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Title:
SILICONE BOOT FOR CONSTANT VELOCITY UNIVERSAL JOINT AND CONSTANT VELOCITY UNIVERSAL JOINT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/025184
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a silicone boot for a constant velocity universal joint, in which occurrence of cracks in a boot's small-diameter section is suppressed to enhance the durability of the boot, and the constant velocity universal joint. The silicone boot for a constant velocity universal joint has a large-diameter section (13) installed on an outer joint member (2) of the joint, the small-diameter section (14) installed on a shaft (9) connected to an inner joint member (4) of the joint, and a bellows section (15) placed between the large- and small-diameter sections (13, 14) and having crests (7) and roots (6) alternately formed on the bellows section. The small-diameter section (14) has a shaft installation section (37) having, formed on its outer diameter surface, a fitting groove (19) in which a boot band is fitted, and also has a thin wall section (38) continuing from the shaft installation section (37) to the bellows section (15) via a thick wall section (25) and allowing buckling-like displacement of the small-diameter section (14) relative to the shaft installation section (37) and the bellows section (15).

Inventors:
TAKEMURA ATSUTO (JP)
WATANABE YUKIHIRO (JP)
TOMIYAMA MIKIO (JP)
HARADA SHINTARO (JP)
NISHIO KEISUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064186
Publication Date:
February 26, 2009
Filing Date:
August 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
TAKEMURA ATSUTO (JP)
WATANABE YUKIHIRO (JP)
TOMIYAMA MIKIO (JP)
HARADA SHINTARO (JP)
NISHIO KEISUKE (JP)
International Classes:
F16D3/84; F16J3/04; F16J15/52
Foreign References:
JP2004301202A2004-10-28
JPS6374522U1988-05-18
JP2007064422A2007-03-15
JPH10299789A1998-11-10
Other References:
See also references of EP 2177779A4
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Hideyoshi et al. (15-26 Edobori 1-chome, Nishi-k, Osaka-shi Osaka 02, JP)
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Claims:
 等速自在継手の外側継手部材に装着される大径部と、等速自在継手の内側継手部材に連結されたシャフトに装着される小径部と、大径部と小径部との間に配置されて、山部と谷部とが交互に形成される蛇腹部とを備えた等速自在継手用シリコーン製ブーツにおいて、
 前記小径部は、その外径面にブーツバンド装着用の嵌合溝が形成されたシャフト装着部と、このシャフト装着部から肉厚部を介して蛇腹部に連結されてシャフト装着部及び蛇腹部に対する座屈状変位を許容する肉薄部とを備えたことを特徴とする等速自在継手用シリコーン製ブーツ。
 肉薄部の蛇腹部側の外径部と、蛇腹部の小径部側の第1山部の外径部とをアール部を介して連続させたことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手用シリコーン製ブーツ。
 前記小径部の内径面は、嵌合溝に対向して配置されてシャフトのブーツ嵌合部に嵌合する内径側膨出部と、肉薄部内径側のストレート部とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の等速自在継手用シリコーン製ブーツ。
 嵌合溝の肉厚部側のコーナ部に周方向溝を設けたことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の等速自在継手用シリコーン製ブーツ。
 軸線方向の変位と作動角の変位とを許容する摺動式等速自在継手であって、前記請求項1~請求項4のいずれかの等速自在継手用シリコーン製ブーツを装着したことを特徴とする等速自在継手。
 作動角の変位のみを許容する固定式等速自在継手であって、前記請求項1~請求項4のいずれかの等速自在継手用シリコーン製ブーツを装着したことを特徴とする等速自在継手。
Description:
等速自在継手用シリコーン製ブ ツ及び等速自在継手

 本発明は、等速自在継手用シリコーン製 ーツ及び等速自在継手に関するものである

 自動車や各種産業機械における動力の伝 に用いられる等速自在継手には、継手内部 の塵埃等の異物浸入防止や継手内部に封入 れたグリースの漏れ防止を目的とし、蛇腹 のブーツが装着される。等速自在継手用ブ ツの材料としては、シリコーン材、CR材(ク ロプレン)、VAMAC材(エチレンアクリルゴム) CM材(塩素化ポリエチレン)等が知られている

