Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
SHEARING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/125786
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a shearing method by which no burr occurs on the back side of a sheared product or even if a burr occurs, the size of the burr can be kept small. By using a removal-side die (punch (20)) provided with a shearing part (21) for shearing a workpiece (metal plate (10)) on the front-end side, a large-size part (24) formed larger in size than the shearing part (21) on the base-end side, and a taper part (front taper part (22)) that becomes larger toward the base-end side on the front-end side of the large-size part (24), the workpiece (10) is sheared by the shearing part (21) by moving the removal-side die (20) in a shearing direction with respect to the workpiece (10), the large-size part (24) is passed through the workpiece (10) while the sheared surface of the workpiece (10) is elastically deformed by further moving the removal-side die (20) in the shearing direction, and the large-size part (24) is rubbed against the sheared surface of the workpiece (10) when the removal-side die (20) is returned in a direction opposite to the shearing direction.

Inventors:
NISHIMURA EIKICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/057178
Publication Date:
October 15, 2009
Filing Date:
April 08, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
FLECLAM CO LTD (JP)
NISHIMURA EIKICHI (JP)
International Classes:
B21D28/16; B21D28/34
Foreign References:
JP2006289491A2006-10-26
JP2005262298A2005-09-29
JPS60191623A1985-09-30
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Kanji et al. (JP)
Kanji Maeda (JP)
Download PDF:
Claims:
 金属製のワークの不要部分を金型によって剪断除去することで所望の輪郭形状の剪断加工品を形成する剪断加工方法であって、
 ワークの不要部分を除去する側の金型である除去側金型であり、ワークを剪断する剪断部が金型の先端側に設けられ、該剪断部よりも大きな型形状に形成された型大部が金型の基端側に設けられると共に、前記型大部の先端側には基端側ほど大きくなるテーパー部が設けられた除去側金型を用いて、
 前記ワークに対して前記除去側金型を剪断方向に移動させて前記剪断部によってワークを剪断し、
 その後、除去側金型を剪断方向にさらに移動させて、ワークの剪断面を弾性変形させつつワークに前記型大部を通過させ、
 その後、除去側金型を剪断方向とは逆方向に戻す際に、前記型大部をワークの剪断面に擦らせる
ことを特徴とする剪断加工方法。
 金属製のワークの不要部分を金型によって剪断除去することで所望の輪郭形状の剪断加工品を形成する剪断加工方法であって、
 ワークの不要部分を除去する側の金型である除去側金型であり、第一剪断部が先端側に設けられ、該第一剪断部よりも大きな型形状の第二剪断部が基端側に設けられた除去側金型を用いて、
 前記ワークに対して前記除去側金型を剪断方向に移動させて、前記第一剪断部によってワークを剪断して一次輪郭形状を形成し、
 その後、除去側金型を剪断方向にさらに移動させて、前記第二剪断部によって前記一次輪郭形状の輪郭部分をさらに剪断して二次輪郭形状を形成する
ことを特徴とする剪断加工方法。
 ワークの不要部分を金型によって剪断除去することで所望の輪郭形状の剪断加工品を形成する剪断加工方法であって、
 先端側から順次、第一剪断部、該第一剪断部よりも大きな型形状の第二剪断部、及び、前記第二剪断部よりも大きな型形状の型大部、が設けられると共に、前記型大部の先端側には基端側ほど大きくなるテーパー部が設けられた除去側金型を用いて、
 前記ワークに対して前記除去側金型を剪断方向に移動させて、前記第一剪断部によってワークを剪断して一次輪郭形状を形成し、
 その後、除去側金型を剪断方向にさらに移動させて、前記第二剪断部によって前記一次輪郭形状の輪郭部分をさらに剪断して二次輪郭形状を形成し、
 その後、除去側金型を剪断方向にさらに移動させて、ワークの剪断面を弾性変形させつつワークに前記型大部を通過させ、
 その後、除去側金型を剪断方向とは逆方向に戻す際に、前記型大部をワークの剪断面に擦らせる
ことを特徴とする剪断加工方法。
Description:
剪断加工方法

