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Patent Searching and Data


Title:
RFID CARD CONTAINER AND RFID COMMUNICATION AUXILIARY SHEET
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/096471
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an RFID card container which contains a plurality of RFID tags and permits only one desired RFID tag to start up to be readable and other RFIDs to be unreadable when magnetic field is applied from an RFID reader. An RFID communication auxiliary sheet is also provided. The RFID card container and the RFID communication auxiliary sheet are manufactured by using a board-like member having a magnetic material layer, a conductor layer and a gap layer. In the RFID card container and the communication auxiliary sheet, the board-like member is used to be arranged between a first RFID tag and a second RFID tag. When magnetic field is applied from the RFID reader positioned on the side of the first RFID tag, the first RFID tag starts up and a reply is sent to the RFID reader. Since the second RFID tag does not start up due to demagnetizing field generated by an excess current generated at the conductor layer, a reply is not sent.

Inventors:
KIYOZUKA TORU (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/067861
Publication Date:
August 14, 2008
Filing Date:
September 13, 2007
Export Citation:
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Assignee:
TAIYO INC (JP)
KIYOZUKA TORU (JP)
International Classes:
G06K19/00; G06K19/073; H01Q1/38; H01Q17/00; H05K9/00
Foreign References:
JP2007012012A2007-01-18
JP2003099733A2003-04-04
Attorney, Agent or Firm:
HAGIHARA, Makoto (1-33 Shiba 2-chome, Minato-k, Tokyo 14, JP)
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Claims:
 単一の第1のRFIDタグを収納する第1収納部と、単一または複数の第2のRFIDタグを収納する第2収納部とを備えたRFID用カード収容具であって、
 前記第1収納部と前記第2収納部との間には、磁性体層と、第1の間隙層と、導電体層と、第2の間隙層とを順に積層して構成された板状部材が介在され、
 前記板状部材は、前記第1収納部に収納された前記第1のRFIDタグに記録された情報の読取りのために周波数13.56MHzの磁界が印加されたとき所定の磁界強度減衰率を有し、前記第1のRFIDタグを起動させつつ前記第2収納部に収納された前記第2のRFIDタグの起動は阻止することを特徴とするRFID用カード収容具。
 単一の第1のRFIDタグを収納する第1収納部と、単一の第2のRFIDタグを収納する第2収納部とを備えたRFID用カード収容具であって、
 前記第1収納部と前記第2収納部との間には、第1の磁性体層と、第1の間隙層と、第1の導電体層と、第2の間隙層と、第2の導電体層と、第3の間隙層と、第2の磁性体層とを順に積層して構成された板状部材が介在され、
 前記板状部材は、前記第1収納部に収納された前記第1のRFIDタグに記録された情報の読取りのために周波数13.56MHzの磁界が印加されたとき所定の磁界強度減衰率を有し、前記第1のRFIDタグを起動させつつ前記第2収納部に収納された前記第2のRFIDタグの起動は阻止するか、または、前記第2のRFIDタグを起動させつつ前記第1のRFIDタグの起動は阻止することを特徴とするRFID用カード収容具。
