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Patent Searching and Data


Title:
SHAPE HOLDING BAG AND SUPPORTIVE DEVICE AND TOOL FOR MAKING BODY MODEL EMPLOYING IT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057328
Kind Code:
A1
Abstract:
A highly versatile shape holding bag in which the material of the bag or particles can be selected properly according to the use and physical and economical burden on a user can be reduced. A supportive device and a tool for making a body model employing the shape holding bag are also provided. The inside of an airtight and elastic bag is filled with shape holding particles and the inside is held by negative pressure thus holding the shape of the bag. A supportive device and a tool for making a body model employing the shape holding bag are also provided.

Inventors:
SASAKI KAZUHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/003159
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
November 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JAPAN HEALTH SCIENCE FOUND (JP)
SASAKI KAZUHIKO (JP)
International Classes:
A61F2/76; A42B3/00; A61F2/78; A61F5/02; A61F13/04; A61N5/10; A63B71/10; A63B71/12; A63B71/14
Foreign References:
JP2002540892A2002-12-03
JP2003265507A2003-09-24
JP2007029249A2007-02-08
JPS5924618A1984-02-08
JP3500375B22004-02-23
JPH05503653A1993-06-17
JP2006501941A2006-01-19
JP2006520660A2006-09-14
JPH10137379A1998-05-26
JP2004135964A2004-05-13
GB1422966A1976-01-28
Attorney, Agent or Firm:
NOGAMI, Atsushi (9-16 Motocho2-chome, Urawa-ku, Saitama-sh, Saitama 73, JP)
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Claims:
 気密性および弾性を有するバッグの内部に保形用粒子が充填されてなり、前記内部を陰圧に保持することにより、前記バッグの形状が保持されるようにしたことを特徴とする、保形バッグ。
 前記保形用粒子は、軟質性粒子である、請求の範囲第1項に記載の保形バッグ。
 前記軟質性粒子は、発泡ポリスチレン粒子、発泡ポリエチレン粒子、発泡ウレタン粒子、発泡ゴムもしくは大鋸屑の単体またはこれらの組み合わせである、請求の範囲第2項に記載の保形バッグ。
 前記軟質性粒子は、かさ密度が0.5g/cc以下、粒径が0.3~3.0mm、およびアスペクト比が1.0~3.0である、請求の範囲第2項または第3項に記載の保形バッグ。
 前記保形用粒子は、硬質性粒子である、請求の範囲第1項に記載の保形バッグ。
 前記硬質性粒子は、セラミック粒子、アクリルビーズ、ガラスビーズ、シリカ粒子、ポリプロピレン粒子、ポリエチレン粒子もしくはポリスチレン粒子の単体またはこれらの組み合わせである、請求の範囲第5項に記載の保形バッグ。
 前記硬質性粒子は、かさ密度が1.5g/cc以下、粒径が0.3~1.5mm、およびアスペクト比が1.0~1.5である、請求の範囲第5項または第6項に記載の保形バッグ。
 前記陰圧は、-100~-5kPaである、請求の範囲第1項~第7項のいずれか1項に記載の保形バッグ。
 前記バッグの一部に前記内部を脱気するための脱気口を備える、請求の範囲第1項~第8項のいずれか1項に記載の保形バッグ。
 前記脱気口は、逆流防止機構を備える、請求の範囲第9項に記載の保形バッグ。
 前記脱気口は、内部圧力調整機構を備える、請求の範囲第9項または第10項に記載の保形バッグ。
 前記バッグの素材は、サーモプラスチックエラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム、エチレンプロピレンゴム、塩化ビニルゴム、クロロプレーンゴムもしくはポリウレタンゴムの単体またはこれらの組合せからなる、請求の範囲第1項~第11項のいずれか1項に記載の保形バッグ。
 前記バッグの形状は、略棒状、略円柱状、略直方体状、略楕円体状、略球状、略板状、略円盤状、略円環状または略円筒状である、請求の範囲第1項~第12項のいずれか1項に記載の保形バッグ。
 前記バッグの形状は、略円環状または略円筒状であり、所定部分の厚みが他の部分の厚みよりも大きく形成されていることを特徴とする、請求の範囲第13項に記載の保形バッグ。
 前記バッグの内部に通気性および伸縮性を有するインナーバッグを備え、前記保形用粒子は、前記インナーバッグの内部に充填されていることを特徴とする、請求の範囲第1項に記載の保形バッグ。
 前記バッグは、最内層に設けられた第1のバッグと、最外層に設けられた第2のバッグとからなり、前記インナーバッグは、前記第1のバッグと第2のバッグとから形成される中間層に備えられていることを特徴とする、請求の範囲第15項に記載の保形バッグ。
 前記第1のバッグと前記インナーバッグと前記第2のバッグとがそれぞれ独立して構成され、前記第1のバッグ、前記インナーバッグおよび前記第2のバッグを、順次身体に装着するようにしたことを特徴とする、請求の範囲第16項に記載の保形バッグ。
 前記第2のバッグの一部に前記中間層を脱気するための脱気口を備える、請求の範囲第16項または第17項に記載の保形バッグ。
 前記バッグを身体に固定するための固定手段をさらに有する、請求の範囲第1項~第18項のいずれか1項に記載の保形バッグ。
 請求の範囲第1項~第19項のいずれか1項に記載の保形バッグを用いた補装具。
 ギプス、圧迫包帯、コルセットもしくは頚椎カラーの代替品、頭部保護帽、関節固定具、放射線治療用姿勢固定具、レントゲン装置、コンピュータ断層撮影装置もしくは磁気共鳴映像装置の撮影用姿勢固定具、義肢用ライナー、スポーツ用サポーターまたは防具である、請求の範囲第20項に記載の補装具。
 前記防具は、ヘルメット、ショルダーガード、エルボーパッド、ニーパッド、シンガード、ボクシンググローブ、オープンフィンガーグローブまたはレガースである、請求の範囲第21項に記載の補装具。
 請求項1~19のいずれか1項に記載の保形バッグを用いた身体採型具。
 義肢用ソケット、特殊メイク製作用である、請求の範囲第23項に記載の身体採型具。
Description:
保形バッグならびにこれを用い 補装具および身体採型具

 本発明は、保形バッグならびにこれを用 た補装具および身体採型具に関する。

 補装具は、身体障害者等の日常生活や社 生活の質の向上を図るために、損傷や損失 た身体機能を補う用具である。また、障害 リハビリテーションの柱の一つである代償 力を獲得するための重要な手段となるもの ある。補装具としては、例えば、義手や義 等の義肢、義眼や眼鏡等の視覚障害者用補 具、補聴器等の聴覚障害者用補装具等が挙 られる。

 このうち義肢は、一般的に上肢や下肢の 断端を収納するソケット、支持部、足先部( または手先部)、これらを連結させるアダプ ー(継手)等から構成されている。これらのう ち、下肢切断端は、筋肉の収縮や歩行時の加 重によって変形し、ソケット内で動いて痛み を伴うことがある。そこで、義足においては 、切断端をソケット内に固定するために、一 般的には、フェルトやスポンジ等を用いたソ フトインサート(クッション)や、シリコーン ポリマーゲル等を用いたライナーを、切断 とソケットとの間に介在させている。

 通常、切断端の形状および周径が完全に 定するには時間を要するので、恒久的に使 される本義肢、特にソケットは、切断端の 状等が完全に安定した後に、義肢装具士に って製作される。ただし、切断端の形状等 不安定であっても、患者が早期に社会復帰 果たすためには歩行訓練等のリハビリを行 必要があるので、切断端の形状等が安定す までの間は訓練用仮義肢を用いている。

 しかしながら、切断端の形状等に合うよ にソケットを製作するためには、適切な整 性が得られるまで何度も作り直す必要があ ところ、訓練用仮義肢は短期間で不適合に るので、製作工程の煩雑化を招いていた。 らに、義肢装具士や患者の肉体的・精神的 担を増大させていた。

 そこで、本発明者は、切断端とソケットと 間に介在させるライナーとして使用でき、 ケットを製作し直さなくても切断端に適合 るように、ソケット内部形状を容易に調整 るのに用いることが可能な採型用陰圧粒子 ッグを先に提案した(特許文献1参照)。

