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Title:
SATIETY SENSATION-INDUCING AGENT AND FOOD OR DRINK CONTAINING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/118968
Kind Code:
A1
Abstract:
This object aims to provide a satiety sensation-inducing agent which has an excellent effect of reducing energy intake (food intake) including previous intake, and a food or a drink containing the same. By taking a food or a drink containing a satiety sensation-inducing agent, which comprises a medium chain fatty acid triglyceride as the active ingredient in an amount of 0.8 g to 10 g corresponding to the effective single dose (intake) thereof, before (for example, 30 minutes before) meal, the satiety sensation can be felt earlier during the meal and thus the energy intake (food intake) can be reduced.

Inventors:
OOYAMA KATSUHIKO (JP)
KOJIMA KEIICHI (JP)
TAKEUCHI HIROYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073480
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
December 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NISSHIN OILLIO GROUP LTD (JP)
OOYAMA KATSUHIKO (JP)
KOJIMA KEIICHI (JP)
TAKEUCHI HIROYUKI (JP)
International Classes:
A61K31/23; A23G3/34; A23L1/30; A23L33/00; A61P3/04
Domestic Patent References:
WO2003007932A12003-01-30
Foreign References:
JP2006213711A2006-08-17
JP2007503835A2007-03-01
JP2001120227A2001-05-08
Other References:
MARIE-PIERRE ST-ONGE: "Physiological Effects of Medium-Chain Triglycerides: Potential Agents in the Prevention of Obesity", J. NUTR., vol. 132, 2002, pages 329 - 332
Attorney, Agent or Firm:
HIRATA, Tadao et al. (JP)
Tadao Hirata (JP)
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Claims:
 中鎖脂肪酸を構成脂肪酸に含むトリグリセリド(以下、中鎖脂肪酸トリグリセリドという)を有効成分として含有することを特徴とする満腹感誘発剤。
 1回分の前記中鎖脂肪酸トリグリセリドの有効投与量(摂取量)が、0.8g~10gであることを特徴とする請求項1に記載の満腹感誘発剤。
 1回分の前記中鎖脂肪酸トリグリセリドの有効投与量(摂取量)が、1.25g~5gであることを特徴とする請求項1に記載の満腹感誘発剤。
 投与(摂取)タイミングが、食前30分~90分であることを特徴とする請求項1に記載の満腹感誘発剤。
 前記中鎖脂肪酸が炭素数8~10の脂肪酸であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の満腹感誘発剤。
 前記中鎖脂肪酸トリグリセリドは、混酸基トリグリセリドであり、前記中鎖脂肪酸がオクタン酸/デカン酸=60/40~80/20(質量比)であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の満腹感誘発剤。
 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の満腹感誘発剤を含有することを特徴とする飲食品。
 前記中鎖脂肪酸トリグリセリドを0.8g~10g含有するように前記満腹感誘発剤が配合されていることを特徴とする請求項7に記載の飲食品。
 前記飲食品がソフトキャンディー又はグミであることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の飲食品。
Description:
満腹感誘発剤及びこれを含有す 飲食品

 本発明は、エネルギー摂取量(食事量)を 少させるために、満腹感の感知を早期化さ る満腹感誘発剤及びこれを含有する飲食品 関するものである。

 飽食の環境にある現代人の多くは満腹感 感知するまで食事を続けるため、エネルギ 摂取量(食事量)が過剰になりがちである。 に、空腹時は、食事時間の短縮化(いわゆる 喰い)と相俟って食べ過ぎてしまう傾向にあ る。

 エネルギー摂取量(食事量)の過剰は、肥 の発生を誘引し、肥満に起因する疾病をも らすことから、カロリー摂取の減少または 御を目的として良好な満腹効果を有する食 (特許文献1参照)の研究・開発などがなされ いる。

 また、100~300kcalの中鎖脂肪酸トリグリセリ を事前摂取することにより、同カロリーの 鎖脂肪酸トリグリセリドを事前摂取した場 に較べて、食事量が減らせる効果があるこ が報告されている(非特許文献1参照)。

特表2007-533297号公報 The America Journal of Clinical Nutrition 1988 48、66-71頁

 非特許文献1の開示によれば、100~300kcal(多 いほど良い)の中鎖脂肪酸トリグリセリドを 前摂取する必要があり、この事前摂取量を めると、エネルギー摂取量(食事量)の減少効 果はあまり望むことができない。

