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Title:
RUBBER COMPOSITION FOR SIDEWALL AND PNEUMATIC TIRE MADE WITH THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149586
Kind Code:
A1
Abstract:
A rubber composition for sidewalls which comprises: 100 parts by mass of a rubber ingredient comprising at least either of natural rubber and modified natural rubber; up to 5 parts by mass of carbon black; 10-40 parts by mass of silica; and 5-30 parts by mass of an inorganic filler ingredient comprising one or more inorganic fillers other than carbon black and silica. Also provided is a pneumatic tire including a sidewall rubber formed from the rubber composition. The rubber composition is reduced in the content of raw materials derived from petroleum resources, attains reduced fuel consumption due to low rolling resistance, and has satisfactory unsusceptibility to crack growth upon flexing.

Inventors:
KONDO TOSHIKAZU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054116
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
March 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO RUBBER IND (JP)
KONDO TOSHIKAZU (JP)
International Classes:
C08L7/00; B60C1/00; C08K3/04; C08K3/22; C08K3/26; C08K3/34; C08K3/36; C08L15/00
Foreign References:
JP2008056802A2008-03-13
JP2008031435A2008-02-14
JP2008001861A2008-01-10
JP2006219631A2006-08-24
JP2006089526A2006-04-06
JP2004026862A2004-01-29
JPH0867776A1996-03-12
JP2003064222A2003-03-05
JP2005053944A2005-03-03
JP2006089526A2006-04-06
Other References:
See also references of EP 2157127A4
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao et al. (Nakanoshima Central Tower 22nd Floor,2-7, Nakanoshima 2-chome,Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 ゴム成分100質量部と、カーボンブラック5質量部以下と、シリカ10~40質量部と、前記カーボンブラックおよび前記シリカを除く、1種または2種以上の他の無機フィラーからなる無機フィラー成分5~30質量部と、を含有し、
 前記ゴム成分は、天然ゴムおよび変性天然ゴムの少なくともいずれかからなる、サイドウォール用ゴム組成物。
 前記ゴム成分は、天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの少なくともいずれかからなる、請求の範囲第1項に記載のサイドウォール用ゴム組成物。
 前記無機フィラー成分が、炭酸カルシウム、クレー、セリサイト、アルミナ、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸化チタンおよびマイカからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求の範囲第1項に記載のサイドウォール用ゴム組成物。
 架橋後におけるデュロメータA硬度が50以下である、請求の範囲第1項に記載のサイドウォール用ゴム組成物。
 請求の範囲第1項に記載のサイドウォール用ゴム組成物を用いてなるサイドウォールゴムを備える、空気入りタイヤ。
Description:
サイドウォール用ゴム組成物お びそれを用いた空気入りタイヤ

 本発明は、サイドウォール用ゴム組成物 よび該サイドウォール用ゴム組成物を用い なるサイドウォールゴムを備える空気入り イヤに関する。

 近年、環境問題への関心の高まりから、 油資源由来の原料の使用量を低減するため 方法が種々の技術分野で検討されている。 在一般的に市販されているタイヤは、全重 の半分以上が石油資源である原料から構成 れている。たとえば、一般的な乗用車用タ ヤは、合成ゴム約20質量%、カーボンブラッ 約20質量%、軟化剤、合成繊維などを含んで るため、タイヤ全体の約50質量%以上が石油 源の原料から構成されている。そこで、石 資源由来の原料を用いる場合と同様ないし れ以上の要求特性を満足する、石油外資源 来の原料を用いたタイヤ用ゴムの開発が望 れている。たとえば、タイヤのサイドウォ ルゴムにおいては、所望の耐久性能を得る めの物理特性を維持しつつ、転がり抵抗の 減と良好な耐屈曲亀裂成長性の確保が望ま る。

 特開2003-64222号公報(特許文献1)には、石油 系オイルの使用量を削減し、転がり抵抗を低 減し得るゴム組成物の提供を目的として、ジ エン系ゴム100重量部に対し、無機充填剤5~150 量部、シランカップリング剤0~30重量部、お よび、ヨウ素価が130以下である植物油脂5~100 量部を含有するゴム組成物が提案されてい 。しかしこの文献では、タイヤのサイドウ ールゴムとして用いられたときに低い転が 抵抗と良好な耐屈曲亀裂成長性とを両立さ ることが可能なゴム組成物は提案されてい い。

 特開2005-53944号公報(特許文献2)には、低燃 費化を可能にするサイドウォール用ゴム組成 物の提供を目的として、天然ゴムおよび/ま はイソプレンゴム、ならびにブタジエンゴ からなるゴム成分100重量部に対して、澱粉 よび可塑剤からなる複合剤1~20重量部を含有 るサイドウォール用ゴム組成物が提案され いる。しかしこの文献では、低い転がり抵 と良好な耐屈曲亀裂成長性とを両立するよ なゴム組成物は提案されていない。