 この種のブーツは、図7に示すように、等 速自在継手の外側継手部材としての外輪に固 定される大径部101と、内側継手部材としての 内輪から延びるシャフト108に固定される小径 部102と、大径部101と小径部102との間に設けら れ、谷部103と山部104とが交互に形成された蛇 腹部105とを有する。そして、大径部101と小径 部102とはそれぞれブーツバンド109が装着され ることによって固定される。

 近年、特に自動車用の等速自在継手にお ては、省スペース化や排気管に近いレイア トに置かれるなど等速自在継手の使用環境 厳しくなってきており、等速自在継手用ブ ツに対しても、今まで以上に要求される性 が高まってきている。熱害による対策とし は、シリコーン材、エチレンアクリルゴム 塩素化ポリエチレンの適用が考えられるが 140℃以上の高温雰囲気と-40℃以下の低温雰 気の両方に耐え得る材料としてはシリコー 材料が最も有効な材料として知られている( 特許文献1~特許文献3)。

 ところで、等速自在継手には、作動角を りながら回転したり、軸線方向に摺動した しながら回転する機能が備わっており、等 自在継手用ブーツは、その挙動に追従する めに変形する。その変化に伴い、隣接する 部が干渉することで摩耗を生じたり、谷部 面とシャフトとが干渉することで摩耗を生 たり、あるいは、山部や谷部に繰返し応力 発生することで疲労亀裂が生じたりする。 れらが進行するとブーツが破損に至る場合 ある。このため、これらの摩耗性や疲労性 どの耐久性をより向上できる設計がブーツ は求められる。

 シリコーン製ブーツの小径部102は、図8に示 すような形状を採用している。すなわち、小 径部102の外径面には、ブーツバンドを取り付 けるための嵌合溝110が周方向に沿って設けら れている。嵌合溝110は、その軸方向両端面117 、118がそれぞれ、その底面119から径方向にこ の底面119と直角をなすよう延びる。また、嵌 合溝110が形成されたシャフト装着部111と、蛇 腹部105の小径側の山部104との間には、比較的 肉厚の連結部120が形成されている。すなわち 、この嵌合溝110の蛇腹部側軸方向端面117の外 径端から蛇腹部側に向かってストレート部112 を有している。そして、ストレート部112と蛇 腹部105の山部104の外径面とが、アール部113を 介して連続している。

特許2553098号公報

特開平10-299788号公報

特開平10-299789号公報

 しかしながら、図8に示すようなシリコー ン製ブーツでは、嵌合溝110と、小径部側の山 部(第1山部)104との間(アール部113近傍)や、嵌 溝110の蛇腹部側の軸方向端面117と底面119と コーナ部には応力集中がしやすく、ここか 亀裂発生のおそれがある。すなわち、等速 在継手が作動角をとったり、摺動したりす と、第1山部以外の山部や谷部は、その動き に追従することができる。しかしながら、連 結部120は肉厚であるため剛性が大であり、ア ール部113、及び軸方向端面117と底面119とのコ ーナ部においては座屈しにくい。このため、 アール部113近傍や、軸方向端面117と底面119と のコーナ部には応力集中が生じて、場合によ っては疲労亀裂が生じる可能性があった。特 に、シリコーン材料には一旦亀裂が発生する と、そこから直ぐに亀裂が進展してしまうた め、シリコーンブーツを使用する際は、亀裂 を発生させない設計が求められる。

 本発明は、上記課題に鑑みて、ブーツ小 部の亀裂の発生を抑えることが可能となっ 、耐久性を向上することができる等速自在 手用シリコーン製ブーツ及び等速自在継手 提供する。

 本発明の等速自在継手用シリコーン製ブ ツは、等速自在継手の外側継手部材に装着 れる大径部と、等速自在継手の内側継手部 に連結されたシャフトに装着される小径部 、大径部と小径部との間に配置されて、山 と谷部とが交互に形成される蛇腹部とを備 た等速自在継手用シリコーン製ブーツにお て、前記小径部は、その外径面にブーツバ ド装着用の嵌合溝が形成されたシャフト装 部と、このシャフト装着部から肉厚部を介 て蛇腹部に連結されてシャフト装着部及び 腹部に対する座屈状変位を許容する肉薄部 を備えたものである。

