伊志嶺 朝之 (〒16 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住友電気工業株式会社伊丹製作所内 Hyogo, 6640016, JP)
SAKAMOTO, Toshihiro (1-1 Koyakita 1-chome, Itami-sh, Hyogo 16, 6640016, JP)
坂本 敏宏 (〒16 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住友電気工業株式会社伊丹製作所内 Hyogo, 6640016, JP)
住友電気工業株式会社 (〒41 大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号 Osaka, 5410041, JP)
ISHIMINE, Tomoyuki (1-1 Koyakita 1-chome, Itami-sh, Hyogo 16, 6640016, JP)
伊志嶺 朝之 (〒16 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住友電気工業株式会社伊丹製作所内 Hyogo, 6640016, JP)
SAKAMOTO, Toshihiro (1-1 Koyakita 1-chome, Itami-sh, Hyogo 16, 6640016, JP)
| 複数の金属磁性粒子を備え、 前記金属磁性粒子の粒径の標準偏差(σ)と平均粒径(μ)との比である変動係数Cv(σ/μ)が0.40以下であり、前記金属磁性粒子の円形度Sfが0.80以上1以下である、軟磁性材料。 |
| 前記金属磁性粒子の平均粒径が1μm以上70μm以下である、請求項1に記載の軟磁性材料。 |
| 金属石鹸および六方晶系の結晶構造を有する無機潤滑剤の少なくとも一方からなる添加剤をさらに備え、 前記添加剤は、複数の前記金属磁性粒子に対して、0.001質量%以上0.2質量%以下含まれる、請求項1または2に記載の軟磁性材料。 |
| 前記金属磁性粒子の表面を取り囲む絶縁被膜をさらに備える、請求項1~3のいずれかに記載の軟磁性材料。 |
| 前記絶縁被膜は、リン酸化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、およびホウ素化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなる、請求項4に記載の軟磁性材料。 |
| 前記絶縁被膜は、一の絶縁被膜であり、 前記金属磁性粒子は前記一の絶縁被膜の表面を取り囲む他の絶縁被膜を有し、 前記他の絶縁被膜は、熱硬化型シリコーン樹脂を含む、請求項4または5に記載の軟磁性材料。 |
| 請求項1~6のいずれかに記載の軟磁性材料を用いて作製された、圧粉磁心。 |
| 複数の金属磁性粒子を準備する準備工程を備え、 前記準備工程では、粒径の標準偏差(σ)と、平均粒径(μ)との比である変動係数Cv(σ/μ)が0.40以下であり、円形度Sfが0.80以上1以下である前記金属磁性粒子を準備する、軟磁性材料の製造方法。 |
| 前記準備工程では、平均粒径が1μm以上70μm以下の前記金属磁性粒子を準備する、請求項8に記載の軟磁性材料の製造方法。 |
| 複数の前記金属磁性粒子に対して、0.001質量%以上0.2質量%以下の金属石鹸および六方晶系の結晶構造を有する無機潤滑剤の少なくとも一方からなる添加剤を加える添加工程をさらに備える、請求項8または9に記載の軟磁性材料の製造方法。 |
| 前記金属磁性粒子の表面に絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程をさらに備える、請求項8~10のいずれかに記載の軟磁性材料の製造方法。 |
| 前記絶縁被膜形成工程では、リン酸化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、およびホウ素化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなる絶縁被膜を形成する、請求項11に記載の軟磁性材料の製造方法。 |
| 絶縁被膜形成工程は、一の絶縁被膜として前記絶縁被膜を形成する一の絶縁被膜形成工程と、 前記一の絶縁被膜の表面を取り囲む他の絶縁被膜を形成する他の絶縁被膜形成工程とを含み、 前記他の絶縁被膜形成工程では、熱硬化型シリコーン樹脂を含む前記他の絶縁被膜を形成する、請求項11または12に記載の軟磁性材料の製造方法。 |
| 請求項8~13のいずれかに記載の軟磁性材料の製造方法を用いて軟磁性材料を製造する工程と、 前記軟磁性材料を用いて加圧成形して圧粉磁心を製造する工程とを備えた、圧粉磁心の製造方法。 |
本発明は、軟磁性材料、圧粉磁心、軟 性材料の製造方法、および圧粉磁心の製造 法に関し、たとえば、磁気飽和を起こし難 インバーター等の磁心に用いた場合に直流 畳特性に優れた軟磁性材料、圧粉磁心、軟 性材料の製造方法、および圧粉磁心の製造 法に関する。
