Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
SHEET-FEED PRINTER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/102623
Kind Code:
A1
Abstract:
A sheet-feed printer which can convey a printed sheet surely in a stable posture without causing undulation even if sheets of a variety of sizes are employed. The perfecting sheet-feed printer (1) comprises a sheet guide (29) having an air ejection nozzle (65) in the guide surface (59) and guiding a sheet (9) conveyed while being gripped by a gripper (35), and a vacuum suction wheel (31) disposed on the downstream side of the sheet guide (29) in the conveying direction of sheet and applying a brake to the sheet (9). The sheet guide (29) comprises a moving sheet guide portion (43) movable in the conveying direction of sheet and having a part for forming the downstream side portion in the conveying direction of sheet, and a fixed sheet guide portion (45) forming the upstream side portion in the conveying direction of sheet. The moving sheet guide portion (43) is constituted of a chamber (57) divided into a plurality of sections in the conveying direction of sheet such that each section has the air ejection nozzle (65) and adjoining sections are coupled to be bent freely.

Inventors:
YAMAMOTO OSAMU (JP)
NISHII HIROYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051446
Publication Date:
August 28, 2008
Filing Date:
January 30, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
MITSUBISHI HEAVY IND LTD (JP)
YAMAMOTO OSAMU (JP)
NISHII HIROYA (JP)
International Classes:
B41F21/00; B65H29/52
Foreign References:
JPH1076634A1998-03-24
JP2003118072A2003-04-23
JP2004161003A2004-06-10
JPH11138752A1999-05-25
Attorney, Agent or Firm:
FUJITA, Takaharu et al. (3-1 Minatomirai 3-chome,Nishi-ku, Yokohama-sh, Kanagawa 12, JP)
Download PDF:
Claims:
 ガイド面に空気の吐出部を有し、グリッパに咥えられて搬送される印刷されたシートを案内するシートガイドと、
 該シートガイドのシート搬送方向の下流側に配置され、前記シートにブレーキをかける真空吸引車と、を備える枚葉印刷機であって、
 前記シートガイドは、その一部が前記シート搬送方向の下流側部分を形成し、前記シート搬送方向に移動可能とされている移動シートガイドと、前記シート搬送方向の上流側部分を形成する固定シートガイドとで構成され、
 該移動シートガイドは、それぞれが前記吐出部を有するように前記シート搬送方向に複数に分割され、隣り合う同士が曲折可能に連結された分割シートガイドで構成されている枚葉印刷機。
 前記移動シートガイドは、前記真空吸引車に一体的に係合されている請求項1記載に記載された枚葉印刷機。
 前記シートガイドは、前記真空吸引車に引き続く略水平な水平部、前記シート搬送方向の上流側に配置され上下方向に延在する直線部および該水平部と該直線部とを接続する曲線部とを有し、
 前記移動シートガイドは、少なくとも前記直線部の上流側端部近辺までカバーしている請求項1または請求項2に記載された枚葉印刷機。
 前記シートガイドは、前記真空吸引車に引き続く略水平な水平部、前記シート搬送方向の上流側に配置され上下方向に延在する直線部および該水平部と該直線部とを接続する曲線部とを有し、
 前記移動シートガイドは、前記曲線部までカバーしている請求項1または請求項2に記載された枚葉印刷機。
 前記シートガイドは、前記真空吸引車に引き続く略水平な水平部、前記シート搬送方向の上流側に配置され上下方向に延在する直線部および該水平部と該直線部とを接続する曲線部とを有し、
 前記移動シートガイドは、前記直線部の略中間位置までカバーしている請求項1または請求項2に記載された枚葉印刷機。
 前記曲線部は所定曲率半径を持つように形成され、
 前記曲線部に位置する前記分割シートガイドの前記ガイド面は、前記シート搬送方向に沿って前記所定曲率半径を有するように湾曲されている請求項3~5のいずれかに記載された枚葉印刷機。
 前記シート搬送方向における上流側で、前記シートの搬送経路から離脱される部分に位置する前記分割シートガイドの前記シート搬送方向に沿った長さが、下流側に位置する前記分割シートガイドの前記シート搬送方向に沿った長さよりも短くされている請求項1から請求項6のいずれかに記載された枚葉印刷機。
 隣り合う前記分割シートガイドの間に、前記ガイド面に略沿うように延在し、伸縮を許容するガイド面構成部材が取り付けられている請求項1から請求項7のいずれかに記載された枚葉印刷機。
Description:
枚葉印刷機

 本発明は、枚葉印刷機に関するものであ 。

 枚葉印刷機の排紙装置において、印刷され シートは、印刷面が充分に乾燥されない状 でグリッパによって先端を咥えられ搬送さ ているので、その走行に伴い全体が大きく 打つ傾向がある。
 この波打ちによってシートが周囲の部材と 触してこすれ、シートあるいはその印刷面 傷や、汚れが発生する可能性がある。
 これを防止してシートを安定した姿勢で搬 するものとして、種々のものが提案されて る(たとえば、特許文献1、特許文献2)。

 特許文献1に示されるものは、シート搬送経 路の下方に、それに沿ってガイドを全面にわ たり設け、ガイド面とシートとの間に介在す る空気によってシートの下方への移動を抑制 しつつシートを案内するものである。ガイド の下流側端には、真空吸引車の位置変更に伴 いシート搬送方向に移動する出没可能に設け られた移動ガイドが取り付けられている。
 これは、シートの上方への移動を抑制して ないので、たとえば、シート搬送経路が上 凸になっているところでは、シートは作用 る上方へ向かう遠心力によって上方へ移動 、波打ちが発生する等の変動が生じる恐れ ある。このようにシートに波打ちが発生す ため、シートがガイド面に当って傷や、汚 が発生する恐れがある。

 特許文献2に示されるものは、ガイド面に沿 って積極的に空気を噴出し、そのベルヌーイ 効果によってシートをガイド面に引き付け、 すなわち、シートの上方への移動を抑制する ようにしている。ガイド面に接近したシート は、噴出する空気層によって下方への移動を 抑制され、すなわち、シートはガイド面に接 触するのを防止される。このようにして、シ ートは、安定した姿勢で搬送される。
 ところで、特許文献2では、空気を噴出する ガイドは固定されているので、寸法が異なる シートを印刷する場合には、シート搬送方向 に移動する真空吸引車と固定したガイドとの 間に、たとえば、特許文献1に示されるよう 出没可能な板状のガイドが備えられている

