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Patent Searching and Data


Title:
SHIFT CONTROL DEVICE FOR AUTOMATIC TRANSMISSION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/119244
Kind Code:
A1
Abstract:
A strain gauge and a torque value calculating means detect a torque value that acts on a sun gear on the basis of reaction force, and a torque phase detecting means detects the start of a torque phase, in which the gear ratio is in a state before up-shift and only the sharing of torque changes, on the basis of the change of the torque value detected by the strain gauge and the torque value calculating means. Therefore, in up-shift gear change by grip change, the end of a piston stroke can be accurately determined by precisely detecting the torque phase at the time of shift, thereby eliminating the possibility of occurrence of burning of a friction material due to excessive heat generation in a friction engagement element, or the like.

Inventors:
KUBO TAKAYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053598
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
February 26, 2009
Export Citation:
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Assignee:
AISIN AW CO (JP)
KUBO TAKAYUKI (JP)
International Classes:
F16H61/06; F16H3/62; F16H3/66; F16H61/02; F16H61/68; F16H61/684; F16H61/686; F16H63/50; F16H59/68
Domestic Patent References:
WO2003029698A12003-04-10
Foreign References:
JPS6283630A1987-04-17
JPH0587217A1993-04-06
JPH07208592A1995-08-11
JP2000161477A2000-06-16
Attorney, Agent or Firm:
CHIKASHIMA, Kazuo (JP)
近島 One husband (JP)
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Claims:
 駆動源の回転を入力軸に入力しかつ駆動車輪に出力部材を連結する有段の変速機構と、これら入力軸と出力部材との間で動力伝達経路を変更する複数の摩擦係合要素と、これら摩擦係合要素を断・接作動する油圧サーボと、を備え、かつ前記変速機構が、変速機ケースに対して固定されて前記入力軸の回転に対する反力を生じる固定ギヤを備え、前記複数の摩擦係合要素の内の第1の摩擦係合要素を係合すると共に第2の摩擦係合要素を解放することにより所定変速段へのアップシフトを達成してなる自動変速機の変速制御装置において、
 前記反力に基づき前記固定ギヤに作用するトルク値を検出する固定ギヤトルク検出手段と、
 該固定ギヤトルク検出手段により検出されるトルク値の変化に基づき、ギヤ比が前記アップシフト前の状態にあってトルク分担のみが変化するトルク相の開始を検出するトルク相検出手段と、を備えてなる、
 ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
 前記固定ギヤトルク検出手段により検出されるトルク値の変化は、比較的高速段での変速時に顕著に現出し、
 前記トルク相検出手段は、前記トルク値が顕著に変化したときをピストンストローク終了と判定して前記トルク相の開始を検出してなる、
 請求項1記載の自動変速機の変速制御装置。
 前記固定ギヤトルク検出手段は、
 前記入力軸側から作用するトルクに起因する前記固定ギヤと前記変速機ケースとの歪みを検出する歪み検出センサと、
 該歪み検出センサによる検出結果に基づき、前記固定ギヤに作用したトルク値を算出するトルク値算出手段と、からなる、
 請求項1又は2記載の自動変速機の変速制御装置。
 トルク相にて前記第1の摩擦係合要素用の油圧サーボに作用する係合側油圧と前記第2の摩擦係合要素用の油圧サーボに作用する解放側油圧とを制御する油圧制御手段を備え、
 該油圧制御手段は、前記トルク相検出手段による検出結果に基づき、前記係合側油圧及び前記解放側油圧をそれぞれ制御してなる、
 請求項1ないし3のいずれか1項記載の自動変速機の変速制御装置。
 前記変速機構は、
 前記入力軸の回転を減速した減速回転を出力し得る減速プラネタリギヤと、
 前記変速機構の前記出力部材に接続された出力要素を含む4つの回転要素を有するプラネタリギヤユニットと、
 該プラネタリギヤユニットの2つの回転要素のそれぞれに前記減速プラネタリギヤからの回転を入力自在にする2つの減速クラッチと、
 前記プラネタリギヤユニットの1つの回転要素に前記入力軸の回転を入力自在にする入力クラッチと、を有して、前進5速段又は6速段を達成してなり、
 前記固定ギヤは、前記減速プラネタリギヤの常時回転が固定されたギヤである、
 請求項1ないし4の何れか1項記載の自動変速機の変速制御装置。
 前記減速プラネタリギヤは、前記変速機ケースに固定されたサンギヤと、前記減速回転を出力するリングギヤと、前記入力軸の回転を入力するキャリヤと、からなり、
 前記固定ギヤは前記サンギヤである、
 請求項5記載の自動変速機の変速制御装置。
Description:
自動変速機の変速制御装置

 本発明は、自動車等の車輌に搭載される 動変速機の変速制御装置に係り、特に、変 時のトルク相を的確に検出し得る自動変速 の変速制御装置に関する。

 一般に、車輌に搭載される有段式の自動 速機では、複数の摩擦係合要素(クラッチ、 ブレーキ)の係合状態を油圧制御装置によっ 制御し、変速歯車機構における動力伝達経 を各変速段で形成することにより変速を行 ている。このような自動変速機の変速を制 する変速制御装置にあっては、変速時に、 転変化量(加速度)を用いて変速時間を制御す ることで変速ショックを或る程度良好な範囲 に保つようにしている。

 上記のような変速制御を行う自動変速機 油圧制御装置が知られている(例えば日本国 特開2005-282810号公報参照)。該油圧制御装置で は、電子制御部が、アップシフト時に、油圧 制御部におけるソレノイドに対して棚圧到達 までの間に指示する締結(係合)指令圧におい 、最大ギヤ比変化率が突き上げ判断ギヤ比 化率よりも大きい場合は、締結指令圧を減 方向に補正し、最大ギヤ比変化率が間延び 断ギヤ比変化率よりも小さい場合は、締結 令圧を上昇方向に補正する。このような油 制御装置によると、アップシフト時のトル 相からイナーシャ相初期にかけての車輌の 速度変化を小さく抑え、出力軸トルクを或 程度安定させ得る。