特開2003-265507号公報

 しかしながら、本発明者が先に提案した 型用陰圧粒子バッグは、このバッグとソケ トとが一体的に構成され、両者は分離不可 であるので、切断端の採型、または、訓練 仮義肢への適用に限定されていた。

 また、このバッグは、内膜と外膜とが分 されたバッグ内に粒子が充填されるように 成されているので、切断端へ装着させる、 るいは切断端から外す場合には、切断端を に向けた状態で行う必要があり、患者にか る身体的負担が大きいという問題があった また、上記のように構成されているため、 度な重量を持った粒子でないと充填できず 使用する粒子が限定されていた。

 さらに、このバッグは、身体への密着性 高めるためのエアバッグが、バッグの外膜 内側に配設して構成されており、重量があ ので日常生活では使いにくいという問題点 あった。また、上記のように構成されてい ため、構成の複雑化を招き、それに伴う経 的負担を増加させていた。

 したがって、本発明の目的は、バッグや 子等の素材を用途に合わせて適宜選択でき 使用者への身体的および経済的負担を軽減 ることが可能で、汎用性が高い保形バッグ らびにこれを用いた補装具および身体採型 を提供することにある。

 本発明者は、斯かる従来技術の問題点に み、保形バッグならびにこれを用いた補装 および身体採型具の構成や使用する素材に いて鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成 た。

 (1)すなわち、本発明は、気密性および弾 を有するバッグの内部に保形用粒子が充填 れてなり、前記内部を陰圧に保持すること より、前記バッグの形状が保持されるよう したことを特徴とする、保形バッグである

 (2)本発明は、また、前記保形用粒子は、 質性粒子である、(1)に記載の保形バッグで る。

 (3)本発明は、また、前記軟質性粒子は、 泡ポリスチレン粒子、発泡ポリエチレン粒 、発泡ウレタン粒子、発泡ゴムもしくは大 屑の単体またはこれらの組み合わせである (2)に記載の保形バッグである。

 (4)本発明は、また、前記軟質性粒子は、 さ密度が0.5g/cc以下、粒径が0.3~3.0mm、および アスペクト比が1.0~3.0である、(2)または(3)に 載の保形バッグである。

 (5)本発明は、また、前記保形用粒子は、 質性粒子である、(1)に記載の保形バッグで る。

 (6)本発明は、また、前記硬質性粒子は、 ラミック粒子、アクリルビーズ、ガラスビ ズ、シリカ粒子、ポリプロピレン粒子、ポ エチレン粒子もしくはポリスチレン粒子の 体またはこれらの組み合わせである、(5)に 載の保形バッグである。

 (7)本発明は、また、前記硬質性粒子は、 さ密度が1.5g/cc以下、粒径が0.3~1.5mm、および アスペクト比が1.0~1.5である、(5)または(6)に 載の保形バッグである。

 (8)本発明は、また、前記陰圧は、-100~-5kPa である、(1)~(7)のいずれか1項に記載の保形バ グである。

 (9)また、本発明は、前記バッグの一部に 記内部を脱気するための脱気口を備える、( 1)~(8)のいずれか1項に記載の保形バッグであ 。

 (10)本発明は、また、前記脱気口は、逆流 防止機構を備える、(9)に記載の保形バッグで ある。

 (11)本発明は、また、前記脱気口は、内部 圧力調整機構を備える、(9)または(10)に記載 保形バッグである。

 (12)本発明は、また、前記バッグの素材は 、サーモプラスチックエラストマー、シリコ ーンゴム、ラテックスゴム、エチレンプロピ レンゴム、塩化ビニルゴム、クロロプレーン ゴムもしくはポリウレタンゴムの単体または これらの組合せからなる、(1)~(11)のいずれか1 項に記載の保形バッグである。

 (13)本発明は、また、前記バッグの形状は 、略棒状、略円柱状、略直方体状、略楕円体 状、略球状、略板状、略円盤状、略円環状ま たは略円筒状である、(1)~(12)のいずれか1項に 記載の保形バッグである。

 (14)本発明は、また、前記バッグの形状は 、略円環状または略円筒状であり、所定部分 の厚みが他の部分の厚みよりも大きく形成さ れていることを特徴とする、(13)に記載の保 バッグである。

 (15)また、本発明は、前記バッグの内部に 通気性および伸縮性を有するインナーバッグ を備え、前記保形用粒子は、前記インナーバ ッグの内部に充填されていることを特徴とす る、(1)に記載の保形バッグである。

 (16)本発明は、また、前記バッグは、最内 層に設けられた第1のバッグと、最外層に設 られた第2のバッグとからなり、前記インナ バッグは、前記第1のバッグと第2のバッグ から形成される中間層に備えられているこ を特徴とする、(15)に記載の保形バッグであ 。

 (17)また、本発明は、前記第1のバッグと 記インナーバッグと前記第2のバッグとがそ ぞれ独立して構成され、前記第1のバッグ、 前記インナーバッグおよび前記第2のバッグ 、順次身体に装着するようにしたことを特 とする、(16)に記載の保形バッグである。

 (18)また、本発明は、前記第2のバッグの 部に前記中間層を脱気するための脱気口を える、(16)または(17)に記載の保形バッグであ る。

 (19)また、本発明は、前記バッグを身体に 固定するための固定手段をさらに有する、(1) ~(18)のいずれか1項に記載の保形バッグである 。

 (20)また、本発明は、(1)~(19)のいずれか1項 に記載の保形バッグを用いた補装具である。

 (21)また、本発明は、ギプス、圧迫包帯、 コルセットもしくは頚椎カラーの代替品、頭 部保護帽、関節固定具、放射線治療用姿勢固 定具、レントゲン装置、コンピュータ断層撮 影装置もしくは磁気共鳴映像装置の撮影用姿 勢固定具、義肢用ライナー、スポーツ用サポ ーターまたは防具である、(20)に記載の補装 である。

 (22)本発明は、また、前記防具は、ヘルメ ット、ショルダーガード、エルボーパッド、 ニーパッド、シンガード、ボクシンググロー ブ、オープンフィンガーグローブまたはレガ ースである、(21)に記載の補装具である。

 (23)また、本発明は、(1)~(19)のいずれか1項 に記載の保形バッグを用いた身体採型具であ る。

 (24)さらに、本発明は、義肢用ソケット、 特殊メイク製作用である、(23)に記載の身体 型具である。

 本発明によれば、ソケットと一体的に構 されておらず、保形バッグ単体で使用する とができるので、採型だけでなく、他の用 にも適用することができる。また、切断端 下に向けた状態でなくとも、体位(立位、座 位および臥位)によらずに保形バッグを切断 に滑り込ませて装着させることができ、ま 、これを外すことも容易である。さらに、 形バッグの一部に備わった脱気口に逆流防 機構または内部圧力調整機構を備えること できるので、陰圧を緩めることにより、保 バッグ全体の形状を徒手でも調整すること できる。

 また、本発明によれば、充填される保形 粒子として、軟質性粒子および硬質性粒子 いずれかを選択して用いることができるの 、様々な用途に適用することができ、また 同様の用途であっても、使用者の特性(年齢 、性別、疾病の有無、病状等)に最適な保形 ッグを提供することができる。

