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Patent Searching and Data


Title:
SCRIBING APPARATUS AND METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/129943
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a novel scribing apparatus and a novel scribing method, by which a deep vertical crack can be formed without damaging a brittle material substrate (W) such as a hard glass substrate. The scribing apparatus is provided with a scribing wheel (34) wherein bottom sections of two cones sharing a rotating shaft (60) intersect and form a circumference ridge line (62), a plurality of notches (64) and protruding sections (65) are alternately formed along the circumference ridge line (62) in the circumference direction, the protruding section (65) is composed of a portion of the circumference ridge line (62), which is a portion left by notching the circumference ridge line (62) and has the length in the circumference direction. The length (a) of a notch (64) in the circumference direction is shorter than a length (b) in the circumference direction of the protruding section (65). The scribing apparatus is also provided with a scribe head (24) having an oscillation actuator (35) which oscillates a scribing wheel (34) in a direction intersecting with the surface of the brittle material substrate (W), and a moving mechanism (25) which moves the scribe head (24) along the surface of the brittle material substrate (W).

Inventors:
MAEKAWA KAZUYA (JP)
SHISHIDO YOSHIAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/056940
Publication Date:
October 30, 2008
Filing Date:
April 08, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBOSHI DIAMOND IND CO LTD (JP)
BELDEX CORP (JP)
MAEKAWA KAZUYA (JP)
SHISHIDO YOSHIAKI (JP)
International Classes:
C03B33/023; B28D5/00
Domestic Patent References:
WO2005113212A12005-12-01
WO2007004700A12007-01-11
Foreign References:
JPH11157860A1999-06-15
JP2003137576A2003-05-14
JPH09278473A1997-10-28
JPH11157860A1999-06-15
JP3074143B22000-08-07
Other References:
See also references of EP 2147900A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIOJIMA, Toshiyuki (2-12 Kandasakumacho,Chiyoda-k, Tokyo 25, JP)
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Claims:
 回転軸を共有する二つの円錐の底部が交わって円周稜線が形成され、この円周稜線に沿って円周方向に交互に複数の切欠き及び突起が形成され、前記突起は前記円周稜線が切り欠かれて残った円周方向に長さを有する前記円周稜線の部分で構成され、前記切欠きの円周方向の長さは前記突起の円周方向の長さよりも短いスクライビングホイールと、
 前記スクライビングホイールが前記回転軸の回りを回転できるように前記スクライビングホイールを保持すると共に、前記スクライビングホイールを脆性材料基板の表面に対して交差する方向に振動させる振動アクチュエータを有するスクライブヘッドと、
 前記スクライブヘッドを前記脆性材料基板の表面に沿って移動させる移動機構と、
 を備えるスクライブ装置。
 前記振動アクチュエータは、前記スクライビングホイールが前記脆性材料基板の表面から離れた状態において、前記スクライビングホイールを5~20μmの振幅、1~5kHzの周波数で振動させ、
 前記スクライブ装置はさらに、前記スクライビングホイールを0.1~0.3MPaの圧力で前記脆性材料基板に押し付ける加圧機構を備えることを特徴とする請求項1に記載のスクライブ装置。
 前記振動アクチュエータは、磁気ひずみの特性を利用して、電気振動を機械振動に変換する超磁歪素子を有することを特徴とする請求項2に記載のスクライブ装置。
 前記スクライブヘッドは、
 前記振動アクチュエータが取り付けられる本体部と、
 前記スクライビングホイールが前記回転軸の回りを回転できるように保持するホルダと、
 前記振動アクチュエータの振動を前記ホルダに伝達すると共に、外周面に軸線方向に伸びる転動体転走溝が形成されるスプラインシャフトと、
 前記本体部に設けられ、前記スプラインシャフトの前記転動体転走溝に対向する軸線方向に伸びる負荷転動体転走溝を含む転動体循環経路を有し、前記スプラインシャフトが振動するのを案内するスプライン外筒と、
 前記スプライン外筒の前記転動体循環経路に配列される複数の転動体と、を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のスクライブ装置。
 回転軸を共有する二つの円錐の底部が交わって円周稜線が形成され、この円周稜線に沿って円周方向に交互に複数の切欠き及び突起が形成され、前記突起は前記円周稜線が切り欠かれて残った円周方向に長さを有する前記円周稜線の部分で構成され、前記切欠きの円周方向の長さは前記突起の円周方向の長さよりも短いスクライビングホイールを、脆性材料基板の表面に対して交差する方向に振動させながら、前記スクライビングホイールを前記脆性材料基板の表面上を転動させることを特徴とする脆性材料基板のスクライブ方法。
 前記スクライビングホイールを1~5kHzの周波数で、かつ前記脆性材料基板の表面から離れた状態では5~20μmの振幅となる条件で振動させながら、
 前記スクライビングホイールを0.1~0.3MPaの圧力で前記脆性材料基板に押し付けることを特徴とする請求項5に記載のスクライブ方法。
 
Description:
スクライブ装置及び方法

 本発明は、脆性材料基板の表面にスクラ ビングホイールを転動させることによって スクライブラインを刻み、スクライブライ と共に厚み方向に伸びる垂直クラックを形 するスクライブ装置及び方法に関する。

 近年の技術革新によって、省スペースで 面が平面であるフラットパネルディスプレ (Flat Panel Display、以下FPDという)が生み出さ れている。FPDを実現する技術には、二枚のガ ラス基板の間に液晶と呼ばれる特殊な物質を 封入した液晶ディスプレイ、発光体をガラス 基板に蒸着した有機EL(organic electroluminescence) ィスプレイ、二枚のガラス基板の間に高圧 希ガスを封入したプラズマディスプレイな がある。

