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Title:
SOFT MAGNETIC RIBBON, MAGNETIC CORE, MAGNETIC PART AND PROCESS FOR PRODUCING SOFT MAGNETIC RIBBON
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/114605
Kind Code:
A1
Abstract:
A soft magnetic ribbon that especially in a relatively low magnetic field region of 500 A/m or less, is high in the squareness of magnetic flux density-magnetization curve. There is disclosed a soft magnetic ribbon of 100 μm or less thickness comprising a parent phase structure in which by volume ratio, 30% or more of crystal grains of 60 nm or less (not including 0) crystal grain diameter are dispersed in an amorphous phase and comprising an amorphous layer disposed on the surface side of the parent phase structure. Preferably, the soft magnetic ribbon is represented by the composition formula Fe100-x-yCuxXy (wherein X is at least one element selected from among B, Si, S, C, P, Al, Ge, Ga and Be), in which the atomic percents (%) satisfy the relationships 0

Inventors:
OHTA MOTOKI (JP)
YOSHIZAWA YOSHIHITO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/053798
Publication Date:
September 25, 2008
Filing Date:
March 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI METALS LTD (JP)
OHTA MOTOKI (JP)
YOSHIZAWA YOSHIHITO (JP)
International Classes:
C22C38/00; C21D6/00; C22C45/02; H01F1/153; H01F3/04; H01F10/13; H01F41/24
Domestic Patent References:
WO2007032531A12007-03-22
Foreign References:
JPH0617204A1994-01-25
JP2002075718A2002-03-15
JP2007270271A2007-10-18
JPH05140703A1993-06-08
JPH01156451A1989-06-20
JP2006040906A2006-02-09
Other References:
See also references of EP 2130936A4
Attorney, Agent or Firm:
ASAMURA, Kiyoshi et al. (New Ohtemachi Bldg. 2-1, Ohtemachi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 結晶粒径が60nm以下(0を含まず)の結晶粒が非晶質中に体積分率で30%以上分散した母相組織を有し、かつ前記母相組織の表面側にアモルファス層を有することを含んでなる、軟磁性薄帯。
 前記軟磁性薄帯は、最表面に結晶組織から成る結晶層が形成され、前記結晶層の内部側に前記アモルファス層が形成されていることを含んでなる、請求項1に記載の軟磁性薄帯。
 前記アモルファス層と母相組織の間に、前記母相組織の平均粒径よりも粒径が大きい結晶から成る粗大結晶粒層を有する請求項1に記載の軟磁性薄帯。
 前記軟磁性薄帯は、組成式:Fe 100-x-y A x X y (但し、AはCu,Auから選ばれた少なくとも1種以上の元素、XはB,Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Beから選ばれた少なくとも一種以上の元素)で表され、原子%で、0<x≦5、10≦y≦24により表されることを含んでなる、請求項1に記載の軟磁性薄帯。
 磁場80A/mにおける磁束密度B 80 と、磁場印加後の残留磁束密度Brの比、Br/B 80 が、90%以上であることを含んでなる、請求項1に記載の軟磁性薄帯。
 請求項1に記載の軟磁性薄帯を用いた磁心であり、磁束密度1.5T、50Hzにおける鉄損が0.5W/kg以下である磁心。
 薄帯の表面より深さ120nmの位置で結晶粒径が60nm以下(0を含まず)の結晶粒が非晶質中に体積分率で30%以上分散した母相組織を有し、かつ薄帯の表面から120nm以内の深さでアモルファス層を有することを含んでなる、軟磁性薄帯。
 前記軟磁性薄帯は、最表面に結晶組織から成る結晶層が形成され、前記結晶層の内部側に前記アモルファス層が形成されていることを含んでなる、請求項7に記載の軟磁性薄帯。
 前記アモルファス層と母相組織の間に、前記母相組織の平均粒径よりも粒径が大きい結晶から成る粗大結晶粒層を有することを含んでなる、請求項7に記載の軟磁性薄帯。
 前記軟磁性薄帯は、組成式:Fe 100-x-y A x X y (但し、AはCu,Auから選ばれた少なくとも一種以上の元素、XはB,Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Beから選ばれた少なくとも一種以上の元素)で表され、原子%で、0<x≦5、10≦y≦24により表されることを含んでなる、請求項7に記載の軟磁性薄帯。
 請求項1に記載の軟磁性薄帯を用いた磁心であり、磁束密度1.6T、周波数50Hzで測定した鉄損が0.65W/kg以下である磁心。
 請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の軟磁性薄帯を用いた磁性部品。
 Feおよび半金属元素を含む合金溶湯を急冷し、非晶質中に平均粒径30nm以下(0nmを含まず)の結晶粒が非晶質中に体積分率で0%超30%未満で分散した組織からなるFe基合金を作製する工程と、前記Fe基合金に熱処理を行い平均粒径60nm以下の体心立方構造の結晶粒が非晶質中に体積分率で30%以上分散した組織とする熱処理工程を有し、かつ前記熱処理工程は300℃以上の平均昇温速度が100℃/min以上となるように行うことを含んでなる、軟磁性薄帯の製造方法。
 前記Fe基合金は、組成式:Fe 100-x-y A x X y (但し、AはCu,Auから選ばれた少なくとも一種以上の元素、XはB,Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Beから選ばれた少なくとも一種以上の元素)で表され、原子%で、0<x≦5、10≦y≦24により表されることを含んでなる、請求項13に記載の軟磁性薄帯の製造方法。
Description:
軟磁性薄帯、磁心、磁性部品、 よび軟磁性薄帯の製造方法

 各種トランス、レーザ電源、加速器用パ スパワー磁性部品、各種リアクトル、ノイ 対策、各種モータ、各種発電機等に用いら る高飽和磁束密度で角形性が良好な軟磁性 帯と、それを用いた磁心、磁性部品、およ 軟磁性薄帯の製造方法に関する。

 各種トランス、リアクトル・チョークコイ 、ノイズ対策部品、レーザ電源、加速器用 ルスパワー磁性部品、各種モータ、各種発 機等に用いられる、高飽和磁束密度でかつ れた交流磁気特性の磁性材料には、ケイ素 、フェライト、アモルファス合金やFe基ナ 結晶合金材料等が知られている。
 ケイ素鋼板は、材料が安価で磁束密度が高 が、高周波の用途に対しては磁心損失が大 いという問題がある。更に、作製方法上、 モルファス薄帯並に薄く加工することは極 て難しく、渦電流損失が大きいため、これ 伴う損失が大きく不利であるという問題も る。また、フェライト材料は飽和磁束密度 低く、温度特性が悪い問題があり、動作磁 密度が大きいハイパワーの用途には磁気的 飽和しやすいフェライトは不向きであると う問題もある。

 また、Co基アモルファス合金は、飽和磁 密度が実用的な材料では1T以下と低く、熱的 に不安定である問題がある。このため、ハイ パワーの用途に使用した場合、部品が大きく なる問題や経時変化のために磁心損失が増加 する問題があり、さらに、Coが高価なことか 価格的な問題もある。

