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Title:
ROTATING ELECTRIC MACHINE CONTROL SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084358
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a rotating electric machine control system which, in a hybrid system including a pair of rotating electric machines for receiving power supply from a common battery, one rotating electric machine serving as a generator and the other rotating electric machine serving as a motor, ensures protection of an area from the battery to an inverter by preventing an overcurrent from flowing. The rotating electric machine control system including a rotating electric machine, and an inverter for controlling an electric current flowing through the rotating electric machine, which is disposed between a battery and the rotating electric machine, comprises a battery power deriving means for deriving battery power supplied from the battery from at least the rotational speed of the rotating electric machine and required torque, and a torque restricting means for restricting the output torque of the rotating electric machine. The torque restricting means restricts the output torque according to the magnitude of the battery power derived by the battery power deriving means.

Inventors:
YOSHIDA TAKASHI (JP)
SAHA SUBRATA (JP)
OGINO DAISUKE (JP)
IZAWA JIN (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071797
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
December 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
AISIN AW CO (JP)
YOSHIDA TAKASHI (JP)
SAHA SUBRATA (JP)
OGINO DAISUKE (JP)
IZAWA JIN (JP)
International Classes:
H02P27/06; B60K6/445; B60L3/00; B60L50/16; B60W10/08; B60W10/26; B60W20/00; H02P5/74
Foreign References:
JP2006187100A2006-07-13
JP2006262638A2006-09-28
JP2007290483A2007-11-08
Attorney, Agent or Firm:
KITAMURA, Shuichiro (Kita-ku Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
  回転電機と、バッテリと前記回転電機との間に介在され、前記回転電機を流れる電流を制御するインバータを備えた回転電機制御システムであって、
 少なくとも前記回転電機の回転速度及び前記回転電機に指令する要求トルクに基づいて、前記バッテリから供給されるバッテリ電力を導出するバッテリ電力導出手段と、
 前記回転電機の出力トルクを制限するトルク制限手段とを備え、
 前記トルク制限手段は、前記バッテリ電力導出手段により導出される前記バッテリ電力の大きさに応じて前記出力トルクを制限する回転電機制御システム。
 前記バッテリ電力導出手段は、前記回転速度及び前記要求トルクに基づいて導出した前記回転電機の損失を含む前記バッテリ電力を導出する請求項1記載の回転電機制御システム。
 前記バッテリと前記インバータの周波数変換部との間に介在され、前記バッテリからの電圧を昇圧する昇圧コンバータを備え、
 前記バッテリ電力導出手段は、バッテリ電流に基づいて導出した前記昇圧コンバータの損失を含む前記バッテリ電力を導出する請求項1又は2記載の回転電機制御システム。
 前記バッテリ電流は、逐次求められたバッテリ電力を、計測されるバッテリ電圧で除算して導出する請求項3記載の回転電機制御システム。
 前記バッテリと前記インバータの周波数変換部との間に平滑コンデンサを備え、
 前記バッテリ電力導出手段は、前記平滑コンデンサにチャージされるコンデンサチェージ電力を含む前記バッテリ電力を導出する請求項1~4の何れか一項記載の回転電機制御システム。
 発電機として働く第1回転電機とモータとして働く第2回転電機とを制御対象とし、
 前記バッテリ電力導出手段で導出されるバッテリ電力が、
 前記第2回転電機に要求される要求回転速度及び要求トルクで働く場合に、前記第2回転電機がモータとして働くために必要となる電力と、
 前記第1回転電機に要求される要求回転速度及び要求トルクで働く場合に、前記第1回転電機が発電機として働くために必要となる電力との和を含んで導出される請求項1~5のいずれか一項記載の回転電機制御システム。
 前記第2回転電機がモータとして働くために必要となる電力は、当該第2回転電機に要求される要求回転速度及び要求トルクの積と、当該要求回転速度及び要求トルクでモータとして働く場合のモータ損失との和として導出され、
 前記第1回転電機が発電機として働くために必要となる電力は、当該第1回転電機に要求される要求回転速度及び要求トルクの積と、当該要求回転速度及び要求トルクで発電機として働く場合の発電機損失との和として導出される請求項6記載の回転電機制御システム。
 モータとして働く回転電機を制御対象とし、
 前記バッテリ電力導出手段で導出されるバッテリ電力が、
 前記回転電機に要求される要求回転速度及び要求トルクで働く場合に、前記第2回転電機がモータとして働くために必要となる電力を含んで導出される請求項1~5のいずれか一項記載の回転電機制御システム。
 前記回転電機がモータとして働くために必要となる電力は、当該回転電機に要求される要求回転速度及び要求トルクの積と、当該要求回転速度及び要求トルクでモータとして働く場合のモータ損失との和として導出される請求項8記載の回転電機制御システム。
  前記バッテリ電力導出手段で導出される前記バッテリ電力が、バッテリ電力が過大か否かを判定する過大時閾値より大きい過大時に、前記トルク制限手段がトルク制限を実行する請求項1~9のいずれか一項記載の回転電機制御システム。
 前記バッテリ電力の変化率を導出するバッテリ電力変化率導出手段を備え、
 前記バッテリ電力変化率導出手段により導出されるバッテリ電力変化率が、
バッテリ電力変化率が大きいか否かを判定するバッテリ電力急変閾値より大きく、且つ、
 前記バッテリ電力導出手段で導出される前記バッテリ電力が、バッテリ電力が過大か否かを判定する過大時閾値より小さい値とされる急変時閾値より大きい急変時に、前記トルク制限手段がトルク制限を実行する請求項1~10のいずれか一項記載の回転電機制御システム。
 前記回転電機の回転速度の変化率を導出する回転速度変化率導出手段を備え、
 前記回転速度変化率導出手段により導出される回転速度変化率が、回転速度変化率が大きいか否かを判定する回転速度急変閾値より大きく、且つ、
 前記バッテリ電力導出手段で導出される前記バッテリ電力が、前記過大時閾値より小さい値とされる急変時閾値より大きい急変時に、前記トルク制限手段がトルク制限を実行する請求項10又は11記載の回転電機制御システム。
Description:
回転電機制御システム

 本発明は、回転電機と、バッテリと前記 転電機との間に介在され、前記回転電機を れる電流を制御するインバータを備えた回 電機制御システムに関する。

  特許文献1には、バッテリBと、回転電機と しての交流モータM1と、バッテリと回転電機 の間に介在され、回転電機を流れる電流を 御するインバータ14を備えた電力負荷装置10 0が示されている。
 この電力負荷装置100において、制御装置30 、交流モータM1における消費パワー(本願に けるバッテリ電力に相当する)の増加量(本願 における変化率に相当する)がコンデンサ13か らインバータ14へ供給可能な許容パワーを超 たとき、交流モータM1における消費パワー 増加量を、電気負荷装置100の駆動を継続可 な範囲に制限する。
 この特許文献1に開示の技術は、交流モータ M1から発生される駆動力により走行する走行 等に関する技術であり、消費パワーの増加 を所定の範囲に制限することで、インバー の保護を図ることができる。

 一方、今日、駆動源としてエンジンとモ タとして働く回転電機とを備え、両者の何 か一方もしくは両方から駆動力を得て走行 るハイブリッドシステムが実用の段階にあ 。この種のハイブリッドシステムの一例と て、エンジンと一対の回転電機とを備え、 ンジンから出力される駆動を、車輪側と一 の回転電機とに分配し、当該一方の回転電 において発電を行い、他方の回転電機で、 輪側に送られるエンジン駆動の不足分を補 、所謂、スプリット形態のハイブリッドシ テムがある。このシステムでは、エンジン 最適燃費ラインに沿って動作することで、 費の非常に高い走行を行うことができる。 のシステムにあっては、他方の回転電機が にモータとして働くこととなる。

 この形態のハイブリッドシステムでは、主 車輪を駆動させるためのトルクを発生する 転電機(先に説明した他方の回転電機でモー タとして働く)と、主にエンジンの回転速度 制御する回転電機(先に説明した一方の回転 機で発電機として働く)とが、単一のバッテ リにインバータを介して並列に接続される。 そして、これら回転電機の制御に関して、モ ータとして働く回転電機と発電機として働く 回転電機の消費電力の合計がバッテリの放電 電力限界を超えないように制御される。

WO2003/056694号公報

 上記のように、消費パワーの増加量にのみ づいた制御を実行する場合は、増加量すな ち変化量が大きければ、モータとして働く 転電機のトルクを制限することとなり、ト ク自体は小さく、制限をかける必要がない 合にもトルク制限を行う場合が発生し、本 、問題なく得られる駆動力が得られないと う問題があった。
 また、消費パワーの絶対量が大きいが、消 パワーの変化量が小さい場合には、トルク 限が行われず、過電流によりバッテリ自体 いはバッテリからインバータに到るまでの 路にダメージを与えてしまうという問題が った。