 FPDに用いられるガラス基板は、大きいサ ズのガラス基板(マザー基板)の表面にスク イブラインを形成し、次いでスクライブラ ンに沿ってガラス基板をブレイクすること よって所定の寸法に分断された単位基板と る。すなわち図21に示されるように、マザー 基板Wの表面にスクライビングホイール1を転 させてスクライブラインSaを形成するスク イブライン形成工程と、スクライブラインSa が形成されたマザー基板Wの表面の反対側の にブレイクバー2を押し当てて、垂直クラッ を反対側の面まで到達させるブレイク工程 、を経ることによって、マザー基板Wが単位 基板に分断される。なお、二枚のガラス基板 を貼合せた液晶ディスプレイの場合、二枚の ガラス基板それぞれにスクライブライン形成 工程とブレイク工程とが行われる。

 近年、FPDに用いられるガラス基板は、例 ば0.7mm、0.5mm等厚みが薄くなってきて、より 硬質になってきている。ガラス基板の薄型化 及び硬質化は将来的にもより一層進むと予想 されている。しかし従来の切断方法のように 、スクライブライン形成工程後のブレイク工 程において、ブレイクバーでガラス基板を叩 くと、ガラス基板が硬質になったことが原因 でガラス基板の切断面が破壊し、チッピング が発生するおそれがある。

 この問題を解決するためには、スクライ ラインを形成する段階で垂直クラックをガ ス基板の深くまで浸透させる必要がある。 直クラックが深く浸透すると、ブレイク工 がなくてもガラス基板を分断できるように るからである。

 垂直クラックを深く浸透させることがで るスクライブ方法として、一方の出願人は 22に示されるように、円盤形状のスクライ ングホイール3をガラス基板Wの表面上で転動 させ、それと同時にスクライビングホイール 3を振動させるスクライブ方法を研究開発し いる(特許文献1及び2)。このスクライブ方法 おいて、振動が付与されるスクライビング イール3には、円周稜線3aが滑らかなノーマ ホイール(以下N刃と称する)が用いられる。

 他方の出願人は、深い垂直クラックを形 できるスクライブ方法として、図23に示さ るように、円盤形状のスクライビングホイ ル4の円周稜線4aに円周方向に交互に多数の 6と突起7とが一定のピッチPで形成されたス ライビングホイール(以下P刃と称する)を用 たスクライブ方法を提案している(特許文献3 参照)。このスクライブ方法において、P刃に 振動を付与させていない。ガラス基板上をP 刃が転動するとき、P刃の円周稜線4aの突起7 ガラス基板に食い込むので、振動を付与し くてもガラス基板に深い垂直クラックを形 できる。

 他方の出願人は、図24に示されるように、 クライビングホイール8の円周稜線8aに一定 ピッチPで形成された切欠き9の円周方向の長 さaを突起10の円周方向の長さbよりも短くし スクライビングホイール(以下A刃と称する) びそれを用いたスクライブ方法を提案して る(特許文献4参照)。このスクライブ方法に いても、A刃の円周稜線8aの突起10がガラス基 板に食い込むので、A刃には振動を付与させ いない。A刃はN刃とP刃の中間のカテゴリの イールである。A刃の切欠き9の数は、P刃ほ 多くはない。

特開平9-278473号公報

特開平11-157860号公報

特許第3074143号公報

国際公開WO2007/4700号のパンフレット

 N刃を振動させながらスクライブするスク ライブ方法にあっては、N刃がガラス基板上 滑らずに転動するならば、深い垂直クラッ を形成することができるし、ガラス基板に えるダメージ(ガラス基板の表面の水平クラ ク)も小さくすることができる。しかし、ガ ラス基板が硬質になればなるほど、N刃の円 稜線が滑らかなので、N刃がガラス基板の表 を転動せずに滑ってしまうケースが多くな 傾向がある。N刃が滑ると、いくら振動を付 与しても安定した垂直クラックを形成するこ とはできない。

 出願人は、N刃をガラス基板に食い込ませ て転動させるための実験を重ねた。その結果 、N刃を15kHz~20kHzの高周波数で振動させると、 N刃をガラス基板に食い込ませて転動させる とができ、深い垂直クラックを形成させる とができた。しかし、N刃を高周波数で振動 せると、N刃の摩耗も進行する。この他にも 、ガラス基板の外側からガラス基板上にN刃 乗り上がるようにしても、N刃をガラス基板 食い込ませることができる。しかし、N刃が ガラス基板に乗り上げるとき、N刃がガラス 板にダメージを与えてしまう。ダメージを えないように、ガラス基板の内側にN刃を載 、このN刃を載せた位置からスクイブライン を刻もうとしたら、やはりN刃の食い付きが くなり、N刃が滑ってしまう。このように、 質のガラス基板を、N刃を振動させながらス クライブする方法には限界があった。

 他方、P刃を用いたスクライブ方法にあっ ては、ガラス基板に押し付けるだけでP刃の 周稜線の突起がガラス基板に食い込むので P刃が確実にガラス基板上を転動する。よっ 、振動を付与しなくてもガラス基板に深い 直クラックを形成できる。しかしその反面 N刃と比較して、P刃の突起がガラス基板に えるダメージがあり、ガラス基板の表面の 平クラックが発生する場合がある。

 A刃を用いたスクライブ方法にあっては、 P刃よりもガラス基板に与えるダメージ(ガラ 基板の表面の水平クラック)の発生を少なく することができる。しかし、A刃はP刃ほど深 垂直クラックを形成することができない。A 刃に付与する荷重を大きくすれば垂直クラッ クを深く形成することができるが、ガラス基 板に与えるダメージも大きく、限界がある。

 そこで本発明は、硬質のガラス基板など 脆性材料基板にダメージ(脆性材料表面の水 平クラック)を与えることなく、より深い垂 クラックを形成することができる新たなス ライブ装置及び方法を提供することを目的 する。

