SAKAGUCHI KENTA (JP)
JP2005298629A | 2005-10-27 | |||
JP2004210971A | 2004-07-29 | |||
JP2005112955A | 2005-04-28 | |||
JP2005048044A | 2005-02-24 |
同心に配置した内輪と外輪との間に複数個の転動体を介在させ、この複数個の転動体を保持器で保持し、外輪に固定されたシール部材が軸方向の両端開口部を密封するように設けられた軸受の内部に、40℃における動粘度が13~73cStの基油と芳香族ウレア系増ちょう剤とを含有する潤滑グリースを封入し、前記潤滑グリースの封入量は、転がり軸受内部の全空間体積の20%以上であり、かつ静止空間体積の80%以下の体積比率であるオルタネータ用転がり軸受。 |
基油が、エーテル油を含有する基油である請求項1に記載のオルタネータ用転がり軸受。 |
基油が、エーテル油とポリαオレフィン油の混合油である請求項1または2に記載のオルタネータ用転がり軸受。 |
基油が、エーテル油15~95重量%とポリαオレフィン油5~85重量%の混合油である請求項3に記載のオルタネータ用転がり軸受。 |
芳香族ウレア系増ちょう剤が、芳香族ジウレアからなる芳香族ウレア系増ちょう剤である請求項1に記載のオルタネータ用転がり軸受。 |
芳香族ジウレアが、その分子構造にイソシアネート基として4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートを有する芳香族ジウレアである請求項5に記載のオルタネータ用転がり軸受。 |
この発明は、自動車の交流発電機である ルタネータの回転軸を支持するオルタネー 用転がり軸受に関するものである。
一般に、自動車用オルタネータは、自動 エンジンの回転をベルトで受けて発電し、 両の電気負荷に電力を供給すると共に、バ テリを充電することが可能な交流発電機を してそのように称されている。
図2に示すように、オルタネータは、ハウ ジングに、ロータ12を装着されたロータ回転 13が、一対の玉軸受Aで回転自在に支持され いる。ロータ12にはロータコイル15が取り付 けられ、ロータ12の外周に配置されたステー 16には、120°の位相で3巻のステータコイル17 が取り付けられている。
前記ロータ回転軸13は、その先端に取り けられたプーリ20にベルト(図示省略)で伝達 れる自動車エンジンからの回転トルクで回 駆動され、ロータコイル15に電気が流れる 、位相をずらして取り付けられた3巻の各ス ータコイル17に交流電流が誘起される。こ 誘起された3相の交流電流は、レクティファ ヤ21で全波整流され、バッテリに充電され 。
プーリ20は片持ち状態でロータ回転軸13に 取り付けられており、ロータ回転軸13の高速 転に伴って振動も発生するため、特にプー 20側を支持する玉軸受Aは、苛酷な負荷を受 る。なお、図2中の符号18はステップリング 19はファンを示している。
また、オルタネータ用転がり軸受は、加 されたエンジンルーム内雰囲気で高速回転 るため180℃以上の高温になる場合があり、 の回転数は10000rpm以上の高速回転にもなり 極めて過酷な環境に耐える必要がある。
このようにオルタネータ用転がり軸受は 耐熱性やできるだけ温度上昇を抑制するた に低回転トルクであることが求められ、さ に耐久性も要求される。
そのため、転がり軸受に封入される潤滑 リースは、耐熱性の良い基油や増ちょう剤 選択的に採用する必要があり、例えばアル ルジフェニルエーテル油とポリαオレフィ 油を混合した基油に、増稠剤として芳香族 ウレア化合物を5~40重量%配合した潤滑グリー スを用いることが知られている(特許文献1)。
また、電子機器や空調機器に用いる転が 軸受の内部に40℃の動粘度30~70cStの潤滑グリ ースを充填し、その充填量が、軸受内部の全 空間体積に対して5~20%に調整されて封入され いる転がり軸受が知られている(特許文献2)
しかし、上記した従来の転がり軸受のう 、前者(特許文献1)の転がり軸受では、オル ネータ用転がり軸受の耐久時間(寿命)を延 できるような潤滑グリースの封入量は特定 れておらず、そのために必要な基油粘度も 定されていなかった。
