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Title:
SILICONE RESINS AND MANUFACTURING METHOD THEREOF, AS WELL AS CURABLE RESIN COMPOSITIONS THAT COMPRISE SAID SILICONE RESINS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/099099
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are silicone resins that can provide cured products with excellent flexibility, toughness and heat resistance, as well as high transparency, a manufacturing method thereof, as well as curable resin compositions that comprise the same. Silicone resins are obtained by reacting organopolysiloxanes of general formula (3) that have SiH groups with organopolysiloxanes of general formula (5) that have hydroxyl groups at both ends, and alcohols of general formula (6) that have groups that react with radicals, using a hydroxylamine compound of general formula (4) as catalyst. Curable resin compositions are obtained by using said silicone resins. (R indicates a 1-12-carbon alkyl or aryl group that optionally contains an oxygen atom. R1 indicates an alkyl group. Y indicates a 1-12-carbon hydrocarbon group that optionally contains an oxygen atom. Z indicates a (meth)acryloyl, vinyl or allyl group and 0 < n ≤ 2000, 0 < s ≤ 100, 0 < m ≤ 1000, 1 ≤ r ≤ 6.)

Inventors:
ONO YUKI (JP)
ISOZAKI MASAYOSHI (JP)
SAITO TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/051882
Publication Date:
August 13, 2009
Filing Date:
February 04, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON STEEL CHEMICAL CO (JP)
ONO YUKI (JP)
ISOZAKI MASAYOSHI (JP)
SAITO TAKASHI (JP)
International Classes:
C08G77/42; C08F299/08; G02B1/04
Foreign References:
JPH10158400A1998-06-16
JP2008274272A2008-11-13
JP2008266301A2008-11-06
Attorney, Agent or Firm:
NARUSE, Katsuo et al. (TKK Nishishinbashi Bldg. 11-5, Nishi-shinbashi 2-chome, Minato-k, Tokyo 03, JP)
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Claims:
 下記一般式(1)で表されることを特徴とするラジカル反応性基を有したシリコーン樹脂。
 
〔式中、Rは炭素数1~12の酸素原子を含んでいてもよいアルキル基又はアリール基を示し、0<l≦100、0≦m≦1000、0<n≦2000、0<o<100-l、p≧0、q≦100-l-oである。また、Xは下記一般式(2)で表される少なくとも1個の不飽和結合を有する1価の基である。
   X:-O(Y)(Z) r  (2)
(式中、Yは炭素数1~12の酸素原子を含んでいてもよい炭化水素であり、Zは(メタ)アクリロイル基、ビニル基又はアリル基を示す。rは1≦r≦6の数を示す。)〕
 下記一般式(3)で表されるSiH基を有するオルガノポリシロキサンを、下記一般式(4)で表されるヒドロキシルアミン化合物を触媒として用いて、下記一般式(5)で表される両末端水酸基含有オルガノポリシロキサン及び下記一般式(6)で表されるラジカル反応性基を持ったアルコールと反応させることを特徴とするラジカル反応性基を有したシリコーン樹脂の製造方法。

 
(式中、Rは炭素数1~12の酸素原子を含んでいてもよいアルキル基又はアリール基を示し、s及びmは0<s≦100、0<m≦1000の数を示す。)
   HONR 1 2  (4)
(式中、R 1 はアルキル基を示す。)

 
(式中、Rは炭素数1~12の酸素原子を含んでいてもよいアルキル基又はアリール基を示し、nは0<n≦2000の数を示す。)
   HO(Y)(Z) r  (6)
(式中、Yは炭素数1~12の酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基を示し、Zは(メタ)アクリロイル基、ビニル基又はアリル基を示し、rは1≦r≦6の数を示す。)
 一般式(3)で表されるSiH基を有するオルガノポリシロキサンのSiH基に対する一般式(4)で表されるヒドロキシルアミン化合物のモル比(k)が0<k≦1の範囲である請求項2記載のラジカル反応性基を有したシリコーン樹脂の製造方法。
 下記一般式(1)で表されるラジカル反応性基を有した硬化性シリコーン樹脂、及びラジカル重合開始剤を含んだことを特徴とする硬化型樹脂組成物。

 
〔式中、Rは炭素数1~12の酸素原子を含んでいてもよいアルキル基又はアリール基を示し、0<l≦100、0≦m≦1000、0<n≦2000、0<o<100-l、p≧0、q≦100-l-oである。また、Xは下記一般式(2)で表される少なくとも1個の不飽和結合を有する1価の基である。
   X:-O(Y)(Z) r  (2)
(式中、Yは炭素数1~12の酸素原子を含んでいてもよい炭化水素であり、Zは(メタ)アクリロイル基、ビニル基又はアリル基を示す。rは1≦r≦6の数を示す。)〕
 請求項4に記載の硬化型樹脂組成物を、ラジカル共重合させて得られたことを特徴とするシリコーン樹脂成形体。
 請求項5記載のシリコーン樹脂成形体が、下記(イ)~(ニ)の条件を満たすシリコーン樹脂成形体。
(イ)温度25℃における弾性率:0.01~1000MPa
(ロ)チャック間距離25~50mm、引っ張り速度5~50mm/minにおける伸度:10~500%
(ハ)550nmでの透過率:88~94%
(ニ)線熱膨張係数:100~1000ppm/K
Description:
シリコーン樹脂及びその製造方 並びにこのシリコーン樹脂を含んだ硬化型 脂組成物

 本発明は、シリコーン樹脂及びその製造 法、並びにこのシリコーン樹脂を含んだ硬 型樹脂組成物に関し、詳しくはラジカル反 性基を有しながら、シラノールによって架 された新規なシリコーン樹脂及びその製造 法、並びにこのシリコーン樹脂を含んだ硬 型樹脂組成物に関する。

 シリコーン樹脂の硬化物は、耐熱性、耐 性、耐油性、耐寒性、電気絶縁性等に優れ と共に、低弾性率かつ低応力であることか 、車載電子部品や民生用電子部品等の電子 品保護の目的などをはじめ、幅広い分野に いられている。特に、近年では柔軟性、高 性を有したシリコーン樹脂硬化物が求めら ている。

 シリコーン樹脂硬化物を得るためには、 般に、シリコーン樹脂に硬化型反応性官能 を導入する。特に、柔軟性、高靭性を有す シリコーン樹脂硬化物を得るためには、長 シリコーン鎖の導入や、官能基数の適正化 よる樹脂合成のほか、樹脂同士を混ぜ合わ るポリマーブレンドが挙げられる。

 従来、シリコーン樹脂の合成法としては シラノールを縮合させる方法、加水分解し いアミノオキシ基、アルコキシ基、オキシ 基等をシロキサン鎖に結合させ、空気中の 分にて反応させて縮重合させる方法、クロ シランを用いた縮合反応、ケイ素原子上に 素原子を結合させた化合物とケイ素原子上 ビニル基やアリル基等の脂肪族不飽和炭化 素基を結合させた化合物とを第8族化合物を 触媒としてハイドロシリレーション反応させ る方法などが知られている。

