| WO/2008/135817 | TIMEPIECE COMPONENT AND METHOD FOR MAKING SAME |
| JP58006952 | PARTS FOR WATCH |
| WO/2010/072629 | TIMEPIECE INCLUDING A PIVOTING MEMBER |
佐藤 未英 (〒07 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セイコーインスツル株式会社内 Chiba, 26185, JP)
MIYOSHI, Natsuki (8 Nakase 1-chome, Mihama-k, Chiba-shi Chiba 07, 26185, JP)
三好 夏生 (〒07 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セイコーインスツル株式会社内 Chiba, 26185, JP)
KISHI, Matsuo (8 Nakase 1-chome, Mihama-k, Chiba-shi Chiba 07, 26185, JP)
セイコーインスツル株式会社 (〒07 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 Chiba, 26185, JP)
SATO, Miei (8 Nakase 1-chome, Mihama-k, Chiba-shi Chiba 07, 26185, JP)
佐藤 未英 (〒07 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セイコーインスツル株式会社内 Chiba, 26185, JP)
MIYOSHI, Natsuki (8 Nakase 1-chome, Mihama-k, Chiba-shi Chiba 07, 26185, JP)
三好 夏生 (〒07 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セイコーインスツル株式会社内 Chiba, 26185, JP)
| 少なくとも3つの層が積層され、積層方向に略平行な外周面に他の部品と摺動する摺動部を有する摺動部品であって、 前記少なくとも3つの層の最上層と最下層に挟まれた少なくとも一つの層の前記摺動部に凹部が形成されている摺動部品。 |
| 前記凹部は、前記最上層と前記最下層に挟まれた層のうちの少なくとも1つの層がそれと向い合う層の外周面よりも後退して形成されている請求項1に記載の摺動部品。 |
| 前記凹部を前記積層方向に複数有する請求項1または請求項2に記載の摺動部品。 |
| 前記凹部が、前記外周面の全周にわたって形成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の摺動部品。 |
| 少なくとも2種類以上の異なる材料からなる少なくとも3つの層が積層された構造である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の摺動部品。 |
| 前記積層された少なくとも3つの層のうちの1つ層の材料が他の層の材料よりも熱伝導性が良い請求項5に記載の摺動部品。 |
| 前記少なくとも3つの層は、所定層と、前記所定層の厚み方向において前記所定層と向い合う第1対向層及び第2対向層とを備え、 前記凹部は、前記所定層が前記第1対向層又は前記第2対向層の外周面よりも後退して形成されて成るものであり、 前記第1対向層及び第2対向層のうち、少なくとも一つが、前記積層方向に略平行な面と略垂直な面との交差部に曲面を有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の摺動部品。 |
| 前記第1対向層及び第2対向層の少なくとも一つは、前記所定層が形成されている所定層側、及び前記所定層側とは逆の反対側のうち、前記所定層側に前記曲面を有する請求項7に記載の摺動部品。 |
| 前記第1対向層及び第2対向層の少なくとも一つは、前記所定層が形成されている所定層側、及び前記所定層側とは逆の反対側のうち、前記反対側に前記曲面を有する請求項7に記載の摺動部品。 |
| 前記第1対向層及び第2対向層の少なくとも一つは、前記所定層が形成されている所定層側、及び前記所定層側とは逆の反対側に、前記曲面を有する請求項7に記載の摺動部品。 |
| 時計用部品として用いられる請求項1~10のいずれか1項に記載の摺動部品。 |
| 請求項1~11に記載の摺動部品を備えていることを特徴とする時計。 |
| 導電性基板の上面に感光性材料の層を形成する工程と、 前記感光性材料の上方に配置したマスクパターンを介して前記感光性材料を露光する工程と、 前記感光性材料を現像し、前記導電性基板の一部に前記感光性材料と前記導電性基板の露出面からなるキャビティを形成する工程と、 前記キャビティ中の前記導電性基板の露出面上に少なくとも2種類以上の材料層を電鋳によって堆積する工程と、 前記キャビティから堆積した材料層を取り出す工程と、 前記材料層の表面の一部を選択的に除去する工程と、を有する摺動部品の製造方法。 |
本発明は、歯車、軸受け等の時計用部品 して用いられる摺動部品に関する。
寸法精度の高い小型歯車等の摺動部品を製
する方法の一つとして、フォトリソグラフ
と電鋳を組み合わせた技術が使用されてい
(例えば、特許文献1参照)。摺動部品では、
手との相互作用によって、摩擦が生じる。
れらの部品が接触する領域に耐摩耗性がな
れば、これらの部品は早期に摩耗してしま
。摺動部品を用いた機構の効率は、摺動部
の摩耗に顕著に影響される。そこで、耐摩
性を上げるために、潤滑油が用いられる。
かし、潤滑油は流体であるため摺動部に留
らず、摺動部品全体や他の部品に分散する
