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Patent Searching and Data


Title:
SEPARATION MEMBRANE FOR DIRECT LIQUID FUEL CELL AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/025291
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing a separation membrane for direct liquid fuel cells, wherein a polymerizable composition is brought into contact with a porous membrane so that pores of the porous membrane are filled with the polymerizable composition, then the polymerizable composition is cured by polymerization, and after that a halogenoalkyl group in the resin membrane is converted into a quaternary ammonium group. In this method, the polymerizable composition contains (a) an aromatic polymerizable monomer having an aromatic ring wherein one polymerizable group, at least one halogenoalkyl group and a group which is inert to a reaction converting the at least one halogenoalkyl group into a quaternary ammonium group, are bonded together, (b) a crosslinkable polymerizable monomer and (c) a polymerization initiator.

Inventors:
ISOMURA, Takenori (1-1 Mikage-cho, Shunan-sh, Yamaguchi 48, 7458648, JP)
磯村 武範 (〒48 山口県周南市御影町1番1号 株式会社トクヤマ内 Yamaguchi, 7458648, JP)
Application Number:
JP2008/064814
Publication Date:
February 26, 2009
Filing Date:
August 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOKUYAMA CORPORATION (1-1 Mikage-cho, Shunan-shi Yamaguchi, 48, 7458648, JP)
株式会社トクヤマ (〒48 山口県周南市御影町1番1号 Yamaguchi, 7458648, JP)
ISOMURA, Takenori (1-1 Mikage-cho, Shunan-sh, Yamaguchi 48, 7458648, JP)
International Classes:
H01M8/02; C08F2/00; C08F8/44; H01B1/06; H01B13/00; H01M8/10
Attorney, Agent or Firm:
TAKAHATA, Yasuyo (Room 1004, Maison-Sunshine1-4, Higashi-Ikebukuro,3-chome, Toshima-ku, Tokyo 13, 1700013, JP)
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Claims:
a)1個の重合性基と、少なくとも1個のハロゲノアルキル基と、少なくとも1個の該ハロゲノアルキル基を第4級アンモニウム基に誘導する反応に対して不活性な不活性基とを結合してなる、芳香環を有する芳香族系重合性単量体、
b)架橋性重合性単量体、及び
c)重合開始剤、
を含む重合性組成物と、多孔質膜とを接触させて前記重合性組成物を多孔質膜の有する空隙部に充填させた後、前記重合性組成物を重合硬化させて樹脂硬化体を得、次いで前記得られる樹脂硬化体中の前記ハロゲノアルキル基を第4級アンモニウム基に誘導することを特徴とする、多孔質膜と、多孔質膜の空隙部に充填された架橋型陰イオン交換樹脂とからなり、前記架橋型陰イオン交換樹脂は、架橋構造を有するメチレン主鎖と前記メチレン主鎖に結合する芳香環とからなり、前記芳香環はハロゲノアルキル基を第4級アンモニウム基に誘導する反応に対して不活性な不活性基と第4級アンモニウム基とを有してなる直接液体型燃料電池用隔膜の製造方法。
ハロゲノアルキル基の第4級アンモニウム基に誘導する反応に対して不活性な不活性基が、アルキル基、ハロゲン原子、及びアルコキシ基からなる群より選ばれる基である請求の範囲第1項に記載の直接液体型燃料電池用隔膜の製造方法。
芳香族系重合性単量体が、単環式芳香族重合性単量体である請求の範囲第1項に記載の直接液体型燃料電池用隔膜の製造方法。
単環式芳香族重合性単量体が、スチレン骨格を有する請求の範囲第3項に記載の直接液体型燃料電池用隔膜の製造方法。
a)1個の重合性基と、少なくとも1個のハロゲノアルキル基と、少なくとも1個のアルコキシ基及び/又はアシロキシ基とを結合する、芳香環を有する芳香族系重合性単量体、
b)架橋性重合性単量体、及び
c)重合開始剤、
を含む重合性組成物と多孔質膜とを接触させて前記重合性組成物を多孔質膜の有する空隙部に充填させた後、前記重合性組成物を重合硬化させて樹脂硬化体を得、次いで前記樹脂硬化体に結合しているアルコキシ基又はアシロキシ基を加水分解することにより前記アルコキシ基又はアシロキシ基を水酸基に誘導し、その後樹脂硬化体に結合している前記ハロゲノアルキル基を第4級アンモニウム基に誘導することを特徴とする、多孔質膜と、前記多孔質膜の空隙部に充填された架橋型陰イオン交換樹脂とからなり、前記架橋型陰イオン交換樹脂は、架橋構造を有するメチレン主鎖とメチレン主鎖に結合する芳香環とからなり、前記芳香環は水酸基と第4級アンモニウム基とを有してなる直接液体型燃料電池用隔膜の製造方法。
芳香族系重合性単量体が、単環式芳香族重合性単量体である請求の範囲第5項に記載の直接液体型燃料電池用隔膜の製造方法。
単環式芳香族重合性単量体が、スチレン骨格を有する請求の範囲第6項に記載の直接液体型燃料電池用隔膜の製造方法。
多孔質膜と、前記多孔質膜の有する空隙部に充填された架橋型陰イオン交換樹脂とからなり、前記陰イオン交換樹脂は、架橋構造を有するメチレン主鎖と前記メチレン主鎖に結合する芳香環とからなり、前記芳香環はハロゲノアルキル基を第4級アンモニウム基に誘導する反応に対して不活性な不活性基と第4級アンモニウム基とを有してなること特徴とする直接液体型燃料電池用隔膜。
第4級アンモニウム基に誘導する反応に対する不活性基が、アルコキシ基である請求の範囲第8項に記載の直接液体型燃料電池用隔膜。
第4級アンモニウム基に誘導する反応に対する不活性基が、ハロゲン原子である請求の範囲第8項に記載の直接液体型燃料電池用隔膜。
第4級アンモニウム基に誘導する反応に対する不活性基が、アルキル基である請求の範囲第8項に記載の直接液体型燃料電池用隔膜。
第4級アンモニウム基に誘導する反応に対する不活性基が、水酸基である請求の範囲第8項に記載の直接液体型燃料電池用隔膜。
架橋構造が、ジエチルベンゼン骨格でメチレン主鎖を連結してなる架橋構造である請求の範囲第8項に記載の直接液体型燃料電池用隔膜。
Description:
直接液体型燃料電池用隔膜、及 その製造方法

 本発明は、直接液体型燃料電池用隔膜、 びその製造方法に関する。該隔膜は、該隔 を構成する樹脂の有する芳香環の所定位置 特定の官能基を有する。該隔膜は、メタノ ル等の液体燃料の透過性が少ない特徴を有 る。

 固体高分子型燃料電池は、イオン交換樹 等の固体高分子を電解質として用いる燃料 池である。この燃料電池は、動作温度が比 的低いという特徴を有する。

  該固体高分子型燃料電池は、図1に示され ように、電池隔壁1a、1b内の空間を、接合体 10で仕切った基本構造を有している。前記接 体10は、固体高分子電解質膜6の両面にそれ れ燃料拡散電極4および酸化剤拡散電極5を 合してある。前記接合体10で電池隔壁1a、1b の空間を仕切ることにより、電池隔壁内に 料室7と酸化剤室8とを形成している。前記燃 料室7は、電池隔壁1aに形成した燃料流通路2 より電池外部と連通している。また、酸化 室8は、電池隔壁1bに形成した酸化剤流通路3 より、外部と連通している。
上記基本構造の固体高分子型燃料電池におい ては、燃料流通路2を通して、燃料室7に水素 スあるいはメタノール等からなる燃料を供 する。一方、酸化剤流通路3を通して、酸化 剤となる酸素や空気等の酸素含有ガスを酸化 剤室8に供給する。この状態で、両拡散電極4 5に外部負荷回路(不図示)を接続すると、次 反応機構により、燃料電池は電気エネルギ を外部回路に供給する。

 固体高分子電解質膜6として陽イオン交換 型電解質膜を使用する場合には、燃料拡散電 極4において、該電極内に含まれる触媒と燃 とが接触し、プロトンが生成する。生成し プロトン(水素イオン)は、固体高分子電解質 膜6内を伝導して酸化剤室8の方向に移動する 酸化剤室8に移動したプロトンは、酸化剤拡 散電極5内に含まれる触媒の作用で、酸化剤 の酸素と反応して水を生成する。一方、燃 拡散電極4においてプロトンと共に生成する 子は、外部負荷回路を通って酸化剤拡散電 5に移動する。外部負荷回路は、上記反応機 構で生成するエネルギーを電気エネルギーと して利用する。

