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Patent Searching and Data


Title:
SEAL MEMBER FOR ROLLING DEVICE AND ROLLING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/120496
Kind Code:
A1
Abstract:
A seal member (10) for a rolling device has an inner member, an outer member, and rolling bodies rollably disposed between the inner member and the outer member. The seal member (10) enables rotational or linear motion of the outer member relative to the inner member. The seal member (10) further has an inner lip part (11) for pressing the inner member, and also has an outer lip part (15) for pressing the outer member. The rigidity of the outer lip part (15) is lower than that of the inner lip part (11). The seal member can be formed in a generally circular shape surrounding the inner member or in a generally plate-like shape extending in the direction of relative motion of the outer member with respect to the inner member. Consequently, the rolling device and the seal member for the rolling device can be appropriately used even under adverse environments.

Inventors:
MURATA TOMOZUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051809
Publication Date:
October 09, 2008
Filing Date:
February 05, 2008
Export Citation:
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Assignee:
THK CO LTD (JP)
MURATA TOMOZUMI (JP)
International Classes:
F16C33/78; F16C29/06; F16C29/08; F16C33/76; F16H25/24; F16J15/3232; F16J15/3276
Foreign References:
JP2003322151A2003-11-14
JPH0653821U1994-07-22
JPS63162129U1988-10-24
JPS5868552A1983-04-23
JPH03118362U1991-12-06
JPH05231422A1993-09-07
Attorney, Agent or Firm:
ISHIKAWA, Yasuo (17-11 Shiba 2-chom, Minato-ku Tokyo 14, JP)
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Claims:
 内方部材と、
 外方部材と、
 前記内方部材と前記外方部材との間に転動自在に配設される複数の転動体と、
 を備えることにより、前記内方部材に対する前記外方部材の相対的な回転運動もしくは直線運動を可能とした転動装置に用いられる転動装置用シール部材であって、
 前記内方部材を押圧する内方リップ部と、
 前記外方部材を押圧する外方リップ部と、
 を備えることを特徴とする転動装置用シール部材。
 請求項1に記載の転動装置用シール部材において、
 前記内方リップ部の剛性よりも前記外方リップ部の剛性の方が低くなるように構成されていることを特徴とする転動装置用シール部材。
 請求項1又は2に記載の転動装置用シール部材において、
 前記外方リップ部は、断面が略V字形に構成されており、且つ、前記外方部材に接する略V字形の端部が外方部材から見て外向きとなるように構成されていることを特徴とする転動装置用シール部材。
 請求項1又は2に記載の転動装置用シール部材において、
 前記外方リップ部は、断面が略W字形に構成されており、且つ、前記外方部材に接する略W字形の端部が外方部材から見て外向きとなるように構成されていることを特徴とする転動装置用シール部材。
 請求項1又は2に記載の転動装置用シール部材において、
 前記外方リップ部は、断面が略半円形に構成されていることを特徴とする転動装置用シール部材。
 請求項1~5のいずれか1項に記載の転動装置用シール部材において、
 前記外方リップ部が複数設けられていることを特徴とする転動装置用シール部材。
 請求項1~6のいずれか1項に記載の転動装置用シール部材において、
 前記内方リップ部を構成する材質の弾性率よりも前記外方リップ部を構成する材質の弾性率の方が小さくなるように構成されていることを特徴とする転動装置用シール部材。
 請求項1~7のいずれか1項に記載の転動装置用シール部材において、
 前記内方部材を取り囲む略円形形状にて構成されていることを特徴とする転動装置用シール部材。
 請求項1~7のいずれか1項に記載の転動装置用シール部材において、
 前記内方部材に対する前記外方部材の相対的な運動の方向に延びる略プレート形状にて構成されていることを特徴とする転動装置用シール部材。
 内方部材と、
 外方部材と、
 前記内方部材と前記外方部材との間に転動自在に配設される複数の転動体と、
 を備えることにより、前記内方部材に対する前記外方部材の相対的な回転運動もしくは直線運動を可能とした転動装置であって、
 前記内方部材と前記外方部材との間で生じる隙間を塞ぐためのシール部材を備え、
 該シール部材は、
 前記内方部材を押圧する内方リップ部と、
 前記外方部材を押圧する外方リップ部と、
 を備え、さらに、
 前記内方リップ部の剛性よりも前記外方リップ部の剛性の方が低くなるように構成されていることを特徴とする転動装置。
 請求項10に記載の転動装置において、
 前記シール部材は、前記内方部材を取り囲む略円形形状にて構成されていることを特徴とする転動装置。
 請求項10に記載の転動装置において、
 前記シール部材は、前記内方部材に対する前記外方部材の相対的な運動の方向に延びる略プレート形状にて構成されていることを特徴とする転動装置。
Description:
転動装置用シール部材、転動装