 また、特許文献1に記載されているようなFe アモルファス軟磁性合金は、良い角形特性 低い保磁力を有し、非常に優れた軟磁気特 を示す。しかし、Fe基アモルファス合金系 おいては、飽和磁束密度は、1.68Tがほぼ物理 的上限値となっている。また、Fe基アモルフ ス合金は、磁歪が大きく応力により特性が 化する問題や、可聴周波数帯の電流が重畳 るような用途では騒音が大きいという問題 ある。さらに、従来のFe基アモルファス軟 性合金において、Feを他の磁性元素Co、Ni等 大幅に置換した場合は若干の飽和磁束密度 増加も認められるが、価格の面からこれら 元素の含有量(重量%)をなるべく少量にする とが望まれる。これらの問題から、特許文 2に記載されるような、ナノ結晶を持つ軟磁 材料が開発され、様々な用途に使用されて る。
 また、高透磁率かつ高飽和磁束密度の軟磁 成形体として、特許文献3に記載されるよう な超微細結晶を持つアモルファス合金を得た 後に熱処理してナノ結晶化する技術も開示さ れた。

特開平5-140703号公報(段落番号0006~0010)

特許平1-156451号公報(第2頁右上欄19行目~ 下欄6行目)

特開2006-40906号公報(段落番号0040~0041)

 トランスや可飽和リアクトル等の磁心材料 、角形性が良好で磁化しやすい軟磁性材料 求められる。すなわち、最大印加磁場Hmで られる磁束密度Bmと見かけ上の残留磁束密度 Brの比、Br/Bmが高い値を有する軟磁気特性が 要となる。Fe基アモルファス薄帯はこの点に 関しても非常に有用な性質を示すが、上述し たようにFe基アモルファス薄帯の飽和磁束密 の上限が1.68T程度であり、より高い磁束密 の軟磁性材料が求められている。また、ケ 素鋼板は、磁束密度が1.6T以上だが、飽和性 悪く、鉄損、渦電流損失、皮相電力が大き 。最大印加磁場によっては磁束密度BmがFe基 アモルファスよりも低くなることもあり、加 えて、Br/Bmも低くなる。
 そこで、本発明では、特に500A/m以下の比較 低い磁場領域において磁化しやすく角形性 高い軟磁性薄帯を提供することを第1の課題 とする。
 また、鉄損、渦電流損失、皮相電力などの 力問題を解決する高飽和磁束密度における 失が少ない軟磁性材料を提供することを第2 の課題とする。

 本発明の軟磁性薄帯は、結晶粒径が60nm以 下(0を含まず)の結晶粒が非晶質中に体積分率 で30%以上分散した母相組織を有し、かつ前記 母相組織の表面側にアモルファス層を有する ことを特徴とする。

 この軟磁性薄帯は、最表面に結晶組織か 成る結晶層が形成され、前記結晶層の内部 に前記アモルファス層が形成されているも でもよい。また、アモルファス層と母相組 の間に、前記母相組織の平均粒径よりも粒 が大きい結晶から成る粗大結晶粒層を有す ものでもよい。

 本発明の軟磁性薄帯は、組成式:Fe 100-x-y A x X y (但し、AはCu,Auから選ばれた少なくとも一種 上の元素、XはB,Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Beから選ばれた 少なくとも一種以上の元素)で表され、原子% 、0<x≦5、10≦y≦24により表されるものが ましい。

 また、本発明の軟磁性薄帯は、磁場80A/mに ける磁束密度B 80 と、磁場印加後の残留磁束密度Brの比、Br/B 80 が、90%以上の特性が得られ、角形性が良好で ある。

 本発明の軟磁性薄帯を用いて磁心とする とで、1.5T、50Hzにおける鉄損が0.5W/kg以下の 心を得ることができる。

 また、本発明の軟磁性薄帯は、薄帯の表 より深さ120nm以内の位置で結晶粒径が60nm以 (0を含まず)の結晶粒が非晶質中に体積分率 30%以上分散した母相組織を有し、かつ薄帯 表面から深さ120nm以内の深さにアモルファ 層を有する。

 上記の軟磁性薄帯は、最表面に結晶組織 ら成る結晶層が形成され、前記結晶層の内 側に前記アモルファス層が形成されている 磁性薄帯でもよい。

 また、前記アモルファス層と母相組織の に、前記母相組織の平均粒径よりも粒径が きい結晶から成る粗大結晶粒層を有する軟 性薄帯でもよい。

 この軟磁性薄帯は、組成式:Fe 100-x-y A x X y (但し、AはCu,Auから選ばれた少なくとも一種 上の元素、XはB,Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Beから選ばれた 少なくとも一種以上の元素)で表され、原子% 、0<x≦5、10≦y≦24により表されるものが ましい。

 これらの軟磁性薄帯を用いた磁心は低損 で小型化に適している。磁場1.6T、周波数50H zで測定した単板の鉄損が0.65W/kg以下である磁 心を実現することができる。

 これらの軟磁性薄帯を用いて、優れた軟 気特性を有する磁性部品を得ることができ 。

 本発明の軟磁性薄帯の製造方法は、Feお び半金属元素を含む合金溶湯を急冷し、非 質中に平均粒径30nm以下(0nmを含まず)の結晶 が非晶質中に体積分率で0%超30%未満で分散し た組織からなるFe基合金を作製する工程と、 記Fe基合金に熱処理を行い平均粒径60nm以下 体心立方構造の結晶粒が非晶質中に体積分 で30%以上分散した組織とする熱処理工程を し、かつ前記熱処理工程は300℃以上の平均 温速度が100℃/min以上となるように行う。

 本発明によれば、各種トランス、レーザ 源、加速器用パルスパワー磁性部品、大電 用の各種リアクトル、アクティブフィルタ チョークコイル、平滑チョークコイル、電 シールド材料などのノイズ対策部品、モー 、発電機等に用いられる高飽和磁束密度で に低い磁心損失を示す高飽和磁束密度低損 の軟磁性薄帯およびそれを用いた高性能の 心、磁性部品を実現することができるため その効果は著しいものがある。

 本発明の軟磁性薄帯は、結晶粒径が60nm以 下(0を含まず)の結晶粒が非晶質中に体積分率 で30%以上分散した母相組織を有し、かつ薄帯 の表面側にアモルファス層を有する。これら の軟磁性薄帯は、ロール冷却により鋳造され た厚さが100μm以下の合金薄帯などである。上 記の本発明の軟磁性薄帯は、母相と異なる結 晶組織(最表面の結晶層、アモルファス層、 大結晶粒層)が同一薄帯内に存在しているた 、従来得られなかった磁気特性を持つ軟磁 薄帯を実現できることを見出した。

 また、本発明の軟磁性薄帯は、ナノ結晶 金の靭性が低いという一般的な問題に対し ナノ結晶相と靭性に優れるアモルファス層 複合組織を得ることにより靭性が向上する 徴を有する。アモルファス層とは、薄帯の 面を観察したときに表面側にアモルファス 態の部分が平均して10nm以上で層状に確認で きる部分である。アモルファス層は薄帯の表 面に沿ってほぼ平行に観察される。完全に連 続した層状でなくてもよく、部分的に途切れ ていることも有る。アモルファス相の出現に 伴い、結晶の核が欠乏する領域が表面近傍に 生じるため、アモルファス層に隣接した領域 で、母相の平均結晶粒径よりも結晶粒径の大 きい粗大化結晶粒が析出しやすくなる。すな わち、アモルファス層は、最表面の結晶層や 粗大結晶粒層を安定的に析出させる効果があ る。