 特開2006-89526号公報(特許文献3)には、タイヤ 部材として必要な性能を維持し、さらに加工 性を向上させたタイヤ用ゴム組成物の提供を 目的として、天然ゴムおよび/またはその変 物からなるゴム成分100重量部に対して、シ カを30重量部以上、炭酸カルシウムを5~15重 部、およびカーボンブラックを5重量部以下 有するタイヤ用ゴム組成物が提案されてい 。しかしこの文献では、タイヤのサイドウ ールとして用いられたときに低い転がり抵 と良好な耐屈曲亀裂成長性とを両立させる とが可能なゴム組成物は提案されていない

特開2003-64222号公報

特開2005-53944号公報

特開2006-89526号公報

 本発明は、上記の課題を解決し、石油資 由来の原料の使用量を低減しつつ、低い転 り抵抗による低燃費性と、良好な耐屈曲亀 成長性と、を両立させることが可能なサイ ウォール用ゴム組成物、および該サイドウ ール用ゴム組成物を用いたサイドウォール ムを備える空気入りタイヤを提供すること 目的とする。

 本発明は、ゴム成分100質量部と、カーボ ブラック5質量部以下と、シリカ10~40質量部 、該カーボンブラックおよび該シリカを除 、1種または2種以上の他の無機フィラーか なる無機フィラー成分5~30質量部と、を含有 、ゴム成分は、天然ゴムおよび変性天然ゴ の少なくともいずれかからなる、サイドウ ール用ゴム組成物を提供する。

 本発明のサイドウォール用ゴム組成物に いて、ゴム成分は、天然ゴムおよびエポキ 化天然ゴムの少なくともいずれかからなる とが好ましい。

 本発明のサイドウォール用ゴム組成物に いては、上記無機フィラー成分が、炭酸カ シウム、クレー、セリサイト、アルミナ、 ルク、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシ ム、酸化チタンおよびマイカからなる群か 選択される少なくとも1種を含むことが好ま しい。

 本発明のサイドウォール用ゴム組成物の 橋後におけるデュロメータA硬度は50以下で ることが好ましい。

 本発明はまた、上述のいずれかのサイド ォール用ゴム組成物を用いてなるサイドウ ールゴムを備える空気入りタイヤを提供す 。

 本発明によれば、石油資源由来の原料の 用量を低減しつつ、低い転がり抵抗による 燃費性と、良好な耐屈曲亀裂成長性と、を 立させることが可能なサイドウォール用ゴ 組成物、および該サイドウォール用ゴム組 物を用いたサイドウォールゴムを備え、低 転がり抵抗による低燃費性と、良好な耐屈 亀裂成長性と、を有する空気入りタイヤを 供することができる。

本発明に係る空気入りタイヤの左半分 例示した断面図である。

符号の説明

 1 空気入りタイヤ、2 トレッド部、3 サ ドウォール部、4 ビード部、5 ビードコア 6 カーカス、7 ベルト層、8 ビードエイペ クスゴム、9 インナーライナゴム、3G サイ ドウォールゴム、4G クリンチエイペックス ム。

 本発明のサイドウォール用ゴム組成物は ゴム成分100質量部と、カーボンブラック5質 量部以下と、シリカ10~40質量部と、該カーボ ブラックおよび該シリカを除く、1種または 2種以上の他の無機フィラーからなる無機フ ラー成分(以下、単に無機フィラー成分とも う)5~30質量部と、を含有する。また、ゴム 分は、天然ゴムおよび変性天然ゴムの少な ともいずれかからなる。本発明においては ゴム成分として天然ゴムおよび/または変性 然ゴムを用い、かつ比較的少量のカーボン ラックと所定量のシリカと所定量の上記無 フィラー成分とを併用することにより、た えば合成ゴムやカーボンブラックといった 油資源由来の原料の含有量を低減できる。 た、カーボンブラックを比較的少量用い、 リカおよび上記無機フィラー成分を所定量 用することにより、tanδ(損失正接)の低減が 可能であるとともに、良好な引張強度および 破断伸びを確保できる。サイドウォール用ゴ ム組成物のtanδの低減は、該サイドウォール ゴム組成物を用いたサイドウォールゴムを える空気入りタイヤの転がり抵抗の低減に 与し、サイドウォール用ゴム組成物の引張 度および破断伸びの確保は、該空気入りタ ヤの耐屈曲亀裂成長性の確保に寄与する。