 ところで、上記公報に記載されるような 動変速機では、ピストンストローク終了(い わゆるガタ詰め終了)を回転変化加速度の変 量で測定することが多い。そのため、ピス ンストロークを過剰に行った場合、低ギヤ 側においては回転変化加速度に変化が生じ ため、過剰であることを確実に検出するこ ができたが、高ギヤ段側においては、回転 化加速度に変化が生じにくくなるため、エ ジン吹きを防止する観点から、安全側つま タイアップ側で制御することが多かった。 の場合、摩擦係合要素での余計な発熱によ 摩擦材焼け等が発生する虞があった。

 そこで本発明は、クラッチツークラッチ の掴み換えによるアップシフト変速にあっ 、変速時のトルク相を的確に検出してピス ンストローク終了を正確に判定することで 摩擦係合要素での余計な発熱による摩擦材 け等の発生の虞を解消し得る自動変速機の 速制御装置を提供することを目的とするも である。

 本発明は、駆動源(2)の回転を入力軸(10)に入 力しかつ駆動車輪に出力部材(11)を連結する 段の変速機構(5)と、これら入力軸(10)と出力 材(11)との間で動力伝達経路を変更する複数 の摩擦係合要素と、これら摩擦係合要素を断 ・接作動する油圧サーボ(例えば29,30)と、を え、かつ前記変速機構(5)が、変速機ケース(9 )に対して固定されて前記入力軸(10)の回転に する反力を生じる固定ギヤ(S1)を備え、前記 複数の摩擦係合要素の内の第1の摩擦係合要 (例えばC-3)を係合すると共に第2の摩擦係合 素(C-1)を解放することにより所定変速段(例 ば5速段)へのアップシフトを達成してなる自 動変速機の変速制御装置(1)において、
 前記反力に基づき前記固定ギヤ(S1)に作用す るトルク値を検出する固定ギヤトルク検出手 段(16,24)と、
 該固定ギヤトルク検出手段(16,24)により検出 されるトルク値の変化に基づき、ギヤ比が前 記アップシフト前(例えば4速段)の状態にあっ てトルク分担のみが変化するトルク相の開始 を検出するトルク相検出手段(15)と、を備え なる、ことを特徴とする。

 この場合、固定ギヤトルク検出手段が、 力に基づき固定ギヤに作用するトルク値を 出し、トルク相検出手段が、固定ギヤトル 検出手段により検出されるトルク値の変化 基づき、ギヤ比がアップシフト前の状態に ってトルク分担のみが変化するトルク相の 始を検出するので、クラッチツークラッチ の掴み換えによるアップシフト変速にあっ 、変速時のトルク相を的確に検出してピス ンストローク終了を正確に判定することが き、それにより、変速時の応答性が向上す と共に、待機時間を短縮することができ、 擦係合要素での余計な発熱による摩擦材焼 等の発生の虞を解消することができる。ま 、トルク相検出手段がトルク相の開始を検 することで、比較的高ギヤ段側のピストン トローク判定不能領域でのピストンストロ ク終了を正確に判定できるので、例えばピ トンストロークの係合圧の学習制御に用い ことで、高ギヤ段側のピストンストローク 最適化することができ、エンジン吹きの防 や過剰な発熱の防止を有効に実行すること 可能となる。

 具体的には、本発明は、前記固定ギヤトル 検出手段(16,24)により検出されるトルク値の 変化は、比較的高速段での変速(例えば3-4変 、4-5変速、5-6変速)時に顕著に現出し、
 前記トルク相検出手段(15)は、前記トルク値 が顕著に変化したときをピストンストローク 終了と判定して前記トルク相の開始を検出し てなる、ことを特徴とする。

 この場合、固定ギヤトルク検出手段によ 検出されるトルク値の変化は、比較的高速 での変速時に顕著に現出し、トルク相検出 段が、トルク値が顕著に変化したときをピ トンストローク終了と判定してトルク相の 始を検出するので、固定ギヤに作用するト ク値の顕著な変化を判定することでトルク の開始を容易に検出することができる。

 また、本発明は、前記固定ギヤトルク検出 段は、
 前記入力軸(10)側から作用するトルクに起因 する前記固定ギヤ(S1)と前記変速機ケース(9) の歪みを検出する歪み検出センサ(24)と、
 該歪み検出センサ(24)による検出結果に基づ き、前記固定ギヤ(S1)に作用したトルク値を 出するトルク値算出手段(16)と、からなる、 とを特徴とする。

 この場合、固定ギヤトルク検出手段が、 力軸側から作用するトルクに起因する固定 ヤと変速機ケースとの歪みを検出する歪み 出センサと、該歪み検出センサによる検出 果に基づき、固定ギヤに作用したトルク値 算出するトルク値算出手段とからなるので 例えば、簡単な構造で比較的廉価な歪みゲ ジを歪み検出センサとして使用することが き、該歪みゲージを固定ギヤの一部に直接 り付ける等で固定ギヤと変速機ケースとの みを容易に検出する構造が得られることで トルク相検出に用いるトルク値の検出を、 めてシンプルな構造にて実現することがで る。

 具体的には、本発明は、トルク相にて前記 1の摩擦係合要素(例えばC-3)用の油圧サーボ 作用する係合側油圧と前記第2の摩擦係合要 素(例えばC-1)用の油圧サーボに作用する解放 油圧とを制御する油圧制御手段(13a,13b)を備 、
 該油圧制御手段(13a,13b)は、前記トルク相検 手段(15)による検出結果に基づき、前記係合 側油圧及び前記解放側油圧をそれぞれ制御し てなる、ことを特徴とする。

 この場合、トルク相にて第1の摩擦係合要 素用の油圧サーボに作用する係合側油圧と第 2の摩擦係合要素用の油圧サーボに作用する 放側油圧とを制御する油圧制御手段が、ト ク相検出手段による検出結果に基づき、係 側油圧及び解放側油圧をそれぞれ制御する で、従来は特に高ギヤ段側での変速でピス ンストローク終了が正確には解っていなか たが、本発明ではトルク相検出手段による 出でピストンストローク終了が正確に解る とで、従来に比して迅速にトルク相制御に 換えることができ、トルク相での摩擦係合 素の余計な発熱を防止することが可能にな 。