 以下、本発明について説明する。
 上記課題を解決するために、請求項1に記載 の発明は、回転軸を共有する二つの円錐の底 部が交わって円周稜線が形成され、この円周 稜線に沿って円周方向に交互に複数の切欠き 及び突起が形成され、前記突起は前記円周稜 線が切り欠かれて残った円周方向に長さを有 する前記円周稜線の部分で構成され、前記切 欠きの円周方向の長さは前記突起の円周方向 の長さよりも短いスクライビングホイールと 、前記スクライビングホイールが前記回転軸 の回りを回転できるように前記スクライビン グホイールを保持すると共に、前記スクライ ビングホイールを脆性材料基板の表面に対し て交差する方向に振動させる振動アクチュエ ータを有するスクライブヘッドと、前記スク ライブヘッドを前記脆性材料基板の表面に沿 って移動させる移動機構と、を備えるスクラ イブ装置である。

 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載 スクライブ装置において、前記振動アクチ エータは、前記スクライビングホイールが 記脆性材料基板の表面から離れた状態にお て、前記スクライビングホイールを5~20μmの 幅、1~5kHzの周波数で振動させ、前記スクラ ブ装置はさらに、前記スクライビングホイ ルを0.1~0.3MPaの圧力で前記脆性材料基板に押 し付ける加圧機構を備えることを特徴とする 。

 請求項3に記載の発明は、請求項2に記載 スクライブ装置において、前記振動アクチ エータは、磁気ひずみの特性を利用して、 気振動を機械振動に変換する超磁歪素子を 備することを特徴とする。

 請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に 載のスクライブ装置において、前記スクラ ブヘッドは、前記振動アクチュエータが取 付けられる本体部と、前記スクライビング イールが前記回転軸の回りを回転できるよ に保持するホルダと、前記振動アクチュエ タの振動を前記ホルダに伝達すると共に、 周面に軸線方向に伸びる転動体転走溝が形 されるスプラインシャフトと、前記本体部 設けられ、前記スプラインシャフトの前記 動体転走溝に対向する軸線方向に伸びる負 転動体転走溝を含む転動体循環経路を有し 前記スプラインシャフトが振動するのを案 するスプライン外筒と、前記スプライン外 の前記転動体循環経路に配列される複数の 動体と、を備えることを特徴とする。

 請求項5に記載の発明は、回転軸を共有す る二つの円錐の底部が交わって円周稜線が形 成され、この円周稜線に沿って円周方向に交 互に複数の切欠き及び突起が形成され、前記 突起は前記円周稜線が切り欠かれて残った円 周方向に長さを有する前記円周稜線の部分で 構成され、前記切欠きの円周方向の長さは前 記突起の円周方向の長さよりも短いスクライ ビングホイールを脆性材料基板の表面に対し て交差する方向に振動させながら、前記スク ライビングホイールを前記脆性材料基板の表 面上で転動させるスクライブ方法である。

 請求項6に記載の発明は、請求項5に記載 スクライブ方法において、前記スクライビ グホイールを、1~5kHzの周波数で、かつ前記 性材料基板の表面から離れた状態では5~20μm 振幅となる条件で振動させ、前記スクライ ングホイールを0.1~0.3MPaの圧力で前記脆性材 料基板に押し付けることを特徴とする。

 請求項1に記載の発明によれば、脆性材料 基板への食い付きの安定性という面で問題の ないA刃を用い、なおかつA刃に振動を付与す ので、脆性材料基板にダメージを与えるこ なく、垂直クラックを深く浸透させること できる。従来から脆性材料基板の分断には スクライブ装置とブレイク装置が必要であ たが、スクライブ装置で深い垂直クラック 形成することでブレイク装置を不要にする ともできる。ユーザに対しては、より安価 設備として供給できるというメリットもあ 。

 請求項2に記載の発明によれば、従来のN を振動させるときの条件よりも低い荷重、 きな振幅、低い周波数でA刃を振動させるこ で、脆性材料基板にダメージを与えること く、垂直クラックを深く浸透させることが きる。

 請求項3に記載の発明によれば、振動アク チュエータが超磁歪素子を有するので、広い 周波数帯域で比較的大きな変位を安定して得 ることができる。また、周波数が変化しても 安定した振幅が得られるので、スクライビン グホイールの振動を安定させることができる 。

 請求項4に記載の発明によれば、スプライ ンシャフトとスプライン外筒とで構成される スプライン装置が、振動アクチュエータの所 望方向の振動をロスなくスクライビングホイ ールに伝えると共に、振動アクチュエータの 所望方向以外の振動を抑制する。

 請求項5に記載の発明によれば、脆性材料 基板への食い付きの安定性という面で問題の ないA刃を用い、なおかつA刃に振動を付与す ので、脆性材料基板にダメージを与えるこ なく、垂直クラックを深く浸透させること できる。

 請求項6に記載の発明によれば、従来のN を振動させるときの条件よりも低い荷重、 きな振幅、低い周波数でA刃を振動させるの 、A刃がガラス基板上を滑ることなく転動す るという元々の特性に加えて、脆性材料基板 にダメージを与えることなく、垂直クラック を深く浸透させることができる。

