーダーを用いる装置を例 することができる。

 以下、更に実施の形態及び実施例を参照 てより詳細に本発明を説明するが、これら 説明は、本発明を説明するためだけを目的 して記載されており、本発明を制限するこ を何ら意図するものではない。

 実施の形態1
 図4は、本発明の実施の形態1の球状でカゴ の保持要素10を示す。保持要素10は、上部保 要素11と、下部保持要素12の2つの部品で構 される。上部保持要素11と下部保持要素12を み合わせて一体化することで、保持要素10 構成することができる。両者を一体化する めには、例えば後述するねじ込み及び針金 しばる等の方法を利用することができる。 部保持要素11と下部保持要素12を一体化する 法は、両者を一体化することができ、中に れる複合体を保持できる限り、制限される のではない。保持要素10では、上部保持要 11の外径部分には、めねじ13が加工されてお 下部保持要素12の内径部分には、おねじ14が 加工されている。上部保持要素11を下部保持 素12にねじ込むことで両者を一体化して保 要素10を組み立てることができる。複合体の 分解処理を行う場合は、下部保持要素12もし は上部保持要素11のどちらかに、必要に応 て保持要素10に入るように破砕された複合体 を入れた後に、上部保持要素11と下部保持要 12の両者を合わせてねじ込みを行って、複 体を保持要素10内に保持する。保持要素10で 、上部保持要素11と下部保持要素12の締結方 法に上述のようにねじ込み式を採用すること で、特殊な工具を用いることなく短時間で、 複合体を保持要素に挿入すること及び複合体 を保持要素から取り出すことが可能である。

 球状の保持要素10の大きさ、即ち直径は 後述する使用する装置、中に入れる複合体 大きさ等を考慮して適宜選択することがで る。保持要素10では、具体的には例えば直径 100mmの球状である。保持要素10の球状部は針 で作られている。針金の材料と針金の直径 、十分な開口部を確保できる強度があり、 合体に含まれる有機物の分解処理条件下、 化反応に安定であれば特に限定されるもの はない。開口部の広さと保持要素10の強度を 考慮して、保持要素10では、直径2mmのステン ス製の針金を使用した。この保持要素の開 率は80%である。最も大きな開口部は、およ 長方形で、長辺が2cm、短辺が1.5cmである。

 実施の形態2
 実施の形態2は、保持要素内に保持された複 合体と触媒粒子との接触による複合体の有機 物の分解が、連続式で行われる装置及び方法 を説明する。
 図5に、実施の形態1の保持要素10を有する無 機物回収装置20及びその装置を用いる無機物 収方法を示す。装置20として一般的なスク ューフィーダーを用いる。
 フィーダー槽15の中には保持要素10と酸化チ タン21を搬送するためのスクリュー16が設け れている。槽内には、TiO 2 粒子を充填する。フィーダー槽15の外部に設 された回転用モーター17によりスクリュー16 が回転する。フィーダー槽15の上部に設けら た投入装置18には複合体が詰め込まれた保 要素10が格納されている。シャッター19を開 することで投入装置18の保持要素10がフィー ダー槽15へ投入され、保持要素10内の複合体 処理が開始される。投入された保持要素10は 、スクリュー16の回転によって、酸化チタン2 1内をTiO 2 粒子と一緒に図中の左から右へ移動し、フィ ーダー槽15の端部に設置された取り出し装置2 2から取り出される。

 処理される複合体を保持する保持要素10の 給速度、スクリュー16の回転速度は、フィー ダー槽15内の酸化チタン21の温度や、酸化チ ン21の活性化に必要な酸素ガス又は空気供給 装置27からの酸素ガス又は空気供給量、取り し装置22から取り出された保持要素10内部の 複合体の有機物の分解の状況に基づいて制御 される。
 複合体に含まれる有機物の分解が最も促進 れる条件を見つけ出せば、そのときの保持 素10の供給速度及びスクリュー16の回転速度 に基づいて、シャッター19を開閉するタイミ グを自動制御することで、投入装置18から 保持要素10の供給は自動的かつ連続的に行わ れる。

 具体的には、例えば、保持要素10として 実施の形態1で示した保持要素と同様の形状 直径90mmで開口率40%の球状の保持要素を作成 した。最大の開口部は、長辺が1.2cmで短辺が1 .0cmのおよそ長方形である。複合体として、 体的には、テレビから取り出した消磁石コ ル(約80重量%の無機物としての銅線およびそ 周囲に巻きつけられた約20重量%の有機物と ての塩化ビニルテープ)を処理した。光触媒 として市販されている顆粒状の酸化チタン約 200kgを、フィーダー槽15に充填した。フィー ー槽15内の酸化チタン21の温度は480~500℃であ った。酸素ガス供給装置27から、酸化チタン2 1の活性化に必要な酸素ガスを供給しながら 220秒間、有機物の分解反応を行った。保持 素1個当たりの消磁コイルの詰め込み量は150~ 200gである。このような条件で、複合体の有 物が分解され無機物を回収することができ 。