 本発明は、金属製のワークの不要部分を 型によって剪断除去することで所望の輪郭 状の剪断加工品を形成する剪断加工方法に するものである。

 長尺状の圧延鋼板等のワークを金型によ て打抜くことで所望の外形形状を呈する剪 加工品を形成したり、適宜の外形形状を呈 る金属板等のワークを金型によって打抜い り切欠いたりすることで、ワークに穴を明 たりワークの外形形状に整形する剪断加工 ある。ここで、剪断加工は、加工前のワー における不要部分の金属素材を除去するこ で、ワークから所望の内形形状や所望の外 形状、すなわち所望の輪郭形状の剪断加工 を形成する加工である。上記背景技術は、 に文献を挙げて例示するまでもない一般的 なされている事項である。

 剪断加工の代表的な例として、図9に、打 抜きによって金属板10に打抜き穴11を形成す 例を示す。図9(a)に示すように、ダイの上に 置した金属板10に対してパンチ20を剪断方向 、すなわち打抜き(図示矢印A)に移動させて、 パンチ20を金属板10に貫通させることで、パ チ20によってワークを打抜いて所望形状の打 抜き穴11を形成するのであるが、形成された ち抜き穴11の内周面は、平滑面ではなく、 ンチ20側(以下「表側」という)はダレが生じ 面となり、ダイ側(以下「裏側」という)は シレが生じた面となる。よって、剪断加工 よって打抜き穴11を形成すると、図9(b)に示 ように、剪断加工品の裏側には、打抜き穴11 の周りにバリ12が生じる。ここで、従前にお て、使用に際してや後工程にて追加工する 際して無視することのできない程の大きな リが生じる場合には、別途の研磨等の工程 よってバリを除去することが余儀なくされ いた。

 また、上述の例では、打抜きによって打 き穴11、すなわち所望の内形形状を形成す 例を示したが、原材料の金属板を打抜いて 望の外形形状の剪断加工品を得る所謂「ブ ンク加工」や、ある程度の輪郭形状を呈す 一次加工品の輪郭部分の金属素材を剪断に って除去して剪断加工品としての最終的な 郭形状を形成する所謂「トリミング加工」 おいても、剪断部分において裏側にバリが じることは同様である。

 なお、剪断加工においては、ワークの不 部分を除去する側の金型をパンチ、所望の 郭形状として残す側の金型をダイと一般的 称されるが、必ずしも、除去する側の金型 常にパンチであり、残す側の金型が常にダ であるとは限らない。よって、本書におい は、説明の便宜上、ワークの不要部分を除 する側の金型を除去側金型、所望の輪郭形 として残す側の金型を残存側金型と称する ととする。

 本発明は、上記実情を鑑みてなされたも であり、剪断加工品の裏側にバリが生じな 、或いは、バリが生じたとしても小さなバ に抑えることができる剪断加工方法の提供 課題とする。

 前記課題を解決するために本発明の採った 要な手段は以下の通りである。
<手段1>「ワークの不要部分を金型によっ て剪断除去することで所望の輪郭形状の剪断 加工品を形成する剪断加工方法であって、ワ ークの不要部分を除去する側の金型である除 去側金型であり、ワークを剪断する剪断部が 金型の先端側に設けられ、該剪断部よりも大 きな型形状に形成された型大部が金型の基端 側に設けられると共に、前記型大部の先端側 には基端側ほど大きくなるテーパー部が設け られた除去側金型を用いて、前記ワークに対 して前記除去側金型を剪断方向に移動させて 前記剪断部によってワークを剪断し、その後 、除去側金型を剪断方向にさらに移動させて 、ワークの剪断面を弾性変形させつつワーク に前記型大部を通過させ、その後、除去側金 型を剪断方向とは逆方向に戻す際に、前記型 大部をワークの剪断面に擦らせることを特徴 とする剪断加工方法。」

 上記手段において、除去側金型の剪断部 よって所望の輪郭形状の剪断加工品を形成 た時点では、剪断部分の裏側にバリが生じ のであるが、上記手段では、除去側金型を 断方向とは反対方向に戻す際に、除去側金 の型大部を剪断面に擦らせる。このため、 断部分に生じたバリは、型大部によってむ り取られたり、潰されたりする。よって、 記手段によれば、除去側金型を戻すことで 剪断部分の裏側に生じたバリを自動的に消 させることができる。

 また、除去側金型を戻す際に、たとえバ の全てを消失させることができなかったと ても、除去側金型を戻す際に型大部によっ 剪断面を擦らせるため、剪断部分において 、裏側の金属素材が表側に流動する。そし 、これにより、剪断部分に生じたバリは、 方(除去側金型側)に向かうように変形した 、剪断面に沿って表側に向かって変形する よって、上記手段によれば、たとえバリが ったとしても、この残るバリを小さなバリ 抑えることができる。

