Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
SLIDING FABRIC
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175304
Kind Code:
A1
Abstract:
The purpose of the present invention is to provide a sliding fabric which has excellent wear resistance and can exhibit slidability for a long period of time even when repeatedly slid on a mating material having a high surface roughness. In order to achieve the purpose, a sliding fabric according to the present invention is a single-ply woven fabric comprising: a fluororesin fiber A; and at least one fiber B having a tensile strength of at least 10 cN/detx, wherein the fiber B is disposed on at least a portion of warps and at least a portion of wefts, the area ratio of the fluororesin fiber A on a sliding surface is at least 20%, and the area ratio α of a fiber C defined as a bundle of fibers orthogonal to the fluororesin fiber A is at least 0.2 as determined by a predetermined method.

Inventors:
SEKIYAMA MASATO (JP)
NINOMIYA YUKI (JP)
HARADA MASARU (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/006692
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 20, 2020
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
TORAY INDUSTRIES (JP)
International Classes:
D03D15/58; D03D1/00; D03D13/00; F16C33/18
Domestic Patent References:
WO2018074207A12018-04-26
Foreign References:
JP2005220486A2005-08-18
JP2005324418A2005-11-24
JPS58180837A1983-10-22
CN102535167A2012-07-04
CN103572454A2014-02-12
Download PDF:
Claims:
\¥0 2020/175304 24 卩(:171? 2020 /006692

請求の範囲

[請求項 1 ] フッ素樹脂繊維 と引張強度が 1 0〇 1\1 / 1 6 X以上の少なくとも

1種類以上の繊維巳を用いてなり、 経糸の少なくとも一部および緯糸 の少なくとも一部に前記繊維巳を配し、 摺動面である表面におけるフ ッ素樹脂繊維 の面積率が 2 0 %以上の一重織物であり、 フッ素樹脂 繊維 と直行する一束の繊維を繊維(3と定義したとき、 前記◦につい て以下のように定められる面積比《が〇. 2以上である、 摺動布帛。 (面積比〇0

1本の繊維 <3と、 それに直行する複数のフッ素樹脂繊維 および/ または繊維巳において、 フッ素樹脂繊維 が繊維(3と重なって表面に 露出する領域の面積を (3、 繊維巳が繊維(3と重なって表面に露出す る領域の面積を巳〇としたとき、 3 0/ ( 〇十巳〇) を面積比《と する。 なお、 摺動布帛において、 繊維 <3が複数定義されうる場合は、 それぞれの繊維 <3に対して求めた巳(3 / (八〇十巳〇 の最小値を面 積比《とする。

[請求項 2] 経糸または緯糸に、 前記フッ素樹脂繊維八と繊維巳を交互に配する、 請求項 1 に記載の摺動布帛。

[請求項 3] 平組織である、 請求項 1 または 2に記載の摺動布帛。

[請求項 4] 経糸および緯糸に前記フッ素樹脂繊維 と繊維巳を 2本交互に配する

、 請求項 3に記載の摺動布帛。

[請求項 5] フッ素樹脂繊維 がポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる、 請求 項 1〜 4のいずれかに記載の摺動布帛。

[請求項 6] 前記繊維巳が引張強度 2 0〜 5 0〇 1\1 / 1 6 Xの繊維である、 請求 項 1〜 5のいずれかに記載の摺動布帛。

[請求項 7] 前記繊維巳が引張弾性率 2 0〜 8 0 0〇 1\1 / 1 6 Xの繊維である、 請求項 1〜 6のいずれかに記載の摺動布帛。

[請求項 8] 前記繊維巳が有機繊維である、 請求項 1〜 7に記載の摺動布帛。

[請求項 9] 前記繊維巳が液晶ポリエステル繊維である、 請求項 1〜 8のいずれか \¥0 2020/175304 25 卩(:171? 2020 /006692

に記載の摺動布帛。

[請求項 10] 請求項 1〜 9のいずれかに記載の摺動布帛を少なくとも一部に使用す る、 ロボッ トアーム用ケーブルカバー。

[請求項 1 1 ] 請求項 1〜 9のいずれかに記載の摺動布帛を少なくとも一部に使用す る、 ベアリング部材。

Description:
\¥0 2020/175304 1 卩(:17 2020 /006692 明 細 書

発明の名称 : 摺動布帛

技術分野

[0001 ] 本発明は、 摺動布帛に関する。

背景技術

[0002] 従来からフッ素樹脂は、 低摩擦係数であることを生かし、 摺動部材の表層 にラミネートやコーティングされて使用され ている。 しかしながら、 フッ素 樹脂のラミネートやコーティングではフッ素 樹脂膜が薄く、 かつ接着性に乏 しいため剥がれやすく、 長期的に摺動性を維持するためにはラミネー トやコ —ティングを繰り返す必要があった。 このような欠点を解消するためにフッ 素樹脂を繊維化し、 織り編み物や不織布として摺動部材の表面に 配させるこ とで摩擦耐久性を向上させ、 さらに他素材と接着しやすい織り編み物と複 合 してより強固に接着する摺動布帛が開発され ている。

[0003] 例えば、 特許文献 1 には、 丁 巳繊維を含んだ摺動織物とベース織物か らなる多重織物であって、 ベース面を最適な構成とすることで、 耐熱性と耐 摩耗性が高く、 高温環境下に曝された場合でも長期摺動性を 発揮することが できる耐熱摩耗性多重織物が開示されている 。

[0004] さらにせん断力を伴う繰り返しの摩擦力を受 けた場合でも摩耗耐久性を有 する摺動布帛を得るため、 フッ素樹脂繊維と高強度繊維からなる摺動布 帛が 開発されている。

[0005] 例えば、 特許文献 2には、 フッ素繊維糸条と、 引張強度が 2 0 3 以上で ある高強度繊維糸条とが交織された織物であ って、 フッ素繊維が織物のいず れか一方の片面面積の 3 0 %以上の面積を被覆していることを特徴とす フ ッ素繊維交織織物により、 複合材料軸受けの基材とした際にフッ素繊維 の低 摩擦性が発揮され、 かつ、 フッ素繊維が剥がれることがなく、 優れた耐久性 、 機械的特性を有する複合材料摺動材を提供で きるという技術が開示されて いる。 \¥0 2020/175304 2 卩(:17 2020 /006692 先行技術文献

特許文献

[0006] 特許文献 1 :特許第 6 3 9 8 1 8 9号公報

特許文献 2 :特開 2 0 0 5 _ 2 2 0 4 8 6号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007] しかしながら上記特許文献 1 に記載の耐熱摩耗性多重織物は、 フッ素繊維 からなる層とフッ素繊維以外の繊維からなる 層からなる多重織組織であるた め、 フッ素繊維からなる層の圧縮変形や摩耗の程 度によっては厚さ方向に寸 法が変化し、 ベアリングや摺動布帛として用いる場合には 部材間でガタツキ が発生しやすくなる傾向にあり、 より長期間摺動性を発揮させるには、 いま だ改善の余地あった。

