Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
ROLLING BEARING
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/084835
Kind Code:
A1
Abstract:
A rolling bearing at least having an outer ring (10) and inner ring (20) arranged so as to be relatively rotatable and rolling bodies (40) rollably assembled between the outer and inner rings, wherein the outer ring is fitted in a housing (not shown) and the inner ring is fitted on a shaft (not shown), thereby the outer and inner rings supporting rotation between the shaft and the housing. An O-ring (30) is installed in either or both of a place between a fitting surface (not shown) of the housing and an outer diameter surface (13) of the outer ring and a place between a fitting surface of the shaft and an inner diameter surface (23) of the inner ring. The O-ring is made of an elastic material having a reduced friction coefficient against the fitting surface of the housing and the outer diameter surface of the outer ring and against the fitting surface of the shaft and the inner diameter surface of the inner ring.

Inventors:
IIDA AKIRA
FUKUDA RYUYA
Application Number:
PCT/JP2008/050216
Publication Date:
July 17, 2008
Filing Date:
January 10, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
NSK LTD (JP)
IIDA AKIRA
FUKUDA RYUYA
International Classes:
F16C27/06; F16C19/06; F16C33/58; F16C35/07; H02K7/08
Foreign References:
JP2007247695A2007-09-27
JP2006161876A2006-06-22
JP2000087988A2000-03-28
JPH036126U1991-01-22
JP2004308839A2004-11-04
JP2004108463A2004-04-08
JPH0874845A1996-03-19
JP2006226485A2006-08-31
JP2004011846A2004-01-15
JPH01109656U1989-07-25
JP2000120669A2000-04-25
Attorney, Agent or Firm:
OGURI, Shohei et al. (7-13 Nishi-Shimbashi 1-chome,Minato-k, Tokyo 03, JP)
Download PDF:
Claims:
 相対的に回転可能に配設した外輪及び内輪と、
 該外輪及び内輪の間に転動自在に組み込まれる複数個の転動体と、
 前記外輪が嵌合するハウジングと、
 前記内輪が嵌合する軸を有し、
 当該軸とハウジングの間の回転を支える転がり軸受において、
 前記ハウジングの嵌合面と前記外輪の外径面との間、又は前記軸の嵌合面と前記内輪の内径面との間のいずれか一方若しくは双方に、前記ハウジングの嵌合面と前記外輪の外径面の間、又は前記軸の嵌合面と前記内輪の内径面との間の摩擦係数を抑えた弾性材からなるOリングが備えられていることを特徴とする転がり軸受。
 前記Oリングは、前記外輪の外径面に嵌合可能な円環状に形成され、少なくともハウジングの嵌合面と線接触する接触部を備えている請求項1に記載の転がり軸受。
 前記Oリングの径方向断面は、多角形の形状に形成されている請求項1に記載の転がり軸受。
 前記断面多角形の角数は奇数である請求項3に記載の転がり軸受。
 前記外輪の外径面には、前記Oリングを嵌め込み可能な周方向に連続した凹溝が備えられ、当該凹溝にOリングが固定される請求項3に記載の転がり軸受。
 前記凹溝は、内底面と、その内底面の両端から立ち上がる立ち上がり面を備え、
その立ち上がり面に対向する前記Oリングの各頂点は、当該立ち上がり面に当接して支持される請求項5に記載の転がり軸受。
 前記凹溝の内底面の両端から立ち上がる立ち上がり面間の幅寸法は、内底面に向けて広く形成されている請求項6に記載の転がり軸受。
 ファンモータに使用されることを特徴する請求項1に記載の転がり軸受。
 前記外輪がモーターハウジングに嵌合されるとともに前記内輪が前記軸に嵌合されて、前記軸とモーターハウジングの間の回転を支える請求項1に記載の転がり軸受を用いたファンモータ。
 内周面に外輪軌道を有する外輪と、
 外周面に内輪軌道を有する内輪と、
 これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けた複数の転動体と、
 前記外輪の外径面に周方向に沿って形成された環状の凹溝と、
 前記凹溝に嵌め込まれ且つその外径面が前記凹溝から突出した環状のOリングと、を備えた転がり軸受に於いて、
 前記Oリングの内径(D2)と、前記外輪の外径面の凹溝の径(D1)とに於ける締め代の関係は、
 D1≧1.07×D2
を満足する様に設定されていることを特徴とする転がり軸受。
 相対回転可能に対向配置された第1,2の軌道輪と、
前記第1,2軌道輪間に転動自在に組み込まれた複数個の転動体とを備え、
前記第1,2軌道輪の一方が固定部位に嵌合されるとともに、前記第1,2軌道輪の他方が回転部位に嵌合される転がり軸受であって、
 前記第1,2軌道輪の少なくとも一方には、固定部位又は回転部位と対向する周面に沿って周方向に連続して形成された、Oリングを取り付け可能な溝が設けられており、
 前記溝の内表面の粗さは、0.05μmRa以上の粗さに設定されていることを特徴とする転がり軸受。
 前記溝の内表面の粗さは、溝と対向する固定部位又は回転部位の嵌合面の粗さよりも粗く設定されている請求項11に記載の転がり軸受。
 相対回転可能に対向配置された第1,2軌道輪と、
これら軌道輪間に転動自在に組み込まれた複数個の転動体とを備え、
一方の軌道輪が固定部位に嵌合されるとともに、他方の軌道輪が回転部位に嵌合される転がり軸受であって、
 前記第1,2軌道輪の少なくとも一方には、固定部位又は回転部位の嵌合面と対向する周面の周方向に沿って、該周面と嵌合面との間に介在する弾性部材が配され、
 前記弾性部材は、外界から気密状態に隔絶された空隙を構成可能であることを特徴とする転がり軸受。
 前記弾性部材は、前記嵌合面と対向する周面の周方向に断続している請求項13に記載の転がり軸受。
 前記弾性部材は、前記嵌合面と対向する周面の周方向に連続している請求項13に記載の転がり軸受。
 前記第1,2軌道輪の少なくとも一方には、固定部位又は回転部位と対向する周面に沿って周方向に連続して形成された溝が設けられ、
 前記弾性部材は、当該溝に取り付けられている請求項13に記載の転がり軸受。
 前記弾性部材は、前記嵌合面と対向する周面の周方向に連続するOリングである請求項13に記載の転がり軸受。
 引っ張り永久歪み率が3%以下で、エステル系油に1000時間浸漬した前後での寸法変化率が2%以下のニトリルゴムからなるOリングが、外輪の外周面に形成された周溝に嵌入されている転がり軸受。
 前記Oリングをなすニトリルゴムは、アクリロニトリル含有率が40質量%以下で、線膨張係数が2.2×10-5/℃以上10×10-5/℃以下である請求項18記載の転がり軸受。
 相対的に回転可能に配設した外輪及び内輪と、
 該外輪及び内輪の間に転動自在に組み込まれる複数個の転動体とからなり、
 前記外輪が嵌合するハウジングと、
 前記内輪が嵌合する軸と、
 前記外輪の外径面又は前記内輪の内径面のいずれか一方若しくは双方に、円周方向に連続する凹溝と、
 一部が突出した状態で前記凹溝内に収容される弾性材からなるOリング
 とを備え、前記軸とハウジングの間の回転を支える転がり軸受に於いて、
 該凹溝は、所定深さを有する第1の底面と、該第1の底面よりも大きな深さを有する第2の底面を有し、
 前記Oリングは、前記突出する一部が押圧されない時に、前記第2の底面との間で前記突出する一部の突出量よりも少ない寸法の間隙を有し、前記突出する一部が押圧された時に弾性変形して前記第2の底面に当接する部位を有していることを特徴とする転がり軸受。
 前記Oリングには、凹溝の第1の底面と嵌め合わされる第1の面と、
 該第1の面から外径方向又は内径方向のいずれかに延出され、Oリングが押圧されない時にその凹溝の第2の底面との間で間隙を有し、押圧された時に当接する第2の面を有する請求項20に記載の転がり軸受。
 ファンモータに使用される請求項20に記載の転がり軸受。
 前記外輪がファンモータハウジングに嵌合されるとともに前記内輪がファンモータ軸に嵌合されて、前記ファンモータ軸とファンモータハウジングの間の回転を支える請求項22に記載の転がり軸受を用いたファンモータ。
Description:
転がり軸受

 本発明は、ファンモータ等で、モーター ウジングと嵌合してファンモータ等の軸と ーターハウジングの間の回転を支える用途 用いられる転がり軸受に関する。

 また、本発明は汎用モータ、ファンモー 、ギヤモータ、サーボモータ、電動工具等 アンバランスな回転荷重が作用する転がり 受に関する。

(第1の背景技術)
 例えばファンモータ等で用いられる転がり 受では、図6の転がり軸受の径方向の断面に 示すように、内輪20及びその内輪20の外周を うように配される外輪10が相対的に回転可能 に配設され、内輪20の外径面には内輪軌道21 周方向に連続して備えられ、外輪10の内径面 には外輪軌道11が周方向に連続して備えられ 当該内輪軌道21と外輪軌道11との間には、複 数個の転動体40が保持器41によって等間隔に 持されて転動自在に組み込まれている。

 さらに、外輪10と内輪20との間には、軸受 の側面で軸受内部を密封するためのシール部 材42が組み込まれている。このシール部材42 して図面では、シールド構造のシール部材 例示しているが、転がり軸受の構成や種類 応じて接触シールや非接触シールが提供さ る場合もある。なお、転動体40として図面で は、玉を例示しているが、転がり軸受の構成 や種類に応じて、コロが適用される場合もあ る。

 そして、転がり軸受の外輪10はファンモー を収容するハウジング(モーターハウジング: 図示しない)と嵌合固定され、内輪20はファン モータの回転軸(図示しない)と嵌合固定され ことにより、当該軸とモーターハウジング は転がり軸受によって回転可能に支えられ いる。
 ところが、転がり軸受の外輪10とモーター ウジングとが嵌合する面において、嵌合固 された外輪10が、内輪20の回転方向と相対回 してしまう現象、所謂クリープが発生する とが知られている。このクリープが発生す と、嵌合面の摩耗に至り、転がり軸受の機 を損なってしまうことがある。そこで、こ ようなクリープの発生を防止するために、 来は、転がり軸受の外輪とモーターハウジ グをキーやピンによって連結したり、外輪 モーターハウジングを接着剤で固定したり るなどしてクリープを外力によって抑えた 、モーターハウジングと外輪との隙間を小 くする方法や、弾性体によってクリープ運 を抑止する方法が知られている。