 単一の第1のRFIDタグを収納する第1収納部と、単一の第2のRFIDタグを収納する第2収納部とを備えたRFID用カード収容具であって、
 前記第1収納部と前記第2収納部との間には、第1の磁性体層と、第1の導電体層と、間隙層と、第2の導電体層と、第2の磁性体層とを順に積層して構成された板状部材が介在され、
 前記板状部材は、前記第1収納部に収納された前記第1のRFIDタグに記録された情報の読取りのために周波数13.56MHzの磁界が印加されたとき所定の磁界強度減衰率を有し、前記第1のRFIDタグを起動させつつ前記第2収納部に収納された前記第2のRFIDタグの起動は阻止するか、または、前記第2のRFIDタグを起動させつつ前記第1のRFIDタグの起動は阻止することを特徴とするRFID用カード収容具。
 請求項1乃至3のいずれかに記載のRFID用カード収容具において、
 前記導電体層は、厚さが35μmの銅であり、
 前記磁性体層は、周波数13.56MHzの磁界が印加されたとき1より高い比透磁率を有し、
 前記間隙層は、紙または樹脂により形成されることを特徴とするRFID用カード収容具。
 請求項1乃至4のいずれかに記載のRFID用カード収容具において、
 前記間隙層には孔が形成されることを特徴とするRFID用カード収容具。
 単一の第1のRFIDタグと単一または複数の第2のRFIDタグとの間に配置され、RFIDリーダと前記第1のRFIDタグとの間における通信を安定化し、且つ、前記RFIDリーダと前記第2のRFIDタグとの間における通信を阻止するRFID用通信補助シートであって、
 磁性体層と、第1の間隙層と、導電体層と、第2の間隙層とを順に積層して構成され、前記RFIDリーダから前記第1のRFIDタグに記録された情報の読取りのために周波数13.56MHzの磁界が印加されたとき所定の磁界強度減衰率を有し、前記第1のRFIDタグを起動させつつ前記第2のRFIDタグの起動は阻止することを特徴とするRFID用通信補助シート。
 単一の第1のRFIDタグと単一の第2のRFIDタグとの間に配置され、RFIDリーダと前記第1のRFIDタグとの間における通信を安定化し、且つ、前記RFIDリーダと前記第2のRFIDタグとの間における通信を阻止するか、または、前記RFIDリーダと前記第2のRFIDタグとの間における通信を安定化し、且つ、前記RFIDリーダと前記第1のRFIDタグとの間における通信を阻止するRFID用通信補助シートであって、
 第1の磁性体層と、第1の間隙層と、第1の導電体層と、第2の間隙層と、第2の導電体層と、第3の間隙層と、第2の磁性体層とを順に積層して構成され、前記RFIDリーダから前記第1のRFIDタグまたは前記第2のRFIDタグに記録された情報の読取りのために周波数13.56MHzの磁界が印加されたとき所定の磁界強度減衰率を有し、前記第1のRFIDタグを起動させつつ前記第2のRFIDタグの起動は阻止するか、または前記第2のRFIDタグを起動させつつ前記第1のRFIDタグの起動は阻止することを特徴とするRFID用通信補助シート。
 単一の第1のRFIDタグと単一の第2のRFIDタグとの間に配置され、RFIDリーダと前記第1のRFIDタグとの間における通信を安定化し、且つ、前記RFIDリーダと前記第2のRFIDタグとの間における通信を阻止するか、または、前記RFIDリーダと前記第2のRFIDタグとの間における通信を安定化し、且つ、前記RFIDリーダと前記第1のRFIDタグとの間における通信を阻止するRFID用通信補助シートであって、
 第1の磁性体層と、第1の導電体層と、間隙層と、第2の導電体層と、第2の磁性体層とを順に積層して構成され、前記RFIDリーダから前記第1のRFIDタグまたは前記第2のRFIDタグに記録された情報の読取りのために周波数13.56MHzの磁界が印加されたとき所定の磁界強度減衰率を有し、前記第1のRFIDタグを起動させつつ前記第2のRFIDタグの起動は阻止するか、または前記第2のRFIDタグを起動させつつ前記第1のRFIDタグの起動は阻止することを特徴とするRFID用通信補助シート。
 請求項6乃至8のいずれかに記載のRFID用通信補助シートにおいて、
 前記導電体層は厚さが35μmの銅であり、
 前記磁性体層は、周波数13.56MHzの磁界が印加されたとき1より高い比透磁率を有し、
 前記間隙層は、紙または樹脂により形成されることを特徴とするRFID用通信補助シート。
 請求項6乃至9のいずれかに記載のRFID用通信補助シートにおいて、
 前記間隙層には孔が形成されることを特徴とする通信補助シート。
Description:
RFID用カード収容具およびRFID用 信補助シート

 本発明はRFID用カード収容具およびRFID用 信補助シートに係り、より詳細には、複数 非接触ICカード等のRFIDタグを収納し、その ち所望の1つのRFIDタグのみを読取り可能とす る財布等のカード収容具と、複数のRFIDタグ あわせて保持するとき、そのうちの所望の1 のRFIDタグとリーダとの間における通信の安 定化および他のRFIDタグとリーダとの間にお る通信の阻止を同時に行うことのできる通 補助シートとに関する。