 投入された保持要素10はスクリュー16の回 転により酸化チタン21と接触しながら複合体 有機物が分解、ガス化される。酸化チタン2 1と複合体の有機物が接触することにより発 するガス(二酸化炭素、水、一酸化炭素など) はフィーダー槽15内を排気する排気装置26に 吸引され、その後必要に応じて無害化され 後に大気放出される。取り出し装置22の底部 には保持要素10の外径よりも小さく、酸化チ ン21の粒径よりも大きな目開きを有する網25 が取り付けられており保持要素10と一緒にこ に入って来た酸化チタン21と保持要素10が選 別される。選別された酸化チタン21はリター 機構(例えばベルトコンベア)24にて再びフィ ーダー槽15へ戻される。取り出し装置22に回 された保持要素10は、取り出し装置22の上部 設けられた開閉フタ23をあけて装置20の外部 へ取り出される。取り出された保持要素10は 作業者により、上部保持要素11と下部保持 素12に分割され、内部に残った無機物が回収 される。回収された無機物については別工程 にて鉄・非鉄など材料別に選別される。

 一連の作業において、保持要素10を複数 備し、作業者が保持要素10内部への破砕した 複合体の詰め込み作業と処理終了後の保持要 素10内から無機物を取り出す作業を行うこと 効率的な運転が可能である。

 実施の形態3
 実施の形態3は、保持要素内に保持された複 合体と触媒粒子との接触による複合体の有機 物の分解が、バッチ式で行われる装置及び方 法を説明する。
 図6は、上述の保持要素10を有する別の無機 回収装置35及びその装置を用いる無機物回 方法を示す。無機物回収装置35として、一般 的な攪拌槽を用いた。
 攪拌槽30の内部には、酸化チタン21(点線は 化チタン粒子による酸化チタン層の表面ラ ンを示す)と保持要素10が投入されている。 持要素10の内部には破砕された複合体が詰め 込まれている。攪拌槽30の下部には、槽内の 化チタン21と保持要素10を攪拌するための、 攪拌羽根31を回転させる回転用モーター29が 置されている。攪拌羽根31の回転速度、酸素 (又は空気)供給装置32から攪拌槽30へ送り込ま れる酸素(又は空気)量、酸化チタン21の温度 、一定時間攪拌後の保持要素10内の複合体に 含まれる有機物の分解の状況に基づいて、最 も分解・ガス化が促進されるような条件に設 定する。有機物の分解により発生するガスは 、攪拌槽30の上部に設置された排気装置33に 吸引され、無害化された後に、大気へ放出 れる。排出口28は、複合体の有機物の分解処 理中は閉じられており、分解処理終了後、排 出口28が開放され、酸化チタン21と保持要素10 は全て排出される。排出された酸化チタン21 保持要素10は、後工程で分別される。保持 素10内部に残った無機物についても後工程で 先と同様に材料別に分別される。

 具体的には、例えば、保持要素10として 直径100mmで直径2mmの針金を用いて、実施の形 態1で示した保持要素と同様の球状の保持要 を作成した。開口率は、80%である。最大の 口部は、長辺が2cmで短辺が1.5cmのおよそ長方 形である。複合体として、具体的には、テレ ビの電子銃部分を用いた。複合体は、無機物 としての銅線(コイル状)、マグネット等に有 物としてエポキシ樹脂、塩ビ被覆等が付着 たものである。複合体が保持要素10に入る うに適宜つぶした。空気を供給し、酸化チ ン21の温度は480℃~500℃と成るようにしなが 、90~120秒間反応させた。尚、触媒として光 媒用の酸化チタン粒子を用いた。このよう 条件で、複合体の有機物が分解され無機物 回収することができた。

 本発明は、従来の有機物と無機物との複 体から無機物を回収する方法及び装置と比 して、使用した触媒粒子を、有機物の分解 再利用するために、分解処理後の触媒粒子 無機物との分別が容易である無機物回収方 及び装置を提供するものである。

 [関連出願]
 尚、本出願は、2007年7月5日に日本国で出願 れた出願番号2007-177201を基礎出願とするパ 条約又は日本国特許法第41条に基づく優先権 を主張する。この基礎出願の内容は、参照す ることによって、本明細書に組み込まれる。