<手段2>「金属製のワークの不要部分を 金型によって剪断除去することで所望の輪郭 形状の剪断加工品を形成する剪断加工方法で あって、ワークの不要部分を除去する側の金 型である除去側金型であり、第一剪断部が先 端側に設けられ、該第一剪断部よりも大きな 型形状の第二剪断部が基端側に設けられた除 去側金型を用いて、前記ワークに対して前記 除去側金型を剪断方向に移動させて、前記第 一剪断部によってワークを剪断して一次輪郭 形状を形成し、その後、除去側金型を剪断方 向にさらに移動させて、前記第二剪断部によ って前記一次輪郭形状の輪郭部分をさらに剪 断して二次輪郭形状を形成することを特徴と する剪断加工方法。」

 上記手段は、除去側金型の第一剪断部に って一次輪郭形状を形成した後に、第二剪 部によって、一次輪郭形状の輪郭部分をさ に剪断して二次輪郭形状を形成し、この二 輪郭形状を、剪断加工で形成すべき最終的 輪郭形状とするものである。ここで、一次 郭形状を形成した時点では、剪断部分の裏 にバリが生じるのであるが、上記手段によ ば、剪断部分の裏側に生じたバリは、第二 断部によって、一次輪郭形状の輪郭部分の 属素材と共に除去される。

 なお、第二剪断部によって金属素材を剪 するため、最終的な剪断加工品の輪郭部分 裏側にバリが生じる可能性があるが、剪断 代を僅かなものとすることで、鋭利な剪断 実現でき、剪断加工品の輪郭部分にほとん バリを生じさせないようにしたり、バリが じたとしても、一次輪郭形状のバリよりも さなバリに抑えることができる。特に、剪 によって生じるバリの大きさは、ワークの 質や厚さ、剪断形状等、種々の条件によっ 異なるのであるが、第二剪断部の型形状を 一次輪郭形状の裏側に生じたバリの略全体 除去できると共に、剪断取代が極力少なく るような形状に適宜設定することで、一次 郭形状の輪郭部分に生じたバリを確実に除 すると共に、二次輪郭形状の輪郭部分に生 るバリを小さく抑えることができる。

 ところで、ワークの輪郭部分を僅かに剪 する加工は、シェービング加工の一種とし 捉えることができるが、一般的なシェービ グ加工は、打抜き加工等によって一回り大 な輪郭を形成する剪断加工とは別途の後工 にて行われるものである。そして、一般的 シェービング加工においては、剪断取代を なくすればする程、良好な切り口面を得る とができる。しかしながら、シェービング 工では、金属素材を僅かにせん断する輪郭 全周に渡って剪断取代を均一にしなければ らなず、ワークの高度な位置決め精度が要 されることから、剪断取代を少なく設定す のは、ワークの位置決め精度との兼ね合い 限界があり困難である。

 これに対して、上記手段では、第一剪断 と第二剪断部とを具備する除去側金型によ 単一の剪断加工工程にて、一回り大きな輪 を形成する剪断加工と、その後のシェービ グ加工とを行うことから、シェービング加 は、ワークが高度な精度で位置決めされた 態の下で行われることになる。よって、剪 取代を少なく設定することは容易であり、 断取代をより少なく設定することで、より 好な切り口面を得ることができ、二次輪郭 状の輪郭部分にバリを生じないようにした 、ほんの僅かなバリしか生じないようにす ことができる。

 ところで、剪断加工を行う剪断加工機と ては、複数のプレス加工ステージが並設さ ており、各プレス加工ステージ用の金型が り付けられたラムを昇降させる都度、ワー を各プレス加工ステージに順次送って、す わちワークを順送して、一回の作動により 数のプレス加工工程を同時に行う所謂「多 プレス加工機」がある。しかしながら、一 的なシェービング加工では、前工程の剪断 工によって大まかな輪郭が形成されたワー をひっくり返して、前工程の剪断加工とは 方向の剪断加工を行うため、上記のような 段プレス加工機によっては、ワークの順送 よるシェービング加工を実現することがで ない。