 図6に示す例では、外輪10の外径面13に形成 た凹溝(周方向溝)12に弾性体(例えば所定の硬 度のゴム製Oリング30)を嵌入し、当該弾性体 弾性力によって外輪をモーターハウジング 固定している。
 具体的には、外輪10の外径面13には、周方向 に連続した径方向断面矩形状の凹溝(周方向 )12が、軸方向に間隔をあけて複数本設けら ている。例えば、図6では軸方向に間隔をあ て2本の凹溝12が配されている。さらに、こ 凹溝12にOリング30が嵌め合わされる。なお Oリング30の外径寸法は、外輪10の外径寸法よ りも大径に形成され、外輪10の凹溝12に嵌め わされた場合には、Oリング30の外径側が外 10の外径面13から突出する(特許文献1、特許 献2)。

 これにより、Oリング30の外径がモーターハ ジングの嵌合面と外輪10との間に介在して ゴムの弾性力で突っ張ることにより、Oリン 30とモーターハウジングの嵌合面との間に クリープの相対回転トルクに打ち勝つ摩擦 を生み出してクリープの発生を阻止しよう するものである。
 このような方法によれば、Oリング30の厚み よってモーターハウジングと外輪10との隙 を小さくする効果と、Oリング30の緊迫力に って外輪10に密着しつつゴムの弾性で外輪10 モーターハウジングとの間に摩擦力を生み してクリープによる外輪10の相対回転の運 を抑止する効果を期待することができる。

 しかしながら、従来では、軸受の外輪10 モーターハウジングとの間の摩擦力を大き することによって、外輪10をモーターハウジ ングに強固に固定してクリープが発生しない ようにしていたが、クリープを発生させよう とする応力が摩擦力を上回るか、摩擦力が一 時的に低下するなどの要因によって、クリー プが発生してしまうこともあった。そして、 一旦クリープが発生した場合には、外輪10の 対回転によって異常に大きなトルク(クリー プトルク)がもたらされ、このときのクリー トルクが外輪とモーターハウジングとの間 作用することによって支障を来たす虞もあ 。

(第2の背景技術)
 クリープ防止に対して、外輪の外径面に円 方向に沿って環状の凹溝を設け、この周方 凹溝にゴムなどの弾性体を入れ、この弾性 がハウジングと外輪の間で突っ張ることに り、クリープを防止する方法が一般的に知 れている。

 特許文献1では、外輪の外周面に形成され た凹溝と、この凹溝内に嵌入され、凹溝から 突出するOリングとを備えた転がり軸受であ て、Oリングの硬度がHs60~75であると共に、O ングにおける凹溝からの突出量がOリングの の4~40%に設定されている。

 しかしながら、軸受のハウジングヘの挿 性を良好にするには、外輪外径面に対するO リングの突出量を小さくする必要がある一方 、クリープ性能を向上するには、Oリングの 出量を大きくする必要があり、相反する事 両立させることが困難であった。

(第3の背景技術)
 例えばファンモータ等で用いられる転がり 受では、図11に示すように、軌道輪(外輪2010 、内輪2020)が相対回転可能に対向配置され、 輪2010の内径面には外輪軌道2011が周方向に 続して形成されているとともに、内輪2020の 径面には内輪軌道2021が周方向に連続して形 成されており、当該内輪軌道2021と外輪軌道20 11との間には、複数個の転動体2040が保持器204 1によって等間隔に保持されて転動自在に組 込まれている。

 さらに、外輪2010と内輪2020との間には、 受内部を軸受外部から密封するためのシー 部材2042が組み込まれている。このシール部 2042として図面では、シールド構造のシール 部材を例示しているが、転がり軸受の構成や 種類に応じて接触シールや非接触シールが組 み込まれる場合もある。なお、転動体2040と て図面では、玉を例示しているが、転がり 受の構成や種類に応じて、コロが適用され 場合もある。

 そして、転がり軸受の外輪2010がファンモー タを収容する固定部位として固定部位として のハウジング(モーターハウジング:図示しな )と嵌合固定され、内輪2020がファンモータ 回転部位としての回転軸(図示しない)と嵌合 固定されることにより、当該軸は転がり軸受 によって回転可能に支えられている。
 ところで、転がり軸受の外輪2010とモーター ハウジングとが嵌合する面において、嵌合固 定された外輪2010が、内輪2020の回転方向と相 的に逆方向に回転してしまう現象、所謂ク ープが発生することが知られている。この リープが発生すると、嵌合面が摩耗して、 の摩耗粉が転がり軸受の内部に入り込んで まう虞がある。

 そこで、このようなクリープの発生を防止 るために、図11に示す例では、外輪2010の外 面2013に形成した凹溝(周方向に連続して形 された溝)2012に弾性体(例えば所定の硬度の ム製Oリング2030)を嵌入して、外輪2010をモー ーハウジングに固定している。
 具体的には、外輪2010の外径面2013には、周 向に連続した径方向断面矩形状の凹溝2012が 軸方向に間隔をあけて複数本設けられてい 。例えば、図11では軸方向に間隔をあけて2 の凹溝2012が配されている。さらに、この凹 溝2012にOリング2030が嵌め合わされる。なお、 Oリング2030の外径寸法は、外輪2010の外径寸法 よりも大径に形成され、外輪2010の凹溝2012に め合わされた場合には、Oリング2030の外径 が外輪2010の外径面2013から突出する(特許文 1)。

 これにより、Oリング2030の外径がモーター ウジングの嵌合面と外輪2010との間に介在し 、ゴムの弾性力で突っ張ることにより、Oリ ング2030とモーターハウジングの嵌合面との に、クリープの相対回転トルクに打ち勝つ 擦力を生み出してクリープの発生を阻止し うとするものである。
 このような方法によれば、Oリング2030の緊 力によって外輪2010に密着しつつゴムの弾性 外輪2010とモーターハウジングとの間に摩擦 力を生み出して、外輪2010をモーターハウジ グに強固に固定することでクリープの抑止 果を期待できる。

 しかしながら、このような従来の技術で 、外輪2010の凹溝2012とOリング2030との間にも クリープが生じる場合があり、これが発生す ると本来の耐クリープ性能が著しく低下し、 早期にクリープ現象が発生してしまう虞もあ る。

(第4の背景技術)
 この種の軸受として、例えば図16に示す転 り軸受は、内輪3020及びその内輪3020の外周を 覆うように配される外輪3010が相対的に回転 能に配設され、内輪3020の外径面には内輪軌 3021が周方向に連続して備えられ、外輪3010 内径面には外輪軌道3011が周方向に連続して えられ、当該内輪軌道3021と外輪軌道3011と 間には、複数個の転動体3040が保持器3041によ って等間隔に保持されて転動自在に組み込ま れている。

 さらに、外輪3010と内輪3020との間には、軸 内部を軸受外部から密封するためのシール 材3042が組み込まれている。このシール部材3 042として図面では、シールド構造のシール部 材を例示しているが、転がり軸受の構成や種 類に応じて接触シールや非接触シールが組み 込まれる場合もある。なお、転動体3040とし 図面では、玉を例示しているが、転がり軸 の構成や種類に応じて、コロが適用される 合もある。
 このような軸受を例えばファンモータに用 る場合には、当該軸受はモータハウジング( 固定部材)と回転軸(回転部材)との間に挿入し て組み込まれる。具体的には、外輪3010がモ タハウジングと嵌合固定され、内輪3020が回 軸と嵌合固定されることにより、当該軸は がり軸受によって回転可能に支えられてい 。

 ところで、このような転がり軸受とモータ ウジングとの嵌め合いは、組み立て上の都 からルーズに設定されている。また、自由 の転がり軸受は、モータ回転に伴う温度上 による回転軸の伸びにより軸受に過大なア シャル負荷がかからないように、軸方向に 由に動けるように嵌め合わされている。
 このため、自由側の転がり軸受にアンバラ スな回転荷重が負荷された場合、外輪3010の 外径面3013とハウジングの嵌合面(図示しない) にクリープが発生することがあり、クリープ が発生した場合には、嵌合面が摩耗して、そ の摩耗粉が軸受の内部に入り込んでしまう虞 があった。

 そこで、このようなクリープの発生を防止 るために、例えば図16に示す例では、外輪30 10の外径面3013に円周方向に沿って環状に形成 した凹溝(周方向に連続して形成された溝)3012 を備え、その凹溝3012に弾性部材として、例 ば周方向に連続して形成されたOリング3030を 嵌入して、外輪3010をモータハウジングに固 している。
 具体的には、外輪3010の外径面3013には、周 向に連続した径方向断面矩形状の凹溝3012が 軸方向に間隔をあけて複数本設けられてい 。例えば、図16では軸方向に間隔をあけて2 の凹溝3012が配されている。さらに、この凹 溝3012にOリング3030が嵌め合わされる。なお、 Oリング3030の外径寸法は、外輪3010の外径寸法 よりも大径に形成され、外輪3010の凹溝3012に め合わされた場合には、Oリング3030の外径 が外輪3010の外径面3013から突出する(特許文 1)。

 これにより、Oリング3030の外径がモータハ ジングの嵌合面と外輪3010との間に介在して Oリング3030とモータハウジングの嵌合面と 間に、クリープの相対回転トルクに打ち勝 摩擦力を生み出してクリープの発生を阻止 ようとするものである。
 この場合において、Oリング3030が外輪3010の 径面3013から突出する突出量を大きくするほ ど、前記摩擦力が強くなるので、耐クリープ 性能は向上する。しかし、この突出量を過大 に設定してしまうと、前記自由側の転がり軸 受が軸方向に移動することができなくなり、 過大なアキシャル荷重が負荷されてしまう虞 がある。そこで、前記特許文献1では、外輪30 10の外径面3013に対して凹溝3012に取り付けたO ング3030の出っ張り量(突出量)をOリング線径 の4~40%の範囲に設定している。
 しかしながら、近年、挿入時における挿入 し易さを向上させることが要求されている 、上記範囲に設定しても充分満足できるよ な結果は得られていない。

