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Patent Searching and Data


Title:
SHADE GUIDE, METHOD FOR DISCRIMINATING TOOTH COLORS, ARTIFICIAL TOOTH MANUFACTURING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/008044
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a shade guide (100), in which a plurality of shade tabs of colors different from one another are regularly arranged on the basis of the colors. The arrangements of the shade tabs are decided on the basis of not only the S-values and the V-values, which are decided on what of the regions defined by a plurality of straight lines the coordinates of the color of the shade tabs belong to in the L*-C* plane, but also the H-values, which are decided on what of the regions defined by a plurality of straight lines those coordinates belong to in the a*-b* plane. S-groups (Sa - Sf) of the shade tab group sharing the S-value is arranged. In each of the S-groups, the V-rows of the shade tab group sharing the V-value are arranged. In each of the V-rows, the shade tabs of the different H-values are arranged in the order according to the H-values. The use of this shade guide makes it possible to discriminate the color of a tooth to be evaluated, appropriately and simply.

Inventors:
YAMAMOTO MAKOTO
YOSIMOTO RYUICHI
NEGORO NORIYUKI
YASUI MASUHITO
SHOU KOUJI
Application Number:
PCT/JP2007/063603
Publication Date:
January 15, 2009
Filing Date:
July 06, 2007
Export Citation:
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Assignee:
SHOFU INC (JP)
YAMAMOTO MAKOTO
YOSIMOTO RYUICHI
NEGORO NORIYUKI
YASUI MASUHITO
SHOU KOUJI
International Classes:
A61C5/77; A61C19/04
Foreign References:
JPH06233784A1994-08-23
JPH11262497A1999-09-28
US5685717A1997-11-11
Other References:
See also references of EP 2172170A4
Attorney, Agent or Firm:
IKEUCHI SATO & PARTNER PATENT ATTORNEYS (OAP TOWER8-30, Tenmabashi 1-chome,Kita-k, Osaka-shi Osaka 26, JP)
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Claims:
 互いに色が異なる複数のシェードタブが、その色に基づいて規則的に配置されたシェードガイドであって、
 前記複数のシェードタブの配置は、
 シェードタブの色をL * a * b * 表色系における座標で表した場合に、その座標が、L * -C * 平面において、所定の傾きk(0<k)を持った複数の直線によって区切られる領域のうち、どの領域に属するかによって決定されるS値と、
 シェードタブの色をL * a * b * 表色系における座標で表した場合に、その座標が、L * -C * 平面において、所定の傾きm(0>m)を持った複数の直線によって区切られる領域のうち、どの領域に属するかによって決定されるV値と、
 シェードタブの色をL * a * b * 表色系における座標で表した場合に、その座標が、a * -b * 平面において、複数の直線で区切られる領域のうち、どの領域に属するかによって決定されるH値とに基づいて決定される配置であり、
 シェードタブの色のS値が共通するシェードタブ群を1つのSグループとして、複数のSグループが配置され、
 各Sグループにおいて、シェードタブの色のV値が共通するシェードタブ群を並べた列を1つのV列として、複数のV列が配置され、
 各V列においては、H値が互いに異なる複数のシェードタブが、H値に応じた順番で並べられている、シェードガイド。
 各Sグループにおいては、複数のV列が縦方向に配置されており、
 各V列においては、複数のシェードタブが横方向に並べられている、請求項1に記載のシェードガイド。
 各Sグループにおいては、標準のV値のV列が前記縦方向の一番上に配置される、請求項2に記載のシェードガイド。
 各V列においては、標準のH値のシェードタブが中央に配置され、中央のシェードタブを挟んで、一方の側に標準のH値より赤みが強いH値のシェードタブを、他方の側に標準のH値より黄みが強いH値のシェードタブがそれぞれ配置されるように、前記複数のシェードタブが並べられる、請求項2に記載のシェードガイド。
 前記シェードガイドは、複数のシェードタブを配置するためのベースを備え、
 前記複数のシェードタブは、V列ごと、およびシェードタブごとに前記ベースから取り外し可能である、請求項1に記載のシェードガイド。
 前記配置された複数のシェードタブの下部に沿って設けられる歯肉色の歯肉色部をさらに備える、請求項1に記載のシェードガイド。
 請求項1に記載のシェードガイドを用いて、評価対象歯の色を判別する方法であって、
 各Sグループと評価対象歯とを比較することにより、評価対象歯の色に最も近い色のSグループを選択するS値選択工程と、
 前記選択したSグループに含まれるV列のうち1つのV列における各シェードタブと評価対象歯とを比較することにより、評価対象歯の色に最も近い色のシェードタブを選択するH値選択工程と、
 選択されたSグループ内に含まれる各V列における、前記H値選択工程で選択されたシェードタブと同じH値のシェードタブと、評価対象歯とを比較することによって、評価対象歯の色に最も近い色のシェードタブを選択するV値選択工程とを含み、
 前記V値選択工程で選択されたシェードタブの色を評価対象歯の色として判別することを特徴とする、評価対象歯の色を判別する方法。
 請求項7に記載の方法で評価対象歯の色を判別する工程と、
 評価対象歯の色として判別したシェードタブの色に基づいて人工歯を作製する工程とを有する人工歯作製方法。
 請求項1に記載のシェードガイドに含まれる複数のシェードタブの各色を再現する顔料をそれぞれ含む歯科用陶材の組。
Description:
シェードガイド、歯の色を判別 る方法および人工歯作製方法

 本発明は、歯の色を判別するときに色見 として用いられるシェードガイドに関する

 美しい歯を持つ人物は、他人に好印象を える傾向がある。そのため、歯に対する審 性の要求が年々高まっている。歯科の治療 たは美容処置において、義歯、歯冠修復物 の補綴物を患者の歯に補綴した場合、その 綴物の色は、隣に位置する歯と同じ色を持 ことが好ましい。そのため、補綴物の作製 おいては、患者の歯の色を的確に判別し、 別した色に基づいて補綴物を作製すること 求められる。なお、このように歯の色を判 することは、歯の色評価(シェードテイキン グ)と呼ばれることがある。

