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Title:
SOFT MAGNETIC POWDERS, SOFT MAGNETIC COMPACTS, PROCESSES FOR PRODUCTION OF BOTH
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/001641
Kind Code:
A1
Abstract:
The invention aims at providing a soft magnetic powder which exhibits excellent magnetic characteristics, particularly a small core loss; soft magnetic compacts; and processes for production of both. A soft magnetic powder (1) characterized by containing both a member selected from among Al, Si, and so on and B with the balance consisting of Fe and unavoidable impurities; a soft magnetic powder (1a) comprising a powder body (2a) which contains both a member selected from among Al, Si, and so on and B with the balance consisting of Fe and unavoidable impurities and an oxide coat (3a) which covers the surface of the powder body (2a) and is made of an oxide of Al, Si, or the like; and a soft magnetic powder (1b) comprising a powder body (2b) which contains Al, Si, or the like with the balance consisting of Fe and unavoidable impurities, and an oxide coat (3a) made of an oxide of Al, Si, or the like and an oxide coat (3b) made of an oxide of B, which cover the surface of the powder body (2b).

Inventors:
MITANI, Hiroyuki (())
三谷 宏幸 (())
AKAGI, Nobuaki (())
Application Number:
JP2008/059739
Publication Date:
December 31, 2008
Filing Date:
May 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KABUSHIKI KAISHA KOBE SEIKO SHO (10-26, Wakinohama-cho 2-chome Chuo-k, Kobe-shiHyogo 85, 6518585, JP)
株式会社神戸製鋼所 (〒85 兵庫県神戸市中央区脇浜町二丁目10番26号 Hyogo, 6518585, JP)
MITANI, Hiroyuki (())
三谷 宏幸 (())
International Classes:
H01F1/20; B22F1/00; B22F1/02; B22F3/10; B22F9/08; C22C38/00; H01F1/147; H01F1/22; H01F1/33
Attorney, Agent or Firm:
OGURI, Shohei et al. (Eikoh Patent Firm, 7-13Nishi-Shimbashi 1-chom, Minato-ku Tokyo 03, 1050003, JP)
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Claims:
 鉄を主成分とする鉄合金からなる軟磁性粉体であって、
 Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択される少なくとも一種の元素と、Bとを含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする軟磁性粉体。
 鉄を主成分とする鉄合金からなる軟磁性粉体であって、
 Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択される少なくとも一種の元素と、Bとを含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる粉体本体部と、
 前記粉体本体部の表面を被覆する前記Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択される少なくとも一種の元素の酸化物からなる酸化物被膜と、を備えることを特徴とする軟磁性粉体。
 鉄を主成分とする鉄合金からなる軟磁性粉体であって、
 Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択される少なくとも一種の元素を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる粉体本体部と、
 前記粉体本体部の表面を被覆する前記Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択される少なくとも一種の元素の酸化物からなる酸化物被膜およびBの酸化物からなる酸化物被膜と、を備えることを特徴とする軟磁性粉体。
 請求項1~3のいずれか一項に記載の軟磁性粉体において、前記Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択される少なくとも一種の元素の総含有量が1~15at%であり、前記Bの含有量が0.1~4at%であることを特徴とする軟磁性粉体。
 請求項1~4のいずれか一項に記載の軟磁性粉体から製造された軟磁性成形体であって、
 Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択される少なくとも一種の元素を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成形本体部と、
 前記成形本体部の表面を被覆し、前記成形本体部同士を接合する成形酸化物被膜と、を備え、
 前記成形酸化物被膜が、Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択される少なくとも一種の元素の酸化物とBの酸化物との混合物とからなることを特徴とする軟磁性成形体。
 Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択される少なくとも一種の元素と、Bとを含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる金属原料を使用し、アトマイズ法を用いて前記金属原料を粉体化したことを特徴とする軟磁性粉体の製造方法。
 前記金属原料において、前記Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択される少なくとも一種の元素の総含有量が1~15at%であり、前記Bの含有量が0.1~4at%であることを特徴とする請求項6に記載の軟磁性粉体の製造方法。
 請求項6または請求項7で製造された軟磁性粉体に、前記Feに対しては還元性雰囲気であると共に、前記Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択される少なくとも一種の元素に対しては酸化性雰囲気である雰囲気下で、600~800℃の熱処理を施すことを特徴とする軟磁性粉体の製造方法。
 請求項6または請求項7で製造された軟磁性粉体に、前記Feに対しては還元性雰囲気であると共に、前記Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択される少なくとも一種の元素およびBに対しては酸化性雰囲気である雰囲気下で、1150~1200℃の熱処理を施すことを特徴とする軟磁性粉体の製造方法。
 請求項6~9のいずれか一項で製造された軟磁性粉体を加熱加圧成形し、その後、前記Feに対しては還元性雰囲気であると共に、前記Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択される少なくとも一種の元素およびBに対しては酸化性雰囲気であり、かつ、1150~1300℃である雰囲気下で、液相焼結すること特徴とする軟磁性成形体の製造方法。
Description:
軟磁性粉体、軟磁性成形体およ それらの製造方法

 本発明は、圧粉磁心等に用いられる軟磁 粉体、軟磁性成形体およびそれらの製造方 に関するものである。

 一般に、圧粉磁心には軟磁性成形体が用 られ、軟磁性成形体は軟磁性粉体を成形す ことによって製造されている。軟磁性粉体 しては、一般的には鉄粉体が用いられる。 許文献1では、鉄粉体の例として、純鉄以外 のFe合金粒体(文献では合金粉末)が記載され いる。なお、Fe合金粒体としては、FeにAl、Si 、Ti、Cr等の元素を添加したものが記載され いる。