(第5の背景技術)
 上記の特許文献1には、モータのハウジング と転がり軸受の外輪との間のクリープを防止 するために、外輪の外周面に周溝(環状の溝) 設け、この溝にOリングを嵌め入れることが 提案されている。この提案では、Oリングの 出量をOリングの径の4~40%とすることで、圧 されたOリングの復元力を、軸受の外輪とハ ジングとの間の摩擦力としてクリープを抑 している。

 しかしながら、この方法では、軸受外輪を 製とし、ハウジングをアルミニウム等の軽 金製として、周囲環境が高温になる場合(電 動モータのロータを支持する軸受の多くがこ の条件となる)、外輪とハウジングの熱膨張 の違いにより、摩擦力が低下してクリープ 発生するおそれがあった。
 また、下記の非特許文献1には、ハウジング と転がり軸受の外輪との間に潤滑剤(グリー )を塗布することで、クリープ防止効果が得 れることが記載されている。この場合、ハ ジング-外輪間へクリープ防止のために塗布 する潤滑剤としては、軸受内部に使用されて いる潤滑油やグリースと同じものを塗布する ことが、製品管理上好ましい。

 ここで、従来のOリングの材料としては、 ニトリルゴム(アクリロニトリルブタジエン ム:NBR)やアクリルゴム、フッ素ゴム、シリ- ンゴム等があるが、比較的安価なニトリル ムが使用される場合が多い。また、軸受内 に使用する潤滑油やグリースの基油として 、エステル系油を用いることが多い。とこ が、ニトリルゴム製のOリングはエステル系 により膨潤し、劣化し易いため、ニトリル ム製のOリングとエステル系油との組み合わ せでの更なる耐クリープ性の改善が求められ ている。

 さらに、Oリングのゴム材料は、圧縮され ることで永久歪みが生じることは避けられず 、長期間に渡って耐クリープ性を維持するた めには、永久歪みを最小限におさえる必要が ある。

(第6の背景技術)
 例えばファンモータや、ポンプモータ等で いられる転がり軸受では、図26の転がり軸 の半径方向の断面図に示すように、内輪5020 びその内輪5020の外周を覆うように配される 外輪5010が相対的に回転可能に配設され、内 5020の外径面には内輪軌道5021が周方向に連続 して備えられ、外輪5010の内径面には外輪軌 5011が周方向に連続して備えられ、当該内輪 道5021と外輪軌道5011との間には、複数個の 動体5040が保持器5041によって等間隔に保持さ れて転動自在に組み込まれている。

 さらに、外輪5010と内輪5020との間には、 受の側面で軸受内部を密封するためのシー 部材5042が組み込まれている。このシール部 5042として図面では、シールド構造のシール 部材を例示しているが、転がり軸受の構成や 種類に応じて接触シールや非接触シールが提 供される場合もある。なお、転動体5040とし 図面では、玉を例示しているが、転がり軸 の構成や種類に応じて、コロが適用される 合もある。

 そして、転がり軸受の外輪5010は、例えばフ ァンモータを収容するハウジング(モータハ ジング:図示しない)と嵌合固定され、内輪502 0はファンモータの回転軸(図示しない)と嵌合 固定されることにより、当該軸とハウジング 間は転がり軸受によって回転可能に支えられ ている。また、このような転がり軸受とハウ ジングとの嵌め合いは、組み立て上の都合か らルーズに設定されている。
 ところが、転がり軸受の外輪5010とハウジン グとが嵌合する面において、嵌合固定された 外輪5010が、内輪5020の回転方向と相対回転し しまう現象、所謂クリープが発生すること 知られている。このクリープが発生すると 嵌合面の摩耗に至り、転がり軸受の機能を なってしまうことがある。

 そこで、このようなクリープの発生を防止 るために、図26に示す例では、外輪5010の外 面5013に形成した凹溝(周方向溝)5012に弾性材 (例えば所定の硬度のゴム製Oリング5030)を嵌 し、当該弾性材の弾性力によって外輪をハ ジングに固定している。
 具体的には、外輪5010の外径面5013には、周 向に連続した径方向断面矩形状の凹溝(周方 溝)5012が、軸方向に間隔をあけて複数本設 られている。例えば、図26では軸方向に間隔 をあけて2本の凹溝5012が配されている。さら 、この凹溝5012にOリング5030が嵌め合わされ 。なお、Oリング5030の外径寸法は、外輪5010 外径寸法よりも大径に形成され、外輪5010の 凹溝5012に嵌め合わされた場合には、Oリング5 030の外径側(Oリングの一部)が外輪5010の外径 5013から突出する。

 転がり軸受をハウジングに嵌合した場合、O リング5030の外径がハウジングの嵌合面と外 5010との間に介在するとともに、Oリング5030 外径側が外輪5010の外径面5013から出っ張った 突出部分の突出量がつぶし代となる。
 該突出部分がつぶされた場合には、ゴムの 性(反発力)がハウジング嵌合面に向けて突 張る緊迫力となる。これにより、Oリング5030 とハウジングの嵌合面との間に、クリープの 相対回転トルクに打ち勝つ摩擦力を生み出し てクリープの発生を阻止しようとするもので ある。
 さらに、特許文献3では、凹溝からOリング 突出量(つぶし代)をOリングの線径の20%~40%に 定することにより、緊迫力を高くしている このような方法によれば、Oリング30の緊迫 によって外輪5010に密着しつつゴムの弾性で 外輪5010とハウジングとの間に摩擦力を生み してクリープによる外輪5010の相対回転の運 を抑止する効果を期待することができる。

 しかしながら、前記Oリング5030の緊迫力は 転がり軸受をハウジングに組み込む際(挿入 )にも発生するので、緊迫力を高くするため に、突出量(つぶし代)を大きくすれば、転が 軸受をハウジングに挿入する挿入力が大き なり、組立作業に手間を要する虞もある。
 また、挿入時にはハウジングの嵌合面との 擦力によって、Oリングに捻れが発生し、摩 擦力の大きさによっては、Oリングが伸びた 捻じ切れたりする場合もある。
 さらに、挿入力が小さくなるようにOリング の突出量(つぶし代)を設定すれば、稼動時の 迫力が不足するという虞もある。

特開2002-130309

特開2004-176785

特開2005-321006 道家、石原、「転がり軸受のクリープと その対策」、機械の研究、第22巻8号(1970)

 上述の第1の背景技術に関し、クリープトル クMは、遠心荷重Pと外輪Dの半径と摩擦係数μ を乗じることで算定され、その大きさは、 えばM=μ・P・(D/2)の式で表わすことができる 。
 この場合において、半径(D/2)及び所定回転 の遠心荷重Pを定数として考えれば、クリー トルクMを小さく抑えるためには、唯一の変 数である摩擦係数μの値を小さく抑えればよ ことがわかる。

 本発明の第1の目的は、上述の第1の背景 術を鑑み、クリープの発生を極力抑えなが クリープ発生時のクリープトルクを軽減し 転がり軸受を提供することである。

 本発明の第2の目的は、上述の第2の背景 術を鑑み、ハウジングヘの挿人性を良好に 持することができると同時に、安定した耐 リープ性能を維持することができる、転が 軸受を提供することである。

 本発明の第3の目的は、上述の第3の背景 術を鑑み、Oリングを取り付ける溝とOリング との間のクリープの発生を防止することで、 長期に安定したクリープ防止効果を発揮し得 る転がり軸受を提供することである。

 本発明の第4の目的は、上述の第4の背景 術を鑑み、耐クリープ性能を一定に維持す とともに、固定部材と回転部材との間に軸 を挿入する際の挿入のし易さの向上を図っ 転がり軸受を提供することである。

 本発明の第5の目的は、上述の第5の背景 術を鑑み、外輪の外周面に形成された周溝 嵌入されているOリングに、エステル系油を 有する潤滑剤を塗布して使用しても、ハウ ングと外輪との間のクリープが長期に渡っ 防止される転がり軸受を提供することであ 。

 本発明の第6の目的は、上述の第6の背景 術を鑑み、転がり軸受を組み込む際の挿入 を低く抑えるとともに、Oリングの捻れを防 し、組み込み後には、充分な緊迫力によっ クリープの発生を抑えることが可能な転が 軸受を提供することである。

 上記第1の目的を達成するために、本発明に よれば、
 相対的に回転可能に配設した外輪及び内輪 、
 該外輪及び内輪の間に転動自在に組み込ま る複数個の転動体と、
 前記外輪が嵌合するハウジングと、
 前記内輪が嵌合する軸を有し、
 当該軸とハウジングの間の回転を支える転 り軸受において、
 前記ハウジングの嵌合面と前記外輪の外径 との間、又は前記軸の嵌合面と前記内輪の 径面との間のいずれか一方若しくは双方に 前記ハウジングの嵌合面と前記外輪の外径 の間、又は前記軸の嵌合面と前記内輪の内 面との間の摩擦係数を抑えた弾性材からな Oリングが備えられていることを特徴とする 転がり軸受が提供される。

 本発明によれば、前記Oリングは、前記外 輪の外径面に嵌合可能な円環状に形成され、 少なくともハウジングの嵌合面と線接触する 接触部を備えていてもよい。

 本発明によれば、前記Oリングの径方向断 面は、多角形の形状に形成されていてもよい 。

 本発明によれば、前記断面多角形の角数 奇数であってもよい。

 本発明によれば、前記外輪の外径面には 前記Oリングを嵌め込み可能な周方向に連続 した凹溝が備えられ、当該凹溝にOリングが 定されてもよい。

 本発明によれば、前記凹溝は、内底面と、 の内底面の両端から立ち上がる立ち上がり を備え、
その立ち上がり面に対向する前記Oリングの 頂点は、当該立ち上がり面に当接して支持 れてもよい。

 本発明によれば、前記凹溝の内底面の両 から立ち上がる立ち上がり面間の幅寸法は 内底面に向けて広く形成されていてもよい

 本発明によれば、前記転がり軸受はファ モータに使用されてもよい。

 本発明によれば、前記ファンモータにお て、前記外輪がモーターハウジングに嵌合 れるとともに前記内輪が前記軸に嵌合され 、前記軸とモーターハウジングの間の回転 支えてもよい。

