KUZE SATORU (JP)
PITTELOUD CEDRIC (JP)
KUZE SATORU (JP)
US4136233A | 1979-01-23 | |||
JP2004207210A | 2004-07-22 |
Toru Nakayama (JP)
第1電極、第2電極および非水電解液を備え、第1電極がナトリウムイオンをドープかつ脱ドープすることのできる式(I)で表される化合物を含むナトリウム二次電池。 M 3 Z 4 (I) ここで、Mは遷移金属元素からなる群より選ばれる1種以上を表し、ZはIUPAC周期表の第16族元素からなる群より選ばれる1種以上を表す。 |
ZがSを含む請求項1記載のナトリウム二次電池。 |
MがFeを含む請求項1または2記載のナトリウム二次電池。 |
第2電極が、ナトリウム金属またはナトリウム合金を含む請求項1~3のいずれかに記載のナトリウム二次電池。 |
本発明は、ナトリウム二次電池に関する
ナトリウム二次電池は、正極、負極および
水電解液を有する二次電池である。二次電
としては、リチウム二次電池が代表的であ
、携帯電話やノートパソコンなどの小型電
として既に実用化され、さらに、電気自動
、ハイブリッド自動車等の自動車用電源や
散型電力貯蔵用電源等の大型電源として使
可能であることから、その需要は増大しつ
ある。しかしながら、リチウム二次電池に
いて、それを構成する材料の製造には、リ
ウム等の稀少金属元素を含有する原料を多
使用し、大型電源の需要の増大に対応する
めの前記原料の供給が懸念されている。
これに対し、上記の供給懸念を解決するこ
のできる二次電池として、ナトリウム二次
池の検討がなされている。ナトリウム二次
池において、その材料には供給量が豊富で
かも安価な原料を用いることができ、これ
実用化することにより、大型電源を大量に
給可能になるものと期待されている。
そして、従来のナトリウム二次電池として
、ジャーナル・オブ・エレクトロケミカル
ソサイエティ;エレクトロケミカル・サイエ
ンス・アンド・テクノロジー(Journal of Electro
chemical Society; Electrochemical Science and Technolog
y)、米国、1980年、第127巻、第2097~2099頁に、正
極材料としてTiS 2
を、負極材料としてナトリウム金属を用いた
ナトリウム二次電池が具体的に記載されてい
る。
しかしながら、上記のナトリウム二次電池
、放電容量が十分とはいえない。本発明の
的は、より大きな放電容量を与えるナトリ
ム二次電池を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭
研究を重ね、本発明に至った。すなわち、
発明は、<1>~<4>を提供する。
<1>第1電極、第2電極および非水電解液を
え、第1電極がナトリウムイオンをドープか
つ脱ドープすることのできる式(I)で表される
化合物を含むナトリウム二次電池。
M 3
Z 4
(I)
ここで、Mは遷移金属元素からなる群より選
ばれる1種以上を表し、ZはIUPAC周期表の第16族
元素からなる群より選ばれる1種以上を表す
<2>ZがSを含む<1>記載のナトリウム二
電池。
<3>MがFeを含む<1>または<2>記載の
ナトリウム二次電池。
<4>第2電極が、ナトリウム金属またはナ
リウム合金を含む<1>~<3>のいずれか
記載のナトリウム二次電池。
図1は、電極活物質1の粉末X線回折図形である
。
図2は、電極活物質1のSEM写真である。
図3は、電極活物質2の粉末X線回折図形である
。
図4は、電極活物質2のSEM写真である。
<ナトリウム二次電池>
本発明のナトリウム二次電池は、第1電極、
第2電極および非水電解液を備える。
<第1電極>
第1電極は、ナトリウムイオンをドープかつ
脱ドープすることのできる式(I)で表される化
合物を含む。
M 3
Z 4
(I)
ここで、Mは遷移金属元素からなる群より選
れる1種以上を表し、ZはIUPAC周期表の第16族
素からなる群より選ばれる1種以上を表す。
の化合物は、ナトリウム二次電池の電極活
質として作用し、通常、第1電極は、正極と
して作用する。式(I)において、M:Zのモル比(
子比)は3:4である。Mは、遷移金属元素からな
る群より選ばれる1種以上を表し、具体的に
、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、コバ
ト(Co)およびチタン(Ti)からなる群より選ばれ
