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Patent Searching and Data


Title:
SANITARY TISSUE PAPER ROLL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028500
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To reduce the occurrence of a permanent set of winding of a sanitary tissue paper roll. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS]A roll is constituted by two or more plies of sheet. The basis weight of a sanitary tissue paper located on the outermost face of the roll is smaller than the basis weight of the sanitary tissue paper located on the innermost face of the roll, and the density of the sanitary tissue paper located on the outermost face of the roll is larger than the density of the sanitary tissue paper located on the innermost face of the roll.

Inventors:
MATSUMURA TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065194
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
August 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAIO SEISHI KK (JP)
MATSUMURA TAKASHI (JP)
International Classes:
D21H27/00; A47K10/16
Foreign References:
JP2004209082A2004-07-29
JP2003061861A2003-03-04
JPH0638895A1994-02-15
JP2007021168A2007-02-01
JP2003276936A2003-10-02
JPH0638895A1994-02-15
JP2003276936A2003-10-02
Other References:
See also references of EP 2196122A4
Attorney, Agent or Firm:
NAGAI, Yoshihisa (3-2 Kajicho 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 44, JP)
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Claims:
 2枚以上の衛生薄葉紙が重ねられているシートがこれと実質的に同幅の管芯に巻き取られている衛生薄葉紙ロールであって、
 前記シートは、巻き取り最外面に位置する衛生薄葉紙の米坪が、巻き取り最内面に位置する衛生薄葉紙の米坪より小さく、かつ、巻き取り最外面に位置する衛生薄葉紙の密度が、巻き取り最内面に位置する衛生薄葉紙の密度より大きく、
 前記巻き取り最外面の衛生薄葉紙及び巻き取り最内面の衛生薄葉紙の米坪がともに10~50g/m 2 の範囲にあり、
 前記巻き取り最外面の衛生薄葉紙及び巻き取り最内面の衛生薄葉紙の密度がともに100~250kg/m 3 の範囲にあり、
 (巻き取り最内面の衛生薄葉紙の密度)/(巻き取り最外面の衛生薄葉紙の密度)の値Dが0.6≦D≦1.0の範囲にある、
 ことを特徴とする衛生薄葉紙ロール。
 前記巻き取り最外面の衛生薄葉紙及び巻き取り最内面の衛生薄葉紙の米坪において、
(巻き取り最内面の衛生薄葉紙の米坪)/(巻き取り最外面の衛生薄葉紙の米坪)の値Bが1.3≦Bの範囲にある、請求項1記載の衛生薄葉紙ロール。
 前記シートは、その長手方向の所定間隔おきにシート幅方向に亘るミシン目線が形成されている請求項1又は2の何れか1項に記載の衛生薄葉紙ロール。
 前記シートは、巻き取り最外面に位置される衛生薄葉紙に対して水分を塗布又は散布した後に、それよりも巻き取り内面に位置される複数又は単数の衛生薄葉紙を重ね合わせて製造されたものである、請求項1~3の何れか1項に記載の衛生薄葉紙ロール。
Description:
衛生薄葉紙ロール

 本発明は、2枚以上の衛生薄葉紙が重ねら れているシートがこれと実質的に同幅の管芯 に巻き取られている衛生薄葉紙ロールに関す る。

 前記衛生薄葉紙ロールは、家庭用や業務用 キッチンロールやペーパーロール、機械設 や器具を拭き取るためのロール状に巻かれ ワイプやウェス等として知られ、長尺のシ トがこれと実質的に同幅の紙管などからな 管芯に巻かれた構造をなす。
 キッチンロールを例にとれば、シート(管芯 )の幅は概ね220~280mmであり、管芯の外径は30~50 mmとされる。シートの巻長さは10~13mとされ、 ートの管芯に対する巻き付けにより外径90~1 30mmとされる。
 このキッチンロールに代表される衛生薄葉 ロールでは、通常、一方の手でロールを持 、他方の手でロールからシートを必要な長 だけ連続的に巻き出し切断して使用するた 、この使用の際における切断を容易に行え ようにすべく、通常、シートの長手方向の 定間隔おきに、シート幅方向に亘ってミシ 目線が形成されている。
 もっとも、例えば、料理中等で手が濡れて たり汚れていたりする場合は、衛生薄葉紙 ールをキッチン台などの台に縦置き(シート 幅方向が垂直方向を向く置き方)し、一方の 側の肘などでロールの上面(端面)を押さえ、 他方の手でロールからシートを必要な長さだ け連続的に巻き出し切断して使用することも ある。