[0008] さらに特許文献 2にはたて糸に高強度繊維糸条を、 よこ糸にフッ素繊維糸 条を配した一重平織物や、 たて糸およびよこ糸に高強度繊維とフッ素繊 維糸 条とを一本交互に配した一重平織物が開示さ れているが、 これらの織物はフ ッ素繊維に直交する経糸もしくは緯糸に絡み 合う緯糸または経糸のうち、 摺 動面に露出する繊維がフッ素繊維のみとなる 構成である。 そのため、 該摺動 材が比較的表面粗さの大きな相手材に繰り返 し摺動されフッ素繊維糸条が破 断すると、 上記フッ素繊維糸条に直交する経糸もしくは 緯糸が剥離し、 織物 の破断の起点となる問題があった。

[0009] よって本発明は耐摩耗性が高く、 表面粗さの大きな相手材に繰り返し摺動 された場合でも、 長期間摺動性を発揮することができる摺動布 帛を提供する ことを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010] かかる課題を解決するため本発明は、 次の構成を有する。

[001 1 ] ( 1 ) フッ素樹脂繊維 と引張強度が 1 0〇 1\] / I 6 X以上の少なくと も 1種類以上の繊維巳を用いてなり、 経糸の少なくとも一部および緯糸の少 \¥0 2020/175304 3 卩(:171? 2020 /006692

なくとも一部に前記繊維巳を配し、 摺動面である表面におけるフッ素樹脂繊 維八の面積率が 2 0 %以上の一重織物であり、 フッ素樹脂繊維 と直行する —束の繊維を繊維〇と定義したとき、 前記〇について以下のように定められ る面積比《が〇. 2以上である、 摺動布帛。

(面積比〇0

1本の繊維 <3と、 それに直行する複数のフッ素樹脂繊維 および/または 繊維巳において、 フッ素樹脂繊維 が繊維 <3と重なって表面に露出する領域 の面積を (3、 繊維巳が繊維(3と重なって表面に露出する 域の面積を巳〇 としたとき、 巳〇/ (八〇十巳〇) を面積比《とする。 なお、 摺動布帛にお いて、 繊維 <3が複数定義されうる場合は、 それぞれの繊維 <3に対して求めた 巳〇/ ( 〇十巳〇 の最小値を面積比《とする。

[0012] (2) 経糸または緯糸に、 前記フッ素樹脂繊維 と繊維巳を交互に配する

、 ( 1) に記載の摺動布帛。

[0013] (3) 平組織である、 (1) または (2) に記載の摺動布帛。

[0014] (4) 経糸および緯糸に前記フッ素樹脂繊維 と繊維巳を 2本交互に配す る、 (3) に記載の摺動布帛。

[0015] (5) フッ素樹脂繊維八がポリテトラフルオロエチ レン樹脂からなる、 (

1) 〜 (4) のいずれかに記載の摺動布帛。

[0016] (6) 前記繊維巳が引張強度 2 0〜 5 0〇 1\1 / I 6 Xの繊維である、 (

1) 〜 (5) のいずれかに記載の摺動布帛。

[0017] (7) 前記繊維巳が引張弾性率 2 0〜 8 0 0〇 1\1 / I 6 Xの繊維である

、 (1) 〜 (6) のいずれかに記載の摺動布帛。

[0018] (8) 前記繊維巳が有機繊維である、 (1) 〜 (7) に記載の摺動布帛。

[0019] (9) 前記繊維巳が液晶ポリエステル繊維である、 (1) 〜 (8) のいず れかに記載の摺動布帛。

[0020] (1 0) (1) 〜 (9) のいずれかに記載の摺動布帛を少なくとも一 部に 使用する、 ロボッ トアーム用ケーブルカバー。

[0021 ] (1 1) (1) 〜 (9) のいずれかに記載の摺動布帛を少なくとも一 部に \¥0 2020/175304 4 卩(:17 2020 /006692

使用する、 ベアリング部材。

発明の効果

[0022] 本発明によれば、 耐摩耗性が高く、 表面粗さの大きな相手材に繰り返し摺 動された場合でも、 長期間摺動性を発揮することができる摺動布 帛が提供さ れる。

図面の簡単な説明

[0023] [図 1]本発明の一実施態様に係る布帛の表面の 面概念図である。

[図 2]領域八〇と巳〇を説明するための布帛の 面の平面概念図である。

[図 3]経緯ともに 1本交互とした布帛の表面の平面概念図であ 。

発明を実施するための形態

[0024] 本発明の摺動布帛は、 フッ素樹脂繊維 と引張強度が 1 0〇 1\1 / 1 6 X 以上の少なくとも 1種類以上の繊維巳を用いてなり、 経糸の少なくとも一部 および緯糸の少なくとも一部に前記繊維巳を 配し、 摺動面である表面におけ るフッ素樹脂繊維 の面積率が 2 0 %以上の一重織物であり、 フッ素樹脂繊 維八と直行する一束の繊維を繊維〇と定義し たとき、 前記〇について以下の ように定められる面積比《が〇. 2以上である、 摺動布帛。

(面積比〇0

1本の繊維 <3と、 それに直行する複数のフッ素樹脂繊維 および/または 繊維巳において、 フッ素樹脂繊維 が繊維 <3と重なって表面に露出する領域 の面積を (3、 繊維巳が繊維(3と重なって表面に露出する 域の面積を巳〇 としたとき、 巳〇/ (八〇十巳〇) を面積比《とする。 なお、 摺動布帛にお いて、 繊維 <3が複数定義されうる場合は、 それぞれの繊維 <3に対して求めた 巳〇/ ( 〇十巳〇 の最小値を面積比《とする。

[0025] すなわち、 本発明の摺動布帛は、 フッ素樹脂繊維 と引張強度が 1 〇〇 /〇! ㊀ X以上の少なくとも 1種類以上の繊維巳を用いてなり、 経糸の少な くとも一部および緯糸の少なくとも一部に前 記繊維巳を配し、 摺動面におけ るフッ素樹脂繊維 の面積率が 2 0 %以上の一重織物であり、 フッ素樹脂繊 維八と直行する一束の繊維 <3に対して、 フッ素樹脂繊維 が繊維(3と重なっ \¥0 2020/175304 5 卩(:171? 2020 /006692

て表面に露出する領域の面積を (3、 繊維巳が繊維(3と重なり表面に露出す る領域の面積を巳〇としたとき、 6 0/ (八〇十巳〇) で定められる面積比《 (繊維 <3が複数定義されうる場合は、 それぞれに対して求めた最小値) が 0 . 2以上であることを特徴とする摺動布帛であ 。

[0026] <布帛設計 >

本発明の摺動布帛は、 摺動面におけるフッ素樹脂繊維 の面積率が 2 0 % 以上である。 ここでいうフッ素樹脂繊維 の面積率とは、 布帛の表面をマイ クロスコープにより撮影した際に、 摺動布帛の撮影面積 3に占めるフッ素樹 脂繊維 が占める面積 3 の割合を意味し、 以下の式で求められる。