 これに対して、上記手段では、大まかな 郭を形成する一次剪断部の剪断方向と、最 的な輪郭形状を形成する二次剪断部の剪断 向とが同一方向である。よって、多段プレ 加工機において、一つのプレス加工ステー に上記手段を適用することで、ワークを順 する多段プレス加工機によっても、何ら支 なくワークにシェービング加工を施すこと できる。

<手段3>「金属製のワークの不要部分を 金型によって剪断除去することで所望の輪郭 形状の剪断加工品を形成する剪断加工方法で あって、先端側から順次、第一剪断部、該第 一剪断部よりも大きな型形状の第二剪断部、 及び、前記第二剪断部よりも大きな型形状の 型大部、が設けられると共に、前記型大部の 先端側には基端側ほど大きくなるテーパー部 が設けられた除去側金型を用いて、前記ワー クに対して前記除去側金型を剪断方向に移動 させて、前記第一剪断部によってワークを剪 断して一次輪郭形状を形成し、その後、除去 側金型を剪断方向にさらに移動させて、前記 第二剪断部によって前記一次輪郭形状の輪郭 部分をさらに剪断して二次輪郭形状を形成し 、その後、除去側金型を剪断方向にさらに移 動させて、ワークの剪断面を弾性変形させつ つワークに前記型大部を通過させ、その後、 除去側金型を剪断方向とは逆方向に戻す際に 、前記型大部をワークの剪断面に擦らせるこ とを特徴とする剪断加工方法。」

 上記手段は、前述した手段1及び手段2の 手段を併用したものであり、前述した各手 の利点を得ることができる。特に、除去側 型を戻す際に型大部にて二次輪郭形状の剪 面を擦らせるのは、二次輪郭形状の輪郭部 にバリが生じた場合に、このバリを消失さ るためであるが、二次輪郭形状の輪郭部分 生じるバリは、そもそも、さほど大きなも ではない。よって、型大部の型形状を、第 剪断部の型形状よりもほんの僅かに大きな 形状に設定することができる。そして、こ により、ワークに型大部を通過させる際に 二次輪郭形状の剪断面が塑性変形せずに弾 変形する状態で良好に通過させることがで る。

 上述した通り、本発明によれば、剪断加 品の裏側にバリが生じない、或いは、バリ 生じたとしても小さなバリに抑えることが きる剪断加工を実現することができる。

実施形態1で用いるパンチを示す正面図 である。 図1のパンチを用いて打抜き加工を行う 状態を示す説明図である。 実施形態2で用いるパンチを示す正面図 である。 図3のパンチを用いて打抜き加工を行う 状態を示す説明図である。 実施形態3で用いるパンチを示す正面図 である。 実施形態4で用いるパンチを示す正面図 である。 図6のパンチを用いて打抜き加工を行う 状態を示す説明図である。 打抜き穴回りを押圧変形させる状態を す正面図である。 従来の剪断加工を示す説明図である。 別例構成を示す説明図である。

 本発明に係る剪断加工方法の実施形態と て、実施形態1~4の四つの形態を、以下、図 に従って詳細に説明する。なお、本発明に る剪断加工方法は、残存側金型に載置した ークを除去側金型によって剪断加工するこ で金属素材の不要部分を除去し、これによ 剪断加工品としての輪郭形状を形成するも であるが、以下の各実施形態においては、 断加工の一種であり、金属板に所望形状の を穿設する打抜き加工について説明する。 た、除去側金型をパンチとし、残存側金型 ダイとして説明するが、図面においては、 イの図示を省略してある。この場合、除去 金型がオス型となり、残存側金型がメス型 なる。一方、外形加工の場合には、残存側 型がオス型となり、除去側金型がメス型と る。また、各実施形態においては、金属板 形状、除去側金型の形状、バリの形状等を 理解し易いように誇張して図示してある。

<実施形態1>図1に、実施形態1で用いる ンチ20を示す。パンチ20は、金属板10に対し 打抜き方向(矢印A)に移動して金属板10に打 き穴を形成するものであり、このパンチ20に は、先端側から順次、剪断部21及び型大部24 設けられている。ここで、型大部24は、基端 側に向かって大きくなるテーパー部(以下「 テーパー部22」と称する)を先端側に具備し 基端側に向かって小さくなるテーパー部(以 「後テーパー部23」と称する)を基端側に具 するものとして構成されている。剪断部21 、金属板10を貫通して金属板10に所望形状の 抜き穴を形成するものであり、打抜きによ 得たい打抜き穴の形状に相当する型形状と っている。

