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Title:
SOIL MODIFICATION TECHNIQUE AND SOIL SHIELDING TECHNIQUE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/152855
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a novel soil modification technique whereby soil can be modified by a relatively inexpensive and simple procedure, and a land shielding technique whereby a shielding layer is formed at an appropriate position around a target land area by using this soil modification technique. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] A soil modification method characterized by comprising treating the soil with a stabilizer containing a halide as the main component, a fixation support and water so as to stabilize a harmful substance contained in the soil and hold the thus stabilized harmful substance, which has been thus stabilized, on the fixation support; and a land shielding method using this soil modification method.

Inventors:
HIROTA TAKEZI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/056853
Publication Date:
December 18, 2008
Filing Date:
April 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
IRIE MASAAKI (JP)
MIYABIJYUSETSU KK (JP)
HATADA YOUHEI (JP)
HIROTA TAKEZI (JP)
International Classes:
B09B3/00; B09C1/02; B09C1/08; C04B14/04; C04B14/10; C04B14/18; C04B14/20; C04B14/30; C04B14/36; C04B18/10; C04B22/06; C04B22/12; C04B22/14; C04B28/02; C04B28/14; C09K17/02; C09K17/06; C09K17/08; E02D3/12
Foreign References:
JP2005272510A2005-10-06
JP2004043698A2004-02-12
JP2002029812A2002-01-29
Attorney, Agent or Firm:
OGAWA, Hirokuni (4-4-3 Koryonakamachi, Sakai-ku, Sakai-sh, Osaka 24, JP)
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Claims:
 土壌に対し、ハロゲン化物を主成分とする安定化剤、固定化担体及び水で処理することにより、当該土壌内に存在する有害物質を安定化すると共に当該安定化した有害物質を固定化担体に担持することを特徴とする土壌改質工法。
 安定化剤が、フッ化物を必須構成成分とする請求項1に記載の土壌改質工法。
 安定化剤には、更に、硫酸化物を配合してなる請求項1又は2に記載の土壌改質工法。
 硫酸化物が、硫酸である請求項3に記載の土壌改質工法。
 固定化担体が、固化性固定化担体及び/又は吸着性固定化担体である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の土壌改質工法。
 固化性固定化担体が、セメント及び/又は石膏を主成分とする請求項5に記載の土壌改質工法。
 吸着性固定化担体が、アルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、遷移金属の酸化物及び水酸化物、焼却灰、シリカゲル、ゼオライト、パーライト、パーミキュライト、アルミナ、活性炭、又は活性白土から選ばれた少なくとも1種以上である請求項5に記載の土壌改質工法。
 ゼオライトが、非晶質珪酸アルミニウム塩を含む原料をゼオライト化した人工ゼオライトである請求項7に記載の土壌改質工法。
 ゼオライトが、非晶質珪酸アルミニウム塩を含む原料に、水和熱発生剤及び水を混合することによりゼオライト化した人工ゼオライトである7又は8に記載の土壌改質工法。
 固定化担体中の固化性固定化担体の施与量が、処理対象の土壌1m 3 に対して、100kg以下である請求項5ないし9のいずれか1項に記載の土壌改質工法。
 固定化担体100重量部に対し、水を100~2000重量部配合してなる請求項1ないし10のいずれか1項に記載の土壌改質工法。
 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の土壌改質工法により、対象土地周辺適宜箇所に遮断層を形成することを特徴とする土地遮蔽工法。
Description:
土壌改質工法及び土地遮蔽工法

 本発明は、有害物質を含有する土壌等を 理するための土壌改質工法及びこの土壌改 工法を用いた土地遮蔽工法に関する。

 農薬の散布による農用地の汚染や、鉱山 らの重金属等の流出、重化学工業等に伴っ 排出される排水、廃油、廃棄物、或いはそ 他の産業活動や不法投棄などによる人為的 土壌の汚染は、旧時代の生産活動における 境管理のずさんさが生んだ負の遺産といえ 。