 上記固体高分子電解質膜として陽イオン交 型電解質膜を使用する固体高分子型燃料電 においては、パーフルオロカーボンスルホ 酸樹脂膜が、最も一般的な陽イオン交換型 解質膜として用いられている。しかし、パ フルオロカーボンスルホン酸樹脂膜を電解 膜として用いる陽イオン交換型燃料電池に しては、次の問題が指摘されている。
(i)反応を強酸性雰囲気で行うため、酸性雰囲 気に耐える貴金属触媒しか触媒として使用で きない。更に、パーフルオロカーボンスルホ ン酸樹脂膜は高価であり、燃料電池の製造に 要する費用のコストダウンには限界がある。
(ii)パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜 保水力が不充分であるため、燃料電池の運 中には水の補給が必要となる。
(iii)パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜 物理的な強度が低いため、薄膜化による電 抵抗の低減が困難である。
(iv)パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜 対するメタノールの透過性は高い。従って 燃料にメタノールを用いる燃料電池の運転 において、メタノールが酸化剤拡散電極に 達する。このメタノールが、拡散電極の表 で、酸素または空気と反応して過電圧を増 させる。その結果燃料電池の出力電圧が低 する。

 上記問題、特に上記(i)の問題を解決する めに、隔膜としてパーフルオロカーボンス ホン酸樹脂膜を用いる代りに、炭化水素系 イオン交換膜を用いることが検討されてお 、幾つかの提案がある(特許文献1~3)。

  陰イオン交換膜を用いる固体高分子型燃 電池の場合、固体高分子電解質膜6内を移動 るイオン種は、陽イオン交換膜を用いる燃 電池のイオン種と異なる。陰イオン交換膜 用いる固体高分子型燃料電池の電気エネル ーの発生機構は、以下のものである。すな ち、燃料室に水素、メタノール等の燃料を 給し、酸化剤室に酸素および水を供給する とにより、酸化剤拡散電極5において、電極 内に含まれる触媒と酸素および水とが接触し て水酸化物イオン(OH - )が生成する。この水酸化物イオンは、上記 化水素系陰イオン交換膜からなる固体高分 電解質膜6内を伝導して燃料室7に移動する。 この移動した水酸化物イオンは、燃料拡散電 極4に供給される上記燃料と反応して水と電 とを生成する。燃料拡散電極4で生成する電 は、外部負荷回路を通って酸化剤拡散電極5 に移動する。燃料電池は、上記反応のエネル ギーを電気エネルギーとして利用するもので ある。

 上記炭化水素系陰イオン交換膜を用いる 接液体型燃料電池は、上記(i)の問題だけで く、通常、(ii)~(iii)の問題についても大きく 改善されている。さらに、通電時には酸化剤 室から燃料室に向ってイオン直径の大きな水 酸化物イオンが移動し、メタノールの逆方向 の移動を抑制するため、(iv)の問題も相当に 善されることが期待されている。

 これらの利点を有する炭化水素系陰イオ 交換膜からなる直接液体型燃料電池用隔膜 陰イオン交換基としては、4級アンモニウム 基が大変好ましい(上記特許文献1~3)。その理 は、優れたイオン伝導性を持つこと、及び 陰イオン交換膜を製造するための原料の入 のし易さ等にある。

  4級アンモニウム基を陰イオン交換基と る炭化水素系陰イオン交換膜(以下、この陰 イオン交換膜を単に「4級アンモニウム型炭 水素系陰イオン交換膜」とも称する)は、通 、次に記載の方法で製造する。

  先ず、クロロメチルスチレンなどのハロ ノアルキル基を有する重合性単量体と架橋 重合性単量体とからなる重合性組成物を、 孔質膜と接触させて、該重合性組成物を多 質膜の有する空隙部に充填させる。その後 充填した重合性組成物を重合させることに り、ハロゲノアルキル基を有する、架橋さ た炭化水素系樹脂を得る。次いで、上記ハ ゲノアルキル基を4級アンモニウム基に変換 た後、4級アンモニウム基の対イオンを水酸 化物イオンにイオン交換する。

特開平11-135137号公報

特開平11-273695号公報

特開2000-331693号公報

 しかしながら、4級アンモニウム型炭化水 素系陰イオン交換膜を隔膜として用いて直接 液体型燃料電池を実際に組立てて、運転して みると、この隔膜は緻密性に多少劣り、前記 (iv)のメタノールの透過性は期待するほど小 くなかった。その結果、この燃料電池は、 待するほど高い出力が得られなかった。

  上記陰イオン交換膜に十分なメタノー の非透過性を付与する方法としては、陰イ ン交換膜厚を大幅に厚くするか、或いはそ 架橋度を大幅に増加させることが考えられ 。しかし、これらの方法を採用する場合、 記メタノールの非透過性は改善出来るもの 、イオン交換膜の抵抗値は大幅に増加する その結果、得られる燃料電池は高い電池出 を得ることが出来ない。

 上述のように、4級アンモニウム型炭化水 素系陰イオン交換膜を固体高分子電解質膜と して用いる直接液体型燃料電池において、メ タノール透過率が十分に低く、且つ膜抵抗が 小さく、その結果高い電池出力が得られる4 アンモニウム型炭化水素系陰イオン交換膜 知られていない。

  このような背景の下で、本発明は、メ ノール透過率及び膜抵抗に関し、共に優れ 性能を発揮できる、直接液体型燃料電池用 隔膜を開発することを目的とする。

 本発明者等は、上記課題を解決するため 、基材の役割を持つ多孔質膜と、前記多孔 膜の空隙部に充填されたイオン交換樹脂と らなる隔膜につき、鋭意研究を行った。そ 結果、前記イオン交換樹脂の製造原料とし 用いる重合性組成物の主成分として、特定 化学構造を有する芳香族系重合性単量体を いることに想到した。この芳香族系重合性 量体は、少なくとも1個のハロゲノアルキル 基と、少なくとも1個の、該ハロゲノアルキ 基を第4級アンモニウム基に誘導する反応に して不活性な不活性基とを、芳香環に結合 てなる。この単量体を用いる場合、他の芳 族系重合性単量体を用いる場合と比較して 得られる隔膜は特異的に液体燃料(特にメタ ノール)の透過性が低い。

 更に、本発明者等は、多孔質膜の空隙部 充填される重合性組成物の主成分として、 なくとも1個のハロゲノアルキル基、及び少 なくとも1個のアルコキシ基又はアシロキシ が芳香環に結合してなる芳香族系重合性単 体を用いることに想到した。前記重合性単 体を含む重合性組成物を重合させた後、該 ルコキシ基又はアシロキシ基を水酸基に誘 してなるイオン交換樹脂を空隙部に充填し なる隔膜は、前記水酸基を有さないイオン 換樹脂を空隙部に充填してなる隔膜と比較 て、特異的に液体燃料(特にメタノール)の透 過性が低い。

  以下に記載する本発明は、上記発見に づいて完成したものである。

  〔1〕 a)1個の重合性基と、少なくとも1個 ハロゲノアルキル基と、少なくとも1個の該 ハロゲノアルキル基を第4級アンモニウム基 誘導する反応に対して不活性な不活性基と 結合してなる、芳香環を有する芳香族系重 性単量体、
b)架橋性重合性単量体、及び
c)重合開始剤、
を含む重合性組成物と、多孔質膜とを接触さ せて前記重合性組成物を多孔質膜の有する空 隙部に充填させた後、前記重合性組成物を重 合硬化させて樹脂硬化体を得、次いで前記得 られる樹脂硬化体中の前記ハロゲノアルキル 基を第4級アンモニウム基に誘導することを 徴とする、多孔質膜と、多孔質膜の空隙部 充填された架橋型陰イオン交換樹脂とから り、前記架橋型陰イオン交換樹脂は、架橋 造を有するメチレン主鎖と前記メチレン主 に結合する芳香環とからなり、前記芳香環 ハロゲノアルキル基を第4級アンモニウム基 誘導する反応に対して不活性な不活性基と 4級アンモニウム基とを有してなる直接液体 型燃料電池用隔膜の製造方法。

  〔2〕 ハロゲノアルキル基の第4級アン ニウム基に誘導する反応に対して不活性な 活性基が、アルキル基、ハロゲン原子、及 アルコキシ基からなる群より選ばれる基で る〔1〕に記載の直接液体型燃料電池用隔膜 の製造方法。