従来より、トランス、チョークコイル およびインバーター等の静止器の鉄芯に用 られる軟磁性材料には電磁鋼板が用いられ いるが、電磁鋼板の代替材料として圧粉磁 が検討されている。
一般に、静止器においてコイルに印加 れる電流波形は、直流成分に交流成分が加 った波形となっている。直流電流が増加す と、コイルのインダクタンスは低下し、そ 結果、インピーダンスが低下してしまうの 、出力が低下してしまう、または電力変換 率が低下してしまう等の問題が発生してし う。したがって、静止器に用いられる軟磁 材料には、直流電流の増加に伴うインダク ンスの低下量が少ない、すなわち、直流重 特性が良いこと、および、低損失(低鉄損)で あることが要求されている。
しかし、圧粉磁心は、電磁鋼板よりも 流重畳特性に劣っている。なお、その理由 しては、直流電流の増加によるインダクタ スの低下が、軟磁性材料の磁気飽和により じることによる。具体的には、直流電流が きくなると、軟磁性材料に印加される磁場 大きくなる。すると、磁気飽和により透磁 が低下する。すると、インダクタンスは透 率に比例するので、インダクタンスが低下 る。
そこで、圧粉磁心の直流重畳特性を改善
るため、特開2004-319652号公報(特許文献1)に磁
心の製造方法およびその磁心が開示されてい
る。特許文献1には、粒径が5~70μmの異形状の
質磁性粉末を用いていることが開示されて
る。
しかしながら、上記特許文献1に開示の 心では、粒径の範囲を規定しているのみな で、上記粒径の範囲内で粉末の粒径にばら きが生じる。そのため、当該粉末を成形す と、内部の均一性が低下するため、直流重 特性に改善の余地が残る。
それゆえ本発明は、上記のような課題 解決するためになされたものであり、本発 の目的は、直流重畳特性を向上できる軟磁 材料、圧粉磁心、軟磁性材料の製造方法、 よび圧粉磁心の製造方法を提供することで る。
本発明の軟磁性材料は、複数の金属磁 粒子を備え、金属磁性粒子の粒径の標準偏 (σ)と平均粒径(μ)との比である変動係数Cv(σ/ μ)が0.40以下であり、金属磁性粒子の円形度Sf が0.80以上1以下である。
本発明の軟磁性材料の製造方法は、複 の金属磁性粒子を準備する準備工程を備え 準備工程では、粒径の標準偏差(σ)と、平均 径(μ)との比である変動係数Cv(σ/μ)が0.40以 であり、円形度Sfが0.80以上1以下である金属 性粒子を準備する。
本発明の軟磁性材料および軟磁性材料 製造方法によれば、金属磁性粒子の変動係 Cvを0.40以下とすることにより、金属磁性粒 の粒径の分布を均一にできる。そのため、 磁性材料を用いて加圧成形された成形体内 の均一性を向上できるので、磁化過程にお て磁壁の移動を容易にすることができる。 の結果として、直流重畳特性を向上できる また、金属磁性粒子の円形度Sfを0.80以上と ることによって、軟磁性材料を加圧成形す 時に金属磁性粒子の表面に生じる歪みを低 できるので、直流重畳特性を向上できる。 お、金属磁性粒子の外形が真球状である場 には、金属磁性粒子の円形度Sfは、1となる
なお、上記「粒径の標準偏差(σ)」とは、
ーザ散乱回折粒度分布測定法で測定される
属磁性粒子の粒径により、算出される値で
る。また、「金属磁性粒子の平均粒径(μ)」
とは、レーザ散乱回折粒度分布測定法で測定
される金属磁性粒子の粒径のヒストグラム中
、粒径の小さいほうからの質量の和が総質量
の50%に達する粒子の粒径、つまり50%粒径の値
である。また、「金属磁性粒子の円形度」と
は、下記の式1により規定される値である。
お、下記の式1において、金属磁性粒子の面
および外周長さは、光学的手法によって特
できる。光学的手法とは、たとえば、測定
象の金属磁性粒子を投影して得られる金属
性粒子の投影像より市販の画像処理装置を
いて統計的に算出する方法を指す。
円形度=4π×金属磁性粒子の面積/金属磁性粒
の外周長さの2乗 ・・・(式1)
上記軟磁性材料において好ましくは、 属磁性粒子の平均粒径が1μm以上70μm以下で る。
また、上記軟磁性材料の製造方法にお て好ましくは、準備工程では、平均粒径が1 m以上70μm以下の金属磁性粒子を準備する。
金属磁性粒子の平均粒径を1μm以上とす ことによって、軟磁性材料の流動性を落と ことがなく、軟磁性材料を用いて製作され 圧粉磁心の保磁力およびヒステリシス損の 加を抑制できる。金属磁性粒子の平均粒径 70μm以下とすることによって、1kHz以上の高 波域において発生する渦電流損を効果的に 減できる。
上記軟磁性材料において好ましくは、 属石鹸および六方晶系の結晶構造を有する 機潤滑剤の少なくとも一方からなる添加剤 さらに備え、添加剤は、複数の金属磁性粒 に対して、0.001質量%以上0.2質量%以下含まれ いる。
また、上記軟磁性材料の製造方法にお て好ましくは、複数の金属磁性粒子に対し 、0.001質量%以上0.2質量%以下の金属石鹸およ 六方晶系の結晶構造を有する無機潤滑剤の なくとも一方からなる添加剤を加える添加 程をさらに備えている。