フッ素樹脂繊維 の面積率

摺動面におけるフッ素樹脂繊維 の面積率を 2 0 %以上とすることで、 摺 動布帛を低摩擦化し、 摺動耐久性を向上することができる。 前記面積率は、 好ましくは 4 0 %以上であり、 6 0 %以上であることがより好ましい。 摺動 面におけるフッ素樹脂繊維八の面積率の実質 的な上限は 9 0 %である。

[0027] 本発明の摺動布帛は、 一重織物である。 一重織物は一重組織であるため、 二重組織や三重組織といった多層組織と比べ 圧縮変形や摩損による厚さ方向 の寸法変化を抑制することができる。 そのため、 本発明の摺動布帛を、 例え ば、 ベアリングとして用いる場合の部材間のガタ ツキや寸法ずれを防止する ことができる。

[0028] さらに本発明の摺動布帛は、 フッ素樹脂繊維 と直行する一束の繊維〇に 対して、 フッ素樹脂繊維 が繊維(3と重なって表面に露出する領域の 積を 八〇、 繊維巳が繊維(3と重なり表面に露出する領 の面積を巳(3としたとき 、 巳〇/ (八〇+巳〇) で定められる面積比《が〇. 2以上である。 なお、 摺 動布帛において、 繊維 <3が複数定義されうる場合は、 それぞれの繊維 <3に対 して求めた巳〇/ (八〇十巳〇) の最小値を面積比《とする。

[0029] ここで表面とは摺動材として相手材に接する 面 (以後、 摺動面と称する場 合もある。 ) をいう。

[0030] 図 1および図 2を例に用いて、 布帛の面積比《を求める手順を説明する。 \¥0 2020/175304 6 卩(:171? 2020 /006692

[0031 ] 1 . 繊維 <3の定義

あるフッ素樹脂繊維 に直交する一束の繊維を繊維(3として定義 る。 面 積比《は、 この繊維 <3と直交するフッ素樹脂繊維 、 繊維巳が当該繊維〇と 重なって表面に露出する領域の面積 〇、 巳〇を用いて算出されるものであ る。 なお、 ここでいう一束の繊維〇とは、 繊維〇に該当する織糸 1本のこと をいう。 すなわち、 繊維〇がマルチフィラメントである場合、 一束の繊維〇 とは、 マルチフィラメントを構成する単糸 1本 1本ではなく、 織糸 1本、 つ まりマルチフィラメントを構成する単糸の一 束を表す。 繊維〇が単糸である 場合、 一束の繊維 <3とは、 織糸 1本、 つまり当該単糸 1本を表す。 本明細書 において、 繊維や糸の本数は、 特に断らない限り、 織糸の本数を表す。 また 、 繊度や引張強度、 引張弾性率、 伸度などの各種物性値についても、 特に断 らない限り、 織糸 1本の物性値を表す。

[0032] 例えば、 経糸のみにフッ素樹脂繊維八を用いた場合、 これに直交する緯糸 に用いた繊維すべてが繊維〇に相当する。 また、 例えば、 経糸と緯糸のいず れにもフッ素樹脂繊維 を用いた場合、 経糸のフッ素樹脂繊維 に対し、 そ れと直交する繊維、 すなわち緯糸すべてが繊維〇に相当し、 緯糸のフッ素樹 脂繊維 に対し、 それと直交する繊維、 すなわち経糸すべてが繊維 <3に相当 する。

[0033] ただし、 一般に織物は完全組織を繰り返して構成され るため、 完全組織を 構成する繊維のみで繊維〇を代表するものと する。 ここでいう完全組織とは 、 経糸と緯糸の交錯形態のみならず、 配される繊維種も区別する。 例えば平 織物の経糸に繊維 X 1 と繊維乂2、 緯糸に繊維丫 1 と丫 2をそれぞれ 2本交 互に配した場合、 交錯形態のみで区別した場合の完全組織は経 糸 2本と緯糸 2本で構成されるが、 配される繊維の違いを区別した際には経糸 4本と緯糸 4本で構成される。 さらに、 繊維の違いを区別する際には、 ポリマー種によ る区別のみならず、 繊度や強度が異なる繊維が規則的に配される 場合につい ても、 それらは異なる繊維として扱うものとする。

[0034] 図 1 に示した布帛について、 繊維 <3を定義すると、 図 1 に示した布帛の完 \¥02020/175304 7 卩(:171? 2020 /006692

全組織は 4種類の緯糸 (フッ素樹脂繊維 1 1、 フッ素樹脂繊維 2 2、 繊維 巳 1 3、 繊維巳 2 4) と 4種類の経糸 (フッ素樹脂繊維 3 5、 フッ素樹脂繊維 八 4 6、 繊維巳 3 7、 繊維巳 4 8) から構成されており、 これが経糸方向および 緯糸方向に繰り返されて布帛が構成される。 このうち、 フッ素樹脂繊維八と 直行する繊維を繊維<3と定義するため、 図 1 に示した布帛における繊維〇と して、 フッ素樹脂繊維八 1 1、 フッ素樹脂繊維八 2 2、 繊維 13、 繊維巳 2 4 、 フッ素樹脂繊維 3 5、 フッ素樹脂繊維 4 6、 繊維巳 3 7、 繊維巳 4 8の計 8種類が定義される。 便宜上、 これらを順に繊維<3 ! 、 0 2 、 0 3 、 0 4 、 〇 5 、 〇6、 〇7、 〇 8と呼ぶ。

[0035] 2. 面積比《の算出

次に上記で定義した繊維<3それぞれについ 、 60/ (八〇 +巳〇 を算出 する。 この時の算出方法を以下の 5つの手順に分けて示す。

(1) 60/ (八〇 +巳〇 を算出する繊維<3を選択する。

[0036] 上述したように、 図 1 に示した布帛において、 繊維<3は複数定義されうる ため、 その中から任意の 1つの繊維〇を選択する。 図 1 に示した布帛は計 8 種類の繊維<3が定義されうるため、 まず繊維<3 ! (フッ素樹脂繊維 ! 1) を 繊維<3として選択する。

(2) 選択した繊維(3について領域 (3および領域巳(3の面積を求める。 す なわち完全組織を 1単位としたとき、 繊維<31 に対する領域 09、 領域巳 〇 1 0が定義され、 それぞれその面積を求める。

[0037] 繊維<3 ! について領域八(3および領域巳(3の面 を求める。 図 2には、 図 1 に示した布帛におけるフッ素樹脂繊維八 1 1 を繊維〇!と定義した場合の、 領 域八(3および領域巳(3が例示されている。 この場合の領域八 09は、 例えば 経糸に用いたフッ素樹脂繊維八 4 6が、 これと直行する、 緯糸に用いたフッ素 樹脂繊維 1 1 と重なって表面に露出する部分をいう。 この場合の領域巳〇 1 0は、 経糸に用いた繊維巳 4 8が、 これと直行する、 緯糸に用いたフッ素樹脂 繊維 1 と重なって表面に露出する部分をいう。