 近年、クレジットカードやキャッシュカ ド、公共交通機関の乗車券等、日常の様々 場面で非接触ICカード等のRFID(Radio Frequency  Identification)技術を利用したサービスが提供さ れるようになってきている。以下、非接触IC ードを例として、その動作を図1(a)および(b) を参照して端的に説明する。

 非接触ICカード10をリーダ20にかざしたと 、リーダ20が非接触ICカード10に対して磁界A を発生する。磁界Aが非接触ICカード10に内蔵 れているコイルを通過すると、コイルでは 束が電流に変換され、ICの電源として利用 れる。そして、リーダ20からの磁界とは逆向 きの磁界Bが発生し、リクエストコマンド信 に対する返信が行われる。これにより、リ ダ20はICカード10に記録されている情報を読 ることができる。

 非接触ICカードはこのようにリーダにか すだけで使用できるため、手軽で便利であ 。しかしその反面、カードに記録された情 が所持者の知らない間に不正に読取られて まうという事態も発生している。そこで、 キミングと呼ばれるこうした不正な読取り 防止することを目的として、本発明者は特 文献1に記載の非接触ICカード用スキミング 止機能を備えたカードを開発した。

 特許文献1に記載のスキミング防止機能を 備えたカードは、金、銀、銅、アルミニウム のうちいずれかよりなる金属薄板と、この金 属薄板をPET(ポリエチレンテレフタレート)ま はPVC(ポリ塩化ビニル)によりラミネート加 した化粧板とから構成される。

 図2(a)および(b)に示すように、このスキミ ング防止機能を備えたカードと非接触ICカー 10とを近接して配置することにより、リー 20からの磁界Aを受けたとき、スキミング防 機能を備えたカードの金属薄板に発生する 電流によってリーダ20からの磁界Aを打消す 磁界が生じ、非接触ICカード10は起動されな 。したがって、非接触ICカードに記録され いる情報がリーダに読取られることはない

 しかし、特許文献1に記載のカードによれ ば、スキミングを効果的に防止することがで きる反面、通常のリーダによる読取りも防止 してしまうという問題がある。したがって、 特許文献1に記載のカードとあわせて携帯し いる場合、非接触ICカードはいちいち単独で 取り出してリーダにかざさなければならず、 利便性が大きく低下してしまう。

 また、近時では多くの消費者が複数の非 触ICカードを所持するようになっており、 れらはしばしば財布等に一緒に収納される ところが、こうした財布をそのままリーダ かざすと、所望の1枚だけではなく、収納さ た各カードがそれぞれリーダに対して返信 行うので、混信による読取りエラーが発生 てしまう。したがってこの場合も、所望の1 枚の非接触ICカードのみを単独で取り出して ーダにかざさなければならない。

 このような問題を解決し、非接触ICカー をより便利に使用するために、例えば特許 献2に記載の非接触型ICカードホルダーや、 許文献3に記載のICカード用ホルダーを利用 ることができる。

 特許文献2に記載の非接触型ICカードホル ーは、複数のICカードをそれぞれ収納する 数のカード収納部を備えており、磁性体部 導電体部とから構成した隔壁部を設けるこ により、各カード収納部に収納されたICカー ドのうち所望のカードのみに対してデータの 読取りや書込みを行うことができるようにし たものである。

 また、特許文献3に記載のICカード用ホル ーは、2枚の非接触ICカード間に導電性シー と磁性シートとから構成される干渉防止体 介装することによって、各非接触ICカード 通信機能を確保するものである。

 こうしたカードホルダーによれば、複数の 接触ICカードのうち所望の1枚のみを、カー ホルダーに収納した状態のままで利用する とが可能である。

特許第3836496号公報

特許第3630006号公報

特開2005-11044号公報

 特許文献2および3からもわかるように、 電体と磁性体とを利用して、複数の非接触IC カードのうち所望の1枚の非接触ICカードのみ の起動を可能とすることについては、当業者 には知られているところである。そこで、本 発明者は、具体的にはどのような導電体と磁 性体とを用いるのが最も効果的であるのかを 見出すため、導電体と磁性体とから構成した 板状部材について研究を進めた。その結果、 次のような問題点が明らかになった。