  〔3〕 芳香族系重合性単量体が、単環 芳香族重合性単量体である〔1〕に記載の直 液体型燃料電池用隔膜の製造方法。

  〔4〕 単環式芳香族重合性単量体が、 チレン骨格を有する〔3〕に記載の直接液体 燃料電池用隔膜の製造方法。

  〔5〕 a)1個の重合性基と、少なくとも1個 ハロゲノアルキル基と、少なくとも1個のア ルコキシ基及び/又はアシロキシ基とを結合 る、芳香環を有する芳香族系重合性単量体
b)架橋性重合性単量体、及び
c)重合開始剤、
を含む重合性組成物と多孔質膜とを接触させ て前記重合性組成物を多孔質膜の有する空隙 部に充填させた後、前記重合性組成物を重合 硬化させて樹脂硬化体を得、次いで前記樹脂 硬化体に結合しているアルコキシ基又はアシ ロキシ基を加水分解することにより前記アル コキシ基又はアシロキシ基を水酸基に誘導し 、その後樹脂硬化体に結合している前記ハロ ゲノアルキル基を第4級アンモニウム基に誘 することを特徴とする、多孔質膜と、前記 孔質膜の空隙部に充填された架橋型陰イオ 交換樹脂とからなり、前記架橋型陰イオン 換樹脂は、架橋構造を有するメチレン主鎖 メチレン主鎖に結合する芳香環とからなり 前記芳香環は水酸基と第4級アンモニウム基 を有してなる直接液体型燃料電池用隔膜の 造方法。

  〔6〕 芳香族系重合性単量体が、単環 芳香族重合性単量体である〔5〕に記載の直 液体型燃料電池用隔膜の製造方法。

  〔7〕 単環式芳香族重合性単量体が、 チレン骨格を有する〔6〕に記載の直接液体 燃料電池用隔膜の製造方法。

  〔8〕 多孔質膜と、前記多孔質膜の有 る空隙部に充填された架橋型陰イオン交換 脂とからなり、前記陰イオン交換樹脂は、 橋構造を有するメチレン主鎖と前記メチレ 主鎖に結合する芳香環とからなり、前記芳 環はハロゲノアルキル基を第4級アンモニウ 基に誘導する反応に対して不活性な不活性 と第4級アンモニウム基とを有してなること 特徴とする直接液体型燃料電池用隔膜。

  〔9〕 第4級アンモニウム基に誘導する 応に対する不活性基が、アルコキシ基であ 〔6〕に記載の直接液体型燃料電池用隔膜。

  〔10〕 第4級アンモニウム基に誘導する 反応に対する不活性基が、ハロゲン原子であ る〔8〕に記載の直接液体型燃料電池用隔膜

  〔11〕 第4級アンモニウム基に誘導する 反応に対する不活性基が、アルキル基である 〔8〕に記載の直接液体型燃料電池用隔膜。

  〔12〕 第4級アンモニウム基に誘導する 反応に対する不活性基が、水酸基である〔8 に記載の直接液体型燃料電池用隔膜。

  〔13〕 架橋構造が、ジエチルベンゼン 格でメチレン主鎖を連結してなる架橋構造 ある〔8〕に記載の直接液体型燃料電池用隔 膜。

 本発明の隔膜の製造方法においては、隔 を構成するアニオン交換樹脂の原料として 少なくとも1個のハロゲノアルキル基と、少 なくとも1個の該ハロゲノアルキル基を第4級 ンモニウム基に誘導する反応に対して不活 な不活性基とが芳香環に結合してなる芳香 系重合性単量体を使用している。その結果 得られるアニオン交換樹脂の有する前記不 性基は、液体燃料がアニオン交換樹脂を透 することを有効に低減させる。

  特に、この不活性基が、アルキル基、 ロゲン原子、またはアルコキシ基である場 、隔膜を構成するアニオン交換樹脂中の第4 アンモニウム基の近傍の疎水性が適度に高 り、液体燃料の透過性を大きく低減させる すなわち、この隔膜は、一定のイオン交換 量と、適度な架橋を維持しつつ、膜の疎水 状が大きく高められている。適度の架橋の 在は、液体燃料による隔膜の膨潤等を抑制 、液体燃料の透過を更に効果的に防止する

 上記本発明の製造方法により得られる隔 は、直接液体型燃料電池用隔膜として使用 る場合、膜の電気抵抗を過度に高めること く、液体燃料、特に、メタノールの透過性 大きく低減させる。すなわち、この直接液 型燃料電池用隔膜は、従来達成困難であっ 、高い液体燃料の非透過性と、低い膜抵抗 とを両立させている。

 本発明の隔膜の他の製造方法によれば、 膜を構成するアニオン交換樹脂の原料とし アルコキシ基又はアシロキシ基を有する重 性単量体を使用している。これらのアルコ シ基又はアシロキシ基は後の工程で加水分 されて水酸基に誘導される。この様にして 造される隔膜に存在する水酸基は、上記ア キル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等と 様に、ハロゲノアルキル基を第4級アンモニ ウム基に誘導する反応に対する不活性基であ る。水酸基は、前記アルキル基等と異なり、 疎水基ではない。しかし、水酸基をイオン交 換樹脂に導入することにより、液体燃料の非 透過性と膜抵抗の低さとを両立できる隔膜が 得られる。その理由は、次のように推定され る。

  すなわち、親水性の水酸基がアニオン 換樹脂に導入されると、隔膜の含水率は増 する。しかし、含水率の増加程度は、強親 性のアニオン交換基を導入する場合と比べ と少ない。一般に、イオン交換樹脂の含水 が増加した場合、イオン交換樹脂中の水酸 物イオンの移動速度の増加割合は、メタノ ルの移動速度の増加割合よりも大きい。し がって、イオン交換樹脂に水酸基を導入す と、隔膜に対する燃料透過性を余り増加さ ることが無く、膜抵抗を効果的に低減でき 。

  以上述べたように、イオン交換樹脂の 橋度を適当に高め、陰イオン交換基の導入 を調整すると共に、水酸基をイオン交換樹 に導入することにより、上記疎水基を導入 る隔膜と同様の、優れた特性の隔膜が得ら る。

 本発明の製造方法を用いて製造される隔 を組込んだ直接液体型燃料電池は、電池の 部抵抗が低く、且つメタノール等の液体燃 のクロスオーバーが少ない。その結果、本 膜を組込んだ直接液体型燃料電池は、電池 力が高い。

図1は、固体高分子形直接液体型燃料電 池の基本構造を示す概念図である。

符号の説明

1a、1b 電池隔壁
2  燃料流通路
3  酸化剤流通路
4  燃料拡散電極
5  酸化剤拡散電極
6  固体高分子電解質膜
7  燃料室
8  酸化剤室

 本発明の直接液体型燃料電池用隔膜は、 孔質膜と、前記多孔質膜の空隙に充填され 架橋型アニオン交換樹脂とからなる。

  前記架橋型陰イオン交換樹脂は、架橋 造を有するメチレン主鎖と前記メチレン主 に結合する芳香環とからなる。前記芳香環 ハロゲノアルキル基を第4級アンモニウム基 誘導する反応に対して不活性な不活性基と 第4級アンモニウム基とを有してなる。

 この隔膜の第1の製造方法においては、所 定の重合性組成物を多孔質膜に形成された空 隙部に充填させた後、該重合性組成物を重合 させて得られる樹脂硬化体に、アニオン交換 基を導入する。

 第1の製造方法
 (重合性組成物)
 重合性組成物は、下記a)、b)、c)、
  a)1個の重合性基と、少なくとも1個のハロ ノアルキル基と、前記少なくとも1個のハロ ゲノアルキル基を第4級アンモニウム基に誘 する反応に対して不活性な不活性基とを芳 環に結合してなる芳香族系重合性単量体、
  b)架橋性重合性単量体、及び
  c)重合開始剤、
を必須成分として含む。

  以下、各必須成分に付、詳細に説明す 。

  a)芳香族系重合性単量体
 芳香族系重合性単量体は、1個の重合性基と 、少なくとも1個のハロゲノアルキル基と、 び少なくとも1個の該ハロゲノアルキル基を 4級アンモニウム基に誘導する反応に対して 不活性な不活性基とが芳香環に結合する、下 記化学式(1)で示される化合物である。

 上記化学式(1)において、Vは重合性基であ る。重合性基としては、不飽和結合を有する 炭素数2~5の炭化水素基が好ましい。ビニル基 、プロペニル基、ブチレン基等が例示される 。入手の容易さの点で、ビニル基が特に好ま しい。

 Aは、芳香環である。芳香環としては、単 環式及び複数の芳香環が縮合した多環式のも のがある。具体的には、ベンゼン環、ナフタ レン環、アントラセン環及びこれらの誘導体 等が例示される。アニオン交換樹脂のアニオ ン交換基密度が高くできる点、入手の容易性 の点から、単環式のベンゼン環が好ましい。

 RXはハロゲノアルキル基である。アルキ 基の、炭素数は1~10が好ましく、炭素数1~5が り好ましい。ハロゲノアルキル基のハロゲ 原子は塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原 であり、これらのハロゲン原子の中でも塩 原子が入手の容易さの点で好ましい。

 ハロゲノアルキル基としては、クロロメ ル基、クロロエチル基、クロロプロピル基 クロロブチル基、クロロペンチル基、クロ へキシル基、クロロオクチル基、ブロモメ ル基、ブロモエチル基、ブロモプロピル基 ブロモブチル基、ブロモペンチル基、ブロ へキシル基、ブロモオクチル基、ヨードメ ル基、ヨードエチル基、ヨードプロピル基 ヨードブチル基、ヨードペンチル基、ヨー へキシル基、ヨードオクチル基等が例示さ る。