 本発明の等速自在継手用シリコーン製ブ ツでは、肉厚部から蛇腹部の小径部側の第1 山部までは肉薄部が形成される。この肉薄部 は剛性が小であるため、等速自在継手が作動 角をとったり、摺動したりするときに、第1 部の嵌合溝側の斜面が蛇腹部側や反蛇腹部 へ座屈状変位するのを許容する。このため 嵌合溝の蛇腹部側のコーナ部、肉薄部の蛇 部側のコーナ部への応力集中を防止するこ ができる。

 肉薄部の蛇腹部側の外径部と、蛇腹部の 径部側の第1山部の外径部とをアール部を介 して連続させることができる。これにより、 アール部にかかる応力を分散させることがで きて、肉薄部の蛇腹部側のコーナ部への応力 集中を一層防止することができる。

 前記小径部の内径面は、嵌合溝に対向し 配置されてシャフトのブーツ嵌合部に嵌合 る内径側膨出部と、肉薄部内径側のストレ ト部とを備えることができる。これにより 嵌合溝を形成しても、シャフト装着部は十 な強度を有し、しかも、内径側膨出部がシ フトのブーツ嵌合部に嵌合することによっ 、位置ずれを有効に防止することができる また、内径側のストレート部がシャフトの 径面に密接して、小径部のシャフト装着状 が安定する。

 嵌合溝の肉厚部側のコーナ部に、周方向 を設けるのが好ましい。この周方向溝によ て、シャフト装着部に対する肉薄部の揺動 に、座屈状変位を安定して許容することが き、このコーナ部に過大な負荷が作用する が防止される。

 軸線方向の変位と作動角の変位とを許容 る摺動式等速自在継手とすることや、作動 の変位のみを許容する固定式等速自在継手 することができる。すなわち、高作動角を ることのできるタイプ(例えば、ツェッパ型 、バーフィールド型等の固定式等速自在継手 )や、外側継手部材の軸線方向にスライドす 機構を備えたタイプ(例えば、ダブルオフセ ト型、トリポード型、クロスグルーブ型等 摺動式等速自在継手)など、あらゆる等速自 在継手に適用できる。

 本発明は、嵌合溝の蛇腹部側のコーナ部 肉薄部の蛇腹部側のコーナ部への応力集中 防止することができ、この部位からの亀裂 発生を抑えることができて、ブーツの耐久 の向上を図ることができる。これにより、 期にわたって継手内部への塵埃等の異物浸 や、継手内部に封入されたグリースの漏れ 防止することができて、安定した機能を発 するブーツを提供することができる。

 肉薄部の蛇腹部側のコーナ部にはアール が形成されており、アール部にかかる応力 分散させることができるため、この部位の 力集中を一層防止することができる。

 シャフト装着部は十分な強度を有し、し も、内径側膨出部がシャフトのブーツ嵌合 に嵌合することによって、位置ずれを有効 防止できる。また、内径側のストレート部 シャフトの外径面に密接して、小径部のシ フト装着状態が安定する。すなわち、小径 は、長期にわたって安定したシャフト装着 態が維持され、このブーツは、ブーツとし の機能を有効に発揮することができる。

 嵌合溝の肉厚部側のコーナ部の周方向溝 よって、このコーナ部に過大な負荷が作用 るのが防止され、耐久性の向上を一層図る とができる。

 前記本発明に係るブーツを、あらゆる等 自在継手に適用できることにより、疲労性 優れた等速自在継手用ブーツを装着した、 久性に優れる等速自在継手を構成すること できる。特に自動車用のドライブシャフト 用いられるデファレンシャルギア側に使用 る摺動式等速自在継手への適用が好ましい これは、この等速自在継手が高温雰囲気中 曝される頻度が高いためである。