 <ゴム成分>
 本発明のサイドウォール用ゴム組成物にお て、ゴム成分は、天然ゴムおよび変性天然 ムの少なくともいずれかからなる。天然ゴ としては、一般に天然ゴムとして知られる のであれば原産地等を限定されずに使用で 、1種でまたは2種以上の組合せで使用でき 。天然ゴムとしては、たとえば、RSS#3、TSRな どのグレードの天然ゴムを好適に用いること ができる。変性天然ゴムとしては、エポキシ 化天然ゴム(ENR)、水素化天然ゴム等を例示で 、1種または2種以上の組合せで使用できる

 なお、天然ゴムの一部または全部が脱蛋 天然ゴム(DPNR)であってもよく、変性天然ゴ の一部または全部が該脱蛋白天然ゴム(DPNR) 変性ゴムであってもよい。

 ゴム成分は、天然ゴムおよびエポキシ化 然ゴム(ENR)の少なくともいずれかからなる とが好ましい。

 エポキシ化天然ゴム(ENR)は、天然ゴムの 飽和二重結合がエポキシ化された変性天然 ムの一種であり、極性基であるエポキシ基 より分子凝集力が増大する。そのため、天 ゴムよりもガラス転移温度(Tg)が高く、かつ 械的強度や耐摩耗性、耐空気透過性に優れ 。このようなエポキシ化天然ゴムとしては たとえばENR25(クランプーランスガリー社製) (エポキシ化率:25%)、ENR50(クランプーランスガ リー社製)(エポキシ化率:50%)などの市販のも を用いてもよいし、天然ゴムをエポキシ化 たものを用いてもよい。天然ゴムをエポキ 化する方法としては、特に限定されるもの はなく、たとえばクロルヒドリン法、直接 化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペル キシド法、過酸法などを挙げることができ 。過酸法としては、たとえば天然ゴムのエ ルジョンに過酢酸や過蟻酸などの有機過酸 エポキシ化剤として反応させる方法を挙げ ことができる。

 エポキシ化天然ゴムのエポキシ化率は、1 0モル%以上であることが好ましく、20モル%以 、さらに25モル%以上であることがより好ま い。ここで、エポキシ化率とは、エポキシ 前の天然ゴム中の二重結合の全数のうちエ キシ化された数の割合(すなわち(エポキシ された二重結合の数)/(エポキシ化前の二重 合の数))を意味し、たとえば滴定分析、核磁 気共鳴(NMR)分析などにより求められる。エポ シ化天然ゴムのエポキシ化率が10モル%未満 場合、エポキシ化天然ゴムのガラス転移温 が低いために、サイドウォールゴムの機械 度が低くなる傾向にある。また、エポキシ 天然ゴムのエポキシ化率は、70モル%以下で ることが好ましく、60モル%以下、さらに50 ル%以下であることがより好ましい。エポキ 化天然ゴムのエポキシ化率が70モル%を超え 場合、サイドウォールゴムの硬度が増大し 空気入りタイヤの耐屈曲亀裂成長性が低く る傾向にある。

 エポキシ化天然ゴムとして、より典型的 は、エポキシ化率25モル%のエポキシ化天然 ム、エポキシ化率50モル%のエポキシ化天然 ムなどを例示できる。

 ゴム成分中の天然ゴムの含有率は、50質 %以上であることが好ましい。ゴム成分中の 然ゴムの含有率が50質量%未満である場合、 ム破壊強度が低下する傾向にあるためであ 。ゴム成分中の天然ゴムの含有率は、60質 %以上であることがより好ましい。一方、ゴ 成分中の天然ゴムの含有率は、80質量%以下 あることが好ましい。ゴム成分中の天然ゴ の含有率が80質量%を超える場合、たとえば 屈曲疲労性能の向上のためにブタジエンゴ (BR)等を添加するような場合において添加量 が少ないことによって耐屈曲疲労性能の向上 効果が小さくなる傾向にあるためである。ゴ ム成分中の天然ゴムの含有率は、70質量%以下 であることがより好ましい。

 ゴム成分中の変性天然ゴムの含有率は、2 0質量%以下であることが好ましい。ゴム成分 の変性天然ゴムの含有率が20質量%を超える 合、コストが上昇する傾向にあるためであ 。ゴム成分中の変性天然ゴムの含有率は、1 0質量%以下であることがより好ましい。

 <カーボンブラック>
 カーボンブラックは、補強用充填剤として 能し、カーボンブラックを配合することに り、得られるサイドウォールゴムの機械強 を向上させることができる。本発明のサイ ウォール用ゴム組成物は、カーボンブラッ を、ゴム成分100質量部に対して5質量部以下 で含有する。ゴム成分100質量部に対するカー ボンブラックの含有量が5質量部を超えると 石油資源由来の原料の使用量の低減効果が 分得られなくなるとともに、サイドウォー ゴムのtanδが増大するためである。カーボン ブラックの該含有量は、4質量部以下である とがより好ましい。一方、カーボンブラッ の該含有量が1質量部未満である場合には、 イドウォールゴムの機械強度が低くなる傾 にあるため、カーボンブラックの該含有量 1質量部以上であることが好ましく、さらに 2質量部以上、さらに3質量部以上であること より好ましい。

