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Patent Searching and Data


Title:
SCREW FASTENING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/110059
Kind Code:
A1
Abstract:
A screw fastening device comprises a driver having a sleeve (121) with an adsorption hole (122) capable of adsorbing the upper surface of a screw, a bit (125) stored in the adsorption hole and having an end capable of engaging with the recess of the screw, and a rotary part for rotating the bit together with the sleeve, a movement part for moving the driver between a storage part for storing the screw and an object to be fastened, a control part for so controlling the operations of the driver and the movement part as to pick up the screw from the storage part and fix a part onto the object to be fastened by the screw, and an optical sensor (148) that is provided on the sleeve and detects the recess of the screw in such a state that the bottom surface of the sleeve is in non-contact with the upper surface of the screw. The control part performs the alignment of the tip end of the bit with the recess of the screw based on the result of the detection by the optical sensor.

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Inventors:
MIYAMOTO TSUTOMU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/053804
Publication Date:
September 11, 2009
Filing Date:
March 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FUJITSU LTD (JP)
MIYAMOTO TSUTOMU (JP)
International Classes:
B23P19/06; B25B23/10; B25B23/14
Domestic Patent References:
WO2007105257A12007-09-20
Foreign References:
JPH0475828A1992-03-10
Attorney, Agent or Firm:
FUJIMOTO, RYOSUKE (JP)
Ryosuke Fujimoto (JP)
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Claims:
 ネジの上面を吸着可能な吸着孔を有するスリーブと、前記吸着孔に収納され、前記ネジのリセスに先端部が嵌合可能なビットと、前記ビットを前記スリーブと共に回転する回転部と、を有するドライバと、
 前記ネジを収納する収納部と被締結物との間で前記ドライバを移動する移動部と、
 前記収納部から前記ネジをピックアップし、被締結物に部品を前記ネジで固定するように前記ドライバ及び前記移動部の動作を制御する制御部と、
 前記スリーブに設けられ、前記ネジの上面に前記スリーブの底面が非接触な状態で前記ネジの前記リセスを検出する光センサと、
を有するネジ締め装置であって、
 前記制御部は、前記光センサによる検出結果に基づいて前記ビットの前記先端部と前記ネジの前記リセスとのアライメントを行うことを特徴とするネジ締め装置。
 ネジの上面を吸着可能な吸着孔を有するスリーブと、前記吸着孔に収納され、前記ネジのリセスに先端部が嵌合可能なビットと、前記ビットを前記スリーブと共に回転する回転部と、を有するドライバと、
 前記ネジを収納する収納部と被締結物との間で前記ドライバを移動する移動部と、
 前記収納部から前記ネジをピックアップし、被締結物に部品を前記ネジで固定するように前記ドライバ及び前記移動部の動作を制御する制御部と、
 前記スリーブに設けられ、前記ネジの上面に前記スリーブの底面が非接触な状態で前記ネジの前記リセスを検出する光センサと、
を有するネジ締め装置であって、
 前記制御部は、前記光センサによる検出結果に基づいて、前記ネジの中心軸と前記スリーブ又は前記ビットの中心軸との、両中心軸に垂直な平面における位置ずれを検出し、当該位置ずれがゼロになるように前記移動部による移動を制御することを特徴とするネジ締め装置。
 前記スリーブは、前記光センサによる光が通過し、前記ネジの前記上面に対向可能な底面に開口部を含み、
 前記スリーブを底面側から見ると、前記開口部は、前記ビットの中心軸を中心として前記ビットの前記先端部の最外径を通る円を仮想的に形成した時に前記円の内側に少なくとも部分的に張り出していることを特徴とする請求項1又は2に記載のネジ締め装置。
 前記吸着孔は前記ネジのネジ頭よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載のネジ締め装置。
 前記ネジ締め装置は、
 前記スリーブを回転可能に収納すると共に前記吸着孔に接続する中央貫通孔を有するスリーブホルダと、
 前記吸着孔を真空引きする真空引き手段と、
を更に有し、
 前記真空引き手段は、前記スリーブホルダの側面に設けられ、前記スリーブが前記ビットと共に回転する際に前記スリーブホルダと共に静止し、前記中央貫通孔に接続する側面貫通孔に設けられて真空引きする吸引プラグを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のネジ締め装置。
 前記ネジ締め装置は、前記ビットの回転角度を検出する回転位置検出部を更に有し、
 前記制御部は、
 前記スリーブの前記底面と前記ネジの前記上面とを非接触に維持した状態で前記回転部により前記スリーブと前記ビットを回転し、
 前記光センサが検出した前記ネジの前記リセスに対応する前記ビットの回転角度を前記回転位置検出部から取得し、
 前記回転位置検出部から取得した前記ビットの回転角度から、前記スリーブの中心軸を通る前記開口部の中心線と前記ビットの前記先端部の山部の中心線との間の角度だけずれた位置に前記回転部により前記スリーブと前記ビットを回転し、
 前記移動部を制御して前記ビットの前記先端部を前記ネジの前記リセスに嵌合することを特徴とする請求項1に記載のネジ締め装置。
 前記制御部は、
 前記スリーブの前記底面と前記ネジの前記上面とを非接触に維持した状態で前記回転部により前記スリーブと前記ビットを回転し、
 前記スリーブ又は前記ビットの中心軸と前記ネジの中心軸との間の前記平面における位置ずれ量と前記圧力との関係と、前記圧力検出部の検出結果から前記位置ずれ量を取得することを特徴とする請求項2に記載のネジ締め装置。
 
Description:
ネジ締め装置

 本発明は、ネジを締め付けるドライバを するネジ締め装置に関する。

技術背景

 自動ネジ締めにおいては、ネジを被締結 のネジ孔に挿入してドライバで締め付ける この際、ネジをネジ孔に挿入する部材がド イバ自身であれば挿入と同時に締結を開始 ることができるので便宜である。そこで、 ジを作業台上のトレイに収納し、ドライバ 磁力を利用してビットに係合したネジをピ クアップし、被締結物のネジ孔に挿入して 結する方法が従来から提案されている。

 この方法では、ピックアップ時にドライ のビットとネジのリセスとを係合する必要 ある。ビットの先端部は十字やマイナスな の凸部形状を有し、リセスは十字やマイナ などの凹部形状を有するが、両者は位置合 せがされておらずこのままでは両者は係合 ることができない。このため、ビットをリ スに押し付けた状態でビットがリセスに挿 又は係合するまでビットを若干回転させて る(空回り)。また、かかる方法は、ネジの 心軸の位置又はネジを収納する穴の中心軸 位置を予め記憶しておき、ビットの中心軸 ネジの中心軸に一致するようにドライバを 動していた。

 従来技術としては、特許文献1及び2がある

特開平3-221331号公報

実開平5-60736号公報

 しかし、空回りによってビットとネジの 方が変形・破損したり、磨耗粉が発生した する。ビットとネジの摩耗は摩耗粉の散乱 よって製品の汚染や電気的ショートの原因 なり、変形は規定トルクでのネジ締め不良 不良品、ツール交換工数の増大による高効 生産の阻害要因になるおそれがある。

 また、ドライバのビットの中心軸がネジ リセスの中心軸に一致するようにドライバ 移動を制御しても、実際のビットの位置決 においては、モータや伝達機構の磨耗や経 変化によって両中心軸に直交する平面にお る両中心軸の位置ズレが発生する。両中心 がずれた状態でビットをリセスに嵌合する 、ビットがリセス上を擦り、空回りと同様 問題が発生する。

 そこで、本発明は、ビットやリセスの損 や磨耗粉の発生を防止するネジ締め装置を 供することを例示的な目的とする。

 本発明の一側面としてのネジ締め装置は ネジの上面を吸着可能な吸着孔を有するス ーブと、前記吸着孔に収納され、前記ネジ リセスに先端部が嵌合可能なビットと、前 ビットを前記スリーブと共に回転する回転 と、を有するドライバと、前記ネジを収納 る収納部と被締結物との間で前記ドライバ 移動する移動部と、前記収納部から前記ネ をピックアップし、被締結物に部品を前記 ジで固定するように前記ドライバ及び前記 動部の動作を制御する制御部と、前記スリ ブに設けられ、前記ネジの上面に前記スリ ブの底面が非接触な状態で前記ネジの前記 セスを検出する光センサと、を有するネジ め装置であって、前記制御部は、前記光セ サによる検出結果に基づいて前記ビットの 記先端部と前記ネジの前記リセスとのアラ メントを行い、及び/又は、前記ネジの中心 軸と前記スリーブ又は前記ビットの中心軸と の、両中心軸に垂直な平面における位置ずれ を検出し、当該位置ずれがゼロになるように 前記移動部による移動を制御することを特徴 とする。

