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Title:
RNA IN SITU HYBRIDIZATION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/142214
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for identifying the presence of target gene mRNA by hybridizing the target gene mRNA expressed in a tissue sample with at least one oligonucleic acid probe and detecting a low-molecular-weight compound label added to at least one nucleotide in the oligonucleic acid probe.  In the method, the tissue sample is pretreated with at least one dummy oligonucleic acid (prehybridization), and subsequently the oligonucleic acid probe is contacted with the tissue sample to hybridize the oligonucleic acid probe with the target gene mRNA, or alternatively, a mixed solution of the oligonucleic acid probe and the dummy oligonucleic acid is contacted with the tissue sample to hybridize the oligonucleic acid probe with the target gene mRNA.  The dummy oligonucleic acid has almost the same length as that of the oligonucleic acid probe.  The dummy oligonucleic acid cannot hybridize with a region on the target gene mRNA with which the oligonucleic acid probe can hybridize, and cannot hybridize with the oligonucleic acid probe.

Inventors:
DOI Hirofumi (INC. Venture Plaza Funabashi 222, 17-25, Kita-Honcho 1-chome, Funabashi-sh, Chiba 64, 〒2730864, JP)
土居 洋文 (〒64 千葉県船橋市北本町1-17-25 ベンチャープラザ船橋222 株式会社セリッシュエフディー内 Chiba, 〒2730864, JP)
MATSUOKA Masahiro (5-7-2308, Funabori 3-chome Edogawa-k, Tokyo 91, 〒1340091, JP)
松岡 雅裕 (〒91 東京都江戸川区船堀3丁目5-7-2308 Tokyo, 〒1340091, JP)
Application Number:
JP2009/059219
Publication Date:
November 26, 2009
Filing Date:
May 19, 2009
Export Citation:
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Assignee:
Celish FD, INC. (Venture Plaza Funabashi 222, 17-25 Kita-Honcho 1-chome, Funabashi-sh, Chiba 64, 〒2730864, JP)
株式会社セリッシュエフディー (〒64 千葉県船橋市北本町1-17-25 ベンチャープラザ船橋222 Chiba, 〒2730864, JP)
DOI Hirofumi (INC. Venture Plaza Funabashi 222, 17-25, Kita-Honcho 1-chome, Funabashi-sh, Chiba 64, 〒2730864, JP)
土居 洋文 (〒64 千葉県船橋市北本町1-17-25 ベンチャープラザ船橋222 株式会社セリッシュエフディー内 Chiba, 〒2730864, JP)
MATSUOKA Masahiro (5-7-2308, Funabori 3-chome Edogawa-k, Tokyo 91, 〒1340091, JP)
International Classes:
C12Q1/68; C12N15/09; G01N33/58
Attorney, Agent or Firm:
NISHIZAWA Toshio (Kudan-Horie Bldg. 6F, 3-14 Kudan-kita 4-chome, Chiyoda-k, Tokyo 73, 〒1020073, JP)
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Claims:
組織試料中で発現している標的遺伝子mRNAに対して1または複数種のオリゴ核酸プローブをハイブリダイズさせ、オリゴ核酸プローブの少なくとも1塩基に付加されている低分子化合物ラベルを検出して標的遺伝子mRNAの存在を特定する方法であって、
1種または複数種のダミーオリゴ核酸を組織試料に前処理(プレハイブリダイズ)させた後にオリゴ核酸プローブを組織試料に接触させて標的遺伝子mRNAとハイブリダイズさせるか、または
 オリゴ核酸プローブと前記のダミーオリゴ核酸との混合液を試料組織に接触させてオリゴ核酸プローブを標的遺伝子mRNAにハイブリダイズさせ、
前記ダミーオリゴ核酸は:
オリゴ核酸プローブと略同一の長さからなり、
標的遺伝子mRNA上のオリゴ核酸プローブがハイブリダイズする領域とはハイブリダイズせず、そして
オリゴ核酸プローブとはハイブリダイズしない、
ことを特徴とするRNA in situハイブリダイゼーション法。
ダミーオリゴ核酸量が、オリゴ核酸プローブ量の2~10倍である請求項1のRNA in situハイブリダイゼーション法。
オリゴ核酸プローブとダミーオリゴ核酸の塩基長が20bpから70bpの範囲で略同一である請求項2のRNA in situハイブリダイゼーション法。
オリゴ核酸プローブが、その5’末端塩基または/および3’末端塩基のそれぞれに低分子化合物ラベルが付加されている請求項1のRNA in situハイブリダイゼーション法。
請求項4に記載のオリゴ核酸プローブの2種以上を、互いの5’末端と3’末端とが8塩基以上離れるようにmRNAにハイブリダイズする請求項1のRNA in situハイブリダイゼーション法。
低分子化合物に対する抗体、
この抗体にコンジュゲートされた酵素、
この酵素の基質としての発色化合物または蛍光分子化合物を使って
検出シグナルを増感し、
10倍から40倍の対物レンズを使用してシグナルを検出する請求項1のRNA in situハイブリダイゼーション法。
組織試料がほ乳動物から単離した組織であり、ダミーオリゴ核酸がレトロトランスポゾンの反復配列の一部配列からなるオリゴ核酸である請求項1のRNA in situハイブリダイゼーション法。
組織試料がほ乳動物から単離した組織であり、ダミーオリゴ核酸が植物ゲノムの一部または微生物ゲノムの一部配列からなるオリゴ核酸である請求項1のRNA in situハイブリダイゼーション法。
ダミーオリゴ核酸が、
オリゴ核酸プローブの塩基配列における
AをTに、
TをAに、
GをCに、そして
CをGに置換し、
同じ塩基がM個(Mは4)以上で連続する場合は、その連続配列におけるM×0.2カ所(小数点以下切り上げて整数)からM×0.8カ所(小数点以下切り下げて整数)の塩基をその相補的な塩基で置換し、
5’側から読んでも3’側から読んでも同じ配列になるN塩基(Nは5)以上の回文配列がある場合は、少なくともN×0.2カ所(小数点以下切り上げて整数)、Nが偶数の場合多くて(N/2-1)カ所、Nが奇数の場合多くて((N-1)/2-1)カ所の塩基をその相補的な塩基で置換すること、
によって得られるオリゴ核酸である請求項1のRNA in situハイブリダイゼーション法。
請求項7に記載のRNA in situハイブリダイゼーション法に使用するダミーオリゴ核酸であり、レトロトランスポゾンの反復配列の一部配列からなるオリゴ核酸、または当該反復配列のそれぞれ異なる一部配列からなる複数種のオリゴ核酸のセット。
請求項8に記載のRNA in situハイブリダイゼーション法に使用するダミーオリゴ核酸であり、植物ゲノムの一部または微生物ゲノムの一部配列からなるオリゴ核酸、もしくは植物ゲノムまたは微生物ゲノムのそれぞれ異なる一部配列からなる複数種のオリゴ核酸のセット。
Description:
RNA in situハイブリダイゼーショ ン

 本発明は、病理学的および組織化学的に 伝子発現を簡便に検出・定量化し、研究な びに診断に利用することのできるRNA in situ ハイブリダイゼーションに関するものである 。

(1)RNA in situハイブリダイゼーション
 病理学的、組織化学的に遺伝子発現を検出 る方法が幾つか知られている。なかでも、 伝子が転写されてできた転写産物であるメ センジャーRNA(mRNA)を、mRNAが存在しているそ の場で(in situ)検出する方法として、in situハ イブリダイゼーション法がある。この方法は 、検出したいmRNAの配列に相補的な核酸配列 持った核酸プローブを溶解させたin situハイ ブリダイゼーション用のバッファー(特許文 1)を組織試料に添加させることにより核酸プ ローブをmRNAにハイブリダイズさせる。この き、核酸プローブには検出用のラベルが付 されており、ラベルを適当な方法で検出し 顕微鏡下で観察する(特許文献2)。多くの場 、ラベルとしてジゴキシゲニン(Dig、digoxigeni n)が使われ、抗ジゴキシゲニン抗体にアルカ フォスファターゼをコンジュゲートさせた 白質を用いて、抗ジゴキシゲニン抗体部分 Digラベルを検出し、さらにアルカリフォス ァターゼ-NBT/BCIPによる発色反応を起こさせ 増感する(特許文献3、4、5、6)。核酸プロー としては、検出したいmRNAの全長もしくは一 部の配列をin vitro転写系で転写させて得られ る相補的RNA、もしくは化学合成によるオリゴ DNA(特許文献7、8)あるいはオリゴRNAが用いら てきた。

 このようなin situハイブリダイゼーショ 法は、最初の論文がPardue and Gall(非特許文 1)およびJohn et al.(非特許文献2)により発表 れて以来、40年弱経過する。当初のラベルは 放射性ラジオアイソトープが用いられ、これ をフィルムに感光させmRNAの存在を検出する のであった。その後、非ラジオアイソトー 的手法(特許文献9)として、上述のDigラベル などが開発されてきた(特許文献3、4、5、6) また、増感法として上記アルカリフォスフ ターゼ-NBT/BCIPによる発色反応とは別に、tyram ide増感法(TSA増感法)が開発され、検出感度を げるのに用いられ(特許文献10、11、12)、蛍 色素を使った検出も開発されている(非特許 献3、特許文献13、14、15)。

(2)核酸プローブ
 検出したいmRNAに対する核酸プローブとして 、in vitro転写系で転写させて得られる相補的 RNAを用いる場合、Dig-UTPをin vitro転写系に混 することにより、転写合成される相補的RNA Dig-UTPを取り込ませてDigラベルを付けるが(特 許文献3、4、5、6)、個々の相補的RNAプローブ 子に何個のDig-UTPが取り込まれ、またプロー ブ配列中のどの位置に取り込まれるか、は人 為的に制御できない。また、相補的RNAをプロ ーブとして用いる場合、強いシグナルを獲得 するために、in vitro転写系でなるべく長い相 補的RNAを合成し、加水分解で長さが300塩基か ら500塩基程度の断片化されたプローブを作成 し使用されてきた。この場合、どこで加水分 解されるかという場所を人為的に制御できず 、いろんな断片の混在したプローブとなる。 いろんな断片の混在を避ける為に、標的とす るmRNA全長の中から、他の遺伝子として特性 高い長さが300塩基から500塩基程度の領域を 算機で1個選択し、この領域をクローニング にin vitro転写系で相補的RNAプローブを作成 、プローブ1種類でRNA in situハイブリダイ ーションを行う場合もある。しかし、領域 選択にはクローニングの際、PCRプライマー してのこの領域の両端配列の制約やハイブ ダイゼーション時の重要なパラメーターで るGC含量の制約などから遺伝子間毎にプロー ブの長さがまちまちとなる。さらには、in vi tro転写系では選択した領域に加えて相補的RNA の3’末端側に使用するベクターなどの余計 配列が付加される欠点がある。このように in vitro転写系を用いて相補的RNAをプローブ して使用する場合、プローブごとに長さが ちまちであり、付加されるラベルの位置や も制御できないことから、発現しているmRNA 定量化するための検出に用いるプローブに 量性を持たせることができない、という欠 が存在する。特に複数の遺伝子間での発現 の比較を目的とするのには、使用するプロ ブ間でのハイブリダイゼーションの条件が なるため、従来の相補的RNAプローブは向い いない。また、相補的RNAを核酸プローブと て用いるときには、実験的条件設定に困難 伴う。すなわち、ハイブリダイゼーション 程は、一種の平衡反応であるため、検出感 を上げる目的で核酸プローブがなるべく多 のmRNA分子にハイブリダイズするプローブの 濃度条件およびハイブリダイズさせるときの 温度条件を探索する必要があり、それは用い る相補的RNAプローブの長さやGC含量によって なる。ハイブリダイズした相補的RNAプロー を検出するプロセスでは、ラベルを検出す ための抗体反応も平衡反応であるため、抗 濃度をどれくらいにするか、の条件探索が 要となる。さらに、アルカリフォスファタ ゼによる発色反応などの増感も反応時間に 存して発色強度が増すため、反応時間の制 が必要となる。以上のように、in vitro転写 で作成された相補的RNAを核酸プローブとし 使用する場合は、複雑なプロセスと条件探 が必要で簡便ではない。

