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Title:
SIDE PART REINFORCING LAYER AND RUN-FLAT TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/087878
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a run-flat tire having improved durability when punctured and showing increased running distance and speed. A side part reinforcing layer (11) for a run-flat tire comprising a rubber composition obtained by compounding 0.1 to 50 parts by mass of a reinforcing material of poly(p-phenylene terephthalamide) with 100 parts by mass of a rubber component containing 20 to 80% by mass of natural rubber and/or polyisoprene rubber and 80 to 20% by mass of polybutadiene rubber, and the run-flat tire (1) using the same.

Inventors:
IMOTO YOJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073072
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
December 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO RUBBER IND (JP)
IMOTO YOJI (JP)
International Classes:
B60C17/00; B60C1/00; B60C9/00; B60C9/04; B60C11/00; C08L7/00; C08L9/00
Domestic Patent References:
WO2007129580A12007-11-15
Foreign References:
JPH0732828A1995-02-03
JP2006206864A2006-08-10
JP2006192927A2006-07-27
JP2007161071A2007-06-28
JP2001164052A2001-06-19
JP2007238078A2007-09-20
JP2005280459A2005-10-13
JP2007161071A2007-06-28
JP2994989B21999-12-27
Other References:
See also references of EP 2239154A4
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao (Nakanoshima Central Tower 22nd Floor, 2-7, Nakanoshima 2-chome, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 天然ゴムおよび/またはポリイソプレンゴムを20~80質量%と、ポリブタジエンゴムを80~20質量%を含むゴム成分100質量部に対して、ポリパラフェニレンテレフタラミドの補強材を0.1~50質量部配合したゴム組成物よりなるランフラットタイヤ用のサイド部補強層(11)。
 補強材はポリパラフェニレンテレフタラミドおよび/または該ポリパラフェニレンテレフタラミドとステアリン酸を含むマスターバッチである請求の範囲1記載のサイド部補強層(11)。
 ゴム組成物の複素弾性率(E * )が10Mpa以上である請求の範囲1または2に記載のサイド部補強層(11)。
 トレッド部(2)からサイドウォール部(3)をとおりビード部(4)のビードコア(5)に至るカーカス(6)と、トレッド部(2)の内方かつ前記カーカスの半径方向外側に配されるベルト(9)層と、サイドウォール部(3)かつ前記カーカス(6)の内側に配され最大厚さを有する中央部分から半径方向内外に厚さを減じて延びる断面三日月状のサイド部補強層(11)を備え、該サイド部補強層(11)は請求の範囲1~3のいずれかであるランフラットタイヤ(1)。
 前記カーカス(6)は、タイヤ周方向に対して45~90°の角度で配列したカーカスコード(20)をトッピングゴムで被覆したカーカスプライからなるとともに、前記カーカスコード(20)は、アラミド繊維コードである請求の範囲4に記載のランフラットタイヤ(1)。
 前記カーカスコード(20)は、下撚りしたフィラメント束の2本を、上撚りにて互いに撚り合わせた2本撚り構造をなすことを特徴とする請求の範囲5に記載のランフラットタイヤ(1)。
 前記カーカスコード(20)は、次式(1)で示す撚り係数Tを0.5~0.8の範囲としたことを特徴とする請求の範囲5または6に記載のランフラットタイヤ(1)。
  T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10 -3     ・・・(1)
(ただし、Nは上撚り数(回/10cm)、Dはトータル表示デシテックス(繊度)、ρはコード材料の比重である。)
 前記カーカスプライの前記トッピングゴムは、複素弾性率(E * )が5~13MPaの範囲としたことを特徴とする請求の範囲5~7のいずれかに記載のランフラットタイヤ(1)。
 正規リムに装着され、かつ正規内圧を充填した正規内圧状態におけるタイヤ子午断面において、
 タイヤ赤道面Cからタイヤ最大断面巾SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面上の点をPとするとき、タイヤ外面の曲率半径RCが、前記タイヤ外面がタイヤ赤道面Cと交わる赤道点CPから前記点Pに至るまで徐々に減少するとともに、
 前記タイヤ赤道面Cから前記タイヤ最大断面巾SWの半巾(SW/2)の60%、75%、90%及び100%の距離X60、X75、X90およびX100を夫々隔てるタイヤ外面上の各点と、前記赤道点CPにおけるタイヤ赤道面Cに対する垂線CXとの間の各半径方向距離をそれぞれY60、Y75、Y90及びY100とし、かつタイヤ断面高さSHと以下の関係満足することを特徴とする請求の範囲4~8のいずれかに記載のランフラットタイヤ(1)。
     0.05< Y60 /SH ≦0.1
      0.1< Y75 /SH ≦0.2
      0.2< Y90 /SH ≦0.4
      0.4< Y100 /SH ≦0.7
Description:
サイド部補強層及びランフラッ タイヤ

 本発明は、ランフラット性能に優れるサ ド補強層およびそれを用いたランフラット イヤに関する。

 従来のランフラットタイヤは、サイドウ ール部の内側に配置されている高硬度のサ ド補強用ゴムを有する構造であり、パンク より内圧が減少した状態においてもサービ ステーションまで所定距離の走行が可能と る。このランフラットタイヤの装着により スペアタイヤを常備する必要性がなくなり 車輌全体における質量の軽量化が期待でき 。しかし、ランフラットタイヤのパンク時 おけるランフラットタイヤの速度および走 距離は十分とはいえずランフラットタイヤ 耐久性の向上が望まれている。

 ランフラットタイヤの耐久性を向上させ 有効な手段として、補強用ゴムを厚くする とにより変形を抑え、変形による破壊を防 方法があげられる。しかし、タイヤの質量 大きくなるため、ランフラットタイヤの当 の目的である軽量化が達成できない。

 また、ランフラットタイヤの耐久性を向 させる有効な手段として、カーボンブラッ などの補強用充填剤を増量し、それらを配 することによって補強用ゴムの硬度を上げ 変形を抑える方法がある。しかし、混練り 押出しなどの工程への負荷が大きく、また 加硫後物性において発熱性が高くなること ら、ランフラット耐久性の向上はあまり期 できない。

