近藤 芳弘 (〒23 滋賀県野洲市三上35-2 日立ツール株式会社野洲工場内 Shiga, 5202323, JP)
日立ツール株式会社 (〒65 東京都江東区東陽4丁目1番13号 Tokyo, 1358365, JP)
KONDOH, Yoshihiro (Ltd. Yasu Plant 35-2, Mikami, Yasu-sh, Shiga 23, 5202323, JP)
| ドリル径が1mm以下の深穴加工用小径ドリルにおいて、ドリル部は切刃と溝を有し、前記の溝長は前記ドリル径の5倍以上で10倍以下であり、前記ドリル部は、切刃からドリル部の後方に向かって縮径した後に拡径し、前記溝の終端でのドリル部の外径は、前記ドリル径の0.9倍以上0.98倍以下であり、前記ドリル部と首部の間には、前記溝の終端の外径より前記ドリル径の1倍以下まで拡径した拡径部を設け、シャンクにつながる前記首部の直径は前記ドリル径より小さく、かつ、首部の長さはドリル径の10倍以上であることを特徴とする深穴加工用小径ドリル。 |
| ドリル径が1mm以下の深穴加工用小径ドリルにおいて、ドリル部は切刃と溝を有し、前記の溝長は前記ドリル径の5倍以上10倍以下であり、前記ドリル部は、ドリル部長手方向の途中に縮径部の最小径部を有し、前記溝の終端でのドリル部の外径は、前記ドリル径の0.9倍以上0.98倍以下であり、前記ドリル部の後端には、前記溝の終端の外径より前記ドリル径の1倍以下まで拡径した拡径部を設け、シャンクにつながる前記首部の直径は前記ドリル径より小さく、かつ、首部の長さはドリル径の10倍以上であることを特徴とする深穴加工用小径ドリル。 |
| ドリル部の後端にある拡径部は、溝の終端の外径よりテーパ状にドリル径とほぼ同径まで拡径するか、または前記テーパ状とドリル径とほぼ同径の円筒部との組み合わせにより、拡径部の最大径がドリル径と実質同一であることを特徴とする請求項1乃至2に記載の深穴加工用小径ドリル。 |
| 請求項1乃至3いずれかに記載の深穴加工用小径ドリルにおいて、溝長は前記ドリル径の5倍以上で7倍以下であることを特徴とする深穴加工用小径ドリル。 |
| 請求項1乃至3いずれかに記載の深穴加工用小径ドリルにおいて、首部の外径は、ドリル径の0.85倍~0.98倍未満であり、前記首部にはドリル径の0.98倍以上で1.0倍以下の外径を有するガイド部を一箇所以上設けたことを特徴とする深穴加工用小径ドリル。 |
| 請求項1乃至3いずれかに記載の深穴加工用小径ドリルにおいて、首部の外径は、ドリル径の0.85倍~0.98倍未満であり、前記首部にはドリル径の0.98倍以上で1.0倍以下の外径を有するガイド部を一箇所以上設け、前記ガイド部の個々の長さはドリル径の0.2倍から2倍以下であることを特徴とする深穴加工用小径ドリル。 |
| 加工穴径が1mm以下、深さが加工穴径の15倍以上の穴を、予め設けたガイド穴に深穴加工用小径ドリルをガイドさせて加工する微細深穴加工方法であって、前記ガイド穴は、ボールエンドミルを用い、前記ボールエンドミルの回転軸方向に送ることにより、前記ガイド穴の穴径が、前記深穴加工用小径ドリルのドリル径に対して0.90倍以上1.05倍以下、前記ガイド穴の深さが、前記深穴加工用小径ドリルのドリル径に対して0.6倍以上2.0倍以下とし、前記ガイド穴の底面を略半球面状に設け、前記深穴加工用小径ドリルの溝長は、ドリル径の5倍以上10倍以下、首部の長さをドリル径の10倍以上に設け、ステップを繰り返しながら加工をすることを特徴とする微細深穴加工方法。 |
| 加工穴径が1mm以下、深さが加工穴径の15倍以上の穴を、予め設けたガイド穴に深穴加工用小径ドリルをガイドさせて加工する微細深穴加工方法であって、前記ガイド穴は、ボールエンドミルを用い、前記ボールエンドミルの回転軸方向に送ることにより、前記ガイド穴の穴径が、前記深穴加工用小径ドリルのドリル径に対して0.90倍以上1.05倍以下、前記ガイド穴の深さが、前記深穴加工用小径ドリルのドリル径に対して0.6倍以上2.0倍以下とし、前記ガイド穴の底面を略半球面状に設け、請求項1乃至6いずれかに記載の深穴加工用小径ドリルを用いて、ステップを繰り返しながらドリル加工をすることを特徴とする微細深穴加工方法。 |
| 請求項7または8記載の微細深穴加工方法において、加工穴径の50倍以上のドリル加工をする場合、ステップバックした時の前記深穴加工用小径ドリルの外周コーナの位置が加工穴内にあり、前記外周コーナの位置は加工穴入り口端面から深穴加工用小径ドリル径の0.03倍以上1.0倍以下であることを特徴とする微細深穴加工方法。 |
| 請求項9に記載の微細深穴加工方法において、非加工時の深穴加工用小径ドリルの移動送り速度が1m/min以上4m/min以下であることを特徴とする微細深穴加工方法。 |
| 加工穴径が1mm以下、深さが加工穴径の10倍以上の貫通穴を加工する方法であって、請求項1乃至6に記載のいずれかの深穴加工用小径ドリルを用いて、少なくとも前記最大径部、又は前記円筒部が加工穴を貫通するまでステップ加工を繰り返しながらドリル加工をすることを特徴とする微細深穴加工方法。 |
| 加工穴径が1mm以下、深さが加工穴径の10倍以上の貫通穴を加工する方法であって、予め設けるガイド穴は、穴径が前記深穴加工用小径ドリル径に対して0.90倍以上1.05倍以下であり、前記ガイド穴の深さが前記深穴加工用小径ドリル径に対して0.6倍以上2.0倍以下であり、前記ガイド穴の底面を略半球面状に設けて、前記ガイド穴に請求項1乃至6に記載のいずれかの深穴加工用小径ドリルをガイドさせて加工し、少なくとも最大径部、又は前記円筒部が加工穴を貫通するまでステップ加工を繰り返しながらドリル加工をすることを特徴とする微細深穴加工方法。 |
本発明は、ドリル径が1mm以下であり、金 や部品加工等に用いられる新しい形状の深 加工用小径ドリル、および前記深穴加工用 径ドリルを用いて、特に加工穴径(以下、D 称する。)が1mm以下で、加工穴深さ(以下、L 称する。)との比であるL/Dが15倍以上の深穴 貫通穴の場合にはL/Dが10倍以上の深穴、特に L/Dが50倍以上である極めて深い穴を精度良く 工する微細深穴加工方法に関する。本発明 、細くて深い止まり穴と貫通穴のいずれも 象とし、それぞれに適した深穴加工用小径 リルおよび微細深穴加工方法に関する。
ドリル径に対する工具の突き出し長さが い場合には、工具の剛性が小さくなる。そ ために、加工中に工具のたわみが発生し、 工穴の真直度が劣化したり、ドリルが折損 たりする。深穴加工にドリルを用いる場合 は、ドリルの溝長を加工穴の深さより短く てステップ加工で穴加工するのが普通であ 。ドリル加工でのステップ加工とは、ドリ を穴に対して前進と後進をステップ状に繰 返して穴あけ加工する方法である。
特許文献1(日本国 特開2003-266223号公報)に は、ステップ加工で使用する深穴加工用小径 ドリルとして、溝を短く設けて機械的強度を 上げて、HRC45以上の高硬度材にドリル径の10 以上の深穴を加工するものが記載されてい 。
特許文献2(日本国 特開平8-71824号公報)に 、ドリルの先端から減径するバックテーパ 、ドリル径より小さい径を有する小径部、 リル径と同じ径を有する定径部を持つドリ が記載されている。
特許文献3(日本国 特開平4-348803号公報)に は、下穴を形成した後、加工用ドリルが下穴 付近に接触しているときに、ドリルに作用す る面内の分力を検出し、この分力が小さくな る向きにドリルの先端位置を移動させる穴加 工方法が記載されている。
特許文献4(日本国 特開平6-134648号公報)に は、ボールエンドミルを用い、該ボールエン ドミルとワークとに螺旋状にかつダウンカッ トになるように切込みとX軸およびY軸方向の 対送りを与えて穴あけ加工を行う切削加工 法が記載されている。
特許文献5(日本国 特開2003-260611号公報)には
、板材に傾斜した孔加工を施す際に、孔あけ
部に位置決めに用いる半球面状の孔加工を施
し、次に孔あけ用の加工治具を板材に傾斜し
て取りつけ、板材に穿孔する傾斜孔の穿孔方
法が記載されている。
深穴加工に用いる小径ドリルは、L/Dが大 く加工穴が深いために切屑が加工穴内を移 して排出されるまでの時間が長い。この間 切屑が溝のねじれの影響により、溝の終端 で移動してドリル部の後方や首部の外周面 加工穴の内周面の間に噛み込み、切削中の リルに振動を与えて穴の真直度を悪化させ り、小径ドリルの折損に至ったりする問題 あった。特に溝が長いと剛性がなく、小径 深穴加工をする場合は真直度等が著しく悪 なり、折損の恐れもあった。さらに仮に溝 短く設けて機械的強度を上げてもドリル径 1mm以下になるとより切屑がドリル部の後方 流れて加工穴に噛み込みやすく深穴加工を ることはできなかった。
本発明は以上のような背景に鑑み、L/Dが1 5倍以上、特にL/Dが30~50倍を超える深穴加工を 対象にして、ドリル径が1mm以下の新規な深穴 加工用小径ドリルおよびそれを用いた新規な 微細深穴加工方法を提供することを目的とす る。
すなわち、本発明のドリルは、ドリル径 1mm以下の深穴加工用小径ドリルであって、 リル部は切刃と溝と拡径部を有し、前記の 長は前記ドリル径の5倍以上で10倍以下であ 、前記ドリル部は、切刃からドリル部の後 に向かって縮径した後に拡径し、前記溝の 端でのドリル部の外径は、前記ドリル径の0 .9倍以上0.98倍以下であり、前記ドリル部の後 端には、前記溝の終端の外径より前記ドリル 径の1倍以下まで拡径した拡径部を設け、シ ンクにつながる前記首部の外径は前記ドリ 径より小さく、かつ、首部の長さはドリル の10倍以上であることを特徴とする深穴加工 用小径ドリルである。
さらに本発明の深穴加工用小径ドリルは ドリル径が1mm以下の深穴加工用小径ドリル おいて、ドリル部は切刃と溝と拡径部を有 、前記の溝長は前記ドリル径の5倍以上で10 以下であり、前記ドリル部は、ドリル部長 方向の途中に縮径部の最小径部を有し、前 溝の終端でのドリル部の外径は、前記ドリ 径の0.9倍以上0.98倍以下であり、前記ドリル 部の後端には、前記溝の終端の外径より前記 ドリル径の1倍以下まで拡径した拡径部を設 、シャンクにつながる前記首部の外径は前 ドリル径より小さく、かつ、首部の長さは リル径の10倍以上であることを特徴とする深 穴加工用小径ドリルである。
本発明の深穴加工用小径ドリルにおいて 溝長は前記ドリル径の5倍以上で10倍以下で 定できるが、溝長が長くなると切削抵抗が きくなり、ドリルの振動などで加工穴の直 性に悪影響を及ぼす可能性が高くなる。し がって溝長はできればドリル径の7倍以下が 望ましい。
