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Patent Searching and Data


Title:
SEMICONDUCTOR STRAIN SENSOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028283
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a semiconductor strain sensor having a strain sensor chip composed of a semiconductor substrate having a piezoresistive element as a strain detecting section. The semiconductor strain sensor has stable characteristics for a long period of time and a stable conversion coefficient of a strain generated in the strain sensor chip corresponding to a strain of a subject to be measured, within a strain range of a size to be measured. The strain sensor chip is bonded to a metal base board with a metal bonding material. The metal base board has two or four extending members, which protrude from a side of the strain sensor chip for attaching the strain sensor chip to the subject to be measured. Preferably, a groove is arranged between a metal base board lower surface region, which corresponds to the bonding region where the strain sensor chip is bonded to the metal base board, and the lower surfaces of the extending members, and a protruding section sandwiched by the grooves is arranged on the lower surface of the metal base board.

Inventors:
KAZAMA ATSUSHI (JP)
OKADA RYOJI (JP)
KAWAI TETSUROU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063354
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
July 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI METALS LTD (JP)
KAZAMA ATSUSHI (JP)
OKADA RYOJI (JP)
KAWAI TETSUROU (JP)
International Classes:
G01L1/18; G01B7/16
Domestic Patent References:
WO2003102601A12003-12-11
Foreign References:
JPS59137503U1984-09-13
JPS54129889A1979-10-08
JP2007059736A2007-03-08
JPH0781171A1995-03-28
JPH08139267A1996-05-31
JPH0735628A1995-02-07
JPS59132173A1984-07-30
JP2001264188A2001-09-26
JP2001272287A2001-10-05
Other References:
See also references of EP 2184576A4
Attorney, Agent or Firm:
MORITA, Hiroshi (Sankyo Central Plaza Building 5F 11-8, Nishi-Nippori 5-chome, Arakawa-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
半導体基板からなりその上面に形成されたピエゾ抵抗素子を持つ歪みセンサーチップと、
歪みセンサーチップの下面が金属接合材で接合されている接合領域が設けられている金属ベース板であって、接合領域の側辺から突出して測定対象物の表面に接続されるための接続領域を接合領域に対向した金属ベース板の下面に持つ少なくとも2個の張り出しメンバーを有しているものと、
歪みセンサーチップが持つピエゾ抵抗素子の電極に接続されて外部に引き出されている配線メンバーを有する半導体歪みセンサー。
金属ベース板が、金属ベース板の下面において接合領域の側辺に対応した線に沿って形成され、その側辺の長さのあるいはそれよりも長い溝を有し、その溝が金属ベース板の下面において接合領域に対応した領域と張り出しメンバーの接続領域を分離している請求項1記載の半導体歪みセンサー。
前記溝が歪みセンサーチップの歪み検出方向と垂直に延びている請求項2記載の半導体歪みセンサー。
前記溝の側壁のうち、接合領域により近い側壁が金属ベース板の下面において接合領域の側辺に対応した前記線に沿って設けられている請求項2記載の半導体歪みセンサー。
金属ベース板が、その厚さ中央の平面に関して、金属ベース板の下面にある前記溝と対称に形成された溝を金属ベース板の上面に持ち、
前記接合領域が、上面に形成された溝の間で、その上面からその溝の深さだけ低くなっている請求項2記載の半導体歪みセンサー。
前記配線メンバーが、
金属ベース板上に一端が樹脂接着されたフレキシブル配線板と、
フレキシブル配線板の配線と歪みセンサーチップが持つピエゾ抵抗素子の電極の間を電気的に接続している金属ワイヤと、
ピエゾ抵抗素子の電極と金属ワイヤを覆っている樹脂から構成されている請求項1記載の半導体歪みセンサー。
前記配線メンバーが、
歪みセンサーチップが持つピエゾ抵抗素子の電極に設けられた金属バンプと、
金属バンプに電気的に接続した配線を持つフレキシブル配線板と、
歪みセンサーチップとフレキシブル配線板の間に充填された樹脂から構成されている請求項1記載の半導体歪みセンサー。
前記配線メンバーが、
金属ベース板上に絶縁膜を介して形成されたベース板電極と、
ベース板電極と歪みセンサーチップが持つピエゾ抵抗素子の電極の間を電気的に接続した金属ワイヤと、
ピエゾ抵抗素子の電極と金属ワイヤとベース板電極を覆っている樹脂から構成されている請求項1記載の半導体歪みセンサー。
Description:
半導体歪みセンサー

 本発明は、構造物の歪みと応力の測定に いることのできる歪みセンサーで、特に半 体歪みゲージを用いた半導体歪みセンサー 関する。

 構造物の歪みや応力の計測に用いられて る歪みゲージは、Cu-Ni系合金あるいはNi-Cr系 合金の金属薄膜で形成した配線パターンを可 撓性のあるポリイミドあるいはエポキシ樹脂 フィルムで覆った構造をしている。その歪み ゲージを被測定物に接着剤で接着して使用さ れる。金属薄膜の配線パターンが歪みを受け て変形すると抵抗変化を生じ、歪み量を測定 することができる。

 金属薄膜に代えて、シリコンなどの半導 に不純物をドープして形成した半導体ピエ 抵抗素子を歪み検知部として利用する半導 歪みゲージがある。半導体歪みゲージは、 みによる抵抗変化率が金属薄膜を用いた歪 ゲージの数10倍と大きく、微小な歪みを測 することが可能である。また、金属薄膜の みゲージでは、抵抗変化が小さいため得ら る電気信号を増幅する必要があり、そのた にアンプが必要となる。半導体歪みゲージ 抵抗変化が大きいため、アンプを用いずに られた電気信号をそのまま使用することが きる。あるいは、半導体歪みゲージのチッ 内にアンプ回路を作りこむことが可能なた 、歪みセンサーの用途および使用上の利便 が大きく広がるものと期待される。本明細 では、歪みセンサーと歪みゲージを同義に 用している。

 半導体製造技術を用いてシリコンウエハ 上に不純物ドープを行い、そして配線を形 した後、チップ化して半導体歪みゲージが られる。このチップ(以下「歪みセンサーチ ップ」と呼ぶ。)に、測定対象物の歪みが正 く伝わることが重要であり、歪みセンサー ップのモジュール化と測定対象物への取付 がポイントとなる。

 特許文献1には、半導体歪みゲージを実用 的なモジュールにした構造が開示されている 。その半導体歪みゲージを斜視図で図16Aに示 す。シリコンウエハー表面に半導体歪みゲー ジを形成した後、シリコンウエハーを数μmの 厚さまでエッチングした後、チップ化し歪み センサーチップ52を得る。配線53を形成しポ イミドフィルム54で挟んで半導体歪みゲージ 51を得ている。歪みセンサーチップ52と配線53 をモジュール化しているので、従来の歪みゲ ージと同様に半導体歪みゲージを扱うことが できる。