 しかしながら、上記のような縮重合によ 方法では、硬化型反応性基を選択的に導入 ることが困難であり、得られた樹脂は増粘 ゲル化が懸念され、また、保存安定性にも 題がある。そこで、ハイドロシリレーショ 反応によって調整された樹脂の増粘やゲル を抑制するために、第三級アミンを添加す 方法が提案されているが、この方法によっ も加熱減圧による精製工程でのシリコーン 脂の増粘やゲル化を十分に抑制することは きなかった(特許文献1参照)。

 また、硬化型反応性官能基を導入したシ コーン樹脂の例として、ラジカル反応性基 あるメタクリル基を導入したシリコーン鎖 挙げられるが、両末端にメタクリル基が導 されたものでは架橋数が少なく破断しやす ものとなる(特許文献2参照)。

 更には、ポリマーブレンドによる手法で 、一般に樹脂同士の相溶性が問題となり、 脂が溶け合わない場合は白濁し、光学材料 は用いることができない。また、モノマー して炭素鎖が主成分のものを混ぜると、硬 物の高温下での黄変が問題となる。そのた 、柔軟性、靭性、及び耐熱性に優れると共 、高い透明性を有した硬化物を与えること できるような、任意の長さの長鎖シリコー 鎖と任意の数や種類の硬化型反応性基とを 択的にシリコーン鎖に導入したシリコーン 脂の開発が望まれていた。

 ところで、液晶表示装置用の基板、光学 ンズ、発光ダイオードの封止材等をはじめ する光学材料としては、複屈折率が低く、 弾性係数が小さく、光学的透明性の高い材 が使用される。また、液晶表示装置用の基 や光学レンズ等の材料の場合には、製造プ セス上、使用する材料には高い耐熱性が必 である。こういった要求を満足する材料と て、従来からガラスが使用されている。

 しかしながら、例えば光学レンズでは曲 が使用され、また、近年では、液晶表示装 用の基板等において薄型化がますます要求 れており、従来使用されてきたガラスでは 度的に脆い性質を有しているため、使用範 に限界が生じてきている。

 強靭性のある材料としては高分子材料が えられるが、一般に、高分子材料は耐熱性 低い。そこで、高い耐熱性を発現させる手 として、例えば熱可塑性樹脂の場合は、芳 族骨格を導入することが検討されているが 一方で、複屈折率が高くなり光弾性係数が きくなるため、高い耐熱性と光学的性能の 立が困難である。また、熱硬化性樹脂の場 、従来知られている熱硬化性樹脂は熱硬化 際に着色することが知られており、光学材 用途には向かない。例えばアクリレート樹 は速硬化性を有するが、耐熱性が低いため によって着色することがある。

 一般に、耐熱性が高く透明性に優れる材 としてシリコーン樹脂が知られており、柔 性の高い材料としても有用である。しかし がら、従来の硬化性のシリコーン樹脂は硬 に高温かつ長時間が必要であり、生産性に るといいう欠点を有する。例えばシリコー 樹脂のヒドロシリル化による硬化が記載さ ている例として、60℃で1時間又は室温で24 間といった高温又は長時間が必要となる(特 文献3参照)。

特開平4-352793号公報

特開2002-302664号公報

特開2007-126576号公報

 そこで、本発明者等は、柔軟性、靭性、 び耐熱性に優れると共に、高い透明性を有 た硬化物を与えることができるような、任 の長さの長鎖シリコーン鎖と任意の数や種 の硬化型反応性基とが選択的にシリコーン に導入された新規なシリコーン樹脂を得る めに鋭意検討した結果、SiH基含有ポリシロ サンと水酸基含有オルガノポリシロキサン を、ヒドロキシルアミン化合物の存在下で 合反応させることにより、上記のような目 を達成できるシリコーン樹脂が得られるこ を見出した。また、このシリコーン樹脂を んだ樹脂組成物によれば、耐熱性及び速硬 性のいずれの要求も満足しながら、尚且つ 透明性や強靭性等を兼ね備えた硬化物が得 れることを見出した。

 したがって、本発明の目的は、柔軟性、 性、及び耐熱性に優れると共に、高い透明 を有した硬化物を与えることができるシリ ーン樹脂を提供することにある。また、本 明の別の目的は、このようなシリコーン樹 の製造方法を提供することにある。

 更に、本発明の別の目的は、高い耐熱性 有し、透過率が高く透明であり、尚且つ、 靭性を有した成形体(硬化物)を得ることが きる硬化型樹脂組成物を提供することにあ 。

 すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表さ ることを特徴とするラジカル反応性基を有 たシリコーン樹脂である。
 
〔式中、Rは炭素数1~12の酸素原子を含んでい もよいアルキル基又はアリール基を示し、0 <l≦100、0≦m≦1000、0<n≦2000、0<o<100-l 、p≧0、q≦100-l-oである。また、Xは下記一般 (2)で表される少なくとも1個の不飽和結合を 有する1価の基である。
   X:-O(Y)(Z) r  (2)
(式中、Yは炭素数1~12の酸素原子を含んでいて もよい炭化水素であり、Zは(メタ)アクリロイ ル基、ビニル基又はアリル基を示す。rは1≦r ≦6の数を示す。)〕

 また、本発明は、下記一般式(3)で表されるS iH基を有するオルガノポリシロキサンを、下 一般式(4)で表されるヒドロキシルアミン化 物を触媒として用いて、下記一般式(5)で表 れる両末端水酸基含有オルガノポリシロキ ン及び下記一般式(6)で表されるラジカル反 性基を持ったアルコールと反応させること 特徴とするラジカル反応性基を有したシリ ーン樹脂の製造方法である。
 
(式中、Rは炭素数1~12の酸素原子を含んでいて もよいアルキル基又はアリール基を示し、s びmは0<s≦100、0<m≦1000の数を示す。)
   HONR 1 2  (4)
(式中、R 1 はアルキル基を示す。)
 
(式中、Rは炭素数1~12の酸素原子を含んでいて もよいアルキル基又はアリール基を示し、n 0<n≦2000の数を示す。)
   HO(Y)(Z) r  (6)
(式中、Yは炭素数1~12の酸素原子を含んでいて もよい炭化水素基を示し、Zは(メタ)アクリロ イル基、ビニル基又はアリル基を示し、rは1 r≦6の数を示す。)