 最近、DNA合成機などで化学的に合成され オリゴ核酸をプローブとして用いることが 試みられるようになってきた。これは、mRNA をクローニングしなくても、データベースに 登録された核酸配列をもとに簡単にプローブ 作成を行えるためであると考えられる。さら に、配列が短いため300塩基から500塩基の長さ の相補的RNAプローブに比べて組織サンプルへ の浸透性が良いという利点がある。一方、相 補的RNAプローブに比べて、オリゴ核酸プロー ブは長さが短いためプローブ1分子当たりに いているラベルの数が少なく、したがって イブリダイズしたオリゴ核酸を検出するの 、シグナル強度が弱いという欠点がある。

 この欠点を克服する為に、大きくは二つ 方向が試みられてきた。一つは、オリゴ核 プローブのラベル分子として、Cy3やフルオ セインなどの蛍光分子を使用し、60倍から10 0倍の高倍率の対物レンズを使用してラベル 蛍光分子から発せられる微弱な蛍光を輝点 して捉えZ軸方向で多数のoptical sectionの画像 を、CCDカメラを使って撮影し、計算機アルゴ リズムを使って画像を鮮明化することにより 観察する方法である(特許文献13)。計算機処 するため、1ピクセル中の輝度を計測するこ ができ、mRNAの定量化が可能である。この場 合、シグナル強度をかせぐために、ラベル分 子が付加されている塩基間を10塩基以上離す によりプローブに付加するラベル分子の数 多くすることが試みられている。さらに、 の方法を発展させて検出したいmRNAを、複数 の蛍光分子でカラーコード化させたプローブ を用いてmRNAが転写されている場所で、検出 る方法も開発されている(特許文献14、15)。

 もう一つの方向は、プローブ分子の標的mRNA と相補的な配列の外側にテイル(tail)を付けて 付加するラベル分子の数を増やす手法や、TSA (tyramide sensitivity amplification)と呼ばれる増感 (特許文献10、11、12)などにより、シグナル 増感し検出・観察する方法である。アルカ ファスファターゼ-NBT/BCIPによる発色増感やTS A増感法では、バックグランドノイズが増感 よって高くなる傾向があり、発現の強弱は 性的に顕微鏡観察されているが、mRNA量の定 化までには至っていない。また、同じ組織 ンプルにおいて、複数の遺伝子のmRNA間での 発現量の比較までには至っていない。

U.S. Patent No. 5750340

U. S. Patent No. 4,888,278

日本特許第1999884号

U. S. Patent No. 5344757

U. S. Patent No. 5354657

U.S. Patent No. 5702888

U.S. Patent No. 5597692

U.S. Patent No. 6265156

U.S. Patent No. 5,985,549

U.S. Patent No. 5196306

U.S. Patent No. 5,583001

U.S. Patent No. 5,731158

U.S. Patent No. 5,866,331

U.S. Patent No. 6,534,266

特表2002-542793 Pardue ML、and Gall JG.(1969) Molecular hybridiz ation of radioactive DNA to the DNA of cytological  preparations. Proc Natl Acad Sci U S A. 1969 Oct;64 (2):600-4 John et al. (1969) RNA-DNA hybrids at the cyto logical level. Nature. 1969 Aug 9;223(5206):582-7 Levsky JM, and Singer RH, Fluorescence in situ hybridization: past, present and future. J. Cell Sci ence, 116, 2833-2838, 2003.

 発現しているmRNAの定量化には、定量性PCR 法が使われる。しかし、定量性PCRでは組織を ホモジェナイズして組織の構築を壊し、組織 中に存在する種々の細胞由来のmRNAが混合し 試料を使用するため、個々の細胞で発現し いるmRNAの定量化はできない。そこで、局在 に加えて組織化学的に発現しているmRNAの量 を定量化できれば、組織中の種々の細胞で発 現しているmRNAの定量化が可能となり、サイ ンスおよび産業上の応用が広がる。例えば 癌組織には癌細胞と正常細胞が混在し、さ には正常細胞には種々のものが共存してい 。また、癌組織には多くの場合、分化度の い癌細胞や分化度の低い癌細胞が混在して る。このような癌組織の癌細胞において、 織化学的に発現しているmRNAを検出し定量化 ることにより、抗癌剤の奏効を診断できる うになれば、癌の化学治療の観点から大き 効果が期待できる。

 組織化学的に組織試料におけるmRNAの局在 性を検出するための方法としてRNA in situハ ブリダイゼーション法がある。従来、RNA in situハイブリダイゼーション法として多くの 合、in vitro転写系で作成された相補的RNAが ローブとして用いられてきた。しかし、相 的RNAプローブは、検出したいmRNAの存在(局 性)を病理学的、組織化学的に検出できたと ても、いったい、どのくらいのmRNA量がそこ に存在するのか、定量化するのには向いてい ない。また、蛍光分子でラベルしたオリゴDNA プローブを用いる場合、蛍光強度を計算機を 使って計測することにより発現しているmRNA 定量化は可能であるが、蛍光シグナルの検 には60倍から100倍の高倍率の対物レンズを用 いる必要がある。このため、組織試料におけ る検出可能範囲が非常に狭く、10倍から40倍 対物レンズを使って組織試料の広範囲につ て診断する通常の病理学的、組織化学的な 法論をとる場合、mRNAの存在の検出には困難 伴う。さらには、高価な顕微鏡を使ってZ軸 方向での多くのoptical sectionでの画像撮影が 要であり、特殊な計算機アルゴリズムを用 て画像を鮮明化するため、mRNAの検出は簡便 ない。一方、10倍から40倍の対物レンズを使 って組織試料におけるmRNAを検出するためにTS A増感などの増感法を用いた場合、標的のシ ナルだけでなくバックグランドノイズも同 に増幅されシグナル-ノイズ比(SN比)が悪く、 mRNAの定量化は困難であった。

 通常、RNA in situハイブリダイゼーション を行うとき、バックグランドノイズを下げる ために、魚(主にサケ)精子のDNAや酵母菌tRNAな どが使用される。組織試料は生体試料である ため、生体高分子と分子的な特性が同等な核 酸プローブが非特異的に吸着する部位が組織 試料に数多く存在する。非特異的に組織試料 に吸着した核酸プローブはバックグランドノ イズの原因となる。特に増感法によりシグナ ルを増感した場合、バックグランドノイズも 同時に増幅され、SN比の悪化を招く。この核 プローブの組織試料に対する非特異的吸着 防ぐために、超音波処理によって長さ2000塩 基ほどに断片化された1本鎖の魚精子DNAや酵 菌tRNAなどを、核酸プローブをハイブリダイ させる前にプレハイブリダイズ用として使 して非特異的吸着部位に吸着させておけば バックグランドノイズを下げる事ができる あるいは魚精子DNAや酵母菌tRNAはハイブリダ イゼーション溶液中に核酸プローブとミック スさせて使用される。

 しかし、オリゴ核酸プローブを使用する 合、長さ2000塩基ほどの一本鎖に断片化され た魚精子DNAを使うと、魚精子DNA中にオリゴ核 酸プローブがハイブリダイズする部位が存在 する可能性がある。この部位が本来の組織試 料中の標的mRNAと競争することにより、オリ 核酸プローブが標的mRNAにハイブリダイズす ときの妨げとなり、本来のシグナルを下げ 原因となる可能性がある。あるいは魚精子D NAにハイブリダイズしたオリゴ核酸プローブ バックグランドノイズの原因となり、増感 よってそのノイズは増幅される。また、オ ゴ核酸プローブは、魚精子DNAが長さ2000塩基 ほどに断片化されているにしても、魚精子DNA と比較して短く、組織試料への浸透性が高い ため、組織試料中に魚精子DNAが到達できない 非特異的吸着部位が存在している可能性があ り、これがバックグランドノイズを上げる原 因となる可能性がある。

 本発明は、上記問題点に鑑みてなされた のであって、バックグランドノイズを下げ グナルを増幅することにより、10倍から40倍 の対物レンズを使用して、mRNAの発現量に応 たシグナル強度の変化を正確かつ簡便に検 することによって、病理学的および組織化 的に発現しているmRNAを検出・定量化し、研 ならびに診断に利用するための手段を提供 ることを課題としている。

 本発明者は、RNA in situ hybridizationで通常 使われるサケなどの魚精子DNAではなく、オリ ゴ核酸プローブと略同一長のダミーオリゴ核 酸を、オリゴ核酸プローブの組織試料への非 特異的吸着を防ぐために使用することにより 、増感法を用いた場合、蛍光顕微鏡で10倍か 20倍の対物レンズを使用してCCDカメラによ 簡便に画像撮影し、SN比の向上ならびにシグ ナルの増強があることを見いだした。そして 、このダミーオリゴ核酸の使用を前提として 、オリゴ核酸プローブのラベルの数が増える にしたがって観察されるシグナル強度が加算 的に増えることを見いだした。さらに、ひと つの遺伝子の発現mRNAを検出するに際し、同 数のラベルのついたオリゴ核酸プローブの 列種類数が増えるにしたがって、観察され シグナル強度が加算的に増えることを見い した。さらに、オリゴ核酸プローブ配列中 GC含量が増えるにしたがって、観察されるシ グナル強度が増加関数的に増えることを見い だした。また、プローブのTm値が上昇するに たがって、観察されるシグナル強度が増加 数的に増えることを見いだした。