 従って、本発明の目的は、事前摂取をも めたエネルギー摂取量(食事量)の減少効果 優れた満腹感誘発剤及びこれを含有する飲 品を提供することである。

 本発明は、上記目的を達成するために、 鎖脂肪酸を構成脂肪酸に含むトリグリセリ (以下、中鎖脂肪酸トリグリセリドという) 有効成分として含有することを特徴とする 腹感誘発剤を提供する。

 また、本発明は、上記目的を達成するた に、上記本発明の満腹感誘発剤を含有する とを特徴とする飲食品を提供する。

 本発明によると、事前摂取をも含めたエ ルギー摂取量(食事量)の減少効果に優れた 腹感誘発剤及びこれを含有する飲食品を提 することができる。

本発明の実施の形態に係る満腹感誘発 法のフローを示す図である。 ラットにおける実施例及び比較例の測 結果を示すグラフである。 ヒト(低脂肪食)における実施例、参考 及び比較例の測定結果を示すグラフである ヒト(高脂肪食)における実施例、参考 及び比較例の測定結果を示すグラフである

〔本発明の実施の形態に係る満腹感誘発剤〕
 本発明の実施の形態に係る満腹感誘発剤は 中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分とし 含有する。

(満腹感誘発剤)
 本発明の実施の形態に係る満腹感誘発剤は 食事中における満腹感を早期に誘発させる の、すなわち、満腹感の感知を早期化させ ものである。ここで、満腹感の感知を早期 とは、より少量のエネルギー摂取量(食事量 )で満腹感を感知できることを意味する。し がって、本発明の実施の形態に係る満腹感 発剤は、エネルギー摂取量抑制剤或いは食 量抑制剤ということもできる。

(中鎖脂肪酸トリグリセリド)
 本発明の実施の形態に係る満腹感誘発剤に 効成分として含有させる中鎖脂肪酸トリグ セリド(MCT(Medium Chain Triglycerides))としては 特に限定されるものではないが、中鎖脂肪 とグリセリンとを常法によりエステル化反 に付して得られるトリグリセリドを用いる とができる。

 中鎖脂肪酸とは、炭素数が6~12の脂肪酸、 特に飽和脂肪酸をいうものとする。例として は、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ラ ウリン酸が挙げられる。炭素数6~10の脂肪酸 好ましく、炭素数8~10の飽和脂肪酸がより好 しく、特に、オクタン酸及びデカン酸を用 ることが好ましい。

 単酸基トリグリセリド又は混酸基トリグ セリドを用いることができ、混酸基トリグ セリドとしては、例えば、オクタン酸/デカ ン酸=60/40~80/20(質量比)、好ましくはオクタン /デカン酸=60/40~75/25(質量比)のトリグリセリ が好適に使用できる。

(MCT含有量)
 本発明の実施の形態に係る満腹感誘発剤は MCTを大人1回分の有効投与量(有効摂取量)で る0.8g~10g含有する。好ましくは、0.9g~8gであ 、より好ましくは、1g~6gであり、さらに好 しくは、1.25g~5gである。子供の場合にも大人 の場合と同等の1回分の有効投与量が適用で る。

 MCTを含有する満腹感誘発剤を摂取後の食 が低脂肪食(脂質:25E%未満)である場合には、 特に、上記好ましい範囲の有効投与量を含有 させると良い。また、MCTを含有する満腹感誘 発剤を摂取後の食事が高脂肪食(脂質:25E%以上 )である場合には、低脂肪食(脂質:25E%未満)の 合に比べて効果が顕著であり、より少量のM CTで大きな効果が得られる。

(満腹感誘発剤の投与タイミング)
 満腹感誘発剤を投与(摂取)した後、30分~90分 の間(60分間)が特に効果が高いことから、こ 60分間が食事時間に当たるように満腹感誘発 剤を投与することが好ましい。一般の人の食 事時間が1分間~60分間と考えると、満腹感誘 剤の投与タイミングが、食前30分~90分である ことが好ましい。より好ましくは、食前30分~ 60分である。