 またランフラットタイヤの耐久性を向上 せるため、カーボンブラックを増量するこ なく加硫剤および加硫促進剤を多量に用い こと試みられている。この技術で加硫密度 上げ、変形、発熱を抑えることはできるが ゴムの伸びが小さくなり破壊強度が低下す 傾向が生じる。一方、タイヤのサイドウォ ル用ゴムに、雲母類などの薄板状天然鉱石 配合する技術も提案されている。しかしゴ 組成物は耐屈曲性能が必要とされるため、 度が低いためサイド補強用ゴムとして用い も荷重を支持するには不充分である。

 特開2005-280459号公報(特許文献1)には、カ カスの内側面かつサイドウォール領域に配 れた断面略三日月状をなすサイド補強ゴム とを具えたランフラットタイヤであって、 記サイド補強ゴム層は、タイヤ軸方向内側 配されかつJISA硬さが70~95゜である内側ゴム と、そのタイヤ軸方向外側に配されかつJISA さが前記内側ゴム部よりも小さくしかも60~7 5゜である外側ゴム部とを含むランフラット イヤが開示されている。

 また、特開2007-161071号公報(特許文献2)には サイドウォール部かつカーカスの内側に配 れる断面三日月状のサイド補強ゴム層を具 、前記カーカスは、タイヤ周方向に対して70 ~90°の角度で配列したカーカスコードをトッ ングゴムで被覆したカーカスプライからな とともに、前記カーカスコードに、アラミ 繊維コード、又はポリエチレンナフタレー 繊維コードを用いたランフラットタイヤが 示されている。

特開2005-280459号公報

特開2007-161071号公報

 本発明は、低発熱性で高強度であるラン ラットタイヤのサイド補強用ゴム組成物に し、特に、該組成物をランフラットタイヤ サイド部に使用し、パンク時の耐久性を改 した、走行距離および速度を向上したラン ラットタイヤを提供する。

 さらに、近年のランフラット走行におけ 高速化、長距離化の傾向から、ランフラッ 耐久性や操縦安定性のさらなる向上が強く まれている。レーヨン繊維コードに比して 熱性に優れ、かつ高弾性であるアラミド繊 コードをカーカスコードに使用することを 本として、ランフラットタイヤにおいては 軽量化を図りつつランフラット走行時にお る操縦安定性と耐久性とを高め、ランフラ ト走行における高速化、長距離化を達成す ランフラットタイヤを提供することを目的 する。

 本発明は、天然ゴムおよび/またはポリイ ソプレンゴムを20~80質量%と、ポリブタジエン ゴムを80~20質量%を含むゴム成分100質量部に対 して、ポリパラフェニレンテレフタラミド(PP TA)の補強材を0.1~50質量部配合したゴム組成物 よりなる、ランフラットタイヤ用のサイド部 補強層である。

 前記補強材は、ポリパラフェニレンテレフ ラミド(PPTA)および/または該ポリパラフェニ レンテレフタラミド(PPTA)とステアリン酸を含 むマスターバッチであることが好ましい。ま た、前記ゴム組成物の複素弾性率(E * )が10Mpa以上であることが好ましい。

 また本発明はトレッド部からサイドウォ ル部をとおりビード部のビードコアに至る ーカスと、トレッド部の内方かつ前記カー スの半径方向外側に配されるベルト層と、 イドウォール部かつ前記カーカスの内側に され最大厚さを有する中央部分から半径方 内外に厚さを減じて延びる断面三日月状の イド部補強層を備え、該サイド部補強層に 前記ゴム組成物で形成されるランフラット イヤである。

 本発明のランフラットタイヤの前記カー スは、タイヤ周方向に対して45~90°の角度で 配列したカーカスコードをトッピングゴムで 被覆したカーカスプライからなるとともに、 前記カーカスコードはアラミド繊維コードで あることが好ましい。前記カーカスコードは 、下撚りしたフィラメント束の2本を、上撚 にて互いに撚り合わせた2本撚り構造をなす とが好ましい。

 更に、本発明の好ましい形態は、前記カ カスコードは、次式(1)で示す撚り係数Tを0.5 ~0.8の範囲としたランフラットタイヤである

  T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10 -3     ・・・(1)
(ただし、Nは上撚り数(回/10cm)、Dはトータル 示デシテックス(繊度)、ρはコード材料の比 である。)
 前記カーカスプライの前記トッピングゴム 、複素弾性率(E * )が5~13MPaの範囲とすることが好ましい。

 本発明の他の好ましい形態は、正規リム 装着され、かつ正規内圧を充填した正規内 状態におけるタイヤ子午断面において、タ ヤ赤道面Cからタイヤ最大断面巾SWの45%の距 SPを隔てるタイヤ外面上の点をPとするとき タイヤ外面の曲率半径RCが、前記タイヤ外 がタイヤ赤道面Cと交わる赤道点CPから前記 Pに至るまで徐々に減少するとともに、前記 イヤ赤道面Cから前記タイヤ最大断面巾SWの 巾(SW/2)の60%、75%、90%及び100%の距離X60、X75、 X90およびX100 を夫々隔てるタイヤ外面上の各 点と、前記赤道点CPにおけるタイヤ赤道面Cに 対する垂線CXとの間の各半径方向距離をそれ れY60、Y75、Y90及びY100 とし、かつタイヤ断 高さSHと以下の関係を満足するランフラッ タイヤである。

     0.05< Y60 /SH ≦0.1
      0.1< Y75 /SH ≦0.2
      0.2< Y90 /SH ≦0.4
      0.4< Y100/SH ≦0.7
 なお前記「正規リム」とは、タイヤ規格を む規格体系において、当該規格がタイヤご に定めるリムであり、例えばJATMAであれば 準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETR TOであれば"Measuring Rim"を意味する。また前記 「正規内圧」とは、前記規格がタイヤごとに 定めている空気圧であり、JATMAであれば最高 気圧、TRAであれば表"TIRE LOAD LIMITS AT VARIOU S COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRT Oであれば”INFLATION PRESSURE”を意味するが、 用車用タイヤの場合には180kPaとする。