る1種以上を挙げることができる。より高い
電容量と遷移金属元素の入手容易性の観点
ら、Mは、Fe、MnおよびNiから選ばれる1種以上
を含むことが好ましく、より好ましくは、Fe
含むことである。また、Zは、IUPAC周期表の
16族元素からなる群より選ばれる1種以上を
し、具体的には、酸素(O)、硫黄(S)、セレン(
Se)およびテルル(Te)からなる群れより選ばれ
1種以上を挙げることができる。放電容量を
り高くするため、Sを含むことが好ましい。
これらの中でも、特に好ましいのは、MがFeで
あり、かつZがSである。
Mが1種である式(I)で表される化合物は、例
ば、
Fe 3
S 4
、Mn 3
S 4
、Ni 3
S 4
、Co 3
S 4
、Ti 3
S 4
、
Fe 3
Se 4
、Mn 3
Se 4
,Ni 3
Se 4
、Co 3
Se 4
、Ti 3
Se 4
、および
Fe 3
Te 4
、Mn 3
Te 4
、Ni 3
Te 4
、Co 3
Te 4
、Ti 3
Te 4
であり、
Mが2種である式(I)で表される化合物は、例え
、
(Fe、Mn) 3
S 4
、(Fe、Ni) 3
S 4
、(Fe、Co) 3
S 4
、(Fe、Ti) 3
S 4
、
(Mn、Ni) 3
S 4
、(Mn、Co) 3
S 4
、(Mn、Ti) 3
S 4
、
(Ni、Co) 3
S 4
、(Ni、Ti) 3
S 4
、
(Co、Ti) 3
S 4
、
(Fe、Mn) 3
Se 4
、(Fe、Ni) 3
Se 4
、(Fe、Co) 3
Se 4
、(Fe、Ti) 3
Se 4
、
(Mn、Ni) 3
Se 4
、(Mn、Co) 3
Se 4
、(Mn、Ti) 3
Se 4
、
(Ni、Co) 3
Se 4
、(Ni、Ti) 3
Se 4
、
(Co、Ti) 3
Se 4
、
(Fe、Mn) 3
Te 4
、(Fe、Ni) 3
Te 4
、(Fe、Co) 3
Te 4
、(Fe、Ti) 3
Te 4
、
(Mn、Ni) 3
Te 4
、(Mn、Co) 3
Te 4
、(Mn、Ti) 3
Te 4
、
(Ni、Co) 3
Te 4
、(Ni、Ti) 3
Te 4
、および
(Co、Ti) 3
Te 4
である。
式(I)で表される化合物は、本発明の効果を
なわない範囲で、Mの一部が、Mを構成する
移金属元素以外の金属元素で置換されてい
もよい。
また、式(I)で表される化合物は、通常、粒
であり、その形状は、例えば、球状、板状
あり、電極の製造のしやすさの観点で、好
しくは球状である。化合物は、粒径が通常
10nm~約100μmである。
<第1電極におけるM 3
Z 4
の製造方法>
M 3
Z 4
を製造する方法としては、例えば、M 3
Z 4
の前駆体を加熱する工程を含む製造方法が挙
げられる。M 3
Z 4
の前駆体としては、例えば、M含有原料とZ含
原料とを所定の組成となるように秤量し混
して得られる混合物を挙げられる。好まし
組成の一つであるFe 3
S 4
で表される遷移金属カルコゲン化合物は、金
属Fe粉末および硫黄粉末の各原料を、Fe:Sのモ
ル比(原子比)が3:4となるように秤量し、それ
を混合し、得られた混合物を加熱すること
よって製造することができる。
M含有原料は、Mの金属や、Mの酸化物、Mの化
合物(例えば水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、ハ
ゲン化物、シュウ酸塩等)などである。Z含有
原料は、Z単体、もしくはZ化合物などである
Mの硫酸塩などは、M 3
Z 4
の前駆体として用いることもできる。M含有
料およびZ含有原料の混合には、ボールミル
V型混合機、攪拌機等、工業的に通常用いら
れている装置を用いればよく、乾式混合、湿
式混合のいずれによってもよい。
M 3
Z 4
前駆体を加熱する条件は、Mの種類、Zの種類
よるが、例えば、温度:200℃~1500℃、時間:0.5
時間~100時間である。M 3
Z 4
前駆体は、加熱前に、加熱温度より低い温度
で予備加熱してもよい。また、予備加熱後に
粉砕を行ってもよい。
加熱雰囲気としては、例えば、窒素、アル
ン等の不活性雰囲気である。ZがSである場
には、加熱雰囲気は、例えば、硫化水素、
硫化炭素等の雰囲気であってもよい。この
合には、前駆体におけるZ含有原料を必要と
ないこともある。予備加熱雰囲気は、不活
ガス雰囲気、酸化性雰囲気または還元性雰
気のいずれでもよい。
M含有原料として、Mのフッ化物、塩化物等