 また、特許文献2では、軟磁性粉体の例とし て、金属粒子(Fe、Fe-Al、Fe-Si等)と、金属粒子 表面を被覆する高抵抗物質(Al 2 O 3 、SiO 2 等)と、高抵抗物質の破壊を防止するリン酸 化成処理被膜とよりなる軟磁性粒子が記載 れている。なお、このリン酸系化成処理被 は、高抵抗物質の表面にリン酸系処理液を 布、乾燥することによって形成することが 載されている。さらに、非特許文献1、2では 、このような軟磁性粉体を焼鈍することによ って、軟磁性粉体の結晶粒を粗大化して磁気 特性を向上させることが記載されている。

日本国公開特許公報:6-82577

日本国公開特許公報:2001-85211 The International Journal of Powder Metallurgy、 1986年、第22巻、第2号、p.81 門間改三、須藤一著、「構成金属材料と その熱処理」、初版、日本金属学会、昭和52 7月20日、p.97-98

 しかしながら、特許文献1に記載されてい るFe合金粉体は、Al、Si等が添加されているた め、純鉄に比較して高硬度で、成形性が悪い ものであった。また、磁気特性も圧粉磁心用 として十分なものとはいえなかった。また、 特許文献2に記載されている軟磁性粒子も、 属粒子としてAl、Si等が添加されたFe合金を 用したものは、高硬度で、成形性が悪いも であった。さらに、金属粒子が高硬度であ ため、成形の際に被膜(高抵抗物質、リン酸 化成被膜)が破れ、軟磁性粒子の比抵抗が低 下し、渦電流損(鉄損)の増加、すなわち、磁 特性の低下が見られた。

 加えて、特許文献2に記載されている軟磁 性粒子は、金属粒子(高抵抗物質)を被覆する ン酸系化成処理被膜が600℃程度で熱分解し 熱性が低いものであった。したがって、特 文献2に記載されている軟磁性粒子は、非特 許文献1および非特許文献2に記載された磁気 性向上のための焼鈍において、その上限温 を約800℃以上、具体的には金属粒子を構成 るFeのα-γ変態温度(910℃)を超える温度に上 ることができなかった。その結果、金属粒 (軟磁性粒子)の結晶粒が粗大化せず、磁気 性を向上させることができなかった。

 本発明は、このような問題を解決すべく 案されたものであり、磁気特性に優れた、 体的には鉄損が小さい軟磁性粉体、軟磁性 形体およびそれらの製造方法を提供するこ を目的とする。

 前記課題を解決するために、本発明に係 軟磁性粉体は、鉄を主成分とする鉄合金か なる軟磁性粉体であって、Al、Si、Ti、Cr、Mo およびGeからなる群から選択される少なくと 一種の元素と、Bとを含み、残部がFeおよび 可避的不純物からなることを特徴とする。

 前記構成によれば、軟磁性粉体がAl、Si、 Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択された なくとも一種の元素(以下、Al、Si等と称す ことがある)を含むことによって、軟磁性粉 の結晶磁気異方性定数が低下し、保磁力が 減する。その結果、この軟磁性粉体から製 された軟磁性成形体(圧粉磁心等)のヒステ シス損が抑制される。

 また、軟磁性粉体がBを含むことによって 、軟磁性粉体を用いて軟磁性成形体を製造( 形、液相焼結)する際、液相焼結によって軟 性粉体の内部からBが液相状態で染み出す。 染み出したBは、軟磁性粉体の表面を被覆す と共に、軟磁性粉体同士を接合させる成形 化物被膜(Al、Si等の酸化物とBの酸化物との 合物)の構成成分の1つ(Bの酸化物)となる。そ して、酸化物被膜(Al、Si等の酸化物とBの酸化 物との混合物)が絶縁被膜として機能するた 、軟磁性成形体の比抵抗が高くなり、渦電 損が抑制される。

 また、軟磁性粉体がBを含むことによって、 軟磁性粉体を用いて軟磁性成形体を製造する 際の焼結温度をα-γ変態温度を超える温度に 定することが可能となる。変態温度を超え 温度で液相焼結することによって、軟磁性 形体の結晶粒が粗大化し、ヒステリシス損( 鉄損)が抑制される。
 なお、軟磁性材料において、(鉄損)=(ヒステ リシス損)+(渦電流損)である。

 また、本発明に係る軟磁性粉体は、鉄を 成分とする鉄合金からなる軟磁性粉体であ て、Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群か 選択される少なくとも一種の元素と、Bとを 含み、残部がFeおよび不可避的不純物からな 粉体本体部と、前記粉体本体部の表面を被 する前記Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる から選択される少なくとも一種の元素の酸 物からなる酸化物被膜とを備えることを特 とする。

 前記構成によれば、軟磁性粉体から製造 れる軟磁性成形体のヒステリシス損(鉄損) 、粉体本体部のAl、Si等およびBにより抑制さ れる。これに加えて、軟磁性粉体は、粉体本 体部を被覆するAl、Si等の酸化物からなる酸 物被膜を備えることになる。この酸化物被 (Al、Si等の酸化物)が、軟磁性粉体を用いて 造(成形、液相焼結)された軟磁性成形体にお いて、成形本体部同士を接合させる成形酸化 物被膜(Al、Si等の酸化物とBの酸化物との混合 物)の構成成分の1つとなる。そして、酸化物 膜(Al、Si等の酸化物とBの酸化物との混合物) が絶縁被膜として機能するため、軟磁性成形 体の成形本体部間の電気的絶縁性が向上し、 軟磁性成形体の比抵抗が高くなり、渦電流損 がさらに抑制される。