 土壌汚染の対策は、「汚染の未然防止」 「既に発生している汚染の浄化」に大別さ る。近年の我国の生産活動にあっては、「 染の未然防止」について、厳しい排出基準 どを設けている。その一方で、「既に発生 ている汚染」の対策については、主として 該汚染土壌を掘り起こして搬出し、これを 化施設において浄化した後にもとの土地に め戻したり、別途汚染のない土壌を新に搬 したりする手段が用いられている。

 しかしながら、前述の手段では処理工程 が多くなり、それに伴う運搬費用や、処理 設の建設費用などが高くなるといった欠点 ある。そのため、汚染土壌を搬出すること く、当該地において土壌を改質する工法の 発が強く要求されている。

 この要求に対し、最近では、セメント及 水を主成分とする組成物を汚染土壌と混合 、該セメント中に汚染土壌を封じ込める土 の改質工法が開発されている(例えば、下記 特許文献1参照。)。

特開2005-279335号公報

 しかしながら、有機物を多く含む土壌と 合されたセメント組成物は、極端に硬化・ 形化が阻害される。そのため、一旦固形化 たセメント組成物は非常に脆弱であり、数 ~数十日で再び土壌が露出し、有害物質が流 出するといった問題が生じる。

 又、セメントで固められた土壌において 、極端に通水性や通気性が悪くなり、土壌 しての機能を喪失することから、改質後の 地の利用が制限されるなどの問題も生じる

 そこで、本発明者は、上記問題を解決す く鋭意検討を重ねた結果、土壌に対し、ハ ゲン化物を主成分とする安定化剤、固定化 体及び水で処理することにより、当該土壌 に存在する有害物質を安定化すると共に当 安定化した有害物質を固定化担体に担持す ことを特徴とする本発明の土壌改質工法を 発するに至ったのである。

 即ち、本発明者は、ハロゲンイオンが有 る極めて高い電気陰性度及び電子的結合力 着目し、水に溶解したハロゲン化物を土壌 混合すれば、イオン化したハロゲンイオン 、多種多様の重金属や有機物等の有害物質 電子的な相互関係を構築し、その状態を非 に安定化するとの知見を得たのである。

 そして、ハロゲンイオンにより安定化し 有害物質を、長年に亘って無害化すること できるとの知見を得たのである。

 本発明は、上記知見に基づき完成された のであり、比較的安価且つ簡易な作業で土 を改質することができる新規な土壌改質工 、及びこの土壌改質工法を用いて、対象土 周辺適宜箇所に遮断層を形成する土地遮蔽 法を提供することを目的とする。

 以上の課題を解決する手段である本発明の 壌改質工法は、土壌に対し、ハロゲン化物 主成分とする安定化剤、固定化担体及び水 処理することにより、当該土壌内に存在す 有害物質を無害化・安定化すると共に当該 定化した有害物質を固定化担体に担持する とを特徴とする。
 以下、本発明の土壌改質工法について詳細 説明し、追って、この土壌改質工法を用い 本発明の土地遮蔽工法について詳細に説明 る。

 本発明の土壌改質工法は、土壌に対し、 なくとも「ハロゲン化物を主成分とする安 化剤」、「固定化担体」及び「水」で処理 るものである。

 本発明において用いられる前記「ハロゲ 化物を主成分とする安定化剤」は、土壌中 含まれる有害物質を安定化するために配合 るものである。

 なお、本発明において「有害物質」とは 主として、環境や健康に何らかの悪影響を える物質全般を意味する。具体的には、水 、カドミウム、鉛、砒素、ベンゼン、キシ ン、クレゾール、ダイオキシン及びPCBなど 強い毒性が認められている各種重金属類や 種有機物類を代表的な例として挙げること できる。又、比較的毒性は低いが油膜や油 の原因となる各種油類等も本発明における 害物質の例として挙げることができる。

 ここで、ハロゲン元素は周期表の17族に し、いずれも7個の価電子を持っていること ら、一個の電子を取り入れて1価の陰イオン になりやすいという特性を有する。

 そして、このイオン化したハロゲンイオ は、多種多様の陽イオンや求電子体を取り れることによりポテンシャルエネルギーを げ、その状態を安定化することができる。

 これより、ハロゲン化物を水に溶解する 共に土と混合すれば、イオン化したハロゲ イオンが、土中の多種多様の重金属や有機 等の有害物質と電子的に結合したり、何ら の電子的な相互関係を構築したりして、そ 状態を非常に安定化することができるので る。