 本発明は、天然ゴムおよび/またはポリイ ソプレンゴムを20~80質量%と、ポリブタジエン ゴムを80~20質量%を含むゴム成分100質量部に対 して、ポリパラフェニレンテレフタラミド(PP TA)の補強材を0.1~50質量部配合したゴム組成物 よりなるサイド部補強層をランフラットタイ ヤに用いたため、パンク時の走行耐久性、即 ち、ランフラット性に優れたランフラットタ イヤを得ることができる。

 特に耐熱性に優れるアラミド繊維コード カーカスコードとして採用することで、ラ フラット走行時の温度上昇によるコード損 を抑制できる。またアラミド繊維コードは 弾性であり荷重支持能力を高めることがで るため、プライ枚数の低減、即ちタイヤの 量化を図りながら、ランフラット時のタイ 変形を軽減でき、前述の耐熱性の向上と相 ってランフラット耐久性を高めうる。又ラ フラット走行時の操縦安定性も向上でき、 ンフラット走行における高速化、長距離化 達成しうる。

本発明の空気入りタイヤがランフラッ タイヤである場合の1実施例を示す子午断面 である。 カーカスコードの概略図である。 タイヤ外面のプロファイルを示す線図 ある。 タイヤ外面の各位置におけるRYiの範囲 示す線図である。

符号の説明

 1 ランフラットタイヤ、2 トレッド部、3  サイドウォール部、4 ビード部、5 ビード ア、6 カーカス、7 トレッド補強コード層 8 ビードエーペックス、9 ベルト、10 バン ド、11 サイド部補強層、20 カーカスコード 21 ストランド。

 本発明は、天然ゴムおよび/またはポリイ ソプレンゴムを20~80質量%と、ポリブタジエン ゴムを80~20質量%を含むゴム成分100質量部に対 して、ポリパラフェニレンテレフタラミド(PP TA)の補強材を0.1~50質量部配合したゴム組成物 よりなる、ランフラットタイヤのサイド部補 強層である。

 <ゴム成分>
 前記サイド部補強層のゴム組成物において ゴム成分中における天然ゴム(NR)および/ま はポリイソプレンゴム(IR)の含有率は20質量%~ 80質量%であることが好ましい。天然ゴム(NR) よび/またはポリイソプレンゴム(IR)の含有率 が、20質量%未満では、ゴム組成物の伸び率が 低く、生産性が低下する傾向がある。また、 該含有率はゴム成分中に80質量%を超えるとラ ンフラット走行時の発熱により、ゴムが劣化 しランフラット性能が低下する傾向がある。

 次に前記ポリブタジエンゴムは、ゴム成 中に20~80質量%、好ましくは30~70重量%含有す 。ポリブタジエンゴムが、20質量%未満では ゴム組成物の剛性を向上することができず 一方、80質量%を超えると伸び率が低下し、 ンフラット性が低下する。ここでポリブタ エンゴムは、シス結合量が80質量%以上の1,4- シスポリブタジエン、トランス結合量が30質 %以下のポリブタジエンゴム、1,2-ポリブタ エン(1,2BR)、1,2-シンジオタクチック結晶(以 「SPBd結晶」ともいう。)を含むポリブタジエ ンゴムを使用できる。ここでSPBd結晶を5~60質 %、好ましくは10~40質量%を含んでいる。SPBd 晶が5質量%未満の場合、強度、剛性が十分で なく、SPBd結晶が60質量%を超えると、加工性 低下する傾向にある。

 本発明ではゴム成分として、スチレン-ブ タジエン共重合ゴム(SBR)、シンジオタクチッ 結晶含有SBR、アクリロニトリル-ブタジエン 共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチ レン-イソプレン-ブタジエン共重合ゴム(SIBR) スチレン-イソプレン共重合ゴム、イソプレ ン-ブタジエン共重合ゴムなどが使用できる これらのゴム成分は、好ましくは1種類また 2種類をゴム成分の20質量%以下の範囲で混合 される。

 <ポリパラフェニレンテレフタラミド(PPTA) の補強材>
 前記サイド部補強層のゴム組成物は、ゴム 分100質量部に対して、ポリパラフェニレン レフタラミド(PPTA)の補強材を0.1~50質量部配 される。ここで補強材は、ポリパラフェニ ンテレフタラミド(PPTA)自体、あるいはポリ ラフェニレンテレフタラミド(PPTA)とステア ン酸を含むマスターバッチとして使用され 。

 ポリパラフェニレンテレフタラミド(PPTA) 、次の一般式(1)、又は一般式(2)を有する芳 族ポリアミドであり、パラ位、又はメタ位 分子単位が延長されている。そして、一般 (1)、一般式(2)における分子結合単位m、nは 通常10~10,000の範囲である。なお、ポリパラ ェニレンテレフタラミド(PPTA)は、パラ位お びメタ位に分子単位が延長されているもの 混在する構造もとりうる。

 本発明において、ポリパラフェニレンテ フタラミド(PPTA)単独で、好ましくはステア ン酸を含むマスターバッチとして用いられ 。マスターバッチは、ポリパラフェニレン レフタラミド(PPTA)を10~80質量%、好ましくは3 0~70質量%含み、ステアリン酸を10~60質量%含む またマスターバッチは、シランカップリン 剤を0.5~15質量%、加硫促進剤を0.1~2質量%さら に硫黄を0.05~2質量%含むことが好ましい。

 前記シランカップリング剤としては、た えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル) テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリ ルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリ トキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3 -メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2- メルカプトエチルトリメトキシシランなどが 挙げられる。前記シランカップリング剤の配 合量は、シリカ100質量部に対して2質量部~20 量部の範囲で配合される。