 図5(a)、(b)は本発明の軟磁性薄帯における ロール冷却面側の表面の断面を観察したもの である。本発明の軟磁性薄帯は、薄帯の表面 側(ロール冷却面およびその裏の自由面の表 部分)において、深さ120nmより深い位置で結 粒径が60nm以下(0を含まず)の結晶粒が非晶質 に体積分率で30%以上分散した母相組織Dを有 し、かつ薄帯の表面側にアモルファス層Bを する。そして、この軟磁性薄帯は、最表面 結晶組織から成る結晶層Aが形成され、結晶 Aの内部側に前記アモルファス層Bが形成さ ている。さらに、アモルファス層Bと母相組 Dの間に、母相組織の平均粒径よりも粒径が 大きい結晶から成る粗大結晶粒層Cを有する ともある。特に、この粗大結晶粒層Cを持つ のは、角形性の良好な磁気特性を持つ。

 また、熱処理工程での300℃以上の平均昇 速度が100℃/min以上で行ったものは、薄帯の 表面2より120nmの深さで結晶粒径が60nm以下(0を 含まず)の結晶粒が非晶質中に体積分率で30% 上分散した母相組織Dを有し、かつ薄帯の表 から深さ120nm以内にアモルファス層Bを有す 。

 アモルファス層が発現する理由を以下に推 する。本合金系は、Feを主成分としかつCu及 び/又はAu(以下、A元素)が必須である。Feとほ 非固溶のA元素は、凝集してナノオーダーの クラスターを形成し、結晶粒の核生成を助け る。表面から離れた部分では、A元素は均一 分散しやすく、そのためにナノ結晶の母相 織Dが形成される。また、非固溶の性質から 最表面ではA元素が偏析しやすくA元素の濃 が高くなり、母相と同様に結晶組織が形成 れる。一方、最表面の直下内部では、A元素 表面側に取られる分、A元素の濃度が低くな る。そのため、この領域では結晶粒の核生成 が起きずにアモルファス層となる。本発明の 軟磁性薄帯は、熱処理によって微結晶粒層を 析出させるが、上述のようにA元素の分布に り微結晶粒の核の濃度が決まる。そのため 表面近傍に核が現れにくくなり、アモルフ ス層ができると思われる。
 Nb、Mo、Ta、Zr等、従来のナノ結晶系で用い れてきた元素には、A元素の偏析や熱拡散を える効果があり、多く含みすぎる場合、表 近傍のアモルファス層は得にくくなる。

 また、粗大結晶粒層Cが発現する理由を以 下に推定する。アモルファス層のさらに内側 では、A元素の濃度は母相組織となる領域ほ 高くなく、核生成も少ない。ナノ結晶粒の 径は核の濃度と結晶粒成長のスピードの兼 合いで決まる。A元素の濃度が均一な母相組 の領域では昇温速度の違いによる組織の違 は現れにくいが、A元素の少ないCの領域で 、昇温速度が遅ければ、A元素の熱拡散に十 な時間が与えられて核が減る。そのため、 晶粒が粗大化し易くなり、粗大結晶粒層Cが 形成される。例えば、昇温速度を速くすると 、粗大結晶粒層Cの結晶粒は微細になり、平 粒径が母相に近づく。また、粗大結晶粒層C 幅は減少する。昇温速度を制御することに り、組織制御がなされ、用途に合わせた磁 的性質が得られる。

 ここで、粗大結晶粒層Cとは、母相組織の平 均結晶粒径に対して1.5倍以上の部分を指すも のとする。また、粗大結晶粒層Cの平均結晶 径は、母相組織の平均結晶粒径の2倍以下と ることが好ましい。
 粗大結晶粒層の平均結晶粒径が母相の平均 晶粒径の2倍よりも大きくなると、磁気異方 性が大きくなり、母相とは異なる磁化過程を 示す。そのため、磁場印加過程と磁場除去過 程の間でヒステリシスが生じやすくなる。組 織が異なる複合相状態であるため、異なる磁 化回転機構の領域が混在し、損失の増大につ ながる。粗大結晶粒層の平均結晶粒径を母相 の平均結晶粒径の2倍以下とすることで、1.6T 50Hzにおける鉄損が方向性ケイ素鋼板よりも 低い0.65W/kg以下にすることが可能である。こ 場合、アモルファス層を最表面から120nm以 とすることで、母相の平均粒径よりも2倍以 となる粗大結晶粒の発生確率を抑えること できる。
 粗大結晶粒層の平均結晶粒径は母相の平均 晶粒径の1.9倍以下、更には1.8倍以下とする とが好ましい。

 本発明の軟磁性薄帯の板厚は、渦電流損失 低減させる効果を得るために100μm以下であ ことが好ましく、40μm以下がより好ましい また、本発明において母相組織とは、周期 に繰り返される構造に類似性があり、結晶 のサイズの分布が一様である結晶粒と粒界 ら成る組織を母相組織と称している。軟磁 薄帯では、薄帯の厚さの中間地点付近の組 を母相とする。
 結晶粒径の測定は、電子顕微鏡による組織 真で観察される組織の長径と短径の平均値 取ったものである。平均粒径とは、その結 粒径を30個以上測定した値の平均値である
 結晶粒の体積分率は、線分法、すなわち顕 鏡組織中に任意の直線を想定しそのテスト インの長さをLt、結晶相により占められる の長さLcを測定し、結晶粒により占められる 線の長さの割合L L =L c /L t ×100求めることにより求められる。ここで、 晶粒の体積分率V V =L L ある。

 本発明の軟磁性薄帯は、熱処理を特定の条 で行うことで、磁場80A/mにおける磁束密度B 80 と、磁場印加後の残留磁束密度Brの比、Br/B 80 が、90%以上という角形性の高いB-H曲線を得る こともできる。

 また、本発明の軟磁性薄帯を用いて積層 心、巻磁心などの磁心とすることで、1.5T、 50Hzにおける鉄損が0.5W/kg以下の磁心とするこ ができる。飽和磁束密度は1.65T以上である また、本発明の軟磁性薄帯は、特に500A/m以 の低磁場において従来の方向性ケイ素鋼板 りも優れた高磁束密度の領域が存在し、か Fe系アモルファス材料よりも高い飽和磁束密 度である。角形性が向上しているため、皮相 電力を低く抑えることができ、磁束密度領域 が拡大している。

