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Title:
ROLLING BEARING AND SEAL FOR ROLLING BEARING
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/054338
Kind Code:
A1
Abstract:
A rolling bearing and a seal for the rolling bearing. In the rolling bearing, efficacy of an adjunct agent for grease is maintained for a long period of time to extend the life of the bearing.The rolling bearing (1) has an inner ring (2), an outer ring (3), rolling bodies (4) arranged between the inner and outer rings, a retainer (5) for retaining the rolling bodies (4), and seals (6) provided at axially opposite ends of the inner and outer rings (2, 3). The rolling bearing (1) is lubricated by grease (8) sealed in a space in the bearing formed by the inner ring (2), the outer ring (3), the retainer (4), and the seals (6). A mixture (7) of a resin and the adjunct agent for the grease is fixed to those surfaces of the seals (6) which face the space in the bearing, where the seals (6) are those among the elements forming the space.

Inventors:
MIKAMI HIDENOBU
TAGUCHI YOSUKE
Application Number:
PCT/JP2008/068944
Publication Date:
April 30, 2009
Filing Date:
October 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
MIKAMI HIDENOBU
TAGUCHI YOSUKE
International Classes:
F16C33/66; C10M105/32; C10M107/02; C10M133/12; C10M133/44; C10M145/20; C10M169/02; C10N30/08; C10N40/02; C10N50/10
Domestic Patent References:
WO2005121578A12005-12-22
Foreign References:
JPH11246885A1999-09-14
JPH08231568A1996-09-10
JPH07269564A1995-10-17
JPS5911398A1984-01-20
JP2005155907A2005-06-16
JP2007177949A2007-07-12
Attorney, Agent or Firm:
WAKI, Misao (Toin-cho Inabe-gu, Mie 33, JP)
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Claims:
 内輪と、外輪と、この内・外輪間に介在する複数の転動体と、この転動体を保持する保持器と、前記内輪および外輪の軸方向両端開口部に設けられたシール部材とを備え、前記内輪と前記外輪と前記保持器と前記シール部材とで構成される軸受内空間に封入されたグリースによって潤滑される転がり軸受であって、
 前記軸受内空間を構成する部材の少なくとも1つの部材において、該部材の前記転動体との摺動面以外の軸受内空間側表面に、前記グリース用の補助剤が固定されてなることを特徴とする転がり軸受。
 前記グリース用の補助剤は、樹脂に含まれた状態で固定されることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受。
 前記樹脂は、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項2記載の転がり軸受。
 前記グリース用の補助剤が樹脂に含まれた状態で固定される際に、該補助剤の割合が、該補助剤と樹脂との合計に対して、10 重量%以上であることを特徴とする請求項2記載の転がり軸受。
 前記グリース用の補助剤は、発泡剤、酸化防止剤、および昇華性のある物質から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受。
 前記発泡剤は、有機系の発泡剤から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項5記載の転がり軸受。
 前記有機系の発泡剤は、アゾジカルボンアミドであることを特徴とする請求項6記載の転がり軸受。
 前記酸化防止剤は、アミン系酸化防止剤であることを特徴とする請求項5記載の転がり軸受。
 前記昇華性のある物質は、ベンゾトリアゾールおよびその誘導体から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項5記載の転がり軸受。
 前記グリース用の補助剤は、前記シール部材の軸受内空間側表面に固定されることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受。
 グリース用の補助剤が固定されてなる転がり軸受用シール部材であって、該シール部材は、請求項10記載の転がり軸受に用いられることを特徴とする転がり軸受用シール部材。
Description:
転がり軸受および転がり軸受用 ール部材

 本発明は、グリース潤滑される転がり軸 に関し、特に耐熱性と低温性に優れ、温度 化が激しい状況下でも長時間にわたり好適 使用し得る転がり軸受、および該転がり軸 に用いる転がり軸受用シール部材に関する

 各種回転支持部材を構成するために、シ ルを有し、グリース潤滑で用いられる玉軸 が広く使用されている。例えば、保持器と て冠形保持器を備えるとともに、両側にシ ルを有するラジアル玉軸受において、玉の 方向中心線が、内輪および外輪の軸方向中 線よりも、冠形保持器の爪部側にずれてい ことを特徴とするラジアル玉軸受が知られ いる(特許文献1参照)。また、シールドを有 、グリース潤滑で用いられる玉軸受に関し 、潤滑性を向上し、長寿命化を図る技術と ては、例えば、耐熱性に優れたグリースを いることが知られている(特許文献2参照)。