 前記加硫促進剤は、例えばスルフェンア ド系促進剤は、遅延系加硫促進剤として、 造過程において焼けが起こりにくく、加硫 性に優れているので、最も良く使用される また、スルフェンアミド系促進剤を用いた ム配合は、加硫後ゴム物性においても外力 よる変形に対して発熱性が低いため、ラン ラットタイヤの耐久性が向上する。

 スルフェンアミド系促進剤としては、た えば、TBBS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリル ルフェンアミド)、CBS(N-シクロヘキシル-2-ベ ンゾチアゾリルスルフェンアミド)、DZ(N,N’- シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフ ンアミド)などが挙げられる。その他の加硫 促進剤としては、たとえば、MBT(メルカプト ンゾチアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジ ルフィド)、DPG(ジフェニルグアニジン)など 用いることができる。

 ポリパラフェニレンテレフタラミド(PPTA) 、加硫促進剤と硫黄の存在下で、シランカ プリング剤と反応する。例えば、末端SH基 有するシランカップリング剤を用いた場合 SH基がカーボンブラック、シリカなどの表面 のOH基とも反応し、ポリパラフェニレンテレ タラミド(PPTA)はシランカップリング剤を介 てカーボンブラック、シリカと結合し、補 効果を一層高めることができる。

 前記マスターバッチを用いて、ゴム組成 を調整するには、カーボンブラック、シリ などのフィラーと同時に配合できる。但し ゴム組成物に別途配合するシランカップリ グ剤の配合量は、マスターバッチに含まれ との兼ね合いで調整が必要となる。ゴム組 物の混練後の排出温度は、通常130℃以上に 定され、混練後、72時間以内に加硫するこ が好ましい。

 <カーボンブラック>
 本発明に用いられるカーボンブラックは、 に限定されないが、ゴム組成物を低発熱に 持するため、FEF、FPFなどのソフトカーボン 好ましい。例えば、窒素吸着比表面積(N 2 SA)は、30m 2 /g以上であり、好ましくは35m 2 /g以上である。N 2 SAが30m 2 /g未満では補強性が不足し、充分な耐久性が られない。また、該カーボンブラックのN 2 SAは、100m 2 /g以下であり、好ましくは80m 2 /g以下、より好ましくは60m 2 /g以下である。N 2 SAが100m 2 /gをこえると、発熱性が高くなる。

 前記カーボンブラックのジブチルフタレ ト吸油量(DBP吸油量)は、50ml/100g以上、好ま くは80ml/100g以上である。DBP吸油量が50ml/100g 満では、充分な補強性を得ることが困難に る。

 前記カーボンブラックの含有量は、ゴム 分100質量部に対して10質量部以上であり、 ましくは20質量部以上、より好ましくは30質 部以上である。カーボンブラックが10質量 より少ないと、充分なゴム強度が得られな 。また、カーボンブラックの含有量は80質量 部以下であり、好ましくは70質量部以下、よ 好ましくは60質量部以下である。カーボン ラックが80質量部をこえると、配合粘度が上 昇し、ゴムの混練り、押出しが困難になり、 さらにランフラット走行時の発熱が大きくな る。

 <配合剤>
 本発明のゴム組成物に用いられる硫黄また 硫黄化合物としては、硫黄の表面析出を抑 るという観点から不溶性硫黄が好ましい。 溶性硫黄は、平均分子量が10000以上、特に 100000以上で、500000以下、特には300000以下が ましい。平均分子量が10000未満では、低温で の分解が起こりやすく表面析出しやすい傾向 があり、500000をこえるとゴム中での分散性が 低下する傾向がある。

 硫黄または硫黄化合物の配合量は、2質量 部以上、さらには3質量部以上であることが ましく、10質量部以下、さらには8質量部以 であることが好ましい。硫黄または硫黄化 物が2質量部未満では、充分な硬さが得られ い傾向があり、10質量部をこえると、未加 ゴムの貯蔵安定性が損なわれる傾向がある

 さらに、本発明のサイド補強用ゴム組成 は、本発明の効果を損なわない範囲で、通 のゴム配合に用いられる酸化亜鉛、ワック 、ステアリン酸、オイル、老化防止剤など 含んでもよい。

 <充填剤>
 本発明のゴム組成物は、汎用ゴム一般に用 られているシリカを使用することができる たとえば乾式法ホワイトカーボン、湿式法 ワイトカーボン、コロイダルシリカ等が挙 られる。なかでも含水ケイ酸を主成分とす 湿式法ホワイトカーボンが好ましい。

 さらに本発明は、薄板状天然鉱石、例え カオリナイト、セリナイト、フロゴバイト よびマスコバイト等の雲母類を配合するこ もできる。ここで薄板状天然鉱石のアスペ ト比(厚さに対する最大径の比)は、3以上の のがゴム硬度を高める点で好ましい。前記 板状天然鉱石の平均粒子径は、2μm以上であ り30μm以下のものが好適に使用される。その 合量は、ゴム成分100質量部に対して5質量部 ~120質量部の範囲で混合できる。

 <ゴム組成物の粘弾性特性>
 前記サイド部補強層のゴム組成物の複素弾 率(E * )は、10Mpa以上であり、さらに損失弾性率(E") よび複素弾性率(E * )は、下記式を満たすことが好ましい。

    E"/(E * ) 2  ≦7.5×10 -9 Pa -1
特に、 E"/(E * ) 2  ≦6.8×10 -9 Pa -1  であることが好ましい。

 複素弾性率(E * )が10Mpa未満の場合、ランフラット時にサイド 部補強層の変形が大きくなり、またE"/(E * ) 2  が、7.5×10 -9 Pa -1 より大きいと、ランフラット時のサイド部補 強層の変形に伴う発熱が大きくなり、ゴムの 熱劣化を促進し破壊に至る傾向がある。
<ランフラットタイヤ>
 以下、本発明の実施の一形態を、図示例と もに説明する。図1は、本発明のランフラッ トタイヤ1示す正規内圧状態におけるタイヤ 午断面図である。

 図1において、本実施形態のランフラット 1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへ てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と 、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の半 方向外側に配されるトレッド補強コード層7 とを具える。