 カーボンブラックのBET比表面積は、40~300m 2 /gの範囲内であることが好ましい。カーボン ラックのBET比表面積が40m 2 /g未満である場合、サイドウォールゴムの機 強度が低くなる傾向にあり、300m 2 /gを超える場合、サイドウォール用ゴム組成 の調製時の分散性低下により加工性が低下 る傾向にあるためである。カーボンブラッ のBET比表面積は、50m 2 /g以上であることがより好ましく、60m 2 /g以上であることがさらに好ましい、また、 BET比表面積は、280m 2 /g以下であることがより好ましく、260m 2 /g以下であることがさらに好ましい。

 なお、上述したカーボンブラックのBET比 面積は、たとえばJIS K6217に準拠した方法に より測定することができる。

 カーボンブラックの好ましい市販品とし は、たとえば、キャボネットジャパン(株) の「ショウブラックN220」「ショウブラックN 330」等を例示できる。

 <シリカ>
 シリカは、補強用充填剤として機能し、シ カを配合することにより、得られるサイド ォールゴムの機械強度を向上させることが きる。また、シリカは石油外資源由来であ ため、たとえばカーボンブラックなどの石 資源由来の補強剤を主な補強剤として配合 る場合と比べて、ゴム組成物中の石油資源 来の原料の使用量を低減できる。

 本発明のサイドウォール用ゴム組成物は シリカを、ゴム成分100質量部に対して10~40 量部の範囲内で含有する。ゴム成分100質量 に対するシリカの含有量が10質量部未満であ ると、サイドウォールゴムの補強効果が十分 得られず、40質量部を超えると、サイドウォ ル用ゴム組成物の製造時に粘度上昇が生じ 加工性が低下するとともに、耐屈曲疲労性 が低下する傾向にあるためである。シリカ 該含有量は、さらに20質量部以上であるこ がより好ましく、また、さらに30質量部以下 であることがより好ましい。

 シリカとしては、BET比表面積が100~300m 2 /gの範囲内のものが好ましい。シリカのBET比 面積が100m 2 /g未満である場合、サイドウォールゴムの補 効果が低くなる傾向にあり、300m 2 /gを超える場合、サイドウォール用ゴム組成 の製造時の分散性低下により加工性が低下 る傾向にあるからである。シリカのBET比表 積は、さらに110m 2 /g以上、さらに120m 2 /g以上であることがより好ましく、また、280m 2 /g以下、さらに260m 2 /g以下であることがより好ましい。

 なお、上述したシリカのBET比表面積は、 とえばASTM-D-4820-93に準拠した方法にて測定 ることができる。

 シリカは、湿式法により調製されたもので ってもよく、乾式法により調製されたもの あってもよい。また、好ましい市販品とし は、たとえば、ウルトラジルVN2(デグッサ製 )(BET比表面積:125m 2 /g)、ウルトラジルVN3(デグッサ製)(BET比表面積 :210m 2 /g)などを例示できる。

 <無機フィラー成分>
 本発明における無機フィラー成分は、カー ンブラックとシリカとを除く無機フィラー 1種または2種以上からなる。無機フィラー 分としては、たとえば、炭酸カルシウム、 レー、セリサイト、アルミナ、タルク、水 化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸化 タンおよびマイカを例示できる。本発明に いて、当該無機フィラー成分は、補強用充 剤としての効果が良好である点で、これら 示された無機フィラーから選択される1種以 からなることが好ましい。

 なお、本発明において、クレー(すなわち 粘土)とは、岩石または鉱物の風化、変成作 によって生成した微細な粒子の集合体を総 し、より典型的には、粒径2μm以下の、粘土 物を主成分とする粒子を意味する。ここで 土鉱物とは、典型的には層状ケイ酸塩を主 分とする結晶質または非晶質を意味する。 レーの具体例としては、湿式カオリン(未焼 成カオリン)、焼成カオリン、湿式および乾 のろう石クレー等を例示でき、表面をカッ リング剤処理したクレーも例示できる。

 本発明のサイドウォール用ゴム組成物は 無機フィラー成分を、ゴム成分100質量部に して5~30質量部の範囲内で含有する。ゴム成 分100質量部に対する無機フィラー成分の含有 量が5質量部未満であると、石油資源由来の 料の使用量を低減しつつサイドウォールゴ への補強効果を十分得るために、たとえば リカの含有量を増やすことが必要となり、 の場合、サイドウォール用ゴム組成物の製 時の粘度上昇が生じて加工性が低下すると もに、無機フィラー成分を5質量部以上含有 せる場合と比べてtanδが増大する。また該 有量が30質量部を超えると、引張強度および 破断伸びの維持と製造時の加工性の確保との 両立が困難になる。ゴム成分100質量部に対す る無機フィラー成分の含有量は、さらに7質 部以上、さらに10質量部以上であることがよ り好ましく、また、さらに25質量部以下、さ に20質量部以下であることがより好ましい

