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Title:
SCROLL FLUID MACHINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/025230
Kind Code:
A1
Abstract:
It is difficult in conventional scroll fluid machines to secure, behind the rear surface of an orbiting scroll member, a space for a back pressure chamber. A scroll fluid machine of the invention facilitates creation of such a back pressure chamber to increase the degree of design freedom, which is achieved by reducing as much as possible a space for installing a seal member which defines and forms the back pressure chamber. In the scroll fluid machine of the invention, the back pressure chamber (50), into which high pressure gas is introduced through the seal member (51), is formed between an orbiting scroll member (33) and a fixed support member (31). The seal member (51) has annular U-shaped seal members (53). The U-shaped seal members (53) are installed such that they are directed to be perpendicular to the rear surface of the orbiting scroll member (33) and one side surface of each U-shaped seal member (53) is in contact with a side surface (seal surface)(50A, 50B) of the fixed support member (31).

Inventors:
SATO HAJIME (JP)
KIMATA YOSHIYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064578
Publication Date:
February 26, 2009
Filing Date:
August 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI HEAVY IND LTD (JP)
SATO HAJIME (JP)
KIMATA YOSHIYUKI (JP)
International Classes:
F04C18/02; F04C27/00
Foreign References:
JP2002021753A2002-01-23
JPH0486391A1992-03-18
JP2003343452A2003-12-03
JP2004028017A2004-01-29
JPS6385277A1988-04-15
JPH0861258A1996-03-08
JP2002054583A2002-02-20
Other References:
See also references of EP 2177764A4
Attorney, Agent or Firm:
FUJITA, Takaharu et al. (3-1 Minatomirai 3-chome,Nishi-ku, Yokohama-sh, Kanagawa 12, JP)
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Claims:
 固定スクロール部材と、該固定スクロール部材に対して公転旋回駆動可能に組み付けられ、作動ガス室を構成する旋回スクロール部材と、該旋回スクロール部材の背面側を支持する固定支持部材とを備え、
 前記旋回スクロール部材と前記固定支持部材との間に、シール部材を介して高圧ガスが導入される背圧室を区画形成してなるスクロール型流体機械において、
 前記シール部材を環状Uシール部材により構成し、該環状Uシール部材を前記旋回スクロール部材の背面と直交する方向に向け、前記固定支持部材のシール面に一側面を接触させて設置したことを特徴とするスクロール型流体機械。
 前記シール部材は、前記旋回スクロール部材の背面が摺動する摺動面と、前記環状Uシール部材の他側面が接するシール面とを有して断面L字形状に形成された環状プレート部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
 前記環状プレート部材の前記摺動面幅を、前記環状Uシール部材の幅寸法と略等しくしたことを特徴とする請求項2に記載のスクロール型流体機械。
 前記背圧室は、外周側と内周側に前記シール部材が設置された環状の背圧室とされ、両シール部材がそれぞれ前記環状Uシール部材および/または前記環状プレート部材を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスクロール型流体機械。
 前記環状プレート部材を、外周側と内周側にそれぞれ前記環状Uシール部材の他側面が接するシール面を設けた一体形成の環状プレート部材により構成したことを特徴とする請求項4に記載のスクロール型流体機械。
 前記環状プレート部材の前記環状Uシール部材が接するシール面の先端に、面取りを施したことを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載のスクロール型流体機械。
 前記環状プレート部材と前記固定支持部材との間に、前記環状プレート部材の前記摺動面を前記旋回スクロール部材の背面に押圧する弾性部材を設置したことを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載のスクロール型流体機械。
Description:
スクロール型流体機械

 本発明は、旋回スクロール部材の背面側 、高圧ガスが導入される背圧室を区画形成 てなるスクロール型流体機械に関するもの ある。

 スクロール型流体機械は、端板上に渦巻 状ラップを立設した一対の固定スクロール 材と旋回スクロール部材を、位相をずらし 組み合わせることにより作動ガス室を形成 ている。このようなスクロール型流体機械 おいて、作動ガス室内のガス圧は固定スク ール部材と旋回スクロール部材を離間する 向に作用する。これによって、渦巻き状ラ プのチップ隙間が大きくなり、ガス漏れの 因となる。これが対策として、旋回スクロ ル部材の背面側に高圧ガスが導入される背 室を区画形成し、そのガス圧で旋回スクロ ル部材を固定スクロール部材側に押し付け ことにより、上記のガス漏れを低減し、高 率化できることは、従来から広く知られて る。