 従来、歯の色を判別するための色見本と てシェードガイドが用いられてきた。シェ ドガイドは、複数の色をそれぞれに持つ複 のシェードタブが、その色に応じて配置さ たものである。各シェードタブは、例えば プラスチックで形成され、歯の形状をして る。また、各シェードタブには、そのシェ ドタブの色を特定するための番号が付与さ ている。

 観察者は、例えば、複数のシェードタブ うち少なくとも1つを、患者の歯に接近させ て、患者の歯の色とシェードタブの色とを比 較する。観察者は、比較の結果、患者の歯に 最も近いと感じる色のシェードタブを選択し 、このシェードタブの色を患者の歯の色とし て判別する。その後、例えば、観察者は、選 択したシェードタブの色を特定する番号を補 綴物作製者に通知する。補綴物作製者は、そ の番号によって特定された色と同じ発色をす る材料を用いて補綴物を作製する。

 このように、歯の色の判別には、観察者 主観的な評価が含まれる。観察者の主観的 評価には、個人差があり、また、観察時の 境により変化する。そのため、歯の色の判 結果は、信頼性が低くなりやすい。判別結 の信頼性を向上させるために、観察者によ 、的確な歯の色の判別を可能にするシェー ガイドが望まれる。

 従来のシェードガイドにおけるシェード ブの色の範囲は、天然歯で観察される色の 囲を網羅していなかった。そのため、評価 象の歯の色に近い色を、シェードガイド中 見つけることができない場合があった。こ 問題に対処するため、色空間において特定 れる天然歯の色の分布範囲に対応した色の ェードタブが配置されたシェードガイドが 案されている(例えば、特許第3100809号公報 照)。

 しかしながら、上記従来のシェードガイ は、実際に人間が色を認識する際の目視感 を考慮したものではない。そのため、目視 より評価対象歯の色を的確かつ簡単に判別 るには不十分であった。

 本発明は、目視により評価対象歯の色を 確かつ簡単に判別するためのシェードガイ を提供することを目的とする。

 本発明にかかるシェードガイドは、互いに が異なる複数のシェードタブが、その色に づいて規則的に配置されたシェードガイド あって、前記複数のシェードタブの配置は シェードタブの色をL * a * b * 表色系における座標で表した場合に、その座 標が、L * -C * 平面において、所定の傾きk(0<k)を持った複 数の直線によって区切られる領域のうち、ど の領域に属するかによって決定されるS値と シェードタブの色をL * a * b * 表色系における座標で表した場合に、その座 標が、L * -C * 平面において、所定の傾きm(0>m)を持った複 数の直線によって区切られる領域のうち、ど の領域に属するかによって決定されるV値と シェードタブの色をL * a * b * 表色系における座標で表した場合に、その座 標が、a * -b * 平面において、複数の直線で区切られる領域 のうち、どの領域に属するかによって決定さ れるH値とに基づいて決定される配置であり シェードタブの色のS値が共通するシェード ブ群を1つのSグループとして、複数のSグル プが配置され、各Sグループにおいて、シェ ードタブの色のV値が共通するシェードタブ を並べた列を1つのV列として、複数のV列が 置され、各V列においては、H値が互いに異な る複数のシェードタブが、H値に応じた順番 並べられている。

 人間が目視によって認識する天然歯の色の さは、L * a * b * 表色系における明度(L * の値)と彩度(C * の値)の両方によって決まる傾向がある。例 ば、同一色相の天然歯の色では、明度が低 、かつ彩度が高いと「濃い」と認識され、 度が高く、かつ彩度が低いと「薄い」と認 される傾向にある。そのため、L * a * b * 表色系におけるシェードタブの色の座標が、 L * -C * 平面(C * =√{(a * ) 2 +(b * ) 2 })において、所定の傾きk(0<k)を持った複数 直線によって区切られる領域のうち、どの 域に属するかによって決定されるS値によっ て、人間が認識する天然歯の濃さが表わされ る。このように、傾きk(0<k)の直線によって L * a * b * 表色系の色空間を分類することにより、人間 の色識別感覚にあった分類をすることができ る。

 同じS値の領域内でも明度(L * の値)と彩度(C * の値)とが異なれば、人間が目視によって認 する色の明るさは変化する。そこで、L * a * b * 表色系におけるシェードタブの色の座標が、 L * -C * 平面において、所定の傾きm(0>m)を持った複 数の直線によって区切られる領域のうち、ど の領域に属するかによって決定されるV値に って、人間が認識する天然歯の明るさが表 される。このように、傾きm(0>m)の直線に って色空間における各S値の領域を分類する とにより、人間の色識別感覚にあった分類 することができる。

 L * a * b * 表色系におけるシェードタブの色の座標が、 a * -b * 平面において、所定の基準点を通る複数の直 線で区切られる領域のうち、どの領域に属す るかによって決定されるH値によって、人間 認識する天然歯の色合いが表わされる。人 が認識する天然歯の色合いは、例えば、赤 が強いか黄みが強いかという感覚である。

 本発明にかかるシェードガイドでは、シ ードタブの色のS値が共通するシェードタブ 群であるSグループごとにシェードタブがま められて配置される。すなわち、人間に認 される濃さが同じシェードタブが1つのSグル ープにまとめられて配置される。このため、 観察者が、それぞれのSグループに含まれる ェードタブの色の濃さと、評価対象歯の色 濃さとを比べて評価対象歯の色の濃さに最 近いSグループを選択することが可能になる すなわち、観察者は、まず、評価対象歯の の濃さに最も近いSグループを選択すること で、評価対象歯の色の濃さを決定することが できる。