本発明の深穴加工用小径ドリルにおいて 首部の外径は前記ドリル径より小さくする とが必要であるが、首部の外径は前記ドリ 径の0.85倍~0.98倍未満とするのがより望まし 。さらに望ましくは、首部にはドリル径の0 .98倍以上で1.0倍以下の外径を有するガイド部 を一箇所以上設けると良い。
加工穴の深さに対してドリル部からガイ 部までの距離が長い場合、ガイド部が加工 へ収容されるまでの真直性が損なわれ、ガ ド部の効果で真直性を保つことができない それがある。このため、ガイド部の間隔を リル径の5倍以上10倍以下とし、ガイド部の 置の配置もドリル部に近いほど間隔を狭く ると良い。また、ガイド部の個々の長さは リル径の0.2倍から2倍以下に設けるとするの がより望ましい。これにより、ドリルのたわ みを全体にわたって抑制することができる。
本発明の微細深穴加工方法は、ガイド穴を 精度良く加工するために、ガイド穴の底面を 特定の形状を有する略半球面状に設けること を主目的として新規にボールエンドミルを利 用した方法を組み合わせた方法である。
すなわち、本発明の微細深穴加工方法は 加工穴径が1mm以下、深さが加工穴径の10倍 上の穴、特に深さが加工穴径の15倍以上の穴 を、予め設けたガイド穴に深穴加工用小径ド リルをガイドさせて加工する微細深穴加工方 法であって、前記ガイド穴の加工には、ボー ルエンドミルを用いることを特徴としている 。
本発明の微細深穴加工方法は、深穴加工 先立って前記ボールエンドミルを回転軸方 に送ることにより、ガイド穴の穴径が、前 深穴加工用小径ドリルのドリル径に対して0 .90倍以上1.05倍以下、前記ガイド穴の深さが 前記深穴加工用小径ドリルのドリル径に対 て0.6倍以上2.0倍以下とし、前記ガイド穴の 面を略半球面状に設ける。続いて、深穴加 用小径ドリルの溝長が、ドリル径の5倍以上1 0倍以下、首部の長さがドリル径の10倍以上で あるドリルを用いて、ステップを繰り返しな がら加工をすることを特徴とする微細深穴加 工方法である。
この加工方法を採用することにより、加 穴径が1mm以下で、加工穴径に対する加工穴 さが加工穴径の15倍以上である深穴加工、 にL/Dが50倍以上である深穴加工において、良 好で安定した位置決め精度が得られ、真直度 の高い穴あけを実現し、かつ深穴加工用小径 ドリルの長寿命化をも実現することができる 。
ボールエンドミルで形成した特定のガイ 穴を用いた本発明の微細深穴加工方法にお て、用いる深穴加工用小径ドリルは、好ま くは溝の終端と首部の間にシャンク側に向 って拡径したテーパ状の拡径部を有し、前 深穴加工用小径ドリルの溝長は、ドリル径 5倍以上10倍以下、首部の長さをドリル径の1 0倍以上に設けた本発明の深穴加工用小径ド ルを用い、ステップを繰り返しながら加工 することが望ましい。
これにより、溝の終端から飛び出した切 が溝へ押し戻され、切屑を溝内に確実に滞 させることができるため、ドリルの首部に 屑が噛み込むことなく、切屑は排出され、 工穴の良好な真直度が得られる。
本発明の前記微細深穴加工方法は、いず も本発明の深穴加工用小径ドリルを用いる が良い。
本発明の微細深穴加工方法において、加 穴径の50倍以上の長さの穴をドリル加工す 場合、ステップバックした時の前記深穴加 用小径ドリルの外周コーナの位置が加工穴 にあり、前記外周コーナの位置は加工穴入 口端面から深穴加工用小径ドリル径の0.03倍 上1.0倍以下であるのが良い。
また、本発明の微細深穴加工方法におい 、非加工時の深穴加工用小径ドリルの移動 り速度が1m/min以上4m/min以下であることが望 しい。
さらに、本発明のドリルの他の発明は、 リル径が1mm以下の深穴加工用小径ドリルで って、ドリル部は切刃と溝と拡径部を有し 前記の溝長は前記ドリル径の5倍以上で10倍 下であり、前記ドリル部は、切刃からドリ 部の後方に向かって縮径した後に拡径し、 記溝の終端でのドリル部の外径は、前記ド ル径の0.9倍以上0.98倍以下であり、ドリル部 の後端にある拡径部は、溝の終端の外径より テーパ状にドリル径とほぼ同径まで拡径する か、または前記テーパ状とドリル径とほぼ同 径の円筒部との組み合わせにより、拡径部の 最大径がドリル径とほぼ同径であることを特 徴とする深穴加工用小径ドリルである。また 、ほぼ同径とは、ドリル径2の0.95倍以上~1.00 以下であり、好ましくは0.95倍を超えるもの 望ましい。
拡径部が溝の終端の外径よりテーパ状に リル径まで拡径するか、または前記テーパ とドリル径とほぼ同径の円筒部との組み合 せにより、拡径部の最大径がドリル径とほ 同径であるものは、止まり穴、貫通穴の加 に適用できるが、特に拡径部を加工穴の外 で完全に通過させる貫通穴をあけるときに 効である。
本発明によれば、拡径部の最大径部がド ル径とほぼ同径なので、小径ドリルの拡径 が加工穴の内面を軽く研磨する作用、また リーマ加工に匹敵する作用をして、加工穴 内面粗さを向上し加工穴の真直度を向上す 。したがって、本発明によれば、従来では リル加工の後に度々行われるリーマ加工が 要となり、各貫通穴に対して一本のドリル よる一回の加工で微細深穴加工が可能とな 。
本発明の深穴加工用小径ドリルによれば 拡径部の最大径部がドリル径とほぼ同径な でステップ加工中においてドリルの軸心方 のガイドの役割も果たすために、深い微細 工穴の真直度が良好となる。
本発明の貫通穴をあける方法は、本発明 深穴加工用小径ドリルのうち、拡径部の最 径部がドリル径とほぼ同径のドリルを用い 加工する方法である。すなわち、その発明 、加工穴径が1mm以下、深さが加工穴径の10 以上、特に深さが加工穴径の15倍以上の貫通 穴を加工する方法であって、既述の本発明の 深穴加工用小径ドリルを用いて、少なくとも 前記最大径部、又は前記円筒部が加工穴を貫 通するまでステップ加工を繰り返しながらド リル加工をすることを特徴とする微細深穴加 工方法である。
本発明の前記の貫通穴の加工方法は、特 の形状を有するボールエンドミルで予め設 たガイド穴に前記の深穴加工用小径ドリル ガイドさせて加工するのが良い。すなわち 本発明の他の微細深穴加工方法は、加工穴 が1mm以下、深さが加工穴径の10倍以上、特 深さが加工穴径の15倍以上の貫通穴を加工す る方法であって、ボールエンドミルで予め設 けたガイド穴に本発明の深穴加工用ドリルを ガイドさせて加工し、前記深穴加工用小径ド リルのドリル径とほぼ同径の拡径部が加工穴 を貫通するまでステップ加工を繰り返しなが らドリル加工をすることを特徴とする微細深 穴加工方法である。
ガイド穴の加工は既に述べた方法のよう 、ボールエンドミルを用い、エンドミル回 軸方向に送ることにより、前記ガイド穴の 径が、前記深穴加工用小径ドリル径に対し 0.90倍以上1.05倍以下、前記ガイド穴の深さ 、前記深穴加工用小径ドリル径に対して0.6 以上2.0倍以下、前記ガイド穴の底面を略半 面状に設けるのが良い。
本発明によれば、L/Dが15倍以上の深穴加 であって、加工穴の内面は段差等のない良 な内面粗さが得られ、かつ真直度の優れた 細深穴加工が可能となる。
また、本発明によれば、新規なドリル形 と加工方法の組み合わせにより、深穴加工 小径ドリルの長寿命化をも実現することが きる。
本発明によれば、貫通穴の加工に適用し 場合に、深い微細加工穴の加工穴の内面粗 が大幅に改善され、真直度が良好となる。 たがって、従来ではドリル加工の後に度々 われるリーマ加工が不要となり、貫通穴に して一本のドリルによる一回の加工で微細 穴加工が可能となる。
本発明の深穴加工用小径ドリルの例を図1 、図2に示す。以下、本発明の深穴加工用小 ドリルのことを便宜上小径ドリルとも略称 る。図1は首部6にガイド部13のないもの、図2 は首部6にガイド部13のある例である。いずれ の図でも、小径ドリル1は切刃3、溝4と縮径部 14の最小径部8を有するドリル部5、溝4の終端9 、テーパ状の拡径部10、略円柱状の首部6、首 部6より大径のシャンク部7を有する。図2に示 す例ではさらに首部6にガイド部13を有する。 ドリル径2は図1の切刃3の最大径で定義され、 溝長11とは切刃3の最大径部分から溝4の終端9 での直線距離である。
本発明の小径ドリル1のドリル部5は、ド ル部5の長手方向の途中に縮径部14の最小径 8を有する。前記縮径部14の最小径部8の形状 、切刃3からドリル部5の後方に向かって縮 した後に拡径した形状が望ましい。前記溝4 終端9でのドリル部5の外径は、前記ドリル 2の0.9倍以上0.98倍以下であり、前記ドリル部 5の後端は、前記溝4の終端9の外径より前記ド リル径2の1倍以下まで拡径する拡径部10を有 、シャンク部7につながる前記首部6の外径は 前記ドリル径2より小さく、かつ、首部6の長 12はドリル径2の10倍以上である。
本発明の小径ドリル1のドリル部5は、切 3からドリル部5の後方に向かって縮径部14の 小径部8まで縮径した後に拡径し、前記溝4 終端9でのドリル部5の外径は、前記ドリル径 2の0.9倍以上0.98倍以下とするのが望ましい。 リル部5が切刃3からドリル部5の後方に向か て縮径した後に拡径するとは、切刃3から見 たドリル部5の後方のいずこかに、ドリル部5 最小径部8を有することと言い換えることが 出来る。
溝4の終端9でのドリル部5の外径は縮径部1 4から見れば拡径していることになる。この 状により、切屑が溝4の終端9からドリル部5 後方へ飛び出し、ドリル部5の外周面や首部6 の外周面に噛み込むことを抑制し、折損を抑 制できる。また、切削中に切屑が溝4の終端9 乗り越えて首部6に噛み込むことを抑制して 切屑が溝4の内部に滞留し、切削を安定させ 良好な真直度が得られる。
ドリル部5の外径が、溝4の終端9でドリル 2の0.9倍未満であると、切屑がドリル部5の 方へ移動して首部6へ移動し、切削トルクの 動を起こし、真直度が悪化する。また、折 のおそれもある。一方、ドリル部5の外径が 、溝4の終端9でドリル径2の0.98倍を超えると 後述するテーパ状の拡径部10を十分な外径に 設けることができない。ドリル部5の最小径 8から溝4の終端9に至るまでは、ドリル部5は ーパ状で拡径することが好ましい。
ドリル部5の縮径部14の作用により、縮径部 14での切屑が小径ドリル1と加工穴に噛み込む ことなく切屑の排出を容易にする。この縮径 部14の最小径部8は、ドリル径2の0.85倍以上0.96 倍以下に設ける。この範囲の縮径部14を設け ことで、縮径部14の外周面前端が加工穴の 周面と擦過することを抑制し、切削トルク 増加を抑制でき、真直度の良好な穴が加工 きる。