 旋回スクロール部材の背面側に背圧室を 成するには、背圧室を周囲から区画し、シ ルする必要がある。かかるシール構造とし 、旋回スクロール部材の背面側を支持する 定支持部材に溝を設け、この溝内にリング のシール部材(背圧仕切帯)およびバネ部材 設置し、バネ部材によってシール部材を旋 スクロール部材の背面に向かって押圧する うに構成したものが特許文献1により提案さ ている。しかし、このようなシール部材を いた場合、シール部材に割り面を設ける必 があるため、割り面からのガス漏れが大き 問題となる。

 そこで、特許文献2に示すように、一側面 に旋回スクロール部材との摺動面を設けた断 面コ字形状の所謂環状Uシール部材をその開 部を背圧室側に向けて水平(旋回スクロール 材の摺動方向に沿う方向)に設置し、環状U ール部材の内部予圧バネによって摺動面を 回スクロール部材の背面に対して押圧する うに構成したシール部材を用いたものが提 されている。

特開平8-61258号公報

特開2002-54583号公報

 しかしながら、Uシール部材には、一般に 内部に予圧バネが設けられており、開口部両 端を外方に張っている。このため、背圧室の シール部材にUシール部材を用いた場合、摺 面を含む高さ方向の寸法管理が難しく、摺 面を押圧して旋回スクロール部材に加える 圧力にバラツキが生じ、摺動損失を増加さ る要因となることがある。また、環状Uシー 部材をその側面が旋回スクロール部材の摺 方向と平行になるように横向きに設置して るため、シール部材の摺動面面積が大きく り、摺動損失を増大させるとともに、シー 部材の摺動方向の設置スペース、すなわち クロール部材の半径方向における設置スペ スが大きくなり、設計の自由度を低下させ という問題がある。

 特に、冷凍ないし空調用のスクロール型 縮機においては、昨今、高圧で密度の高い 媒が使用されるようになっている。この場 、容積を小さくできることから、スクロー 部材の外径をより小さくし、圧縮機を小型 ンパクト化することが可能となる。これに って、旋回スクロール部材の背面側を支持 るスラスト軸受面や自転阻止機構等が設け れる固定支持部材側の支持面スペースにお て、背圧室を形成するシール部材の設置ス ースの確保は大きな課題となる。

 本発明は、このような事情に鑑みてなさ たものであって、背圧室を区画するシール 材の設置スペースを可及的に小さくし、ス ース確保が難しい旋回スクロール部材の背 側スペースにおいて、背圧室の形成を容易 して設計自由度を高めることができるスク ール型流体機械を提供することを目的とす 。

 上記課題を解決するために、本発明のスク ール型流体機械は以下の手段を採用する。
 すなわち、本発明にかかるスクロール型流 機械は、固定スクロール部材と、該固定ス ロール部材に対して公転旋回駆動可能に組 付けられ、作動ガス室を構成する旋回スク ール部材と、該旋回スクロール部材の背面 を支持する固定支持部材とを備え、前記旋 スクロール部材と前記固定支持部材との間 、シール部材を介して高圧ガスが導入され 背圧室を区画形成してなるスクロール型流 機械において、前記シール部材を環状Uシー ル部材により構成し、該環状Uシール部材を 記旋回スクロール部材の背面と直交する方 に向け、前記固定支持部材のシール面に一 面を接触させて設置したことを特徴とする

 本発明によれば、背圧室を区画するシー 部材を環状Uシール部材により構成し、この 環状Uシール部材を旋回スクロール部材の背 と直交する方向に向け、固定支持部材のシ ル面に一側面を接触させて設置しているた 、背圧室のガス漏れを少なくし、背圧室内 ガス圧を一定に保つことができるとともに シール部材の半径方向設置スペースを小さ することができる。これにより、両スクロ ル部材のチップ面からの作動ガス漏れを抑 し、高効率、高性能化を図ることができる ともに、シール部材の設置スペースを可及 に小さくし、スペースの確保が難しい旋回 クロール部材の背面側において、背圧室の 成を容易化し、設計自由度を高めることが きる。特に、高圧で密度の高い作動ガスを いることによりスクロール部材の外径を小 くすることが可能となるスクロール型流体 械において、高効率化に不可欠な背圧室の 成を容易にすることにより、スクロール型 体機械の小型コンパクト化、高性能化にお いに貢献することができる。