 さらに、本発明によれば、保形バッグの 成が簡易であるので、エアバッグ等の付随 品等による経済的負担も軽減することがで る。

本発明の第1の実施形態にかかる保形バ ッグ10の構成を模式的に示した図であり、(a) 保形バッグ10の斜視図、(b)はそのA-A″断面 である。 保形バッグ10の形状を模式的に示した 視図であり、(a)は略円柱状、(b)は略直方体 、(c)は略楕円体状、(d)は略球状である。 保形バッグ10の使用方法を模式的に示 た図であり、(a)は保形バッグ10を上肢40に装 途中の状態を示す図であり、(b)は保形バッ 10を上肢40に装着後の状態を示す図である。 保形バッグ10の他の使用方法を模式的 示した図であり、(a)は保形バッグ10を下肢41 装着途中の状態を示す図であり、(b)は保形 ッグ10を下肢41に装着後の状態を示す図であ る。 保形バッグ10の他の使用方法を模式的 示した図であり、(a)は保形バッグ10を頸部42 装着途中の状態を示す図であり、(b)は保形 ッグ10を頸部42に装着後の状態を示す図であ る。 保形バッグ10の他の使用方法を模式的 示した図であり、(a)は保形バッグ10を頭部43 装着途中の状態を示す図であり、(b)は保形 ッグ10を頭部43に装着後の状態を示す図であ る。 保形バッグ10の他の使用方法を模式的 示した図であり、頭部43に装着させた使用者 を撮影台50上に寝かせた状態を示した図であ 。 保形バッグ10を義肢用ライナーとして 義足用ソケット51,52および義手用ソケット53 内部に設置した状態を模式的に示した図で り、(a)は義肢用ライナー51,52を下腿切断端44 ,45に装着後の状態を示した図であり、(b)は義 肢用ライナー53を上腿切断端46に装着後の状 を示した図である。 保形バッグ10を用いて下腿切断端44の採 型を行い、訓練用ソケットの陰性モデル54を 作する際の手順を模式的に示した図であり (a)は保形バッグ10を下腿切断端44に装着途中 の状態を示す図であり、(b)は保形バッグ10を 腿切断端44に装着後の状態を示す図であり (c)は保形バッグ10を用いて製作した訓練用ソ ケットの陰性モデル54を示す模式図である。 固定具付保形バッグ60の構成を模式的 示した斜視図である。 保形バッグ20の形状を模式的に示した 視図であり、(a)は略板状、(b)は略円盤状で る。 固定具付保形バッグ60を固化し、上肢4 0の肘部に密着固定させた後の状態を模式的 示した図である。 固定具付保形バッグ60を固化し、下肢4 1の膝部に密着固定させた後の状態を模式的 示した図である。 固定具付保形バッグ60を固化し、下肢4 1の脛部に密着固定させた後の状態を模式的 示した図である。 保形バッグ30の構成を模式的に示した であり、(a)は保形バッグ30の斜視図、(b)は のB-B″断面図である。 保形バッグ30の形状を模式的に示した 視図であり、(a)は偏心した中空部が略円筒 、(b)は略円環状、(c)は中空部が偏心した略 環状である。 保形バッグ30の使用方法を模式的に示 た図であり、(a)は保形バッグ30を上肢40に装 着後の状態を示す図であり、(b)は保形バッグ 30を下肢41に装着後の状態を示す図である。 保形バッグ30の他の使用方法を模式的 示した図であり、保形バッグ30を頸部42に装 着後の状態を示す図である。 保形バッグ30の他の使用方法を模式的 示した図であり、(a)は保形バッグ30を体幹47 に装着後の状態を示す図であり、(b)は保形バ ッグ30を体幹48に装着後の状態を示す図であ 。 保形バッグ30を体幹47に装着させた使 者を、撮影台56上に寝かせた状態を模式的に 示した状態図である。 保形バッグ100の断面図である。 保形バッグ300の断面図である。 保形バッグ101の斜視図である。 保形バッグ101の使用方法を模式的に示 した図であり、保形バッグ101を下肢41に装着 の状態を示す図である。 本発明の第7の実施形態にかかる分離 保形バッグを構成する各要素をそれぞれ模 的に示した図であり、(a)はインナーバッグ10 2の斜視図、(b)は分離型保形バッグの内側部 である第1のバッグ112の斜視図、および(c)は 離型保形バッグの外側部分である第2のバッ グ122の斜視図である。 分離型保形バッグの使用方法を模式的 に示した図であり、(a)は第1のバッグ112を下 41に装着後の状態を示す図であり、(b)はイン ナーバッグ102を第1のバッグ112を装着させた 肢41に装着後の状態を示す図であり、(c)は第 2のバッグ122を第1のバッグ112およびインナー ッグ102を装着させた下肢41に装着後の状態 示す図である。 バッグ素材の違いによる曲げ特性評価 試験の結果を示した図である。 印加陰圧の違いによる曲げ特性評価試 験の結果を示した図である。 粒径の違いによる曲げ特性評価試験の 結果を示した図である。 従来の義肢材料と本発明の保形バッグ 材料との曲げ特性比較試験の結果を示した図 である。

符号の説明

 10,20,30,100,101,300 保形バッグ
 11,31,110,310 保形用粒子
 12,22,32,121,132 脱気口
 13,23,33,131,142 逆流防止弁
 40 上肢
 41 下肢
 42 頸部
 43 頭部
 44,45 下腿切断端
 46 上腿切断端
 47,48 体幹
 50,56 撮影台
 51,52 義足用ソケット
 53 義手用ソケット
 54 陰性モデル
 55,151a,151b 固定具
 60 固定具付保形バッグ
 112 第1のバッグ
 122 第2のバッグ
 140,102,340 インナーバッグ

 以下、本発明の実施の形態を、添付図面 参照して説明する。

 図1は、本発明の第1の実施形態にかかる 形バッグ10の構成を模式的に示した図であり 、(a)は保形バッグ10の斜視図、(b)はそのA-A″ 面図である。図1(a)、(b)に示すように、保形 バッグ10は略棒状の形状であり、その内部に 保形用粒子11が充填され、その一部には内 を脱気するための脱気口12が設けられている 。また、脱気口12は、保形バッグ10の内部に 気が流入しないようにするための逆流防止 13を備えている。

 ただし、本発明の保形バッグ10の形状は 図1(a)に示す略棒状に限らず、例えば、図2(a) に示す略円柱状、図2(b)に示す略直方体状、 2(c)に示す略楕円体状、あるいは図2(d)に示す 略球状等であってもよく、用途に応じて使い 分けることができる。

 また、本発明で利用可能な素材としては その形状を保持するために内部を陰圧に保 するので、少なくとも空気の流出入を制限 得る気密性と、充填された保形用粒子11を 部に保持して装着部位に適合する形状を保 し得る強度と、保形バッグ10の内部が陰圧に 保持されてもシワ等が生じない程度の弾性と を有していることが望ましい。このような特 性を有する素材としては、例えばサーモプラ スチックエラストマー、シリコーンゴム、ラ テックスゴム、エチレンプロピレンゴム、塩 化ビニルゴム、クロロプレーンゴム、ポリウ レタンゴム等の単体またはこれらの組み合わ せが挙げられ、これらの中では、特にサーモ プラスチックエラストマー、ラテックスゴム 等が好適に利用される。

 本発明で利用可能な保形用粒子11には、 別すると、軟質性粒子と硬質性粒子とがあ 。ここで、『軟質性粒子』とは、塑性変形 やすく柔らかい粒子であり、保形バッグ10の 内部に、後述する所定の陰圧を印加しても粉 砕されない程度の強度を有しているものであ る。

 本発明で利用可能な軟質性粒子としては 例えば、発泡ポリスチレン粒子、発泡ポリ チレン粒子、発泡ウレタン粒子,発泡ゴム等 の発泡プラスチック粒子、大鋸屑等の単体ま たはこれらの組み合わせが挙げられ、これら の中では、特に、発泡ポリスチレンが等好適 に利用される。

 これらの粒子は、まず、かさ密度(見かけ 密度)が0.5g/cc以下、特に0.1g/cc以下であること が好ましい。なぜならば、かさ密度が0.5g/cc 超えると、粒子自体の伸縮性が高くなり、 体を圧迫しすぎてしまうので好ましくない らである。また、粒径が0.3~3.0mm、特に0.3~1.5m mであることが好ましい。すなわち、粒径が3. 0mmを超えると、粒子自体の伸縮性が高くなり 、身体を圧迫しすぎてしまうので好ましくな く、また、粒径が0.3mm未満になると、後述す インナーバッグ(第4の実施形態参照)の繊維 から粒子が飛散するので好ましくない。さ に、アスペクト比が1.0~5.0、特に1.0~3.0であ ことが好ましい。なぜならば、アスペクト が上記範囲を外れると、保形バッグ10を装着 した際に、粒子分布を任意に調整することが 困難になるので好ましくないからである。