 さらに、例えば、モータとして働く回転 機と発電機として働く回転電機とを備えた ステムの場合、モータと発電機の出力の合 がバッテリの放電電力限界を超えないよう モータと発電機を制御するが、モータとし 働く回転電機に対する制御がトルク制御と れるため、車輪スリップ時や、車輪空転時 ようにモータの負荷トルクが急激に減少し 場合には、モータの回転速度が急激に増加 る。そのため、バッテリから電力が急激に ち出され、バッテリとモータ間の素子に大 な電流が流れ、過電流となる虞がある。ま 、この状況では、バッテリにおいては、放 電力限界以上の電力を放電するため、バッ リの寿命の低下などの影響がある。

 そして、先に説明したスプリット形態の イブリッドシステムでは、モータとして働 回転電機の回転速度の増加により、発電機 して働く回転電機の回転速度が減少するた 、発電機側の回生電力が減少し、バッテリ 持ち出し電力がさらに大きくなるという問 がある。

 本願の一の目的は、バッテリからインバー を介して電力の供給を受け、モータとして く回転電機に対する回転電気制御システム 構築するに、過電流が流れることがなく、 ッテリからインバータまでの保護を確実に えるシステムを得ることにある。
 他の目的は、共通のバッテリから電力の供 を受ける一対の回転電機を備え、一の回転 機が発電機として他の回転電機がモータと て働く形態のハイブリッドシステムにおい 、過電流が流れることがなく、バッテリか インバータまでの保護を確実に行える回転 機制御システムを得ることにある。

 上記目的を達成するための、回転電機と、 ッテリと前記回転電機との間に介在され、 記回転電機を流れる電流を制御するインバ タを備えた回転電機制御システムの特徴構 は、
 少なくとも前記回転電機の回転速度及び前 回転電機に指令する要求トルクに基づいて 記バッテリから供給されるバッテリ電力を 出するバッテリ電力導出手段と、
 前記回転電機の出力トルクを制限するトル 制限手段とを備え、
 前記トルク制限手段は、前記バッテリ電力 出手段により導出される前記バッテリ電力 大きさに応じて、前記出力トルクを制限す 構成を採用することにある。

 この構成の回転電機制御システムにあって 、バッテリ電力導出手段により、回転電機 、その回転電機に指令される要求トルク及 回転速度で働く場合に、バッテリから供給 れるバッテリ電力を導出する。そして、ト ク制限手段が、回転電機の出力トルクを制 するに際して、当該トルク制限手段は、バ テリ電力導出手段により導出されるバッテ 電力の大きさに応じて、出力トルクを制限 る。
 本願にあっては、このようなバッテリ電力 大きさに応じたトルク制限として、バッテ 電力が過大となる過大時或いはバッテリ電 が急変する急変時といった問題とすべき時 で、直接バッテリ電力の大きさに応じて出 トルク制限を実行することで、例えば、モ タで発生するトルク自体が小さく制限をか る必要がない状況でトルク制限がかかるの 回避でき、本来、必要とされる駆動力をそ まま得て、走行することができる。また、 ッテリからインバータまでの回路にダメー を与えるという問題を直接的に回避できる

 さらに、モータとして働く回転電機、発 機として働く回転電機を備えた構成にあっ も、バッテリ電力からみて、その大きさに じて出力トルクに制限をかけるため、過電 の防止を直接的に図ることができるととも 、バッテリの放電電力限界以上の電力を放 して、バッテリの寿命が低下する等の問題 回避することができる。

 前記バッテリ電力導出手段におけるバッテ 電力の導出形態としては、以下のような様 な要素を考慮した導出形態を採用すること 好ましい。
 回転電機の損失の考慮
 回転電機の損出を考慮する場合、バッテリ 力導出手段が、前記回転速度及び前記要求 ルクに基づいて導出した前記回転電機の損 を含む形態で、バッテリ電力を導出するこ が好ましい。
 回転電機の損出は、回転速度、出力トルク 同一視できる要求トルクに依存し、回転速 と要求トルクとの関係を示す関係指標或い 関係式等を用いて求めることができる。そ で、これらの情報を使用して、回転電機で 生する損出まで考慮したバッテリ電力を導 することで、より適格なバッテリ電力を導 し、運転状態に応じて適切に出力トルクの 限を実行することができる。

 昇圧コンバータの損失の考慮
 バッテリとインバータの周波数変換部との に、バッテリからの電圧を昇圧する昇圧コ バータを備えてシステムが構成される場合 バッテリ電力導出手段は、バッテリ電流に づいて導出した昇圧コンバータの損失を含 バッテリ電力を導出することが好ましい。
 昇圧コンバータは、その昇圧において電力 損出を伴うが、損出は、バッテリ電流に依 する。そして、昇圧コンバータの損失とバ テリ電流との関係を示す関係指標或いは関 式等は、予め用意しておくことができる。 こで、これらの情報を使用して、昇圧コン ータの損失まで考慮したバッテリ電力を導 することにより、より適格なバッテリ電力 導出し、運転状態に応じて適切に出力トル の制限を実行することができる。
 ここで、上記のバッテリ電流は、逐次求め れた前記バッテリ電力を、前記バッテリに いて計測されるバッテリ電圧で除算して導 することができる。
 このようにしてバッテリ電流を求めること 、信頼性の高いバッテリ電流に基づいて昇 コンバータの損失を良好に求めることがで る。

 平滑コンデンサにチャージされる電力の考
 バッテリとインバータの周波数変換部との に、平滑コンデンサを備えてシステムが構 される場合、バッテリ電力導出手段は、前 平滑コンデンサにチャージされるコンデン チャージ電力を含む前記バッテリ電力を導 することが好ましい。コンデンサチャージ 力もバッテリから供給される電力の一部と るためである。この構成では、平滑コンデ サにチャージされる電力まで考慮してバッ リ電力を導出することにより、より適格な ッテリ電力を導出し、運転状態に応じて適 に出力トルクの制限を実行することができ 。

本願に係る回転電機制御システムが、その制 御対象として、発電機として働く第1回転電 とモータとして働く第2回転電機とを含む場 、
 前記バッテリ電力導出手段で導出されるバ テリ電力が、
 前記第2回転電機に要求される要求回転速度 及び要求トルクで働く場合に、前記第2回転 機がモータとして働くために必要となる電 と、
 前記第1回転電機に要求される要求回転速度 及び要求トルクで働く場合に、前記第1回転 機が発電機として働くために必要となる電 との和を含んで導出される構成を採用する とができる。
 このように、発電機として働く回転電機と ータとして働く回転電機とを含む場合、こ ら両者で、それぞれ必要となる電力(正・負 を含む)を求めて、それら両方の和として、 ッテリ電力を求めることで、回転電機側の 転状態に即して、バッテリから供給される 力を良好に求めることができ、出力トルク 制限も適格にかけることができる。
 この構成の場合、前記第2回転電機がモータ として働くために必要となる電力は、当該第 2回転電機に要求される要求回転速度及び要 トルクの積と、当該要求回転速度及び要求 ルクでモータとして働く場合のモータ損失 の和として導出することができ、
 前記第1回転電機が発電機として働くために 必要となる電力は、当該第1回転電機に要求 れる要求回転速度及び要求トルクの積と、 該要求回転速度及び要求トルクで発電機と て働く場合の発電機損失との和として導出 ることができる。
 回転電機に供給されるべき電力は、回転速 とトルクとの積と、その運転状態において 生する損失によって決まるからである。

 上記の説明では、モータとして働く回転電 と発電機として働く回転電機とを有する場 を説明したが、本願に係る回転電機制御シ テムが、その制御対象として、モータとし 働く回転電機のみを備える場合、
 前記回転電機がモータとして働くために必 となる電力は、当該回転電機に要求される 求回転速度及び要求トルクの積と、当該要 回転速度及び要求トルクでモータとして働 場合のモータ損失との和として導出できる
 先に説明したと同様に、回転電機に供給さ るべき電力は、回転速度とトルクとの積と その運転状態において発生する損失によっ 決まるからである。

 上記のように本願では、バッテリ電力の きさに応じて出力トルクの制限を実行する さらに詳細には、バッテリ電力が急変しな 非急変時と、バッテリ電力が急変する急変 とで、その時点におけるバッテリ電力の大 さが過大か否かを判定する閾値を変更する 後者の急変時には、バッテリ電力の変化自 が大きい場合と、モータとして働く回転電 の回転速度が急変する場合とが含まれる(図 5参照)。以下、順に説明する。