 長く食事時間を取る場合には、段階的に 与してもよい。例えば、食前90分前、60分前 、30分前、食事開始時、食事開始30分後、な に適宜、複数回、投与する。これにより、 に2時間の食事時間を取ったとしても、食事 間の間、効果を持続することができる。

〔本発明の実施の形態に係る飲食品〕
 本発明の実施の形態に係る飲食品は、上記 発明の実施の形態に係る満腹感誘発剤を含 する。

(MCT含有量)
 本発明の実施の形態に係る飲食品は、MCTを0 .8g~10g含有するように上記満腹感誘発剤を配 する。好ましくは、MCT0.9g~8gであり、より好 しくは、1g~6gであり、さらに好ましくは、MC T1.25g~5gである。

(飲食品の種類)
 本発明の実施の形態に係る飲食品としては 特に限定されるものではなく、種々の飲食 が挙げられるが、低カロリー(MCTを含めて100 kcal未満)の飲食品であることが好ましい。ソ トキャンディーやグミ等が特に好適である

 また、ソフトカプセル等の形態とするこ も好ましい。2形態以上であってもよく(例 ば、2カプセル)、2形態以上の合計でMCT0.8g~10g を含有していればよい(例えば、1カプセル中 MCT0.4g~5g含有するカプセルを2カプセル摂取)

 ソフトキャンディーやグミとする場合は MCTを1質量%~20質量%含有するように製造する とが好ましい。

〔本発明の実施の形態に係る満腹感誘発方法 〕
 図1は、本発明の実施の形態に係る満腹感誘 発方法のフローを示す図である。本発明の実 施の形態に係る満腹感誘発方法は、上記本発 明の実施の形態に係る満腹感誘発剤(MCT含量0. 8g~10g)を食前又は食事中に投与(摂取)すること により、食事中における満腹感の感知を早期 化させ、エネルギー摂取量(食事量)を減少さ ることができる。

 MCTは、前述の通りのものを用いることが きる。投与(摂取)方法としては、ソフトカ セルの形態又はソフトキャンディーやグミ の形態が挙げられる。

 MCTの投与(摂取)量は、0.8g~10gである。好ま しくは、0.9g~8gであり、より好ましくは、1g~6g であり、さらに好ましくは、1.25g~5gである。

 MCTは、食前又は食事中に投与(摂取)する 好ましくは、食前30分~90分であり、より好ま しくは、食前30分~60分である。

〔本発明の実施の形態の効果〕
 本発明の実施の形態によれば、少量のMCTを 前摂取することで食事中における満腹感の 知を早期化させることが可能となるので、 前摂取をも含めたエネルギー摂取量(食事量 )を減少させることができる。これにより、 満を防止できる。

 次に実施例により本発明を説明するが、 発明はこれらの実施例により限定されるも ではない。

〔ラットによる効果検証のための予備試験〕
 以下の試験条件・方法により、MCT摂取によ 満腹感の感知を早期化する(満腹感を早期に 誘発させる)効果に基づくエネルギー摂取の 制効果を検証するための予備試験を行なっ 。

<試験条件>
[動物]Wistar Rat(オス)、6週齢、1群8匹
[予備飼育用飼料]
・実施例群:AIN93G標準飼料に、日清オイリオ ループ株式会社製のMCT(オクタン酸/デカン酸 =75/25)(商品名:O.D.O)11.25質量%及び日清オイリオ グループ株式会社製の菜種油(商品名:菜種油) 2質量%を添加したもの
・比較例群:AIN93G標準飼料に、日清オイリオ ループ株式会社製の菜種油(商品名:菜種油)12 質量%を添加したもの
[試験用乳剤]
・実施例群:日清オイリオグループ株式会社 のMCT(オクタン酸/デカン酸=75/25)(商品名:O.D.O) 10質量%、松谷化学工業株式会社製のマルトデ キストリン(商品名:TK-16)25質量%、日本プロテ ン株式会社製のカゼイン(商品名:ALANATE180)1.5 質量%、及び蒸留水63.5質量%を混合して乳剤と したもの;8.31kJ/ml
・比較例群:日清オイリオグループ株式会社 の菜種油(商品名:菜種油)10質量%、松谷化学 業株式会社製のマルトデキストリン(商品名: TK-16)25質量%、日本プロテイン株式会社製のカ ゼイン(商品名:ALANATE180)1.5質量%、及び蒸留水6 3.5質量%を混合して乳剤としたもの;7.91kJ/ml

