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Patent Searching and Data


Title:
ROTATIONAL SPEED DETECTING DEVICE AND BEARING EDEVICE FOR WHEEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/093535
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a rotational speed detecting device capable of accurate speed detection and being produced at reduced cost, and a bearing device for a wheel, provided with the rotational speed detecting device. A rotational speed detecting device has an encoder mounted to the inner member side of a bearing structure section of a bearing device for a wheel, and also has a sensor forming section in which a core is fixed to the outer member side of the bearing structure section. The sensor forming section has the core fitted and fixed to an end of the outer member of the bearing structure section, a resin section attached to the core, and a rotational speed sensor embedded in the resin section and facing the magnetic encoder with an air gap in between. Substantially that entire portion of the core which corresponds to the resin section protrudes from the remaining portion of the core to that side of the outer member which makes pressure contact with the core.

Inventors:
YAMAMOTO KAZUNARI (JP)
FURUKAWA KATSUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050613
Publication Date:
July 30, 2009
Filing Date:
January 19, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
YAMAMOTO KAZUNARI (JP)
FURUKAWA KATSUMI (JP)
International Classes:
G01P3/487; B60B35/14; B60B35/18; F16C33/58; F16C41/00; G01P1/02
Foreign References:
JP2003254985A2003-09-10
JP2000221203A2000-08-11
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Hideyoshi et al. (15-26 Edobori 1-chome,Nishi-k, Osaka-shi Osaka 02, JP)
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Claims:
 車輪用軸受装置の軸受構造部の内方部材側に装着されるエンコーダと、軸受構造部の外方部材側に芯金が固定されるセンサ構成部とを備え、このセンサ構成部が、軸受構造部の外方部材の端部に圧入固定される芯金と、この芯金に付設される樹脂部と、この樹脂部に埋設されて前記磁気エンコーダにエアギャップを介して対峙する回転速度センサとを有するとともに、芯金における樹脂部対応部略全体が他の部位よりも外方部材の芯金圧接面側に突出していることを特徴とする回転速度検出装置。
 車輪用軸受装置の軸受構造部の内方部材側に装着されるエンコーダと、軸受構造部の外方部材側に芯金が固定されるセンサ構成部とを備え、軸受構造部の内輪側に装着される磁気エンコーダと、軸受構造部の外方部材側に装着されるセンサ構成部とを備え、このセンサ構成部が、軸受構造部の外方部材の端部に圧入固定される芯金と、この芯金に付設される樹脂部と、この樹脂部に埋設されて前記磁気エンコーダにエアギャップを介して対峙する回転速度センサとを有するとともに、芯金における樹脂部対応部のうちセンサ対応部が外方部材の芯金圧接面側に突出していることを特徴とする回転速度検出装置。
 外方部材の芯金圧接面側への突出部の突出量をAとしたときに、0mm<A<0.5mmとしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転速度検出装置。
 車輪用軸受装置の軸受構造部の内方部材側に装着されるエンコーダと、軸受構造部の外方部材側に芯金が固定されるセンサ構成部とを備え、前記芯金は外方部材の端部に圧入される円筒部を有し、この円筒部が圧入終端側から圧入始端側に向かって縮径することを特徴とする回転速度検出装置。
 前記芯金の圧入始端を、芯金の圧入終端よりも最大で0.5mm縮径させたことを特徴とする請求項4に記載の回転速度検出装置。
 前記車輪用軸受装置の軸受構造部において、芯金が圧入される外方部材の端部の外径端部に、テーパ面及び/又はアールにて構成した面取り部が形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の回転速度検出装置。
 前記テーパ面を圧入方向に対して5°~30°としたことを特徴とする請求項6の回転速度検出装置。
 複列の外側転走面を有する外方部材と、外方部材の外側転走面に対向する複列の内側転走面を有する内方部材と、外方部材の外側転走面と内方部材の転走面との間に転動自在に収容される転動体とを備えた車輪用軸受装置であって、前記請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の回転速度検出装置を備えたことを特徴とする車輪用軸受装置。
 内方部材はアウトボード側に車輪取付フランジを有するハブ輪を備え、外周に内側転走面を有する一対の内輪を、突合面同士を突き合わせた状態でハブ輪に装着したことを特徴とする請求項8に記載の車輪用軸受装置。
 内方部材は、外径面にアウトボード側の内側転走面を有するハブ輪を備え、このハブ輪の外径面のインボード側に小径段付部を形成し、この小径段付部にインボード側の内側転走面が形成される内輪を嵌合させたことを特徴とする請求項8に記載の車輪用軸受装置。
 アウトボード側に車輪取付フランジを有するハブ輪を備えるとともに、このハブ輪に、等速自在継手の外側継手部材の軸部が嵌入され、かつハブ輪の外径面に、外方部材のアウトボード側の外側転走面が対向するアウトボード側の内側転走面が形成されるとともに、等速自在継手の外側継手部材の外径面に、外方部材のインボード側の外側転走面が対向するインボード側の内側転走面が形成されたことを特徴とする請求項8に記載の車輪用軸受装置。
 前記センサ構成部を装着することによって、軸受構造部のインボード側の開口部を塞ぐシール部材の外方側に配置されるラビリンスシールを構成することを特徴とする請求項8~請求項11のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
 外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
 一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる円筒状の小径段付部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段付部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
 この内方部材および前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
 前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、
 前記ハブ輪に等速自在継手の外側継手部材が内嵌され、この外側継手部材の肩部が前記内方部材に衝合した状態で、当該外側継手部材が前記ハブ輪にトルク伝達可能に、かつ着脱可能にユニット化されると共に、
 前記外方部材のインナー側の端部に装着され、前記車輪の回転速度を検出する回転速度センサが配設されたセンサ構成部と、前記内輪に外嵌されて前記シールを構成するスリンガの側面に設けられ、前記回転速度センサに軸方向すきまを介して対峙されたエンコーダとからなる回転速度検出装置が内蔵された車輪用軸受装置において、
 前記センサ構成部が、前記外方部材のインナー側の端部に外嵌される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延び、前記外方部材の端面に密着される鍔部と、この鍔部からさらに径方向内方に延びる底部、およびこの底部から軸方向に延びる円筒部からなる円環状の芯金と、この芯金の前記鍔部から円筒部に亙る外表面の径方向外方の一箇所に一体に接合され、前記回転速度センサが包埋された樹脂部とを備え、前記内輪のインナー側の端部が前記外方部材の端面よりも突出して形成され、この端部の外周面と前記芯金の円筒部とが所定の径方向すきまを介して対峙されてラビリンスシールが構成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
 前記内方部材の内輪の端部の外径が、前記スリンガが圧入される外径よりも小径に形成されている請求項13に記載の車輪用軸受装置。
 前記ラビリンスシールの径方向すきまが2mm以下に設定されている請求項13または14に記載の車輪用軸受装置。
 前記ラビリンスシールの軸方向長さが2~10mmの範囲に設定されている請求項113~請求項15のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
 前記エンコーダが、エラストマに磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダで構成されると共に、前記芯金が非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑から形成されている請求項8~請求項16のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
 前記センサ構成部は、外方部材のインナー側の端部に圧入固定される芯金と、この芯金に付設される樹脂部とを備え、この樹脂部が、ガラスファイバーが添加された非磁性のポリフェニレンサルファイドで形成されている請求項8~請求項17のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
 前記樹脂部が、前記芯金の水平位置よりも径方向上部に配置され、この樹脂部の接線方向にハーネスが接続されている請求項8~請求項17のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
Description:
回転速度検出装置および車輪用 受装置