 また、この酸化物被膜(Al、Si等の酸化物) 高硬度であるため、成形によって酸化物被 (Al、Si等の酸化物)が破れやすい。しかしな ら、成形後の液相焼結において、この酸化 被膜(Al、Si等の酸化物)の破れたところから 粉体本体部に含まれているBが染み出して酸 化物被膜を形成する。そして、この酸化物被 膜(Bの酸化物)は、あたかも破れた酸化物被膜 (Al、Si等の酸化物)を補修するかのごとく振舞 うため、破れのない成形酸化物被膜(Al、Si等 酸化物とBの酸化物との混合物)が形成され 。その結果、軟磁性成形体の比抵抗がさら 高くなり、渦電流損(鉄損)がさらに抑制され る。

 また、本発明に係る軟磁性粉体は、鉄を 成分とする鉄合金からなる軟磁性粉体であ て、Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群か 選択される少なくとも一種の元素を含み、 部がFeおよび不可避的不純物からなる粉体 体部と、前記粉体本体部の表面を被覆する 記Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から 択される少なくとも一種の元素の酸化物か なる酸化物被膜およびBの酸化物からなる酸 物被膜とを備えることを特徴とする。

 前記構成によれば、軟磁性粉体から製造 れる軟磁性成形体のヒステリシス損(鉄損) 、粉体本体部のAl、Si等によって抑制される これに加えて軟磁性粉体が、粉体本体部を 覆するAl、Si等の酸化物からなる酸化物被膜 と、Bの酸化物からなる酸化物被膜とを備え ことによって、高硬度の酸化物被膜(Al、Si等 の酸化物)があらかじめ酸化物被膜(Bの酸化物 )によって補修されている。そのため、軟磁 成形体の製造(成形、液相焼結)において、成 形の際に酸化物被膜(Al、Si等の酸化物)に破れ が発生しにくくなる。また、液相焼結によっ て形成される成形本体部を被覆する成形酸化 物被膜(Al、Si等の酸化物とBの酸化物との混合 物)にも破れが発生しにくくなる。その結果 軟磁性成形体の比抵抗がさらに高くなり、 電流損(鉄損)がさらに抑制される。

 本発明に係る前記軟磁性粉体は、前記Al Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択さ る少なくとも一種の元素の総含有量が1~15at% であり、前記Bの含有量が0.1~4at%であることが 好ましい。

 前記構成によれば、Al、Si等の総含有量、 および、Bの含有量を所定範囲とすることに って、軟磁性粉体の結晶磁気異方性定数を 下させることにより透磁率を向上させ、磁 密度が向上する。また、軟磁性粉体を用い 製造される軟磁性成形体において、成形本 部同士を接合する成形酸化物被膜(Al、Si等の 酸化物とBの酸化物との混合物)が均一なもの なる。

 また、本発明に係る前記軟磁性粉体は、A l、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択 れる少なくとも一種の元素を含み、残部がF eおよび不可避的不純物からなる成形本体部 、前記成形本体部の表面を被覆し、前記成 本体部同士を接合する成形酸化物被膜とを え、前記成形酸化物被膜が、Al、Si、Ti、Cr、 MoおよびGeからなる群から選択される少なく も一種の元素の酸化物とBの酸化物との混合 とからなることが好ましい。

 前記構成によれば、成形本体部がAl、Si等 を含むため、これから製造される軟磁性成形 体の結晶磁気異方性定数を低下させることに より透磁率を向上させ、磁束密度が向上する 。また、成形酸化物被膜がAl、Si等の酸化物 Bの酸化物との混合物からなることによって 絶縁性の高いものとなり、軟磁性成形体の 抵抗が高くなり、渦電流損(鉄損)が抑制さ る。

 本発明に係る軟磁性粉体の製造方法は、A l、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択 れる少なくとも一種の元素と、Bとを含み、 残部がFeおよび不可避的不純物からなる金属 料を使用し、アトマイズ法を用いて前記金 原料を粉体化したことを特徴とする。

 前記手順によれば、アトマイズ法を用い ことによって、圧縮性に優れ、かつ反磁場 数の小さい軟磁性粉体を製造することが可 となる。また、金属原料がAl、Si等およびB 含むことによって、ヒステリシス損および 電流損が抑制された軟磁性粉体を製造する とが可能となる。

 本発明に係る軟磁性粉体の製造方法にお ては、前記金属原料の、前記Al、Si、Ti、Cr MoおよびGeからなる群から選択される少なく も一種の元素の総含有量が1~15at%であり、前 記Bの含有量が0.1~4at%であることが好ましい。

 前記手順によれば、金属原料が所定量のA l、Si等およびBを含有することによって、ヒ テリシス損および渦電流損がさらに抑制さ た軟磁性粉体を製造することが可能となる

 また、本発明に係る軟磁性粉体の製造方 においては、前記軟磁性粉体に、前記Feに しては還元性雰囲気であると共に、前記Al、 Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択さ る少なくとも一種の元素に対しては酸化性 囲気である雰囲気下で、600~800℃の熱処理を すことが好ましい。

 前記手順によれば、軟磁性粉体に所定の 処理を施すことによって、Al、Si等の酸化物 からなり、粉体本体部の表面を被覆する酸化 物被膜を形成させることができる。

 また、本発明に係る軟磁性粉体の製造方 においては、前記軟磁性粉体に、前記Feに しては還元性雰囲気であると共に、前記Al、 Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から選択さ る少なくとも一種の元素およびBに対しては 化性雰囲気である雰囲気下で、1150~1200℃の 処理を施すことが好ましい。

 前記手順によれば、軟磁性粉体に所定の 処理を施すことによって、Al、Si等の酸化物 からなり、粉体本体部の表面を被覆する酸化 物被膜と、Bの酸化物からなり、粉体本体部 よび酸化物被膜(Al、Si等の酸化物)の表面を 覆する酸化物被膜を形成させることができ 。