本発明の一実施形態におけるスクライ 装置の概略斜視図 Z軸移動機構及びスクライブヘッドを示 す正面図 スクライブヘッドの断面図 スクライブヘッドの他の例の断面図 振動アクチュエータの断面図 超磁歪素子の振動の振動特性の一例を すグラフ スプライン装置の斜視図 スクライビングホイールの進行方向か みた正面図 スクライビングホイールの側面図 図9の部分拡大図 図9の部分拡大図 スクライビングホイールの他の例を示 す図 スクライビングホイールの切欠きの他 の例を示す図 スクライビングホイールの特性の比較 を示す図 t=0.7mmの硬質ガラスをスクライブした きの実験データ t=0.5mmの硬質ガラスをスクライブした きの実験データ t=0.5mmの硬質ガラスをクロスカットし ときの実験データ(連結タイプのスクライブ ッド) t=0.5mmの硬質ガラスをクロスカットし ときの実験データ(分離タイプのスクライブ ッド) 各ヘッドのスクライブ特性を比較した 実験データ t=0.2mmのサンマップ(商品名)を敷いた場 合のt=0.5mmの硬質ガラスをスクライブしたと の実験データ 従来のスクライブ方法の工程図 従来のN刃を示す図 従来のP刃を示す図 従来のA刃を示す図

符号の説明

11…テーブル
13…Y軸移動機構(移動機構)
24,44…スクライブヘッド
25…X軸移動機構(移動機構)
32…荷重印加シリンダ(加圧機構)
34…スクライビングホイール
35…振動アクチュエータ
36…本体部
37…スプラインシャフト
37b…ボール転走溝(転動体転走溝)
38…ホルダ
39…スプライン外筒
46…超磁歪素子
52…ボール(転動体)
54a…ボール循環経路(転動体循環経路)
60…回転軸
61…円錐台
62…円周稜線
64…切欠き
65…突起
W…脆性材料基板

 以下添付図面に基づいて、本発明の実施形 を説明する。
 本発明において加工の対象となる脆性材料 板の形態、材質、用途、及び大きさについ は特に限定されるものではない。例えば単 からなる基板又は二枚以上の基板を貼り合 せた貼合せ基板であってもよく、またこれ の内部に薄膜あるいは半導体材料を付着さ たり、含ませたりしたものであってもよい 表面に薄膜等が付着していても、スクライ 装置によるスクライブの対象になる。

 本発明の脆性材料の材質としては、ガラ 、セラミックス、半導体(シリコン等)、サ ァイヤ等が挙げられ、その用途としては液 表示パネル、プラズマディスプレイパネル 有機ELディスプレイパネル、電界放出型ディ スプレイパネル(FED)等のフラットパネルディ プレイが挙げられる。

 図1は、本発明の一実施形態におけるスク ライブ装置の概略斜視図を示す。ガラス基板 などの脆性材料基板Wはスクライブ装置のテ ブル11上に載置される。テーブル11上には、 性材料基板Wを吸着する複数の吸着孔が設け られる。テーブル11は基礎フレーム12上に設 られた移動機構であるY軸移動機構13によっ Y方向に移動される。

 Y軸移動機構13は、Yステージ14と、Yステー ジ14をY方向に駆動させるボールねじ機構又は リニアモータなどの駆動手段15と、Yステージ 14がY方向に直線運動するのを案内するリニア ガイド16と、から構成される。

 Y軸移動機構13のYステージ14上には、θ軸 転機構18(不図示)を介してテーブル11が取り けられる。θ軸回転機構18は、テーブル11を 平面内で旋回させる。

 基礎フレーム12上にはコラム22が設けられ ている。コラム22はスクライブヘッド24の移 方向であるX方向に伸びる。コラム22には、 クライブヘッド24をX方向に移動させる移動 構であるX軸移動機構25が設けられている。

 X軸移動機構25は、Xステージ26(図2参照)と Xステージ26をX方向に駆動させるボールねじ 機構又はリニアモータなどの駆動手段と、X テージ26がX方向に直線運動するのを案内す リニアガイド27と、から構成される。

 図2は、X軸移動機構25のXステージ26に取り 付けられるZ軸移動機構28及びスクライブヘッ ド24を示す。Z軸移動機構28は、Zステージ29と Zステージ29をZ方向に駆動させるボールねじ 機構30と、Zステージ29がZ方向に直線運動する のを案内するリニアガイド31と、から構成さ る。

 Zステージ29には、加圧機構である荷重印 シリンダ32が取り付けられる。荷重印加シ ンダ32のロッド32aには、スクライブヘッド24 取り付けられる。Zステージ29に対するスク イブヘッド24の上下方向の移動は図示しな リニアガイドによって案内される。

 Z軸移動機構28によってスクライブヘッド2 4のスクライビングホイール34を下降させると 、脆性材料基板Wにスクライビングホイール34 を当接させることができる。荷重印加シリン ダ32は、スクライビングホイール34が脆性材 基板Wを押す圧力を調整する。スクライブヘ ド24には振動アクチュエータ35が組み込まれ る。振動アクチュエータ35はスクライビング イール34の振動の振幅及び周波数を調整す 。脆性材料基板Wにスクライビングホイール3 4を当接させた状態で、X軸移動機構25によっ スクライブヘッド24をX方向に移動させると 脆性材料基板Wの表面にX方向に伸びるスクラ イブラインを刻み付けることができる。

 なお、X方向に伸びるスクライブラインを 形成した後、テーブルをY方向に所定のピッ で移動させ、再びX方向に伸びるスクライブ インを形成することで、X方向に伸びる平行 な複数本のスクライブラインを形成すること ができる。またθ軸回転機構によって脆性材 基板Wを90度回転させることで、縦横に複数 のスクライブラインを形成することができ 。

 図3は、スクライブヘッド24の断面図を示 。スクライブヘッド24は、振動アクチュエ タ35と、振動アクチュエータ35が取り付けら る本体部36と、スクライビングホイール34を 回転可能に保持するホルダ38と、振動アクチ エータ35の振動をホルダ38に伝達するスプラ インシャフト37と、スプラインシャフト37が 動するのを案内するスプライン外筒39と、を 備える。