特開平6-38895号公報

 しかしながら、従来の衛生薄葉紙ロールは 上述のように使用するにあたってシートを 要な長さだけ連続的に引き出して切断する 、切断したシートに巻き癖が残ったままと りシートが平坦になりにくく、いわゆるカ ル状態になって使用しづらかった。
 そこで本発明の主たる課題は、使用するに たってシートを必要な長さだけ連続的に引 出して切断して得られる切断したシートの 巻き癖が小さく平坦になり易く使用し易い 生薄葉紙ロールを提供することにある。

 この課題を解決した本発明は、次のとおり ある。
 〔請求項1記載の発明〕
 2枚以上の衛生薄葉紙が重ねられているシー トがこれと実質的に同幅の管芯に巻き取られ ている衛生薄葉紙ロールであって、
 前記シートは、巻き取り最外面に位置する 生薄葉紙の米坪が、巻き取り最内面に位置 る衛生薄葉紙の米坪より小さく、かつ、巻 取り最外面に位置する衛生薄葉紙の密度が 巻き取り最内面に位置する衛生薄葉紙の密 より大きく、
 前記巻き取り最外面の衛生薄葉紙及び巻き り最内面の衛生薄葉紙の米坪がともに10~50g/ m 2 の範囲にあり、
 前記巻き取り最外面の衛生薄葉紙及び巻き り最内面の衛生薄葉紙の密度がともに100~250 kg/m 3 の範囲にあり、
 (巻き取り最内面の衛生薄葉紙の密度)/(巻き 取り最外面の衛生薄葉紙の密度)の値Dが0.6≦D ≦1.0の範囲にある、
 ことを特徴とする衛生薄葉紙ロール。

 (主な作用効果)
 シートの巻き取り最外面に位置する衛生薄 紙の米坪を巻き取り最内面に位置する衛生 葉紙の米坪より小さくするとともに、巻き り最外面に位置する衛生薄葉紙の密度を巻 取り最内面に位置する衛生薄葉紙の密度よ 大きくすることで、巻き癖が小さく、切断 のシートが平坦になり易く使用し易くなる
 ここで、本発明における巻き取り最外面に 置する衛生薄葉紙とは、シートを構成する 生薄葉紙のうち、管芯にシートを巻きつけ ときに、常に最も外面に位置する衛生薄葉 のことであり、反対に巻き取り最内面に位 する衛生薄葉紙とは、シートを構成する衛 薄葉紙のうち、管芯にシートを巻きつける きに、常に最も管芯側に位置する衛生薄葉 のことである。従って、2枚重ね(2プライと 呼ばれる)の場合は、巻き取り最外面の衛生 薄葉紙と巻き取り外面の衛生薄葉紙とが同意 であり、巻き取り最内面の衛生薄葉紙と巻き 取り内面の衛生薄葉紙とが同意である。
 他方、本発明における、密度とは米坪を1枚 分の衛生薄葉紙の厚さで除することで得られ る値である。
 また、上記数値範囲とすると、巻き癖がつ にくく、切断後に平坦になり易い効果が顕 となり、きわめて使用し易いものとなる。

 〔請求項2記載の発明〕
 前記巻き取り最外面の衛生薄葉紙及び巻き り最内面の衛生薄葉紙の米坪において、
 (巻き取り最内面の衛生薄葉紙の米坪)/(巻き 取り最外面の衛生薄葉紙の米坪)の値Bが1.3≦B の範囲にある、請求項1記載の衛生薄葉紙ロ ル。