 また、本発明に係る軟磁性成形体の製造 法においては、前記軟磁性粉体を加熱加圧 形し、その後、前記Feに対しては還元性雰 気であると共に、前記Al、Si、Ti、Cr、Moおよ Geからなる群から選択される少なくとも一 の元素およびBに対しては酸化性雰囲気であ 、かつ、1150~1300℃である雰囲気下で、液相 結することが好ましい。

 前記手順によれば、軟磁性粉体を加熱加 成形後に、所定の液相焼結を施すことによ て、成形本体部同士の間に絶縁性の高い成 酸化物被膜(Al、Si等の酸化物とBの酸化物と 混合物)を形成させることができる。また、 成形時に導入された歪が解放されると共に、 結晶構造がα相からγ相に変態して結晶粒が 大化するため、ヒステリシス損(鉄損)が抑制 される。

 本発明に係る軟磁性粉体によれば、Al、Si 等とBとを含むことによって、この軟磁性粉 から製造される軟磁性成形体の磁気特性が れたものとなる。特に、軟磁性成形体の鉄 が小さくなる。また、粉体本体部を被覆す Al、Si等の酸化物からなる酸化物被膜、また 、粉体本体部を被覆するAl、Si等の酸化物か らなる酸化物被膜とBの酸化物からなる酸化 被膜を備えることによって、軟磁性成形体 磁気特性がさらに優れたものとなる。さら 、軟磁性粉体に含有されるAl、Si等の総含有 、および、Bの含有量を所定範囲とすること によって、軟磁性成形体の磁気特性がさらに 優れたものとなる。

 本発明に係る軟磁性成形体によれば、Al,S i等を含む成形本体部と、その成形本体部の 面を被覆し、成形本体部同士を接合するAl、 Si等の酸化物とBの酸化物との混合物からなる 成形酸化物被膜とを備えることによって、磁 気特性が優れたものとなる。特に、軟磁性成 形体の鉄損が小さくなる。

 本発明に係る軟磁性粉体の製造方法によ ば、Al,Si等およびBを含む金属原料をアトマ ズ法で粉体化することによって、磁気特性 優れた、特に、鉄損が小さい軟磁性成形体 得ることが可能な軟磁性粉体が製造される また、金属原料が所定量のAl、Si等およびB 含有すること、さらに、製造された軟磁性 体に所定の熱処理を施すことによって、磁 特性がさらに優れた軟磁性成形体を得るこ が可能な軟磁性粉体が製造される。

 本発明に係る軟磁性成形体の製造方法に れば、加熱加圧成形後、所定条件で液相焼 することによって、磁気特性に優れた、特 、鉄損が小さい軟磁性成形体が製造される また、本発明に係る軟磁性成形体の製造方 によれば、液相焼結によって絶縁性の高い 化物被膜を形成させる。そのため、従来の うに、絶縁性の高い被膜(高抵抗物質)の破 防止のために、リン酸系処理液を塗布する 要がなくなる。また、軟磁性粉体の焼鈍時 または、軟磁性成形体の製造(液相焼結)時に 絶縁性の高い被膜が破壊されることがない。 その結果、軟磁性成形体の生産性が向上する 。

(a)~(c)は、本発明に係る軟磁性粉体の構 成を示す模式図である。 (a)~(c)は、軟磁性成形体の製造方法を模 式的に説明する説明図である。 比抵抗を測定する試料の斜視図である 比抵抗の測定方法(4端子法)を説明する 明図である。

符号の説明

 1、1a、1b 軟磁性粉体(粉体)
 2a、2b 粉体本体部
 3a、3b 酸化物被膜
 10  軟磁性成形体(成形体)
 10a 成形本体部
 10b 成形酸化物被膜

 本発明に係る軟磁性粉体、軟磁性成形体 よびそれらの製造方法について、図面を参 して詳細に説明する。図1(a)~(c)は、軟磁性 体の構成を示す模式図、図2(a)~(c)は、軟磁性 成形体の製造方法を模式的に説明する説明図 である。

<軟磁性粉体>
 まず、軟磁性粉体の第1の実施形態について 説明する。
 図1(a)に示すように、軟磁性粉体(以下、粉 と称することがある)1は、鉄を主成分とする 鉄合金からなる軟磁性粉体である。粉体1は らに、Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群 ら選択された少なくとも一種の元素(以下、A l、Si等と称することがある)と、Bとを含み、 部がFeおよび不可避的不純物からなる。

 粉体1は球状(丸い球形を指すばかりでな 、小さな粒子が凝集付着した異形状の球状 子を含む)の粒子である。その平均粒径は、 の粉体1を用いて製造される軟磁性成形体( 下、成形体と称することがある。図2(c)参照) 10の透磁率と保磁力、絶縁性に大きく影響し 45~300μmであることが好ましい。平均粒径が4 5μm未満であると、成形体10の透磁率が低下し やすい。一方、平均粒径が300μmを超えると、 粉体1が金型の細部に充填されにくくなるほ 、粉体1から製造される成形本体部10a内での 形が大きく、成形本体部10a間に形成される 形酸化物被膜10bが破壊されやすくなり、成 体10の絶縁性が低下しやすい。

 粉体1は、前記したAl、Si等の総含有量が1~ 15at%、かつ、Bの含有量が0.1~4at%であることが ましい。そして、含有量の数値限定理由に いては以下のとおりである。

 Al、Si等は、Feの結晶磁気異方性定数を小 くする元素である。したがって、Al、Si等は 、この粉体1を用いて製造される成形体10の結 晶磁気異方性定数を低下させ、透磁率が向上 するほか保磁力低減によってヒステリシス損 (鉄損)が低減する効果がある。