特開2004-161003号公報

特開平11-138752号公報

 しかしながら、特許文献2に示されるものを 用いて多寸法のシートを処理する枚葉印刷機 では、ガイド面に空気が噴射されているガイ ドと、板状のガイドとでは、シートに及ぼす 影響が異なるので、シートの挙動が変化する 。この挙動の変化によってシートが波打つの で、シートが板状のガイド等に当って傷や、 汚れが発生する恐れがある。
 これは、両面印刷のように、十分に乾燥し いない印刷面が下側に存在するシートをガ ドする場合には大きな問題となる。

 本発明は、このような事情に鑑みてなさ たものであって、多様なサイズのシートを いても印刷されたシートを波打つことなく 定した姿勢で、確実に搬送することができ 枚葉印刷機を提供することを目的とする。

 上記課題を解決するために、本発明は以下 手段を採用する。
 すなわち、本発明の一態様は、ガイド面に 気の吐出部を有し、グリッパに咥えられて 送される印刷されたシートを案内するシー ガイドと、該シートガイドのシート搬送方 の下流側に配置され、前記シートにブレー をかける真空吸引車と、を備える枚葉印刷 であって、前記シートガイドは、その一部 前記シート搬送方向の下流側部分を形成し 前記シート搬送方向に移動可能とされてい 移動シートガイドと、前記シート搬送方向 上流側部分を形成する固定シートガイドと 構成され、該移動シートガイドは、それぞ が前記吐出部を有するように前記シート搬 方向に複数に分割され、隣り合う同士が曲 可能に連結された分割シートガイドで構成 れている枚葉印刷機を提供する。

 本態様によれば、移動シートガイドはシー 搬送方向に複数に分割され、隣り合う同士 曲折可能に連結された分割シートガイドで 成されているので、湾曲し、あるいは曲折 た形状を適宜形成することができる。
 このため、移動シートガイドは、その固定 ートガイド側の部分をシート搬送経路から れるように位置させることができるので、 動シートガイドのシート搬送方向における さに余裕のある、言い換えれば、長すぎる 合には、その部分をシート搬送経路から外 る位置に位置させることができる。
 また、シート搬送経路に湾曲部分があって 、移動シートガイドのシート搬送方向にお る任意の位置でこの湾曲部分を形成するこ ができる。
 これにより、移動シートガイドがシート搬 方向に移動しても、固定シートガイドと移 シートガイドとによってシート搬送経路に って連続したシートガイドを形成すること できる。

 そして、シート寸法の変更による真空吸引 の移動に伴う真空吸引車の移動量と略同じ け移動シートガイドをシート搬送方向に移 させれば、どのような長さのシートを処理 る場合でも、シートガイドは真空吸引車の 傍まで連続して存在させることができる。
 各分割シートガイドは、ガイド面に空気の 出部を有しているので、シートガイドは全 に亘りガイド面に沿って積極的に空気を噴 することができる。そして、搬送されるシ トはこのガイド面に沿う空気流のベルヌー 効果によってガイド面に引き付けられるの 、上方への移動を抑制させられる。また、 イド面に接近したシートは、噴出する空気 によって下方への移動を抑制されるので、 ートがガイド面に接触するのを防止するこ ができる。
 このようにして、搬送されるシートを、安 した姿勢で搬送することができるので、シ トがシートガイド等に当って傷や、汚れが 生することを確実に防止することができる

 なお、移動シートガイドはシートガイドの ート搬送方向においてある程度の範囲をカ ーする長さを有するようにするのが好適で る。これは、真空吸引車の近辺は部材が輻 し、分割シートガイドをシート搬送経路外 移動するようにするのが困難であるからで る。
 また、このように移動シートガイドのシー 搬送方向の長さを長くすれば、移動シート イドの部分で真空吸引車へ送られるシート 搬送姿勢を安定した姿勢に調整することが きるので、たとえば、片面印刷を行う枚葉 刷機で比較的シートのばたつきを許容でき 場合、固定ガイドの下流側部分のガイド面 空気の吐出部が備えられていない、したが て、厚みの小さい板状のガイドとすること できる。
 このように、固定ガイドの下流側を板状の イドとすると、移動シートガイドの上流側 シート搬送経路の外側に移動させる場合の み方向の移動量が小さくなるので、分割シ トガイドおよびその移動部分の構造を簡素 することができる。

 また、上記態様では、前記移動シートガイ は、前記真空吸引車に一体的に係合されて ることが好適である。
 このようにすると、移動シートガイドは真 吸引車の移動に伴い自動的に所定位置に移 させられることができる。
 これにより、移動シートガイドを移動する 動手段を省略することができるので、構造 簡素化することができ、かつ、製造コスト 安価とすることができる。

 また、上記態様では、前記シートガイド 、前記真空吸引車に引き続く略水平な水平 、前記シート搬送方向の上流側に配置され 下方向に延在する直線部および該水平部と 直線部とを接続する曲線部とを有し、前記 動シートガイドは、少なくとも前記直線部 上流側端部近辺までカバーしている第一構 としてもよい。

 シートは曲線部を通る時、遠心力が作用す 。また、固定シートガイドと移動シートガ ドとの接合部分では、上流側の移動シート イドをシート搬送経路外に位置させるため どうしてもある程度の不連続部分が形成さ る。これらは、ともに搬送されるシートを 打ちさせる外乱となる。
 本発明によれば、移動シートガイドは、少 くとも直線部の上流側端部近辺までカバー ているので、固定シートガイドと移動シー ガイドとの接合部分が曲線部よりも相当離 た位置となる。
 このため、曲線部で作用する遠心力と、固 シートガイドと移動シートガイドとの接合 分の不連続性との外乱が重なってシートに 響を及ぼすことがないので、シートの波打 を容易に抑制することができる。

 また、上記態様では、前記シートガイド 、前記真空吸引車に引き続く略水平な水平 、前記シート搬送方向の上流側に配置され 下方向に延在する直線部および該水平部と 直線部とを接続する曲線部とを有し、前記 動シートガイドは、前記曲線部までカバー ている第二構成としてもよい。

 このように、移動シートガイドは、曲線 までカバーしているので、たとえば、水平 が上方に位置している場合、固定シートガ ドと移動シートガイドとの接合部分の下方 ペースが大きくとれ、この部分での分割シ トガイドおよびその移動部分が余裕を持っ 配置させられることができる。

 また、上記態様では、前記シートガイド 、前記真空吸引車に引き続く略水平な水平 、前記シート搬送方向の上流側に配置され 下方向に延在する直線部および該水平部と 直線部とを接続する曲線部とを有し、前記 動シートガイドは、前記直線部の略中間位 までカバーしている第三構成としてもよい