 Sグループには、さらに、V値が共通する ェードタブ群を並べたV列が複数配置されて るので、人間に認識される明るさが同じシ ードタブが1つのV列に並んで配置されるこ になる。また、1つのV列内では、H値に応じ 順番で各シェードタブが並べられので、各V においては、人間に認識される色合いに応 た順番でシェードタブが並べられているこ になる。そのため、観察者は、ある1つのV に含まれる各シェードタブの色合いと評価 象歯の色合いと比較し、評価対象歯の色合 に最も近い色合いのシェードタブを選択す ことで、評価対象歯の色合いを決定するこ ができる。また、観察者は、複数のV列それ れのシェードタブの明るさと評価対象歯の るさとを比較して、評価対象歯の明るさに も近い明るさのV列を選択することで、評価 対象歯の明るさを決定することができる。そ のため、観察者は、シェードガイドを用いて 、評価対象歯の濃さ、色合い、明るさを順次 決定することができる。すなわち、本発明に かかるシェードガイドは、観察者が、濃さ、 色合い、明るさの順に評価対象歯の色を判別 しやすいように配置されたシェードタブを備 えている。これにより、観察者は、目視によ り評価対象歯の色を的確かつ簡単に判別する ことが可能になる。

 本発明にかかるシェードガイドでは、各S グループにおいては、複数のV列が縦方向に 置されており、各V列においては、複数のシ ードタブが横方向に並べられていることが ましい。

 これにより、観察者は、互いにH値が異な るシェードタブが横方向に並んだV列の各シ ードタブと、評価対象歯とを目視によって 較しやすくなる。

 本発明にかかるシェードガイドでは、各S グループにおいては、標準のV値のV列が前記 方向の一番上に配置されることが好ましい

 この配置により、観察者は、まず、一番 に配置されている標準のV値のV列に含まれ シェードタブ群を、評価対象歯とを比較す ことになる。そのため、観察者がV列の中か 評価対象歯と色合いの近いシェードタブを 択する際に、効率よく評価対象歯と色合い 近いシェードタブの選択をすることが可能 なる。

 本発明にかかるシェードガイドでは、各V 列においては、標準のH値のシェードタブが 央に配置され、中央のシェードタブを挟ん 、一方の側に標準のH値より赤みが強いH値の シェードタブを、他方の側に標準のH値より みが強いH値のシェードタブがそれぞれ配置 れるように、前記複数のシェードタブが並 られることが好ましい。

 この配置により、観察者が、V列の中央に 配置されている標準のH値のシェードタブと 価対象歯を初めに比較し、評価対象歯がそ 中央のシェードタブより赤みがかっている 、または黄みがかっているかによって、評 対象歯と色合いの近いシェードタブがその 央のシェードタブのどちら側にあるかを判 することができる。これにより、観察者は 色合いが近いシェードタブを見つけやすく る。

 本発明にかかるシェードガイドは、複数 シェードタブを配置するためのベースを備 、前記複数のシェードタブは、V列ごと、お よびシェードタブごとに前記ベースから取り 外し可能であることが好ましい。

 これにより、観察者は、Sグループ選択時 、V列選択時あるいは、1つのV列内のシェード タブの中から評価対象歯に色合いの近いシェ ードタブを選択する時には、そのV列のみ取 出して評価対象歯に接近させることができ 。さらに、観察者は、各V列から色合いの近 シェードタブのみ取り出して評価対象歯に 近させることができる。そのため、観察者 評価対象歯の色を判別する際の利便性が増 。

 本発明にかかるシェードガイドは、前記 置された複数のシェードタブの下部に沿っ 設けられる歯肉色の歯肉色部をさらに備え ことが好ましい。

 歯肉色部により、シェードタブの下部に って歯肉色を付与することで、シェードタ の背景も歯肉色にすることができる。評価 象歯の背景は歯肉色となることが多いので シェードタブの背景も歯肉色とすることで 観察者が両者を比較する際に、背景色の違 による錯覚を防止することができる。

 本発明にかかる評価対象歯の色を判別す 方法は、本発明のシェードガイドを用いて 評価対象歯の色を判別する方法であって、 Sグループと評価対象歯とを比較することに より、評価対象歯の色に最も近い色のSグル プを選択するS値選択工程と、前記選択したS グループに含まれるV列のうち1つのV列におけ る各シェードタブと評価対象歯とを比較する ことにより、評価対象歯の色に最も近い色の シェードタブを選択するH値選択工程と、選 されたSグループ内に含まれる各V列における 、前記H値選択工程で選択されたシェードタ と同じH値のシェードタブと、評価対象歯と 比較することによって、評価対象歯の色に も近い色のシェードタブを選択するV値選択 工程とを含み、前記V値選択工程で選択され シェードタブの色を評価対象歯の色として 別することを特徴とする。

 上記方法によれば、観察者は、まず、S値 選択工程で、評価対象歯に濃さが最も近いS ループを選択し、次に、H値選択工程で、1つ のV列において評価対象歯に最も近い色合い シェードタブを選択し、次に、選択したシ ードタブと同じ色合いであって、評価対象 に明るさが最も近いシェードタブを複数のV から選択する。これにより、観察者は、S値 で表わされる濃さ、H値で表わされる色合い V値で表わされる明るさの順に評価対象歯と ェードタブとを比較することになる。人間 目視による認識の感度は、濃さ、色合い、 るさの順に敏感であると考えられるので、 察者は、この順番に比較することで、的確 つ簡単に評価対象歯の色を判別することが きる。

 本発明にかかる人工歯作製方法は、本発 の方法で評価対象歯の色を判別する工程と 評価対象歯の色として判別したシェードタ の色に基づいて人工歯を作製する工程とを する。

 本発明にかかる歯科用陶材の組は、本発 のシェードガイドに含まれる複数のシェー タブの各色を再現する顔料をそれぞれ含む この歯科用陶材の組により、シェードガイ を用いて判別された評価対象歯の色を容易 再現することが可能になる。

 これにより、的確に判別された評価対象 の色に基づいて人工歯を作製することがで る。その結果、所望の色に近い人工歯が作 される。

 本発明によれば、目視により評価対象歯 色を的確かつ簡単に判別するためのシェー ガイドを提供することができる。

図1は、本実施形態にかかるシェードガ イドの構造を示す概念図である。 図2は、図1に示すシェードガイドのII-II 線断面図である。 図3は、L * a * b * 色空間を示す図である。 図4は、S値およびV値を決めるための領域の例 を示すL * -C * 平面図である。 図5は、H値を決めるための領域の例を示すa * -b * 平面図である。 図6(a)~(c)は、シェードガイド100を用い 評価対象歯の色を判別する方法を説明する めの図である。 図7は、MCクラウンの断面図である。