用いて、生成するM 3
Z 4
の結晶性を高めることおよび/または平均粒
を大きくすることができる。また、この目
に関して、前駆体に、適量のフラックスを
加してもよい。フラックスとしては、例え
前記のフッ化物、塩化物のほか、NH 4
Cl、NH 4
Iなどを挙げることもできる。
ZがSである場合には、M 3
S 4
を製造する好適な方法として、Mの塩化物お
びチオ尿素を用いて、これらを所定の組成
なるように秤量し、多価アルコール中で、M
塩化物とチオ尿素とを接触させて析出物を
て、析出物を液相から分離し乾燥すること
よって、製造する方法を挙げることができ
。この製造方法において、析出物を得るた
に、Mの塩化物とチオ尿素とが溶解した多価
アルコール溶液を、40℃~200℃の温度範囲、0.5
時間~100時間の条件で加熱してもよいし、攪
を行ってもよい。好ましい組成の一つであ
Fe 3
S 4
で表される化合物を得る場合には、例えば、
Mの塩化物としての塩化鉄(III)六水和物(FeCl 3
・6H 2
O)、チオ尿素((NH 2
) 2
CS)の各原料を、Fe:Sのモル比(原子比)が3:4とな
るように秤量し、これらをエチレングリコー
ルに加え、混合して得られる溶液を、180℃で
2時間保持することによって析出物を得て、
過、ロータリーエバポレータ等の固液分離
より析出物を回収して、製造することがで
る。この方法は、高温に加熱する工程も必
とせず有用である。上記において、塩化鉄(I
II)六水和物にかえて、塩化鉄(II)四水和物(FeCl
2
・4H 2
O)を用いても、Fe 3
S 4
を製造することができる。Mの塩化物(ここで
MはFeである。)において、Feの価数が三価(例
えば、塩化鉄(III)六水和物)である場合には、
得られるFe 3
S 4
の粒子の形状は球状になる傾向にあり、Feの
数が二価(塩化鉄(II)四水和物)である場合に
、得られるFe 3
S 4
の粒子の形状は板状になる傾向にある。
多価アルコールとしては、1,2−エタンジオ
ル(エチレングリコール)、1,2−プロパンジ
ール(プロピレングリコール)、2,2’−オキシ
ジエタノール(ジエチレングリコール)などの2
価アルコール(グリコール類);1,2,3,−プロパン
トリオールなどの3価アルコール(グリセロー
類)などを挙げることができる。入手容易性
の観点では、2価アルコールが好ましく、よ
好ましくはエチレングリコールである。
多価アルコール中で、Mの塩化物とチオ尿素
とを接触させて析出物を得る際の雰囲気とし
ては、不活性雰囲気、酸化性雰囲気または還
元性雰囲気のいずれでもよい。ZがSである場
には、M 3
S 4
の収量を高めるため、不活性雰囲気が好まし
い。例えば、不活性雰囲気とするには、窒素
、アルゴン等の不活性ガスを用いればよい。
上記のM 3
Z 4
や、M 3
Z 4
の前駆体、M含有原料、Z含有原料について、
意にボールミルやジェットミル等を用いた
砕、洗浄、分級等を行って、粒度、結晶純
を調節することが好ましいことがある。加
を2回以上行ってもよい。また、M 3
Z 4
の粒子表面をSi、Al、Ti、Y等を含有する無機
質で被覆する等の表面処理を施してもよい
<第1電極の製造方法>
第1電極は、M 3
Z 4
、導電材およびバインダーを含む電極合剤を
、集電体に担持させて製造することができる
。
導電材としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コ
クス類、カーボンブラックなどの炭素材料
どが挙げられる。バインダーとしては、熱
塑性樹脂を挙げることができ、具体的には
ポリフッ化ビニリデン(以下では「PVDF」と
ても言及する)、ポリテトラフルオロエチレ
、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン
フッ化ビニリデン系共重合体、六フッ化プ
ピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、四
ッ化エチレン・パーフルオロビニルエーテ
系共重合体などのフッ素樹脂;ならびにポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン樹脂等を挙げることができる。集電体と
しては、Al、Ni、ステンレス鋼などを用いる
とができる。
集電体に電極合剤を担持させる方法として
、加圧成型する方法、電極合剤について有
溶媒等を用いてペースト化し、集電体上に