 本発明は、転がり軸受や直動案内装置、 ールねじ装置、ボールスプライン装置等の 動装置と、これら転動装置に用いることの きる転動装置用シール部材の改良技術に関 るものである。

 従来から、ボール又はローラ等の転動体 内方部材と外方部材との間に複数配設され これら複数の転動体が、内方部材と外方部 との間に形成された負荷部分と、外方部材 形成された無負荷部分とを無限に循環する とによって、内方部材に対する外方部材の 対的な回転運動もしくは直線運動を可能と た転動装置が知られている。このような転 装置にあっては、その構造上、内方部材と 方部材との間に隙間が存在しており、内方 材と外方部材とが摺動動作を行うことによ て外部から異物が侵入する虞がある。また 内方部材にはその内部に潤滑剤を導入する とがあるが、内方部材と外方部材とが摺動 作を行う際にこの潤滑剤が外部に漏れ出さ いようにする必要がある。そこで、従来の 動装置では、内部の潤滑剤の漏れや外部か の異物の侵入を防ぐために、シール部材を 置することが行われてきた。

 ここで、シール部材を備えた従来の転動 置について、ボールスプライン装置を例に って説明する。なお、図9は、ボールスプラ イン装置の全体構成を説明するための部分破 断斜視図である。また、図10は、図9で示した ボールスプライン装置に用いられる従来のシ ール部材を示す図であり、特に、図10中(a)は 来のシール部材の正面視であり、図10中(b) (a)におけるB-B断面を示している。

 図9に示されるボールスプライン装置70は 内方部材としてのスプライン軸71と、その プライン軸71に複数の転動体としてのボール 72…を介して移動自在に取り付けられた外方 材としての円筒状の外筒73とを有している

 スプライン軸71の表面には、ボール72の軌 道となり、スプライン軸71の軸線方向に延び 転動体転走溝71a…が形成されている。スプ イン軸71に取り付けられる外筒73には、転動 体転走溝71aに対応する負荷転動体転走溝が形 成されている。これらの負荷転動体転走溝に は、転動体転走溝71a…が伸びる方向に伸びる 複数条の突起が形成されている。

 外筒73に形成した負荷転動体転走溝とス ライン軸71に形成した転動体転走溝71aとの間 で負荷転走路が形成される。負荷転走路の隣 には、荷重から解放されたボール72…が移動 る無負荷戻し通路が形成されている。外筒7 3には、複数のボール72…をサーキット状に整 列・保持する保持器74が組み込まれている。

 そして、複数のボール72…が、外筒73の負 荷転動体転走溝とスプライン軸71の転動体転 溝71aとの間に転動自在に設置され、無負荷 し通路を通って無限循環するように設置さ ることによって、外筒73がスプライン軸71に 対して相対的に往復運動可能となっている。

 さらに、このようなスプライン装置70に 、スプライン軸71と外筒73との間の隙間を塞 ために、従来技術に係るシール部材75が設 されている。この従来のシール部材75は、外 筒73の内周側に形成された円環状の溝に止め 76とともに嵌め込まれることによって固定 れる部材であり、このシール部材75の設置に よって、外筒73内部からの潤滑剤の漏れや外 からの異物の侵入を防止できるようになっ いる。