[0038] 領域八〇と巳〇の面積は布帛の表面をマイク ロスコープで観察することで \¥0 2020/175304 8 卩(:171? 2020 /006692

求められる。 面積八〇および巳〇はそれぞれ対応する緯糸 と経糸が重なった 部分で構成される領域の面積をいい、 緯糸と経糸が重なっていない部分は算 入しない。 6 0/ (八〇 +巳〇 が大きいほど繊維 <3を摺動面側から拘束する 繊維巳が多いため、 表面粗さの大きな相手材に繰り返し摺動され て低強度の フッ素樹脂繊維が破断した際にも、 繊維 <3が剥離することを抑制し、 布帛が 破断する起点となることを防ぎ、 布帛の摺動耐久性を向上できる。

(3) 選択した繊維 0 (上記では繊維(3】) について巳(3/ ( 〇 +巳〇 を計 算する。

[0039] 上記で求めた領域 (3および領域巳(3の面積に基づいて、 選択した繊維〇 の巳〇/ (八〇+巳〇) を計算する。 すなわち、 ここで繊維〇 1 の巳〇/ (八〇十 巳〇) が得られる。 なお、 完全組織上に領域八(3および領域巳(3がそ ぞれ 複数定義される場合、 上式にはその合計値を代入するものとする。

(4) 全ての繊維〇について (1) 〜 (3) を行い、 その繊維〇の巳〇/ (八 〇 + 6〇 を計算する。

例えば図 1 に^^した布帛は、 繊維〇1、 〇2、 〇3、 〇4、 〇5、 〇6、 〇7、 〇8 が存在するため、 それぞれについて (1) 〜 (3) を行い、 6 0/ (八〇+巳 〇) を求める。

(5) 布帛の面積比《を決定する。

[0040] 6 0/ (八〇 +巳〇 が小さいほど繊維 <3を摺動面から拘束する繊維巳が少 ないため、 最も巳〇/ (八〇+巳〇) が小さい繊維〇が、 摺動時に最も剥離を 生じやすく、 布帛の破れ発生の起点となる。 よって、 最も小さい巳(3/ (八〇 + 6〇 の値をその布帛の面積比《とする。

[0041 ] 本発明の効果を得るうえでは、 面積比《は〇. 2以上であればよく、 より 好ましくは〇. 4以上であり、 〇. 6以上であることが特に好ましい。 面積 比《が増加するほど布帛の破断の起点発生を 抑制できるが、 摺動面のフッ素 樹脂繊維 の比率が低下し低摩擦性を維持できなくなる 。 よって面積比《の 実質的な上限は〇. 9であり、 好ましくは〇. 8である。

[0042] 本発明の摺動布帛はフッ素樹脂繊維 と引張強度が 1 0〇 !\1 / I 6 父以 \¥0 2020/175304 9 卩(:171? 2020 /006692

上の少なくとも 1種類以上の繊維巳を用いてなり、 経糸の少なくとも一部お よび緯糸の少なくとも一部に前記繊維巳を配 する。 フッ素樹脂繊維 と繊維 巳の配置は、 上記を満たす限り特に限定するものではない が、 本発明の摺動 布帛は、 経糸または緯糸に、 フッ素樹脂繊維 と繊維巳を交互に配すること が好ましく、 経糸および緯糸のいずれにもフッ素樹脂繊維 八と繊維巳を交互 に配することが特に好ましい。 フッ素樹脂繊維八と繊維巳を交互に配するこ とで、 フッ素樹脂繊維八と繊維巳を布帛内に均一に 分布させることができる 。 さらにフッ素樹脂繊維 と平行に繊維巳が存在することで、 フッ素樹脂繊 維の長手方向に一致する方向への織物の引張 強度や引張弾性率を向上するこ とができる。

[0043] ここで、 「交互に配する」 とは、 八 3本と巳 3本を交互に配する 3本交互 や、 2本と巳 2本を交互に配する 2本交互、 1本と巳 1本を交互に配す る 1本交互などがある。 八と巳は同数配する必要はなく、 例えば八3本と巳 1本を交互に配する形態でもよい。 ここで、 八と巳を引き揃えた複合糸や、 八と巳を合撚した合撚糸を用いることは、 上記交互に配するという概念に含 まれない。 これは、 例えば原糸 Xと原糸丫から複合糸や合撚糸を作製し、 織 物を作製した場合、 表面に Xおよび丫のどちらを露出させるかを精密に 御 することが困難であり、 上記面積比《の制御が困難になるからである 。

[0044] 本発明の摺動布帛において、 織組織は平組織やツイル組織、 サテン組織、 さらには特殊組織などを適宜選択することが 可能である。 中でも、 本発明の 摺動布帛は、 平組織であることが好ましい。 経糸と緯糸の交錯点が多い平織 とすることで、 布帛の寸法安定性をさらに向上できる。 これにより剪断力が 加わる使用環境下においても摩耗耐久性を向 上することができるうえ、 本発 明の摺動布帛を弾性材料からなる基材と一体 化して使用する場合においても 、 基材の変形への追従を抑制する効果を発現す ることができる。

[0045] 平組織とした場合、 経糸および緯糸に前記フッ素樹脂繊維 と繊維巳を交 互に配する形態が好ましい。 経糸と緯糸のいずれにもフッ素樹脂繊維八と 繊 維巳を配することで布帛の縦方向と横方向の 両方の寸法安定性を向上でき、 \¥02020/175304 10 卩(:171?2020/006692

あらゆる方向への摺動にも耐えうる摺動布 帛を得ることができる。 この場合 において、 1本交互、 2本交互、 3本交互、 · · のように交互比率を増加 するにつれ、 フッ素樹脂繊維八と繊維巳が局在することに なるため、 低強度 のフッ素樹脂繊維 が局在した部分が破断の起点となりやすい。 よって交互 比率は小さいほど好ましいが、 1本交互とした場合には面積比《 = 0となる 。 図 3には 1本交互とした場合の布帛構造が例示されて る。 よって、 本発 明の摺動布帛は、 経糸および緯糸にフッ素樹脂繊維 と繊維巳を 2本交互〜 1 0本交互に配することが好ましく、 2本交互〜 4本交互に配することがよ り好ましく、 2本交互に配することがさらに好ましい。 図 1 には 2本交互に 配した時の布帛構造が例示されている。

[0046] <フッ素樹脂繊維八>

本発明において、 フッ素樹脂繊維 の成分であるフッ素樹脂としては、 主 鎖または側鎖にフッ素原子を 1個以上含む単量体単位で構成されたもので ればよい。 その中でも、 フッ素原子数の多い単量体単位で構成された ものが 好ましい。

[0047] 上記フッ素原子を 1個以上含む単量体単位は、 重合体の繰り返し構造単位 の 7 0モル%以上含むことが好ましく、 9 0モル%以上を含むことがより好 ましく、 9 5モル%以上含むことがさらに好ましい。 上限は 1 0 0モル%で ある。

[0048] フッ素原子を 1個以上含む単量体としては、 テトラフルオロエチレン、 へ キサフルオロプロピレン、 クロロトリフルオロエチレンなどのフッ素原 子含 有ビニル系単量体が挙げられる。 中でも少なくともテトラフルオロエチレン を単量体として用いることが好ましい。

[0049] フッ素樹脂としては、 例えば、 ポリテトラフルオロエチレン ( 丁 巳)