 アライメントを行うネジ締め装置は、ビ トがスリーブと回転するために、ネジがス ーブの吸着孔に挿入されてビットが回転し リーブが固定されるタイプのドライバより 発塵や変形が少ない。また、光センサはビ トとネジが非接触の状態でビット先端部と ジのリセスとのアライメント位置を検出す ためにビット先端部がネジの上面で空回り る場合と比較して発塵やビットとネジの変 、破損のおそれがない。発塵がないので製 の汚染や電気的ショートがなく、また、変 がないので規定トルクでのネジ締め不良や 良品、ツール交換工数の増大がない。更に ネジのリセスの位相を予め揃える必要がな のでネジの設置作業が容易になる。

 また、位置ズレ補正を行うネジ締め装置 おいて、両中心軸は通常鉛直方向(Z方向)で るから、両中心軸に垂直な平面はXY平面と る。従来から、制御部は、ドライバのビッ の中心軸がネジのリセスの中心軸に一致す 位置(理想状態)をもたらすように移動部を制 御している。しかし、両中心軸の位置ズレが ゼロである理想状態が常に得られるとは限ら ない。そこで、位置ずれ検出部がXY平面にお る両中心軸の実際の位置ずれを検出してそ に基づいて制御部が移動部を制御して理想 態と現実の状態とのズレをキャリブレーシ ンする。この結果、ビットがネジのリセス 嵌合する際に、発塵やビットとネジの変形 破損のおそれがない。発塵がないので製品 汚染や電気的ショートがなく、また、変形 ないので規定トルクでのネジ締め不良や不 品、ツール交換工数の増大がない。更に、 ジのリセスの位相を予め揃える必要がない でネジの設置作業が容易になる。

 前記スリーブは、前記光センサによる光 通過し、前記ネジの前記上面に対向可能な 面に開口部を含み、前記スリーブを底面側 ら見ると、前記開口部は、前記ビットの中 軸を中心として前記ビットの前記先端部の 外径を通る円を仮想的に形成した時に前記 の内側に少なくとも部分的に張り出してい もよい。かかる構成により、張り出し部が 出部として使用可能である。なお、開口部 全部が張り出し部であってもよい(但し、こ の場合には位置ズレ検出機能が失われる場合 がある)。

 前記吸着孔は前記ネジのネジ頭よりも小 くてもよい。これにより、ネジがスリーブ 吸着孔に挿入されてビットが回転しスリー が固定されるタイプのドライバよりも発塵 変形が少ない。

 前記ネジ締め装置は、前記スリーブを回 可能に収納すると共に前記吸着孔に接続す 中央貫通孔を有するスリーブホルダと、前 吸着孔を真空引きする真空引き手段と、を に有し、前記真空引き手段は、前記スリー ホルダの側面に設けられ、前記スリーブが 記ビットと共に回転する際に前記スリーブ ルダと共に静止し、前記中央貫通孔に接続 る側面貫通孔に設けられて真空引きする吸 プラグを有してもよい。吸引プラグはビッ が回転しても回転しないので吸引プラグに 続される配管などの配置が容易になる。

 前記ネジ締め装置は、前記ビットの回転 度を検出する回転位置検出部を更に有し、 記制御部は、前記スリーブの前記底面と前 ネジの前記上面とを非接触に維持した状態 前記回転部により前記スリーブと前記ビッ を回転し、前記光センサが検出した前記ネ の前記リセスに対応する前記ビットの回転 度を前記回転位置検出部から取得し、前記 転位置検出部から取得した前記ビットの回 角度から、前記スリーブの中心軸を通る前 開口部の中心線と前記ビットの前記先端部 山部の中心線との間の角度だけずれた位置 前記回転部により前記スリーブと前記ビッ を回転し、前記移動部を制御して前記ビッ の前記先端部を前記ネジの前記リセスに嵌 してもよい。これにより、ビット先端部の 部とネジのリセスとのアライメントを自動 行うことができる。

 また、前記制御部は、前記スリーブの前 底面と前記ネジの前記上面とを非接触に維 した状態で前記回転部により前記スリーブ 前記ビットを回転し、前記スリーブ又は前 ビットの中心軸と前記ネジの中心軸との間 前記平面における位置ずれ量と前記圧力と 関係と、前記圧力検出部の検出結果から前 位置ずれ量を取得してもよい。かかる構成 、両中心軸の位置ズレを光センサが検出す 光量差に変換するので簡単な構成で両中心 の位置ズレを検出することができる。

 本発明の更なる目的又はその他の特徴は 以下、添付図面を参照して説明される好ま い実施例によって明らかにされるであろう

本発明のネジ締め装置のブロック図で る。 図1に示すネジ締め装置において収納部 に配置されたネジの断面図とネジの上面図で ある。 図1に示すネジ締め装置のドライバの断 面図である。 図3に示すドライバのスリーブの下部の 断面図及び底面図である。 図3とは異なる回転位置にあるスリーブ の下部の断面図及び底面図である。 従来のドライバのスリーブの下部の断 図及び底面図である。 図4に示すスリーブとネジの上面とが近 接し、ネジのリセスとスリーブの溝とがずれ ている状態におけるスリーブの下部の縦断面 図及び横断面図である。 図7とは異なる回転位置にあるスリーブ の下部の縦断面図及び横断面図である。 図3のA部の拡大側面図及び断面図であ 。 図1に示すネジ締め装置の動作を説明 るためのフローチャートである。 図10に示すステップ1100の詳細を説明す るためのフローチャートである。 図10に示すステップ1200の詳細を説明す るためのフローチャートである。 図12に示すステップ1220の状態を示すス リーブ下部の断面図である。 図7の変形例のスリーブの下部の縦断 図及び横断面図である。 図8の変形例のスリーブの下部の縦断 図及び横断面図である。 図2(b)の変形例の拡大平面図である。 図3に示すドライバの変形例の下部の 分拡大断面図である。 図17に示す要部の分解斜視図である。 図17に示すドライバを使用したネジ締 装置の動作を説明するための断面図である 図11に示すフローチャートの変形例で る。 図12に示すフローチャートの変形例で る。 ネジのリセスの中心軸とスリーブ(ビ ト)の中心軸の位置ズレがある場合の溝とリ スの谷部との位置ズレを示す平面図である 図22に示すスリーブ(ビット)の回転角 と真空監視センサの出力との関係を示すグ フである。 図3に示す構造の変形例のドライバの 面図である。 図4の変形例のスリーブの下部の縦断 図及び横断面図である。 図5の変形例のスリーブの下部の縦断 図及び横断面図である。 図7の変形例のスリーブの下部の縦断 図及び横断面図である。 図8の変形例のスリーブの下部の縦断 図及び横断面図である。

 以下、添付図面を参照して、本発明のネ 締め装置について説明する。図1は、ネジ締 め装置100のブロック図である。図1において 横方向がX方向で、縦方向がY方向で、紙面に 垂直な方向がZ方向である。図2(a)は、収納部1 10の部分拡大断面図である。ネジ締め装置100 、ネジをピックアップして被締結物として ワークWに部品を締結する機能を有し、収納 部110と、ドライバ120と、移動部160と、制御系 と、を有する。

 収納部110は図示しない作業台に載置され ネジ10を収納するトレイである。ネジ10は、 図示しないネジ供給部により一本ずつ又はマ トリックス状に整列した状態で収納部110に供 給される。ネジ10は、ネジ頭12とネジ部15とを 有する。ネジ10は、ドライバのビットが係合 れるリセス13をネジ頭12の上面16に有する。 セス13の形状は、マイナス、十字、星型の 部など限定されない。

 本実施例のリセス13は、図2(b)に示すように 十字形状を有する。この場合、リセス13は4 の谷部13aと一の円錐部13bから構成されてい 。各谷部13aは、図2(b)に示すように、ネジ10 上から見ると、図2(a)に示すネジ10の中心軸1 7を中心17aとして一定幅で放射方向に延び、4 の谷部13aの中心線13a 1 は中心17aの周りに90°間隔で広がっている。 錐部13bは、中心軸17を中心軸にし、ネジ10の 央に設けられる。リセス13の谷部13aの最外 を通る円の径はR1である。円錐部13bの底面の 径(リセス13の内径)はR2である。

 トレイ供給の場合は、図2(a)に示すように 、ネジ10のネジ部15が挿入される穴112を有す 。穴112はネジ切りされておらず、ネジ10は穴 112に固定されていない。ネジ10は穴112に沿っ 順次供給され溝終端よりドライバ120でピッ アップする。ネジ10は、穴112終端で回転可 である。本実施例では、ネジ10はリセス13の 相(又は方向)が予め設定されずに収納部110 搭載される。ネジ10の位相を予め制御する必 要がないのでビットの先端部とネジのリセス 13の位相合わせを簡単に行うことができる。

 本実施例において、ワークWは、携帯電話 の筐体の下型(ベース)であり、ネジ締め装置1 00は携帯電話の他の部品である筐体の上型(カ バー)を下型にネジ止めする。別の実施例で 、ワークWはHDDで、ネジ締め装置100はハード ィスク装置(Hard Disc Drive:HDD)のスピンドル ブに部品としてのクランプリングをネジ止 する。スピンドルハブはスピンドルモータ 結合されて磁気ディスクを搭載して磁気デ スクと共に回転する。クランプリングは、 数のネジ穴を有して一定の押圧力でスピン ルハブの周りに取り付けられた磁気ディス をスピンドルハブに固定する。