 (主な作用効果)
 上記数値範囲とすると、巻き癖がつきにく 、切断後に平坦になり易い効果がさらに顕 となり、きわめて使用し易いものとなる。

 〔請求項3記載の発明〕
 前記シートは、その長手方向の所定間隔お にシート幅方向に亘るミシン目線が形成さ ている請求項1又は2の何れか1項に記載の衛 薄葉紙ロール。

 (主な作用効果)
 使用の際の切断がしやすいものとなる。ま 、カールしづらい適度な長さを切断位置と ることができるようになる。

 〔請求項4記載の発明〕
 前記シートは、巻き取り最外面に位置され 衛生薄葉紙に対して水分を塗布又は散布し 後に、それよりも巻き取り内面に位置され 複数又は単数の衛生薄葉紙を重ね合わせて 造されたものである、請求項1~3の何れか1項 に記載の衛生薄葉紙ロール。

 (主な作用効果)
 巻き取り最外面に位置する衛生薄葉紙を他 衛生薄葉紙と重ねた後に又は重ねられると もに、その水分が蒸発して縮みが生じるた 、巻き癖がよりつきづらいものとなる。

 また、油の裏抜けがし難いものとなり、 えば、油分の拭き取り性に優れるようにな 。

 本発明によると、衛生薄葉紙ロールを必 な長さだけ連続的に巻き出し切断して使用 る時でも、巻き癖が小さく平坦になり易く 用し易い衛生薄葉紙ロールを提供すること ある。

 次に、本発明の衛生薄葉紙ロールの実施の 態に関し、主にキッチンロールを例にして 下に説明する。
 なお、本明細書における衛生薄葉紙ロール は、キッチンロールに限定されず、長尺な 生薄葉紙が管芯に巻かれロール状としたも であり、衛生薄葉紙とは、使い捨ての薄葉 をいい、例えば、ナプキン紙及び化粧紙、 イレットペーパー、ちり紙、ティシューペ パー、キッチンペーパー、ペーパータオル キッチンタオル、紙製ワイプ、紙製ウェス どである。

 図1~3に、本実施の形態のミシン目線付きキ チンロール10を示す。このキッチンロール10 は、帯状のシート1aがこれと実質的に同幅の 管などからなる管芯2に巻かれてロール状と されたものである。
 前記管芯2は、既知のものが利用できる。一 般例を示せば、その外径Lは30~50mm、幅Hは100~18 3mm程度である。

 他方、本形態におけるシート1aの巻長さは 般的な長さである10~13mとすることができ、 記管芯2を用いた場合には、キッチンロール1 0の外径は90~130mmとなる。これは、市販のキッ チンロールの一般的な大きさである。
 他方、本形態のシート1aは、特徴的に2枚の ッチンペーパーが重ねられた所謂2プライの 構造をなしており、巻き取り外面に位置する 衛生薄葉紙Aの米坪が、巻き取り内面に位置 る衛生薄葉紙Bの米坪より小さく、また、巻 取り外面に位置する衛生薄葉紙Aの密度が、 巻き取り内面に位置する衛生薄葉紙Bの密度 り大きいものとなっている。

 なお、本発明においては本実施形態に限ら シート1aは、2プライ以上であればよく、従 て3プライ以上の構造も取り得る。好適に本 発明の効果が発現しやすいのは、2プライ又 3プライであり、特に好適には2プライにおい て効果が顕著となる。
 3プライ以上とする場合、巻き取り最外面に 位置する衛生薄葉紙Aと巻き取り最内面に位 する衛生薄葉紙Bとの間の中間層衛生用紙の 坪及び密度は、前記巻き取り最外面及び巻 取り最内面に位置する各衛生薄葉紙の米坪 び密度の間の数値範囲に設定するのがよい