 本発明のスクロール型流体機械は、上記 スクロール型流体機械において、前記シー 部材は、前記旋回スクロール部材の背面が 動する摺動面と、前記環状Uシール部材の他 側面が接するシール面とを有して断面L字形 に形成された環状プレート部材を備えた構 としてもよい。

 この構成によれば、摺動面とシール面と 有して断面L字形状に形成された環状プレー ト部材を備えるため、シール部材の寸法を固 定支持部材のシール面高さと環状プレート部 材の高さによって管理することが可能となる 。これにより、環状Uシール部材の内部予圧 ネによる影響をなくして寸法管理を容易化 、高精度でバラツキが発生せず、安定した 能が得られる背圧室およびシール部材を構 することができる。

 本発明のスクロール型流体機械は、上記 スクロール型流体機械において、前記環状 レート部材の前記摺動面幅を、前記環状Uシ ール部材の幅寸法と略等しくした構成として もよい。

 この構成によれば、環状プレート部材の 動面幅を、旋回スクロール部材の背面と直 する方向に向けて設置した環状Uシール部材 の幅寸法と略等しくしているため、摺動面幅 を環状Uシール部材の側面長さに合わせてい ものに比べて小さくすることができる。こ により、環状プレート部材の摺動面面積を さくし、旋回スクロール部材が摺動する際 摺動損失を低減して高効率化を図ることが きる。

 本発明のスクロール型流体機械は、上述 いずれかのスクロール型流体機械において 前記背圧室は、外周側と内周側に前記シー 部材が設置された環状の背圧室とされ、両 ール部材がそれぞれ前記環状Uシール部材お よび/または前記環状プレート部材を備えた 成としてもよい。

 環状の背圧室を形成する場合、背圧室の 周側と内周側にそれぞれシール部材を設置 る必要がある。上記構成によれば、外周側 よび内周側の両シール部材がそれぞれ上記 た環状Uシール部材および/または環状プレ ト部材を備えているため、背圧室のガス漏 を少なくし、背圧室内のガス圧を一定に保 ことができるとともに、外周側および内周 シール部材の半径方向設置スペースを可及 に小さくし、スペースの確保が難しい旋回 クロール部材の背面側において、背圧室の 成を容易化し、設計の自由度を高めること できる。これにより、スクロール型流体機 の小型コンパクト化、高効率化、高性能化 図ることができる。

 本発明のスクロール型流体機械は、上記 スクロール型流体機械において、前記環状 レート部材を、外周側と内周側にそれぞれ 記環状Uシール部材の他側面が接するシール 面を設けた一体形成の環状プレート部材によ り構成されていてもよい。

 この構成によれば、一体形成された環状 レート部材を介してその外周側および内周 に環状Uシール部材を設置することができる ため、部品数を少なくすることができるとと もに、シール部材のシール性および旋回スク ロール部材の摺動性を高めることができる。 これにより、背圧室からのガス漏れおよび旋 回スクロール部材が摺動する際の摺動損失を 一段と低減し、高効率化を図ることができる 。

 本発明のスクロール型流体機械は、上述 いずれかのスクロール型流体機械において 前記環状プレート部材の前記環状Uシール部 材が接するシール面の先端に、面取りを施し た構成としてもよい。

 この構成によれば、環状プレート部材の 状Uシール部材が接するシール面の先端に面 取りを施しているため、環状Uシール部材に して環状プレート部材を挿入し易くするこ ができる。これにより、環状Uシール部材と 状プレート部材との組み立てを容易化する とができる。

 本発明のスクロール型流体機械は、上述 いずれかのスクロール型流体機械において 前記環状プレート部材と前記固定支持部材 の間に、前記環状プレート部材の前記摺動 を前記旋回スクロール部材の背面に押圧す 弾性部材を設置した構成としてもよい。