回転速度検出装置および回転速度検出装置 を備えた車輪用軸受装置に関する。

 車輪用軸受装置には、第1世代と称される 複列の転がり軸受を単独に使用する構造から 、外方部材に車体取付フランジを一体に有す る第2世代に進化し、さらに、車輪取付フラ ジを一体に有するハブ輪の外周に複列の転 り軸受の一方に内側転走面が一体に形成さ た第3世代、さらには、ハブ輪に等速自在継 が一体化され、この等速自在継手を構成す 外側継手部材の外周に複列の転がり軸受の 方の内側転走面が一体に形成された第4世代 のものまで開発されている。

 第3世代と呼ばれる車輪用軸受装置(例え 、特許文献1)は、図15に示すように、外径方 に延びるフランジ101を有するハブ輪102と、 のハブ輪102に外側継手部材103が固定される 速自在継手104と、ハブ輪102の外周側に配設 れる軸受構造100とを備える。

 等速自在継手104は、前記外側継手部材103 、この外側継手部材103の椀形部107内に配設 れる内側継手部材108と、この内側継手部材1 08と外側継手部材103との間に配設されるボー 109と、このボール109を保持する保持器110と 備える。また、内側継手部材108の中心孔の 周面にはスプライン部111が形成され、この 心孔に図示省略のシャフトの端部スプライ 部が挿入されて、内側継手部材108側のスプ イン部111とシャフト側のスプライン部とが 合される。

 また、ハブ輪102は、筒部113と前記フラン 101とを有し、フランジ101の外端面114(反継手 側の端面)には、図示省略のホイールおよび レーキロータが装着される短筒状のパイロ ト部115が突設されている。なお、パイロッ 部115は、大径の第1部115aと小径の第2部115bと らなり、第1部115aにブレーキロータが外嵌 れ、第2部115bにホイールが外嵌される。また 、ハブ輪102のフランジ101にはボルト装着孔112 が設けられて、ホイールおよびブレーキロー タをこのフランジ101に固定するためのハブボ ルトがこのボルト装着孔112に装着される。

 軸受構造100は、外方部材105と、筒部113の 形部107側端部に設けられた小径段付部116に 入される内輪117とを備える。そして、ハブ 102の筒部113の外周面のフランジ近傍には第1 内側軌道面118が設けられ、内輪117の外周面に 第2内側軌道面119が設けられている。

 外方部材105は、その内周に2列の外側軌道 面120、121が設けられると共に、その外周にフ ランジ(車体取付フランジ)132が設けられてい 。そして、外方部材105の第1外側軌道面120と ハブ輪102の第1内側軌道面118とが対向し、外 部材105の第2外側軌道面121と、内輪117の軌道 119とが対向し、これらの間に転動体122が介 される。

 ハブ輪102の筒部113に外側継手部材103の軸 123が挿入される。軸部123は、その反椀形部 端部にねじ部124が形成され、このねじ部124 椀形部107との間にスプライン部125が形成さ ている。また、ハブ輪102の筒部113の内周面( 内径面)にスプライン部126が形成され、この 部123がハブ輪102の筒部113に挿入された際に 、軸部123側のスプライン部125とハブ輪102側 スプライン部126とが係合する。

 そして、筒部113から突出した軸部123のね 部124にナット部材127が螺着され、ハブ輪102 外側継手部材103とが連結される。この際、 ット部材127の内端面(裏面)128と筒部113の外 面129とが当接するとともに、椀形部107の軸 側の端面130と内輪117の外端面131とが当接す 。すなわち、ナット部材127を締付けること よって、ハブ輪102が内輪117を介してナット 材127と椀形部107とで挟持される。

 ところで、自動車の車輪を懸架装置に対 て回転自在に支承するとともに、アンチロ クブレーキシステム(ABS)を制御し、車輪の 転速度を検出する回転速度検出装置を備え 車輪用軸受装置(特許文献1参照)が一般的に られている。

 回転速度検出装置は、図16に示すように 軸受構造100の外方部材105のインボード側の 部105aに装着される芯金150と、この芯金150に 設される樹脂モールド体151と、この樹脂モ ルド体151に埋設される回転速度センサ152と 備える。

 前記図16に示すような回転速度検出装置 は、芯金150は、外方部材105の端部105aの外径 に圧入される周壁156と、この周壁156のイン ード側の端部から内径方向に延びる側壁157 からなる断面L字状の円環状体である。そし て、この側壁157の一部に樹脂モールド体151が 付設されることになる。

 また、軸受構造のインボード側の開口部 塞ぐシール部材Sには、磁気エンコーダ153が 付設されている。すなわち、磁気エンコーダ 153は、内輪117のインボード側の端部に装着さ れる支持環154と、この支持環154に付設される エンコーダ本体155とからなる。エンコーダ本 体155は、周方向に交互にN、S極が形成された ム磁石からなる。なお、車両に組み付けた 態で車両の外側寄りとなる側をアウトボー 側(図面左側)と呼び、中央寄りをインボー 側(図面右側)と呼ぶ。

 回転速度センサ152は、ホール素子、磁気 抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて 特性を変化させる磁気検出素子と、この磁気 検出素子の出力波形を整える波形回路が組み 込まれたICとからなる。磁気エンコーダ153と 所定のエアギャップを介して対抗している

 特許文献1のような車輪用軸受装置は、車 両が旋回を繰り返すと、軸受への荷重も変化 するため、その荷重変化に伴って外方部材が 楕円変形を繰り返す。その結果、外方部材の 外径に嵌合されている芯金150が軸方向に抜け たり、周方向にずれたりして、ABSや車速検出 が誤動作する可能性がある。

 このため、ABSや車速検出の誤動作を防止 る方法が提案されている(特許文献2)。特許 献2に記載のものは、外方部材に溝を設けて 、この溝に芯金を加締めて固定するものであ る。

 回転速度センサ152の出力はハーネス162に って取り出され、図示しないABSの制御器に られる。このため、図18に示すように、ハ ネス162は、樹脂モールド体151に設けられた 出し口163を介して結線されると共に、取出 口163は、外側継手部材103の外周面の傾斜角β よりも大きく設定された傾斜角αに形成した のもある(特許文献3)。

 これにより、ハーネス162が垂れ下がって 側継手部材103と干渉するのを防止すること できるので、ハーネス162の垂れ下がりを止 るためのクリップが最小限で済むと共に、 ーネス162自体も過度に曲げる必要がなくな 、内部配線への悪影響を防止して信頼性を 段と向上させることができる。

 また、この図18に示すものでは、芯金150は 外方部材105に外嵌された円筒状の嵌合部150a 、この嵌合部150aから径方向内方に延びる鍔 部150bと、この鍔部150bから軸方向に延びる底 150cとからなる。このため、芯金150内端の内 縁、つまり底部150cの内端縁165は、外側継手 材103における肩部166の外周面と僅かな径方 すきまを介して対峙し、ラビリンスシール16 7を構成している。これにより、過酷な環境 なる実走時においても、エンコーダ153と回 速度センサ152の検出部との間に外部から磁 粉末等の異物が侵入するのを防止すること できる。したがって、車輪の回転速度検出 置の信頼性をさらに向上させることができ 。