 母相組織中の結晶粒は体積分率で30%以上で る。50%以上、さらには60%以上分散したもの 好ましい。平均結晶粒径は60nm以下である必 要があるが、特に望ましい平均結晶粒径は2nm から25nmであり、この範囲において特に低い 磁力および磁心損失が得られる。
 前述の合金中に形成する微結晶粒は主にFe 主体とする体心立方構造(bcc)の結晶相であり 、Si,B,Al,GeやZr等が固溶してもよい。また、規 則格子を含んでもよい。前記結晶相以外の残 部は主にアモルファス相であるが、実質的に 結晶相だけからなる合金も本発明に含まれる 。一部にCu,Auを含む面心立方構造の相(fcc相) 存在する場合がある。
 また、アモルファス相が結晶粒の周囲に存 する場合、抵抗率が高くなり、結晶粒成長 抑制により結晶粒が微細化され、より好ま い軟磁気特性が得られる。
 上記合金において化合物相が存在しない場 により低い磁心損失を示すが化合物相を一 に含んでもよい。

 熱処理工程での300℃以上の平均昇温速度 100℃/min以上で行った本発明の軟磁性薄帯は 、飽和磁束密度が1.65T以上であり、かつ、磁 1.6T、周波数50Hzで測定した鉄損が0.65W/kg以下 と優れた軟磁気特性を持つため、同様に磁心 も優れた特性を有し、現状のFe系材料では得 ことが困難な高磁束密度の領域において損 の少ない高効率材料が得られる。飽和磁束 度は1.70T、さらには1.72Tのものも得ることが できる。

 ケイ素鋼板では鉄損の要因として渦電流 失が大きな割合を占める。渦電流損失は板 の2乗に比例して増加するため、軟磁性材は 薄帯状であることが有利である。ケイ素鋼板 は230μm程度以上の板厚であるが、本発明の軟 磁性薄帯は100μm以下であり、電気抵抗率が同 じ場合でも渦電流損失を1/6以下にすることが 可能である。本発明では、Feを実質的に75at.% 上含むFe,A,X(AはCu,Auからなる1種以上の元素 XはB,Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Beからなる1種以上の元素) 含むナノ結晶材料合金薄帯に着目し、高飽 密度、低鉄損の材料の開発に至り、アモル ァス材料の飽和磁束密度のほぼ上限である1 .6T以上で、50Hzにおける鉄損がケイ素鋼板よ も低い0.65W/kg以下の軟磁性薄帯とすることに より、広い動作磁束密度領域と低損失が実現 される。軟磁性薄帯の合金組成や熱処理の条 件により、鉄損は0.6W/kg以下、さらには0.55W/kg 以下にすることも可能である。

 本発明の軟磁性薄帯は、飽和性が悪いケ 素鋼板よりも皮相電力を抑えることができ 。飽和磁束密度は1.70T、さらには1.72Tのもの も得ることができる。本発明の軟磁性薄帯は 飽和性に優れ、例えば1.60T、50Hzの皮相電力を 1.2VA/kg以下とすることでき、従来のFe系材料 は困難であった高磁束密度領域における皮 電力の低減を実現でき、高効率材料が得ら る。

 本発明の軟磁性薄帯は、組成式:Fe 100-x-y A x X y (但し、AはCu,Auから選ばれた少なくとも一種 上の元素、XはB,Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Beから選ばれた 少なくとも一種以上の元素)で表され、原子% 、0<x≦5、10≦y≦24により表されるものが ましい。以下にその限定理由を述べる。

 A元素(Cu、Au)の量は5%以下(0%を含まず)とする 。本発明の合金組成におけるA元素は特に重 である。前述したように、A元素はFeとほぼ 固溶のため、熱処理や機械的振動、電気的 撃、磁気的衝撃等の外的あるいは内的な要 によって、拡散を起こす。特に、薄帯表面 内部で温度分布や温度差が生じやすい熱処 を施した場合には、拡散が起き易い部位と 互の拡散が妨げられ易い部位が存在し、内 で組織は傾斜的、層状的に変質する。磁気 性質を制御するには、薄帯の厚さ、組成の 御、熱処理時の熱処理温度、熱処理時間、 温速度、降温速度を制御するとことが有効 あり、用途に合わせて、B-H曲線の形を変え れる。また、他の方法、振動等を与えるこ 等でCu原子の拡散を促進することも可能であ る。
 A元素の量は5%を超えるとA元素同士が凝集し 、熱拡散が起こりにくくなる。好ましくは3% 下とする。また、A元素は、上記の効果を得 るために0.1原子%以上、さらには0.5原子%以上 さらには0.8原子%以上を添加することが好ま しい。A元素は原料コストを考慮するとCuを選 択することが好ましい。

 X元素(B,Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Be)はA元素(Cu,Au)が同一 帯内に存在する本発明の軟磁性薄帯を形成 るために不可欠な元素である。10原子%未満 あるとアモルファスの形成を促進する効果 不十分である。また24原子%を超えると軟磁 特性が悪化してしまう。好ましい範囲は12 子%以上20原子%以下である。
 特にBはアモルファスの形成を促進するため に重要な元素であり添加することが好ましい 。Bの濃度が10≦y≦20原子%であると、Feの含有 量を高く維持しつつアモルファス相が安定に 得られる。
 また、Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Beを添加すると、結晶 気異方性の大きいFe-Bが析出開始する温度が くなるため、熱処理温度を高温にできる。 温の熱処理を施すことで微結晶相の割合が え、B S が増加し、B-H曲線の角形性が改善される。ま た、試料表面の変質、変色を抑える効果があ る。Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Be,Zrの添加量は、0原子%超~7 原子%とすることが好ましい。特にSiはこの効 果が顕著であり、好ましい。

 Feの一部をFeとA元素に共に固溶するNi、Co ら選ばれた少なくとも一種以上の元素で置 してもよい。これらの元素を置換した軟磁 薄帯はアモルファス相の形成能が高くなり A元素の含有量を増加させることが可能であ る。A元素の含有量が増加することで、結晶 織の微細化が促進され軟磁気特性が改善さ る。また、Ni,Coを置換した場合には飽和磁束 密度が増加する。これらの元素を多く置換す ると、価格の高騰につながるため、Niの置換 は10%未満、好ましくは5%未満、さらには2%未 満が適当であり、Coの場合は10%未満、好まし は2%未満、より好ましくは1%未満が適当であ る。

 Feの一部をTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、M n、Re、白金族元素、Ag、Zn、In、Sn、As、Sb、Sb Bi、Y、N、O及び希土類元素から選ばれた少 くとも一種以上の元素で置換した場合、こ らの元素はA元素やメタロイド元素と共に熱 理後も残留するアモルファス相に優先的に るため、Fe濃度の高い微細結晶粒の生成を ける働きをする。そのため、軟磁気特性の 善に寄与する。一方、本発明の軟磁性薄帯 おける実質的な磁性の担い手はFeであるため 、Feの含有量を高く保つ必要があるが、これ 、原子量の大きい元素を含有することは、 位重量あたりのFeの含有量が低下すること なる。特に、置換する元素がNb,Zrの場合、置 換量は5%未満程度、より好ましくは2%未満が 当であり、置換する元素がTa,Hfの場合、置換 量は2.5%未満、より好ましくは1.2%未満が適当 ある。また、Mnを置換する場合は飽和磁束 度の低下がおこるため、置換量は5%未満が妥 当であり、より好ましくは2%未満である。
 但し、特に高い飽和磁束密度を得るために 、これらの元素の総量が1.8原子%以下とする ことが好ましい。また、総量が1.0原子%以下 することがさらに好ましい。