 Bは、前記ハロゲノアルキル基を第4級ア モニウム基に誘導する反応に対する不活性 である。ここで、ハロゲノアルキル基を第4 アンモニウム基に誘導する反応は、芳香族 重合性単量体を含む重合性組成物を用いて 膜を製造する際に行うアニオン交換基の導 反応を意味する。この反応の詳細は後述す 。この第4級アンモニウム基に誘導する反応 に対して不活性な不活性基は、該反応に対し 反応性を示さず、且つ隔膜として使用する際 に安定な基であれば特に制限は無い。不活性 基としては、ニトロ基、シアノ基、フェニル 基等を例示できる。これらの不活性基は隔膜 に対するメタノール等の液体燃料の透過抑制 効果を示す。しかし、液体燃料の透過抑制効 果の高さ、更にはアニオン交換樹脂を製造す る際の重合性等を勘案すると、アルキル基、 ハロゲン原子、及びアルコキシ基からなる群 より選ばれる不活性基が特に好ましい。最も 好ましい不活性基は、アルキル基である。

 アルキル基としては、炭素数が1~15個のも のが好ましい。アルキル基としては、メチル 基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基 、n-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、n -ヘプチル基、n-ヘキシル基、n-ペンチル基、n -オクチル基、n-ノニル基、n-デカニル基、ス アリル基等が例示される。

  炭素数が2~15個のアルキル基は、炭素数 1個のメチル基よりも、高い液体燃料の透過 抑制効果が発揮されるので、好ましいアルキ ル基である。炭素数が2~10個のアルキル基は 液体燃料の透過抑制効果が高く、且つ得ら る隔膜の電気抵抗値が通常の好ましい使用 囲に保たれるので、特に好ましい。一方、 素数が1個のメチル基も、重合性単量体の入 の容易性、重合性の高さの点で好ましい。 体燃料の透過抑制効果が高い点で、分岐し アルキル基よりも、直鎖アルキル基が好ま い。

 ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩 原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる これらのハロゲン原子の中でも塩素原子が 手の容易さの点で好ましい。

 アルコキシ基としては、炭素数が1~15のア ルコキシ基が好ましく、炭素数が2~10アルコ シ基がより好ましい。具体的には、メトキ 基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロ キシ基、n-ブトキシ基、iso-ブトキシ基、ter- トキシ基、ペントキシ基、オクチロキシ基 n-ノニロキシ基、n-デカニロキシ基、ステア リロキシ基等が例示できる。前記不活性基と して例示したアルキル基の場合と同様に、炭 素数が2~15個、好適には2~10個のアルコキシ基 、炭素数が1個のメトキシよりも、より高い 液体燃料の透過抑制作用を発揮する。

  一方、炭素数が1個のメトキシ基は、重 性単量体の入手の容易性、重合性の高さ、 には第4級アンモニウム基の導入のし易さ等 の点で有利である。

 sは整数であり、芳香環に結合しているハ ロゲノアルキル基の数を表す。sは、少なく も1個である。後述するように、このハロゲ アルキル基は、隔膜製造の過程で、アニオ 交換基である第4級アンモニウム基に誘導さ れる。ハロゲノアルキル基の数sは、通常は 2個以内であり、1個が最も好ましい。

 pは整数であり、芳香環に結合している前 記不活性基の数を表す。pは、少なくとも1個 ある。不活性基の数pは、通常は1~4が好まし く、1~2がより好ましい。

 なお、p+q<=W-1である。ここで、Wは置換 を持たない芳香環に結合する水素原子数を す。即ち、芳香環がベンゼン環の場合は、W =6で、ナフタレン環の場合はW=8で、アントラ ン環の場合はW=10である。

 この芳香族系重合性単量体において、不 性基の結合している前記芳香環の炭素原子 、ハロゲノアルキル基が結合している芳香 の炭素原子とは、芳香環内において、近い 置関係にあることが好ましく、隣接する位 関係にあることが特に好ましい。得られる 膜の液体燃料透過防止能力の高さの点で、 活性基の少なくとも1個は、重合性基Vに対 て芳香環のパラ位に結合されていることが ましい。不活性基がパラ位に結合すること より、得られる隔膜の液体燃料透過防止能 が向上し、電気抵抗がより低くなる。

 前記化学式(1)で示される芳香族系重合性 量体としては、以下の化合物が例示される

 不活性基がアルキル基である単環式芳香 系重合性単量体としては、2-メチル-4-クロ メチルスチレン、3-メチル-4-クロロメチルス チレン、2-メチル-3-クロロメチルスチレン、2 -メチル-5-クロロメチルスチレン、4-メチル― 3-クロロメチルスチレン、4-メチル-2-クロロ チルスチレン、4-エチル―3-クロロメチルス レン、4-プロピル-3-クロロメチルスチレン 4-ペンチル-3-クロロメチルスチレン、4-ヘキ ル-3-クロロメチルスチレン、4-ヘキシル-3- ロロメチルスチレン、4-オクチル―3-クロロ チルスチレン、4-メチル-3-クロロエチルス レン、4-メチル-3-クロロプロピルスチレン、 4-メチル-3-クロロブチルスチレン、4-メチル-3 -ヨードメチルスチレン、4-メチル-3-ヨードエ チルスチレン、4-メチル-3-ヨードプロピルス レン、4-メチル-3-ヨードブチルスチレン、4- メチル-3-ヨードペンチルスチレン、4-メチル- 3-ヨードメチルスチレン等が例示される。

  不活性基がハロゲン原子である単環式 香族系重合性単量体としては、2-クロロ-4-ク ロロメチルスチレン、3-クロロ-4-クロロメチ スチレン、2-クロロ-3-クロロメチルスチレ 、2-クロロ-5-クロロメチルスチレン、4-クロ ―3-クロロメチルスチレン、4-クロロ-2-クロ ロメチルスチレン、4-ヨード-3-クロロメチル チレン、4-フルオロ-3-クロロメチルスチレ 、4-ヨード-3-クロロメチルスチレン、4-クロ -3-クロロエチルスチレン、4-クロロ-3-クロ プロピルスチレン、4-クロロ-3-クロロブチル スチレン、4-クロロ-3-ヨードメチルスチレン 4-クロロ-3-ヨードエチルスチレン、4-クロロ -3-ヨードプロピルスチレン、4-クロロ-3-ヨー ブチルスチレン、4-クロロ-3-ヨードペンチ スチレン、4-クロロ-3-ヨードメチルスチレン 等が挙げられる。

  不活性基がアルコキシ基である単環式 香族系重合性単量体としては、2-メトキシ-4- クロロメチルスチレン、3-メトキシ-4-クロロ チルスチレン、2-メトキシ-3-クロロメチル チレン、2-メトキシ-5-クロロメチルスチレン 、4-メトキシ―3-クロロメチルスチレン、4-メ トキシ-2-クロロメチルスチレン、4-エトキシ 3-クロロメチルスチレン、4-プロポキシ-3-ク ロロメチルスチレン、4-ブトキシ-3-クロロメ ルスチレン、4-メトキシ-3-クロロエチルス レン、4-メトキシ-3-クロロプロピルスチレン 、4-メトキシ-3-クロロブチルスチレン、4-メ キシ-3-ヨードメチルスチレン、4-メトキシ-3- ヨードエチルスチレン、4-メトキシ-3-ヨード ロピルスチレン、4-メトキシ-3-ヨードブチ スチレン、4-メトキシ-3-ヨードペンチルスチ レン、4-メトキシ-3-ヨードメチルスチレン等 例示される。

 不活性基がアルキル基の2環式芳香族系重 合性単量体としては、1-ビニル-3-メチル-4-ク ロメチルナフタレン、1-ビニル-6-メチル-4- ロロメチルナフタレン、2-ビニル-5-メチル-6- クロロメチルナフタレン、1-ビニル-3-エチル- 4-クロロメチルナフタレン、1-ビニル-3-ブチ -4-クロロメチルナフタレン等が例示される

  不活性基がハロゲン原子の2環式芳香族 重合性単量体としては、1-ビニル-3-クロロ-4 -クロロメチルナフタレン、1-ビニル-6-クロロ -4-クロロメチルナフタレン、2-ビニル-5-クロ -6-クロロメチルナフタレン、1-ビニル-3-ブ モ-4-クロロメチルナフタレン、1-ビニル-3-フ ルオロ-4-クロロメチルナフタレン等が例示さ れる。