 また、保形バッグ10を装着する際、身体 位を収納する容積を確保するため、軟質性 子の充填量は、見かけ体積で保形バッグ10の 容積の8~9割程度であることが好ましい。また 、充填される軟質性粒子は、保形バッグ10の 部で偏析しなければ、2種類以上であっても よい。複数種の粒子を充填する際には、剛性 特性が一定に保持されるように、粒子同士の かさ密度、粒径およびアスペクト比が同等の ものを選択することが好ましい。

 一方、『硬質性粒子』とは、塑性変形し くく硬い粒子であり、保形バッグ10の内部 、後述する所定の陰圧を印加しても、粉砕 れない程度の強度を有しているものである

 本発明で利用可能な硬質性粒子としては 例えば、セラミック粒子、アクリルビーズ ガラスビーズ、シリカ粒子、ポリプロピレ 粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレン粒 等の単体またはこれらの組み合わせが挙げ れ、これらの中では、特に、セラミック粒 、ポリスチレン粒子等が好適に利用される

 これらの粒子は、まず、かさ密度が1.5g/cc 以下、特に0.8g/cc以下であることが好ましい かさ密度が1.5g/ccを超えると、装着時の保形 ッグ10が重くなり過ぎるので好ましくない らである。また、粒径が0.3~1.5mm、特に0.3~1.0m mであることが好ましい。すなわち、粒径が1. 5mmを超えると、保型バッグ10の表面粗さが大 くなるので好ましくなく、粒径が0.3mm未満 なると、後述するインナーバッグの繊維目 ら粒子が飛散するので好ましくない。さら 、アスペクト比が1.0~2.0、特に1.0~1.5であるこ とが好ましい。アスペクト比が上記範囲を外 れると、軟質性粒子と同様に、粒子分布を任 意に調整することが困難になるからである。

 また、保形バッグ10に適用部位を収納す 容積を確保するため、硬質性粒子の充填量 、見かけ体積で保形バッグ10の容積の6~8割程 度であることが好ましい。また、充填される 硬質性粒子は、軟質性粒子と同様に、2種類 上であってもよい。複数種の粒子を充填す 際には、軟質性粒子と同様に、粒子同士の さ密度等が同等のものを選択することが好 しい。

 本発明の逆流防止弁13の構造および素材 、保形バッグ10の内部を陰圧に保持し、その 形状を保持することができるものであれば特 に限定されず、既知の構造および素材を利用 することができる。また、逆流防止弁13は、 気口12を開閉して内部圧力を調整すること できる機構、例えば、開閉バルブや開閉コ ク等を備えてもよい。ただし、開閉バルブ を備えなくてもよく、用途に応じて適宜選 することができる。

 本発明の保形バッグ10は、その内部を陰 に保持することにより、その形状が保持さ るという特徴を有する。したがって、軟質 粒子または硬質性粒子を充填した保形バッ 10に印加する陰圧は、ゲージ圧で-100~-5kPa、 に-100~-80kPaであることが好ましい。すなわち 、印加陰圧が上記下限値を下回ると、粒子の 過度な変形によって保形バッグ10と装着部位 の適合性に問題が生じたり、粒子の粉砕に って保形バッグ10が機能しなくなったりす 可能性があり、好ましくない。また、印加 圧が上記上限値を上回ると、保形バッグ10と 装着部位との密着度に問題が生じ、保形バッ グ10が機能しなくなる可能性があるので好ま くない。

 次に、本発明の第1の実施形態にかかる保 形バッグ10の用途および使用方法について説 する。

 本発明の第1の実施形態にかかる保形バッ グ10は、補装具や身体採型具等として利用す ことができる。ここで、本発明でいう『補 具』とは、失われた身体部位や、損なわれ 機能を代償または補償し、身体に装着また 着用して、日常生活、職場、学校等で使用 るものの総称であり、『義肢』と『装具』 が含まれる。『義肢』とは、腕(上肢)や脚( 肢)を失った患者が装着し、失われた外観や 動きを取り戻すための器具機械であり、『装 具』とは、腕、脚、あるいは胴体(体幹)の働 や動きに障害のある患者または健常者が装 し、患部または身体の保護、回復の補助、 形の防止、運動の補助等を目的として使用 るものである。

 本発明の保形バッグ10が適用可能な補装 としては、例えば、ギプス、圧迫包帯、コ セットもしくは頚椎カラーの代替品、頭部 護帽、関節固定具、放射線治療用姿勢固定 、レントゲン装置、コンピュータ断層撮影 置もしくは磁気共鳴映像装置の撮影用姿勢 定具、義肢用ライナー、スポーツ用サポー ー、防具が挙げられる。また、防具として 、例えば、ヘルメット、ショルダーガード( 当て)、エルボーパッド(肘当て)、ニーパッ (膝当て)、シンガード(サッカー等で用いる 当て)、ボクシンググローブ、オープンフィ ンガーグローブ、レガース(格闘技等で用い 膝から臑にかけて保護する防具)等が挙げら る。

 一方、本発明でいう『身体採型具』とは 義肢や装具を作るために必要な部位の型を る際に用いる道具である。従来は、この身 採型具として、ギプス(患部が動かないよう に固定・保護し安静を保つ為に用いられる包 帯材料または包帯法の略称)を用い、採型を っていた。身体採型具としてギプスを用い 従来の採型方法を以下に示す。

  (i)装具を作ろうとする部位のサイズを ってマーキングを行い、ギプスを切り取る のラインとして、数箇所に紐を沿わせてお 。

  (ii)石膏を含ませたギプス包帯を水また 微温湯に浸けて絞り、ほぐしてから巻き付 る。

  (iii)できるだけ均一のテンションで巻き 付ける。

  (iv)石膏が固まるまで待つ。

  (v)石膏が固まった後に紐を引っ張り、 ッターナイフでギプスを切り取る。

  (vi)とれた型を元に、義肢装具士が義肢 装具を製作する。

 しかし、ギプスを用いた採型においては 石膏が固まるまでに時間を要し、また、ギ スの再利用は不可能であった。これに対し 本発明の保形バッグ10を身体採型具のギプ の代替品として用いることにより、内部を 圧に保持することで、瞬時に固めることが き、内部を陽圧に保持することで、固化前 状態に戻すことができるので、何度でも再 用が可能になったものである。また、操作 簡易であるので、採型を短時間で行うこと できるようになったり、身体部位のどこに も密着させることができるので、従来では 型を行うことが難しかった部位、例えば肩 顔等の型取りを行うことが可能になったも である。

 すなわち、本発明の保形バッグ10の適用 能な身体採型具としては、例えば、義肢用 ケット、特殊メイク(映画等の撮影のために いられる特殊メイクを行う際の顔等の型取 )等の製作用採型具等が挙げられる。

 図3は、保形バッグ10の使用方法を模式的 示した図であり、(a)は保形バッグ10を上肢40 に装着途中の状態を示す図であり、(b)は保形 バッグ10を上肢40に装着後の状態を示す図で る。

 まず、図3(a)に示すように、使用者の上肢 40を、硬質性粒子を充填した保形バッグ10に り込ませ、図3(b)に示すように、固定させた 部位全体を覆うようにして保形バッグ10を 着する。次いで、真空チューブ等の接続部 (図示せず。)を介して、真空ポンプ等の真空 排気装置(図示せず。)と、保形バッグ10に備 られた逆流防止弁13とを接続する。その後、 保形バッグ10の内部に陰圧を印加し、保形バ グ10を固化しながら上肢40に密着固定させる 。

 このようにして上肢40に固定された保形 ッグ10は、骨折や靭帯損傷等の治療において 、上肢40が動かないよう外から固定および保 し、安静を保つことができるので、例えば 補装具の一種であるギプスの代替品として 用することができる。ただし、上肢40の状 によっては、軟質性粒子を充填した保形バ グ10を用いてもよいし、頭部、体幹部、下肢 等に適用してもよい。

 上述したとおり、硬質性粒子を充填した 形バッグ10は、陰圧を印加しても粒子が変 しないので、固定部位を圧迫することがな 。したがって、固定部位を圧迫せずに固定 保護および矯正したい場合に適している。 た、軟質性粒子を充填した保形バッグ10は、 陰圧を印加すると粒子が収縮して変形し、保 形バッグ10も収縮するので、硬質性粒子を充 した保形バッグ10と比較して、固定部位を 大約10kPaで圧迫することができる。したがっ て、固定部位を圧迫しながら固定、保護およ び矯正したい場合に適している。ただし、固 定部位の状態等を考慮して、圧迫度合いを適 宜調節することができる。