 本発明の軟磁性薄帯と同組成のアモルフ ス合金では、磁気体積効果により、比較的 きな磁歪が現れるが、体心立方構造のFeで 磁気体積効果が小さく、磁歪もはるかに小 い。本発明の軟磁性薄帯は組織の多くの部 がbccFeを主体とする微細結晶粒からなり、騒 音低減の観点からも有望である。

 上記の軟磁性の微結晶合金を得るには、F eおよび半金属元素を含む合金溶湯を急冷し 非晶質相中に平均粒径30nm以下(0nmを含まず) 結晶粒が非晶質相中に体積分率で0%超30%未満 で分散した組織からなるFe基合金を作製する 程と、前記Fe基合金に熱処理を行い平均粒 60nm以下の体心立方構造の結晶粒が非晶質相 に体積分率で30%以上分散した組織とする工 からなる製造方法を用いることが好ましい

 合金溶湯を急冷する際に、非晶質相中に 均粒径30nm以下の結晶粒が非晶質相中に体積 分率で0%超30%未満で分散した組織のFe基合金 作製する。これにより、熱処理で結晶粒が 大化しやすいFe量の多い組成の合金薄帯でも 、結晶粒径の著しい増加を抑えることができ る。よって本発明の軟磁性合金は、従来のFe ナノ結晶合金やFe基非晶質合金よりも高飽 磁束密度でありながら、優れた軟磁気特性 示す。従来、完全な非晶質相からなる合金 熱処理し結晶化させた方が優れた軟磁性を すと考えられていたが、鋭意検討の結果Fe量 が多い合金においては、完全な非晶質合金を 作製するのではなく、むしろ非晶質相(マト ックス)中に微細な結晶粒が分散した合金を 製した後に熱処理を行い、結晶化を進めた が熱処理後より微細な結晶粒組織となり優 た軟磁気特性が実現できることを見出した

 熱処理前の非晶質相中に分散する結晶粒 平均粒径は30nm以下である必要がある。この 理由は、熱処理前の状態で平均粒径がこの範 囲を超えている場合、熱処理を行うと結晶粒 が大きくなりすぎ、不均一な結晶粒組織とな ることなどが原因で軟磁性が劣化するためで ある。好ましくは、非晶質相中に分散する結 晶粒の平均粒径は20nm以下である。この範囲 、より優れた軟磁気特性を実現できる。ま 、平均結晶粒間距離(各結晶の重心と重心の 離)は通常50nm以下である。平均結晶粒間距 が大きいと熱処理後の結晶粒の結晶粒径分 が広くなる。また、熱処理後に非晶質相中 分散する体心方構造の結晶粒は、平均粒径60 nm以下、体積分率で30%以上分散している必要 ある。結晶粒の平均粒径が60nmを超えると軟 磁気特性が劣化し、結晶粒の体積分率が30%未 満では、非晶質の割合が多く高飽和磁束密度 が得にくいためである。より好ましい熱処理 後の結晶粒の平均粒径は、30nm以下、より好 しい結晶粒の体積分率は50%以上である。こ 範囲で、より軟磁性が優れ、Fe基非晶質合金 に比べて磁歪の低い合金を実現できる。

 さらに、この合金は飽和磁束密度が1.65T以 、さらには1.7T以上、さらには1.73T以上で、 つ高飽和磁束密度で優れた軟磁性を示す。 た、高周波特性にも優れており、400Hz,1.0T、1 kHz,0.5T、20kHz,0.2Tにおける磁心損失が、それぞ れ、7W/kg以下、10W/kg以下、20W/kg以下である低 失の軟磁性合金を実現できる。
 また、保磁力Hcは200A/m以下、さらには100A/m 下の軟磁性合金を実現できる。また、交流 初透磁率μ k が3000以上、さらには5000以上の軟磁性合金を 現できる。

 本発明において、溶湯を急冷する方法とし は、単ロール法の他、双ロール法、回転液 防止法、ガスアトマイズ法、水アトマイズ などがあり、薄片や薄帯、粉末を製造する とができる。また、溶湯急冷時の溶湯温度 、合金の融点よりも50℃~300℃程度高い温度 するのが望ましい。
 単ロール法などの超急冷法は、活性な金属 含まない場合は大気中あるいは局所Arある は窒素ガスなどの雰囲気中で行うことが可 であるが、活性な金属を含む場合はAr、Heな の不活性ガス中、窒素ガス中あるいは減圧 、あるいはノズル先端部のロール表面付近 ガス雰囲気を制御する。また、CO 2 ガスをロールに吹き付ける方法や、COガスを ズル近傍のロール表面付近で燃焼させなが 合金薄帯製造を行う。
 単ロール法の場合の冷却ロール周速は、15m/ sから50m/s程度の範囲が望ましく、冷却ロール 材質は、熱伝導が良好な純銅やCu-Be、Cu-Cr、Cu -Zr、Cu-Zr-Crなどの銅合金が適している。大量 製造する場合、板厚が厚い薄帯や広幅薄帯 製造する場合は、冷却ロールは水冷構造と た方が好ましい。

 熱処理は大気中、真空中、Ar、窒素ヘリウ 等の不活性ガス中で行うことができるが、 に不活性ガス中で行うことが望ましい。熱 理により体心立方構造のFeを主体とする結晶 粒の体積分率が増加し、飽和磁束密度が上昇 する。また、熱処理により磁歪も低減する。 本発明の軟磁性合金は、磁界中熱処理を行う ことにより、誘導磁気異方性を付与すること ができる。磁界中熱処理は、熱処理期間の少 なくとも一部の期間合金が飽和するのに十分 な強さの磁界を印加して行う。合金磁心の形 状にも依存するが、一般には薄帯の幅方向( 状磁心の場合:磁心の高さ方向)に印加する場 合は8kAm -1 以上の磁界を、長手方向(環状磁心の場合は 路方向)に印加する場合は80Am -1 以上の磁界を印加する。印加する磁界は、直 流、交流、繰り返しのパルス磁界のいずれを 用いてもよい。磁界は200℃以上の温度領域で 通常20分以上印加する。昇温中、一定温度に 持中および冷却中も印加した方が、良好な 軸の誘導磁気異方性が付与されるので、よ 望ましい直流あるいは交流ヒステリシスル プ形状が実現される。磁界中熱処理の適用 より高角形比あるいは低角形比の直流ヒス リシスループを示す合金が得られる。磁界 熱処理を適用しない場合、本発明の軟磁性 帯は中程度の角形比の直流ヒステリシスル プとなる。熱処理は、通常露点が-30℃以下 不活性ガス雰囲気中で行うことが望ましく 露点が-60℃以下の不活性ガス雰囲気中で熱 理を行うと、ばらつきが更に小さくより好 しい結果が得られる。熱処理の際、最高到 温度は結晶化温度からそれよりも70℃程度 い温度範囲が望ましい。