 図3(a)~(c)に示すのは、導電体のみ、およ 導電体と磁性体とを組み合わせて構成した 状部材である。ここでは、導電体としては さが35μmの銅箔を用い、磁性体としては厚さ が150μm、比透磁率が20のフェライト片を用い いる。各板状部材のうち、Aは銅箔30のみ、B は銅箔30とフェライト片40とを組み合わせた 状部材、Cは第1のフェライト片401と第2のフ ライト片402との間に銅箔30を介在させた板状 部材である。

 これらの板状部材A~CについてKEC法により 界強度減衰率を測定したところ、表1に示す ような結果を得た。

 表1によれば、磁界強度減衰率は板状部材 A、B、Cの順に低くなっている。すなわち、こ の順に板状部材の遮蔽性が悪化することがわ かった。これは、2片の磁性体の間に導電体 介在させる構造の板状部材は、複数の非接 ICカードのうち1枚のみを起動させようとす とき、高い確実性を提供できないことを意 している。

 そこで、本発明は、このような問題を解 し、複数のRFIDタグを所持している場合にお いて、所望の1つのRFIDタグのみを確実に起動 せることを目的とする。

 こうした課題を解決するために本発明が 供するのは、単一の第1のRFIDタグを収納す 第1収納部と、単一または複数の第2のRFIDタ を収納する第2収納部とを備えたRFID用カード 収容具である。このRFID用カード収容具にお て、第1収納部と第2収納部との間には、磁性 体層と、第1の間隙層と、導電体層と、第2の 隙層とを順に積層して構成された板状部材 介在される。この板状部材は、第1収納部に 収納された第1のRFIDタグに記録された情報の 取りのために周波数13.56MHzの磁界が印加さ たとき所定の磁界強度減衰率を有し、第1のR FIDタグを起動させつつ第2収納部に収納され 第2のRFIDタグの起動は阻止する。

 また、本発明が提供するのは、単一の第1 のRFIDタグを収納する第1収納部と、単一の第2 のRFIDタグを収納する第2収納部とを備えたRFID 用カード収容具である。このRFID用カード収 具において、第1収納部と第2収納部との間に は、第1の磁性体層と、第1の間隙層と、第1の 導電体層と、第2の間隙層と、第2の導電体層 、第3の間隙層と、第2の磁性体層とを順に 層して構成された板状部材が介在される。 の板状部材は、第1収納部に収納された第1の RFIDタグに記録された情報の読取りのために 波数13.56MHzの磁界が印加されたとき所定の磁 界強度減衰率を有し、第1のRFIDタグを起動さ つつ第2収納部に収納された第2のRFIDタグの 動は阻止するか、または、第2のRFIDタグを 動させつつ第1のRFIDタグの起動は阻止する。

 また、本発明がさらに提供するのは、単 の第1のRFIDタグを収納する第1収納部と、単 の第2のRFIDタグを収納する第2収納部とを備 たRFID用カード収容具である。このRFID用カ ド収容具において、第1収納部と第2収納部と の間には、第1の磁性体層と、第1の導電体層 、間隙層と、第2の導電体層と、第2の磁性 層とを順に積層して構成された板状部材が 在される。この板状部材は、第1収納部に収 された第1のRFIDタグに記録された情報の読 りのために周波数13.56MHzの磁界が印加された とき所定の磁界強度減衰率を有し、第1のRFID グを起動させつつ第2収納部に収納された第 2のRFIDタグの起動は阻止するか、または、第2 のRFIDタグを起動させつつ第1のRFIDタグの起動 は阻止する。

 これらのRFID用カード収容具において、導 電体層は厚さが35μmの銅であり、磁性体層は 波数13.56MHzの磁界が印加されたとき1より高 比透磁率を有し、間隙層は紙または樹脂に り形成される。また、間隙層には孔が形成 れてもよい。

 前述の課題を解決するために本発明がさ に提供するのは、単一の第1のRFIDタグと単 または複数の第2のRFIDタグとの間に配置され 、RFIDリーダと第1のRFIDタグとの間における通 信を安定化し、且つ、RFIDと第2のRFIDタグとの 間における通信を阻止するRFID用通信補助シ トである。このRFID用通信補助シートは、磁 体層と、第1の間隙層と、導電体層と、第2 間隙層とを順に積層して構成され、RFIDリー から第1のRFIDタグに記録された情報の読取 のために周波数13.56MHzの磁界が印加されたと き所定の磁界強度減衰率を有し、第1のRFIDタ を起動させつつ第2のRFIDタグの起動は阻止 る。