険がある。そこで、摺動部に潤滑油を保持
る構造が用いられている摺動部品もある(例
えば、特許文献2参照)。
特許文献1に記載されている構造では、摺 動部が平滑のため、潤滑油を使用したとして も、潤滑油が摺動部に留まらず、分散する可 能性が高い。
特許文献2に記載されている構造では、潤 滑油保持構造があるため、潤滑油が分散する 可能性は低い。図31は、特許文献2に記載され ているガンギ車のガンギ歯501と、摺動の相手 部品であるアンクルのツメ石210との摺動過程 の部分断面図である。
ガンギ歯501は、潤滑油保持部521に、潤滑 410を保持するので、潤滑油410は分散せず、 動部に留まる。図31(a)、(d)に示すように、 ンギ歯501とツメ石210が真直ぐな状態で接触 る場合には、摺動部に潤滑油410が供給され ので、潤滑性が期待できる。
また、図31(b)、(e)に示す向きに傾いた状 でガンギ歯501とツメ石210が接触する場合も 摺動部に潤滑油410が供給され、潤滑性が期 できる。しかし、図31(c)、(f)に示す向きに傾 いた状態でガンギ歯501とツメ石210が接触する 場合、潤滑油保持部521から潤滑油410が供給さ れない可能性がある。
本発明の目的は、相手部品との接触角度 因らず潤滑油を供給するための潤滑油保持 造を有する、耐摩耗性の高い摺動部品及び 計を提供することである。
本発明の摺動部品は、少なくとも3つの層 が積層された構造であり、積層方向に対して 略平行な外周面に他の部品と摺動する摺動部 を有する摺動部品であって、積層された少な くとも3つの層の最上層と最下層に挟まれた なくとも一つの内部に位置する層の摺動部 凹部が形成されていることを特徴とする。 の発明によれば、潤滑油保持部となる凹部 積層方向の片側に位置しなくなるため、相 部品との接触角度にさほど影響を受けずに 滑油を確実に供給することができ、耐摩耗 の高い摺動部品を得ることができる。
本発明の摺動部品は、前記凹部が、積層さ
た少なくとも3つの層の最上層と最下層に挟
まれた少なくとも一つの内部に位置する層の
うちの少なくとも1つの層が後退して形成
されていてもよい。
本発明の摺動部品は、前記凹部を前記積 方向に複数有していることを特徴とする。 の発明によれば、相手部品との接触角度に る影響をより受けにくくなり、潤滑油をよ 確実に供給することができる。
本発明の摺動部品は、前記凹部が、前記 周面の全周にわたって形成されていること 特徴とする。この発明によれば、凹部によ 潤滑油の保持量を多くすることができる。
本発明の摺動部品は、少なくとも2種類以 上の異なる材料からなる少なくとも3つの層 積層された構造であってもよい。このとき 前記層のうちの1つ層の材料が他の層の材料 りも熱伝導性が良くてもよい。
本発明の摺動部品は、前記凹部を形成し いる層に対して突出している凸層のうち、 なくとも一つの前記凸層が、前記積層方向 略平行な面と略垂直な面との交差部に曲面 有していることを特徴とする。
本発明の摺動部品は、前記少なくとも3つ の層は、所定層と、前記所定層の厚み方向に おいて前記所定層と向い合う第1対向層及び 2対向層とを備え、前記凹部は、前記所定層 前記第1対向層又は前記第2対向層の外周面 りも後退して形成されて成るものであり、 記第1対向層及び第2対向層のうち、少なくと も一つが、前記積層方向に略平行な面と略垂 直な面との交差部に曲面を有することを特徴 とする。
本発明の摺動部品は、前記第1対向層及び 第2対向層の少なくとも一つは、前記所定層 形成されている所定層側、及び前記所定層 とは逆の反対側のうち、前記所定層側に前 曲面を有することを特徴とする。
本発明の摺動部品は、前記第1対向層及び 第2対向層の少なくとも一つは、前記所定層 形成されている所定層側、及び前記所定層 とは逆の反対側のうち、前記反対側に前記 面を有することを特徴とする。
本発明の摺動部品は、前記第1対向層及び 第2対向層の少なくとも一つは、前記所定層 形成されている所定層側、及び前記所定層 とは逆の反対側に、前記曲面を有すること 特徴とする。
本発明の摺動部品は、時計用部品として いられることを特徴とする。
本発明の時計は、本発明の摺動部品を備 ていることを特徴とする。
本発明の摺動部品の製造方法は、導電性 板の上面に感光性材料層を形成する工程と 前記感光性材料上方に配置したマスクパタ ンを介して前記感光性材料を露光する工程 、前記感光性材料を現像し、前記感光性材 と前記導電性基板の露出面からなるキャビ ィを形成する工程と、前記キャビティ中の 記導電性基板の露出面上に少なくとも2種類 以上の材料層を電鋳によって堆積する工程と 、前記キャビティから堆積した材料層を取り 出す工程と、前記材料層の表面の一部を選択 的に除去する工程を備えていることを特徴と する。
本発明によれば、潤滑油保持構造を有す 耐摩耗性に優れた摺動部品と、この摺動部 を時計用部品として用いることによってメ テナンス期間を長くした時計を得ることが きる。さらに、本発明の製造方法によれば 潤滑油保持構造を有する耐摩耗性に優れた 動部品を容易に製造することができる。
〔第一実施形態〕
以下、本発明の第一実施形態を図面に基づ
て説明する。
図1は、時計1のムーブメントの表輪列側の概
形状を示す平面図、図2は、時計1の香箱2か
ガンギ車100の部分を示す概略部分断面図、
3は、時計1のガンギ車100からてんぷ10の部分
を示す概略部分断面図である。
ここで、時計1は、2針式の機械式時計で る。しかし、時計は、電子制御式機械式時 、クオーツ式時計等でも良いものとする。
