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Title:
SINGLE-SCREW COMPRESSOR, AND SCREW ROTOR MACHINING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/019882
Kind Code:
A1
Abstract:
In a screw rotor (40), a first suction-side region (45) is formed in a first sidewall face (42) of a helical groove (41). In the first sidewall face (42), the portion from its starting end to the position, at which a compression chamber (23) is closed off, forms the first suction-side region (45) as a whole. The first suction-side region (45) is made lower than the portion of the first suction-side region (45) in the first sidewall face (42), so that it does not contact the gate (51) of a gate rotor (50).

Inventors:
MIYAMURA HARUNORI (JP)
OKADA TADASHI (JP)
TAKAHASHI TAKAYUKI (JP)
OHTSUKA KANAME (JP)
SUSA TOSHIHIRO (JP)
UENO HIROMICHI (JP)
MURONO TAKANORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/002157
Publication Date:
February 12, 2009
Filing Date:
August 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
MIYAMURA HARUNORI (JP)
OKADA TADASHI (JP)
TAKAHASHI TAKAYUKI (JP)
OHTSUKA KANAME (JP)
SUSA TOSHIHIRO (JP)
UENO HIROMICHI (JP)
MURONO TAKANORI (JP)
International Classes:
F04C29/00; F04C18/16; F04C18/52
Foreign References:
JPS6017284A1985-01-29
JPH03164591A1991-07-16
JPH11336681A1999-12-07
JP2002202080A2002-07-19
Other References:
See also references of EP 2182217A4
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Hiroshi et al. (5-7 Hommachi 2-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 53, JP)
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Claims:
 外周部に複数の螺旋溝(41)が形成されたスクリューロータ(40)と、該スクリューロータ(40)を収容するケーシング(10)と、該スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)と噛み合わされる複数のゲート(51)が放射状に形成されたゲートロータ(50)とを備え、
 上記スクリューロータ(40)と上記ケーシング(10)と上記ゲート(51)とで区画された圧縮室(23)内の流体を、上記ゲート(51)が上記螺旋溝(41)の始端から終端へ向かって相対的に移動することによって圧縮するシングルスクリュー圧縮機であって、
 上記スクリューロータ(40)の上記螺旋溝(41)の一対の側壁面のうち上記ゲート(51)の移動方向の前側に位置するものである第1側壁面(42)では、該第1側壁面(42)の始端から上記圧縮室(23)が閉じきり状態となる直前の位置に亘る部分の全体が、上記ゲート(51)の側面と非接触状態となるように掘り下げられた第1吸入側領域(45)となっている
ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
 請求項1において、
 上記第1吸入側領域(45)は、その深さが上記螺旋溝(41)の始端へ向かって次第に深くなっている
ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
 請求項2において、
 上記スクリューロータ(40)の上記螺旋溝(41)の一対の側壁面のうち上記ゲート(51)の移動方向の後側に位置するものである第2側壁面(43)では、該第2側壁面(43)の始端部分が掘り下げられた第2吸入側領域(47)となっており、
 上記第2吸入側領域(47)は、その深さが上記螺旋溝(41)の始端へ向かって次第に深くなっている
ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
 請求項3において、
 上記螺旋溝(41)の始端における上記第1吸入側領域(45)の深さが、上記螺旋溝(41)の始端における上記第2吸入側領域(47)の深さよりも深くなっている
ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
 請求項1乃至4の何れか一つにおいて、
 上記スクリューロータ(40)の上記螺旋溝(41)の底壁面(44)では、該底壁面(44)の始端から上記圧縮室(23)が閉じきり状態となる直前の位置に亘る部分の全体が、上記ゲート(51)の先端面と非接触状態となるように掘り下げられた第3吸入側領域(46)となっている
ことを特徴とするシングルスクリュー圧縮機。
 請求項1に記載のシングルスクリュー圧縮機のスクリューロータを加工する方法であって、
 上記スクリューロータとなるワーク(120)を5軸加工機(100)で切削する際に、該5軸加工機(100)を用いた仕上げ工程における切削工具(110)の移動経路を、上記螺旋溝(41)の第1側壁面(42)に上記第1吸入側領域(45)が形成されるように設定する
ことを特徴とするスクリューロータの加工方法。
Description:
シングルスクリュー圧縮機およ スクリューロータの加工方法

 本発明は、シングルスクリュー圧縮機の 率向上策に関するものである。

 従来より、冷媒や空気を圧縮する圧縮機 して、シングルスクリュー圧縮機が用いら ている。例えば、特許文献1には、1つのス リューロータと2つのゲートロータとを備え シングルスクリュー圧縮機が開示されてい 。

 このシングルスクリュー圧縮機について 図13を参照しながら説明する。同図に示す うに、スクリューロータ(200)は、概ね円柱状 に形成されており、その外周部に複数条の螺 旋溝(201)が刻まれている。ゲートロータ(210) 、概ね平板状に形成されており、スクリュ ロータ(200)の側方に配置されている。このゲ ートロータ(210)には、複数の長方形板状のゲ ト(211)が放射状に設けられている。ゲート ータ(210)は、その回転軸がスクリューロータ (200)の回転軸と直交する姿勢で設置され、ゲ ト(211)がスクリューロータ(200)の螺旋溝(201) 噛み合わされる。

 図13には図示しないが、シングルスクリュ 圧縮機では、スクリューロータ(200)とゲート ロータ(210)がケーシングに収容されており、 クリューロータ(200)の螺旋溝(201)と、ゲート ロータ(210)のゲート(211)と、ケーシングの内 面とによって圧縮室(220)が形成される。スク リューロータ(200)を電動機等で回転駆動する 、スクリューロータ(200)の回転に伴ってゲ トロータ(210)が回転する。そして、ゲートロ ータ(210)のゲート(211)が、噛み合った螺旋溝(2 01)の始端(同図における左端)から終端(同図に おける右端)へ向かって相対的に移動し、閉 きり状態となった圧縮室(220)の容積が次第に 縮小する。その結果、圧縮室(220)内の流体が 縮される。