本発明の実施形態を示す等速自在継手 シリコーン製ブーツを使用した等速自在継 の断面図である。 前記等速自在継手の拡大横断面図であ 。 本発明の等速自在継手用シリコーン製 ーツの断面図である。 本発明の等速自在継手用シリコーン製 ーツの要部拡大断面図である。 従来の等速自在継手用シリコーン製ブ ーツである比較品で常温揺動耐久試験を行っ た後の斜視図である。 本発明の等速自在継手用シリコーン製 ブーツである発明品で、常温揺動耐久試験を 行った後の斜視図である。 本発明の等速自在継手用シリコーン製 ーツと従来の等速自在継手用シリコーン製 ーツとのFEM解析結果を示すグラフ図である 従来の等速自在継手用シリコーン製ブ ツを使用した断面図である。 従来の等速自在継手用シリコーン製ブ ツの要部拡大断面図である。

符号の説明

2    外側継手部材
4    内側継手部材
6    谷部
7    山部
9    シャフト
13   大径部
14   小径部
15   蛇腹部
19   嵌合溝
25   肉厚部
27   アール部
28   コーナ部
29   内径側膨出部
31   ストレート部
35   周方向溝
37   シャフト装着部
38   肉薄部

 以下本発明の実施の形態を図1~図6に基づ て説明する。

 本発明の等速自在継手用ブーツ10は、図1 示すように、等速自在継手に取付けられる のである。この場合の等速自在継手は、ト ポード型等速自在継手を示し、外側継手部 2と、内側継手部材としてのトリポード部材 4と、トルク伝達部材としてのローラ3を主要 構成要素としている。

 外側継手部材2は一体に形成されたマウス 部42と図示省略のステム部とからなる。マウ 部42は反ステム部側に開口したカップ状で その外周面に、図2に示すように、大径部42a 小径部42bとが交互に現れる非円筒形状とさ ている。すなわち、この大径部42aと小径部4 2bとを形成することによって、マウス部42内 、周方向に沿って120度ピッチで配設される ラック溝45が形成される。

 トリポード部材4はボス48と脚軸49とから る。ボス48にはシャフト9とトルク伝達可能 結合するスプラインまたはセレーション孔50 が形成してある。脚軸49はボス48の円周方向 等分位置から半径方向に突出している。ト ポード部材4の各脚軸49はローラ3を担持して る。脚軸49とローラ3との間には複数の針状 ろ5が介在させてあり、ローラ3は脚軸49の軸 線を中心として回転自在である。なお、図1 はローラ3の脱落防止のための止め輪やワッ ャ等を省略してある。また、ここでは、1つ の脚軸49に1つのローラ3を支持させたシング ローラタイプを例示してあるが、相対回転 在の内外ローラを支持させたダブルローラ イプであってもよい。

 等速自在継手用ブーツ10は、図3に示すよ に、等速自在継手の外側継手部材2の開口端 部に装着される大径部13と、等速自在継手の 側継手部材4に連結されたシャフト9に装着 れる小径部14と、大径部13と小径部14との間 設けられ、軸方向に沿って交互に配設され 山部7と谷部6とを有する蛇腹部15とを備える 山部7と谷部6とは傾斜部12にて連結されてい る。なお、小径部側の最も近傍に位置する山 部7を第1山部7aといい、大径部側に向かって に第2山部7b、第3山部7cという。また、小径 の最も近傍に位置する谷部6を第1谷部6aとい 、大径部側に向かって順に第2谷部6b、第3谷 部6cという。

 小径部14は、図4に示すように、その外径 にブーツバンド装着用の嵌合溝19が形成さ たシャフト装着部37と、このシャフト装着部 37から肉厚部25を介して蛇腹部15に連結される 肉薄部38とを備えている。肉薄部38は、小径 14の外径面に凹みを形成することによって構 成している。肉薄部38の蛇腹部側の外径部と 蛇腹部15の小径部側の第1山部7aの外径部と 、アール部27を介して連続しており、肉薄部 38の外径面は、外径側ストレート部26を有し いる。また、外径側ストレート部26と嵌合溝 19との間に、外径方向に膨出する肉厚部25を けている。肉薄部38の厚さ寸法は、蛇腹部15 厚さ寸法(肉厚)よりも大きく設定されてい 。すなわち、肉薄部38は、蛇腹部15よりも剛 が大となる。