 詳細には、本発明は、前記変速機構(5)は、
 前記入力軸(10)の回転を減速した減速回転を 出力し得る減速プラネタリギヤ(SP)と、
 前記変速機構(5)の前記出力部材(11)に接続さ れた出力要素(R2)を含む4つの回転要素(S2,S3,CR2 ,R2)を有するプラネタリギヤユニット(PU)と、
 該プラネタリギヤユニット(PU)の2つの回転 素(S2,S3)のそれぞれに前記減速プラネタリギ (SP)からの回転を入力自在にする2つの減速 ラッチ(C-3,C-1)と、
 前記プラネタリギヤユニット(PU)の1つの回 要素(CR2)に前記入力軸(10)の回転を入力自在 する入力クラッチ(C-2)と、を有して、前進5 段又は6速段を達成してなり、
 前記固定ギヤ(S1)は、前記減速プラネタリギ ヤ(SP)の常時回転が固定されたギヤである、 とを特徴とする。

 この場合、変速機構は、入力軸の回転を 速した減速回転を出力し得る減速プラネタ ギヤと、変速機構の出力軸に接続された出 要素を含む4つの回転要素を有するプラネタ リギヤユニットと、該プラネタリギヤユニッ トの2つの回転要素のそれぞれに減速プラネ リギヤからの回転を入力自在にしかつ第1及 第2の摩擦係合要素を成す2つの減速クラッ と、プラネタリギヤユニットの1つの回転要 に入力軸の回転を入力自在にする入力クラ チとを有して、前進5速段又は6速段を達成 てなり、固定ギヤが、減速プラネタリギヤ 常時回転が固定されたギヤであるので、変 機ケースに固定されている固定ギヤを有し 前進5速段又は6速段を達成するギヤトレーン を有する変速機構を備える際に、固定ギヤに 歪み検出センサ等を取り付けるだけの比較的 簡単な構成により、トルク相を早く且つ正確 に検出して変速制御に活用することができる 。

 更に、本発明は、前記減速プラネタリギヤ( SP)は、前記変速機ケース(9)に固定されたサン ギヤ(S1)と、前記減速回転を出力するリング ヤ(R1)と、前記入力軸(10)の回転を入力するキ ャリヤ(CR1)と、からなり、
 前記固定ギヤは前記サンギヤ(S1)である、こ とを特徴とする。

 この場合、減速プラネタリギヤが、変速 ケースに固定されたサンギヤと、減速回転 出力するリングギヤと、入力軸の回転を入 するキャリヤとからなり、固定ギヤがサン ヤであるので、変速機ケースに固定されて るサンギヤを有するギヤトレーンを有する 速機構を備える際に、サンギヤに歪み検出 ンサ等を取り付けるだけの比較的簡単な構 により、トルク相を早く且つ正確に検出し 変速制御に活用することができる。

 なお、上記カッコ内の符号は、図面と対 するためのものであるが、これは発明の理 を容易にするための便宜的なものであり、 許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすも ではない。

本発明に係る自動変速機の変速制御装 に係る電気制御系等を示すブロック図。 本発明を適用し得る自動変速機構を示 スケルトン図。 本自動変速機構の係合表。 本自動変速機構の速度線図。 本自動変速機構内のプラネタリギヤに えた常時固定状態のサンギヤ、及び該サン ヤに固定された歪みゲージを示す図。 油圧制御装置における油圧回路の概略 示す概略図。 本自動変速機の変速制御装置の作用を 明するためのフローチャート。 本自動変速機の変速制御装置によるト ク相検出を説明するためのタイムチャート 従来タイプを説明するためのタイムチ ート。 変形例の各パラメータの変化を示すタ イムチャート。 変形例の各パラメータの変化を示すタ イムチャート。 変形例の各パラメータの変化を示すタ イムチャート。

 以下、本発明に係る実施の形態を図1ない し図12に沿って説明する。

 まず、本発明を適用し得る自動変速機3の 概略構成について図2に沿って説明する。同 に示すように、例えばFF(フロントエンジン フロントドライブ)タイプの車輌に用いて好 な自動変速機3は、駆動源であるエンジン2( 1参照)に接続し得る該自動変速機3の入力軸8 を有しており、該入力軸8の軸方向を中心と てトルクコンバータ4、及び自動変速機構(変 速機構)5を備えている。なお、符号9は、自動 変速機構5を収容する変速機ケースを示して る。

 本自動変速機3は、自動変速機構5におけ 複数の動力伝達経路を各係合状態により達 する摩擦係合要素であるクラッチC-1,C-2,C-3及 びブレーキB-1,B-2を有し、それら係合要素同 の掴み換えにより前進6速段の変速を達成す 有段式の自動変速機である。なお、前進6速 段の変速に限らず、前進5速段の変速を行う 動変速機にも本発明を適用し得ることは勿 である。

 上記トルクコンバータ4は、自動変速機3 入力軸8に接続されたポンプインペラ4aと、 動流体を介して該ポンプインペラ4aの回転が 伝達されるタービンランナ4bとを有しており 該タービンランナ4bは、上記入力軸8と同軸 に配設された上記自動変速機構5の入力軸10 接続されている。また、該トルクコンバー 4には、ロックアップクラッチ7が備えられ おり、該ロックアップクラッチ7が油圧制御 置6(図1参照)の油圧制御によって係合される と、上記自動変速機3の入力軸8の回転が自動 速機構5の入力軸10に直接伝達される。なお 上記油圧制御装置6は、油圧サーボ(不図示) 自動変速機構5に対応して多数備えると共に 、これら油圧サーボへの油圧を切換えるシフ トバルブも多数備えている。

 上記自動変速機構5には、入力軸10上にお て、プラネタリギヤSPと、プラネタリギヤ ニットPUとが備えられている。上記プラネタ リギヤSPは、サンギヤ(固定ギヤ)S1、キャリヤ CR1、及びリングギヤR1を備えており、該キャ ヤCR1に、サンギヤS1及びリングギヤR1に噛合 するピニオンP1を有している、いわゆるシン ルピニオンプラネタリギヤである。上記サ ギヤS1は、プラネタリギヤSPの常時回転が固 定されたギヤである。なお、上記プラネタリ ギヤSPは、入力軸10の回転を減速した減速回 を出力し得る減速プラネタリギヤを構成し いる。