特開2002-202080号公報

 シングルスクリュー圧縮機では、ある一 の圧縮室(220)の吸入行程の終盤から圧縮行 の序盤に亘る期間において、その圧縮室(220) 区画するゲート(211)が螺旋溝(201)の始端部分 進入してゆく。ゲート(211)が螺旋溝(201)へ進 してゆく過程において、ゲート(211)は、ゲ ト(211)の進行方向の前方に位置する螺旋溝(20 1)の側壁面(202)及び螺旋溝(201)の底壁面(204)と 接し、その後にゲート(211)の進行方向の後 に位置する螺旋溝(201)の側壁面(203)とも摺接 る。圧縮室(220)は、螺旋溝(201)の両方の側壁 面(202,203)と底壁面(204)の全てがゲート(211)と 接した後に、圧縮前の低圧ガスが存在する 圧空間から遮断された閉じきり状態となる

 このように、吸入行程の終盤から圧縮行 の序盤に亘る期間において、ゲート(211)の 行方向の後方に位置する螺旋溝(201)の側壁面 (203)とゲート(211)が摺接するまでの間は、圧 室(220)は低圧空間と連通した状態となる。こ のため、圧縮室(220)が閉じきり状態となるま の間は、ゲート(211)とスクリューロータ(200) の間をシールすることは不要である。そして 、その間もゲート(211)とスクリューロータ(200 )を摺接させると、両者の摺動抵抗によって 力が消費されてしまい、スクリュー圧縮機 効率低下を招くおそれがあった。

 本発明は、かかる点に鑑みてなされたも であり、その目的は、スクリューロータと ートロータが摺接する時間を短縮し、両者 摺動抵抗によって消費される動力を削減し シングルスクリュー圧縮機の効率を向上さ ることにある。

 第1の発明は、外周部に複数の螺旋溝(41) 形成されたスクリューロータ(40)と、該スク ューロータ(40)を収容するケーシング(10)と 該スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)と噛み合 わされる複数のゲート(51)が放射状に形成さ たゲートロータ(50)とを備え、上記スクリュ ロータ(40)と上記ケーシング(10)と上記ゲー (51)とで区画された圧縮室(23)内の流体を、上 記ゲート(51)が上記螺旋溝(41)の始端から終端 向かって相対的に移動することによって圧 するシングルスクリュー圧縮機を対象とす 。そして、上記スクリューロータ(40)の上記 螺旋溝(41)の一対の側壁面のうち上記ゲート(5 1)の移動方向の前側に位置するものである第1 側壁面(42)では、該第1側壁面(42)の始端から上 記圧縮室(23)が閉じきり状態となる直前の位 に亘る部分の全体が、上記ゲート(51)の側面 非接触状態となるように掘り下げられた第1 吸入側領域(45)となるものである。

 第1の発明では、スクリューロータ(40)の 旋溝(41)にゲートロータ(50)のゲート(51)が噛 合わされる。スクリューロータ(40)とゲート ータ(50)が回転すると、螺旋溝(41)の始端か 終端へ向かってゲート(51)が相対移動し、圧 室(23)内の流体が圧縮される。ゲート(51)が 旋溝(41)の始端側へ進入する過程では、ゲー (51)が螺旋溝(41)の両側の側壁面(42,43)および 壁面(44)に摺接すると、圧縮室(23)が閉じき 状態となる。

 第1の発明のスクリューロータ(40)では、 旋溝(41)の両側の側壁面(42,43)のうちゲート(51 )の相対移動方向の前方に位置する第1側壁面( 42)に、第1吸入側領域(45)が形成される。圧縮 (23)が閉じきり状態となるまでの間は、ゲー ト(51)の側面がスクリューロータ(40)の第1吸入 側領域(45)と対面しており、ゲート(51)の側面 スクリューロータ(40)の第1側壁面(42)とは非 触状態となる。従って、圧縮室(23)が閉じき り状態となるまでの間は、ゲート(51)とスク ューロータ(40)の第1側壁面(42)との間におけ 摺動抵抗が実質的にゼロとなる。

 第2の発明は、上記第1の発明において、 記第1吸入側領域(45)は、その深さが上記螺旋 溝(41)の始端へ向かって次第に深くなってい ものである。

 第2の発明では、第1側壁面(42)の第1吸入側 領域(45)とゲート(51)とのクリアランスが、螺 溝(41)の始端に近い位置ほど広くなる。この ため、ゲート(51)が螺旋溝(41)の始端側へ進入 てゆく過程において、ゲート(51)は、第1側 面(42)の始端に引っ掛かったりすることなく スムーズに螺旋溝(41)内へ進入してゆく。

 第3の発明は、上記第2の発明において、 記スクリューロータ(40)の上記螺旋溝(41)の一 対の側壁面のうち上記ゲート(51)の移動方向 後側に位置するものである第2側壁面(43)では 、該第2側壁面(43)の始端部分が掘り下げられ 第2吸入側領域(47)となっており、上記第2吸 側領域(47)は、その深さが上記螺旋溝(41)の 端へ向かって次第に深くなっているもので る。

 第3の発明では、螺旋溝(41)の両側の側壁 (42,43)のうちゲート(51)の相対移動方向の後方 に位置する第2側壁面(43)に、第2吸入側領域(47 )が形成される。第2側壁面(43)の第2吸入側領 (47)とゲート(51)とのクリアランスが、螺旋溝 (41)の始端に近い位置ほど広くなる。このた 、ゲート(51)が螺旋溝(41)の始端側へ進入して ゆく過程において、ゲート(51)は、第2側壁面( 43)の始端に引っ掛かったりすることなく、ス ムーズに螺旋溝(41)内へ進入してゆく。