 ドライバ120は、(ドライバ)ビット125を回 して自動でネジ10を締め付け、図3に示すよ に、スリーブ121と、ビット125と、ビット駆 系と、各種検出部と、吸引系と、を有する

 図4(a)は、スリーブ121の下部(図3に示すB部 )の拡大断面図である。図4(b)は、図4(a)に示す スリーブ121の底面図である。図5(a)は、図4(a) 示す回転位置から時計回りに45°回転したス リーブ121の下部の拡大断面図である。図5(b) 、図5(a)に示すスリーブ121の底面図である。 6(a)は、従来のスリーブ2の下部の断面図で る。図6(b)は、図6(a)に示すスリーブ2の底面 である。

 スリーブ121は、中空のほぼ円筒形状を有 、図4(b)及び図5(b)に示すように、ネジ10の上 面16を吸着可能な中央の吸着孔(中空部)122と 縁部に設けられた溝123と、を有する。吸着 122はビット125とシャフト128の一部を収納す 。スリーブ121の材料は限定されない。本実 例では、スリーブ121は樹脂製で、吸着孔122 溝123は射出成型によって形成される。

 従来技術の中にはネジの締結時にビット 対してスリーブが固定され、ネジのネジ頭 吸着孔に挿入され(即ち、吸着孔がネジの上 面よりも大きく)、ビットが回転してネジを 結するものがある。しかし、この場合、ネ の締結中に、ネジ頭の側面がスリーブの吸 孔の内面と接触して磨耗して磨耗粉を発生 る可能性がある。本実施例では、スリーブ12 1はビット125と共に回転し、ネジ10とスリーブ 121も一体的に回転する。また、吸着孔122の大 きさはネジ10の上面16よりも小さい。これに り、摩耗粉の発生を防止している。

 吸着孔122は、その断面形状又は底面から た形状が、図4(b)や図5(b)に示すように、ネ 10のリセス13及びビット125の先端部125aの形状 と同様に、十字形状を有する。これに対して 、従来技術では、図6(a)及び図6(b)に示すよう 、スリーブ2の吸着孔3は円筒形状を有する ビット4はビット125と同一構造を有する。

 このように、本実施例の吸着孔122は従来 ような円筒形状を有さない。ビット125はス ーブ121と一体的に回転するために円筒形状 なくてもよい。より詳細には、吸着孔122は 底面から見た形状が、図4(b)に示すように、 リセス13の外径R1を有する点線で示す円Cの内 に退避した4つの凹部122aを有する。かかる 部122aをネジ10のリセス13の姿勢又は位相を検 出する検出部位に使用することができる。か かる検出部位は、スリーブ121がある回転位置 の場合にリセス13の上に配置され、別の回転 置にある場合にリセス13上から外れること 必要である。ここで、吸着孔122を底面から た場合に円筒形状スリーブ121の中心又はビ ト125の中心は、ビット125又はスリーブ121の 心軸Kに対応する中心Jとなる。円Cは、中心J 中心してビット125の先端部125aの最外径を通 り、仮想的に形成された円である。

 本実施例では、凹部122aの数は十字形状に対 応して4つ設けられている。十字形状の吸着 122は、4つの凸部122bを有し、各凸部122bは中 Jから放射方向に延びる中心線122b 1 を有する。即ち、各凸部122bは中心線122b 1 に沿って延びている。中心線122b 1 は、それに関して各凸部122bが線対称になる をいう。図4(b)及び図5(b)に示すように、吸着 孔122を底面から見ると、4つの中心線122b 1 は中心Jの周りに90°の間隔で広がっている。

 溝123は、図7及び図8に示すように、ネジ10 の中心軸17とスリーブ121(又はビット125)の中 軸Kが一直線上にあってネジ10の上面16にスリ ーブ121の底面121aが非接触で近接して配置さ た場合にスリーブ121の回転位置に応じて吸 孔122内の圧力を変動させる。溝123は、スリ ブ121の回転位置に応じて吸着孔122をスリー 121の外部の外気に接続及び切断する。

 ここで、図7(a)は、スリーブ121とネジ10の 面16とが近接した状態(約0.2mm)におけるスリ ブ121の下部の断面図である。図7(b)は、図7(a )をEE方向から見た断面図である。図8(a)は、 7(a)とは中心Jに関して時計回りに45°だけ回 した位置に配置されたスリーブ121の下部の 面図である。図8(b)は、図8(a)をFF方向から見 断面図である。なお、図7(b)及び図8(b)にお ては、ビット125又はスリーブ121の中心軸Kと ジ10の中心軸17とは鉛直方向に一直線になっ ている。

 「非接触」とは、ネジ10の上面16とスリー ブ121の底面121aが接触した状態でスリーブ121 回転(空回り)すると接触部位で発塵や変形が 発生するため、これを除く趣旨である。また 、「近接」とは、圧力変動を検出可能な位置 であり、本実施例では、0.2mmであるが、ネジ1 0のリセス13の形状(例えば、十字形状や星型 状)や大きさ(例えば、外径R1など)によって異 なる。

 溝123は、吸着孔122に非接触に形成され、 着孔122と溝123とは隔壁121cによって分離され ている。溝123と吸着孔122が接続していると、 圧力変動の効果が小さくなる。

 溝123は、図4(b)及び図5(b)に示すように、 リーブ121の底面121aに形成される。また、溝1 23は、スリーブ121の底面121aと円筒側面121bに いて大気開放されている。溝123は、スリー 121の底面121aから見るとU字形状の輪郭を有し 、四分の一の球体と半円筒を組み合わせたよ うな形状を有する。

 溝123は、中心Jから放射方向に延びる中心線 123aを有し、中心線123aと最も近い両側の凸部1 22bの中心線122b 1 とのなす角度はそれぞれ45°である。中心線12 3aは、それに関して溝123が線対称になる線を う。溝123は、スリーブ121の円筒側面121bに接 続された開放端123bを有する。開放端123bの大 さは限定されない。

 溝123は、スリーブ121の底面121a側から見る と、中心Jを中心してビット125の先端部125aの 外径を通る円Cを仮想的に形成した時に円C 内側に張り出している。本実施例において 、この張り出し部は、概ね上述の四分の一 球体部(図8(b)の123c)である。この張り出し部1 23cはスリーブ121の回転位置に応じてリセス13 上に配置されたりリセス13から外れたりす 。

 図7(a)や図7(b)に示すように、張り出し部12 3cがリセス13から外れている場合には、スリ ブ121の底面121aとネジ10の上面16とが若干離れ ているものの、吸着孔122とリセス13により吸 孔122の内部圧力はほぼ一定に維持される。 方、図8(a)や図8(b)に示すように、張り出し 123cがリセス13上に配置されている場合には 吸着孔122とリセス13と溝123が接続して吸着孔 122がリセス13を介して大気開放された溝123に 続されるため吸着孔122の内部圧力が低下す 。

 ビット125の先端部125aの山部126の数又は吸着 孔122の凸部122bの数をn(本実施例ではn=4)とす 。この場合、溝123の中心線123aと、溝123に最 近いビット先端部125aの山部126の図示しない 中心線又は溝123に最も近い吸着孔122の凸部122 bの中心線122b 1 とがなす角度は360°/2n(本実施例では45°)に設 してもよい。溝123に最も近いビット先端部1 25aの山部126又は吸着孔122の凸部122bは溝123の 側に存在する。溝123の中心線123aと両側の中 線122b 1 (126a)とのなす角度が360°/2nで等しくなると、 123とリセス13の谷部13aが位置合わせされた でスリーブ121を右回りに360°/2nだけ回転して も左回りに360°/2nだけ回転してもビット先端 125aの山部126にリセス13の谷部13aを位置合わ することができる。もちろん回転方向を決 ておけば中心J周りに隣接する2つの中心線12 2b 1 の間の角度を2つの360°/2n以外の角度に分けて もよい。

 溝123は、スリーブ121が図7(a)及び図7(b)に す回転位置の場合にリセス13上から外れる。 また、溝123は、スリーブ121が図8(a)及び図8(b) 示す回転位置の場合にリセス13の上に配置 れる。図8(b)においては、溝123の四分の一の 体部123cがリセス13の谷部13aの上に配置され 。このように、溝123は、スリーブ121がある 転位置の場合にリセス13の上に配置され、 の回転位置にある場合にリセス13上から外れ る。

 図7(a)と図7(b)はリセス13の谷部13aの位相とス リーブ121の凸部122b(又はビット125の先端部125a の山部126)の位相とが一致し、中心線13a 1 と中心線122b 1 とが一致した状態を示している。図7(a)に示 矢印AC1はエア流路を示している。エア流路AC 1はスリーブ121の底面121aとネジ10の上面16との 間の隙間によって形成される。スリーブ121の 底面121aとネジ10の上面16とが近接して配置さ ているのでエア流路AC1を流れる流量は小さ 。