小径ドリル1の縮径部14の最小径部8は、ド リル径2の0.85倍未満の場合、大きな切屑が入 込みやすくなるため、内周面の面粗さを損 い、また、小径ドリル1の剛性を損ない折損 が発生しやすくなる。ドリル部5の縮径部14の 最小径部8がドリル径2の0.96倍を超える場合に は、切屑を押し戻すための効果を得るテーパ 状の拡径を十分に設けることができない。
本発明の小径ドリル1の形状的な大きな特 徴の一つは、ドリル部5後端に、前記ドリル 2の1倍以下まで拡径した拡径部10が設けられ いることである。拡径部10の最大径部18まで は、ドリル部5の溝4の終端9から、首部6に向 って、テーパ状にドリル径2の1倍まで拡径す るのが良い。
この拡径部10の作用は、前述した溝4の終 9の構成により大半の切屑の噛み込みが抑制 されるものの、それよりも細かい切屑が溝4 ら飛び出した場合には、拡径部10により小径 ドリル1の先端側へ押し戻すことができる。 らに切屑を溝4の内部に滞留させて、縮径部1 4の外周面や首部6の外周面に切屑を噛み込む とを抑制する。拡径部10はこれらの作用に って加工穴の良好な真直度を得ることと、 径ドリル1の折損を抑制する効果を発揮する
拡径部10は図1のように直線的にテーパ状 拡径するのが小径ドリル1の製造上容易であ るが、曲線状に拡径しても良い。テーパ状の 拡径部10の最大径がドリル径2に近いほど、こ の拡径部10がドリル部5をガイドし、加工穴の 真直度を高めることができる。
ドリル部5の縮径の態様は、ドリル部5を 大して図3~5に示すように、バックテーパを ける態様(図3)、アンダーカットを設ける態 (図4)、あるいはバックテーパとアンダーカ トの形状の組み合わせた態様(図5)などが良 。いずれの場合にも、ドリル部5には縮径部1 4の最小径部8を有する。前記バックテーパの は0.4/100mm以上2.0/100mm以下であることが好ま い。
更に、本発明の小径ドリル1において、前 記溝長11は前記ドリル径2の5倍以上10倍以下と する。この範囲での溝長11は、溝4の容積を確 保し、小径ドリル1が深穴内を移動する間、 屑を溝4にため込むことができる。溝長11が リル径2の5倍を下回ると、ステップ加工にお けるステップ毎の小径ドリル1の送り量を小 くせざるを得ず、切刃3の摩耗が進行しやす 。また、10倍を超えると小径ドリル1の剛性 下により、真直度が悪化する。特に小径ド ル1の剛性を確保するためにはできるだけ7 以下であることが好ましい。
ドリル部5の長さはドリル径2の12倍以下と する。ドリル部5の長さがドリル径2の12倍を えると小径ドリル1の剛性が劣化するので好 しくないからである。ドリル径2の12倍以上 深い穴加工には首部6を長くすることで対応 することが出来る。首部6の外径はドリル径2 0.85倍以上1.0倍未満が良い。
首部6の外径がドリル径2の0.85倍未満では すぎて小径ドリル1の折損の危険性が高まる からであり、1.0倍になると首部6の外径がド ル径2と同一ということであり、ドリル切削 抵抗が大きくなるので問題となるからであ 。
本発明では、L/Dが大きい加工穴深さには 部6の長さ12を長くすることで対応するため 首部6の長さ12はドリル径2の10倍以上とする 本発明のドリル加工の最終段階では、ドリ 部5は加工穴内へ収容される。小径ドリル1 たわみを抑制して真直度の高い深穴を加工 るためには、首部6の外径をドリル径2の0.85 ないし0.98倍未満とし、前記首部6には図2に すように、ドリル径2の0.98倍以上1.0以下の外 径のガイド部13を少なくとも1箇所以上設ける と良い。
ガイド部13の外径をドリル径2の0.98倍以上 1.0倍以下とすることでガイド部13を加工穴内 と接触させることができ、首部6がドリル部 5によって加工された深穴部を進行するとき 、加工穴の壁に沿ってドリル部5をガイドで る。
望ましくは、このガイド部13の個々の長 はドリル径2の0.2倍以上0.5倍以下とするのが い。一箇所のガイド部13の長さ47はガイド部 13の強度面から長いほうが良いが、ガイド部1 3の長さ47が0.5倍を超えると部分的に切削抵抗 が増大して振動が発生し、加工穴の真直性を 損なうおそれがある。ガイド部13の一箇所の さが0.2倍未満の場合には、ガイド部13の強 を確保することが困難になり、ガイド部13の チッピングの発生によりガイドの効果が十分 に得られなくなったり、チッピングの発生し た部分が加工穴面に接触することで加工穴の 内周面の面粗さを損なうおそれがある。
ガイド部13の間隔はドリル径2の5倍以上10 以下とするのが良い。ガイド部13が、加工 へ収容され、加工穴の内周面と接触するこ でガイドの効果を得ることができ、加工穴 真直性を良好なものにする作用がある。し し、ドリル径2の5倍未満の場合、たわみを抑 制する効果は十分に得られると考えられるが 、ガイド部13の間隔が小さいため部分的な切 抵抗の増大が発生し、振動の発生により、 工穴の真直性を損なうおそれがある。一方 ドリル径2の10倍を超えるとガイド部13の間 が大きいため、次のガイド部13が加工穴へ収 容されるまでの間に発生するたわみを十分に 抑制することが困難になり、加工穴の真直性 を損なうおそれがある。
ガイド部13は、先に加工穴へ収容された 分でガイドの効果が得られるので、ガイド 13は首部6全体にわたり、均等な間隔で設け 必要はなく、ガイド部13の他の態様として、 図6~7に示すように、切刃3側ほどガイド部13の 数や面積を多くしてガイドの効果を持たせた ほうが好ましい。
これは、加工穴の深さに対してドリル部5 からガイド部13までの距離が短いほどガイド 13が加工穴へ収容されるのが早くなり、ガ ド部13で真直性を保つ効果を早期に発揮させ るためである。このガイド部13には、小径ド ル1のたわみを抑え、小径ドリル1が真直度 保つ作用があり、特にL/Dが50倍から100倍の深 穴加工の場合にはたわみやすくなるのでガイ ド部13が顕著な効果を発揮する。
本発明の小径ドリル1の溝4の溝長11は、ド リル径2の5倍以上10倍以下に設ける。これに り、溝4の容積を確保し、小径ドリル1が深穴 内を移動する間、切屑を溝4内にため込むこ ができる。溝長11がドリル径2の5倍を下回る 、ステップ加工におけるステップ毎の小径 リル1の送り量を小さくせざるを得ず、切刃 3の摩耗が進行しやすい。また、溝4の溝長11 ドリル径2の10倍を超えると小径ドリル1の剛 低下により、真直度が悪化する。
本発明でいう微細深穴加工方法とは、ド ル径が1mm以下、望ましくは0.5mm以下の小径 リル1を用いて、加工穴の形状がL/Dで15倍以 である深穴加工、特に望ましくはL/Dが今ま 実現されていなかった50倍以上の深穴加工を 行う場合をいう。
このような微細深穴加工方法の場合には 従来はドリルでガイド穴を形成するのが通 である。例えば、特許文献3、特許文献5の リルを用いて位置決め加工を施したとして 、ドリルには外周刃がないため、穴の内周 の加工が不十分で、ガイド穴の真円度が悪 、それにより、小径ドリル1がガイド穴を通 て食い付く際に、極めて不安定な状態とな 、高精度な穴あけ加工ができない。また、 径ドリル1の刃先に異常摩耗が発生したり、 加工穴の入り口にバリが発生したりして、折 損を起こすという問題があった。
特許文献4に記載されているようなドリル によるガイド穴加工についてもドリル加工特 有の問題点があり、それを図8~図11で説明す 。
図8に示すように、ガイド穴の底形状はあ る一定の開き角19をもっており、そこに所定 小径ドリル1を用いて深穴加工を行うことに なるが、仮に小径ドリル1の先端角16がガイド 穴に形成された開き角19よりも小さい場合、 8からもわかるように、小径ドリル1は被削 20に形成された案内部21に接触する際、特定 幅をもったチゼル22から切削することにな 。
その後、図9に示すように、徐々に切削点23 が外周方向へ、つまり切削点移動方向へと移 動していく。小径ドリル1を用いる場合は、 ゼル22があたると不安定な状態になりやすく 穴精度にばらつきが生じる可能性があるため 、このような切削は問題である。
また、小径ドリル1の先端角16がガイド穴 形成された開き角19よりも大きい場合、図10 からもわかるように、小径ドリル1は外周コ ナ26から切削を開始し、切削点移動方向に向 かって切削点23が移動していくが、切削初期 はチゼル22の部分は切削しないため、小径 リル1がより振られやすく安定した穴精度が にくいため、このような切削は問題である
また小径ドリル1の先端角16と開き角19が じ角度とした場合、図11からもわかるように 、小径ドリル1の切刃3全体が同時に切削に関 するため、急に抵抗が上がりすぎ、振動が 生し、穴精度を確保できなくなる。
これに対して、図12の1~4で本発明の小径 リル1を用いたステップ加工の動作順序を示 、図12の1に示す所定の切込み28を行った後 、すなわちステップ量分切り込んだ後に、 12の2に示す小径ドリル1をステップバック30 より一旦、加工穴入り口外まで戻し、次の テップ量分を切り込むために、図12の3に示 ように再度小径ドリル1をステップフォワー 31により加工点付近まで戻して、図12の4に す次の所定の切込み29を行う。
ステップ加工とは図12の1~4までの動作の り返しを行う加工のことをいう。このステ プ加工により、深穴であっても溝4にたまっ 切屑を確実に外部へ排出することができる ここでいうステップバック30とは、ステッ 量分切り込んだ後に、小径ドリル1を一旦、 工穴外まで移動することをいう。また、ス ップフォワード31とは、ステップバック30を 行った後、小径ドリル1を加工点付近まで戻 ことをいう。
本発明の微細深穴加工方法において、特 加工穴径の50倍以上の深穴加工をする場合 図13によって説明をする。図13はステップバ ク30した時の本発明の小径ドリル1の外周コ ナ26の外周コーナの位置33を示す。図13に示 ように、ステップバック30した時の前記小 ドリル1の外周コーナの位置33が、加工穴入 口端面32より穴加工方向(マイナス方向とす 。)すなわち加工穴内にあり、外周コーナの 置33は前記加工穴入り口端面32からドリル径 2の0.03倍以上1.0倍以下とするのが望ましい。
本来、一般的にステップ加工を行う場合 所定の切込み28を行った後に、小径ドリル1 外周コーナの位置33が加工穴入り口端面32か ら確実に抜ける位置(プラス方向とする。)す わち加工穴外まで戻し、そこで確実に切屑 外部に排出させる。