1 非急変時に対する対応
 この場合は、バッテリ電力導出手段で導出 れるバッテリ電力が、バッテリ電力が過大 否かを判定する過大時閾値より大きい過大 に、トルク制限手段がトルク制限を実行す 構成とする。
 このように構成することで、過大時閾値を 切に設定することで、例えば、過電流防止 直接的に図ることができるとともに、バッ リが、バッテリの放電電力限界以上の電力 放電して、バッテリの寿命が低下する等の 題を回避することができる。

2 急変時に対する対応
2-1 バッテリ電力自体に基づく対応
 この場合は、バッテリ電力の変化率を導出 るバッテリ電力変化率導出手段を備え、バ テリ電力変化率導出手段により導出される ッテリ電力変化率が、バッテリ電力変化率 大きいか否かを判定するバッテリ電力急変 値より大きく、且つ、バッテリ電力導出手 で導出されるバッテリ電力が、前記過大時 値より小さい値とされる急変時閾値より大 い急変時に、トルク制限手段がトルク制限 実行する構成とする。
 この構成の場合、このまま放置しておくと 題となる可能性がある状態を、バッテリ電 変化率とバッテリ電力急変閾値との関係か 判定し、さらに、その可能性が発生してい 時点でのバッテリ電力自体を急変時閾値と 較することで、問題となる可能性のある急 状態を確実に把握してトルク制限をかける とができる。結果、急変時閾値を適切に設 することで、例えば、過電流が発生する可 性が高い場合に、過電流の発生防止を直接 に図ることができるとともに、バッテリが バッテリの放電電力限界以上の電力を放電 て、バッテリの寿命が低下する等の問題を 避することもできる。

2-2 モータとして働く回転電機の回転速度に づく対応
 この場合は、回転電機の回転速度の変化率 導出する回転速度変化率導出手段を備え、 転速度変化率導出手段により導出される回 速度変化率が、回転速度変化率が大きいか かを判定する回転速度急変閾値より大きく 且つ、バッテリ電力導出手段で導出される ッテリ電力が、前記過大時閾値より小さい とされる急変時閾値より大きい急変時に、 ルク制限手段がトルク制限を実行する構成 する。
 この構成の場合、モータとして働く回転電 の回転速度が急変しており、このまま放置 ておくと問題となる可能性がある状態を、 転速度変化率と回転速度急変閾値との関係 ら判定し、さらに、その可能性が発生して る時点でのバッテリ電力を急変時閾値と比 することで、問題となる可能性のある急変 態を確実に把握してトルク制限をかけるこ ができる。結果、急変時閾値を適切に設定 ることで、例えば、過電流が発生する可能 が高い場合に、過電流の発生防止を直接的 図ることができるとともに、バッテリが、 ッテリの放電電力限界以上の電力を放電し 、バッテリの寿命が低下する等の問題を回 することもできる。

2-3 バッテリ電力自体もしくはモータとして く回転電機の回転速度に基づく対応
 この場合は、上記の2-1、2-2の場合の何れか 条件として対応するのであるが、その場合 システムは以下のように構成することとな 。
 すなわち、システムは、
 バッテリ電力の変化率を導出するバッテリ 力変化率導出手段を備え、
 回転電機の回転速度の変化率を導出する回 速度変化率導出手段を備え、
 バッテリ電力変化率導出手段により導出さ るバッテリ電力変化率が、
バッテリ電力変化率が大きいか否かを判定す るバッテリ電力急変閾値より大きい、若しく は前記回転速度変化率導出手段により導出さ れる回転速度変化率が、回転速度変化率が大 きいか否かを判定する回転速度急変閾値より 大きい場合で、かつ、
 前記バッテリ電力導出手段で導出される前 バッテリ電力が、前記過大時閾値より小さ 値とされる急変時閾値より大きい急変時に 前記トルク制限手段がトルク制限を実行す 構成となる。
 バッテリ電力自体、もしくはモータとして く回転電機の回転電機の回転速度に基づく ルク制限が実行される場合、それぞれ先に2 -1、2-2で説明した作用・効果を得ることがで る。

 これまでの説明において、過大時閾値は実 に過大となっている状態、急変時閾値は過 となる可能性が高く、急激に過大となる可 性が高い状態にそれぞれ対応しているため バッテリ電力導出手段で導出されるバッテ 電力が、バッテリ電力が過大か否かを判定 る過大時閾値より大きい過大時に、トルク 限手段がトルク制限を実行し、
 バッテリ電力導出手段で導出されるバッテ 電力が、過大時閾値より小さい値とされる 変時閾値より大きい急変時に、トルク制限 段がトルク制限を実行する構成を採用する とが好ましいのである。

 以上の説明にあっては、出力トルクの制 において、どのようにトルク制限値を設定 るかは説明しなかったが、過大時及び急変 のそれぞれにおいて、トルク制限値を以下 ように導出して、設定し、モータとして働 回転電機のトルクを低下することで、過電 防止、バッテリからの過度の電力の持ち出 防止を図ることができる。

1 過大時
 過大時には、トルク制限手段がトルク制限 実行する場合に、過大時に許容できるバッ リ電力の最大値である過大時制限電力に基 いて、トルク制限値を求める過大時トルク 限値導出手段を備えておく。
 過大時に許容できるバッテリ電力の最大値 ある過大時制限電力に基づいて、トルク制 値を導出して設定することで、バッテリか の過度の電力の持ち出しを防止、過電流の 止も図ることができる。

2 急変時
 急変時には、トルク制限手段がトルク制限 実行する場合に、急変時に許容できるバッ リ電力の最大値である急変時制限電力に基 いて、トルク制限値を求める急変時トルク 限値導出手段を備えておく。
 急変時に、その急変が起こったとしても許 できるバッテリ電力の最大値である急変時 限電力に基づいて、トルク制限値を導出し 設定することで、バッテリからの過度の電 の持ち出しを防止、過電流の防止も図るこ ができる。

 これまでの説明では、過大時制限電力と急 時制限電力との関係については、特に述べ かったが、過大時制限電力は実際に過大と っている状況でトルク制限をかける、急変 制限電力は過大となる可能性が高く、急激 過大となる可能性が高い状態に対応してい ため、
 過大時に、トルク制限手段がトルク制限を 行する場合に、過大時に許容できるバッテ 電力の最大値である過大時制限電力に基づ て、トルク制限値を求める過大時トルク制 値導出手段と、
 急変時に、トルク制限手段がトルク制限を 行する場合に、急変時に許容できるバッテ 電力の最大値である急変時制限電力に基づ て、トルク制限値を求める急変時トルク制 値導出手段とを備え、
過大時制限電力が、急変時制限電力より大き く設定されていることで、適切なトルク制限 を実現できる。

 さて、先に説明した過大時閾値として、バ テリ電力が増大する場合に使用する過大時 値上側と、バッテリ電力が減少する場合に 用する過大時閾値下側とを備える構成を採 することが好ましい。
 この構成は過大時閾値にヒステリシスを持 せることとなるが、このようにヒステリシ を持たせることで制御遅れを吸収でき、ま 、バッテリ電力が過大時閾値をまたいで振 的に変化する場合に、ハンチング等の問題 発生するのを防止できる。

 同様に、先に説明した急変時閾値として、 ッテリ電力が増大する場合に使用する急変 閾値上側と、バッテリ電力が減少する場合 使用する急変時閾値下側とを備えることも ましい。
 この構成は急変時閾値にヒステリシスを持 せることとなるが、このようにヒステリシ を持たせることで制御遅れを吸収でき、ま 、バッテリ電力が急変時閾値をまたいで振 的に変化する場合に、ハンチング等の問題 発生するのを防止できる。

 先に説明したトルク制限値の導出において 制御遅れを吸収する手法としては、現在値 予測値を使用することも可能である。
 すなわち、モータ回転速度(モータとして働 く回転電機の回転速度)に関しては、トルク 限値を求めるに、モータ回転速度の変化率 制御遅れに基づく係数の積算値と現在のモ タ回転速度との和として得られるモータ回 速度予測値に基づいてトルク制限値を求め ことで、制御遅れを吸収できる。
同様に、発電機電力(発電機として働く回転 機の電力)に関しては、トルク制限値を求め に、発電機電力の変化率と制御遅れに基づ 係数の積算値と現在の発電機電力との和と て得られる発電機推定電力予測値に基づい トルク制限値を求めることで、制御遅れを 収できる。