また、後者(特許文献2)に記載の発明は、 ルタネータ用転がり軸受に関するものでは く、荷重が小さいハードディスクドライブ または、回転数は7000rpm程度に低い空調機器 の送風モータ軸を支持する転がり軸受に関す るので、グリースの封入量の適正や、適正な 基油の動粘度についての技術データを、その ままオルタネータ用転がり軸受に転用できる ものではなかった。
そこで、この発明の課題は、上記したよ に従来技術では解決されていない問題点と て、オルタネータ用転がり軸受における回 時の温度上昇の抑制を充分に図ること、ま 転がり軸受の温度上昇による潤滑グリース 劣化を防止すること、さらにはオルタネー 用転がり軸受の潤滑寿命の延長を図ること 課題としている。
上記の課題を解決するために、この発明 おいては、40℃における動粘度が13~73cStの基 油を、芳香族ウレア系増ちょう剤で増ちょう した潤滑グリースを調製し、この潤滑グリー スを軸受両端面のシールされた転がり軸受の 内部に封入したものからなり、前記封入する 際の潤滑グリースの量は、転がり軸受内部の 全空間体積の20%以上であり、かつ静止空間体 積の80%以下の体積比率であるオルタネータ用 転がり軸受としたのである。
ここで、この発明でいう「全空間体積」は
内輪と外輪と密封部材とにより閉じられた
間の体積から、転動体および保持器の体積
除いた体積をいう。
また、この発明でいう「静止空間体積」は
内輪と外輪と密封部材とにより閉じられた
間の体積における軸受回転時に転動体およ
保持器が通過しない空間の体積をいう。
上記したように構成されるこの発明に係 オルタネータ用転がり軸受は、潤滑グリー の基油として、40℃における動粘度が13~73cSt の基油を用いたことにより、潤滑に必要な所 用粘度を満たしながら軸受内に滲み出した基 油の攪拌抵抗による温度上昇が起り難く、オ ルタネータに実装された転がり軸受の使用時 の軸受温度をほぼ160℃以下に抑制できる。
40℃における動粘度が13cSt未満の柔らかい 潤滑グリースでは、玉軸受(例えば深溝玉軸 )に所要の潤滑をする潤滑グリースにならな ので好ましくない。また、73cStを超える硬 グリースでは、後述する実験結果からも明 かなように、潤滑グリースの攪拌抵抗によ 発熱量が大きくなり、オルタネータに実装 れた転がり軸受が10000~20000回転の高速回転で 使用する時の軸受温度が160℃を超えるように なり、潤滑グリースが劣化しやすくなって好 ましくない。
この発明では、耐熱性の良い芳香族ウレ 系増ちょう剤で増ちょうした潤滑グリース 使用していることによっても、100℃を超え ような高温の使用状態でも増ちょう剤の機 が安定し、潤滑グリースは高温でも所定粘 が維持され、基油を所要面に適当な速度で 定的に供給することができ、長時間にわた 軸受温度の安定的な抑制を図ることができ 。
前記潤滑グリースの封入量は、転がり軸受
部の全空間体積の20%以上であり、かつ静止
間体積の80%以下の体積比率である。
潤滑グリースの封入量は、転がり軸受内部
全空間体積における20%以上の体積比率とし
いることにより、20%未満の封入量のもの(100
重量程度)に比べて、高速回転(例えば20000回
/分)での使用耐久時間(寿命)を顕著に長く(350
時間以上)延長できる。全空間体積における20
%未満の体積比率の潤滑グリースの封入量で
、使用耐久時間(寿命)が、100時間程度となり
、かなり短い寿命になる。
また、潤滑グリースの封入量は、転がり 受内部における静止空間体積の80%以下の体 比率としたことにより、潤滑作用は充分に 揮され、使用耐久時間(寿命)を延長できる また、静止空間体積の80%を超えて潤滑グリ スを充填すると、転がり軸受から潤滑グリ スが漏れ出ることがあり好ましくなく、ま そのような過剰量を封入すると、軸受温度 上昇する傾向が高まり、特に静止空間体積 85%を超えて潤滑グリースを充填すると軸受 度の上昇が顕著になる。