<試験方法>
 上記予備飼育用飼料を各群のラットに給餌 て4週間飼育後、18時間絶食させた。その後 各群のラットに試験用乳剤を1ml投与した。 験用乳剤を投与後、30分間安静にした後、30 分間及び60分間、各群の餌を自由摂取させ、 餌量を測定し、体重100g当たりのエネルギー 摂取量を算出した。結果を図2に示す。

 図2から判るように、実施例群のラットは 、比較例群のラットに比較し、30分間及び60 間のいずれにおいても有意に低い摂餌量(p< ;0.05)であった。これは実施例群において事前 に投与したMCTが速やかに肝臓でエネルギー化 されたこと等に起因すると考えられる。

〔効果検証・有効量検討のための比較試験〕
(実施例1~7、比較例1~2、参考例1~3)
 以下の試験条件・方法により、ヒトにおけ 、MCT摂取による満腹感を早期に誘発させる 果に基づくエネルギー摂取の抑制効果を検 及び有効量検討するための比較試験を行な た。

<試験条件>
[被験者]健常者7名:成人男子5名(体重65~72kg)、 人女子2名(体重49~60kg)
[試験食]MCT(商品名:O.D.O、日清オイリオグルー プ株式会社製)を0g、0.625g、1.25g、2.5g、5g、10g 有するゼリー(ゼリーの商品名:お薬飲めた 、龍角散株式会社製)50gをそれぞれ調製した
 MCT0g(ゼリー50g):8.5kcal
 MCT1.25g(ゼリー48.75g):18.3kcal
 MCT2.5g(ゼリー47.5g):28.1kcal
 MCT5g(ゼリー45g):47.7kcal
 MCT10g(ゼリー40g):86.8kcal

<試験方法>
1.被験者には、試験前日の19時から21時までの 間に、夕食として支給された弁当(海苔弁当:8 16kcal、蛋白質26.9g、脂質22.7g、炭水化物125.9g セブンイレブンジャパン社製)を摂ってもら 、試験当日の6時30分から7時30分までの間に 朝食として支給されたおにぎり2個(373kcal、 白質10.3g、脂質1.7g、炭水化物79.1g、セブン レブンジャパン社製)を摂ってもらった。

2.各群の被験者に、11時30分に上記試験食50g を3分以内に摂取してもらい、12時から昼食と して、低脂肪食群(実施例1~3、比較例1、参考 1~2)には和風スパゲティ(日清フーズ株式会 製、351kcal/275g、蛋白質12.9g(14.7E%)、脂質7.2g(18 .5E%)、炭水化物58.6g(66.8E%))を、高脂肪食群(実 例4~7、比較例2、参考例3)にはカルボナーラ( 日清フーズ株式会社製、468kcal/300g、蛋白質14. 7g(12.6E%)、脂質20.9g(40.2E%)、炭水化物55.2g(47.2E%) )を満腹になるまで摂取してもらい、その摂 量を測定し、摂取エネルギーを計算した。 お、摂取エネルギーは、11時30分に摂取した 験食のエネルギー量と昼食に摂取したエネ ギー量の合計とした。

 満腹感の確認は、満腹感スコア(「かなり空 腹」から「かなり満腹」までの感覚を100mmのV isual analog scales [VASs]に本人が×印を記入す 「森谷らの方法」、日本栄養食糧学会誌60巻 5号257p、2007年)に拠った。
有意差検定は、被験者内因子の多重比較(ダ ットの方法)に拠り、行った。

 結果を表1、図3及び図4に示す。試験食(MCT 0g)の群を対照として比較を行った。

 低脂肪食の条件では、MCT1.25gから5gを事前 に摂取することにより、満腹になるまでのエ ネルギー摂取量が有意に抑えられることが確 認された。一方、0.625g以下の摂取量では効果 は確認されず、10g以上の摂取量では有意な効 果の差は確認されなかった。