 図8(a)と図8(b)はリセス13の(谷部13a)の位相と リーブ121の(凸部122b)の位相とが45°ずれ、4 の谷部13aの1つの中心線13a 1 と中心線123aとが一致している状態を示して る。図8(a)に示す矢印AC2はエア流路を示して る。エア流路AC2はスリーブ121の底面121aとネ ジ10の上面16との間の隙間と溝123の開放端123b よって形成される。開放端123bから大量の外 部エアが流入するため流量が大きい。エア流 路AC1の流量とエア流路AC2の流量が検出され、 溝123は両者間の圧力差が検出される程度の深 さと開放端123bの大きさを有する。本発明は 溝123の深さや開放端123bの大きさを限定する のではない。

 ビット125は、先端部(下端部)125aと基端部( 上端部)125bを有する円筒部材である。

 先端部125aは、ネジ10のリセス13に係合可 であり、図4(b)及び図5(b)に示すように、十字 形状を有する。なお、本発明はビット125がネ ジ10を締め付け可能である限り、ビット先端 125aの形状を限定するものではない。ビット 125の先端部125aがネジ10のリセス13と係合して 転することにより、ネジ10をワークWに締結 ることができる。

 本実施例のビット125の先端部125aは4つの 部126を有する。各山部126はリセス13の各谷部 13aに嵌合可能であり、図4(b)に示すように、 端部125aをスリーブ121の底面側から見た場合 大きさは、図2(b)に示すように、ネジ10を上 側から見たリセス13の大きさよりも若干小 い。各山部126は中心Jから放射方向に延びる 心線126aを有する。即ち、各山部126は中心線 126aに沿って延びている。中心線126aは、それ 関して山部126が線対称になる線をいう。図4 (b)及び図5(b)に示すように、先端部125aを底面 ら見ると、4つの中心線126aは中心Jの周りに9 0°の間隔で広がっている。

 本実施例では、ビット125は磁性部材で構 され、ネジ10は金属から構成されている。 のため、先端部125aがリセス13に係合すると ジ10はビット125に固定される。この結果、収 納部110に収納されたネジ10のリセス13にビッ 125が挿入及び係合され、上昇するとネジ10を ピックアップすることができる。但し、吸着 孔122はネジ10の上面16を吸着するので磁力に る吸着は必ずしも必須ではない。

 基端部125bは、ビット駆動系のシャフト128 の下端部128aと機械的に係合する。係合する めの両者の形状は問わない。この結果、ビ ト125とシャフト128は一体として回転する。

 ビット駆動系は、ビット125を回転駆動す 機構であり、シャフト128と、ギアボックス1 30と、サーボモータ132と、を有する。

 シャフト128は、下端部128aと、係合部128bと 上端部128cと、を有する円筒部材である。下 部128aは、ビット125の基端部125bと係合する 係合部128bの周りにはビット駆動系のギアボ クス130のギア131eが固定される。この結果、 シャフト128はギア131eと一体に回転する。シ フト128の上端部128cには、図9に示すように、 切り欠き128c 1 が設けられている。ここで、図9は、図3のA部 の拡大側面図及び断面図である。なお、ビッ ト125とシャフト128を別体として設けるかどう かは選択的であり、ビット125とシャフト128が 一体であってもよい。

 サーボモータ132はモータ軸133を有し、図 しないケーブルを介して電源が供給される モータ軸133の周りにはギアボックス130のギ 131aが取り付けられている。このため、モー タ軸133とギア131aとは一体として回転する。 ータ軸133はギア131aと共にギアボックス130の 部131iに設けた穴からギアボックス130の内部 に突出している。

 また、各種検出部は、回転位置検出セン 140と、回転位置検出センサ(エンコーダ)144 、真空監視センサ146と、を有する。

 ギアボックス130は、モータ132の動力(トル ク)をシャフト128に伝達する。ギアボックス13 0のケース131fはスリーブ121に固定され、ケー 131fは蓋部131iが取り付けられて覆われてい 。ギアボックス130は、ギア列(ギア131a乃至131 e)を有する。ギア131aはモータ132のモータ軸133 の周りに固定されてモータ軸133と共に回転す る。ギア131bは、軸131gの周りに固定されてギ 131aに噛み合っている。軸131gはケース131fに 転自在に保持されている。軸131gの周りには 更にギア131cが固定されてギア131dに噛み合っ いる。ギア131dは軸131hの周りに固定されて ア131eに噛み合っている。軸131hはケース131f 回転自在に保持されている。この結果、モ タ132の回転力はシャフト128に伝達される。

 回転位置検出センサ140は、シャフト128の 転位置を検出することによって、それに係 するビット125が回転位置(原点位置)にある とを検出する。回転位置検出センサ140は、 センサであり、図9に示すように、発光部141a と、受光部141bと、発光部141aと受光部141bとを 支持するフレーム142と、を有する。但し、セ ンサ140の種類は透過型の光センサに限定され ない。

 発光部141aから受光部141bに向かう光Lはシャ ト128の上端部128cの切り欠き128c 1 が図9に示す位置にあるときのみ検出するこ ができる。受光部141bによる検出結果は制御 170に伝達される。フレーム142は平板形状の 持プレート134に固定され、支持プレート134 、ネジ135によってL字形状の支持プレート136 の一端に固定される。支持プレート136の他端 はネジ137によりギアボックス130の蓋部131iに 定される。この結果、フレーム142はギアボ クス130に固定される。

 切り欠き128c 1 は断面円弧形状をシャフト128の長手方向に切 り取ったものである。切り欠き128c 1 の鉛直方向の端面はシャフト128の鉛直方向の 中央軸から偏芯している。切り欠き128c 1 の鉛直方向の端面をシャフト128の鉛直方向の 中央軸に設けるとシャフト128が160度回転した 場合もセンサ140が同様に検出してシャフト128 の回転位置を一義的に検出することができな くなってしまうからである。もっとも180度回 転してもビット125は対称であるために端面が 中央に形成されてもよい。センサ140が検出す る切り欠き128c 1 は図9に示す形状に限定されない。例えば、 部(溝)や突起として構成されてもよい。

 上述したように、ネジ10はリセス13の位相 又は姿勢が一定方向に揃わずに収納部110に搭 載される。従って、回転位置検出センサ140に よってビット125を原点位置に位置決めしても リセス13に無回転で挿入及び係合されるとは らない。換言すれば、ビット125原点位置に 置決めするだけではビット125の先端部125aは ネジ10のリセス13に位置合わせ(アライメント) されていない。

 回転位置検出センサ144は、モータ132の回 角度を検出するエンコーダである。回転位 検出センサ144はモータ軸133に設けられ、モ タ軸133の回転位置を検出するロータリエン ーダであり、制御部170に接続される。回転 置検出センサ144はビット125の回転位置を検 するのにも使用可能であり、この場合には 制御部170は回転位置検出センサ140か144のい れか一つを使用すればよい。本実施例では ビット125を原点位置に復帰させるのに回転 置検出センサ140を使用し、真空監視センサ1 46の検出結果に基づいてビット125の先端部125a とネジ10のリセス13のアライメントに回転位 検出センサ144を使用する。

 ロータリエンコーダがアブソリュート方 であれば回転位置検出センサ140と同様に絶 位置を検出することができる。従って、こ 場合は、回転位置検出センサ144はビット125 原点位置にあるときのモータ軸133の回転位 (回転角度)を原点に設定してこれを検出す 。一方、ロータリエンコーダがインクリメ ト方式であれば2つのパルスの位相ずれから 転方向と回転量を計算することができる。 の場合の回転量はモータ軸133の回転量であ からビット125の回転量に変換するにはモー 軸133の回転量にギア比を掛けなければなら い。また、ビット125が原点位置に復帰する に必要な回転量が算出された後はそれをモ タ軸133の回転量に変換しなければならない

 吸引系(真空引き手段)は、スリーブ121の 着孔122の内部を吸引して内部圧力を低下さ 、スリーブ121の底部にネジ10を真空吸着する 機能を有する。吸引系は、吸引プラグ150と、 吸引プラグ150に取り付けられた配管152と、真 空ポンプ154と、を有する。吸引プラグ150は、 スリーブ121の吸着孔122に接続されたネジ部151 aと、配管152に接続される接続部151bと、を有 る。配管152は、一端が吸引プラグ150の接続 151bに接続され、他端が真空ポンプ154に接続 され、途中で真空監視センサ146に接続される 。なお、配管152は、金属製の配管のみならず 、ホースやチューブなどの弾性部材も含む。 真空ポンプ154には、周知の構造を適用するこ とができる。

 真空監視センサ146は、配管152(従って、ス リーブ121の吸着孔122)の内部圧力を検出する 力計や流量計であり、検出結果を制御部170 通知する。

 移動部160は、収納部110とワークWとの間で ドライバ120を3次元的に移動する機能を有し X軸ロボット162と、Y軸ロボット164と、Z軸ロ ット166とを有する。X軸ロボット162は、図1に 示す横方向にドライバ120を移動させる。Y軸 ボット164は、図1に示す縦方向にドライバ120 移動させる。Z軸ロボット166は、図1の紙面 垂直な方向にドライバ120を移動させる。こ らのロボットには当業界で周知の構成を適 することができ、ここでは詳しい説明を省 する。