0.001質量%以上の添加剤を備えることに って、金属石鹸および六方晶系の結晶構造 有する無機潤滑剤の高い潤滑性から、金属 性粒子の流動性を向上できるので、金型に 填したときの軟磁性材料の充填性を向上で る。その結果、軟磁性材料を成形した成形 の密度を向上できるので、直流重畳特性を 上できる。0.2質量%以下の添加剤を備えるこ によって、軟磁性材料を成形した成形体の 度の低下を抑制できるので、直流重畳特性 劣化を防止できる。
上記軟磁性材料において好ましくは、 属磁性粒子の表面を取り囲む絶縁被膜をさ に備えている。
また、上記軟磁性材料の製造方法にお て好ましくは、金属磁性粒子の表面に絶縁 膜を形成する絶縁被膜形成工程をさらに備 ている。
これにより、絶縁被膜は円形度Sfが0.80 上の金属磁性粒子の表面を取り囲むので、 形体内部において絶縁被膜が金属磁性粒子 に形成される。その結果、金属磁性粒子間 効果的に絶縁できるので、渦電流損を低減 きる。よって、高周波において効果的に鉄 を低減できる。
特に、金属石鹸および六方晶系の結晶 造を有する無機潤滑剤の少なくとも一方を らに備えている場合において、軟磁性材料 成形するときに絶縁被膜の破損をより低減 きる。その結果、高温の環境下においても 金属磁性粒子間の絶縁性をより向上できる で、渦電流損をより低減できる。よって、 周波においてより効果的に鉄損を低減でき 。
上記軟磁性材料において好ましくは、 縁被膜は、リン酸化合物、ケイ素化合物、 ルコニウム化合物、およびホウ素化合物か なる群より選ばれた少なくとも一種の物質 りなる。
また、上記軟磁性材料の製造方法にお て好ましくは、絶縁被膜形成工程では、リ 酸化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化 物、およびホウ素化合物からなる群より選 れた少なくとも一種の物質よりなる絶縁被 を形成する。
これらの物質は絶縁性に優れているた 、金属磁性粒子間を流れる渦電流をより効 的に抑制することができる。
上記軟磁性材料において好ましくは、 縁被膜は、一の絶縁被膜であり、金属磁性 子は一の絶縁被膜の表面を取り囲む他の絶 被膜を有し、他の絶縁被膜は、熱硬化型シ コーン樹脂を含む。
また、上記軟磁性材料の製造方法にお て好ましくは、被膜形成工程は、一の絶縁 膜として絶縁被膜を形成する一の絶縁被膜 成工程と、一の絶縁被膜の表面を取り囲む の絶縁被膜を形成する他の絶縁被膜形成工 とを含み、他の絶縁被膜形成工程では、熱 化型シリコーン樹脂を含む他の絶縁被膜を 成する。
これにより、一の絶縁被膜が他の絶縁 膜によって保護され、軟磁性材料の熱処理 際に絶縁被膜の温度上昇を他の絶縁被膜に って抑制することができる。このため、絶 被膜の耐熱性を向上できる軟磁性材料が得 れる。また、上記物質は高い耐熱性を有す とともに、金属磁性粒子と絶縁被膜とを備 る複合磁性粒子同士の接合強度を高める役 を果たす。
本発明の圧粉磁心は、軟磁性材料を用 て作製されている。また、本発明の圧粉磁 の製造方法は、軟磁性材料の製造方法を用 て軟磁性材料を製造する工程と、軟磁性材 を用いて加圧成形して圧粉磁心を製造する 程とを備えている。これにより、直流重畳 性を向上できる圧粉磁心を得られる。
以上説明したように、本発明の軟磁性 料および軟磁性材料の製造方法によれば、 動係数Cvを0.40以下とし、円形度Sfを0.80以上1 下である複数の金属磁性粒子を備えている で、直流重畳特性を向上できる。
10 金属磁性粒子、20 絶縁被膜、20a 一の絶縁被膜、20b 他の絶縁被膜、30 複 合磁性粒子、40 添加剤、50 絶縁物。
以下、図面に基づいて本発明の実施の 態を説明する。なお、以下の図面において 一または相当する部分には、同一の参照符 を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態における軟 性材料を模式的に示す図である。図1に示す ように、本実施の形態における軟磁性材料は 、金属磁性粒子10と、金属磁性粒子10の表面 取り囲む絶縁被膜20とを有する複数の複合磁 性粒子30と、金属石鹸および六方晶系の結晶 造を有する無機潤滑剤の少なくとも一方か なる添加剤40とを備えている。
図2は、本発明の実施の形態における圧 磁心の拡大断面図である。図2の圧粉磁心は 、図1の軟磁性材料に加圧成形および熱処理 施すことによって作製されたものである。 1および図2に示すように、本実施の形態にお ける圧粉磁心において、複数の複合磁性粒子 30の各々は、絶縁物50によって接合されてい り、複合磁性粒子30が有する凹凸の噛み合わ せなどによって接合されていたりする。絶縁 物50は軟磁性材料に含まれていた添加剤40お び樹脂(図示せず)などが熱処理の際に変化し たものである。
本発明の軟磁性材料および圧粉磁心に いて、金属磁性粒子10の粒径の標準偏差(σ) 平均粒径(μ)との比である変動係数Cv(σ/μ)は0 .40以下であり、金属磁性粒子10の円形度Sfは0. 80以上1以下である。