は、本願に係る車両駆動システムの駆 系の概略を示す図 は、本願に係る車両駆動システムの回 電機制御系の概略を示す図 は、本願に係る車両駆動システムの全 の概略を示す図 は、昇圧コンバータ損出のマップを示 図 は、本願に係るトルク制限の概念を示 図 は、トルク制限処理のフローを示す図 は、急変時のトルク制限状態を示す図 は、急変時及び過大時のトルク制限状 を示す図 は、急変時閾値にヒステリシスを設け 場合の急変時のトルク制限状態を示す図 は、急変時閾値及び過大時閾値にヒス テリシスを設けた場合の急変時及び過大時の トルク制限状態を示す図 は、発電機として働く回転電機を備え ず、モータとして働く単一の回転電機を備え た駆動装置の構成を示す図 は、図11に示す駆動装置におけるトル 制限処理のフローを示す図

  以下、本発明に係る回転電機制御シス ム100の一実施の形態について図面を参照し がら説明する。この回転電機制御システム10 0は、図3にその全体を示す車両駆動システム2 00に組み込まれて、車両駆動システム200に備 られる回転電機MG1,MG2の運転制御の用を果す 。

 図1はこの車両駆動システム200の駆動系の 概略を示す図であり、図2は、回転電機MG1,MG2 制御するために設けられるインバータInを とする回転電機制御系の概略を示す図であ 。図3は、本願独特の制御装置ECUを備えた車 駆動システム200の全体の概要を示す図であ 。図3において、実線の矢印で各種情報の伝 達経路、二重の実線で駆動力の伝達経路を、 二重の破線で電力の伝達経路を示している。

1-1.駆動系
 図1、図3に示すように、車両にはエンジンE 一対の回転電機MG1,MG2とが備えられており、 エンジンE若しくはモータとして働く回転電 から駆動力を得て走行可能に構成されると もに、エンジンEにより発生される駆動力の なくとも一部は、発電機として働く回転電 において電力に変換され、バッテリBの充電 、あるいはモータとして働く回転電機の駆動 の用に供される。さらに、制動時には、制動 力を回転電機により回生して、バッテリBに 力として蓄電することも可能となっている

 この車両駆動システム200は所謂ハイブリ ドシステムであり、エンジンEと車輪Wとの に、ハイブリッド駆動装置1を備えて構成さ ている。エンジンEとしては、ガソリンエン ジンやディーゼルエンジン等の公知の各種の 内燃エンジンを用いることができる。

 ハイブリッド駆動装置1の入力軸Iは、エ ジンEのクランクシャフト等の出力回転軸に 続されている。なお、入力軸IがエンジンE 出力回転軸との間にダンパやクラッチ等を して接続された構成としても好適である。 力は、ディファレンシャル装置D等を介して 輪Wに回転駆動力を伝達可能に接続されてい る。さらに、入力軸Iは動力分配機構P1のキャ リアcaに連結されており、車輪Wにディファレ ンシャル装置Dを介して接続される中間軸Mは ングギヤrに連結されている。

 第1回転電機MG1は、ステータSt1と、このス テータSt1の径方向内側に回転自在に支持され たロータRo1と、を有している。この第1回転 機MG1のロータRo1は、動力分配機構P1のサンギ ヤsと一体回転するように連結されている。 た、第2回転電機MG2は、ステータSt2と、この テータSt2の径方向内側に回転自在に支持さ たロータRo2とを有している。この第2回転電 機MG2のロータRo2は、出力ギヤOと一体回転す ように連結され、ディファレンシャル装置D 入力側に接続されている。第1回転電機MG1及 び第2回転電機MG2は、図1、図3に示すように、 インバータInを介してバッテリBに電気的に接 続されている。また、インバータInは冷却水 の熱交換により冷却される構造が採用され いる。第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2は それぞれ電力の供給を受けて動力を発生す モータとしての機能と、動力の供給を受け 電力を発生する発電機としての機能とを果 ことが可能とされている。

 本例では、第1回転電機MG1は、主に動力分 配機構P1のサンギヤsを介して入力された駆動 力により発電を行う発電機として機能し、バ ッテリBを充電し、或いは第2回転電機MG2を駆 するための電力を供給する。ただし、車両 高速走行時には第1回転電機MG1はモータとし て機能する場合もある。一方、第2回転電機MG 2は、主に車両の走行用の駆動力を補助する ータとして機能する。また、車両の減速時 に、第2回転電機MG2は、車両の慣性力を電気 ネルギとして回生する発電機として機能す 。このような第1回転電機MG1及び第2回転電 MG2の運転は、制御装置ECUから制御指令に従 て行われる。

 図1に示すように、動力分配機構P1は、入 軸Iと同軸状に配置されたシングルピニオン 型の遊星歯車機構により構成されている。す なわち、動力分配機構P1は、複数のピニオン ヤを支持するキャリアcaと、前記ピニオン ヤにそれぞれ噛み合うサンギヤs及びリング ヤrとを回転要素として有している。サンギ ヤsは、第1回転電機MG1のロータRo1と一体回転 るように接続される。キャリアcaは、入力 Iと一体回転するように接続されている。リ グギヤrは、中間軸Mと一体回転するように 続されている。これにより、リングギヤrは 中間軸Mを介してディファレンシャル装置D 接続されている。

1-2 回転電機制御系
 図2は、インバータInを主体とする各回転電 の動作制御系を示したものである。この回 電機制御系は、バッテリBと各回転電機MG1,MG 2と、両者の間に介装されるインバータInとを 備えて構成されている。そして、インバータ Inは、バッテリB側から、電圧変換部4、周波 変換部5を備えている。図2からも判明するよ うに、一対の回転電機MG1,MG2に対して、それ れ周波数変換部5は個別に設けられている。 波数変換部5と各回転電機MG1,MG2との間には 回転電機を流れる電流量を測定するための 流センサ(第1回転電機電流センサSe7,第2回転 機電流センサSe8)が備えられている。

 上記のバッテリBは、回転電機MG1,MG2へ電 の供給が可能なものであるとともに、回転 機MG1,MG2から電力の供給を受けて蓄電可能で のである。

 インバータInにおいて、電圧変換部4を成す 圧変換回路は、リアクトル4a、フィルタコ デンサ4bと、上下一対のスイッチング素子4c, 4dで構成されている。これら各スイッチング 子4c,4dとして、MOSFET(MOS型電界効果トランジ タ)を採用できる。
 上段のスイッチング素子4cのソースは下段 スイッチング素子4dのドレインに接続される とともに、リアクトル4aを介してバッテリBの プラス側に接続されている。上段のスイッチ ング素子4cのドレインが周波数変換部5の入力 プラス側とされる。上段のスイッチング素子 4c及び下段のスイッチチイグ素子4dのゲート ドライバー回路7に接続され、下段のスイッ ング素子4dのソースはバッテリBのマイナス (グランド)に接続される。
 これらスイッチング素子4c,4dが、後述する 転電機制御手段14から出力される電圧指令で ある要求電圧に基づいてドライバー回路7か PWM制御されることで、バッテリBからの電圧 昇圧して周波数変換部5に供給する。一方、 回転電機MG2側から電力を受ける場合は、降圧 してバッテリBに供給することとなる。

 周波数変換部5を成すインバータ回路は、上 下両段のスイッチング素子8a,8b,8c,8d,8e,8fを備 て構成されている。これら各スイッチング 子8a,8b,8c,8d,8e,8fとしても、MOSFET(MOS型電界効 トランジスタ)を採用できる。
 上段のスイッチング素子8a,8b,8cのドレイン 電圧変換部4の出力プラス側に接続され、ゲ トはドライバー回路7に接続され、ソースは 下段のスイッチング素子8d,8e,8fのドレインに 続され、下段のスイッチング素子8d,8e,8fの ートはドライバー回路7に接続され、ソース 、電圧変換部4の出力マイナス側、即、バッ テリBのマイナス側(グランド)に接続されてい る。
 対となる上下両段のスイッチング素子(8a,8d) ,(8b,8e),(8c,8f)の各中間点9u,9v,9wは、回転電機MG1 ,MG2のU相、V相、W相の巻線にそれぞれ接続さ ている。各巻線への通電電流は、電流検出 ンサSe7,Se8によって検出されており、この検 値はドライバー回路7に送出され、さらに制 御装置ECUにも送られる。

 これらスイッチング素子8a,8b,8c,8d,8e,8fが 後述する回転電機制御手段14から出力される 要求回転速度、要求トルクに基づいてドライ バー回路からPWM制御されることで、各回転電 機MG1,MG2を、要求回転速度、要求トルク(トル 制限を行う場合は制限トルク)で運転させる 。回転電機MG1,MG2側から電力を受ける場合は 所定周波数の交流を直流に変換することと る。