 また、該プラネタリギヤユニットPUは、4 の回転要素としてサンギヤS2、サンギヤS3、 キャリヤCR2及びリングギヤR2を有し、該キャ ヤCR2に、サンギヤS2及びリングギヤR2に噛合 するロングピニオンPLと、サンギヤS3に噛合 るショートピニオンPSとを互いに噛合する形 で有している、いわゆるラビニヨ型プラネタ リギヤである。なお、上記クラッチC-3,C-1は プラネタリギヤユニットPUの2つの回転要素 あるサンギヤS2,S3のそれぞれにプラネタリギ ヤSPからの回転を入力自在にする2つの減速ク ラッチを構成する。また、上記クラッチC-2は 、プラネタリギヤユニットPUの1つの回転要素 であるキャリヤCR2に入力軸10の回転を入力自 にする入力クラッチを構成している。上記 ングギヤR2は、自動変速機構5の出力軸(不図 示)に接続された出力要素である。

 上記プラネタリギヤSPのサンギヤS1は、図 2及び図5に示すように、変速機ケース9に対し て固定され、入力軸10の回転に対する反力が じる固定ギヤ、つまり、変速機ケース9に一 体的に固定されているボス部20に接続(スプラ イン結合)されて回転が常時固定された固定 ヤを構成している。該サンギヤS1の変速機ケ ース9(つまりボス部20)に接続される軸部26に 、入力軸10側から作用するトルクに応じたサ ンギヤS1(つまり軸部26)の歪みを検出する歪み ゲージ24が、接着剤等により直接固定されて る。該歪みゲージ24は、入力軸10側から作用 するトルクに起因するサンギヤS1と変速機ケ ス9との歪みを検出する歪み検出センサを構 成する。

 軸部26に固定された歪みゲージ24は、該軸 部26における反対側の部分にも同様に固定さ ており、当該軸部26の外周面に固定された2 により歪みを検出する。該歪みゲージ24は 電気接続ケーブル27を介して制御部12に接続 れている。なお、歪みゲージ24は、2個に限 ず、上記軸部26の外周面における3箇所或い 4箇所に等角度間隔で固定されていても、同 様に機能し得ることは勿論である。

 また、図2に示すように、上記リングギヤ R1は、上記入力軸10の回転と同回転(以下、「 力回転」という。)になっている。更に上記 キャリヤCR1は、上記固定されたサンギヤS1と 入力回転するリングギヤR1とにより、入力 転が減速された減速回転になると共に、ク ッチC-1及びクラッチC-3に接続されている。

 上記プラネタリギヤユニットPUのサンギ S2は、ブレーキB-1に接続されて変速機ケース 9に対して固定自在となっていると共に、上 クラッチC-3に接続され、該クラッチC-3を介 て上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在と っている。また、上記サンギヤS3は、クラッ チC-1に接続されており、上記キャリヤCR1の減 速回転が入力自在となっている。

 更に、上記キャリヤCR2は、入力軸10の回 が入力されるクラッチC-2に接続され、該ク ッチC-2を介して入力回転が入力自在となっ おり、また、ワンウェイクラッチF-1及びブ ーキB-2に接続されて、該ワンウェイクラッ F-1を介して変速機ケース9に対して一方向の 転が規制されると共に、該ブレーキB-2を介 て回転が固定自在となっている。そして、 記リングギヤR2は、カウンタギヤ(出力部材) 11に接続されており、該カウンタギヤ11は、 図示のカウンタシャフト、ディファレンシ ル装置を介して不図示の駆動車輪に接続さ ている。

 つづいて、上記構成に基づき、自動変速 構5の作用について図2、図3及び図4に沿って 説明する。なお、図4に示す速度線図におい 、縦軸方向はそれぞれの回転要素(各ギヤ)の 回転数を示しており、横軸方向はそれら回転 要素のギヤ比に対応して示している。また、 該速度線図のプラネタリギヤSPの部分におい 、縦軸は、図4中左方側から順に、サンギヤ S1、キャリヤCR1、リングギヤR1に対応してい 。更に、該速度線図のプラネタリギヤユニ トPUの部分において、縦軸は、図4中右方側 ら順に、サンギヤS3、リングギヤR2、キャリ CR2、サンギヤS2に対応している。

 例えばD(ドライブ)レンジにおける前進1速 段(1ST)では、図3に示すように、クラッチC-1及 びワンウェイクラッチF-1が係合される。する と、図2及び図4に示すように、固定されたサ ギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によっ て減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッ チC-1を介してサンギヤS3に入力される。また キャリヤCR2の回転が一方向(正転回転方向) 規制されて、つまりキャリヤCR2の逆転回転 防止されて固定された状態になる。すると サンギヤS3に入力された減速回転が、固定さ れたキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力 れ、前進1速段としての正転回転がカウンタ ギヤ11から出力される。

 なお、エンジンブレーキ時(コースト時) は、ブレーキB-2を係止してキャリヤCR2を固 し、該キャリヤCR2の正転回転を防止する形 、上記前進1速段の状態を維持する。また、 前進1速段では、ワンウェイクラッチF-1によ りキャリヤCR2の逆転回転を防止し、かつ正転 回転を可能にするので、例えば非走行レンジ から走行レンジに切換えた際の前進1速段の 成を、ワンウェイクラッチF-1の自動係合に り滑らかに行うことができる。

 前進2速段(2ND)では、図3に示すように、ク ラッチC-1が係合され、ブレーキB-1が係止され る。すると、図2及び図4に示すように、固定 れたサンギヤS1と入力回転であるリングギ R1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が 、クラッチC-1を介してサンギヤS3に入力され 。また、ブレーキB-1の係止によりサンギヤS 2の回転が固定される。すると、キャリヤCR2 サンギヤS3よりも低回転の減速回転となり、 該サンギヤS3に入力された減速回転が該キャ ヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、前 2速段としての正転回転がカウンタギヤ11か 出力される。

 なお、この前進2速段の状態からニュート ラル制御によってクラッチC-1が解放(スリッ 状態に)された場合は、キャリヤCR2の逆転回 を阻止するワンウェイクラッチF-1によって リングギヤR2の正転回転が許容されると共 逆転回転が阻止され、車輌の後退(駆動車輪 逆転回転)が防止される、いわゆるヒルホー ルドの状態となる。

 前進3速段(3RD)では、図3に示すように、ク ラッチC-1及びクラッチC-3が係合される。する と、図2及び図4に示すように、固定されたサ ギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によっ て減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッ チC-1を介してサンギヤS3に入力される。また クラッチC-3の係合によりキャリヤCR1の減速 転がサンギヤS2に入力される。つまり、サ ギヤS2及びサンギヤS3にキャリヤCR1の減速回 が入力されるため、プラネタリギヤユニッ PUが減速回転の直結状態となり、そのまま 速回転がリングギヤR2に出力され、前進3速 としての正転回転がカウンタギヤ11から出力 される。