 <シランカップリング剤>
 本発明のサイドウォール用ゴム組成物は、 述したようにシリカを含有するが、このシ カとともに、シランカップリング剤を配合 ることが好ましい。シランカップリング剤 しては、従来公知のシランカップリング剤 用いることができ、たとえば、ビス(3-トリ トキシシリルプロピル)テトラスルフィド、 ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラス フィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル) トラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリ プロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメ トキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビ (4-トリメトキシシリルブチル)テトラスルフ ド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ト リスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエ チル)トリスルフィド、ビス(4-トリエトキシ リルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリメ キシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス (2-トリメトキシシリルエチル)トリスルフィ 、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリス フィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピ )ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリル エチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシ リルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメト シシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-ト リメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビ (4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド 3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチル チオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリ トキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカ バモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシ シリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイル トラスルフィド、2-トリメトキシシリルエ ル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスル フィド、3-トリメトキシシリルプロピルベン チアゾリルテトラスルフィド、3-トリエト シシリルプロピルベンゾチアゾールテトラ ルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルメ タクリレートモノスルフィド、3-トリメトキ シリルプロピルメタクリレートモノスルフ ドなどのスルフィド系;3-メルカプトプロピ トリメトキシシラン、3-メルカプトプロピ トリエトキシシラン、2-メルカプトエチルト リメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリ トキシシランなどのメルカプト系;ビニルト リエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ ンなどのビニル系;3-アミノプロピルトリエト キシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシ ラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルト エトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノ ロピルトリメトキシシランなどのアミノ系; γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラ ン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキ シシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジ メトキシシランなどのグリシドキシ系;3-ニト ロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプ ピルトリエトキシシランなどのニトロ系;3- ロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロ プロピルトリエトキシシラン、2-クロロエチ ルトリメトキシシラン、2-クロロエチルトリ トキシシランなどのクロロ系;などを挙げる ことができる。これらのシランカップリング 剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み わせて用いてもよい。

 上記のなかでも、加工性が良好であると う理由から、Si69(デグッサ製)(ビス(3-トリエ トキシシリルプロピル)テトラスルフィド)、S i266(デグッサ製)(ビス(3-トリエトキシシリル ロピル)ジスルフィド)などが好ましく用いら れる。

 シランカップリング剤をさらに含有させ 場合、その含有量については特に制限され ものではないが、シリカの含有量を100質量% としたときのシランカップリング剤の含有量 が2質量%以上であることが好ましく、4質量% 上であることがより好ましい。シランカッ リング剤の該含有量が2質量%未満である場合 には、ゴムの混練り時および押し出し時の加 工性が低下する傾向にあるとともに、得られ たサイドウォールゴムにおいて耐屈曲疲労性 能が低下する傾向にある。また、シリカの含 有量を100質量%としたときのシランカップリ グ剤の含有量は、12質量%以下が好ましく、10 質量%以下がより好ましい。シランカップリ グ剤の該含有量が12質量%を超える場合には ゴムの混練り時および押し出し時の加工性 改善効果は小さい一方、コストが上昇して まい経済的ではなく、また、得られたサイ ウォールゴムにおいて耐熱特性が低下する 向にある。

 <その他の配合剤>
 本発明のサイドウォール用ゴム組成物には 上記した成分以外にも、従来ゴム工業で使 される他の配合剤、たとえば加硫剤、ステ リン酸、加硫促進剤、加硫促進助剤、オイ 、硬化レジン、ワックス、老化防止剤など 配合してもよい。

 加硫剤としては、有機過酸化物もしくは 黄系加硫剤を使用することが可能であり、 機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイ パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミ パーオキサイド、メチルエチルケトンパー キサイド、クメンハイドロパーオキサイド 2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキ ン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキ シ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパ オキシ)ヘキシン-3あるいは1,3-ビス(t-ブチル ーオキシプロピル)ベンゼン、ジ-t-ブチルパ ーオキシ-ジイソプロピルベンゼン、t-ブチル パーオキシベンゼン、2,4-ジクロロベンゾイ パーオキサイド、1,1-ジ-t-ブチルパーオキシ- 3,3,5-トリメチルシロキサン、n-ブチル-4,4-ジ-t -ブチルパーオキシバレレートなどを使用す ことができる。これらの中で、ジクミルパ オキサイド、t-ブチルパーオキシベンゼンお よびジ-t-ブチルパーオキシ-ジイソプロピル ンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤と ては、たとえば、硫黄、モルホリンジスル ィドなどを使用することができる。これら 中では硫黄が好ましい。これらの加硫剤は 単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせ 用いてもよい。