 なお、この種のシール部材75を開示する のとしては、下記特許文献1等が知られてお 、いずれも外方部材に形成された溝に対し 止め輪とともに嵌め込み設置される形式の のである。

特開平4-300423号公報

 ところで、近年の産業界等にあっては、 らゆる環境下で転動装置を使用したいとの 請が高まっている。しかしながら、従来技 に係るシール部材75は、図10においてより詳 細に示されるように、内方部材であるスプラ イン軸71との接触面のみにシールのためのリ プ部75aを備えるものであり、外筒73と接触 る側のシール性を考慮したものとはなって なかった。特に、従来のシール部材75は、外 筒73の内周側に形成された円環状の溝に止め 76とともに嵌め込まれるため、取り付けの 易性を考慮して溝への嵌め込み時に遊びが きるようになっている。

 このような構造のシール部材75を、仮に 芥等の固体系異物やクーラント等の液体系 物が多い悪環境下で用いた場合には、塵芥 クーラント等が外筒73内部に侵入してしまい 、適切な往復運動ができなくなってしまう虞 がある。したがって、従来の転動装置は、使 用環境等の条件に制約があり、産業界等から の転動装置の適用要請に十分応えられていな かった。

 本発明は、上述した課題の存在に鑑みて されたものであって、その目的は、内方部 と外方部材との間に生じる隙間を確実にシ ルすることによって、塵芥やクーラント等 多い悪環境下であっても適切に使用するこ ができる転動装置と、このような転動装置 用いることのできる転動装置用シール部材 提供することにある。

 本発明に係る転動装置用シール部材は、 方部材と、外方部材と、前記内方部材と前 外方部材との間に転動自在に配設される複 の転動体と、を備えることにより、前記内 部材に対する前記外方部材の相対的な回転 動もしくは直線運動を可能とした転動装置 用いられる転動装置用シール部材であって 前記内方部材を押圧する内方リップ部と、 記外方部材を押圧する外方リップ部と、を えることを特徴とする。

 本発明に係る転動装置用シール部材は、 記内方リップ部の剛性よりも前記外方リッ 部の剛性の方が低くなるように構成するこ ができる。

 また、本発明に係る転動装置用シール部 において、前記外方リップ部は、断面が略V 字形に構成されており、且つ、前記外方部材 に接する略V字形の端部が外方部材から見て 向きとなるように構成することができる。

 また、本発明に係る転動装置用シール部 において、前記外方リップ部は、断面が略W 字形に構成されており、且つ、前記外方部材 に接する略W字形の端部が外方部材から見て 向きとなるように構成することができる。

 また、本発明に係る転動装置用シール部 において、前記外方リップ部は、断面が略 円形となるように構成することができる。

 以上のような本発明に係る転動装置用シ ル部材では、前記外方リップ部を複数設け ようにすることができる。

 また、本発明に係る転動装置用シール部 は、前記内方リップ部を構成する材質の弾 率よりも前記外方リップ部を構成する材質 弾性率の方が小さくなるように構成するこ ができる。

 さらに、本発明に係る転動装置用シール 材は、前記内方部材を取り囲む略円形形状 て構成することができる。

 またさらに、本発明に係る転動装置用シ ル部材は、前記内方部材に対する前記外方 材の相対的な運動の方向に延びる略プレー 形状にて構成することができる。

 本発明に係る転動装置は、内方部材と、 方部材と、前記内方部材と前記外方部材と 間に転動自在に配設される複数の転動体と を備えることにより、前記内方部材に対す 前記外方部材の相対的な回転運動もしくは 線運動を可能とした転動装置であって、前 内方部材と前記外方部材との間で生じる隙 を塞ぐためのシール部材を備え、該シール 材は、前記内方部材を押圧する内方リップ と、前記外方部材を押圧する外方リップ部 、を備え、さらに、前記内方リップ部の剛 よりも前記外方リップ部の剛性の方が低く るように構成されていることを特徴とする