 そして、Al、Si等の総含有量が1at%未満で ると、成形体10(粉体1)の結晶磁気異方性定数 の低下が小さく、保磁力低減によるヒステリ シス損(鉄損)低減の効果が小さくなりやすい 一方、Al、Si等の総含有量が15at%を超えると 粉体1において、磁性を担うFe原子の量が少 くなり、粉体1の磁束密度が低下しやすい。 また、固溶強化により粉体1が硬くなるため この粉体1を用いて製造される成形体10の密 の低下を引き起こし、成形体10の磁束密度が 低下しやすい。したがって、Al、Si等の総含 量は、1~15at%が好ましい。

 Bは、この粉体1を用いて成形体10を製造( 形、液相焼結)する際、焼結時に液相となっ 粉体1の内部から染み出す。その結果、図2(c )に示すように、成形本体部10aの表面を被覆 、成形本体部10a同士を接合する絶縁性の高 成形酸化物被膜10b(Al、Si等の酸化物とBの酸 物との混合物)の構成成分の1つとなる。成形 酸化物被膜10bの形成によって、成形体10の比 抗が高くなり、渦電流損(鉄損)が低減する 果がある。なお、成形体10が高磁気特性を発 現するためには、絶縁性の高い成形酸化物被 膜10bの量が少なく、かつ、成形本体部10aの表 面に均一に被覆されていることが重要である 。

 そして、Bの含有量が0.1at%未満であると、δ の固溶限外となり、焼結時に液相となって み出すB量が少なすぎるため、成形体10にお て成形本体部10aの表面を均一に被覆するこ が困難になりやすい。その結果、成形体10 比抵抗の増加が見られず、渦電流損(鉄損)が 低減しにくい。一方、Bの含有量が4at%を超え と、液相となって染み出すB量が多すぎるた め、均一被覆は十分に達成されるが、成形酸 化物被膜10bの厚さが厚くなる。その結果、成 形本体部10a間のギャップが大きくなるため、 成形体10の透磁率が低下し、その結果として 束密度が低下しやすい。また、成形本体部1 0aの内部に金属間化合物(Fe 2 B)が析出するため、成形体10の磁気特性が低 しやすい。したがって、Bの含有量は、0.1~4at %が好ましい。

 粉体1は、不可避的不純物として、例えば 、Mn,P,S,C,Cu等を含有してもよい。そして、そ 含有量としては0.1at%以下であれば、本発明 係る粉体1の磁気特性に影響を与えない。

 軟磁性粉体の第2の実施形態について説明す る。
 図1(b)に示すように、軟磁性粉体(粉体)1aは 鉄を主成分とする鉄合金からなる軟磁性粉 である。粉体1aはさらに、Al、Si、Ti、Cr、Mo よびGeからなる群から選択される少なくとも 一種の元素と、Bとを含み、残部がFeおよび不 可避的不純物からなる粉体本体部2aと、粉体 体部2aの表面を被覆し、Al、Si、Ti、Cr、Moお びGeからなる群から選択される少なくとも 種の元素の酸化物からなる酸化物被膜3aとを 備える。なお、軟磁性粉体1aにおいて、粉体 体部2aについては、前記第1の実施形態(粉体 1)と同様であるので、説明を省略する。

 酸化物被膜3aは、後記するように、第1の実 形態である粉体1に所定の熱処理、具体的に は酸化性雰囲気で600~800℃(10分~2時間)の熱処 を施すことによって、形成される。そして 酸化物被膜3aは、粉体1を構成するAl、Si等の 部が酸化したもので、Al 2 O 3 、SiO 2 、TiO 2 、Cr 2 O 3 、MoO 2 等である。

 酸化物被膜3aは、その厚さが0.01~0.5μmであ ることが好ましい。厚さが0.01μm未満である 、成形体10において成形酸化物被膜(Al、Si等 酸化物とBの酸化物との混合物)10bが成形本 部10aを均一に被覆することが困難になりや い(図2(c)参照)。その結果、成形体10の比抵抗 の増加が見られず、渦電流損(鉄損)が低減し くい。一方、厚さが0.5μmを超えると、成形 10において成形本体部10a間のギャップが大 くなり、透磁率が低下しやすく、その結果 して磁束密度が低下しやすい。

 粉体1a、すなわち、粉体本体部2aおよび酸 化物被膜3aに含まれるAl、Si等の含有量は、総 含有量で1~15at%であることが好ましい。また 粉体1a、すなわち、粉体本体部2aに含まれるB の含有量は、0.1~4at%であることが好ましい。 して、含有量の数値限定理由については前 したとおりである。

 軟磁性粉体の第3の実施形態について説明す る。
 図1(c)に示すように、軟磁性粉体(粉体)1bは 鉄を主成分とする鉄合金からなる軟磁性粉 であって、Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからな 群から選択される少なくとも一種の元素を み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる 粉体本体部2bと、粉体本体部2bの表面を被覆 、Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から 択される少なくとも一種の元素の酸化物と らなる酸化物被膜3aと、Bの酸化物からなる 化物被膜3bとを備える。なお、軟磁性粉体1b おいて、粉体本体部2bは、基本的にBが含ま ていないこと以外は、前記第1、2の実施形 (粉体1、粉体1aの粉体本体部2a)と同様である で、説明を省略する。ただし、粉体本体部2 bには少量のBが含まれている場合がある。す わち、後記する酸化物被膜3aおよび酸化物 膜3bを形成するための熱処理において、熱処 理条件(熱処理温度、処理時間)が下限に近い 合には、粉体1からほとんどのBが染み出て 化物被膜3bを形成するが、粉体本体部2bに少 のBが固溶した状態で残存することがある。

 酸化物被膜3aおよび酸化物被膜3bは、後記す るように、第1の実施形態である軟磁性粉体1 所定の熱処理、具体的には酸化性雰囲気で1 150~1200℃(10分~2時間)の熱処理を施すことによ て、形成される。そして、酸化物被膜3aは 粉体1を構成するAl、Si等の一部が酸化したも ので、Al 2 O 3 、SiO 2 、TiO 2 、Cr 2 O 3 、MoO 2 等である。また、酸化物被膜3bは、粉体1から 染み出したBが酸化したB 2 O 3 等である。