 また、本発明が提供するのは、単一の第1 のRFIDタグと単一の第2のRFIDタグとの間に配置 され、RFIDリーダと第1のRFIDタグとの間におけ る通信を安定化し、且つ、RFIDリーダと第2のR FIDタグとの間における通信を阻止するか、ま たは、RFIDリーダと第2のRFIDタグとの間におけ る通信を安定化し、且つ、RFIDリーダと第1のR FIDタグとの間における通信を阻止するRFID用 信補助シートである。このRFID用通信補助シ トは、第1の磁性体と、第1の間隙層と、第1 導電体層と、第2の間隙層と、第2の導電体 と、第3の間隙層と、第2の磁性体層とを順に 積層して構成され、RFIDリーダから第1のRFIDタ グまたは第2のRFIDタグに記録された情報の読 取りのために周波数13.56MHzの磁界が印加さ たとき所定の磁界強度減衰率を有し、第1のR FIDタグを起動させつつ第2のRFIDタグの起動は 止するか、または第2のRFIDタグを起動させ つ第1のRFIDタグの起動は阻止する。

 また、本発明がさらに提供するのは、単 の第1のRFIDタグと単一の第2のRFIDタグとの間 に配置され、RFIDリーダと第1のRFIDタグとの間 における通信を安定化し、且つ、RFIDリーダ 第2のRFIDタグとの間における通信を阻止する か、または、RFIDリーダと第2のRFIDタグとの間 における通信を安定化し、且つ、RFIDリーダ 第1のRFIDタグとの間における通信を阻止する RFID用通信補助シートである。このRFID用通信 助シートは、第1の磁性体層と、第1の導電 層と、間隙層と、第2の導電体層と、第2の磁 性体層とを順に積層して構成され、RFIDリー から第1のRFIDタグまたは第2のRFIDタグに記録 れた情報の読取りのために周波数13.56MHzの 界が印加されたとき所定の磁界強度減衰率 有し、第1のRFIDタグを起動させつつ第2のRFID グの起動は阻止するか、または第2のRFIDタ を起動させつつ第1のRFIDタグの起動は阻止す る。

 これらのRFID用通信補助シートにおいて、 導電体層は厚さが35μmの銅であり、磁性体層 周波数13.56MHzの磁界が印加されたとき1より い比透磁率を有し、間隙層は紙または樹脂 より形成される。また、間隙層には孔が形 されてもよい。

 本発明のRFID用カード収容具によれば、複 数の非接触ICカード等のRFIDタグを収納したま まの状態でリーダにかざしても、読取りエラ ーを発生させることなく所望の1つのRFIDタグ みを起動させることができ、且つ、他のRFID タグについては読取りを防止することができ る。

 また、本発明のRFID用通信補助シートによ れば、2枚の非接触ICカード等のRFIDタグとあ せて保持することにより、所望の一方のRFID グのみを起動させ、且つ、他方のRFIDタグに ついては読取りを防止することができる。

 したがって、例えば頻繁に使用する非接 ICカードについては読取りを容易に行うこ ができるようにし、同時に、その他の非接 ICカードについてはスキミングを防止するこ とが可能である。

(a)および(b)は非接触ICカードの動作を 明する模式図。 (a)および(b)はスキミング防止機能を備 たカードを使用した場合の非接触ICカード 動作を説明する模式図。 (a)は銅箔のみ、(b)はフェライト片と銅 、(c)は2つのフェライト片と銅箔から構成さ れる板状部材を示す図。 (a)および(b)は第1の非接触ICカードと第2 の非接触ICカードとの間に板状部材を介在さ た場合における通信エラーの一例を示す図 (a)および(b)は第1の非接触ICカードと第2 の非接触ICカードとの間に板状部材を介在さ た場合における通信エラーの一例を示す図 (a)および(b)は第1の非接触ICカードと第2 の非接触ICカードとの間に板状部材を介在さ た場合における理想的な通信の一例を示す 。 (a)および(b)は第1の非接触ICカードと第2 の非接触ICカードとの間に磁性体および厚さ 異なる導電体を介在させた場合を示す図。 第1の非接触ICカードと第2の非接触ICカ ドとの間に介在させる板状部材の構成の一 を示す図。 第1の非接触ICカードと第2の非接触ICカ ドとの間に介在させる板状部材の構成の一 を示す図。 第1の非接触ICカードと第2の非接触ICカ ードとの間に介在させる板状部材の構成の一 例を示す図。 本発明の一実施例による財布を説明す る図。 本発明の一実施例による財布を説明す る図。 本発明の一実施例による財布を説明す る図。 第1の非接触ICカードと第2の非接触ICカ ードとの間に本発明の一実施例による通信補 助シートを介在させた場合における通信を説 明する図。