 特許文献2には、歪みセンサーチップ52をガ ス製の台座57に低融点ガラス58を用いて接合 した歪み検出センサー56が開示されている。 の歪み検出センサー56を側面図で図16Bに示 。ガラス製の台座57を測定対象物にボルト止 めなどで固定する。歪みセンサーチップ52と ラス製台座57間およびガラス製台座57と測定 対象物間に樹脂接着剤が入れられていないの で、接着樹脂と歪み検出センサー間の熱膨張 係数の違いによって発生する温度ドリフトを 避けることができる。

特開2001-264188号公報

特開2001-272287号公報

 従来の金属薄膜を用いた歪みゲージと同 、特許文献1の半導体歪みゲージを樹脂接着 剤で測定対象物に貼り付けて使用することが できる。樹脂接着剤を用いるため、樹脂接着 剤が変質あるいは劣化によって、歪み検出感 度およびゼロ点が変動する問題があった。こ のことは、長期間使用する時には特性の安定 性の観点から問題となる。高感度な半導体歪 みゲージを用いているので、特性変動の影響 はより顕著に現れる。

 特許文献2の歪み検出センサーでは樹脂接 着剤が用いられていないため、特許文献1の 導体歪みゲージに比べれば長期安定性が良 と考えられる。しかし、測定対象物に発生 た歪みの歪みセンサーチップへの伝わり方 課題がある。組立時の取り扱いを考えると 許文献2の歪みセンサーチップはある程度の さが必要で、その厚さのため歪みセンサー ップ自体が無視できない程度の剛性を有し いる。そのため、歪みセンサーチップ52の 合されている台座57が全体として一様な剛性 とならない。図17Aに示すように、測定対象物 6にボルト24で取付けた歪み検出センサー56に いて、例えば測定対象物6に矢印で示す方向 に引張の歪みが加えられた場合、ボルト間の 変位に伴ってボルト24から台座57に力が伝え れる。それにより台座全体に発生する歪み 、歪みセンサーチップ52が有する剛性の影響 で一様にはならず、歪み検出部59のある歪み ンサーチップ表面に発生する歪みは、測定 象物6の歪みとは異なったものとなる。

 測定対象物6の歪みに対する歪みセンサー チップ52の歪みが、図17Bに示すように、必要 測定レンジ範囲内で比例の関係を有してい ば、歪みの変換係数を示すグラフの傾きを いて、歪みセンサーチップの検出値から測 対象物の歪みを求めることができる。実際 は、歪みセンサー出力はピエゾ抵抗変化に る電圧の出力変化で得られ、それに歪みの 換係数を掛けることで測定対象物6の歪みが 求められる。

 特許文献2では、図18に示すように、単純 板状の台座57に歪みセンサーチップ52が低融 点ガラス58で接合されており、歪みセンサー ップ52が接合された領域では、歪みセンサ チップが接合された面側に剛性が偏ってい 。そのため、例えば測定対象物6に生じた矢 で示す方向の変位に追従して台座57が引っ られたとき、台座57に曲げ変形が発生する。 曲げ変形が発生すると歪みセンサーチップ52 厚み方向に歪みの勾配が発生し、歪みセン ーチップ表面の歪み検出部59の歪みは、測 対象物6の歪みと著しく異なる。極端な場合 は、台座57が引っ張られると歪み検出部59に 圧縮歪みが発生する。これは、測定対象物6 平面歪みを、歪みセンサーチップ52の曲げに 変換して検出していることになり、歪みの変 換係数が小さいと感度が低下する。歪みセン サーチップ52に曲げ変形が発生すると、台座5 7と測定対象物6との接触状態の変化が関与し 非線形の挙動を示し、測定レンジ内で歪み 変換係数を一定に保ち難くなるとともに、 みセンサーと間の変換係数の変動が大きく る。歪みセンサーチップ52の厚みに対し台 57の厚みを十分に厚くすると、この様な問題 は低減するが、台座を含むセンサモジュール 全体の剛性が高くなり、測定対象物の変形そ のものへの影響が大きくなる。

 本発明の目的は、高感度な半導体歪みゲ ジを用いた歪みセンサーで、特性が長期間 定し、かつ歪みセンサーチップの曲げ変形 防止して、測定対象物の歪みに応じて歪み ンサーチップに生じる歪みの変換係数が、 み測定範囲において安定な半導体歪みセン ーを提供することである。

 本発明の半導体歪みセンサーは、半導体基 からなりその上面に形成されたピエゾ抵抗 子を持つ歪みセンサーチップと、
歪みセンサーチップの下面が金属接合材で接 合されている接合領域が設けられている金属 ベース板であって、接合領域の側辺から突出 して測定対象物の表面に接続されるための接 続領域を接合領域に対向した金属ベース板の 下面に持つ少なくとも2個の張り出しメンバ を有しているものと、
歪みセンサーチップが持つピエゾ抵抗素子の 電極に接続されて外部に引き出されている配 線メンバーを有する。

 歪みセンサーチップは金属ベース板に金 材料で接合されている。歪みセンサーチッ で発生した熱はセンサーチップ裏面から金 ベース板に伝導し放熱される。金属ベース は平板で、歪みセンサーチップよりも面積 大きく、熱の放散が効率良く行われる。熱 散が良いので、歪みセンサーチップの温度 昇を防ぐことができ、金属ベース板と歪み ンサーチップの温度を均一に保ち易い。半 体歪みセンサーの温度を一様にできるので 温度変化によるピエゾ抵抗係数の変動、お び歪みセンサーチップと金属ベース板との 度不均一による熱変形によってピエゾ抵抗 子に加わる応力の変動によって生じる特性 化を避けることができる。また、歪みセン ーチップと金属ベース板間を金属接合して るので、接合部にクリープ、変質あるいは 化を起こし難く特性の長期安定性に優れて る。

 歪みセンサーチップが測定対象物に取り けられるベース板が導電性材料で構成され いるために、電気ノイズに強い。歪みセン ーチップと測定対象物の間に絶縁性の材料 介在していると、測定対象物に電流が流れ 電位が変動した時に、歪みセンサーチップ 各部位と測定対象物の間に寄生容量を生じ 。寄生容量が発生すると電位も変動し、ノ ズが発生し易くなる。本発明の半導体歪み ンサーでは、歪みセンサーチップのグラン を歪みセンサーチップ裏面から測定対象物 電気的に接続しているので、歪みセンサー ップのグランドが測定対象物の電位と一致 て、ノイズが発生し難い。

 金属ベース板として、ニッケル、鉄、銅 の金属あるいはステンレススチールなど合 を使用できる。鉄-ニッケル系合金あるいは 鉄-ニッケル-コバルト系合金のように熱膨張 数がシリコンに近い材料を用いると、温度 化による特性変化を小さくすることができ 。歪みセンサーチップ下面を金属ベース板 面に金属接合材で接合しているので、接合 に金属ベース板が溶けて変形することのな ように金属接合材の融点よりも充分高い融 を有していることが必要である。