 本体部36は上下に二分割されていて、筒 下部36bと、蓋状上部36aを結合して構成され 。筒状下部36bと蓋状上部36aとの間に振動ア チュエータ35のフランジが挟まれている。振 動アクチュエータ35のロッド35aには、連結部3 7aを介してスプラインシャフト37が連結され 。振動伝達のロスを無くすために、振動ア チュエータ35のロッド35aとスプラインシャフ ト37の連結部37aとはねじ結合される。スプラ ンシャフト37は垂直方向に伸び、その下端 が筒状下部36bから露出している。横方向の 位を抑制するためにスプラインシャフト37の 振動はスプライン外筒39によって案内される スプライン外筒39は筒状下部36bに収容され 。

 スプラインシャフト37の下端には、T形状 ホルダ38が取り付けられる。ホルダ38はスプ ラインシャフト37にねじ結合される。ホルダ3 8は下端部が二股に分かれている。ホルダ38の 下端部には回転軸が設けられ、回転軸にスク ライビングホイール34が回転可能に支持され 。

 図4は、スクライブヘッドの他の例を示す 。この例のスクライブヘッド44は、図3に示さ れるスクライブヘッド24と異なり、振動アク ュエータ35とスプラインシャフト37とが分離 されている。振動アクチュエータ35のロッド3 5aの横変位をスプラインシャフト37に伝達す ことなく、縦変位のみをスプラインシャフ 37に伝達するためである。スプラインシャフ ト37の振動をロッド35aの振動に追従させるた 、スプラインシャフト37をロッド35aに付勢 る付勢手段として皿ばね40が設けられる。皿 ばね40は、スプラインシャフト37の上端の大 部37cと、筒状下部36bの中間小径部36cとの間 介在して設けられる。

 図5は、振動アクチュエータ35の断面図を す。振動アクチュエータ35は、磁気ひずみ 特性を利用して、電気振動を機械振動に変 する超磁歪素子46を有する。振動アクチュエ ータ35の円筒ケースには、同心円状に超磁歪 子46、コイル47、バイアス磁石48が収容され いる。超磁歪素子46はコイル47やバイアス磁 石48からの磁界に応じて寸法を変化させる。 イル47に流す電流を所定の周期で振動させ と、超磁歪素子46も所定の周期で振動する。 超磁歪素子46の振動はケース49の下部に設け ロッド35aに伝達される。ロッド35aの振動は 線ベアリング50によって案内される。ケース 49の底部にはロッド35aの振動を超磁歪素子46 振動に追従させるための皿ばね51が設けられ る。

 図6は、超磁歪素子46の振動の振動特性の 例を示すグラフである。横軸は交流電流の 波数であり、縦軸は変位量である。この例 おいて、振動アクチュエータ35のコイルに 、±1.4Aの交流電流が供給される。縦軸には 交流電流の周波数を1~5kHzの範囲で変化した きの変位量が示されている。図6中のグラフ 、図5に示される垂直方向の変位量である。 この図から3.5kHz付近の周波数において垂直方 向の変位量にわずかなピークが生ずるが、周 波数が変化しても安定した変位量が得られる ことがわかる。

 なお振動子として、超磁歪素子46の替わ にピエゾアクチュエータを使用することも 能である。ただし、ピエゾアクチュエータ 使用すると、特定の周波数で変位量が大き なり、共振が生じ易いことに留意する必要 ある。共振点付近でピエゾアクチュエータ 振動させると、横方向の振れも大きくなる ら、共振点を避けた周波数でピエゾアクチ エータを振動させるのが望ましい。

 図7は、スプラインシャフト37とスプライ 外筒39とを備えるスプライン装置を示す。 プラインシャフト37の外周面には、軸線方向 に伸びる複数条の転動体転走溝であるボール 転走溝37bが形成される。スプラインシャフト 37は炭素鋼、クロム鋼、又はステンレス鋼か なる。ボール52が転がり運動するので、ボ ル転走溝37bは研削加工されると共に熱処理 れる。

 スプライン外筒39は、スプラインシャフ 37に遊嵌された筒体53と、スプラインシャフ 37と筒体53との間に転がり運動可能に介在さ れる複数のボール52と、筒体53に組み込まれ 複数のボール52を循環させるサーキット状の ボール循環経路(転動体循環経路)を有する保 器54と、を備える。

 筒体53の内周面には、スプラインシャフ 37のボール転走溝37bに対向して軸線方向に伸 びる複数条の負荷ボール転走溝(負荷転動体 走溝)が形成される。筒体53は炭素鋼、クロ 鋼、又はステンレス鋼からなる。ボール52が 転がり運動するので、負荷ボール転走溝は研 削加工されると共に熱処理される。筒体53の 線方向の両端には、筒体53に保持器54を組み 付けるための止め輪55が設けられる。保持器5 4には、サーキット状のボール循環経路54aが 成される。サーキット状のボール循環経路54 aは、ボール転走溝37bと負荷ボール転走溝と 間の負荷ボール転走路と、一対のU字状の方 転換路と、負荷ボール転走路と平行に伸び 戻し通路とから構成される。

 スプライン外筒39に対するスプラインシ フト37の相対的な直線運動に伴い、ボール52 スプラインシャフト37のボール転走溝37bと 体53の負荷ボール転走溝との間を転がり運動 する。筒体53の負荷ボール転走溝の長手方向 端まで転がったボールは、保持器54によっ ボール転走溝37bから掬い上げられる。そし ボール52は、保持器54のU字状の方向転換路を 経由した後、向きを変えて負荷ボール転走溝 と平行に伸びる戻し通路に入る。戻し通路を 通過したボールは、反対側の方向転換路を経 由した後、再びボール転走溝37b上に戻される 。