 更に、本発明は、上記一般式(1)で表され ラジカル反応性基を有した硬化性シリコー 樹脂、及びラジカル重合開始剤を含んだこ を特徴とする硬化型樹脂組成物である。

 更にまた、本発明は、上記硬化型樹脂組 物を、ラジカル共重合させて得られたこと 特徴とするシリコーン樹脂成形体である。

 先ず、ラジカル反応性基を有したシリコー 樹脂を得る方法の具体例を示しながら本発 を説明する。
 本発明におけるシリコーン樹脂の製造方法 、下記反応式に示すように、SiH基含有オル ノポリシロキサンを、ヒドロキシルアミン 合物の存在下に、水酸基含有オルガノポリ ロキサン及びラジカル反応性基を有するア コールと混合反応させる。ここで、下記反 式では、SiH基含有オルガノポリシロキサン 対し、水酸基含有オルガノポリシロキサン 先に反応させてラジカル反応性基を有する ルコールを反応させているが、ラジカル反 性基を有するアルコールを先に反応させて 酸基含有オルガノポリシロキサンを反応さ るようにしてもよい。或いはSiH基含有オル ノポリシロキサンに対し、水酸基含有オル ノポリシロキサン及びラジカル反応性基を するアルコールを同時に反応させるように てもよい。
 
(式中、Rは炭素数1~12の酸素原子を含んでいて もよいアルキル基又はアリール基を示し、R 1 はアルキル基を示す。s及びmは0<s≦100、0< ;m≦1000の数を示し、l、n、o、p、qはそれぞれ0 <l≦100、0<n≦2000、0<o<100-l、p≧0、q≦ 100-l-oの数を示し、Xは下記一般式(2)で表され 少なくとも1個の不飽和結合を有する1価の である。)
   X:-O(Y)(Z) r  (2)
(式中、Yは炭素数1~12の酸素原子を含んでいて もよい炭化水素基を示し、Zは(メタ)アクリロ イル基、ビニル基又はアリル基を示し、rは1 r≦6の数を示す。)

 ここで、SiH基含有オルガノポリシロキサン しては、下記一般式(3)で表される化合物を いる。
 
(式中、Rは炭素数1~12の酸素原子を含んでいて もよいアルキル基又はアリール基を示し、s びmは0<s≦100、0<m≦1000の数を示す。)

 一般式(3)のRの例としては、アルキル基、シ クロアルキル基、アリール基、アルケニル基 、アラルキル基等のほか、これらの基の水素 原子の一部又は全部をハロゲン原子やシアノ 基等で置換した基を挙げることができるが、 水酸基含有シロキサンと反応させた後、後述 するように副生するR 1 2 NOHを除去することを考慮すると、好ましくは メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数 1~6のアルキル基であるのがよい。

 また、一般式(3)のs、mはそれぞれ0<s≦10 0、0<m≦1000の数である。sが100を超えると硬 化物が硬くなり、mが1000を超えると合成時の 応性が低下する。特にs=3~50であり、m=5~500で あることを満足するものが好ましい。なお、 一般式(3)で表されるオルガノポリシロキサン は、置換基Rやs及びm数が互いに異なる2種類 上のものを用いるようにしてもよい。

 一般式(3)で表されるオルガノポリシロキ ンは、公知の方法により製造することがで る。例えば、オクタメチルシクロテトラシ キサン又はテトラメチルシクロテトラシロ サン或いはこれらの両方と、末端基となり るトリオルガノシリル基を含む化合物とを 硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メ ンスルホン酸等の触媒の存在下で、-10~40℃ 度の温度で平衡化させることによって容易 得ることができる。上記トリオルガノシリ 基を含む化合物としては、例えばヘキサメ ルジシロキサン等が挙げられる。

 また、本発明のシリコーン樹脂を得る際に 用するヒドロキシルアミンとしては、下記 一般式(4)で示すものを用いることができる
   HONR 1 2  (4)
(式中、R 1 はアルキル基を示す。)

 上記ヒドロキシルアミンは以降の反応に いて触媒のようにふるまい、最終的には系 に除去される。したがって、以下において 一般式(3)で表されるオルガノポリシロキサ のSiH基を基準にして配合割合を示す。

 SiH基含有オルガノポリシロキサン(3)とヒド キシルアミン(4)とを混合させる際の割合は 特に制限されるものではないが、SiH基含有 ルガノポリシロキサン(3)のSiH基に対するヒ ロキシルアミンの比率(モル比)kが0より大き く、特に0.1以上1以下となる範囲が好ましい 上記比率kが1を超えるとヒドロキシルアミン が反応系中に過剰に残存し、経時での安定性 に問題が残る。また、上記のオルガノポリシ ロキサン(3)とヒドロキシルアミン(4)との反応 は、 1 H-NMRによってアミンの導入を確認しながら、0 ~100℃、好ましくは20~50℃で10分~24時間程度撹 反応させることが好適である。

 また、添加する水酸基含有オルガノポリシ キサンとしては、下記一般式(5)で表される うな両末端にのみ水酸基を含むポリシロキ ンを用いることが好ましい。
 
(式中、Rは炭素数1~12の酸素原子を含んでいて もよいアルキル基又はアリール基を示し、n 0<n≦2000の数を示す。)

 ここで、ポリシロキサンの重合度nは混合 物の場合は平均値を表し、得られるポリシロ キサンコポリマーの物理的強度を考慮に入れ 、0<n≦2000の範囲であることが望ましい。n 2000を超えると合成時の反応性が低下する。 このような水酸基含有オルガノポリシロキサ ン(5)は、例えば次のような公知の方法により 製造することができる。すなわち、環状シロ キサン化合物に、種々の有機リチウム試薬と ヘキサメチルシクロトリシロキサンとを反応 させた後、クロロシラン類と反応させること により、所望の水酸基含有オルガノポリシロ キサンが得られる。

 本発明において、水酸基含有オルガノポリ ロキサン(5)を加えて混合反応させる際の割 は、特に制限されるものではないが、仕込 段階における前記SiH基含有オルガノポリシ キサン(3)のSiH基と水酸基含有オルガノポリ ロキサン(5)の水酸基との比率(モル比)が0よ 大きく、特に0.01以上1未満となる範囲が好 しく、更に好ましくは0.5以下である。上記 率が1を超えるとでは水酸基が反応系中に過 に存在し、経時での安定性に問題が残る。 た、水酸基含有オルガノポリシロキサン(5) 添加する際の反応は、 1 H-NMRによってSiOH基の消失を確認しながら、0~1 00℃、特に20~50℃で10分~24時間程度撹拌反応さ せることが好適である。

 また、下記一般式(6)
   HO(Y)(Z) r  (6)
(式中、Yは炭素数1~12の酸素原子を含んでいて もよい炭化水素基を示し、Zは(メタ)アクリロ イル基、ビニル基又はアリル基を示し、rは1 r≦6の数を示す。)で示されるラジカル反応 基を持ったアルコールを添加することで、 記一般式(1)で表されるラジカル反応性基を するシリコーン樹脂(1)を得ることができる
 