ところで、オルタネータ用転がり軸受は 高速で回転した際に、転走面の鏡面摩耗が こりやすいが、そのときに形成される新生 が触媒作用をするので、潤滑グリースが分 しやすく、その分解時に発生した水素が、 中に浸透して転走面を脆化し、いわゆる水 脆性による金属剥離が起こる場合がある。
そのような事態を防ぐために、潤滑グリ スの基油が、エーテル油の含有率15~100重量% の基油を使用することが好ましい。エーテル 油は、水素との結合が比較的強いものである ため、軸受が高速で回転した際に、転走面に 基油に由来する水素が発生し難いものだから である。
潤滑グリースの好適な実施態様として、 油がエーテル油15~95重量%とポリαオレフィ 油5~85重量%の混合油であることが、水素脆性 の防止および玉軸受に所要の潤滑性を確保す るために好ましい。
また、転がり軸受の寿命の可及的な延長 図るために、芳香族ウレア系増ちょう剤が 耐熱性の良い芳香族ジウレアであるオルタ ータ用転がり軸受とすることが好ましい。 レア系増ちょう剤のなかでも、分子構造か みて耐酸化性の良いベンゼン環を多く含む 香族ジウレアであって、例えば4,4’-ジフェ ニルメタンジイソシアネートをイソシアネー ト基とする芳香族ジウレアである特に耐熱性 に優れた芳香族ウレア系増ちょう剤を用いた オルタネータ用転がり軸受とすることが好ま しい。
この発明は、オルタネータ用転がり軸受 おいて、所定動粘度の基油を芳香族ウレア 増ちょう剤で増ちょうした潤滑グリースを い、この潤滑グリースを転がり軸受内部に 定量封入したので、回転時の温度上昇を抑 し、また温度上昇による潤滑グリースの劣 を防止し、このような改良点が総合されて ルタネータ用転がり軸受の潤滑寿命の延長 図ることができるという利点がある。
また、このようなオルタネータ用転がり 受において、基油がエーテル油とポリαオ フィン油の混合油であるものでは、水素脆 が防止され、かつ玉軸受に所要の潤滑性が 保されるため、さらにオルタネータ用転が 軸受の潤滑寿命の延長を図ることができる いう利点がある。
また、芳香族ウレア系増ちょう剤が芳香 ジウレアであり、特にその分子構造にイソ アネート基として4,4’-ジフェニルメタンジ イソシアネートを有する芳香族ジウレアを採 用すると、100℃を超えるような高温の使用状 態でも増ちょう剤の機能が安定し、長時間に わたり軸受温度が安定的に抑制されて、軸受 の潤滑寿命の延長を図ることができる。
1 外輪
2 内輪
3 転動体
4 保持器
5 シール部材
12 ロータ
13 ロータ回転軸
15 ロータコイル
16 ステータ
17 ステータコイル
18 ステップリング
19 ファン
20 プーリ
21 レクティファイヤ
この発明に用いるオルタネータ用転がり軸
の構造を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、実施形態の深溝玉軸受型
のオルタネータ用転がり軸受は、同心に配置
した外輪1と内輪2との間に複数個のボール型
転動体3を介在させ、この複数個の転動体3
保持する保持器4および外輪1に固定されたシ
ール部材5が、軸方向の両端開口部を密封す
ように設けられたものであり、転がり軸受A
内部に、40℃の動粘度が13~73cStの基油を芳香
族ウレア系増ちょう剤で増ちょうした潤滑グ
リースGを、軸受内部の全空間体積の20%以上
かつ静止空間体積の80%以下の体積比率だけ
入した転がり軸受である。
この発明に用いる40℃における動粘度が13~73
cStの基油は、所要の潤滑性を有しながら転が
り軸受の温度上昇を抑制できる基油粘度を有
する。
オルタネータ用転がり軸受は、通常、自己
熱による軸受温度の上昇が160℃である場合
おいて、少なくとも1000時間の寿命があるよ
うに使用耐久性が要求されるが、73cStを超え
高粘度の基油を採用すると、潤滑する際に
熱作用によって160℃を超えるために寿命が
くなって好ましくないからである。また、4
0℃における動粘度が13cSt未満の基油では、オ
ルタネータ用転がり軸受に多用される深溝玉
軸受について、油膜を所要の厚さに形成困難