また、嵌合溝19の肉厚部側のコーナ部28に 周方向溝35を設けている。すなわち、周方向 溝35は、嵌合溝19の底面39の蛇腹部側端部から 蛇腹部側に向かって縮径するテーパ壁35と、 合溝19の肉厚部側の径方向壁36とから構成さ れる。また、嵌合溝19の反蛇腹部側にも、径 向壁40と、この径方向壁40の内径端から蛇腹 部側に向かって拡径するテーパ壁とからなる 周方向溝41が形成されている。

 ブーツの小径部14の内径面には、嵌合溝19 に対向する部位に、断面台形状の内径側膨出 部29と、肉厚部25及びストレート部26に対向す る内径側ストレート部31とが設けられている そして、内径側ストレート部31と第1山部7a 内径面とは、内径アール部32を介して連続し ている。また、内径側膨出部29には、軸方向 沿って2箇所の突起部30が設けられている。

 等速自在継手用ブーツ10は、シリコーン て形成される。シリコーンは、シロキサン 合を骨格とした高分子有機化合物(ポリマー) の総称である。シリコーンは無色・無臭で撥 水性があり、重合度などの違いによりグリー ス、ワックス、オイル、ゴム(エラストマー) ゲルなどの形態の製品が提供される。いず も、相当する炭素骨格ポリマーに比べて耐 性・耐酸化性・耐熱性が高く、不導体であ 。

 外側継手部材2の開口部側の外周面には、 ブーツ取付部16が設けられ、このブーツ取付 16に大径部13が外嵌される。そして、ブーツ 10の大径部13の外周面に形成された嵌合溝17に ブーツバンド18を嵌着することによって、大 部13を外側継手部材2に固定している。

 シャフト9には、外側継手部材2から所定 突出した位置に、周方向に沿ったブーツ取 用溝20を有するブーツ嵌合部22が設けられ、 径部14がブーツ嵌合部22に外嵌される。そし て、ブーツ10の小径部14の外周面に形成され 嵌合溝19にブーツバンド18を嵌着することに って、小径部14をシャフト9に固定している

 このように、本発明の等速自在継手用シ コーン製ブーツでは、肉厚部25から蛇腹部15 の小径部側の第1山部7aまでは肉薄部38が形成 れ、この肉薄部38は剛性が小である。この め、等速自在継手が作動角をとったり、摺 したりするときに、第1山部7aの嵌合溝側の 面が蛇腹部側や反蛇腹部側へ座屈状変位す のを許容する。すなわち、嵌合溝19の蛇腹部 側のコーナ部、肉薄部38の蛇腹部側のコーナ への応力集中を防止することができ、この 位からの亀裂の発生を抑えることができて ブーツの耐久性の向上を図ることができる これにより、長期にわたって継手内部への 埃等の異物浸入や、継手内部に封入された リースの漏れを防止することができて、安 した機能を発揮するブーツを提供すること できる。

 肉薄部38の蛇腹部側の外径部と、蛇腹部15 の小径部側の第1山部7aの外径部とをアール部 27を介して連続させている。これにより、ア ル部27にかかる応力を分散させることがで て、肉薄部38の蛇腹部側のコーナ部への応力 集中を一層防止することができる。

 前記小径部14の内径面は、嵌合溝19に対向 して配置されてシャフト9のブーツ嵌合部22に 嵌合する内径側膨出部29と、肉薄部内径側の トレート部31とを備えている。これにより 嵌合溝19を形成しても、シャフト装着部37は 分な強度を有し、しかも、内径側膨出部29 シャフト9のブーツ嵌合部22に嵌合すること よって、位置ずれを有効に防止することが きる。また、内径側のストレート部31がシャ フト9の外径面に密接して、小径部14のシャフ ト装着状態が安定する。すなわち、小径部14 、長期にわたって安定したシャフト装着状 が維持され、このブーツは、ブーツとして 機能を有効に発揮することができる。