 本発明は、発明者らによる以上の新規知見 基づき、以下を提供する。
(1)組織試料中で発現している標的遺伝子mRNA 対して1または複数種のオリゴ核酸プローブ ハイブリダイズさせ、オリゴ核酸プローブ 少なくとも1塩基に付加されている低分子化 合物ラベルを検出して標的遺伝子mRNAの存在 特定する方法であって、
1種または複数種のダミーオリゴ核酸を組織 料に前処理(プレハイブリダイズ)させた後に オリゴ核酸プローブを組織試料に接触させて 標的遺伝子mRNAとハイブリダイズさせるか、 たは
 オリゴ核酸プローブと前記のダミーオリゴ 酸との混合液を試料組織に接触させてオリ 核酸プローブを標的遺伝子mRNAにハイブリダ イズさせ、
前記ダミーオリゴ核酸は:
オリゴ核酸プローブと略同一の長さからなり 、
標的遺伝子mRNA上のオリゴ核酸プローブがハ ブリダイズする領域とはハイブリダイズせ 、そして
オリゴ核酸プローブとはハイブリダイズしな い、
ことを特徴とするRNA in situハイブリダイゼ ション法。
(2) ダミーオリゴ核酸量が、オリゴ核酸プロ ブ量の2~10倍である前記(1)のRNA in situハイ リダイゼーション法。
(3) オリゴ核酸プローブとダミーオリゴ核酸 塩基長が20bpから70bpの範囲で略同一である 記(2)のRNA in situハイブリダイゼーション法
(4) オリゴ核酸プローブが、その5’末端塩基 または/および3’末端塩基のそれぞれに低分 化合物ラベルが付加されている前記(1)のRNA in situハイブリダイゼーション法。
(5) 前記(4)に記載のオリゴ核酸プローブの2種 以上を、互いの5’末端と3’末端とが8塩基以 上離れるようにmRNAにハイブリダイズする前 (1)のRNA in situハイブリダイゼーション法。
(6) 低分子化合物に対する抗体、この抗体に ンジュゲートされた酵素、この酵素の基質 しての発色化合物または蛍光分子化合物を って検出シグナルを増感し、10倍から40倍の 対物レンズを使用してシグナルを検出す前記 (1)のRNA in situハイブリダイゼーション法。
(7) 組織試料がほ乳動物から単離した組織で り、ダミーオリゴ核酸がレトロトランスポ ンの反復配列の一部に相当するオリゴ核酸 ある前記(1)のRNA in situハイブリダイゼーシ ョン法。
(8) 組織試料がほ乳動物から単離した組織で り、ダミーオリゴ核酸が植物ゲノムの一部 たは微生物ゲノムの一部に相当するオリゴ 酸である前記(1)のRNA in situハイブリダイゼ ーション法。
(9) ダミーオリゴ核酸が、
オリゴ核酸プローブの塩基配列におけるAをT 、TをAに、GをCに、そしてCをGに置換し、
同じ塩基がM個(Mは4)以上で連続する場合は、 の連続配列におけるM×0.2カ所(小数点以下切 り上げて整数)からM×0.8カ所(小数点以下切り げて整数)の塩基をその相補的な塩基で置換 し、
5’側から読んでも3’側から読んでも同じ配 になるN塩基(Nは5)以上の回文配列がある場 は、少なくともN×0.2カ所(小数点以下切り上 て整数)、Nが偶数の場合多くて(N/2-1)カ所、N が奇数の場合多くて((N-1)/2-1)カ所の塩基をそ 相補的な塩基で置換すること、
によって得られるオリゴ核酸である前記(1)の RNA in situハイブリダイゼーション法。
(10) 前記(7)に記載のRNA in situハイブリダイ ーション法に使用するダミーオリゴ核酸で り、レトロトランスポゾンの反復配列の一 配列からなるオリゴ核酸、または当該反復 列のそれぞれ異なる一部配列からなる複数 のオリゴ核酸のセット。
(11) 前記(8)に記載のRNA in situハイブリダイ ーション法に使用するダミーオリゴ核酸で り、植物ゲノムの一部または微生物ゲノム 一部配列からなるオリゴ核酸、もしくは植 ゲノムまたは微生物ゲノムのそれぞれ異な 一部配列からなる複数種のオリゴ核酸のセ ト。

 前記のとおりの本発明によって、病理学 および組織化学的に発現しているmRNAを簡便 かつ高精度で検出・定量化することが可能と なり、各種疾患の原因や治療法等に関する基 礎研究を進展させ、あるいは各種疾患の診断 精度の向上に大きく貢献する。

実施例1において、ダミーオリゴDNAのオ リゴDNAプローブ濃度に対する最適添加比率を 求めたRNA in situハイブリダイゼーションの 果である。 実施例1において、ダミーオリゴDNAのオ リゴDNAプローブ濃度に対する最適添加比率を 求めるため、RNA in situハイブリダイゼーシ ンの結果から各添加比率におけるシグナル 度を求めた結果である。 実施例1において、ダミーオリゴDNAのオ リゴDNAプローブ濃度に対する最適添加比率を 求めるため、添加比率1倍および8倍について プローブ濃度におけるシグナル強度求めた 果である。 実施例2において、ダミーオリゴDNAの2 類、サケ精子DNA、および無添加の場合の各 リゴDNAプローブ濃度に対する効果を求めたRN A in situハイブリダイゼーションの結果であ 。 実施例2において、ダミーオリゴDNAの2 類、サケ精子DNA、および無添加の場合の各 リゴDNAプローブ濃度に対する効果を求める め、RNA in situハイブリダイゼーションの結 から、プローブ濃度が0nMのときのシグナル 度を計算した結果である。 実施例2において、ダミーオリゴDNAの2 類、サケ精子DNA、および無添加の場合の各 リゴDNAプローブ濃度に対する効果を求める め、RNA in situハイブリダイゼーションの結 から、計算された各プローブ濃度における グナル強度である。 実施例3において、ダミーオリゴDNAとサ ケ精子DNAのRNA in situハイブリダイゼーショ のRNA検出における効果の比較を行った結果 ある。 実施例3において、得られたSN比を縦軸 、プローブ濃度を横軸にとり、ダミーオリ DNAを添加した場合のSN比とサケ精子DNAを添 した場合のSN比の比較を示す。 実施例4において、使用するダミーオリ ゴDNA配列の種類および数を変更して行ったRNA  in situハイブリダイゼーションの結果であ 。 実施例4において、種々のダミーオリ DNAの効果を求めるためのRNA in situハイブリ イゼーションの結果から各ダミーオリゴDNA 効果をシグナル強度として求めた結果であ 。 実施例5において、検出に使用するプ ーブの種類数と検出されるシグナル強度の 係を示すRNA in situハイブリダイゼーション 写真像である。 実施例5におけるシグナル強度とプロ ブの種類数との相関関係である。 実施例6において、検出に使用するプ ーブの濃度が上がるに従ってシグナル強度 どのように変化するか撮影した写真像であ 。 実施例6におけるシグナル強度とプロ ブ濃度との相関関係である。 実施例6におけるシグナル強度とプロ ブ濃度との相関関係である。 実施例7において、検出に使用するプ ーブの濃度が上がるに従ってシグナル強度 、どのように変化するかを調べた写真像で る。 実施例7におけるシグナル強度とプロ ブ濃度との相関関係である。 実施例8において、概日周期に従い発 が変動する遺伝子Arntlについて午前9時から4 間おきに深夜1時まで、マウス肝臓について RNA in situハイブリダイゼーションで調べた 真像である。 実施例8において、内部標準遺伝子Actb よび概日周期に従い発現が変動する遺伝子A rntlについて午前9時から4時間おきに深夜1時 で、肝臓を採取し、発現量の変化を定量PCR 調べた結果である。 実施例8において、遺伝子Arntlについて 午前9時から4時間おきに深夜1時まで、肝臓に おける発現変化をRNA in situハイブリダイゼ ションで調べ、シグナル強度の変化を求め 結果である。 実施例8において、遺伝子Arntlについて 午前9時から4時間おきに深夜1時まで、肝臓に おける発現変化を、定量PCRおよびRNA in situ イブリダイゼーションで調べ、定量PCRの結 およびシグナル強度の結果の相関をとった である。 実施例9において、遺伝子Cyp1a2およびAl bについて肝臓における発現を、複数のオリ DNAプローブを用いて同時にRNA in situハイブ ダイゼーションを実施することにより得た 真像である。 実施例10において、tyramide sensitivity am plificationにおけるtyramide-Fluの濃度の影響を調 た結果である。 実施例11において、各オリゴ核酸のGC 量(%)を計算した例である。 実施例12において、オリゴ核酸プロー のラベルを付ける位置(5’末端または3’末 )の効果および数の効果を、ラット肺におけ るラットアクチンベータ遺伝子Actbに対するin  situハイブリダイゼーションのシグナル強度 で確認した結果である。 実施例13において、一つの遺伝子のmRNA 上で、複数のラベルを用いてハイブリダイズ した産物を検出しようとするとき、mRNAの核 配列上で、2個のラベルはいったいどれくら 離れている必要があるかを確認するための2 つのオリゴDNAプローブの概念図である。 実施例13において、一つの遺伝子のmRNA 上で、複数のラベルを用いてハイブリダイズ した産物を検出しようとするとき、mRNAの核 配列上で、2個のラベルはいったいどれくら 離れている必要があるかを確認するため実 したRNA in situハイブリダイゼーションの結 果である。 実施例14において、GC含量を変化させ オリゴ核酸プローブでin situハイブリダイゼ ーションを行った結果である。

 発明(1)は、標的遺伝子mRNA上のオリゴ核酸 プローブがハイブリダイズする領域とはハイ ブリダイズせず、またオリゴ核酸プローブと もハイブリダイズしない1種または複数種の ミーオリゴ核酸を使用することを特徴とす 。具体的には、一本鎖のダミーオリゴ核酸 組織試料に前処理(プレハイブリダイズ)させ た後に一本鎖のオリゴ核酸プローブを組織試 料に接触させて標的遺伝子mRNAとハイブリダ ズさせるか、または一本鎖のオリゴ核酸プ ーブと一本鎖のダミーオリゴ核酸との混合 を組織試料に接触させて一本鎖のオリゴ核 プローブを標的遺伝子mRNAにハイブリダイズ せる。なお、標的遺伝子は、組織試料にお て発現している1種~10種程度の遺伝子mRNAで る。

 ダミーオリゴ核酸は、標的遺伝子mRNA上の オリゴ核酸プローブがハイブリダイズする領 域とはハイブリダイズせず、またオリゴ核酸 プローブともハイブリダイズしないことを条 件として化学合成により作成することができ る。化学合成には、市販の自動DNA合成機も使 用できる。また、DNA合成受託会社を利用する こともできる。ダミーオリゴ核酸が標的遺伝 子mRNA上のオリゴ核酸プローブがハイブリダ ズする領域とはハイブリダイズしない条件 は、標的遺伝子mRNAとハイブリダイズするオ ゴ核酸プローブとは異なる塩基配列を有す ことと同義である。この場合の異なる塩基 列とは、例えば、Blast等の塩基配列比較に ける一致率が30%以下、好ましくは20%以下、 らに好ましくは10%以下であること基準とす ことができる。あるいは、オリゴ核酸プロ ブの全長の70%以上、好ましくは80%以上、さ に好ましくは90%以上に相当する連続塩基配 が異なる配列であることを基準とすること できる。ダミーオリゴ核酸がオリゴ核酸プ ーブとハイブリダイズしない条件とは、オ ゴ核酸プローブの相補配列と、例えば、Blast 等の塩基配列比較における一致率が30%以下、 好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下 であること基準とすることができる。あるい は、オリゴ核酸プローブの相補配列の全長の 70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましく は90%以上に相当する連続塩基配列が異なる配 列であることを基準とすることもできる。