 一方、型大部24は、最大部分が剪断部21よ りも、金属板10の板厚の5~20%程度、より具体 には10~15%程度、一回り大きな断面形状とな た型形状に形成されている。

 また、型大部24は、パンチ20によって金属 板10に打抜き加工を施す際に、剪断部21が金 板10を貫通した状態からさらにパンチ20を打 き方向に移動させることで、図2(a)に示すよ うに、剪断部21によって形成された打抜き穴1 1を弾性変形させつつ貫通するものである。 こで、型大部24の先端側の先テーパー部22が 先端が小さくなったテーパー状であること ら、打抜き穴11は、型大部24が貫通する際に 円滑に弾性変形する。

 なお、先テーパー部22のテーパー角度(パ チ20の軸線に対して傾斜する角度)は、打抜 穴11を弾性変形させ易いように、15°以下に 定されている。一方、後テーパー部23のテ パー角度は、先テーパー部22と同一か、或い はそれ以上に設定されている。

 このようなパンチ20を用いた打抜き加工 は、金属板10を打抜いた後、金属板10に対し パンチ20を打抜き方向とは反対方向に戻す であるが、パンチ20が戻る際に、型大部24の テーパー部23が打抜き穴11の内周面(剪断面) 擦る。よって、パンチ20を戻す際に、打抜 穴11周りに生じたバリ12は、図2(b)に示すよう に、型大部24の後テーパー部23によって潰さ たり、或いは、むしり取られる。また、完 に潰されたりむしり取られない場合でも、 抜き穴11の内面が後テーパー部23によってパ チ20の戻り方向(金属板10の裏側から表側に かう方向)に擦られることによって金属板10 裏面部分の金属素材が上面方向に流動する とで、金属板10の裏面に突出するバリは、図 2(c)に示すように、打抜き穴11の内面に沿うよ うに変形したり、打抜き穴11の内方に変形す 。よって、パンチ20を戻すだけで、金属板10 の裏面に突出するバリを消失させたり、たと え生じたとしても小さなバリに抑えることが できる。

 なお、型大部24を、剪断部21と同一素材に よって形成してもよいが、剪断部21よりも軟 な素材によって形成するのが好ましい。型 部24を軟質な素材によって形成することで 打抜き穴11の内面を塑性変形させないように することができるからである。また、後テー パー部23のテーパー角度としては、60°以下と するのが好ましい。パンチ20を戻す際に、打 き穴11の周縁部分の金属素材が後テーパー 23によって剪断されることを防止できるから である。

<実施形態2>図3に、実施形態2で用いる ンチ20を示す。このパンチ20には、先端側か ら順次、第一剪断部25及び第二剪断部26が設 られている。第一剪断部25は、打抜き加工に よって最終的に得たい打抜き穴よりも小さな 一次打抜き穴(一次輪郭形状)を形成するもの あり、打抜き加工によって最終的に得たい 抜き穴の形状よりも、金属板10の板厚の1~10% 程度、より具体的には3~7%程度、一回り小さ 断面形状の型形状となっている。

 第二剪断部26は、第一剪断部24が金属板10 貫通した状態からさらにパンチを打抜き方 に移動させることで、一次打抜き穴の内周 部を僅かに剪断して、二次打抜き穴(第二輪 郭形状)を形成するものである。ここで、二 打抜き穴は、打抜き加工によって形成する 終的な打抜き穴であり、打抜き加工により たい打ち抜き穴に相当する型形状に形成さ ている。

 このようなパンチ20を用いて打抜き加工 行うと、第一剪断部25によって金属板10を打 いて一次抜打ち穴を形成した状態では、図4 に示すように、金属板10の裏面において、一 抜打ち穴13周りに大きなバリ12が生じる。し かしながら、引き続き、第二剪断部26によっ 一次抜打ち穴13の内周縁部を、バリ12を含め て僅かに剪断し、これにより二次打抜き穴14 形成することで、金属板10の裏面に突出す 大きなバリ12を除去することができる。

 なお、第二剪断部26によって二次打抜き 14を形成して、この二次打抜き穴14を最終的 打抜き穴11とした状態では、第二剪断部26に よる金属素材の剪断によって、金属板10の裏 にバリが生じる可能性がある。しかしなが 、第二剪断部26によって剪断される金属素 の量(剪断取代)が僅かであることから、たと えバリが生じたとしても、このバリは、一次 打抜き穴13周りのバリ12程、大きなものでは い。