 前進4速段(4TH)では、図3に示すように、ク ラッチC-1及びクラッチC-2が係合される。する と、図2及び図4に示すように、固定されたサ ギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によっ て減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッ チC-1を介してサンギヤS3に入力される。また クラッチC-2の係合によりキャリヤCR2に入力 転が入力される。すると、該サンギヤS3に 力された減速回転とキャリヤCR2に入力され 入力回転とにより、上記前進3速段より高い 速回転となってリングギヤR2に出力され、 進4速段としての正転回転がカウンタギヤ11 ら出力される。

 前進5速段(5TH)では、図3に示すように、ク ラッチC-2及びクラッチC-3が係合される。する と、図2及び図4に示すように、固定されたサ ギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によっ て減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッ チC-3を介してサンギヤS2に入力される。また クラッチC-2の係合によりキャリヤCR2に入力 転が入力される。すると、該サンギヤS2に 力された減速回転とキャリヤCR2に入力され 入力回転とにより、入力回転より僅かに高 増速回転となってリングギヤR2に出力され、 前進5速段としての正転回転がカウンタギヤ11 から出力される。

 前進6速段(6TH)では、図3に示すように、ク ラッチC-2が係合され、ブレーキB-1が係止され る。すると、図2及び図4に示すように、クラ チC-2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が 力される。また、ブレーキB-1の係止により ンギヤS2の回転が固定される。すると、固 されたサンギヤS2によりキャリヤCR2の入力回 転が上記前進5速段より高い増速回転となっ リングギヤR2に出力され、前進6速段として 正転回転がカウンタギヤ11から出力される。

 後進1速段(REV)では、図3に示すように、ク ラッチC-3が係合され、ブレーキB-2が係止され る。すると、図2及び図4に示すように、固定 れたサンギヤS1と入力回転であるリングギ R1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が 、クラッチC-3を介してサンギヤS2に入力され 。また、ブレーキB-2の係止によりキャリヤC R2の回転が固定される。すると、サンギヤS2 入力された減速回転が、固定されたキャリ CR2を介してリングギヤR2に出力され、後進1 段としての逆転回転がカウンタギヤ11から出 力される。

 なお、例えばP(パーキング)レンジ及びN( ュートラル)レンジでは、クラッチC-1、クラ チC-2、及びクラッチC-3、が解放される。す と、キャリヤCR1とサンギヤS2及びサンギヤS3 との間、即ちプラネタリギヤSPとプラネタリ ヤユニットPUとの間が切断状態となり、か 、入力軸10とキャリヤCR2との間が切断状態と なる。これにより、入力軸10とプラネタリギ ユニットPUとの間の動力伝達が切断状態と り、つまり入力軸10とカウンタギヤ11との動 伝達が切断状態となる。

 ついで、図6を参照して、油圧制御装置6に ける油圧回路の概略について説明する。該 圧回路は、2個のリニアソレノイドバルブSLS びSLUを有すると共に、自動変速機構のプラ タリギヤユニットの伝達経路を切換えて、 えば前進6速、後進1速の変速段を達成する 数の摩擦係合要素を断・接作動する複数の 圧サーボ29,30を有している。また、リニアソ レノイドバルブSLS及びSLUの入力ポートa 1 ,a 2 にはソレノイドモジュレータ圧が供給されて おり、これらリニアソレノイドバルブの出力 ポートb 1 ,b 2 からの制御油圧がそれぞれプレッシャコント ロールバルブ31,32の制御油室31a,32aに供給され ている。プレッシャコントロールバルブ31,32 、ライン圧がそれぞれ入力ポート31b,32bに供 給されており、上記制御油圧にて調圧された 出力ポート31c,32cからの調圧が、それぞれシ トバルブ33,34を介して適宜各油圧サーボ29,30 供給される。

 なお、本油圧回路は、基本概念を示すた のものであって、各油圧サーボ29,30及びシ トバルブ33,34は、象徴的に示すものであり、 実際には、自動変速機構5に対応して油圧サ ボは多数備えられており、これら油圧サー への油圧を切換えるシフトバルブも多数備 ている。また、油圧サーボ30に示すように油 圧サーボは、シリンダ35にオイルシール36に り油密状に嵌合するピストン37を有しており 、該ピストン37は、油圧室38に作用するプレ シャコントロールバルブ32からの調圧油圧に 基づき、戻しスプリング39に抗して移動し、 側摩擦プレート40及び内側摩擦材41を接触す る。該摩擦プレート及び摩擦材は、クラッチ で示してあるが、ブレーキにも同様に対応す ることは勿論である。

 つづいて、本発明に係る自動変速機の変 制御装置1について、図1を参照して説明す 。なお、図1は、本実施の形態における自動 速機の変速制御装置1に係る電気制御系等を 示すブロック図である。

 本自動変速機の変速制御装置1は、エンジ ン(駆動源)2の回転を入力軸10に入力しかつ駆 車輪にカウンタギヤ(出力部材)11を連結する 有段の自動変速機構(変速機構)5と、これら入 力軸10とカウンタギヤ11との間で動力伝達経 を変更する複数の摩擦係合要素であるクラ チC-1,C-2,C-3、ブレーキB-1,B-2と、これら摩擦 合要素を断・接作動する油圧サーボ(図6の29, 30参照)とを備えている。自動変速機構5は、 速機ケース9に対して固定されて入力軸10の 転に対する反力を生じるサンギヤ(固定ギヤ) S1を備えている。本自動変速機の変速制御装 1は、上記複数の摩擦係合要素の内の第1の 擦係合要素(例えばC-3)を係合すると共に第2 摩擦係合要素(C-1)を解放することにより所定 変速段(例えば5速段)へのアップシフトを達成 するように構成される。

 すなわち、本自動変速機の変速制御装置1 は、図1に示すように、エンジン(E/G)2からの 号、自動変速機3(自動変速機構5)の入力軸回 数センサ22及び出力軸回転数(車速)センサ23 らの信号、歪みゲージ24からの信号、アク ル開度センサ25からの信号、油温センサ29か の信号を入力する制御部(ECU)12を備えている 。入力軸回転数センサ22は、入力軸10の回転 を検出し、また、出力軸回転数センサ23は、 カウンタギヤ11の後流側に設けられた不図示 出力軸の回転数を検出する。