 また、本発明に係る転動装置において、 記シール部材は、前記内方部材を取り囲む 円形形状にて構成することができる。

 さらに、本発明に係る転動装置において 前記シール部材は、前記内方部材に対する 記外方部材の相対的な運動の方向に延びる プレート形状にて構成することができる。

 なお上記発明の概要は、本発明の必要な 徴の全てを列挙したものではなく、これら 特徴群のサブコンビネーションもまた発明 なり得る。

 本発明によれば、内方部材と外方部材と 間に生じる隙間を確実にシールすることが きるので、塵芥やクーラント等の多い悪環 下であっても適切に使用することができる 動装置と、このような転動装置に用いるこ のできる転動装置用シール部材を提供する とが可能である。

図1は、第1の実施形態に係る転動装置 シール部材を示す図であり、特に、図1中(a) 第1の実施形態に係る転動装置用シール部材 の正面視であり、図1中(b)は(a)におけるA-A断 を示している。 図2は、第1の実施形態に係る転動装置 シール部材の作用を説明するための要部拡 縦断面図である。 図3は、第2の実施形態に係る転動装置 シール部材を示す図であり、特に、図3中(a) 第2の実施形態に係る転動装置用シール部材 の正面視であり、図3中(b)は第2の実施形態に る転動装置用シール部材の上面視であり、 3中(c)は第2の実施形態に係る転動装置用シ ル部材の側面視である。 図4は、第2の実施形態に係る転動装置 シール部材をリニアガイドに適用した場合 構成を説明するための縦断面図である。 図5は、本発明に係る外方リップ部の多 様な変形例の内の一形態を例示する図である 。 図6は、本発明に係る外方リップ部の多 様な変形例の内の別の一形態を例示する図で ある。 図7は、本発明に係る外方リップ部の多 様な変形例の内の他の一形態を例示する図で ある。 図8は、本発明に係る転動装置用シール 部材の多様な変形例の内の一形態を例示する 図である。 図9は、ボールスプライン装置の全体構 成を説明するための部分破断斜視図である。 図10は、図9で示したボールスプライン 装置に用いられる従来のシール部材を示す図 であり、特に、図10中(a)は従来のシール部材 正面視であり、図10中(b)は(a)におけるB-B断 を示している。

 以下、本発明を実施するための好適な実 形態について、図面を用いて説明する。な 、以下の各実施形態は、各請求項に係る発 を限定するものではなく、また、各実施形 の中で説明されている特徴の組み合わせの てが発明の解決手段に必須であるとは限ら い。

[第1の実施形態]
 図1は、第1の実施形態に係る転動装置用シ ル部材10を示す図であり、特に、図1中(a)は 1の実施形態に係る転動装置用シール部材10 正面視であり、図1中(b)は(a)におけるA-A断面 示している。また、図2は、第1の実施形態 係る転動装置用シール部材10の作用を説明す るための要部拡大縦断面図である。なお、図 1で示す第1の実施形態に係る転動装置用シー 部材10は、図9で説明したボールスプライン 置70に適用可能な転動装置用シール部材を 示するものであり、背景技術の欄で説明し 部材と同一又は類似する部材については、 一符号を付して説明を省略する場合がある

 第1の実施形態に係る転動装置用シール部 材10で特徴的なのは、内方部材であるスプラ ン軸71を押圧するために転動装置用シール 材10の内周側に設けられる内方リップ部11に え、外方部材である外筒73を押圧するため 外方リップ部15を備えているところにある。

 より具体的に第1の実施形態に係る転動装 置用シール部材10を説明すると、転動装置用 ール部材10は、環状に形成された金属材料 らなる台金具12に対して、ゴム材料あるいは 合成樹脂材料等の可塑材料が加硫成形又は射 出成形等の成形手法を用いることによって一 体的に結合されることにより構成されている 。