 図8及び図9は、スクライビングホイール34 を示す。図8は、スクライビングホイール34の 進行方向からみた正面図であり、図9は、図8 側面図である。スクライビングホイール34 、回転軸60を供給する二つの円錐台61の底部 交わって円周稜線62が形成された外周縁部63 と、円周稜線62に沿って円周方向に形成され 複数の切欠き64及び突起65を有する(図10参照 )。円周稜線62は、軸心から半径方向外方に向 かって研削加工が施されることによって形成 され、研削加工が施された外周縁部63の表面 は研削条痕が残る。外周縁部63は、収束角 (α)を有して形成される。

 スクライビングホイール34は、スクライ ングホイール34を軸支するための図示しない ピンが貫通する軸孔66を有するディスク状の イールである。スクライビングホイール34 材質は、超硬合金、焼結ダイヤモンド、セ ミックスあるいはサーメットが好ましい。

 外周縁部63は二つの円錐台61の斜面によっ て構成される。円周稜線62を形成するための 削加工に由来して、外周縁部63には研削条 が残る。斜面の中心線平均粗さRaが0.45μm以 になるように加工が施される。ここで「中 線平均粗さRa」とは、JIS B 0601で規定された 工業製品の表面粗さを表すパラメータの一つ であり、対象物の表面からランダムに抜き取 った算術平均値である。円周稜線62は、外周 部63を構成する円錐台61の斜面の上記研削条 痕によって形成される微細な凹凸を有する。 凹凸の中心線平均粗さRaは0.40μm以下である。

 図10及び図11は、図9の部分拡大図を示す スクライビングホイール34の切欠き64は、ピ チPで形成され、その円周方向の長さaが、 起65の円周方向の長さbよりも短い。突起65は 、円周稜線62が切り欠かれて残った、円周方 に長さを有する円周稜線62の部分(突起)で構 成される。

 切欠き64は、概略V字状の溝を平坦な円周 線62から深さhに、ピッチP毎に切り欠くこと により形成されている。このような切欠き64 形成により、円周稜線62には、高さhの突起6 5がピッチP毎に形成される。

 突起65の円周稜線62に相当する部分は、円 錐台61の斜面の上記研削条痕によって形成さ る微細な凹凸を有する。凹凸の中心線平均 さRaは0.40μm以下である。

 図11に示されるように、切欠き64は、スク ライビングホイール34の底部の半径方向内方 向かって切り欠かれた切欠き面68を有し、 起65の端部65aにおける接線Cが切欠き面68と30~ 60°の角度(θ)で交わる。

 つまり、突起65の端部65aにおける接線Cが 欠き面68と直角あるいは直角に近い角度で わっていれば、突起65の端部における基板表 面への食い付きはよくなるが、突起65の端部 摩耗が早まる。突起65の端部における接線C 切欠き面68と30°以下の角度で交わっていれ 、突起65の端部における基板表面への食い きが悪くなる。角度(θ)の範囲を30°~60°にす ことによって、スクライビングホイール34 長寿命化を図りながら、基板表面へのスク イビングホイール34の食い付きを良好に維持 することができる。

 切欠き64は、円錐台61の軸線方向からみた 形状が略V字形状であるため、V字の角度を変 ることにより、切欠き64の深さ(突起65の高 )hを確保しながら、切欠き64の円周方向の長 aと突起65の円周方向の長さbを容易に調整す ることができる。

 スクライビングホイール34の製造方法の 例を説明する。スクライビングホイール34の 母体となる円柱ディスクを準備し、この円柱 ディスクに対して両側の外周縁部63を研削加 することにより、二つの円錐台61の斜面が 差して円周稜線62が形成される。円錐台61の 面はその中心線平均粗さRaが0.45μm以下にな 、円周稜線62は凹凸の中心線平均粗さRaが0.4 0μm以下になるように、使用される砥石の粒 が選定される。円錐台61の斜面及び円周稜線 62の表面粗さを抑えることにより、形成され スクライブラインはその幅が狭く一定のも となる。

 次いで、円周稜線62に切欠き64を形成する 。切欠き64を形成する一例としては、レーザ 光の照射によって円錐の軸線方向からみた 状がV字形状となる切欠き64を外周縁部63に 成する。この方法によれば、V字の中心角度 変えることによって、突起65の高さを一定 保持したまま、切欠き64の円周方向の長さa 突起65の円周方向の長さbを容易に調整する とができる。

 スクライビングホイール34の外径、切欠 64のピッチ、切欠き64の円周方向の長さaと突 起65の円周方向の長さb、切欠き64の深さ及び 周縁部63の収束角度(α)等のスクライビング イール34の仕様は、切断対象の脆性材料の 類、厚さ、熱履歴及び要望される脆性材料 断面の品質等に応じて適宜決定される。

 スクライビングホイール34の条件の一例 しては、ホイールの外径が1~20mm、切欠き64の ピッチが20~5000μm、切欠き64の深さが0.5~5μmで り、円周稜線62の収束角度が85~140°である。 より好ましいスクライビングホイール34の条 としては、ホイールの外径が1~5mm、切欠き64 のピッチが20~50μm、切欠き64の深さが1~3μmで り、円周稜線62の収束角度が100~130°である。

 一般に、切欠き64の深さの深いスクライ ングホイール34を使用することにより、脆性 材料に対するかかり(特にクロススクライブ の交点とびの少なさ)が良好になる傾向があ 、例えば、脆性材料に対するかかりの点か は、切欠き64の深さは、例えば2~3μmである とが好ましい。一方、切欠き64の深さの浅い スクライビングホイール34を使用することに り、脆性材料の分断面の品質(端面強度)が 上する傾向がある。端面強度の点からは、 欠き64の深さは、例えば、1~2μmであることが 好ましい。