 ここで、一般式(6)で示されるアルコール 具体例としては、2-アクリロイロキシエチ -2-ヒドロキシエチルフタレート、2-メタクリ ロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタレ ート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、2- ドロキシブチルメタクリレート、2-ヒドロキ シエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチル タクリレート、2-ヒドロキシプロピルアク レート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレー ト、脂肪族エポキシアクリレート、脂肪族エ ポキシメタクリレート、Ebecryl111、Ebecryl112、E CH変性アリルアクリレート、ECH変性アリルメ クリレート、ブタンジオールモノアクリレ ト、ブタンジオールモノメタクリレート、 プロラクトンアクリレート、カプロラクト メタクリレート、ジプロピレングリコール クリレート、ジプロピレングリコールメタ リレート、ECH変性フェノキシアクリレート ECH変性フェノキシメタクリレート、ポリプ ピレングリコールアクリレート、ポリプレ レングリコールメタクリレート、EO変性1,6- キサンジオールジアクリレート、EO変性1,6- キサンジオールジメタクリレート、ECH変性1 ,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ECH変性 1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ビ フェノールA-ジエポキシ-アクリル酸付加物 ビスフェノールA-ジエポキシ-メタクリル酸 加物、ステアリン酸変性ペンタエリスリト ルジアクリレート、ステアリン酸変性ペン エリスリトールジメタクリレート、ECH変性 タル酸ジアクリレート、ECH変性フタル酸ジ タクリレート、ECH変性プロピレングリコー ジアクリレート、ECH変性プロピレングリコ ルジメタクリレート、PO変性ビスフェノール Aジグリシジルエーテルジアクリレート、PO変 性ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ タクリレート、トリグリセロールジアクリ ート、トリグリセロールジメタクリレート ECH変性グリセロールトリアクリレート、ECH 性グリセロールトリメタクリレート、ペン エリスリトールトリアクリレート、ペンタ リスリトールトリメタクリレート、ジペン エリスリトールヒドロキシペンタアクリレ ト、ジペンタエリスリトールヒドロキシペ タメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロ イロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキ -3-アクリロイロキシプロピルメタクリレー 、2-ヒドロキシ-3-アクリロキシプロピルト メチルアンモニウムクロライド、2-ヒドロキ シ-3-メタクリロキシプロピルトリメチルアン モニウムクロライド、3-クロロ-2-ヒドロキシ ロピルアクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキ プロピルメタクリレート、グリセロールア リレート、グリセロールメタクリレート、 リシジルアクリレート、グリシジルメタク レート、EO,PO変性フタル酸アクリレート、EO, PO変性フタル酸メタクリレート、EO変性フタ 酸アクリレート、EO変性フタル酸メタクリレ ート、ポリエチレングリコール-ポリプロピ ングリコールアクリレート、ポリエチレン リコール-ポリプロピレングリコールメタク レート、ポリ(エチレングリコール-テトラ チレングリコール)アクリレート、ポリ(エチ レングリコール-テトラメチレングリコール) タクリレート、ポリ(プロピレングリコール -テトラメチレングリコール)アクリレート、 リ(プロピレングリコール-テトラメチレン リコール)メタクリレート、ポリエチレング コールアクリレート、ポリエチレングリコ ルメタクリレート、ECH変性エチレングリコ ルジアクリレート、ECH変性エチレングリコ ルジメタクリレート、グリセロールアクリ ートメタクリレート、グリセロールジアク レート、グリセロールジメタクリレート、E CH変性フェノキシジアクリレート、ECH変性フ ノキシジメタクリレート、ECH変性ポリエチ ングリコールジアクリレート、ECH変性ポリ チレングリコールジメタクリレート、シク ヘキサンジメタノールモノビニルエーテル ジエチレングリコールモノビニルエーテル ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロ シエチルビニルエーテル、ビニル-4-ヒドロ シブチルエーテル、3-エチル-3-ヒドロキシ チルオキセタン等が挙げられる。

 上記ラジカル反応性基を持ったアルコール( 6)を添加する際の反応は、 1 H-NMRによってのラジカル反応性基の導入を確 しながら、0~100℃、特に20~50℃で10分~24時間 度撹拌反応させることが好適である。また ラジカル反応性基を持ったアルコール(6)を えて混合反応させる際の割合は、特に制限 れるものではないが、仕込み段階における 記SiH基含有オルガノポリシロキサン(3)のSiH とラジカル反応性基を持ったアルコール(6) 水酸基との比率(モル比)が0.5以上、特に0.8 上3以下となる範囲が好ましい。

 このようにして得られたラジカル反応性 を有するシリコーン樹脂(1)は、低圧水銀灯 による紫外線照射によって架橋させること できる。また、架橋には、別のSiH基を有す ポリシロキサンを用いて、ハイドロシリレ ション反応によって架橋させることもでき 。また、シリコーン樹脂(1)中にSiH基を有す 場合には、ビニル基等の脂肪族不飽和結合 有するポリシロキサンとハイドロシリレー ョン反応によって架橋させることもできる また、得られたシリコーン樹脂(1)の重量平 分子量(Mw)は10000~200000の範囲であることが好 ましい。この範囲より小さいと硬化後の機械 強度が低下する傾向があり、大きいと粘度が 高くなりすぎて取扱いに支障がでるため好ま しくない。

 上記のようにして得たシリコーン樹脂(1) 、柔軟性、耐衝撃性等に優れるシリコーン 脂の特性と、速硬化性等に優れるアクリレ ト樹脂の特性とを兼ね備えるため、以下に 明するように、光又は熱によりラジカルを 生させるラジカル重合開始剤と組み合わせ 樹脂組成物とすることで、短時間で硬化し 、高耐熱、高透明性、柔軟性、耐衝撃性等 兼ね備えた成形体を得ることができる。

 光によりラジカルを発生させる光重合開 剤としては、例えば、ビアセチルアセトフ ノン、ベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾ ルイソブチルエーテル、ベンジルジメチル タール、(1-ヒドロキシシクロヘキシル)フェ ニルケトン、(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル) ェニルケトン、(α-ヒドロキシイソプロピル) (p-イソプロピルフェニル)ケトン、ジエチル オキサントン、エチルアンスラキノン、ビ (ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げら れる。

 また、熱によりラジカルを発生させる熱 合開始剤としては、各種有機過酸化物等が げられるが、有機過酸化物としては、ケト パーオキサイド類、ジアシルキルパーオキ イド類、ハイドロパーオキサイド類、ジア キルパーオキサイド類、パーオキシケター 類、アルキルパーエステル類、パーカーボ ート類などが挙げられる。これらの中で触 活性の点から、ジアルキルパーオキサイド 好ましい。具体的には、シクロヘキサノン ーオキサイド、1,1-ビス(t-ヘキサパーオキシ )シクロヘキサノン、クメンハイドロパーオ サイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾ ルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオ サイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-へキ シルパーオキシイソプロピルモノカーボネー ト、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエ ト等を例示することができるが、これに制 されるものではない。また、これらの熱重 開始剤は単独で使用してもよく、2種類以上 を併用してもよい。