、 テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプ ロピレン共重合体 ( 巳 ) 、 テトラフルオロエチレンー ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体 ( 八) 、 ポリクロロトリフルオロエチレン ( 〇丁 巳) 、 エチレンー テトラフルオロエチレン共重合体 (巳丁 巳) 等を単独または 2種類以上ブ \¥0 2020/175304 1 1 卩(:171? 2020 /006692

レンドしたものを使用することができる。

[0050] テトラフルオロエチレン単位を含むフッ素樹 脂においては、 摺動特性の点 からテトラフルオロエチレン単位の含有量は 多い方が好ましく、 全体の 9 0 モル%以上、 好ましくは 9 5モル%以上がテトラフルオロエチレンであ コ ポリマーであることが好ましく、 テトラフルオロエチレンのホモポリマーと してのポリテトラフルオロエチレン樹脂を用 いるのがより好ましい。 すなわ ち、 本発明の摺動布帛において、 フッ素樹脂繊維八がポリテトラフルオロエ チレン樹脂からなることがより好ましい。

[0051 ] 本発明で用いるフッ素樹脂繊維の形態として は、 1本のフィラメント (単 糸) で構成されるモノフィラメント、 複数本のフィラメントで構成されるマ ルチフィラメントのいずれも用いることがで きるが、 製織性や布帛とした際 の表面凹凸が抑制されやすい観点から、 マルチフィラメントであることが好 ましい。

[0052] また、 本発明で用いるフッ素樹脂繊維の繊度として は、 5 0〜 6 0 0 0

1 6 Xの範囲内が好ましい。 フッ素樹脂繊維として繊度の異なる 2種類以上 のフッ素樹脂繊維を用いることもでき、 その場合には、 繊度の最も大きいフ ッ素樹脂繊維の繊度は 1 0 0 0〜 6 0 0 0 〇1 6 Xの範囲であることが好ま しく、 さらに好ましくは 3 0 0 0〜 5 5 0 0 ¢1 I 6 Xの範囲内である。 繊度 の最も小さいフッ素樹脂繊維の繊度は 5〇〜 1 0 0 0 ¢1 6 Xの範囲である ことが好ましく、 さらに好ましくは 4 0 0〜 9 0 0 I 6 Xの範囲内である 。 布帛を構成する繊維の繊度が 5 0 ¢1 I 6 X以上であると繊維の強力が強く 、 摩耗時の繊維破断が抑制できるほか、 製織時の糸切れを低減できるのでエ 程通過性が向上する。 6 0 0 0 1 6 X以下であれば荷重負荷時に厚さ方向 の圧縮量を低減できるので、 部材間でのガタツキを抑制でき、 長期耐久性が 向上する。

[0053] <繊維巳>

本発明において、 繊維巳は、 引張強度が 1 0〇 1\1 / I 6 X以上の少なく とも 1種類以上の繊維である。 繊維巳は、 引張強度 1 0〜 5 0〇 1\1 / 1 6 \¥02020/175304 12 卩(:171?2020/006692

Xの繊維であることが好ましく、 さらには引張強度 2 0〜 5 0〇 1\1 / 1 6 Xの繊維であることがより好ましい。 引張強度が 1 0〇 1\1 / I 6父以上で あると、 表面粗さの大きな相手材に繰り返し摺動され た場合でも早期破断す ることがなく、 繊維巳に直交する繊維を長時間把持できるた め、 布帛が破れ る起点の発生を抑制することができる。 引張強度が 2 0〇 1\1 / 1 6 X以上 であることにより、 繊維巳の比率を低減しても上記の効果を発現 できるので 、 フッ素樹脂繊維の比率を上げることができ、 摺動布帛の低摩擦性と摺動耐 久性をより一層向上できる。 また、 引張強度が 5 0〇 1\1 / I 6 X以下であ ると、 比較的良好な製織性を得ることができる。

[0054] 本発明において、 繊維巳は、 引張弾性率 2 0〜 8 0 0〇 1\1 / I 6 Xの繊 維であることが好ましく、 引張弾性率 4 5 0〜 8 0 0 Xの繊維 であることがより好ましい。 引張弾性率がかかる範囲内であることにより 、 せん断力を伴う繰り返しの摩擦力が加わった 場合でも布帛構造を維持しやす くなり、 特に優れた摩耗耐久性が得られやすくなる。 繊維巳の引張弾性率が 20〇 1 6 X 以上であると布帛の寸法安定性が向上し 、 より優れた摩 耗耐久性を有する摺動布帛が得られやすくな る。 8 0 0〇 1\1 / 1 以下 であれば繊維の剛性が高くなり過ぎず、 岡性の低いフッ素樹脂繊維と交織す る場合においても製織性を損ないにくい。

[0055] 本発明を構成する繊維巳の伸度としては、 1〜 1 5 %が好ましく、 より好 ましくは 1〜 5 %である。 さらに繊維巳の伸度が 1〜 3 %であれば摩擦力が 加わった際に布帛の寸法変化を低減すること ができるため、 特に好ましい条 件として挙げることができる。 繊維巳の伸度が 1 %以上であると製織時の糸 切れを低減できるので工程通過性が向上する 。 また、 繊維巳の伸度が 1 5 % 以下であれば布帛の寸法安定性が向上しやす く、 摺動布帛として寸法精度が 求められる部分に適用しやすくなる。

[0056] 本発明を構成する繊維巳の種類は上記の条件 を満たす範囲内で特に限定す るものではなく、 例えば、 有機繊維や無機繊維などを用いることができ る。

[0057] 有機繊維の具体例としては、 ポリパラフエニレンテレフタルアミ ド繊維、 \¥0 2020/175304 13 卩(:171? 2020 /006692

ポリメタフエニレンイソフタルアミ ド繊維、 ポリパラフエニレンべンゾビス オキサゾール ( 巳〇) 繊維、 超高分子量ポリエチレン (11 1 ~ 1 1\/1\^ ?巳) 繊 維、 液晶ポリエステル繊維等が挙げられる。

[0058] 無機繊維の具体例としては、 ガラス繊維、 炭素繊維、 炭化ケイ素繊維等が 挙げられる。

[0059] これらの繊維は、 1種または 2種以上を用いることができる。

[0060] 本発明の摺動布帛において、 繊維巳が有機繊維であることが好ましい。 有 機繊維を用いることで、 摺動布帛とした際にせん断力に対する耐久性 をより 向上させることができる。 中でも、 高強度 ·高弾性率であることから、 本発 明の摺動布帛において、 繊維巳が液晶ポリエステル繊維であることが より好 ましい。

[0061 ] 本発明を構成する繊維巳の形態は特に限定す るものではなく、 フィラメン 卜 (長繊維) およびスパン (紡績糸) のいずれを採用しても良いが、 引張強 度や引張剛性の観点から、 フィラメントであることが好ましい。 さらに 1本 のフィラメントで構成されるモノフィラメン ト、 複数本のフィラメントで構 成されるマルチフィラメントのいずれも用い ることができるが、 製織性や布 帛とした際の表面凹凸が抑制されやすい観点 からマルチフィラメントである ことが好ましい。