 前記カーカス6は、タイヤ周方向に対して 45~90°の角度で配列されるカーカスコードを ッピングゴムにより被覆した1枚以上のカー スプライから形成される。本例では、カー スコードを80~90°の角度で配列した1枚のカ カスプライからなる場合が示されている。 記カーカスプライは、前記ビードコア5、5間 に跨るプライ本体部6aの両側に、前記ビード ア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折 り返されるプライ折返し部6bを一連に具える

 そして前記プライ本体部6aとプライ折返 部6bとの間には、例えばゴム硬度が65~98度の 質のゴムからなり、前記ビードコア5から半 径方向外側に先細状にのびるビード補強用の ビードエーペックス8が配される。本明細書 おいては、「ゴム硬度」は、温度23℃で測定 したデュロメータータイプAによる硬さを意 する。このビードエーペックス8のビードベ スラインBLからのタイヤ半径方向の高さHaは 、特に限定はされないが、小さすぎるとラン フラット耐久性が不充分となり、逆に大きす ぎるとタイヤ質量の過度の増加や乗り心地の 悪化を招く恐れがある。このような観点より 、ビードエーペックス8の前記高さHaは、タイ ヤ断面高さSHの10~60%、より好ましくは20~50%が ましい。

 本例では、前記カーカス6のプライ折返し 部6bが、前記ビードエーペックス8を半径方向 外側に超えて巻き上がり、その外端部6beが、 プライ本体部6aと前記トレッド補強コード層7 との間に挟まれて終端する所謂超ハイターン アップの折り返し構造を具える。これにより 、1枚のカーカスプライを用いて、サイドウ ール部3を効果的に補強しうる。また前記プ イ折返し部6bの外端部6beが、ランフラット 行時に大きく撓むサイドウォール部3から離 るため、該外端部6beを起点とした損傷を好 に抑制しうる。前記プライ折返し部6bとト ッド補強コード層7との重なり部のタイヤ軸 向巾Weは、5mm以上、さらには10mm以上が好ま く、その上限は、軽量化の観点から40mm以下 、さらには30mm以下が好ましい。なお前記カ カス6が複数枚のカーカスプライから形成さ る場合には、少なくとも1枚のカーカスプラ イがこの態様をなすのが好ましい。

 次に、前記トレッド補強コード層7は、本 例では、前記カーカス6に重置されるベルト9 、そのさらに外側に重置されるバンド10と ら構成される。前記ベルト9は、タイヤ周方 に対して例えば10~45°の角度で配列したベル トコードをトッピングゴムにて被覆した2枚 上、本例では2枚のベルトプライ9A、9Bから形 成される。各ベルトコードは、プライ間相互 で交差することによりベルト剛性を高め、ト レッド部2の略全巾をタガ効果を有して強固 補強する。

 又前記バンド10は、タイヤ周方向に対し 5°以下の角度で螺旋状に巻回されるバンド ードをトッピングゴムにて被覆した1枚以上 バンドプライからなり、前記ベルト9を拘束 し、操縦安定性、高速耐久性等を向上させる 。前記バンドプライとしては、ベルト9のタ ヤ軸方向外端部のみを被覆する左右一対の ッジバンドプライ、及びベルト9の略全巾を うフルバンドプライがあり、これらを単独 或いは組み合わせて使用される。本例では バンド10が1枚のフルバンドプライからなる のを例示している。なお前記トレッド補強 ード層7としては、ベルト9のみで形成する とも、又バンド10のみで形成することもでき る。

 又前記サイドウォール部3には、ランフラ ット機能を確保するためのサイド部補強層11 配される。このサイド部補強層11は、最大 さTmを有する中央部分から、タイヤ半径方向 内端11a及び外端11bに向かってそれぞれ厚さを 徐々に減じてのびる断面三日月状をなす。前 記内端11aは、ビードエーペックス8の外端よ もタイヤ半径方向内側に位置し、前記外端11 bは、トレッド補強コード層7の外端7eよりも イヤ軸方向内側に位置する。このとき、サ ド部補強層11とビードエーペックス8とのタ ヤ半径方向の重なり巾Waを5~50mm、かつサイド 部補強層11とトレッド補強コード層7とのタイ ヤ軸方向の重なり巾Woを50mm以下とするのが好 ましく、これにより前記外端11b及び内端11aで の剛性段差の発生を抑える。

 前記サイド部補強層11は、本例では、カ カス6のプライ本体部6aの内側(タイヤ内腔側) に配される。そのため、サイドウォール部3 曲げ変形時には、サイド部補強層11には主と して圧縮荷重が、またコード材を有するプラ イ本体6aには主として引張荷重が作用する。 ムは圧縮荷重に強く、かつコード材は引張 重に強いため、上記のようなサイド部補強 11の配設構造は、サイドウォール部3の曲げ 性を効率良く高め、ランフラット走行時の イヤの縦撓みを効果的に低減しうる。

 なおサイド部補強層11は硬度の高いゴム配 と、硬度の低いゴム配合を用いることがで る。硬度の高いゴム配合は、ランフラット 行時の圧縮歪を抑制し、ランフラット性能 維持する。この場合のゴム配合は、複素弾 率(E * )が12~18MPaの範囲で、tanδが0.06~0.1の範囲が好 である。一方、硬度の低いゴム配合は、ラ フラット走行時の発熱性を低減し、ランフ ット性能を維持する。この場合のゴム配合 、複素弾性率(E * )が5~11MPaの範囲で、tanδが0.02~0.06の範囲が好 である。