になるからである。
基油の種類としては、周知の合成潤滑油ま
は鉱油を採用することができ、そのうち好
しくは、パラフィン系鉱油やナフテン系鉱
等の鉱油類、ポリ-α-オレフィン油(PAO)など
合成炭化水素油類、ポリフェニルエーテル
しくはジアルキルエーテルまたはアルキル
ェニルエーテルであるジアルキルジフェニ
エーテル油、アルキルトリフェニルエーテ
油、アルキルテトラフェニルエーテル油等
エーテル油類、ジエステル油、ポリオール
ステル油またはこれらのコンプレックスエ
テル油、芳香族エステル油、炭酸エステル
等のエステル油類等を単独で、あるいは相
に混合して使用できる。
これらの中で高温の耐焼付き寿命、すなわ
、これに相関する耐熱性および耐酸化性の
劣を考慮すると、エーテル油、中粘度PAO、
粘度PAOの順に好ましい。
また、水素脆性による金属剥離が起こら いように、基油がエーテル油を含有する基 である潤滑グリースが好ましく、例えばエ テル油と、適正な潤滑性を発揮させるため ポリαオレフィン油の混合油の採用は好ま い。特に、エーテル油15~95重量%とポリαオレ フィン油5~85重量%の混合油は、水素脆性の防 および玉軸受に所要の潤滑性を確保するも として好ましい潤滑グリースであり、この 向からみると、エーテル油15~25重量%とポリ オレフィン油75~85重量%の混合油がより好ま いものである。
このような基油を増ちょうするために配 する増ちょう剤は、芳香族ウレア系増ちょ 剤である。脂肪族ジウレア、脂環式ジウレ 、芳香族ジウレアを比較すると、結晶構造 安定性、耐熱性、せん断安定性、付着性、 漏洩性について、比較的脂環式ジウレアは れているが、それより顕著に芳香族ジウレ が優れている。トルク、圧送性、流動性に いては脂肪族ジウレアおよび脂環式ジウレ が、この順に優れているが、オルタネータ 転がり軸受では、油膜形成性および耐熱性 優れた芳香族ジウレアを使用した潤滑グリ スの使用が好ましい。
そして、このような芳香族ジウレアの分 構造に、イソシアネート基として4,4’-ジフ ェニルメタンジイソシアネートを有する芳香 族ジウレアからなる増ちょう剤を配合した潤 滑グリースを採用すると、分子量が大きくて 熱安定性に優れた増ちょう剤であり、また分 子間距離が小さくて、OH基の水素結合力が高 点で好ましいものである。
因みに、イソシアネート基としてトリレレ ジイソシアネート(TDI)を有する芳香族ジウ ア化合物よりもジフェニルメタンジイソシ ネート(MDI)を有する芳香族ジウレア化合物の 方が、水素結合解離温度(加熱赤外分光分析 おいて、NH伸縮振動を示すピークが3300cm -1 から3400cm -1 にシフトする時の温度)が70℃高い(前者250℃ 後者320℃)ため、後者の芳香族ジウレア化合 を採用することが好ましい。
基油として、エーテル油80重量%と低粘度 リαオレフィン油20重量%の混合油を調整し 40℃における動粘度が72.3cStの基油を調製し 。この基油の半分量に1モルのトリレンジイ シアネート(TDI)を溶かし、残りの半分量の 油に2モルのパラトルイジンからなるモノア ンを溶かし、これらを混合攪拌し、100~120℃ で30分反応させて基油中に芳香族ジウレア化 物を析出させ、芳香族ウレア系増ちょう剤 増ちょうした潤滑グリースを調製した。
上記の潤滑グリースを深溝玉軸受(NTN社製 :6204LLB、両側非接触ゴムシール、高炭素クロ 軸受鋼、外径12.8mm、幅47mm、内径20mm)に1.8g封 入した。この潤滑グリースの封入量は、転が り軸受内部の全空間体積の40%である。
得られた転がり軸受を、アキシャル荷重78.4
5N(8kgf)、18000rpm、室温下で5分間連続回転の条
で上昇する軸受温度を調べ(軸受温度上昇試
験)、これを3回測定した結果(153℃、156℃、154
℃)の平均値を図3の図表(G1)中に示した。
これにより、40℃における動粘度が73cSt以下
であれば、軸受温度は160℃を維持できること
がわかる。
[比較例1]
実施例1において、基油として、エーテル油
80重量%と中粘度ポリαオレフィン油20重量%の