 上記第2の目的を達成するため、本発明によ れば、
 内周面に外輪軌道を有する外輪と、
 外周面に内輪軌道を有する内輪と、
 これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自 に設けた複数の転動体と、
 前記外輪の外径面に周方向に沿って形成さ た環状の凹溝と、
 前記凹溝に嵌め込まれ且つその外径面が前 凹溝から突出した環状のOリングと、を備え た転がり軸受に於いて、
 前記Oリングの内径(D2)と、前記外輪の外径 の凹溝の径(D1)とに於ける締め代の関係は、
 D1≧1.07×D2
を満足する様に設定されていることを特徴と する転がり軸受が提供される。

 上記第3の目的を達成するために、本発明に よれば、
 相対回転可能に対向配置された第1,2の軌道 と、
前記第1,2軌道輪間に転動自在に組み込まれた 複数個の転動体とを備え、
前記第1,2軌道輪の一方が固定部位に嵌合され るとともに、前記第1,2軌道輪の他方が回転部 位に嵌合される転がり軸受であって、
 前記第1,2軌道輪の少なくとも一方には、固 部位又は回転部位と対向する周面に沿って 方向に連続して形成された、Oリングを取り 付け可能な溝が設けられており、
 前記溝の内表面の粗さは、0.05μmRa以上の粗 に設定されていることを特徴とする転がり 受が提供される。

 本発明によれば、前記溝の内表面の粗さ 、溝と対向する固定部位又は回転部位の嵌 面の粗さよりも粗く設定されていてもよい

 上記第4の目的を達成するために、本発明に よれば、
 相対回転可能に対向配置された第1,2軌道輪 、
これら軌道輪間に転動自在に組み込まれた複 数個の転動体とを備え、
一方の軌道輪が固定部位に嵌合されるととも に、他方の軌道輪が回転部位に嵌合される転 がり軸受であって、
 前記第1,2軌道輪の少なくとも一方には、固 部位又は回転部位の嵌合面と対向する周面 周方向に沿って、該周面と嵌合面との間に 在する弾性部材が配され、
 前記弾性部材は、外界から気密状態に隔絶 れた空隙を構成可能であることを特徴とす 転がり軸受が提供される。

 本発明によれば、前記弾性部材は、前記 合面と対向する周面の周方向に断続してい もよい。

 本発明によれば、前記弾性部材は、前記 合面と対向する周面の周方向に連続してい もよい。

 本発明によれば、前記第1,2軌道輪の少なく も一方には、固定部位又は回転部位と対向 る周面に沿って周方向に連続して形成され 溝が設けられ、
 前記弾性部材は、当該溝に取り付けられて てもよい。

 本発明によれば、前記弾性部材は、前記 合面と対向する周面の周方向に連続するOリ ングであってもよい。

 上記第5の目的を解決するために、本発明に よれば、
 引っ張り永久歪み率が3%以下で、エステル 油に1000時間浸漬した前後での寸法変化率が2 %以下のニトリルゴムからなるOリングが、外 の外周面に形成された周溝に嵌入されてい 転がり軸受が提供される。

 本発明によれば、前記Oリングをなすニト リルゴムは、アクリロニトリル含有率が40質 %以下で、線膨張係数が2.2×10-5/℃以上10×10-5 /℃以下であってもよい。

 上記第6の目的を達成するために、本発明に よれば、
 相対的に回転可能に配設した外輪及び内輪 、
 該外輪及び内輪の間に転動自在に組み込ま る複数個の転動体とからなり、
 前記外輪が嵌合するハウジングと、
 前記内輪が嵌合する軸と、
 前記外輪の外径面又は前記内輪の内径面の ずれか一方若しくは双方に、円周方向に連 する凹溝と、
 一部が突出した状態で前記凹溝内に収容さ る弾性材からなるOリング
 とを備え、前記軸とハウジングの間の回転 支える転がり軸受に於いて、
 該凹溝は、所定深さを有する第1の底面と、 該第1の底面よりも大きな深さを有する第2の 面を有し、
 前記Oリングは、前記突出する一部が押圧さ れない時に、前記第2の底面との間で前記突 する一部の突出量よりも少ない寸法の間隙 有し、前記突出する一部が押圧された時に 性変形して前記第2の底面に当接する部位を していることを特徴とする転がり軸受が提 される。

 本発明によれば、前記Oリングには、凹溝の 第1の底面と嵌め合わされる第1の面と、
 該第1の面から外径方向又は内径方向のいず れかに延出され、Oリングが押圧されない時 その凹溝の第2の底面との間で間隙を有し、 圧された時に当接する第2の面を有していて もよい。

 本発明によれば、前記転がり軸受はファ モータに使用されてもよい。

 本発明によれば、前記ファンモータにお て、前記外輪がファンモータハウジングに 合されるとともに前記内輪がファンモータ に嵌合されて、前記ファンモータ軸とファ モータハウジングの間の回転を支えていて よい。

 本発明によれば、クリープの発生を極力 えながらクリープ発生時のクリープトルク 軽減した転がり軸受を提供することができ ようになった。

 また本発明によれば、Oリングが外輪の外 径面の凹溝の底面をしっかりと締め付けた構 成となっている。そのため、軸受にアンバラ ンスな回転荷重が作用した場合においても、 Oリングと外輪の外径面の凹溝のクリープが 生しにくくなり、安定した耐クリープ性能 維持することが可能となる。

 さらに本発明によれば、Oリングを取り付 ける溝とOリングとの間のクリープの発生を 止することで、長期に安定したクリープ防 効果を発揮し得る転がり軸受を提供するこ ができる。

 本発明によれば、耐クリープ性能を一定 維持するとともに、固定部材と回転部材と 間に軸受を挿入する際の挿入のし易さの向 を図った転がり軸受を提供することができ 。

 さらに本発明の転がり軸受によれば、外 の外周面に形成された周溝に嵌入されてい Oリングが、引っ張り永久歪み率が3%以下で エステル系油に1000時間浸漬した前後での寸 法変化率が2%以下のニトリルゴムからなるも であるため、このOリングに、エステル系油 を含有する潤滑剤を塗布して使用しても、ハ ウジングと外輪との間のクリープが長期に渡 って防止される。

 さらに本発明によれば、転がり軸受をハ ジングに組み込む際には挿入力を低く抑え とともに、Oリングの捻れを防止し、ハウジ ングへの挿入後は充分な緊迫力によってクリ ープの発生を抑えることが可能な転がり軸受 を提供することができる。

図1は本発明の一実施例に係る転がり軸 受の構成を示す断面図である。 図2は本発明の変形例に係る転がり軸受 の構成を示す断面図である。 図3は本発明の他の変形例に係る転がり 軸受の構成を示す断面図である。 図4は本発明の他の変形例に係る転がり 軸受の構成を示す断面図である。 図5は凹溝の他の形状を示す断面図であ る。 図6は従来の転がり軸受の構成を示す断 面図である。 図7(a)は、本発明の第2の実施の形態 係る転がり軸受の断面図である。 図7(b)は、本発明の第2の実施の形態 係るOリングの断面図である。 図8は、Oリング突出量とクリープ限界 重(耐クリープ力)との関係を示すグラフであ る 図9は本発明の一実施例の外輪の外径側 一部拡大図である。 図10は外輪凹溝の内表面の表面粗さと Oリングの出っ張り量とクリープ限界荷重( クリープ力)との関係を表わすグラフである 図11は従来の転がり軸受の構成を示す 面図である。 図12は本発明の一実施例の外輪の外径 一部拡大図である。 図13は本発明の一実施例の第1の変形例 を示す外輪の外径側一部拡大図である。 図14は本発明の一実施例の第2の変形例 を示す外輪の外径側一部拡大図である。 図15は本発明の一実施例の第3の変形例 を示す外輪の外径側一部拡大図である。 図16は従来の転がり軸受の構成を示す 面図である。 図17は本発明の一実施例に相当する転 り軸受を示す断面図である。 図18はOリングAと、OリングBにエステル 系油を塗布して、雰囲気温度70℃で、134時間 261時間、500時間、1000時間放置した時の、各 Oリングの内径変化率を示すグラフである。 図19はOリングAと、OリングBにエステル 系油を塗布して、雰囲気温度70℃で、134時間 261時間、500時間、1000時間放置した時の、各 Oリングの太さ変化率を示すグラフである。 図20はOリングAを用いた転がり軸受AとO リングBを用いた転がり軸受Bの試験から得ら た、耐クリープ力と試験時間との関係を示 グラフである。 図21は本発明の一実施例に係る転がり 受の構成を示す半径方向断面図である。 図22(a)は、Oリングの半径方向拡大断 面図である。 図22(b)は、外輪の凹溝付近の半径方 拡大断面図である。 図23(a)は、Oリングを凹溝に収容した 状態を示す半径方向拡大断面図である。 図23(b)は、Oリングにさらに半径方向 の押圧力が加えられた状態を示す半径方向拡 大断面図である。 図24(a)は、Oリングを凹溝に収容した 状態を示す半径方向拡大断面図である。 図24(b)は、Oリングにさらに半径方向 の押圧力が加えられた状態を示す半径方向拡 大断面図である。 は、本発明の他の変形例に係るOリ グを凹溝に収容した状態を示す半径方向拡 断面図である。 は、本発明の他の変形例に係るOリ グにさらに半径方向の押圧力が加えられた 態を示す半径方向拡大断面図である。 図26従来の転がり軸受の構成を示す半 方向断面図である。

符号の説明

10 外輪
20 内輪
30 Oリング
40 転動体
1001 外輪
1002 内輪
1003 転動体
1004 保持器
1005 シール部材
1010 凹溝
1011 Oリング
2010 外輪
2020 内輪
2030 Oリング
2040 転動体
3010 外輪
3020 内輪
3030 Oリング
3031 空隙
3040 転動体
4001 内輪
4002 外輪
4021 周溝
4003 玉
4004 保持器
4005 シールド板
4006 Oリング
5010 外輪
5012 凹溝
5013 外輪外径面
5020 内輪
5023 内輪内径面
5030 Oリング
5032 Oリングの内径
5040 転動体

(第1実施例)
 以下本発明の第1実施例を図に基づいて説明 する。
 本発明は、例えばファンモータなどに組み まれる転がり軸受であるが、特に、ファン ータのモーターハウジングの嵌合面と外輪1 0の外径面13との間と、回転軸の嵌合面と内輪 20の内径面23との間とのいずれか一方若しく 双方に備えられるクリープ防止手段として Oリング30の構成に特徴を有している。即ち 前記Oリング30は、前記嵌合面と外輪10の外径 面13との間や、嵌合面と内輪20の内径面23との 間の摩擦係数が小さい弾性材で構成され、ク リープトルクを小さくしているものであり、 具体的な実施の形態を以下、図1乃至図5にて 細に説明する。