 このように、移動シートガイドは、直線部 略中間位置までカバーしているので、固定 ートガイドと移動シートガイドとの接合部 が最も外乱の少ない部分に位置することが きる。
 また、曲線部とも離隔しているので、曲線 で作用する遠心力と、固定シートガイドと 動シートガイドとの接合部分の不連続性と 外乱が重なってシートに影響を及ぼすこと 防止できる。

 また、上記第一構成ないし第三構成では 前記曲線部は所定曲率半径を持つように形 され、前記曲線部に位置する前記分割シー ガイドの前記ガイド面は、前記シート搬送 向に沿って前記所定曲率半径を有するよう 湾曲されていてもよい。

 このように、曲線部は所定曲率半径を持つ うに形成されているので、シートに作用す 遠心力は一定の大きさとなる。
 また、曲線部に位置する分割シートガイド ガイド面は、シート搬送方向に沿って所定 率半径を有するように湾曲されているので 曲線部に位置する移動シートガイドの表面 、滑らかに連続して形成される。曲線部の 面が滑らかに連続して形成されると、吐出 から噴出する空気によるベルヌーイ効果が 揮される位置が滑らかに連続して形成され ので、シートに作用する吸引力は一定とな 。
 これにより、シートを安定して確実に吸引 ることができるので、遠心力の作用するシ トの浮上を効果的に抑制することができる

 なお、「曲線部に位置する分割シートガ ド」とは、移動シートガイドがシート搬送 向に移動する範囲で、曲線部に位置する可 性がある全ての分割シートガイドを意味し いる。したがって、ガイド面が湾曲した分 シートガイドが水平部あるいは直線部に位 することがある。この場合、位置によって イド面とシートとの距離が変動するので、 の変動がシートの挙動に影響を及ぼさない 囲に収めるように分割シートガイドのシー 搬送方向長さを調節することが好適である

 また、上記態様では、前記シート搬送方 における上流側で、前記シートの搬送経路 ら離脱される部分に位置する前記分割シー ガイドの前記シート搬送方向に沿った長さ 、下流側に位置する前記分割シートガイド 前記シート搬送方向に沿った長さよりも短 されていてもよい。

 このように、シート搬送方向における上流 で、シートの搬送経路から離脱される部分 位置する分割シートガイド、すなわち、固 シートガイドとの接合部分に位置する分割 ートガイドのシート搬送方向に沿った長さ 、下流側に位置する分割シートガイドのシ ト搬送方向に沿った長さよりも短くされて るので、固定シートガイドと移動シートガ ドとの接合部分に形成される不連続部分の きさを小さくすることができる。
 このため、固定シートガイドと移動シート イドとの接合部分に形成される不連続部分 大きさを小さくできるので、シートに作用 る外乱を小さくすることができる。

 また、上記態様では、隣り合う前記分割 ートガイドの間に、前記ガイド面に略沿う うに延在し、伸縮を許容するガイド面構成 材が取り付けられていてもよい。

 このように、隣り合う分割シートガイドの に、ガイド面に略沿うように延在するガイ 面構成部材が取り付けられているので、隣 合う分割シートガイドの間の隙間から空気 漏れ、ベルヌーイ効果が小さくなるのを防 することができる。
 また、ガイド面構成部材は伸縮を許容する で、分割シートガイドが、たとえば、曲線 に位置して折れ曲がり、隣り合う分割シー ガイドの間の間隔が開いてもそれに追従す ことができる。

 本発明によれば、移動シートガイドはシー 搬送方向に複数に分割され、隣り合う同士 曲折可能に連結された分割シートガイドで 成されているので、移動シートガイドがシ ト搬送方向に移動しても、固定シートガイ と移動シートガイドとによってシート搬送 路に沿って連続したシートガイドを形成す ことができる。
 そして、シート寸法の変更による真空吸引 の移動に伴う真空吸引車の移動量と略同じ け移動シートガイドをシート搬送方向に移 させれば、どのような長さのシートを処理 る場合でも、シートガイドは真空吸引車の 傍まで連続して存在させることができる。
 各分割シートガイドは、ガイド面に空気の 出部を有しているので、搬送されるシート 、安定した姿勢で搬送することができ、シ トがシートガイド等に当って傷や、汚れが 生することを確実に防止することができる

本発明の第一実施形態にかかる枚葉両 印刷機の全体概略構成を示す正面図である 本発明の第一実施形態にかかる排紙装 の概略構成を示す正面図である。 本発明の第一実施形態にかかるチャン を示す斜視図である。 図3のX-X断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる直線部 おけるチャンバの配置状況を示す模式図で る。 本発明の第一実施形態にかかる凸湾曲 におけるチャンバの配置状況を示す模式図 ある。 本発明の第一実施形態にかかる排紙装 の概略構成を示す正面図である。 本発明の第一実施形態にかかる排紙装 の別の実施態様の概略構成を示す正面図で る。 本発明の第二実施形態にかかる移動シ ト案内部の一部を示す部分正面図である。 本発明の第二実施形態にかかるチャン バの正面図である。 本発明の第三実施形態にかかる移動シ ート案内部の一部を示す部分正面図である。 本発明の第四実施形態にかかる排紙装 置の概略構成を示す正面図である。 本発明の第四実施形態にかかる排紙装 置の別の実施態様の概略構成を示す正面図で ある。 本発明の第五実施形態にかかる排紙装 置の概略構成を示す正面図である。

符号の説明

1 枚葉両面印刷機
9 シート
29 シート案内装置
31 真空吸引車
35 グリッパ
43 移動シート案内部
45 固定シート案内部
51 直線部
53 凸湾曲部
55 水平部
56 チャンバ
57 チャンバ
58 チャンバ
59 ガイド面
63 シート部材
65 空気吐出ノズル
71 ガイド面
R 曲率半径
S シート搬送経路
SH シート搬送方向

 以下に、本発明にかかる実施形態について 図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
 以下、本発明の第一実施形態について、図1 ~図7を用いて説明する。
 図1は、枚葉両面印刷機(枚葉印刷機)1の全体 概略構成を示す正面図である。
 枚葉両面印刷機1は、被印刷物であるシート が供給される上流側から下流側に向けて、積 層されたシートを供給する給紙装置3と、例 ば異なる色を印刷してカラー印刷を実現す 複数の印刷ユニット5と、印刷されたシート 積層状態に載置する排紙装置7とが備えられ ている。