 ダミーオリゴ核酸の種類は、1種でもよく 、あるいは複数種(2~5種類)であってもよい。 た、複数種のダミーオリゴ核酸を使用する 合、そのうちの2種は互いに相補的な配列を 有するものであってもよい。

 このダミーオリゴ核酸量、すなわち後述 プレハイブリダイゼーション溶液あるいは イブリダイゼーション溶液中における濃度 、オリゴ核酸プローブ量、すなわちハイブ ダイゼーション溶液中のオリゴ核酸プロー の濃度の2~10倍、好ましくは6~8倍とすること ができる。オリゴ核酸プローブを複数使用す る場合は、それらの濃度の合計値をオリゴ核 酸プローブ量とする。ダミーオリゴ核酸を複 数使用する場合も、それらの濃度の合計値を ダミーオリゴ核酸量とする。

 さらに、ダミーオリゴ核酸の長さは、オ ゴ核酸プローブの長さと略同一である。こ 場合の略同一とは、両者の長さの違いが±10 %、好ましくは±5%、さらに好ましくは±3%、特 に好ましくは±0%(完全に同一)の範囲を言う。 オリゴ核酸プローブの塩基長は20bpから70bpの 囲とすることができ、従って、ダミーオリ 核酸の塩基長もこの範囲でオリゴ核酸プロ ブと略同一長となる。

 このようなダミーオリゴ核酸として、標 遺伝子mRNAにはハイブリダイズしないが他の 遺伝子のmRNAにハイブリダイズする核酸配列 選択することができる。また、ほ乳類のゲ ム中に反復して現れるレトロトランスポゾ 由来の反復配列の中から、オリゴ核酸プロ ブと長さが略同一な配列として選択するこ もできる。さらには、植物や微生物におい ほ乳類には存在しない遺伝子の配列から長 が略同一な配列として選択することもでき 。

 ダミーオリゴ核酸の選択は、ダミーオリ 核酸を選択したいゲノム中の反復配列や植 や微生物の遺伝子の配列について、5’側か ら1塩基ずつずらしながら所望の長さの部分 列におけるGC含量を簡単な計算機プログラム により計算することができ、所望のGC含量を ったオリゴ核酸配列をリストアップするこ ができる。次にリストアップされたオリゴ 列をblast検索にかけることにより、オリゴ 酸プローブとの一致度が確認され、オリゴ 酸プローブと一致度が低いものを選択する Blast検索の際に、相補鎖についても同時に検 索されるので、オリゴ核酸プローブの相補鎖 との一致度が低いものが同時に選択される。

 またダミーオリゴ核酸としては、オリゴ 酸プローブの塩基配列の、例えば5’側から 順次に、AをTに、TをAに、GをCに、そしてCをG 置換し、同じ塩基がM個(Mは4)以上で連続す 場合は、その連続配列におけるM×0.2カ所(小 点以下切り上げて整数)からM×0.8カ所(小数 以下切り下げて整数)の塩基をその相補的な 基で置換し、5’側から読んでも3’側から んでも同じ配列になるN塩基(Nは5)以上の回文 配列がある場合は、少なくともN×0.2カ所(小 点以下切り上げて整数)、Nが偶数の場合多く て(N/2-1)カ所、Nが奇数の場合多くて((N-1)/2-1) 所の塩基をその相補的な塩基で置換するこ 、によって得られるオリゴ核酸を使用する ともできる。この場合のダミーオリゴ核酸 GC含量、長さともにオリゴ核酸プローブと同 一となる。

 オリゴ核酸プローブは、その少なくとも1 塩基に低分子化合物ラベルが付加されている 。また、2種以上の異なる種類の低分子化合 ラベルを付加してもよい。この低分子化合 ラベルは、例えば、従来方法と同様のジゴ シゲニン(Dig、digoxigenin)や、FITC(fluorescein isot hiocyanate)等の蛍光色素(非特許文献3)を使用す ことができる。例えばDigを使用する場合は 抗ジゴキシゲニン抗体にアルカリフォスフ ターゼを連結したタンパク質を用いて、抗 ゴキシゲニン抗体部分でDigラベルを検出し さらにアルカリフォスファターゼ-NBT/BCIPに る発色反応を起こさせ、増感する(特許文献 3、4、5、6)。また、増感法として上記アルカ フォスファターゼ-NBT/BCIPによる発色反応と 別に、抗ジゴキシゲニン抗体にperoxidaseがコ ンジュゲートされた蛋白質あるいは抗FITC抗 にperoxidaseがコンジュゲートされた蛋白質にt yramide-蛍光色素分子を反応させて増感するtyra mide増感法(TSA増感法)等を用いることもできる (特許文献10、11、12)。

 低分子化合物ラベルの付加は、一つの好 しい態様として、オリゴ核酸プローブの5’ 末端塩基と3’末端塩基との2箇所である。こ ようなラベルの付加されたオリゴ核酸は、 リゴDNA合成受託会社に発注することができ 容易に合成される。

 オリゴ核酸プローブは、一つの標的遺伝 mRNAに対して1または複数種、すなわち1~20種 好ましくは1~10種、さらに好ましくは1~5種を mRNAの異なる領域にハイブリダイズさせる。 のような複数種のオリゴ核酸プローブを使 することによって、ハイブリダイゼーショ 工程時間を短縮化することができる。また らに、オリゴ核酸プローブの濃度は、0.01nM~1 0nMの範囲とすることができ、特に濃度を前記 範囲内で上昇させることによっても、ハイブ リダイゼーション工程時間を短縮化すること ができる。また、オリゴ核酸プローブを複数 使用する場合、オリゴ核酸プローブ間のGC含 が略同一であることが好ましい。この場合 略同一とは、両者のGC含量の違いが±10%、好 ましくは±5%、さらに好ましくは±3%、特に好 しくは±0%(完全に同一)の範囲を言う。

 なお、両端にラベルを有するオリゴ核酸 ローブの複数種を標的遺伝子mRNAにハイブリ ダイズさせる場合には、互いのプローブの5 末端と3’末端とが8塩基以上離れるようする 。一つの好ましい態様として、使用するオリ ゴ核酸プローブの長さ以上に互いのプローブ の5’末端と3’末端との距離をおく。

 標的遺伝子mRNAに対し、このようなオリゴ 核酸プローブを複数設計することは、まず簡 単な計算機プログラムを使って、所望のオリ ゴ核酸プローブの長さのウインドウで、標的 遺伝子mRNAの5’末端から1塩基ずつずらしなが ら、そのウインドウでGC含量を計算し、ウイ ドウが3’末端に到達するまで計算を実行す ることにより所望のGC含量をもったプローブ 列の候補が容易にリストされ、リストされ 候補配列をNCBI(National Center for Biotechnology  Information、米国)のblast検索を使って、プロー 配列としての特異性を確認し、特異性の高 配列の相補鎖をオリゴ核酸プローブの配列 して容易に選択できる。

 ハイブリダイゼーション時に使用するバ ファー(ハイブリダイゼーション溶液)は、 本的には特許文献1に記載されているような 液を採用できる。本発明では、最終溶液に いて、ホルムアミド12.5%~25%、3×SSPE(Invitrogen )、1×デンハート(和光純薬)、デキストラン1 0%(V/V)(Sigma社)、0.2%CHAPS(Sigma-Aldrich社))を用いた 。これに一般的に酵母菌または大腸菌のtRNA 添加する。また、ハイブリダイゼーション 温度は、使用するオリゴDNAプローブの長さ よびGC含量に依存するが、30度Cから45度Cの範 囲で実施される。例えばオリゴDNAプローブの 長さが40塩基でGC含量が50%の場合、40度Cから42 度Cで実施されるのが好ましい。ハイブリダ ゼーションの時間は、12時間から24時間、好 しくは16時間で実施する。

 以上のとおりのRNA in situハイブリダイゼ ーション法に基づき、標的遺伝子mRNAを定量 に検出することができる。例えば、ラベル してジゴキシゲニン(Dig)を用いた場合には、 peroxidase(POD)がコンジュゲートされた抗ジゴキ シゲニン抗体を用いてtyramide-蛍光色素による TSA増感法を実施し、組織試料を10倍から40倍 対物レンズの蛍光顕微鏡を通じてCCDカメラ 撮影し、得られる顕微鏡画像をImage J(NIH、ht tp://rsb.info.nih.gov/ij/)などの画像処理ソフトウ アを用いて、計算機処理して蛍光色素のシ ナル強度を求めることにより、標的遺伝子 mRNAの発現量を簡便に定量的に検出すること が可能となる。

 Tyramide増感用の試薬類およびtyramide-蛍光 子は、Perkin Elmer社やInvitrogen社から市販され ており、それらを使用することができる。ま た、PODがコンジュゲートされたラベル分子に 対する抗体は、Dako社やRoche社などから販売さ れており、これらを使用できる。

 さらにまた、低分子化合物ラベルとして2 種類以上のラベルiを付加したオリゴ核酸プ ーブを使用した場合は、PODが付加されたそ ぞれのラベルiに対する抗体で、Tyramide-蛍光 素iを用いて多段階的にtyramide sensitivity ampl ification増感を行い、蛍光顕微鏡を用いて蛍光 色素iのシグナルを多重検出することにより 2種類以上の標的遺伝子のmRNAの局在性および 定量的検出が可能となる。標的遺伝子の発現 量が低い場合は、標的遺伝子のmRNAにハイブ ダイズするオリゴ核酸プローブの数、また オリゴ核酸プローブの濃度を増やすことに って、検出レンジの幅を広げることができ 。逆に標的遺伝子の発現量が高い場合は、 的遺伝子のmRNAにハイブリダイズするオリゴ 酸プローブにおけるラベルの数やプローブ 数、オリゴ核酸プローブの濃度、または使 するtyramide-蛍光色素の濃度を減らすことに って、検出レンジの幅を発現量の低い遺伝 mRNAと同程度にすることができる。これによ り、発現量の異なる複数の遺伝子のmRNAにつ て同程度のシグナルの強度およびレンジ幅 もって局在性および定量的検出が可能とな 、病理組織診断などに利用できる。