[0062] また、 本発明において、 繊維巳の繊度としては、 2 0 0〜 4 0 0 0 ¢1 6

Xの範囲内が好ましい。 繊維巳として繊度の異なる 2種類以上の繊維を用い ることもでき、 その場合には、 繊度の最も大きい繊維巳の繊度は 5 0 0〜 4 0 0 0 I 6 Xの範囲であることが好ましく、 さらに好ましくは 8 0 0〜 2 0 0 0 ¢1 6 Xの範囲内である。 繊度の最も小さい繊維巳の繊度は 2 0 0〜 1 0 0 0 I 6 Xの範囲であることが好ましく、 さらに好ましくは 4 0 0〜 9 0 0 ¢1 6 Xの範囲内である。 布帛を構成する繊維の繊度が 2 0 0 ¢1 6 X以上であると繊維の強力が強く、 摩耗時の繊維破断が抑制できるほか、 製 織時の糸切れを低減できるので工程通過性が 向上する。 4 0 0 0 1 6父以 下であれば布帛表面の凹凸が小さく、 低摩擦性への影響を押さえることがで \¥0 2020/175304 14 卩(:171? 2020 /006692

きる。

[0063] 本発明の摺動布帛は、 本発明の効果を阻害しない範囲において、 フッ素樹 脂繊維 にも繊維巳にも該当しない繊維を含んでもよ い。

[0064] 上記の構成で得られた摺動布帛の摩耗耐久性 をさらに高めるために、 前記 摺動布帛に樹脂を含浸して使用することも可 能である。 ここで、 樹脂含浸す る樹脂は、 熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることが できる。 特に限定さ れるものではないが、 熱硬化性樹脂としては、 例えば、 フエノール樹脂、 メ ラミン樹脂、 ユリア樹脂、 不飽和ポリエステル樹脂、 エポキシ樹脂、 ポリウ レタン樹脂、 ジアリルフタレート樹脂、 珪素樹脂、 ポリイミ ド樹脂、 ビニル エステル樹脂などやその変性樹脂などが好ま しく使用できる。 また、 熱可塑 性樹脂としては、 塩化ビニル樹脂、 ポリスチレン、 巳 3樹脂、 ポリエチレ ン、 ポリプロピレン、 フッ素樹脂、 ポリアミ ド樹脂、 ポリアセタール樹脂、 ポリカーボネート樹脂、 ポリエステル、 ポリアミ ドなど、 さらには熱可塑性 ポリウレタン、 ブタジエンゴム、 二トリルゴム、 ネオプレン、 ポリエステル 等の合成ゴム又はエラストマーなどが好まし く使用できる。 中でも、 フエノ —ル樹脂とポリビニルプチラール樹脂とを主 成分とする樹脂、 不飽和ポリエ ステル樹脂、 ビニルエステル樹脂、 ポリエチレン、 ポリプロピレン等のポリ ォレフィン系樹脂、 ポリエステル樹脂が、 耐衝撃性、 寸法安定性、 強度、 価 格などからより好ましく使用できる。 なお、 ここでいう主成分とは、 溶媒を 除いた成分のうちで重量比率が一番大きい成 分をいい、 フエノール樹脂とポ リビニルプチラール樹脂を主成分とする樹脂 の場合では、 これら 2種類の樹 脂の重量比率が 1番目、 2番目 (順不同) に大きいことを意味する。

[0065] かかる熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂には、 工業的にその目的、 用途、 製 造工程や加工工程での生産性あるいは特性改 善のため通常使用されている各 種添加剤を含んでいてもよい。 例えば、 変性剤、 可塑剤、 充填剤、 離型剤、 着色剤、 希釈剤などを含有せしめることができる。

[0066] 前記摺動布帛に樹脂を含浸する方法としては 、 熱硬化性樹脂を用いる場合 は、 熱硬化性樹脂を溶剤に溶解してワニスに調整 し、 ナイフコート加工や口 \¥0 2020/175304 15 卩(:171? 2020 /006692

—ルコート加工、 コンマコート加工、 グラビアコート加工などで布帛に含浸 コートする方法が一般的に用いられる。 また、 熱可塑性樹脂を用いる場合に は溶融押し出しラミネートなどが一般的に用 いられる。

[0067] 本発明の摺動布帛に、 必要に応じ潤滑剤などを添加することも可能 である 。 潤滑剤の種類は特に限定されないが、 シリコーン系の潤滑剤やフッ素系の 潤滑材であることが好ましい。

[0068] 本発明の摺動布帛は、 摺動面にフッ素樹脂繊維が一定以上存在する ことで 低摩擦性に優れた布帛が得られるとともに、 フッ素樹脂繊維に直交する繊維 を繊維巳が一定以上の割合で拘束することで 、 表面粗さの大きな相手材に繰 り返し摺動された場合でも、 長期間摺動性を発揮することができる。 そのた め、 本発明の摺動布帛は、 表面粗さの大きな相手材や凹凸を有する周辺 部材 に繰り返しの摩擦力を受けるために従来長期 間使用することが困難であった 用途において、 高い摺動耐久性を発揮でき、 工業的に極めて実用性が高い用 途にも用いることができる。 なかでもロボッ トアーム用ケーブルカバー、 ベ アリング部材用途に好ましく用いられる。

[0069] 本発明のロボッ トアーム用ケーブルカバーは、 本発明の摺動布帛を少なく とも一部に使用する。 本発明のロボッ トアーム用ケーブルカバーは、 ケーブ ルがロボッ トアームの動きに追従して多方面に動き、 ケーブルカバーが装置 の一部や周辺部材と擦れ合った場合でも、 上述した本発明の摺動布帛が有す る特徴により製品寿命を向上することができ る。

[0070] 本発明のベアリング部材は、 本発明の摺動布帛を少なくとも一部に使用す る。 本発明のベアリング部材は、 少なくとも一部に使用される摺動布帛が一 重織物であるためガタツキが少なく、 フッ素樹脂繊維による低摩擦性と繊維 巳による寸法安定性を有する。 さらに、 使用中に細かい粒子等の異物が混入 した場合でも、 フッ素樹脂繊維に直交する繊維を繊維巳が_ 以上の割合で 拘束する構成により、 布帛の破れを抑制し、 長期間の使用が可能となる。 実施例

[0071 ] 以下、 本発明の実施例を比較例と共に説明するが、 本発明はこれらの実施 \¥02020/175304 16 卩(:171? 2020 /006692

例、 比較例に限定されない。

[0072] なお、 本実施例で用いる各種特性の測定方法は、 以下のとおりである。

[0073] ( 1) 繊度

」 1 3 !_ 1 01 3 = 201 0 (化学繊維フイラメント糸試験方法) に準 じて繊維の繊度を測定した。

[0074] (2) 繊維の引張強度

」 1 3 !_ 1 01 3 = 201 0 (化学繊維フイラメント糸試験方法) に準 じて破断強度を測定した。

[0075] (3) 繊維の引張弾性率

」 1 3 !_ 1 01 3 = 201 0 (化学繊維フイラメント糸試験方法) に準 じて繊維の引張弾性率を測定した。

[0076] (4) 繊維の伸度

」 1 3 !_ 1 01 3 = 201 0 (化学繊維フイラメント糸試験方法) に準 じて繊維の伸度を測定した。

[0077] (5) 織り密度

」 1 31 096 : 201 0 (織物及び編物の生地試験方法) に準じ、 試料 を平らな台上に置き, 不自然なしわ及び張力を除いて, 異なる箇所について 5 の間隔中に含まれるたて糸及びよこ糸の本数 を数え, それぞれの平 均値を単位長さについて算出した。