金属磁性粒子10の変動係数Cvは、0.40以下 であり、0.38以下が好ましく、0.36以下がより ましい。変動係数Cvを0.40以下とすることに って、金属磁性粒子10の粒径の分布を均一 できるので、軟磁性材料を用いて作製され 成形体内部の均一性を向上できる。そのた 、磁化過程において磁壁の移動を容易にで るので、直流重畳特性を向上できる。変動 数Cvを0.38以下とすることによって、直流重 特性をより向上できる。変動係数Cvを0.36以 とすることによって、直流重畳特性をより 果的に向上できる。一方、変動係数Cvは小さ い方が好ましいが、たとえば製造の容易性の 観点から、0.001以上である。
図3は、本発明の実施の形態における金 磁性粒子10の粒径の分布と、従来例におけ 金属磁性粒子の粒径の分布を示す模式図で る。図3に示すように、本実施の形態におけ 金属磁性粒子10(図3における本発明例)の変 係数は0.40以下であるので、従来例と比較し 粒径の標準偏差(σ)、すなわち粒径のばらつ きが小さい。
また、金属磁性粒子10の円形度Sfは、0.80 以上1以下であり、0.91以上1以下が好ましく、 0.92以上1以下がより好ましい。円形度Sfを0.80 上とすることによって、軟磁性材料の成形 に金属磁性粒子の表面に生じる歪みを低減 きるので、直流重畳特性を向上できる。円 度Sfを0.91以上とすることによって、直流重 特性をより向上できる。円形度Sfを0.92以上 することによって、直流重畳特性をより効 的に向上できる。一方、金属磁性粒子の外 が真球状である場合には、金属磁性粒子の 形度Sfは、1となる。
図4Aは、本発明の実施の形態における金 属磁性粒子10の形状を示す概略模式図であり 図4Bは従来例における金属磁性粒子11の形状 を示す概略模式図である。図4Aおよび図4Bに すように、本実施の形態における金属磁性 子10は、円形度Sfを0.80以上1以下としている で、従来の金属磁性粒子11と比較して、真球 状に近い形状である。
金属磁性粒子10の平均粒径(μ)は、1μm以 70μm以下であることが好ましく、1μm以上65μ m以下がより好ましく、20μm以上60μm以下がよ 一層好ましい。金属磁性粒子10の平均粒径 1μm以上とすることによって、軟磁性材料の 動性を落とすことがなく、軟磁性材料を用 て製作された圧粉磁心の保磁力およびヒス リシス損の増加を抑制できる。20μm以上と ることによって、軟磁性材料を用いて製作 れた圧粉磁心の保磁力およびヒステリシス の増加をより抑制できる。一方、金属磁性 子10の平均粒径を70μm以下とすることによっ 、1kHz以上の高周波域において発生する渦電 流損を効果的に低減できる。65μm以下とする とによって、渦電流損をより効果的に低減 きる。60μm以下とすることによって、渦電 損をより一層効果的に低減できる。
金属磁性粒子10は、たとえば、鉄(Fe)、 (Fe)-アルミニウム(Al)系合金、鉄(Fe)-シリコン (Si)系合金、鉄(Fe)-窒素(N)系合金、鉄(Fe)-ニッ ル(Ni)系合金、鉄(Fe)-炭素(C)系合金、鉄(Fe)- ウ素(B)系合金、鉄(Fe)-コバルト(Co)系合金、 (Fe)-リン(P)系合金、鉄(Fe)-ニッケル(Ni)-コバ ト(Co)系合金、鉄(Fe)-アルミニウム(Al)-シリコ ン(Si)系合金、鉄(Fe)-アルミニウム(Al)-クロム( Cr)系合金、鉄(Fe)-アルミニウム(Al)-マンガン(M n)系合金、鉄(Fe)-アルミニウム(Al)-ニッケル(Ni )系合金、鉄(Fe)-シリコン(Si)-クロム(Cr)系合金 、鉄(Fe)-シリコン(Si)-マンガン(Mn)系合金、お び鉄(Fe)-シリコン(Si)-ニッケル(Ni)系合金な から形成されている。金属磁性粒子10は、金 属単体でも合金でもよい。
図1に示す軟磁性材料および図2に示す圧 粉磁心は、金属磁性粒子10の表面を取り囲む 縁被膜20をさらに備えていることが好まし 。絶縁被膜20は、金属磁性粒子10間の絶縁層 して機能する。金属磁性粒子10を絶縁被膜20 で覆うことによって、この軟磁性材料を加圧 成形して得られる圧粉磁心の電気抵抗率ρを きくすることができる。これにより、金属 性粒子10間に渦電流が流れるのを抑制して 圧粉磁心の渦電流損を低減させることがで る。
絶縁被膜20の平均膜厚は、10nm以上1μm以 であることが好ましい。絶縁被膜20の平均 厚を10nm以上とすることによって、渦電流損 効果的に抑制することができる。絶縁被膜2 0の平均膜厚を1μm以下とすることによって、 圧成形時に絶縁被膜20がせん断破壊するこ を防止できる。また、軟磁性材料に占める 縁被膜20の割合が大きくなりすぎないので、 軟磁性材料を加圧成形して得られる圧粉磁心 の磁束密度が著しく低下することを防止でき る。
なお、「平均膜厚」とは、組成分析(TEM- EDX:transmission electron microscope energy dispersive X-ray spectroscopy)によって得られる膜組成と、 導結合プラズマ質量分析(ICP-MS:inductively coup led plasma-mass spectrometry)によって得られる元 量とを鑑みて相当厚さを導出し、さらに、TE M写真により直接、被膜を観察し、先に導出 れた相当厚さのオーダーが適正な値である とを確認して決定されるものをいう。