 以下、実施例を示して本発明をさらに詳 かつ具体的に説明するが、本発明は以下の に限定されるものではない。

 なお、実施例には、以下の塩基配列からな 合成オリゴ核酸を使用した。
配列番号1:5’-catccagaacactaaacagaagatggcagtggccagtagc- 3’
配列番号2:5’-gaagaagtccactgcattccctgaggtgacattctccaca- 3’
配列番号3:5’-tcattgaaggtcttaaacctcttgagggccgggttgggca- 3’
配列番号4:5’-cgctgtgcttgaacagggcacttgtgatgtcttggatact- 3’
配列番号5:5’-tagtcccagctactcaggaagctgaggtgggaggatggct- 3’
配列番号6:5’-gctcccggcgatacgagggtccgatcttagctcgttgaca- 3’
配列番号7:5’-cttataagtgggagctgaacaatgagaacacatggacaca- 3’
配列番号8:5’-gggaggggaacattgcacaccagggcctgttgtgggggag- 3’
配列番号9:5’-agccatcctcccacctcagcttcctgagtagctgggacta- 3’
配列番号10:5’-tgtgtccatgtgttctcattgttcagctcccacttataag -3’
配列番号11:5’-ctcccccacaacaggccctggtgtgcaatgttcccctccc -3’
配列番号12:5’-ctggagatactgggaaaaggcaatcaggactaggcctttg -3’
配列番号13:5’-cgcagtgtccgaggaagatagctgttccttaactttggca -3’
配列番号14:5’-caggggttatatccgttttaaccggaagtccagtcttggc -3’
配列番号15:5’-gaacagctatcttcctcggacactgcg-3’
配列番号16:5’-ggtagaggcgaagtccttatcttccac-3’
配列番号17:5’-attgatgccaagactggacttccggtta-3’
配列番号18:5’-tgtccttccaaatgagctggcaagtg-3’
配列番号19:5’-ggagtttcccaaacactcagtgaaacaaag-3’
配列番号20:5’-acttcaacaagaacagtatccaagacatcac-3’
配列番号21:5’-gggtgcatcgctggtaacatcc-3’
配列番号22:5’-ctcaagatcgcattcatgcgtcttcac-3’
配列番号23:5’-aaatcccttcacactctttttggagata-3’
配列番号24:5’-aagcacatggcaccaatgacgttagccaccgattccacca -3’
配列番号25:5’-gtcttggtagtgctcctggacagttttctgcagaaacagc -3’
配列番号26:5’-atgttgacaatcttctcctcggggatgagaccgccattgt -3’
配列番号27:5’-ctcatggatcttcctctgcacgttaggccatgtcacaagt -3’
配列番号28:5’-cggcaacacacgtctttgcaaagtctgttacttcctgcac -3’
配列番号29:5’-ctttaatgtcacgcacgatttccctctcagctgtggtggt -3’
配列番号30:5’-atttctcgtggttcacacccatcacaaacatgggggcatc -3’
配列番号31:5’-gtggtgcaggatgcattgctgacaatcttgagggagttgt -3’
配列番号32:5’-tggtggtgcaggatgcattgctgacaatcttgagggagtt -3’
配列番号33:5’-agttggtggtgcaggatgcattgctgacaatcttgaggga -3’
配列番号34:5’-agcagttggtggtgcaggatgcattgctgacaatcttgag -3’
配列番号35:5’-aattgaatgtagtttcatggatgccacaggattccatacc -3’
配列番号36:5’-ggatgcggcagtggccatctcttgctcgaagtctagggca -3’
配列番号37:5’-ctgtcaggtcccggccagccaggtccagacgcaggatggc -3’
配列番号38:5’-cagaaccatcacgaggacctgtcataagacgtctttgtcg -3’
 配列番号1~4は、それぞれマウスCyp1a2遺伝子m RNAにハイブリダイズするオリゴ核酸の塩基配 列である。

 配列番号5、7、8は、ヒト・トランスポゾ 反復配列の一部配列からなるオリゴ核酸の 基配列である。配列番号9-11は、それぞれ配 列番号5、7、8の相補配列からなるオリゴ核酸 の塩基配列である。

 配列番号6は、シロイズナズナPOD遺伝子の 一部配列からなるオリゴ核酸の塩基配列であ る。

 配列番号12は、マウスalb遺伝子mRNAにハイ リダイズするオリゴ核酸の塩基配列であり 配列番号13、14は、マウスArntl遺伝子mRNAにハ イブリダイズするオリゴ核酸の塩基配列であ る。

 配列番号15、16は、マウスArntl遺伝子のPCR ライマーセットの塩基配列であり、配列番 17、マウスArntl遺伝子に対するTaqMan Probeの 基配列である。

 配列番号18、19は、マウスCyp1a2遺伝子のプ ライマーセットの塩基配列であり、配列番号 20は、マウスCyp1a2遺伝子に対するTaqMan Probeの 塩基配列である。

 配列番号21、22は、マウスAlb遺伝子のプラ イマーセットの塩基配列であり、配列番号23 、マウスAlb遺伝子に対するTaqMan Probeの塩基 配列である。

 配列番号24-27は、それぞれマウスCyp1a2遺 子mRNAにハイブリダイズするオリゴ核酸の塩 配列である。

 配列番号28は、マウスAlb遺伝子mRNAにハイ リダイズするオリゴ核酸の塩基配列である

 配列番号29はラットActb遺伝子mRNA、配列番 号30-34はそれぞれラットGapdh遺伝子mRNA、配列 号35-37はそれぞれラットActb遺伝子mRNAにハイ ブリダイズするオリゴ核酸の塩基配列である 。

 配列番号38は、配列番号27のオリゴ核酸の 5’側から順次に、AをTに、TをAに、GをCに、 してCをGに置換し、TTTTの連続配列をATAAと置 して合成したオリゴ核酸の塩基配列である

 (ダミーオリゴ核酸添加比率の実験)
 ダミーオリゴDNAのプローブ濃度に対する最 添加比率を求めた。対象組織はマウス肝臓 使用し、検出対象の遺伝子をCyp1a2とした。8 週齢オスマウスの肝臓を通常のホルマリン固 定・パラフィン包埋によりパラフィンブロッ クを作成し、厚さ5ミクロンの連続切片を作 し、脱パラフィン処理しプロテアーゼK(Invitr ogen社、Proteinase K SOL. RNA、25530049)で処理後 RNA in situハイブリダイゼーションを実施し 。遺伝子Cyp1a2のmRNAを検出するプローブとし て両端をFITCラベルされた4種類の一本鎖オリ DNAプローブ(配列番号1~4)を用いた。Cyp1a2遺 子のmRNA上で配列番号1~4は、番号順に5’末端 から3’末端の方向に並んでおり、隣のオリ DNAプローブまでの距離は、配列番号1と2は594 塩基、配列番号2と3は16塩基、配列番号3と4は 61塩基である。また、配列番号5に示されるダ ミーオリゴDNA(一本鎖)を用いた。FITCラベルの 検出には、Dako社、抗FITCウサギポリクローナ 抗体、P5100を用い、tyramide-FLU(Perkin-Elmer社、T SAプラスフルオレセインシステム、NEL741B001KT) によるTSA増感を実施した。図1は、4種のプロ ブのそれぞれの濃度が1nM(ナノモル)、2nM、3n M、4nM、5nM、すなわちそれぞれ合計4nM、8nM、12 nM、16nM、20nMに対し、ダミーオリゴDNAの濃度 1倍、2倍、4倍、6倍、8倍、10倍の濃度で添加 れたハイブリダイゼーション溶液を用いて 量性RNA in situハイブリダイゼーションを行 った結果を示す。なお、対照実験としての0nM のとき、ダミーオリゴDNAは200nMを添加した。 像は対物レンズ10倍で、連続切片の同じ領 を、Zeiss蛍光顕微鏡Axioplan2およびCCDカメラAxi oCamを使って撮影した。これらの画像データ Image Jソフトウエア(NIH、http://rsb.info.nih.gov/ij /)を用いて計算機処理し各画像のシグナル強 からプローブ濃度が0nMのときのシグナル強 を差し引いた値を各画像のシグナル強度と て求めた。図2はその結果を、ダミーオリゴ DNAの添加比率とCyp1a2遺伝子mRNAを検出して得 れるシグナル強度との関係として、横軸に ミーオリゴDNAの添加比率、縦軸にシグナル 度(IntDen)をとり図示したものである。図2か 分るように、ダミーオリゴDNAの添加比率が8 のとき、オリゴDNAプローブの濃度とシグナ 強度との順序関係が維持されており、シグ ル強度のレンジも同じく順序関係が維持さ ている1倍と比較して広いことが分る。また 、図2から一般にプローブ濃度が高くなるに たがいシグナル強度も強くなっていること 分る。さらに、オリゴDNAプローブの濃度と グナル強度との順序関係が維持されている 加比率が8倍のとき、および1倍のときの各画 像について、オリゴDNAプローブの濃度が0nMの 時の画像の蛍光強度に対し、何倍蛍光強度が 強くなっているか、を示す比率を算出した( 3)。プローブ濃度が低い場合、例えば1nMのと きのように、RNA in situハイブリダイゼーシ ンのシグナルが弱いときには、この比率は ックグランドノイズの上昇を示す。すなわ 、ダミーオリゴDNAの添加比率が1倍のとき、 加比率が8倍のときよりこの比率が大きく、 バックグランドノイズが高い事が図3から分 。一方、オリゴDNAプローブの濃度が高い場 は、この比率はRNA in situハイブリダイゼー ョンによるシグナル強度の増加を示す。添 比率が8倍のとき、添加比率が1倍のときと べて、バックグランドノイズが少ない分、 像全体のシグナル強度は低くなる。しかし オリゴDNAプローブの濃度が高くなるにつれ この比率の上昇度は添加比率が8倍のとき、 加比率が1倍のときと比べて大きく、これは 添加比率が8倍のときダイナミックレンジが いことを示す。図3から、添加比率が8倍のと き添加比率が1倍のときと比べてダイナミッ レンジは1.375倍広くなっていることが分る。