 図4は、保形バッグ10の他の使用方法を模 的に示した図であり、(a)は保形バッグ10を 肢41に装着途中の状態を示す図であり、(b)は 保形バッグ10を下肢41に装着後の状態を示す である。

 まず、図4(a)に示すように、使用者の下肢 41を、硬質性粒子を充填した保形バッグ10に り込ませ、図4(b)に示すように、固定させた 部位全体を覆うようにして保形バッグ10を 着する。次いで、上述した方法と同様にし 陰圧を印加し、保形バッグ10を固化しながら 下肢41に密着固定させる。

 このようにして下肢41に固定された保形 ッグ10は、捻挫、脱臼、骨折、軟骨損傷、靱 帯損傷、肉離れ、腱断裂、脳震盪、脳挫傷、 皮膚の創傷等による出血や滲出液の放出等の 治療において、下肢41が動かないよう外から 迫および固定し、過剰な出血や滲出液の放 等を防ぐことができるので、例えば、補装 の一種である圧迫包帯の代替品として利用 ることができる。ただし、下肢41の状態に っては、軟質性粒子を充填した保形バッグ10 を用いてもよいし、下肢41に限らず、頭部、 幹部、上肢等に適用してもよい。

 図5は、保形バッグ10の他の使用方法を模 的に示した図であり、(a)は保形バッグ10を 部42に装着途中の状態を示す図であり、(b)は 保形バッグ10を頸部42に装着後の状態を示す である。

 まず、図5(a)に示すように、硬質性粒子を 充填した保形バッグ10を使用者の頸部42に巻 つけ、図5(b)に示すように、固定させたい部 全体を覆うようにして保形バッグ10を装着 る。次いで、上述した方法と同様にして陰 を印加し、保形バッグ10を固化しながら頸部 42に密着固定させる。

 このように、頸部42に固定させた保形バ グ10は、頸椎椎間板ヘルニア、むち打ち症、 頸椎椎間板症等の治療において、頸部42が動 ないよう外から固定および保護し、頭部の 持、頸椎の運動制限、頸椎の良肢位の維持 よび矯正等を行うことができるので、例え 、補装具の一種である頸椎カラーの代替品 して利用することができる。ただし、頸部4 2の状態によっては、軟質性粒子を充填した 形バッグ10を用いてもよいし、頸部42以外の 位、例えば体幹部等に適用してもよい。な 、体幹部に固定された保形バッグ10は、腰 または脊椎の骨折(圧迫骨折)、椎間板ヘルニ アの治療、あるいは脊椎側彎症や脊椎骨折等 の手術後の治療において、補装具の一種であ るダーメンコルセット(コルセットともいう )等の体幹装具や硬性装具の代替品として利 することができる。

 図6は、保形バッグ10の他の使用方法を模 的に示した図であり、(a)は保形バッグ10を 部43に装着途中の状態を示す図であり、(b)は 保形バッグ10を頭部43に装着後の状態を示す である。

 まず、図6(a)に示すように、硬質性粒子を 充填した保形バッグ10を使用者の頭部43に被 、図6(b)に示すように、固定させたい部位全 を覆うようにして保形バッグ10を装着する 次いで、上述した方法と同様にして陰圧を 加し、保形バッグ10を固化しながら頭部43に 着固定させる。

 このように、頭部43に固定させた保形バ グ10は、平衡機能障害、下肢または体幹機能 障害等による転倒時の頭部保護を行うことが できるので、例えば、補装具の一種である頭 部保護帽として利用することができる。ただ し、使用者の状態によっては、軟質性粒子を 充填した保形バッグ10を用いてもよいし、頭 43に限らず、顔部や頸部等に保護範囲を広 て同時に適用してもよい。

 図7は、図3と同様の保形バッグ10の他の使 用方法を模式的に示した図であり、頭部43に 着させた使用者を撮影台50上に寝かせた状 を示した図である。

 まず、図6(a)に示すように、軟質性粒子を 充填した保形バッグ10を使用者の頭部43に被 、図6(b)に示すように、固定させたい部位全 を覆うようにして保形バッグ10を装着する 次いで、図7に示すように、保形バッグ10を 着させた使用者を撮影台50上に寝かせ、上述 した方法と同様にして陰圧を印加し、保形バ ッグ10を固化しながら頭部43に密着固定させ 。

 このように、頭部43に固定させた保形バ グ10は、頭部43が動かないよう外から固定す ことができるので、例えば、放射線治療時 しくはレントゲン装置、コンピュータ断層 影装置または磁気共鳴映像装置の撮影時に いて、補装具の一種である姿勢固定具とし 利用することができる。ただし、使用者の 態等によっては、硬質性粒子を充填した保 バッグ10を用いてもよいし、頭部43に限らず 、体幹部、上肢、下肢等に適用してもよい。

 図8は、保形バッグ10の他の使用方法を模 的に示した図である。すなわち、これは、 形バッグ10を義肢用ライナーとして、義足 ソケット51,52および義手用ソケット53の内部 設置した状態を模式的に示した図であり、( a)は義肢用ライナー51,52を下腿切断端44,45に装 着後の状態を示した図であり、(b)は義肢用ラ イナー53を上腿切断端46に装着後の状態を示 た図である。

 まず、患者の下腿切断端44,45および上腿 断端46を、軟質性粒子を充填した保形バッグ 10にそれぞれ滑り込ませ、断端全体を覆うよ にして保形バッグ10をそれぞれ装着する。 いで、上述した方法と同様にして陰圧を印 し、保形バッグ10を固化しながら下腿切断端 44,45および上腿切断端46にそれぞれ密着固定 せる。その後、図8(a)~(c)に示すように、保形 バッグ10を固定した下腿切断端44,45および上 切断端46を、義足用ソケット51,52および義手 ソケット53の内部にそれぞれ挿入する。た し、保形バッグ10の密着が不十分だと感じる 場合は、陰圧を緩めて、あるいは徒手で保形 バッグ10を押して、それぞれ内部の圧力調整 行い、再度保形バッグ10を固定した下腿切 端44,45および上腿切断端46を、義足用ソケッ 51,52および義手用ソケット53の内部にそれぞ れ挿入する。

 このように、下腿切断端44,45および上腿 断端46に固定させた保形バッグ10は、補装具 一種である義肢用ライナーとして利用する とができる。ただし、下腿切断端44,45およ 上腿切断端46の状態によっては、硬質性粒子 を充填した保形バッグ10を用いてもよいし、 腿切断端44,45および上腿切断端46に限らず、 肩甲胸郭間切断端に適用してもよい。

 一方、義肢は従来から次の手順で製作さ ている。

  (i)患者の切断端を石膏付きギプス包帯 採型し、陰性モデル(雌型)を製作する。

  (ii)陰性モデルに石膏を充填して陽性モ ル(石膏雄型)を製作し、陽性モデルを修正 た後、陽性モデルからチェック用のソケッ (樹脂製雌型)を製作する。

  (iii)訓練用ソケットを義肢用部品である 義肢用アダプターと連結して訓練用仮義肢を 製作し、患者に訓練用仮義肢を装着させ、試 用する。

  (iv)熱処理、パテ塗り、切削等の各工程 訓練用仮義肢を修正し、試用で判った欠陥 解消する。

  (v)試用して欠陥がなければ、訓練用仮 肢から陽性モデル(雄型)を再度製作し、本義 肢を製作する。

 しかし、切断端の形状および周径は、切 直後から変化するため、訓練用仮義肢は短 間で不適合になり、本義肢を製作できるよ になるまで、何回か作り直すことが一般的 あり、製作工程が煩雑だった。これに対し 訓練用仮義肢および本義肢製作工程におい 、本発明の保形バッグ10を身体採型具のギ スの代替品として用いることにより、上述 たように、再利用および短時間での採型が 能となったので、切断端の形状等が時間の 過とともに変化し続けたとしても、訓練用 義肢等の製作時間を短縮することが可能に ったものである。