しかし、L/Dが50倍を超えるような極めて い微細深穴加工を行う場合、首部6の長さ12 極めて長い小径ドリル1を使用することにな 、ステップバック30時に前記小径ドリル1の 周コーナ26を加工穴入り口端面32から確実に 抜ける位置まで戻すと、工具回転によって小 径ドリル1が左右に振られ、再度小径ドリル1 加工穴の中に戻す際に、位置ずれや折損を こす恐れがある。
そのため、ステップバック30した時の前 小径ドリル1の外周コーナ26は、加工穴入り 端面32より穴加工方向、すなわち加工穴内が 好ましい。これにより、工具回転した小径ド リル1が左右に振られることなく、より安定 て加工ができる。
従来のように工具径が太い場合やL/Dがそ 程大きくない場合の工具の移動送り速度は 一般的に10~20m/minである。しかし、加工穴径 が1mm以下で、加工穴深さが穴径の50倍を超え ような極めて深い穴を加工する微細深穴加 の場合、非加工時の小径ドリル1の移動送り 速度が速すぎると、小径ドリル1の首下長さ17 が長いため工具の振動が起こりやすく、逆に 遅すぎても、切屑と加工穴の内周面の接触時 間が長くなるため、内周面を悪化させる恐れ があり、さらに実用的に考えて加工能率が低 くなってしまう。ここでいう非加工時とは、 一連のステップ加工の中で、小径ドリル1を 旦、加工穴入り口端面32付近まで戻し、再度 小径ドリル1を加工点付近まで戻す間のこと いう。
そのために本発明の微細深穴加工方法に いては、ステップ加工中における非加工時 小径ドリル1の移動送り速度は1m/min以上4m/min 以下であることが望ましい。
以上のような条件で本発明を適用するこ により、新しいガイド穴の形成法で良好で 定した位置決め精度が得られ、ステップを り返しながらドリル加工をすることで、L/D 15倍以上であっても真直度の高い穴あけを 現し、また真円度の高いガイド穴が形成さ ることで、本発明の小径ドリル1が振動する となく安定して加工できるため、小径ドリ 1自体の長寿命化が可能となる。
本発明は、外周刃を有するボールエンド ルを用いてガイド穴を加工することを特徴 する。このガイド穴加工の第1の作用として 、ボールエンドミルが外周刃を有することに より、ガイド穴の内周面を良好に切削でき、 ガイド穴の精度が向上し、バリの少ない良好 な真円度でガイド穴が形成される。
エンドミルの種類としては、スクエアエ ドミルやコーナラジアスエンドミルにおい も外周刃を有しているが、突っ込み時に外 エンド付近から接触するため安定せず良好 真円度が得られない。それに対して、ボー エンドミルの場合、チゼル部付近が接触し 徐々に工具径が大きくなって接触するため 安定した突っ込み加工が可能となり、さら 外周刃で加工されるガイド穴の真円度が極 て良くなる。
ボールエンドミルは一般的なドリルのよ に切屑を処理するために極端にチップポケ トを設ける必要がなく、剛性のある状態で 工ができるため格段にガイド穴の精度が向 することになる。ボールエンドミルはその 途上、基本的にボール刃しか使用しないこ から、一般的なドリルのように溝長を長く る必要がなく、外周刃を短く外周溝を浅く 計できる。また、用途的にも3次元切削を行 うためにボール刃は高精度に研削されている ため、ボールエンドミルが振られず、ガイド 穴の真円度の精度を向上できる。
本発明でボールエンドミルをガイド穴加 に用いる第2の作用を図14、図15によって説 する。図14、図15は微細深穴加工で使用する 発明の小径ドリル1の食い付き時に発生する 振動を大幅に抑制することができる理由を示 す図である。
本発明の例示である図14、図15に示すよう に、一般的にエンドミル回転軸直角方向に移 動して加工するボールエンドミルをエンドミ ル回転軸方向のみに送る。つまり本発明での ボールエンドミルの先端を利用したガイド穴 加工法は、ガイド穴の底面を略半球面状に設 けることができ、小径ドリル1を用いた微細 穴加工において、小径ドリル1の先端角16に わらず、ガイド穴コーナ27に外周コーナ26が い付き、切削点24が切削点移動方向に向か て移動していく。またそれと同時に、小径 リル1のチゼル22が被削材20に食い付き、切削 点25が切削点移動方向に向かって移動してい 。つまり、切削点24と切削点25の両方の切削 箇所で微細深穴加工で使用する小径ドリル1 保持され、安定した微細深穴加工が可能と る。
微細深穴加工に用いる小径ドリル1の安定 性は前記小径ドリル1の食い付き開始時から イド穴底面部が完全に加工されるまでの間 、いかに工具の振動を抑えるかによって大 く変わる。本発明のボールエンドミルによ ガイド穴加工は、この段階で大きな効果を 揮する。これに対して、従来のドリルによ ガイド穴加工のように、ガイド穴底面部の 工中に振動が大きくなると最終的に精度が しく低下し小径ドリル1の損傷も受けやすく る。
本発明のボールエンドミルと従来の全長 短いドリルでそれぞれ実際に加工したガイ 穴の状態を図16に示す。テスト条件として 回転数が20000min-1、送り速度100mm/min、1回当た りのステップ量を0.16mm/回で被削材であるSUS30 4のブロック材の一面に、0.48mmの深さまでガ ド穴の加工を湿式切削で行った。
図16に示すように、ボールエンドミルを いたガイド穴の精度は極めて真円度が良好 結果であるのに対して、ドリルでガイド穴 加工すると、ガイド穴にバリが発生し真円 が極めて悪く精度が十分得られていない。 れにより微細深穴加工で用いる小径ドリル1 、ガイド穴の内周面でガイドされる際に、 らついて振動が発生して、小径ドリル1の異 常摩耗を誘発し、加工穴の真直度が悪化する ことがわかる。
また、好ましくは、ボールエンドミルの 数が少ない方が、より切屑排出性が向上し 高精度にガイド穴を形成できるので、2枚刃 が望ましい。さらに、ボールエンドミルのチ ゼル幅を0.01mm以下の範囲に設けることが好ま しい。これはチゼル刃が被削材に食い付く時 の切削抵抗を低減でき、ボールエンドミルが 振られず、より高精度なガイド穴が形成でき るからである。
本発明は、ガイド穴の穴径を、小径ドリ 1のドリル径2の0.90倍~1.05倍に設けることを 明の条件の一つとしており、これにより、 細深穴加工に用いる小径ドリル1の負荷を抑 できる。
ガイド穴の穴径が小径ドリル1のドリル径 2の0.90倍未満であると、微細深穴加工に用い 小径ドリル1の負荷が大きくなりすぎて小径 ドリル1の曲げが発生してしまい、真直度の い微細穴加工ができない。また、ガイド穴 穴径が、小径ドリル1のドリル径2の1.05倍を えると、微細深穴加工で使用する小径ドリ 1との間に隙間が発生しすぎて加工中に小径 リル1が不安定な状態となって真直度に影響 を及ぼす。
本発明はガイド穴の深さを、小径ドリル1 のドリル径2の0.6倍以上2倍以下に加工する。 れにより、ガイド穴に小径ドリル1の外周を ガイドするための深穴方向の穴径が一定の内 周面を設けることができ、微細深穴加工に用 いる小径ドリル1のふらつきを抑制し、真直 の良好な微細深穴加工することができる。 記深さであれば、ボールエンドミルでガイ 穴加工を行っても、切屑がボールエンドミ の溝に詰まることがなく、ガイド穴の真円 、位置決め精度が優れる。
ここで、ガイド穴の深さが小径ドリル1の ドリル径2の0.6倍未満であると、ガイド穴の さが短すぎて微細深穴加工に用いる小径ド ル1を十分にガイドすることができず、不安 な状態となり穴精度が十分に得られない。 た、ガイド穴の深さが小径ドリル1のドリル 径2の2倍を超えると、ガイド穴を形成させる に、ボールエンドミルに切屑がつまり、振 が発生し十分な精度のガイド穴ができない
本発明に使用するステップを繰り返しな らドリル加工をする小径ドリル1の形状的特 徴について以下に説明する。本発明の微細深 穴加工方法で使用する小径ドリル1の一例は 図17に示すように溝長11が小径ドリル1のドリ ル径2の5倍以上10倍以下、首部6の長さ12が小 ドリル1のドリル径2の10倍以上である。
前記小径ドリル1を用いてステップを繰り 返しながらドリル加工をすることで、切屑を 溝4内に滞留させ、ステップバック30に確実に その切屑は排出し、切屑の噛み込みを抑制す ることで、加工穴の良好な真直度が得られる 。この効果は、本発明の加工方法の特徴であ る、新しいガイド穴加工方法による工具の安 定性との相乗効果で得られるものである。
また本発明の微細深穴加工方法で使用す 小径ドリル1の他の実施形態は図18に示すよ に溝4と首部6の間にシャンク部7に向かって 径したテーパ状の拡径部10を有し、溝長11が 小径ドリル1のドリル径2の5倍以上10倍以下、 部6の長さ12が小径ドリル1のドリル径2の10倍 以上である。
前記小径ドリル1を用いてステップを繰り 返しながら深穴加工をすることで、溝長11と 部6の間に設けられたテーパ状の拡径部10を しているため、溝4の終端9から飛び出した 屑が溝4へ押し戻され、切屑を溝4内に確実に 滞留させることができるため、首部6に切屑 噛み込むことなく、ステップバック30した時 に確実にその切屑は排出され、加工穴の良好 な真直度が得られる。
テーパ状の拡径部10は本発明の加工方法 しては必ずしも必要ではないが、テーパ状 拡径部10の存在は、首部6への切屑の噛み込 防止により、さらに安定した微細深穴加工 できるという効果をもたらす。
加工穴径が1mm以下で加工深さが加工穴径 50倍を超えるような微細深穴加工は、切削 おいては精度に関係なく加工すること自体 可能に等しかった。これは、加工穴深さが リル径2の50倍以上の首下長さ17を持つ小径ド リル1を使用するため、ドリル剛性が著しく さく、その安定性は、ガイド穴の精度に大 く依存するためである。しかし、本発明で 上記で説明したように、外周刃を有するボ ルエンドミルを用いてエンドミル回転軸方 のみに送ることによりガイド穴を加工する で、外周刃で加工される案内部の真円度が めて良くなる。
また本発明ではガイド穴の底面を略半球 状に設けることができるため、図14、図15で 説明したように微細深穴加工に用いる小径ド リル1の先端角16に関わらず、小径ドリル1の 動を大幅に抑制することができ、安定した 細深穴加工が可能となる。さらに、本発明 は、本発明の上記のガイド穴の効果に加え 小径ドリル1を用いてステップを繰り返しな らドリル加工をすることで、加工中の切屑 噛み込みを抑制し、加工穴の真直度が一層 上するのである。
本発明では、工具の回転時の左右への振 を極めて小さくするために、望ましくは、 テップバック30した時の前記小径ドリル1の 周コーナの位置33が、加工穴入り口端面32よ り穴加工方向にあり、その位置は前記加工穴 入り口端面32から小径ドリル1のドリル径2の0. 03倍以上1.0倍以下であることが好ましい。