 上記制御部12は、変速制御手段14、変速マ ップ18、トルク相検出手段15、イナーシャ相 出手段28、トルク値算出手段16、及びエンジ 回転数検出手段19を有している。なお、上 トルク値算出手段16及び歪みゲージ24により 反力に基づきサンギヤS1に作用するトルク を検出する固定ギヤトルク検出手段が構成 れている。

 上記変速制御手段14は、油圧制御装置6に えられた不図示のソレノイドバルブに電気 指令を行うことで、摩擦係合要素であるク ッチC-1,C-2,C-3やブレーキB-1,B-2の各油圧サー (図6の29,30参照)に供給する油圧を制御し、 動変速機構5における摩擦係合要素であるク ッチやブレーキ同士の掴み換え変速を行う 即ち、該変速制御手段14は、パワーオンア プシフト変速においては、例えば出力軸回 数センサ23により検出される自動変速機構5 出力軸(不図示)の回転数より算出される車速 と、アクセル開度センサ25により検出される クセル開度とに基づき変速マップ18を参照 、アクセル開度が所定開度以上の場合にあ てアップシフト変速点を判断した際に、油 制御装置6のソレノイドバルブ(不図示)に指 することで、自動変速機構5において摩擦係 要素同士の掴み換えを行わせ、これにより ワーオンアップシフト変速を行う。当該変 制御手段14は、トルク相にて第1の摩擦係合 素(例えばC-3)用の油圧サーボに作用する係 側油圧を制御する係合側油圧制御手段13aと トルク相にて第2の摩擦係合要素用の油圧サ ボに作用する解放側油圧を制御する解放側 圧制御手段13bとを有しており、これら係合 油圧制御手段13a及び解放側油圧制御手段13b 、トルク相検出手段15による検出結果に基 き、係合側油圧及び解放側油圧をそれぞれ 御する。

 上記トルク値算出手段16は、歪みゲージ24 による検出結果に基づき、サンギヤS1に作用 たトルク値を算出する。即ち、トルク値算 手段16は、歪みゲージ24に電気信号を印加し 、サンギヤS1の歪みに起因して該歪みゲージ2 4から出力される電気信号を受信するように 該歪みゲージ24に電気的に接続される。そし て、該トルク値算出手段16は、歪みゲージ24 よる検出結果に基づき、サンギヤS1に作用し たトルク値を算出する。つまり、トルク値算 出手段16は、歪みゲージ24からの出力信号を 幅する不図示の増幅器を有しており、該増 器で増幅された歪みゲージ24の出力電圧に基 づいてサンギヤS1に作用するトルク値を算出( 検出)する。

 上記トルク相検出手段15は、歪みゲージ24 及びトルク値算出手段16により検出されるト ク値の変化に基づき、ギヤ比がアップシフ 前(例えば4速段)の状態にあってトルク分担 みが変化するトルク相の開始を検出する。 実施の形態において、1速段(1ST)~3速段(3RD)で は、サンギヤS1に作用したトルク値(サンギヤ 分担トルク)を例えば1.7985倍することで入力 ルクが得られ、4速段(4TH)ではサンギヤ分担 ルクを例えば6.25倍することで入力トルクが られ、5速段(5TH)ではサンギヤ分担トルクを えば-6.76倍することで入力トルクが得られ 。6速段(6TH)では、入力軸10の回転がプラネタ リギヤSPを経由せずにプラネタリギヤユニッ PUのみを経由してカウンタギヤ11に伝達され るため、入力トルクは測定不可能(0)である。 これらのことから、歪みゲージ24及びトルク 算出手段16により検出されるトルク値の変 は、比較的高速段での変速(例えば3→4変速 4→5変速、5→6変速)時に顕著に現出し、トル ク相検出手段15は、トルク値が顕著に変化し ときをピストンストローク終了(いわゆるガ タ詰め終了)と判定してトルク相の開始を検 する。その際、トルク相検出手段15は、顕著 に変化したトルク値を閾値と比較し、該トル ク値が閾値を越えた際にトルク相の開始と判 定する。

 上記イナーシャ相検出手段28は、トルク 算出手段16及び歪みゲージ24により検出され トルク値の変化に基づき、自動変速機構5に て回転変化が始まるイナーシャ相の開始を検 出する。即ち、イナーシャ相検出手段28は、 ルク値算出手段16により算出されたトルク に基づき、自動変速機構5での回転変化が始 るイナーシャ相の開始を検出する。該イナ シャ相検出手段28は、予め設定された閾値 有しており、トルク値算出手段16により算出 されたトルク値が閾値を超えたか否かを判断 することで、トルク値が閾値を越えた場合に イナーシャ相が開始されたと判定する。

 上記制御部12には、エンジントルク信号 含む信号がエンジン2から送られており、上 エンジン回転数検出手段19は、エンジン2か の上記信号に基づき、エンジン2の回転数( 下、エンジン回転数という)を検出する。

 ついで、本自動変速機の変速制御装置1の 制御について、図1、及び図7のフローチャー 、図8ないし図12のタイムチャートを参照し 説明する。なお、図7は本自動変速機の変速 制御装置の作用を説明するためのフローチャ ート、図8は本自動変速機の変速制御装置に るトルク相検出を説明するためのタイムチ ート、図9は従来タイプを説明するためのタ ムチャートである。図10ないし図12は本自動 変速機の変速制御装置によるトルク相検出を 説明するための変形例のタイムチャートであ る。

 図8は4-5変速時の各パラメータの変化を示 すタイムチャートであり、同図において、a 自動変速機構5の入力軸10の入力回転数の変 を示し、bは解放側の油圧指令値を示し、cは 解放側油圧を示し、dは係合側の油圧指令値 示し、eは係合側油圧を示し、fは出力トルク を示し、gはサンギヤS1に作用するトルク値( ンギヤ分担トルク)を示し、Toはトルク相を す。

 本変速制御装置1による制御では、例えば 不図示のイグニッションがONされ、エンジン2 がONしている状態で制御が開始され、変速制 手段14により自動変速機構5においてパワー ンアップシフト変速中であることを検出す まで待機する。そして、運転者によるアク ルペダル操作による例えば4速段での走行中 に、変速制御手段14が、出力軸回転数センサ2 3により検出される自動変速機構5の出力軸の 転数から算出される車速と、アクセル開度 ンサ25により検出されるアクセル開度とに づき変速マップ18を参照し、アクセル開度が 所定開度以上の場合にあってアップシフト変 速点と判断すると(ステップS1:YES)、例えば4→ 5変速のパワーオンアップシフト変速を行う