 保持温度は化合物が析出する温度(T X2 )に対し、T X2 -50℃以上とすることが好ましい。保持時間が 1時間以上であると、上記の効果が得られに く、かつ処理時間が長くなり、生産性が悪 。好ましい保持時間は30分以内であり、20分 内であり15分以内である。熱処理は1段階で く、多段階、複数回行ってもよい。さらに 合金に直流、交流あるいはパルス電流を流 て、ジュール熱によって熱処理を施すこと 応力下で熱処理することも可能である。
 熱処理時の昇温速度を制御することにより 図5に示す結晶相A、アモルファス層B、粗大 晶粒層Cの層状構造の幅を変えることができ 、目的にあったB-H曲線を得ることができる。 2つ以上の異なる組織の層を同一薄帯内に存 する本発明の軟磁性薄帯を得るためには、 処理温度が300℃以上の平均昇温速度が100℃/m in以上とする。高温域での熱処理速度が特性 大きな影響を与える。また、300℃の熱処理 度を超える際の昇温速度が130℃/min以上、さ らには150℃/min以上となるようにすることが ましい。
 以上の熱処理を施すことによりアモルファ 層の出現する場所を再表面から120nm以内に 御でき、目的とする組織が得られやすくな 。

 この高飽和磁束密度低損失の軟磁性薄帯 ら磁性部品を構成することにより、アノー リアクトルなどの大電流用の各種リアクト 、アクティブフィルタ用チョークコイル、 滑チョークコイル、各種トランス、磁気シ ルド、電磁シールド材料などのノイズ対策 品、レーザ電源、加速器用パルスパワー磁 部品、モータ、発電機等に好適な高性能あ いは小型の磁性部品を実現することができ 。

 本発明の軟磁性微結晶合金は、必要に応じ 、SiO 2 、MgO、Al 2 O 3 等の粉末あるいは膜で合金薄帯表面を被覆す る、化成処理により表面処理し絶縁層を形成 する、アノード酸化処理により表面に酸化物 絶縁層を形成し、薄帯と薄帯の層間の絶縁を 行う等の処理を行うとより好ましい結果が得 られる。これは特に層間を渡る高周波におけ る渦電流の影響を低減し、高周波における磁 心損失を改善する効果があるためである。こ の効果は表面状態が良好でかつ広幅の薄帯か ら構成された磁心に使用した場合に特に著し い。更に、本発明の軟磁性薄帯から磁心を作 製する際に必要に応じて含浸やコーティング 等を行うことも可能である。本発明の軟磁性 薄帯は高周波の用途として特にパルス状電流 が流れるような応用に最も性能を発揮するが 、センサや低周波の磁性部品の用途にも使用 可能である。特に、磁気飽和が問題となる用 途に優れた特性を発揮でき、ハイパワーのパ ワーエレクトロニクスの用途に特に適する。
 使用時に磁化する方向とほぼ垂直な方向に 界を印加しながら熱処理した本発明の軟磁 薄帯は、従来の高飽和磁束密度の材料より 低い磁心損失が得られる。

(実施例1)
 単ロールを用いた液体急冷法で幅5mm、厚さ 約20μmの表1に示す組成の薄帯を作製した。1 300℃に加熱した合金溶湯を周速32m/sで回転す 外径300mmのCu-Be合金ロールに噴出し合金薄帯 を作製した。X線回折および透過電子顕微鏡(T EM)観察の結果、非晶質相中に体積分率で30%未 満で分散した組織であることが確認された。
 この薄帯に300℃以上の平均昇温速度が約200 /minとなるように熱処理を施した。保持温度 を450℃で10分間とし、その後、放冷して本発 の軟磁性薄帯を得た。
 各試料において、薄帯の最表面に厚さ約20nm の結晶層、その内側に厚さ約30nmのアモルフ ス層、さらにその内側に厚さ約50~60nmの粗大 晶粒層が存在し、それよりも内部側には平 粒径が約20nmの微細結晶粒が80%以上で存在す る母相組織が存在していた。図1に本発明の 磁性薄帯(実施例1-1~1-4)の鉄損の磁束密度依 性を示す。また、表1に本発明の軟磁性薄帯 合金組成、1.6T、1.7Tで50Hzの条件で測定した 和磁束密度Bs、および鉄損P 1.6/50 、P 1.7/50 のデータを示す。比較のため、方向性ケイ素 鋼板のデータも共に示す。異相はいずれの組 成においても1%以下であった。特に実施例1-4 は、1.75Tにおける鉄損P 1.75/50 は0.51W/kgで、この領域でも方向性ケイ素鋼板 鉄損の約半分である。
 本発明の軟磁性薄帯の飽和磁束密度はFe系 モルファス材の飽和磁束密度の上限の1.65Tよ りも約15%高く、本発明の軟磁性薄帯の鉄損は 約1.55Tから1.76Tまでの広い磁束密度の領域でFe 系アモルファス材および方向性ケイ素鋼板よ りも優れた鉄損特性を示す。

(実施例2)
 実施例1で作製した軟磁性薄帯を使用し、皮 相電力を測定した。図2に本発明の軟磁性薄 の皮相電力と磁束密度との関係を示す。ま 、表2に本発明の軟磁性薄帯(実施例1-1~1-4)の 金組成で、1.55T、1.60T、1.65Tで50Hzの条件で測 定した皮相電力S 1.55/50 、S 1.60/50 、S 1.65/50 のデータを示す。比較のため、方向性ケイ素 鋼板のデータも共に示す。
 本発明の軟磁性薄帯は、約1.55Tから1.7Tの広 磁束密度の領域で、Fe系アモルファス材お び方向性ケイ素鋼板よりも優れた皮相電力 性を示す。実施例1の結果とあわせると、磁 密度範囲が1.55Tから1.75Tの領域で本発明の軟 磁性薄帯が特に優れた軟磁気特性を示してい る。

(実施例3)
 実施例1で作製した軟磁性薄帯を使用し、400 Hzと1kHzでの周波数で鉄損を測定した。表3に 、本発明の軟磁性薄帯と方向性ケイ素鋼板 1.0T、400Hzおよび0.5T、1kHzでの鉄損、P 1.0/400 、P 0.5/1k を示す。周波数が高くなるほど、発明材料と 方向性ケイ素鋼板の鉄損の差が大きくなり、 高周波の用途に適していることがわかる。ま た、図3に実施例1-4の軟磁性薄帯を用いて鉄 の磁束密度依存性を各周波数ごとに測定し 結果を示す。

(実施例4)
 単ロールを用いた液体急冷法で厚さが約20μ mのFe bal. Cu 1.4 Si 4 B 14 の合金組成からなる薄帯を作製した。X線回 および透過電子顕微鏡(TEM)観察の結果、非晶 質相中に体積分率で30%未満で分散した組織で あることが確認された。
 この薄帯に300℃以上の平均昇温速度が約200 /minとなるように熱処理を施した。保持温度 を450℃で10分間とし、その後、放冷して本発 の軟磁性薄帯を得た。
 図4にこの軟磁性薄帯の熱処理後の組織写真 を示す。図8はこの組織写真の模式図である また、図5は本発明軟磁性薄帯の結晶層A、ア モルファス層B、粗大結晶粒層Cの状態を示す 略図である。最表面2から順に、薄帯の最表 面に厚さ約20nmの結晶層A、その内側に厚さ約3 0nmのアモルファス層B、さらにその内側に平 粒径30nmの粗大化した結晶粒からなる層(粗大 結晶粒層C)が厚さ約50~60nmで存在し、それより も内部側には平均粒径が約25nmの微細結晶粒 80%以上で存在する母相組織Dが存在していた