L/Dが50倍を超えるような極めて深い微細 穴加工を行う場合、首部6の長さ12が極めて い小径ドリル1を使用することになり、ステ プバック30時に前記小径ドリル1の外周コー 26を加工穴入り口端面32から確実に抜ける位 置まで戻すと、工具回転によって小径ドリル 1が左右に振られ、再度小径ドリル1を加工穴 中に戻す際に、位置ずれを起こす恐れがあ 。
そのため、ステップバック30した時の前 小径ドリル1の外周コーナの位置33は、加工 入り口端面32より穴加工方向、すなわち、加 工穴入り口端面32から確実に抜ける位置まで さない方が好ましい。これにより、工具回 した小径ドリル1が左右に振られることなく 、より安定して加工ができる。
外周コーナの位置33の範囲としては、加 穴入り口端面32から小径ドリル1のドリル径2 0.03倍より小さいと、左右への振動を十分に 抑制することができず、ドリル径2の1倍を超 ると、溝4に滞留した切屑を確実に排出する という点で問題がでる可能性があるため上記 のような範囲がより好ましい。この方法によ り、ステップバック30した時の小径ドリル1の 挙動が安定し、左右に振られることなく、よ り真直度が向上する。
本発明の微細深穴加工方法において、非 工時の小径ドリル1の移動送り速度が1m/min以 上4m/min以下であることが好ましい。従来より 工具の移動送り速度は、工具の直径が太い場 合やL/Dがそれ程大きくない場合には、一般的 に10m/min~20m/minである。
しかし、加工穴径が1mm以下で加工穴深さ 穴径の50倍を超えるような極めて深い穴を 工する微細深穴加工の場合において、非加 時の小径ドリル1の移動送り速度が1m/min未満 は、遅すぎて切屑と加工穴の内周面の接触 間が長くなるため、内周面を悪化させる恐 があり、さらに実用的に考えて加工能率が くなってしまう。
また、非加工時の小径ドリル1の移動送り 速度が20m/minを超えて速すぎると、小径ドリ 1の首部6の長さ12が長いため工具の振動が起 りやすくなり、加工穴の内周面を悪化させ 恐れがある。
以下に、本発明の微細深穴加工方法のう 、貫通穴加工について図25及び図26に基づい て説明する。従来、微細な貫通穴加工をする 場合、ドリルを用いて加工すると、精度を維 持することが難しく、特に内面精度が必要な 場合は、ドリル加工を行った後にリーマ加工 をする必要があり、高能率な加工はできなか った。また深穴加工になってくるとドリルで 加工することができない状態であった。
本発明者は、図1のようにテーパ状の拡径 部10の最大径を、ドリル径2とほぼ同径とする と、貫通穴加工のときに、拡径部10はガイド 果だけではなく、加工穴の精度を向上させ リーマ効果があることを見出した。
特に拡径部10の最大径部18は、小径ドリル 1の長さ方向にドリル径2とほぼ同径の円筒状 あり、ある程度の長さを有している方が、 通穴精度をより向上させるのに最適であり 加工時のドリル部5のガイドの役割も向上す ることを見出した。ここで、拡径部10の最大 部18にいたる形状としては、直線状のテー 部以外に例えば、図20~図22に示すような形状 が選択できる。
本発明のうち、貫通した微細深穴を精度 く加工するための微細深穴加工方法は、図1 、図23、図24に示すような特殊な形状をした 径ドリル1を用いる。すなわち、小径ドリル1 は、ドリル部5と首部6の間に、少なくともシ ンク部7に向かって最大径部18がドリル径2と ほぼ同径まで拡径した拡径部10を有している
本発明は、小径ドリル1の溝長11はドリル 2の5倍以上10倍以下、首部6の長さ12がドリル 径2の10倍以上である小径ドリル1を用いて、 なくとも前記小径ドリル1のドリル径2とほぼ 同径である拡径部10の最大径部18、またはド ル径2とほぼ同径の円筒部が加工穴を完全に 通するまでステップ加工を繰り返しながら リル加工をすることを特徴とする微細深穴 工方法である。
本発明の加工方法は途中の段階までは、 25に示すように、本発明では(a)→(b)→(c)の 工順番で、ある一定のステップ量41で切り込 みながら下矢印の方向へ切り込み加工を行う が、そのステップ加工を繰り返しながら加工 を行う際に、拡径部10の最大径部18、または 記拡径部10と同一径の円筒部の組み合わせに よる最大径部18が加工穴の内面をこすり、こ り効果によって加工穴の内面粗さ及び内面 度を向上させる働きがある。これにより、 具が摩耗しても内面粗さが悪化することな 、摩耗の影響での段差等も発生しない。
また、前記最大径部18によるこすり効果 内面精度は極めて良くなり、小径ドリル1の の加工で高能率仕上げ加工を可能にするも である。さらにドリル径2とほぼ同径の前記 最大径部18を有するので、ステップ加工のガ ドの役割もはたして、加工穴の中における 径ドリル1の左右の振れを抑制し、加工穴の 真直度の向上にも貢献する。またこの最大径 部18があることで、加工中に生成された切屑 首部6などに噛みこむことを抑制して、真直 度の向上も図ることができる。
本発明の加工方法による加工の貫通最終 階の状況を図26(a)に示し、貫通最終段階の 来例を図26(b)に示した。従来の貫通深穴加工 方法であれば、ドリル先端が被加工材から突 き出た長さで定義される小径ドリル1の貫通 39は、図26(b)のように穴深さよりも少し抜け る程度あれば十分である。
しかし本発明の加工方法においては、意 的に穴深さよりもさらに深く小径ドリル1を 貫通させ、ドリル部5の後端に設けられた拡 部10の最大径部18が完全に加工穴の出口部38 抜け出るまで加工する。すなわち、本発明 方法によれば図26(a)のように、シャンク部7 向かってドリル径2まで拡径したテーパ部を する拡径部10はその最大径部18が加工穴を抜 け出るまで加工することになる。本発明のド リル加工とはこの段階までを意味する。
したがって、本発明の小径ドリル1の貫通 量39は、図26(a)に示すように従来の加工方法 比較してかなり大きいものとなる。本発明 加工方法は、使用する小径ドリル1の形状の 徴と加工方法の特徴の相乗効果によって、 通穴において穴の入り口37から出口38までの 全面において高精度な内面精度が得られ、加 工穴径が1mm以下、深さが加工穴径の10倍以上 いう条件の厳しい貫通穴にもかかわらずに 優れた加工穴の真直度をも得ることができ 。この部分を図26(a)では、拡径部10の最大径 部18の効果が得られた内面43として示してい 。
本発明ではステップ加工を繰り返しなが ドリル加工を行う際に、貫通穴精度向上手 である拡径部10の最大径部18が加工穴の内面 をこすり、こすり効果によって加工穴の内面 粗さ及び内面精度を向上させる働きがあり、 内面43のように、加工穴の入り口から出口ま 全面で高精度な内面精度を得ることができ 。またこの拡径部10の最大径部18で内面をこ すっていくことから、工具が摩耗しても内面 粗さが悪化することなく、摩耗の影響で段差 等も発生しない。
また、拡径部10の最大径部18によるこすり 果で内面精度は極めて良くなり、小径ドリ 1のみの加工で高能率仕上げ加工を可能にす ものである。すなわち、従来の加工法であ ばドリル加工の後に度々行われるリーマ加 が不要となる。
本発明においては、加工に用いる小径ド ル1の貫通穴精度向上手段は、前記のこすり 効果と共に、ドリル径2とほぼ同径の拡径部10 を有するので、ステップ加工のガイドの役割 も果たして、加工穴の中における小径ドリル 1の左右の振れを極小にすることになり、貫 穴の真直度の向上にも貢献する。
一方、図26(b)に示すように、従来の加工 法では、たとえ本発明のような小径ドリル1 用いたとしても、途中までは拡径部10の最 径部18の効果が得られた内面43が得られるが 内面44に関しては、拡径部10の最大径部18の 果が得られない内面44となってしまう。
本発明の微細深穴とは、加工穴径が1mm以 、深さが加工穴径の10倍以上、特に深さが 工穴径の15倍以上の貫通穴をいう。このよう な微細深穴は特に加工時の精度の維持が大切 であり、予め設けたガイド穴に前記小径ドリ ル1をガイドさせて加工することが望ましい 予め加工されるガイド穴は小径ドリル1の軸 向を、目的とする加工穴の中心の位置がず ないように制御する作用をする。
すなわち、本発明の他の微細深穴加工方 は、加工穴径が1mm以下、深さが加工穴径の1 0倍以上の貫通穴を、予め設けたガイド穴に 径ドリル1をガイドさせて加工する深穴加工 法であって、小径ドリル1は、ドリル部5と 部6の間にシャンク部7に向かって拡大し、最 大径がドリル径2とほぼ同径の拡径部10を有し 、溝長11がドリル径2の5倍以上10倍以下、首部 6の長さ12がドリル径2の10倍以上である小径ド リル1を用いて、少なくとも前記小径ドリル1 ドリル径2とほぼ同径である拡径部10の最大 部18が加工穴を完全に貫通するまでステッ 加工を繰り返しながらドリル加工をするこ を特徴とする微細深穴加工方法である。
拡径部10の最大径部18は小径ドリル1の長 方向に最大径と同径で円筒状である程度の さを有している方が、より貫通穴精度を向 させるのに最適であり、加工時のガイドの 割も向上する。
したがって、本発明の他の加工方法は、 工穴径が1mm以下、深さが加工穴径の10倍以 の貫通穴を小径ドリル1で加工する深穴加工 法であって、前記小径ドリル1はドリル部5 首部6の間に、シャンク部7に向かって最大径 部18がドリル径2とほぼ同径まで拡径したテー パ部、及び最大径と同径の円筒部からなる拡 径部10を有し、溝長11がドリル径の5倍以上10 以下、首部6の長さ12がドリル径2の10倍以上 ある小径ドリル1であって、小径ドリル1を用 いて少なくとも前記小径ドリル1のドリル径2 ほぼ同径である拡径部10の最大径部18、また はドリル径2とほぼ同径の円筒部が加工穴を 全に貫通するまでステップ加工を繰り返し がらドリル加工をすることを特徴とする微 深穴加工方法である。
この方法の場合にも、予め設けたガイド に小径ドリル1をガイドさせて加工すること が望ましい。本発明方法は、特にL/Dが30倍以 である貫通深穴加工に特に威力を発揮する
ドリル径2とほぼ同径の最大径部18につな る最大径と同径の円筒部の長さはドリル径2 の2倍以下の長さであるのが良い。2倍を超え 長くなると、切削時の抵抗が大きくなるか である。