 即ち、電気的に陽性の重金属イオンに対 ては、電気的に陰性のハロゲンイオンが電 的に結合することにより陰イオン化してそ 毒性を大幅に軽減するのである。一方、有 物に対しては、その分子構造中の救電子部 をハロゲンイオンが電子的に攻撃して、ハ ゲン化物やハロゲン付加物に変性したり、 炭素化したりすることにより、弱毒ないし 毒化したり、油のにおいや油膜の発生を抑 したりするのである。

 ここで、本発明において「ハロゲン化物 とは、フッ素、塩素、臭素或いはヨウ素な のいわゆるハロゲン元素が、他の原子或い 分子と化学的に結合した化合物を意味する 特に、本発明においては、水中において速 かにハロゲンイオンを生成するものが好ま い。

 本発明において、安定化剤の主成分とし 使用し得るハロゲン化物の好適な例として 、ハロゲン元素が水素と結合したハロゲン 水素、ハロゲン元素がナトリウム及びカリ ムなどのアルカリ金属と結合したアルカリ 属ハロゲン塩、及びマグネシウム及びカル ウムなどのアルカリ土類金属と結合したア カリ土類金属ハロゲン塩などから選ばれた なくとも1種以上を挙げることができる。な お、土壌中の有害物質が多種多様であること から、これらハロゲン化物は2種以上の複数 を混合して用いることが好ましい。

 又、本発明方法において、前記安定化剤 施与量としては、処理対象土壌の汚染状況 使用される安定化剤の種類などに応じて適 決定すれば良く、特に限定されるものでは い。

 一般的には、処理対象の土壌1m 3 (乾燥重量約1600kg)対して、100~4000g程度の施与 が好ましく、更に500~3000g程度がより好まし 、特に、1000~2000g程度が一層好ましい。又、 これら安定化剤は、施与前に、水などの溶媒 に溶解したり分散したりした状態のものを用 いても良い。

 なお、上記ハロゲン化物のうち、フッ化 については、フッ化物自身が有害物に指定 れているという側面があることから、その 与量に注意が必要となる。

 しかしながら、フッ素は、他のハロゲン 素に比べて極めて電気陰性度が高く、電子 な結合力に優れることから、有害物質を安 化させる作用が著しく高い。このため、本 明においては、フッ化水素やフッ化カルシ ムなどのフッ化物を必須構成成分として、 定化剤に極少量配合することが好ましい。

 具体的には、処理対象の土壌1m 3 対して、フッ化物の施与量が500g程度以下と るように調節することが好ましく、更に、40 0g以下とすることがより好ましく、特に、200g 以下となるようにすることが一層好ましい。

 又、本発明においては、前記ハロゲン化 と併用して、やはり電子的結合力に優れる 酸化物を安定化剤に配合することが好まし 。この硫酸化物としては、特に限定される のではない。一般的には、硫酸を適当に希 した硫酸水溶液や、硫酸カルシウム及び硫 マグネシウム等の金属硫酸塩を用いること 好ましい。

 中でも、硫酸については、極少量の配合 より、土壌のアルカリ化を抑制する作用も することから、積極的に安定化剤に配合す ことが好ましい。

 具体的には、処理対象の土壌1m 3 対して、硫酸の施与量が10~2000g程度となるよ にすることが好ましく、更に、50~1000g程度 することがより好ましく、特に、100~500g程度 となるようにすることが一層好ましい。

 一方、本発明の土壌改質工法において用 られる前記「固定化担体」は、本発明の土 改質工法において、安定化された有害物質 担持し、その流出を防止するための担体と るものである。又、化学的結合した状態の 期乾燥、安定化の役目を負うものである。

 更に詳しくは、前述の安定化剤と接触す ことにより一旦安定化された重金属や有機 などの有害物質は、そのままの状態では雨 などにより流出し、流れ着いた他の場所に いて再び不安定化・毒性化して、当該地の 壌を汚染するおそれがある。