 ここで、本形態のキッチンロール10では、 記巻き取り最外面の衛生薄葉紙A及び巻き取 最内面の衛生薄葉紙Bの米坪はともに10~50g/m 2 の範囲とされている。10g/m 2 未満であると強度が落ち、実使用の際に破れ の原因となり、50g/m 2 を超えると硬くなりすぎて、使用する際に折 りたたみにくくなる恐れがある。
 また、前記巻き取り最外面の衛生薄葉紙A及 び巻き取り最内面の衛生薄葉紙Bの密度はと に100~250kg/m 3 の範囲にあるのがよい。100kg/m 3 未満であると強度が落ち、実使用の際に破れ の原因となり、250kg/m 3 を超えると硬くなりすぎて、使用する際に折 りたたみにくくなる恐れがある。
 さらに、本形態のキッチンロール10では、( き取り最内面の衛生薄葉紙の密度)/(巻き取 最外面の衛生薄葉紙の密度)の値Dが0.6≦D≦1 .0の範囲にあるのがよい。値Dが0.6未満である と最内面の衛生薄葉紙と最外面の衛生薄葉紙 間の巻き取りによるテンションの差が大きく なり、加工の際に均一に巻き取ることが困難 となる。また、値Dが1.0を超えるとカールが きくなる。
 また、本形態のキッチンロール10では、(巻 取り最内面の衛生薄葉紙の米坪)/(巻き取り 外面の衛生薄葉紙の米坪)の値Bが1.3≦Bの範 にあるのがよい。Bの値が1.3未満であるとカ ールを低減する効果が小さくなる。カールを 低減する効果が最も期待できるのは、値Dと Bが共に上記の範囲を満たす場合である。

 他方、本形態のキッチンロール10における ート1aは、巻き取り最外面に位置される衛生 薄葉紙Aに対して水を塗布又は散布した後に それよりも巻き取り内面に位置される複数 は単数の衛生薄葉紙を重ね合わせて製造さ たものであるのがよい。
 特に好適には最外面の衛生薄葉紙Aが完全に 乾燥しないうちに、他の衛生薄葉紙と重ね合 わせるのがよい。この最外面の衛生薄葉紙A 水塗布等量については衛生薄葉紙A1枚の重量 に対して3~6%程度がよく、少なくとも重ねあ せによって、隣接する衛生薄葉紙に水分を 給して、隣接する衛生薄葉紙との水分量差 なくなるような事態を招かない程度の塗布 とする。
 このようにして製造したシート1aは、巻き り最外面に位置する衛生薄葉紙Aを他の衛生 葉紙と重ねたとき又は重ねた後など後段に いて、その水分が蒸発して縮みが生むこと 、巻き癖がよりつきづらいものとなる。そ うえ、特にキッチンロールとした場合には 油の裏抜けがし難いものとなり、例えば、 げ物の過剰な油分の吸収をするためや、キ チン周りの汚れの拭き取りに特に適するキ チンロールに要求される特性が優れるよう なる。

 他方、特に図1及び3に示すように、本形態 シート1aは、シート長手方向の所定間隔Mお にシート幅方向に亘るミシン目線1bを有する 。このミシン目線1b,1b…によって、シート1a 切断し易くしている。所定間隔Mは、48~250mm 度とするのがよい。48mm未満であると、実使 には小さすぎることとなり、250mmを超える 食器などと比べて大きくなることから使い 手ガ悪くなる。
 前記ミシン目線1bは、既知のパーフォレー ョンロール(ミシン刃ロール)設備によって形 成することができる。すなわち、シート1aの Hより幅広のロール上に、多数の刃を幅方向 に沿って配設して刃列を形成し、この刃列を 所定間隔Mと同じピッチでロールの円周方向 複数設けたパーフォレーションロールを、 転させつつ走行するシート1aに当接させるこ とにより、シート1aの幅方向に亘るミシン目 1bを、長手方向の所定間隔Mおきに形成する とができる。