 嵌合溝19の肉厚部側のコーナ部28に、周方 向溝35を設けている。この周方向溝35によっ 、シャフト装着部37に対する肉薄部38の揺動 にこのコーナ部28に過大な負荷が作用する が防止され、耐久性の向上を一層図ること できる。

 本発明のブーツが適用される等速自在継 には、高作動角を取ることのできるタイプ( 例えばツェッパ型、バーフィールド型などの ボールを用いた固定式等速自在継手)や、作 角はそれ程大きく取ることはできないが外 継手部材の軸線方向にスライドする機構を ね備えたタイプ(例えばダブルオフセット型 トリポード型、クロスグルーブ型などの摺 式等速自在継手)等がある。このため、本発 明のブーツは、これらの種々の等速自在継手 に適用することができる。これにより、疲労 性に優れた等速自在継手用シリコーン製ブー ツを装着した、耐久性に優れる等速自在継手 を構成することができる。

 本発明のブーツは、特に自動車用のドラ ブシャフトに用いられるデファレンシャル ア側に使用する摺動式等速自在継手への適 が好ましい。これは、この等速自在継手が 温雰囲気中に曝される頻度が高いためであ 。

 以上、本発明の実施形態につき説明した 、本発明は前記実施形態に限定されること く種々の変形が可能であって、例えば、実 形態では肉薄部38の外径面をストレートに 成しているが、内径側に凹状となるアール て形成してもよい。また、肉厚部25の軸方向 寸法や径方向寸法、外径側ストレート部26の 方向寸法は任意に設定することができる。 た、嵌合溝19の反蛇腹部側の周方向溝を省 することも可能である。さらには、蛇腹部15 の山部7と谷部6の数も前記実施形態に限定さ るものではなく、種々の全長のブーツ10を 用することができる。

 等速自在継手用シリコーン製ブーツの発 品と、等速自在継手用シリコーン製ブーツ 比較品とを製作して、常温揺動耐久試験を った。試験条件は、発明品及び比較品のい れも同一条件とした。すなわち、発明品と 較品を100℃、50時間放置した後、回転数600rp m、振動数30cpm、常温で200時間の揺動回転を行 った。発明品は、小径部の形状が本発明のよ うな形状、すなわち、図1、図3、及び図4に示 すような形状を有する等速自在継手用シリコ ーン製ブーツである。比較品は、小径部の形 状が従来のような形状、すなわち、図7及び 8に示すような形状を有する等速自在継手用 リコーン製ブーツである。

 そして、嵌合溝の蛇腹部側のコーナ部と 小径部の外径面のアール部において、亀裂 有無を観察した。

 比較品では、図5Aに示すように、嵌合溝 蛇腹部側のコーナ部に周方向に沿って亀裂37 が確認された。また、小径部のアール部にお いても、周方向に沿った亀裂38が確認された 一方、発明品では、図5Bに示すように、嵌 部の蛇腹部側のコーナ部及び小径部のアー 部のいずれも亀裂は確認されなかった。こ により、同一条件下では、嵌合部の蛇腹部 のコーナ部及び小径部のアール部において 発明品は比較品よりも亀裂の発生が抑えら ることがわかった。

 図6に、発明品と比較品とのFEM(Finite Elemen t Method)解析結果を示す。図6において、白色 比較品の解析結果を示し、ハッチングが発 品の解析結果を示す。これにより、嵌合溝 蛇腹部側のコーナ部において、比較品は約1 0MPaの応力が負荷されるのに対して、発明品 約7.5MPaの応力が負荷される。また、アール において、比較品は約6.5MPaの応力が負荷さ るのに対して、発明品は約0.5MPaの応力が負 される。これにより、嵌合溝の蛇腹部側の ーナ部とアール部のいずれの部位において 、発明品は比較品よりも負荷される応力が 減されることがわかった。

 本発明は、自動車や各種産業機械におけ 動力の伝達に用いられる等速自在継手に用 ることができる種々の部位に用いることが きる。