 第4の発明は、上記第3の発明において、 記螺旋溝(41)の始端における上記第1吸入側領 域(45)の深さが、上記螺旋溝(41)の始端におけ 上記第2吸入側領域(47)の深さよりも深くな ているものである。

 第4の発明では、第1吸入側領域(45)及び第2 吸入側領域(47)の深さが最大となる螺旋溝(41) 始端において、第1吸入側領域(45)の方が第2 入側領域(47)よりも深くなる。

 第5の発明は、上記第1~第4の発明の何れか 一つにおいて、上記スクリューロータ(40)の 記螺旋溝(41)の底壁面(44)では、該底壁面(44) 始端から上記圧縮室(23)が閉じきり状態とな 直前の位置に亘る部分の全体が、上記ゲー (51)の先端面と非接触状態となるように掘り 下げられた第3吸入側領域(46)となるものであ 。

 第5の発明のスクリューロータ(40)では、 旋溝(41)の両側の側壁面(42,43)のうちゲート(51 )の相対移動方向の前方に位置する第1側壁面( 42)だけでなく、螺旋溝(41)の底壁面(44)にも第3 吸入側領域(46)が形成される。圧縮室(23)が閉 きり状態となるまでの間は、ゲート(51)の先 端面がスクリューロータ(40)の第3吸入側領域( 46)と対面しており、ゲート(51)の先端面とス リューロータ(40)の底壁面(44)とは非接触状態 となる。従って、圧縮室(23)が閉じきり状態 なるまでの間は、ゲート(51)とスクリューロ タ(40)の底壁面(44)との間における摺動抵抗 実質的にゼロとなる。

 第6の発明は、上記第1の発明のシングル クリュー圧縮機のスクリューロータを加工 る方法を対象とする。そして、上記スクリ ーロータとなるワーク(120)を5軸加工機(100)で 切削する際に、該5軸加工機(100)を用いた仕上 げ工程における切削工具(110)の移動経路を、 記螺旋溝(41)の第1側壁面(42)又は底壁面(44)に 上記吸入側領域(45,46)が形成されるように設 するものである。

 第6の発明では、5軸加工機(100)を用いてス クリューロータ(40)の加工が行われる。スク ューロータ(40)の仕上げ加工工程では、スク ューロータ(40)となるワーク(120)の表面が、 ンドミル等の切削工具(110)によって削り取 れてゆく。その際、5軸加工機(100)における 削工具(110)の移動経路は、スクリューロータ (40)における螺旋溝(41)の第1側壁面(42)に第1吸 側領域(45)が形成されるように設定される。 つまり、この発明の加工方法では、スクリュ ーロータ(40)の仕上げ加工と同時に第1吸入側 域(45)の形成が行われる。

 上記第1の発明では、スクリューロータ(40 )における螺旋溝(41)の第1側壁面(42)に第1吸入 領域(45)が形成されている。そして、圧縮室 (23)が閉じきり状態となるまでの間において その相対移動方向の前側に位置するゲート(5 1)の側面は、螺旋溝(41)の第1側壁面(42)と非接 状態に保たれる。つまり、ゲート(51)がスク リューロータ(40)の螺旋溝(41)へ進入してゆく 程おいて、ゲート(51)とスクリューロータ(40 )の隙間をシールする必要がない間は、ゲー (51)と螺旋溝(41)の第1側壁面(42)とが非接触状 となる。このため、その間にゲート(51)とス クリューロータ(40)の摺動によって消費され 動力を削減することができ、シングルスク ュー圧縮機(1)の効率を向上させることがで る。

 上記第2の発明では、第1側壁面(42)の第1吸 入側領域(45)とゲート(51)とのクリアランスが 螺旋溝(41)の始端に近い位置ほど広くなる。 更に、上記第3の発明では、第2側壁面(43)の第 2吸入側領域(47)とゲート(51)とのクリアランス が、螺旋溝(41)の始端に近い位置ほど広くな 。従って、これらの発明によれば、螺旋溝(4 1)とゲート(51)の相対的な位置が設計値と完全 には一致していない場合であっても、ゲート (51)を螺旋溝(41)内へスムーズに進入させるこ ができ、ゲート(51)の破損や摩耗を未然に防 ぐことができる。

 上記第5の発明では、圧縮室(23)が閉じき 状態となるまでの間において、ゲート(51)の 面が螺旋溝(41)の第1側壁面(42)と非接触状態 保たれるだけでなく、ゲート(51)の先端面も 螺旋溝(41)の底壁面(44)と非接触状態に保たれ 。このため、その間にゲート(51)とスクリュ ーロータ(40)の摺動に伴って消費される動力 一層削減することができ、シングルスクリ ー圧縮機(1)の効率を更に向上させることが きる。

 上記第6の発明では、5軸加工機(100)を用い たスクリューロータ(40)の仕上げ加工工程中 第1吸入側領域(45)が形成される。このため、 スクリューロータ(40)となるワーク(120)を5軸 工機(100)に一旦取り付けると、その後は5軸 工機(100)からワーク(120)を取り外すことなく 旋溝(41)の加工を完了させることができる。 従って、この発明によれば、スクリューロー タ(40)の加工に要する時間を短縮することが きる。また、この発明によれば、5軸加工機( 100)を用いることによって、螺旋溝(41)の第1側 壁面(42)の始端から圧縮室(23)が閉じきり状態 なるまでの領域を、全体に亘って容易に掘 下げることができる。