 しかしながら、特許文献1および特許文献2 どに記載の転がり軸受では、軸受内部空間 に充填できるグリース量に限度があるため 更なる長寿命化を図ることが困難であった

特開2002-130305号公報

特開2004-352858号公報

 本発明はこのような問題に対処するため なされたものであり、グリース用の補助剤 よる効能を長時間維持させることができ、 命の向上を図れる転がり軸受および転がり 受用シール部材を提供することを目的とす 。

 本発明の転がり軸受は、内輪と、外輪と この内・外輪間に介在する複数の転動体と この転動体を保持する保持器と、上記内輪 よび外輪の軸方向両端開口部に設けられた ール部材とを備え、上記内輪と上記外輪と 記保持器と上記シール部材とで構成される 受内空間に封入されたグリースによって潤 される転がり軸受であって、上記軸受内空 を構成する部材の少なくとも1つの部材にお いて、該部材の上記転動体との摺動面以外の 軸受内空間側表面に、グリース用の補助剤が 固定されてなることを特徴とする。また、上 記グリース用の補助剤は、上記シール部材の 軸受内空間側表面に固定されることを特徴と する。

 本発明におけるグリース用の補助剤は、 の成分が直接にグリースに溶け出して寄与 るもの(添加剤)や、ガス等を発生させ軸受 空間における酸素濃度を低下させることで リースの酸化劣化を防ぐなどの間接的にグ ースを補助するものなどを含む。

 上記グリース用の補助剤は、樹脂に含ま た状態で固定されることを特徴とする。ま 、上記樹脂は、エポキシ樹脂であることを 徴とする。

 上記グリース用の補助剤が樹脂に含まれ 状態で固定される際に、該補助剤の割合が 該補助剤と樹脂との合計に対して、10 重量 %以上であることを特徴とする。

 上記グリース用の補助剤は、発泡剤、酸 防止剤、および昇華性のある物質から選ば る少なくとも1つであることを特徴とする。 また、上記酸化防止剤は、アミン系酸化防止 剤であることを特徴とする。また、上記昇華 性のある物質は、ベンゾトリアゾールおよび その誘導体から選ばれる少なくとも1つであ ことを特徴とする。

 上記発泡剤は、有機系の発泡剤から選ば る少なくとも1つであることを特徴とする。 また、上記有機系の発泡剤は、アゾジカルボ ンアミドであることを特徴とする。

 本発明の転がり軸受用シール部材は、上 のグリース用の補助剤が固定されてなるこ を特徴とする。

 本発明において上記構成の転がり軸受に れば、グリース用の補助剤としてグリース 添加剤となるものをシール部材の軸受内空 側表面などに固定する場合、該添加剤が軸 に封入されているグリースと接触すること より、グリース中に添加剤成分が溶け出す このため、添加剤成分としての効能を継続 にグリースに付与することができ、添加剤 よる効能を長時間維持することができる。

 上記グリース用の補助剤を、該補助剤が 脂に含まれた混合物の状態とすることで、 混合物を接着、塗布すること等により、各 面に容易に固定できる。

 上記グリース用の補助剤として発泡剤を いた場合、この発泡剤が、高温で不活性ガ を放出して軸受内空間における酸素濃度を 下させることができる。このため、グリー の酸化劣化を抑制でき、長時間の軸受使用 可能となる。

 上記グリース用の補助剤として酸化防止 を用いた場合、軸受内空間に存在する酸素 この酸化防止剤が吸収することで、軸受内 間の酸素濃度を低下させることができる。 の結果、長時間、グリースの酸化劣化を防 することができる。

 上記グリース用の補助剤として昇華性の る物質を使用した場合、軸受内空間にこの 質が昇華して気体として充満することで、 受内空間の酸素濃度を低下させることがで る。その結果、長時間、グリースの酸化劣 を防止することができる。

 本発明の転がり軸受用シール部材は、上 グリース用の補助剤が固定されてなるので 転がり軸受に封入されるグリースの酸化劣 などを防止でき、該シール部材を使用する がり軸受の長寿命化が図れる。