  不活性基がアルコキシ基である2環式芳 族系重合性単量体としては、1-ビニル-3-メ キシ-4-クロロメチルナフタレン、1-ビニル-6- メトキシ-4-クロロメチルナフタレン、2-ビニ -5-メトキシ-6-クロロメチルナフタレン、1- ニル-3-エトキシ-4-クロロメチルナフタレン 1-ビニル-3-ブトキシ-4-クロロメチルナフタレ ン等が例示される。

 不活性基がアルキル基の3環式芳香族系重 合性単量体としては、1-ビニル-3-メチル-4-ク ロメチルアントラセン、1-ビニル-5-メチル-4 -クロロメチルアントラセン、2-ビニル-4-メチ ル-6-クロロメチルアントラセン、2-ビニル-5- チル-6-クロロメチルアントラセン、1-ビニ -3-エチル-4-クロロメチルアントラセン、1-ビ ニル-3-ブチル-4-クロロメチルアントラセン等 が例示される。

  不活性基がハロゲン原子の3環式芳香族 重合性単量体としては、1-ビニル-3-クロロ-4 -クロロメチルアントラセン、1-ビニル-5-クロ ロ-4-クロロメチルアントラセン、2-ビニル-4- ロロ-6-クロロメチルアントラセン、2-ビニ -5-クロロ-6-クロロメチルアントラセン、1-ビ ニル-3-ブロモ-4-クロロメチルアントラセン、 1-ビニル-3-フルオロ-4-クロロメチルアントラ ン等が例示される。

  不活性基がアルコキシ基である3環式芳 族系重合性単量体としては、1-ビニル-3-メ キシ-4-クロロメチルアントラセン、1-ビニル -5-メトキシ-4-クロロメチルアントラセン、2- ニル-4-メトキシ-6-クロロメチルアントラセ 、2-ビニル-5-メトキシ-6-クロロメチルアン ラセン、1-ビニル-3-エトキシ-4-クロロメチル アントラセン、1-ビニル-3-ブトキシ-4-クロロ チルアントラセン等が例示される。

 これらの芳香族系重合性単量体の中でも 下記化学式(2)で示される単環式芳香族系重 性単量体が好ましい。

上記化学式(2)において、V、RX、B、p、およ sは、前記化学式(1)と同じである。

 重合性組成物中の芳香族系重合性単量体 含有量は、特に制限されるものではないが 重合性組成物中に含まれる重合性単量体合 量の60~99質量%が好ましく、75~98質量%がより ましい。芳香族系重合性単量体の含有量を 記範囲に制御することにより、得られるア オン交換樹脂に対する液体燃料の透過性は くなり、液体燃料による膨潤等を有効に防 でき、電気抵抗値も十分低くなる。

  b)架橋性重合性単量体
 重合性組成物に配合する架橋性重合性単量 としては、従来公知のイオン交換膜の製造 おいて用いられる単量体が制限無く使用で る。架橋性重合性単量体を重合性組成物に 合することにより、得られるアニオン交換 脂は架橋型になる。架橋型のイオン交換樹 は本質的に溶媒に不溶である。水やアルコ ルに対する溶解性は無く、膨潤も最小限に り、樹脂にアニオン交換基を多量に導入し も溶解しない。その結果、本隔膜は電気抵 が極めて小さくなる。

 架橋性重合性単量体としては、具体的に 、例えばm-、p-、o-ジビニルベンゼン、ジビ ルスルホン、ブタジエン、クロロプレン、 ソプレン、トリビニルベンゼン類、ジビニ ナフタリン、ジアリルアミン、トリアリル ミン、ジビニルピリジン類などのジビニル 合物が挙げられる。

 重合性組成物中の架橋性重合性単量体の 有量は、特に制限されるものではないが、 合性組成物中に含まれる重合性単量体合計 の1~40質量%が好ましく、2~25質量%がより好ま しい。架橋性重合性単量体の含有量がこの範 囲に制御されることにより、得られるアニオ ン交換樹脂は、液体燃料の透過性が低く、膨 潤等の防止効果に一層に優れ、電気抵抗が特 に低いものになる。

  c)重合開始剤
 上記重合性組成物は、重合開始剤を含有す 。重合開始剤としては、上記芳香族系重合 単量体、架橋性重合性単量体の重合を開始 せる化合物であれば、特に限定されない。

 重合開始剤としては、有機過酸化物が好 しい。例えば、オクタノイルパーオキシド ラウロイルパーオキシド、t-ブチルパーオ シ-2-エチルヘキサノエート、ベンゾイルパ オキシド、t-ブチルパーオキシイソブチレー ト、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ヘキ ルパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパ オキシド等のラジカル重合開始剤が挙げら る。

 重合性組成物中の重合開始剤の含有量は 使用する重合性単量体の組成や重合開始剤 種類に応じて、常法に準じて適宜採択され 。通常は、前記重合性単量体成分の合計(後 述するその他の重合性単量体を使用する場合 は、その含有量も含む)100質量部に対して、 合開始剤が0.1~20質量部含有されることが好 しく、0.5~10質量部がより好ましい。

 なお、重合性組成物には、前記a)芳香族 重合性単量体以外に、アニオン交換基を導 し得る、他の芳香族系重合性単量体を含有 せても良い。他の芳香族系重合性単量体と ては、例えば、2-クロロメチルスチレン、3- ロロメチルスチレン、4-クロロメチルスチ ン、2-クロロエチルスチレン、3-クロロエチ スチレン、4-クロロエチルスチレン、2-クロ ロプロピルスチレン、3-クロロプロピルスチ ン、4-クロロプロピルスチレン、2-クロロブ チルスチレン、3-クロロブチルスチレン、4- ロロブチルスチレン、2-ヨードブチルスチレ ン、3-ヨードブチルスチレン、4-ヨードブチ スチレン、ビニルキシレン、α-メチルスチ ン、ビニルナフタレン、α-ハロゲン化スチ ン類、アセナフチレン類等が挙げられる。

  他の芳香族系重合性単量体の含有量は 重合性組成物中に含まれる重合性単量体合 量の80質量%以下が好ましく、50質量%以下が り好ましく、30質量%以下が最も好ましい。

 重合性組成物には、上記各必須成分の他 、機械的強度等の物性や、重合性等の反応 を調節することを目的として、必要に応じ その他の成分が少量含有されていてもよい その他の成分の含有量は、本発明の目的に しない限度内である。

  その他の成分としては、例えば、アク ロニトリル、アクロレイン、メチルビニル トン等の他の重合性単量体や、ジブチルフ レート、ジオクチルフタレート、ジメチル ソフタレート、ジブチルアジペート、トリ チルシトレート、アセチルトリブチルシト ート、ジブチルセバケート等の可塑剤類が げられる。

 その他の成分として重合性単量体を重合 組成物中に含有させる場合、その含有量は 全重合性単量体成分合計量の20質量%以下が ましく、10質量%以下がより好ましい。可塑 類の使用量は上記全重合性単量体成分合計1 00質量部に対して50質量部以下が好ましい。

 (多孔質膜)
 本発明の隔膜の第1の製造方法においては、 まず、上記重合性組成物と多孔質膜とを接触 させる。この接触により、重合性組成物は多 孔質膜の有する空隙部に充填される。その後 、空隙部に充填された重合性組成物を重合さ せる。

 多孔質膜を基材に用いて製造されるアニ ン交換膜を燃料電池用隔膜に使用する場合 多孔質膜が補強材となり、隔膜の物理的強 が高められる。従って、この隔膜は、多孔 膜を使用しないアニオン交換樹脂隔膜と比 し、膜厚を小さくできる。その結果、隔膜 電気抵抗は小さくなる。

 多孔質膜は、その内部に細孔等による空 部を有する。多孔質膜は、少なくとも空隙 の一部を介して、膜の表裏が連通されてい 。本発明において使用する多孔質膜として 、上記構造を有する公知の多孔質膜が制限 く使用できる。

 多孔質膜の空隙部の平均孔径は、0.01~2μm 好ましく、0.015~0.4μmがより好ましい。平均 径が0.01μm未満の場合は、アニオン交換樹脂 の充填量が不足する。平均孔径が2μmを超え 場合はアルコールの透過性が大きくなり易 。

 多孔質膜の空隙率(気孔率とも呼ばれる) 、20~95%が好ましく、30~90%がより好ましい。 隙率が95%を超える場合は、隔膜の強度が不 しやすい。空隙率が20%未満の場合は、電気 抗が高くなりやすい。

 透気度(JIS P-8117)は1500秒以下が好ましく 1000秒以下がより好ましい。この範囲の透気 とすることにより、得られる燃料電池用隔 の電気抵抗が低くなり、高い物理的強度が たれる。

 厚みは5~150μmが好ましく、10~120μmがより ましく、10~70μmが特に好ましい。

 表面平滑性は、粗さ指数で表して10μm以 が好ましく、5μm以下がより好ましい。この 囲の平滑性とすることにより、得られる燃 電池用隔膜の液体燃料に対する高い非透過 が達成される。