 スプライン軸71を押圧する内方リップ部11 は、外筒73から見て外側の方向にダストリッ 部11aを備えており、このダストリップ部11a よって外部から侵入しようとする塵芥やク ラント等を確実に侵入防止する機能を発揮 きるようになっている。また、内方リップ 11は、外筒73から見て内側の方向にオイルリ ップ部11bを備えている。このオイルリップ部 11bは、外筒73内部に導入されている潤滑剤が 部に漏れ出すのを防ぐ機能を発揮するもの ある。

 外筒73を押圧する外方リップ部15は、図1 び図2において示されるように、断面が略V字 形に構成されており、且つ、外筒73に接する V字形の端部が外方部材から見て外向きとな るように構成されている。このような構成を 備えることによって、外方リップ部15は、外 から外筒73内に侵入しようとする塵芥やク ラント等の異物を確実に侵入防止できるよ になっている。

 そして、第1の実施形態に係る転動装置用 シール部材10のさらなる特徴として、内方リ プ部11の剛性よりも外方リップ部15の剛性の 方が低くなるように構成されていることを挙 げることができる。このように、内方リップ 部11の剛性を高くし、外方リップ部15の剛性 低くすることによって、高い剛性を持つ内 リップ部11の側で転動装置用シール部材10の 出しが行われる。一方、転動装置用シール 材10では、スプライン軸71に対する外筒73の 対移動が行われる関係で、内方リップ部11 対してより大きな負荷が加わることになる で、上述のように、内方リップ部11の側で芯 出しが行われることにより、負荷の大きい内 方リップ部11の押圧力を高めることができ、 プライン軸71と外筒73との間での確実なシー ル作用が発揮されることになる。

 第1の実施形態に係る転動装置用シール部 材10は、上述のような有意な特徴を有して構 されているので、特に、スプライン軸71と 筒73との間で多く見られる外部からの塵や埃 、ゴミ等の固体系異物に対しては、内方リッ プ部11のダストリップ部11aが機能することに って塵芥等の確実な排除が行われ、また、 筒73内部に充填されたグリースや油等の潤 剤の漏れに対しては、内方リップ部11のオイ ルリップ部11bが機能することによって潤滑剤 の確実な保持が実施されることになる。さら に、外筒73内に侵入しようとするものとして く見られるクーラント等の液体系異物に対 ては、外方リップ部15が機能することによ てクーラント等の確実な排除が行われる。 ちろん、内方リップ部11のダストリップ部11a と外方リップ部15とは、固体・液体という異 の状態を問わずシール性を発揮することが き、あらゆる形態の外部異物の侵入を防止 ることができる。

 なお、外方リップ部15の剛性を内方リッ 部11の剛性に対して低くしたとしても、外方 リップ部15の機能は適切に発揮され、外筒73 対するシール性やパッキン性を損なうこと ない。

 ちなみに、第1の実施形態に係る転動装置 用シール部材10は、周面に形成されるボルト 16を利用して外筒73に固定されるので、従来 技術のようなシール部材を嵌め込むための溝 を外筒73に設ける必要はない。また、ボルト 16を用いたボルトによる螺合固定は、従来 術のような嵌め込み固定よりも非常に強固 固定力を備える締結固定手段である。さら 、外筒73と転動装置用シール部材10との接触 は、断面が略V字形に形成されることによっ てシール性やパッキン性を備えた外方リップ 部15が、確実にシールしている。したがって 第1の実施形態に係る転動装置用シール部材 10は、従来技術に比べて非常に安定したシー 性を発揮できるようになっている。

 以上、ボールスプライン装置70に好適に いることの可能な、第1の実施形態に係る転 装置用シール部材10を説明した。この第1の 施形態に係る転動装置用シール部材10は、 プライン軸71として構成される内方部材を取 り囲んで設置されるため、略円形形状にて構 成されていることを特徴とする部材であった 。しかしながら、本発明に係る転動装置用シ ール部材は、第1の実施形態で示した略円形 状のものに限られない。そこで、次に、リ アガイドとして構成される転動装置に対し 好適に用いることの可能な、本発明の転動 置用シール部材について説明を行う。