 ここで、ワークを剪断することで生じる リの大きさは、金属素材の材質やワークの さ、打抜き穴の形状等、種々の条件によっ 異なる。よって、第二剪断部26の型形状を 一次打抜き穴13の裏面に生じたバリ12の略全 を除去できると共に、剪断取代が極力少な なるような形状に適宜設定することで、打 き穴11(二次打抜き穴14)周りにまったくバリ 生じないようにしたり、使用や後工程にお て問題視されない程度の小さなバリしか生 ないようにすることができる。

 また、一次抜打ち穴13周りに生じたバリ12 を第二剪断部26によって全て除去できなかっ としても、一般的な打抜き加工においては 打抜き穴周りに生じるバリの突出量が打抜 穴に近い程、多いため、第二剪断部26によ て、バリ12の突出量の多い部分を除去するこ とができ、これにより、打抜き穴11(二次打抜 き穴14)周りに僅かなバリしか残存しないよう にすることができる。

 また、図3に示すように、パンチ20におけ 第二剪断部26よりも基端側の部分を第二剪 部26よりも小さな型形状とし、第二剪断部26 金属板10に貫通させることで、パンチ20を戻 す際に、打抜き穴11(二次打抜き穴14)周りに生 じたバリを、第二剪断部26の基端部分によっ 潰すことができる。

<実施形態3>図5に、実施形態3で用いる ンチ20を示す。このパンチ20には、先端側か ら順次、第一剪断部25、第二剪断部26及び型 部24が設けられている。なお、第一剪断部25 第二剪断部26及び型大部24は、夫々、前述の 実施形態1及び実施形態2のものと同様であり 詳細な説明は省略する。

 このようなパンチ20を用いて打抜き加工 行うと、第一剪断部25によって金属板10を打 いて一次抜打ち穴13(一次輪郭形状)を形成し た状態では、一次抜打ち穴13周り大きなバリ1 2が生じるのであるが、この大きなバリ12を、 第二剪断部26によって除去することができる( 詳細は、前述した実施形態2を参照)。

 また、パンチ20を戻す際に型大部24の後テ ーパー部23が打抜き穴11(二次打抜き穴14(二次 郭形状))の内周面(剪断面)を擦ることから、 打抜き穴11周りに、第一剪断部25による金属 材の剪断によって生じたバリ12が残存してい たり、第二抜き部26による金属素材の剪断に って新たなバリが生じたとしても、これら バリを消失させることができる(詳細は、前 述した実施形態1を参照)。

 ところで、第二剪断部26による金属素材 剪断によって二次打抜き穴14周りにバリが生 じたとしても、このバリは、一次打抜き穴13 りのバリ12程大きくはない(詳細は、前述し 実施形態2を参照)。よって、弾性変形させ つ打抜き穴11(二次打抜き穴14)を通過させる 大部24の型形状を、さほど大きくする必要が なく、例えば、第二剪断部26よりも、金属板1 0の板厚の1~10%程度、より具体的には3~7%程度 きくするといったように、ほんの僅かに大 な型形状に設定することができる。そして これにより、型大部24を、より円滑に、打抜 き穴11(二次打抜き穴14)を弾性変形させつつ通 過させることができる。

<実施形態4>図6に、前述の実施形態1や 施形態3の型大部24の基端側に、さらに引掛 部27を設けたパンチ20を示す。ここで、引掛 け部27は、型大部24の最大形状部分よりも半 寸法で1~2mm程度、一回り小さな断面形状に形 成されたものである。また、パンチ20は、引 け部27よりも基端側が、引掛け部27よりもさ らに半径寸法で1~2mm程度、一回り小さな断面 状に形成されており、引掛け部27の基端側 端部は、角を有するもの、所謂「端面」と っている。

 図7(a)に示すように、打抜き穴11周りのバ 12の先端が、型大部24の最大形状部分でも届 かない位置にある場合がある。このような場 合であっても、引掛け部27を有するパンチ20 よれば、バリ12を的確に消失させたり、小さ く変形させることができる。