 他方、本形態のキッチンロール10は、図示 の如くミシン目線1bが二重線以上であるのが 好適である。ミシン目線1bが二重線以上であ と、このミシン目線1bからシート先端縁1cま での浮き上がりが生じやすくなる。また、ミ シン目線1bが二重線以上であると、シート長 方向に断紙するおそれが減少する効果もあ 。
 なお、ミシン目線1bは、例えば、三重線、 重線又はそれ以上の複数重とすることもで る。複数重のミシン目線を形成するにあた ては、複数重の適宜の刃列のパーフォレー ョンロールを備えるパーフォレーションロ ル設備により形成することができる。
 また、この場合のミシン目線1bは、シート 方向全体にわたって二重に形成されている 要はなく、例えば、シート1aの側部のみが二 重に形成されていてもよい。
 さらに、ミシン目線1bを二重とする場合に いて、特開2003-276936号公報などを参考に、例 えば、カット部分を千鳥状としたり、あるい は一方のミシン目線のカット部分の端部とこ のカット部分の端部に最も近接した他方のミ シン目線のカット部分の端部とを結ぶ直線に 対する、ミシン目線のなす角を直角又は鋭角 としたりして、切断の容易化などを図ること もできる。

 他方、本形態のキッチンロール10は、好適 はミシン目線1bにおけるシート長手方向の引 張り強さが10~200cN(好ましくは40~60cN)であるの よい。ミシン目線1bにおけるシート長手方 の引張り強さが10cN以上であると、ミシン目 1bの間隔を短くしたことにより、ミシン目 1bが増えたとしても、シート巻出し時におけ るミシン目線1bでの不本意な分断は、確実に 止される。他方、ミシン目線1bにおけるシ ト長手方向の引張り強さが200cN以下であると 、切断したい所望のミシン目線1bにて確実か 容易にシート1aを切断することができる。
 ここで「引張り強さ」とは、JIS P 8113に規 される引張り特性試験方法に準拠して測定 れる乾燥時引張り強さを意味する。シート1 a自体、つまりミシン目線1bのないシート1aの 張り強さではなく、ミシン目線1bのあるシ ト1aを対象とし、ミシン目線1bを跨いで測定 た引張り強度を意味する。

 このミシン目線1bにおける長手方向の引 り強さの調節は、ミシン目線1bにおける接続 部であるタイ長さと、同分断部であるカット 長さとを調節することにより、あるいはこの タイ長さとカット長さとの比であるタイカッ ト比を調節することにより、行うことができ る。より具体的には、所望のタイカット長さ 及びタイカット比の刃列を具備するパーフォ レーションロールに交換することにより調節 することができる。また、この引張り強さの 調節は、パーフォレーションロールのシート 1aへの押付け線圧(シート単位幅当たりのシー ト1aへの押付け力(kgf/cm))の調節や、ワインダ 速度(シート1aの巻取り速度)の調節によって も調節することができる。

 他方、本形態のキッチンロール10は、シ ト1a自体のシート長手方向の引張り強さに対 する、ミシン目線1bにおけるシート長手方向 引張り強さの比率が、1.0~50%(好ましくは2.0~1 0%)であると好適である。引張り強さの比率が 50%以下であると、ミシン目線1bのないシート 分の引張り強さが相対的に高くなるので、 ート1aの切断時に、ミシン目線1b以外のシー ト部分で、シート1aが分断されてしまうこと 抑制され、ミシン目線1bにて確実に切断す ことができる。他方、引張り強さの比率が1. 0%以上であると、相対的にミシン目線1bの引 り強さが高くなるので、ミシン目線1bの間隔 を短くしたことにより、ミシン目線1bが増え としても、シート巻出し時におけるミシン 線1bでの不本意な分断を確実に防ぐことが きる。