 図1は、本実施形態にかかるシェードガイ ドの構造を示す概念図である。図1に示すシ ードガイド100は、互いに色が異なる複数の ェードタブが、規則的に配置されて構成さ る。図1に示す複数のシェードタブには、aaR aaS、aaY、abR、abS、abY、・・・と番号が記載 れているが、これらの番号は、説明の便宜 めに付与した番号であり、実際のシェード ブに描かれるものではない。

 シェードガイド100において、複数のシェ ドタブは、SグループSa~Sfごとにまとめて配 される。各SグループSa~Sfはベース10に設置 れる。SグループSaは、縦方向に3段並んだV列 ユニット41~43で構成される。各V列ユニット41~ 43には、3つのシェードタブが横方向に並んで 格納されている。シェードタブの形状は、人 間の切歯の形状であることが好ましい。シェ ードガイドは、切歯の色を判別するために使 用されることが多いからである。各シェード タブの色と配置に関係については後述する。

 SグループSaにおいて、各V列ユニット41~43 、歯肉色部41a~43aをそれぞれ備える。歯肉色 部41a~43aは、シェードタブの下部に設けられ 歯肉色の部分である。歯肉色部41a~43aの形状 歯肉の形状であることが好ましい。すなわ 、シェードタブが切歯の形状である場合に 歯肉色部41a~43aは、その切歯の歯頚部を覆う 形状であることが好ましい。また、歯肉色部 41a~43aのみV列ユニットから取り外し可能であ てもよい。これにより、評価対象口腔にお る歯肉の色に合わせて、歯肉色部41a~43aを交 換することが可能になる。なお、このような 歯肉色部41a~43aは、ガミーまたは歯肉色ホル ーと呼ばれることもある。

 なお、SグループSb~SfのV列ユニットおよび シェードタブの構造もSグループSaと同様であ る。

 各SグループSa~Sfにおける最上段のV列(Va) 、横方向の同一線上に並ぶように各Sグルー Sa~SfのV列ユニットが配置されている。また 各SグループSa~Sfにおける2段目のV列(Vb)、各S グループSa~Sfにおける3段目のV列(Vc)もそれぞ 横方向の同一線上に並ぶようにV列ユニット が配置されている。

 各SグループSa~Sfにおいて、V列ユニットが それぞれ取り外し可能な構造になっている。 さらに、各V列ユニットにおいて、各シェー タブは、それぞれV列ユニットから取り外し 能となっている。

 図2は、図1に示すシェードガイド100のII-II 線断面図である。図2に示すように、Sグルー Saを構成するV列ユニット41~43は、ベース10の 格納口10aに挿入されている。V列ユニット41、 42は、それぞれベース10の格納口10aに設けら た支持部10c、10bによって、互いに異なる高 で支持されている。各V列ユニット41~43は、 れぞれタブ挿入口41b、42b、43bを有する。シ ードタブaaS、abS、acSには、支持板aaS-1、abS-1 acS-1が設けられており、この支持板aaS-1、abS -1、acS-1の部分が、タブ挿入口41b、42b、43bに 入される。

 なお、図1および図2に示したシェードガ ド100の構成は一例であり、これに限られな 。例えば、Sグループごとに取り外し可能と るように、各Sグループを、Sグループユニ トとしてベースに設定することもできる。 た、1つのSグループに含まれるV列の数、1つ V列に含まれるシェードタブの数は図1に示 例に限られない。

 次に各シェードタブの色と配置の関係につ て説明する。シェードガイド100において、 数のシェードタブは、各シェードタブの色 基づいて規則的に配置される。ここでは、 ェードタブの色をL * a * b * 表色系における座標で表す。L * a * b * 表色系は、CIE(国際照明委員会)が1976年に定め たCIE1976L * a * b * 色空間を用いた表色系である。図3は、L * a * b * 色空間を示す図である。L * a * b * 色空間は、L * 値、a * 値、b * 値の3次元直交座標で表される。L * 値は明度を表し、a * 値およびb * 値は、色度(明るさ以外の性質:色相と彩度)を 表す。シェードタブの色は、L * a * b * 色空間におけるある1つの点pの3次元座標(a * 、b * 、L * )で表すことができる。点pが示す色における 度C * は、下記式で表わされる。彩度が大きいほど 色鮮やかで、彩度が小さいほどくすんだ色と なる。
C * =√{(a * ) 2 +(b * ) 2 }
 L * 軸に垂直な平面(a * -b * 平面)に、点pを投影した平面図は、色度図と ばれる。a * -b * 平面において、+a * は赤方向、-a * は緑方向、+b * は黄方向、-b * は青方向を表す。そのため、色度図を、観察 することにより、点pが示す色の色合いを知 ことができる。

 縦軸がL * 、横軸がC * の平面(L * -C * 平面)に点pをプロットした平面図は、色調図 呼ばれる。色調図を観察することによって 点pの示す色の明るさと鮮やかさを知ること ができる。また、色調図と色度図との関係か ら、点pのL * a * b * 色空間での3次元位置を知ることができる。

 なお、シェードタブの色のL * 値、a * 値およびb * 値は、公知の測色器によって測定することが できる。シェードタブの色は均一でない場合 があるため、同じ測色器でL * 、a * およびb * 値を測定しても測定値がばらつく場合がある 。そのため、例えば、シェードタブの所定位 置を複数回測定して得られた測定値の平均値 を、シェードタブの色を表す値として特定す ることができる。

 また、図3に示すL * a * b * 色空間における点pの座標は、明度L * 、彩度C * 、色相角h[h=tan― 1 (b * /a * )]で表すこともできる。このように、L * C * hを用いて表される表色系はL * C * h表色系と呼ばれている。本実施形態では、 ェードタブの色を表わす表色系の一例とし 、以下、L * a * b * 表色系を用いて説明するが、シェードタブの 色を表わす表色系はこれに限られない。