 (ダミーオリゴDNAとサケ精子DNA、および無添 加との比較)
 ダミーオリゴDNAとサケ精子DNA、および添加 ない場合の定量性RNA in situハイブリダイゼ ーションのRNA検出における効果の比較を行っ た。実験には、実施例1と同じくホルマリン 定・パラフィン包埋のマウス肝臓組織試料 用い、連続切片を作成し、実験に使用した 検出遺伝子は実施例1と同様、Cyp1a2であり両 をFITCラベルした配列番号1~4で示した4種の 本鎖オリゴDNAプローブを使用し、4種のプロ ブのそれぞれの濃度が0nM(ナノモル)、1nM、2n M、3nM、4nM、5nMとなる種々のプローブ濃度に し、添加比率8倍の濃度で配列番号5(L1C1と記 )および配列番号6(arbpと記す)に示される2種 のダミーオリゴDNA(一本鎖)を用いた。また 同様のオリゴDNAプローブ濃度に対し、Invitrog en社(カタログ番号15632-011、Salmon Sperm DNA solu tion)のサケ精子DNAを用い、終濃度が100ug/ml(マ クログラム/ミリリットル)(80nM相当)を添加 た。また、対照として、ダミーオリゴDNAあ いはサケ精子DNAを添加しない(無添加と記す) 実験を行った。FITCラベルの検出には、Dako社 抗FITCウサギポリクローナル抗体、P5100を用 、tyramide-FLU(Perkin-Elmer社、TSAプラスフルオレ セインシステム、NEL741B001KT)によるTSA増感を 施した。図4に、連続切片で同じ領域に対し られたin situハイブリダイゼーション画像 示す。上段から順に無添加の画像、サケ精 DNAを添加した場合の画像、ダミーオリゴDNA L1C1を添加した場合の画像、ダミーオリゴDNA arbpを添加した場合の画像を示す。また左か ら順に4種のオリゴDNAプローブのそれぞれの 度が0nM(ナノモル)、1nM、2nM、3nM、4nM、5nMであ る。画像は対物レンズ10倍で、連続切片の同 領域を、Zeiss蛍光顕微鏡Axioplan2およびCCDカ ラAxioCamを使って撮影した。これらの画像をI mage Jソフトウエア(NIH、http://rsb.info.nih.gov/ij/) を用いて計算機処理し、各濃度におけるシグ ナル強度を求めた。オリゴDNAプローブの濃度 が0nMのとき、画像のシグナル強度はバックグ ランドの蛍光強度(IntDen)であり、これを無添 、サケ精子DNAを添加した場合、ダミーオリ DNAのL1C1およびarbpを添加した場合について 5に示した。サケ精子DNAを添加した場合にバ クグランドの蛍光強度が他と比べて強い。 に、各濃度におけるシグナル強度からこの ックグランドの蛍光強度を差し引くことに り各濃度における真のシグナル強度として めた。これを図6に示した。オリゴDNAプロー ブ濃度が1nMでダミーオリゴDNAのarbpを添加し 場合、真のシグナル強度が他と比べて小さ が、コントラスト良くシグナルは見えてお 、オリゴDNAプローブの添加に伴うバックグ ンドノイズの上昇が小さいことを示してい 。図6から、真のシグナルはダミーオリゴDNA L1C1あるいはarbpを添加した場合、サケ精子DN Aを添加した場合あるいは無添加の場合と比 して1.4倍から2.5倍ほど強いシグナルが得ら る(特にプローブ濃度が2nM以上のとき)ことが 分る。さらに、ダミーオリゴDNAのL1C1を添加 たとき、およびarbpを添加したときプローブ 度とシグナル強度との間の線形性が非常に い事が分る。

 (ダミーオリゴDNAとサケ精子DNAとの比較)
ダミーオリゴDNAとサケ精子DNAの定量性RNA in  situハイブリダイゼーションのRNA検出におけ 効果の比較を行った。実験には、実施例1と じくホルマリン固定・パラフィン包埋のマ ス肝臓組織試料を用い、連続切片を作成し 実験に使用した。検出遺伝子は実施例1と同 様、Cyp1a2であり両端をFITCラベルした配列番 1~4で示した4種の一本鎖オリゴDNAプローブを 用し、4種のプローブのそれぞれの濃度が0nM (ナノモル)、1nM、2nM、3nM、4nM、5nMとなる種々 オリゴDNAプローブ濃度に対し、添加比率8倍 の濃度で配列番号5に示されるダミーオリゴDN A(一本鎖)を用いた。また、同様のプローブ濃 度に対し、Invitrogen社(カタログ番号15632-011、S almon Sperm DNA solution)のサケ精子DNAを用い、 濃度が100ug/ml(マイクログラム/ミリリットル) (80nM相当)を添加した。FITCラベルの検出には Daco社、抗FITCウサギポリクローナル抗体、P51 00を用い、tyramide-FLU(Perkin-Elmer社、TSAプラスフ ルオレセインシステム、NEL741B001KT)による増 を実施した。図7に、連続切片で同じ領域に し得られたin situハイブリダイゼーション 像を示す。上段がダミーオリゴDNA添加の画 、下段がサケ精子DNA添加の画像を示す。ま 左から順に4種のプローブのそれぞれの濃度 1nM(ナノモル)、2nM、3nM、4nM、5nMである。画 は対物レンズ10倍で、連続切片の同じ領域を 、Zeiss蛍光顕微鏡Axioplan2およびCCDカメラAxioCam を使って撮影した。これらの画像において図 7のようにシグナルが存在しているシグナル 域Sとシグナルが存在していないノイズ領域N を設定し、Image Jソフトウエア(NIH、http://rsb.i nfo.nih.gov/ij/)を用いてそれぞれの領域におけ シグナル強度を求め、領域S、Nにおけるシグ ナル強度の比率をSN比(signal-to-noise ratio)とし 求めた。図8は、得られたSN比を縦軸に、プ ーブ濃度を横軸にとり、ダミーオリゴDNAを 加した場合のSN比とサケ精子DNAを添加した 合のSN比の比較を示す。図8に示すように、 リゴDNAプローブ濃度とSN比の関係は釣り鐘状 となるが、オリゴDNAプローブ濃度が2nM以上の ときダミーオリゴDNAの方がサケ精子DNAに比較 してSN比が良い事が示されている。

 (ダミーオリゴDNA配列の種類)
 使用するダミーオリゴDNA配列の種類および をテストした実施例である。実験には、実 例1と同じくホルマリン固定・パラフィン包 埋のマウス肝臓組織試料を用い、連続切片を 作成し、脱パラフィン処理しプロテアーゼK(I nvitrogen社、Proteinase K SOL. RNA、25530049)で処理 後、RNA in situハイブリダイゼーション実験 実施した。検出遺伝子は実施例1と同様、Cyp1 a2であり両端をFITCラベルした配列番号1~4の一 本鎖オリゴDNAプローブを使用し、実施例2の 果にしたがい4種のプローブのそれぞれの濃 が2nM(ナノモル)の条件で行った。実験に使 したダミーオリゴDNA(一本鎖)は、配列L1W1、L1 W2、L1W3(配列番号5、7、8)および配列L1W1、L1W2 L1W3(配列番号9~11)を1種類(L1C1、L1C2、L1C3のそ ぞれ1種類、グループID=1)、1種類(L1W1、L1W2、L 1W3のそれぞれ1種類、グループID=2)、2種類混 (L1C1とL1W1の混合、L1C2とL1W2の混合、L1C3とL1W3 混合、グループID=5)、3種類混合(L1C1、L1C2お びL1C3の混合、グループID=3)、3種類混合(L1W1 L1W2、L1W3の混合、グループID=4)、および6種 混合(グループID=6)で行った。なお、L1W1、L1W2 、L1W3の配列は、それぞれL1W1、L1W2、L1W3と相 的な配列となっている。ダミーオリゴDNAの 度は、それぞれ合計で64nM(それぞれのオリゴ DNAプローブの濃度2nMの合計8nMの8倍)で実施し 。FITCラベルの検出には、Dako社、抗FITCウサ ポリクローナル抗体、P5100を用い、tyramide-FL U(Perkin-Elmer社、TSAプラスフルオレセインシス ム、NEL741B001KT)による増感を実施した。画像 は対物レンズ10倍で、連続切片(各画像の右上 の数字は連続切片の順を示す)の同じ領域を Zeiss蛍光顕微鏡Axioplan2およびCCDカメラAxioCam 使って撮影した。図9にそのRNA in situハイブ リダイゼーションの結果を示す。図9に示す うに、上記ダミーオリゴDNA6種類を混合した 合コントラストが他と比較して悪くなって るが、どのダミーオリゴDNA組合せにおいて 良好な画像が得られる。次にImage Jソフト エア(NIH、http://rsb.info.nih.gov/ij/)を用いて各画 像のシグナル強度を求め、図10および表1に示 した。図10に示すように、使用するダミーオ ゴDNAの種類および組によってシグナル強度 大きな差はなく、良好な結果が得られる。

 (プローブ数とシグナル強度)
 検出に使用するプローブの種類数と検出さ るシグナル強度の関係を示す実施例である 理論的には、ハイブリダイゼーション溶液 においてハイブリダイズさせる各オリゴ核 プローブの濃度が均一であってGC含量が50% 均一であるとき、ハイブリダイゼーション 程での平衡定数Kは各オリゴ核酸プローブ間 同一であり、オリゴ核酸プローブiに対して
K = [Hi]/[fR]・[fPi]   (式1)
が成り立ち、フリーのオリゴ核酸プローブ濃 度 [fPi]は各オリゴ核酸プローブに対して同 である。さらに、オリゴ核酸プローブiがハ ブリダイズした量(濃度)Hiは
[Hi] = K・[fR]・[fPi]    (式2)
で表現され、
[H1] = [H2] = … = [HN]    (式3)
である。したがって、観察されるシグナル強 度Iは
I = S([H1])+….+S([HN])    (式4)
と加算的であり、ハイブリダイゼーション溶 液中のオリゴ核酸プローブの種類数Nに依存 て増加関数的に(理論的には比例して)増加す る。

 実験には、実施例1と同じくホルマリン固 定・パラフィン包埋のマウス肝臓組織試料を 用い、連続切片を作成し、脱パラフィン処理 しプロテアーゼK(Invitrogen社、Proteinase K SOL.  RNA、25530049)で処理後、RNA in situハイブリダ ゼーション実験を実施した。検出遺伝子は 施例1と同様、Cyp1a2であり両端をFITCラベルし た配列番号1~4の一本鎖オリゴDNAプローブを使 用し、4種のオリゴDNAプローブのそれぞれの 度が2nM(ナノモル)で、オリゴDNAプローブが1 類、2種類、3種類、4種類の条件およびオリ DNAプローブを入れない条件で行った。ダミ オリゴDNA(一本鎖)には、配列番号5のダミー リゴDNA(L1C1)を使用し、濃度は使用するオリ DNAプローブの濃度の合計の8倍で実施した。 なわち、1種類のオリゴDNAプローブのとき、 16nM、2種類のオリゴDNAプローブのとき32nM、3 類のオリゴDNAプローブのとき48nM、4種類のオ リゴDNAプローブのとき64nMである。なお、オ ゴDNAプローブが無い条件ではダミーオリゴDN Aの濃度を64nMとした。FITCラベルの検出には、 Dako社、抗FITCウサギポリクローナル抗体、P510 0を用い、tyramide-FLU(Perkin-Elmer社、TSAプラスフ オレセインシステム、NEL741B001KT)による増感 を実施した。画像は対物レンズ10倍で、連続 片の同じ領域を、Zeiss蛍光顕微鏡Axioplan2お びCCDカメラAxioCamを使って撮影した。図11に 像を示す。次にImage Jソフトウエア(NIH、http: //rsb.info.nih.gov/ij/)を使用して一旦各画像のシ ナル強度を求め、それらからオリゴDNAプロ ブが入っていない条件での画像のシグナル 度を差し引いた値を各プローブ種類数の画 でのシグナル強度として求めた。その結果 、図12に縦軸にシグナル強度、横軸にオリ DNAプローブの種類数をプロットして示した 図に示されているように、ダミーオリゴDNA 添加した場合、オリゴDNAプローブの種類数 シグナル強度は綺麗な右上がりの直線にの 、線形の関係にある。