また、絶縁被膜20は、リン酸化合物、ケ イ素化合物、ジルコニウム化合物、およびホ ウ素化合物からなる群より選ばれた少なくと も一種の物質よりなるものを用いることが好 ましい。これらの物質は絶縁性に優れている ため、金属磁性粒子10巻を流れる渦電流を効 的に抑制できる。具体的には、酸化シリコ 、または酸化ジルコニウムなどよりなって ることが好ましい。特に、絶縁被膜20にリ 酸塩を含む金属酸化物を使用することによ 、金属磁性粒子の表面を覆う被覆層をより くすることができる。これにより、複合磁 粒子30の磁束密度を大きくすることができ、 磁気特性が向上するからである。
また、絶縁被膜20は、金属としてFe(鉄) Al(アルミニウム)、Ca(カルシウム)、Mn(マンガ ン)、Zn(亜鉛)、Mg(マグネシウム)V(バナジウム) 、Cr(クロム)、Y(イットリウム)、Ba(バリウム) Sr(ストロンチウム)、または希土類元素を用 いた金属酸化物、金属窒化物、金属酸化物、 リン酸金属塩化合物、ホウ酸金属塩化合物、 またはケイ酸金属塩化合物などよりなってい てもよい。
また、絶縁被膜20は、Al(アルミニウム) Si(シリコン)、Mg(マグネシウム)、Y(イットリ ム)、Ca(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)、お びFe(鉄)からなる群より選ばれる少なくとも 1種の物質のリン酸塩の非晶質化合物、およ 当該物質のホウ酸塩の非晶質化合物よりな ていてもよい。
さらに、絶縁被膜20は、Si、Mg、Y、Ca、 よびZrからなる群より選ばれる少なくとも1 の物質の酸化物の非晶質化合物よりなって てもよい。
なお、上記においては軟磁性材料を構 する複合磁性粒子が1層の絶縁被膜により構 されている場合について示したが、軟磁性 料を構成する複合磁性粒子が以下に述べる うに複数層の絶縁被膜により構成されてい もよい。
図5は、本発明の実施の形態における他 軟磁性材料を模式的に示す図である。図5を 参照して、本実施の形態における他の軟磁性 材料において、絶縁被膜20は、一の絶縁被膜2 0aと、他の絶縁被膜20bとを有している。一の 縁被膜20aは金属磁性粒子10の表面を取り囲 でおり、他の絶縁被膜20bは一の絶縁被膜20a 表面を取り囲んでいる。
一の絶縁被膜20aは、図1および図2におけ る絶縁被膜20とほぼ同様の構成を有している
他の絶縁被膜20bとしては、シリコーン 脂、熱可塑性樹脂、非熱可塑性樹脂、また 高級脂肪酸塩が用いられることが好ましい 具体的には、熱可塑性ポリイミド、熱可塑 ポリアミド、熱可塑性ポリアミドイミド、 リフェニレンサルファイド、ポリエーテル ルホン、ポリエーテルイミドまたはポリエ テルエーテルケトン、高分子量ポリエチレ 、全芳香族ポリエステルなどの熱可塑性樹 や、全芳香族ポリイミド、非熱可塑性ポリ ミドイミドなどの非熱可塑性樹脂や、ステ リン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステ リン酸カルシウム、パルミチン酸リチウム パルミチン酸カルシウム、オレイン酸リチ ムまたはオレイン酸カルシウムなどの高級 肪酸塩が用いられることが好ましい。絶縁 膜20bは、特に熱硬化型シリコーン樹脂から っていることが好ましい。また、これらの 機物を互いに混合して用いることもできる なお、高分子量ポリエチレンとは、分子量 10万以上のポリエチレンをいう。
なお、一の絶縁被膜20aおよび、他の絶 被膜20bは、単数の層からなっている場合に 定されず、一の絶縁被膜20aおよび他の絶縁 膜20bにおいてそれぞれ複数の層からなって てもよい。
図1に示す軟磁性材料および図2に示す圧 粉磁心は、金属石鹸および六方晶系の結晶構 造を有する無機潤滑剤の少なくとも一方から なる添加剤40をさらに備えていることが好ま い。
金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛 ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カル ウム、パルミチン酸リチウム、パルミチン カルシウム、オレイン酸リチウム、および レイン酸カルシウム等を用いることができ 。また六方晶系の結晶構造を有する無機潤 剤としては、窒化ホウ素、二硫化モリブデ 、二硫化タングステン、およびグラファイ 等を用いることができる。
添加剤40は、複数の金属磁性粒子10に対 て、0.001質量%以上0.2質量%以下含まれている ことが好ましく、0.001質量%以上0.1質量%以下 割合で含まれていることが好ましい。添加 40を0.001質量%以上とすることによって、金属 石鹸および六方晶系の結晶構造を有する無機 潤滑剤の高い潤滑性から、金属磁性粒子10の 動性を向上できるので、金型に充填したと の軟磁性材料の充填性を向上できる。その 果、軟磁性材料を成形した成形体の密度を 上できるので、直流重畳特性を向上できる 一方、添加剤40を0.2質量%以下とすることに って、軟磁性材料を成形した成形体の密度 低下を抑制できるので、直流重畳特性の劣 を防止できる。