 図4は、シェードタブの色のS値およびV値を めるための領域の例を示すL * -C * 平面図である。図4に示すL * -C * 平面図では、縦軸がL * 、横軸がC * を表している。図4に示すL * -C * 平面図には、傾きが正の直線S1~S18と、傾きが 負の直線V1~V7が描かれている。

 また、直線S1~S18の傾きおよび切片は、例え 、多数の天然歯または既存のシェードガイ の観察結果を基に、経験的に求めることが きる。例えば、次のようにして、直線S1~S18 求めることができる。まず、熟練の観察者 、多数の天然歯のサンプルについて、目視 よって、色の濃さを19段階の評価値で評価 る。天然歯のサンプルそれぞれについてL * の値とC * の値を測定し、それぞれの天然歯の色をL * -C * 平面上にプロットする。これによって、L * -C * 平面において、各評価値の歯がどのような領 域に分布するかが分かる。そこで、L * -C * 平面において、19段階の各評価値が分布する1 9の領域のおおよその境界を表わす18本の直線 を求めることができる。この18本の直線を、 記の直線S1~S18とすることができる。

 ここで、図4に示すように、直線S1~S18は、L に垂直ではなく、正の傾きを持つように求 ることが好ましい。これにより、人間の目 感じる色の濃さに即したS値の設定が可能に る。すなわち、人間は、明度の違いのみで を見分けるより、明度と彩度を複合させた の濃さで色を見分けやすい傾向にある。図4 に示すL * -C * 平面では、色が左上から右下へ斜めに変化す ると(明度L * が下がると同時に彩度C * が上がると)、人間には、色みが濃くなった 感じられる。人間は、このような色の濃さ 違いにより色を見分ける方が、色の明るさ 違い(L * が垂直方向に変化した場合の違い)だけ色を 分けるよりも、見分けやすい傾向にある。 のため、L軸に垂直な直線によって分類する りも、例えば、図4に示すように正の傾きを 持った直線で分類する方が、人間がより感じ やすい色の濃さで分類することができる。こ のような直線の傾きは、上記のように測定値 の分布に基づいて、適切な値を計算すること ができる。なお、図4に示す例では、直線S1~S1 8の傾きは同じであるが、これらの傾きは必 しも同じである必要はない。

 図4に示すL * -C * 平面図において、直線S1~S18によって区切られ る領域のうち、シェードタブの色の座標が、 どの領域に属するかによって、その色のS値 決定される。直線S1~S18で区切られる領域とS の関係の例を下記表1に示す。下記表1に示 例において、S値は、国際的に普及しているV ITA Lumin Vacuum shade guide(登録商標)(以下、ビ のシェードガイドと称する)で定められたシ ェード番号を基に、各領域に割り振られた値 である。なお、S値の決め方はこれに限られ い。

 そして、図1に示すシェードガイドにおい て、S値が共通するシェードタブ群を1つのSグ ループとして、各SグループSa~Sfが配置される 。すなわち、S値の共通するシェードタブが SグループSa~Sfごとにまとめて配置される。

 上記表1において、直線S2と直線S3との間 領域に属する色のS値=-1となる。図1に示すSa ループは、例えば、S値が-1の色のシェード ブがまとめて配置されたものである。すな ち、Saグループに含まれる9つのシェードタ aaY、aaS、aaR、abY、abS、abR、acY、acS、acRのS値 は全て-1となる。SbグループはS値=1(S5-S6間)、S cグループはS値=2.5(S8-S9間)、SdグループはS値=3 .3(S10-S11間)、SeグループはS値=4(S13-S14間)、Sfグ ループはS値=5.5(S16-S17間)のシェードタブ群が れぞれまとめて配置されている。

 このように、S値の共通するシェードタブ 群がSグループごとにまとめて配置される。 お、ここでは、S値の共通するシェードタブ の例として、同じS値のシェードタブ群を示 したが、S値の共通するシェードタブ群はこ に限られない。例えば、同じS値の範囲のシ ードタブ群を、S値の共通するシェードタブ 群として、1つのSグループにまとめて配置し もよい。例えば、Saグループのシェードタ 群はS値が-1.5~0.5(S1-S5間)の範囲、Sbグループ シェードタブ群はS値が1~2(S5-S8間)の範囲、Sc ループのシェードタブ群はS値が2.5~3(S8-S10間 )の範囲、・・・となるように配置してもよ 。

 なお、図4に示す直線S1~S18の傾きと切片は下 記表2の通りである。下記表2に示す値は、松 株式会社製の歯科用色彩計「シェードアイ (登録商標)(以下、「シェードアイ」と称す )を用いて測定されるL * 、a * 、b * に基づいて計算された値である。なお、直線 S1~S18は一例であり、Sグループの基準となる 線は、直線S1~S18に限られない。

 図4に示すL * -C * 平面図において、直線V1~V7によって区切られ 領域のうち、シェードタブの色の座標が、 の領域に属するかによって、その色のV値が 決定される。直線V1~V7で区切られる領域とV値 の関係の例を下記表3に示す。直線V1~V7の傾き および切片も、例えば、直線S1~S18と同様に、 多数の天然歯または既存のシェードガイドの 熟練者による観察結果および測色結果を基に 経験的に求めることができる。

 図4に示すように、V値を決定するための直 V1~V7は、負の傾きを持つことが好ましい。こ れは、人間が、同じS値(濃さが同じくらい)の 色が複数ある場合に、それらの色で明るさの 違いを見分ける場合に、明度L * のみではなく、明度L * と彩度C * の複合により見分ける傾向があるからである 。すなわち、図4において、人間が暗いと感 る色は左下方向に、人間が明るいと感じる は右上方向にプロットされる傾向がある。 の傾向は、例えば上記のような多数の天然 の観察結果と測色結果を用いて、直線V1~V7の 傾きとして求めることができる。

 また、直線V1~V7の傾きは必ずしも同じで る必要はない。図1に示すシェードガイドの SグループSa~Sfにおいては、V値が共通する3 のシェードタブを横方向に並べた列を1つのV 列として、3列のV列が縦方向に配置されてい 。