工し、乾燥後プレスするなどして固着する
法等が挙げられる。ペースト化する場合、M
3
Z 4
、導電材、バインダーおよび有機溶媒からな
るスラリーを調製する。有機溶媒としては、
N,N−ジメチルアミノプロピリアミン、ジエチ
ルトリアミン等のアミン系;エチレンオキシ
、テトラヒドロフラン等のエーテル系;メチ
エチルケトン等のケトン系;酢酸メチル等の
エステル系;ジメチルアセトアミド、N−メチ
−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒
等が挙げられる。電極合剤を集電体へ塗工す
る方法としては、例えばスリットダイ塗工法
、スクリーン塗工法、カーテン塗工法、ナイ
フ塗工法、グラビア塗工法、静電スプレー法
等が挙げられる。
<非水電解液>
非水電解液は、通常、有機溶媒に電解質を
解することにより調製される。
電解質としては、例えばNaClO 4
、NaPF 6
、NaAsF 6
、NaSbF 6
、NaBF 4
、NaCF 3
SO 3
、NaN(SO 2
CF 3
) 2
、低級脂肪族カルボン酸ナトリウム塩、NaAlCl
4
などが挙げられ、これらを2種以上混合して
用してもよい。これらの中でもフッ素を含
NaPF 6
、NaAsF 6
、NaSbF 6
、NaBF 4
、NaCF 3
SO 3
およびNaN(SO 2
CF 3
) 2
からなる群から選ばれる少なくとも1種が好
しい。
有機溶媒としては、例えばプロピレンカー
ネート、エチレンカーボネート、ジメチル
ーボネート、ジエチルカーボネート、エチ
メチルカーボネート、イソプロピルメチル
ーボネート、ビニレンカーボネート、4−ト
リフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−
ン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタ
ンなどのカーボネート類;1,2−ジメトキシエ
ン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフル
ロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラ
ルオロプロピルジフルオロメチルエーテル
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒド
ロフランなどのエーテル類;ギ酸メチル、酢
メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル
類;アセトニトリル、ブチロニトリルなどの
トリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
メチルアセトアミドなどのアミド類;3−メ
ル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート
;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−
プロパンサルトンなどの含硫黄化合物;また
上記の有機溶媒にさらにフッ素置換基を導
したものが挙げられる。これらの有機溶媒
、2種以上を混合して使用してもよい。
非水電解液における電解質の濃度は、通常
約0.1モル/L~約2モル/Lであり、好ましくは、
0.3モル/L~約1.5モル/Lである。
<第2電極>
第2電極は、ナトリウムイオンをドープかつ
脱ドープすることができる材料を含む。第2
極としては、ナトリウムを含有する活物質
含む電極合剤を集電体に担持したもの、ナ
リウム金属またはナトリウム合金などを挙
ることができる。ナトリウム合金における
トリウム以外の金属元素としては、例えば
Pb、Sn、Geなどを挙げることができる。第2電
としては、ナトリウム金属またはナトリウ
合金が好ましく用いられ、この場合、第2電
極は、ナトリウム二次電池における負極とし
て作用する。
<第2電極の製造方法>
第2電極は、上記の電極合剤を、集電体に担
持させて製造することができる。集電体とし
ては、Al、Cu、Ni、ステンレス鋼などを挙げる
ことができる。集電体に電極合剤を担持させ
る方法は、第1電極の場合と同様であり、加
成型する方法、ペースト化して集電体上に
工し、乾燥後にプレスするなどして固着す
方法等が挙げられる。また、ナトリウム金
またはナトリウム合金のシートをそのまま
2電極として用いることもできるし、シート
集電体に積層して用いてもよい。
<セパレータ>