[0078] (6) 布帛のカバーファクター

各素材の比重差を鑑みて、 以下の式により布帛のカバ _ファクタ _ (〇 ) を算出した。 ただし、 経糸および緯糸としてそれぞれ 2種類以上の繊維を 用いる場合を想定し、 経糸に用いる繊維を経糸 1、 経糸 2、 、 緯糸に 用いる繊維を緯糸 1、 緯糸 2、 のように番号付けする。

[0079] C F= (経糸 1の繊度 ( I 6 X) /経糸 1の比重) 1 X経糸 1の密度 ( 本/丨 (2. 54〇〇!) ) + (経糸 2の繊度 ( ø X) /経糸 2の比重 ) 1/2 経糸 2の密度 (本/ 1 1^ (2. 54〇〇1) ) + · + (緯糸 1の繊 度 (〇! I 6 X) /緯糸 1の比重) 2 緯糸 1の密度 (本/丨 (2. 54〇 \¥02020/175304 17 卩(:171? 2020 /006692

〇〇 ) 十 (緯糸 2の繊度 (〇1 I 6 X) /緯糸 2の比重) 2 緯糸 2の密度 (

( 7) 布帛の厚さ

」 1 3 !_ 1 01 3 = 201 0 (織物及び編物の生地試験方法) に準じて 布帛の厚さを測定した。

[0080] (8) フッ素樹脂繊維 の面積率 [%] の算出

布帛表面をキーエンス製マイクロスコープ 1 ~ 1乂一2000にて 50倍に 拡大した写真を撮影し、 撮影面積を 3、 そのうちフッ素樹脂繊維 が占める 面積を とし、 以下の計算式からフッ素樹脂繊維 の面積率を算出した。 フッ素樹脂繊維 の面積率 =3八/3 1 00 [%] 式 1

ここで、 撮影面積 3とフッ素樹脂繊維 が占める面積 は、 三谷商事製画 像解析ソフ 201 5を用いて算出した。

[0081] 上記の測定を布帛表面の任意の位置に対して 3回測定し、 その平均値を求 めた。

[0082] (1 0) 面積比《の算出

布帛表面をキーエンス製マイクロスコープ 1 ~ 1乂一2000にて 50倍に 拡大した写真を撮影し、 フッ素樹脂繊維 と直交する一束の繊維(3に対して 、 フッ素樹脂繊維 が繊維(3と重なって表面に露出する領域の 積を八〇、 繊維巳が繊維(3と重なり表面に露出する領 の面積を巳(3とし、 以下の計算 式から面積比《を算出した。

面積比《 =巳〇/ (八〇+巳〇) 式 2

図 2には、 図 1 に示した布帛における領域八〇および領域巳 〇が例示され ている。

[0083] ここで、 面積 (3および面積巳(3は、 三谷商事製画像解析ソフト 丨

00 201 5を用いて算出した。

[0084] 上記の測定を布帛表面の任意の位置に対して 3回測定し、 その平均値を求 めた。

[0085] なお、 布帛の完全組織を形成するすべての経糸、 緯糸に対して上記の手順 \¥02020/175304 18 卩(:171? 2020 /006692

で面積比《を算出し、 最も小さい値を代表値とする。

[0086] (1 1) 摩耗耐久性 1 :平滑材に対する摩耗耐久性

以下に示すリング摩耗試験により測定した。

[0087] 」 1 3 < 72 1 8 : 1 986 (プラスチックの滑り摩耗試験方法) 八 法に準じ、 織物を、 縦 30 、 横 30 にサンプリングし、 同じ大きさ の厚さ

[0088] 相手材は 345〇で作られた、 外径 25. 長 さ 1 の中空円筒形状の表面をサンドパーパー (# 1 50) で磨き 、 粗さ測定器 (ミツトヨ製 3」一 201) にて測定した表面粗さが 0. 8 の範囲の相手材を使用した。

[0089] リング摩耗試験機は、 オリエンテック製 I I - º

!\!を用い、 摩擦荷重: 摩擦速度: 20〇 /秒にて試験を行い

、 摺動距離 500〇 まで実施した後に試験後の布帛表面を観察し 、 布帛の 破断や繊維の破断がほとんどないものを八、 布帛の破断はないが繊維の一部 が破断しているものを巳、 布帛の摩擦された部分が一部破断しているも のを 〇、 布帛の摩擦された部分が完全に破断している ものを口とした。

[0090] (1 2) 摩耗耐久性 2 :表面粗さの大きな相手材に対する摩耗耐久 以下に示すユニバーサル形摩耗試験により測 定した。

[0091] 」 I 3 !_ 1 096摩耗強さ 法に準じ、 織物を直径約 1 の円形に サンプリングし、 試験機に設置した。 相手材は粒度# 280の研磨紙を用い た。

[0092] 試験機としては大栄科学精器製のユニバーサ ル形摩耗試験機 0巳 !_

: 〇八丁 _ 1 25 ) を用い、 摩擦荷重: 1. 41< 9にて試験を行い、 摺動 回数 1 〇〇回終了後の布帛表面を観察し、 摩耗粉の発生はあるが布帛の破断 がなく、 繊維の剥離がほとんどないものを八、 布帛の破断はないが剥離した 繊維が布帛表面に _ 部堆積しているものを巳、 布帛の摩擦された部分が一部 破断しており剥離した繊維の堆積が顕著であ るものを <3、 布帛の摩擦された 部分が完全に破断しているものを口とした。 \¥02020/175304 19 卩(:171? 2020 /006692

[0093] (1 3) ガタツキ

得られた摺動布帛を 3ヶ月の期間、 ベアリングの摺動材として用い、 部材 間のガタツキ程度を確認し、 ガタツキがほとんどないものを八、 わずかなも のを巳、 顕著であるが破壊がないものを〇、 破壊されたものを口とした。

[0094] 実施例 1

経糸に繊度 440 ¢1 I 6 X, 単糸数 60フィラメントの 丁 巳繊維と繊 単糸数 288フィラメント、 引張強度 24〇 1\1/ 1 6 X, 引張弾性率 690〇 1\1/ I 6 X、 伸度が 2. 8%の液晶ポリエステ ル繊維 (東レ (株) 製 “シベラス (登録商標) ” ) とを、 2 (本) : 2 (本 ) にて交互に配し、 緯糸に繊度 1 330 I 6 X、 単糸数 1 80フィラメン 単糸数 72フィラメント、 引張強 度 24〇 1\1/ 1 6 X、 引張弾性率 690〇 1\1/ 1 6 X、 伸度 2. 8%の 液晶ポリエステル繊維 (東レ (株) 製 “シベラス (登録商標) ” ) とを、 2 (本) : 2 (本) にて交互に配し、 織機にて一重平織物を製作した。 その後 80 °〇の精練槽にて精練を行い、 200 °〇でセッ トした。