時計1は、ぜんまい2B、香箱歯車2A、香箱 2C、および香箱蓋2Dからなる香箱車2を備えて いる。ぜんまい2Bは、外端が香箱歯車2A、内 が香箱真2Cに固定されている。香箱真2Cは地 3と輪列受4に支持され、角穴車5と一体で回 するように角穴ネジにより固定されている 角穴車5は、時計方向には回転するが半時計 方向には回転しないように、こはぜ7と噛み っている。なお、角穴車5を回転しぜんまい2 Bを巻く方法は、一般的な機械式時計の自動 きまたは手巻きと同様であるため、説明を 略する。
香箱歯車2Aの回転は、二番車12、三番車13、
番車14からなる増速輪列11を
介して増速された後、さらにガンギ車100及び
アンクル200を介して、てんぷ10に伝達される
増速輪列11の二番車12には筒かな15が、筒 な15には分針8が固定されている。筒かな15 回転に基づいて、図示しない日の裏車の回 を介して、筒車16が回転する。この筒車16に 時針9が固定されている。つまり、各指針8 9は、増速輪列11に結合されていて、香箱歯 2Aや増速輪列11に使用される各番車12~14の歯 は、時計1の指針8、9を駆動する歯車として いられている。よって、各時計用部品には 高い寸法精度並びに耐摩耗性が要求されて る。
時計1には様々な輪列があるが、以下簡単 のためにガンギ車100を例にとって説明を行う 。しかし、ガンギ車は本発明の理解を容易に するために例示的に記載するものである。
図4(a)に、本発明の構造を有するガンギ車 (摺動部品)100を示す。ガンギ車100は、その外 部に複数のガンギ歯101を有し、中心部に厚 方向に貫通する軸穴102を有する。このガン 車100は、図1~3に示した機械式時計の時計用 品として用いられる一部品である。
図4(b)は、図4(a)において、円Cで囲んだガ ギ歯101を拡大した図である。ガンギ歯101は 停止面111、衝撃面112、及び背面113を有し、 止面111と衝撃面112との交差稜線がロッキン コーナー114となり、衝撃面112と背面113との 差稜線がレットオフコーナー115となってい 。ガンギ歯101の停止面111、衝撃面112、及び 面113は、ガンギ車100の厚み方向に対して略 行な外周面の一部をなしており、ロッキン コーナー114及びレットオフコーナー115を含 衝撃面112が、後述するツメ石210と摺動する 動部となっている。本発明の構造を有する ンギ車100は、少なくとも3つの層が厚み方向 に積層された多層構造を有し、例えば本実施 形態では、同一の材料の第1及び第3の金属層1 21(第1対向層)、123(第2対向層)と、第1及び第3 金属層121、123に挟まれ、これらとは異なる 料の第2の金属層122とから成る。
第1及び第3の金属層121、123の材料には、ニ ケル(Ni)、コバルト(Co)、白金(Pt)、ロジウム(R h)、クロム(Cr)、パラジウム(Pd)等の金属や、Ni -タングステン(W)、Ni-ボロン(B)等の合金、あ いは前記金属マトリックス中にアルミナ(Al 2 O 3 )や炭化ケイ素(SiC)等のセラミックス、ポリテ トラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂、その他 の有機物質又は無機物質の粒子又は繊維を共 析させた複合物が挙げられる。第2の金属層12 2の材料には、銅(Cu)、金(Au)、亜鉛(Zn)、銀(Ag) 鉄(Fe)、スズ(Sn)等の金属や、Cu-Au、Cu-Ag等の 金、あるいは前記金属マトリックス中に前 粒子又は繊維を共析させた複合物が挙げら る。後述する製造工程において、第2の金属 層122をエッチングして凹部150を形成するため 、第2の金属層122のみを選択的にエッチング きる材料の組み合わせ、またはエッチング 度に差のある材料の組み合わせを採用する また、ガンギ車100は摺動部品であるので、 手部品と接する第1及び第3の金属層121、123は 、硬い材料であることが望ましい。
図4(c)は、ガンギ車100を図4(b)のX-X線で切っ
ときの断面図である。本発明の構造を有す
ガンギ車100において、第2の金属層122の外形
、第1及び第3の金属層121、123の外形よりも
さい。第2の金属層122の外周面は、ガンギ車1
00の外周面(第1及び第3の金属層121、123の外周
)から後退している。そのため、ガンギ車100
は、少なくとも摺動部の一部に、本実施形態
ではガンギ車1
00の外周面の全周にわたって、ガンギ車100の
み方向には開放されない凹部150を有する。
部150が、潤滑油保持の働きをする。
ガンギ車100の厚みT0は、本実施例において
100μmである。厚みT0は、製
造する部品に応じて、10μm~1mmとする。第1の
属層121の厚みT1と第3の金属層123の厚みT3は、
1μm~900μmとする。厚みT1とT3が同じ値である必
要はない。第2の金属層122の厚みT2は、500nm~500
μmとする。凹部150の深さW1は1μm~1mmとする。
部150の寸法を決める厚みT2と深さW1は、潤滑
の粘度や表面張力によって適宜決定する。
ガンギ車100は、アンクル200と摺動する。 体的には、ガンギ車100のガンギ歯101とアン ル200のツメ石210が摺動する。図5(a)はガンギ 歯101の部分拡大図、図5(b)はアンクル200のツ 石210の部分拡大図である。ツメ石210はガン 歯101と同様に、停止面211、衝撃面212、背面21 3、ロッキングコーナー214、レットオフコー ー215から成る。
ガンギ歯101とツメ石210が摺動する過程を 図6を用いて説明する。図6(a)において、ツ 石210の停止面211にガンギ歯101のロッキング ーナー114が接し、アンクルはガンギ車101を めている。
アンクルが矢印の方向に動くと、ガンギ 101のロッキングコーナー114とツメ石210のロ キングコーナー214が接する図6(b)に示す状態 を経て、図6(c)に示すようにガンギ歯101のロ キングコーナー114はツメ石210の衝撃面212上 滑る。