 制御系は制御部170を有する。制御部170は ネジ10のピックアップ時、ネジ10の搭載時、 ネジ10の締結時などに、ドライバ120のサーボ ータ132の回転と移動部160によるドライバ120 移動を制御する。制御部170は、MPUなどのプ セッサとRAMやROMなどの図示しないメモリを む。制御部170は、ネジ10を収納する収納部11 0からネジ10をピックアップし、ワークWに部 をネジ10で固定するようにドライバ100と移動 部160の動作を制御する。

 以下、図10乃至図12に示すフローチャート を参照してネジ締め装置100(制御部170)の動作 ついて説明する。

 まず、初期作業を行う(ステップ1100)。

 初期作業では、図11に示すように、まず、 リーブ121及びビット125の形状のティーチン を行う(ステップ1102)。ステップ1102では、例 ば、スリーブ121の凸部122bの中心線122b 1 及びビット125の先端部125aの山部126の中心線12 6aが90°(より一般的には、360°/n)間隔に広がり 、溝123の中心線123aが隣接する2つの中心線122b 1 又は126aに対して45°(例えば、360°/2n)の角度で 配置されていることを制御部170に記憶させる 。

 次に、ネジ10の配置のティーチングを行 (ステップ1104)。ステップ1104では、例えば、 納部110に配置された複数のネジ10の穴112の 心座標を制御部170に記憶させる。これによ 、制御部170は、各ネジ10の中心軸17にスリー 121又はビット125の中心軸Kを整列させる際の 移動部160の各ロボットの移動量を算出してこ れを記憶する。

 次に、移動部160を介してネジ10をピック ップする(ステップ1200)。以下、図12を参照し て、ステップ1200のピックアップ動作の詳細 ついて説明する。

 まず、制御部170は、ネジ10を収納する収 部110が図示しない作業台に載置されたかど かを判断する(ステップ1202)。かかる判断は 図示しない作業台に設けられた図示しない 出部やカメラの検出結果を利用することが きる。また、同時に、制御部170は、収納部11 0にネジがあるかどうかを判断する。本実施 では、収納部110は一つのネジ10のみを収納す るが、本発明は複数のネジ10を同時にピック ップしてワークWに取り付ける場合にも適用 可能である。例えば、6本のネジを6つのドラ バ120を使用して同時にピックアップする場 には、制御部170は、収納部110に所定数(即ち 、6本)のネジ10が収納されているかどうかを 断する。この判断は収納部110のネジ穴が塞 っているかどうかを検出する検出部やカメ を収納部110に設ける。制御部170は、これら 条件が満足されるまでピックアップを待機 、必要に応じてエラー表示を行う。なお、 テップ1202においては、ネジ10のリセス13の方 向は不定であり、制御部170は把握していない 。

 次に、ビット125を原点位置に復帰させる( ステップ1204)。ステップ1204においては、本実 施例の制御部170は、回転位置検出センサ140の 検出結果を取得し、これに基づいてサーボモ ータ132を駆動してシャフト128を回転してビッ ト125を回転する。ステップ1204では、ビット12 5が原点位置にないと判断した場合、制御部17 0はモータ132を介してセンサ140の受光部141bが Lを検出するまで、即ち、ビット125が原点位 置に移動するまで、ビット125を回転する。こ れにより、ビット125は、図9に示す状態に位 決めされる。

 次に、ドライバ120をスリーブ121の底面121a がネジ10の上面16に非接触でかつ近接するよ なサーチ位置まで下降する(ステップ1206)。 ーチ位置は、例えば、スリーブ121の底面121a ネジ10の上面16との間の距離が、図7(a)や図8( a)に示す距離である。ステップ1206においては 、制御部170は、移動部160のZ軸ロボット166を してドライバ120を下降させる。

 次に、サーボモータ132を介してスリーブ121 ビット125を回転させる(サーチ)(ステップ1208 )。最小の回転角度は、360°/nである。最大の 転角度は360°である。例えば、ステップ1206 結果、溝123が図7(b)に示すような位置(但し 溝123の中心線123aと隣接する中心線122b 1 (及び126a)の角度は45°である必要はない)にあ ものとする。すると、中心Jの周りに時計回 りにスリーブ121とビット125を回転させると、 溝123の中心線123aが、図8(b)に示すように、最 に右側の谷部13aの中心線13a 1 に一致する位置に溝123が到達する。この時、 図8(a)に示すように、エア流路AC2の流量が大 いために圧力低下がピークとなる。この圧 低下のピークは、ステップ1208の回転角度が3 60°であれば、その後、90°毎に現れる。

 本実施例は、一つの溝123を設けているが 本発明は溝123の数を限定するものではない 例えば、図14及び図15に示すように、スリー ブ121に4つの溝123を設けてもよい。ここで、 14(a)は、スリーブ121とネジ10の上面16とが近 した状態(約0.2mm)におけるスリーブ121の下部 断面図である。図14(b)は、図14(a)をE1-E1方向 ら見た断面図である。図14(b)は、図7(b)の変 例であり、4つの溝123をスリーブ121の底面121 aに設けている。図15(a)は、図14(a)から時計回 に45°回転した位置に配置されたスリーブ121 の下部の断面図である。図15(b)は、図15(a)をF1 -F1方向から見た断面図である。なお、図15(b) おいては、スリーブ121(ビット125)の中心軸K ネジ10の中心軸17とは鉛直方向に一直線にな っている。

 図14(b)及び図15(b)は4つの溝123を有し、図7(b) び図8(b)は一つの溝123を有するが、溝123の構 造は同一である。溝123は、中心Jから放射方 に延びる中心線123aを有し、中心線123aと最も 近い凸部122bの中心線122b 1 とのなす角度は45°である。中心軸Kに関して 心線123aは90°間隔で分布している。各溝123 、スリーブ121の底面121a側から見ると、中心J を中心してビット125の先端部125aの最外径を る円Cを仮想的に形成した時に円Cの内側に張 り出している。この張り出し部はスリーブ121 の回転位置に応じてリセス13の上に配置され りリセス13から外れたりする。

 図14(a)や図14(b)に示すように、張り出し部 がリセス13から外れている場合には、スリー 121の底面121aとネジ10の上面16とが若干離れ いるものの、吸着孔122とリセス13により吸着 孔122の内部圧力はある程度一定に維持されて いる。一方、図15(a)や図15(b)に示すように、 り出し部がリセス13上に配置されている場合 には、吸着孔122とリセス13と溝123が接続して 着孔122がリセス13を介して大気開放された 123に接続されるため吸着孔122の内部圧力が 下する。

 図14(a)と図14(b)はリセス13の谷部13aの位相と リーブ121の凸部122b(又はビット125の先端部12 5aの山部126)の位相とが一致し、中心線13a 1 と中心線122b 1 (又は125a 1 )とが一致した状態を示している。図14(a)に示 す矢印AC3はエア流路を示している。エア流路 AC3はスリーブ121の底面121aとネジ10の上面16と 間の隙間によって形成される。エア流路AC3 流れる流量は、エア流路AC1と同様に小さい

 図15(a)と図15(b)はリセス13の(谷部13a)の位相 スリーブ121の(凸部122b)の位相とが45°ずれ、4 つの谷部13aの中心線13a 1 と4つの溝123の中心線123aとが一致している状 を示している。図15(a)に示す矢印AC4はエア 路を示している。エア流路AC4はスリーブ121 底面121aとネジ10の上面16との間の隙間と4つ 溝123の開放端123bを含み、開放端123bからは外 部エアが流入するため流量が大きい。エア流 路AC3の流量とエア流路AC4の流量が検出される 圧力である。

 エア流路AC3とエア流路AC4の流量差はエア 路AC1とエア流路AC2の流量差よりも大きい。 って、圧力低下のピーク値は略4倍になり、 S/N比が改善するので圧力低下のピーク位置を 検出する精度が向上する。また、4つの溝123 使用して4つのエア流路AC4の流量の合計を使 することによって一つの溝123を使用する場 よりも溝123とリセス13を作成する際の形状 差がピーク位置に与える影響を低減するこ ができる(平均化効果)。

 再び図12に戻って、次に、制御部170は、真 監視センサ146の検出結果と回転位置検出セ サ144の検出結果から溝123の中心線123aがネジ1 0のリセス13の谷部13aの中心線13a 1 に一致したときのスリーブ121(ビット125)の回 位置の情報を取得する(ステップ1210)。制御 170は、ステップ1208でビット125を360°/nだけ 転した場合には圧力低下ピークの位置(即ち 図8(b)に示すスリーブ121(ビット125)の回転角 )の情報を取得する。制御部170は、ステップ 1208でビット125を360°回転した場合には4つの 力低下ピークの位置の一つの情報を選択す 。また、制御部170は、ステップ1102のティー ング情報から補正量を取得する(ステップ121 0)。補正量は、溝123の中心線123aとビット125の 中心線126aとの角度差であるから、本実施例 は45°である。この結果、制御部170は、図8(b) に示すビット125の回転位置から45°ずらした 置でビット125の先端部125aの位相がネジ10の セス13の位相と一致することを理解し、この スリーブ121(ビット125)の回転角度(アライメン ト角度)の情報を取得する。