特に、添加剤40を構成する金属石鹸およ び六方晶系の結晶構造を有する無機潤滑剤は 、絶縁被膜20の損傷を抑える良好な潤滑性を ることができるので、軟磁性材料を成形す ときに絶縁被膜20の破損をより低減できる その結果、高温の環境下においても、隣り う金属磁性粒子10同士の接合力が保たれるの で、渦電流損をより低減できる。そのため、 高周波においてより効果的に鉄損を低減でき る。
また、添加剤40の平均粒径は2.0μm以下で あることが好ましい。2.0μm以下とすることに よって、軟磁性材料を加圧成形する時の絶縁 被膜20の損傷をより低減できるので、鉄損を り低減することができる。
なお、「添加剤40の平均粒径」とは、レ ーザ散乱回折法によって測定した粒径のヒス トグラム中、粒径の小さいほうからの質量の 和が総質量の50%に達する粒子の粒径、つまり 50%粒径Dをいう。
なお、図1に示す軟磁性材料は、上述し 添加剤40以外の潤滑剤等や樹脂(図示せず)な どをさらに含んでいてもよい。
次に、図6を参照して、本発明の軟磁性 料の製造方法について説明する。なお、図6 は、本発明の実施の形態における軟磁性材料 の製造方法を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、複数の金属磁 粒子10を準備する準備工程(S11)を実施する。 準備工程(S11)では、金属磁性粒子10の粒径の 準偏差(σ)と、金属磁性粒子10の平均粒径(μ) の比である変動係数Cv(σ/μ)が0.4以下であり 金属磁性粒子10の円形度Sfが0.8以上1以下で る金属磁性粒子10を準備する。
準備工程(S11)では、上述した複数の金属 磁性粒子10を準備する。これらの金属磁性粒 10は、たとえば所定の成分を含有する鉄を トマイズ法または水アトマイズ法などによ 粉末化して準備される。特に、準備工程(S11) では、平均粒径が1μm以上70μm以下の金属磁性 粒子10を準備することが好ましい。
次に、図6に示すように、複数の金属磁 粒子10を熱処理する第1の熱処理工程(S12)を 施する。第1の熱処理工程(S12)では、複数の 属磁性粒子10を、たとえば700℃以上1400℃未 の温度で熱処理する。熱処理前の金属磁性 子10の内部には、アトマイズ処理時の熱応力 などに起因する歪みや結晶粒界などの多数の 欠陥が存在している。そこで、第1の熱処理 程(S12)において金属磁性粒子10に熱処理を実 することによって、これらの欠陥を低減さ ることができる。なお、第1の熱処理工程(S1 2)は省略されてもよい。
次に、図6に示すように、金属磁性粒子1 0の表面に絶縁被膜20を形成する絶縁被膜形成 工程(S13)を実施する。絶縁被膜形成工程(S13) は、金属磁性粒子10の各々の表面に上述した 絶縁被膜20(または一の絶縁被膜20aおよび他の 絶縁被膜20b)を形成する。これにより、複数 複合磁性粒子30が得られる。
絶縁被膜形成工程(S13)では、たとえば金 属磁性粒子10をリン酸塩化成処理することに ってリン酸塩からなる絶縁被膜20を形成す ことができる。また、リン酸塩からなる絶 被膜20の形成方法としては、リン酸塩化成処 理の他に溶剤吹きつけや前駆体を用いたゾル ゲル処理を利用することもできる。また、シ リコン系有機化合物よりなる絶縁被膜20を形 してもよい。この絶縁被膜の形成には、有 溶剤を用いた湿式被覆処理や、ミキサーに る直接被覆処理などを利用することができ 。
また、絶縁被膜形成工程(S13)では、リン 化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物 、およびホウ素化合物からなる群より選ばれ た少なくとも一種の物質よりなる絶縁被膜20 形成することが好ましい。具体的には、リ 酸鉄、リン酸マンガン、リン酸亜鉛、リン カルシウム、酸化シリコン、または酸化ジ コニウムなどよりなる絶縁被膜20を形成す ことが好ましい。
また、複数層の絶縁被膜20を備える軟磁 性材料を製造する場合には、図5に示すよう 、絶縁被膜形成工程(S13)では、一の絶縁被膜 20aとして上記絶縁被膜20を形成する絶縁被膜 程と、一の絶縁被膜20aの表面を取り囲む他 絶縁被膜20bを形成する他の絶縁被膜形成工 とを含み、他の絶縁被膜20bは、熱硬化型シ コーン樹脂を含んでいることが好ましい。
図5に示すような2層の絶縁被膜を形成す る場合には、一の絶縁被膜20aの形成された金 属磁性粒子10の各々と、後述する添加工程(S14 )で添加される添加剤40とを混合し、他の絶縁 被膜20bを形成する。
他の絶縁被膜20bの形成方法としては、 記方法の他、有機溶媒に溶かしたシリコー 樹脂を混合あるいは噴霧し、その後シリコ ン樹脂を乾燥させて有機溶媒を除去すると った方法を用いてもよい。