 (プローブ濃度)
 検出に使用するオリゴDNAプローブの濃度が がるに従ってシグナル強度が、どのように 化するか、を示す。

 ハイブリダイゼーションは一種の平衡反応 理論的には
K = [H]/[fR]・[fP]
なる平衡定数とハイズリダイズした産物の濃 度[H]、フリーのmRNA濃度[fR]およびフリーのオ ゴDNAプローブの濃度[fP]との間の関係式が成 り立つ。
ハイブリダイズさせるオリゴDNAプローブの濃 度P0 = [H]+[fP]
組織サンプル中に存在するmRNA濃度R0 = [H]+[fR ] (組織試料中で一定)
の2式が成り立つので、ハイブリダイズさせ オリゴDNAプローブの濃度が高いほど、ハイ リダイズした産物は増える。本実施例では オリゴDNAプローブの濃度が高くなるにした い、シグナル強度も線形的に強くなること 示す。

 実験には、実施例1と同じくホルマリン固 定・パラフィン包埋のマウス肝臓組織試料を 用い、連続切片を作成し、脱パラフィン処理 しプロテアーゼK(Invitrogen社、Proteinase K SOL.  RNA、25530049)で処理後、RNA in situハイブリダ ゼーション実験を実施した。検出遺伝子は ルブミンAlbであり両端をFITCラベルした配列 号12の一本鎖オリゴDNAプローブを使用し、0n M(プローブなし)、0.1nM、0.25nM、0.5nM、1nM、1.5nM の6種類の濃度で実施した。ダミーオリゴDNA は、配列番号5のダミーオリゴDNA(一本鎖)を 用し、濃度は使用するオリゴDNAプローブの 度の8倍で実施した。オリゴDNAプローブが入 ていないハイブリダイゼーション溶液には 12nMのダミーオリゴDNAを使用した。FITCラベ の検出には、Dako社、抗FITCウサギポリクロー ナル抗体、P5100を用い、tyramide-FLU(Perkin-Elmer社 、TSAプラスフルオレセインシステム、NEL741B00 1KT)による増感を実施した。画像は対物レン 10倍および20倍で、連続切片の同じ領域を、Z eiss蛍光顕微鏡Axioplan2およびCCDカメラAxioCamを って撮影した。図13に画像を示す(上段は対 レンズ10倍、下段は対物レンズ20倍の画像で ある)。また、Image Jソフトウエア(NIH、http://r sb.info.nih.gov/ij/)を使用して、各濃度における 像のシグナル強度を計算機で求め、オリゴD NAプローブの濃度が0nMの画像におけるシグナ 強度を引いた値を真のシグナル強度として めた。その結果を図14に、縦軸にシグナル 度、横軸にプローブ濃度をプロットして示 た(図14aは図13の対物レンズ10倍の画像に対す るシグナル強度、図14bは図13の対物レンズ20 の画像に対するシグナル強度)。図に示され いるように、プローブ濃度が上がるにした い線形的にシグナル強度も強くなるが、あ 濃度(図14に示すようにAlb遺伝子の場合、1nM) から上はシグナル強度が飽和することが示さ れている。これは、実施例9で定量PCRの結果 示すようにAlb遺伝子の肝臓での発現量が非 に高いことを反映している。

 (プローブ濃度)
 検出に使用するプローブの濃度が上がるに ってシグナル強度が、どのように変化する 、を示す。実験には、実施例1と同じくホル マリン固定・パラフィン包埋のマウス肝臓組 織試料を用い、連続切片を作成し、脱パラフ ィン処理しプロテアーゼK(Invitrogen社、Proteinas e K SOL. RNA、25530049)で処理後、RNA in situハ ブリダイゼーション実験を実施した。検出 伝子は実施例1、2と同様、Cyp1a2であり両端を FITCラベルした配列番号1~4の一本鎖オリゴDNA ローブを使用し、4種のオリゴDNAプローブの れぞれの濃度が0nM(ナノモル)、1nM、2nM、3nM 4nM、5nMとなる種々のオリゴDNAプローブの濃 に対し、添加比率8倍の濃度で配列番号5に示 されるダミーオリゴDNA(一本鎖)を用いた。オ ゴDNAプローブが入っていないハイブリダイ ーション溶液には、64nMのダミーオリゴDNAを 使用した。FITCラベルの検出には、Dako社、抗F ITCウサギポリクローナル抗体、P5100を用い、t yramide-FLU(Perkin-Elmer社、TSAプラスフルオレセイ ンシステム、NEL741B001KT)による増感を実施し 。画像は対物レンズ10倍で、連続切片の同じ 領域3カ所を、Zeiss蛍光顕微鏡Axioplan2およびCCD カメラAxioCamを使って撮影した。図15に画像を 示す。また、Image Jソフトウエア(NIH、http://rs b.info.nih.gov/ij/)を使用して、各濃度における 領域の画像のシグナル強度を計算機で求め プローブ濃度が0nMの画像におけるシグナル 度を引いた値を真のシグナル強度として計 し、3カ所の平均値を求めた。その結果を図1 6に、縦軸にシグナル強度、横軸にプローブ 度をプロットして示した。図に示されてい ように、ダミーオリゴDNA添加のもとでプロ ブ濃度が上がるにしたがい直線的にシグナ 強度も強くなることが示されている。

 (発現量とシグナル強度)
 発現量とシグナル強度の関係が線形になる とにより、本発明によるRNA in situハイブリ ダイゼーションにより標的遺伝子mRNAを定量 に検出できることを示した実施例である。 実施例における検出遺伝子は概日周期に従 発現量が変動するArntlで、8週齢のオスマウ を使用し、午前9時から深夜1時(25時)までの4 間毎の5ポイントにおいて、2個体ずつ対象 織の肝臓(外側左葉)を採取し、半分に切断後 、切断面からそれぞれ両側2mmの範囲を、ホル マリン固定・パラフィン包埋用組織試料およ び定量PCRに供するためのRNA抽出用組織試料と した。

 実施例1と同じくホルマリン固定・パラフ ィン包埋により組織試料を作成し、連続切片 を作成し、脱パラフィン処理しプロテアーゼ K(Invitrogen社、Proteinase K SOL. RNA、25530049)で処 理後、RNA in situハイブリダイゼーション実 を実施した。検出遺伝子Arntlのオリゴ核酸プ ローブは、両端をDigラベルした配列番号13お び14(Arntl遺伝子のmRNA上での距離は21塩基)の 本鎖オリゴDNAプローブをそれぞれの濃度が2 nM(ナノモル)で使用した。ダミーオリゴDNA(一 鎖)は配列番号5に示されるL1C1を添加比率8倍 の濃度で用いた。Digラベルの検出には、抗Dig 抗体(ロッシュ社、抗ジゴキシゲニン-POD、1207 733)を使用し、TSA増感ではtyramide-Cy3(Perkin-Elmer 、TSAプラスシアニン3システム、NEL744B001KT) 使用した。画像は対物レンズ10倍で、Zeiss蛍 顕微鏡Axioplan2およびCCDカメラAxioCamを使って 撮影した。図17に各タイムポイントの1個体の 肝臓における2領域の画像を示す。また、Image  Jソフトウエア(NIH、http://rsb.info.nih.gov/ij/)を 用して、各時刻における画像のシグナル強 を計算機で求め、定量PCRによる発現量との 較を行った。Arntl遺伝子mRNAの定量PCRによる 現量の定量には、配列番号15および16に示さ れるフォワードとリバースのプライマーを用 い、TaqMan法による定量PCRを実施した。なお、 TaqMan プローブの配列は、配列番号17に示さ ている。また、内部標準遺伝子であるActbの 量PCRを同時に行った(ActbのPCRプライマーお びTaqManプローブはApplied Biosystemsから購入)。 なお、定量PCRはApplied Biosystems 7500 Reat-time P CR Systemを用い、これに付随したプロトコル 従い実施した。図18に標的遺伝子ArntlおよびA ctbの発現量の変化を4時間毎に採取した組織 料について、定量PCRで求めたCt値の変化とし て示した。図19に、標的遺伝子ArntlのRNA in si tuハイブリダイゼーションにより求めたシグ ル強度の変化を示した。また、図20に各個 の採取された肝臓における標的遺伝子Arntlの 定量PCRで求めたCt値およびRNA in situハイブリ ダイゼーションにより求めたシグナル強度の 各時刻グループの平均値をプロットし、定量 PCRによるCt値とRNA in situハイブリダイゼーシ ョンによるシグナル強度との関係を示した。 図20に示すように、ダミーオリゴDNA添加のも で、定量PCRのCt値とシグナル強度は、良い 関を示している(mRNAの発現量が多いときCt値 小さくなるので、Ct値を縦軸、シグナル強 を横軸にとった場合、この図のように右下 りの相関となる)。

 (発現量とシグナル強度、2色)
 組織試料として実施例8で使用した午後1時 おける8週齢のオスマウス1個体の肝臓を使用 し、標的遺伝子Cyp1a2に対して両端をDigでラベ ルのオリゴDNAプローブを使用し、標的遺伝子 Albに対し両端をFITCでラベルしたオリゴDNAプ ーブを用いて多段階にTSA増感を実施し、2つ 標的遺伝子を2色の蛍光色素で定量的に検出 し、これらの遺伝子の定量PCRによるCt値と比 した実施例である。

 Cyp1a2遺伝子mRNAの定量PCRによる発現量の定 量には、配列番号18および19に示されるフォ ードとリバースのプライマーを用い、TaqMan による定量PCRを実施した。なお、TaqMan プロ ーブの配列は、配列番号20に示されている。A lb遺伝子mRNAの定量PCRによる発現量の定量には 、配列番号21および22に示されるフォワード リバースのプライマーを用い、TaqMan法によ 定量PCRを実施した。なお、TaqMan プローブの 配列は、配列番号23に示されている。なお、 量PCRはApplied Biosystems 7500 Reat-time PCR System を用い、これに付随したプロトコルに従い実 施した。Alb遺伝子のCt値は22.135(増幅効率1.0178 )、Cyp1a2遺伝子のCt値は27.053(増幅効率1.0008)と り、およそ2の5乗倍すなわち128倍程度、Alb 伝子の発現量が多いことが示された。

 使用したオリゴDNAプローブは、Cyp1a2遺伝 に対し両端DigラベルのオリゴDNAプローブ5種 類(配列番号2および24~27に示されたプローブ 組)あるいは配列番号2で示されたプローブ1 類を用い、Alb遺伝子に対し両端FITCラベルの 列番号12および28に示されたオリゴDNAプロー ブ2種類を用いた。また、ダミーオリゴDNAに 配列番号5で示すL1C1を用いた。実験では、マ ウス肝臓を通常のホルマリン固定・パラフィ ン包埋後、連続切片を作成し、脱パラフィン 処理しプロテアーゼK(Invitrogen社、Proteinase K  SOL. RNA、25530049)で処理後、上記プローブのミ ックスチャーを使用してRNA in situハイブリ イゼーションを実施した。Digラベルの検出 は、抗Dig抗体(ロッシュ社、抗ジゴキシゲニ -POD、1207733)を使用し、TSA増感ではtyramide-Cy3( Perkin-Elmer社、TSAプラスシアニン3システム、NE L744B001KT)を使用した。また、FITCラベルの検出 には抗FITC抗体(Dako社、抗FITCウサギポリクロ ナル抗体、P5100)を使用し、TSA増感ではtyramide -FLU(Perkin-Elmer社、TSAプラスフルオレセインシ テム、NEL741B001KT)を使用した。なお、顕微鏡 撮影には10倍の対物レンズでZeiss蛍光顕微鏡Ax ioplan2およびCCDカメラAxioCamを使用した。