 ラジカル重合開始剤の配合量については 効果を発揮できる有効量であればよく特に 限されないが、重合性成分の総量100重量部 対して、通常、0.01~20.0重量部、好ましくは0 .1~10.0重量部程度であるのがよい。ここで、 合性成分とは、上記で説明した本発明にお るラジカル反応性基を有したシリコーン樹 のほか、以下で説明するように必要に応じ 添加される、末端に重合性不飽和基を有し 化合物を含んだ合計の成分を言う。なお、 端に重合性不飽和基を有する化合物とは、 発明におけるラジカル反応性基を有したシ コーン樹脂と共重合可能なものである。

 すなわち、本発明の効果を損なわない範 であれば、「末端に重合性不飽和基を有す 化合物」として、本発明におけるラジカル 応性基を有したシリコーン樹脂以外の(メタ )アクリル酸エステル系単量体、例えばメチ (メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メ タ)アクリレート等のモノエステルや、1,6-ヘ サンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノ ンジオールジ(メタ)アクリレート等のジエ テルや、トリメチロールプロパントリ(メタ) アクリレート等のトリエステルや、ウレタン アクリレート類等を併用して硬化型樹脂組成 物を得てもよい。

 また、本発明における硬化型樹脂組成物 は、「ラジカル反応性基を有したシリコー 樹脂」や「「末端に重合性不飽和基を有す 化合物」以外にも、例えばポリアミド、ポ アミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジ ン、ポリクロロプレン、ポリエーテル、ポ エステル、スチレン-ブタジエン-スチレン ロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂 エポキシ樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹 、フッ素系オリゴマー、シリコーン系オリ マー、ポリスルフィド系オリゴマー、アク ルゴム、シリコーンゴム等の「その他の樹 」や、シリカ、アルミナ、ガラスビーズ、 チレン系ポリマー粒子、ジビニルベンゼン ポリマー粒子、メタクリレート系ポリマー 子、エチレン系ポリマー粒子、プロピレン ポリマー粒子等の「充填剤」を配合しても く、更にまた、重合開始助剤、老化防止剤 レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤 可塑剤、紫外線吸収剤等の「改質剤」を添 してもよい。

 また、本発明の硬化型樹脂組成物の接着 を一層向上させるために、「シランカップ ング剤」を添加することが有効である。こ ようなシランカップリング剤としては、γ- リシドキシプロピルトリメトキシシラン、 -グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ ン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル リメトキシシラン等のエポキシシラン類、N -β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメ キシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキ シラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリ トキシシラン等のアミノシラン類、γ-メル プトシラン等のメルカプトシラン類のほか メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ キシシラン等が挙げられる。

 また、本発明では、ラジカル反応性基を したシリコーン樹脂及びラジカル重合開始 を含んだ硬化型樹脂組成物を、加熱又は光 射によって硬化させることで成形体を得る とができる。加熱によって共重合体(成形体 )を得る場合、その成形温度は、熱重合開始 や促進剤の選択により、室温から200℃前後 での広い範囲から選択することができる。 化の際には、所定の金型内やスチールベル 上で重合硬化させることで、得られる成形 の用途や目的等に応じて、適宜所望の形状 シリコーン樹脂成形体を製造することがで る。

 また、光照射によって共重合体(成形体) 製造する場合は、波長10~400nmの紫外線や波長 400~700nmの可視光線を照射することで、成形体 を得ることができる。用いる光の波長は特に 制限されるものではないが、特に波長200~400nm の近紫外線が好適に用いられる。紫外線発生 源として用いられるランプとしては、低圧水 銀ランプ(出力:0.4~4W/cm)、高圧水銀ランプ(40~16 0W/cm)、超高圧水銀ランプ(173~435W/cm)、メタル ライドランプ(80~160W/cm)、パルスキセノンラ プ(80~120W/cm)、無電極放電ランプ(80~120W/cm)等 例示することができる。これらの紫外線ラ プは、各々その分光分布に特徴があるため 使用する光開始剤の種類に応じて選定すれ よい。

 光照射によってシリコーン樹脂共重合体 得る方法の例を示せば、例えば任意のキャ ティ形状を有し、石英ガラス等の透明素材 構成された金型内に注入し、上記の紫外線 ンプで紫外線を照射して重合硬化を行い、 型から脱型させることで所望の形状の成形 を製造することができる。また、金型を用 ない場合には、例えば移動するスチールベ ト上にドクターブレードやロール状のコー ーを用いて本発明の硬化型樹脂組成物を塗 し、上記の紫外線ランプで重合硬化させる とで、シート状の成形体を製造することが きる。なお、熱硬化の場合を含めて、成形 を得る方法はこれらに制限されない。

 このようにして得られた本発明のシリコ ン樹脂共重合体(成形体)は、低弾性、高伸 であり、柔軟性、靭性に優れる。また、550nm 波長の可視光線の透過率が88%以上より好まし くは90%以上となり光学材料への応用が可能で あり、さらに高温条件下でも黄変しない材料 である。具体的には、得られる成形体は、好 ましくは、(イ)温度25℃における弾性率が0.01~ 1000MPaであり、(ロ)チャック間距離25~50mm、引 張り速度5~50mm/minにおける伸度が10~500%であり 、(ハ)550nmでの透過率が88~94%であり、(ニ)線熱 膨張係数が100~1000ppm/Kである。

 本発明によれば、SiH基を有するケイ素系 分子化合物に温和な条件で選択性よく簡便 つ確実に種々の官能基を導入することがで 、ラジカル反応性基を導入することで紫外 照射による速硬化性のシリコーン樹脂を得 ことができる。また、得られたシリコーン 脂は、ラジカル重合開始剤と組み合わせて 脂組成物とすることで、短時間で硬化して 耐熱性、透明性、柔軟性、耐衝撃性等に優 た成形体を製造することができる。

図1は、実施例1で得られたシリコーン 脂AのGPCチャートを示す。 図2は、実施例2で得られたシリコーン 脂BのGPCチャートを示す。 図3は、実施例3で得られたシリコーン 脂CのGPCチャートを示す。 図4は、実施例4で得られたシリコーン 脂DのGPCチャートを示す。 図5は、実施例5で得られたシリコーン 脂EのGPCチャートを示す。 図6は、実施例6で得られたシリコーン 脂FのGPCチャートを示す。 図7は、実施例7で得られたシリコーン 脂GのGPCチャートを示す。