(実施例5)
 図6のように単板状の軟磁性薄帯の試料を折 り曲げた際、薄帯が割れずに曲げることがで きる最小の限界の直径D C を測定した。限界の直径D C が小さいほど靭性に優れていると判断できる 。表4には液体急冷法で実施例1と同様にして 20μmの各組成の薄帯を作製し、熱処理の際 300℃以上の平均昇温速度が約200℃/minとなる うに、450℃で10分間の熱処理を施した軟磁 薄帯を作製した。この軟磁性薄帯の表面近 のアモルファス層の幅と限界の直径D C の関連を示す。また、表4には熱処理条件を えて、アモルファス相の幅を広くした試料 、エッチングによりアモルファス相を除去 た試料の限界の直径D C も示す。アモルファス層が存在することで、 試料の靭性が向上することが解る。一方、ア モルファス層がない場合、薄帯は脆化し、取 り扱いが困難になる。本発明材料は、損失が 少なく、かつ薄帯の靭性が高いという特徴を 持つ。

(実施例6)
 単ロール法で、厚さ約20μmのFe bal. Cu 1.35 Si 2 B 14 合金薄帯作製した。この合金を用いてJIS規格 C12コアを作製し、磁場中で熱処理を施し、高 周波特性を観測した。図7は本発明の軟磁性 帯の0.2Tにおける鉄損の周波数特性を示した のである。比較のためにFe系アモルファス 電磁鋼板のデータも示す。いずれの周波数 域においても本発明の軟磁性薄帯の鉄損Pは く、高周波特性が良好である。

(実施例7)
 表5-1、表5-2に示す組成の本発明の軟磁性薄 を製造した。軟磁性薄帯の幅は約5mm、厚さ 約21μmである。いずれも薄帯の表面から120nm 以内の深さに厚さが40nm以下のアモルファス 、および、その内部側に微細結晶粒が80%以 で存在する母相組織が存在していた。
 熱処理温度と飽和磁束密度、および、1.6T、 50Hzにおける鉄損の値を示す。300℃以上の平 昇温速度は100℃/minと200℃/minの二通りで行っ た。得られた軟磁性薄帯の鉄損P 1.6/50 は、全て0.65W/kg以下である。また、この表5-1 表5-2で示す組成の軟磁性薄帯は、いずれも 6に示した折り曲げ限界直系D C が5mm以下である。

(実施例8)
 合金組成がFe bal. Cu 1.25 Si 2 B 14 (原子%)の1250℃に加熱された合金溶湯をスリ ト状のノズルから回転する外径約300mmのCu-Be 金ロールに噴出し、幅5mmで非晶質相中の結 粒体積分率の異なる合金薄帯を作製し結晶 体積分率を透過電子顕微鏡像より求めた。 にこの合金薄帯を外径19mm内径15mmに巻き回 巻磁心を作製し410℃で1時間の熱処理を行い 熱処理後の飽和磁束密度Bs、保磁力Hcを測定 した。なお、熱処理後の合金の結晶粒体積分 率は30%以上であり、Bsは1.8T~1.87Tを示した。
 表6に熱処理後のHcを示す。熱処理前の合金 に結晶粒が存在しない合金を熱処理し熱処 後非晶質相中の結晶粒が60%になるように熱 理した場合、保磁力Hcは750A/mと著しく大き なった。熱処理前における非晶質相中の結 粒の体積分率が30%未満の合金を熱処理した 合、熱処理後のHcは小さく、本発明製造方法 により高Bsで軟磁性に優れた合金が実現でき ことが確認された。これに対して、熱処理 における非晶質相中の結晶粒の体積分率が3 0%以上の合金を熱処理し残りの非晶質相を結 化させた合金では、粗大化した結晶粒が存 するようになりHcが増加する傾向を示すこ が分った。
 以上のように、Fe量の多い高Bs材で熱処理前 の急冷したままの状態で微細な結晶粒が0%超3 0%未満分散した組織の合金を熱処理し、更に 晶化を進めた合金の軟磁性は、完全な非晶 状態の合金や結晶粒が30%以上存在する合金 りも優れていることが分った。

(実施例9)
 液体急冷法で1300℃に加熱した合金溶湯を周 速32m/sで回転する外径300mmのCu-Be合金単ロール に溶湯を噴出し、厚さ約20μmのFe bal Cu 1.5 Si 4 B 14 合金薄帯を作製した。X線回折および透過電 顕微鏡(TEM)観察の結果、非晶質相中に微細結 晶が体積分率で30%未満分散した組織であるこ とが確認された。
 この合金薄帯に熱処理を施した。熱処理の ターンは、300℃から最高温度までの平均昇 速度が100℃/min未満のものと、約200℃/minの のをそれぞれ行った。熱処理の保持温度は 方とも450℃で10分間とし、その後、放冷して 本発明の軟磁性薄帯を得た。
 図9は、熱処理時の300℃以上の平均昇温速度 が100℃/min未満とした本発明の軟磁性薄帯(1-1) の透過型電子顕微鏡による薄帯表面近傍の組 織写真である。図14にその模式図を示す。最 面から順に、ナノ結晶粒の層A、アモルファ ス層B、母相Dの平均結晶粒径の約2倍の結晶粒 径の粗大化した結晶粒から成る粗大結晶粒層 C、母相Dの構造から成る。母相は平均粒径が 25nmの微細結晶粒が80%以上で存在していた。 軟磁性薄帯(1-1)は熱処理の際に、300℃以上の 均昇温速度を100℃/min未満に制御することに より、表面近傍で粗大化した結晶粒の層が析 出しやすくなる。最表面から順に、ナノ結晶 粒層A、アモルファス相Bが見られ、次に粗大 晶粒層Cが僅かに見られる。さらにその内部 側は母相Dが見られる。
 また、比較のために、液体急冷法で1300℃に 加熱した合金溶湯を周速32m/sで回転する外径3 00mmのCu-Be合金単ロールに溶湯を噴出し、厚さ が約20μmの組成式:Fe bal Cu 1.5 Si 4 B 14 Nb 5 、Fe bal Cu 1.0 B 6 Nb 3.5 である合金薄帯を作製した。これらの合金薄 帯の表面を同様に観察したが、本願のような アモルファス層は観察されず、図15に模式図 示すように、全体的にほぼ同じ大きさをも ナノ結晶合金であった。