図1は、実施形態に係るシングルスクリ ュー圧縮機の要部の構成を示す縦断面図であ る。 図2は、図1のII-II線における横断面図で ある。 図3は、実施形態に係るシングルスクリ ュー圧縮機の要部を抜き出して示す斜視図で ある。 図4は、実施形態に係るシングルスクリ ュー圧縮機の要部を抜き出して示す斜視図で ある。 図5は、図4に示したスクリューロータ 展開図である。 図6は、実施形態に係る圧縮機構の動作 を示す平面図であり、(A)は吸入行程を示し、 (B)は圧縮行程を示し、(C)は吐出行程示す。 図7は、スクリューロータの加工に用い る5軸マシニングセンタの全体構成を示す概 の斜視図である。 図8は、スクリューロータの加工に用い る5軸マシニングセンタの要部を示す概略の 視図である。 図9は、実施形態の変形例1のスクリュ ロータの展開図である。 図10は、実施形態の変形例1のスクリュ ーロータ壁部の要部を示す断面図である。 図11は、実施形態の変形例1のスクリュ ーロータ壁部の要部を示す断面図である。 図12は、実施形態の変形例2のスクリュ ーロータの展開図である。 図13は、一般的なシングルスクリュー 縮機の要部の構成を示す平面図である。

符号の説明

  1  シングルスクリュー圧縮機
  10  ケーシング
  23  圧縮室
  40  スクリューロータ
  41  螺旋溝
  42  第1側壁面
  43  第2側壁面
  44  底壁面
  45  第1吸入側領域
  46  第3吸入側領域
  47  第2吸入側領域
  50  ゲートロータ
  51  ゲート
 100  5軸マシニングセンタ(5軸加工機)
 110  切削工具

 以下、本発明の実施形態を図面に基づい 詳細に説明する。

 本実施形態のシングルスクリュー圧縮機( 1)(以下、単にスクリュー圧縮機と言う。)は 冷凍サイクルを行う冷媒回路に設けられて 媒を圧縮するためのものである。

 図1,図2に示すように、スクリュー圧縮機( 1)は、半密閉型に構成されている。このスク ュー圧縮機(1)では、圧縮機構(20)とそれを駆 動する電動機とが1つのケーシング(10)に収容 れている。圧縮機構(20)は、駆動軸(21)を介 て電動機と連結されている。図1において、 動機は省略されている。また、ケーシング( 10)内には、冷媒回路の蒸発器から低圧のガス 冷媒が導入されると共に該低圧ガスを圧縮機 構(20)へ案内する低圧空間(S1)と、圧縮機構(20) から吐出された高圧のガス冷媒が流入する高 圧空間(S2)とが区画形成されている。

 圧縮機構(20)は、ケーシング(10)内に形成 れた円筒壁(30)と、該円筒壁(30)の中に配置さ れた1つのスクリューロータ(40)と、該スクリ ーロータ(40)に噛み合う2つのゲートロータ(5 0)とを備えている。スクリューロータ(40)には 、駆動軸(21)が挿通されている。スクリュー ータ(40)と駆動軸(21)は、キー(22)によって連 されている。駆動軸(21)は、スクリューロー (40)と同軸上に配置されている。駆動軸(21) 先端部は、圧縮機構(20)の高圧側(図1におけ 駆動軸(21)の軸方向を左右方向とした場合の 側)に位置する軸受ホルダ(60)に回転自在に 持されている。この軸受ホルダ(60)は、玉軸 (61)を介して駆動軸(21)を支持している。

 図3,図4に示すように、スクリューロータ( 40)は、概ね円柱状に形成された金属製の部材 である。スクリューロータ(40)は、円筒壁(30) 回転可能に嵌合しており、その外周面が円 壁(30)の内周面と摺接する。スクリューロー タ(40)の外周部には、スクリューロータ(40)の 端から他端へ向かって螺旋状に延びる螺旋 (41)が複数(本実施形態では、6本)形成されて いる。スクリューロータ(40)では、隣り合っ 螺旋溝(41)の間が壁部(48)となっており、壁部 (48)の表面が螺旋溝(41)の側壁面(42,43)を構成し ている。

 スクリューロータ(40)の各螺旋溝(41)は、 4における左端が始端となり、同図における 端が終端となっている。また、スクリュー ータ(40)は、同図における左端部(吸入側の 部)がテーパー状に形成されている。図4に示 すスクリューロータ(40)では、テーパー面状 形成されたその左端面に螺旋溝(41)の始端が 口する一方、その右端面に螺旋溝(41)の終端 は開口していない。

 螺旋溝(41)では、両側の側壁面(42,43)のう 、ゲート(51)の進行方向の前側に位置するも が第1側壁面(42)となり、ゲート(51)の進行方 の後側に位置するものが第2側壁面(43)とな ている。スクリューロータ(40)では、螺旋溝( 41)の第1側壁面(42)及び底壁面(44)の一部分が吸 入側領域(45,46)となっている。この点につい は、後述する。

 各ゲートロータ(50)は、長方形板状に形成 された複数(本実施形態では、11枚)のゲート(5 1)が放射状に設けられた樹脂製の部材である 各ゲートロータ(50)は、円筒壁(30)の外側に スクリューロータ(40)の回転軸に対して軸対 となるように配置されている。各ゲートロ タ(50)の軸心は、スクリューロータ(40)の軸 と直交している。各ゲートロータ(50)は、ゲ ト(51)が円筒壁(30)の一部を貫通してスクリ ーロータ(40)の螺旋溝(41)に噛み合うように配 置されている。