 すなわち、本発明の保形バッグ10は、訓 用仮義肢や本義肢等に利用される義肢用ラ ナー等の作製用身体採型具に適用すること できるものである。

 図9は、保形バッグ10の他の使用方法を模 的に示した図である。すなわち、図3は、保 形バッグ10を用いて下腿切断端44の採型を行 、訓練用ソケットの陰性モデル54を製作する 際の手順を模式的に示した図であり、(a)は保 形バッグ10を下腿切断端44に装着途中の状態 示す図であり、(b)は保形バッグ10を下腿切断 端44に装着後の状態を示す図であり、(c)は保 バッグ10を用いて製作した訓練用ソケット 陰性モデル54を示す模式図である。

 まず、図9(a)に示すように、患者の下腿切 断端44を、硬質性粒子を充填した保形バッグ1 0に滑り込ませ、図9(b)に示すように、採型し い部位全体を覆うようにして保形バッグ10 装着する。次いで、上述した方法と同様に て陰圧を印加し、保形バッグ10を固化しなが ら下腿切断端44に密着固定させる。その後、 定した保形バッグ10を、形が崩れないよう 注意しながら、下腿切断端44から引き抜く。

 このようにして下腿切断端44から引き抜 れた保形バッグ10は、図9(c)に示すように、 練用ソケットの陰性モデル54等の身体採型具 として、訓練用ソケットや本義足用ソケット を製作する際に用いることができる。また、 下腿切断端44に限らず、肩甲胸郭間切断、肩 節離断、上腕切断、肘関節離断、上腕切断 前腕切断、手関節離断、手根中手切断、指 断、片側骨盤切除、股関節離断、大腿切断 股関節離断、膝関節離断、サイム切断、ピ ゴフ切断、ボイド切断、ショパール切断、 スフラン切断、中足骨切断、足指切断等の 肢製作に適用してもよい。

 なお、本発明の保形バッグ10を作製用身 採型具に適用した場合には、保形バッグ10に 軟質性粒子を充填することは好ましくない。 軟質性粒子は、上述したとおり、陰圧を印加 すると粒子が収縮して変形し、切断端を保形 バッグ10から脱離すると切断端を圧迫して釣 合っていた力のバランスが崩れて保形バッ 10が収縮するため、切断端の形状を厳密に 現しなければならない採型用途には不向き からである。

 以下、本発明の保形バッグの他の実施形 について説明するが、本発明の第1の実施形 態で説明したものについてはその説明を省略 し、第1の実施形態との相違点のみを説明す 。

 図10は、本発明の第2の実施形態にかかる 定具付保形バッグ60の構成を模式的に示し 斜視図である。図10に示すように、固定具付 保形バッグ60は、保形バッグ20と固定具55とを 備えている。保形バッグ20は、図11(a)に示す うに略板状の形状であり、上述した第1の実 形態にかかる保形バッグ10と同様に、その 部には保形用粒子(図示せず。)が充填され、 保形バッグ20の一部には脱気口22が設けられ また、脱気口22には逆流防止弁13を備えられ いる。さらに、保形バッグ10とは異なり、 定具付保形バッグ60は、固定具55の内部壁面 一部に設けられている。

 本発明の保形バッグ20の形状は、図11(a)に 示す略板棒状に限らず、例えば、図11(b)に示 略円盤状等であってもよく、用途に応じて い分けることができる。

 また、本発明の保形バッグ20の素材、本 明で利用可能な保形用粒子、逆流防止弁23の 構造および素材、ならびに保形バッグ20に印 する陰圧については、本発明の第1の実施形 態にかかる保形バッグ10と同様のものを用い ことができる。

 本発明の固定具55の構造および素材は、 縮性および通気性を有していれば特に限定 れず、用途に応じて適宜選択することがで る。すなわち、伸縮性を有していれば、関 等の動きがある部位にも固定具付保形バッ 60を装着させることができ、通気性を有して いれば、汗等の水分を蒸発させることができ る。このような特性を有する素材としては、 ナイロン、アクリル、ポリウレタン、コット ン、レーヨン等の単体またはこれらの組み合 わせ等が挙げられる。なお、用途に応じて、 保湿性等の他の特性を付与させてもよい。

 次に、本発明の第2の実施形態にかかる固 定具付保形バッグ60の用途および使用方法に いて説明する。本発明の第2の実施形態にか かる固定具付保形バッグ60は、上述した補装 等として利用することができる。

 図12は、図10示す固定具付保形バッグ60を 化し、上肢40の肘部に密着固定させた後の 態を模式的に示した図である。

 まず、図12に示すように、軟質性粒子を 填した保形バッグ20を上肢40の肘部全体を覆 ように装着し、固定具55を用いて固定する 次いで、上述した方法と同様にして陰圧を 加し、保形バッグ20を固化しながら上肢40の 部に密着固定させる。

 このように、上肢40の肘部に固定させた 定具付保形バッグ60は、ローラースケート等 の運動、もしくは平衡機能障害、下肢または 体幹機能障害等による転倒時の衝撃を和らげ 、肘部を保護することができるので、例えば 、スポーツ用サポーターの一種である肘関節 部保護用サポーターや、防具の一種であるエ ルボーパッドとして利用することができる。 ただし、状況によっては、硬質性粒子を充填 した保形バッグ20を用いてもよいし、上肢40 肘部に限らず、図13,14に示すように、下肢41 膝部や脛部に適用してもよいし、頭部、肩 、手等に適用してもよい。なお、下肢41の 部や脛部に固定された固定具付保形バッグ60 は、スポーツ用サポーターの一種である膝関 節部保護用サポーターや、防具の一種である ニーパッド、さらに、ヘルメット、肩関節部 保護用サポーターまたはショルダーガード、 ボクシンググローブ、オープンフィンガーグ ローブ等として利用することもできる。また 、使用者の体格や適用部位に応じて、固定具 55の寸法を適宜設計してもよい。

 図15は、本発明の第3の実施形態にかかる 形バッグ30の構成を模式的に示した図であ 、(a)は保形バッグ30の斜視図、(b)はそのB-B″ 断面図である。図14(a)、(b)に示すように、保 バッグ30は、その形状が略円筒状である以 は、本発明の第1の実施形態にかかる保形バ グ10と同様の構成である。

 本発明の保形バッグ30の形状は、図15(a)に 示す略円筒状に限らず、例えば、図16(a)に示 中空部が偏心した略円筒状、図16(b)に示す 円環状、図16(c)に示す中空部が偏心した略円 環状等であってもよく、保形バッグ10と同様 、用途に応じて使い分けることができる。

 また、本発明で利用可能な保形用粒子31 よび保形バッグ30の素材、逆流防止弁33の構 および素材、ならびに保形バッグ30に印加 る陰圧については、保形バッグ10と同様のも のを用いることができる。ただし、保形用粒 子31は、保形バッグ30の内部に均等に分散さ ていなくてもよく、用途に応じて内部の一 に偏在させてもよい。

 次に、本発明の第3の実施形態にかかる保 形バッグ30の用途および使用方法について説 する。本発明の第3の実施形態にかかる保形 バッグ30は、補装具等として利用することが きる。

 図17は、保形バッグ30の使用方法を模式的 に示した図であり、(a)は保形バッグ30を上肢4 0に装着後の状態を示す図であり、(b)は保形 ッグ30を下肢41に装着後の状態を示す図であ 。

 まず、使用者の上肢40または下肢41を、硬 質性粒子を充填した保形バッグ30にそれぞれ り込ませ、図17(a)、(b)に示すように、固定 せたい部位全体を覆うようにして保形バッ 30をそれぞれ装着する。次いで、上述した方 法と同様にして陰圧を印加し、保形バッグ30 固化しながら上肢40または下肢41にそれぞれ 密着固定させる。

 このようにして、上肢40または下肢41にそ れぞれ固定された保形バッグ30は、本発明の 1の実施形態の保形バッグ10と同様に、例え 、補装具の一種であるギプスや圧迫包帯の 替品として、それぞれ利用することができ 。ただし、上肢40または下肢41の状態によっ ては、軟質性粒子を充填した保形バッグ30を いてもよいし、上肢40または下肢41に限らず 、頭部や体幹部、手首、足首等に適用しても よい。また、上記の保形バッグ10等と同様に 保形バッグ30を、頭部保護帽や関節固定具 代替品として利用してもよい。