 そのため、本発明においては、安定化剤 作用により安定化した有害物質を固定化担 に担持することにより、その移動に関する 由度を制限するのである。

 この固定化担体としては、安定化剤の作 により安定化した有害物質を担持し得るも であれば特に限定されるものではない。な 、本発明において前記固定化担体は、その 質に応じて、「固化性固定化担体」と「吸 性固定化担体」の2種類に分けることができ る。

 前者「固化性固定化担体」とは、主とし 安定化した有害物質を周辺土壌等と共に固 ・固定化する性質を有するもののことをい 。この固化性固定化担体の一般的に好適な としては、セメントや石膏などを挙げるこ ができる。

 なお、使用し得るセメントの種類として 特に限定されるものではない。具体的に例 ば、現在一般的に使用されている「ポルト ンドセメント」や、ポルトランドセメント クリンカーに適当な急冷高炉スラグやボゾ ン材料を綴合して粉砕した「混合セメント 、或いは「特殊セメント」のいずれを用い も良い。

 前記「ポルトランドセメント」としては 例えば、普通ポルトランドセメント、早強 ルトランドセメント、超早強ポルトランド メント、中庸熱ポルトランドセメント、低 ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトラ ドセメント及びこれらのセメント中の全ア カリを0.6%以下に抑えた低アルカリ型のもの を挙げることができる。又、前記「混合セメ ント」としては、高炉セメント、シリカセメ ント、及びフライアッシュセメントを挙げる ことがでる。更に、前記「特殊セメント」と しては、ボーキサイトにほぼ等量の石灰石を 混合し、溶融焼成した後、急冷粉砕したアル ミナセメントや、アルミナセメントと同じよ うに超速硬性を有し、長期にわたって安定し た強度増進を示し、高強度を期待することが できる超速硬セメントを挙げることができる 。

 又、石膏とは硫酸カルシウムを主成分と る鉱物の総称であり、無水石膏、半水石膏 び二水石膏等をその代表的な例としてあげ ことができる。なお、硫酸化物である石膏 、土壌中の有害物質を安定化する作用も有 る。

 一方、後者「吸着性固定化担体」とは、 として安定化した有害物質をその表面又は 部に吸着・固定化する性質を有するものの とをいう。

この吸着性固定化担体の好適な例としては 、酸化カルシウム(生石灰)や水酸化カルシウ (消石灰)などのアルカリ土類金属酸化物や 酸化物、或いは遷移金属の酸化物や水酸化 、石炭灰などの焼却灰、シリカゲル、ゼオ イト、パーライト、パーミキュライト、ア ミナ、活性炭及び活性白土等を挙げること できる。

 中でも、本発明においては、比較的安価 焼却灰や吸着能の高い消石灰、及び電子的 着能の高いゼオライトを吸着剤として用い ことが好ましい。

 ここで、ゼオライトとしては、天然に産 するゼオライトや、「モレキュラーシーブ の商品名で称される合成ゼオライトなどを いることもできる。しかしながら、天然ゼ ライトは精度が不均一で、価格帯が幅広く 又、このような合成ゼオライトは高価であ 。そのため、本発明においては、特に、非 質珪酸アルミニウム塩を含む原料をゼオラ ト化した人工ゼオライトを用いることが好 しい。

 即ち、石炭火力において生じる石炭灰(フ ライアッシュ)、都市ゴミなどの焼却で生じ 焼却灰、或いは製紙会社のペーパースラッ などを焼却した焼却灰や、これらの焼却灰 溶融処理により固化したいわゆる溶融炉ス グ或いは高炉スラグなどのスラグなどは、 量に排出される廃棄物でありながら、非晶 珪酸アルミニウム塩を豊富に含む。従って これらを原料としてゼオライト化した人工 オライトは、比較的安価で品質が均一であ 、本発明を大規模に実施する際や、当該ゼ ライトをセメント組成物に大量に配合する 合などにおいて、非常に有益となるのであ 。