 ゲートロータ(50)は、金属製のロータ支持 部材(55)に取り付けられている(図3を参照)。 ータ支持部材(55)は、基部(56)とアーム部(57) 軸部(58)とを備えている。基部(56)は、やや肉 厚の円板状に形成されている。アーム部(57) 、ゲートロータ(50)のゲート(51)と同数だけ設 けられており、基部(56)の外周面から外側へ かって放射状に延びている。軸部(58)は、棒 に形成されて基部(56)に立設されている。軸 部(58)の中心軸は、基部(56)の中心軸と一致し いる。ゲートロータ(50)は、基部(56)及びア ム部(57)における軸部(58)とは反対側の面に取 り付けられている。各アーム部(57)は、ゲー (51)の背面に当接している。

 ゲートロータ(50)が取り付けられたロータ 支持部材(55)は、円筒壁(30)に隣接してケーシ グ(10)内に区画形成されたゲートロータ室(90 )に収容されている(図2を参照)。図2における クリューロータ(40)の右側に配置されたロー タ支持部材(55)は、ゲートロータ(50)が下端側 なる姿勢で設置されている。一方、同図に けるスクリューロータ(40)の左側に配置され たロータ支持部材(55)は、ゲートロータ(50)が 端側となる姿勢で設置されている。各ロー 支持部材(55)の軸部(58)は、ゲートロータ室(9 0)内の軸受ハウジング(91)に玉軸受(92,93)を介 て回転自在に支持されている。なお、各ゲ トロータ室(90)は、低圧空間(S1)に連通してい る。

 圧縮機構(20)では、円筒壁(30)の内周面と スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)と、ゲート ロータ(50)のゲート(51)とによって囲まれた空 が圧縮室(23)になる。スクリューロータ(40) 螺旋溝(41)は、吸入側端部において低圧空間( S1)に開放しており、この開放部分が圧縮機構 (20)の吸入口(24)になっている。

 スクリュー圧縮機(1)には、容量制御機構 してスライドバルブ(70)が設けられている。 このスライドバルブ(70)は、円筒壁(30)がその 方向の2カ所において径方向外側に膨出した スライドバルブ収納部(31)内に設けられてい 。スライドバルブ(70)は、内面が円筒壁(30)の 内周面の一部を構成すると共に、円筒壁(30) 軸方向にスライド可能に構成されている。

 スライドバルブ(70)が高圧空間(S2)寄り(図1 における駆動軸(21)の軸方向を左右方向とし 場合の右側寄り)へスライドすると、スライ バルブ収納部(31)の端面(P1)とスライドバル (70)の端面(P2)との間に軸方向隙間が形成され る。この軸方向隙間は、圧縮室(23)から低圧 間(S1)へ冷媒を戻すためのバイパス通路(33)と なっている。スライドバルブ(70)を移動させ バイパス通路(33)の開度を変更すると、圧縮 構(20)の容量が変化する。また、スライドバ ルブ(70)には、圧縮室(23)と高圧空間(S2)とを連 通させるための吐出口(25)が形成されている

 上記スクリュー圧縮機(1)には、スライド ルブ(70)をスライド駆動させるためのスライ ドバルブ駆動機構(80)が設けられている。こ スライドバルブ駆動機構(80)は、軸受ホルダ( 60)に固定されたシリンダ(81)と、該シリンダ(8 1)内に装填されたピストン(82)と、該ピストン (82)のピストンロッド(83)に連結されたアーム( 84)と、該アーム(84)とスライドバルブ(70)とを 結する連結ロッド(85)と、アーム(84)を図1の 方向(アーム(84)をケーシング(10)から引き離 方向)に付勢するスプリング(86)とを備えて る。

 図1に示すスライドバルブ駆動機構(80)で 、ピストン(82)の左側空間(ピストン(82)のス リューロータ(40)側の空間)の内圧が、ピスト ン(82)の右側空間(ピストン(82)のアーム(84)側 空間)の内圧よりも高くなっている。そして スライドバルブ駆動機構(80)は、ピストン(82 )の右側空間の内圧(即ち、右側空間内のガス )を調節することによって、スライドバルブ (70)の位置を調整するように構成されている

 スクリュー圧縮機(1)の運転中において、 ライドバルブ(70)では、その軸方向の端面の 一方に圧縮機構(20)の吸入圧が、他方に圧縮 構(20)の吐出圧がそれぞれ作用する。このた 、スクリュー圧縮機(1)の運転中において、 ライドバルブ(70)には、常にスライドバルブ (70)を低圧空間(S1)側へ押す方向の力が作用す 。従って、スライドバルブ駆動機構(80)にお けるピストン(82)の左側空間及び右側空間の 圧を変更すると、スライドバルブ(70)を高圧 間(S2)側へ引き戻す方向の力の大きさが変化 し、その結果、スライドバルブ(70)の位置が 化する。

 スクリューロータ(40)に形成された吸入側 領域(45,46)について、図4,図5を参照しながら 明する。

 電動機により駆動されてスクリューロー (40)が回転すると、スクリューロータ(40)の 転に伴ってゲートロータ(50)が回転する。図4 において、手前側のゲートロータ(50)は右回 に回転し、奥側のゲートロータ(50)は左回り 回転する。同図において、ゲートロータ(50) の手前側に位置する螺旋溝(41)では、圧縮室(2 3)がゲート(51)によって上下に仕切られた状態 となっており、ゲート(51)の上側の部分が低 空間(S1)に連通する一方、ゲート(51)の下側の 部分が閉空間となるか或いは高圧空間(S2)と 通している。

 図4において、手前側のゲートロータ(50) 設けられているゲート(51a)の位置は、そのゲ ート(51a)が噛み合う螺旋溝(41)において圧縮室 (23)が閉じきり状態(即ち、低圧空間(S1)と高圧 空間(S2)のどちらにも連通しない閉空間)とな た地点から少しだけ先に進んだ位置となっ いる。このゲート(51a)が噛み合う螺旋溝(41) は、第1側壁面(42)及び底壁面(44)のうち、ゲ ト(51a)よりも上側に位置する部分が吸入側 域(45,46)となっている。