 より大きな面積をした金属ベース板に歪 センサーチップが金属接合されているので 歪みセンサーチップの側辺から金属ベース が突出して張り出しメンバーとなっている 2個あるいは4個の張り出しメンバーが歪み ンサーチップを挟んでいる。金属ベース板 下面に張り出しメンバーが接続領域を持っ 、接続領域を介して半導体歪みセンサーが 定対象物に固定されている。金属ベース板 2個あるいは4個の張り出しメンバーを有し、 各張り出しメンバーが1個の接続領域を持つ 金属ベース板が2個の張り出しメンバーを持 ときには、歪みセンサーチップを金属ベー 板に接合している接合領域に対応する金属 ース板の下面の領域を挟んで2個の接続領域 がある。そして1個の接続領域と、接合領域 対応する金属ベース板下面の領域と、他の 続領域が直線上にある。金属ベース板が4個 張り出しメンバーを持つときには、歪みセ サーチップを金属ベース板に接合している 合領域の4側辺それぞれから張り出しメンバ ーが突出している。接合領域に対応する金属 ベース板の下面にある領域の4側辺それぞれ 外側に接続領域がある。4個の接続領域のう 各2個と接合領域とが直線上にある。

 4個の接続領域のうち、接合領域を挟んで 直線上にある2個の接続領域をそれぞれ第一 第二接続領域とし、その直線に垂直な直線 で接合領域を挟んで設けられている2個の接 領域をそれぞれ第三と第四接続領域とする 測定対象物に発生した第一接続領域から第 接続領域をつなぐ方向(X方向と称す)の歪み 第一および第二接続領域を通って金属ベー 板および歪みセンサーチップに伝達し、半 体ピエゾ抵抗素子の電気抵抗変化によって みを検出することができる。第三接続領域 ら第四接続領域をつなぐ方向(Y方向と称す) 歪みが第三および第四接続領域を通って金 ベース板および歪みセンサーチップに伝達 、半導体ピエゾ抵抗素子の電気抵抗変化か 歪みを検出することができる。2つの接続領 域を有する半導体歪みセンサーではX方向あ いはY方向のみの歪みを測定するが、4つの接 続領域を有する半導体歪みセンサーではX方 とY方向の歪みを測定することができる。4つ の接続領域を有する半導体歪みセンサーを用 い、X方向およびY方向に関して45度の方向の みを検出することで、トルク検出センサー して用いることができる。

 本発明の前記半導体歪みセンサーにおい 、金属ベース板が、金属ベース板の下面に いて接合領域の側辺に対応した線に沿って 成され、その側辺の長さのあるいはそれよ も長い溝を有し、その溝が金属ベース板の 面において接合領域に対応した領域と張り しメンバーの接続領域を分離していること 好ましい。

 金属ベース板の下面において接合領域に 応した領域と2つの張り出しメンバーの接続 領域の間に溝が設けられているので、金属ベ ース板の下面にある接合領域に対応した領域 が下方に突出し、突出した領域と歪みセンサ ーチップとがほぼ対称の構造になっている。 これらが半導体歪みセンサーの表と裏で対称 になっているので、半導体歪みセンサーの剛 性が対称に近いものとなり、接続領域から金 属ベース板に歪みが伝わったときに、歪みセ ンサーチップが曲がる変形を起こし難くなり 、歪み変換係数が変動し難くなる。

 また、本発明の半導体歪みセンサーで、 属ベース板の下面において接合領域の側辺 対応した線に沿って形成された溝が歪みセ サーチップの歪み検出方向に垂直に延びて ることが好ましい。また、歪みセンサーチ プの両側辺に対応する金属ベース板の下面 位置それぞれにこれらの溝が設けられてい ことが好ましい。そして、これらの溝の側 のうち、接合領域により近い側壁が金属ベ ス板下面において接合領域の側辺に対応し 設けられていることが好ましい。

 このように、金属ベース板の下面におい 接合領域に対応した領域を挟んで2本の溝が 接合領域の側辺の長さあるいはそれよりも長 くなっていると、測定対象物に生じた曲げ変 形が半導体歪みセンサーの接続領域を通って 金属ベース板に伝わった場合に、金属ベース 板に設けた溝によって曲げ変形の伝達が止め られる。そのために、歪みセンサーチップに 曲げ変形が生じるのを防ぐことになる。そこ で、金属ベース板上で歪みセンサーチップの 周囲にある4側辺それぞれから張り出しメン ーが突出しており、金属ベース板の下面で4 辺に対応した線それぞれに溝が接合領域に 応した領域を取り囲むように形成されてい ことが好ましい。

 本発明の半導体歪みセンサーで、金属ベ ス板のヤング率をEs、歪みセンサーチップ ヤング率をEd、歪みセンサーチップの厚さを td、溝の深さをtsとしたときに、式ts×Es=td×Ed 満足することが好ましい。

 この式を完全に満たす必要はなく、金属 ース板の表と裏の剛性が対称となる程度に たしていれば良い。そこで上式はts×Es≒td× Edと表すことができる。これらの関係を満た ことで、金属ベース板の溝に挟まれた突出 の剛性が、歪みセンサーチップの剛性とほ 一致するので、半導体歪みセンサーの表と の剛性の対称性を向上させることができる すなわち、測定対象物から引っ張り、圧縮 受けたときに、センサーチップを接合した 属ベース部分の厚さ中央の平面で、センサ チップ接合側と、反対の金属ベース側の剛 がほぼ対称であるために、センサーチップ 合部の反りを抑制できる。結果として、精 よく、測定対象物の引っ張り、圧縮を計測 ることができる。

 本発明の半導体歪みセンサーで、金属ベ ス板が、その厚さ中央の平面に関して、金 ベース板の下面にある前記溝と対称に形成 れた溝を金属ベース板の上面に持ち、接合 域が、上面に形成された溝の間で、金属ベ ス板の上面からその溝の深さだけ低くなっ いることが好ましい。すなわち、金属ベー 板上面にリセスが形成されていてその中に 歪みセンサーチップが設けられていること 好ましい。

 溝が金属ベース板の表面と裏面に対称に 成されて、半導体歪みセンサーチップが金 ベース板に設けたリセスに入れられている とによって、金属ベース板の表裏における 性の対称性が更に良くなり、金属ベース板 曲げ変形をすることを更に避けることがで る。

 本発明の半導体歪みセンサーで、2つの接 続領域と歪みセンサーチップ接合領域を結ぶ 方向における断面において、歪みセンサーチ ップの接合領域での歪みセンサーチップ、金 属ベース板、および金属接合材を合わせた厚 さをta、溝の底における金属ベース板の厚さ tb、接続領域における金属ベース板厚さをtc 、歪みセンサーチップの半分の長さをlaとし ときに、溝の幅lbがla×[tb×(ta-tc)]/[ta×(tc-tb)] あることが好ましい。