 すなわち、運転者によりアクセルが踏み まれてアクセル開度が上昇し、変速マップ1 8における4速段の領域から5速段の領域となる 変速点を越えると、該時点から所定時間経過 した時点において、変速制御手段14により4-5 速判断がなされる。そして、所定シフトバ ブの操作等の前処理のための所定時間経過 、係合側油圧制御手段13a及び解放側油圧制 手段13bによる係合側油圧及び解放側油圧の 速制御が開始される。なお、該変速制御に っては、運転者はアクセルペダルを略々一 な操作を保持し、変速中、エンジンから車 側へ動力伝達されるパワーオン状態でアッ シフト制御される。

 4-5変速制御では、解放側油圧制御手段13bに り解放側油圧が急峻に下降されてクラッチC -1が次第に解放され、係合側油圧制御手段13a より係合側油圧が一旦上昇して(時点t 1 )クラッチC-3の油圧サーボにおけるガタ詰め 作が行われた後、クラッチC-3が徐々に係合 れる。この際、時点t 1 後の破線Aで示す部分においてサンギヤ分担 ルクgに急激なトルク変化が生じるため、ト ク相検出手段15は、ギヤ比がアップシフト の状態にあってトルク分担のみが変化する ルク相の開始を検出する。

 すなわち、図2において、4速段では、入力 10の回転が、リングギヤR1から、ピニオンP1 介してサンギヤS1の反力を受けるキャリアCR1 に伝達され、更に該キャリアCR1からクラッチ C-1を介してサンギヤS3に伝達され、クラッチC -2によって入力軸10に接続されているキャリ CR2に支持されたショートピニオンPS及びロン グピニオンPLを介してリングギヤR2に伝達さ 、該リングギヤR2からカウンタギヤ11を介し 出力軸に伝達されている。この状態から5速 段側に移行すると、入力軸10の回転が、上記 同様にリングギヤR1からキャリアCR1に伝達 れるが、クラッチC-1に代わってクラッチC-3 係合することで、キャリヤCR1の回転は、サ ギヤS2からロングピニオンPLのみを介してリ グギヤR2に伝達され、該リングギヤR2からカ ウンタギヤ11を介して出力軸に伝達されるこ になる。この時点で、ピニオンP1からの反 を受けるサンギヤS1は軸部26に歪みを生じる め、該歪みが歪みゲージ24によって検出さ る。これにより、トルク値算出手段16が、サ ンギヤS1の歪みに起因して歪みゲージ24から 力される電気信号を受信し、サンギヤS1に作 用したトルク値を算出し、トルク相検出手段 15が、トルク値算出手段16にて算出されたト ク値を閾値と比較し、トルク値が閾値を越 た際にトルク相(時点t 2 ~t 3 )が開始されたと判定する。

 変速制御手段14は、上記のようにサンギ 分担トルクの急変化を検出すると、ステッ S2にて、同時にエンジントルク変化量が規定 値内であるか否かを判断し、これらを同時に 満たすと判断した場合(S2:YES)、係合側油圧及 解放側油圧を共に制御するトルク相制御を 始する(S3)。当該トルク相制御では、係合側 クラッチ(4-5変速ではクラッチC-3)が担持する ルクが増大すると共に、解放側クラッチ(4-5 変速ではクラッチC-1)の担持トルクが減少し ギヤ比はアップシフト前(4速段)の状態にあ てトルク分担のみが変化することになる。

 一方、ステップS1において、例えば1-2変 や2-3変速のような比較的低速段にでは歪み ージ24によるトルク検出に基づくサンギヤ分 担トルクに急激な変化は見られず、急変化の 検出が無くエンジントルク変化量が規定値内 ではない場合は、ステップS4に進み、従来通 にタイマ経過又は回転変化の検出判定に従 (S4:YES)、ステップS3において上記トルク相制 御を開始することになる。

 更に、トルク相制御に続いて、エンジン ルクの負荷となってエンジン回転数を変化 るイナーシャ相制御を実行する(ステップS11 )。即ち、自動変速機構5における実際の変速 行うイナーシャ相制御が開始されると、ク ッチC-3のスリップに伴うエンジン回転数の 昇に応じて入力回転数が上昇され、自動変 機構5が徐々に5速段に切り換えられていき つまり変速進行率が増加していく。

 引き続き、ステップS5において、イナー ャ相中に測定トルクが一定以上計測された 否かを判断し、計測された場合(S5:YES)は、解 放側油圧をタイアップ(両要素が共に接続状 (同時係合)となること)防止側に修正するよ に学習補正する。一方、ステップS5において 計測されない場合(S5:NO)は、ステップS7におい て、イナーシャ相中にてエンジン吹き状態が 検出されたか否かを判断する。その結果、検 出された場合(S7:YES)は、解放側エンジン吹き 止側に修正するように学習補正し(S8)、検出 されない場合(S7:NO)は、修正は行わない(S9)。 お、上記エンジン吹き状態とは、係合側摩 係合要素及び解放側摩擦係合要素が共に切 状態となることに基づく状態である。

 ついで、ステップS10において、完了制御 実行する。即ち、該完了制御では、解放側 圧制御における完了制御の残り時間と同じ 間がタイマに設定され、そして係合側油圧 、予め設定されている所定勾配からなる油 によりスイープアップし、上記設定された 定時間が経過するまで、上記スイープアッ が続けられ、該時間が経過した時点で完了 御は終了し、4-5変速が完了する。

 ここで、図9を参照して、従来タイプの自 動変速機の変速制御について説明する。即ち 、従来は、高ギヤ段側の変速でピストンスト ローク終了が正確に解っていなかったため、 トルク相Toの時間が長く、破線の丸部分Bに示 すように、タイアップ気味の変速になってい た。