 酸化物被膜3bは、その厚さが0.01~0.5μmであ ることが好ましい。厚さが0.01μm未満である 、成形体10において成形酸化物被膜(Al、Si等 酸化物とBの酸化物との混合物)10bが成形本 部10aを均一に被覆することが困難になりや い(図2(c)参照)。その結果、成形体10の比抵抗 の増加が見られず、渦電流損(鉄損)が低減し くい。一方、厚さが0.5μmを超えると、成形 10において成形本体部10a間のギャップが大 くなり、透磁率が低下しやすく、その結果 して磁束密度が低下しやすい。なお、酸化 被膜3aの厚さは前記軟磁性粉体1aと同様であ 。

 粉体1b、すなわち、粉体本体部2bおよび酸 化物被膜3aに含まれるAl、Si等の含有量は、総 含有量で1~15at%であることが好ましい。また 粉体1b、すなわち、酸化物被膜3bに含まれるB の含有量は、0.1~4at%であることが好ましい。 して、含有量の数値限定理由については前 したとおりである。

<軟磁性成形体>
 次に、軟磁性成形体について説明する。
 図2(a)~(c)に示すように、軟磁性成形体10は、 前記軟磁性粉体1、1a、1bから製造されたもの あって、Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる から選択される少なくとも一種の元素を含 、残部がFeおよび不可避的不純物からなる 形本体部10aと、Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeか なる群から選択される少なくとも一種の元 の酸化物とBの酸化物との混合物とからなる 形酸化物被膜10bとを備える。なお、成形本 部10aは、前記軟磁性粉体1、粉体本体部2a(軟 磁性粉体1a)または粉体本体部2b(軟磁性粉体1b) から、後記する加圧成形、液相焼結によって 製造される。成形本体部10aは、実質的にBを まないこと以外は、軟磁性粉体1、粉体本体 2aと構成において同一であるため説明を省 するが、その結晶粒径は、後記する液相焼 によって、粗大化している。

 成形酸化物被膜10bは、成形本体部10aの表 を均一に被覆し、成形本体部10a同士を接合 るもので、前記2種の酸化物の混合物からな ることによって、高い絶縁性を有するもので ある。この絶縁被膜として機能する成形酸化 物被膜10bが形成されることによって、軟磁性 成形体10の比抵抗が高くなり、渦電流損(鉄損 )が小さくなる。そして、成形酸化物被膜10b 、後記する液相焼結によって形成される。

 成形酸化物被膜10bは、その厚さが0.01~0.5μ mであることが好ましい。厚さが0.01μm未満で ると、成形体10において成形酸化物被膜10b 成形本体部10aを均一に被覆することが困難 なりやすい。その結果、成形体10の比抵抗の 増加が見られず、渦電流損(鉄損)が低減しに い。一方、厚さが0.5μmを超えると、成形体1 0において成形本体部10a間のギャップが大き なり、透磁率が低下しやすく、その結果と て磁束密度が低下しやすい。

<軟磁性粉体の製造方法>
 次に、本発明に係る軟磁性粉体の製造方法 ついて説明する。
 軟磁性粉体の製造方法において、第1の方法 は、Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeからなる群から 選択される少なくとも一種の元素と、Bとを み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる 金属原料を使用し、アトマイズ法、好ましく は水アトマイズ法またはガスアトマイズ法を 用いて粉体化するものである。なお、金属原 料は、Al、Si等を1~15at%、Bを0.1~4at%含むものが ましい。なお、この製造方法によって、図1 (a)に示す軟磁性粉体1が製造される。

 アトマイズ法は、金属原料を溶解し、その 融金属を直径2~20mmのノズルより溶融金属流 して流下させ、それに50~800kg/cm 2 の高圧媒体を噴霧ノズルより噴射させて溶融 金属流を粒滴化し、粉体として固化させるも のである。水アトマイズ法は高圧媒体として 水を用いるもの、ガスアトマイズ法は高圧媒 体として、例えば、アルゴン等の不活性ガス を用いるものである。このアトマイズ法によ り、成分組成の制御が容易で希望する成分の 粉体が得られる。さらに高圧媒体によって急 冷されるために、粉体の形状が不規則状とな り圧縮性に優れ、かつ反磁場係数が小さい粉 体ができる。そのため、圧粉磁心用に適した 粉体を製造することができる。

 第2の方法は、前記第1の方法で製造され 軟磁性粉体1に、Feに対しては還元性雰囲気 あると共に、Al、Si等に対しては酸化性雰囲 である雰囲気下で600~800℃の熱処理を施すも のである。なお、この製造方法によって、図 1(b)に示す軟磁性粉体1aが製造される。

 熱処理温度の数値限定理由は以下のとお である。熱処理温度が600℃未満では、Al、Si 等の酸化速度が遅く、十分な酸化物被膜3a(Al Si等の酸化物)が形成されない。一方、800℃ 超えると、軟磁性粉体1aが焼結し始めるた 、酸化物被膜3aの形成後の解砕時の剥離によ り酸化被膜3aのダメージが大きくなる。した って、熱処理温度は600~800℃で行う必要があ る。

 軟磁性粉体1を、Feに対しては還元性雰囲気 で熱処理することによって、Feの酸化を抑 することができ、製造される軟磁性粉体1aの 磁気特性が維持される。また、Al、Si等に対 ては酸化性雰囲気下で熱処理することによ て、軟磁性粉体1を構成するAl、Si等を酸化す ることができ、粉体本体部2aの表面を被覆す 絶縁性の高い酸化物被膜3aが形成される。 のような雰囲気の好ましい条件としては、 素分圧が10 -32 ~10 -26 atm、(水素分圧/水蒸気分圧)=1~10 8 、または、(一酸化炭素分圧/二酸化炭素分圧) =1~10 8 である。