そして、ガンギ歯101のロッキングコーナ 114とツメ石210のレットオフコーナー215が接 る図6(d)に示す状態を経て、今度は図6(e)に すように、ツメ石210のレットオフコーナー21 5がガンギ歯101の衝撃面112上を滑る。
図6(f)に示すようにガンギ歯101のレットオ フコーナー115とツメ石210のレットオフコーナ ー215が接すると、ガンギ歯101とツメ石210は離 れる。
図6に示す摺動過程では、ガンギ歯101とツ メ石210との間に摩擦が生じるので、耐摩耗性 を向上させるために潤滑油を注油する。図7 、図6(e)のY-Y線で切った断面図である。凹部1 50は、図7(a)、(d)に示すように、潤滑油410を保 持する働きを持つ。
凹部150は、ガンギ車100の全周に設けられ いるため、図3で説明した摺動過程の全ての 状態で、摺動部に潤滑油410を供給することが できる。また、ガンギ車100は、その潤滑油保 持部となる凹部150が積層方向の片側に位置せ ずに略中央部に位置しているため、図7(b)、(e )、(c)、(f)に示すようにツメ石210が傾いてい としても、摺動部に潤滑油410を供給するこ ができる。
ガンギ車100は、潤滑油410が凹部150から摺 部により確実に供給されることにより、摺 性が向上する。そのため、ガンギ車100は耐 耗性が向上し、部品寿命が従来よりも長く る。
また、凹部150はガンギ車100の全周に設けら
ているため、保油量が従来の構造のガンギ
よりも多い。機械式時計では、数年毎に摺
部品の注油のためのメンテナンスが必要だ
、本発明の構造を有する摺動部品を用いれ
、メンテナンス期間を従来よりも
長くすることができる。
本発明の構造を有するガンギ車100の製造 法を、図8~11を用いて以下に述べる。図8~11 、ガンギ車100の製造工程の部分断面図であ 。ここでは、一つのガンギ車100が形成され 付近の断面図を概略的に示した。
図8(a)は、導電性基板形成工程を説明する 図である。基板601に電極材料602を形成する。 基板601は、シリコン、石英、サファイア等で ある。電極材料602は、Cu、Au、Cr、Ti等である なお、基板601にステンレスやTi等の金属を いてもよい。基板601が金属の場合、電極材 602は形成しなくてもよい。基板601の厚みは 後の工程で自立できるよう100μm~1mmとする。 極材料602の厚みは、10nm~10μmとする。
図8(b)は、レジスト形成工程を説明する図 である。電極材料602の上にフォトレジスト603 を堆積する。フォトレジスト603は、ネガ型で もポジ型でもよい。フォトレジスト603はスピ ンコート法やディップコート法を用いて形成 する。フォトレジスト603として、ドライフィ ルムレジストを用いる場合、ラミネート法に よって電極材料602の上に形成する。フォトレ ジスト603の厚みは、ガンギ車100の厚みT0以上 する。以下では、フォトレジスト603がネガ の場合を用いて説明する。
図8(c)は、現像工程を説明する図である。 ガンギ車100の外形パターンが形成されたフォ トマスクを用いて、フォトレジスト603に紫外 線を照射し、ガンギ車100の電鋳に使用する部 分以外のレジストを硬化させる。未硬化のレ ジスト部分を除去し、電鋳用の型が完成する 。フォトレジスト603Kの側面631は、ガンギ車10 0の外形の形状を持つ。フォトレジスト603Lの 面632は、軸穴102の形状を持つ。
図8(d)~図9(a)は電鋳工程を説明する図であ 。第1及び第3の金属層121、123で第2の金属層1 22を挟むように、第1の金属層121、第2金属層12 2、第3の金属層123の順で堆積させる。電鋳物 底面からのみ成長する。
図8(d)は、金属層電鋳工程を説明する図で ある。第1の金属層121を、電極材料602上の、 ォトレジスト603K、603L以外の型部分に厚みT1 なるよう堆積させる。
図8(e)は、金属層電鋳工程を説明する図で ある。第1の金属層121上に、第2の金属層122を みT2になるよう堆積させる。なお、厚みT1と 厚みT2の合計は、厚みT0よりも小さい。
図9(a)は、金属層電鋳工程を説明する図で ある。第2の金属層122上に、第3の金属層123を 電鋳物がガンギ車の厚みT0以上になるよう 厚みT3以上堆積させる。但し、この後、図9(b )に示す研削・研磨工程を省略する場合は、 鋳物が厚みT0になるよう、第3の金属層123を みT3まで堆積させる。
図9(b)は、研削・研磨工程を説明するである
。研削により、ガンギ車100が厚みT0になるよ
第3の金属層123およびフォトレジスト603K、60
3Lを削り、平
面化を行う。さらに研磨を行い、第3の金属
123の表面を鏡面に仕上げる。
図9(c)は、レジスト除去工程を説明する図 である。エッチングあるいは物理的な力等に よって、フォトレジスト603K、603Lを除去する
図9(d)は、凹部形成工程を説明する図であ る。第2の金属層122をエッチングし、第1及び 3の金属層121、123をエッチングしないエッチ ング液中に電鋳物を浸漬する。第2の金属層12 2のみをエッチングし、深さW1の凹部150を形成 する。一例として、第1及び第3の金属層121、1 23にNi、第2の金属層122にCuを堆積させた場合 、エッチング液に過硫酸アンモニウム溶液 用いるとCuのみをエッチングできる。
図9(e)は、電鋳物剥離工程を説明する図で ある。基板601、電極602をエッチングあるいは 物理的な力等によって除去する。
なお、研削・研磨後の図9(c)~(e)に示す工 は、以下の工程で行うことも可能である。
図10(a)は、基板・電極除去工程を説明す 図である。基板601、電極602をエッチング等 よって除去する。