 図18は、保形バッグ30の他の使用方法を模 式的に示した図であり、保形バッグ30を頸部4 2に装着後の状態を示す図である。また、図19 は、保形バッグ30のさらに他の使用方法を模 的に示した図であり、(a)は保形バッグ30を 幹47に装着後の状態を示す図であり、(b)は保 形バッグ30を体幹48に装着後の状態を示す図 ある。

 まず、硬質性粒子を充填した保形バッグ3 0を、使用者の頭部43から被って頸部42または 幹47,48までそれぞれ引き下げ、図18または図 19(a)、(b)に示すように、固定させたい部位全 を覆うようにして保形バッグ30をそれぞれ 着する。次いで、上述した方法と同様にし 陰圧を印加し、保形バッグ30を固化しながら 頸部42または体幹47,48にそれぞれ密着固定さ る。

 このように、頸部42または体幹47,48にそれ ぞれ固定させた保形バッグ30は、本発明の第1 の実施形態の保形バッグ10と同様に、例えば 補装具の一種である頸椎カラー、ダーメン ルセットや硬性装具の代替品として、それ れ利用することができる。ただし、頸部42 たは体幹47,48の状態によっては、軟質性粒子 を充填した保形バッグ30を用いてもよい。

 図20は、保形バッグ30を体幹47に装着させ 使用者を、撮影台56上に寝かせた状態を模 的に示した状態図である。

 まず、図19(a)と同様にして、軟質性粒子 充填した保形バッグ30を、使用者の頭部43に せて体幹47まで引き下げ、固定させたい部 全体を覆うようにして保形バッグ30を装着す る。次いで、図20に示すように、保形バッグ3 0を装着させた患者を撮影台56上に寝かせ、上 述した方法と同様にして陰圧を印加し、保形 バッグ30を固化しながら体幹47に密着固定さ る。

 このように、体幹47に固定させた保形バ グ30は、本発明の第1の実施形態の保形バッ 10と同様に、補装具の一種である姿勢固定具 として利用することができる。ただし、使用 者の状態等によっては、硬質性粒子を充填し た保形バッグ30を用いてもよいし、体幹47に らず、頭部、上肢、下肢等に適用してもよ 。

 図21は、本発明の第4の実施形態にかかる 形バッグ100の断面図である。図21に示すよ に、保形バッグ100は、その内部に通気性お び伸縮性を有するインナーバッグ140を備え 保形用粒子110はインナーバッグ140の内部に 填されている以外は、本発明の第1の実施形 にかかる保形バッグ10と同様の構成である また、本発明で利用可能な保形バッグ100お び保形用粒子110の形状および素材、逆流防 弁115の構造および素材、ならびに保形バッ 100に印加する陰圧については、本発明の第1 実施形態にかかる保形バッグ10と同様のも を用いることができる。

 本発明で利用可能なインナーバッグ140の 材としては、保形バッグ100の形状を保持す ために、その内部を陰圧に保持するので、 なくとも、保形バッグ100の内部を陰圧に保 すると同時に、インナーバッグ140の内部も 圧に保持されるようにするための通気性と 充填された保形用粒子112をインナーバッグ1 40の内部に保持して装着部位に適合する形状 保持し得る強度と、保形バッグ100自体や保 用粒子112の変形を妨げない伸縮性とを有し いることが望ましい。このような性質を有 る素材としては、例えば、ポリエステル、 イロン、ポリウレタン等の化学繊維等の単 またはこれらを組み合わせた素材が挙げら 、これらの中では、特にポリウレタン等が 適に利用される。なお、インナーバッグ140 、袋状にして内部に保形用粒子112を充填し 利用されてもよい。このような構成にする とで、内部を陰圧に保持される際に、保形 ッグ100自体や保形用粒子112が吸引されるの 防止することができる。

 本発明の第4の実施形態にかかる保形バッ グ100は、補装具、身体採型具等として利用す ることができ、例えば、上述した保形バッグ 10と同様の方法で、各種補装具や身体採型具 して用いることができる。

 図22は、本発明の第5の実施形態にかかる 形バッグ300の断面図である。図22に示すよ に、保形バッグ100は、その内部に保形バッ 100と同様のインナーバッグ340を備え、保形 粒子310はインナーバッグ340の内部に充填さ 、さらにその形状が、中空部が偏心した略 筒状である以外は、本発明の第3の実施形態 かかる保形バッグ30と同様の構成である。 た、本発明で利用可能な保形バッグ300、保 用粒子312、およびインナーバッグ340の素材 逆流防止弁の構造および素材、ならびに保 バッグ300に印加する陰圧については、本発 の第3の実施形態にかかる保形バッグ30と同 のものを用いることができる。

 本発明に適用可能な保形バッグ300の形状 、所定部分の厚みが他の部分の厚みよりも きく形成されていれば特に限定されず、例 ば、図16(c)に示す中空部が偏心した略円環 であってもよく、用途に応じて使い分ける とができる。

 本発明の第5の実施形態にかかる保形バッ グ300は、部分固定が可能な補装具等として利 用することができ、例えば、上述した保形バ ッグ10と同様の方法で、各種補装具として用 ることができる。

 図23は、本発明の第6の実施形態にかかる 形バッグ101の斜視図である。ただし、この 形バッグ100は、身体に固定するための固定 151a,151bをさらに有している以外は、本発明 第1の実施形態にかかる保形バッグ10と同様 構成である。また、本発明で利用可能な保 バッグ101および保形用粒子の形状および素 、逆流防止弁131の構造および素材、ならび 保形バッグ101に印加する陰圧については、 発明の第1の実施形態にかかる保形バッグ10 同様のものを用いることができる。なお、 発明の第4の実施形態にかかる保形バッグ100 と同様に、保形バッグ101は、その内部にイン ナーバッグを有して構成されてもよい。

 本発明に適用可能な固定具151a,151bの構造 よび素材は、保形バッグ101を身体に固定す ことができるものであれば特に限定されず 構造としては、既知のものを用いることが き、素材としては、上述した固定具55と同 の素材を用いることができる。また、固定 151a,151bの形状は、例えば、紐状、布状、面 ァスナー状、マジックベルト、尾錠(バック )ベルト等を利用することができる。

 本発明の第6の実施形態にかかる保形バッ グ101は、補装具等として利用することができ 、例えば、上述した保形バッグ10と同様の方 で、各種補装具として用いることができる

 図24は、保形バッグ101の使用方法を模式 に示した図であり、保形バッグ101を下肢41に 装着後の状態を示す図である。

 まず、硬質性粒子を充填した保形バッグ1 01を、使用者の下肢41に穿かせ、固定させた 部位全体を覆うようにして保形バッグ101を 着する。次いで、上述した方法と同様にし 陰圧を印加し、保形バッグ101を固化しなが 下肢41に密着固定させ、図24に示すように、 定具307a,307bを用いて下肢41に完全に固定さ る。

 このように、下肢41に固定させた保形バ グ101は、本発明の第1の実施形態の保形バッ 10と同様に、例えば、スポーツ用サポータ または防具として、利用することができる ただし、下肢41の状態によっては、軟質性粒 子を充填した保形バッグ30を用いてもよいし 下肢41に限らず、頭部、上肢、体幹等に適 してもよい。

 図25は、本発明の第7の実施形態にかかる 離した保形バッグ(以下、「分離型保形バッ グ」という。)を構成する各要素をそれぞれ 式的に示した図であり、(a)はインナーバッ 102の斜視図、(b)は分離型保形バッグの内側 分である第1のバッグ112の斜視図、および(c) 分離型保形バッグの外側部分である第2のバ ッグ122の斜視図である。本発明の分離型バッ グは、これらの構成要素を組み合わせて使用 されるものであり、保形バッグが第1のバッ 112と第2のバッグ122とに分離して構成され、 らに第2のバッグ122に脱気口132および逆流防 止弁142を備えている点で、上述した第4の実 形態にかかる保形バッグ100と相違するもの ある。