本発明の転がり軸受の一実施形態を示 転がり軸受の断面図である。

符号の説明

  1  転がり軸受
  2  内輪
  3  外輪
  4  玉(転動体)
  5  保持器
  6  シール部材
  7  グリース用の補助剤と樹脂との混合物
  8  グリース

 本発明の実施形態を図面に基づいて詳細 説明する。図1は、本発明の転がり軸受の一 実施形態を示す転がり軸受の断面図である。 図1に示すように、転がり軸受1は、内輪2およ び外輪3と、この内・外輪間に介在する複数 玉4と、この玉4を円周方向等間隔に保持する ポケットが設けられた保持器5と、内・外輪 軸方向両端開口部に設けられた環状のシー 部材6とを備えてなる。この転がり軸受1は、 内輪2と外輪3と保持器5とシール部材6とで構 される軸受内空間に封入されたグリース8に って潤滑される。

 この実施形態では、上記軸受内空間を構 する部材の1つとして、シール部材6の軸受 空間側表面に、グリース用の補助剤と、樹 との混合物7を固定させている。

 グリース用の補助剤としてグリース用添 剤となるものを用いる場合、軸受内空間に 入されたグリース8は、転がり軸受1の回転 伴う遠心力等の外力を受けて軸受内空間を 動する際、シール部材6の軸受内空間側表面 固定された混合物7と接触して、該グリース 用添加剤を受け取り、玉4と外輪3の外輪軌道3 aおよび内輪2の内輪軌道2aとの間や、玉4と保 器5との間における潤滑に供される。

 グリース用添加剤を取り込んだグリース8 は、軸受内を循環し、各摺動面でグリース中 の添加剤が消費されても上記の繰り返しで、 グリース8中にグリース用添加剤が溶け出し 定の濃度が保たれるので、該添加剤による 能を長時間維持することができる。

 また、グリース成分との相溶性から高濃 で配合できないグリース用添加剤であって 、上記構成により添加成分がグリースとの 溶性を維持しつつ徐々にグリースに供給さ るため、グリースに対して結果的に高濃度 配合することができ、該添加剤による効能 長時間維持することができる。

 グリース用の補助剤として発泡剤を用い 場合、シール部材6の軸受内空間側表面に固 定された混合物7から、不活性ガスが発生し 軸受内空間における酸素濃度が低下するた 、封入されたグリース8の酸化劣化が抑制さ る。同様に、グリース用の補助剤として昇 性のある物質を用いる場合、混合物7から該 物質が昇華し、気体として軸受内空間に充満 するため、酸素濃度が低下して封入されたグ リース8の酸化劣化が抑制される。

 本発明の他の実施形態として、グリース の補助剤を固定する他の箇所としては、保 器5の表面(玉との摺動面以外)、内輪2の外径 面(軌道面以外)、外輪3の内径面(軌道面以外) 挙げられる。これらは、1箇所または複数個 所に分けて固定してもよい。

 なお、本発明はこれらの実施形態に限定 れるものではなく、適宜な変形、改良など 可能である。シール部材6としては、鋼板製 のシールド以外に、例えば、鋼板で補強され たシールがあり、シールの材質をニトリルゴ ム、アクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴ ムなどの合成ゴムを素材としてもよい。

 本発明の転がり軸受に封入するグリース 、通常転がり軸受に用いられるグリースで れば特に制限なく用いることができる。グ ースを構成する基油としては、例えば、パ フィン系鉱油、ナフテン系鉱油などの鉱油 ポリブテン油、ポリ-α-オレフィン(以下、PA Oと記す)油、アルキルベンゼン油、アルキル フタレン油、脂環式化合物等の炭化水素系 成油、または、天然油脂やポリオールエス ル油、りん酸エステル油、ジエステル油、 リグリコール油、シリコーン油、ポリフェ ルエーテル油、アルキルジフェニルエーテ 油、フッ素化油等の非炭化水素系合成油等 一般に潤滑グリースの基油として使用され いる油であれば特に限定することなく使用 きる。これらの基油は、単独または 2 種 以上組み合せて用いてもよい。

 また、増ちょう剤としては、アルミニウ 石けん、リチウム石けん、ナトリウム石け 、複合リチウム石けん、複合カルシウム石 ん、複合アルミニウム石けんなどの金属石 ん系増ちょう剤、ジウレア化合物、ポリウ ア化合物等のウレア系化合物、ポリテトラ ルオロエチレン樹脂等のフッ素樹脂粉末が げられる。これらの増ちょう剤は、単独ま は 2 種類以上組み合せて用いてもよい。