ナトリウム二次電池は、通常、セパレータ
更に有する。セパレータとしては、例えば
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリ
レフィン樹脂、フッ素樹脂、含窒素芳香族
合体などの材料からなる、多孔質フィルム
不織布、織布などの形態を有する材料を用
ることができる。また、これらの材料を2種
以上用いた単層または積層セパレータとして
もよい。セパレータとしては、例えば特開200
0−30686号公報、特開平10−324758号公報等に記
のセパレータを挙げることができる。セパ
ータの厚みは、電池の体積エネルギー密度
上がり、内部抵抗が小さくなるという点で
機械的強度が保たれる限り薄いほど好まし
。セパレータの厚みは一般に、5~200μm程度
好ましく、より好ましくは5~40μm程度である
セパレータは、イオン透過性との観点から
ガーレー法による透気度において、透気度
50~300秒/100ccであることが好ましく、50~200秒/
100ccであることがさらに好ましい。また、セ
レータの空孔率は、通常30~80体積%、好まし
は40~70体積%である。セパレータは空孔率の
なるセパレータを積層したものであっても
い。
<ナトリウム二次電池の製造方法>
ナトリウム二次電池がセパレータを有する
合には、例えば、上述の第1電極、セパレー
タおよび第2電極をこの順に積層および必要
応じて巻回することによって電極群を得、
の電極群を電池缶等の電池ケース内に収納
、非水電解液を電極群に含浸させることに
って、製造することができる。
電極群の形状としては例えば、この電極群
巻回の軸と垂直方向に切断したときの断面
、円、楕円、長方形、角がとれたような長
形等となるような形状を挙げることができ
。また、二次電池の形状としては、例えば
ペーパー型、コイン型、円筒型、角型など
形状を挙げることができる。
上述のナトリウム二次電池は、より大きな
電容量を与え、さらには、充放電を繰り返
た際の容量低下を抑制されたサイクル性に
れる二次電池である。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細
説明するが、本発明はこれらによって限定
れるものでもない。充放電試験用の電極お
び二次電池の製造方法を以下に示す。
(1)第1電極(正極)の製造
電極活物質(M 3
Z 4
)、導電材(アセチレンブラック、電気化学工
株式会社製)およびバインダーPVDF(株式会社
レハ製、PolyVinylideneDiFluoridePolyflon)を、M 3
Z 4
:導電材:バインダー=89:9:2(重量比)の組成とな
ようにそれぞれ秤量した。
まず、M 3
Z 4
と導電材をメノウ乳鉢で十分に混合して混合
物を得た。この混合物に、N−メチル−2−ピ
リドン(NMP:東京化成工業株式会社製)を適量
え、さらにバインダーを加えて引き続き均
になるように混合して、薄く延ばし、シー
化した。得られたシートをコルクボーラー
直径1.0cmに打ち抜いた後、集電体であるス
ンレス鋼メッシュにハンドプレスにて十分
圧着し、さらに乾燥機に入れ、十分に乾燥
て第1電極(正極)を得た。
(2)ナトリウム二次電池の製造
第1電極(正極)と、それ以外の部材としては
セパレータとしてポリプロピレン多孔質フ
ルム(厚み20μm)、第2電極(負極)として金属ナ
トリウム(アルドリッチ社製)、非水電解液と
て1MのNaClO 4
/プロピレンカーボネートを用いて、ナトリ
ム二次電池を製造した。すなわち、コイン
ル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、
第1電極をステンレス鋼メッシュが下側に向
ように(電極活物質が上側を向くように)置き
、その上にセパレータを置き、非水電解液を
ピペットで0.2ミリリットル注入した。さらに
、第2電極(負極)と中蓋とを組み合わせて、ガ
スケットを介して上側パーツで蓋をし、かし
め機でかしめてナトリウム二次電池を製造し
た。なお、電池の組み立てはアルゴン雰囲気
のグローブボックス内で行った。
比較例1(TiS 2
)
第1電極(正極)における電極活物質として、T
iS 2
(Alfa Aesar社製)を用いた以外は、上記と同じ
法により、第1電極(正極)、ナトリウム二次
池R1を製造し、以下の条件で定電流充放電試
験を実施した。
充放電条件:
レストポテンシャルから1.0Vまで0.2mAcm −2
でCC(コンスタントカレント:定電流)放電を行