 給紙装置3は、図示しない給紙機構(紙吸、 ム等)によって給紙台11の上に積層されたシ ト9を上から順に一枚ずつ取上げて供給する のである。
 給紙台11は、給紙機構がシート9と略一定の 置関係を保つようにシート9の供給に対応し て上動するように構成されている。

 印刷ユニット5は、印刷する色ごとに複数設 けられている。本実施形態では、C(シアン),M( マゼンダ),Y(イエロー)及びBL(ブラック)からな る4色の色によって印刷する4色機が示されて り、被印刷物の表裏両面に印刷するので合 で8つの印刷ユニット5が設けられている。
 前半の4つの印刷ユニット5でシート9の裏面( 下面)を印刷し、後半の4つの印刷ユニット5で シート9の表面(上面)するようになっている。 これらの印刷ユニット5群の間には、シート9 の印刷面を調節する連接ユニット6が備えら れている。

 各印刷ユニット5には、インキを供給する インキ装置13と、湿し水を供給する湿し装置1 5と、これらインキ装置13と湿し装置15に対向 置された版胴17と、この版胴17に対向配置さ れたブランケット胴19と、このブランケット 19に対向配置された圧胴21と、各印刷ユニッ ト5の圧胴21間に配置される中間胴23とが備え れている。

 インキ装置13は、複数のインキローラを備 ており、インキが貯留されたインキ壺から 次インキを版胴17側へと供給する。
 湿し装置15は、複数のローラを備えており 水舟に貯留された湿し水を版胴17側へ供給す る。
 インキ装置13および湿し装置15は、印刷を行 わない非印刷時等には、版胴17から離間させ れる。

 版胴17は、印刷用画像が形成された刷版が 周に巻回された円筒状とされている。刷版 、印刷すべき画像毎に作成され、交換され 。
 ここで、版胴17は、図示していないが、外 の一部の角度範囲が軸線方向に切り欠かれ 状態となっており、この位置に、刷版の上 端である版頭および刷版の下流端である版 を掴んで固定する版締め装置が設けられて る。

 ブランケット胴19は、版胴17の刷版上のイン キを受け取り、圧胴21との間を通過するシー 9に対してインキを転写する(オフセット印 )。ブランケット胴19の外周には、弾性材料 例えばゴムで形成されたブランケットが巻 されている。
 ここで、ブランケット胴19は、図示してい いが、外周の一部の角度範囲が軸線方向に り欠かれた状態となっており、この位置に ブランケットの上流端および下流端を掴ん 固定する一対のゴム張り軸が設けられてい 。
 なお、ブランケット胴19は、印刷を行わな 非印刷時等には、圧胴21および版胴17から離 させることができるように構成されている

 圧胴21は、ブランケット胴19に対向配置され 、円筒状とされている。なお、本実施形態に おける圧胴21は、版胴17およびブランケット 19の直径の2倍の直径を有する、いわゆる倍 仕立てとされているが、これに限られるも ではなく、版胴17と同じ直径となる単胴タイ プの圧胴を採用しても本発明は好適に実施で きる。
 ここで、圧胴21の周面には、シート9の先端 保持する爪装置(図示省略)が軸線中心を挟 で2ヶ所に備えられている。
 また、圧胴21は、印刷時にシート9を介して ランケット胴19に接触し、ブランケット胴19 との間に供給されるシート9に対して所望の 力を与える。これにより、ブランケット胴19 上のインキをシート9上に転移させる。

 中間胴23は、各印刷ユニット5の圧胴21間に けられ、円筒状とされている。なお、本実 形態における中間胴23は、版胴17およびブラ ケット胴19の直径の2倍の直径を有する、い ゆる倍胴仕立てとされているが、これに限 れるものではなく、上述した圧胴と同様に 版胴17と同じ直径となる単胴タイプの中間 を採用しても本発明は好適に実施できる。
 ここで、中間胴23の周面には、シート9の先 を保持する爪装置(図示省略)が軸線中心を んで2ヶ所に備えられている。中間胴23によ て、上流側の圧胴21から下流側の圧胴21へと ート9が送られる。

 上述のインキ装置13、湿し装置15、版胴17、 ランケット胴19、圧胴21および中間胴23は、 れらの周速が略一致するように枚葉両面印 機1に設けられた一つのメインモータ(図示 ず)によって回転させられる。
 つまり、メインモータからの回転力がギア 介して各部材に伝達されるようにされてい 。

 次に、排紙装置7について図2~図7により説明 する。ここで、図2および図7は、排紙装置7の 概略構成を示す正面図であり、図3~図6は本発 明に係る分割シートガイドの斜視図、断面図 、および模式図である。
 ここで、図5に示したように、排紙装置7に 、シート9の先端を咥えて搬送するチェーン リッパ25と、シート9が積層される排紙台27 、搬送されるシート9を案内するシート案内 置(シートガイド)29と、排紙台27の上流側で 行するシート9にブレーキをかける真空吸引 車31とが備えられている。

 チェーングリッパ25は、エンドレスチェー 33とグリッパ35とを備えている。
 エンドレスチェーン33は、排紙装置7の両側 に一対設置され、それぞれ圧胴21に隣接す 排紙軸37と、排紙台27の下流端の上方位置に 置された従動軸39と、の間に掛け渡されて る。
 エンドレスチェーン33は、図示しない案内 材で案内され、排紙軸37の下方を通り、斜め 上方に移動し、排紙台27の上方位置を略水平 移動し、従動軸39の下部から上部に巻回し 排紙台27の上方位置を略水平に移動し、斜め 下方に移動し、排紙軸37の上部に戻る周回経 に沿って駆動される。

 グリッパ35は、幅方向B(図3参照。図2、図4~ 7における紙面に直交する方向)に延在するよ うに配置され、両端部がそれぞれ両側のエン ドレスチェーン33に保持される。
 グリッパ35には、開閉動作によりシート9を えるあるいは開放する爪装置41(図5参照)が 方向Bに間隔を空けて複数取り付けられてい 。

 グリッパ35は、排紙軸37と圧胴21との係合位 でシート9の先端を咥え、排紙台27の上方で 放するまでシート9を保持し、シート搬送方 向SHに搬送する。
 本実施形態の場合、爪装置41がシート9を咥 る位置がエンドレスチェーン33の移動軌跡 略同じ位置とされているので、両者の移動 跡は略同一となる。すなわち、エンドレス ェーン33の移動軌跡の内、排紙軸37のシート9 受け取り位置から真空吸引車31を越える位置 でのエンドレスチェーン33の移動軌跡が本 明のシート搬送経路Sとなる。