符号の説明

 10 非接触ICカード
 101 第1の非接触ICカード
 102,102a~102f 第2の非接触ICカード
 20,201,202 リーダ
 30 導電体/銅箔
 40、401,402 磁性体/フェライト片
 50 財布
 501 外側の皮革
 502 内側の皮革
 601 外ポケット
 602 内ポケット
 701,702,703 紙片

 以下、図面を参照して本発明を説明する

 なお、以降において、「表側」とは相対 にリーダに近い位置、「裏側」とは相対的 リーダから遠い位置を意味する。したがっ 、例えば、磁性体および導電体からなる板 部材を非接触ICカードの「表側」に配置す 、とは、リーダと非接触ICカードとの間に板 状部材を配置することを表す。また、板状部 材を非接触ICカードの「裏側」に配置する、 は、リーダと板状部材との間に非接触ICカ ドを配置することを表す。

 さらに、板状部材を非接触ICカードの表 および裏側のいずれに配置する場合であっ も、板状部材を構成する磁性体および導電 のうち、磁性体が常にリーダ側に配置され ものとする。

 本発明者は、特許文献1に記載のスキミン グ防止機能を備えたカードの開発過程におい て、磁性体であるフェライトについて測定を 行い、フェライトが次のような性質を持つこ とを見出した。

 第一に、フェライト片を非接触ICカード 表側に配置した場合、フェライト片はリー からの磁界を打消し、非接触ICカードを起動 させない。第二に、フェライト片を非接触IC ードの裏側に配置した場合、フェライト片 リーダからの磁界を増幅し、非接触ICカー に記録された情報の読取りを助長する。

 ここで、このような性質を備えた磁性体 導電体とからなる板状部材を非接触ICカー の裏側に配置した場合、非接触ICカードが起 動されることはわかっているが、これを実現 できる磁性体および導電体の詳細については 明らかではない。また、板状部材が適切な磁 性体および導電体から構成されていないと、 次のような問題が発生することがある。

 例えば、図4(a)および(b)の模式図に示すよ うに、リーダ20からの磁界Aにより、第1の非 触ICカード101のみを起動させることを目的と しているにもかかわらず、第1の非接触ICカー ド101および第2の非接触ICカード102がともに起 動されてそれぞれ返信B1およびB2を行ってし い、混信が起こる。

 あるいは、図5(a)および(b)の模式図に示す ように、リーダ20からの磁界Aを受けて導電体 30で発生した渦電流により、強い反磁界Cが生 じ、第1の非接触ICカード101および第2の非接 ICカード102がいずれも起動されず、返信が行 われない。

 こうした問題が発生しないようにするた には、非接触ICカードの規格を考慮すると リーダから周波数13.56MHzの磁界を印加された とき、所定の磁界強度減衰率を得ることので きる板状部材を用いるのが望ましい。ここで 、所定の磁界強度減衰率の理論値としては-9. 54dBが規定されており、この値は、KEC法での 定値とは一致しない。

 すなわち、KEC法による測定で得られた-22d Bでは理論値-9.54dBに達せず、KEC法で測定した 合には少なくとも-30dBの値が必要である。 性体および導電体を用いてそのような板状 材を構成し、2枚の非接触ICカードの間に介 させれば、図6(a)および(b)に示すように、リ ダ20から磁界Aが印加されたとき、磁性体40 よび導電体30の表側にある第1の非接触ICカー ド101は起動されて返信Bを行い、且つ裏側に 置する第2の非接触ICカード102は反磁界Cの作 により起動されず、混信の問題は発生しな と考えられる。