 なお、このOリング30以外の軸受構成は前 した第1の背景技術の軸受構成その他のこの 種の軸受構成が採用可能であるため、ここで は本発明特有構成であるOリング30を中心に説 明し、それ以外の構成についての説明は省略 する。図1乃至図5では、Oリング30の構成とし 、外輪10の外径面13に嵌合可能な径方向断面 が多角形の円環状に形成するとともに少なく とも嵌合面と線接触する接触部を備えている 実施の一形態を示す。

 図1は本発明の一実施例であり、本実施例で は、モーターハウジングの嵌合面と外輪10の 径面13との間のクリープを防止するために 外輪10の外径面13に設けた凹溝10にOリング30 嵌合して備えた実施の一形態である。
 本実施例のOリング30は、径方向で切断した きの断面形状が多角形、例えば奇数角形の 例として断面三角形状を採用し、その三角 状が周方向に連続して円環状に形成されて る。なお、三角形の具体的な形状は図示例 限定解釈されず本発明の範囲内で設計変更 能である。
 そして、その三角形状の底辺34が凹溝12の内 底面123と接触するように嵌合するとともに、 その底辺34と対向する頂点(円環状に形成され た周方向に同一高さをもって連続する)31が凹 溝12内から外方に突出して嵌合面と線接触す 。
 従って、本実施例によれば、この頂点31が 触部として機能する。なお、これら三角形 形成する頂点の角度は特に限定されず本発 の範囲内で設計変更可能である。

 このような構成によれば、転がり軸受を ーターハウジングに嵌合固定すると、外輪1 0の外径面13とモーターハウジングの嵌合面と の間には、外輪10の外径面13から突出したOリ グ30の接触部(頂点31)が介在することとなる 周方向に連続した頂点31によって接触部が 成されていることから、Oリング30は、嵌合 定によってOリング30が潰された形状に変形 ることを考慮しても、Oリング30の径方向断 形状が円形である場合と比較して、モータ ハウジングの嵌合面に対して狭い面積で接 (線接触)する。従って、接触面積が小さいこ とから接触摩擦が軽減され、外輪10とモータ ハウジングとの間の摩擦係数μを抑えるこ ができるので、クリープが発生時のクリー トルクは比較的小さなトルクとなる。なお Oリング30はモーターハウジングの嵌合面と 触して外輪10を固定しているので、クリープ の発生を極力抑えることができる。

 また、本発明は上述した実施例に限定され ことはなく、以下のように変更しても良い その変形例として、図2に示すOリング30は、 径方向で切断したときの断面形状が断面五角 形状(断面奇数多角形状)であり、その五角形 が周方向に連続して円環状に形成されてい 。なお、五角形の具体的な形状は図示例に 定解釈されず本発明の範囲内で設計変更可 である。
 この場合には、その五角形の底辺34が凹溝12 の内底面123と接触するように嵌合するととも に、その底辺34と対向する頂点31が凹溝12内か ら外方に突出して嵌合面と線接触し、接触部 として機能する。なお、頂点31(接触部)の角 は特に限定されず本発明の範囲内で設計変 可能である。これにより、接触部(頂点31)と ーターハウジングの嵌合面とは狭い面積で 触(線接触)するので、接触摩擦が軽減され 。

 また、本実施例では、五角形の全幅を構成 る2つの頂点32,33と凹溝12の内底面123との距 D2を凹溝12の深さD1よりも短く形成している
 このような構成によれば、Oリング30に対し 軸方向にずらすような応力が作用した場合 は、その五角形の全幅を構成する2つの頂点 32,33が、凹溝12の内底面123の両端から立ち上 る立ち上がり面121,122に当接して支持される で、Oリング30が凹溝12から外れてしまうこ がなく、嵌め合いが安定する。

 なお、Oリング30に対して軸方向にずらす うな応力が作用したときに、Oリング30の2つ の頂点32,33が立ち上がり面121,122に支持される ためには、凹溝12の幅寸法がOリング30の幅と 等か或いは僅かに広く形成されれば良い。 お、その他の構成及び作用効果は上述した 施例と同様であるので説明を省略する。

 また、本発明は以下のように変更しても良 。その変形例として、図2に示すOリング30は 、径方向で切断したときの断面形状が断面星 形状であり、その星形状が周方向に連続して 円環状に形成されている。星形状の具体的な 形状は図示例に限定解釈されず本発明の範囲 内で設計変更可能である。
 この場合には、その星形状の図中下向きに される2つの頂点34,35がその底辺34の凹溝12の 内底面123と接触するように嵌合するとともに 、その2つの頂点34,35と対向する頂点31が凹溝1 2内から外方に突出して嵌合面と線接触し、 触部として機能する。なお、これら星形状 形成する頂点31(接触部)の角度は特に限定さ ず本発明の範囲内で設計変更可能である。 れにより、接触部(頂点31)とモーターハウジ ングの嵌合面とは狭い面積で接触(線接触)す ので、接触摩擦が軽減される。

 この場合も、Oリング30の径方向断面が五 形状の場合と同様に、星形状の全幅を構成 る2つの頂点32,33と凹溝12の内底面123との距 D2は、凹溝12の深さD1よりも短く形成されて ることが好ましい。なお、その他の構成及 作用効果は上述した実施例と同様であるの 説明を省略する。

 さらに、上述した実施例において、Oリング 30の径方向断面を形成する多角形の各頂点が だらかに形成されていても良い。例えば図4 は、星形状に形成された径方向断面の各頂点 をなだらかに形成した場合を示す。
 この場合にも、Oリング30の径方向断面が星 状の場合と同様に、頂点がなだらかに形成 れた星形状の図中下向きに配される2つの頂 点が凹溝12の内底面123と接触するように嵌合 るとともに、その2つの頂点と対向する頂点 31が凹溝12内から外方に突出して嵌合面と線 触し、接触部として機能する。これにより 接触部(頂点31)とモーターハウジングの嵌合 とは狭い面積で接触(線接触)するので、接 摩擦が軽減される。
 また、Oリング30の径方向断面が五角形状の 合と同様に、頂点がなだらかに形成された 形状の全幅を形成する2つの頂点32,33と凹溝1 2の内底面123との距離D2は、凹溝12の深さD1よ も短く形成されていることが好ましい。な 、その他の構成及び作用効果は上述した実 例と同様であるので説明を省略する。

 上述した各実施例では、Oリング30の全体形 として、断面形状が多角形の円環状に形成 ているが、断面形状が多角形以外の形態で ってもよく、円環状に形成するとともに、 なくともモーターハウジングの嵌合面に線 触する接触部を備えているものであれば特 断面形状は限定解釈されるものではない。 えば図示はしないが、断面円形の円環状に 成するとともに、その外周に、周方向に連 する凸条部を備え、その凸条部の先端(頂点 )が嵌合面と線接触する形態などがその一例 して挙げられる。
 また、本実施例では、周方向に連続する単 の接触部を備えている実施の一例を説明し が、この接触部は本発明の範囲内で複数個 えることも可能である。

 また、Oリング30の材質は、上述の実施例 は一例として、ゴムや樹脂の弾性体による 合を示しているが、転がり軸受の設置環境 用途により要求される弾性の特性や硬さが 動し、その要求にあわせた材質が選択可能 あるので、ここでは特に限定しない。例え 、上述の実施例ではOリング30の接触部(頂点 31)とモーターハウジングの嵌合面とは狭い面 積で接触(線接触)することで接触摩擦を軽減 ているが、このようなOリング30の形状的特 に加えて、Oリング30の材質として摩擦係数 抑えた材質を選択することもできる。

 また、上述の実施例では、転がり軸受のO リング31が嵌め合わされる凹溝12は径方向断 が矩形となるように形成されているので、O ング30を凹溝12に対して強固に固定すること ができる。例えば、図1の径方向断面が三角 状のOリング30が凹溝12に嵌め合わされる場合 を挙げて説明すると、凹溝12の内底面123に、O リング30の三角形の底辺34が沿わされて嵌め わされている。これにより、凹溝12の内底面 123とOリング30とは広い面積で接触するので、 Oリング30がその弾性材の緊迫力によって外輪 10にしっかりと密着する。従って、内底面123 Oリング30との間には大きな摩擦力が作用し 強固に固定される。なお、凹溝12の数や配 間隔については、本実施例では一例として 軸方向に間隔をあけて2本備えた場合を示し いるが、転がり軸受の設置環境や用途によ 凹溝12の本数は増減可能である。

 また、上述した実施例では、周溝12の径 向断面形状が矩形状に形成された場合を説 したが、凹溝12の立ち上がり面121,122は、外 10の外径面13に対して垂直な角度を有してい くても良く、例えば、凹溝12の立ち上がり 121,122の幅寸法は内底面123に向けて広く形成 れていても良い。具体的には図5に示すよう に、凹溝12の立ち上がり面121,122間の幅寸法は 、外輪10の外径面13側の幅寸法W2よりも内底面 123側の幅寸法W1の方が広く設定され、所謂蟻 形状に形成されている。このような構成に れば、立ち上がり面121,122の幅寸法は内底面 123側の幅寸法に対して外径面13側の幅寸法が くなるので、Oリング30を嵌め合わせた場合 は、Oリング30の全幅を構成する2つの頂点( えば図2中符号32,33)が、凹溝12の外径面13側の 立ち上がり面121,122と常に当接した状態とな て支持され、Oリング30に対して軸方向にず すような応力が作用しても、Oリング30が凹 12から外れてしまうことがなく、嵌め合いが さらに安定する。

 さらに、本実施例では、Oリング30が外輪10 外径面13に嵌合される実施の一形態を示した が、これに代えて、モーターハウジングの嵌 合面に周方向に連続する凹溝12を設け、該凹 12内にOリング30を嵌合させることも可能で 発明の範囲内である。また、内輪20の内径面 23や、回転軸側にOリング30を備えることも本 明の範囲内である。
 また、凹溝12を備えない形態の場合、例え 外輪10の外径面13などに直接Oリング30を嵌合 せるものであってもよい。