 またサイド部補強層11の最大厚さTmは、タ イヤサイズや、タイヤのカテゴリ等によって 異なるが、乗用車用タイヤの場合は5~20mmの範 囲に設定される。

 なお本例では、前記ビード部4には、リム プロテクトリブ12が凸設される場合が例示さ る。このリムプロテクトリブ12は、リムフ ンジJFを覆うように基準輪郭線jから突出す リブ体であり、前記リムフランジJFの先端を 越えてタイヤ軸方向外側に最も突出する突出 面部12cと、この突出面部12cからビード外側面 に滑らかに連なる半径方向内側の斜面部と、 前記突出面部12cからタイヤ最大巾点近傍位置 で前記基準輪郭線jに滑らかに連なる半径方 外側の斜面部とで囲まれる断面台形状をな 。なお前記内側の斜面部は、リムフランジJF の円弧部よりも大きい曲率半径で形成された 凹状の円弧面で形成され、走行時において縁 石等からリムフランジJFを保護する。一方、 ンフラット走行時には、内側の斜面部がリ フランジJFの円弧部に寄りかかって接触す ため、ビード変形量を軽減でき、ランフラ ト時の操縦安定性及びランフラット耐久性 向上に役立つ。

 そして本発明では、前記ランフラット操 安定性及びランフラット耐久性を向上する めに、前記カーカスコードに、アラミド繊 を使用することがこのましい。

 前記アラミド繊維は、高弾性繊維として られ、ランフラットタイヤ1のカーカスコー ドに使用することにより、タイヤの荷重支持 能力を高めることができる。従って、例えば カーカスプライ枚数の低減、カーカスコード の細径化、及び/又はコード配列密度(コード ンド数)の低下などによるタイヤの軽量化を 図りながら、ランフラット時のタイヤ変形を 低減できる。しかも、アラミド繊維は、100~15 0℃の高温下においても弾性率の低下が、他 有機繊維コード材料に比べて小さく、耐熱 に優れるという特性を有する。従って、ラ フラット走行時のタイヤ温度上昇によって 、カーカスコードが強度低下して損傷を招 たり、又弾性率の低下によるタイヤ変形量 増加や、それに伴うさらなるタイヤ温度上 を招くことを防止できる。その結果、ラン ラット耐久性を向上できる。さらにタイヤ 度上昇によっても、高弾性率を維持してタ ヤ剛性を高めうるため、ランフラット時の 縦安定性を向上することもできる。これに りランフラット走行における高速化、長距 化が達成される。

 しかしながらアラミド繊維は、弾性率が い分、耐疲労性に劣る傾向がある。そのた 本例では、カーカスコード20に、図2に略示 るように、下撚りしたアラミド繊維のスト ンド21の2本を、上撚りにて互いに撚り合わ た2本撚り構造を採用するとともに、このと きの撚り合わせを、従来よりも高い撚り係数 Tにて行っている。

 ここで前記「撚り係数T」は、周知の如く 、コードの上撚り数をN(単位:回/10cm)、コード 1本のトータル表示デシテックス(繊度)をD(単 :dtex)、コード材料の比重をρとしたとき、 式(1)で示される。

  T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10 -3    ---(1)
 そして、この撚り係数Tを0.5~0.8の範囲まで めることにより、アラミド繊維コードの欠 である耐疲労性を改善することができ、従 のレーヨンコードの場合に比して、ランフ ット耐久性を大幅に向上することが可能と る。なお前記カーカスコード20の撚り係数T 0.5を下回ると、耐疲労性の向上効果が少な 、ランフラット耐久性を充分に高めること できない。逆に、撚り係数Tが0.8を上回ると コードの撚り加工が難しくなり生産性に不 となる。特に撚り係数Tの下限は0.6以上が好 ましく、これによりコードの耐疲労性がさら に改善され、ランフラット耐久性をより向上 しうる。

 なおカーカスコード20では、アラミド繊 の重要な特性である高弾性を活かして優れ 補強効果を発揮させるために、2本撚り構造 採用されている。そのとき、下撚り数と、 撚り数とが等しい所謂バランス撚りが好ま いが、撚り数の比(下撚り数/上撚り数)が0.2~ 2.0の範囲内、好ましくは0.5~1.5の範囲内で、 撚り数と上撚り数とを相違させても良い。

 又前記トータル表示デシテックスD(繊度) 、特に限定されるものではないが、ランフ ットタイヤの場合、1500~5000dtexの範囲が好ま しい。又カーカスプライにおけるコードエン ド数n(本/5cm)と前記トータル表示デシテック Dとの積は、70000~150000の範囲が好ましく、7000 0未満では、アラミド繊維コードとはいえ、 ンフラット耐久性や操縦安定性が不充分と り、逆に150000を越えると、カーカス剛性が 大となって乗り心地性を損ねるとともに、 量やコストの不必要な増加を招く。このよ な観点から前記積D×nの下限は100000以上がさ に好ましく、上限は120000以下がさらに好ま い。

 又耐疲労性に原因するカーカスコード20 損傷は、タイヤ変形時に圧縮歪みを受ける 位、即ち、プライ折返し部6bのうちのビード 側部分にて発生しやすい。しかしながら本例 では、前述の如くビード部4にリムプロテク リブ12を凸設しているいため、ランフラット 走行時におけるビード変形が軽減され、カー カスコード20に圧縮歪みが作用しにくくなる その結果、アラミド繊維を採用した場合の ーカスコード20の疲労損傷をさらに抑える とができ、ランフラット耐久性のいっそう 向上が図れる。言い換えると、アラミド繊 のカーカスコード20を用いたタイヤでは、リ ムプロテクトリブ12を用いることが、コード 疲労損傷抑制の観点から好ましい。

 さらに本例では、前記カーカスプライのト ピングゴムとして、複素弾性率E * が、5~13MPaの範囲と、従来のカーカストッピ グゴムに比して高弾性のゴムを採用してい 。なお従来のカーカストッピングゴムの複 弾性率E * は3.8MPa程度である。このように高弾性のゴム をトッピングゴムに採用することで、タイヤ 変形時、カーカスコード20に掛かる歪みを低 でき、ランフラット耐久性のさらなる向上 達成しうる。なお複素弾性率E * が5MPaを下回ると前記効果が期待できず、逆 13MPaを上回ると、ゴムが硬くなり過ぎ、乗り 心地性が一気に悪化してしまう。このような 観点から、複素弾性率E * の下限値は、5.5MPa以上、さらには6MPa以上が ましく、又上限値は11MPa以下、さらに9MPa以 が好ましい。