特開2003-254985号公報

特開2006-177897号公報

特開2006-145418号公報

 ところで、図16に示すような回転速度検 装置を外方部材105に装着しようとすれば、 方部材105の端部105aの外径面に芯金150の周壁1 56を圧入することによって、側壁157を端部105a の端面158に当接(密着)させることになる。こ 場合、樹脂モールド体151において、圧入す 際の圧入力が直接的に付与されない。これ 、樹脂モールド体151に圧入力を直接的に付 することによって、樹脂モールド体151に傷 クラック、又は割れ等が生じるのを防止す ためである。

 しかしながら、樹脂モールド体151に圧入 を直接的に付与しなければ、側壁157を端部1 05aの端面158に密着させることができないおそ れがある。すなわち、芯金150の側壁157は平板 リング体であり、この平板リング体の周方向 一部に樹脂モールド体151が付設されたもので あり、樹脂モールド体151に圧入力を直接的に 付与しなければ、樹脂モールド体対応部以外 の他の部位を端部105aの端面158に密着させた しても、樹脂モールド体対応部が図17に示す ように、浮き上がって端面158との間に隙間160 が生じる場合がある。

 このように、隙間160が形成されれば、側 157を端部105aの端面158に密着させることがで きないことになる。このように密着しなけれ ば、樹脂モールド体151に埋設された回転速度 センサ152と、磁気エンコーダ153との間に形成 されるエアギャップが予め設定したギャップ と相違することになる。すなわち、側壁157が 外方部材105の端部105aの端面158に当接した状 を基準として、この端面158からの回転速度 ンサ152までの離間距離を決定することよっ エアギャップ量が設定される。このため、 脂モールド体対応部がこの端面158に当接し ければ、形成されるエアギャップが設定し エアギャップにならない。

 すなわち、回転速度センサ152と磁気エン ーダ153との間のエアギャップが設定値より 大きくなって、回転速度センサ152の出力特 にエラーが生じ、正確な回転速度を検出す ことができなくなる。

 また、前記特許文献2のような車輪用軸受 装置では、外方部材への溝加工により製造工 程が増加して外方部材の製造コストが増加し たり、芯金の加締加工を行うため、新規な設 備が必要となって加工コストが増大したりす るという問題がある。さらに、外方部材に圧 入嵌合する芯金円筒部は、通常外方部材と締 代をもって嵌合するが、芯金円筒の状態では 圧入後、芯金先端部が外径方向に開く場合が あり、外径方向に開けば、芯金先端がナック ル内径に干渉するおそれがあった。

 また、図18に示すような車輪用軸受装置 は、外側継手部材103の肩部166の外周面と、 金150の内縁とが対峙するラビリンスシール16 7であるため、ラビリンス効果を発揮する対 範囲が短く、充分なシール性能を得ること 難しかった。すなわち、このラビリンスシ ル167は、外方部材105に装着された芯金150と 側継手部材103の肩部166との間に構成されて るため、径方向のすきまを精度良く規定す ことが難しく、高いシール性能を得るには 界があった。

 本発明の第1の目的は、磁気エンコーダと 回転速度センサとの間のエアギャップの管理 を確実に行うことができて、正確な回転速度 を検出することが可能な回転速度検出装置及 びそれを備えた車輪用軸受装置を提供にある 。第2の目的は、芯金とナックル内径との干 を防止することができて、正確な速度検出 可能でしかも製造コストの低減をはかるこ が可能な回転速度検出装置及びそれを備え 車輪用軸受装置の提供にある。第3の目的は 軽量・コンパクト化を図ると共に、直接検 部に異物が侵入するのを防止して信頼性を 上させて正確な回転速度を検出することが 能な回転速度検出装置付き車輪用軸受装置 提供にある。

 本発明の第1の回転速度検出装置は、車輪 用軸受装置の軸受構造部の内方部材側に装着 されるエンコーダと、軸受構造部の外方部材 側に芯金が固定されるセンサ構成部とを備え 、このセンサ構成部が、軸受構造部の外方部 材の端部に圧入固定される芯金と、この芯金 に付設される樹脂部と、この樹脂部に埋設さ れて前記磁気エンコーダにエアギャップを介 して対峙する回転速度センサとを有するとと もに、芯金における樹脂部対応部略全体が他 の部位よりも外方部材の芯金圧接面側に突出 しているものである。

 本発明の第1の回転速度検出装置によれば 、芯金を外方部材の端部に圧入する際に、芯 金の他の部位に圧入力を直接的に付与するこ とによって、この他の部位を外方部材の芯金 圧接面に密接させることになる。この際、芯 金における樹脂部対応部全体が他の部位より も外方部材の芯金圧接面側に突出しているの で、他の部位を外方部材の芯金圧接面に密接 させようとすることによって、樹脂部に圧入 力を直接的に付与することなく、外方部材の 芯金圧接面側に突出している突出部(樹脂部 応部)を外方部材の芯金圧接面に密接させる とができる。

 本発明の第2の回転速度検出装置は、芯金 における樹脂部対応部のうちセンサ対応部が 外方部材の芯金圧接面側に突出している。こ の場合では、他の部位を外方部材の芯金圧接 面に密接させようとすることによって、樹脂 部に圧入力を付与することなく、樹脂部対応 部のうちセンサ対応部を外方部材の芯金圧接 面に密接させることができる。

 外方部材の芯金圧接面側への突出部の突 量をAとしたときに、0mm<A<0.5mmとするの 好ましい。

 第3の回転速度検出装置は、車輪用軸受装 置の軸受構造部の内方部材側に装着されるエ ンコーダと、軸受構造部の外方部材側に芯金 が固定されるセンサ構成部とを備え、前記芯 金は外方部材の端部に圧入される円筒部を有 し、この円筒部が圧入終端側から圧入始端側 に向かって縮径するものである。

 本発明の回転速度検出装置によれば、芯 の円筒部の圧入終端側から圧入始端側に向 って縮径するので、圧入始端側が小径とな て、この圧入始端側が外方部材の外径面に して内径側へ押圧するように圧接している このため、車両が旋回を繰り返して軸受へ 荷重が変化して、この荷重変化に伴って外 部材が楕円変形を繰り返しても、圧入始端 が外方部材の外径面より外径側に開かず、 金が軸方向に抜けたり、周方向にずれたり るのを防止できる。

 この際、前記芯金の圧入始端を、芯金の 入終端よりも最大で0.5mm縮径させることが きる。

 また、前記車輪用軸受装置の軸受構造部 おいて、芯金が圧入される外方部材の端部 外径端部に、テーパ面及び/又はアールにて 構成した面取り部が形成されているのが好ま しい。これにより、芯金装着時に際しては、 芯金はアール及び/又はテーパ面にガイドさ つつ装着することができる。そして、前記 ーパ面が圧入方向に対して5°~30°とされてい るのが好ましい。

 本発明の車輪用軸受装置は、複列の外側 走面を有する外方部材と、外方部材の外側 走面に対向する複列の内側転走面を有する 方部材と、外方部材の外側転走面と内方部 の転走面との間に転動自在に収容される転 体とを備えた車輪用軸受装置であって、前 した回転速度検出装置を備えたものである