 上記表3に示す例では、直線V3とV4との間の 域に属する色のV値が標準のV値“0”である そして、L * -C * 平面図上で、標準のV値の領域から右上方向 離れるにしたがって、V値が大きくなり、左 方向に離れるにしたがって、V値が小さくな る。V値が大きい領域に属する色は明るく見 、V値が小さい領域に属する色は暗く見える 向にある。このように、直線V1とV7とで挟ま れる領域の中で、中央部に位置する領域を標 準のV値(ここでは 一例として“0”)の領域と することができる。すなわち、標準のV値の 域の両側には、常に、それより明るく見え 色の領域と、それより暗く見える色の領域 が存在することになる。

 例えば、図1に示すSaグループの最上段の列( Va列)は、S値が-1(S2-S3間)、かつV値が標準値“0 ”(V3-V4間)の色のシェードタブaaY、aaS、aaRが んで配置されたものである。すなわち、Saグ ループのVa列のシェードタブaaY、aaS、aaRの色 、図4に示すL * -C * 平面図の直線S2、S3、V3、V4に囲まれた領域に している。Saグループの2段目の列(Vb列)は、 S値が-1、かつV値が2の色(直線S2、S3、V1、V2に まれた領域に属する色)のシェードタブabY、 abS、abRが並んで配置されたものである。Saグ ープの3段目の列(Vc列)は、S値が-1、かつV値 -2の色(直線S2、S3、V5、V6に囲まれた領域に する色)のシェードタブacY、acS、acRが並んで 置されたものである。他のSグループSb~Sfに けるVa列、Vb列、Vc列も、それぞれV値=0、2、 -2の色のシェードタブが並んだ列である。す わち、図1に示すシェードガイドにおいて、 Va列は、標準のV値のシェードタブの列である 。Vb列は、標準より大きいV値のシェードタブ (標準より明るく見えるシェードタブ)の列で り、Vc列は、標準より小さいV値のシェード ブ(標準より暗く見えるシェードタブ)の列 ある。

 このように、各V列では、V値の共通する ェードタブの横方向に並んで配置される。 お、ここでは、V値の共通するシェードタブ の例として、同じV値のシェードタブ列を示 したが、V値の共通するシェードタブ列はこ に限られない。例えば、同じV値の範囲のシ ードタブ群を、V値の共通するシェードタブ 群として、1つのV列に配置してもよい。また 例えば、V列間でV値の範囲が重なってもよ 。また、V値とV列の配列の関係も上記例に限 られない。例えば、Va列、Vb列、Vc列のシェー ドタブのV値がそれぞれV=0、2、-2となるよう 配置されてもよいし、V=-2、0、2となるよう 配置されてもよい。

 なお、図4に示す直線V1~V7の傾きと切片は下 表4の通りである。下記表4に示す値は、「 ェードアイ」を用いて測定されるL * 、a * 、b * に基づいて計算された値である。なお、直線 V1~V7は一例であり、V列の配列の基準となる直 線は、直線V1~V7に限られない。

 次に、各V列におけるシェードタブの並び方 と、色との関係を説明する。図5は、シェー タブの色のH値を決めるための領域の例を示 a * -b * 平面図である。図5に示すa * -b * 平面図における直線H1~H8によって区切られる 域のうち、シェードタブの色の座標が、ど 領域に属するかによって、その色のH値が決 定される。直線H1~H8は、基準点(ORA、ORB)を通 、互いに傾きが異なる直線群である。また 直線H1~H8の傾きは、例えば、多数の天然歯ま たは既存のシェードガイドの観察結果を基に 、経験的に求めることができる。一例として 、まず、熟練の観察者が、多数の天然歯のサ ンプルについて、目視によって、色合いを9 階の評価値で評価する。天然歯のサンプル れぞれについてa * の値とb * の値を測定し、それぞれの天然歯の色をa * -b * 平面上にプロットする。これによって、a * -b * 平面において、各評価値の歯がどのような領 域に分布するかが分かる。そこで、a * -b * 平面において、9段階の各評価値がそれぞれ 布する9つの領域のおおよその境界を表わす8 本の直線を求めることができる。この8本の 線を、上記の直線H1~H8とすることができる。 なお、図5に示す例では、直線H1~H8は、いずれ も基準点(ORA、ORB)を通っているが、必ずしも べての直線が基準点を通る必要はない。

 直線H1~H8で区切られる領域とH値の関係の を下記表5に示す。図1に示すシェードガイ の各SグループSa~Sfにおける各V列内では、H値 に応じてシェードタブが配置される。すなわ ち、各V列においては、S値およびV値の共通す る3つシェードタブが、H値に応じた順番で配 される。

 上記表5に示す例では、直線H4と直線H5間の 域に属する色のH値が標準のH値“STD”となる 。a * -b * 平面において、標準のH値“STD”の領域より に行くに従って、黄みが強いH値の領域とな 、右に行くに従って、赤みが強いH値の領域 となる。すなわち、“Y1”、“Y2”、“Y3”の 順で、H値が表す黄みが強くなり、“R1”、“ R2”、“R3”の順でH値が表す赤みが強くなる このように、直線H1とH8とで挟まれる領域の 中で、中央部に位置する領域を標準のH値(こ では 一例として“STD”)の領域とすること できる。すなわち、標準のH値の領域の両側 には、常に、それより赤みがかって見える色 の領域と、それより黄みがかって見える色の 領域とが存在することになる。

 例えば、図1に示すシェードガイドのSaグ ープのVa列において、シェードタブaaYのH値 “Y3”、シェードタブaaSのH値は“STD”、シ ードタブaaRのH値は“R3”とすることができ 。SaグループのVb列のシェードタブabY、abS、 abRのH値も、Va列と同様に、左から順にそれぞ れ“Y3”、“STD”、“R3”とすることができ 。そして、SaグループのVc列のシェードタブa cY、acS、acRのH値も同様に、それぞれ“Y3”、 STD”、“R3”とすることができる。この場 、Saグループでは、縦方向の同一線上に並ん で配置されたシェードタブaaY、abY、acYのH値 いずれも“Y3”となり、シェードタブaaS、abS 、acSのH値はいずれも“STD”となり、シェー タブaaR、abR、abRのH値はいずれも“R3”とな 。すなわち、H値の共通するシェードタブが 方向の同一線上に並んで配置される。