 シート案内装置29は、グリッパ35によって 咥えられて搬送されるシート9を真空吸引車31 まで案内するものであり、排紙軸37の下方を るシート9を案内する凹湾曲部49と、排紙軸3 7の出口から斜め上方に直線状に移動するシ ト9を案内する直線部51と、直線部51の上端に 続き水平方向に方向転換をするシート9を案 する上に凸に湾曲した凸湾曲部(曲線部)53と これに続く略水平に移動するシート9を案内 する水平部55とを備えている。

 シート案内装置29には、移動シート案内部( 動シートガイド)43と、固定シート案内部(固 定シートガイド)45と、圧縮空気供給部47とが えられている。
 移動シート案内部43は、直線部51、凸湾曲部 53および水平部55におけるシート9の案内を行 。
 移動シート案内部43は、隣り合う同士が連 され、連続的に配置された複数のチャンバ( 割シートガイド)57で構成されている。
 図3は、チャンバ57を示す斜視図である。図4 は、図3のX-X断面図である。図5は、直線部51 おけるチャンバ57の配置状況を示す模式図で ある。図6は、凸湾曲部53におけるチャンバ57 配置状況を示す模式図である。

 チャンバ57は、中空の等脚台形柱であり、 手方向が幅方向Bに延在するように配置され いる。各チャンバ57は、断面で台形の長い 辺を構成するガイド面59がシート搬送経路S 面するように配置されている。
 このように、チャンバ57は平面で構成され いるので、湾曲面を有するものに比べて製 が容易で、安価となる。

 チャンバ57の幅方向B長さは、印刷される最 のシート9の幅よりも大きくされている。
 隣り合うチャンバ57は、図4に示されるよう 軸線中心がガイド面59の近傍位置で幅方向B 延在するヒンジ61によって相互に回転可能 結合されている。言い換えれば、隣り合う ャンバ57同士は略ガイド面59近傍位置を境と てシート搬送方向SHに曲折可能に連結され いる。

 ガイド面59は平面であるので、水平部55およ び直線部51に位置する複数のチャンバ57のガ ド面59は、図5に示されるようにシート搬送 路Sに略平行した平面(フラットな面)を形成 る。
 一方、凸湾曲部53に位置する複数のチャン 57のガイド面59は、図6に示されるようにガイ ド面59がシート搬送経路Sに略平行するとした 仮想ガイド面Kに対してシート搬送方向SHの前 後端が接する多角形を形成している。

 凸湾曲部53に対応するシート搬送経路Sは、 定曲率の曲線とされているので、それに略 行とされる仮想ガイド面Kは、一定の曲率半 径Rを有する円筒面の一部である。
 仮想ガイド面Kとガイド面59との最大距離H1( 6参照)が大きくなると、ガイド面59がその部 分で搬送されるシート9と離れ、ベルヌーイ 果が発揮できないこととなる。
 この最大距離H1は、チャンバ57のシート搬送 方向SHにおける長さLと曲率半径Rとで算出で るので、ベルヌーイ効果が発揮できる程度 最大距離H1となるように長さLを設定する。

 また、隣り合うチャンバ57の間には、両者 ガイド面59を連結するように薄いゴム製のシ ート部材(ガイド面構成部材)63が貼り付けら ている。
 シート部材63は、薄い布製としてもよいし チャンバ57の対向する面同士を連結するよう に取り付けてもよい。
 図3に示したように、本実施形態に係るチャ ンバ57は、シート搬送方向SHに沿った中心部 境にして両幅端側へ向かって圧縮空気を吐 させることが可能な複数個の空気吐出ノズ (吐出部)65を所定間隔をおいてその表面部に 列状態で備える構成を採用している。具体 には、空気吐出ノズル65は、チャンバ57の中 心線(シート搬送方向SHに沿う方向)に対して 称をなすように2対2列で外側に噴出させる方 向に開口させて設置されている。ただし、空 気吐出ノズル65の配置はこれに限られるもの はなく、搬送方向に噴出するように開口さ てもよいし、列数を増やしても良い。

 チャンバ57の幅方向B両側面には、突起した 柱状の支持部67が備えられている。
 支持部67は、チャンバ57の幅方向B両側に設 された軌道69に係合し、軌道69に沿って移動 能に保持されている。
 軌道69は、直線部51、凸湾曲部53および水平 55ではシート移動経路Sに対して略平行に、 線部51の上流側ではシート移動経路Sから離 るように設置されている。直線部51の上流 においてシート移動経路Sから離れ始める部 の軌道69は、隣り合うチャンバ57が当接しな いような曲率とされている。

 なお、水平部55における軌道69は、印刷され る最小長さ(シート搬送方向SHにおける長さ) シート9を処理する真空吸引車31の位置の近 まで配置されている。
 シート搬送方向SHにおける最下流側のチャ バ57は、真空吸引車31の支持部と連結部材70 よって連結されている。

 固定シート案内部45は、凹湾曲部49における シート9の案内を行うものである。
 固定シート案内部45は、中空の箱形をし、 紙軸37の下方にその外周に沿うように固定し て設置されている。固定シート案内部45の排 軸37側は、シート搬送経路Sと略平行するよ に形成されたガイド面71で構成されている ガイド面71の幅方向B長さは、印刷される最 のシート9の幅よりも大きくされている。
 ガイド面71には、図示していないが、チャ バ57と同様にシート搬送方向SHに沿った中心 を境にして両幅端側へ向かって圧縮空気を 出させることが可能な複数個の空気吐出ノ ルが間隔をおいて並べて設置されている。 の空気吐出ノズルの配置の一例として、本 施形態ではシート搬送方向SHに間隔をあけ 対をなすように複数列設置しているが、そ 他の既知の配列、構成を採用しても良いこ は言うまでもない。

 固定シート案内部45のシート搬送方向SH下流 側端面72は、図2に示されるようにガイド面71 の間に形成される角度が鋭角となるように 成されている。これは、移動シート案内部4 3のチャンバ57がシート搬送経路Sから離れる うに容易に移動できるようにするためであ 。
 本実施形態では、固定シート案内部45は、1 の箱形構造で構成されているが、これはシ ト搬送方向SHに分離した複数個の箱形構造 構成するようにしてもよい。