 また、車輪用軸受装置として、内方部材 アウトボード側に車輪取付フランジを有す ハブ輪を備え、外周に内側転走面を有する 対の内輪を、突合面同士を突き合わせた状 でハブ輪に装着したものがある。

 車輪用軸受装置として、内方部材は、外 面にアウトボード側の内側転走面を有する ブ輪を備え、このハブ輪の外径面のインボ ド側に小径段付部を形成し、この小径段付 にインボード側の内側転走面が形成される 輪を嵌合させたものがある。

 車輪用軸受装置として、アウトボード側 車輪取付フランジを有するハブ輪を備える ともに、このハブ輪に、等速自在継手の外 継手部材の軸部が嵌入され、かつハブ輪の 径面に、外方部材のアウトボード側の外側 走面が対向するアウトボード側の内側転走 が形成されるとともに、等速自在継手の外 継手部材の外径面に、外方部材のインボー 側の外側転走面が対向するインボード側の 側転走面が形成されたものがある。

 すなわち、第1世代と称される複列の転が り軸受を単独に使用するものから、外方部材 に車体取付フランジを一体に有する第2世代 呼ばれるもの、車輪取付フランジを一体に するハブ輪の外周に複列の転がり軸受の一 に内側転走面が一体に形成された第3世代と ばれるものに採用することができ、さらに 等速自在継手を構成する外側継手部材の外 に複列の転がり軸受の他方の内側転走面が 体に形成された第4世代のものに採用するこ とができ、汎用性に優れる。

 前記各車輪用軸受装置では、前記センサ 成部を装着することによって、軸受構造部 インボード側の開口部を塞ぐシール部材の 方側に配置されるラビリンスシールを構成 ることができる。

 他の車輪用軸受装置は、外周にナックル 取り付けられるための車体取付フランジを 体に有し、内周に複列の外側転走面が一体 形成された外方部材と、一端部に車輪を取 付けるための車輪取付フランジを一体に有 、外周に軸方向に延びる円筒状の小径段付 が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の 径段付部に圧入された少なくとも一つの内 からなり、外周に前記複列の外側転走面に 向する複列の内側転走面が形成された内方 材と、この内方部材および前記外方部材の 転走面間に転動自在に収容された複列の転 体と、前記外方部材と内方部材との間に形 される環状空間の開口部に装着されたシー とを備え、前記ハブ輪に等速自在継手の外 継手部材が内嵌され、この外側継手部材の 部が前記内方部材に衝合した状態で、当該 側継手部材が前記ハブ輪にトルク伝達可能 、かつ着脱可能にユニット化されると共に 前記外方部材のインナー側の端部に装着さ 、前記車輪の回転速度を検出する回転速度 ンサが配設されたセンサ構成部と、前記内 に外嵌されて前記シールを構成するスリン の側面に設けられ、前記回転速度センサに 方向すきまを介して対峙されたエンコーダ からなる回転速度検出装置が内蔵された車 用軸受装置において、前記センサ構成部が 前記外方部材のインナー側の端部に外嵌さ る円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方 内方に延び、前記外方部材の端面に密着さ る鍔部と、この鍔部からさらに径方向内方 延びる底部、およびこの底部から軸方向に びる円筒部からなる円環状の芯金と、この 金の前記鍔部から円筒部に亙る外表面の径 向外方の一箇所に一体に接合され、前記回 速度センサが包埋された樹脂部とを備え、 記内輪のインナー側の端部が前記外方部材 端面よりも突出して形成され、この端部の 周面と前記芯金の円筒部とが所定の径方向 きまを介して対峙されてラビリンスシール 構成されているものである。

 前記他の本発明の車輪用軸受装置によれ 、精度良く径方向すきまが設定でき、充分 シール効果が発揮される。したがって、外 から直接検出部に異物が侵入するのを防止 て信頼性を向上させた回転速度検出装置付 の車輪用軸受装置を提供することができる

 前記ラビリンスシールの径方向すきまを2 mm以下に設定するのが好ましく、ラビリンス ールの軸方向長さが2~10mmの範囲に設定され いるのが好ましい。

 前記エンコーダが、エラストマに磁性体 が混入され、周方向に交互に磁極N、Sが着 された磁気エンコーダで構成されると共に 前記芯金が非磁性体のオーステナイト系ス ンレス鋼鈑から形成されているのが好まし 。

 前記センサ構成部は、外方部材のインナ 側の端部に圧入固定される芯金と、この芯 に付設される樹脂部とを備え、この樹脂部 、ガラスファイバーが添加された非磁性の リフェニレンサルファイドで形成されてい のが好ましい。

 また、前記樹脂部が、前記芯金の水平位 よりも径方向上部に配置され、この樹脂部 接線方向にハーネスが接続されているのが ましい。

 本発明の第1及び第2の回転速度検出装置 よれば、樹脂部に圧入力を付与することな 、芯金圧接面側に突出している突出部を外 部材の芯金圧接面に密接させることができ 。このため、樹脂部に埋設された回転速度 ンサと、磁気エンコーダとの間のエアギャ プの管理を確実に行うことができて、正確 回転速度を検出することができる。しかも 樹脂部に圧入力を付与しないので、樹脂部 外力が作用せず、樹脂部に、傷、クラック 又は割れ等が生じるのを防止することがで る。

 また、外方部材の芯金圧接面側への突出 の突出量をAとしたときに、0mm<A<0.5mmと れば、芯金突出部の外方部材の芯金圧接面 の密接性の向上を図ることができる。すな ち、0mm<A<0.5mmとすることによって、芯 を外方部材の端部に圧入する際、樹脂部対 部ではない他の部位に対して圧入力を加え 行けば、突出して樹脂部対応部がまず外方 材の芯金圧接面に当接することになり、所 のエアギャップを安定して確保できる。Aが0 であれば、突出部を確保できず、Aが0.5mmを越 えれば、突出部の突出量が大きくなって、安 定した圧入力を得ることができる圧入量を芯 金が確保できなくなる。

 本発明の第3の回転速度検出装置では、芯 金が外径方向に開くのを防止できるため、芯 金とナックル内径との干渉を防止することが でき、しかも外方部材に強固に固定すること ができる。さらに、簡単な構成で芯金を外方 部材に固定することができて、製造コストの 低減を図ることができる。

 前記芯金の圧入始端側の内径を、芯金の 入終端側の内径よりも最大で0.5mm小さくす ことにより、芯金を外方部材に対して安定 て固定することができるとともに、芯金と ックル内径との干渉を効果的に防止するこ ができる。

 芯金が外径方向に開くのを防止できるた 、芯金とナックル内径との干渉を防止する とができ、しかも外方部材に強固に固定す ことができる。これにより、車輪用軸受装 としての機能を長期にわたって安定して発 することができる。さらに、簡単な構成で 金を外方部材に固定することができて、製 コストの低減を図ることができる。

 芯金装着時に際しては、芯金はアールや ーパ面にガイドされつつ装着することがで るため、芯金を外方部材に容易に装着する とができる。

 ラビリンスシールを構成することによっ 、シール部材のシール機能に加え、このラ リンスシールによって、一層高精度のシー 機能を発揮することができる。

 本発明の他の車輪用軸受装置では、精度 く径方向すきまが設定でき、充分なシール 果が発揮される。したがって、外部から直 検出部に異物が侵入するのを防止して信頼 を向上させた回転速度検出装置付き車輪用 受装置を提供することができる。