溝4のねじれ角は、ステンレスなどの高強 度の展延性に富んだ鋼の穴あけの場合は30度~ 40度、アルミ合金、銅合金といった低強度の 延性に富んだ合金の場合は40度~50度に設定 るとよい。これらのねじれ角により切削ト クを低減できるので、小径ドリル1が屈曲し ドリル部5や首部6が加工穴の内周面に接触 て切削トルクの変動を起こし、真直度が悪 することを抑制できる。
溝4のウェブ厚さはドリル径2の40%~50%に設け
ことが剛性の観点から好ましい。本発明の
径ドリル1は、1回のステップ送り量が15%以
でも折損することなく使用できる。
以下、具体的に実施例に基づき本発明を説
する。
本発明の基本的な効果として真直度を評価
た実施例1を説明する。
(実施例1)
本発明例、比較例として、2枚刃、ドリル径
を0.2mm、溝のねじれ角を30度、ウェブ厚さ0.07m
m(ドリル径の35%)、シャンク径を3mmに設け、ド
リル部5の長さを1.1mmとしたドリルにおいて、
溝長、外径の縮径(バックテーパ量)、溝の終
での外径、直線で設けたテーパ状の拡径部
最大径、について表1に示すものを種々作成
した。表1において、溝長、溝の終端での外
、直線で設けたテーパ状の拡径部の最大径
、ドリル径に対する倍率を表している。ド
ルの母材はWCの平均粒径が0.6μm以下、Co量は1
3w%の超微粒子超硬合金とし、ドリル部と首部
にAlCrN膜を被覆した。
試験条件は、被削材にSUS304の長方形のブロ ク材を用意し、その長方形の一面を基準面 し、加工穴の深さ方向が基準面に対して平 になるように穴加工を行った。そして、縦 マシニングセンターにて、切削条件を回転 24000min -1 (切削速度約15m/min)、一回転当たりの送り量0.0 02mm/回転、一回当たりのステップ量0.03mm(ドリ ル径の15%)、穴あけ深さ8mm(ドリル径の40倍)と て、通り穴の加工を50穴行った。クーラン は水溶性切削油を外部供給した。また、加 に際し、予め被削材に径が0.2mm、深さ0.2mmの 半円球状のガイド穴を設けた。
評価方法として、加工後、加工穴の位置 基準面に平行に被削材を切断し、基準面か 加工穴の内周面までの距離を加工穴の深さ 向に5点測定し、その距離の最大値と最小値 の差を真直度とした。そして、10穴目、30穴 、50穴目のそれぞれの真直度の平均値を求め 、結果とした。結果を表1に示す。
その結果、本発明例A1~A8は全て50穴まで加 工でき、真直度が10μm以下と良好であり、切 の噛み込みが少なく、安定して深穴加工を うことができた。特に溝長がドリル径の5~7 である本発明例A4~A5と、テーパ状の拡径の 度が大きい本発明例A7は、真直度が8μm未満 良好であった。これに対して溝長がドリル に対して3倍である比較例A9は、1穴目の深さ0 .1mmに達する直前に折損した。また、比較例A1 0~A14は50穴加工できたものの、真直度は10μmを 超え、不十分であった。
ガイド部の効果について評価した実施例を
施例2、3に示す。
(実施例2)
本発明例、比較例として、2枚刃、ドリル径
を0.2mm、ドリル部を1.1mm、首部の長さを9.0mm、
全長が40mm、溝のねじれ角を30度、ウェブ厚さ
0.07mm(ドリル径の35%)、シャンク径を3mmに設け
ガイド部を首部の切刃側から2.0mmの位置に
け、首部の外径、ガイド部の外径、ガイド
の長さ、溝長、外径の縮径(バックテーパ量)
、溝の終端での外径、直線で設けたテーパ状
の拡径部の最大径、について表1に示すもの
種々作成した。ドリルの母材はWCの平均粒径
が0.6μm以下、Co量は13w%の超微粒子超硬合金と
し、ドリル部と首部にAlCrN膜を被覆した。
試験条件は、被削材にSUS304の長方形のブ ック材を用意し、その長方形の一面を基準 とし、加工穴の深さ方向が基準面に対して 行になるように穴加工を行う。そして、縦 マシニングセンターにて、切削条件を回転 15000min-1(切削速度約9.4m/min)、一回転当たり り量0.002mm/回転、一回当たりステップ量0.02mm (ドリル径の10%)、穴あけ深さ10mm(ドリル径の50 倍)として、通り穴の加工を30穴行った。クー ラントは水溶性切削油を外部供給した。また 、加工に際し、予め被削材に穴径が0.2mm、深 0.2mmのガイド穴を設けた。
評価として、ガイド穴の位置決め精度、 均穴径は光学顕微鏡を用いて測定し、また 直度は被削材の基準面からの座標距離を表 と裏面の両方から光学顕微鏡を用いて加工 の中心位置のずれを測定して真直度とした 結果を表2に示す。
その結果、本発明例B1からB18は全て30穴ま で加工でき、本発明の特徴あるドリル形状に よって、切屑を溝へ滞留させられ首への切屑 の見込みを防ぐことができた。特に真直度に 関しては、ガイド部の効果で、真直度が10μm 下と良好な真直度の穴加工を行うことがで た。また、特に首の外径を0.196mmとした本発 明例B3はドリルの剛性が高いため真直度が7μm と良好であり、ガイド部の外径を0.2mmとした 発明例B5はガイドの効果がより高く、真直 が6μmと良好であり、また、ガイド部の長さ 0.35mmとした本発明例B9は、ガイドの効果が く真直度が6μmと良好であった。
これに対して、比較例B19は、首部の外径 小さいため剛性が不足して真直度が20μmと 十分であった。比較例B20は、1穴目の加工穴 さ2.0mm付近で折損した。首の外径が大きい め加工中に加工穴と首が接触し、切削抵抗 増大により折損したと考えられる。比較例B2 1は、ガイド部の外径が小さいためガイドの 果が十分に得られず真直度が18μmと大きくな った。比較例B22は、加工穴深さ1.1mm、すなわ ガイド部が加工穴へ入るところで折損した 加工穴より、ガイドの外径が大きいため、 イド部に大きな切削抵抗がかかったためと えられる。
比較例B23は、ガイド部が短いためガイド 効果が十分に得られず真直度が18μmと大き なり、加工後のドリルを観察したところガ ド部にチッピングが発生していた。比較例24 は、ガイド部が長いため、真直度が18μmと大 くなった。ガイド部での切削抵抗の増大に り、振動が発生したためと考えられる。比 例B25は、溝の長さが0.6mmと短いため、一回 ステップで生成される切屑が溝に詰まり、 工穴深さが0.22mm付近で折損した。比較例B26 らB29は、溝に切屑を十分に滞留させること できず、真直度が10μmを超え、悪くなった。
(実施例3)
次に、本発明例B5と同じ仕様で首部の長さ
15mm、全長を50mmとし、ガイド部の間隔を変化
させたものを作成した。試験条件は、加工穴
深さを穴あけ深さ10mm(ドリル径の80倍)の通り
として、他は実施例2と同様とした。評価と
しては実施例2と同様とした。結果を表3に示
。
その結果、ガイド部の間隔を1.0mmから2.0mm とした本発明例B30からB32は、首部に設けたガ イド部の効果により、真直度が10μm以下と良 な真直度の穴加工を行うことができた。
これに対して、比較例B33および比較例B34 十分な真直度を得ることができなかった。 イドの間隔が小さいため、部分的に切削抵 が増大することで振動の発生により真直度 えられなかったものと考えられる。比較例B 35および比較例B36はガイド部の間隔が大きい め、次のガイド部が加工穴へ収容されるま に真直性が損なわれ、良好な真直度が得ら なかったものと考えられる。
主に最適なガイド穴を決定するために行 た微細深穴加工方法の別の実施例について 施例4、5、6、7について説明する。
(実施例4)
本発明例C1、従来例C2~C4として、本発明例C1
ガイド穴あけ用ボールエンドミルは、刃数
2枚、刃径が0.2mm、ボール刃、外周刃を有し
外周刃の刃長が0.4mm、外周刃の逃げ角が15度
、シャンクの外径が4mmのものを用意し、従来
例C2~C4のガイド穴あけ用ドリルは、刃数が2枚
、刃径が0.2mm、溝長が0.4mm、シャンクの外径
4mmのもので、先端角16が130°、140°、150°の3
類を用意した。
ガイド穴あけ用ボールエンドミルとドリ は、基材としてCo含有量が8重量パーセント WC平均粒径が0.4~0.6μm、刃部または溝部にTiAl N膜を2μm被覆した。また、微細深穴加工に用 る小径ドリルとして、刃数が2枚、直径が0.2 mm、溝のねじれ角を30度、ウェブ厚さ0.07mm(ド ル径の35%)、シャンクの外径を3mmに設け、溝 長16が1.0mm、バックテーパ量が0.5/100mm、首径 0.185mm、首下長さ17が4.3mm、先端角16が140°の のを使用した。
本発明例C1として、上記ボールエンドミ を用いて、ガイド穴を穴径0.2mm、穴深さ0.2mm 底面を略半球面状に加工し、図17に示す前 小径ドリルを用いて繰り返しステップ加工 よりドリル加工を行った。従来例C2~C4として 、それぞれ上記先端角が130°~150°のガイド穴 け用ドリルを用いて、本発明例C1と同様の イド穴を加工し、同様にドリル加工を行っ 。
テスト条件として、被削材であるSUS316の ロック材の一面に、穴位置の間隔を0.25mmピ チでガイド穴を連続加工して行い、その後 微細深穴加工に用いる小径ドリルにて、穴 0.2mm、穴深さ4mm、すなわち加工深さが小径 リルのドリル径の20倍の貫通穴を加工した。 ボールエンドミル、ドリル、小径ドリル共に 、回転数が25000min-1、送り速度50mm/min、1回当 りのステップ量を0.02mm/回として、湿式切削 行った。
また、非加工時の小径ドリルの移動送り 度は、すべて15m/minとした。今回のテストで は本発明例、従来例ともに、ステップバック 30した時の前記小径ドリルの外周コーナの位 33が、加工穴入り口端面32からプラス方向へ 0.1mmとして、確実に抜ける位置で繰り返しス ップ加工を行った。
評価として、穴位置の間隔の平均、平均 径は光学顕微鏡を用いて測定し、また真直 は被削材の基準面からの座標距離を表面と 面の両方から光学顕微鏡を用いて加工穴の 心位置のずれを測定した。また、小径ドリ がそれらガイド穴を用いた時にチッピング 折損を起こした時点の加工穴数を記録した さらに加工穴数が200穴まで安定した加工が きたものはその時点で加工終了とした。結 を表4に示す。
その結果、本発明例C1のボールエンドミ を用いたガイド穴の加工では、小径ドリル 200穴まで安定して加工ができ、加工できた 細穴精度は平均穴径が0.203mm、穴位置の間隔 平均で0.254mm、真直度は0.005mmと良好な結果 示した。これはガイド穴形成時の位置決め 度、穴精度が極めて良好であり、ガイド穴 底面が略半球面状になっているため、小径 リルの開き角によらずガイド穴の入り口か 徐々に中心側へと加工が行われ途中で先端 が接触し固定されるため、より安定した加 が実現できた結果と考えられる。