 ここでシート1a自体の長手方向の引張り強 も、前述JIS P 8113に規定される引張り特性 験方法に準拠して測定されるものである。 ちろんミシン目線1bのないシート部分の乾燥 時引張り強さである。ここでの引張り強さの 比率の調節は、前述したタイカット比の調節 などによって容易に行うことができる。
 なお、ミシン目線1bにおけるシート長手方 の引張り強さを10~200cNに設定し、引張り強さ の比率を、1.0~50%に設定するためには、ミシ 目線1bのタイ長さを0.9~2.5mmに、カット長さを 0.9~37.5mmにするとともに、タイカット比(タイ: カット)を1:15~1:1に設定すればよい。

 他方、本形態のキッチンロール10は、シー 1a自体における、シート長手方向の引張り強 さに対するシート幅方向の引張り強さの比率 が、10~80%(好ましくは10~40%)であると好適であ 。引張り強さの比率が10~80%であると、当該 ート1aの繊維配向性が、長手方向と幅方向 で適度にバランスが取れる。
 従って、シート巻出し時にかかるせん断力 対し、シート1aが長手方向及び幅方向に自 に伸びて、長手方向や幅方向の裂けが生じ くなる。よって、所望のミシン目線1bできれ いに切断することができ、シート1aは使いや い状態で分断される。

 このように引張り強さの比率を調節する場 においては、シート1a自体の引張強さが、 ート長手方向において200~2200cN(好ましくは100 0~2000cN)、シート幅方向において100~800cN(好ま くは300~ 600cN)であると好適である。
 シート1a自体の引張強さが、シート長手方 において200cN未満であると、紙力が低いので シート取出し時に破れたり、水に濡れたとき に破れてしまったりする。他方、シート1a自 の引張強さが、シート長手方向において2200 cNを超えると、紙力が強すぎるため、シート 柔軟性がなくなり、使い勝手が悪くなる。 方、シート1a自体の引張強さが、シート幅 向において100cN未満であると、紙力が低いの で、シート取出し時に破れたり、水に濡れた ときに破れてしまったりする。他方、シート 1a自体の引張強さが、シート幅方向において8 00cNを超えると、紙力が強すぎるため、シー に柔軟性がなくなり、使い勝手が悪くなる ここでの「引張り強さ」も、JIS P 8113に規 される引張り特性試験方法に準拠して測定 れるものであり、ミシン目線1bのないシート 部分1aの乾燥時の引張り強さである。
 このような引張り強さの比率は、抄き出し 流速度/ワイヤー速度の比(J/W比)を調節し、 宜流れ方向に配向した繊維の量を幅方向に 向した繊維の量よりも多くするなどによっ 、調節することができる。

 ここで、前記シート1aの原料となるパルプ 維の種類については特に限定されるもので ない。既知のパルプ繊維、例えば、木材パ プ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パル などを用いることができ、より具体的には 砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP )、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式 砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP )、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリ チドケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の 械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化 的パルプ(SCP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP )、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等のクラフ パルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイト パルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ( CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポ リビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成 ルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP) の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ 、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とす るぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパル プ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ 等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプ などから、一種又は数種を選択して使用する ことができる。
 ただし、NBKP及びLBKPが質量比で100:0~40:60の原 料パルプを用いるのが好適である。NBKPを用 たことによる強度向上と、LBKPを用いたこと よる柔軟性向上とを両立させたシート1aと る。これによりシート1aの柔らかさなどを損 なわずに、シート巻出し時におけるミシン目 線1bでの不本意な分断が抑制される。