 螺旋溝(41)の始端へゲート(51)が進入して く過程において、ゲート(51)が図5に示す閉じ きり位置に到達すると、圧縮室(23)は、ゲー (51)によって低圧空間(S1)から遮断された閉じ きり状態となる。そして、スクリューロータ (40)に形成された各螺旋溝(41)では、第1側壁面 (42)及び底壁面(44)のうち螺旋溝(41)の始端から 圧縮室(23)が閉じきり状態となるまでの部分 即ち図4及び図5に示す第1側壁面(42)及び底壁 (44)のうち斜線を付した部分が、吸入側領域 (45,46)となる。つまり、図4に示すゲート(51a) 噛み合う螺旋溝(41)以外の螺旋溝(41)において も、第1側壁面(42)及び底壁面(44)のうち同様の 部分が吸入側領域(45,46)となっている。そし 、各螺旋溝(41)では、第1側壁面(42)に形成さ た吸入側領域が第1吸入側領域(45)となり、底 壁面(44)に形成された吸入側領域が第3吸入側 域(46)となっている。

 第1側壁面(42)には、第1吸入側領域(45)が形 成されている。この第1側壁面(42)において、 1吸入側領域(45)は、第1吸入側領域(45)以外の 部分(即ち、圧縮室(23)が閉じきり状態となる 置から終端までの部分)に比べて低くなるよ うに掘り下げられている。その結果、第1吸 側領域(45)とゲート(51)の側面とのクリアラン スは、第1側壁面(42)のうち第1吸入側領域(45) 外の部分とゲート(51)の側面とのクリアラン に比べて、例えば0.1mm程度広くなっている

 底壁面(44)には、第3吸入側領域(46)が形成 れている。この底壁面(44)において、第3吸 側領域(46)は、第3吸入側領域(46)以外の部分( ち、圧縮室(23)が閉じきり状態となる位置か ら終端までの部分)に比べて低くなるように り下げられている。その結果、第3吸入側領 (46)とゲート(51)の先端面とのクリアランス 、底壁面(44)のうち第3吸入側領域(46)以外の 分とゲート(51)の先端面とのクリアランスに べて、例えば0.1mm程度広くなっている。

  -運転動作-
 上記シングルスクリュー圧縮機(1)の運転動 について説明する。

 シングルスクリュー圧縮機(1)において電 機を起動すると、駆動軸(21)が回転するのに 伴ってスクリューロータ(40)が回転する。こ スクリューロータ(40)の回転に伴ってゲート ータ(50)も回転し、圧縮機構(20)が吸入行程 圧縮行程および吐出行程を繰り返す。ここ は、図6において網掛けを付した圧縮室(23)に 着目して説明する。

 図6(A)において、網掛けを付した圧縮室(23 )は、低圧空間(S1)に連通している。また、こ 圧縮室(23)が形成されている螺旋溝(41)は、 図の下側に位置するゲートロータ(50)のゲー (51)と噛み合わされている。スクリューロー タ(40)が回転すると、このゲート(51)が螺旋溝( 41)の終端へ向かって相対的に移動し、それに 伴って圧縮室(23)の容積が拡大する。その結 、低圧空間(S1)の低圧ガス冷媒が吸入口(24)を 通じて圧縮室(23)へ吸い込まれる。

 スクリューロータ(40)が更に回転すると、 図6(B)の状態となる。同図において、網掛け 付した圧縮室(23)は、閉じきり状態となって る。つまり、この圧縮室(23)が形成されてい る螺旋溝(41)は、同図の上側に位置するゲー ロータ(50)のゲート(51)と噛み合わされ、この ゲート(51)によって低圧空間(S1)から仕切られ いる。そして、スクリューロータ(40)の回転 に伴ってゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向か て相対的に移動すると、圧縮室(23)の容積が 次第に縮小する。その結果、圧縮室(23)内の ス冷媒が圧縮される。

 スクリューロータ(40)が更に回転すると、 図6(C)の状態となる。同図において、網掛け 付した圧縮室(23)は、吐出口(25)を介して高圧 空間(S2)と連通した状態となっている。そし 、スクリューロータ(40)の回転に伴ってゲー (51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって相対的に 動すると、圧縮された冷媒ガスが圧縮室(23) ら高圧空間(S2)へ押し出されてゆく。

 圧縮機構(20)に形成された複数の圧縮室(23 )のうちの一つに着目すると、その圧縮室(23) 吸入行程の終盤から圧縮行程の序盤に亘る 間において、その圧縮室(23)を区画するゲー ト(51)は、スクリューロータ(40)の端面に開口 る吸入口(24)を通って螺旋溝(41)内へ進入し くる。ゲート(51)が螺旋溝(41)内へ進入してく る過程において、ゲート(51)は、先ず、その 行方向の前方に位置する側面と先端面だけ 螺旋溝(41)の壁面(42,44)と対面する状態となり 、その後に、その進行方向の後方に位置する 側面も螺旋溝(41)の壁面(43)と対面する状態と る。

 本実施形態のスクリューロータ(40)では、 第1側壁面(42)と底壁面(44)に吸入側領域(45,46) 形成されている。そのため、ゲート(51)が螺 溝(41)内へ進入してくる過程において、ゲー ト(51)が第1側壁面(42)及び底壁面(44)だけと対 している間は、ゲート(51)はスクリューロー (40)と非接触状態に保たれる。その間は螺旋 溝(41)が低圧空間(S1)と連通しているため、ゲ ト(51)とスクリューロータ(40)の間に比較的 きな隙間があっても、何ら問題は生じない そして、螺旋溝(41)内の圧縮室(23)が閉じきり 状態となる位置にゲート(51)が到達すると、 ート(51)は、螺旋溝(41)の両側の側壁面(42,43) 底壁面(44)と摺接する状態となる。