 熱処理は、生産性の観点から圧力は大気 で施すことが好ましい。また、処理時間は1 0分~2時間が好ましく、30分~1時間がさらに好 しい。さらに、処理プロセスは、軟磁性粉 1を攪拌しながら熱処理することが好ましい 軟磁性粉体1を攪拌することで、粉体1の表 が均一に雰囲気と接触するため、酸化物被 3aが均一形成しやすくなる。

 第3の方法は、前記第1の方法で製造され 軟磁性粉体1に、Feに対しては還元性雰囲気 あると共に、Al、Si等およびBには酸化性雰囲 気である雰囲気下で1150~1200℃の熱処理を施す ものである。なお、この製造方法によって、 図1(c)に示す軟磁性粉体1bが製造される。

 熱処理温度の数値限定理由は以下のとお である。熱処理温度が1150℃未満では、共晶 温度(1150℃)未満であるため、Bが粉体本体部2b の表面に液相として染み出さず、十分な酸化 物被膜3b(Bの酸化物)が形成されない。一方、1 200℃を超えると、軟磁性粉体1b同士の焼結が み、液相として染み出したBの酸化物被膜3b よる粉体本体部2bの被覆が不十分になる。 たがって、熱処理温度は1150~1200℃で行う必 がある。

 軟磁性粉体1を、Feに対しては還元性雰囲気 で熱処理することによって、Feの酸化を抑 することができ、製造される軟磁性粉体1bの 磁気特性が維持される。また、Al、Si等およ Bに対しては酸化性雰囲気下で熱処理するこ によって、軟磁性粉体1を構成するAl、Si等 よびBを酸化することができる。その結果、 体本体部2bの表面を被覆する絶縁性の高い 化物被膜(Al、Si等の酸化物)3aおよび酸化物被 膜(Bの酸化物)3bが形成される。このような雰 気の好ましい条件としては、酸素分圧が10 -32 ~10 -26 atm、(水素分圧/水蒸気分圧)=1~10 8 、または、(一酸化炭素分圧/二酸化炭素分圧) =1~10 8 である。

 熱処理は、生産性の観点から圧力は大気 で施すことが好ましい。また、処理時間は1 0分~2時間が好ましく、30分~1時間がさらに好 しい。さらに、処理プロセスは、軟磁性粉 1を攪拌しながら熱処理することが好ましい 軟磁性粉体1を攪拌することで、粉体本体部 2bの表面が均一に雰囲気と接触するため、酸 物被膜3aおよび酸化物被膜3bが均一形成しや すくなる。

<軟磁性成形体の製造方法>
 次に、本発明に係る軟磁性成形体の製造方 について説明する。
 軟磁性成形体の製造方法は、図2(a)~(c)に示 ように、前記製造方法で製造された軟磁性 体1、1a、1bを加圧成形して成形中間体9を製 し、その後、成形中間体9を液相焼結するも である。

 加熱加圧成形の成形条件は、製造される成 体10の形状、特性に応じて適宜選択される 、例えば、圧粉磁心(軟磁性成形体)を製造す る際には、成形温度150~600℃、成形圧力1~15ton/ cm 2 で行うことが好ましい。

 液相焼結は、Feに対しては還元性雰囲気 あると共に、Al、Si、Ti、Cr、MoおよびGeから る群から選択される少なくとも一種の元素 よびBに対しては酸化性雰囲気であり、かつ 1150~1300℃である雰囲気下で行う。

 このような雰囲気下で液相焼結を行うこと よって、軟磁性粉体1、1a、1bを構成するFeの 酸化が抑制されるため、製造される成形体10 磁気特性が維持される。また、軟磁性粉体1 、1a、1bを構成するAl、Si等およびBが酸化され る。そして、それぞれの酸化物の混合物から なり、成形本体部10aの表面を均一に被覆して 成形本体部10a同士を接合する絶縁性の高い成 形酸化物被膜10bを形成する。また、このよう な雰囲気の好ましい条件としては、酸素分圧 10 -25 ~10 -16 atm、(水素分圧/水蒸気分圧)=1~10 5 、または、(一酸化炭素分圧/二酸化炭素分圧) =1~10 6 である。

 焼結温度の数値限定理由は以下のとおりで る。焼結温度が1150℃未満であると、焼結温 度が共晶温度(1150℃)未満となるため、軟磁性 粉体1、1a、1bを構成するBが液相となって出現 せず、成形酸化物被膜10bが形成されない。ま た、焼結温度がFe合金のα-γ変態温度を超え いため、成形体10の結晶粒が粗大化しない。 なお、Fe合金は、α-γ変態温度を超えるとγ相 でその結晶構造は面心立方(FCC)構造となり、 -γ変態温度未満ではα相でその結晶構造は体 心立方(BCC)構造となる。α-γ変態では、結晶 造が大きく変わるので、原子の移動が大き 、結晶粒を粗大化させることが可能となる
 一方、焼結温度が1300℃を超えると、成形本 体部10a同士の焼結が進み、金属結合が形成さ れ、電気的に導通するため、渦電流損(鉄損) 大きくなる。
 したがって、液相焼結は1150~1300℃で行う必 がある。