 以下に、実施例等により本発明をより詳 に説明するが、本発明はこれらに限られる のではない。

[実施例1]
 攪拌器および温度計を備えた反応容器に、 ルエン27ml、N,N-ジエチルヒドロキシルアミ 0.95g、及び下記構造式(i)

(式中、Rはメチル基であり、s=7、m=73である。 )で表されるオルガノハイドロジェンポリシ キサン22.01gを装入した。反応容器を撹拌し がら、室温で下記構造式(ii)

(式中、Rはメチル基であり、n=35である。)で される両末端水酸基含有ポリシロキサン3.49g のトルエン溶液を5分かけて滴下した。両末 水酸基含有ポリシロキサンを滴下終了後、50 ℃に加熱し5分間撹拌した後、メタクリル酸2- ヒドロキシエチル9.00gを滴下し、6.5時間撹拌 た。反応溶液をクエン酸水溶液及び水で中 になるまで水洗した後、無水硫酸マグネシ ムで脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ し、濃縮することでラジカル反応性基を持 シリコーン樹脂27g(回収率90%)を得た。なお 得られた樹脂をシリコーン樹脂Aと呼ぶ。

 上記で得られたシリコーン樹脂Aは、種々の 有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。 また、 1 H-NMRよりSiH基のピークの消失を確認した。表1 に、用いたオルガノハイドロジェンポリシロ キサンと水酸基含有ポリシロキサンの構造単 位の繰り返し数(s,m,n)、オルガノハイドロジ ンポリシロキサンのSiH基に対するN,N-ジエチ ヒドロキシルアミンのモル比、及び得られ シリコーン樹脂に導入されたメタクリル基 導入率を示す。導入率は 1 H-NMRよりシリコーン樹脂とそれぞれの原料の ーク比から算出した。更に、図1は、得られ たシリコーン樹脂のGPCチャートを示す。図1 ら明らかなようにMwが38000の樹脂が得られて ることが分った。

[実施例2]
 攪拌器および温度計を備えた反応容器に、 ルエン92ml、N,Nジエチルヒドロキシルアミン 0.83g、及び下記構造式(i)
 
(式中、Rはメチル基であり、s=7、m=73である) 表されるオルガノハイドロジェンポリシロ サン19.17gを装入した。反応容器を撹拌しな ら、室温で下記構造式(iii)
(式中、Rはメチル基であり、n=659である)で表 れる両末端水酸基含有ポリシロキサン78.27g トルエン溶液を5分かけて滴下した。両末端 水酸基含有ポリシロキサンを滴下終了後、50 に加熱し5分間撹拌した後、メタクリル酸2- ドロキシエチル7.83gを滴下し、7時間撹拌し 。反応溶液をクエン酸水溶液及び水で中性 なるまで水洗した後、無水硫酸マグネシウ で脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別 、濃縮することでラジカル反応性基を持つ リコーン樹脂95g(回収率95%)を得た。なお、 られた樹脂をシリコーン樹脂Bと呼ぶ。

 上記で得られたシリコーン樹脂Bは、種々の 有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。 また、 1 H-NMRよりSiH基のピークの消失を確認した。表1 に、用いたオルガノハイドロジェンポリシロ キサン及び水酸基含有ポリシロキサンの構造 単位の繰り返し数(s,m,n)、オルガノハイドロ ェンポリシロキサンのSiH基に対するN,N-ジエ ルヒドロキシルアミンのモル比、並びに得 れたシリコーン樹脂に導入されたメタクリ 基の導入率を示す。導入率は 1 H-NMRよりシリコーン樹脂とそれぞれの原料の ーク比から算出した。更に、図2は、得られ たシリコーン樹脂のGPCチャートを示す。図2 ら明らかなようにMwが100000の樹脂が得られて いることが分った。

[実施例3]
 攪拌器、および温度計を備えた反応容器に 下記構造式(iv)
(式中、Rはメチル基であり、n=1872である。)で 表される両末端水酸基含有ポリシロキサン9.1 1g、及びトルエン18mlを装入した。反応容器を 攪拌しながら、室温で下記構造式(i)
(式中、Rはメチル基であり、s=7、m=73である) 表されるオルガノハイドロジェンポリシロ サン0.79gのトルエン溶液、及びN,Nジエチルヒ ドロキシルアミン0.034gの混合物を滴下し、70 に加熱し5分間撹拌した後、メタクリル酸2- ドロキシエチル0.32gを滴下し、7時間撹拌し 。反応溶液をクエン酸水溶液及び水で中性 なるまで水洗した後、無水硫酸マグネシウ で脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別 、濃縮することでラジカル反応性基を持つ リコーン樹脂7g(回収率70%)を得た。なお、得 られた樹脂をシリコーン樹脂Cと呼ぶ。

 上記で得られたシリコーン樹脂Cは、種々の 有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。 また、 1 H-NMRよりSiH基のピークの消失を確認した。表1 に、用いたオルガノハイドロジェンポリシロ キサン及び水酸基含有ポリシロキサンの構造 単位の繰り返し数(s,m,n)、オルガノハイドロ ェンポリシロキサンのSiH基に対するN,N-ジエ ルヒドロキシルアミンのモル比、並びに得 れたシリコーン樹脂に導入されたメタクリ 基の導入率を示す。導入率は 1 H-NMRよりシリコーン樹脂とそれぞれの原料の ーク比から算出した。更に、図3は、得られ たシリコーン樹脂のGPCチャートを示す。図3 ら明らかなようにMwが160000の樹脂が得られて いることが分った。

[実施例4]
 攪拌器および温度計を備えた反応容器に、 ルエン30ml、N,Nジエチルヒドロキシルアミン 0.18g、及び下記構造式(v)
 
(式中、Rはメチル基であり、s=30、m=0である) 表されるオルガノハイドロジェンポリシロ サン0.32gを装入した。反応容器を撹拌しなが ら、室温で下記構造式(iii)
 
(式中、Rはメチル基。n=659)で表される両末端 酸基含有ポリシロキサン4.05gのトルエン溶 を5分かけて滴下した。両末端水酸基含有ポ シロキサンを滴下終了後、5分間撹拌した後 、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル1.87gを滴 し、70℃で7時間撹拌した。反応溶液をクエ 酸水溶液及び水で中性になるまで水洗した 、無水硫酸マグネシウムで脱水した。無水 酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで ジカル反応性基を持つシリコーン樹脂4g(回 率80%)を得た。なお、得られた樹脂をシリコ ン樹脂Dと呼ぶ。

 上記で得られたシリコーン樹脂Dは、種々の 有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。 また、 1 H-NMRよりSiH基のピークの消失を確認した。表1 に、用いたオルガノハイドロジェンポリシロ キサン及び水酸基含有ポリシロキサンの構造 単位の繰り返し数(s,m,n)、オルガノハイドロ ェンポリシロキサンのSiH基に対するN,N-ジエ ルヒドロキシルアミンのモル比、並びに得 れたシリコーン樹脂に導入されたメタクリ 基の導入率を示す。導入率は 1 H-NMRよりシリコーン樹脂とそれぞれの原料の ーク比から算出した。更に、図4は、得られ たシリコーン樹脂のGPCチャートを示す。図4 ら明らかなようにMwが130000の樹脂が得られて いることが分った。