 次に、制御部170は、ステップ1210で取得し たアライメント角度の位置までスリーブ121( ット125)を回転する(ステップ1216)。この結果 ビット125の先端部125aの位相がネジ10のリセ 13の位相と一致する。

 次に、ドライバ120を下降し(ステップ1218) 図13に示すように、ビット125の先端部125aを ジ10のリセス13に嵌合し、ネジ10を吸着する( ステップ1220)。ここで、図13は、ビット125の 端部125aがネジ10のリセス13に嵌合した状態の 断面図である。

 アライメントは高精度に行われるために ビット125の先端部125aがネジ10のリセス13と 回転で嵌合することができる。この結果、 ット125の先端部125a及び/又はネジ10のリセス1 3の変形や損傷、磨耗粉の発生を防止するこ ができる。この結果、磨耗粉による製品の 染、電気的ショート、トルク伝達ロスの発 、ビット125の短命化、ビット125の交換によ 稼働率の低下などの問題を解決することが きる。

 その後、制御部170は、移動部160のZ軸ロボ ット166を介してネジ10を吸着したままドライ 120を上昇してネジのピックアップを完了す (ステップ1222)。上述したように、ビット125 係合したネジ10のピックアップに磁力を使 することもできる。

 再び図10に戻って、次に、制御部170は、 動部160のX軸ロボット162とY軸ロボット164を介 してドライバ120をワークWと部品のネジ穴上 まで移動させる(ステップ1300)。移動部160に ネジ穴の中心位置の座標が予め入力されて る。次に、制御部170は、移動部160のZ軸ロボ ト166を介してドライバ120を下降させ、ネジ にネジ10を接触させる(ステップ1400)。続い 、制御部170は、モータ132を介してネジ10をネ ジ穴に締結する(ステップ1500)。

 ステップ1500の締結は本締めを意味するが 、その前に必要に応じて仮締めを行ってもよ い。仮締めはネジ10を着座させずに所定量だ 締め付けることをいう。本締めは、ネジを 全に締め付けて固定することをいう。しか 、ネジの本数が多い場合、部品のネジ孔と 締結物のネジ孔がずれてその後のネジ締め 困難又は不能になり易い。そこで、部品の り付け位置を調整することができるように ネジを着座位置から浮かせる仮締めを行う 合がある。この場合は、仮締め終了後に全 のネジを本締めする。本締めは着座とトル アップを経る。着座は、ネジの座面がネジ の回りの面に接触することをいい、トルク ップとは着座したネジを所定のトルクで締 付けて固定することをいう。

 次に、制御部170は全てのネジ穴にネジ10 締結されたかどうかを判断する(ステップ1600 )。締結されたと判断すればネジ締め処理を 了し、締結されていないと判断すればステ プ1200に帰還する。

 本実施例では、ビット125の原点位置を回 位置検出センサ140の検出結果によって行う 、回転位置検出センサ144の検出結果によっ 行ってもよいことは上述のとおりである。

 本実施例では、スリーブ121の底面121aに溝 123を設けているが、本発明の圧力変動手段は これに限定されない。例えば、図16に示すよ に、ネジ10Aに溝18を設けてもよい。ネジ10A ネジ10と溝18がある点で異なる。この場合に 、スリーブ121の底面121aに溝123を設ける必要 がない。溝18は、ネジ10Aの上面16Aにスリーブ 底面が非接触で近接して配置された場合に リーブの回転位置に応じて吸着孔内の圧力 変動させる。ここで、図16は、ネジ10Aの拡 平面図である。

 溝18は、リセス13に非接触に形成され、リセ ス13と溝18とは隔壁19によって分離されている 。溝18は、ネジ10Aの上面16Aに形成される。ま 、溝18は、ネジ10Aの上面16Aとネジ10Aの側面14 において大気開放されている。溝18は、ネジ1 0Aの上面側から見るとU字形状の輪郭を有し、 四分の一の球体と円筒を組み合わせたような 形状を有する。溝18は、中心Jから放射方向に 延びる中心線18aを有し、中心線18aと最も近い 谷部13aの中心線13a 1 とのなす角度は45°である。中心線18aは、そ に関して溝18が線対称になる線をいう。溝18 、ネジ頭の側面14に接続された開放端18bを する。開放端18bの大きさは限定されない。

 溝18は、ネジ10Aの上面側から見ると、中 17aを中心してリセス13の外径R1を有する円C1 仮想的に形成した時に円C1の内側に張り出し ている。本実施例においては、この張り出し ている部位は上述の四分の一の球体部である 。この張り出し部はスリーブの回転位置に応 じてスリーブの凸部の下に配置されたり凸部 から外れたりする。このように、溝18は溝123 同じ機能を有する。

 本実施例の吸引系は、ビット125をスリー 121と共に回転させようとすると、吸引プラ 150がスリーブ121に固定されているから吸引 ラグ150も回転することになる。しかし、吸 プラグ150には真空引き用の配管152が取り付 られるため、吸引系を回転させにくい。そ で、ドライバ120の下部を図17に示す構造に 更してもよい。

 図17においては、ワークWは、携帯電話の 体の下型(ベース)であり、ネジ締め装置100 携帯電話の他の部品である筐体の上型(カバ )Pを下型にネジ止めする。上型Pには、複数 ザグリ穴Paが設けられており、ザグリ穴Paに ネジ10を通して上型Pを下型にネジ止めする。

 図17は、ドライバ120Aの下部の部分拡大断 図である。図18は、図17に示す要部の分解斜 視図である。図17及び図18を参照すると、本 施例のドライバ120の下部は、スリーブ180A及 180Bと、スリーブホルダ190と、カバー200と、 ビット210と、吸引プラグ150と、を有する。ス リーブ180B、スリーブホルダ190、カバー200、 ット210は同軸上に配置される。

 スリーブ180Aは、中空の薄肉円筒部材であ り、Z軸方向に延びる中央貫通孔181aと、径方 に延びる側面貫通孔181bと、環状底面181cと を有する。Z軸方向はビット210の長手方向に 致する方向である。スリーブ180Aをスリーブ 180Bと一体に構成していないため、スリーブ18 0Bをビット210と共に回転してもスリーブ180Aは 回転しない。スリーブ180Aと吸引プラグ150は ニット化されている。

 スリーブ180Aは、中央貫通孔181aにビット21 0の基部213の一部を収納する。スリーブ180Aの 部に形成された側面貫通孔181bには吸引プラ グ150が装着される。底面181cは、スリーブホ ダ190のフランジ192が載置される。

 スリーブ180Bは、係合部182と、中央部183と 、フランジ184と、先端部185と、を有し、スリ ーブホルダ190に対して移動可能にスリーブホ ルダ190内に収納される。即ち、スリーブ180B 、スリーブホルダ190内でZ軸方向に移動する とができると共にZ軸周りに回転することが できる。

 係合部182は、中空円筒形状を有し、スリ ブ180Bの中で最上部に位置する。係合部182は 、Z軸に平行な上端面182aと、一対の同一形状 溝182bを有する。上端面182aは、圧縮バネ215 直接に又はワッシャ217を介して接する。各 182bには突起216が挿入され、各溝182bはZ軸方 に延びる。溝182bの延びる方向は限定されな が、Z軸方向に延びればビット210が時計回り に回転しても反時計回りに回転してもビット 210の回転がスリーブ180Bに伝達され易い。溝18 2bの数や間隔は突起216の数や間隔に対応する 溝182bの幅は突起216の幅(径)よりも多少広い ビット210が回転すると、突起216が溝182bを規 定する輪郭面182cに接触して押圧する。この 果、ビット210と共にスリーブ180Bが回転する

 中央部183は、外周側面183aを介してスリー ブホルダ190の第2の円筒部193の側面193aと接触 る。中央部183の外径はスリーブホルダ190の 2の円筒部193の内径と略等しく、第2の円筒 193に所定の嵌め合いで嵌合している。中央 183の外径はスリーブホルダ190の第1の円筒部1 91の内径よりも大きいので、図17では、スリ ブ180Bが第1の円筒部191側から挿入されるよう に描いているが、実際には、スリーブホルダ 190の下側(第2の円筒部193)側からスリーブホル ダ190内に挿入される。

 フランジ184は、圧縮バネ215によってカバー2 00の底部201の内面201a(貫通孔201b近傍)に押圧さ れる。押圧力は吸着孔186内の減圧時、スリー ブ180BがZ 2 方向に移動する力より僅かに大きいものとす る。これにより、スリーブ180BのZ軸方向の位 が決定される。