 当該多孔質膜の形態は特に限定されず、 孔質フィルム、織布、不織布、紙、無機膜 の任意の形態のものが使用される。多孔質 の材質としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性 脂、無機物、それらの混合物が例示される しかし、その製造が容易であるばかりでな 、後述するカチオン交換樹脂との密着強度 高いという観点から、多孔質膜の材質は熱 塑性樹脂が好ましい。

 熱可塑性樹脂としては、エチレン、プロ レン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3 -メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、5-メ ル-1-ヘプテン等のα-オレフィンの単独重合 または共重合体等のポリオレフィン樹脂;ポ リ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重 体、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、 化ビニル-オレフィン共重合体等の塩化ビニ ル系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、ポ クロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化 ニリデン、テトラフルオロエチレン-ヘキサ ルオロプロピレン共重合体、テトラフロオ エチレン-ペルフロオロアルキルビニルエー テル共重合体、テトラフルオロエチレン-エ レン共重合体等のフッ素系樹脂;ナイロン6、 ナイロン66等のポリアミド樹脂;ポリイミドや ポリスルホン、ポリエーテルケトン等のいわ ゆるエンジニアリングプラスチック等が例示 される。

 これらの熱可塑性樹脂のなかでも、機械 強度、化学的安定性、耐薬品性に優れ、炭 水素系イオン交換樹脂との親和性が良いこ から、熱可塑性樹脂としてはポリオレフィ 樹脂が好ましい。

 ポリオレフィン樹脂の中でも、ポリエチ ン又はポリプロピレン樹脂が好ましく、ポ エチレン樹脂が最も好ましい。

 上記多孔質膜は、例えば特開平9-216964号 報、特開2002-338721号公報等に記載の方法によ って得ることもできる。あるいは、市販品( えば、旭化成「ハイポア」、宇部興産「ユ ポア」、東燃タピルス「セテラ」、日東電 「エクセポール」、三井化学「ハイレット 等)として入手することも可能である。

 (重合性組成物と多孔質膜との接触)
 重合性組成物と多孔質膜との接触方法は、 合性組成物が多孔質膜の有する空隙部に浸 できる状態で両者が接触するものであれば 何れの方法でも良い。例えば、重合性組成 を多孔質膜に塗布する方法、スプレーする 法、あるいは、多孔質膜を重合性組成物中 浸漬する方法などが例示される。

  多孔質膜が重合性組成物に浸漬されて 触させられる場合、その浸漬時間は多孔質 の種類や重合性組成物の組成により相違す が、一般的には、0.1秒~十数分である。

 (重合)
 多孔質膜の空隙部に充填された重合性組成 は、次いで重合させられる。重合方法は特 限定されず、用いる重合性単量体の組成及 重合開始剤の種類に応じて適宜公知の方法 採用される。重合開始剤として、有機過酸 物を用いる場合は、加熱による重合方法(熱 重合)が一般的である。この方法は、操作が 易で、また比較的均一に重合させることが きるので、他の重合方法よりも好ましい。

  重合に際しては、重合性組成物が充填 れている多孔質膜をポリエステル等のフィ ムで覆った後、重合させることが好ましい フィルムで多孔質膜を覆うことにより、酸 による重合阻害を防止できる。更に、過剰 重合性組成物が多孔質膜から排除され、薄 、均一で、表面の平滑性な燃料電池用隔膜 製造される。

 熱重合させる場合、重合温度は特に制限 れず、公知の温度条件を適宜選択すればよ 。一般的には、重合温度は50~150℃で、好ま くは60~120℃である。重合時間は、10分~10時 が好ましい。

 (アニオン交換基の導入)
 上記のようにして製造される、多孔質膜と 多孔質膜の空隙部に充填された重合性組成 が重合してなる樹脂硬化体とからなる膜状 分子体には、次いでアニオン交換基として 4級アンモニウム基が導入される。

 第4級アンモニウム基の導入は、多孔質膜 の空隙部に充填された上記樹脂硬化体のハロ ゲノアルキル基を第4級アンモニウム基に誘 するものである。このハロゲノアルキル基 、重合性組成物中に配合されている芳香族 重合性単量体のハロゲノアルキル基に由来 ている。

 ハロゲノアルキル基を第4級アンモニウム 基に誘導する方法としては、トリメチルアミ ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン 、トリブチルアミン、エチル-ジメチルアミ などのアミノ化剤を、前記製造した膜状高 子体のハロゲノアルキル基と反応させる方 が挙げられる。この第4級アンモニウム基を 入する反応自体は、公知の方法である。

 なお、上記のようにアニオン交換基を導入 た隔膜は、アニオン交換基の対イオンを水 化物イオンに交換することが好ましい。具 的にはアニオン交換基を導入した隔膜を水 化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶 に浸漬して対イオンの交換を行う。これら 酸化物の濃度は特に限定されず、0.1-2mol/L程 度であり、浸漬温度は5~60℃、浸漬時間は0.5~2 4時間程度である。対イオンの交換を行った 膜は、電池に組み込まれた場合、水酸化物 オンの伝導性を高め高い出力を得易くし、 つ電極の触媒の被毒を避けることができる なお、このように水酸化物イオンに交換さ た対イオンは、隔膜が大気に曝されている 合には、該大気中の二酸化炭素を吸収し、 速に該対イオンは水酸化物イオンから炭酸 オン(CO 3 2- )に置換されていき、次いで重炭酸イオン(HCO 3 - )へと変化していくのが普通である。よって 上記対イオンを水酸化物イオンに交換し空 中に十分放置した本発明の隔膜は、電池に み込み運転を開始する際には、通常、該水 化物イオンの一部または全部が、炭酸イオ (CO 3 2- )および/または重炭酸イオン(HCO 3 - )に交換された状態にある。

 第2の製造方法について
 本発明の隔膜は、上記第1の製造方法の他、 次の第2の製造方法によっても製造できる。

 第2の製造方法で製造する隔膜は、不活性 基として水酸基を有する隔膜である。

  第2の製造方法においては、先ず、アル キシ基又はアシロキシ基を有する芳香族系 合性単量体を含む重合性組成物を、多孔質 の空隙部に充填させた後、前記充填した重 性組成物を重合させる。次いで、重合性組 物を重合させて得られる樹脂硬化体のアル キシ基又はアシロキシ基を加水分解し、こ らを水酸基に誘導する。なお、この水酸基 、後工程の第4級アンモニウム基に誘導する 反応に対して、不活性基である。その後、樹 脂硬化体のハロゲノアルキル基を第4級アン ニウム基に誘導する反応を実施することに り、不活性基として水酸基を有する本隔膜 得られる。

 (重合性組成物)
 第2の製造方法において、出発原料である重 合性組成物は、a)芳香族系重合性単量体、b) 橋性重合性単量体、c)重合開始剤を必須成分 とする。

  必須成分のb)架橋性重合性単量体、及び c)重合開始剤は、前記第1の製造方法で詳述し たものと同様であるため、その説明を省略す る。

  以下、a)芳香族系重合性単量体について 説明する。なお、各成分の含有量は、第1の 造方法で詳述したものと同様である。しか 、第2の製造方法においては、更に液体燃料 非透過性に優れ、膜抵抗の値が更に低い隔 を得る観点から、b)架橋性重合性単量体の 有量は、重合性組成物中に含まれる重合性 量体合計量の5~30質量%が特に好ましく、7~30 量%が最も好ましい。

  a)芳香族系重合性単量体
 第2の製造方法で使用するa)芳香族系重合性 量体は、1個の重合性基と、少なくとも1個 ハロゲノアルキル基と、少なくとも1個のア コキシ基及び/又はアシロキシ基とを結合す る芳香環を有する芳香族系重合性単量体であ る。

 この芳香属系重合性単量体を、下記化学 (3)に示す。

       

 ここで、V、A、RX、p、sは、化学式(1)の定 と同じである。

 Cは、アルコキシ基又はアシロキシ基を示 す。

 上記芳香族系重合性単量体(3)のうち、芳 環にアルコキシ基が少なくとも1個結合する 単量体は、第1の製造方法で説明した、芳香 にアルコキシ基が少なくとも1個結合する単 体と同じ単量体である。

  芳香環にアシロキシ基が少なくとも1個 合する単量体において、該アシロキシ基は 下記式で示される。

     
         
    

ここで、R 1 はアルキル基であり、炭素数が1~15のものが ましい。

 アシロキシ基の具体例としては、アセト シ基、エチロキシ基、n-プロピロキシ基、n- ブチロキシ基、iso-ブチロキシ基、ter-ブトキ 基、ブチロキシ基、ペンチロキシ基、n-デ ニロキシ基等を例示できる。これらのアシ キシ基の中でも、加水分解による水酸基へ 誘導が容易である点から、炭素数が1~2のア ロキシ基がより好ましく、アセトキシ基が に好ましい。