 加硫促進剤としては、スルフェンアミド 、チアゾール系、チウラム系、チオウレア 、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、 ルデヒド-アミン系またはアルデヒド-アン ニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサ テート系加硫促進剤のうち少なくとも一つ 含有するものを使用することが可能である スルフェンアミド系としては、たとえばCBS(N -シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェ アミド)、TBBS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアジル ルフェンアミド)、N,N-ジシクロヘキシル-2- ンゾチアジルスルフェンアミド、N-オキシジ エチレン-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド 、N,N-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールス フェンアミドなどのスルフェンアミド系化 物などを使用することができる。チアゾー 系としては、たとえばMBT(2-メルカプトベン チアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスル ィド)、2-メルカプトベンゾチアゾールのナ リウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシル ミン塩、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプト ベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4-モルホ ノチオ)ベンゾチアゾールなどのチアゾール 化合物などを使用することができる。チウ ム系としては、たとえばTMTD(テトラメチル ウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラ ジスルフィド、テトラメチルチウラムモノ ルフィド、ジペンタメチレンチウラムジス フィド、ジペンタメチレンチウラムモノス フィド、ジペンタメチレンチウラムテトラ ルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキ スルフィド、テトラブチルチウラムジスル ィド、ペンタメチレンチウラムテトラスル ィドなどのチウラム系化合物を使用するこ ができる。チオウレア系としては、たとえ チアカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブ ルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオル トリルチオ尿素などのチオ尿素化合物など 使用することができる。グアニジン系とし は、たとえばジフェニルグアニジン、ジオ トトリルグアニジン、トリフェニルグアニ ン、オルトトリルビグアニド、ジフェニル アニジンフタレートなどのグアニジン系化 物を使用することができる。ジチオカルバ ン酸系としては、たとえばエチルフェニル チオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジ オカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカル ミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバ ン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜 、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジア ルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジ オカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチ カルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯塩、ヘ サデシル(またはオクタデシル)イソプロピ ジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチ カルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバ ン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカ バミン酸ピペリジン、ジメチルジチオカル ミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン テルル、ジアミルジチオカルバミン酸カド ウムなどのジチオカルバミン酸系化合物な を使用することができる。アルデヒド-アミ 系またはアルデヒド-アンモニア系としては 、たとえばアセトアルデヒド-アニリン反応 、ブチルアルデヒド-アニリン縮合物、ヘキ メチレンテトラミン、アセトアルデヒド-ア ンモニア反応物などのアルデヒド-アミン系 たはアルデヒド-アンモニア系化合物などを 用することができる。イミダゾリン系とし は、たとえば2-メルカプトイミダゾリンな のイミダゾリン系化合物などを使用するこ ができる。キサンテート系としては、たと ばジブチルキサントゲン酸亜鉛などのキサ テート系化合物などを使用することができ 。これらの加硫促進剤は、単独で用いても く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

 加硫促進助剤としては、たとえば酸化亜鉛 ステアリン酸などを使用できる。
 老化防止剤としては、アミン系、フェノー 系、イミダゾール系の老化防止剤や、カル ミン酸金属塩などを適宜選択して使用する とができる。

 オイルとしては、プロセスオイル、植物 脂、またはこれらの混合物、などを例示で る。プロセスオイルとしては、パラフィン プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイ 、芳香族系プロセスオイルなどを例示でき 。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、 まに油、なたね油、大豆油、パーム油、や 油、落花生油、パインオイル、パインター 、トール油、コーン油、こめ油、べに花油 ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム 油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油 サフラワー油、桐油、などを例示できる。

 本発明のサイドウォール用ゴム組成物に いては、架橋後におけるデュロメータA硬度 が50以下であることが好ましい。該デュロメ タA硬度が50を超える場合には、サイドウォ ル用ゴムが硬いために空気入りタイヤの耐 曲亀裂成長性が低くなる傾向にあるためで る。該デュロメータA硬度は、48以下である とがより好ましい。一方、該デュロメータA 硬度が40未満である場合には空気入りタイヤ 耐久性能が低くなる傾向にあるため、該デ ロメータA硬度は、40以上、さらに42以上、 に45以上であることが好ましい。