 また、本発明の転がり軸受に封入するグ ースには必要に応じて公知の添加剤を含有 せることができる。この添加剤として、例 ば、ポリメタクリレート、ポリスチレン等 粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラ ァイト等の固体潤滑剤、金属スルホネート 多価アルコールエステルなどの防錆剤、有 モリブデンなどの摩擦低減剤、エステル、 ルコールなどの油性剤、りん系化合物など 摩耗防止剤等が挙げられる。これらを単独 たは 2 種類以上組み合せて添加できる。 た、軸受部材に固定する下記の補助剤をグ ースにも予め配合しておくことができる。

 軸受内空間を構成する部材に固定するグ ース用の補助剤は、発泡剤、酸化防止剤、 よび昇華性のある物質から選ばれる少なく も1つであることが好ましい。

 上記発泡剤としては、発泡時に不活性ガ を発生するものであればよく、好ましくは 発泡開始温度が軸受の使用温度より高いも がよい。なお、不活性ガスとしては、例え 、窒素、二酸化炭素などが好ましい。この うな不活性ガスを発生する発泡剤としては 誤って軸受の転がり面に混入しても、キズ の損傷を与えにくいことから有機系の発泡 から選ばれる少なくとも1つを用いることが 好ましい。有機系の発泡剤としては、例えば トリアジン系化合物、ヒドラジン系化合物、 テトラゾール系化合物、アゾジカルボンアミ ド等のアゾ化合物などが挙げられる。これら の有機系の発泡剤の中で発生するガス量が多 いことからアゾジカルボンアミドを用いるこ とが好ましい。これらの発泡剤は、それぞれ 単独で、または 2 種類以上を混合して用い ことができる。

 上記酸化防止剤としては、フェノール系 芳香族アミン系の化合物が挙げられる。例 ば、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノールなど のフェノール系酸化防止剤、p,p'-ジオクチル フェニルアミンなどのアミン系酸化防止剤 が挙げられる。これらの中でグリースの基 への溶解性が良いことから、アミン系酸化 止剤を用いることが好ましい。これらの酸 防止剤は、それぞれ単独で、または 2 種 以上を混合して用いることができる。

 また、酸化防止剤として酸素を吸収する 質である脱酸素剤を用いることができる。 酸素剤としては例えば、アスコルビン酸、 スコルビン酸Na、アスコルビン酸K等のアス ルビン酸およびその誘導体、酸化鉄等が挙 られる。これらの脱酸素剤は、それぞれ単 で、または 2 種類以上を混合して用いる とができる。

 上記昇華性のある物質としては、ベンゾ リアゾールおよびその誘導体、ナフタレン よびその誘導体、ベンゾフェノン等が挙げ れる。これらの中で鋼への耐腐食性が良好 あることからベンゾトリアゾールおよびそ 誘導体から選ばれる少なくとも1つを用いる ことが好ましい。これらの昇華性のある物質 としては、それぞれ単独で、または 2 種類 上を混合して用いることができる。

 本発明の転がり軸受において、軸受内空間 構成する部材にグリース用の補助剤を固定 せる方法を、シール部材の場合を例にとっ 説明する。シール部材の軸受内空間側表面 グリース用の補助剤を固定させる方法とし は、特に制限なく、
(1)シール部材の軸受内空間側表面に接着剤と して樹脂層を貼り付け、その表面に補助剤層 を貼り付ける方法、
(2)(1)の樹脂層と補助剤層とを積層して貼り付 ける方法、
(3)補助剤と、樹脂とを混合して得た混合物を 接着剤によりシール部材の軸受内空間側表面 に貼り付ける方法、
(4)補助剤と、接着剤である樹脂とを混合して 得た混合物をシール部材の軸受内空間側表面 に貼り付ける方法、
(5)補助剤を樹脂溶媒に溶解してなる樹脂塗料 組成物をシール部材の軸受内空間側表面に塗 布する方法等を用いることができる。

 グリース用の補助剤としてグリース用添 剤となるものを用いる場合、これらの方法 中で、混合物中の補助剤の分布を均一にす ことで、軸受空間内を移動するグリースに リース用添加剤を安定して供給することが きる(3)~(5)の方法が好ましい。さらに、添加 剤を容易にシール部材に固定でき、グリース の循環等によっても脱離することのない(5)に よる方法を用いることが特に好ましい。