た。次に、充電は、放電速度と同じ速度で
CC充電を行い、電圧2.5Vでカットオフした。
1サイクル目の放電容量を100とした。以下、
ナトリウム二次電池における放電容量は、ナ
トリウム二次電池R1の1サイクル目の放電容量
を100とした相対放電容量として示した。
次サイクル以降の放電および充電も、上記
放電速度と同じ0.2mAcm −2
で行い、1サイクル目と同様に、放電電圧1.0V
充電電圧2.5Vでカットオフした。3サイクル
の相対放電容量は67であり、1サイクル目に
する3サイクル目の放電容量維持率は67%とな
た。
実施例1(Fe 3
S 4
)
(1)Fe 3
S 4
の製造
金属含有化合物としての、塩化鉄(II)四水和
物(FeCl 2
・4H 2
O)およびチオ尿素((NH 2
) 2
CS)の各原料を、Fe:Sのモル比(原子比)が3:4とな
るように秤量し、これらをエチレングリコー
ルに加え、混合して得られる溶液を、窒素雰
囲気下において180℃で2時間保持することに
って析出物を得て、ロータリーエバポレー
を用いてエチレングリコールを分離するこ
によって、電極活物質1(Fe 3
S 4
)を得た。電極活物質1の粉末X線回折図形を図
1に示し、SEM写真を図2に示す。図2には、電極
活物質1は板状粒子を含むことが示されてい
。なお、粉末X線回折測定は、粉末X線回折測
定装置(株式会社パナリティカル製X‘Pert PRO
MPD型)を用いて行った。測定は、活物質を専
の基板に充填し、CuKα線源を用いて、回折
2θ=10°~90°の範囲にて行った。また、SEM観察
は、走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製、
JSM−5500型)を用いた。
(2)ナトリウム二次電池の正極活物質としての
充放電性能評価
電極活物質1(Fe 3
S 4
)を用いて、上記の方法により、第1電極(正極
)、ナトリウム二次電池E1を製造し、比較例1
場合と同様の条件で、定電流充放電試験を
施した。このナトリウム二次電池E1の1サイ
ル目の相対放電容量は110であった。
次サイクル以降の放電および充電も、比較
1と同様の条件で行ったところ、3サイクル
の相対放電容量は94であり、1サイクル目に
する3サイクル目の放電容量維持率は86%とな
た。
実施例2(Fe 3
S 4
)
(1)複合金属酸化物の製造
金属含有化合物としての、塩化鉄(III)六水
物(FeCl 3
・6H 2
O)およびチオ尿素((NH 2
) 2
CS)の各原料を、Fe:Sのモル比(原子比)が3:4とな
るように秤量し、これらをエチレングリコー
ルに加え、混合して得られる溶液を、窒素雰
囲気下において180℃で2時間保持することに
って析出物を得て、ロータリーエバポレー
を用いてエチレングリコールを分離するこ
によって、電極活物質2(Fe 3
S 4
)を得た。電極活物質2の粉末X線回折図形を図
3に示し、SEM写真を図4に示す。図4には、電極
活物質2は球状粒子からなることが示されて
る。
(2)ナトリウム二次電池の正極活物質としての
充放電性能評価
電極活物質2(Fe 3
S 4
)を用いて、上記の方法により、第1電極(正極
)、ナトリウム二次電池E2を製造し、比較例1
場合と同様の条件で、定電流充放電試験を
施した。このナトリウム二次電池E2の1サイ
ル目の相対放電容量は126であった。
次サイクル以降の放電および充電も、比較
1と同様の条件で行ったところ、3サイクル
の相対放電容量は94であり、1サイクル目に
する3サイクル目の放電容量維持率は75%とな
た。
第1電極がFe 3
S 4
であるナトリウム二次電池を説明したが、第
1電極が他の化合物(例えば、Mn 3
S 4
、Ni 3
S 4
、(Fe、Mn) 3
S 4
、(Fe、Ni) 3
S 4
、(Fe、Co) 3
S 4
、(Fe、Ti) 3
S 4
、(Mn、Ni) 3
S 4
、(Mn、Co) 3
S 4
、(Mn、Ti) 3
S 4
、(Ni、Co) 3
S 4
、(Ni、Ti) 3
S 4
)あるナトリウム二次電池についてもFe 3
S 4
と場合と同様に製造することができ、得られ
るナトリウム二次電池はより大きな放電容量
を有する。
本発明によれば、より大きな放電容量を えるナトリウム二次電池を提供することが き、さらには、充放電を繰り返した際の容 低下を抑制することも可能である。しかも リチウムの使用量を減少させ、安価な材料 用いて構成することができる。