合油を調整し、40℃における動粘度が103cSt
基油を調製したこと、以外は実施例1と全く
様にして転がり軸受を調製し、上記同様の
受温度上昇試験を行なって、3回測定した結
果(180℃、172℃、176℃)の平均値を図3の図表(G2
)中に併記した。
これにより、40℃における動粘度が73cStを超
えて硬質の潤滑グリースを使用すると、転が
り軸受温度は160℃を超えて加熱され、軸受寿
命に不利な影響を与える可能性が懸念される
。
基油として、エーテル油20重量%と中粘度 リαオレフィン油80重量%の混合油を調整し 40℃における動粘度が72.3cStの基油を調製し 。この基油の半分量に1モルの4,4’-ジフェニ ルメタンジイソシアネート(MDI)を溶かし、残 の半分量の基油に2モルのパラトルイジンか らなるモノアミンを溶かし、これらを混合攪 拌し、100~120℃で30分反応させて基油中に芳香 族ジウレア化合物を析出させ、芳香族ウレア 系増ちょう剤で増ちょうした潤滑グリースを 調製した。
調製されたグリースを深溝玉軸受(NTN社製:62
06LLB、両側非接触ゴムシール、高炭素クロム
受鋼、外径62mm、幅16mm、内径30mm)に全空間体
積の24%となるように封入した。
得られた転がり軸受を、ラジアル荷重490N、
20000rpmの条件で耐久時間を調べ、440時間との
果を得て、これを図4の図表中にプロット(B2
)した。
実施例2において、グリースを深溝玉軸受に
全空間体積の50%となるように封入したこと以
外は、全く同様にして転がり軸受を調製した
。
得られた転がり軸受を、上記同様にラジア
荷重490N、20000rpmの条件で耐久時間を調べ、4
00時間との結果を得て、これ図4の図表中にプ
ロット(B3)した。
[比較例2]
実施例2において、グリースを深溝玉軸受に
全空間体積の12%となるように封入したこと以
外は、全く同様にして転がり軸受を調製した
。
得られた転がり軸受を、上記同様にラジア
荷重490N、20000rpmの条件で耐久時間を調べ、1
00時間との結果を得て、これ図4の図表中にプ
ロット(b2)した。
[比較例3]
実施例2において、グリースを深溝玉軸受に
全空間体積の8%となるように封入したこと以
は、全く同様にして転がり軸受を調製した
得られた転がり軸受を、上記同様にラジア
荷重490N、20000rpmの条件で耐久時間を調べ、8
0時間との結果を得て、これ図4の図表中にプ
ット(b3)した。
図4の結果からも明らかなように、転がり 軸受内部の全空間体積の20%以上の潤滑グリー スを充填した転がり軸受の寿命は、400時間を 超え、比較例1、2との差は350時間程度と顕著 あることがわかる。
実施例2において、グリースを深溝玉軸受(NT
N社製:6204LLB、両側非接触ゴムシール、高炭素
クロム軸受鋼、外径12.8mm、幅47mm、内径20mm)に
静止空間体積の75%となるように封入したこと
以外は、全く同様にして転がり軸受を調製し
た。
得られた転がり軸受を、上記同様にラジア
荷重67N、10000rpmの条件で回転させ、グリー
漏れの有無を、初期封入量と試験後の封入
に差があるかどうかによって評価し、結果
図5の図表中にプロット(B4)した。
[比較例4~7]
実施例4において、グリースを深溝玉軸受(NT
N社製:6204LLB、両側非接触ゴムシール、高炭素
クロム軸受鋼、外径12.8mm、幅47mm、内径20mm)に
静止空間体積の110、120、140、150%となるよう
それぞれ封入したこと以外は、全く同様に
て比較例4~7の転がり軸受を調製した。
得られた転がり軸受を、上記同様にラジア
荷重67N、10000rpmの条件で回転させ、グリー
漏れの有無を、初期封入量と試験後の封入
に差があるかどうかによって評価し、結果
図5の図表中にプロット(b4~b7)した。
図5の結果からも明らかなように、静止空間
体積の80%以下の体積比率で潤滑グリースを充
填した転がり軸受については、グリース漏れ
がないことがわかる。
Next Patent: FLEXIBLE DIE