 なお、螺旋溝(41)内の圧縮室(23)が閉じき 状態となる位置にゲート(51)が到達した後に いて、ゲート(51)と螺旋溝(41)の側壁面(42,43,4 4)とは物理的に擦れ合っている必要はなく、 者の間に微小な隙間があっても差し支えな 。つまり、ゲート(51)と螺旋溝(41)の側壁面(4 2,43,44)との間に微小な隙間があっても、この 間が潤滑油からなる油膜でシールできる程 のものであれば、圧縮室(23)の気密性は保た れ、圧縮室(23)から漏れ出すガス冷媒の量は かな量に抑えられる。

  -スクリューロータの加工方法-
 本実施形態のスクリューロータ(40)は、5軸 工機である5軸マシニングセンタ(100)を用い 加工される。

 図7に示すように、5軸マシニングセンタ(1 00)は、エンドミル等の切削工具(110)が取り付 られる主軸(101)と、主軸(101)が取り付けられ るコラム(102)とを備えている。また、5軸マシ ニングセンタ(100)は、ベーステーブル(103)に して回転自在に取り付けられた回転テーブ (104)と、回転テーブル(104)上に設置されて被 物であるワーク(120)をクランプするクラン 部(105)とを備えている。

 図8に示すように、この5軸マシニングセ タ(100)では、ツール側に3つの自由度が割り てられ、ワーク(120)側に2つの自由度が割り てられている。具体的に、主軸(101)は、その 回転軸と直交するX軸方向と、その回転軸及 X軸方向と直交するY軸方向と、回転軸方向で あるZ軸方向とに移動自在となっている。ク ンプ部(105)は、その中心軸周り(A軸周り)に回 転自在となっている。また、クランプ部(105) 取り付けられた回転テーブル(104)は、クラ プ部(105)の軸方向と直交する軸周り(B軸周り) に回転自在となっている。つまり、この5軸 シニングセンタ(100)では、切削工具(110)がX軸 方向、Y軸方向、及びZ軸方向へ平行移動自在 なる一方、ワーク(120)がA軸周りとB軸周りに 回転自在となっている。

 5軸マシニングセンタ(100)では、予め数値 ータとして与えられた工具経路に基づいて 削工具(110)を移動させることによって、ス リューロータ(40)となるワーク(120)の加工が われる。5軸マシニングセンタ(100)は、複数 類の切削工具(110)を用いて、荒削りから仕上 げ加工までの複数の工程を順次行う。仕上げ 加工工程における工具経路は、スクリューロ ータ(40)となるワーク(120)に第1吸入側領域(45) 第3吸入側領域(46)とが形成されるように設 されている。つまり、仕上げ加工工程では 螺旋溝(41)の第1側壁面(42)や底壁面(44)におけ 特定の部分における切削量が他の部分より 大きくなるように、工具経路が設定される

  -実施形態の効果-
 本実施形態のスクリューロータ(40)では、螺 旋溝(41)の第1側壁面(42)の一部分が第1吸入側 域(45)となり、螺旋溝(41)の底壁面(44)の一部 が第3吸入側領域(46)となっている。このため 、ゲート(51)が螺旋溝(41)へ進入し始めてから 縮室(23)が閉じきり状態となるまでの間にお いて、ゲート(51)の側面は、螺旋溝(41)の第1側 壁面(42)と非接触状態に保たれ、ゲート(51)の 端面は、螺旋溝(41)の底壁面(44)と非接触状 に保たれる。つまり、ゲート(51)がスクリュ ロータ(40)の螺旋溝(41)へ進入してゆく過程 いて、ゲート(51)とスクリューロータ(40)の隙 間をシールする必要がない間は、ゲート(51) 螺旋溝(41)の第1側壁面(42)及び底壁面(44)とが 接触状態となる。このため、その間にゲー (51)とスクリューロータ(40)の摺動に伴って 費される動力を削減することができ、シン ルスクリュー圧縮機(1)の効率を向上させる とができる。

 また、本実施形態のスクリューロータ(40) は、5軸マシニングセンタ(100)を用いて加工さ れる。その際、5軸マシニングセンタ(100)では 、仕上げ加工工程における切削工具(110)の移 経路(工具経路)が、スクリューロータ(40)と るワーク(120)に第1吸入側領域(45)と第3吸入 領域(46)の両方が形成されるように設定され 。このため、スクリューロータ(40)となるワ ーク(120)を5軸マシニングセンタ(100)に一旦取 付けると、その後は5軸マシニングセンタ(10 0)からワーク(120)を取り外すことなく螺旋溝(4 1)の加工を完了させることができる。

 従って、本実施形態の加工方法によれば スクリューロータ(40)の加工に要する時間を 短縮することができる。また、本実施形態の 加工方法は、5軸マシニングセンタ(100)を用い ているため、螺旋溝(41)の第1側壁面(42)及び底 壁面(44)の始端から圧縮室(23)が閉じきり状態 なるまでの領域を、全体に亘って容易に掘 下げることができる。

  -実施形態の変形例1-
 上記実施形態のスクリュー圧縮機(1)では、 1吸入側領域(45)と第3吸入側領域(46)のうちの 第1吸入側領域(45)だけがスクリューロータ(40) に形成されていてもよい。この場合、スクリ ューロータ(40)では、螺旋溝(41)の第1側壁面(42 )に第1吸入側領域(45)が形成される一方、螺旋 溝(41)の底壁面(44)に第3吸入側領域(46)は形成 れない。