[0095] この織物の織密度、 厚さ、 摺動面におけるフッ素樹脂繊維 の面積率およ び面積比《、 平滑材および表面粗さの大きな相手材に対し ての摩耗耐久性、 ガタツキの評価結果を表 1 にまとめた。

[0096] 比較例 1

経糸に繊度 440 ¢1 I 6 X, 単糸数 60フィラメントの 丁 巳繊維と繊 単糸数 288フィラメント、 引張強度 24〇 1\1/ 1 6 X, 引張弾性率 690〇 1\1/ I 6 X、 伸度が 2. 8%の液晶ポリエステ ル繊維 (東レ (株) 製 “シベラス (登録商標) ” ) とを、 2 (本) : 2 (本 ) にて交互に配し、 緯糸に繊度 4256 I e x.単糸数 72フィラメント、 引張強度 24〇 1\1/ 1 6 X, 引張弾性率 690〇 1\1/ 1 ø X, 伸度 2. 8%の液晶ポリエステル繊維 (東レ (株) 製 “シベラス (登録商標) ” ) を 用い、 織機にて一重平織物を製作した。 その後 80 ° 〇の精練槽にて精練を行 い、 200°◦でセツ トした。 \¥02020/175304 20 卩(:171? 2020 /006692

[0097] この織物の織密度、 厚さ、 摺動面におけるフッ素樹脂繊維 の面積率およ び面積比《、 平滑材および表面粗さの大きな相手材に対し ての摩耗耐久性、 ガタツキの評価結果を表 1 にまとめた。

[0098] 実施例 2

経糸に繊度 880 1 6 X, 単糸数 1 20フィラメントの 丁 巳繊維と 単糸数 288フィラメント、 引張強度 24〇 1\1/ 1 6 X, 引張弾性率 690〇 1\1/ I 6 X、 伸度が 2. 8%の液晶ポリエス テル繊維 (東レ (株) 製 “シベラス (登録商標) ” ) とを、 2 (本) : 2 ( 本) にて交互に配し、 緯糸に繊度 4256 I e x.単糸数 72フィラメント 、 引張強度 24〇 1\1/ 1 6 X, 引張弾性率 690〇 1\1/ 1 ø X, 伸度 2 . 8%の液晶ポリエステル繊維 (東レ (株) 製 “シベラス (登録商標) ” ) を用い、 織機にて一重平織物を製作した。 その後 80 ° 〇の精練槽にて精練を 行い、 200°◦でセツ トした。

[0099] この織物の織密度、 厚さ、 摺動面におけるフッ素樹脂繊維 の面積率およ び面積比《、 平滑材および表面粗さの大きな相手材に対し ての摩耗耐久性、 ガタツキの評価結果を表 1 にまとめた。

[0100] 実施例 3

経糸に繊度 440 ¢1 I 6 X, 単糸数 60フィラメントの 丁 巳繊維と繊 度 1 700 1 6父、 単糸数 288フィラメント、 引張強度 20〇 1\1/ 1 6 X, 引張弾性率 490〇 1\1/ I 6 X、 伸度が 3. 6%のポリパラフエニ レンテレフタルアミ ド繊維とを、 2 (本) : 2 (本) にて交互に配し、 緯糸 に繊度 1 330 1 6 X、 単糸数 1 80フィラメントの 丁 巳繊維と繊度 425 1 6 X、 単糸数 72フィラメント、 引張強度 20〇 1\1/ 1 6 X、 引張弾性率 490〇 1\1/ I 6 X、 伸度 3. 6%のポリパラフエニレンテレ フタルアミ ド繊維とを、 2 (本) : 2 (本) にて交互に配し、 織機にて一重 平織物を製作した。 その後 80 ° 〇の精練槽にて精練を行い、 200 ° 〇でセッ 卜した。

[0101] この織物の織密度、 厚さ、 摺動面におけるフッ素樹脂繊維 の面積率およ \¥0 2020/175304 21 卩(:171? 2020 /006692

び面積比《、 平滑材および表面粗さの大きな相手材に対し ての摩耗耐久性、 ガタツキの評価結果を表 1 にまとめた。

[0102] 比較例 2

経糸に繊度 4 4 0 ¢1 I 6 X , 単糸数 6 0フィラメントの 丁 巳繊維と繊 度 1 7 0 0 1 6父、 単糸数 2 8 8フィラメント、 引張強度 8〇 1\1 / 1 6 X、 引張弾性率 1 1 5〇 1\1 / I 6父、 伸度が 1 3 %のポリエステル (ポリ エチレンテレフタレート ( 巳丁) ) 繊維とを、 2 (本) : 2 (本) にて交 互に配し、 緯糸に繊度 1 3 3 0 I 6 X、 単糸数 1 8 0フィラメントの 丁 単糸数 7 2フィラメント、 引張強度 8〇 / I 6 X、 引張弾性率 1 1 5〇 1\1 / I 6 X、 伸度 1 3 %のポリエステル (ポリエチレンテレフタレート ( 巳丁) ) 繊維とを、 2 (本) : 2 (本) にて交互に配し、 織機にて一重平織物を製作した。 その後 8 0 ° 〇の精練槽に て精練を行い、 2 0 0 °〇でセッ トした。

[0103] この織物の織密度、 厚さ、 摺動面におけるフッ素樹脂繊維 の面積率およ び面積比《、 平滑材および表面粗さの大きな相手材に対し ての摩耗耐久性、 ガタツキの評価結果を表 1 にまとめた。

[0104] 比較例 3

経糸および緯糸に繊度 4 4 0 I 6 X、 単糸数 6 0フィラメントの 丁 巳繊維と繊度 2 2 0 1 6 X , 単糸数 3 6フィラメント、 引張強度

1 6 X、 引張弾性率 4 0〇 1\1 / I 6 X、 伸度が 3 0 %の 3繊維とを 、 1 (本) : 1 (本) にて交互に配し、 織機にて一重平織物を製作した。 そ の後 8 0 °〇の精練槽にて精練を行い、 2 0 0 °〇でセッ トした。

[0105] この織物の織密度、 厚さ、 摺動面におけるフッ素樹脂繊維 の面積率およ び面積比《、 平滑材および表面粗さの大きな相手材に対し ての摩耗耐久性、 ガタツキの評価結果を表 1 にまとめた。

[01 06] i

【表 1】

s ^ 8 \¥0 2020/175304 23 卩(:171? 2020 /006692

[0107] 1 :緯糸に用いたフッ素樹脂繊維八!

2 :緯糸に用いたフッ素樹脂繊維八 2

3 :緯糸に用いた繊維

4 :緯糸に用いた繊維巳 2

5 :経糸に用いたフッ素樹脂繊維八 3

6 :経糸に用いたフッ素樹脂繊維八 4

7 :経糸に用いた繊維巳 3

8 :経糸に用いた繊維巳 4

9 :領域八〇

1 0 :領域巳〇