 一般に、切欠き64のピッチの短い(分割数 多い)スクライビングホイール34を使用する とにより、脆性材料に対するかかりが向上 る傾向がある。脆性材料に対するかかりの からは、切欠き64のピッチは、例えば20~1000 mであることが好ましく、貼合わせガラス基 を分断する場合に特に好適である。一方、 欠き64のピッチの長い(分割数の少ない)スク ライビングホイール34を使用することにより 脆性材料の分断面の品質(端面強度)が向上 る傾向があり、スクライビングホイール34の 製造の容易さの点からも、例えば、1000~5000μm であることが好ましく、原料素板の単板を分 断する場合に特に好適である。

 一般に、貼合せガラス基板の分断には、 径の小さいスクライビングホイール34を使 することが好ましく、例えば、外径が1~4mmの スクライビングホイール34が好適である。一 、原料素板である単板の分断には、外径が きいスクライビングホイール34を使用する とが好ましく、例えば、外径が4~20mmのスク イビングホイール34が好適である。

 一般に、切欠き64の円周方向の長さが長 スクライビングホイール34を使用することに より、脆性材料に対するかかりが良好になる 傾向があり、脆性材料のかかりの点からは、 切欠き64は、その円周方向の長さが4~14μmの範 囲であり、より好ましくは7~12μmの範囲であ 。一方、切欠き64の円周方向の長さが短いス クライビングホイール34を使用することによ 、脆性材料の分断面の品質(端面強度)が向 する傾向がある。脆性材料の分断面の品質 点からは、切欠き64はその円周方向の長さが 1~6μmの範囲であり、より好ましくは1~5μmの範 囲である。

 図13に示されるように、切欠き64は、回転 軸60の軸線方向からみた形状が概略台形であ てもよい。切欠き64が台形のスクライビン ホイール34であれば、台形の底辺69の長さa´ 変えることによって、突起65の端部65aにお る接線が切欠き面68と交わる角度を変えるこ となく、切欠き64の深さhを一定に保持したま ま、切欠き64の円周方向の長さaと突起65の円 方向の長さbを容易に調整することができる 。なお、図13では、切欠き64における台形の 辺69を便宜的に直線としたが、円弧であって もよい。切欠き64の例示として、回転軸60の 線方向からみた形状が略V字形状や台形を示 たが、本発明では特にこれらに限定される となく、円弧状、略U字状であってもよい。

 上記の実施の形態では、スクライビング イール34を軸支するためのピンが貫通され 軸孔を有するディスク状のスクライビング イール34を例示したが、図12に示したように ピンが一体的に形成された一体型のスクラ ビングホイール34を用いる場合も本発明に まれる。

 以下に本発明の一実施形態のスクライブ 法を図1を用いて説明する。上記に記載のス クライビングホイール34を用意し、スクライ ヘッド24に装着する。そして、テーブル11上 に脆性材料基板Wを載せ、テーブル11に脆性材 料基板Wを吸着させる。位置決めのために、CC Dカメラ等の撮影素子が脆性材料基板W上のア イメントマークを読み取る。制御装置は、 影素子が読み取ったアライメントマークの 置情報に基づいて、X軸移動機構25、Y軸移動 機構13、θ軸回転機構18を操作し、脆性材料基 板Wの位置決めをする。脆性材料基板Wの位置 めが終了した後、制御装置がX軸移動機構25 びY軸移動機構13を操作し、スクライブヘッ 24を脆性材料基板W上のスクライブ開始点へ 動させる。

 次に制御装置は、図2に示されたZ軸移動 構28を操作して、スクライブヘッド24を降下 せ、スクライブヘッド24のスクライビング イール34を脆性材料基板Wの表面に当接させ 。制御装置は、スクライビングホイール34を 脆性材料基板Wの表面に当接した後も、所定 切り込み深さになるまでZステージ29を僅か 降下させる。なおスクライブヘッド24は、ス クライビングホイール34が脆性材料基板Wの表 面に当接した時点で降下しないようにする。

 次に制御装置は、荷重印加シリンダ32を 動させ、スクライビングホイール34を脆性材 料基板Wに所定の圧力で押し付ける。この状 で制御装置は、振動アクチュエータ35を動作 させ、スクライビングホイール34に振動を付 する。制御装置は、振動アクチュエータ35 動作させるのと同時にX軸移動機構25を動作 せ、スクライブヘッド24をX方向に移動させ 。以上により、脆性材料基板Wの表面にスク イブラインが形成される。

 図14は、脆性材料としてのガラス基板へ 食い付き、垂直クラック、水平クラックの 点からみたスクライビングホイール34の特性 の比較を示す。非常に優れているものから劣 るものへと順番に◎→○→△→×のマークに 評価がなされている。P刃はガラス基板への 食い付き、垂直クラックの浸透のいずれも良 好であるが、強度低下の要因となる水平クラ ックが発生しやすい。A刃は、ガラス基板へ 食い付きが良好で、水平クラックが発生し くいが、垂直クラックを深く形成すること できない。N刃は、水平クラックが良好であ が、ガラス基板への食い付きが悪く、また い垂直クラックを形成することができない

 ガラス基板への食い付きの安定性という で問題のないA刃を用い、なおかつA刃に振 を付与することで、ガラス基板にダメージ 与えることなく、垂直クラックを深く浸透 せることができる。よって、ガラスへの食 付き、垂直クラック、水平クラックのいず も良好なスクライブラインが得られる。P刃 用いる場合は、振動を付与しなくとも垂直 ラックを深く形成することができるため、 用上振動を付与する必要性はなく、振動を 与したとしても、強度低下の要因となる水 クラックが多量に発生してしまうことにな 。