 次に、前記正規内圧状態のタイヤ子午断 において、タイヤ外面2Aのプロファイルは 曲率半径が異なる複数の円弧からなる曲面 よって形成されている。前記タイヤ外面2Aと タイヤ赤道面Cとの交点である赤道点CPから、 接地端側に向かって曲率半径Rが漸減する複 の円弧からなる曲面によって、前記プロフ イルを形成する好ましい。これにより、前 サイド部補強層11のゴムボリュームを最小限 に抑え、タイヤの軽量化、及び乗り心地性の 向上を図ることができる。特に特許第2994989 公報で提案する如き特殊プロファイルを採 することで、前述の効果をさらに高く発揮 せることができる。

 詳しく説明すると、先ず図3に示すように 、タイヤ赤道面Cから前記タイヤ最大断面巾SW の45%の距離SPを隔てるタイヤ外面2A上の点をP するとき、タイヤ外面2Aの曲率半径RCは、前 記タイヤ赤道点CPから前記点Pに至るまでの間 で徐々に減少するように設定される。なお前 記「タイヤ最大断面巾SW」とは、タイヤ外面2 Aの基準輪郭線j(図1参照)における最大巾であ 、この基準輪郭線jは、タイヤ外面2Aに局部 に形成される例えば文字、図形、記号等を す装飾用、情報用等の微細なリブや溝、リ 外れ防止用のリムプロテクトリブ12、カッ 傷防止用のサイドプロテクトリブなどの局 的凹凸部を除外した滑らかな輪郭線を意味 る。

 又前記タイヤ赤道面Cからタイヤ最大断面 巾SWの半巾(SW/2)の60%、75%、90%及び100%の距離X60 、X75、X90及びX100を夫々隔てる各タイヤ外面2A 上の点をP60、P75、P90及びP100とする。又この タイヤ外面2A上の点P60、P75、P90及びP100と、 記タイヤ赤道点CPとの間の半径方向の距離を Y60、Y75、Y90及びY100とする。

 そして、前記正規内圧状態においてビー ベースラインBLから前記赤道点CPまでの半径 方向高さであるタイヤ断面高さをSHとすると 、前記半径方向距離Y60、Y75、Y90及びY100 は それぞれ以下の関係を満足することを特徴 している。

     0.05< Y60 /SH ≦0.1
      0.1< Y75 /SH ≦0.2
      0.2< Y90 /SH ≦0.4
      0.4< Y100 /SH ≦0.7
 ここで、RY60=Y60/SH
     RY75=Y75/SH
     RY90=Y90/SH
     RY100 =Y100 /SH
 として前記関係を満足する範囲RYiを図4に例 示する。図3、4のように前記関係を満足する ロファイルは、トレッドが非常に丸くなる め、フットプリントが、接地巾が小かつ接 長さを大とした縦長楕円形状となり、騒音 能とハイドロプレーニング性能とを向上し ることが、前記特許第2994989号公報で報告さ れている。なお前記RY60、RY75、RY90及びRY100の が、各下限値を下回ると、トレッド部2を中 心としてタイヤ外面2Aが平坦化するため、従 タイヤとのプロファイルの差が少なくなる 逆に各上限値を上回ると、トレッド部2を中 心としてタイヤ外面2Aが著しく凸状をなすた 、接地巾が過小となり、通常走行において 要な走行性能を確保することができなくな 。

 なおタイヤでは、予めタイヤサイズを定 ることにより、JATMA、ETRTOなどのタイヤの規 格から、タイヤ偏平率、タイヤ最大断面巾、 タイヤ最大高さなどを概ね定め得るため、前 記RY60、RY75、RY90及びRY100の範囲を容易に算出 きる。従って、前記タイヤ外面2Aは、前記 位置におけるRY60、RY75、RY90及びRY100の範囲を 満たすように、かつ曲率半径RCが徐々に減少 るように、前記タイヤ赤道点CPから前記点P で滑らかな曲線で描くことにより適宜定め る。

 又前記タイヤは、前記正規内圧状態のタ ヤに正規荷重の80%の荷重を負荷した状態に いて、前記タイヤ外面2Aが接地するタイヤ 方向最外端間のタイヤ軸方向距離である接 巾を、前記タイヤ最大断面巾SWの50%~65%の範 とするのが好ましい。これは、前記接地巾 、前記タイヤ最大断面巾SWの50%未満の場合、 通常走行において轍でふらつきやすくなるな どワンダリング性能が低下し、かつ接地圧の 不均一化により偏摩耗しやすくなるからであ る。なお前記接地巾が、タイヤ最大断面巾SW 65%を超える場合には、接地巾が過大となっ 前述の通過騒音とハイドロプレーニング性 との両立が難しくなる。

 このような特殊プロファイルでは、サイド ォール部の領域が短いという特徴を有する め、ランフラットタイヤに採用することに り、前記サイド部補強層のゴム組成物の特 と相俟って、ランフラット耐久性を一層向 することができ、更にサイド部補強層のゴ 容積を低減でき、ランフラットタイヤにお る質量低下と乗り心地性の向上とを達成し る。しかし、ゴム容積が大きいトレッド部2 での変形量が通常プロファイルのタイヤに比 して大きくなる。また耐熱性の高いアラミド 繊維を用いたカーカスコードは、この特殊プ ロファイルのタイヤにとってもより有利とな りうる。
<実施例>
 実施例1~2および比較例1~2
<ポリパラフェニレンテレフタラミド(PPTA) スターバッチの調整>
 ポリパラフェニレンテレフタラミド(PPTA)と テアリン酸を含むマスターバッチを表1の配 合に基づき調整した。