 すなわち、図7(b)に示すように、打抜き穴 11に引掛け部27を貫通させた上でパンチ20を戻 すと、まず、引掛け部27の基端部分の角が打 き穴11の内面に当接する。そして、パンチ20 の戻りに応じて、引掛け部27が当接する部分 金属素材がパンチ20の戻り方向に流動し、 の金属素材の流動によってバリ12の先端が打 抜き穴11の内方に向かうよう変形し、型大部2 4の最大形状部分が届く位置に移動する。よ て、引掛け部27を有するパンチ20を用いれば 打抜き穴11の周縁部において、遠い位置に リ12が生じていたとしても、このバリ12の先 部分を型大部24によって擦ることができ、 大部24の擦りによってバリ12を消失させたり 大きく突出するバリ12を小さく変形させる とができる。

 なお、引掛け部27の基端側の形状は、パ チ20の軸線に対して直角の平滑な端面形状に 限らず、外周縁部分が内側部分よりもパンチ 20の基端方向に突出するような形状、すなわ 断面がフックのような形態を呈する形状と てもよい。このようにすることで、引掛け 27によって打抜き穴11の内面を的確に引掛け るようにすることができる。

 ところで、打抜き穴周りに生じたバリを 抜き穴の内方に向かわせるには、金属板の 面または表面の少なくとも一方、好ましく 金属板の少なくとも裏面、より好ましくは 属板の裏面及び表面の双方において、打抜 穴の周りを押圧変形させるとよい。打抜き 周りを押圧変形させることで、打抜き穴周 の金属素材が打抜き穴の内方に向かって流 し、これにより、バリを打抜き穴の内方に かうように変形させることができる。例え 、図8に示すように、ダイ側に押圧部28を設 たり、パンチ20側の金型に押圧部28を設けた り、或いは、図示は省略するが、パンチ20自 に押圧部を設けることで、打抜き穴の周り 押圧変形させることができる。

 以上、本発明に係る剪断加工方法として 金属板に打抜き穴を形成する剪断加工を例 したが、本発明はこれに限らず、板状では いワークの剪断加工にも適用することがで る。また、原材料の金属板を打抜いて所望 外形形状の剪断加工品を形成するブランク 工、大まかな輪郭形状を呈するワークの輪 部分を剪断によって除去して輪郭を整形す トリミング加工等、他の種々の剪断加工に いても、ワークの不要部分を除去する側の 型として上述の各例のパンチ20の如く構成 れた除去側金型を用いることで、本発明を 用することができる。

 さらに、本発明に係る剪断加工方法にお て、図10に示すように、金属板に打抜き穴 形成する際のパンチ20の剪断部21の辺縁に直 状の面取部29(図10(a)参照)若しくは曲線状の 取部30(図10(b)参照)を設けるものであっても わない。ここで、剪断部21によって金属板 打抜く際に、パンチ20の打抜き方向への動き に伴って、打抜き穴11周りのバリ12は、一般 打抜き方向から外側(図10における紙面左右 向)に先端が拡がりながら発生することとな 。そのため、パンチ20を打抜き方向と反対 向に戻す場合、型大部24にバリ12の先端が接 せず、型大部24の擦りによってバリ12の消失 や変形が十分にできない可能性も残されてい る。

 これに対し、図10(a)及び(b)にそれぞれ示し 剪断部21は、直線または曲線の面取部29,30に って、打抜き穴の形成時の上記のバリ12の 端の外側への拡がりを抑えることができる すなわち、剪断部21の辺縁がパンチ20の中心 向に向かって面取りされていることにより 剪断時の金属板10に打抜き穴11の中心に向か う力(図10矢印参照)が作用することとなる。 の結果、金属板10の裏面に突出して形成され るバリ12の先端は、パンチ20に近接するよう なる。これにより、パンチ20を打抜き方向と 反対方向に戻す際に、バリ12の先端に型大部2 4を確実に接触させることが可能となり、擦 によってバリ12を消失させたり、小さなバリ 12に変形させることができるようになる。こ で、パンチ20(オス型に相当)にそれぞれ面取 部29,30を設けたものを示したが、これに限定 れるものではなく、ダイ側(メス型に相当: 示しない)に直線または曲線の面取部を設け ものであっても構わない。これにより、同 に加工時のバリの拡がりを抑えることがで る。また、打抜き加工を例にして説明した 、これに限定されるものではなく、外形加 を行う場合であっても構わない。この場合 上述した面取部をパンチ側またはダイ側を 宜選択して設けることができる。
 




 
Previous Patent: WO/2009/125753

Next Patent: WO/2009/125853