 本実施形態においては、荷重印加シリン 32が振動させていない状態のスクライビン ホイール34を0.1~0.3MPaの圧力で前記脆性材料 板Wに押し付ける。そして、振動アクチュエ タ35は、脆性材料基板Wの表面から離れた状 のスクライビングホイール34を5~20μmの振幅 振動させる条件で、かつ1~5kHzの周波数で加 時に振動させる。脆性材料基板Wの表面から 離れた状態のスクライビングホイール34の振 は、レーザー変位計によって測定すること できる。スクライビングホイール34の振動 波数は、振動アクチュエータ35に供給される 交流周波数から求めることができる。

 図15ないし図20は、実際に硬質ガラスをスク ライブしたときの実験データを示す。
 図15~図20において、図中の記号はスクライ ラインが以下の状態であることを意味する
×:分離不可、又は破壊。
▲:リブマーク形成なし、又は形成不安定。       
△:クラックは浅いがリブマークが飛ばずに 成。
○:P刃並ではないがクラックがしっかり形成
◎:P刃並にクラックが形成。
☆:吸着解除後自然分離、又は触っただけで 離。
D:断面不良(疵,うねり)。
C:チッピング発生。

 図15は、振動を付与させたA刃を用いてt( み)=0.7mmの硬質ガラスをスクライブしたとき 実験データを示す。実験条件は以下のとお である。先端工具:A刃 φ2.0×0.65×φ0.8 130° ワーク:硬質ガラス t0.7、振動ヘッド:連結タ イプ(図3参照)、スクライブ条件:荷重 0.18MPa  (12.6N)、速度 300mm/s,切込量 0.15mm。

 図15の実験データにおいては、硬質ガラ の表面から離れた状態のA刃先の変位量(振幅 )、荷重及び周波数を変化させている。図15か ら、5μm以上の変位量があれば、周波数にか わりなく垂直クラックをしっかり形成でき こと、特に10μm以上の変位量があれば、周波 数の選定により、高浸透クラックの形成やフ ルカットができることがわかった。

 図16は、振動を付与させたA刃を用いてt=0. 5mmの硬質ガラスをスクライブしたときの実験 データを示す。実験条件は以下のとおりであ る。先端工具:A刃 φ2.0×0.65×φ0.8 130°、ワー :硬質ガラス t0.5、振動ヘッド:連結タイプ( 3参照),分離タイプ(図4参照)、スクライブ条 :速度 300mm/s,切込量 0.15mm、振動なし、振動 あり(2.0kHz,縦変位量10μm)。

 スクライブヘッド24,44には図3に示される 結タイプと、図4に示される分離タイプを用 いた。この図16から、いずれのタイプのスク イブヘッドでも、振動を付与することによ 、深い垂直クラックを形成することができ ことがわかった。

 図17は、振動を付与させたA刃を用いてt=0. 5mmの硬質ガラスをクロスカットしたときの実 験データを示す(連結タイプのスクライブヘ ド)。実験条件は以下のとおりである。先端 具:A刃 φ2.0×0.65×φ0.8 130°、ワーク:硬質ガ ス t0.5、振動ヘッド:連結タイプ、スクライ ブ条件:速度 300mm/s,切込量 0.15mm、振動なし 振動あり(2.0~4.0kHz,10μm)。

 この図17から、2.0kHz以上の振動を付与す 場合、4.0kHz以下の低周波数でも、振動なし 場合よりも、より低荷重領域でクロス飛び 0%になること、クロス飛び0%領域は周波数が くなるほど低荷重方向へシフトすることが かった。

 図18は、振動を付与させたA刃を用いてt=0. 5mmの硬質ガラスをクロスカットしたときの実 験データを示す(分離タイプのスクライブヘ ド)。実験条件は以下のとおりである。先端 具:A刃 φ2.0×0.65×φ0.8 130°、ワーク:硬質ガ ス t0.5、振動ヘッド:分離タイプ、スクライ ブ条件:速度 300mm/s,切込量 0.15mm、振動なし 振動あり(2.0~5.0kHz,10(7)μm)

 この図18から、振動の付与によって低荷 領域でクロス飛びが0%になること、連結タイ プと比較しても顕著な差が見られないことが わかった。

 図19は、振動を付与させたA刃を用いてt=0. 5mmの硬質ガラスをスクライブしたときの各ヘ ッドのスクライブ特性を比較した実験データ を示す。実験条件は以下のとおりである。先 端工具:A刃 φ2.0×0.65×φ0.8 130°、ワーク:硬質 ガラス t0.5、スクライブ条件:速度 300mm/s,切 量 0.15mm、振動条件:振動なし,振動あり(2.0kH z,縦変位量10μm)

 いずれのスクライブヘッドにおいても、 動を付与することで、垂直クラックが深く る荷重領域が低くなることがわかった。

 図20は、振動を付与させたA刃を用いてt=0. 5mmの硬質ガラスをスクライブしたときの実験 データを示す。実験条件は以下のとおりであ る。先端工具:A刃 φ2.0×0.65×φ0.8 130°、ワー :硬質ガラス t0.5、振動ヘッド:連結タイプ スクライブ条件:荷重0.06~0.36MPa(5.0~27.3N) 0.02MP a毎、速度300mm/s,切込量0.15mm、超高分子ポリエ チレン多孔質フィルム(サンマップ(商品名)t0. 2mm)をガラス下部に貼り付け、振動条件:振動 し,振動あり(2.0,4.0kHz,縦変位量10μm)。

 t=0.5mmの硬質ガラスには、超高分子ポリエ チレン多孔質フィルムが貼られる。図20から 変位量10μmの振動を付与すると切断荷重領 が拡大すること、周波数が高くなると切断 重領域が低荷重方向へシフトすることがわ った。

 本明細書は、2007年4月12日出願の特願2007-1 05372に基づく。この内容はすべてここに含め おく。




 
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