 なお、非晶質珪酸アルミニウム塩を含む 料をゼオライト化する方法としては、原料 、水酸化ナトリウム水溶液などの強アルカ 水溶液中で、高温加熱処理を施す方法など 開発されている。しかしながらこのような 段を実行するためには、強アルカリ水溶液 高温加熱するための処理設備が必要となる そのため、設備投資上のコストが嵩み、し も作業環境の安全性の確保が困難となると った問題が生じる。

 この点につき、本発明者は、非晶質珪酸 ルミニウム塩を含む原料をゼオライト化す 好ましい方法として、非晶質珪酸アルミニ ム塩を含む原料、水和熱発生剤及び水を混 することにより比較的安全且つ安価に人工 オライトを製造する方法を見出しており、 発明においては、このような製造方法によ 製造された人工ゼオライトを用いることが ましい。

 更に詳しくは、この人工ゼオライトの製 方法は、生石灰のような、水と接触するこ により水和反応を起こし、その際に水和熱 発生すると共にアルカリ値を示す性質を有 る水和熱発生剤と水を混合することによっ 発生する水和熱とアルカリ性を利用したも である。この方法によれば、非常に簡易な 理設備及び簡単な作業をもって、人工ゼオ イトを製造することができるのである。

 本発明においては、固定化担体として、 れら固化性固定化担体及び吸着性固定化担 から選ばれた少なくとも1種以上を好適に用 いることができる。即ち、本発明においては 、固化性固定化担体のみを用いる場合、吸着 性固定化担体のみを用いる場合、及び固化性 固定化担体と吸着性固定化担体の両方を併用 する場合がある。

 但し、より長期的な有害物質の流出を防 する観点からは、固定化担体として、固化 固定化担体を必須構成成分とすることが好 しい。特に、固化性固定化担体と吸着性固 化担体の両方を併用し、各固定化担体の奏 る性質が協力し合った固定化状態を実現す ことがより好ましい。

 従って、本発明においては、固定化担体 して、固化性固定化担体10~100重量部に対し 、吸着性固定化担体0~90重量部程度を配合し たものが一般的に好ましく、更に、固化性固 定化担体30~80重量部に対して、吸着性固定化 体20~70重量部程度を配合したものがより好 しく、特に、固化性固定化担体40~60重量部に 対して、吸着性固定化担体40~60重量部程度を 合したものが一層好ましい。

 なお、本発明において、前記固定化担体の 与量としては、土壌の汚染の程度や配合さ る固定化担体の種類などに応じて適宜決定 れるものであり、特に限定されるものでは く、処理対象の土壌1m 3 対して、固定化担体10~200kg程度の施与量が一 的となる。

 しかしながら、固定化担体としてセメン や石膏などの固化性固定化担体を配合した 合においては、前記固定化担体の施与量を くして、処理対象土壌を強固に固めてしま と、通水性や通気性が悪くなり、土として 性質を喪失するため、処理後の土地の利用 制限されるといった問題が生じる。

 そこで、固定化担体としてセメントや石膏 どの固化性固定化担体を配合した場合にお ては、処理対象の土壌1m 3 対して、固化性固定化担体の施与量が100kg以 程度となるように調整することが好ましく 更に60kg以下程度がより好ましく、特に、30k g以下程度が一層好ましい。

 本発明において用いられる前記「水」は 前記安定化剤及び固定化担体と共に土壌に して施与することにより、各成分の混合を 易にすると共に、安定化剤からハロゲンイ ンを生成したり、固定化担体中のセメント どの固化性固定化担体との水和による硬化 応を開始したりするものである。

 配合される水としては、特に限定される のではなく、通常は、水道水が用いられる 又、作業上の観点からは、前述の安定化剤 固定化担体は、施与前に、水と混合した状 にすることが一般的に好ましい。

 ここで、本発明において、前記安定化剤 び固定化担体に対する水の配合割合として 、使用する安定化剤及び固定化担体の種類 量に応じて適宜決定するものであり、特に 定されるものではない。

 しかしながら、固定化担体としてセメン や石膏などの固化性固定化担体を配合した 合においては、本発明の土壌改質工法を施 した後の土地の利用の観点からは、固化性 定化担体に対する水の配合割合を多くする とが好ましい。