図10(b)は、レジスト除去工程を説明する である。エッチングあるいは物理的な力等 よって、フォトレジスト603K、603Lを除去する 。
図10(c)は、凹部形成工程を説明する図で る。第2の金属層122をエッチングし、第1及び 第3の金属層121、123をエッチングしないエッ ング液中に電鋳物を浸漬する。第2の金属層1 22のみをエッチングし、深さW1の凹部150を形 する。
なお、耐食性、潤滑性、耐熱性等の機能を 上させたい場合や、濡れ性をよくして保油 を向上させたい場合は、図9(e)または図10(c) 示す工程の後に、図11(a)、(b)に示すめっき 程を追加する。剥離した電鋳物全体に、金 膜650をめっきする。金属膜650の材料は、Ni、 Co、Rh、Cr等の金属や、Ni-W、Ni-Co等の合金、あ るいはNi-Al 2 O 3 、Ni-PTFE等の複合物が挙げられる。金属膜650 厚みT4は100nm~100μmとする。但し、凹部150が埋 まらない厚みとする。
以上で説明したように、本発明の製造方 によれば、図4で示した摺動部品を容易に製 造することができる。
図12は第1の金属層121の材料に、NiやCo等の金 属マトリックス中にAl 2 O 3 やSiC等の粒子を共析させた複合物を用いた場 合の電鋳工程を説明する図である。図12(a)は 1の金属層121の電鋳工程を説明する図である 。図12(a)に示すように、共析した複合粒子の 部は金属マトリックスに完全に取り込まれ 、上面に露出する。この露出した複合粒子 、図12(b)に示す第2の金属層122の電鋳工程で 属層122によって完全に取り込まれる。第1の 金属層121の複合粒子が表面の粗い物質であっ た場合、金属層121、122の境界に複合粒子が共 析することによって、二つの金属層の密着力 が向上する。この効果は、第2の金属層122の 料に複合物を用いた場合の、第2の金属層122 第3の金属層123との密着力についても同様で ある。また、共析させる物質が炭化タングス テン(WC)等の繊維の場合も、同様の効果があ 。
また、第2の金属層122の材料に、NiやCu等の
属マトリックス中にPTFEやアクリル樹脂等の
子を共析させた複合物を用いた場合、図13
示す工程でも凹部を形成できる。図13(a)は、
第2の金属層122の材料にNiやCu等の金属マトリ
クス中にPTFEやアクリル樹脂等の粒子を共析
させた複合物を用いた場合の、レジスト除去
工程後の状態である。図13(a)に示すように、
合粒子の一部は摺動面に共析して
いる。この摺動面に共析した複合粒子を、熱
処理や有機溶媒等によって除去することで、
図13(b)に示すような凹部150を形成することが
きる。この場合、凹部150は外周面の全周に
っては形成されず、複合粒子が共析し、除
された部分にのみ形成される。この凹部150
、潤滑油保持の働きをする。
また、ガンギ車100は摺動時に摩擦熱が発 し、摺動部の温度が上昇してガンギ車100を 成する材料の硬度が減少し、摩耗しやすく る場合がある。しかし、本発明では第2の金 属層122に熱伝導性の良い材料を用いることで 、ガンギ車100全体の熱伝導性を向上させるこ とができ、第1及び第3の金属層121、123の温度 上がりにくくなるので、摩耗しにくくなる このような金属の組み合わせの一例として 第1及び第3の金属層121、123にNi、第2の金属 122にCuが挙げられる。
また、図14に示す形状を用いれば、耐摩 性をさらに向上させることができる。図14に 示すガンギ車100は、第1及び第3の金属層121、1 23の外周面と、第2の金属層122に接していない 面との交差部に曲面161A、163Aを有している。 面161Aの曲率R11aと曲面163Aの曲率R13aが同じ値 である必要はない。図7(b)、(e)、(c)、(f)に示 ように、ガンギ歯101とツメ石210が傾いて接 る場合、角が当たって摩擦力が大きくなる 能性がある。一方、図14に示す形状を用いれ ば、図14(b)に示すように、曲面161A、163Aを形 することによってガンギ歯101とツメ石210が いて接する場合でも角が当たらず、潤滑性 良いので、摩擦力が低くなり、耐摩耗性が 上する。また、曲面161A、163Aを形成すること によって摺動時のヘルツ接触圧が低くなるの で、耐摩耗性が向上する。
図14に示す構造を有するガンギ車100の製 方法を、図15~16を用いて以下に述べる。
図15(a)、(c)は、バレル研磨工程を説明す 図である。図10(b)の工程の後にバレルで電鋳 物を研磨し、曲面161A、163Aを形成する。曲面1 61A、163Aの半径はバレル研磨の条件によって 整することができる。バレル研磨の条件に っては、図15(c)に示すように、第1及び第3の 属層121、123の内周面と第2の金属層122に接し ていない面との交差部も研磨され、曲面161B 163Bが形成される。曲率R11a、R13a、曲面161Bの 率R11b、曲面163Bの曲率R13bが同じ値である必 はない。
図15(b)、(d)は、凹部形成工程を説明する である。第2の金属層122をエッチングし、第1 及び第3の金属層121、123をエッチングしない ッチング液中に電鋳物を浸漬する。第2の金 層122のみをエッチングし、深さW1の凹部150 形成する。
なお、図15(c)~(d)に示す工程は、以下の工 で行うことも可能である。
図16(a)は、ウエットエッチング工程を説 する図である。第1及び第3の金属層121と123を エッチングし、第2の金属層122をエッチング ないエッチング液中に電鋳物を浸漬する。 1及び第3の金属層121と123のみがエッチングさ れ、曲面161A、161B、163A、163Bが形成される。 例として、第1及び第3の金属層121、123にCr、 2の金属層にCuを堆積させた場合は、エッチ グ液にフェリシアン化カリウム溶液を用い とCrのみをエッチングできる。