 また、ラビリンスシールの径方向すきま 2mm以下に設定されていれば、シール性能を 上させることができる。前記ラビリンスシ ルの軸方向長さが2~10mmの範囲に設定されて れば、一層効果的にシール性能を向上させ ことができる。エンコーダが、エラストマ 磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極N 、Sが着磁された磁気エンコーダで構成され と共に、前記芯金が非磁性体のオーステナ ト系ステンレス鋼鈑から形成されていれば 回転速度センサの感知性能に悪影響を及ぼ ず、正確な検出精度を確保することができ 。また、樹脂部が、ガラスファイバーが添 された非磁性のポリフェニレンサルファイ で形成されていれば、回転速度センサの感 性能に悪影響を及ぼさず、また、耐食性に れ、長期間に亘って強度・耐久性を向上さ ることができる。

 さらに、前記樹脂部が芯金の水平位置よ も径方向上部に配置され、この樹脂部の接 方向にハーネスが接続されていれば、ハー ス自体の長さが必要以上に長くなることが く、ナックルを外径側へ取り出し易くなっ 組立の作業性が向上する。

本発明の第1実施形態を示す車輪用軸受 装置の断面図である。 前記車輪用軸受装置の側面図である。 前記車輪用軸受装置の要部拡大断面図 ある。 前記車輪用軸受装置の回転速度検出装 の簡略図である。 前記車輪用軸受装置の回転速度検出装 置を示し、第1変形例の簡略図である。 前記車輪用軸受装置の回転速度検出装 置を示し、第2変形例の簡略図である。 前記車輪用軸受装置の回転速度検出装 置を示し、第3変形例の簡略図である。 本発明の第2実施形態を示す車輪用軸受 装置の要部拡大断面図である。 前記図6に示す車輪用軸受装置に用いる 回転速度検出装置の芯金の拡大断面図である 。 前記図6に示す車輪用軸受装置の変形例 を示す要部拡大断面図である。 前記図6に示す車輪用軸受装置の他の変 形例を示す要部拡大断面図である。 本発明の第3実施形態を示す車輪用軸 装置の要部拡大断面図である。 前記図10に示す車輪用軸受装置の要部 大断面図である。 本発明の第4実施形態を示す車輪用軸 装置の要部拡大断面図である。 本発明の第5実施形態を示す車輪用軸 装置の要部拡大断面図である。 本発明の第6実施形態を示す車輪用軸 装置の要部拡大断面図である。 従来の車輪用軸受装置の縦断面図であ る。 従来の回転速度検出装置の断面図であ る。 従来の回転速度検出装置の簡略断面図 である。 従来の他の回転速度検出装置の断面図 である。

符号の説明

1     ハブ輪
3     等速自在継手
21   車輪取付フランジ
23   小径段付部
24   内輪
24A,24B       内輪
24Aa24Ba     突合面
25   外方部材
26,27    外側転走面
28,29    内側転走面
30   転動体
35   内方部材
60   回転速度検出装置
61   磁気エンコーダ
62   センサ構成部
63   芯金
63a 短円筒部
63b 側壁
63c 円筒部
64   樹脂部
65   回転速度センサ
68   樹脂部対応部
69   芯金圧接面
70   面取り部
71   芯金突出部
76   テーパ面
77   アール
80   ラビリンスシール
81   圧入始端
82   圧入終端
S     シール部材
S1   シール部材
S2   シール部材

 以下本発明の実施の形態を図1~図14に基づ いて説明する。図1に第1実施形態の回転速度 出装置60を備えた車輪用軸受装置を示し、 の車輪用軸受装置は、ハブ輪1と、複列の転 り軸受(軸受構造部)2と、等速自在継手3とが 一体化されてなる。

 等速自在継手3は、外側継手部材としての 外輪5と、外輪5の内側に配された内側継手部 としての内輪6と、外輪5と内輪6との間に介 してトルクを伝達する複数のボール7と、外 輪5と内輪6との間に介在してボール7を保持す るケージ8とを主要な部材として構成される 内輪6はその軸孔内径6aに図示省略のシャフ の端部を圧入することによりスプライン嵌 してシャフトとトルク伝達可能に結合され いる。

 外輪5はマウス部11とステム部(軸部)12とから なり、マウス部11は一端にて開口した椀状で その内球面13に、軸方向に延びた複数のト ック溝14が円周方向等間
隔に形成されている。そのトラック溝14はマ ス部11の開口端まで延びている。内輪6は、 の外球面15に、軸方向に延びた複数のトラ ク溝16が円周方向等間隔に形成されている。

 外輪5のトラック溝14と内輪6のトラック溝 16とは対をなし、各対のトラック溝14,16で構 されるボールトラックに1個ずつ、トルク伝 要素としてのボール7が転動可能に組み込ん である。ボール7は外輪5のトラック溝14と内 6のトラック溝16との間に介在してトルクを 達する。この場合の等速自在継手は、ツェ ー型を示しているが、各トラック溝の溝底 直線状のストレート部を有するアンダーカ トフリー型等の他の等速自在継手であって よい。

 転がり軸受(軸受構造部)2は、複列の外側 走面26、27を有する外方部材25と、外方部材2 5の外側転走面26、27に対向する複列の内側転 面28,29を有する内方部材35と、外方部材25の 側転走面26、27と内方部材35の転走面28,29と 間に転動自在に収容される転動体30とを備え ている。外方部材25は、例えば、53C等の炭素0 .40~0.80wt%を含む中高炭素鋼からなる。また、 方部材25の外側転走面26、27は、高周波焼入 等によって、表面硬さが58HRC~64HRCの範囲に 化処理が施されている。

 この場合の内方部材35は、アウトボード に車輪取付フランジ21を有する前記ハブ輪1 、このハブ輪1のインボード側に設けられた 径段付部23に装着された内輪24とを備える。 ハブ輪1は、筒部20と、筒部20の反継手側の端 に設けられるフランジ21とを有する。ハブ 1のアウトボード側の端面に図示省略のホイ ルおよびブレーキロータが装着される短筒 のパイロット部45が突設されている。なお パイロット部45は、大径の第1部45aと小径の 2部45bとからなり、第1部45aにブレーキロータ が外嵌され、第2部45bにホイールが外嵌され 。ハブ輪1のフランジ21にはボルト装着孔32が 設けられて、ホイールおよびブレーキロータ をこのフランジ21に固定するためのハブボル 33がボルト装着孔32に装着される。車両に組 み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をア ウトボード側(図面左側)と呼び、中央寄りを ンボード側(図面右側)と呼ぶ。

 また、ハブ輪1の筒部20の内周面(内径面) 等速自在継手3の外輪5の軸部12が挿入される 軸部12は、そのアウトボード側の端部にね 部40が形成され、軸部12の外周にスプライン 41が形成されている。また、ハブ輪1の筒部2 0の内周面(内径面)にスプライン部42が形成さ 、この軸部12がハブ輪1の筒部20に挿入され 際には、軸部12側のスプライン部41とハブ輪1 側のスプライン部42とが係合する。

 筒部20の外径面に外方部材25の外側転走面 26に対応する内側転走面28が形成され、内輪24 の外径面に外方部材25の外側転走面27に対応 る内側転走面29が形成されている。そして、 外方部材25の外側転走面26と筒部20の内側転走 面28との間、外方部材25の外側転走面27と内輪 24の内側転走面29との間に、保持器31にて保持 された転動体30が転動自在に収容される。