 また、本変形例のスクリューロータ(40)で は、図9に示すように、螺旋溝(41)の第2側壁面 (43)に第2吸入側領域(47)が形成されていてもよ い。つまり、図9に示すスクリューロータ(40) 各螺旋溝(41)では、第1側壁面(42)に第1吸入側 領域(45)が形成され、第2側壁面(43)に第2吸入 領域(47)が形成される一方、底壁面(44)には第 3吸入側領域(46)が形成されていない。第2吸入 側領域(47)は、第2側壁面(43)の始端部分を掘り 下げることによって形成されている。

 図9に示すスクリューロータ(40)において、 1吸入側領域(45)は、その深さが螺旋溝(41)の 端へ近付くにつれて次第に深くなるように 成されている。第1吸入側領域(45)の形状につ いて、図10を参照しながら詳細に説明する。 10に図示されているのは、スクリューロー (40)の壁部(48)を、スクリューロータ(40)の周 向に沿って切断した断面の展開図である。 図に現れる第1吸入側領域(45)は、螺旋溝(41) 始端へ向かって一定の割合で傾斜した傾斜 となっている。第1吸入側領域(45)は、螺旋溝 (41)に沿った方向の長さL 1 が10~40mm程度(例えば、20mm)となり、螺旋溝(41) 始端における深さD 1 が1~3mm程度(例えば、1mm)となっている。

 図9に示すスクリューロータ(40)において、 2吸入側領域(47)は、その深さが螺旋溝(41)の 端へ近付くにつれて次第に深くなるように 成されている。第2吸入側領域(47)の形状につ いて、図11を参照しながら詳細に説明する。 11に図示されているのは、スクリューロー (40)の壁部(48)を、スクリューロータ(40)の周 向に沿って切断した断面の展開図である。 図に現れる第2吸入側領域(47)は、螺旋溝(41) 始端へ向かって一定の割合で傾斜した傾斜 となっている。第2吸入側領域(47)は、螺旋溝 (41)に沿った方向の長さL 2 が1~5mm程度(例えば、3mm)となり、螺旋溝(41)の 端における深さD 2 が1mm以下(例えば、0.5mm)となっている。この うに、第2吸入側領域(47)は、スクリューロー タ(40)の壁部(48)における第2側壁面(43)の始端 位置する角部に面取りを施すことによって 成されている。

 図9に示すスクリューロータ(40)を備えた 変形例のスクリュー圧縮機(1)では、第1側壁 (42)の第1吸入側領域(45)とゲート(51)とのクリ アランスが、螺旋溝(41)の始端に近い位置ほ 広くなり、更には、第2側壁面(43)の第2吸入 領域(47)とゲート(51)とのクリアランスが、螺 旋溝(41)の始端に近い位置ほど広くなる。こ ため、ゲート(51)が螺旋溝(41)の始端へ進入し てゆく過程では、仮に螺旋溝(41)とゲート(51) 相対的な位置が設計値と完全には一致して なくても、ゲート(51)を螺旋溝(41)内へスム ズに進入させることができる。このため、 ート(51)が螺旋溝(41)へ侵入する際に壁部(48) 引っ掛かって破損したり摩耗するのを防ぐ とができ、スクリュー圧縮機(1)の信頼性を 上させることができる。

 上記実施形態と同様に、図9に示す本変形 例のスクリューロータ(40)も、5軸マシニング ンタ(100)を用いて加工される。その際、5軸 シニングセンタ(100)では、仕上げ加工工程 おける切削工具(110)の移動経路(工具経路)が スクリューロータ(40)となるワーク(120)に第1 吸入側領域(45)と第2吸入側領域(47)の両方が形 成されるように設定される。このため、スク リューロータ(40)となるワーク(120)を5軸マシ ングセンタ(100)に一旦取り付けると、その後 は5軸マシニングセンタ(100)からワーク(120)を り外すことなく螺旋溝(41)の加工を完了させ ることができる。

  -実施形態の変形例2-
 上記実施形態のスクリュー圧縮機(1)では、 1吸入側領域(45)と第3吸入側領域(46)に加えて 、上記変形例1で説明した第2吸入側領域(47)が スクリューロータ(40)に形成されていてもよ 。つまり、本変形例のスクリューロータ(40) 形成された各螺旋溝(41)では、図12に示すよ に、第1側壁面(42)に第1吸入側領域(45)が、第 2側壁面(43)に第2吸入側領域(47)が、底壁面(44) 第3吸入側領域(46)が、それぞれ形成される

 上記実施形態と同様に、図12に示す本変 例のスクリューロータ(40)も、5軸マシニング センタ(100)を用いて加工される。その際、5軸 マシニングセンタ(100)では、仕上げ加工工程 おける切削工具(110)の移動経路(工具経路)が 、スクリューロータ(40)となるワーク(120)に第 1吸入側領域(45)と第2吸入側領域(47)と第3吸入 領域(46)の全てが形成されるように設定され る。このため、スクリューロータ(40)となる ーク(120)を5軸マシニングセンタ(100)に一旦取 り付けると、その後は5軸マシニングセンタ(1 00)からワーク(120)を取り外すことなく螺旋溝( 41)の加工を完了させることができる。

  -実施形態の変形例3-
 上記実施形態のスクリュー圧縮機(1)では、 ータ支持部材(55)の軸部(58)がゲートロータ(5 0)の裏面側だけに配置され、この軸部(58)を支 持する玉軸受(92,93)もゲートロータ(50)の裏面 だけに配置されている。それに対し、ゲー ロータ(50)を貫通するようにロータ支持部材 (55)の軸部(58)を配置し、軸部(58)を支持する玉 軸受(あるいはころ軸受)をゲートロータ(50)の 表面側と裏面側に一つずつ配置してもよい。

 なお、以上の実施形態は、本質的に好ま い例示であって、本発明、その適用物、あ いはその用途の範囲を制限することを意図 るものではない。

 以上説明したように、本発明は、シング スクリュー圧縮機について有用である。




 
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