 即ち、固定化担体中の固化性固定化担体 対する水の配合割合を過剰にすることによ 、処理対象土壌が強固に固まってしまうこ を防止し、土壌としての通水性や通気性を 持することが好ましいのである。

 そこで、本発明においては、施与される 定化担体100重量部に対して、水100~2000重量 の配合割合とすることが一般的に好ましく 更に、200~1000重量部の配合割合とすることが より好ましく、特に、300~600重量部の配合割 とすることが一層好ましい。

 このような水の配合割合とすれば、固定 担体としてセメントや石膏などの固化性固 化担体を配合した場合においても、処理対 土壌を強固に固めてしまうことがなくなり 土壌としての通水性や通気性を維持するこ が可能となるのである。

 ところで、単にセメントと水を混合した きのセメント組成物においては、有機物を く含む土壌と混合された場合、極端に硬化 固形化が阻害される。そのため、一旦固形 したセメント組成物は非常に脆弱であり、 日~数十日で再び土壌が露出し、有害物質が 流出するといった問題が生じる。

 この点につき、本発明の土壌改質工法に いては、固定化担体に加えて施与される安 化剤が土中の有害物質を安定化すると共に 土壌中の有機物によるセメントなどに対す 硬化阻害作用も抑制することから、固定化 体に対する水の配合割合を上述の如く極端 多くした場合にあっても、十分な固化性を 期間にわたって保持することができるので る。

 そして、本発明の土壌改質工法は、前記 定化剤、固定化担体及び水を用いて、土壌 「処理」することにより「改質」するもの ある。ここでいう「処理」とは、前記安定 剤、固定化担体及び水を土壌に施与し、当 土壌と混合することをいう。

 なお、土壌と、前記安定化剤、固定化担 及び水との混合方法としては、土壌と各成 が充分に混合されるのであれば、その手段 しては特に限定されるものではない。具体 に例えば、土壌と各成分を攪拌用の装置に 入して混合したり、パワーショベルなどの 機を用いて、バケットにより攪拌したりす 方法を挙げることができる。

 一方、「改質」とは、主として当該土壌 に存在する有害物質を安定化すると共に当 安定化した有害物質を固定化担体に担持さ ることを意味するが、本発明の土壌改質工 を施工した土壌は、土壌の質がいわゆる団 構造に類似したものとなることから、更に 土壌の通水性及び通気性を良くし、土地の 用・開発を行うに際し、利用目的の範囲に 限が少ない非常に有益な土地とすることも 味するのである。

 従って、本発明の土壌改質工法を施工す 対象の土地としては、必ずしも有害物質を 有する汚染土壌に限られるものではなく、 染の程度が比較的低い土地や汚染が全く発 していない土地に対しても施工する場合が る。

 次に、本発明の土地遮蔽工法を詳細に説 する。

 本発明の土地遮蔽工法は、前記本発明の 壌改質工法により、対象土地周辺適宜箇所 遮断層を形成することを特徴とするもので る。

 即ち、有害物質を含有する土地に対して 、その土地全体に存する一定の深さまでの 壌に対し、本発明の土壌改質工法を施工す ことが好ましいのであるが、隣接する土地 同様の汚染が懸念される。そのため、施工 の土地と未施工の土地を遮断し、未施工の 地からの有害物質流入を防ぐ必要が生じる 合がある。

 又、100%の無害化を果たしていない場合に おいて、隣地流出を防ぐ必要が生じる場合も ある。

 そこで、このような場合、有害物質を包 する土地周辺適宜箇所に本発明の土壌改質 法を施工することにより、改質した土壌に る遮断層を形成すれば、少ない資材コスト つ短期間の施工日数で、当該遮断層内土地 隣接する土地からの有害物質が遮断層内に 入しないようにすることができ、汚染土壌 らの有害物質の流出による二次的な土壌汚 を防止することができるのである。

 又、工事中の土の掘削壁や盛土の周辺適 箇所に対し、本発明の土壌改質工法を施工 ることにより、改質した土壌による遮断層 形成すれば、当該遮断層が前記掘削壁や盛 の崩れを防止する簡易な土留めとなり、工 の大幅な短縮を図ることもできるのである