図16(b)は、凹部形成工程を説明する図で る。第2の金属層122をエッチングし、第1及び 第3の金属層121、123をエッチングしないエッ ング液中に電鋳物を浸漬する。第2の金属層1 22のみをエッチングし、深さW1の凹部150を形 する。
なお、ガンギ車100に曲面161B、163Bを有し いる場合、軸穴102に軸を打ち込むときの応 を緩和することができ、破損を防ぐことが きる。
また、図17に示す形状を用いても耐摩耗 を向上させることができる。図17に示すガン ギ車100は、第1及び第3の金属層121、123の外周 と第2の金属層122に接している面との交差部 に曲面161C、163Cを有している。曲面161Cの曲率 R11cと曲面163Cの曲率R13cが同じ値である必要は ない。曲面161C、163Cは、凹部150から摺動面に けて形成されているため、図17に示すよう 凹部150から摺動部へ潤滑油410が供給されや くなる。そのため潤滑性が向上し、耐摩耗 が向上する。
図17に示す構造を有するガンギ車100の製 方法を、図18~21を用いて以下に述べる。
図18(a)は、犠牲層電鋳工程を説明する図 ある。図8(c)の工程の後に第1の犠牲層141を、 電極材料602上の、フォトレジスト603K、603L以 の型部分に堆積させる。電鋳物は底面から み成長する。犠牲層141はAu、Cr、Ni、Cu等で る。第1の犠牲層141の厚みは10nm~10μmとする。
図18(b)は、金属層電鋳工程を説明する図 ある。第1の犠牲層141の上に、第1の金属層121 を厚みT1になるように堆積させる。その上に 2の金属層122を厚みT2になるように堆積させ 。その上に第3の金属層123を、電鋳物がガン ギ車100の厚みT0以上になるよう、厚みT3以上 積させる。
図18(c)は、研削・研磨工程を説明する図 ある。研削により、ガンギ車100が厚みT0にな るよう第3の金属層123及びフォトレジスト603K 603Lを削り、平面化を行う。さらに研磨を行 い、第3の金属層123の表面を鏡面に仕上げる
図18(d)は、犠牲層電鋳工程を説明する図 ある。第3の金属層123の上に、第2の金属層142 を堆積させる。第2の犠牲層142はAu、Cr、Ni、Cu 等である。第2の犠牲層142の厚みは10nm~10μmと る。
図18(e)は、基板・電極除去工程を説明す 図である。基板601、電極602をエッチング等 よって除去する。
図18(f)は、レジスト除去工程を説明する である。エッチングあるいは物理的な力等 よって、フォトレジスト603K、603Lを除去する 。
図18(g)は、凹部形成工程を説明する図で る。第2の金属層122をエッチングし、第1及び 第3の金属層121、123及び、第1及び第2の犠牲層 141、142をエッチングしないエッチング液中に 電鋳物を浸漬する。第2の金属層122のみをエ チングし、深さW1の凹部150を形成する。一例 として、第1及び第3の金属層121、123にNi、第2 金属層122にCu、第1及び第2の犠牲層141、142に Crを堆積させた場合は、エッチング液に過硫 アンモニウム溶液を用いるとCuのみをエッ ングできる。
図18(h)、(j)は、バレル研磨工程を説明す 図である。バレルで電鋳物を研磨し、曲面16 1C、163Cを形成する。曲面161C、163Cの半径はバ ル研磨の条件によって調整することができ 。図17に示すように第1及び第3の金属層121、 123の外周面と第2の金属層122に接していない との交差部に曲面を有していない形状の場 、曲面161C、163Cの半径が第1及び第2の犠牲層1 41、142の厚み以下になるようにする。バレル 磨の条件によっては、図18(j)に示すように 第1及び第3の金属層121、123の内周面と第2の 属層122に接していない面との交差部が研磨 れ、曲面161D、163Dが形成される。曲率R11c、R1 3c、曲面161Dの曲率R11d、曲面163Dの曲率R13dが同 じ値である必要はない。
図18(i)、(k)は、犠牲層除去工程を説明す 図である。第1及び第2の犠牲層141、142をエッ チングし、第1及び第3の金属層121、123及び第2 の金属層122をエッチングしないエッチング液 中に電鋳物を浸漬する。第1及び第2の犠牲層1 41、142のみをエッチングし、犠牲層を除去す 。一例として、第1及び第3の金属層121、123 Ni、第2の金属層122にCu、第1及び第2の犠牲層1 41、142にCrを堆積させた場合は、エッチング にフェリシアン化カリウム溶液を用いるとCr のみをエッチングできる。
なお、図18(b)~(d)に示す工程は、図19(a)~(b) 説明する工程で行うことも可能である。
図19(a)は、金属層電鋳工程を説明する図 ある。第1の犠牲層141の上に、第1の金属層121 を厚みT1になるように堆積させる。その上に 2の金属層122を厚みT2になるように堆積させ 。その上に第3の金属層123を厚みT3になるよ に堆積させる。なお、第1の犠牲層と厚みT1 T2、T3の合計は、フォトレジスト603K、603Lの みよりも小さい。
図19(b)は、犠牲層電鋳工程を説明する図 ある。第3の金属層123の上に、第2の金属層142 を堆積させる。
なお、図18(g)~(j)に示す工程は、図20(a)~(b) 説明する工程で行うことも可能である。