 定量PCRの結果、Cyp1a2遺伝子はAlb遺伝子の よそ128分の1しか発現していないことが分っ た。図19に2枚の連続切片を使って、同じ切片 でCyp1a2遺伝子mRNAをCy3で検出し、Alb遺伝子mRNA FLUで検出した例を示す。図21の上段はCyp1a2 伝子の検出に1プローブのみ使用した場合(切 片1)の結果であり、下段は5種類のプローブの 組を使用した場合(切片2)のin situハイブリダ ゼーション画像を示す。図に示されたよう 、二つの遺伝子の発現の局在性は異なり、A lb遺伝子はPV(門脈)領域に発現し、Cyp1a2遺伝子 はCV(中心静脈)領域に発現している。さらに Cyp1a2遺伝子mRNAの検出に関し、プローブ数が1 の場合、シグナルは非常に弱いが、プローブ 数を5にした場合に、シグナル強度がAlb遺伝 mRNAのFLUによるシグナル強度に近づいている すなわち、上述のように定量PCRの結果、Cyp1 a2遺伝子はAlb遺伝子のおよそ128分の1しか発現 していないが、プローブの種類数を増やす事 により、10の2乗倍の発現量の差を埋めてシグ ナル強度を上げる事に成功している。このこ とを、図21の画像においてImage Jを用いて、 片1、切片2のそれぞれについて、PV領域、CV 域で図21に示すサイズの円形の小領域をそれ ぞれ8個設定し、FLUのシグナル強度およびCy3 シグナル強度を測定し、表2にまとめた。表2 のレンジ評価のCV領域の項にあるようにCy3の 大シグナル強度はCyp1a2に対するオリゴDNAプ ーブ1種類の39.75からオリゴDNAプローブ5種類 時には151.00に増強され、AlbのPV領域における 大シグナル強度(切片1で137.88、切片2で142.38) に匹敵する。

 この実施例のように、ダミーオリゴDNA添 のもとで、複数の標的遺伝子に対し、使用 るオリゴDNAプローブの数および濃度を調整 ることによって、標的遺伝子の発現量が10 2乗~10の3乗倍異なっていても、シグナル強度 を同程度に調整することが可能である。

 (チラミド濃度)
 マウス肝臓において、アルブミン(Alb)遺伝 に対するオリゴDNAプローブ(配列番号12、両 FITCラベル、濃度1nM)を使って、tyramide sensitiv ity amplificationにおけるtyramid-FLU (Perkin-Elmer社 TSAプラスフルオレセインシステム、NEL741B001 KT)の濃度の影響をみた。実験では、マウス肝 臓を通常のホルマリン固定・パラフィン包埋 後、連続切片を作成し、プロテアーゼK(Invitro gen社、Proteinase K SOL. RNA、25530049)で処理し、 上記オリゴDNAプローブおよび配列番号29のラ ルの付加されていないラットActb遺伝子のオ リゴDNAをダミーオリゴDNAとして濃度8nMで使用 し、RNA in situハイブリダイゼーションを行 た。FITCラベルの検出には、Dako社、抗FITCウ ギポリクローナル抗体、P5100を用いた。その 結果を図22に示す。図中の希釈倍率1は、メー カー推奨プロトコルのtryamide-FLUの濃度で、2 希釈、5倍希釈、10倍希釈で実験を行った。 22に示すように、tryamide-FLUの濃度が減少する にしたがい、シグナル強度も減少する。なお 、顕微鏡撮影には10倍の対物レンズでZeiss蛍 顕微鏡Axioplan2およびCCDカメラAxioCamを使用し 得られた各画像をImage Jを用いて処理し、 グナル強度を求めた。

 (違う遺伝子でも良い)
 ラットGAPDH遺伝子のmRNA配列の5’末端から、 オリゴ核酸プローブとして用いたい長さのウ インドウ(この例では40塩基)を1塩基づつずら ながら、各オリゴ核酸のGC含量(%)を計算し 例を図23示す。

 (サケ精子DNAを用いた)
 オリゴ核酸プローブの場合、プローブにラ ルを付加するが、ラベルを付加する位置お びラベルの数によってハイブリダイゼーシ ンにどのように影響を与えるか、ラット肺 おけるラットアクチンベータ遺伝子Actbに対 するin situハイブリダイゼーションのシグナ 強度で確認した(図24)。すなわち、ラット肺 を通常のホルマリン固定・パラフィン包埋後 、連続切片を作成し、脱パラフィン処理およ びプロテアーゼK(Invitrogen社、Proteinase K SOL.  RNA、25530049)で処理後、FITCラベルが5’末端に 加されたオリゴDNAプローブ(プローブ1)、3’ 末端に付加されたオリゴDNAプローブ(プロー 2)、5’末端および3’末端の両端にFITCラベル の付加されたオリゴDNAプローブ(プローブ3)を 使用してRNA in situハイブリダイゼーション 実施し、得られる蛍光強度を比較した。な 、この実施例では、ダミーオリゴDNAではな サケ精子DNAを用いた。ここで使用したFITCラ ルの付加された3種のオリゴDNAプローブの配 列は同じで長さ40塩基であり、配列番号29で されている。実験には、FITCラベルを検出す ための抗FITC抗体にPODがつなげられた蛋白質 (Dako社、抗FITCウサギポリクローナル抗体、P51 00)を用いてFITCを検出し、さらにtyramide-FLUを 加させ、TSA増感を実施した。TSA増感にはPerki n-Elmer社のキット(TSAプラスフルオレセインシ テム、NEL741B001KT)を使い、TSA増感のプロトコ ルはこのキットの添付文章にしたがった。ハ イブリダイズさせるプローブの濃度は、いず れも5nMとした。撮影には10倍の対物レンズでZ eiss蛍光顕微鏡Axioplan2およびCCDカメラAxioCamを 用した。図24a、b、cは、それぞれプローブ1 プローブ2、プローブ3でラット肺のActb遺伝 のmRNAを検出した結果である。5’末端のみ ラベルのついたプローブ1で検出されたActb遺 伝子のmRNAのシグナル強度および、3’末端の にラベルの付加されたプローブ2で検出され たActb遺伝子のmRNAのシグナル強度はほぼ同等 あった。また、両端にラベルの付加された ローブ3で検出されたActb遺伝子のmRNAのシグ ル強度は、これらの倍程度であった。すな ち、シグナル強度はラベルの数に依存し、 端にラベルの付加されたプローブを使用す ことにより、検出感度を上げることが可能 ある。なお、図24dで示したActbのセンスプロ ーブの配列は配列番号29の相補鎖である。

 (シグナル強度を数値化していない、サケ精 子DNAを用いた)
 一つの遺伝子のmRNA上で、複数のラベルを用 いてハイブリダイズした産物を検出しようと するとき、mRNAの核酸配列上で、2個のラベル いったいどれくらい離れている必要がある 、確認した。これは、ラベルの増感方法や いる顕微鏡、CCDカメラの光学系の解像度に 依存する。本実施例では、遺伝子GAPDHのmRNA 核酸配列に対し、2つのオリゴ核酸プローブ A1およびA2を用意し、A1の5’末端およびA2の3 末端をFITCでラベルした(図25)。ラベルの付加 されたA1およびA2の長さは40塩基であり、A2の3 ’末端は、配列番号30で示されるA1の5’末端 ら3塩基、5塩基、8塩基、11塩基の距離にな よう4種類のプローブA21、A22、A23、A24を用い (それぞれ配列番号31、32、33、34)。なお、使 用した試料組織はラット肺で、通常のホルマ リン固定・パラフィン包埋後、連続切片を作 成し、プロテアーゼK(Invitrogen社、Proteinase K  SOL. RNA、25530049)で処理後、上記プローブの組 (A1とA21、A1とA22、A1とA23、A1とA24)、およびサ 精子DNAを用いてRNA in situハイブリダイゼー ョンを実施した。FITCの検出にはDako社、抗FI TCウサギポリクローナル抗体、P5100を使用し 増感のためにPerkin-Elmer社のキット(TSAプラス ルオレセインシステム、NEL741B001KT)を用いて TSA増感を行った。顕微鏡撮影には10倍の対物 ンズでZeiss蛍光顕微鏡Axioplan2およびCCDカメ AxioCamを使用した。図26に示すように、A1の3 末端およびA2の5’末端の距離が8塩基以上離 ている場合に、シグナルの加算的増強が観 される。すなわち、ラベル間の距離は8塩基 離れていることが条件となる。

 (シグナル強度を数値化していない、サケ精 子DNAを用いた)
 ラットACTB遺伝子のmRNAに対して、両端をFITC ラベルされた長さ40塩基のオリゴ核酸プロ ブにおいて、GC含量が40%(配列番号35)、50%(配 番号29)、60%(配列番号36)、70%(配列番号37)の4 類を用いて、それぞれ単独にプローブとし 使用し、ラット肺でRNA in situハイブリダイ ゼーションを行い、さらに、抗FITC抗体(Dako社 、抗FITCウサギポリクローナル抗体、P5100)を 用しTSA増感(Perkin-Elmer社、TSAプラスフルオレ インシステム、NEL741B001KT)を行った。顕微鏡 撮影には10倍の対物レンズでZeiss蛍光顕微鏡Ax ioplan2およびCCDカメラAxioCamを使用した(図27)。 プローブのGC含量が増えるに従って、シグナ が強くなり、検出感度が上がることが分か 。言い換えれば、ハイブリダイゼーション 平衡定数Kおよび融解温度TmはGC含量の増加 数であるため、融解温度Tmが大きくなるにし たがって、シグナル強度は上がり、検出感度 があがる。なお、図27のActbセンスプローブの 配列は配列番号29の相補鎖である。

 (ダミーオリゴDNA)
 実施例1から実施例10で用いたダミーオリゴD NAは、配列番号5~11、配列番号29である。配列 号5および配列番号7~11はヒトゲノム上のト ンポゾン由来の反復配列から選択した。配 番号6は植物シロイヌナズナのperoxidase遺伝子 の配列から選択した。また、配列番号29はラ トActb遺伝子から選択されており、実施例10 おける標的遺伝子AlbのmRNAにはハイブリダイ ズしない。また配列番号27のオリゴDNAプロー :
5’-gtcttggtagtgctcctggacagttttctgcagaaacagc-3’
に対し、5’側から順次に、AをTに、TをAに、G をCに、そしてCをGに置換し、TTTTの連続配列 ATAAと置換して合成したオリゴDNA:

5’-cagaaccatcacgaggacctgtcataagacgtctttgtcg-3’(配列番 号38)
もダミーオリゴDNAとして使用できる。この配 列番号38のダミーオリゴ核酸の例では、長さ よびGC含量がオリゴDNAプローブ(配列番号27) 同一になっている。




 
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