(実施例10)
 図10には本発明の軟磁性薄帯(1-1)について最 大磁場B m が80A/mのB-H曲線を示す。また、同一組成で300 以上の平均昇温速度が200℃の軟磁性薄帯(1-2 )のB-H曲線を点線で示す。昇温速度の遅い軟 性薄帯(1-1)のB-H曲線は、昇温速度の速い軟磁 性薄帯(1-2)よりも角形性が良好であり、B r /B 80 は約94%と高い値となる。また、低い磁場で、 大きな磁束密度が得られる。昇温速度の速い 軟磁性薄帯(1-2)では、角形性を示すB r /B 80 は67%程度で、低磁場では飽和しにくいもので ある。図11には上記の2試料の、B m を800A/mとした場合のB-H曲線を示す。B800は、 1.8Tと同程度であるが、1.5T以上のB-H曲線にお けるヒステリシスで大きな違いが現れる。熱 処理時の昇温速度の遅い軟磁性薄帯(1-1)では 1.5T以上の500A/mの磁場領域までヒステリシス が存在する。一方、昇温速度の速い軟磁性薄 帯(1-2)では、この磁束密度の領域ではヒステ シスが減少している。一般的には、ヒステ シスは損失であり少ないことが望まれるが 使用する磁場および磁束密度の領域によっ は、角形性が重要となる場合がある。図10 図11の比較から1.5T以上の領域でヒステリシ が発生することとマイナーループの角形性 間には密接な関係があることがわかる。以 のように、300℃以上の平均昇温速度を制御 ることで、B-H曲線の形状を制御することが 能となる。

(実施例11)
 液体急冷法で厚さ約18μmのFe bal Cu 1.35 Si 2 B 14 合金薄帯を作製した。合金薄帯の製造条件は 実施例9と同様であり、得られた合金薄帯は 晶質相中に微細結晶が体積分率で30%未満分 した組織であることが確認された。この合 薄帯に300℃での昇温速度が100℃/minより小さ なるように熱処理を施したところ、実施例9 の軟磁性薄帯(1-1)と同様の組織を持つ軟磁性 帯(2-1)が得られた。図12にこの軟磁性薄帯(2- 1)のB-H曲線を示す。図10の軟磁性薄帯(1-1)と同 様なB-H曲線となり、B 80 =1.7Tと大きなBが得られ、角形性も、B r /B 80 =94%と高い値を得た。

(実施例12)
 実施例11と同様にして、表7に示す合金組成 軟磁性薄帯を製造した。この軟磁性薄帯の 形比B r /B 8000 、B r /B 80 を示す。表7に示すように、本発明の軟磁性 帯はアモルファス層が形成されている。ま 、熱処理の昇温速度を遅くしたNo.4-1~4-15はB r /B 80 が90%以上の高い値を示し、角形性が良好であ ることがわかる。また、B r /B 8000 とB r /B 80 に5~20%程度の開きがあり、マイナーループを いている場合と、フルループを描く場合で 形性に違いが現れる。組織制御により、薄 表面近傍に母相の平均結晶粒の約2倍の大き さの粗大結晶粒から成る層を析出させた場合 には、B-Hループの形状が変わり、角形性が良 くなる。表7に示すように、組成が同じ場合 も粗大結晶粒層の有無によって、角形性に きな違いが現れる。このような現象を用い 、磁場領域の違いを利用したスイッチング 子として有望となる。

(実施例13)
 液体急冷法で厚さ約18~20μmのFe bal Cu 1.5 Si 4 B 14 合金薄帯(表7のNo.4-1)、およびFe bal Cu 1.35 Si 2 B 14 合金薄帯(表7のNo.4-2)を作製した。合金薄帯の 製造条件は実施例9と同様であり、得られた 金薄帯は非晶質相中に微細結晶が体積分率 30%未満分散した組織であることが確認され 。この合金薄帯に300℃以上の平均昇温速度 100℃/minより小さくなるように熱処理を施し ところ、実施例9の軟磁性薄帯(1-1)と同様の 織を持つ軟磁性薄帯が得られた。
 図13には本発明の軟磁性薄帯(表7のNo.4-1、4-2 )における皮相電力の磁場依存性P 1.5/50 、P 1.55/50 を示す(それぞれ、50Hzで1.5Tおよび1.55Tにおけ 鉄損を示す。)。また、300℃以上の平均昇温 速度が200℃/minの場合の同組成の軟磁性薄帯( 7のNo.4-13)のデータも記載する。また、比較 ために、方向性ケイ素鋼板およびFe系アモ ファス材のデータも共に示す。
 また、表8には、50Hzで1.5Tおよび1.55Tにおけ 鉄損P 1.5/50 ,P 1.55/50 と皮相電力S 1.5/50 ,S 1.55/50 を示す。低磁場においては、Fe系アモルファ 材よりも皮相電力が大きいが、約1.5T以上1.7 T未満の領域でFe系アモルファス材、ケイ素鋼 板のいずれに対しても皮相電力が低くなる。 特に本発明の軟磁性薄帯(No.4-2)ではP 1.6/50 =0.35、P 1.65/50 =0.41、S 1.6/50 =0.42、S 1.65/50 =0.53と1.6~1.7Tの領域で、最も低い鉄損および 相電力となる。また、粗大結晶粒層が存在 る軟磁性薄帯4-1と、同組成で粗大結晶粒層 無い軟磁性薄帯No.4-13を比べると、粗大結晶 層が存在する軟磁性薄帯No.4-1の方が、1.4~1.6 T近辺で皮相電力が低くなる。本発明薄帯はFe 系アモルファス材よりも飽和磁束密度が約15% 高く、飽和磁束密度が1.8T以上である。また 飽和性がケイ素鋼板よりも良好であるため ケイ素鋼板よりも優れた皮相電力特性を示 領域が1.4T≦Bに存在し、軟磁性体として有望 である。

 表9-1、表9-2は様々な組成に対する。磁束密 および角形比B r /B 80 の熱処理温度と昇温速度依存性を示す。薄帯 の幅は約5mm、厚さは約21μmである。下表の組 はいずれも角形比B r /B 80 が90%以上である。

 この高飽和磁束密度低損失の軟磁性薄帯 ら磁性部品を構成することにより、アノー リアクトルなどの大電流用の各種リアクト 、アクティブフィルタ用チョークコイル、 滑チョークコイル、各種トランス、磁気シ ルド、電磁シールド材料などのノイズ対策 品、レーザ電源、加速器用パルスパワー磁 部品、モータ、発電機等に好適な高性能あ いは小型の磁性部品を実現することができ 。

50Hzにおける鉄損の磁束密度依存性を示 す図である。 50Hzにおける皮相電力の磁束密度依存性 を示す図である。 各周波数における鉄損の磁束密度依存 を示す図である。 透過型電子顕微鏡で撮影した表面近傍 断面組織写真である。 本発明の軟磁性薄帯の組織の状態を示 模式図である。 単板折り曲げを説明する模式図である 鉄損の周波数依存性を示す図である。 交流初透磁率の周波数依存性を示す図 ある。 軟磁性薄帯の表面近傍に見られる層状 造を示す組織写真。 熱処理の昇温速度を変えた試料を比較 したB-H曲線(最大磁場80A/m)。 熱処理の昇温速度を変えた試料を比較 したB-H曲線(最大磁場800A/m)。 実施例3の軟磁性薄帯のB-H曲線(最大磁 80A/m)。 軟磁性材の皮相電力の磁束密度依存性 を示す図。 図2の組織写真の模式図である。 従来の軟磁性薄帯の組織の状態を示す 模式図。

符号の説明

 1:軟磁性薄帯、2:薄帯の表面