[第2の実施形態]
 図3は、第2の実施形態に係る転動装置用シ ル部材20を示す図であり、特に、図3中(a)は 2の実施形態に係る転動装置用シール部材20 正面視であり、図3中(b)は第2の実施形態に係 る転動装置用シール部材20の上面視であり、 3中(c)は第2の実施形態に係る転動装置用シ ル部材20の側面視である。また、図4は、第2 実施形態に係る転動装置用シール部材20を ニアガイド30に適用した場合の構成を説明す るための縦断面図であり、説明の簡略化のた めに、リニアガイド30の縦断面のうちの中心 ら紙面左側の半分のみを示している。

 第2の実施形態に係る転動装置用シール部 材20は、略円形形状にて構成された第1の実施 形態に係る転動装置用シール部材10と異なり 略プレート形状にて構成されていることを 徴とする部材である。第2の実施形態に係る 転動装置用シール部材20がこのような略プレ ト形状にて構成されるのは、リニアガイド3 0のサイドシールとしての機能を発揮するた である。すなわち、第2の実施形態に係る転 装置用シール部材20は、図4にて示すように 軌道レール31として構成される内方部材と 移動ブロック32として構成される外方部材と の間に設置されており、内方部材(軌道レー 31)に対する外方部材(移動ブロック32)の相対 な直線運動の方向に延びる略プレート形状 て構成されているので、内方部材である軌 レール31と外方部材である移動ブロック32と の間の、特にサイド面に侵入しようとする塵 芥やクーラント等の異物を確実に侵入防止で きるようになっている。

 次に、第2の実施形態に係る転動装置用シ ール部材20の具体的な構成を説明する。図3及 び図4において示すように、第2の実施形態に る転動装置用シール部材20は、内方部材で る軌道レール31を押圧するために転動装置用 シール部材20の内方側に設けられる内方リッ 部21に加え、外方部材である移動ブロック32 を押圧するための外方リップ部25を備えてい 。

 軌道レール31を押圧する内方リップ部21は 、軌道レール31の下面側の方向にダストリッ 部21aを備えており、このダストリップ部21a よって外部から侵入しようとする塵芥やク ラント等を確実に侵入防止する機能を発揮 きるようになっている。また、内方リップ 21は、軌道レール31から見て上面側の方向に オイルリップ部21bを備えている。このオイル リップ部21bは、移動ブロック32内部に導入さ ている潤滑剤が外部に漏れ出すのを防ぐ機 を発揮するものである。

 一方、移動ブロック32を押圧する外方リ プ部25は、断面が略V字形に構成されており 且つ、移動ブロック32に接する略V字形の端 が移動ブロック32から見て外向き、すなわち 下面側を向くように構成されている。このよ うな構成を備えることによって、外方リップ 部25は、外部から移動ブロック32内に侵入し うとする塵芥やクーラント等の異物を確実 侵入防止できるようになっている。

 なお、第2の実施形態に係る転動装置用シ ール部材20の製法については、上述した第1の 実施形態に係る転動装置用シール部材10と概 同じであり、プレート状に形成された金属 料からなる台金具22に対して、ゴム材料あ いは合成樹脂材料等の可塑材料が加硫成形 は射出成形等の成形手法を用いることによ て一体的に結合されることにより構成され いる。

 また、第2の実施形態に係る転動装置用シ ール部材20は、上述した第1の実施形態に係る 転動装置用シール部材10と同様に、内方リッ 部21の剛性よりも外方リップ部25の剛性の方 が低くなるように構成されている。かかる構 成を採用することによって、第1の実施形態 同様に、負荷の大きい内方リップ部21の押圧 力を高めることによるシール性の向上と、外 方リップ部25によるパッキン性の向上を図る とができ、軌道レール31と移動ブロック32と の間での確実なシール作用及びパッキン作用 が発揮されることになる。