 また、焼結条件としては、粉末冶金にお る一般的な焼結条件と同一で、焼結時間は3 0分~2時間程度、焼結圧力は大気圧で実施する ことが好ましい。

 (実施例No.1~9)
 表1に示す組成の金属原料(No.1~9)を用いてガ アトマイズ法で表2に示す組成の軟磁性粉体 (平均粒径約100μm、No.1~9)を製造した。そして これらの軟磁性粉体を表2に示す成形温度、 成形圧力で成形し、成形中間体を製造した。 その後、これらの成形中間体を、表2に示す 処理雰囲気下で、表2に示す温度、時間で液 焼結を行い、直径30mm×厚さ15mmの軟磁性成形 体(No.1~9)を製造した。ここで、表1、表2の組 において、Fe-1at%Al-0.2at%Bは、Alを1at%、Bを0.2at %含有し、残部がFeである鉄合金を意味する。

(比較例No.10~17)
 表1に示す組成の金属原料(No.10~17)を用いて スアトマイズ法で粉体(粒径平均粒径約100μm No.10~17)を製造した。そして、これらの粉体 、650℃×30分間の熱処理を施し、粉体表面に Al、Siの酸化物からなる酸化物被膜を形成さ た、表2に示す組成の軟磁性粉体(No.10~17)を製 造した。ただし、軟磁性粉体(No.12、13、16、17 )については、酸化物被膜の表面にリン酸処 液を塗布、乾燥して、軟磁性粉体の最表面 リン酸系処理被膜を形成させた。これらの 磁性粉体(No.10~17)を表2に示す成形温度、成形 圧力で成形し、直径30mm×厚さ15mmの軟磁性成 体(No.10~17)を製造した。

 次に、製造した軟磁性成形体(No.1~17)の密 、磁束密度、比抵抗および鉄損を、以下の 法で測定した。その結果を表2に示す。

(密度)
 各軟磁性成形体の質量を電子上皿天秤によ 測定すると共に、軟磁性成形体の寸法をマ クロメータにて測定し体積を求めた。そし 、密度=質量/体積を算出した。

(磁束密度)
 各軟磁性成形体から直径φ10mm×長さ10mmの円 形の試料をワイヤーカットにより作製した これを直流磁化特性自動記録装置(理研電子 (株)製,BHU-60)の電磁石に挟んで、印加磁場625Oe (エルステッド)を負荷し、そのときの磁束密 を測定した。

(比抵抗)
 各軟磁性成形体から厚み(a)が2mm、幅(b)が3mm 長さ(c)が12mmの直方体形状の試料20(図3参照) マイクロカッターにより作製した。この表 をバフ研磨により鏡面仕上げした後,4端子 により測定した。4端子法は、図4に示すごと く、試料20に所定の電流を流し、その先端面2 0Aと後端面20Bとの間の電流値と,上面20Cの中央 において間隔(d)=1mmの間の電圧値とを求め、 れらの値から算出した。

(鉄損)
 各軟磁性成形体から内径φ11mm×外径φ15mm×長 さ2mmのリング状の試料をワイヤーカットによ り作製し、これに1次側、2次側共に50ターン コイルを巻いた。この試料を用いて、交流 気特性測定装置(岩崎通信機(株)製,B-Hanalyzer  SY-8232)で、10kHz,50mTの場合についての体積鉄損 (鉄損)を測定した。

 表2の結果から、実施例(No1~9)の軟磁性成 体は、比較例(No.10~17)の軟磁性成形体に比べ 、比抵抗が高く、鉄損が小さいことが確認 れた。

(実施例No.18~26)
 表2に示す組成の軟磁性粉体(No.1~9)に、650℃ 30分間の熱処理(水素分圧/水蒸気分圧=10 3 雰囲気下)を施し、粉体表面にAl、Si、Ti、Crま たはMoの酸化物からなる酸化物被膜を形成さ た、表3に示す組成の軟磁性粉体(平均粒径 100μm、No.18~26)を製造した。そして、これら 酸化物被膜が形成された軟磁性粉体を表3に す成形温度、成形圧力で成形し、成形中間 を製造した。その後、これらの成形中間体 、表3に示す熱処理雰囲気下で、表3に示す 処理温度、時間で液相焼結を行い、直径30mm 厚さ15mmの軟磁性成形体(No.18~26)を製造した。

 次に、製造した軟磁性成形体(No.18~26)の密 度、磁束密度、比抵抗および鉄損を前記の方 法で測定した。その結果を表3に示す。

 表3の結果から、実施例(No18~26)の軟磁性成 形体は、表2に記載された比較例(No.10~17)の軟 性成形体に比べて、比抵抗が高く、鉄損が さいことが確認された。

(実施例No.27~35)
 表2に示す組成の軟磁性粉体(No.1~9)に、1150℃ ×30分間の熱処理(水素分圧/水蒸気分圧=10 3 雰囲気下)を施し、粉体表面にAl、Si、Ti、Crま たはMoの酸化物からなる酸化物被膜と、Bの酸 化物からなる酸化物被膜とを形成させた表4 示す組成の軟磁性粉体(平均粒径約100μm、No.2 7~35)を製造した。そして、これらの酸化物被 が形成された軟磁性粉体を表4に示す成形温 度、成形圧力で成形し、成形中間体を製造し た。その後、これらの成形中間体を、表4に す熱処理雰囲気下で、表4に示す熱処理温度 時間で液相焼結を行い、直径30mm×厚さ15mmの 軟磁性成形体(No.27~35)を製造した。

 次に、製造した軟磁性成形体(No.27~35)の密 度、磁束密度、比抵抗および鉄損を前記の方 法で測定した。その結果を表4に示す。

 表4の結果から、実施例(No27~35)の軟磁性成 形体は、表2に記載された比較例(No.10~17)の軟 性成形体に比べて、比抵抗が高く、鉄損が さいことが確認された。

 以上のとおり、本発明を詳細に、また特 の実施態様を参照して説明したが、本発明 精神と範囲を逸脱することなく様々な変更 修正を加えることができることは当業者に って明らかである。本出願は2007年6月28日出 願の日本特許出願(特願2007-170387)に基づくも であり、その内容はここに参照として取り まれる。