次に、図6に示すように、複数の金属磁 粒子10に対して、0.001質量%以上0.2質量%以下 金属石鹸および六方晶系の結晶構造を有す 無機潤滑剤の少なくとも一方からなる添加 40を加える添加工程(S14)を実施する。添加工 程(S14)では、金属磁性粒子10と添加剤40とを混 合する。混合方法については特に制限はなく 、たとえばメカニカルアロイング法、振動ボ ールミル、遊星ボールミル、メカノフュージ ョン、共沈法、化学気相蒸着法(CVD法)、物理 相蒸着法(PVD法)、めっき法、スパッタリン 法、蒸着法またはゾル-ゲル法などのいずれ 使用することも可能である。なお、必要に じて樹脂または他の添加剤をさらに添加し もよい。
以上の工程(S11~S14)により、本実施の形 の軟磁性材料が得られる。なお、本実施の 態における圧粉磁心を製造する場合には、 らに以下の工程が行なわれる。
次に、得られた軟磁性材料を金型に入 、加圧成形する加圧成形工程(S21)を実施する 。加圧成形工程(S21)では、たとえば390MPa以上1 500MPa以下の圧力で加圧成形する。これにより 、軟磁性材料が圧粉成形された成形体が得ら れる。なお、加圧成形する雰囲気は、不活性 ガス雰囲気または減圧雰囲気とすることが好 ましい。この場合、大気中の酸素によって混 合粉末が酸化されるのを抑制することができ る。
添加工程(S14)を実施した場合には、加圧 成形工程(S21)時、隣り合う複合磁性粒子30間 金属石鹸および六方晶系の結晶構造を有す 無機潤滑剤の少なくとも一方を含む添加剤40 を介在することによって、複合磁性粒子30同 が強く擦れ合うことを防止する。この際、 加剤40は優れた潤滑性を示すため、複合磁 粒子30の外表面に設けられた絶縁被膜20は破 されない。これにより、絶縁被膜20が金属 性粒子10の表面を覆う形態を維持することが でき、絶縁被膜20を金属磁性粒子10間の絶縁 として確実に機能させることができる。
なお、添加工程(S14)では、添加剤40の代 りに、または合わせて他の潤滑剤や樹脂を 加してもよい。
次に、加圧成形によって得られた成形 を熱処理する第2の熱処理工程(S22)を実施す 。第2の熱処理工程(S22)では、たとえば575℃ 上絶縁被膜20の熱分解温度以下の温度で熱処 理する。加圧成形を経た成形体の内部には欠 陥が多数発生しているので、第2の熱処理工 (S22)によりこれらの欠陥を取り除くことがで きる。また、第2の熱処理工程(S22)は、絶縁被 膜20の熱分解温度未満の温度で実施されてい ため、第2の熱処理工程(S22)を実施すること よって絶縁被膜20が劣化するということが い。また、第2の熱処理工程(S22)によって、 加剤40は、絶縁物50となる。
第2の熱処理工程(S22)後、必要に応じて 成形体に押出し加工や切削加工など適当な 工を施すことによって、図2に示す圧粉磁心 完成する。
以上説明した工程(S11~S14,S21~S22)により、 図2に示す本実施の形態の圧粉磁心を製造で る。また、絶縁被膜20を2層有する軟磁性材 を用いる場合には、図7に示すような圧粉磁 を製造できる。なお、図7は、本発明の実施 の形態における他の圧粉磁心を模式的に示す 図である。
以上説明したように、本発明の実施の 態における軟磁性材料によれば、粒径の標 偏差(σ)と平均粒径(μ)との比である変動係数 Cv(σ/μ)が0.40以下であり、円形度Sfが0.80以上1 下である金属磁性粒子10を備えている。変 係数Cv(σ/μ)が0.40以下であるため、図3、図4A よび図4Bに示すように、金属磁性粒子10の粒 径のばらつきを低減できる(粒径の分布を均 にできる)。そのため、軟磁性材料を用いて 製された圧粉磁心内部の均一性を向上でき ので、磁化過程において磁壁の移動を容易 できる。また、金属磁性粒子10の円形度Sfが 0.8以上であるため、軟磁性材料の加圧成形時 に金属磁性粒子10の表面に生じる歪みを低減 きる。金属磁性粒子10の変動係数Cvおよび円 形度Sfの相乗効果により、図8に示すように、 BHカーブにおいて磁束密度を向上できる。そ 結果、図9に示すように、直流電流の増大に よるインダクタンスの低下を抑制できる。す なわち、直流重畳特性を向上できる。なお、 図8は、本発明の実施の形態における磁場と 束密度との関係を示す図である。また、図9 、本発明の実施の形態における直流電流と ンダクタンスとの関係を示す図である。図8 および図9において本発明例と記載したもの 本実施の形態における金属磁性粒子10を備え る軟磁性材料を用いて作製された圧粉磁心を 示す。
[実施例]
本実施例では、変動係数Cv(σ/μ)が0.40以下
、円形度Sfが0.80以上である金属磁性粒子を
えることの効果を調べた。
(実施例1~4)
実施例1における軟磁性材料は、上述した
施の形態における軟磁性材料の製造方法を
いて製造された軟磁性材料を用いた。具体
には、まず、準備工程(S11)では、鉄粉を水
トマイズ法により鉄が99.6重量%以上含有され
、残部が0.3重量%以下のOおよび0.1重量%以下の
C、N、P、またはMnなどの不可避的不純物から
る金属磁性粒子を準備した。実施例1~4の金