 ちなみに、第2の実施形態に係る転動装置 用シール部材20は、図3中の(b)で示されるよう に両端に切欠部29が形成されている。この切 部29は、移動ブロック32の両端部に設置され る図示しないエンドプレートとの取り付けを 考慮したものであり、切欠部29の内部に不図 のエンドプレートが嵌り込むことによって 確実なシール性を発揮することが可能とな 。また、エンドプレートに設置される公知 エンドシール(不図示)と第2の実施形態に係 転動装置用シール部材20との間に隙間が生 ないように構成することにより、リニアガ ド30のシール性がさらに向上することとなる 。

 なお、第2の実施形態に係る転動装置用シ ール部材20の取付方法については、あらゆる 法を採用することが可能である。例えば、 動ブロック32に直線状の溝を形成しておき この溝に転動装置用シール部材20を嵌め込む ことによって取り付けても良いし、移動ブロ ック32に対して転動装置用シール部材20をボ ト固定することによって取り付けても良い どのような取付方法であっても、第2の実施 態に係る転動装置用シール部材20は、好適 シール作用及びパッキン作用を発揮するこ が可能である。

 以上、本発明に係る転動装置用シール部 の好適な実施形態を説明した。しかしなが 、本発明の技術的範囲は上記各実施形態に 載の範囲には限定されず、多様な変更又は 良を加えることが可能である。

 すなわち、外方リップ部15,25の形状につ ては、図1乃至図4において示したような断面 が略V字形に形成されたものには限られない 例えば、図5において示すように、断面が略W 字形に構成され、且つ、外方部材に接する略 W字形の端部が外方部材から見て外向きとな ような外方リップ部15aを構成することがで る。このような断面が略W字形の外方リップ 15aは、断面が略V字形のものに比べて可撓代 が大きいので、内方部材と外方部材との隙間 がラフな場合に有効に用いることができる。

 また、外方リップ部は、図6において示す ように、断面が略半円形となるように形成す ることができる。断面が略半円形をした外方 リップ部15bを採用した場合には、上述した外 方リップ部15,15a,25に比べて形状が複雑ではな いので、製造コストを抑えて安価に作成する ことが可能となる。

 さらに、上述した外方リップ部15,15a,15b,25 については、それぞれの形状を複数持つもの とすることができる。例えば、図7において すように、断面が略V字形の外方リップ部15 2個設置することにより、転動装置用シール 材のシール性をより向上させることができ 。

 また、本発明に係る転動装置用シール部 が有する、内方リップ部の剛性よりも外方 ップ部の剛性の方が低くなるようにすると う構成は、外方リップ部の形状変更のみで なく、内方リップ部と外方リップ部とを異 る材質で構成することによっても実現可能 ある。すなわち、図8において示すように、 内方リップ部11,21を構成する材質の弾性率よ も、外方リップ部15,25を構成する材質の弾 率の方が小さくなるように、転動装置用シ ル部材を構成することができる。例えば、 方リップ部11,21の材質をヤング率が大きい硬 質材18とし、外方リップ部15,25の材質をヤン 率の低い軟質材17とすることによって、外方 リップ部15,25の剛性を内方リップ部11,21の剛 よりも低くすることができる。このような 成材料を変更することによっても、本発明 係る転動装置用シール部材の安定したシー 性を発揮させることができる。

 なお、上述した各実施形態では、本発明 係る転動装置用シール部材をボールスプラ ン装置70、あるいはリニアガイド30に適用し た場合を例示して説明を行った。しかしなが ら、本発明に係る転動装置用シール部材を適 用可能な本発明の転動装置は、ボールスプラ イン装置70及びリニアガイド30に限られるも ではなく、例えば、工作機械などに用いら る転がり軸受全般や真空中で使用される無 滑軸受、直動案内装置、ボールねじ装置、 ールブッシュ等のような、あらゆる転動・ 動動作を伴う装置を含んでいる。そして、 発明に係る転動装置用シール部材の形状に いては、上述した略円形形状や略プレート 状だけではなく、本発明の特徴を変更しな 範囲で転動装置の形状に応じて任意に変更 ることが可能である。

 以上の様な変更又は改良を加えた形態も 発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請 の範囲の記載から明らかである。