 この構成によれば、環状プレート部材と 定支持部材との間に弾性部材を設置し、環 プレート部材を介して旋回スクロール部材 背面を押圧するようにしているため、環状U シール部材に予圧負荷をかけることなく、旋 回スクロール部材に対して予圧をかけること が可能になる。これにより、環状Uシール部 の過負荷による損傷を防止し、耐久性を向 させることができる。

 本発明によると、シール部材の設置スペ スを可及的に小さくし、スペースの確保が しい旋回スクロール部材の背面側スペース おいて、背圧室の形成を容易化して設計自 度を高めることができる。特に、高圧で密 の高い作動ガスを用いることによりスクロ ル部材の外径を小さくすることが可能とな スクロール型流体機械において、高効率化 不可欠な背圧室の形成を容易にすることに り、スクロール型流体機械の小型コンパク 化、高性能化におおいに貢献することがで る。

本発明の第1実施形態にかかるスクロー ル型圧縮機の縦断面図である。 図1に示したスクロール型圧縮機の部分 拡大縦断面図である。 本発明の第2実施形態にかかるスクロー ル型圧縮機の部分拡大縦断面図である。 本発明の第3実施形態にかかるスクロー ル型圧縮機の部分拡大縦断面図である。 本発明の第4実施形態にかかるスクロー ル型圧縮機の部分拡大縦断面図である。

符号の説明

1 スクロール型圧縮機
3 スクロール型圧縮機構
31 固定支持部材
32 固定スクロール部材
33 旋回スクロール部材
34 圧縮室(作動ガス室)
50,60 背圧室
50A,50B 側面(シール面)
51,61 シール部材
52,62 環状プレート部材
52B,62A,72A 摺動面
52D,52E,62B シール面
52F,52G 面取り
53 環状Uシール部材
54,74 弾性部材
W1 摺動面の幅
W2 環状Uシール部材の幅寸法

 以下に、本発明にかかる実施形態について 図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
 以下、本発明の第1実施形態について、図1 よび図2を用いて説明する。
 図1には、スクロール型流体機械の一例であ るスクロール型圧縮機1の縦断面図が示され いる。本実施形態では、便宜上、冷媒圧縮 のスクロール型圧縮機1について説明するが 本発明は、この冷媒圧縮用のスクロール型 縮機1に限定されるものでないことはもちろ んである。

 スクロール型圧縮機1は、密閉ハウジング 10を備えている。密閉ハウジング10内の下方 には、ステータ5とロータ6とから構成される 電動モータ4が固定設置され、上方部には、 クロール型圧縮機構3が固定設置されている ロータ6には、クランク軸7が一体に結合さ ている。クランク軸7の軸中心には、軸線方 に沿って給油孔7Aが穿設されており、密閉 ウジング10の底部に封入されている潤滑油を 、クランク軸7の下端部に組み込まれた図示 略の給油ポンプにより給油孔7Aを介してスク ロール型圧縮機構3の軸受部等の所要潤滑箇 に強制給油できるように構成されている。

 スクロール型圧縮機構3は、クランク軸7 支持する軸受30が設けられ、密閉ハウジング 10に固定設置される固定支持部材31と、それ れ端板32A,33A上に立設された渦巻き状ラップ3 2B,33Bを備え、渦巻き状ラップ32B,33Bを互いに み合わせて固定支持部材31上に組み付けるこ とにより一対の圧縮室34を構成する固定スク ール部材32および旋回スクロール部材33と、 旋回スクロール部材33とクランク軸7の軸端に 設けられるクランクピン7Bとを結合し、旋回 クロール部材33を公転旋回駆動する旋回ボ 部35と、旋回スクロール部材33と固定支持部 31との間に設けられ、旋回スクロール部材33 をその自転を阻止しつつ公転旋回させるオル ダムリング等からなる自転阻止機構36と、固 スクロール部材32の背面に設けられる吐出 37と、固定スクロール部材32の背面に固定設 され、固定スクロール部材32との間に吐出 ャンバ38を形成する吐出カバー39等とから構 されている。