 圧縮空気供給部47には、ブロア73と、バッフ ァタンク75と、供給配管群77とが備えられて る。
 ブロア73は圧縮空気の供給源であり、必要 応じて複数台用いるようにしてもよい。ま 、圧縮空気の供給源として他の手段、たと ば、コンプレッサを用いるようにしてもよ 。
 バッファタンク75は、ブロア73から送られる 圧縮空気を一時貯留するタンクであり、圧縮 空気の圧力、供給量がばらつくのを抑制する ものである。なお、装置内部の配置において 空間的な制約がある場合などは、バッファタ ンク75を設ける構成に代えて、ブロア73から 接配管を分岐させ、調整弁により圧力調整 る構造を採用してもよい。

 供給配管群77には、集合管79と、固定供給配 管81,87と、フレキシブル供給配管83,85と、調 弁89と、が備えられている。
 集合管79は、複数備えられており、それぞ 複数のチャンバ57へ圧縮空気を供給するため の中間タンクである。
 各集合管79は固定供給配管81によってバッフ ァタンク75と接続されている。固定供給配管8 1には、圧縮空気の供給量を調整する調整弁89 が備えられている。

 集合管79には、それぞれ別のチャンバ57に圧 縮空気を供給する複数のフレキシブル供給配 管83が接続されている。
 フレキシブル供給配管83は、たとえば、中 がループ状とされ、チャンバ57の位置が変化 した場合に、接続長さが自動的に変更できる ように構成されている。
 集合管79を介して圧縮空気を供給されるチ ンバ57は、シート9の長さが変更となっても 必ず直線部51、凸湾曲部53および水平部55に 置するものである。

 シート案内装置43のシート搬送方向SHにおけ る上流側を構成し、シート9の長さが変更さ た場合にシート搬送経路Sから外される可能 があるチャンバ57は、たとえば、中途がル プ状とされ、チャンバ57の位置変化に伴い接 続長さが自動的に変更できるフレキシブル供 給配管85によってバッファタンク75と接続さ ている。
 フレキシブル供給配管85には、圧縮空気の 給量を調整する調整弁89が備えられている。
 固定供給配管87は、固定シート案内部45とバ ッファタンク75とを調整弁89を介して接続し いる。

 以上の通り説明した枚葉両面印刷機1は、以 下のように動作する。
 給紙装置3の給紙台11に積載されたシート9は 、図示しない給紙機構によって最上部から1 ずつ取り出され、印刷ユニット5に供給され 。
 供給されたシート9は、印刷ユニット5の中 胴23の爪装置によって咥えられ、次いで中間 胴23から圧胴21へ咥え替えされる。これを繰 返して連接ユニット6および8つの印刷ユニッ ト5を通して搬送される。

 各印刷ユニット5では、版胴17の周面に取付 られた刷版の非画線部に湿し装置15から水 供給され、次いで刷版の画線部にインキ供 装置13からインキが供給される。
 これにより得られる刷版上の印刷画像がブ ンケット胴19に転写される。
 ブランケット胴19に転写された印刷画像は 圧胴21によって運ばれるシート9に転写され 1色の印刷が行われる。
 シート9は、最初の4つの印刷ユニット5のブ ンケット胴19と圧胴17との間を通過する際に 、裏面に4色の印刷が施される。その後、裏 に印刷が施されたシート9は、下流側に位置 る4つの印刷ユニット5を通過する際に、表 に4色の印刷が施される。このように両面印 が施されたシート9は、排紙装置7へと送ら る。

 印刷されたシート9は最後の印刷ユニット5 圧胴21から排紙軸37を巻回するグリッパ35に え替えされる。
 グリッパ35は、シート9の先端部を咥え、シ ト搬送経路Sに沿って移動し、排紙台27の上 まで至ると、図示しない紙放しカムによっ 開放され、シート9の咥えを解除する。
 グリッパ35から開放されたシート9は、真空 引車31によって進行方向の速度が抑制され( レーキをかけられ)つつ、下方に落下する。 このシート9は紙当て32に当接して先端部の位 置決めをされ、排紙台27の上に積重ねられた ート9の上に積重ねられる。

 このとき、所定の調整弁89が開かれ、調整 れた圧縮空気が、直線部51、凸湾曲部53およ 水平部55に位置しているチャンバ57の内部空 間および固定シート案内部45の内部空間に供 されている。ガイド面59がシート搬送経路S 位置していないチャンバ57へは、対応する 整弁89が閉じられ、圧縮空気が供給されてい ない。
 本実施形態では、図3に示したように、内部 空間に供給された圧縮空気は、空気吐出ノズ ル65からガイド面59,71に沿って幅方向Bの外方 向けて噴出される。

 搬送されるシート9がガイド面59,71を通過す とき、ガイド面59,71に沿って流れる空気流 よってシート9の上下面に空気の流速差(圧力 差)が生じる。
 これにより、ガイド面59,71の静圧が減少し シート9をガイド面59,71に沿わせる吸引力が 生(ベルヌーイ効果)し、シート9はガイド面59 ,71に引き付けられる。

 一方、ガイド面59,71に引き付けられたシー 9は、連続的に噴出する空気流による空気層 ガイド面59,71への移動を抑制されるので、 ルヌーイ効果による吸引力と空気層による 制力とのバランスする位置で、シート9は安 した姿勢をとることになる。
 排紙軸37から真空吸引車31の近傍まで、この 状態が連続して生じているので、シート9を 定した姿勢で搬送することができる。これ より、シート9がシートガイド等に当って傷 、汚れが発生することを確実に防止するこ ができる。

 このとき、シート部材63はガイド面59の一部 を構成するので、ベルヌーイ効果の連続性を 向上させることができる。
 また、シート部材63はチャンバ57間の隙間か ら空気が漏れるのを防止できるので、ベルヌ ーイ効果が部分的に小さくなるのを防止する ことができる。
 なお、チャンバ57の大きさ、形状あるいは 間の大きさ等の条件によってベルヌーイ効 の低下が著しくない場合には、シート部材63 の取りつけを省略してもよい。

 次に、違う大きさのシート9に印刷する、た とえば、図2に示されるように最大のシート9 印刷している印刷作業が終了し、図7に示さ れるように小さいサイズのシート9に印刷す 場合について説明する。
 小さいサイズのシート9のシート搬送方向SH おける長さ(シート長さ)に対応して、真空 引車31の位置を従動軸39側に移動し、シート さに対応した所定位置にセットする。

 この真空吸引車31の移動に対応して連結部 70で連結された最下流のチャンバ57が従動軸3 9側に軌道69に沿って移動する。
 最下流のチャンバ57が移動すると、それに 結されている各チャンバ57が軌道69に沿って 動する。
 このとき、凸湾曲部53を構成していたチャ バ57の下流側部分は移動して水平部55を構成 るようになるので、移動シート案内部43に ける水平部55の長さは自動的に調整される。 すなわち、移動シート案内部43と真空吸引車3 1との間隔は常時一定に維持される。