 なお、上述のデュロメータA硬度は、JIS K 6253に準じて測定される値である。

 本発明はまた、上述したような本発明の イドウォール用ゴム組成物を用いたサイド ォールゴムを備える空気入りタイヤをも提 する。ここで、図1は、本発明に係る空気入 りタイヤの左半分を例示した断面図である。 空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、該トレ ド部2の両端からタイヤ半径方向内方に延び る一対のサイドウォール部3と、各サイドウ ール部3の内方端に位置するビード部4とを備 える。また、ビード部4,4間にはカーカス6が け渡されるとともに、このカーカス6の外側 つトレッド部2内にはタガ効果を有してトレ ッド部2を補強するベルト層7が配される。

 上記カーカス6は、カーカスコードをタイ ヤ赤道COに対して、たとえば70~90°の角度で配 列する1枚以上のカーカスプライから形成さ 、このカーカスプライは、上記トレッド部2 らサイドウォール部3を経てビード部4のビ ドコア5の廻りをタイヤ軸方向の内側から外 に折返されて係止される。

 上記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ 赤道COに対して、たとえば40°以下の角度で配 列した2枚以上のベルトプライからなり、各 ルトコードがプライ間で交差するよう向き 違えて重置している。なお、必要に応じて ルト層7の両端部のリフティングを防止する めのバンド層(図示しない)を、ベルト層7の なくとも外側に設けてもよく、このときバ ド層は、低モジュラスの有機繊維コードを タイヤ赤道COとほぼ平行に螺旋巻きした連 プライで形成する。

 またビード部4には、上記ビードコア5か 半径方向外方に延びるビードエイペックス ム8が配されるとともに、カーカス6の内側に は、タイヤ内腔面をなすインナーライナゴム 9が隣設され、カーカス6の外側は、クリンチ イペックスゴム4Gおよびサイドウォールゴ 3Gで保護される。本発明のサイドウォール用 ゴム組成物は、上記サイドウォールゴム3Gに 用されるものである。

 なお図1は、乗用車用の空気入りタイヤに ついて例示しているが、本発明はこれに限定 されず、乗用車用、トラック用、バス用、重 車両用など、各種車両の用途に対して用いら れる空気入りタイヤを提供する。

 本発明の空気入りタイヤは、本発明のサ ドウォール用ゴム組成物を用いて、従来公 の方法により製造される。すなわち、上述 た必須成分、および必要に応じて配合され その他の配合剤を含有するサイドウォール ゴム組成物を混練りし、未加硫の段階でタ ヤのサイドウォールゴムの形状に合わせて 出し加工し、タイヤの他の部材とともに、 イヤ成形機上にて通常の方法で成形するこ により、未加硫タイヤを形成する。この未 硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することに り、本発明の空気入りタイヤを得ることが きる。

 かかる本発明の空気入りタイヤは、サイ ウォールゴムにおける石油資源由来の成分 含有比率がより低減され、省資源および環 保護への配慮が十分なされているとともに tanδの低減と良好な引張強度および破断伸 とが両立されたゴム組成物がサイドウォー ゴムとして使用されている。よって本発明 よれば、地球環境に優しい「エコタイヤ」 あるとともに、転がり抵抗の低減と良好な 屈曲亀裂成長性とが両立されることによっ 低燃費かつ耐久性に優れるタイヤが提供さ 得る。

 以下に実施例および比較例を挙げて、本 明をさらに詳しく説明するが、本発明はこ ら実施例に限定されるものではない。

 [実施例1~6および比較例1~5]
 表1、2に示す配合処方に従い、バンバリー 用いて、硫黄および加硫促進剤を除く配合 分を約150℃で3分間混練りした。ついで、得 れた混練り物に硫黄および加硫促進剤を表1 、2に示す配合量で加えた後、2軸オープンロ ルを用いて、約80℃で5分間混練りし、各実 例および各比較例に係る配合の未加硫ゴム 成物を調製した。

 上記で得た未加硫ゴム組成物を所定の厚 で押出して未加硫ゴムシートを作製し、さ にこれを175℃で10分間加硫して、加硫ゴム ートを得た。

 一方、上記で得た未加硫ゴム組成物をサ ドウォール形状に押出し、他の部材と組合 てタイヤに成型し、タイヤ成型機にて、温 150℃、圧力25kgfで35分間加硫し、試験用タイ ヤ(サイズ195/65R15)を作製した。

 <ゴム物性評価>
 (デュロメータA硬度)
 上記の方法で得た加硫ゴムシートにつき、J IS K6253に準じて、室温にて、デュロメータA 度を測定した。

 (E*(複素弾性率)、tanδ(損失正接))
 上記の方法で得た加硫ゴムシートから切り した、サイズ4.0mm×2.0mm×40mmの試験片につき イワモト製の粘弾性スペクトロメータを用 、温度70℃、初期歪10%、動歪2%の条件で、E*( 単位:MPa)およびtanδを測定した。