 そうすると、そのような板状部材を応用 て、磁性体と磁性体との間に導電体を介在 せた構成、すなわち磁性体と導電体とから る2つの板状部材を接着させた構成の板状部 材によれば、その表裏に配置した2枚の非接 ICカードのうち一方を起動させ、且つ他方を 起動させずに使用できるのではないかと推測 される。

 しかしながら、既に述べたように、導電 として銅箔を用い、磁性体としてフェライ 片を用いた場合、2つのフェライト片間に銅 箔を介在させて構成した板状部材では、銅箔 のみおよびフェライト片と銅箔とから構成し た板状部材と比較して高い磁界強度減衰率が 得られない。

 この現象の原因を明らかにするため、本 明者はまず、フェライト片間に介在させる 箔の厚さに着目し、銅箔の厚さの変更によ 磁界強度減衰率がどのように変化するかを べるための測定を行った。ここでは、厚さ 150μm、比透磁率が20の第1および第2のフェラ イト片401および402の間に、図7(a)および(b)に すように、厚さが35μmおよび70μmの銅箔30を 在させ、それぞれについてKEC法により磁界 度減衰率を測定した。表2に測定の結果を示 。

 表2より、銅箔の厚さを2倍にしても、磁 強度減衰率にはほとんど変化が見られない とがわかった。したがって、フェライト片 に介在させる銅箔の厚さを変更しても、エ ーの発生を防止する手立てとはならないと えられる。

 次に、本発明者は板状部材の構成に着目 た。すなわち、リーダからの磁界を受けた き、2つのフェライト片と銅箔とが密着して いると、銅箔に渦電流が流れ難くなるために 十分な磁界強度減衰率が得られないのではな いかと考えた。そこで、これを確かめるため 、次のような板状部材を用意した。

 図8に示すのは、フェライト片40、紙片701 銅箔30、紙片702を順に積層して構成した板 部材Dである。ここで、紙片701は、フェライ 片40と銅箔30との間に間隙を設けるために挿 入されたものである。

 また、同様にフェライト片と銅箔との間 間隙を設けた構成として、図9に示す板状部 材Eについても測定を行った。ここで、板状 材Eは第1のフェライト片401、紙片701、第1の 箔301、紙片702、第2の銅箔302、紙片703、第2の フェライト片402を順に積層して構成したもの である。

 さらに、図10に示す板状部材Fについても 定を行った。板状部材Fは第1のフェライト 401、第1の銅箔301、紙片70、第2の銅箔302、第2 のフェライト片402を順に積層したものである 。第1のフェライト片401と第1の銅箔301との間 および第2のフェライト片402と第2の銅箔302 の間には間隙がないが、積層の中央にあた 第1の銅箔301と第2の銅箔302との間に紙片70が まれることにより間隙が設けられている。

 図8~10に示す各板状部材D~Fにおいて、銅箔 は厚さが35μmのものを用い、フェライト片は さ150μm、比透磁率が20のものを使用した。 た、紙片の厚さは150μm、比誘電率は2.6であ 。これらの板状部材を用いてKEC法により磁 強度減衰率を測定した結果を表3に示す。

 ここで、表1に示したように、フェライト 片間に銅箔を介在させた板状部材Cにおける 界強度減衰率は-22dBであったのに対し、表3 示す板状部材D、E、Fは、いずれも板状部材C 比べて高い磁界強度減衰率を示している。 状部材D~Fのうち最も磁界強度減衰率の低い 状部材Fであっても、板状部材Cより約10dB高 遮蔽効果を得られることがわかった。

 このように、フェライト片と銅箔との間 すなわち磁性体と導電体との間に間隙を設 るか、あるいは2つのフェライト片の間に介 在させる2つの銅箔の間に間隙を設けること より、導電体における渦電流の発生が妨げ れなくなるものと考えられる。そのため、 状部材Dを用いれば、表側に配置された非接 ICカードのみを起動させ、裏側に配置され 非接触ICカードは起動させないようにするこ とができる。また、板状部材EまたはFを用い ば、表側および裏側にそれぞれ配置された 接触ICカードのうち、いずれか一方の非接 ICカードのみを起動させ、他方の非接触ICカ ドは起動させないようにすることができる