 他のSグループSb~SfにおけるVa列、Vb列、Vc それぞれにおけるシェードタブのH値も、Sa 同様に配列することができる。すなわち、 Sグループの各V列において、標準のH値のシ ードタブを真中にして、右に標準より赤み 強いH値のシェードタブ、左に標準より黄み が強いH値のシェードタブが配置される。上 の各V列におけるシェードタブのH値は一例で あり、これに限られない。また、H値とV列内 シェードタブの配列との関係も上記例に限 れない。例えば、各V列に含まれる3つのシ ードタブのH値が、左から順に “R3”、“STD ”、“Y3”となるように配置されてもよい。

 なお、図5に示す直線H1~H8の傾きと切片は下 表6の通りである。また、図5に示す基準点(O RA、ORB)の座標は、下記表7の通りである。下 表6、表7に示す値は、「シェードアイ」を用 いて測定されるL * 、a * 、b * に基づいて計算された値である。なお、直線 H1~H8は一例であり、V列中のシェードタブ配列 の基準となる直線は、直線H1~H8に限られない

 上述のような各シェードタブの色に基づ た配置により、Sグループごとに、S値が共 するシェードタブ群がまとめて配置される そのため、観察者が認識できる「濃さ」が じシェードタブ群がSグループごとにまとま て配置される。各Sグループにおいては、V が共通するシェードタブが横方向に並んだV が縦方向に3段配置される。3段のV列のうち 最上段は標準のV値のシェードタブ、2段目 標準のV値より大きなV値、3段目は標準のV値 さなV値のシェードタブ列である。そのため 、最上段(Va列)に標準の明るさの色のシェー タブ列、2段目(Vb列)に標準より明るく見える 色のシェードタブ列、3段目(Vc列)に標準より く見える色のシェードタブ列が配置される また、各V列においては、標準のH値のシェ ドタブを真中にして、右に標準より赤みが いH値のシェードタブ、左に標準より黄みが いH値のシェードタブが配置される。そのた め、各V列では、真中に標準の色合いのシェ ドタブ、右に赤みがかったシェードタブ、 に黄みがかったシェードタブが配置される とになる。

 次に、図1に示すシェードガイド100を用い て評価対象歯の色を判別する方法の例を、図 6を参照しながら説明する。まず、観察者は SグループSa~Sfのうち、いずれか1つのSグルー プのV列ユニットをベース10から取り出して、 図6(a)に示すように、評価対象歯Xに隣接させ 。観察者は、取り出したSグループに配置さ れたシェードタブの色の濃さと、評価対象歯 Xの色の濃さとを目視により比較する。観察 は、この操作を各Sa~Sfについて行い、評価対 象歯Xの色の濃さと最も近い色のSグループを 択する。この操作は、S値が共通するシェー ドタブ群、すなわち、同じ濃さのシェードタ ブ群がSグループごとにまとめて配置されて るために可能となる。そして、人間の目視 感度は、このS値を見分ける感度が最も優れ いると考えられるので、観察者は、容易にS グループを選択することができる。

 なお、シェードタブと評価対象歯Xとの目 視による比較は、常に同じ条件下において行 うことが好ましい。例えば、比較時における 照明、採光の方法、観察者の視角、位置等の 条件を予め決めておき、観察者は、常にその 条件下でシェードタブと評価対象歯Xとを比 するようにしてもよい。これにより、条件 変化による評価結果のばらつきを抑えるこ ができる。

 また、観察者は、評価対象歯およびシェ ドタブを直接目視して比較することが好ま いが、例えば、写真または画像等に移った 価対象歯およびシェードタブを見て両者の を比較してもよい。

 また、観察者は、図6(a)に示すように、S ループごとにベース10から取り出して比較す る代わりに、シェードガイド100を評価対象歯 Xに近づけて、評価対象歯に対して横方向に ライドさせることで、SグループSa~Sfを順次 評価対象歯Xに近づけて比較してもよい。

 Sグループを選択すると、次に、観察者は 、選択したSグループの最上段のV列ユニット 取り出して、図6(b)に示すように、評価対象 歯Xに接近させる。図6(b)は、一例として、Sa ループの最上段(Va列)のV列ユニット(シェー タブaaY、aaS、aaRを含む)を比較する場合を示 ている。観察者は、取り出したV列ユニット に配置されたシェードタブaaY、aaS、aaRのそれ ぞれの色合いと、評価対象歯Xの色合いとを 視により比較し、評価対象歯Xに最も近い色 いのシェードタブを選択する。各V列におい ては、上述のとおり、真中に標準の色合いの シェードタブ(図6(b)に示す例ではaaS)、右に黄 みがかったシェードタブ(aaY)、左に赤みがか たシェードタブ(aaR)が配置されている。そ ため、観察者は、V列ユニットを評価対象歯X に近づけて見るだけで、評価対象歯Xの色合 が、標準より赤みがかっているか、黄みが っているか、それとも標準程度かをすばや 判別することができる。ここでは、一例と て、評価対象歯Xに最も近い色合いのシェー タブとして、黄みがかった色合いのシェー タブaaYを選択した場合について、以下説明 る。

 観察者は、シェードタブaaYを選択すると 次に、Saグループの一段下のV列ユニット、 なわち、Vb列のV列ユニットを取り出して、 6(c)に示すように、評価対象歯Xに接近させ 、黄みがかった色合いのシェードタブabYと 較する。次に、観察者は、さらに一段下のV ユニット、すなわち、Vc列のV列ユニットを り出して、評価対象歯Xに接近させて、シェ ードタブacYと比較する。上述のように、各S ループにおける3段のV列(Va列、Vb、Vc列)は、 準の明るさの色、標準より明るい色、標準 り暗い色の順で上から配置されているので 観察者は、上段から下段へ順に取り出して 較することにより、標準のシェードタブ、 るい色のシェードタブ、暗い色のシェード ブの順に比較することができる。この操作 より、観察者は、評価対象歯Xに最も明るさ が近いシェードタブを選択する。