 ハブ輪1は53C等の炭素0.40~0.80wt%を含む中高 炭素鋼からなり、内側転走面29をはじめ、後 するシール部材S1のシールランド部となる 輪取付フランジ21のインナー側の基部91から 径段付部23に亙って高周波焼入れによって 面硬さを58~64HRCの範囲に硬化処理が施されて いる。これにより、基部91の耐摩耗性が向上 るばかりでなく、内輪24の嵌合面となる小 段付部23のフレッティングが抑制されると共 に、車輪取付フランジ21に負荷される回転曲 荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハ 輪1の耐久性が向上する。なお、内輪24およ 転動体30はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼から り、ズブ焼入れによって芯部まで58~64HRCの 囲に硬化処理が施されている。

 外方部材25の外径面にはねじ孔50aを有す 車体取付用フランジ50が設けられ、この車体 取付用フランジ50よりもインボード側の外径 が、図示省略のナックルに所定のすきま嵌 されるナックルパイロット部25aとなる。

 転がり軸受2の両開口部にはリップシール からなるシール部材S1、S2が装着されている これによって、軸受内部に封入された潤滑 リースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水 ダスト等が侵入するのを防止している。ア トボード側のシール部材S1は、補強環51と、 の補強環51に付設されるリップ部52とを備え る。リップ部52は、ラジアルリップ52aとサイ リップ52bとを備える。

 また、インボード側のシール部材S2は、 3に示すように、断面L字状のシール板53、54 、一方のシール板53に付設されるシール部55 を備える。すなわち、シール板53は、円筒 53aと、この円筒部53aのアウトボード側の端 から内径側に延びる側壁部53bとからなり、 筒部53aが外方部材25の内径面のインボード側 の端部に嵌着されている。シール板(スリン )54は、円筒部54aと、この円筒部54aのインボ ド側の端部から外径側に延びる側壁部54bと らなり、円筒部54aが内輪24の外径面に嵌着さ れている。シール部55は、ラジアルリップ55a サイドリップ55bとを備える。

 シール板53は、オーステナイト系ステン ス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは防錆処 理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)から プレス加工にて断面略L字状に形成されてい 。シール部55は合成ゴム等の弾性部材からな る。また、スリンガ54は、強磁性体の鋼鈑、 えば、フェライト系のステンレス鋼鈑(JIS規 格のSUS430系等)や防錆処理された冷間圧延鋼 (JIS規格のSPCC系等)からプレス加工によって 面略L字状に形成されている。そして、シー 部55のサイドリップ55bが側壁部54bに摺接さ ると共に、シール部55のラジアルリップ55aが 円筒部54aに摺接されている。

 次にこの車輪用軸受装置の組立方法を説 する。軸部12をハブ輪1の筒部20に挿入して 軸部12側のスプライン部41とハブ輪1側のスプ ライン部42とを係合させる。この状態で、ハ 輪1の筒部20からアウトボード側へ突出した じ部40にナット部材43を螺着する。

 これによって、ナット部材43の座部43aが ブ輪1のアウトボード側の端面に当接すると もに、マウス部11のバック面11aが内輪24の端 面24bに当接する。このため、内輪24の端面24a 小径段付部23の端面23aに当接し、複列の転 り軸受(軸受構造部)2に予圧を付与すること できる。

 ところで、この車輪用軸受装置に付設さ る回転速度検出装置60は、複列の転がり軸 (軸受構造部)2の内輪24側に装着される磁気エ ンコーダ61と、複列の転がり軸受(軸受構造部 )2の外方部材25側に装着されるセンサ構成部62 とを備える。

 磁気エンコーダ61は、例えば、ゴム等の ラストマにフェライト等の磁性体粉を混入 せたものにて構成されたゴム磁石からなり シール部材S2のシール板54の側壁部54bの外面 付設されている。すなわち、磁気エンコー 61は加硫接着等によってシール板54の側壁部 54bに一体に接合されている。磁気エンコーダ 61は、周方向に交互にN、S極が形成されてい 。

 センサ構成部62は、複列の転がり軸受(軸 構造部)2の外方部材25の端部に圧入固定され る芯金63と、この芯金63に付設される樹脂部64 と、この樹脂部64に埋設されて前記磁気エン ーダにエアギャップを介して対峙する回転 度センサ65とを有する。

 芯金63は、短円筒部63aと、この短円筒部63 aのインボード側の端部から内径方向に延び リング状の側壁63bとからなる。また、側壁63 bは、外径部66と内径部67とを有し、内径部67 外径部66よりもインボード側に配置される。 この芯金63は、耐食性を有する非磁性体の鋼 、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼 (JIS規格のSUS304系等)等のステンレス鋼板を レス加工にて形成されている。これにより 後述する回転速度センサ65の感知性能に悪影 響を及ぼさず、また、芯金63の発錆を抑えて 期間に亘って信頼性を維持させた回転速度 出装置付き車輪用軸受装置を提供すること できる。なお、芯金63は前述した材質以外 防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCCな ど)を例示することができる。

 樹脂部64は断面正方形状のブロック体か なり、図2に示すように、側壁63bの周方向一 に設けられる。樹脂部64は、ポリフェニレ サルファイド(PPS)等の非磁性の特殊エーテル 系合成樹脂材から射出成形によって形成され 、さらにGF(ガラスファイバー)等の強化材が 加されている。これにより、回転速度セン 65の感知性能に悪影響を及ぼさず、また、耐 食性に優れ、長期間に亘って強度・耐久性を 向上させることができる。なお、樹脂部64は 述した材質以外にPA(ポリアミド)66、PPA(ポリ フタルアミド)、PBT(ポリブチレンテレフタレ ト)等の射出成形可能な合成樹脂を例示する ことができる。

 回転速度センサ65は、ホール素子、磁気 抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて 性を変化させる磁気検出素子と、この磁気 出素子の出力波形を整える波形回路が組み まれたICとからなる。また、樹脂部64からは 、回転速度センサ65からの信号を図示省略の 御手段に送るハーネス75が引き出されてい 。

 この場合、図4(芯金63と樹脂部64とを簡略 した図)に示すように、芯金63における樹脂 対応部68略全体が他の部位よりも外方部材25 の芯金圧接面側に突出している。すなわち、 樹脂部64が装着される芯金63の一部をアウト ード側へ膨出させて突出部71を形成している 。この場合、芯金63のインボード側の端面に 窪72を形成することによって、この突出部71 を構成することができる。突出部71の突出量 Aとしたときに、0mm<A<0.5mmとする。なお 突出部71が設けられる部位としては、この 合、側壁63bの外径部66である。

 前記のように構成された回転速度検出装 60では、車輪(図示省略)の回転に伴って内輪 24と共に磁気エンコーダ61が回転すると、磁 エンコーダ61に対向すると回転速度センサ65 出力が変化する。この回転速度センサ65の 力が変化する周波数は車輪の回転速度に比 するため、回転速度センサ65の出力信号がハ ーネス75を介して図示省略の制御手段に入力 れることによって、ABSを制御することにな 。