 式:lb=la×[tb×(ta-tc)]/[ta×(tc-tb)]を完全に満 す必要はなく、歪みの変換係数が変動する を防ぐことのできる程度に満たしていれば い。そこで上式は、lb≒la×[tb×(ta-tc)]/[ta×(tc- tb)]と表すことができる。この式を満たすこ で、溝から歪みセンサーチップ接合領域に けての金属ベース板と歪みセンサーチップ 合わせた剛性が、接続領域における金属ベ ス板の剛性と略一致するので、両者への歪 の配分が等しくなる。そのため、接続領域 位置が変化しても、歪みの変換係数の変化 小さくすることができる。半導体歪みセン ーの測定対象物への取付け位置が変動して 、歪みの変換係数が変動するのを防ぐこと できる。

 以下、詳細を説明する。溶接点の位置に って検出するひずみ量が変化しては、測定 度が著しく低下する。実装構造として、こ 現象を回避する工夫が必要である。そのた には、センサーチップ接続領域が測定対象 の変形によって受けるひずみeaと、溝から 接点までにある接続領域のひずみecとの比ea/ ecが、溝から溶接点までの長さlcに依存せず 常に一定であればよい。溝領域のひずみをeb とすれば、達成すべき関係は、(la×ea+lb×eb)/(l a+lb)=ecと示すことができる。一方で、センサ チップ接合領域、溝領域、接続領域は、直 連続であるから、伝わる力は均一である。 なわち、(ts×Es+td×Ed)×ea=Es×tb×eb=Es×tc×ecで る。ts×Es≒td×Edと設定しているので、上式 、概略、Es×ta×ea=Es×tb×eb=Es×tc×ecとなる。こ の式を用いて、達成すべき関係を変形すると 、lb×[ta×(tc-tb)]=la×[tb×(ta-tc)]となる。無論、 の関係は厳密である必要はなく、歪みの変 係数が変動するのを防ぐことのできる程度 満たしていれば良い。

 本発明の半導体歪みセンサーの配線メン ーが、金属ベース板上に一端が樹脂接着さ たフレキシブル配線板と、フレキシブル配 板の配線と歪みセンサーチップが持つピエ 抵抗素子の電極の間を電気的に接続してい 金属ワイヤと、ピエゾ抵抗素子の電極と金 ワイヤを覆っている樹脂から構成されてい ことができる。

 フレキシブル配線板と歪みセンサーチッ 間は、被覆されていない金属ワイヤを、超 波溶接あるいははんだ付けすることで、導 を得ることができる。金属ワイヤは10μm径 ら200μm径の裸金線を用いることができる。 属ワイヤとその接続部と電極を樹脂で覆っ 、電気的な絶縁および外気からの遮断を確 にすることができる。配線メンバーだけで く歪みセンサーチップ全体を樹脂で覆うこ ができる。フレキシブル配線板とそれを接 する接着剤の剛性が大きいと、フレキシブ 配線板と接着剤のクリープ、劣化、変質が 導体歪みセンサー全体の剛性に影響する危 性がある。出来得る限りフレキシブル配線 や接着剤の弾性率を小さくし体積を小さく ることが好ましい。

 本発明の半導体歪みセンサーの配線メン ーが、歪みセンサーチップが持つピエゾ抵 素子の電極に設けられた金属バンプと、金 バンプに電気的に接続した配線を持つフレ シブル配線板と、歪みセンサーチップとフ キシブル配線板の間に充填された樹脂から 成されていることができる。

 歪みセンサーチップに設けたピエゾ抵抗 子の電極に金属バンプを設けることで、フ キシブル配線板を直接歪みセンサーチップ 表面に接続でき、フレキシブル配線板を金 ベース板に接着する必要がない。そのため 歪みセンサーチップ側部に配する張り出し ンバーの設計の自由度を上げることができ 。フレキシブル配線板は出来得る限り薄く て、半導体歪みセンサーの剛性に影響与え いようにすることが好ましい。

 本発明の半導体歪みセンサーの配線メン ーが、金属ベース板上に絶縁膜を介して形 されたベース板電極と、ベース板電極と歪 センサーチップが持つピエゾ抵抗素子の電 の間を電気的に接続した金属ワイヤと、ピ ゾ抵抗素子の電極と金属ワイヤとベース板 極を覆っている樹脂から構成されているこ ができる。

 ベース板電極を用いることで、フレキシ ル配線板を無くすことができる。ベース板 極と歪みセンサーチップの電極間を金属ワ ヤで電気的に接続し、ベース板電極から被 ワイヤによって歪みセンサーチップの電気 号をチップの外に取り出すことができる。 属ベース板にフレキシブル配線板を接着す ことがないので、歪みセンサーチップ側部 配する張り出しメンバーの設計の自由度を げることができる。金属ワイヤとその接続 や電極を樹脂で覆って、電気的な絶縁や外 からの遮断を確保することができる。

 本発明の半導体歪みセンサーで、半導体 みセンサーの金属ベース板の下面が測定対 物に対向するとともに、金属ベース板の接 領域の少なくとも一部が測定対象物に密着 るように取付けられていることが好ましい

 金属ベース板の接続領域の少なくとも一 が測定対象物に密着していることが必要で る。測定対象物の歪みが接続している部分 通って金属ベース板に伝わるので、接続面 が小さいと、歪みが接続部に集中して接続 が塑性変形する恐れがある。測定する大き の歪みで塑性変形しないだけの接続面積が られておれば、接続領域全体を測定対象物 密着させる必要がない。金属ベース板の接 領域以外の部分が測定対象物に密着してい 必要はない。

 本発明の半導体歪みセンサーで、半導体 みセンサーと測定対象物が少なくとも2つ以 上の接続領域で接続されており、各接続領域 は一ヶ所以上の溶接部で固定されていること ができる。

 溶接として、レーザー溶接や抵抗スポッ 溶接を用いることができる。溶接部にはク ープ、劣化、変質が起こり難いため、溶接 長期的安定性に優れる。接続エリアと測定 象物の間にろう材などの金属を介して溶接 ることができる。ハンディタイプのスポッ 溶接機を用いれば、既設の装置や構造物に しても、本発明の半導体歪みセンサーを容 に現場で取付けることができる。また、取 け時に歪みセンサーチップに直接力を加え おそれがないので、歪みセンサーチップを 壊し、不必要な歪みを与えて歪みセンサー ップ特性を変化させる危険を低くすること できる。

 本発明の半導体歪みセンサーで、半導体 みセンサーと測定対象物が少なくとも2つ以 上の接続領域で接続されており、各接続領域 は一ヶ所以上のねじで接続されていることが できる。

 溶接のできない材質でできた測定対象物 本発明の半導体歪みセンサーをねじ接続で 付けることができる。また、ねじ接続では 導体歪みセンサーの取付けに、レーザー溶 機やスポット溶接機などの装置を必要とし いため、狭い場所や高い場所等での取付け 容易となる。