 (引張強度TB,破断伸びEB)
 上記の方法で得た加硫ゴムシートから切り した、3号ダンベルの試験片につき、JIS K625 1に準じて、室温にて、引張強度TB(MPa)、破断 びEB(%)を測定した。

 (デマッチャ屈曲試験)
 上記の方法で得た加硫ゴムシートから切り した、長さ140~155mm、幅25±0.1mmの試験片につ 、デマッチャ屈曲試験機を用いて、JIS K6260 に準じた方法で、歪率を変更し、屈曲亀裂成 長速度を測定した。測定結果は、亀裂が1mmに 成長するまでの屈曲回数×1万(回)で表した。 が大きい程、耐屈曲亀裂成長性に優れるこ を示す。

 <タイヤ評価>
 (操縦安定性能)
 上記の方法で作製した試験用タイヤをトヨ カローラに装着し、住友ゴム工業(株)タイ テストコースにて、実車操縦安定性能試験 行なった。評価はテストドライバーの官能 価によって行ない、結果を下記の基準によ 評価した。
S:操舵応答性が許容でき、乗り心地がしなや である。
A:操舵応答性、乗り心地とも許容下限レベル ある。
B:操舵応答性、乗り心地とも許容できないレ ルである。

 (転がり抵抗指数)
 上記の方法で作製した試験用タイヤにつき 転がり抵抗測定試験機にて転がり抵抗を測 し、下記の式、
転がり抵抗指数=(各実施例または各比較例の がり抵抗)í(比較例2の転がり抵抗)×100
により、比較例2を100として指数表示した。 数が小さい程、転がり抵抗が小さく低燃費 に有利であることを示す。

 (耐久性能)
 上記の方法で作製した試験用タイヤを、ド ム試験機を用い、台上評価にて30000km走行さ せた後、試験用タイヤを解体し、サイドウォ ールの損傷状況を目視で観察し、結果を下記 の基準により評価した。
A:サイドウォールに損傷なし
B:サイドウォールに損傷あり

 表1および2における、(注1)~(注17)は、次のと おりである。
(注1)天然ゴム(NR):TSR
(注2)エポキシ化天然ゴム(ENR):ENR25(Kumplan Guthri e Berhad社製)(エポキシ化率:25%)
(注3)ブタジエンゴム:BR1220(ウベ社製)
(注4)カーボンブラック:ショウブラックN330(キ ャボットジャパン(株)製)(BET比表面積:79m 2 /g)
(注5)シリカ:VN2(デグッサ社製)(BET比表面積:125m 2 /g)
(注6)炭酸カルシウム:白艶華CC(白石カルシウ 社製)
(注7)クレー:サテントンW(竹原化学工業(株)製)
(注8)水酸化アルミニウム:ハイジライトH21(東 化成(株)製)
(注9)シランカップリング剤:Si69(デグッサ社製 )
(注10)アロマオイル:プロセスオイルX140(ジャ ンエナジー社製)
(注11)植物油:なたね油(日進化成(株)製)
(注12)老化防止剤1:サンノックN(大内新興化学 業(株)製)
(注13)老化防止剤2:ノクラック6C(大内新興化学 工業(株)製)
(注14)ステアリン酸:ステアリン酸(日本油脂社 製)
(注15)酸化亜鉛:亜鉛華1号(三井金属鉱業社製)
(注16)硫黄:粉末硫黄(鶴見化学工業社製)
(注17)加硫促進剤NS:ノクセラーNS(大内新興化 工業(株)製)
 表1および2に示すように、本発明のサイド ォール用ゴム組成物の配合に係る実施例1~6 おいては、カーボンブラック以外の無機フ ラーを含有しない比較例1,2、ならびに、カ ボンブラックおよびシリカ以外の無機フィ ーを含有しない比較例3,4と比べて、tanδが低 減されることによる転がり抵抗の低減効果が 認められた。また、炭酸カルシウムを多量に 含有する比較例5と比べて引張強度および破 伸びが良好で、耐屈曲亀裂成長性およびタ ヤの耐久性能が良好な傾向であった。

 以上の結果から、本発明によれば、石油 源由来の原料の使用量を低減しつつ、低い がり抵抗と良好な耐屈曲亀裂成長性とを両 することが可能であることが分かる。

 かかる本発明のサイドウォール用ゴム組 物は、乗用車用、トラック用、バス用、重 両用等の各種用途の空気入りタイヤのサイ ウォール部に好適に適用され、本発明の空 入りタイヤは、上記各種用途に好適に適用 れ得る。

 今回開示された実施の形態および実施例 すべての点で例示であって制限的なもので ないと考えられるべきである。本発明の範 は上記した説明ではなくて請求の範囲によ て示され、請求の範囲と均等の意味および 囲内でのすべての変更が含まれることが意 される。