(第2実施例)
 以下、本発明の第2実施例に係る転がり軸受 を図面を参照しつつ説明する。

 図7(a)は、本発明の第2実施例に係る転が 軸受の断面図であり、(b)は、Oリングの断面 である。

 本発明の第2実施例に係る転がり軸受では 、内周面に外輪軌道を有する外輪1001と、外 面に内輪軌道を有する内輪1002と、これら外 軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けた 数の転動体1003とが設けてある。これら転動 体1003を所定間隔に保持するための保持器1004 設けてあり、外輪1001及び内輪1002の両端部 は、シール部材1005が設けてある。

 外輪1001の外径面には、周方向に沿って形 成された環状の一対の凹溝1010が形成してあ 、これら一対の凹溝1010には、外径面が凹溝1 010から突出した環状のOリング1011が嵌め込ま ている。

 本実施の形態では、Oリング1011の内径(D2)と 外輪1001の外径面の凹溝1010の径(D1)とに於け 締め代の関係は、
 D1≧1.07×D2
を満足する様に設定されている。

 従って、Oリング1011が外輪1001の外径面の 溝1010の底面をしっかりと締め付けた構成と なっている。そのため、軸受にアンバランス な回転荷重が作用した場合においても、Oリ グ1011と外輪1001の外径面の凹溝1010のクリー が発生しにくくなり、安定した耐クリープ 能を維持することが可能となる。ただし、 め代が過大であると、組込みが困難になっ り、あるいは、Oリング自体の耐久性を損ね 可能性がある。そのため、締め代はD1≦1.10 D2、より好ましくは、D1≦1.08×D2とする。

(クリープ試験)
 Oリングの内径(D1)と外輪の外径面の凹溝の (D2)に於ける締め代を、下記の様に設定した がり軸受を用意して、クリープ試験を実施 た。

 (評価軸受)
 深溝玉軸受6204(内径:20mm、外径:47mm、幅:14mm)
(1)締め代7%以上に設定した軸受(本発明の実施 例)
(2)締め代6%以下に設定した軸受(比較例)。

 (評価内容)
 クリープ試験
 上記転がり軸受にアンバランス荷重を与え クリープし始めた時の荷重をクリープ限界 重(耐クリープ力)とした。

 (評価結果)
 図8は、Oリング突出量とクリープ限界荷重( クリープ力)との関係を示すグラフである。 図8の結果から、本発明の実施例にて、安定 た耐クリープ性能を維持できることを確認 た。

 なお、本発明は、上述した実施の形態に 定されず、種々変形可能である。

(第3実施例)
 以下本発明の第3実施例を添付図面に基づい て説明する。
 本実施例は、例えば、図9に示すようなファ ンモータなどに組み込まれる転がり軸受を想 定しており、外輪2010の溝、即ち凹溝2012とOリ ング2030との間に生じるクリープを防止した とを特徴としている。なお、この凹溝2012の 周面以外の軸受構成は前述した第3の背景技 術の軸受構成(図11参照)と同一であるため、 面上において同一の構成には同一符号を附 て、その詳細な説明は省略する。

 図9に示すように本実施例ではクリープを防 止するために、Oリング2030が嵌め合わされた 溝2012の内表面Sの粗さを0.05μmRa(Ra:表面粗さ 計測した粗さ曲線の平均線から絶対値偏差 平均値以上の粗さ)以上に仕上げている。0.0 5μmRaより滑らかな粗さでは、クリープの発生 する荷重(クリープ限界荷重(耐クリープ力)) 低くなってしまうので、早期にクリープが 生するからである。
 なお、この場合において、凹溝2012の内表面 Sの表面仕上げ粗さは、モーターハウジング 嵌合面の粗さよりも粗く設定されている。 だし、粗さの大きさが過大であると寸法精 等に影響がある場合も考えられる。そのた 、凹溝2012の内表面Sの粗さは、1μmRa以下とす ることが望ましい。

 このとき、Oリング2030の外輪2010の外径面2013 から出っ張り量Lは0.15mm~0.4mmの範囲であるこ が好ましい。さらに好ましくは、Oリング線 dに対する出っ張り量Lの比率[L/d]が15%~20%の 囲になるように設定する。
 上記設定によって、Oリング2030と凹溝2012の 表面Sとの摩擦力が高くなるので、Oリング20 30Oリング2030と凹溝2012の内表面Sとの間のクリ ープを防ぐことができ、十分な耐クリープ性 能を確保することができる。さらに、モータ ーハウジングの嵌合面の表面粗さが比較的滑 らかに設定されているので、軸受をモーター のモーターハウジングへの組み込みが容易で ある。

 次に、外輪凹溝2012の内表面Sの表面粗さと Oリング2030が凹溝2012からはみ出す出っ張り Lとクリープ限界荷重(耐クリープ力)との関 を調査してグラフに表わした(図10参照)。
 本調査では、外輪凹溝粗さと出っ張り量の なる複数のサンプルのクリープ限界荷重(耐 クリープ力)を調べプロットした。その結果
 A群(グラフ中の記号□参照)では、外輪凹溝 さが略0.009μmRa~0.013μmRa、出っ張り量が略0.16 mm~0.22mmの範囲に設定され、その場合のクリー プ限界荷重(耐クリープ力)は略9kgf~13kgfであっ た。
 B群(グラフ中の記号○参照)では、外輪凹溝 さが略0.011μmRa~0.02μmRa、出っ張り量が略0.15m m~0.23mmの範囲に設定され、その場合のクリー 限界荷重(耐クリープ力)は略11kgf~20kgfであっ た。

 C群(グラフ中の記号△参照)では、外輪凹溝 さが略0.018μmRa~0.024μmRa、出っ張り量が略0.29 mm~0.33mmの範囲に設定され、その場合のクリー プ限界荷重(耐クリープ力)は略18kgf~24kgfであ た。
 D群(グラフ中の記号*参照)では、外輪凹溝粗 さが略0.028μmRa~0.032μmRa、出っ張り量が略0.28mm ~0.34mmの範囲に設定され、その場合のクリー 限界荷重(耐クリープ力)は略28kgf~32kgfであっ 。
 E群(グラフ中の記号▲参照)では、外輪凹溝 さが略0.031μmRa~0.058μmRa、出っ張り量が略0.15 mm~0.29mmの範囲に設定され、その場合のクリー プ限界荷重(耐クリープ力)は略31kgf~58kgfであ た。

 F群(グラフ中の記号●参照)では、外輪凹溝 さが略0.035μmRa~0.10μmRa、出っ張り量が略0.27m m~0.41mmの範囲に設定され、その場合のクリー 限界荷重(耐クリープ力)は略35kgf~100kgfであ た。
 G群(グラフ中の記号×参照)では、外輪凹溝 さが略0.028μmRa~0.95μmRa、出っ張り量が略0.20mm ~0.38mmの範囲に設定され、その場合のクリー 限界荷重(耐クリープ力)は略46kgf~95kgfであっ 。

 これにより、外輪凹溝粗さを0.05μmRa以上の さに設定した場合に良好なクリープ限界荷 (耐クリープ力)を発揮することが判る。
 さらに、外輪凹溝粗さを0.05μmRa以上の粗さ 設定するとともに、Oリング出っ張り量は0.1 5mm~0.4mmの範囲に設定した場合に良好なクリー プ限界荷重(耐クリープ力)を発揮することが る。
 またさらに、Oリング線径が0.15mmの場合に、 Oリング線径に対する出っ張り量の比率[L/d]が 15%~20%の範囲に設定された場合には、更に良 なクリープ限界荷重(耐クリープ力)を発揮す ることが判る(グラフ中網掛け範囲参照)。

 なお、本実施例では、Oリング2030が外輪20 10の外径面2013に嵌合される実施の一形態を示 したが、これに代えて、若しくはこれに加え て、内輪2020の内径面2023(図11参照)に凹溝2012 備えて、凹溝2012にOリング2030を取り付ける とにより、その凹溝2012の内表面の表面粗さ 回転軸の嵌合面の表面粗さよりも粗く設定 るとともに、上述した粗さの範囲に設定し 、内輪側のクリープ限界性能を向上させる とも本発明の範囲内である。また、本実施 では外輪2010が回転する外輪回転の構成を想 定したが、是に限定されるものではなく、内 輪2020が回転する内輪回転の構成であっても 本発明を適用することが可能である。

(第4実施例)
 以下本発明の第4実施例を図に基づいて説明 する。
 本実施例は、図16に示された転がり軸受の 良であるため、以下では改良部分の説明に どめる。なお、第4の背景技術の軸受構成(図 16)と同一の構成には、図面上において同一の 構成には同一の符号を附して、その詳細な説 明は省略する。

 図12に示すように本実施例では、外輪3010の 径面3013に設けた凹溝3012に、周方向に連続 るOリング3030が嵌め込まれている。そのOリ グ3030の外輪3010の外径面3013から突出する突 量は、転がり軸受がモータハウジングに挿 され、クリープを防止するための所望の摩 力を発揮可能な突出量よりも少なく設定さ ている。
 さらに、Oリング3030の内部には、弾性部材 、外界から気密状態に隔絶された1本の空隙3 031が周方向に連続して構成されている。

 このような構成によれば、転がり軸受をモ タハウジングに挿入する際には、Oリング303 0の突出量が少なく設定されているので、モ タハウジングの内径面(嵌合面)との摩擦力が 比較的小さくなり、転がり軸受をモータハウ ジングに挿入する時の抵抗が低減される。
 転がり軸受をモータハウジングに挿入した にモータを駆動した場合には、モータの駆 による温度上昇により、Oリング3030の内側 外界から気密状態に隔絶された空隙3031の空 が温められて膨張する。このとき、その膨 した空気の力は、Oリング3030を内側から外 に向けて押し広げる方向(Oリング3030の線径 拡径する方向)に作用する。これにより、Oリ ング3030の突出量が大きくなるので、Oリング3 030の外径部3032(最大径部)は対向するモータハ ウジングの嵌合面に押し付けられて、該嵌合 面との摩擦力が増加する。そして、Oリング30 30が外輪3010の外径面3013から、クリープを防 するための所望の摩擦力を発揮可能な突出 以上に突出すると、クリープを充分に防止 得る摩擦力を得ることができる。このよう して、転がり軸受の耐クリープ性能が一定 維持される。