図20(a)は、ウエットエッチング工程を説 する図である。第1及び第3の金属層121と123を エッチングし、第2の金属層122及び、第1及び 2の犠牲層141、142をエッチングしないエッチ ング液中に電鋳物を浸漬する。第1及び第3の 属層121と123のみがエッチングされ、曲面161C 、161D、163C、163Dが形成される。一例として、 第1及び第3の金属層121、123にNi、第2の金属層 Cr、第1及び第2の犠牲層141、142にCuを堆積さ た場合は、エッチング液にニッケル選択エ チング液-NC(日本化学産業株式会社製)を用 るとNiのみをエッチングできる。
図20(b)は、犠牲層除去工程を説明する図 ある。第1及び第2の犠牲層141、142をエッチン グし、第1及び第3の金属層121、123及び第2の金 属層122をエッチングしないエッチング液中に 電鋳物を浸漬する。第1及び第2の犠牲層141、1 42のみをエッチングし、犠牲層を除去する。
なお、図18(d)~(j)に示す工程は、図21(a)~(e) 説明する工程で行うことも可能である。
図21(a)は、レジスト除去工程を説明する である。エッチングあるいは物理的な力等 よって、フォトレジスト603K、603Lを除去する 。
図21(b)は、凹部形成工程を説明する図で る。第2の金属層122をエッチングし、第1及び 第3の金属層121、123及び、第1及び第2の犠牲層 141、142をエッチングしないエッチング液中に 電鋳物を浸漬する。第2の金属層122のみをエ チングし、深さW1の凹部150を形成する。
図21(c)は、ウエットエッチング工程を説 する図である。第1及び第3の金属層121と123を エッチングし、第2の金属層122及び、第1及び 2の犠牲層141、142をエッチングしないエッチ ング液中に電鋳物を浸漬する。第1及び第3の 属層121と123のみがエッチングされ、曲面161C 、161D、163C、163Dが形成される。
図21(d)は、電鋳物剥離工程を説明する図 ある。基板601、電極602をエッチングあるい 物理的な力等によって除去する。
図21(e)は、犠牲層除去工程を説明する図 ある。第1及び第2の犠牲層141、142をエッチン グし、第1及び第3の金属層121、123及び第2の金 属層122をエッチングしないエッチング液中に 電鋳物を浸漬する。第1及び第2の犠牲層141、1 42のみをエッチングし、犠牲層を除去する。
また、図22に示す形状を用いると耐摩耗 をさらに向上させることができる。図22に示 すガンギ車100は、曲面161A、161C、163A、163Cを している。曲率R11a、R11c、R13a、R13cが同じ値 ある必要はない。図14に示す形状を備えて るため、図22(b)に示すように、曲面161A、163A 形成することによってガンギ歯101とツメ石2 10が傾いて接する場合でも角が当たらず、潤 性が良いので、摩擦力が低くなり、耐摩耗 が向上する。また、曲面161A、161C、163A、163C を形成することによって摺動時のヘルツ接触 圧が低くなるので、耐摩耗性が向上する。
また、図17に示す形状を備えているため 図22に示すように凹部150から摺動面にかけて 曲面161C、163Cが形成されているので、凹部150 ら摺動部へ潤滑油410が供給されやすくなる そのため潤滑性が向上し、耐摩耗性が向上 る。
さらに、曲面161Aと161C、163Aと163Cがつなが っていて、ガンギ車100の外周面全体が曲面の 場合、ツメ石210と点接触で摺動するので潤滑 性が向上し、耐摩耗性が向上する。
図22に示す構造を有するガンギ車100の製 方法を、図23を用いて以下に述べる。
図23(a)、(b)は、バレル研磨工程を説明す 図である。図10(c)の工程の後にバレルで電鋳 物を研磨し、曲面161A、161C、163A、163Cを形成 る。曲面161A、161C、163A、163Cの半径はバレル 磨の条件によって調整することができる。 レル研磨の条件によっては、図23(b)に示す うに、曲面161B、161D、163B、163Dが形成される 曲率R11a、R11b、R11c、R11d、R13a、R13b、R13c、R13 dが同じ値である必要はない。
なお、図23(b)に示す工程は、以下の工程 行うことも可能である。
図24(a)は、ウエットエッチング工程を説 する図である。第1及び第3の金属層121と123を エッチングし、第2の金属層122をエッチング ないエッチング液中に電鋳物を浸漬する。 1及び第3の金属層121と123のみがエッチングさ れ、曲面161A、161B、161C、161D、163A、163B、163C 163Dが形成される。
なお、ガンギ車100に曲面161B、161D、163B、1 63Dを有している場合、軸穴102に軸を打ち込む ときの応力を緩和することができ、破損を防 ぐことができる。
〔第二実施形態〕
図25は、本発明の構造を有するガンギ車700
部分拡大図である。ガンギ車700は、n個(nは4
上の整数)の層が厚み方向に積層された多層
構造を有し、例えば第一実施形態における第
1及び第3の金属層121、123と同一の材料で外形
大きい第1、3、…の金属層711、713、…と、
えば第一実施形態における第2の金属層122と
一の材料で外形の小さい第2、4、…の金属
712、714…とから成る。
このような第二実施形態によれば、第一 施形態で得られた効果が、さらに向上する 以下に、nが奇数で、且つ最上層と最下層が 外形の大きい金属層の場合について説明する 。この場合、最上層と最下層がエッチングさ れない金属層となるので、凹部を形成するた めに外形を小さくすべき金属層をエッチング しても、ガンギ車700の厚みT0がばらつかない いう利点がある。
ここで、n=2m+1とする(mは2以上の整数)。摺 動部品700は、外形の大きい第1、3、…の金属 を(m+1)層、外形の小さい第2、4、…の金属層 をm層有し、これらの金属層が厚み方向に交 に重なっている。