 高感度な半導体歪みゲージを用いた歪み ンサーで、特性が長期間安定し、歪みセン ーチップの発熱に対しても特性が変化し難 半導体歪みセンサーを提供することができ 。

図1は、測定対象物に取り付けた本発明 の実施例1の半導体歪みセンサーを示す平面 である。 図2は、図1のII-II線断面図である。 図3で、図3Aは歪みセンサーチップと測 対象物が導電材料で接続されている本発明 場合の等価回路を示し、図3Bは両者の間に 縁材料が介在する場合の等価回路を示す。 図4は、測定対象物に取り付けた本発明 の実施例2の半導体歪みセンサーを示す平面 である。 図5は、図4のV-V線断面図である。 図6は、測定対象物に取り付けた本発明 の実施例3の半導体歪みセンサーを示す平面 である。 図7は、図6のVII-VII線断面図である。 図8は、実施例3の半導体歪みセンサー トルク検出に応用した模式斜視図である。 図9は、本発明の実施例4の半導体歪み ンサーを示す平面図である。 図10は、測定対象物に取り付けた本発 の実施例5の半導体歪みセンサーを示す平面 図である。 図11は、図10のXI-XI線断面図である。 図12は、実施例5の半導体歪みセンサー に用いている金属ベース板を底から見た斜視 図である。 図13は、実施例5の半導体歪みセンサー に用いることのできる金属ベース板の変形例 であって、それを底から見た斜視図である。 図14は、本発明の実施例6の半導体歪み センサーを示す平面図である。 図15で、図15Aは測定対象物に取り付け 本発明の実施例7の半導体歪みセンサーを示 す平面図で、図15Bは図15AのXVB-XVB線断面図で 図15Cは実施例7の半導体歪みセンサーに用い いる金属ベース板を底から見た斜視図で、 して図15Dはその金属ベース板を上から見た 視図である。 図16で、図16Aは文献に記載されていた 導体歪みゲージを示す斜視図で、図16Bは他 文献に記載されていた歪み検出センサーを す斜視図である。 図17で、図17Aは測定対象物にボルトで り付けた歪み検出センサーの断面図で、図1 7Bは測定対象物の歪みと検出される歪みとの 係を説明しているグラフである。 図18は、台座に生じる曲げ変形を示す 式説明図である。

符号の説明

1     半導体歪みセンサー
2     歪みセンサーチップ
3     金属ベース板
4     金属接合材(金属はんだ)
5     フレキシブル配線板
11,12     張り出しメンバー
11″,12″   接続領域
15    接合領域
16    電極
17    金属ワイヤ
18    樹脂
26    金属バンプ
30,30″,30a,30a″    溝

 以下本発明を実施例に基づいて図面を参 しながら詳細に説明する。説明を判り易く るため、同一の部品、部位には同じ符号を いている。

 本発明の実施例1の半導体歪みセンサーの 構造について、図1と図2を用いて以下説明す 。図1は測定対象物に取付けた実施例1の半 体歪みセンサーの平面図で、図2は図1のII-II 断面図である。ピエゾ抵抗素子(図示せず) 形成された歪みセンサーとして機能するシ コン半導体基板からなる歪みセンサーチッ 2が金属ベース板3の中央に金属接合材4の金 はんだで接合されている。金属ベース板3は 1のX方向に延びた長方形で、歪みセンサー ップ2を接合している接合領域15を挟んだ両 に張り出しメンバー11,12を持ち、各張り出し メンバー11,12が測定対象物6に接続している接 続領域11″,12″を接合領域15に対向した金属 ース板3の下面に持つ。歪みセンサーチップ2 は通常接合領域15の面積と同じかそれよりも さく、接合領域15の中央に接着されている 金属ベース板3は、シリコンに熱膨張係数の い鉄58-ニッケル42合金で作られていること でき、14mm長×6mm幅×0.3mm厚とすることができ 。歪みセンサーチップ2の大きさを2.5mm長×2. 5mm幅×0.16mm厚とすることができる。

 歪みセンサーチップ2が金属ベース板3に 属はんだ4で接合されている。歪みセンサー ップ2の金属ベース板3に対向する面にCr、Ni よびAuの3層からなるメタライジング層がス ッターで形成され、その上にSn系の金属は だ材料が蒸着されている。金属ベース板3の みセンサーチップ2と対向する面にも、Cr、N iおよびAuの3層からなるメタライジング層が 成されている。金属ベース板3の中央に歪み ンサーチップ2を位置させて、金属はんだ4 加熱溶融して金属ベース板3に歪みセンサー ップ2が接合されている。3層のメタライジ グ層を金属ベース板全面に形成することが きる。

 歪みセンサーチップ2が持つピエゾ抵抗素 子の電極16から配線を引き出すのに、フレキ ブル配線板5が用いられている。フレキシブ ル配線板5の先端の配線が露出している側と 対の面を、金属ベース板上で歪みセンサー ップの接合した位置に隣接してエポキシ系 脂接着剤を用いて接着している。フレキシ ル配線板5の配線と歪みセンサーチップ2の電 極16の間に20μm径の裸の金ワイヤ17を超音波溶 接で接続している。歪みセンサーチップ2の 極16、金ワイヤ17およびフレキシブル配線板5 の配線を覆うようにカバー樹脂18を塗布して る。カバー樹脂18として弾性率の小さい熱 化樹脂を用いた。歪みセンサーチップ全体 覆う様に樹脂を塗布することができる。歪 センサーチップのピエゾ抵抗素子は光の影 を受けるので、歪みセンサーチップ全体を 色の樹脂で覆って光の影響を抑制するのが ましい。

 金属ベース板3上に金属はんだ4で歪みセ サーチップ2を接合し配線を行った半導体歪 センサー1を測定対象物6に取付けている。 導体歪みセンサー1を測定対象物6の所望の位 置に設けて、金属ベース板3の張り出しメン ー11,12にある2つの接続領域11″,12″を測定対 象物6に各10点のスポット溶接を行い固定して いる。10点のスポット溶接は2列5行で、5点の 接点19がY方向で等間隔に配置されて3点目の 溶接点が金属ベース板3の幅中心線上に設け いる。

 歪みセンサーチップ2には、X方向とY方向 歪みを検出できるように複数のピエゾ抵抗 子が形成されている。X方向とY方向の歪み 比例した出力が得られるように各方向複数 ピエゾ抵抗素子でブリッジ回路を構成した 本実施例では、X方向の歪みを測定するピエ 抵抗素子のみを使用している。測定対象物6 がX方向に引っ張られて歪みを発生すると、 の歪みが接続領域11″,12″にあるスポット溶 接点19を介して半導体歪みセンサー1の金属ベ ース板3に伝えられ、金属ベース板3と歪みセ サーチップ2に歪みが発生し、ピエゾ抵抗素 子の抵抗変化により、測定対象物6の歪みに じた電気信号の出力が得られる。金属ベー 板3および歪みセンサーチップ2の剛性により 、歪みセンサーチップ2に生じる歪みは測定 象物6の歪みと一致しないが、予め変換係数 求めておくことで、実用的な歪みセンサー して用いることができる。