 インナーバッグ102の形状および素材、こ 内部に充填する保形用粒子の形状、素材お び充填量については、本発明の第4の実施形 態にかかる保形バッグ100と同様のものを用い ることができる。

 第1のバッグ112の形状は、固定する部位( 肢、上肢等)を被覆することができれば特に 定されず、例えば、図25(b)に示すように一 の端部が開口した略棒状であってもよく、 るいは、予め固定部位の形状や用途に合わ て靴下状、足袋状、手袋状、略円筒状、袋 等に加工されてもよい。ただし、第1のバッ 112の内部に固定部位を収納できる程度の容 を有している必要がある。また、この素材 、本発明の第4の実施形態にかかる保形バッ グ100と同様のものを用いることができる。

 第2のバッグ122は、本発明の第1の実施形 にかかる保形バッグ10と同様に、脱気口132が 設けられ、この脱気口132は逆流防止弁142を備 えている。第2のバッグ122の形状は、固定部 とこの固定部位に装着した第1のバッグ112お びインナーバッグ102とを被覆することがで れば特に限定されず、例えば第1のバッグ112 で述べた形状であってもよい。ただし、第2 バッグ122の内部に固定部位とこの固定部位 装着した第1のバッグ112およびインナーバッ 102とを収納できる程度の容積を有している 要がある。また、この素材は、さらに、逆 防止弁142の構造および素材ならびに第2のバ ッグ122を介してインナーバッグ102に印加する 陰圧については、本発明の第4の実施形態に かる保形バッグ100と同様のものを用いるこ ができる。なお、逆流防止弁142は、第2のバ グ122と一体的に構成されていても、あるい 、両者が分離可能に構成されていてもよく 用途に応じて適宜選択することができる。

 次に、本発明の第7の実施形態にかかる分 離型保形バッグの用途および使用方法につい て説明する。本発明の第7の実施形態にかか 分離型保形バッグは、上述した補装具等と て利用することができる。

 図26は、分離型保形バッグの使用方法を 式的に示した図であり、(a)は第1のバッグ112 下肢41に装着後の状態を示す図であり、(b) インナーバッグ102を第1のバッグ112を装着さ た下肢41に装着後の状態を示す図であり、(c )は第2のバッグ122を第1のバッグ112およびイン ナーバッグ102を装着させた下肢41に装着後の 態を示す図である。

 まず、図26(a)~(c)に示すように、使用者の 肢41に第1のバッグ112、インナーバッグ102お び第2のバッグ122を順次滑り込ませ、固定さ せたい部位全体を覆うようにしてこれらをそ れぞれ装着する。次いで、上述した方法と同 様にして陰圧を印加し、インナーバッグ102を 固化しながら下肢41に、第1のバッグ112、イン ナーバッグ102および第2のバッグ122を密着固 させる。

 このようにして下肢41に固定されたイン ーバッグ102は、本発明の第1の実施形態の保 バッグ10と同様に、例えばギプスや圧迫包 等の代替品等として利用することができる ただし、下肢41の状態や用途によって、イン ナーバッグ102に充填される保形用粒子として 、軟質性粒子や硬質性粒子を使い分けてもよ いし、保形用粒子を偏在させて特定の部位だ けを固定するように設計されてもよい。また 、下肢41に限らず、頭部、上肢、体幹等に適 してもよい。

 本発明の分離型保形バッグは、上述した うに、第1のバッグ112と第2のバッグ122とが 離可能に構成されており、例えば、複数の ンナーバッグ102を組み合わせて、成人の健 下肢や大型動物の肢体等の長さがある部位 完全に被覆し、固定することができる。す わち、既存のインナーバッグ102を複数組み わせれば、その形状や大きさに依存するこ なく、ギプス等の代替品等としての目的を 成できるものである。

 なお、本発明の保形バッグおよび各構成 素の形状、大きさおよび素材もしくは使用 件は、用途、使用者の体格、適用部位の状 等によって適宜選択するものであり、上記 限定されるものではない。

 [実施例1]バッグ素材の違いによる曲げ特 評価試験

 1mm厚の合成ゴム、2mm厚の低伸縮性エチレ ビニルアセテートコポリマー(EVA)および片 に合成ゴム、他面にEVAを使用したハイブリ ド素材の異なる3種類のバッグ素材を用い、 ッグを製作した。次いで、製作したバッグ 長さ120mm、幅30mmおよび厚さ20mmにそれぞれ成 型し、これらの中に粒径0.3~0.6mmのセラミック 粒子を充填して試験片A1、A2およびA3とした。 その後、これらの試験片に、-650mmHgの陰圧を れぞれ印加して剛性を高め、JISのプラスチ ク曲げ試験に準拠して3点曲げ試験を行った 。各試験片に曲げ荷重(縦軸)を加えた時の曲 変位(横軸)を、図27に示した。

 図27のとおり、異なる3種類の試験片の剛 を比較すると、A2が一番高い特性を示し、A1 が一番低い特性を示すことがわかった。

 [実施例2]印加陰圧の違いによる曲げ特性 価試験

 実施例1の試験片A2を3片用い、試験片B1、B 2およびB3とした。その後、これらの試験片に 、-200mmHg、-350mmHgおよび-650mmHgの陰圧をそれぞ れ印加して剛性を高め、実施例1と同様に3点 げ試験を行った。また、その結果を、実施 1と同様に図28に示した。

 図28のとおり、印加する陰圧が大きいほ 、高い剛性を示すことがわかった。

 [実施例3]粒径の違いによる曲げ特性評価 験

 実施例1のハイブリッド素材のバッグの中 に、それぞれ粒径0.3~0.6mmおよび0.6~1.2mmのセラ ミック粒子を充填して試験片C1およびC2とし 。その後、これらの試験片を用い、実施例1 同様に3点曲げ試験を行った。また、その結 果を、実施例1と同様に図29に示した。

 図29のとおり、粒径が小さいほど、高い 性を示すことがわかった。

 [実施例4]従来の義肢材料と本発明の保形 ッグ材料との曲げ特性比較試験

 実施例1の試験片A3を、本発明の保形バッ 材料で製作されたものとして試験片D1とし 。また、5mm厚のポリプロピレン(PP)および5mm のエチレンポリプロピレンコポリマー(EP)の 異なる2種類の義肢材料を、実施例1の試験片 長さおよび幅になるように加工し、それぞ 試験片D2およびD3とした。なお、D1の厚さ20mm に対し、D2およびD3の厚さ5mmの設定は、試験 D1の剛性を厚みによって補うためである。そ の後、これらの試験片を用い、実施例1と同 に3点曲げ試験を行った。また、その結果を 実施例1と同様に図30に示した。

 図30のとおり、本発明の保形バッグ材料 、従来の義肢材料と比較して、同等の剛性 示すことがわかった。

 以上のとおり、本発明の保形バッグは、 ケットと一体的に構成されておらず、保形 ッグ単体で使用することができ、また、充 される保形用粒子として、軟質性粒子およ 硬質性粒子のいずれかを選択して用いるこ ができるので、様々な用途に適用すること でき、あるいは、同様の用途であっても、 用者の特性に最適な保形バッグを提供する とができる。また、切断端を下に向けた状 でなくとも、体位によらずに保形バッグを 断端に滑り込ませて装着させることができ また、これを外すことも容易である。また 保形バッグの一部に設けられた脱気口に逆 防止機構等を備えることができるので、陰 を緩めることにより、保形バッグ全体の形 を徒手でも調整することができる。さらに 保形バッグの構成が簡易であるので、エア ッグ等の付随部品等による経済的負担も軽 することができる。

 したがって、本発明の保形バッグは、ギ ス、圧迫包帯、コルセットもしくは頚椎カ ーの代替品、頭部保護帽、関節固定具、放 線治療用姿勢固定具、レントゲン装置、コ ピュータ断層撮影装置もしくは磁気共鳴映 装置の撮影用姿勢固定具、義肢用ライナー スポーツ用サポーター、ヘルメット、ショ ダーガード、エルボーパッド、ニーパッド シンガード、ボクシンググローブ、オープ フィンガーグローブ、レガース等の防具等 補装具、または、義肢用ソケット、特殊メ ク等の製作用身体採型具等に適用すること できるので、極めて有用である。