 以上の本実施の形態によると、歪みゲー 24及びトルク値算出手段16が、反力に基づき サンギヤS1に作用するトルク値を検出し、ト ク相検出手段15が、歪みゲージ24及びトルク 値算出手段16により検出されるトルク値の変 に基づき、ギヤ比がアップシフト前の状態 あってトルク分担のみが変化するトルク相 開始を検出する。このため、クラッチツー ラッチ等の掴み換えによるアップシフト変 にあって、変速時のトルク相を的確に検出 てピストンストローク終了を正確に判定す ことができ、それにより、変速時の応答性 向上すると共に、待機時間を短縮すること でき、摩擦係合要素での余計な発熱による 擦材焼け等の発生の虞を解消することがで る。また、トルク相検出手段15がトルク相 開始を検出することで、高ギヤ段側のピス ンストローク判定不能領域でのピストンス ローク終了を正確に判定できるので、ピス ンストロークの係合圧の学習制御に用いる とで、比較的高ギヤ段側のピストンストロ クを最適化することができ、エンジン吹き 防止や過剰な発熱の防止を有効に実行する とが可能となる。

 また、本実施の形態では、歪みゲージ24 びトルク値算出手段16により検出されるトル ク値の変化は、比較的高速段での変速時に顕 著に現出し、トルク相検出手段15が、トルク が顕著に変化したときをピストンストロー 終了と判定してトルク相の開始として検出 る。これにより、サンギヤS1に作用するト ク値の顕著な変化を判定することで、トル 相の開始を容易に検出することができる。

 更に、本実施の形態では、入力軸10側か 作用するトルクに起因するサンギヤS1と変速 機ケース9との歪みを検出する歪みゲージ24と 、該歪みゲージ24による検出結果に基づき、 ンギヤS1に作用したトルク値を算出するト ク値算出手段16とにより固定ギヤトルク検出 手段が構成される。これにより、簡単な構造 で比較的廉価な歪みゲージ24を使用し、該歪 ゲージ24をサンギヤS1の一部に直接貼り付け る等でサンギヤS1と変速機ケース9との歪みを 容易に検出する構造が得られる。これにより 、トルク相検出に用いるトルク値の検出を、 極めてシンプルな構造にて実現することがで きる。

 そして、本実施の形態では、トルク相に 第1の摩擦係合要素(例えばC-3)用の油圧サー に作用する係合側油圧と第2の摩擦係合要素 (例えばC-1)用の油圧サーボに作用する解放側 圧とを制御する係合側油圧制御手段13a及び 放側油圧制御手段13bが、トルク相検出手段1 5による検出結果に基づき、係合側油圧及び 放側油圧をそれぞれ制御する。このため、 来は特に高ギヤ段側での変速でピストンス ローク終了が正確には解っていなかったが 本実施の形態では、トルク相検出手段15によ る検出でピストンストローク終了が正確に解 ることで、従来に比して迅速にトルク相制御 に切換えることができ、トルク相での摩擦係 合要素の余計な発熱を防止することが可能に なる。

 更に、本実施の形態において、自動変速 構5は、入力軸10の回転を減速した減速回転 出力し得るプラネタリギヤSPと、自動変速 構5の出力軸に接続されたリングギヤR2を含 4つの回転要素(サンギヤS2,S3、キャリヤCR2、 ングギヤR2)を有するプラネタリギヤユニッ PUと、該プラネタリギヤユニットPUの2つの 転要素(サンギヤS3,S2)のそれぞれにプラネタ ギヤSPからの回転を入力自在にする2つのク ッチC-1,C-3と、プラネタリギヤユニットPUの1 つの回転要素(キャリヤCR2)に入力軸10の回転 入力自在にするクラッチC-2とを有して、前 6速段を達成する。更に、サンギヤS1が、プ ネタリギヤSPの常時回転が固定されたギヤで あるので、変速機ケース9に固定されている ンギヤS1を有して前進6速段を達成するギヤ レーンを有する自動変速機構5を備える際に サンギヤS1に歪み検出センサ等を取り付け だけの比較的簡単な構成により、トルク相 早く且つ正確に検出して変速制御に活用す ことができる。なお、前進6速段の変速に限 ず、変速を行う自動変速機に本発明は適用 得る。

 また、プラネタリギヤSPが、変速機ケー 9に固定されたサンギヤS1と、減速回転を出 するリングギヤR1と、入力軸10の回転を入力 るキャリヤCR1とからなり、サンギヤS1を固 ギヤとしているので、変速機ケース9に固定 れているサンギヤS1を有するギヤトレーン 有する自動変速機構5にて、サンギヤS1に歪 ゲージ24を取り付けるだけの比較的簡単な構 成により、トルク相を早く且つ正確に検出し て変速制御に活用することができる。

 ここで、図10ないし図12を参照して、先に 説明した実施の形態の変形例について説明す る。図10は3-4変速時の各パラメータの変化を すタイムチャート、図11は4-5変速時の各パ メータの変化を示すタイムチャート、図12は 5-6変速時の各パラメータの変化を示すタイム チャートである。これらの図において、aは 力軸10の入力回転数の変化を示し、cは解放 油圧を示し、eは係合側油圧を示し、fは出力 トルクを示し、gはサンギヤS1に作用するトル ク値(サンギヤ分担トルク)、Toはトルク相で る。

 図10に示す3-4変速の変形例では、サンギ 分担トルクgにおける破線Aで示す部分におい て急激なトルク変化が現出している。また、 図11に示す4-5変速の変形例においてもサンギ 分担トルクgにおける破線Aで示す部分にお て、急激なトルク変化が現出している。

 図12に示す5-6変速の変形例においても、 ンギヤ分担トルクgにおける破線Aで示す部分 において急激なトルク変化が現出しているが 、前述したように6速段でのサンギヤ分担ト クは0であり、タイアップするとトルク分担 影響で0にならない。このため、変速中のタ イアップ状態を、サンギヤ分担トルクgにお る破線Cで示す部分に現出することで検出す ことができる。

 なお、以上の実施の形態及び変形例では 自動変速機3として、FFタイプの車輌に用い 好適な前進6速及び後進1速を達成するもの 例に挙げて説明したが、これに限らず、FRタ イプ(フロントエンジン・リアドライブ)やそ 他のタイプの車輌に用いて好適な自動変速 であっても、変速機ケースに対して常時固 されるギヤ(例えばサンギヤ)を有するプラ タリギヤを備えたタイプであれば本発明を 用することが可能である。

 本発明に係る自動変速機の変速制御装置 、乗用車、トラック、バス、農機等に搭載 れる自動変速機に用いることが可能であり 特に変速時のトルク相の検出を要求される のに用いて好適である。




 
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