 この実施例の半導体歪みセンサー1は、歪 みセンサーチップ2が金属ベース板3に金属材 を用いて接合されているので、歪みセンサ チップ2で発生した熱は金属ベース板3に伝 して放熱される。ピエゾ抵抗素子は電気抵 が高いため発熱し易く、また歪みセンサー ップ内にCMOSのアンプ回路を形成した場合に アンプ回路からも発熱する。半導体歪みセ サー1では金属ベース板3に熱を伝導して放 し易いので、歪みセンサーチップ2の温度上 を最小限に抑えることができるとともに、 属ベース板3と歪みセンサーチップ2の温度 均一に保つことができる。これにより、温 変化によるピエゾ抵抗係数の変化、歪みセ サーチップ2と金属ベース板3との温度不均一 による熱変形でピエゾ抵抗素子の応力変化な どのために起こる特性変化を避けることがで きる。歪みセンサーチップと金属ベース板の 間あるいは金属ベース板と測定対象物の間に 樹脂接着剤など有機材料が介在する場合、長 時間歪みがかかっていると有機材料がクリー プを起こし、歪み検出のゼロ点が変化する問 題があった。また、有機材料の劣化および変 質により歪みの伝達が阻害され、歪み検出感 度が変化することがあった。本発明の半導体 歪みセンサー1では、歪みセンサーチップ2と 属ベース板3の接合に金属はんだ4を用い、 属ベース板3と測定対象物6の取付けに溶接を 用いているので、有機材料に起因する前述の ような特性変化を避けることができ、センサ ー特性の長期安定性の優れた歪みセンサーで ある。接合に用いた金属材料にも微小なクリ ープが発生する可能性があるが、樹脂接着剤 を用いた場合に比較してきわめて小さいので 、長期安定性に対して充分な効果がある。

 本発明の半導体歪みセンサーは、歪みセ サーチップが導電材料で測定対象物に接続 れているためノイズに強い。歪みセンサー ップと測定対象物が導電材料で接続してい 場合の等価回路を図3Aに、両者の間に絶縁 料が介在する場合の等価回路を図3Bに示す。 図3Aに示すように、本発明の半導体歪みセン ーは歪みセンサーチップのグランドを測定 象物6と電気的に接続できるので、歪みセン サーチップのグランドが測定対象物6の電位 ともに変動するため、センサーチップ回路21 にノイズが発生し難い。従来の半導体歪みセ ンサーの様に、歪みセンサーチップと測定対 象物6の間に絶縁材料が介在すると、測定対 物6に電流が流れるなどして電位が変動した 合に、図3Bに示す様にセンサーチップ回路21 内の各所が測定対象物6との間に寄生容量22を 持つため、センサーチップ回路21内の電位も 々に変動するために、ノイズが発生し易い

 本発明の半導体歪みセンサーは、歪みセ サーチップが予め金属ベース板に金属接合 れており、フレキシブル回路板配線が接続 れた、モジュールとすることができる。本 明の半導体歪みセンサーでは張り出しメン ーの接続領域を測定対象物に溶接すること 、歪みの測定が可能となる。動かせない測 対象物に対しても、現場にスポット抵抗溶 機を持ち込んで取付けが可能である。また スポット抵抗溶接に限らず、レーザー溶接 シーム溶接なども用いることができる。金 ベース板を介して測定対象物に歪みセンサ チップを取付けるため、取付け作業時に歪 センサーチップを破損し、あるいは不必要 歪みを与えて特性を変化させるような危険 を低くできた。

 本発明の実施例2の半導体歪みセンサーに ついて説明する。図4は測定対象物に取付け 実施例2の半導体歪みセンサー1を示す平面図 で、図5は図4のV-V線断面図である。金属ベー 板3の2つの張り出しメンバー11,12それぞれに ボルト孔23を形成し、半導体歪みセンサー1を 測定対象物6にボルト24で固定している。ねじ 接合はねじ穴が形成できれば溶接ができない セラミック等にも適用できる。

 本発明の実施例3の半導体歪みセンサーに ついて説明する。図6は測定対象物に取付け 実施例3の半導体歪みセンサー1を示す平面図 で、図7は図6のVII-VII線断面図である。図6に すように、X方向にセンサーチップ接合領域1 5を挟む2つの張り出しメンバー11,12に加えて Y方向にセンサーチップ接合領域15を挟む2つ 張り出しメンバー13,14が設けられている。X 向の2つの張り出しメンバー11,12の接続領域1 1″,12″をスポット抵抗溶接で測定対象物6に 続するとともに、Y方向に設けられた2つの り出しメンバー13,14の接続領域13″,14″をス ット抵抗溶接で測定対象物6に接続している 。図6、図7で19は溶接点である。測定対象物6 X方向に加わる歪みでは2つの接続領域11″,12 ″を介して歪みセンサーチップ2に歪みが伝 し、Y方向に加わる歪みでは2つの接続領域13 ,14″を介して歪みセンサーチップ2に歪みが 伝達し、測定対象物6に加わった歪みを検出 ることができる。

 歪みセンサーチップ2の接合領域15を取り むように接続領域11″,12″,13″,14″が設け れているので、フレキシブル配線板5を歪み ンサーチップ2上に設けている。歪みセンサ ーチップ2の電極上に金属バンプ26を形成し、 フレキシブル配線板5を接続している。フレ シブル配線板5の応力の方向性を避けるため 歪みセンサーチップ2を覆うようにフレキシ ブル配線板5を設けている。フレキシブル配 板5と歪みセンサーチップ2間の隙間にはカバ ー樹脂18を塗布している。カバー樹脂18には ポキシ樹脂を用いた。カバー樹脂18は配線メ ンバーの電気的絶縁と外気を遮断するととも に、フレキシブル配線板と歪みセンサーチッ プ間の接合力を増す働きもある。フレキシブ ル配線板を歪みセンサーチップ上に配置した ので、接続領域と測定対象物を溶接する際に 、フレキシブル配線板が溶接作業の邪魔にな ることがない。

 本実施例の半導体歪みセンサーは、トル 検出にも適している。トルク検出の一例を 図8に示す。トルクが加わる円柱メンバー27 測定対象物とし、円柱メンバーの円柱側面 切欠き溝28を形成し、平坦な溝底に半導体 みセンサー1を取付けている。本実施例の半 体歪みセンサーは、歪みセンサーチップの 囲4ヶ所の接続領域で測定対象物の円柱メン バー27に溶接で固定している。測定対象物か 歪みがX方向とY方向に伝達するので、測定 象物のねじりによるせん断歪みが歪みセン ーチップ2に伝達し、トルクに比例したせん 歪みを計算で求めることができる。本実施 では、X方向に配置したピエゾ抵抗素子とY 向に配置したピエゾ抵抗素子を有している しかし、X方向とY方向に関して45度の方向に エゾ抵抗素子設けた歪みセンサーチップを いることができ、その歪みセンサーチップ よってせん断方向の歪みを直接測定するこ ができる。