 インバータInは、図3に模式的に示すよう 、通電によって発熱し高温となる各スイッ ング素子4c,4d,8a,8b,8c,8d,8e,8fを降温するため 熱交換器9を備えている。熱交換器9には、外 側の一側面にスイッチング素子8a(他のスイッ チング素子は図示省略)が密着固定され、内 に冷媒である冷却水が流通する冷却水通路9a が形成されている。冷却水通路9aの入口およ 出口には、冷却水循環路10の一端および他 が接続されており、冷却水循環路10は熱交換 器9から送出される高温の冷却水を降温して 降温された冷却水を熱交換器9に戻す。

1-3.車両駆動システム
 以下、図3に基づいて、本願に係る車両駆動 システム200の全体について、システムの中核 を成す制御装置ECUを中心に説明する。
 図3に示すように、制御装置ECUは、車両の各 部に設けられたセンサSe1~Se8で取得される情 を用いて、エンジンE、第1回転電機MG1、第2 転電機MG2等の運転制御を行う。ここで、第1 転電機MG1、第2回転電機MG2の運転制御は、先 に説明したインバータInを介するものとなる

 本例では、センサとして、第1回転電機回 転速度センサSe1、第2回転電機回転速度セン Se2、エンジン回転速度センサSe3、バッテリ 態検出センサSe4、車速センサSe5、アクセル 作検出センサSe6、第1回転電機電流センサSe7 び第2回転電機電流センサSe8が設けられてい る。

 第1回転電機回転速度センサSe1は、第1回 電機MG1のロータRo1の回転速度を検出するた のセンサである。第2回転電機回転速度セン Se2は、第2回転電機MG2のロータRo2の回転速度 を検出するためのセンサである。エンジン回 転速度センサSe3は、エンジンEの出力回転軸 回転速度を検出するためのセンサである。 例の場合、入力軸IはエンジンEの出力回転軸 と一体回転するので、このエンジン回転速度 センサSe3により検出されるエンジンEの回転 度は入力軸Iの回転速度と一致する。バッテ 状態検出センサSe4は、バッテリBの充電量、 バッテリを流れる電流及びバッテリの電圧( ッテリ電圧)等を検出するためのセンサであ 。車速センサSe5は、車速を検出するために ィファレンシャル装置Dの入力軸(図示省略) 回転速度を検出するためのセンサである。 クセル操作検出センサSe6は、アクセルペダ 18の操作量を検出するためのセンサである 第1回転電機電流センサSe7及び第2回転電機電 流センサSe8は、インバータInに備えられ、そ ぞれ第1回転電機MG1,第2回転電機MG2を流れる 流を検出する。

 制御装置ECUは、要求駆動力決定手段11、 行条件決定手段12、エンジン制御手段13、回 電機制御手段14を備えている。さらに、こ 制御装置ECUには、本願独特の構成の、所定 条件下でトルク制限を実行するトルク制限 段15が設けられており、このトルク制限手段 15は、バッテリ電力導出手段15a、バッテリ電 変化率導出手段15b、回転速度変化率導出手 15c、トルク制限判定手段15d、トルク制限値 出手段15eが備えられている。

 制御装置ECUにおけるこれらの各手段は、C PU等の演算処理装置を中核部材として、入力 れたデータに対して種々の処理を行うため 機能部がハードウエア又はソフトウエア(プ ログラム)或いはその両方により実装されて 成されている。

 要求駆動力決定手段11は、車速センサSe5及 アクセル操作検出センサSe6からの出力に基 いて、運転者による要求駆動力を演算して 得決定する。
 エンジン制御手段13は、エンジンEの運転開 、停止を行う他、走行条件決定手段12によ 決定されるエンジンに要求される回転速度 び出力トルクに従って、エンジンの回転速 制御、出力トルク制御等の運転制御を行う 回転電機制御手段14は、走行条件決定手段12 より決定される各回転電機MG1,MG2に要求され る回転速度及び出力トルクに従って、インバ ータInを介して、第1回転電機MG1及び第2回転 機MG2の回転速度制御、トルク制御等の運転 御を行う。

 走行条件決定手段12は、車速センサSe5に り得られる車速の情報、要求駆動力決定手 11により得られる要求駆動力の情報及びバッ テリ状態検出センサSe4により得られるバッテ リの充電量の情報等に従って、予め備えられ ているマップ等に従って、車両に要求される 走行条件である、エンジンEの回転速度(要求 転速度)及び出力トルク(要求トルク)、第1回 転電機MG1及び第2回転電機MG2それぞれの回転 度(要求回転速度)及び出力トルク(要求トル )を決定する。

 この走行条件決定手段12における上記走 条件の決定例を例示的に説明すると、バッ リBの蓄電量が充分である場合には、例えば エンジンEが最適燃費効率を発揮できる運転 条件をエンジンEに要求する回転速度及びト クとし、このエンジンEの運転条件では不足 るトルクを第2回転電機MG2に要求されるトル クとし、さらに、動力分配機構P1により第1回 転電機MG1側に分配されるトルクを第1回転電 MG1に要求されるトルク(この状態では第1回転 電機MG1は発電機として働くため、要求トルク は負)とする。そして、前述の動力分配機構P1 の構成及び駆動系に備えられるギヤのギヤ比 等に従って、第1回転電機MG1、第2回転電機MG2 取るべき回転速度が要求回転速度として決 される。

 一方、バッテリBの蓄電量が少なくなって おり車両に制動がかかっている場合には、モ ータとして働く第2回転電機MG2の回転速度が えられた状態で、第1回転電機MG1で発電され 電力を増加させるべく、エンジンE、第1回 電機MG1、第2回転電機MG2の運転条件を決定す 。この場合、車両に制動がかかる状態で車 Wの回転速度、ひいては第2回転電機MG2の回 速度は低下している。この状態でエンジン 転速度を上げることで、動力分配機構P1にお ける遊星歯車の各ギヤの接続関係から、発電 機として働く第1回転電機MG1の回転速度を上 させる。その結果、第1回転電機MG1の発電量 増加させて、バッテリBの充電を行うことが できる。

 走行条件決定手段12により決定されるエ ジンEに対する要求回転速度および要求トル は、エンジン制御手段13に送られ、エンジ Eが、これら要求回転速度、要求トルクを満 すように運転制御される。一方、第1回転電 機MG1、第2回転電機MG2に対する要求回転速度 び要求トルクは、それぞれ回転電機制御手 14に送られ、個々の回転電機に対する運転制 御情報が生成され、要求回転速度に対応する 周波数指令、要求トルクに対応する電流指令 に変換されるとともに、インバータInに送ら 、ドライバー回路7を介して個々の回転電機 MG1,MG2が運転制御される。

 さて、図3に示すように、回転電機制御手段 14にはインバータ電圧決定部14aが設けられて る。先に示したように回転電機制御手段14 は走行条件決定手段12から、各回転電機MG1,MG 2に対する要求回転速度および要求トルクが られてくる。一方、本例で採用するインバ タInは、共通の電圧変換部4を備え、その共 の電圧変換部4により電圧変換された直流電 (この電圧をインバータ電圧と呼ぶ)が、周 数変換部5にかかる。そこで、回転電機制御 段14では、個々の回転電機MG1,MG2に要求され 要求回転速度及び要求トルクから、インバ タInで回転電機MG1,MG2を制御するのに必要と る回転電機別の周波数及び電流値を求め、 らに各回転電機MG1,MG2別に必要となる直流電 圧(この電圧をそれぞれ第1電圧、第2電圧と呼 ぶ)を求める。そして、回転電機制御手段14で は、一対求められる第1電圧、第2電圧に基づ て、それらの高い方の電圧をインバータ電 とする。
 従って、回転電機制御手段14では、インバ タInに対する指令値として、前記インバータ 電圧Vcが求められるとともに、回転電機MG1,MG2 別に周波数及び電流値が求められ、インバー タInに送られる。

 以上は、走行条件決定手段12により決定さ る走行条件にそのまま従って、エンジンE及 一対の回転電機MG1,MG2が運転される場合の説 明である。
 このような通常状態における走行状態に対 て、本願にあっては、トルク制限手段15に り、バッテリに過電流が流れる可能性があ 場合に、所定の条件下でモータとして働く 転電機のトルクを制限するように構成され いる。トルク制限が実行される状態にあっ は、モータとして働く回転電機のトルクが トルク制限値に制限される。
 このトルク制限手段15は、バッテリ電力導 手段15a、バッテリ電力変化率導出手段15b、 転速度変化率導出手段15c、トルク制限判定 段15d、トルク制限値導出手段15eから構成さ ている。

1 バッテリ電力導出手段
 このバッテリ電力導出手段15aは、現状でバ テリ電力を導出する手段であり、本実施形 の場合、バッテリ電力は、一対の回転電機 関して、前記走行条件決定手段12により決 される走行条件(要求トルク及び要求回転速 )に従って、一方がモータとして他方が発電 機として働く場合に、バッテリから取り出さ れる電力(バッテリが供給する電力)である。