 なお、本実施例によるOリング3030の構成 は、空隙3031の容量が多いほど温度上昇量に する空気の膨張量が増加するので、Oリング 3030の突出量と空隙3031の容量とは密接な関係 有する。従って、使用環境や需要に合わせ 空隙3031の容量が設定されれば良い。なお、 空隙3031の容量は空隙3031の太さや本数の設計 更によって自由に設定可能であるので、こ では、その設定については特に限定しない

 また、本発明は、上述した実施例に限定さ るものではなく、以下のような構成であっ も上記と同様の効果を奏することができる その変形例として、例えば図13に示すよう 、Oリング3030の内部には、外界から気密状態 に隔絶された空隙として、多数の細かい空隙 3031が点在している構成であっても良い。
 さらに、空隙3031は、Oリング3030の内部で外 から気密状態に隔絶されていなくても良い 例えば図14に示すように、シート状の弾性 材の両端部を互いに接触しないように曲折 るとともに、その両端部を外輪3010の凹溝3012 の底面3012aに密着するように、U字形に取り付 けたOリング3030としても良い。この場合には Oリング3030が取り付けられた時に、前記両 部間で形成された空隙3031の開口部3031aが底 3012aに密着しているので、空隙3031は、外界 ら気密状態に隔絶された状態となる。
 あるいは、図15に示すように、シート状の 性部材の一端3031aが他端3031bと接触して丸め れることによって、弾性部材の両端部3031a,3 031bが自己密着して、その中心部分に形成さ る空隙3031が外界から気密状態に隔絶された 態としても良い。

 なお、本実施例では、弾性部材が周方向に 続している場合を想定して説明したが、こ に代えて、周方向に断続している弾性部材 採用されても良い。この場合には、弾性部 の周方向両端部は閉塞されることによって 外界から気密状態に隔絶された空隙3031を構 成可能であれば良い。
 また、本実施例では、弾性部材の材質につ ては限定しなかったが、外輪3010の外径面301 3とハウジング(固定部材)の嵌合面との間で摩 擦力を発揮して、耐クリープ性能を充分に維 持可能であれば、特に材質は問わない。例え ば、ゴムや弾性を有する樹脂であっても良い 。

 さらに、本実施例では、Oリング3030が外 3010の外径面3013に嵌合される実施の一形態を 示したが、これに代えて、内輪3020の内径面30 23(図16参照)に凹溝3012を備えて、凹溝3012にOリ ング3030を取り付けることにより、内輪3020の 径面3023と、嵌合する回転軸の嵌合面と間の 耐クリープ性能を一定に維持するとともに、 転がり軸受の軸への挿入性を低減することも 本発明の範囲内である。また、本実施例では 外輪3010が回転する外輪回転の構成を想定し が、これに限定されるものではなく、内輪30 20が回転する内輪回転の構成であっても、本 明を適用することが可能である。

(第5実施例)
 以下、本発明の第5実施例について説明する 。
 図17は、本発明の一実施例に相当する転が 軸受を示す断面図である。
 この転がり軸受は、内輪4001、外輪4002、玉40 03、保持器4004、シールド板4005、および2本のO リング6400で構成されている。2本のOリング400 6は、外輪4002の外周面に二列に形成された周 4021のそれぞれに嵌入されている。外輪4002 外周面からのOリング4006の突出量LはOリング 径の4~40%とした。
 また、このOリング4006は、引っ張り永久歪 率が3%以下で、エステル系油に1000時間浸漬 た前後での寸法変化率が2%以下のニトリルゴ ムからなる。

 JSR(株)製の「JSR N230S」(アクリロニトリル含 有率が35質量%であるNBR)からなるOリングAと、 従来のOリングBを用意し、これらにエステル 油を塗布して雰囲気温度70℃で1000時間放置 た。そして、各Oリングの内径寸法が初期の 寸法からどれだけ変化したかを調べた。その 結果を図18にグラフで示す。また、各Oリング の太さが初期の太さからどれだけ変化したか を調べた。その結果を図19にグラフで示す。
 これらの結果から、エステル系油に1000時間 浸漬した前後での寸法変化率がOリングAでは2 %以下であるが、OリングBでは4%以上であるこ が分かる。

 また、図17の構造の転がり軸受で、内径 20mm、外径が47mmのものを試験軸受として用い 、前述のOリングAを両周溝4021に嵌入したもの と、前述のOリングBを両周溝4021に嵌入したも のを用意した。次に、これらの試験軸受の外 輪4002の外周面にエステル油を基油としたグ ースを塗布して、ハウジングに嵌めた。こ 状態で各試験軸受を回転させて、耐クリー 力(N)の経時変化を調べる試験を行った。

 試験条件は、アンバランス荷重:420N、雰囲 温度:120℃とした。その結果を図20にグラフ 示す。図20において、ラインAはOリングAを用 いた場合の結果を、ラインBはOリングBを用い た場合の結果を示す。
 このグラフから、本発明の実施例に相当す OリングAを用いた転がり軸受は、120℃とい 高温下でも長時間安定した耐クリープ力を 持できることが分かる。さらに好ましくは 2.2×10-5/℃以上10×-5/℃以下の線膨張係数を有 するOリングであることが好ましい。

(第6実施例)
 以下本発明の第6実施例を図に基づいて説明 する。
 本発明は、例えばファンモータ等に組み込 れる転がり軸受であるが、特に、ハウジン の嵌合面と外輪5010の外径面5013との間と、 転軸の嵌合面と内輪5020の内径面5023との間と のいずれか一方若しくは双方に備えられるク リープ防止手段としてのOリング5030の構成及 そのOリング5030が収容される凹溝5012の構成 特徴を有している。従って、Oリング5030及 凹溝5012以外の転がり軸受の基本構成は、前 した第6の背景技術の転がり軸受の構成その 他のこの種の軸受の構成が採用可能であるた め、ここでは本発明特有の構成であるOリン 5030の構成及びそのOリングが収容される凹溝 5012の構成を中心に説明し、それ以外の構成 ついては、同一の符号を用いることでその 明は省略する。

 図21は、転がり軸受の半径方向断面図であ 、ハウジングの嵌合面と外輪5010の外径面5013 との間のクリープを防止するために、本発明 の実施の一形態として、外輪5010の外径面5013 設けた凹溝5012にOリング5030を嵌合して備え 場合を示す。
 凹溝(周方向溝)5012は、図22に示すように、 輪5010の外径面5013から所定深さに掘り込まれ て周方向に連続して形成された第1の底面5121 、該第1の底面5121の軸方向中央部分が、さ に掘り込まれて周方向に連続して形成され 第2の底面5122が形成されている。すなわち、 凹溝5012は、一対の第1の底面5121と、該第1の 面5121間に掘り込まれた第2の底面5122によっ 、逆凸形状に形成されている(図22(b)参照)。

 この凹溝5012に収容されるOリング5030は、周 向に連続したリング状に形成されている。 た、Oリング5030は弾性材からなり、例えば 本実施例では、ニトリルゴムやアクリルゴ 、シリコンゴム、フッ素ゴム等が選択され 。
 Oリング5030の内径側は、凹溝5012の第1の底面 5121で形成される周溝内領域5123に嵌め合わさ る第1の内径面(第1の面)5031と、該第1の内径 5031の中央部分が、さらに内径方向に延出し た第2の底面5122で形成される周溝内領域5124に 嵌め合わされる第2の内径面(第2の面)5032とを する。すなわち、Oリング5030の内径側は一 の第1の内径面5031と、該第1の内径面5031間に 出した第2の内径面5032によって、逆凸形状 延出して形成されている(図22(a)参照)。

 凹溝5012にOリング5030を収容したとき(このと き、転がり軸受はハウジングに嵌合されてお らず、Oリング5030の外径5033は内径方向に押圧 されていない。)、Oリング5030の外径5033(Oリン グの一部)は、凹溝5012から外径方向に所定の 出量(外輪5010の外径面5013からOリング5030の 径5033までの寸法D1)だけ突出している。
 また、Oリング5030の一対の第1の内径面5031は 、凹溝5012の一対の第1の底面5121に当接してい る(図22及び図23(a)参照)。このとき、Oリング50 30の第2の内径面5032は、凹溝5012の第2の底面512 2で形成される周溝内領域5124に収容され、さ に、該第2の底面5122との間に間隙(Oリング503 0の内径(第2の内径面5032)から凹溝5012の第2の 面5122までの寸法)D2を有した位置に位置付け れる。
 その寸法D2は、Oリング5030が凹溝5012から突 する突出量(外輪5010の外径面5013からOリング5 030の外径5033までの寸法)D1よりも小さくなる うに設定されている。
 なお、前記寸法D2と突出量D1は、D2≦((D1)/2) 関係を有することが好ましく、本実施例で 、一例として、D2=((D1)/2)の関係となるように 設定されている。

 Oリング5030を凹溝5012に収容したころがり軸 が、ハウジング(図示せず)に組み込まれる 合には、ハウジングの嵌合面によって、Oリ グ5030には内径方向の押圧力が作用する。
 具体的には、Oリング5030の外径5033がハウジ グの嵌合幅(図示せず)に転がり軸受が組み まれる際に、Oリングの外径5033がハウジング の嵌合幅よりも大きいため、ハウジングの嵌 合面とOリング5030の外径5033とが当接すること により、外径5033がハウジングの嵌合幅と等 くなるまで、内径方向に押し付けられる。

 このとき、凹溝5012の第2の底面5122で形成さ る周溝内領域5124では、Oリング5030の内径(第 2の内径面5032)は、凹溝5012の第2の底面5122との 間に寸法D2の間隙を有しているので、Oリング 5030の外径5033に加えられた押圧力によって、O リング5030の第2の内径面5032が弾性変形する。 その結果、第2の内径面5032は、凹溝5012の第2 底面5122に当接するまで変形させられる。
 これにより、Oリング5030の外径5033が凹溝5012 から突出する突出量(外輪5010の外径面5013から Oリング5030の外径5033までの寸法)は前記寸法D2 の寸法だけ小さくなるとともに、そのときの Oリング5030の反力は、Oリング5030の曲げ力に るものであるため、Oリング5030を圧縮した場 合よりも小さな反力となる。

 転がり軸受をハウジングに組み込んだ後 、既に、Oリング5030の第2の内径面5032が凹溝 5012の第2の底面5122に当接しているので、ハウ ジングの嵌合面と外輪1の外径面5013との間に くクリープの相対回転トルクは、Oリング503 0を圧縮する力となって作用する。