 このため、高精度の制御を行うためには 磁気エンコーダ61と回転速度センサ65とは所 定のエアギャップを介して対峙する必要があ る。したがって、芯金63を外方部材25のイン ード側の端部に圧入した際には、図3に示す うに、芯金63の外径部66が、外方部材25の芯 圧接面69に当接させることによって、エア ャップを規定することができる。

 しかしながら、圧入する際には、樹脂部6 4に傷、クラック、又は割れ等が生じるのを 止するために、樹脂部64に押圧力を付与でき ない。このため、芯金63の樹脂部対応部68以 の他の部位を外方部材25の芯金圧接面69に当 させたとしても、芯金63の樹脂部対応部68が 浮き上がって外方部材25の芯金圧接面69に当 しない状態となり、形成されるエアギャッ が予め設定されたエアギャップよりも大き なる場合がある。

 そこで、本発明では、芯金63における樹 部対応部68略全体が他の部位よりも外方部材 25の芯金圧接面69側に突出している。これに って、樹脂部64に圧入力を直接的に付与しな くても、芯金63の樹脂部対応部68が外方部材25 の芯金圧接面69に当接した状態となって、形 されるエアギャップが所定のエアギャップ なるように設定している。

 シール部材S2と回転速度検出装置60のセン サ構成部62とは、シール部材S2よりもインボ ド側においてラビリンスシール80を構成して いる。すなわち、磁気エンコーダ61と、芯金6 3とが微小隙間をもって対向することになっ 、ラビリンスシール79を構成することができ る。また、芯金63の内径部67とマウス部11との 間でもラビリンスシール80を構成することも きる。

 本発明では、樹脂部64に圧入力を直接的 付与することなく、外方部材25の芯金圧接面 69側に突出している突出部71を外方部材25の芯 金圧接面69に密接させることができる。この め、樹脂部64に埋設された回転速度センサ65 と、磁気エンコーダ61との間のエアギャップ 管理を確実に行うことができて、正確な回 速度を検出することができる。しかも、樹 部64に圧入力を付与しないので、樹脂部64に 外力が作用せず、樹脂部64に、傷、クラック 又は割れ等が生じるのを防止することがで る。

 また、外方部材25の芯金圧接面69側への突 出部71の突出量をAとしたときに、0mm<A<0.5 mmとすれば、芯金突出部71の外方部材25の芯金 圧接面69への密接性の向上を図ることができ 。すなわち、0mm<A<0.5mmとすることによ て、芯金を外方部材25の端部に圧入する際、 樹脂部対応部68ではない他の部位に対して圧 力を加えて行けば、突出して樹脂部対応部6 8がまず外方部材25の芯金圧接面に当接するこ とになり、所定のエアギャップを安定して確 保できる。Aが0であれば、突出部を確保でき 、Aが0.5mmを越えれば、突出部の突出量が大 くなって、安定した圧入力を得ることがで る圧入量を芯金が確保できなくなる。

 さらに、ラビリンスシール79、80を構成す ることによって、シール部材S2のシール機能 加え、このラビリンスシール79、80によって 、一層高精度のシール機能を発揮することが できる。

 図4では、樹脂部64を、芯金63の凹窪72より も大きい本体部64aと、凹窪72に嵌合する凸隆 64bとを備えたものであったが、図5Aに示す うに、樹脂部64を芯金63の凹窪72よりも小さ 本体部64aと、凹窪72の開口側傾斜部72aに嵌合 する外鍔部64cとを備えたものであってもよい 。

 また、芯金63に設けられる突出部71として は、図5Bに示すように、回転速度センサ65に 応する部位のみに設けてもよい。この場合 芯金63のインボード側の端面に小凹窪部73を 成することによって、この突出部71を構成 ることができる。このため、樹脂部64は、本 体部64aと、小凹窪部73に嵌合する小凸隆部64d を備えたものである。

 図5Cに示すように、小凹窪部73に加えて、 樹脂部対応部68における他の部位に他の小凹 部73a、73bを設けたものであってもよい。な 、図5Bと図5Cのように、回転速度センサ65に 応する部位とは、外径側から内径側を見た 合に、その径方向に一致する部位である。

 このように、芯金63の樹脂部対応部68のう ちセンサ対応部が外方部材25の芯金圧接面69 に突出するようにした場合であっても、安 してエアギャップを設定値とすることがで る。

 回転速度検出装置の第2実施形態として、 図7に示すように、前記芯金63の円筒部(短円 部)63aが圧入終端側から圧入始端側に向かっ 縮径している。この場合、圧入始端81側を 入終端82側よりも最大で0.5mm縮径させている すなわち、始端半径をR1とし、終端半径をR2 として、R1とR2との差δを最大で0.5mmとしてい 。

 図6に示すように、外方部材25の端部の外 端部に面取り部70を設け、この面取り部70を テーパ面76及びアール77にて構成している。 れにより、芯金63を外方部材25に装着する際 面取り部70が芯金63をガイドすることができ る。なお、テーパ面76の傾斜角αを、圧入方 に対して5°~30°とするのが好ましい。αが5° 満であると、テーパ面76と外方部材25の外径 面との境界部において傾斜がほとんどなくな る。この場合、テーパ面76が長いと芯金63の 入代が小さくなり、芯金63を外方部材25に強 に固定することができず、テーパ面76が短 と面取り部70がほとんどなくなって、芯金63 ガイドする機能を発揮することができない また、30°を超えると、テーパ面76と外方部 25の外径面との境界部において傾斜が大き なって、芯金63を圧入する際、芯金63の先端 (圧入始端81側)がテーパ面76に当接し、芯金6 3を容易に圧入することができない。

 R1とR2との差δが0.5mmを超えると、圧入始 81側と圧入終端82側との差が大となって、圧 始端81側が小径となりすぎて面取り70で芯金 63をガイドできなくなり、芯金63の圧入性が くなったりする。なお、図7の仮想線は、短 筒部63aが縮径していない芯金63を示してお 、圧入始端81側の内径面の径と圧入終端82側 内径面の径とが略同一のものである。

 本発明では、芯金63の短円筒部63aの圧入 端82側から圧入始端81側に向かって縮径する で、圧入始端81側が小径となって、この圧 始端81側が外方部材25の外径面に対して内径 へ押圧するように圧接している。このため 車両が旋回を繰り返して軸受への荷重が変 して、この荷重変化に伴って外方部材25が 円変形を繰り返しても、圧入始端81側が外方 部材25の外径面より外径側に開かず、芯金63 軸方向に抜けたり、周方向にずれたりする を防止できる。これにより、芯金63とナック ル内径との干渉を防止することができ、しか も外方部材25に強固に固定することができる これにより、車輪用軸受装置としての機能 長期にわたって安定して発揮することがで る。さらに、簡単な構成で芯金63を外方部 25に固定することができて、製造コストの低 減を図ることができる。

 前記芯金63の圧入始端81側の内径を、芯金 の圧入終端82側の内径よりも最大で0.5mm小さ することにより、芯金63を外方部材25に対し 安定して固定することができるとともに、 金63とナックル内径との干渉を効果的に防 することができる。

 外方部材25の端部の外径端部に面取り部70 を設け、この面取り部70をテーパ面76及びア ル77にて構成し、前記テーパ面76を圧入方向 対して5°~30°としているので、芯金装着時 際しては、芯金63はアール77やテーパ面76に イドされつつ装着することができるため、 金を外方部材25に容易に装着することができ る。