 そこで、D、E、Fのような板状部材を利用 て、例えば次のようなカード収容具を作製 ることができる。

 図11、12および13に示すのは、本発明の一 施例による財布である。この財布50は、図11 に示すように、内側に複数のカードおよび紙 幣を収納するための内ポケットを備える。内 ポケットに収納する複数のカード102a~102fは、 非接触ICカードや磁気式あるいは紙製のカー 等である。

 財布50は、破線Xで折畳んだ状態で携帯す 。図12(a)および(b)に折畳んだ状態の財布50を 示す。同図においては折り目Xが上側にあた 。図示するように、財布50は1つの外ポケッ 601を備え、ここには非接触ICカード101を1枚 み収納する。なお、外ポケット601は、財布50 の内ポケットのうち、例えばカード102fを収 する内ポケット602と重なる位置に設けられ 。

 このような財布50は全体として、例えば 革等の皮革により作製される。そして、少 くとも外ポケット601および内ポケット602が 置される部分には、外側の皮革501と内側の 革502との間に、前述した板状部材Dが挟み込 れる。これを図13に示す。

 板状部材Dは、外ポケット601および外側の 皮革501の側から内側の皮革502および内ポケッ ト602の側に向かって順に、フェライト層40、 片701、銅箔30、紙片702が位置するように、 布50に内蔵される。板状部材は、外側の皮革 501と内側の皮革502との間の全面にわたって広 がる大きさでもよいが、例えば外ポケット601 と重なる部分にだけフェライト層40を設け、 の他の部分には紙片701、銅箔30、紙片702の を積層させることも可能である。

 板状部材Dが内蔵されることにより、財布 50に複数の非接触ICカードが収納されている き、リーダからの磁界を受けると、外ポケ ト601に収納した非接触ICカード101のみが起動 される。このとき、財布の内側すなわち内ポ ケット602等に収納された非接触ICカードは起 されない。

 本発明の別の実施例においては、前述の 状部材EあるいはFを用いて、2枚の非接触IC ードをそれぞれ起動可能とする、図示しな カードケース等を作製することが可能であ 。その構成および機能を模式的に説明した が図14である。

 図14では、板状部材Eの表裏にそれぞれ第1 の非接触ICカード101と、第2の非接触ICカード1 02とが配置されている。ここで、第1の非接触 ICカード101がリーダ201から磁界A1を印加され とき、導電体層301に発生した渦電流によっ 生じた反磁界C1の作用により、第1の非接触IC カード101のみが返信B1を行い、第2の非接触IC ード102は起動されない。

 逆に、第2の非接触ICカード102がリーダ202 ら磁界A2を印加されたときには、導電体層30 2に発生した渦電流によって生じた反磁界C2の 作用により、第2の非接触ICカード102のみが返 信B2を行い、第1の非接触ICカード101は起動さ ない。

 なお、この実施例においては板状部材Eを 用いたが、板状部材Fを用いた場合であって 同様の機能を提供することができる。

 また、板状部材D、E、Fは、単に複数の非 触ICカードとあわせて保持することにより 所望の非接触ICカードについては読取りを可 能とし、その他の非接触ICカードについては 取りができないようにする通信補助シート して利用することも可能である。ただしそ 際、非接触ICカードと板状部材D、E、Fとの 置関係は、前述の2つの実施例と同様にしな ればならない。

 さらに、板状部材D、E、Fについて、導電 として銅箔以外のものを用いること、なら に磁性体としてフェライト以外のものを用 ることが可能であることは明らかである。 た、前述した実施例においては、2つの層の 間に間隙を設けるために紙片を使用したが、 紙片の代わりに例えばポリエチレンテレフタ レート(PET)や塩化ビニル等の樹脂を用いても い。こうした紙片や樹脂に孔をあけたりス ットを入れたりすることにより、間隙層の 誘電率を1に近づけ、渦電流の発生を大きく することも可能である。

 以上、本発明の実施例を説明したが、本 明はこれらの実施例に限られず、他にも定 乗車券入れやバッグ等、様々に実施するこ が可能である。