 また、直線部51を構成していた下流側のチ ンバ57が凸湾曲部53に移動することになるが チャンバ57はシート搬送方向SHの長さが小さ く、かつ、チャンバ57間は曲折可能に連結さ ているので、凸湾曲部53を構成するように れ曲がることができる。
 さらに、シート搬送経路Sから外れた位置に いるチャンバ57も順次軌道69に沿って連結部 で折り曲げられつつ移動し、直線部51を構成 するようになる。
 これにより、使用する最小寸法のシートに 応する長さだけチャンバ57を設置しておけ 、どのようなシート9を印刷する場合でも、 動シート案内部43は固定シート案内部45の下 流側から真空吸引車31の近傍までの範囲を確 にカバーすることができる。

 また、シート部材63は伸縮を許容するので チャンバ57が、たとえば、凸湾曲部53に位置 て折れ曲がり、隣り合うチャンバ57の間の 隔が開いてもそれに追従することができる
 このように、移動シート案内部43は真空吸 車31の移動によってシート搬送方向SHにおけ 所定の位置に移動されるので、移動シート 内部43を移動させる駆動手段を別途設置す 必要がなく、その分構造が簡素化され、安 とすることができる。

 本実施形態では、移動シート案内部43は、 線部51の上流側端部近辺までカバーしている ので、固定シート案内部45との接合部分が凸 曲部53よりも相当離れた位置となる。
 このため、凸湾曲部53で作用する遠心力と 固定シート案内部45と移動シート案内部43と 接合部分の不連続性との外乱が重なってシ ト9に影響を及ぼすことがないので、シート 9の波打ちを容易に抑制することができる。

 なお、印刷に使用するシート9のサイズ数 が決まっている場合には、それぞれに必要と される移動シート案内部43のシート搬送方向S Hの長さが求められるので、上流側のチャン 57におけるシート搬送方向SHの長さを個別に 整し、固定シート案内部45との隙間が小さ することができる。

 なお、本実施形態では、移動シート案内部4 3を構成するチャンバ57は一体的に連結してい るが、分離できるようにしてもよい。
 このようにすると、たとえば、図8に示され るように分離して下側のチャンバ57を下方に 動できるようにすると、作業員が排紙軸37 接近し易くなるので、チェーングリッパ25、 排紙軸37等の清掃、グリッパ35から落下した ート9の除去等のメンテナンスを容易に行う とができる。
 この場合、下側のチャンバ57を移動する駆 手段を設けるようにしてもよい。

[第二実施形態]
 次に、本発明の第二実施形態について、図9 および図10を用いて説明する。
 本実施形態では、第一実施形態と基本的構 は同様であり、チャンバ57の構成が異なっ いる。よって、本実施形態においては、こ 相違点について説明し、その他の部分につ ては重複した説明を省略する。
 なお、第一実施形態と同一の構成要素には 一の符号を付し、その詳細な説明は省略す 。
 図9は、移動シート案内部43の一部を示す部 正面図である。図10は、チャンバ58の正面図 である。

 移動シート案内部43には、シート9の寸法に 応して移動シート案内部43がシート搬送方 SHに移動した際、凸湾曲部53に位置する可能 のあるチャンバ58と、その可能性のないチ ンバ57とがある。
 本実施形態では、チャンバ57とチャンバ58と の形状を異ならせている。具体的には、チャ ンバ58は、そのガイド面60を仮想ガイド面Kに う、言い換えれば曲率半径Rを有するように 、湾曲させている。

 このようにすると、シート9の大きさに応じ て移動シート案内部43がどのように移動して 、凸湾曲部53はチャンバ58によって構成され る。チャンバ58のガイド面60はどれも同じ曲 半径Rを有するように湾曲されているので、 湾曲部53に位置する移動シート案内部43の表 面は、常に滑らかに連続した状態に形成され る。
 このため、空気吐出ノズル65から噴出され 空気によるベルヌーイ効果が発揮される位 が滑らかに連続して形成されるので、シー 9に作用する吸引力を一定にすることができ 。
 これにより、シート9を安定して確実に吸引 することができるので、遠心力の作用するシ ート9の浮上を効果的に抑制することができ 。

 なお、チャンバ58が水平部55あるいは直線部 51に位置すると、ガイド面60の湾曲に伴い平 状の仮想ガイド面Kに凹凸が生じるので、凹 の大きさによっては部分的にベルヌーイ効 が得られなくなる恐れがある。
 この場合、チャンバ58におけるシート搬送 向SHの長さLを調節して、図10に示す最大凹凸 量H2を、ベルヌーイ効果の変動がシート9の挙 動に影響を及ぼさない範囲に収めるようにす ることが望ましい。
 この場合、たとえば、移動シート案内部43 全てチャンバ58で構成するようにしてもよい 。

[第三実施形態]
 次に、本発明の第三実施形態について、図1 1を用いて説明する。
 本実施形態では、第一実施形態と基本的構 は同様であり、チャンバ57の構成が異なっ いる。よって、本実施形態においては、こ 相違点について説明し、その他の部分につ ては重複した説明を省略する。
 なお、第一実施形態と同一の構成要素には 一の符号を付し、その詳細な説明は省略す 。
図11は、移動シート案内部43の一部を示す部 正面図である。

 移動シート案内部43の上流側部分には、シ ト9の寸法に対応して移動シート案内部43が ート搬送方向SHに移動した際、シート搬送経 路Sから離れる部分に位置する可能性のある ャンバ56と、その可能性のないチャンバ57と ある。
 本実施形態では、チャンバ57とチャンバ56と の形状を異ならせている。具体的には、チャ ンバ56は、シート搬送方向SHに沿った長さL1が 、チャンバ57のシート搬送方向SHに沿った長 Lよりも短くされている。

 このようにすると、シート9の大きさに応じ て移動シート案内部43がどのように移動して 、固定シート案内部45と移動シート案内部43 との接合部分にはチャンバ56が位置すること なる。
 固定シート案内部45と移動シート案内部43と の接合部分には、図11に示されるように不連 部分91が形成される。
 チャンバ56のシート搬送方向SHに沿った長さ L1は、チャンバ57のシート搬送方向SHに沿った 長さLよりも短くされているので、チャンバ56 によって形成される不連続部分91はチャンバ5 7によって形成されるものよりも大きさを小 くすることができる。
 このため、不連続部分91に起因するシート9 作用する外乱を小さくすることができるの 、シート9の不安定化をより抑制することが できる。