 上記のスクロール型圧縮機構3は、図示省 略の吸入管を介して密閉ハウジング10に吸入 れた低圧冷媒ガスを圧縮室34内に吸い込み この低圧冷媒ガスを旋回スクロール部材33の 公転旋回駆動により高圧状態に圧縮した後、 吐出弁37を経て吐出チャンバ38に吐き出すよ に構成されている。この高温高圧の冷媒ガ は、吐出チャンバ38から吐出管40を介して圧 機外部に導かれることになる。

 次に、本実施形態の特徴部分である旋回ス ロール部材33に対する背圧構造について、 2を参照して説明する。
 旋回スクロール部材33の背面と、固定支持 材31のスラスト支持面との間の自転阻止機構 36よりも内周側に、高圧冷媒ガス(高圧作動ガ ス)が導入される環状の背圧室50が固定支持部 材31のスラスト支持面を凹状に加工すること より構成されている。この環状背圧室50の 部には、シール部材51を構成する環状のプレ ート部材52が図示の上下方向(旋回スクロール 部材33の背面と直交する方向)に微小寸法だけ 摺動可能に嵌合されている。

 環状プレート部材52には、上面に凹部52A 設けられ、残りの面が旋回スクロール部材33 の端板33Aの背面に当接される摺動面52Bとされ ている。凹部52Aの底面には、円周方向の複数 箇所に環状プレート部材52を貫通するガス導 孔52Cが設けられている。また、環状プレー 部材52の外周側の側面および内周側の側面 は、それぞれ環状Uシール部材53を設置する めの断面L字形状のシール面52D,52Eが形成され ており、シール面52D,52Eの先端には、テーパ の面取り52F,52Gが施されている。この環状プ ート部材52は、背圧室50の底面に設置された 弾性部材(予圧板バネ)54のバネ力によって、 回スクロール部材33の背面を押圧し、旋回ス クロール部材33に予圧をかけられるようにな ている。

 環状Uシール部材53は、横断面がU字状(又 π字状)で、かつ無端状のリング構成を有し 内部に予圧バネ53Aが設けられている。この 状Uシール部材53は、両側面を図示の上下方 、すなわち旋回スクロール部材33の背面と直 交する方向に向けるとともに、開口部を下向 きにし、背圧室50の外周側側面(シール面)50A よび内周側側面(シール面)50Bと環状プレート 部材52のシール面52D,52Eとの間に、それぞれ両 側面が接触されるように設置されている。こ の環状Uシール部材53と上記環状プレート部材 52とによって、背圧室50を周囲から区画シー するシール部材51が構成されている。そして 、上記のようにして構成された背圧室50には 圧縮室34から高圧冷媒ガス(高圧作動ガス)が 旋回スクロール部材33の端板33Aに設けられた 圧ガス導入通路55を介して導入されるよう 構成されている。

 上記構成を有する本実施形態によると、以 の作用効果を奏する。
 スクロール型圧縮機構3が圧縮動作開始前は 、環状プレート部材52が弾性部材(予圧板バネ )54のバネ力により旋回スクロール部材33の背 を押圧し、旋回スクロール部材33に予圧が けられるようになっている。このため、旋 スクロール部材33が固定スクロール部材32に し付けられ、渦巻き状ラップ32B,33Bのチップ 面がシールされることになる。これにより、 圧縮動作の開始に際して、圧縮される冷媒ガ スのチップ面からのガス漏れが防止される。

 圧縮動作が開始されると、圧縮室34内の 力が高まり、その内圧により固定スクロー 部材32と旋回スクロール部材33は互いに離間 向の力を受ける。一方、圧縮室34内の高圧 媒ガス(高圧作動ガス)は、背圧ガス導入通路 55を経て背圧室50内に導入される。この高圧 媒ガスは、環状プレート部材52の下面に作用 し、環状プレート部材52を上方に押圧して旋 スクロール部材33を固定スクロール部材32に 向かって押し付けるように作用する。この押 圧力を上記の離間方向の力と対抗させること により、渦巻き状ラップ32B,33Bのチップ面の ールを維持することができる。このため、 ップ面からのガス漏れを抑制することがで る。