 本発明の衛生薄葉紙ロールの巻き癖につい 試験し、評価した結果を下記に示す。
 <試験方法>
 試験方法の手順は図4を参照しながら説明す る。1枚の衛生薄葉紙に対し、約20cm離れた位 からスプレー糊(コクヨS&T株式会社製「TY -LAS22N」)を衛生薄葉紙の一方面に全体に均一 3秒間噴霧し、その後、相互の流れ方向・幅 方向が一致するように他の衛生薄葉紙1枚を り合わせ、2枚重ねのシート11を構成した(以 、単にシートという)。
 次いで、このシートを、図4(A)~(B)に示すと り、1cm(幅方向)×20cm(流れ方向)に裁断し、直 1.2cm、長さ30cmのステンレス製パイプ13に巻 付ける。その際、KOKUYO製「メンディングテ プT-118(18mm×35m)」14を18mm×6mmの大きさに切っ 巻き始め部分をパイプに固定する。併せて き終わり部分(いわゆるテール部分)も巻きが 解けないように前記メンディングテープ14で 様に固定する。
 この巻き付け状態で、恒温恒湿室(温度:20℃ 、湿度:50%)に24時間安置し、安置後に、巻き わり部分の固定を外し、鉛直方向において き始め部分が上側に、巻き終わり部分が下 になるようにパイプを水平方向に設置する
 次いで、図4(C)に示すとおり、テール部分の メンディングテープ14を剥がして巻きを解除 、パイプをその軸心方向が水平となるよう 保持して、シート11のパイプ13に接着してい ない側のテール端が最下方となる一旦引き延 ばした後、すぐにこの引き延ばしを解除する 。
 その引き延ばしの解除後に、シート11のパ プ側の端部からシートの最も下方に位置す 部分までの距離Rを測定する。Rの値が大きい 程、巻き癖が小さく、Rの値が小さい程、巻 癖が大きいといえる。
 この試験を、巻き取り外面及び巻き取り内 の衛生薄葉紙の米坪及び密度を変更して作 した各種のシートについて行った。各シー における衛生薄葉紙の米坪及び密度と、前 値D及び値Bについては評価とともに下記表1 示す。
 なお、試験の評価は、「とても良い(R≧10cm ◎)」、「良い(7≦R<10cm、○)」、「やや悪 い(4.5≦R<7cm、△)」、「悪い(R<4.5cm、×)」 の4段階とした。

 試験の結果、シートの巻き取り外面の衛生 葉紙の米坪及び密度が、前記シートの巻き り内面の衛生薄葉紙の米坪及び密度に対し 米坪では小さく且つ密度では大きいと良好 なる傾向があり、特に、前記巻き取り外面 衛生薄葉紙の米坪及び前記巻き取り内面の 生薄葉紙の米坪が10~50g/m 2 、前記巻き取り外面の衛生薄葉紙の密度及び 前記巻き取り内面の衛生薄葉紙の密度が100~25 0kg/m 3 であり、(巻き取り内面の衛生薄葉紙の密度)/ (巻き取り外面の衛生薄葉紙の密度)の値Dが0.6 ≦D≦1.0、前記巻き取り外面の衛生薄葉紙の 坪と前記巻き取り内面の衛生薄葉紙の米坪 おける(巻き取り内面の衛生薄葉紙の米坪)/( き取り外面の衛生薄葉紙の米坪)の値Bが1.3 Bである場合に、評価が顕著に良好なものと った。
 以上のとおり、本発明の衛生薄葉紙ロール よれば、巻き癖の低下が達成される。

 本発明は、2枚以上重ねたシートがこれと 実質的に同幅の管芯に巻かれ、前記シートが シート長手方向の所定間隔おきにシート幅方 向に亘るミシン目線を有する、衛生薄葉紙ロ ールに対して適用可能である。

本形態のキッチンロールの斜視図であ 。 本形態のキッチンロールのシートの断 図である。 本形態の巻き出したシートの平面図で る。 巻き癖の評価試験の方法を説明するた の図である。

符号の説明

 1a…シート、1b…ミシン目線、1c…シート 端縁、2…管芯、10…キッチンロール、10A… 面、11…試料、13…パイプ、14…メンデイン テープ、20H…シートの幅、A…巻き取り最外 面の衛生薄葉紙、B…巻き取り最内面の衛生 葉紙、L…管芯の外径、M…所定間隔、R…パ プ巻き付け後の試料の垂下長。