磁性粒子の平均粒径は、それぞれ表1に記載
の通りとした。また、実施例1~4の金属磁性粒
子の変動係数Cvおよび円形度Sfは、それぞれ
1に記載の通りであった。なお、金属磁性粒
の変動係数Cvは、レーザ散乱回折粒度分布
定法を用いて対象の軟磁性材料(複数の金属
性粒子)の粒度分布を測定することにより算
出した。円形度Sfは、金属磁性粒子の面積と
周長さを測定した金属磁性粒子の投影像か
統計的に算出し、上記式(1)に基づいて算出
た。
次に、絶縁被膜形成工程(S13)では、リン 酸塩化成処理を実施して、リン酸鉄からなる 絶縁被膜を形成した。
次に、添加工程(S14)では、実施例1~3では 金属石鹸としてのステアリン酸亜鉛をそれぞ れ0.1質量%添加した。実施例4では非六方晶系 結晶構造を有する潤滑剤であるエチレンビ ステアリン酸アミドを0.1質量%添加した。ま た、0.3質量%のメチル系シリコーン樹脂をさ に添加した。これにより、実施例1~4の軟磁 材料を得た。
次に、加圧成形工程(S21)では、軟磁性材 料を1000MPaの圧力を印加して、成形体を作製 た。そして、第2の熱処理工程(S22)では、500 で、窒素気流雰囲気において1時間、成形体 熱処理した。これにより、実施例1の圧粉磁 心を製造した。
(比較例1~4)
比較例1~4の軟磁性材料は、基本的には、
施例2の軟磁性材料と同様に製造したが、変
係数Cv、円形度Sf、および平均粒径(μ)を下
の表1に記載のようにそれぞれ変更した点に
いてのみ異なる。また、比較例1~4の軟磁性
料は、実施例1と同様に製造した。
(評価方法)
実施例1~4および比較例1~4の圧粉磁心につ
て、直流重畳特性および渦電流損をそれぞ
測定した。
具体的には、直流重畳特性については、 10に示すように試料を組み、直流重畳試験機 を用いて測定した。その結果を図11および表1 に示す。なお、図10は、実施例における直流 畳特性を測定するための装置を示す概略図 ある。図11は、実施例における直流重畳特 を示す図である。図11において、縦軸は0Aの のインダクタンスL 0A に対するxAのインダクタンスL xA の比(L xA /L 0A )(単位:なし)を示し、横軸は印加した電流(単 :A)を示す。また、表1においてL 8A /L 0A とは、0Aの時のインダクタンスL 0A に対する8AのインダクタンスL 8A の比を示す。
渦電流損失は、鉄損を測定し、鉄損の周
数依存性からヒステリシス損および渦電流
に分離して評価を行なった。具体的には、
られた実施例1~4および比較例1~4の圧粉磁心
各々について、外径34mm、内径20mm、厚み5mmの
リング状成形体(熱処理済)に関し、一次300巻
二次20巻の巻き線を施し、磁気特性測定用
料とした。これらの試料について、AC-BHカー
ブトレーサを用いて50Hz~10000Hzの範囲で周波数
を変化させて、励起磁束密度1kG(=0.1T(テスラ))
における鉄損を測定した。そして鉄損から渦
電流損を算出した。その結果を表1に示す。
電流損の算出は、鉄損の周波数曲線を次の3
の式で最小2乗法によりフィッティングする
ことで行なった。
(鉄損)=(ヒステリシス損係数)×(周波数)+(渦電
損係数)×(周波数) 2
(渦電流損)=(渦電流損係数)×(周波数) 2
(測定結果)
図11および表1に示すように、変動係数Cvが
0.4以下で、かつ円形度Sfが0.8以上1.0以下の金
磁性粒子を備えた実施例1~4は、比較例1~3に
べて、インダクタンスの低下量が小さく、
つ直流重畳特性に優れていることがわかっ
。
また、ほぼ同じ粒径と変動係数とを有 る実施例1と比較例4との比較により、円形度 が大きいほど渦電流損失を抑制できることが わかった。そのため、実施例1と円形度が0.91 上の実施例2~4との比較により、円形度が0.91 以上であれば重畳特性に優れるとともに、渦 電流損をより低減できることがわかった。
さらに、実施例3および4と実施例1との 較により、ほぼ同程度の変動係数Cvを有して いる場合には、平均粒径が小さくなっている ことにより、優れた直流重畳特性とより低い 渦電流損失とが得られた。さらには、実施例 3と実施例4との比較により、金属石鹸を用い 絶縁被膜の耐熱温度を向上したことにより ヒステリシス損失も低く、最も優れた特性 示している。
以上説明したように、実施例によれば 粒径の標準偏差(σ)と平均粒径(μ)との比であ る変動係数Cv(σ/μ)が0.40以下であり、円形度Sf が0.80以上1以下である金属磁性粒子を備える 磁性材料は、直流重畳特性を向上できるこ が確認できた。
今回開示された実施の形態および実施 はすべての点で例示であって制限的なもの はないと考えられるべきである。本発明の 囲は上記した実施の形態ではなくて特許請 の範囲によって示され、特許請求の範囲と 等の意味および範囲内でのすべての変更が まれることが意図される。
本発明の軟磁性材料、圧粉磁心、軟磁 材料の製造方法、および圧粉磁心の製造方 は、たとえばトランス、チョークコイル、 よびインバーター等の静止器の鉄芯などに 用することができる。