 前記実施形態では、外方部材25の面取り 70をテーパ面76及びアール77にて構成したが 図8に示すように、面取り部70を、アール77の みにて構成することができる。また、図9に すように、面取り部70を、テーパ面76のみに 構成することができる。

 次に図10と図11に示す車輪用軸受装置では 、ラビリンスシール80の軸方向長さを長くし ものである。すなわち、内輪24のインボー 側の端部36が外方部材25の端面37よりも突出 て形成されている。また、芯金63には、その 側壁63bの内径部67の内径端に軸方向に延びる 筒部63cが形成されている。この場合の芯金6 3は、外方部材25のインナー側の端部に外嵌さ れる円筒状の嵌合部(短円筒部)63aと、この嵌 部63aから径方向内方に延びる側壁63bと、側 63bに内径端から軸方向に延びる円筒部63cと らなる。側壁63bは、外方部材25の端面37に密 着される鍔部(外径部)66と、この鍔部66からさ らに径方向内方に延びる底部(内径部)67とを する。このため、内輪24のインボード側の端 部36の外径面85と、芯金63の円筒部63cの内径面 86とが所定の径方向すきまを介して対峙され ラビリンスシール80が構成されている。

 これにより、ラビリンス効果を発揮して ール性能を向上させることができる。なお 芯金63と内輪24の端部36との径方向すきまは2 .0mm以下、好ましくは、0.5~1.5mmの範囲に設定 れている。また、ラビリンスシール80の軸方 向長さが2~10mmの範囲に設定されている。この ように本実施形態では、外方部材25に圧入さ た芯金63と、内輪24との間に所望の軸方向長 さを有するラビリンスシール80が構成されて るので、精度良く径方向すきまが設定でき 充分なシール効果が発揮される。したがっ 、外部から直接検出部に異物が侵入するの 防止して信頼性を向上させた回転速度検出 置付き車輪用軸受装置を提供することがで る。

 図10と図11に示す車輪用軸受装置の他の構 成は、図1に示す車輪用軸受装置と同様であ 、同一部材は同一符号を附してそれらの説 を省略する。なお、樹脂部64の断面形状は、 芯金63の円筒部63cに対応する突出部64eが設け れている。

 次に図12に示す車輪用軸受装置は、小径 付部23の端部を径方向外方に塑性変形させて 形成した加締部90によって所定の軸受予圧が 与された状態で、ハブ輪1に対して内輪24が 方向に固定されている。ハブ輪1はS53C等の 素0.40~0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、内 転走面28をはじめ、車輪取付フランジ21のイ ボード側の基部91から小径段付部23に亙って 高周波焼入れによって表面硬さを58~64HRCの範 に硬化処理が施されている。なお、加締部9 0は鍛造加工後の表面硬さのままとされてい 。

 ここで、本実施形態では、加締部90の端 90aが平坦面に形成され、この加締部90の端面 90aと等速自在継手3の外輪5のバック面11aとが 接触されている。これにより、ナット部材4 3の緊締力に基いて加締部90に加えられる面圧 を小さくすることができ、加締部90の塑性変 とナット部材43の弛みを防止すると共に、 きなモーメント荷重が負荷されても充分な 性を発揮することができる。

 また、この図12に示す車輪用軸受装置で 、突出した樹脂部64の端面83と加締部90の端 90aが略面一に形成されている。これにより 組立工程において、装置を縦置きに載置す ことができ、組立作業性を向上させること できる。

 ところで、車輪用軸受装置として、ハブ 1の外径面に外方部材25の外側転走面26が対 する内側転走面28が形成されるとともに、ハ ブ輪1の外径面のインボード側に小径段付部23 が形成されて、この小径段付部23に、外周に 側転走面27に対向する内側転走面29が形成さ れた内輪24を嵌合させたいわゆる第3世代の車 輪用軸受装置であったが、他の世代の車輪用 軸受装置であってもよい。

 すなわち、図13に示すように、突合面24Aa 24Baが突合わされた状態で一対の内輪24A,24B 装着されるいわゆる第1世代や第2世代の車輪 用軸受装置であってもよい。この場合、ハブ 輪1に筒部20に内輪24A,24Bを嵌着し、このハブ 1の筒部20に、等速自在継手3の外輪5の軸部12 嵌入し、この軸部12のねじ部40にナット部材 43を螺着する。これによって、内輪24A,24Bがハ ブ輪1の切欠端面92と、等速自在継手3の外輪5 バック面11aとの間で挟持される。このため 複列の転がり軸受(軸受構造部)2に予圧を付 することができる。なお、この場合の軸受 構造2の内方部材35は、一対の内輪24A,24Bにて 構成していることになる。

 また、図14に示すように、ハブ輪1の外径 に、外方部材25のアウトボード側の外側転 面26が対向するアウトボード側の内側転走面 28が形成されるとともに、等速自在継手3の外 輪5の外径面に、外方部材25のインボード側の 外側転走面27が対向するインボード側の内側 走面29が形成されたいわゆる第4世代の車輪 軸受装置であってもよい。この第4世代では 、インボード側の転走面29を形成する外輪5の 外径面の一部が内方部材に一部となる。

 なお、この図14に示す車輪用軸受装置で 、外輪5は、カップ状のマウス部11と、この ウス部11の底部をなす肩部95と、この肩部95 ら軸方向に延びる中空の軸部12を一体に有し ている。この軸部12の外周には、前記ハブ輪1 の小径段部96に内嵌されるインロウ部12aと、 のインロウ部12aからさらに軸方向に延びる 合部12bが形成されている。そして、軸部12 内径にマンドレル等の拡径治具を押し込ん 嵌合部12bを拡径し、嵌合部12bをハブ輪1の凹 部97に食い込ませて加締め、ハブ輪1と外輪5 とが一体に塑性結合されている。これにより 、軽量・コンパクト化を図ると共に、大きな モーメント荷重が負荷されても結合部の緩み を長期間に亘って防止し、耐久性を向上させ た車輪用軸受装置を提供することができる。

 以上、本発明の実施形態につき説明した 、本発明は前記実施形態に限定されること く種々の変形が可能であって、例えば、図1 等に示す車輪用軸受装置において、前記実施 形態では、軸受2のトルク伝達手段としての 動体をボール30にて構成したが、円錐ころを 使用するものであってもよい。回転速度検出 装置のセンサとしては、前記実施形態では、 いわゆるアクティブ型センサを用いたが、エ ンコーダが凹凸形状である磁性リングからな るいわゆるパッシブ型センサを用いるもので あってもよい。

 外方部材25の芯金圧接面69側への突出部71 突出量をAとしたときに、0mm<A<0.5mmに設 する場合、芯金63を外方部材25に圧入した際 に、芯金圧接面69に突出部71が当接すれば、 の部位としては、当接していても当接して なくてもよい。

 複列の転がり軸受を単独に使用する構造 第1世代、外方部材に車体取付フランジを一 体に有する第2世代、車輪取付フランジを一 に有するハブ輪の外周に複列の転がり軸受 一方の内側軌道面が一体に形成された第3世 、及びハブ輪に等速自在継手が一体化され この等速自在継手を構成する外側継手部材 外周に複列の転がり軸受の他方の内側軌道 が一体に形成された第4世代の車輪用軸受装 置に適用できる。




 
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