ガイド穴あけ用ドリルを用いた従来例C2の イド穴では、小径ドリルは50穴目で折損し 加工できた穴精度も平均穴径が0.220mm、穴位 の間隔は平均で0.280mmと大きなズレを生じた 。さらに真直度は0.020mmであった。これはガ ド穴形成時の位置決め精度、穴精度が悪か たためと考えられる。またガイド穴として 成された開き角が130°に対し、小径ドリルの 先端角が140°のため先端部が当たらないこと なり、左右に振られて穴径が悪化し、最終 に小径ドリルの折損に繋がったと考えられ 。
ガイド穴あけ用ドリルを用いた従来例C3の イド穴では、小径ドリルは62穴目で折損し 加工できた穴精度も平均穴径が0.218mm、穴位 の間隔は平均0.275mmと大きなズレを生じた。 さらに真直度は0.018mmであった。これはガイ 穴として形成された開き角が140°に対し、小 径ドリルの先端角が140°と同じため、工具サ ズが微細であるがゆえに、食い付き時の抵 が上がりすぎてそこで振動を発生しやすく り、精度が悪化し、最終的に小径ドリルの 損に繋がったと考えられる。
ガイド穴あけ用ドリルを用いた従来例C4の イド穴では、小径ドリルは30穴目で折損し 加工できた穴精度も平均穴径が0.230mm、穴位 の間隔は平均0.300mmと本発明例C1より大きな レを生じた。さらに真直度は0.023mmであった 。
これはガイド穴形成時の位置決め精度、 精度が悪かったためと考えられる。さらに イド穴として形成された開き角が150°に対 て小径ドリルの先端角が140°のためガイド穴 を通って先端が接触する。本来工具径の大き いドリルであれば安定することが予想される が、微細深穴加工に用いる小径ドリルの場合 は剛性不足から真円度が悪いガイド穴に沿っ て大きく振られ、より穴径が広がり途中での 折損に繋がったと考えられる。
(実施例5)
次に本発明例C5~C8、比較例C9、C10として、ド
リル径に対するガイド穴の穴径の最適化を図
るためにテストを行った。テスト方法として
は、本発明例C1と同様の仕様で、ガイド穴用
ールエンドミルを刃径が0.17mm~0.22mmとなるよ
う、すなわちガイド穴の穴径が、ドリル径に
対して0.85倍~1.1倍となるよう6種類を製作し、
実施例4と同様の加工と評価を行った。結果
表5に示す。
表5より、本発明例C5~C8では、すべてにお て200穴まで安定して加工ができ、穴精度も 均穴径が0.210mm以下、穴位置の間隔は平均0.2 60mm以下の良好な結果を示した。
比較例C9では、ガイド穴の穴径が小さい めドリルの負荷が大きくなりすぎてドリル 曲げが発生してしまい結果的に安定した穴 けができず、加工穴数が80穴で小径ドリルが 折損した。比較例C10では、ガイド穴の穴径が 大きいため、次工程で使用するドリルとの間 に隙間が発生しすぎて加工中にドリルが不安 定な状態となり、首部への切屑の噛み込みが 発生し、95穴で小径ドリルが折損したと考え れる。
(実施例6)
次に本発明例C11~C13、比較例C14、C15として、
ガイド穴の深さの最適化を図るために実験を
行った。テスト方法としては、本発明例C1と
様の仕様のガイド穴あけ用ボールエンドミ
を用いて、ガイド穴深さが0.1mm~0.42mmとなる
うに、すなわちガイド穴の深さが、小径ド
ルのドリル径に対して0.5倍~2.1倍となるよう
にガイド穴加工を行い、実施例4と同様の加
と評価を行い、テストに供した。結果を表6
示す。
本発明例C11~C13では、すべてにおいて200穴 まで安定して加工ができ、穴精度も平均穴径 が0.210mm以下、穴位置の間隔は平均0.260mm以下 良好な結果を示した。
比較例C14では、ガイド穴深さが浅く、使 した小径ドリルは106穴目で折損し、加工で た穴精度も平均穴径が0.212mm、穴位置の間隔 は平均0.269mmとなった。ドリル加工において 十分に小径ドリルをガイドすることができ に不安定な状態となって加工が行われたた 、小径ドリルの折損に繋がったと考えられ 。
比較例C15では、ガイド穴深さが深く、ボ ルエンドミルを用いてガイド穴を形成する に、切屑がつまって十分な精度のガイド穴 できないため、使用した小径ドリルは103穴 で折損し、加工できた穴精度も平均穴径が0 .220mm、穴位置の間隔は平均0.265mmとなり結果 に、精度の良い穴あけ加工ができず、小径 リルの折損に繋がったと考えられる。
(実施例7)
次に本発明例C16~C18において、小径ドリルの
テーパ状の拡径部10の効果について評価を行
た。
本発明例16は、テーパ状の拡径部10をもた ないもの、本発明例C17は、テーパ状の拡径部 10を有して、溝長の終端での外径が0.19mm、直 で設けたテーパ状の拡径部10の最大径が0.194 mm、としたもの、本発明例C18は、テーパ状の 径部10を有して、溝長の終端での外径が0.19m m、直線で設けたテーパ状の拡径部10の最大径 が0.198mmとしたのもので、いずれもバックテ パ量を1.0/100mm、その他は実施例4と同様の仕 で小径ドリルを製作した。
また、ガイド穴加工として、本発明例C1 同仕様のガイド穴あけ用ボールエンドミル 用いてガイド穴深さ0.2mmとし、実施例4と同 の加工と評価を行い、テストに供した。結 を表4に示す。
結果は、本発明例C16~C18ともに、200穴加工 しても安定した加工ができ、穴精度も極めて 良好な結果を示した。また、テーパ状の拡径 部を有したものは、切屑が溝内に確実に押し 戻され、切屑の噛み込み防止により、特に本 発明例C18は、加工できた微細穴精度は平均穴 径が0.201mm、穴位置の間隔は平均0.252mmと安定 、真直度は0.001mmと極めて良好な結果を示し た。
加工穴径の50倍以上の加工をする場合の テップ加工方法について実施例8、9で説明す る。
(実施例8)
次に本発明例C19~C24として、小径ドリルのバ
ックテーパ量が1.0/100mm、溝長の終端での外径
が0.19mm、直線で設けたテーパ状の拡径部10の
大径が0.198mm、首下長さ17が10.3mmのものを使
した。それ以外は実施例4と同様の仕様とし
た。
本発明例C19として、ステップバック30し 時の小径ドリルの外周コーナの位置33を、加 工穴入り口端面32よりプラス方向へ+0.1mmとし 、確実に抜ける位置で繰り返しステップ加 を行い、本発明例C20~C24として、ステップバ ック30した時の小径ドリルの外周コーナの位 33が、加工穴入り口端面32より穴加工方向に あり、その位置がそれぞれ前記加工穴入り口 端面32からマイナス方向へ-0.04mm~-0.22mmの位置 繰り返しステップ加工を行った。
テスト条件として、被削材であるSUS316の 削材の一面に、穴位置の間隔を0.25mmピッチ ガイド穴を連続加工し、その後、小径ドリ にて、穴径0.2mm、穴深さ10mm、すなわち加工 さが加工穴径の実に50倍の貫通穴を50穴加工 した。また、その際の非加工時の小径ドリル の移動送り速度は、3m/minで設定した。本発明 例C1と同仕様のガイド穴あけ用ボールエンド ルを用いて深さ0.2mmのガイド穴を設け、そ 他は実施例4と同様の加工と評価を行い、テ トに供した。その結果を表8に示す。
結果より、本発明例C19~C24は、すべて50穴 工しても安定した加工ができ、穴精度も平 穴径が0.210mm以下、穴位置の間隔は平均0.260m m以下の良好な結果を示した。特に、本発明 C21~C23は、加工できた穴精度は平均穴径がす て0.205mm以下、穴位置の間隔は平均0.256mm以 、真直度は0.005mm以下と極めて良好な結果を した。
(実施例9)
次に本発明例C25~C29として、加工穴深さが穴
径の50倍の貫通穴を50穴加工した。実施例5と
様の仕様で、ステップバック30した時の小
ドリルの外周コーナの位置33が、加工穴入り
口端面32より穴加工方向にあり、その位置が-
0.1mmとし、繰り返しステップ加工を行い、非
工時の小径ドリルの移動送り速度を変化さ
て、実施例8と同様のガイド穴あけ用ボール
エンドミルと小径ドリルを用いて、試験、評
価を行った。その結果を表9に示す。
結果より、本発明例C25~C29は、すべて50穴 工しても安定した加工ができ、穴精度も平 穴径が0.210mm以下、穴位置の間隔は平均0.260m m以下の良好な結果を示した。特に、本発明 C26~C28は、加工できた穴精度は平均穴径がす て0.205mm以下、穴位置の間隔は平均0.255mm以 、真直度は0.005mm以下と極めて良好な結果を した。
図19に本発明による加工方法で切削した 削材の加工断面及び穴あけ工程で使用した 際の工具を示す。まず実験にあたり、ガイ 穴あけ用ボールエンドミルは、刃数が2枚、 径が0.5mm、ボール刃、外周刃を有し、外周 の刃長が1mm、外周刃の逃げ角が15度、シャン クの外径が4mmのものを用意した。
微細深穴加工に用いる小径ドリル36は、 数が2枚、直径が0.5mm、溝のねじれ角を30度、 ウェブ厚さ0.175mm(ドリル径の35%)、シャンクの 外径を3mmに設け、溝長2.5mm、バックテーパ量 1.0/100mm、溝長の終端での外径が0.475mm、直線 で設けたテーパ状の拡径の最大径が0.495mm、 径が0.475mm、首下長さが40.5mm、先端角が140° ある。
実験方法としては、SUS304の被削材34の一 に、上記ボールエンドミルを用いて、ガイ 穴を穴径0.5mm、穴深さ0.5mmでガイド穴の底面 略半球面状に加工した。その後、微細深穴 工に用いる小径ドリル36にて、穴径0.5mm、穴 深さ40mm、すなわち加工深さが穴径の実に80倍 の貫通穴35として、また、ステップバック30 た時の小径ドリルの外周コーナの位置33が、 加工穴入り口端面32より穴加工方向にあり、 の位置を-0.1mmとして、繰り返しステップ加 を行い加工した。
テスト条件としては、ガイド穴用のボー エンドミル、小径ドリル共に、回転数が9550 min-1、送り速度28mm/min、1回当たりのステップ を0.025mm/回として、非加工時の小径ドリル36 の移動送り速度を2m/minに設定して湿式切削を 行った。その後、加工した被削材34を切断し 加工断面の様子を観察した。
図19からも確認できるように、従来は切 加工でも到底なしえなかった加工を切削で 現できた。この例により、ステップ加工を う条件を最適化することによって加工深さ 穴径の80倍の貫通穴でも本発明で実現するこ とが証明された。本発明方法によれば工具径 が1mm以下の場合で、L/Dが120倍~130倍程度でも 現可能である。