[第四実施形態]
 次に、本発明の第四実施形態について、図1 2および図13を用いて説明する。
 本実施形態では、第一実施形態と基本的構 は同様であり、シート案内装置29の構成が なっている。よって、本実施形態において 、この相違点について説明し、その他の部 については重複した説明を省略する。
 なお、第一実施形態と同一の構成要素には 一の符号を付し、その詳細な説明は省略す 。
 図12は、本実施形態にかかる排紙装置7の概 構成を示す正面図である。図13は、本実施 態にかかる排紙装置7の別の実施態様を示す 略構成を示す正面図である。

 本実施形態では、固定シート案内部45が直 部51の略中間位置まで延設されている。言い 換えれば、移動シート案内部43がシート搬送 路Sに面しているのは、水平部55、凸湾曲部5 3および直線部51の略中間位置までの部分であ る。すなわち、移動シート案内部43は、直線 51の略中間位置から下流側でシート9を案内 るものである。
 移動シート案内部43では、軌道69は、直線部 51の略中間位置から上流側に向けてシート移 経路Sから離れるように設置されている。

 固定シート案内部45は、第一固定チャンバ93 と第二固定チャンバ95とで構成されている。
 第一固定チャンバ93は、凹部湾曲部49におけ るシート9の案内を行うものである。第一固 チャンバ93は、中空の箱形をし、排紙軸37の 方にその外周に沿うように固定して設置さ ている。
 第二固定チャンバ95は、直線部51の上流側部 分におけるシート9の案内を行うものである 第二固定チャンバ95は、中空の箱形をし、シ ート搬送経路Sに沿うように固定して設置さ ている。

 第二固定チャンバ95の下流側端部の外側部 は、正面視(図12の紙面に直交する方向)で大 く面取りされているように切り欠かれてい 。(図12参照)これは、移動シート案内部43の ャンバ57がシート搬送経路Sから離れるほう 容易に移動できるようにするためである。
 第一固定チャンバ93および第二固定チャン 95のシート搬送経路S側のガイド面は、シー 搬送経路Sと略平行するように形成され、チ ンバ57と同様の空気吐出ノズルがシート搬 方向SHに間隔をあけて複数列設置されている 。

 直線部51は、傾斜した平面であるので、通 するシート9に遠心力が作用しないし、シー 9の重量のガイド面59に向く分力も小さくな 。すなわち、直線部51は搬送状態のシート9 作用する外乱が最も小さいところである。
 本実施形態では、移動シート案内部43は、 線部51の略中間位置までカバーしているので 、固定シート案内部45と移動シート案内部43 の接合部分は最も外乱の少ない部分に位置 せることができる。これにより、接合部分 不連続部分91で発生する外乱がシート9に及 す影響を最小限に抑制することができる。 たがって、シート9を安定した姿勢で搬送で る。

 また、この接合部分が凸湾曲部53から離隔 ているので、凸湾曲部53で作用する遠心力と 、接合部分の不連続性との外乱が重なってシ ート9に影響を及ぼすことを防止できる。
 なお、チャンバ57は第一実施形態と同じ構 としているが、第二実施形態のチャンバ58お よび/または第三実施形態のチャンバ56を用い るようにしてもよい。
 また、第一固定チャンバ93および第二固定 ャンバ95は、シート搬送方向SHに分離した複 個の箱形構造で構成するようにしてもよい

 両面印刷されたシート9に比べてシート9の イド面59,71への当接を比較的許容できる片面 印刷シート9を処理する場合には、図13に示さ れるように第二固定チャンバ95の代わりに板 のガイド板97を用いるようにしてもよい。
 このようにすると、移動シート案内部43上 側をシート搬送経路Sの外側に移動させる場 の厚み方向の移動量が小さくなるので、チ ンバ57およびその移動部分の構造を簡素化 ることができる。
 また、固定シート案内部45と移動シート案 部43との接合部分にできる不連続部分91を小 くすることができる。
 この構造は他の実施形態でも用いることが きる。

[第五実施形態]
 次に、本発明の第五実施形態について、図1 4を用いて説明する。
 本実施形態では、第四実施形態、すなわち 第一実施形態と基本的構成は同様であり、 ート案内装置29の構成が異なっている。よ て、本実施形態においては、この相違点に いて説明し、その他の部分については重複 た説明を省略する。
 なお、第一実施形態と同一の構成要素には 一の符号を付し、その詳細な説明は省略す 。
 図14は、本実施形態にかかる排紙装置7の概 構成を示す正面図である。

 本実施形態では、固定シート案内部45にお る第二固定チャンバ95の下流側端部が直線部 51の下流側端部延設されている。言い換えれ 、移動シート案内部43がシート搬送経路Sに しているのは、水平部55および凸湾曲部53ま での部分である。すなわち、移動シート案内 部43は、凸湾曲部53から下流側でシート9を案 するものである。
 移動シート案内部43では、軌道69は、凸湾曲 部53と直線部51との境界から上流側に向けて ート移動経路Sから離れるように設置されて る。

 このように、移動シート案内部43は、凸湾 部53までカバーしているので、固定シート案 内部45と移動シート案内部43とが高い位置で 合されることになる。
 このため、固定シート案内部45と移動シー 案内部43との接合部分の下方に大きなスペー スが形成されるので、この部分にシート搬送 経路Sから外れるチャンバ57を余裕を持って配 置することができる。
 また、チャンバ57の数が少なくなるので、 給配管群77の設置も容易となる。

 なお、チャンバ57は第一実施形態と同じ構 としているが、第二実施形態のチャンバ58お よび/または第三実施形態のチャンバ56を用い るようにしてもよい。
 また、第一固定チャンバ93および第二固定 ャンバ95は、シート搬送方向SHに分離した複 個の箱形構造で構成するようにしてもよい

 なお、上記各実施形態では、枚葉両面印刷 を一例として説明したが、片面印刷の枚葉 刷機に用いても良いし、4色機ではなく2色 あるいは多色機等の枚葉印刷機に用いても い。
 また、本発明は、上記各実施形態に限定さ るものではなく、本発明の要旨を逸脱しな 範囲内において適宜変更することができる
 たとえば、移動シート案内部43を真空吸引 31とは別個に駆動するようにしてもよい。
 また、シート搬送経路Sの軌跡は、種々の形 状ものであってよい。