 芳香族系重合性単量体としては、下記化 式(5)で示される単環式芳香族系重合性単量 が、特に好ましい。

 アシロキシ基を有する単環式芳香族系重合 単量体としては、
2-アセトキシ-4-クロロメチルスチレン、3-ア トキシ-4-クロロメチルスチレン、2-アセトキ シ-3-クロロメチルスチレン、2-アセトキシ-5- ロロメチルスチレン、4-アセトキシ―3-クロ ロメチルスチレン、4-アセトキシ-2-クロロメ ルスチレン、4-エチロキシ―3-クロロメチル スチレン、2-アセトキシ-4-クロロエチルスチ ン、2-アセトキシ-4-クロロプロピルスチレ 、2-アセトキシ-4-ブロモメチルスチレン、2- セトキシ-4-ブロモエチルスチレン、2-アセ キシ-4-ブロモブチルスチレン、
2-アセトキシ-4-ヨードメチルスチレン、2-ペ チロキシ-4-クロロメチルスチレン等が挙げ れる。

  アシロキシ基を有する2環式芳香族系重合 単量体としては、
1-ビニル-3-アセトキシ-4-クロロメチルナフタ ン、1-ビニル-6-アセトキシ-4-クロロメチル フタレン、2-ビニル-4-アセトキシ-6-クロロメ チルナフタレン、2-ビニル-5-アセトキシ-6-ク ロメチルナフタレン等が挙げられる。

  アシロキシ基を有する3環式芳香族系重合 単量体としては、
1-ビニル-3-アセトキシ-4-クロロメチルアント セン、1-ビニル-5-アセトキシ-4-クロロメチ アントラセン、2-ビニル-4-アセトキシ-6-クロ ロメチルアントラセン、2-ビニル-5-アセトキ -6-クロロメチルアントラセン等が挙げられ 。

 (多孔質膜)
 多孔質膜としては、第1の製造方法で述べた 多孔質膜がそのまま利用できる。

 (重合性組成物と多孔質膜との接触)
 重合性組成物と多孔質膜との接触方法につ ても、前記第1の製造方法で説明した接触方 法がそのまま利用できる。

 (重合)
 上記重合性組成物と多孔質膜とを接触させ ことにより、多孔質膜の空隙部に充填され 重合性組成物は、次いで重合させられる。 合方法は、前記第1の製造方法で説明した重 合方法と同様である。

 (水酸基への誘導)
 上記重合操作により得られる重合硬化体を 次いで加水分解処理に付す。この加水分解 理により、アルコキシ基又はアシロキシ基 、水酸基に誘導される。誘導された水酸基 、第4級アンモニウム基に誘導する反応に対 して不活性な、不活性基である
 アルコキシ基を水酸基に誘導する方法とし は、定法に従って、臭酸やヨウ化水素等の ロゲン化水素でアルコキシ基を加水分解す 方法が好ましい。具体的には、重合硬化体 ケトンやアルコールの臭酸溶液で処理する ハロゲン化水素濃度は 0.1~5mol/Lが好ましく 処理温度は20~90℃が好ましい。処理時間は  5~48時間が好ましい。

 アシロキシ基を水酸基に誘導する方法と ては、通常のエステルの加水分解方法が挙 られる。具体的には、樹脂硬化体を、アル リ性物質又は酸性物質の水溶液や、アルカ 性物質又は酸性物質の水とアルコール類や とケトン類などの混合溶液で処理する。

  アルカリ物質としては、水酸化ナトリ ムや水酸化カルシウムなどのアルカリ金属 アルカリ土類金属の水酸化物がある。酸性 質としては、塩酸、硫酸などがある。

  加水分解処理を行う際の酸性物質やア カリ性物質の濃度としては、例えば水酸化 トリウムを用いる場合、0.1~5mol/Lが好ましく 処理温度は20~80℃が好ましい。処理時間は5~ 24時間が好ましい。この様な加水分解処理条 は、当業界において周知である。

 (アニオン交換基の導入)
 上記のようにして水酸基に誘導された樹脂 化体に、次いで第4級アンモニウム基を導入 する。

 第4級アンモニウム基は、樹脂硬化体の芳 香環に導入する。なお、この芳香環は、重合 性組成物中に配合されている芳香族系重合性 単量体の芳香環に由来している。

 第4級アンモニウム基の導入方法は、前記 第1の製造方法において記載した方法と同様 ある。また、このようにしてアニオン交換 を導入した隔膜は、アニオン交換基の対イ ンを水酸化物イオンに交換することが好ま い。交換方法は、前記第1の製造方法におい 記載した。

 (直接液体型燃料電池用隔膜)
 以上の第1の製造方法および第2の製造方法 より得られる、多孔質膜の空隙部にアニオ 交換樹脂が充填されてなるアニオン交換膜 、必要に応じて洗浄、裁断などが行われ、 法に従って直接液体型燃料電池用の隔膜と て燃料電池に組込まれる。

 本発明の直接液体型燃料電池用隔膜は、 孔質膜と、前記多孔質膜の有する空隙部に 填されたイオン交換樹脂とからなる。そし 、該イオン交換樹脂は、架橋構造を有する チレン主鎖に芳香環が結合された構造をし いる。更に、芳香環には、第4級アンモニウ ム基、及びハロゲノアルキル基の第4級アン ニウム基に誘導する反応に対して不活性な 活性基が結合している。具体的には、多孔 膜を基材とし、この多孔質膜の有する空隙 、下記化学式(6)、又は(7)で示されるアニオ 交換樹脂が充填された構造を有する。

  上記化学式(6)は、第1の製造方法におい 製造される陰イオン交換樹脂を示す。Aは化 学式(1)の場合と同様に芳香環を示し、直線で 示される2本のメチレン主鎖に結合している p、およびsも、前記化学式(1)の場合と同じで ある。また、第4級アンモニウム基に誘導す 反応に対して不活性な不活性基Bも、前記化 式(1)の場合と同じであり、好適なものとし 、アルキル基、ハロゲン原子、及びアルコ シ基からなる群より選ばれる基である。

  化学式(7)は、第2の製造方法において製 される陰イオン交換樹脂を示す。

 前記化学式(6)、(7)で示されるアニオン交 樹脂は、メチレン主鎖同士を結合する架橋 造を有する。化学式(6)、(7)において、水平 向にのびる上下の2直線はメチレン鎖を示し 、前記メチレン主鎖同士を連結する垂直方向 の直線で架橋鎖を模式的に示している。

 架橋鎖は、特に制限が無く、メチレン主 を相互に架橋するものであれば任意のもの 使用できる。隔膜に対する液体燃料の非透 性、電気抵抗の低下を勘案して、架橋鎖の 類を適宜選択することが好ましい。

  一般的には、重合の際の架橋剤として 用されている前記架橋性重合性単量体に由 する構造の架橋鎖が採用される。好ましい 橋鎖としては、前記架橋性重合性単量体の 明から明らかなように、ジビニルベンゼン 来の架橋鎖が例示される。

 本発明の直接液体型燃料電池用隔膜とし 、特に好ましいアニオン交換樹脂の化学構 を化学式(8)、(9)に示す。

 この化学式(8)、(9)に示すアニオン交換樹 において、特に好ましいアニオン交換樹脂 、水平方向の2本の直線で示されるメチレン 鎖をジエチルベンゼン骨格単位で架橋すると 共に、REとしてトリメチルアンモニウム基を ンゼン環に結合している構造のアニオン交 樹脂が例示される。

  架橋鎖としてのジエチルベンゼン骨格 位と、トリメチルアンモニウム基を持つベ ジル部位を有する単位とのモル比は、前記 造方法における重合性組成物の好適な配合 合から換算して、1:99~40:60が好ましく、2:98~30 :70がより好ましい。トリメチルアンモニウム と不活性基Bとのモル比は1:1である。

 アニオン交換樹脂中に含まれる不活性基の 認は、赤外分光法等の分析手段を用いて、 の特性吸収ピークを確認すれば良い。例え 、該不活性基がアルコキシ基である場合、 の存在は、上記赤外分光法による測定にお て、エーテル構造-C-O-C-の特性吸収である103 0cm -1 および1245cm -1 の吸収ピークにより確認される。また、不活 性基がハロゲン原子の場合、例えば塩素原子 であれば、芳香族C-Clの特性吸収である1090cm -1 の吸収ピークにより確認される。さらに、適 当な内部標準物質を樹脂中に添加することに よって、これらの不活性基の存在量も定量す ることができる。

 本発明の直接液体型燃料電池用隔膜は、 ニオン交換容量が、定法による測定で、通 0.1~3mmol/g、特に0.5~2mmol/gの高い値を有する。 なお、第2の製造方法で製造する隔膜のアニ ン交換容量は、0.1-1.8mmol/gであるのが特に好 しい。