 このバッテリ電力は、以下にそれぞれ示 、モータ電力(式1)、発電機電力(式2)、昇圧 ンバータ損失及びコンデンサチャージ電力( 式3)の合算値として導出される。これらは全 推定値であり、以下に示す式に従って求め れるが、一部(モータ損失、発電機損失、昇 圧コンバータ損失)は、走行条件に応じて、 め求められているマップ等を利用して求め 。これら値を、予め経験的に求められてい 推定式に基づいて求めるものとしてもよい

 モータ電力〔W〕=モータ要求トルク×モー タ要求回転速度×2π/60+モータ損失:ここで、 ータ損失は経験値を使用する・・・・・・ 式1

 発電機電力〔W〕=発電機要求トルク×発電機 要求回転速度×2π/60+発電機損失:ここで、発 機損失は経験値を使用する・・・・・・・ 2
 これらの式でトルクの単位は〔Nm〕で、回 速度の単位は〔rpm〕である(以下同じ)。

 昇圧コンバータ損失は、本例のような電圧 換部4(昇圧部)を備える構成において、コン ータを挟んで電圧変換を行うことにより発 する損失である。
具体的には、図2のp1、p2間で発生する損失で る。この値も経験的に得られている値であ 、図4に、バッテリ電流〔A〕と昇圧コンバ タ損失〔W〕の関係を示した。従って、この 失は、バッテリ電流を得て、図4から、もし くは同図上掲の近似式に従って、その時点の 昇圧コンバータ損失を求めることができる。 近似式において、a1,a2,a3は予め定められてい 定数である。ここで、バッテリ電流は、先 示したバッテリ状態検出センサSe4により検 される電流を使用することができる。さら 、本願にあっては、バッテリ電力が経時的 逐次求められるため、その逐次求められた ッテリ電力で直前のバッテリ電力をバッテ 状態検出センサSe4により計測される現在の ッテリ電圧で除算して求めてもよい。

 コンデンサチャージ電力は、平滑用コン ンサ17(図2参照)の容量をC〔F〕、δtをタイム ステップとして、以下の式に基づいて求めら れる。

 コンデンサチャージ電力=
[C×(昇圧後電圧) 2 /2-C×(前回の昇圧後電圧) 2 /2]/δt・・式3

 従って、バッテリ電力は、以下の式となる
 バッテリ電力=
 モータ電力+発電機電力+昇圧コンバータ損 +コンデンサチャージ電力
                              ・・・式4

2 バッテリ電力変化率導出手段
 このバッテリ電力変化率導出手段15bは、現 のバッテリ電力と、単位タイムステップ前 バッテリ電力との差の絶対値をバッテリ電 変化率として求める。

3 回転速度変化率導出手段
 この回転速度変化率導出手段15cは、モータ して働いている回転電機に関し、現在の回 速度と、単位タイムステップ前の回転速度 の差の絶対値を回転速度変化率として求め 。

4 トルク制限判定手段
 このトルク制限判定手段15dは、トルク制限 行うか否かの判定を実行する手段である。 願にあっては、以下のいずれかの条件にお てトルク制限をかける。トルク制限を行わ い場合は、各回転電機は、要求トルク、要 回転速度で制御される。図5に、本願におけ るトルク制限の条件の概略を示した。
 本願にあっては、バッテリ電力が過大であ 場合(条件1)とバッテリ電力が急変している 合(条件2)とのいずれかの状態で、トルク制 をかける。

 条件1(過大時)
 図5の最も下側に示されている状況である、 現在のバッテリ電力が、バッテリ電力が過大 か否かを判定する過大時閾値より大きい過大 時に、無条件に、トルク制限手段がトルク制 限を実行する。
 バッテリ電力が、過大時閾値より小さい非 大時には、下記条件2の場合を除いて、トル ク制限を実行せず、モータとして働く回転電 機が、要求回転速度及び要求トルクに基づい て制御される。

 条件2(急変時)
 図5の上側3段に示されている状況である、 ッテリ電力が急変しているか否かを判定す 急変時閾値より大きい急変時に、バッテリ 力変化率の状況、或いはモータ回転速度変 率の状況を見て、いずれかの変化率がそれ れ設定される所定の値よりも大きい場合に ルク制限手段がトルク制限を実行する。
 バッテリ電力が、急変時閾値より小さい非 変時には、上記条件1の場合を除いて、トル ク制限を実行せず、モータとして働く回転電 機が、要求回転速度及び要求トルクに基づい て制御される。

 ここで、バッテリ電力変化率の状況とは、 ッテリ電力変化率が、バッテリ電力変化率 大きいか否かを判定するバッテリ電力急変 値より大きい場合に、バッテリ電力からみ 急変時に相当とするものである。
 一方、回転速度変化率の状況とは、回転速 変化率が、回転速度変化率が大きいか否か 判定する回転速度急変閾値より大きい場合 、回転速度からみて急変時に相当するとす ものである。

 そして、条件1と条件2との関係について 明すると、先に説明した過大時閾値は急変 閾値より大きく設定されている。

 以上の判定によりトルク制限を実行する場 は、トルク制限値導出手段15eが働き、その 点でのトルク制限値が求められる。
5 トルク制限値導出手段
 このトルク制限値に関しても、本願にあっ は、過大時のトルク制限値と、急変時のト ク制限値との別異のトルク制限値を求める うにシステムが構築されている。すなわち 図3に示すように、トルク制限値導出手段15e として、過大時トルク制限値導出手段15f、及 び急変時トルク制限値導出手段15fが備えられ ている。
 過大時トルク制限値導出手段
 過大時トルク制限値導出手段15fは、過大時 、当該過大時に許容できるバッテリ電力の 大値である過大時制限電力に基づいて、ト ク制限値を求める。この過大時制限電力は 実質的に、これまで説明してきたバッテリ 力について予め設定されている過大時閾値 同じ値とされている。
 具体的には、下記の式5で過大時のトルク制 限値が求められる。

 過大時トルク制限値〔Nm〕=
(過大時制限電力-発電機電力-モータ損失-昇 コンバータ損失-コンデンサチャージ電力)/[( 2π/60)×モータ回転速度]・・・・・・・・・ 5

 急変時トルク制限値導出手段
 急変時トルク制限値導出手段15gは、急変時 、当該急変時に許容できるバッテリ電力の 大値である急変時制限電力に基づいて、ト ク制限値を求める。この急変時制限電力は 実質的に、これまで説明してきたバッテリ 力について予め設定されている急変時閾値 同じ値とされている。
 具体的には、下記の式6で急変時のトルク制 限値が求められる。

 急変時トルク制限値〔Nm〕=
(急変時制限電力-発電機電力-モータ損失-昇 コンバータ損失-コンデンサチャージ電力)/[( 2π/60)×モータ回転速度]・・・・・・・・・ 6

 従って、過大時制限電力と急変時制限電力 の関係は、前者が後者より大きくなる。
 以上が、本願に係る回転電機制御システム 構成の説明である。
 以下、図6、図7、図8に基づいて、当該回転 機制御システムにおけるトルク制限に関し 説明する。

 図6は、本実施形態におけるトルク制限処理 のフローチャートである。
 トルク制限処理は、イグニッションキーのO N操作からOFF操作に到るまで常時、所定のタ ムステップで繰り返される。
 処理にあたっては、図6のフローチャートで 最上段に示されるように、発電機及びモータ に対する要求トルクが取り込まれるとともに 、発電機及びモータの回転速度が検出される (ステップ#1)。図6にあっては、要求トルクを ルク指令値として記載している。また、検 される回転速度(実回転速度)は要求回転速 に相応している。
 これらの情報を得た後、バッテリ電力導出 段15aは、その時点でのバッテリ電力を導出 る(ステップ#2)とともに、バッテリ電力変化 率導出手段15bが、バッテリ電力の変化率を導 出する(ステップ#3)。一方、逐次取り込まれ モータ回転速度から、回転速度変化率導出 段15cは、モータとして働く回転電機の回数 変化率を導出する(ステップ#4)。
 以上の処理を経て、その時点におけるバッ リ電力、バッテリ電力変化率、回転速度変 率が得られる。