 なお、観察者は、上記のように、V列ユニ ットを上から順に取り出して比較する代わり に、選択した色合いのシェードタブaaY、abY、 acY3つを各V列から取り出して1つのユニットに 挿入し、そのユニットを評価対象歯Xに接近 せて比較してもよい。これにより、選択し 色合いのシェードタブaaY、abY、acYのうち、 るさが評価対象歯Xに最も近いシェードタブ 選択することができる。なお、上述のよう 、各Sグループにおいて、H値の共通する(色 いが同じ)シェードタブが縦方向の同一線上 に配置されているので、観察者は、選択した 色合いのシェードタブと同じ色合いのシェー ドタブの配置場所を簡単に把握することがで きる。

 以上の操作により、評価対象歯Xに最も近 い色のシェードタブが選択される。すなわち 、評価対象歯Xの色に近いシェードタブが判 される。この方法によれば、観察者は、濃 、色合い、明るさの順に評価対象歯に近い のシェードタブを絞り込んで行くことがで る。そのため、人間の目視感覚にあった自 な感覚で、効率的に、評価対象歯に近い色 シェードタブを判別することができる。

 次に、上記判別方法で、判別されたシェ ドタブの色に基づいて、人工歯を作製する 程を説明する。ここでは、一例として、シ ードタブの色と同じ色のメタルセラミック ラウン(以下、MCクラウンと称する)の作製工 程を説明する。MCクラウンは、メタルで形成 れた中心部に対して、互いに色が異なる複 のセラミック(ポーセレン)層を積層するこ により作製される。図7は、MCクラウンの断 図である。図7に示すMCクラウンは、メタル51 に、不透明なオペークポーセレン層52、オペ クデンティン層53(またはサービカル層)、デ ンティン層54、エナメル層55が積層されて形 されている。

 図7に示すMCクラウンの作製工程では、作 者が、オペークポーセレン層52、オペーク ンティン層53、デンティン層54、エナメル層5 5の各層に使用する材料をそれぞれ選択し、 作業で上記各層を形成する。作製者は、各 の材料を選択する際に、シェードタブの色 再現するために適当な色の材料を選択する 要がある。例えば、各シェードタブの色を 定するための番号と、その色を人工歯にお て再現するための材料を示す情報とを対応 けて記録されたデータ(以下、レシピと称す )を予め用意しておくことで、作製者は、レ シピを参照することにより、選択されたシェ ードタブの色を再現するための材料を知るこ とができる。レシピには、例えば、各層の材 料として用いる各種ポーセレン材料とその混 合比が記録されている。

 このように、作製者は、上記判別方法で 別されたシェードタブの色を再現するため ポーセレン材料を、レシピを参照しながら 択し、選択したポーセレン材料を用いて、 ペークポーセレン層52、オペークデンティ 層53、デンティン層54、エナメル層55を形成 る。これにより、シェードタブの色を容易 再現することができる。

 各層のポーセレン材料は、歯科用陶材の 例であり、ガラスを素地として、着色顔料 蛍光材および不透明材のうち少なくとも1つ が顔料として添加されたものである。そのた め、人工歯を形成する各層のポーセレン材料 に含まれる着色顔料、蛍光材、不透明材等の 顔料の混合比によって人工歯の色が決まる。 そこで、作製者は、前記レシピと共に、シェ ードタブの色を再現するような顔料を含む各 層のポーセレン材料を、シェードタブごとに 準備しておくことで、シェードガイドで選択 されたシェードタブの色を再現する材料を直 ちに得ることができる。

 なお、シェードタブの色を再現する各層 ポーセレン材料における顔料の混合比を得 には、例えば、様々なポーセレン材料を用 てMCクラウンの試作を繰り返し、試行錯誤 ることが必要になる。その際、試作されたMC クラウンの色が所望の色を再現するものであ るか否かの判断は、例えば、作製者が、シェ ードタブと試作されたMCクラウンとを目視し 比較することにより行われてもよい。また 作製者は、試作されたMCクラウンを上記の ェードアイで測色することにより上記判断 することもできる。

 ポーセレン材料の素地となるガラスは、 えば、珪石、アルミナ、炭酸カリウム、炭 ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウ および酸化マグネシウムを調合することに り得られる。このガラスの素地に、例えば 着色顔料、蛍光材および不透明材の少なく もいずれかが混合されたものがポーセレン 料となる。着色顔料として、例えば、酸化 バルト、酸化ニッケル、酸化マンガン等が いられる。蛍光材としては、例えば、酸化 ンタン、酸化イットリウム等が用いられる 不透明材としては、例えば、酸化錫、酸化 ルコニウム等が用いられる。なお、ガラス 地、着色顔料、蛍光材および不透明材の原 料は、上記の例に限られない。

 作製者は、ポーセレン材料を築盛筆によ メタル51に築盛し、陶材焼成用真空電気炉 用いて焼成する。これによりポーセレン層 形成される。この作業は、作製者が上記オ ークポーセレン層52、オペークデンティン層 53、デンティン層54、エナメル層55の各層をそ れぞれ形成する度に繰り返される。

 なお、図7に示すMCクラウンは、一例であ 、MCクラウンの構造は図7に示すMCクラウン 限られない。また、シェードタブの色に基 いて作製されうる人工歯は、MCクラウンに限 られない。オールセラミッククラウン(ACクラ ウン)や、メタルに樹脂を盛った構造のクラ ン、および、セラミックに樹脂を盛った構 のクラウン等も作製対象の人工歯に含まれ 。また、クラウン(歯冠)に限らず、インレイ 、アンレイ、ブリッジ、インプラント上部構 造等も、作製対象の人工歯に含まれる。

 本発明は、歯の色判別の信頼性および効 を向上させるシェードガイドとして有用で る。