  本発明の隔膜は、上述のように高いア オン交換容量を有しているため、この隔膜 組込んだ燃料電池は、高い電池出力を有し 燃料液体の透過性や、膜の電気抵抗も充分 低い。

  本発明の隔膜は、前記特定の組成の重 性組成物を使用している。その結果、隔膜 含水率は、通常5~90質量%、より好適には10~80 量%に保たれる。従って、乾燥による電気抵 抗の増加、即ち、水酸化物イオンの伝導性の 低下が生じ難い。また更に、燃料液体に対し て不溶性である。

 電気抵抗は、通常、0.5mol/L-NaCl水溶液中にお ける電気抵抗値で表して0.40ω・cm 2 以下、好ましくは0.25ω・cm 2 以下であり、この値は非常に小さい値である 。

  更に、本隔膜は、燃料液体の透過性が極 て小さい。例えば、25℃において30%のメタノ ールと隔膜とが接触している場合、隔膜中の メタノールの透過率は、通常1000g/m 2 ・hr以下で、好ましくは10~700g/m 2 ・hrの範囲である。

 本発明の燃料電池用隔膜は、電気抵抗が く、かつ燃料液体の透過率も小さいため、 接液体型燃料電池用隔膜として使用する場 、燃料室に供給する燃料液体が該隔膜を透 して反対の室に拡散することを有効に防止 きる。その結果、高い出力の電池が得られ 。この隔膜が組込まれる直接液体型燃料電 としては、図1に示す基本構造を有する燃料 電池が一般的である。しかし、その他の公知 の構造を有する直接液体型燃料電池に組込む ことができる。

 燃料液体としては、メタノールが最も一 的であり、メタノールを使用する場合に、 発明の利点が最も顕著に発揮されるもので る。その他の燃料液体としては、エタノー 、エチレングリコール、ジメチルエーテル ヒドラジン、アンモニア、水素化ホウ素ナ リウム等があるが、これらの燃料液体の場 も同様の優れた効果が発揮される。また更 、燃料は液体に限られず、気体の水素ガス を用いることもできる。

 以下、実施例により本発明を更に具体的 説明するが、本発明はこれらの実施例に限 されるものではない。

 なお、実施例、比較例においては、隔膜( アニオン交換膜)のアニオン交換容量、含水 、膜抵抗、メタノール透過率、燃料電池出 電圧を測定して燃料電池用隔膜の特性を評 した。これらの測定方法を以下に説明する

 1)アニオン交換容量および含水率
 イオン交換膜を0.5mol/L-NaCl水溶液に10時間以 浸漬し、塩化物イオン型とした。その後、 のイオン交換膜を0.2mol/L-NaNO 3 水溶液で硝酸イオン型に置換させ、この際に 遊離する塩化物イオンを、電位差滴定装置(CO MTITE-900、平沼産業株式会社製)用いて、硝酸 水溶液で定量した(Amol)。次に、同じイオン 換膜を0.5mol/L-NaCl水溶液に4時間以上浸漬した 。その後、浸漬したイオン交換膜をイオン交 換水で十分水洗した。ティッシュペーパーで イオン交換膜の表面の水分を拭き取り、湿潤 時の質量(Wg)を測定した。その後、このイオ 交換膜を60℃で5時間減圧乾燥させ、その質 を測定した(Dg)。これらの測定値を用いて、 オン交換容量および含水率を次式により算 した。

  イオン交換容量=A×1000/D[mmol/g-乾燥質量]
  含水率=100×(W-D)/D[%]

 2)膜抵抗
 それぞれ白金電極を備えた2つの室を有する 2室セルの中央にアニオン交換膜を置き、2つ 室を分離した。セル内に25℃の0.5mol/L-NaCl水 液を満たした。アニオン交換膜の両側には ギン管を設け、塩橋により参照電極と液絡 た。膜を挟んで100mA/cm 2 の電流を白金電極間に流したときの電位(aV) 、膜を挟まずに100mA/cm 2 の電流を流したときの電位(bV)をそれぞれ測 した。アニオン交換膜の電気抵抗は次式よ 求めた。

 電気抵抗=1000×(a-b)/100[ωcm 2 ]

 3)メタノール透過率
 燃料電池(隔膜面積5cm 2 )に膜を組込み、液体クロマトグラフィー用 溶離液供給ポンプを用いて、濃度30質量%の タノール水溶液を燃料室に供給した。酸化 室にアルゴンガスを300ml/minで供給した。恒 槽を用いて、25℃で測定を行った。酸化剤室 から流出するアルゴンガスをガス捕集器に導 いた。ガス捕集容器で捕集したアルゴンガス 中のメタノール濃度をガスクロマトグラフィ ーで測定し、隔膜を透過するメタノール量を 求めた。

 4)燃料電池出力電圧
 アニオン交換樹脂のテトラヒドロフラン溶 (樹脂濃度5質量%)と、白金とルテニウムとの 合金触媒(ルテニウム50mol%)を50質量%担持して るカーボンブラックとを混合して、触媒混 物を得た。

  ポリテトラフルオロエチレンで撥水化処 した厚さ100μm、空孔率80%のカーボンペーパ を準備した。このカーボンペーパー表面に 前記触媒混合物を塗布し、80℃で4時間減圧 燥して、ガス拡散電極を得た。触媒の塗布 は2mg/cm 2 であった。

 次に、測定する燃料電池用隔膜の両面に上 のガス拡散電極をセットし、100℃、圧力5MPa の加圧下で100秒間熱プレスした後、室温で2 間放置した。これを図1に示す構造の燃料電 に組み込んだ。燃料電池の温度を50℃に設 し、燃料室に10質量%メタノール水溶液を、 化剤室に大気圧の酸素を200ml/min.で供給し、 電試験を行なった。電流密度が0A/cm 2 、及び0.1A/cm 2 における電池の端子電圧を測定した。
〔第1の製造方法〕
 実施例1-9
 表1に示した組成表に従って、単量体等を混 合して単量体組成物を得た。なお、いずれの 系についても塩酸補足剤としてエポキシ化合 物(商品名:エポライト40E、共栄社化学株式会 製)を、単量体混合物の総量に対して5質量 ーセントを加えた。得られた単量体組成物40 0gを500mlのガラス容器に入れ、表1に示した多 質膜(重量平均分子量25万のポリエチレン製 膜厚25μm、平均孔径0.03μm、空隙率37%)を単量 体組成物に5分間浸漬した。

 多孔質膜を単量体組成物中から取り出し、 さ100μmのポリエステルフィルムを剥離材と て用いて、多孔質膜の両側を被覆した後、3 kg/cm 2 の窒素加圧下、80℃で5時間加熱し、単量体を 重合させた。

 得られた膜状の樹脂硬化体を6%のトリメ ルアミンと25%のアセトンとを含む水溶液中 室温で16時間浸漬し、これにより燃料電池用 隔膜を得た。この隔膜を0.5mol/Lの水酸化ナト ウム水溶液に25℃で5時間浸漬し、アニオン 換基の対イオンをクロルイオンから水酸化 イオンに交換し、室温下で空気中に10時間 上放置した。

 得られた燃料電池用隔膜のアニオン交換容 、含水率、膜抵抗、膜厚、メタノール透過 、及び燃料電池に組込んだ場合の燃料電池 出力電圧を測定した。結果を表2に示した。
〔第2の製造方法〕
 実施例10、11
 表1に示した組成表に従って、各種単量体等 を混合して単量体組成物を得た。この単量体 組成物を用いて、第1の製造方法と同様に操 して、膜状の樹脂硬化体を得た。

 500mlのガラス容器に、3mol/L-水酸化ナトリ ム水溶液100mlとメタノール100mlとを入れた。 この混合溶液に、得られた樹脂硬化体を浸漬 し、密閉状態で50℃で24時間反応させ、アセ キシ基を水酸基に変換した。

 反応終了後、水酸基に返還した樹脂硬化 を6%のトリメチルアミンと25%のアセトンを む水溶液中に、室温で16時間浸漬し、燃料電 池用隔膜を得た。この隔膜を0.5mol/Lの水酸化 トリウム水溶液に25℃で5時間浸漬し、アニ ン交換基の対イオンを水酸化物イオンに交 し、室温下で空気中に10時間以上放置した

 得られた燃料電池用隔膜の、アニオン交 容量、含水率、膜抵抗、膜厚、メタノール 過率、及び燃料電池に組込んだ場合の燃料 池の出力電圧を測定した。結果を表2に示し た。

 比較例1、2
 表1に示した単量体組成物と多孔質膜を用い た以外は、実施例1-9と同じ操作を行い、燃料 電池用隔膜を得た。

 この燃料電池用隔膜のアニオン交換容量 含水率、膜抵抗、膜厚、メタノール透過率 及び燃料電池に組込んだ場合の燃料電池の 力電圧を測定した。結果を表2に示した。