 本発明の実施例4の半導体歪みセンサー1 ついて説明する。図9は、実施例4の半導体歪 みセンサーの平面図である。金属ベース板3 に絶縁膜31を介してベース板電極32が形成さ ている。ベース板電極32と歪みセンサーチ プ2の電極16間を金ワイヤ17で接続し、またベ ース板電極32に被覆配線33の被覆を剥がした 端部をはんだ付けしている。配線メンバー 含め歪みセンサーチップ2を覆うようにカバ 樹脂18が塗布されている。樹脂による応力 大きい場合は、カバー樹脂の塗布を配線メ バーのみ、あるいは配線メンバーと配線メ バーに対称な位置に樹脂を塗布することが きる。本実施例によれば、予めベース板電 32を形成した金属ベース板3を用いることで フレキシブル配線板が不要になり、フレキ ブル配線板の金属ベース板への接着など組 の工程が省くことができる。引出し配線数 少ない場合に適した配線引き出し構造であ 。

 本発明の実施例5の半導体歪みセンサーに ついて、図10と図11を用いて以下説明する。 10は測定対象物に取付けた実施例5の半導体 みセンサー1の平面図で、図11は図10のXI-XI線 面図である。ピエゾ抵抗素子(図示せず)が 成された半導体歪みセンサーとして機能す シリコン半導体基板からなる歪みセンサー ップ2が金属ベース板3の中央に金属接合材の 金属はんだ4で接合されている。歪みセンサ チップ2のピエゾ抵抗素子の電極から、実施 1で説明したのと同様に、フレキシブル配線 板を用いて配線を引き出している。金属ベー ス板3は図10のX方向に延びた長方形で、歪み ンサーチップ2を接合している接合領域15を んだ両側に張り出しメンバー11,12を持ち、各 張り出しメンバー11,12が測定対象物6に接続さ れている接続領域11″,12″を接合領域15に対 した金属ベース板3の下面に持つ。歪みセン ーチップ2が金属ベース板3に接合されてい 接合領域15の側辺に対応する金属ベース板下 面における線に沿って、金属ベース板下面に それぞれ溝30が形成されている。ここで溝30 側壁のうち接合領域により近い側壁が接合 域15の側辺に対応する金属ベース板下面にお ける線と一致して設けられている。溝30は半 体センサーチップ2の幅(Y方向の長さ)よりも 長く、金属ベース板3の幅と同じ長さをして る。金属ベース板3の下面には、張り出しメ バー11の接続領域11″、溝30、2つの溝で挟ま れた突出部35、溝30そして張り出しメンバー12 の接続領域12″の順で並んでいる。

 溝30の歪みセンサーチップ2に近い側壁を みセンサーチップの側辺の位置を略一致さ ているので、突出部35のX方向の長さと歪み ンサーチップ2の接合領域15のX方向の長さが 略同じである。金属ベース板3は、鉄58-ニッ ル42合金で作られており、14mm長×6mm幅×0.3mm の寸法とすることができる。歪みセンサー ップ2の大きさを2.5mm長×2.5mm幅×0.16mm厚とす ことができる。溝30の幅lbが0.3mm、深さtsが0.1 8mmである。2つの接合領域11″、12″が5.45mm長 6mm幅で、突出部35が2.5mm長×6mm幅である。

 歪みセンサーチップ2が金属ベース板3に 属はんだ4で接合されている。歪みセンサー ップ2の金属ベース板対向面にTi、PtおよびAu の3層からなるメタライジング層がスパッタ で形成されて、その上にSn系の金属はんだ材 料が蒸着されている。金属ベース板3の歪み ンサーチップ対向面にも、Ti、PtおよびAuの3 からなるメタライジング層が形成されてい 。歪みセンサーチップ2の接合領域15の中央 歪みセンサーチップ2を位置させて、金属は んだ4を加熱溶融して金属ベース板3に歪みセ サーチップ2が接合されている。3層のメタ イジング層が金属ベース板全面に形成され いることができる。

 実施例5の半導体歪みセンサー1では、金 ベース板3に溝30を形成しているために、半 体歪みセンサーの表と裏の剛性の対称性が い。また、測定対象物6がXY平面で変形した きに、金属ベース板3の歪みセンサーチップ2 が接合されている領域15が変形するのを溝で ぐことができる。そのため、測定対象物の みに応じて歪みセンサーチップに生じる歪 の変換係数が、歪み測定範囲で安定してい 。

 金属ベース板3に形成した溝30によって金 ベース板3が薄くなった部分をリンク部37と る。歪みセンサーチップ2が金属ベース板3 接合されている接合領域15の下側に突出部35 配置されているので、半導体歪みセンサー1 の表と裏で剛性の対称性が向上している。例 えば、測定対象物6に引っ張り歪みが発生し とき、溶接点19を介して金属ベース板3に力 伝わり、さらにリンク部37を介して歪みセン サーチップ2の接合領域15に伝わる。金属ベー ス板3の上には半導体歪みセンサーチップ2が また下には突出部35があって、これらが対 になっているので、リンク部37を通して伝わ った力によって接合領域15および接続領域11 ,12″が上あるいは下に曲がることが抑制さ る。そのために、金属ベース板3と測定対象 6の接触、金属ベース板3と歪みセンサーチ プ2の接触が変化せず、測定範囲内で測定対 物6の歪みと歪みセンサーチップ2の歪みの 係が維持され、それらの間の変換係数が一 になる。

 歪みセンサーチップ2と突出部35が剛性の 称性を持つために、突出部35が歪みセンサ チップ2と同じ長さであることが望ましい。 こで、この実施例の半導体歪みセンサー1で は、歪みセンサーチップ2の両側辺に対応す 金属ベース板の下面の線に沿って溝が設け れて、溝の側壁のうち接合領域15に近い側壁 がその線に沿って設けられている。

 また、歪みセンサーチップ2と金属ベース板 3の突出部35の剛性が等しいことが望ましいの で、それぞれのヤング率と厚さの積を概略一 致させている。歪みセンサーチップ2のヤン 率をEd、厚さをtd、金属ベース板3のヤング率 をEs、突出部35の高さ(溝30の深さ)をtsとした きに、式Ed×td=Es×tsを満足する。シリコンで られた歪みセンサーチップ2のヤング率がEd: 169GPaで、鉄-ニッケル合金で作られた金属ベ ス板3のヤング率がEs:150GPaで、歪みセンサー ップ2が厚さtd:0.16mm、突出部35が厚さts:0.18mm ので、上記の関係を満たしている。この半 体歪みセンサー1を用いて歪みの変換係数を 測定したところ、歪みの変換係数は約0.63で 歪み測定範囲±500×10 -4 %で歪みの変換係数は略一定であった。