[実施例5]
 攪拌器および温度計を備えた反応容器に、 ルエン120ml、N,Nジエチルヒドロキシルアミ 0.82g、下記構造式(v)
 
(式中、Rはメチル基であり、s=30、m=0である) 表されるオルガノハイドロジェンポリシロ サン1.2g、及び下記構造式(vi)
(式中、Rはメチル基であり、s=8、m=16である) 表されるオルガノハイドロジェンポリシロ サン1.2gを装入した。反応容器を撹拌しなが 、室温で下記構造式(iii)

(式中、Rはメチル基であり、n=659である)で表 れる両末端水酸基含有ポリシロキサン4.9g及 び下記構造式(vii)
 
(式中、Rはメチル基であり、n=35である)で表 れる両末端水酸基含有ポリシロキサン1.38gの トルエン溶液を5分かけて滴下した。両末端 酸基含有ポリシロキサンを滴下終了後、50℃ に加熱し5分間撹拌した後、メタクリル酸2-ヒ ドロキシエチル8.5gを滴下し、4時間撹拌した 反応溶液をクエン酸水溶液及び水で中性に るまで水洗した後、無水硫酸マグネシウム 脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別し 濃縮することでラジカル反応性基を持つシ コーン樹脂9g(回収率80%)を得た。なお、得ら れた樹脂をシリコーン樹脂Eと呼ぶ。

 上記で得られたシリコーン樹脂Eは、種々の 有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。 また、 1 H-NMRよりSiH基のピークの消失を確認した。表1 に、用いたオルガノハイドロジェンポリシロ キサン及び水酸基含有ポリシロキサンの構造 単位の繰り返し数(s,m,n)の平均値、オルガノ イドロジェンポリシロキサンのSiH基に対す N,N-ジエチルヒドロキシルアミンのモル比、 びに得られたシリコーン樹脂に導入された タクリル基の導入率を示す。導入率は 1 H-NMRよりシリコーン樹脂とそれぞれの原料の ーク比から算出した。更に、図5は、得られ たシリコーン樹脂のGPCチャートを示す。図5 ら明らかなようにMwが64000の樹脂が得られて ることが分った。

[実施例6]
 攪拌器および温度計を備えた反応容器に、 ルエン30ml、N,Nジエチルヒドロキシルアミン 1.09g、下記構造式(v)

(式中、Rはメチル基であり、s=30、m=0である) 表されるオルガノハイドロジェンポリシロ サン1.6g、及び下記構造式(vi)

(式中、Rはメチル基であり、s=8、m=16である) 表されるオルガノハイドロジェンポリシロ サン1.56gを装入した。反応容器を撹拌しなが ら、室温で下記構造式(iii)

(式中、Rはメチル基であり、n=659である)で表 れる両末端水酸基含有ポリシロキサン4.9g、 下記構造式(vii)

 
(式中、Rはメチル基であり、n=35である)で表 れる両末端水酸基含有ポリシロキサン1.38g、 下記構造式(viii)

 
(式中、Rはメチル基であり、n=241である)で表 れる両末端水酸基含有ポリシロキサン1.8g、 及び下記構造式(ix)

 
(式中、Rはメチル基であり、n=348である)で表 れる両末端水酸基含有ポリシロキサン2.6gの トルエン溶液を5分かけて滴下した。両末端 酸基含有ポリシロキサンを滴下終了後、50℃ に加熱し5分間撹拌した後、メタクリル酸2-ヒ ドロキシエチル11.30gを滴下し、4時間撹拌し 。反応溶液をクエン酸水溶液及び水で中性 なるまで水洗した後、無水硫酸マグネシウ で脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別 、濃縮することでラジカル反応性基を持つ リコーン樹脂16g(回収率92%)を得た。なお、得 られた樹脂をシリコーン樹脂Fと呼ぶ。

 上記で得られたシリコーン樹脂Fは、種々の 有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。 また、 1 H-NMRよりSiH基のピークの消失を確認した。表1 に、用いたオルガノハイドロジェンポリシロ キサン及び水酸基含有ポリシロキサンの構造 単位の繰り返し数(s,m,n)の平均値、オルガノ イドロジェンポリシロキサンのSiH基に対す N,N-ジエチルヒドロキシルアミンのモル比、 びに得られたシリコーン樹脂に導入された タクリル基の導入率を示す。導入率は 1 H-NMRよりシリコーン樹脂とそれぞれの原料の ーク比から算出した。更に、図6は、得られ たシリコーン樹脂のGPCチャートを示す。図6 ら明らかなようにMwが29000の樹脂が得られて ることが分った。

[実施例7]
 攪拌器および温度計を備えた反応容器に、 ルエン200ml、N,Nジエチルヒドロキシルアミ 1.81g、下記構造式(v)

 
(式中、Rはメチル基であり、s=30、m=0である) 表されるオルガノハイドロジェンポリシロ サン2.97g、及び下記構造式(vi)

 
(式中、Rはメチル基であり、s=8、m=16である) 表されるオルガノハイドロジェンポリシロ サン1.49gを装入した。反応容器を撹拌しなが ら、室温で下記構造式(iii)

 
(式中、Rはメチル基であり、n=659である)で表 れる両末端水酸基含有ポリシロキサン0.71g 下記構造式(vii)

(式中、Rはメチル基であり、n=35である)で表 れる両末端水酸基含有ポリシロキサン2.98g、 下記構造式(viii)

 
(式中、Rはメチル基であり、n=241である)で表 れる両末端水酸基含有ポリシロキサン0.26g 及び下記構造式(ix)

(式中、Rはメチル基であり、n=348である)で表 れる両末端水酸基含有ポリシロキサン0.38g トルエン溶液を5分かけて滴下した。両末端 酸基含有ポリシロキサンを滴下終了後、50 に加熱し5分間撹拌した後、メタクリル酸2- ドロキシエチル18.97gを滴下し、4時間撹拌し 。反応溶液をクエン酸水溶液及び水で中性 なるまで水洗した後、無水硫酸マグネシウ で脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別 、濃縮することでラジカル反応性基を持つ リコーン樹脂14g(回収率93%)を得た。なお、 られた樹脂をシリコーン樹脂Gと呼ぶ。