 このように、本実施例による転がり軸受で 、その凹溝5012とOリング5030によって、Oリン グ5030の突出量D1から第2の底面5122との間の間 D2を差し引いた寸法、すなわち、(D1)/2の出 張り寸法までは、Oリング5030の反力が、曲げ 力による比較的弱い反力となり、該(D1)/2の出 っ張り寸法から出っ張り寸法が無くなるまで は、Oリング5030の反力が、圧縮力による比較 強い反力となる。
 従って、転がり軸受をハウジングに組み込 際には、Oリング5030の反力として曲げ力が に作用するので、挿入力を抑えることがで るとともに、Oリング5030の第2の内径面5032が 溝5012の周溝内領域5124にはめ込まれている で、Oリング5030が捻れることがない。
 また、転がり軸受がハウジングに組み込ま た後には、Oリング5030の反力として圧縮力 主に作用するので、Oリング5030とハウジング の嵌合面との間に、クリープの相対回転トル クに打ち勝つ摩擦力を生み出して、転がり軸 受をハウジングに固定する緊迫力を高くし、 クリープの発生を極力阻止することができる 。

 また、本発明は上述した実施例に限定さ ることはなく、以下のように変更しても良 。図24に示す変形例では、凹溝5012の第1の底 面5121が片側のみ(図中、右側)に形成されると ともに、凹溝5012の形状の変形に合わせて、O ング5030の第1の内径面5031も片側のみ(図中、 右側)に形成されている。

 凹溝5012にOリング5030を収容する場合には、O リング5030の第1の内径面5031が、凹溝5012の第1 底面5121に当接するまで嵌め込まれ、Oリン 5030の第2の内径面5032は、第2の底面5122との間 に間隙D2を有した位置に位置付けられる。
 ころがり軸受が、ハウジング(図示せず)に み込まれる場合には、Oリング5030の内径(第2 内径面5032)が、凹溝5012の第2の底面5122に当 するまで変形させられる。従って、転がり 受をハウジングに組み込む際には、Oリング5 030の反力として曲げ力が主に作用するので、 挿入力を抑えることができるともに、Oリン 5030の第2の内径面5032が凹溝5012の周溝内領域5 124にはめ込まれているので、Oリング5030が捻 ることがない。

 転がり軸受をハウジングに組み込んだ後は 既に、Oリング5030の第2の内径面5032が周溝500 12の第2の底面5122に当接しているので、ハウ ングの嵌合面と外輪5001の外径面5013との間に 働くクリープの相対回転トルクは、Oリング50 30を圧縮する力となって作用する。従って、O リング5030とハウジングの嵌合面との間に、 リープの相対回転トルクに打ち勝つ摩擦力 生み出して、転がり軸受をハウジングに固 する緊迫力を高くし、クリープの発生を極 阻止することができる。
なお、その他の構成及び作用効果は上述した 実施例と同様であるので説明を省略する。

 また、本発明は以下のように変更しても良 。
 図25に示す変形例では、前述の実施例と同 に、凹溝5012には、一対の第1の底面5121と、 第1の底面5121間に掘り込まれた、Oリング5030 径寸法よりもよりも短い、第2の底面5122が 成されている。また、Oリング5030は、従来と 同様に径方向断面形状が円形に形成されてい る。

 凹溝5012にOリング5030を収容する場合には、O リング5030の円形断面形状の内径側(図中符号5 031,5031参照)が、凹溝5012の一対の第1の底面5121 の対向する角部(第2の底面5122が掘り込まれる 部分)に当接するまで嵌め込まれ、Oリング5030 円形断面形状の内径部5032は、前記一対の第2 底面5122で形成される円周溝内領域5124にお て、第2の底面5122との間に間隙D2を有した位 に位置付けられる。
 ころがり軸受が、ハウジング(図示せず)に み込まれる場合には、Oリング5030の内径5032 、凹溝5012の第2の底面5122に当接するまで変 させられる。従って、転がり軸受をハウジ グに組み込む際には、Oリング5030の反力とし て曲げ力が主に作用するので、挿入力を抑え ることができるともに、Oリング5030の第2の内 径面5032が凹溝5012の周溝内領域5124にはめ込ま れているので、Oリング5030が捻れることがな 。

 転がり軸受をハウジングに組み込んだ後は 既に、Oリング5030の第2の内径5032が凹溝5012 第2の底面5122に当接しているので、ハウジン グの嵌合面と外輪1の外径面5013との間に働く リープの相対回転トルクは、Oリング5030を 縮する力となって作用する。従って、Oリン 5030とハウジングの嵌合面との間に、クリー プの相対回転トルクに打ち勝つ摩擦力を生み 出して、転がり軸受をハウジングに固定する 緊迫力を高くし、クリープの発生を極力阻止 することができる。
なお、その他の構成及び作用効果は上述した 実施例と同様であるので説明を省略する。

 上述した実施例及びその変形例では、凹溝5 012とOリング5030の形状の組み合わせの一例を したが、これに限定されるものでなく、凹 5012が第1の底面5121と、該第1の底面5121から り込まれた第2の底面5122を有し、Oリング5030 収容した場合に、Oリング5030の内径5032と凹 5012の第2の底面5122との間に、Oリング5030が 溝5012から突出する突出量よりも少ない寸法 間隙が形成されるとともに、転がり軸受を ウジングに組み込んだ場合に、Oリング5030 内径5032が凹溝5012の第2の底面5122に当接すれ 、どのような形状の組み合わせでも良い。
 例えば、Oリング5030の外径側に角部や溝部 有していたり、Oリング5030の径方向断面形状 が多角形であったりするものがその一例とし て挙げられる。

 また、Oリング5030の材質は、上述の実施例 は一例として、ゴムや樹脂の弾性材による 合を示しているが、転がり軸受の設置環境 用途により要求される弾性の特性や硬さが 動し、その要求にあわせた材質が選択可能 あるので、ここでは特に限定しない。
 なお、凹溝5012の数や配置間隔については、 本実施例では一例として、軸方向に間隔をあ けて2本備えた場合を示しているが、転がり 受の設置環境や用途により凹溝5012の本数は 減可能である。

 さらに、本実施例では、Oリング5030が外輪50 10の外径面5013に嵌合される実施の一形態を示 したが、これに代えて、ハウジングの嵌合面 に周方向に連続する凹溝5012を設け、該凹溝50 12内にOリング5030を嵌合させることも可能で 発明の範囲内である。また、内輪5020の内径 5023や、回転軸側にOリング5030を備えること 本発明の範囲内である。
 また、凹溝5012を備えない形態の場合、例え ば外輪5010の外径面5013などに直接Oリング5030 嵌合させるものであってもよい。

 本発明の各実施形態におけるOリング等とし て使用できる弾性体材料としては、各種の合 成樹脂、天然樹脂、合成ゴム、天然ゴムが使 用できる。好ましくは、合成ゴムを使用する 。合成ゴムとしては、JIS K6397に規定される ころのACM,AEM,ANM,CM,CSM,EPDM,EPM,EVM,FEPM,FFKM,FKM,IM,N BM,SEBM,SEPM,CO,ECO,GCO,GECO,GPO,ABR,BR,CR,ENR,HNBR,IIR,IR,M SBR,NBIR,NBR,NIR,NR,NOR,PBR,PS,BR,SBR,E-SBR,S-SBR,SIBR,XBR,X CR,XNBR,XSBR,BIIR,CIIR,FMQ,FVMQ,MQ,PMQ,PV,MQ,VMQ,AFMU,AU,EU, OT,EOT,FZ,PZなどが使用できる。これらは単独も しくは混合して、あるいは、各種の添加剤、 各種の充填剤等と共に使用することができる 。
 これらの合成ゴムの中でも、耐熱性耐油性 優れるNBR(アクリロニトリルブタジエンゴム )、HNBR(水素化アクリロニトリルブタジエンゴ ム)、XNBR(カルボキシル化アクリロニトリルブ タジエンゴム)が好ましい。さらに好ましく 、NBRであってアクリロニトリル含有量が48質 量%以下15質量%以上のニトリルゴムである。 り好ましくは、NBRであってアクリロニトリ 含有量が41質量%以下25質量%以上のものであ 、最も好ましくはアクリロニトリル含有量 36%以下34質量%以上のNBRである。

 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照 て説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱 ることなく様々な変更や修正を加えること できることは当業者にとって明らかである
 本出願は、
2006年3月14日出願の日本特許出願(特願2006-06867 2)、
2006年7月5日出願の日本特許出願(特願2006-185707 )、
2007年1月11日出願の日本特許出願(特願2007-00359 1)、
2007年1月11日出願の日本特許出願(特願2007-00359 2)、
2007年6月21日出願の日本特許出願(特願2007-16430 0)、
2007年9月11日出願の日本特許出願(特願2007-23549 6)、
に基づくものであり、その内容はここに参照 として取り込まれる。

 本発明によれば、クリープの発生を極力 えながらクリープ発生時のクリープトルク 軽減した転がり軸受を提供することができ ようになった。

 また本発明によれば、Oリングが外輪の外 径面の凹溝の底面をしっかりと締め付けた構 成となっている。そのため、軸受にアンバラ ンスな回転荷重が作用した場合においても、 Oリングと外輪の外径面の凹溝のクリープが 生しにくくなり、安定した耐クリープ性能 維持することが可能となる。

 さらに本発明によれば、Oリングを取り付 ける溝とOリングとの間のクリープの発生を 止することで、長期に安定したクリープ防 効果を発揮し得る転がり軸受を提供するこ ができる。

 本発明によれば、耐クリープ性能を一定 維持するとともに、固定部材と回転部材と 間に軸受を挿入する際の挿入のし易さの向 を図った転がり軸受を提供することができ 。

 さらに本発明の転がり軸受によれば、外 の外周面に形成された周溝に嵌入されてい Oリングが、引っ張り永久歪み率が3%以下で エステル系油に1000時間浸漬した前後での寸 法変化率が2%以下のニトリルゴムからなるも であるため、このOリングに、エステル系油 を含有する潤滑剤を塗布して使用しても、ハ ウジングと外輪との間のクリープが長期に渡 って防止される。

 さらに本発明によれば、転がり軸受をハ ジングに組み込む際には挿入力を低く抑え とともに、Oリングの捻れを防止し、ハウジ ングへの挿入後は充分な緊迫力によってクリ ープの発生を抑えることが可能な転がり軸受 を提供することができる。