 トルク制限判定手段15dは、以上のように て得られるバッテリ電力変化率及び回転速 変化率に基づいて、バッテリ電力変化率が ッテリ電力急変閾値以上か、回転速度変化 が回転速度急変閾値以上かの、いずれかの 件を満足するか否かを判定する(ステップ#5) 。このようにして、変化率の点からみた急変 の発生が判定される。そして、いずれかの条 件が満たされる場合(ステップ#5:yes)は、バッ リ電力が急変時閾値以上かが判定される(ス テップ#6)。従って、バッテリ電力の大きさか らみた急変の発生が判定される。そして、急 変の発生が確認された場合(ステップ#6:yes)は 急変時トルク制限値導出手段15gにより急変 トルク制限値が導出され(ステップ#7)、その 値に基づいたモータトルク制限が実行される (ステップ#8)。急変の発生が確認されない場 (ステップ#6:no)は、制限は行われることなく( ステップ#9)、要求トルク、要求回転速度でモ ータとして働く回転電機は運転される。

 上記バッテリ電力変化率及び回転速度変 率からみて、いずれかの条件も満たされな 場合(ステップ#5:no)は、バッテリ電力が過大 時閾値以上かが判定される(ステップ#10)。従 て、バッテリ電力の大きさからみた過大の 生が判定される。そして、過大の発生が確 された場合(ステップ#10:yes)は、過大時トル 制限値導出手段15fにより過大時トルク制限 が導出され(ステップ#11)、その値に基づい モータトルク制限が実行される(ステップ#8) 過大の発生が確認されない場合(ステップ#10 :no)は、制限は行われることなく(ステップ#9) 要求トルク、要求回転速度でモータとして く回転電機は運転される。

 以上がトルク制限処理の処理フローに関す 説明であるが、以下、図7、図8に基づいて 急変に基づいてトルク制限を行う場合、過 に基づくトルク制限を行う場合について説 する。
 図7、図8は、それぞれ、トルク制限を実行 た場合の状態を示している。ここで、図7は 急変が起こってトルク制限を実行している 態(これまで説明してきた急変時)を同図左 に、急変あるいは過大が起こらずトルク制 を行うことなく通常の運転状態が保たれて る状態(これまで説明してきた非急変時であ とともに、非過大時)を同図右側に示してい る。
 一方、図8は、急変が起こってトルク制限を 実行している状態を同図左側に、急変とは認 められないままにバッテリ電力が過大となっ た状態(これまで説明してきた過大時)に、ト ク制限を行っている状態を示している。

 図7、8において、横軸は時間であり、縦 は、下側から、図7にあっては、バッテリ電 急変フラグ、モータ回転速度急変フラグ、 ルク制限フラグ、モータ回転速度、バッテ 電力、急変時閾値(急変時の判定に使用する バッテリ電力の閾値)、モータトルク指令値 示している。ここで、このモータトルク指 値は、これまで説明してきたモータとして く回転電機に対する要求トルクに相当する 図8にあっては、バッテリ電力急変フラグ、 ータ回転速度急変フラグ、トルク制限フラ 、モータ回転速度、バッテリ電力、急変時 値、モータトルク指令値に加えて、過大時 値(過大時の判定に使用するバッテリ電力の 閾値)を示している。

 急変
 図7の左側には、モータ回転速度及びバッテ リ電力が急変し、モータ回転速度、バッテリ 電力が増加した状態を示している。図示する 状態にあっては、モータ回転速度が急変し、 バッテリ電力が急変時閾値を超えた状態で、 トルク制限がかけられる。従って、トルク制 限フラグが立つこととなる。トルク制限がか けられるとモータトルク指令値が順次低減さ れるが、モータ回転速度が減少に向かうに従 って、モータトルク指定値も上昇傾向に変化 する。そして、バッテリ電力の変化率からす ると、なお急変と判断される可能性があるが 、バッテリ電力が急変時閾値を下回ることで 、トルク制限が解消される。

 図7の右側には、モータ回転速度、バッテ リ電力が徐々に増加した状態を示している。 この状態では、バッテリ電力が急変時閾値を 超える状態でも、モータ回転速度及びバッテ リ電力の急変が認められないため、トルク制 限がかけられることはない。

 過大
 図8の左側には、図7と同様な状態を示し、 変に伴ってトルク制限がかかる状態を示し いる。モータ回転速度及びバッテリ電力が 変し、モータ回転速度、バッテリ電力が増 した状態を示している。

 図8の右側には、モータ回転速度及びバッ テリ電力が急変することなく、バッテリ電力 が過大となった状態を示している。図示する 状態にあっては、モータ回転速度が徐々に増 加し、バッテリ電力が過大時閾値を超えた状 態で、トルク制限がかけられる。従って、ト ルク制限フラグが立つこととなる。トルク制 限がかけられるとモータトルク指令値が順次 低減されるが、モータ回転速度が減少に向か うに従って、モータトルク指定値も上昇傾向 に変化する。そして、バッテリ電力が過大時 閾値を下回ることで、トルク制限が解消され る。

 以上のようにして、トルク制限を急変時 かけるのみならず、過大時にもかけること より、過電流の発生を防止することができ ようになった。さらに、急変時にあっても バッテリ電力自体の大きさに基づく判定を うとともに、モータとして働く回転電機の 転速度の変化率に基づいて判定をも行うこ とすることで、より一層の過電流防止を図 ことができるようになった。

〔別実施の形態〕
(1) 上記の実施形態にあっては、バッテリ電 の閾値として、それぞれ単一の急変時閾値 過大時閾値を使用する例を示した。しかし がら、各閾値にバッテリ電力が増加する状 で使用する上側の閾値と、バッテリ電力が 少する状態で使用する下側の閾値とを設け もよい。このように閾値を一対の値とする 的は、閾値にヒステリシスを持たせて制御 れ等を吸収することである。この構成を採 してトルク制限を実行した場合の状況を、 7に対応して図9に、図8に対応して図10に示 た。
 図9には、急変時閾値として、急変時閾値上 側および急変時閾値下側が設けられている。 この構成では、バッテリ電力の増加時には急 変時閾値上側を使用し、減少時には急変時閾 値下側を使用することで、制御遅れ等を吸収 でき、ハンチング等を起こし難い安定したト ルク制限を実現できる。
 図10には、急変時閾値に加えて、過大時閾 として、過大時閾値上側および過大時閾値 側が設けられている状態を示している。こ 構成では、バッテリ電力の増加時には過大 閾値上側を使用し、減少時には過大時閾値 側を使用することで、制御遅れ等を吸収で 、ハンチング等を起こし難い安定したトル 制限を実現できる。
(2) これまで説明してきた実施形態にあって 、エンジンと一対の回転電機とを備えたス リットタイプのハイブリッド駆動装置に関 て説明したが、本願は、回転電機を単一備 たハイブリッド駆動装置に採用可能である さらに、モータとして働く回転電機を備え 駆動装置(電動モータのみにより走行する走 行装置)にも適用可能である。
(3) 回転電機を単一備えたハイブリッド駆動 置の構成としては、図11に示す様々な構成 駆動装置に採用できる。同図はそれぞれ、 下の構造を示している。
(a)は、伝動下流側で車輪(図外)に連結される 段変速機CVTに、回転電機MGを連結しておき エンジンからの出力をクラッチCを介して変 機CVTに伝動可能とした構成を示している。
(b)は、(a)の構成において無断変速機を介する ことなく、直接車輪(図上タイヤと記載)に連 する構造を採用したものである。
(c)は、伝動下流側で車輪(図外)に連結される 段変速機CVTに、トルクコンバータTCを介し 回転電機MGを連結しておき、さらに、その回 転電機MGのロータ軸RXの伝動上手側にエンジ からの出力をクラッチCを介して連結可能と た構成を示している。
(d)は、(c)の構成において無断変速機を介する ことなく、直接車輪(図上タイヤと記載)に連 する構造を採用したものである。
(e)は、伝動下流側で車輪(図外)に連結される 速機TMの入力軸IXに遊星歯車機構PGを設け、 星歯車機構PGの一要素に、ダンパDAを介して エンジンからの動力が伝達されるとともに、 遊星歯車機構PGの他の要素に回転電機MGを連 しておき、回転電機MG単独での走行、エンジ ンと回転電機MGとの両方から駆動力を得ての 行を可能とした構成を示している。
(f)は、(e)の構成において変速機を介すること なく、直接車輪(図上タイヤと記載)に連結す 構造を採用したものである。

 このように、発電機として働く回転電機を えない駆動装置にあっては、これまで説明 てきた、各手段における導出式が下記のよ に変わることとなる。
1 バッテリ電力導出手段
 バッテリ電力導出手段15aは、この場合もバ テリ電力を導出する。
 バッテリ電力は、モータとして働く回転電 に関して、当該回転電機が、要求トルク、 求回転速度に従って働く状態で、バッテリ 供給することが必要となる電力であり、当 モータとして働く回転電機の要素のみが関 する。