 また、圧縮動作時、旋回スクロール部材3 3は、公転旋回駆動され、その背面が固定支 部材31のスラスト支持面上を摺動する。この 摺動面は、環状プレート部材52が旋回スクロ ル部材33の背面と接し上方に押圧されるよ になっているため、実質的に環状プレート 材52の摺動面52Bに限られることになる。これ により、旋回スクロール部材33が接触摺動す 面の面積を小さくすることができ、公転旋 駆動により発生する摺動損失を低減して高 率化を図ることができる。

 また、本実施形態では、背圧室50を区画 成するシール部材51を環状のUシール部材53に より構成し、この環状Uシール部材53を旋回ス クロール部材33の背面と直交する方向に向け 背圧室50の外周側側面50A(シール面)および内 周側側面(シール面)50Bに一側面を接触させて 置しているため、背圧室50のガス漏れを低 し、背圧室50内のガス圧を一定に保つことが できるとともに、シール部材51の半径方向設 スペースを小さくすることができる。従っ 、両スクロール部材32,33のチップ面からの 動ガス漏れを抑制し、高効率、高性能化を ることができる。また、シール部材51の設置 スペースを可及的に小さくし、スペースの確 保が難しい旋回スクロール部材33の背面側に いて、背圧室50の形成を容易化し、設計自 度を高めることができる。特に、高圧で密 の高い、例えばCO2冷媒等の作動ガスを用い ことによりスクロール部材の外径を小さく ることが可能なスクロール型圧縮機におい 、高効率化に不可欠な背圧室50の形成を容易 にすることにより、スクロール型圧縮機の小 型コンパクト化、高性能化におおいに貢献す ることができる。

 また、シール部材51は、凹部52Aを挟む2つ 摺動面52Bと、外周側および内周側に2つのシ ール面52D,52Eとを有して一体形成された環状 レート部材52を備えているため、シール部材 51の寸法を背圧室50の側面(シール面)50A,50Bの さと環状プレート部材52の高さによって管理 することが可能となる。これにより、環状U ール部材53の内部予圧バネ53Aによる影響をな くして寸法管理を容易化し、高精度でバラツ キが発生せず、安定した性能が得られる背圧 室50およびシール部材51を構成することがで る。また、環状プレート部材52が一体形成さ れているため、部品数を少なくすることがで きるとともに、シール部材51のシール性およ 旋回スクロール部材33の摺動性を高め、背 室50からのガス漏れおよび旋回スクロール部 材33が摺動する際の摺動損失を一段と低減し 高効率化を図ることができる。

 また、環状プレート部材52の環状Uシール 材53が接するシール面52D,52Eの先端にテーパ の面取り52F,52Gが設けられているため、環状 Uシール部材53に対して環状プレート部材52を 入し易くし、環状Uシール部材53と環状プレ ト部材52との組み立てを容易化することが きる。また、環状プレート部材52と背圧室50 底面との間に弾性部材54を設置し、環状プ ート部材52を介して旋回スクロール部材33の 面を押圧するようにしているため、環状Uシ ール部材53に予圧負荷をかけることなく、旋 スクロール部材33に対して予圧をかけるこ が可能になる。これにより、圧縮動作の開 に際して、渦巻き状ラップ32B,33Bのチップ面 シールを維持し、圧縮される冷媒ガスのチ プ面からのガス漏れが防止することができ とともに、環状Uシール部材53の過負荷によ 損傷を防止し、耐久性を向上させることが きる。

[第2実施形態]
 次に、本発明の第2実施形態について、図3 用いて説明する。
 本実施形態は、上記した第1実施形態に対し て、背圧室60およびシール部材61の構成が異 る。その他の点については、第1実施形態と 様であるので説明は省略する。
 本実施形態では、固定支持部材31のスラス 支持面上の自転阻止機構36よりも内周側位置 にシール部材61を設置し、その内周側領域を べて背圧室60としている。この場合、固定 持部材31のボス部35を収容する凹部の内周に シール部材61を設置するための段部60Aを設 、この段部60Aにシール部材61を構成する環状 プレート部材62および環状Uシール部材53が設 されることになる。