 また、グリース用の補助剤として発泡剤 昇華性のある物質を用いる場合も、混合物 の発泡剤などの分布を均一にすることがで る(3)~(5)の方法が好ましい。さらに、発泡剤 などを容易にシール部材に固定できる(4)によ る方法を用いることが特に好ましい。

 上記グリース用の補助剤が樹脂に含まれ 状態で固定される際に、補助剤の割合が、 助剤と樹脂との合計に対して、10 重量%以 であることが好ましい。10 重量%未満である と耐久性向上効果が乏しく好ましくない。

 グリース用の補助剤との混合物を得るた に用いる樹脂としては、鋼鉄製シールドや ム製シールなどのシール部材に対する接着 と、グリース用の補助剤に対する接着性と 兼ね備える樹脂であれば特に制限なく使用 ることができる。例えばポリアミド樹脂、 リエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エ キシ樹脂等を挙げることができる。これら 中で軸受の実用使用温度範囲内で硬さが安 していることからエポキシ樹脂を用いるこ が好ましい。

実施例1~実施例8
 表1に示すグリース用の補助剤と、2液型エ キシ樹脂(ニチバン社製:アラルダイト AR-S30) とを混合し、樹脂塗料組成物を得た。この樹 脂塗料組成物をシール部材の軸受内空間側表 面に塗布し、40℃、24 時間乾燥させ、グリー ス用の補助剤が固定されたシール部材を得た 。このシール部材を転がり軸受(軸受寸法:内  20 mm、外径 47 mm、幅 14 mm )の両側に装 して軸受試験片を得た。この試験片を下記 示す高温高速耐久試験に供し、軸受寿命時 を測定した。結果を表1に併記する。

<高温高速耐久性試験>
 得られた試験片に表1に示すグリースを 0.7 g 封入し、軸受外輪外径部温度 150℃、ラジ アル荷重 67 N 、アキシアル荷重 67 N の下 で 10000 rpm の回転数で回転させ、焼き付き 至るまでの時間を軸受寿命時間として測定 た。

比較例1および比較例3
 グリース用の補助剤を使用せず2液型エポキ シ樹脂(ニチバン社製:アラルダイト AR-S30)の をシール部材の軸受内空間側表面に塗布し 40℃、24 時間乾燥させ、エポキシ樹脂が固 されたシール部材を得た。このシール部材 転がり軸受(軸受寸法:内径 20 mm、外径 47  mm、幅 14 mm )の両側に装着して軸受試験片 得た。この試験片を上記高温高速耐久試験 供し、軸受寿命時間を測定した。結果を表1 併記する。

比較例2および比較例4
 グリース用の補助剤も、エポキシ樹脂も使 しないシール部材を転がり軸受(軸受寸法: 径 20 mm、外径 47 mm、幅 14 mm )の両側に 着して軸受試験片を得た。この試験片を上 高温高速耐久試験に供し、軸受寿命時間を 定した。結果を表1に併記する。

 グリース用の補助剤と樹脂との混合物を ール部材の軸受内空間側表面に固定した実 例1~実施例8は、グリースの酸化劣化を防止 て、軸受寿命の向上を図ることができた。

 本発明の転がり軸受は、構成部材表面に 定された酸化防止剤などの補助剤がグリー 中に溶け出して添加剤成分としての効能を リースに長時間付与することができ、また 該補助剤から発生するガス等により軸受内 間における酸素濃度を低下させることがで 、転がり軸受の長寿命化を図ることができ 。このため、本発明の転がり軸受は、オル ネータ、カーエアコン用電磁クラッチ、ア ドラプーリ、中間プーリ、電動ファンモー 、流体継手、水ポンプ、ディストリビュー 、スタータワンウェイクラッチ等の自動車 装部品、エンジン補機等の高温・高速回転 使用される転がり軸受、クリーナモータ、 アコンファンモータ等の家庭用電化製品の 温・高速回転で使用される転がり軸受、コ ピュータのハードディスク、CD-R等の記録装 置のスピンドルモータの転がり軸受、工作機 の主軸用の転がり軸受、その他汎用モータ用 転がり軸受などに好適に利用できる。