 このバッテリ電力は、以下に示すモータ 力(式11)として導出される。

 モータ電力〔W〕=モータ要求トルク×モー タ要求回転速度×2π/60+モータ損失:ここで、 ータ損失は経験値を使用する・・・・・・ ・式11

 従って、バッテリ電力は、以下の式となる
 バッテリ電力=モータ電力・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・式12
 但し、このようにモータとして働く回転電 のみしかない場合は、下記の図12で示すよ に、バッテリ電流とバッテリ電圧の積とし 、その検出値から直接バッテリ電力を求め こともできる。この場合、発電機側は考慮 る必要がないためである。

2 バッテリ電力変化率導出手段
 このバッテリ電力変化率導出手段15bは、現 のバッテリ電力と、単位タイムステップ前 バッテリ電力との差の絶対値をバッテリ電 変化率として求める。従って、先に説明し ものと変わりはない。

3 回転速度変化率導出手段
 この回転速度変化率導出手段15cは、モータ して働いている回転電機に関し、現在の回 速度と、単位タイムステップ前の回転速度 の差の絶対値を回転速度変化率として求め 。従って、先に説明したものと変わりはな 。

4 トルク制限判定手段
 このトルク制限判定手段15dは、本願独特の 定の条件を満たした場合にトルクを制限を けるか否かを判定する手段である。
 条件1(過大時)
 図5の最も下側に示されている状況である、 バッテリ電力が、バッテリ電力が過大か否か を判定する過大時閾値より大きい過大時に、 無条件に、トルク制限手段がトルク制限を実 行する。
 バッテリ電力が、過大時閾値より小さい非 大時には、下記条件2の場合を除いて、トル ク制限を実行することはない。

 条件2(急変時)
 図5の上側3段に示されている状況である、 ッテリ電力が急変しているか否かを判定す 急変時閾値より大きい急変時に、バッテリ 力変化率の状況、或いはモータ回転速度変 率の状況を見て、いずれかの変化率がそれ れ設定される所定の値よりも大きい場合に ルク制限手段がトルク制限を実行する。
 バッテリ電力が、急変時閾値より小さい非 変時には、上記条件1の場合を除いて、トル ク制限を実行することはない。

 ここで、バッテリ電力変化率の状況とは、 ッテリ電力変化率が、バッテリ電力変化率 大きいか否かを判定するバッテリ電力急変 値より大きい場合に、バッテリ電力からみ 急変時に相当とするものである。
 一方、回転速度変化率の状況とは、回転速 変化率が、回転速度変化率が大きいか否か 判定する回転速度急変閾値より大きい場合 、回転速度からみて急変時に相当するとす ものである。従って、先に説明したものと わりはない。

 以上の判定によりトルク制限を実行する場 は、トルク制限値導出手段15eが働き、その 点でのトルク制限値が求められる。
5 トルク制限値導出手段
 過大時トルク制限値導出手段
 過大時トルク制限値導出手段15fは、過大時 、当該過大時に許容できるバッテリ電力の 大値である過大時制限電力に基づいて、ト ク制限値を求める。この過大時制限電力は 実質的に、これまで説明してきたバッテリ 力について予め設定されている過大時閾値 同じ値とされている。
 具体的には、下記の式13で過大時のトルク 限値が求められる。

 過大時トルク制限値〔Nm〕=
(過大時制限電力-モータ損失)/[(2π/60)×モータ 回転速度]・・式13

 急変時トルク制限値導出手段
 急変時トルク制限値導出手段15gは、急変時 、当該急変時に許容できるバッテリ電力の 大値である急変時制限電力に基づいて、ト ク制限値を求める。この急変時制限電力は 実質的に、これまで説明してきたバッテリ 力について予め設定されている急変時閾値 同じ値とされている。
 具体的には、下記の式14で急変時のトルク 限値が求められる。

 急変時トルク制限値〔Nm〕=
(急変時制限電力-モータ損失)/[(2π/60)×モータ 回転速度]・・式14

 以上が、本願に係る回転電機制御システム 構成の説明である。
 以下、図6に対応して、図12に基づいて、当 回転電機制御システムにおけるトルク制限 関して説明する。
 図12は、本実施形態におけるトルク制限処 のフローチャートである。
 トルク制限処理は、イグニッションキーのO N操作からOFF操作に到るまで常時、所定のタ ムステップで繰り返される。
 処理にあたっては、図12のフローチャート 最上段に示さえるように、バッテリ電圧と ッテリ電流及びモータ回転速度が検出され (ステップ#51)。
 これらの情報を得た後、バッテリ電力導出 段15aは、その時点でのバッテリ電力を導出 る(ステップ#52)とともに、バッテリ電力変 率導出手段15bが、バッテリ電力の変化率を 出する(ステップ#53)。一方、逐次取り込まれ るモータ回転速度から、回転速度変化率導出 手段15cは、モータとして働く回転電機の回数 数変化率を導出する(ステップ#54)。

 トルク制限判定手段15dは、以上のようにし 得られるバッテリ電力変化率及び回転速度 化率に基づいて、バッテリ電力変化率がバ テリ電力急変閾値以上か、回転速度変化率 回転速度急変閾値以上かの、いずれかの条 を満足するか否かを判定する(ステップ#55) このようにして、変化率の点からみた急変 発生が判定される。そして、いずれかの条 が満たされる場合(ステップ#55:yes)は、バッ リ電力が急変時閾値以上かが判定される(ス ップ#56)。従って、バッテリ電力の大きさか らみた急変の発生が判定される。
 そして、急変の発生が確認された場合(ステ ップ#56:yes)は、急変時トルク制限値導出手段1 5gにより急変時トルク制限値が導出され(ステ ップ#57)、その値に基づいたモータトルク制 が実行される(ステップ#58)。急変の発生が確 認されない場合(ステップ#56:no)は、制限は行 れることなく(ステップ#59)、要求トルク、 求回転速度でモータとして働く回転電機は 転される。

 上記バッテリ電力変化率及び回転速度変化 からみて、いずれかの条件も満たされない 合(ステップ#55:no)は、バッテリ電力が過大 閾値以上かが判定される(ステップ#60)。従っ て、バッテリ電力の大きさからみた過大の発 生が判定される。
 そして、過大の発生が確認された場合(ステ ップ#60:yes)は、過大時トルク制限値導出手段1 5fにより過大時トルク制限値が導出され(ステ ップ#61)、その値に基づいたモータトルク制 が実行される(ステップ#58)。過大の発生が確 認されない場合(ステップ#60:no)は、制限は行 れることなく(ステップ#59)、要求トルク、 求回転速度でモータとして働く回転電機は 転される。

 以上の構成を採用することにより、単一の ータとして働く回転電機を備えた駆動装置 おいて、バッテリに過電流が流れるのを良 に防止できる。
(4) これまで説明してきた実施形態にあって 、トルク制限値の導出に際しては、現時点 検出値を使用することとした。しかしなが 、サンプルタイムあるいは制御遅れを考慮 た場合、モータ回転速度の予測値や発電機 力の予測値を、トルク制限値導出手段によ トルク制限値の導出に採用することも好ま い形態である。この場合、モータ回転速度 測値、及び発電機電力予測値として以下の に基づいて導出される値を採用できる。

 モータ回転速度予測値=現在のモータ回転速 度+制御遅れ×モータ回転速度変化率
                          ・・ ・・・式21
 発電機電力予測値=現在の発電機電力+制御 れ×発電機電力変化率
                          ・・ ・・・式22

 このように予測値を採用する場合は、過 時トルク制限値及び急変時トルク制限値を 前掲の式5、式6に代えて以下の式に基づい 求めることができる。

 過大時トルク制限値〔Nm〕=
(過大時制限電力-発電機電力予測値-モータ損 失-昇圧コンバータ損失-コンデンサチ
ャージ電力)/[(2π/60)×モータ回転速度予測値] ・式23

 急変時トルク制限値〔Nm〕=
(急変時制限電力-発電機電力予測値-モータ損 失-昇圧コンバータ損失-コンデンサチ
ャージ電力)/[(2π/60)×モータ回転速度予測値] ・式24

 このように予測値を使用することで、さ に確度の高い制御を行える。

  バッテリからインバータを介して電力 供給を受け、モータとして働く回転電機に する回転電気制御システムを構築するに、 電流が流れることがなく、バッテリからイ バータまでの保護を確実に行える回転電機 御システムを得ることができた。また、共 のバッテリから電力の供給を受ける一対の 転電機を備え、一の回転電機が発電機とし 他の回転電機がモータとして働く形態のハ ブリッドシステムにおいて、過電流が流れ ことがなく、バッテリからインバータまで 保護を確実に行える回転電機制御システム 得ることができた。