 先端部185は、ネジ10の上面16の一部を真空 吸着するための吸着孔186を有する。吸着孔186 は、スリーブ180Bの中央貫通孔であり、径の う二種類の円筒を結合した形状を有する。 かし、上述したように基部213と作用部214と 同一径にすることも可能なため、その場合 吸着孔186は同一径の円筒形状を有する。吸 孔186は、基部213を収納可能な第1の孔部186aと 、作用部214は収納可能であるが基部213は収納 不可能な第2の孔部186bを有する。本実施例で 、先端部185の外形及び第2の孔部186bの径は ット210が係合するネジ10のネジ頭12の径より 小さい。

 スリーブ180Bは制電性樹脂から構成される 。樹脂により、スリーブ180Bのスリーブホル 190に対する回転が円滑になり、制電性材料 より電荷によるスリーブ180Bの破壊を防止す ことができる。

 スリーブホルダ190は、断面凸形状を有し 本実施例ではステンレスによって構成され 。スリーブホルダ190は、第1の円筒部191と、 フランジ192と、第2の円筒部193と、中央貫通 194と、を有する。

 第1の円筒部191は、スリーブ180Aの内部に 入され、スリーブ180Aの内径と略等しい外径 有し、スリーブ180Aの内面に接触する。第1 円筒部191は、中空円筒形状を有し、側面191a 径方向に延びる側面貫通ネジ191bを有し、ス リーブ180Aの側面貫通孔181b通して吸引プラグ1 50のネジ部151aが装着される。

 フランジ192は、スリーブ180Aの底面181cと 触して位置決めする。

 第2の円筒部193は、第1の円筒部191よりも が大きい。第2の円筒部193にカバー200の側面2 02の内面202aが接触してカバー200が挿入される 。第2の円筒部193の径はスリーブ180Bの中央部1 83の径に略等しい。

 第2の円筒部193は、中空円筒形状を有し、 側面193aの上部に径方向に延びる側面貫通孔19 3bを有する。側面貫通孔193bは、カバー200の側 面202の側面貫通孔202bに位置合わせされるネ 孔である。但し、側面貫通孔202bはZ軸方向に 延びる長円である。側面貫通孔193bと202bには ネジ204のネジ部204aが装着されカバー200はス リーブホルダ190に固定される。第2の円筒部19 3は、スリーブ180BをZ軸方向に移動可能に収納 するとともにZ軸周りに回転可能に収納する

 中央貫通孔194は、断面凸形状を有し、ス ーブ180Bの吸着孔186に接続される。中央貫通 孔194は、第1の円筒部191に形成される第1の穴 194aと、第2の円筒部193に形成される第2の穴 194bとを有する。第1の穴部194a及び第2の穴部 194bは円筒形状を有し、第2の穴部194bの径は第 1の穴部194aの径よりも大きい。第1の穴部194a 、ビット210と圧縮バネ215を収納している。 2の穴部194bは、ビット210、圧縮バネ215、ワッ シャ217、スリーブ180Bを収納している。

 カバー200は、上面が開口した中空円筒形 を有し、底部201と側面202とを有する。

 底部201は、内面201aにおいてスリーブ180B フランジ184に接触する。底部201の中央には 央貫通孔201bが形成される。スリーブ180Bの中 央部183の外周側面183aとスリーブホルダ190の 2の円筒部193の側面193aの径が略等しいので、 この境界における空気の流入を少なくして減 圧環境を維持している。

 側面202の上部には、側面貫通孔202bが径方 向に形成される。側面貫通孔193bと202aにはネ 204のネジ部204aが挿入され、これによってカ バー200はZ軸方向においてスリーブホルダ190 固定される。但し、側面貫通孔202bはZ軸方向 に長円に形成されている。これによって、カ バー200のスリーブホルダ190のZ軸方向の位置 調節可能である。ネジ204と長円である側面 通孔202bは、カバー200のスリーブホルダ190に するZ軸方向の位置を調節すると共にカバー 200とスリーブホルダ190を固定する固定機構を 構成する。カバー200のスリーブホルダ190に対 するZ軸方向の位置を調節可能であることは 図17において、スリーブ180BのZ方向位置調節 可能であることを意味する。

 ビット210は、Z軸方向に延びる棒状部材で あり、端部211と、首部212と、基部213と、作用 部214とを有する。

 端部211には、シャフト128の図示しない半 筒形状の端部と係合する半円筒形状の係合 211aが上端に形成され、両者は係合すること により円柱を形成する。これにより、駆動系 の駆動力がZ軸周りの回転駆動力としてビッ 210に伝達される。なお、シャフト128とビッ 210とは一体構造であってもよい。

 首部212は、端部211と基部213との間に形成 れた括れであり、図示しない鋼球(係止部材 )を出し入れすることによってビット210をZ軸 向に拘束及び拘束解除する。

 基部213は、首部212を介して端部211の下端 結合される。基部213の周りには、圧縮バネ2 15が設けられ、側面213aの下部には一対の突起 216が形成される。

 圧縮バネ215は、一端215aがスリーブ180Aに固 された図示しない係止部材に係止され、他 215bがスリーブ180Bの上端面182aに係止される 但し、本実施例では、他端215bは、スリーブ1 80Bの上端面182aの上に配置されたワッシャ217 係止される。ワッシャ217を設けるかどうか 選択的である。これにより、圧縮バネ215は リーブ180BをZ 1 方向に付勢する。圧縮バネ215はスリーブ180B カバー200の底部201の内面201aに押圧する。こ により、吸着孔186内の減圧時でも位置を維 することができる。

 一対の突起216は、基部213の側面213aに設け られる。突起216はスリーブ180Bの溝182bに係合 、端部211に伝達されたモータ132の駆動力を リーブ180Bに伝達する。本実施例では、基部 213に側面213aをZ軸方向に垂直な方向に貫通す 貫通孔を形成して、ピンを挿入して突起216 形成しているが、これに限定されない。

 作用部214は、ネジ10のリセス13に係合する 先端部214aを先端部に有する。先端部214aの形 はリセス13の形状に対応する。先端部214aが ジ10のリセス13と係合して回転することによ り、モータ132から加えられた駆動力でビット 210はネジ10をワークWに締結することができる 。

 ドライバ120Aは、図10に示すステップ1400に おいて、図19(a)に示すように、ザグリ穴Paに ジ10を挿入する。続いて、図19(b)に示すよう 、モータ132を介してネジ10をザグリ穴Pa内の ネジ穴に締結する(ステップ1500)。ステップ150 0においては、ビット210とスリーブ180Aがネジ1 0と共に回転し、スリーブ180B、スリーブホル 190及びカバー200は静止している。吸引プラ 150が停止しているので配管152が回転できな 構造であってもよい。

 次に、図20乃至図23を参照して、図12に示 フローチャートの変形例について説明する 図20は、図11に示すフローチャートの変形例 であり、図11と同一のステップに対しては同 の参照番号を付して説明を省略する。図20 、図12に示すフローチャートに対してステッ プ1106を有する点で相違する。図21は、図12に すフローチャートの変形例であり、図12と 一のステップに対しては同一の参照番号を して説明を省略する。図21は、図12に示すフ ーチャートに対してステップ1212と1214とを する点で相違する。図22は、ネジ10のリセス1 3の中心軸17と、スリーブ121(ビット125)の中心 Kの位置ズレがある場合の溝123とリセス13の 部13aとの位置ズレを示す平面図である。図2 3は、スリーブ121(ビット125)の回転角度と真空 監視センサ146の出力との関係を示すグラフで ある。

 図22に示すように、ネジ10のリセス13の中心 17(中心17a)と、スリーブ121(ビット125)の中心 K(中心J)がずれ、リセス13が複数の谷部13aA乃 至13aDを有する場合について考える。簡単の め、中心17aと中心Jは図22の横方向(水平方向) にずれているものとし、位置ズレ量をQとす 。また、谷部13aA乃至13aDは図22に示す時計回 に配置されているものとする。図22は、溝12 3がスリーブ121と共に回転し、90°毎に溝123の 心線123aが各谷部13aの中心線13a 1 と平行になった状態を示している。図22は4つ の溝123を示しているが、これは一つの溝123が 360°回転しただけである。

 溝123の中心線123aが谷部13aAの中心線13aA 1 と一致した場合の溝123と谷部13aAとの重なり 域123cAは、溝123の中心線123aが谷部13aCの中心 13aC 1 と一致した場合の溝123と谷部13aCとの重なり 域123cCよりも小さい。溝123の中心線123aが谷 13aBの中心線13aB 1 と平行に配置された場合の溝123と谷部13aBと 重なり領域123cBは、溝123の中心線123aが谷部13 aDの中心線13aD 1 と平行には位置された場合の溝123と谷部13aD の重なり領域123cDと等しい。

 まず、前提として、制御部170に、中心17a 中心Jとが一致した場合(即ち、位置ズレ量 0である理想状態)が崩れた場合の位置ズレ量 と真空監視センサ146が検出する圧力又は流量 との関係をティーチングしておく(図20のステ ップ1106)。これにより、制御部170は、真空監 センサ146の検出結果を取得すると位置ズレ に変換することができる。