本発明のうち、貫通穴加工を実施した例 ついて実施例10、11で説明する。
(実施例10)
図1に本発明例、比較例の微細深穴加工に用
いた小径ドリル1の外観図を示す。
本発明例、比較例として、微細深穴加工に
いる小径ドリル1として、刃数が2枚、ドリ
径が0.3mm、溝のねじれ角を30度、ウェブ厚さ0
.105mm(ドリル径の35%)、シャンク径を3mmに設け
ドリル部の長さを1.48mmとした小径ドリル1に
おいて、溝長1.5mm、拡径部の長さが0.05mm、拡
部の最大径が0.298mm、バックテーパ量が0.5/10
0mm、首部の外径が0.28mm、首下長さが9.1mm、先
角が140°のものを使用した。
テスト条件として、被削材であるSUS304の ロック材の一面に、ピッチ0.2mmの間隔で、 数が2枚、刃径が0.295mm、ボール刃のRが0.15mm ボール刃、外周刃を有し、外周刃の刃長が0. 3mm、外周刃の逃げ角が15度、シャンク部の外 が4mmのガイド穴あけ用ボールエンドミルを いて、ガイド穴を深さ0.2mmとなるように連 加工し、その後、微細深穴加工に用いる小 ドリルにて、穴径0.3mm、穴深さ7.5mm、すなわ 加工深さが刃径の25倍の貫通穴を加工した ボールエンドミル、小径ドリル共に、回転 が25000min-1、送り速度50mm/min、1回当たりのス ップ加工量を0.03mm/回として、湿式切削を行 った。
本発明例1として、予め設けたガイド穴に 小径ドリルをガイドさせて、繰り返しステッ プ加工により図27に示すように、小径ドリル 貫通量39が1.53mmになるように、すなわち小 ドリルが穴出口から1.53mm突き出るまでドリ 加工を行った。また比較例2として、図28に すように、小径ドリルの貫通量39が0.1mmにな ように、すなわち小径ドリルが穴出口から0 .1mm突き出るまでドリル加工を行った。
評価としては100穴まで穴加工を行い、1~99 穴すべてに基準ピンを挿入しスムーズにピン が通るかをチェックした。また100穴目の加工 穴は切断し、穴内面の仕上げ面粗さの測定及 び穴内面の観察を走査型電子顕微鏡で行った 。結果を表10に示す。
その結果、本発明例D1の加工方法におい は、1~96穴まで基準ピンがスムーズに挿入で た。また100穴目の加工穴の内面粗さは0.9μm 極めて良好であり、穴の入り口部37から穴 出口部38まですべての内面性状をみても段差 もなく非常に良好な穴精度を示した。
図29に本発明例D1での穴中間付近及び出口 付近の加工穴の内面性状を示す。図29の写真 らも、本発明例D1では穴中間付近及び出口 近でも加工穴の内面性状が滑らかな面にな ていることが分かる。これは、ドリル径と ぼ同径の拡径部が加工穴の内面をこすり、 すり効果によって加工穴の内面粗さ及び内 精度を向上させたためと考えられる。さら 小径ドリルが穴出口から1.53mm突き出るまで リル加工を行ったことで、貫通穴において の入り口から出口まで全面でこすれの効果 得られたためと考えられる。
それに対して、比較例D2の加工方法にお ては、1~10穴までは基準ピンがなんとかスム ズに挿入できたが、11穴目以降の加工穴は 準ピンが途中で止まり挿入することができ かった。また100穴目の加工穴の内面粗さは2. 48μmと悪く、特に穴の出口付近において段差 確認した。
図30に穴中間付近及び出口付近の加工穴 内面性状を示す。これは比較例D2の加工方法 においては、小径ドリルが穴出口からわずか 0.1mm突き出たところまでしか加工していない め、中間付近においてはドリル径とほぼ同 の拡径部が加工穴の内面をこすり、内面性 が向上したものの、こすれの効果がない出 付近においては写真に「段差あり」と注釈 れているように工具の摩耗にともなって内 性状が荒れ、結果的に大きな面粗さになっ しまったと考えられる。
貫通穴を開ける工具として、最適な形状 するための実施例を実施例11として説明す 。
(実施例11)
次に本発明例D3~D9、比較例D10として、小径
リル1の形状の最適化を図るためにテストを
った。
テスト方法としては、本発明例D1と同様 仕様で、拡径部のない比較例D10と、拡径部 最大径が0.288mm、長さが0.15mmである本発明例D 8と、拡径部の最大径が0.285mm、長さが0.15mmで る本発明例D9と、拡径部の円筒部をあわせ 長さが0.15mm~0.85mm、すなわち円筒部の長さが0 .1mm~0.8mm、首下長さが9.2mm~9.9mmとなるような本 発明例D3~D7を用いて、実施例10と同様の加工 評価を行った。結果を表11に示す。
表11より、本発明例D3~D9を用いた加工方法 では、すべて88穴まで基準ピンがスムーズに 入できた。特に本発明例3,4は99穴すべて基 ピンがスムーズに挿入できた。特に本発明 D4による100穴目の加工穴の内面粗さは0.6μmと 極めて良好な結果を示した。これは円筒部に よって、加工中のこすり効果が大きく作用し たためと考えられる。
また本発明例D7は円筒部が少し長く、こ れる面積が大きくなったため、100穴目の加 穴の内面粗さは若干大きな値となった。ま 本発明例D9は他の発明例に比べると基準ピン が挿入できた穴数が少なくなったが、これは 拡径部の最大径がドリル径に対して0.95倍で り、他の発明例に比べて拡径部の最大径が リル径に対してクリアランスが少し大きく こすれの効果がやや少なかったためと考え れる。
一方、比較例D10はすべての加工穴におい 基準ピンは挿入できず、100穴目の加工穴の 面も段差が多数発生しており、面粗さも5.5 mと極めて悪い結果となった。これは比較例D 10では拡径部がないため、加工中に小径ドリ が不安定となり、さらに切屑の噛みこみも 生して真直度そのものも悪化したためと考 られる。
ドリル部の後端にある拡径部がドリル径 ほぼ同径の円筒部を有する場合の、リーマ 果について評価した実施例を実施例12で説 する。
(実施例12)
次に従来ではなし得なかったL/D=80倍の超深
加工のテストを行った。テスト終了後の小
ドリル46と加工切断後の被削材45を図31に示
。
本発明例D11として、微細深穴加工に用い 小径ドリル46として、刃数が2枚、ドリル径 0.5mm、溝のねじれ角を30度、ウェブ厚さ0.175m m(ドリル径の35%)、シャンク径を3mmに設け、ド リル部の長さを2.48mmとした小径ドリル46にお て、溝長2.5mm、拡径部の円筒部をあわせた さが0.15mm、すなわち円筒部の長さが0.1mm、拡 径部の最大径が0.498mm、ガイド部を首部の切 側から4.0mmの位置と8.0mmの位置に設け、バッ テーパ量が0.5/100mm、首径が0.48mm、首下長さ 43mm、先端角が140°のものを使用した。
テスト条件として、SUS304の被削材45の一面 、ピッチ0.2mmの間隔で、刃数が2枚、刃径が0 .495mm、ボール刃のRが0.25mm、ボール刃、外周 を有し、外周刃の刃長が0.5mm、外周刃の逃げ 角が15度、シャンク部の外径が4mmのガイド穴 け用ボールエンドミルを用いて、ガイド穴 深さ0.3mmとなるように連続加工し、その後 微細深穴加工に用いる小径ドリル46にて、穴 径0.5mm、穴深さ40mm、すなわち加工深さが刃径 の80倍の貫通穴を加工した。
ボールエンドミル、小径ドリル46共に、 転数が7000min-1、送り速度30mm/min、1回当たり ステップ加工量を0.05mm/回として、湿式切削 行った。
加工方法としては、予め設けたガイド穴に 小径ドリル46をガイドさせて、繰り返しステ プ加工により図27に示すように、小径ドリ 46の貫通量39が2.63mmになるように、すなわち 径ドリル46が穴出口から2.63mm突き出るまで リル加工を行った。
評価としては30穴まで穴加工を行い、1~29 すべてに基準ピンを挿入しスムーズにピン 通るかをチェックした。また30穴目の加工 は切断し、穴内面の仕上げ面粗さの測定及 穴内面の観察を走査型電子顕微鏡で行った 結果を表12に示す。
表12より、本発明例D11を用いた加工方法 は、29穴すべて基準ピンがスムーズに挿入で きた。図32(a)に本発明例D11での穴出口付近の 工穴の内面性状を示す。
図32(a)の写真からも、本発明例D11では穴 口付近でも加工穴の内面性状が滑らかな面 なっていることが分かる。一方図32(b)に比較 として、被削材の両面から穴あけ加工を行い 、つなぎ合わせることで貫通穴加工をおこな う、俗に言うとんぼ加工により、穴あけ放電 加工を行った後にワイヤー放電で仕上げた加 工穴の内面性状を示す。図32(b)の写真からも 表面に放電加工異常層が生じ、さらに大き 段差を確認することができる。
すなわち本発明により、従来到底なし得な かったL/D=80倍以上の微細超深穴加工であって も、加工穴の内面精度を優れた範囲に確保し ながら行うことが可能である。
本発明の深穴加工用小径ドリルが適用で る産業分野を例示すれば、金型や部品の加 等において、加工穴径が1mm以下の極めて細 微細穴あけ加工であって、加工穴径に対す 加工穴深さが加工穴径の15倍以上はもとよ 、たとえ50倍以上の止まり穴、貫通穴でも加 工が可能である。特にL/Dが50倍以上の微細深 加工は従来の切削加工では成し得なかった 囲であるが、この深穴の加工も可能にする 具体的な適用分野は、例えば金型の水冷孔 ダイカスト金型の突き出しピンの穴の加工 機能性を大幅にあげるため、より細く深い を加工する必要のある自動車分野や繊維分 の特殊ノズル等に適している。
1 小径ドリル
2 ドリル径
3 切刃
4 溝
5 ドリル部
6 首部
7 シャンク部
8 縮径部の最小径部
9 溝の終端
10 拡径部
11 溝長
12 首部の長さ
13 ガイド部
14 縮径部
16 先端角
17 首下長さ
18 拡径部の最大径部
19 開き角
20 被削材
21 案内部
22 チゼル
23 従来加工方法による切削点
24 本発明方法による切削点
25 本発明方法による切削点
26 外周コーナ
27 ガイド穴コーナ
28 所定の切込み
29 次の所定の切込み
30 ステップバック
31 ステップフォワード
32 加工穴入り口端面
33 外周コーナの位置
34 被削材
35 貫通孔
36 穴あけ行程で使用した小径ドリル
37 穴の入り口部
38 穴の出口部
39 小径ドリルの貫通量
40 穴内面のこすれ部分
41 ステップ量
43 内面
44 内面
45 加工切断後の被削材
46 30穴加工後の小径ドリル
47 ガイド部の長さ