 (注1)ポリパラフェニレンテレフタラミド( PPTA):帝人社製の「Twaron」。

 (注2)シランカップリング剤:デグッサ社製の 「Si69」。
 (注3)加硫促進剤:大内新興化学工業社製の「 NS」。

 (注4)硫黄:四国化成工業(株)社製の「シュー ロンOT」。
 (注5)ステアリン酸:日本油脂(株)社製の「椿 。
<ゴム組成物の製造>
 表2に示す配合内容にしたがって、バンバリ ーミキサーを用いて、不溶性硫黄および加硫 促進剤以外の成分を、150℃で4分間混練りし 。次のオープンロールを用いて、得られた 練物に硫黄と加硫促進剤を加えて、80℃で3 間練り込んで未加硫ゴム組成物1~4を得て、 イヤの試作に用いた。

 得られた未加硫ゴム組成物を160℃で20分間 レス加硫し、加硫ゴム組成物を得て、破断 強度、粘弾性特性の評価を行った。
<ランフラットタイヤの製造>
 サイド部補強層として、表2に示すはゴム配 合1~4を用いて、ライニングストリップ層の形 状に成形し、タイヤの他の部材と共に貼り合 わせて、診加硫タイヤを成形した。この成形 タイヤを160℃で120分間プレス加硫をし、サイ ズが215/45ZR17のランフラットタイヤを製造し 。

 実施例1、2および比較例1、2のランフラッ トタイヤは、図1に示される同じ基本構造を 用しサイド部補強層のゴム配合以外はすべ 同じである。ここで、カーカスはレーヨン ードを用い、プライ枚数は1枚、コード角度 タイヤ周方向に90°である。また、ベルト層 にスチールコードのベルトプライを2枚、コ ド角度は、タイヤ周方向に24°で、相互に反 方向に交差するように積層した。

(注1)NR:RSS#3
(注2)SBR-1:JSR社製の商品名「SL574」(1,2-シンジ タクチックポリブタジエン結晶含量は0質量% )。
(注3)BR:宇部興産社製の「VCR412」
(注4)カーボンブラック(FEF):三菱化学(株)製の イヤブラックE(N 2 SA41m 2 /g、DBP吸油量115ml/100g)。
(注5)ステアリン酸:日本油脂(株)製の「椿」。
(注6)酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の「酸化亜 鉛2種」。
(注7)老化防止剤:住友化学工業(株)製のアンチ ゲン6C、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p -フェニレンジアミン。
(注8)ポリパラフェニレンテレフタラミド(PPTA) マスターバッチ:表1の配合による。
(注9)硫黄:四国化成工業(株)製の不溶性硫黄「 ミュークロンOT」。
(注10)加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製の クセラーNS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリル ルフェンアミド)。

 以下の各評価を行なった。評価結果を表2に 示す。
 <粘弾性特性>
 前記配合1~4によって調整されたサイド部補 層のゴム試験片を、(株)岩本製作所製の粘 性スペクトロメータを用いて、測定温度70℃ 、初期歪み10%、動歪み±1%、周波数10HzにてE"( 失弾性率)、E * (複素弾性率)、tanδを測定し、E"/(E * ) 2 をもとめた。

 またtanδ指数は、比較例1のtanδ値を100とし 相対値を示す。
 <破断時強度>
 JIS-K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特 性の求め方」に準じて、前記加硫ゴムシート からなる3号ダンベル型試験片を用いて、引 試験を実施し、23℃における破断時強度(TB) 測定した。
<ランフラット耐久性>
 各供試タイヤを空気内圧0kPaにてドラム試験 機上を、縦荷重(4.14kN)で、速度80km/hで走行さ 、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定 、比較例1を100とする指数により、下記計算 式により各実施例、比較例を評価した。数値 が大きいほどランフラット耐久性は良好であ る。

 (耐久性)=(各供試タイヤの走行距離)í(比較 1の走行距離)×100
実施例3~7、比較例3~7
 実施例1、比較例1に用いた配合1と配合3のサ イド部補強層を使用し、カーカスプライの材 料、構造を変更したランフラットタイヤを実 施例1と同様にして製造した。

 ここで、ランフラットタイヤの基本構造 図1に示すとおりであり、表3に示すカーカ の材料、構造以外は同じ仕様を採用した。 本仕様は次のとおりである。

  カーカス:プライは1枚で、コード角度は周 方向に90°。
  ベルト層:スチールコードのベルトプライ 2枚、コード角度はタイヤ周方向に24°で相 に反対方向に積層。

  サイド部補強層:ゴムの最大厚さは10.0mm。
 表3中、撚り係数Tは次式(1)で表される。

  T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10 -3   ---(1)
 又レーヨン繊維コードの比重ρは1.51,アラミ ド繊維コードの比重ρは1.44である。

 又トレッドプロファイルは、各タイヤと 、RY60=0.05~0.1、RY75=0.1~0.2、RY90=0.2~0.4、RY100=0.4 ~0.7の範囲で実質的に同じプロファイルのも を使用している。

<ランフラット耐久性の評価>
 ランフラット耐久性は、実施例1と同様な方 法で評価した。

 実施例3と比較例3、実施例4と比較例4、実 施例5と比較例5を比較すると、同じアラミド 維コードのカーカスを用いた場合において サイド部補強層の配合1を配合3に代えて採 することで、ランフラット耐久性は大幅に 善する。

 実施例6と比較例6、実施例7と比較例7を比 較すると、同じレーヨン繊維コードのカーカ スを用いた場合において、サイド部補強層の 配合1を配合3に代えて採用することで、ラン ラット耐久性は大幅に改善する。

 実施例3~5および実施例7の比較において、 撚り係数Tは0.5~0.8の範囲がより好ましいこと 認められる。

 今回開示された実施の形態および実施例 すべての点で例示であって制限的なもので ないと考えられるべきである。本発明の範 は上記した説明ではなくて請求の範囲によ て示され、請求の範囲と均等の意味および 囲内でのすべての変更が含まれることが意 される。

 本発明は、ランフラット性能に優れるサ ド補強用ゴム組成物およびそれを用いたラ フラットタイヤであり、乗用車用タイヤに 定されず、軽トラック用タイヤ、トラック ス用タイヤにも適用することが可能である