 この実施例においても、実施例1と同様に 、金属ベース板3が測定対象物6にスポット抵 溶接されている。接続領域における溶接点 歪みセンサーチップ2に近いことが望ましい 。図11に示す様に、接続領域11″の最も歪み ンサーチップ2に近い溶接点19を第一溶接点19 a、接続領域12″の最も歪みセンサーチップ2 近い溶接点19を第二溶接点19bとする。測定対 象物6に発生した歪みによって、金属ベース 3の第一溶接点19aと第二溶接点19bの間にある 域が力を受け、歪みを発生する。第一溶接 19aと第二溶接点19bを歪みセンサーチップ2に 近づける程、力を受ける金属ベース板3の領 を短くできるので、金属ベース板が曲げ変 を起こし難くすることができる。

 また、第一溶接点19aと第二溶接点19bの間 おいて、接続領域11″,12″、溝30、歪みセン サーチップの接合領域15それぞれの部位の断 の剛性が異なるので発生する歪みも異なる 複数の半導体歪みセンサーを製作したとき 、それら複数の半導体歪みセンサー間で第 と第二溶接点19a,19bの位置が異なると接続領 域11″,12″の面積が変化するため歪みの配分 変化し、歪みセンサーチップに発生する歪 も変化する。第一と第二溶接点19a,19bの位置 が変わるとそれら複数の半導体歪みセンサー 間で歪みの変換係数が変わる恐れがある。歪 みセンサーチップ2、2本の溝30で挟まれた金 ベース板部分、および金属ベース板の2つの ンク部37の合計剛性を、各張り出しメンバ 11,12の剛性と等しくしておくと、力を受ける 接続領域の長さの変化に対して歪みの配分を 一定とすることができる。それにより、溶接 点の位置によらず歪みの変換係数を一定にす ることができる。

 図11に示すように、金属ベース板3の接合領 15における半導体歪みセンサー1の厚さをta リンク部37の厚さをtb、張り出しメンバー11,1 2の厚さをtc、歪みセンサーチップ2の長さをla ×2としたときに、好ましい溝30の幅lbは次の で示される。
lb=la×[tb×(ta-tc)]/[ta×(tc-tb)]
ここで、歪みセンサーチップ2と金属ベース 3のヤング率が異なるので、歪みセンサーチ プ2の厚さを予め修正しておく必要がある。 ここでは、歪みセンサーチップ2を金属ベー 板に換算した厚さtdが0.18mmである。半導体歪 みセンサー1の厚さta:0.48mm、リンク部37の厚さ tb:0.12mm、張り出しメンバー11,12の厚さtc:0.3mm 歪みセンサーチップ2の長さ(la×2):2.5mmを用い て、前式から好ましい溝30の幅lbは0.3mmとなる 。

 図12に、金属ベース板3を歪みセンサーチ プが接合される面と反対から見た斜視図で す。2本の溝30が金属ベース板3の幅方向に横 断するように形成されている。溝30の形成は 学エッチングで行った。金属の機械切削加 あるいはプレス加工を用いて形成すること できる。

 図13に、本発明の半導体歪みセンサー1に いることのできる、上で説明した金属ベー 板の変形例を下からの斜視図で示している この金属ベース板3には、幅方向に延びた2 の溝30と、それらの溝30に直交した2本の溝30a が形成されている。溝30aの歪みセンサーチッ プに近い側の側壁が、歪みセンサーチップの Y方向の側辺と一致するように設けられてい 。図13の金属ベース板3は、実施例3で説明し 半導体歪みセンサーにも用いることができ 。

 図14を参照しながら本発明の実施例6の半 体歪みセンサー1を説明する。図14の平面図 示すように、X方向に歪みセンサーチップ2 接合領域15を挟む2つの張り出しメンバー11,12 に加えて、Y方向に歪みセンサーチップ2の接 領域15を挟む2つの張り出しメンバー13,14が 置されている。各張り出しメンバー11,12,13,14 は金属ベース板3の下面に接続領域11″,12″,13 ″,14″を持つ。接合領域15が対応する金属ベ ス板3の下面にある領域と各接続領域11″,12 ,13″,14″の間に溝30,30aが形成されている。4 本の溝30,30aの歪みセンサーチップ2に近い側 で囲まれた突出部35の外形を、歪みセンサー チップ2の外形と同じとし、突出部35に対応し た金属ベース板上の位置に歪みセンサーチッ プ2を接合している。各接続領域11″,12″,13″ ,14″が測定対象物6にスポット抵抗溶接して 定されている。測定対象物6のX方向に加わる 歪みが張り出しメンバー11と張り出しメンバ 12を介して歪みセンサーチップ2に伝達し、Y 方向に加わる歪みが張り出しメンバー13と張 出しメンバー14を介して歪みセンサーチッ 2に伝達し、測定対象物に加わった歪み量を 出することができる。

 図15Aから図15Dを参照しながら、本発明の 施例7の半導体歪みセンサー1を説明する。 裏の剛性バランスをさらに向上させた金属 ース板の構造が第一実施例と異なる。図15A 測定対象物6に取付けた本実施例の半導体歪 センサー1の平面図で、図15Bが図15AのXVB-XVB 断面図で、図15Cがこの実施例の半導体歪み ンサー1に用いている金属ベース板3を裏側か ら見た斜視図で、図15Dがその金属ベース板3 表から見た斜視図である。金属ベース板3の 央に接続領域15があり、その上に歪みセン ーチップ2が金属はんだ4で取り付けられてお り、金属ベース板3が歪みセンサーチップ2の 右から突出している張り出しメンバー11,12 有して、張り出しメンバー11,12の下面に測定 対象物6に接続するための接続領域11″,12″を 持っている。金属ベース板3の下面には、接 領域15に対応した下面上の領域と張り出しメ ンバー11,12の接続領域11″,12″を分けている2 の溝30が、金属ベース板3のY方向側面間に、 形成されている。また、接合領域15のY方向の 側辺に対応した下面上の線に沿って2本の溝30 a(図15C参照)が金属ベース板3の下面に設けら ており、溝30aが溝30と直角となって一方の溝 30からもう一方の溝30まで延びている。金属 ース板3の下面に2本の溝30と2本の溝30aで囲ま れた突出部35が形成されている。

 金属ベース板3の上面に、金属ベース板の 厚さ中央の平面に関して、金属ベース板3の 面に設けられた2本の溝30と2本の溝30aに対称 、2本の溝30″と2本の溝30a″が形成されてい る。金属ベース板3の下面にある溝30,30aの深 と上面にある溝30″,30a″の深さが同じとな ている。上面にある4本の溝30″,30a″で囲ま た部分が、溝の深さと同じ深さをしたリセ 39となっており、リセス39の底が歪みセンサ ーチップ2を接合する接合領域15となっている 。接合領域15に金属はんだ4で歪みセンサーチ ップ2が接合されている。

 歪みセンサーチップ2がリセス39のなかに れられているので、歪みセンサーチップ2と 下面にある突出部35が対称となり、剛性の対 性が改善されたものとなる。