 上記で得られたシリコーン樹脂Gは、種々の 有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。 また、 1 H-NMRよりSiH基のピークの消失を確認した。表1 に、用いたオルガノハイドロジェンポリシロ キサン及び水酸基含有ポリシロキサンの構造 単位の繰り返し数(s,m,n)の平均値、オルガノ イドロジェンポリシロキサンのSiH基に対す N,N-ジエチルヒドロキシルアミンのモル比、 びに得られたシリコーン樹脂に導入された タクリル基の導入率を示す。導入率は 1 H-NMRよりシリコーン樹脂とそれぞれの原料の ーク比から算出した。更に、図7は、得られ たシリコーン樹脂のGPCチャートを示す。図7 ら明らかなようにMwが11000の樹脂が得られて ることが分った。

[比較例1]
 攪拌器および温度計を備えた反応容器に、 ルエン5ml、及び下記構造式(i)

(式中、Rはメチル基であり、s=7、m=73である) 表されるオルガノハイドロジェンポリシロ サン0.96gを装入した。反応容器を撹拌しなが ら、室温で下記構造式(iii)
 
(式中、Rはメチル基であり、n=659である)で表 れる両末端水酸基含有ポリシロキサン3.91g トルエン溶液を5分かけて滴下した。両末端 酸基含有ポリシロキサンを滴下終了後、50 に加熱し4時間撹拌したが、 1 H-NMRよりSiH基のピークは消失せず反応が進行 なかった。

[比較例2]
 攪拌器および温度計を備えた反応容器に、 ルエン5ml、N,Nジエチルヒドロキシルアミン0 .042g、及び下記構造式(i)
 
(式中、Rはメチル基であり、s=7、m=73である) 表されるオルガノハイドロジェンポリシロ サン0.96gを装入した。反応容器を撹拌しなが ら、室温で下記構造式(iii)
 
(式中、Rはメチル基であり、n=659である)で表 れる両末端水酸基含有ポリシロキサン3.91g トルエン溶液を5分かけて滴下した。両末端 酸基含有ポリシロキサンを滴下終了後、50 に加熱し6時間撹拌し、2日間静置したところ 、ゲル化し溶媒不溶となった。

[比較例3]
 攪拌器および温度計を備えた反応容器に、 ルエン200ml、N,Nジエチルヒドロキシルアミ 7.32g、及び下記構造式(v)

 
(式中、Rはメチル基であり、s=30、m=0である) 表されるオルガノハイドロジェンポリシロ サン13.69gを装入した。反応容器を撹拌しな ら、室温でメタクリル酸2-ヒドロキシエチル 29.39gを滴下し、2時間撹拌した。反応溶液を エン酸水溶液及び水で中性になるまで水洗 た後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。 水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮するこ でラジカル反応性基を持つ硬化性シリコー 樹脂を得た。このシリコーン樹脂は種々の 機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。 お、得られた樹脂をシリコーン樹脂Hと呼ぶ

[比較例4]
 攪拌器および温度計を備えた反応容器に、 ルエン32ml、N,Nジエチルヒドロキシルアミン 1.12g、及び下記構造式(i)

 
(式中、Rはメチル基であり、s=7、m=73である) 表されるオルガノハイドロジェンポリシロ サン25.96gを装入した。反応容器を撹拌しな ら、室温でメタクリル酸2-ヒドロキシエチル 12.30gを滴下し、10時間撹拌した。反応溶液を エン酸水溶液及び水で中性になるまで水洗 た後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。 水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮するこ でラジカル反応性基を持つ硬化性シリコー 樹脂を得た。このシリコーン樹脂は種々の 機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。 お、得られた樹脂をシリコーン樹脂Iと呼ぶ 。

[実施例8]
 上記実施例1で得られたシリコーン樹脂A(100 量部)、及び光重合開始剤として1-ヒドロキ シクロヘキシルフェニルケトン(2.5重量部) 混合し、透明なシリコーン樹脂組成物(硬化 樹脂組成物)を得た。

 次に、2枚のガラス板(各厚み10mm)の間に、上 記で得た硬化型樹脂組成物が厚さ0.4mmとなる うに挟み込み、これに水銀ランプを用いて3 0秒間光照射して(積算露光量:6400mJ/cm 2 )硬化させ、200mm×200mm×厚さ0.4mmのシート状の リコーン樹脂成形体を得た。

[実施例9~13及び比較例5~6]
 使用したシリコーン樹脂及び光重合開始剤 表2に示す通りにした以外は、実施例8と同 にしてシリコーン樹脂成形体を得た。

 上記実施例8~13及び比較例5~6で得られた成形 体の物性値を評価した。得られた評価結果を 表2に示す。ここで、表2で用いた略号につい 、Jは1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニル トン(重合開始剤)を表し、Kは2-ヒドロキシ-2 -メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(重合開始 剤)を表し、J及びKの欄に記した数値は重合性 成分100重量部に対しての重合開始剤の重量部 を示す。また、表中に記したs、m及びnの数値 は、各シリコーン樹脂を得る際に用いた下記 構造単位の繰り返し数を表す。更に、CTEは50 から150℃における線膨張係数を表す。

 

 また、成形体の物性評価は以下の方法で行 た。
(1)弾性率、伸度:引っ張り試験(ORIENTEC社製RTE-1 210)を用いて25℃における各成形体の弾性率及 び伸度を測定した。この際、実施例8、比較 5及び比較例6で得られた成形体についてはチ ャック間距離50mm、及び引っ張り速度5mm/minの 件で測定した。実施例9~13で得られた成形体 についてはチャック間距離25mm、及び引っ張 速度50mm/minの条件で測定した。
(2)透過率:日立製作所社製U4000を用い、試料( 形体)の厚みを0.4mmにして、波長550nmの光の透 過率を測定した。
(3)線膨張係数:熱機械分析法に基づき、昇温 度5℃/minの条件で測定した。

 

 本発明のシリコーン樹脂は、柔軟性、靭 、及び耐熱性に優れると共に、高い透明性 有した硬化物が得られるように、任意の長 の長鎖シリコーン鎖と任意の数や種類の硬 型反応性基とが選択的にシリコーン鎖に導 されたシリコーン樹脂であり、種々の用途 硬化物を得ることが可能である。より詳し は、本発明のシリコーン樹脂は、柔軟性や 衝撃性に優れるといった従来のシリコーン 脂の特性と、速硬化性に優れたアクリレー 樹脂の特性とを兼ね備えている。そのため 本発明のシリコーン樹脂をラジカル重合開 剤と組み合わせて樹脂組成物とすることで 短時間で硬化して、耐熱性、透明性、柔軟 、耐衝撃性等に優れた成形体を製造するこ ができる。そして、得られた成形体は、例 ばタッチパネル基板、フラットパネルディ プレイ基板、レンズ、光ディスク、光ファ バー等の光学用途をはじめ、各種輸送機械 住宅等の窓材など様々な用途に用いること でき、また、軽量の透明部材として得るこ ができることから、これまで広範な分野で 用されてきたガラスの代替材料として使用 能であり、その産業上の利用価値は極めて い。