 高脂肪食の条件では、MCT1.25gから10gを事 に摂取することにより、満腹になるまでの ネルギー摂取量が有意に抑えられることが 認された。低脂肪食の条件の場合よりも顕 な効果が現れた。特に、効果のピークが低 肪食の条件の場合が摂取量5g前後にあるのに 対し、高脂肪食の条件の場合には摂取量2.5g 後にあり、高脂肪食の条件の場合にはより 量で大きな効果が得られる点が注目に値す 。一方、0.625g以下の摂取量では有意な効果 差は確認されなかった。

〔MCT入りソフトキャンディーの製造〕
(実施例8)
 以下の処方にてMCT入りソフトキャンディー 製造した。
水飴生地  72質量%
ゼラチン 7.7質量%
MCT   20質量%
乳化剤  0.3質量%
フレーバー  適量 

 先ず、水飴(イオン株式会社製)43.2質量%に グラニュー糖(株式会社パールエースE製)28.8 量%を加え、ホットプレート上で溶かし、水 生地72質量%を作製した。また、ゼラチン(商 品名:AP-250、新田ゼラチン株式会社製)と水を ゼラチン:水=1:2」の割合で混合し、ホット レートで完全に溶解させてゼラチン溶解液( ラチン7.7質量%)を作製した。

 作製した水飴生地72質量%に作製したゼラ ン溶解液(ゼラチン4.4質量%)を加え、完全に 拌し、MCT(商品名:O.D.O、日清オイリオグルー プ株式会社製)20質量%と乳化剤(商品名:シュガ ーエステルs-770:三菱化学フーズ株式会社製)0. 3質量%を加え、ホットプレート上でよく攪拌 た。

 ホットプレートから下ろし、冷めかけた フレーバーを適量加え、6g毎に分取するこ によりMCT入りソフトキャンディーを得た。

〔投与タイミングの検討〕
 以下の試験条件・方法により、MCT摂取によ 満腹感の感知を早期化する(満腹感を早期に 誘発させる)効果に基づくエネルギー摂取の 制効果について、投与(摂取)タイミングの検 討を行なった。

<試験条件>
[動物]Wistar Rat(オス)、6週齢、1群8匹
[予備飼育用飼料]
・実施例群:AIN93G標準飼料に、日清オイリオ ループ株式会社製のMCT(オクタン酸/デカン酸 =75/25)(商品名:O.D.O)11.25質量%及び日清オイリオ グループ株式会社製の菜種油(商品名:菜種油) 2質量%を添加したもの
・比較例群:AIN93G標準飼料に、日清オイリオ ループ株式会社製の菜種油(商品名:菜種油)12 質量%を添加したもの
[試験用乳剤]
・実施例群(MCT):日清オイリオグループ株式会 社製のMCT(オクタン酸/デカン酸=75/25)(商品名:O .D.O)10質量%、松谷化学工業株式会社製のマル デキストリン(商品名:TK-16)25質量%、日本プ テイン株式会社製のカゼイン(商品名:ALANATE18 0)1.5質量%、及び蒸留水63.5質量%を混合して乳 としたもの;8.31kJ/ml
・比較例群(LCT):日清オイリオグループ株式会 社製の菜種油(商品名:菜種油)10質量%、松谷化 学工業株式会社製のマルトデキストリン(商 名:TK-16)25質量%、日本プロテイン株式会社製 カゼイン(商品名:ALANATE180)1.5質量%、及び蒸 水63.5質量%を混合して乳剤としたもの;7.91kJ/m l

<試験方法>
 上記予備飼育用飼料を各群のラットに給餌 て4週間飼育後、18時間絶食させた。その後 各群のラットに試験用乳剤を1ml投与した(参 考例群は未投与)。試験用乳剤を投与後、30分 間安静にした後、60分間(投与後30~90分)、120分 間(投与後30~150分)及び180分間(投与後30~210分) 各群の餌を自由摂取させ、摂餌量を測定し 体重100g当たりのエネルギー摂取量を算出し 。結果を表2に示す。

 表2から判るように、実施例群(MCT投与群) ラットは、比較例群(LCT投与群)や参考例群( 投与群)のラットに比較し、投与後30~90分に いて有意に低い摂餌量(p<0.05、比較例群又 は参考例群に対して)であった。一方、投与 30~150分、及び投与後30~210分においては、有 差が無くなったことから、投与後90分を超え ると、満腹感誘発効果があまり期待できなく なることが分かる。