ガンギ車700において、第2、4、…の金属 712、714、…の外形は第1、3、…の金属層711、 713、…の外形よりも小さい。第2、4、…の金 層712、714、…の外周面は、ガンギ車700の外 面(第1、3、…の金属層711、713、…の外周面) から後退している。そのため、ガンギ車700は 、少なくとも摺動部の一部に、本実施形態で は、ガンギ車700の外周面の全周にわたって、 ガンギ車100の厚み方向には開放されないm個 凹部750を厚み方向に分散して有する。この 部750が、潤滑油保持の働きをする。
図26は、m=3のときのガンギ車700のガンギ 701とアンクル200のツメ石210との摺動過程の 面図である。図26(a)、(d)に示すように、ガン ギ歯701とツメ石210が真直ぐな状態で接してい るとき、潤滑油410の供給場所が複数あるので 、第一実施形態よりも多く潤滑油410が摺動部 に供給され、また、満遍無く行き渡る。
図26(b)、(e)、(c)、(f)に示すように、ガン 歯701とツメ石210が傾いて接する場合は、複 の凹部750が広く分布していると、ガンギ歯70 1とツメ石210の接点から最近接の凹部750まで 距離D1が、図7(b)、(e)、(c)、(f)に示すガンギ 101とツメ石210の接点から凹部150までの距離D1 と比べて近くなるので、潤滑油410を確実に供 給できる。
また、図27に示すようにツメ石210に凹凸が
る場合、図27(a)に示すように
凹部150が1個しかないと、潤滑油410がうまく
給されない可能性がある。しかし、図27(b)に
示すように複数の凹部750を厚み方向に分布さ
せると、確実に潤滑油410を供給することがで
きる。
また、図28に示すように、ガンギ車700の 属層711、799の外周面と層712、716に接してい い面との交差部に曲面761A、769Aを有している 場合、図26(b)、(e)、(c)、(f)に示す場合よりも 摩耗性に優れている。曲面761Aの曲率R71aと 面769Aの曲率R79aが同じ値である必要はない。 図26(b)、(e)、(c)、(f)に示すように、ガンギ歯7 01とツメ石210が傾いて接する場合、角が当た て摩擦力が大きくなる可能性がある。一方 図28に示す形状を用いれば、図28(b)に示すよ うに、曲面761A、769Aを有しているため、ガン 歯701とツメ石210が傾いて接する場合でも角 当たらず、潤滑性が良いので、耐摩耗性が 上する。
また、図29に示すように、ガンギ車700の 属層711、799の外周面と層712、716に接してい 面との交差部に曲面761C、769Cを有し、金属層 713、715の外周面と上下の金属層に接している 面との交差部に曲面763C、765Cを有している場 、図26、図27(b)に示す場合よりも耐摩耗性に 優れている。曲面761Cの曲率R71c、曲面763Cの曲 率R73c、曲面765Cの曲率R75c、曲面769Cの曲率R79c 同じ値である必要はない。凹部750から摺動 にかけて曲面であるため、図29に示すよう 凹部750から摺動部へ潤滑油410が供給されや くなり、潤滑性が向上するので、耐摩耗性 向上する。
また、図30に示すように、曲面761A、761C、 763C、765C、769C769A、769Cを有している場合、さ に耐摩耗性に優れている。曲率R71a、R71c、R7 3c、R75c、R79a、R79cが同じ値である必要はない 図30(b)に示すように、ガンギ歯701とツメ石21 0が傾いて接する場合でも角が当たらず、潤 性が良いので、摩擦力が低くなり、耐摩耗 が向上する。また、角がないので、摺動時 ヘルツ接触圧が低くなり、耐摩耗性が向上 る。また、凹部750から摺動面にかけて曲面 あるため、図30に示すように凹部750から摺動 部へ潤滑油410が供給されやすくなり、潤滑性 が向上し、耐摩耗性が向上する。さらに、ガ ンギ車700の外周面全体が曲面の場合、ツメ石 210と点接触で摺動するので潤滑性が向上し、 耐摩耗性が向上する。
また、ガンギ車700は、潤滑油保持のため 凹部750が複数あるので、潤滑油410の保持量 多い。そのため、メンテナンス期間を第一 施形態より長くできる。
ガンギ車700における厚みT0は、第一実施 態の厚みT0と同様である。金属層の厚みT1~T2m +1は、第一実施形態の厚みT1、T3と同様である 。ただし、厚みT1~T2m+1が同じ値である必要は い。金属層の厚みT2~T2mは、第一実施形態の みT2と同様である。ただし、厚みT2~T2mが同 値である必要はない。凹部の深さW1は、第一 実施形態の深さW1と同様である。
ガンギ車700の製造方法は、第一実施形態 同様である。ただし、図8(d)~図9(f)、図12、 18(b)、図19(a)に示す電鋳工程は、n層目を積層 するまで行う。このとき、(n-1)層目までの厚 は、厚みT0よりも小さい。
なお、上述した各実施形態では、摺動部 の一例としてガンギ車について説明したが これに限定されることなく、機械式時計の ~四番車、角穴車、香箱車、こはぜ、丸穴車 などの時計用部品に本発明を適用してもよい 。
また、本発明は時計用部品に限らず、内 鏡進退装置の歯車や、車両玩具の駆動装置 ギア等の摺動部品に適用してもよい。
本発明によれば、潤滑油保持構造を有す 耐摩耗性に優れた摺動部品と、この摺動部 を時計用部品として用いることによってメ テナンス期間を長くした時計を得ることが きる。さらに、本発明の製造方法によれば 潤滑油保持構造を有する耐摩耗性に優れた 動部品を容易に製造することができる。
100、700 ガンギ車
101、701 ガンギ歯
102 軸穴
121、711 第1の金属層(第1対向層)
122、712 第2の金属層
123、713 第3の金属層(第2対向層)
150、750 凹部
210 ツメ石
410 潤滑油