 図23は、重なり領域123cA乃至123cDに対応し 真空監視センサ146が検出する圧力低下のピ クを示している。重なり領域123cBと123cDに対 応する圧力低下のピーク値は等しい。重なり 領域123cAに対応する圧力低下のピーク値は最 であり、重なり領域123cDに対応する圧力低 のピーク値は最大である。

 制御部170が図23に示す情報を取得した場 、制御部170は、重なり領域123cBと123cDのそれ れに対応する圧力低下のピーク値が等しい め(あるいはその真空監視センサ146の検出結 果とステップ1106のティーチングから)、中心1 7aと中心Jの縦方向(垂直方向の)の位置ズレは いと認識する。また、重なり領域123cAに対 する圧力低下のピーク値と重なり領域123cCに 対応する圧力低下のピーク値との差Eから位 ズレ量Qがあると認識する(図21のステップ1212 )。制御部170は、重なり領域123cAに対応する真 空監視センサ146の検出結果とステップ1106の ィーチングから位置ズレ量Qを取得する。あ いは、制御部170は、重なり領域123cCに対応 る真空監視センサ146の検出結果とステップ11 06のティーチングから位置ズレ量Qを取得して もよい。更には、制御部170は、重なり領域123 cAに対応する真空監視センサ146の検出結果と テップ1106のティーチングから位置ズレ量Q 、重なり領域123cCに対応する真空監視センサ 146の検出結果とステップ1106のティーチング ら位置ズレ量Qとの合計を2で割った値から位 置ズレ量Qを取得してもよい。

 次に、制御部170は、この位置ズレ量Qを0 するように、移動部160を駆動する(ステップ1 214)。これにより、中心17aと中心Jとが一致す 。

 なお、本実施例では溝123の数は一つであ 、制御部170はステップ1212においてスリーブ 121とビット125を360°回転する。これは、複数 溝(例えば、4つの溝123)を使用すると真空監 センサ146は図23において各溝のズレの合計 各ピークとして検出してしまい、各ピーク が等しくなり、中心軸17とKの位置ズレ量が からなくなる虞があるからである。

 本実施例では、中心17aと中心Jとが図22に す横方向に位置ズレ量Qだけずれていたが、 両者が縦方向にずれていた場合には、制御部 170は、重なり領域123cBに対応する圧力低下の ーク値と重なり領域123cDに対応する圧力低 のピーク値との差から縦方向の位置ズレ量 認識する。

 以下、図24乃至図28を参照して、図20及び 21に示すフローチャートを実現するための の構造について説明する。図24は、図3に示 構造の変形例のドライバ120Bの断面図である 図24に示すドライバ120Bは、真空監視センサ1 46を有さずに、光センサ148を有する点でドラ バ120と相違している。

 図25(a)は、スリーブ121Bの下部の拡大断面 である。図25(b)は、図25(a)に示すスリーブ121 Bの底面図である。図26(a)は、図25(a)に示す回 位置から時計回りに45°回転したスリーブ121 Bの下部の拡大断面図である。図26(b)は、図26( a)に示すスリーブ121Bの底面図である。

 スリーブ121Bは、中空のほぼ円筒形状を有 し、図25(b)及び図26(b)に示すように、ネジ10の 上面16を吸着可能な吸着孔(中空部)122と、光 ンサ148の収納部124とを有する。吸着孔122は 4及び図5に示す吸着孔122と同様である。スリ ーブ121Bはスリーブ121と異なり溝123を有しな 。その代り、光センサ148の収納部124を有す 。

 収納部124は、光センサ148を収納し、図26(a )に示すように、断面L字形状を有し、底部開 端124aと側部開放端124bとを有する。底部開 端124aはスリーブ121Bの底面121aBにおいて円形 状で開口し、光センサ148からの光を透過す 。なお、光センサ148が底部開放端124aから落 下しないように底部開放端124aの大きさは光 ンサ148の大きさよりも小さい。側部開放端12 4bはスリーブ121Bの円筒側面121bBにおいて開口 、光センサ148に接続されたケーブル149を通 させる。側部開放端124bの大きさは限定され ない。

 ここで、図27(a)は、スリーブ121Bとネジ10 上面16とが近接した状態(約0.2mm)におけるス ーブ121Bの下部の断面図である。図27(b)は、 27(a)をE2-E2方向から見た断面図である。図28(a )は、図27(a)とは45°ずれた回転位置に配置さ たスリーブ121Bの下部の断面図である。図28(b )は、図28(a)をF2-F2方向から見た断面図である なお、図27(b)及び図28(b)においては、ビット 125又はスリーブ121の中心軸Kとネジ10の中心軸 17とは鉛直方向に一直線になっている。

 底部開放端124aは、吸着孔122に非接触に形成 されている。底部開放端124aはスリーブ121Bの 面121aBに形成されて大気開放されている。 部開放端124aは、中心Jから放射方向に延びる 中心線124a 1 を有し、中心線124a 1 と最も近い凸部122bの中心線122b 1 とのなす角度は45°である。中心線124a 1 は、それに関して底部開放端124aが線対称に る線をいう。

 底部開放端124aは、スリーブ121Bの底面121aB 側から見ると、中心Jを中心してビット125の 端部125aの最外径を通る円Cを仮想的に形成し た時に円Cの内側に少なくとも部分的に張り している。本実施例においては、張り出し 124cはスリーブ121Bの回転位置に応じてリセス 13の上に配置されたりリセス13から外れたり る。かかる構成により、張り出し部が検出 として使用可能である。なお、底部開放端12 4aの全部が円Cの内側に配置されていてもよい が、この場合には中心17aとJとの位置ズレを 出する機能が失われる場合がある。

 本実施例の各種検出部は、真空監視セン 146を使用せず、光センサ148を使用する。本 施例の光センサ148は反射型フォトセンサで り、リセス13を上面16から識別することがで きる。反射型フォトセンサは、発光素子と受 光素子を含み、発光素子はLEDを使用し、受光 素子はPD、PTr、フォトIC、変調光フォトICなど を使用する。必要があれば、リセス13又は上 16に反射率に差をつける部材を張り付けて よい。光センサ148にはケーブル149が接続さ 、光センサ148の検出結果がケーブル149に伝 される。ケーブル149は制御部170に接続され 。

 図27(a)と図27(b)はリセス13の谷部13aの位相と リーブ121の凸部122b(又はビット125の先端部12 5aの山部126)の位相とが一致し、中心線13a 1 と中心線122b 1 とが一致した状態を示している。図27(a)や図2 7(b)に示すように、底部開放端124aがリセス13 ら外れている場合には、光センサ148はネジ10 の上面16を検出する。

 一方、図28(a)と図28(b)はリセス13の(谷部13a) 位相とスリーブ121の(凸部122b)の位相とが45° れ、4つの谷部13aの1つの中心線13a 1 と中心線124a 1 とが一致している状態を示している。図28(a) 図28(b)に示すように、底部開放端124aがリセ 13上に配置されている場合には、光センサ14 8は張り出し部124cにおいてリセス13を識別す ことができる。

 本実施例の構造は、図10乃至図12に示すフロ ーチャートに適用することができる。この場 合、図12におけるステップ1210は、「光センサ 148の検出結果と回転位置検出センサ144の検出 結果から底部開放端124aの中心線124a 1 がネジ10のリセス13の谷部13aの中心線13a 1 に一致したときのスリーブ121(ビット125)の回 位置の情報を取得すると共にステップ1102の ティーチング情報から補正量を取得」と読み 替えればよい。

 また、本実施例の構造は、図22に示す重 り領域123cA乃至123cDに示すように、張り出し 124cの面積は中心17aと中心Jとが位置ズレし 場合に変化する。従って、図20乃至図21に示 フローチャートに適用することができる。

 図20のステップ1106において、制御部170は 中心17aと中心Jとが一致した場合(即ち、位 ズレ量が0である理想状態)が崩れた場合の位 置ズレ量と光センサ148が検出する光量との関 係をティーチングしておく。これにより、制 御部170は、光センサ148の検出結果を取得する と位置ズレ量に変換することができる。

 図21のステップ1206における「近接するよ なサーチ位置」は光センサ148がネジ10の上 16の形状を検出可能な位置である限り、かな らずしも「近接」を要求するものではない。 図21のステップ1212は上述と同様に読み替える 。図21のステップ1212において、制御部170は、 張り出し部124cの理想状態の面積に対応する 量と実際の面積に対応する光量との差から 置ズレ量があると認識する。次に、制御部17 0は、この位置ズレ量を0にするように、移動 160を駆動する(ステップ1214)。これにより、 心17aと中心Jとが一致する。

 以上、本発明の好ましい実施例について 明したが、本発明はこれらの実施例に限定 れるものではなく、様々な変形及び変更が 能である。

産業上の利用の可能性

 本発明によれば、ビットやリセスの損傷 磨耗粉の発生を防止するネジ締め装置を提 することができる。