 環状Uシール部材53は、第1実施形態と同様 、両側面を図示の上下方向、すなわち旋回ス クロール部材33の背面と直交する方向に向け とともに、開口部を下向きにし、固定支持 材31の段部60Aの側面(シール面)に対して一側 面が接触されるように設置される。この環状 Uシール部材53を支持する環状プレート部材62 、旋回スクロール部材33の背面が摺動する 動面62Aと、環状Uシール部材53の他側面が接 るシール面62Bとを有して断面L字形状に形成 れ、環状Uシール部材53の内周に挿入されて 体化されることにより段部60Aに設置される

 本実施形態においても、環状Uシール部材53 旋回スクロール部材33の背面と直交する方 に向け、固定支持部材31の段部60Aの側面(シ ル面)に一側面を接触させて設置しているた 、背圧室60のガス漏れを少なくし、背圧室60 内のガス圧を一定に保つことができるととも に、シール部材61の半径方向設置スペースを さくすることができる。従って、上記した 1実施形態と同様の作用効果を得ることがで きる。
 また、シール部材61の高さ方向の寸法管理 、環状プレート部材62の高さh1と固定支持部 31の段部60Aの側面高さh2とにより管理するこ とができるため、環状Uシール部材53の内部予 圧バネ53Aによる影響をなくし、シール部材61 寸法管理を容易化することができる。従っ 、高精度でバラツキが発生せず、安定した 能が得られる背圧室60およびシール部材61を 構成することができる。

[第3実施形態]
 次に、本発明の第3実施形態について、図4 用いて説明する。
 本実施形態は、上記した第2実施形態に対し て、環状プレート部材62の摺動面72Aの構成を 更している点が異なる。その他の点につい は、第1および第2実施形態と同様であるの 説明は省略する。
 本実施形態では、旋回スクロール部材33の 面が摺動する環状プレート部材62の摺動面72A の幅W1を、環状Uシール部材53の幅寸法W2と略 しくしている。

 上記のように、環状プレート部材62の摺 面72Aの幅W1を、環状Uシール部材53の幅寸法W2 略等しくすることにより、摺動面72Aの幅W1 環状Uシール部材53の側面長さに合わせてい ものに比べて小さくすることができる。従 て、環状プレート部材62の摺動面72Aの面積を 小さくし、旋回スクロール部材33が摺動する の摺動損失を低減して高効率化を図ること できる。

[第4実施形態]
 次に、本発明の第4実施形態について、図5 用いて説明する。
 本実施形態は、上記した第2および第3実施 態に対して、環状プレート部材62を旋回スク ロール部材33の背面に対して押圧する弾性部 74を備えている点が異なる。その他の点に いては、第1ないし第3実施形態と同様である ので説明は省略する。
 本実施形態では、固定支持部材31の段部60A 段面と環状プレート部材62との間に、弾性部 材(予圧板バネ)74を設置し、この弾性部材74の バネ力により、環状プレート部材62を介して 回スクロール部材33の背面を押圧し、旋回 クロール部材33に予圧がかけられるようにし ている。

 上記のように、段部60Aの段面と環状プレ ト部材62との間に弾性部材(予圧板バネ)74を 置し、環状プレート部材62を介して旋回ス ロール部材33の背面を押圧するようにしてい るため、環状Uシール部材53に予圧負荷をかけ ることなく、旋回スクロール部材33に対して 圧をかけることができるようになる。従っ 、圧縮動作の開始に際して、渦巻き状ラッ 32B,33Bのチップ面のシールを維持し、圧縮さ れる冷媒ガスのチップ面からのガス漏れが防 止することができるとともに、環状Uシール 材53の過負荷による損傷を防止し、耐久性を 向上させることができる。

 なお、本発明は、上記実施形態にかかる 明に限定されるものではなく、その要旨を 脱しない範囲において、適宜変形が可能で る。例えば、上記実施形態では、冷媒圧縮 のスクロール型圧縮機に適用した例につい 説明したが、本発明は、他用途の圧縮機、 には圧縮機以外の膨張機や流体ポンプ等の クロール型流体機械にも幅広く適用できる のである。また、単段圧縮機のみならず、 段圧縮機にも適用可能である。また、環状 レート部材および環状Uシール部材について は、樹脂製あるいは金属製を問わず、何れも 適用可能である。また、第2ないし第4実施形 において、環状プレート部材62のシール面62 B先端に面取りを設けてもよいことはもちろ である。




 
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