 なお、本発明において「周辺適宜箇所」 は、必ずしも施工対象土地周辺全体にわた て連続的な遮断層を形成することを要さな ことを意味する。即ち、施工対象土地の傾 や水の流れなどに応じて、1箇所ないしは複 数箇所に断続的な遮断層を効果的に設ける場 合も含まれることを意味する。

 又、本発明の土地遮断工法においては、よ 強固な遮断層を形成することが必要な場合 多いことから、土壌に対する固定化担体の 与量を多くすることが好ましい。一般的な 合割合としては、処理対象の土壌1m 3 対して、50~400kg程度の施与量とすることが好 しい。

 更に、固定化担体として吸着性固定化担 を多く配合すると、遮断層内外の通水性を 持したまま、遮断層外の有害物質の流入を り一層防止することができる。そのため、 発明の土地遮蔽工法においては、固定化担 として吸着性固定化担体を多く配合するこ が好ましく、その配合割合としては、固化 固定化担体10~60重量部に対して、吸着性固 化担体40~90重量部程度を配合することが一般 的に好ましく、更に、固化性固定化担体20~40 量部に対して、吸着性固定化担体60~80重量 程度を配合することがより好ましい。

 本発明は、前記構成を有し、比較的安価 つ簡易な作業で隣地土壌からの有害物質の 入を防止したり、土壌の通水性や通気性を 上したりすることができる新規な土壌改質 法及びこの土壌改質工法を用いた土地遮蔽 法である。

 即ち、本発明の土壌改質工法は、ハロゲ 化物を主成分とする安定化剤を土壌と混合 るから、イオン化したハロゲンイオンが、 種多様の重金属や有機物等の有害物質と電 的な相互関係を構築し、その状態を非常に 定化するのである。

 そして、ハロゲンイオンにより安定化さ た有害物質は、固定化担体に担持されるこ により自由な移動が制限されるため、有害 質の流出を長年に亘って防止することがで るのである。

 一方、本発明の土地遮蔽工法は、前記本 明の土壌改質工法を用いて、対象土地周辺 宜箇所に遮断層を形成し、該土地中の有害 質の流入・流出を防止したり、土留めを形 したりすることを特徴とするものであり、 ない資材コスト且つ短期間の施工日数で、 該遮断層外の土地に存する有害物質の流入 、掘削壁や掘削土の崩れを防止することが きるのである。

 以下、本発明を実施するための最良の形 を、実施例を挙げて説明するが、本発明は の実施例に限定されるものではない。

<固化性固定化担体>
 固化性固定化担体として、市販のポルトラ ドセメント(比重:3.16、比表面積:3300cm 2 /g)を用いた。

<吸着性固定化担体>
 吸着性固定化担体として、以下の製造方法 得られた人口ゼオライトを用いた。

 生石灰100重量部に対し、水道水200重量部 加えて攪拌し、前記生石灰と水の混合液の 度が60℃を超えた時点で、フライアッシュ50 重量部を投入し、更に、15分程度攪拌した(な お、攪拌中この混合液の温度は99℃まで上昇 、その時のpHは11.5前後であった。)。攪拌終 了後、生じた沈殿を引き上げ、充分に乾燥さ せることにより人工ゼオライトを得た。

<安定化剤>
 安定化剤として、フッ化カルシウム、塩化 トリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウ 及び塩化カルシウムの重量比0.1:1:1:1:1の混 物をイオン水に50重量%溶解したもの70重量部 に、0.1%硫酸水溶液を30重量部配合したものを 用いた。

<有害物質を含有する土壌>
 市販の培養土に対し、カドミウム、鉛、及 砒素を適宜配合することにより、人為的に 害物質を含有する土壌を作成した。

 前記固化性固定化担体(セメント)100重量 及び前記吸着性固定化担体(人工ゼオライト) 100重量部を混合し、これに前記安定化剤の水 溶液30重量部、及び水道水600重量部を混合し コンクリートミキサーで充分に混練するこ により混合組成物を得た。

比較例

 前記固化性固定化担体100重量部及び前記吸 性固定化担体100重量部を混合し、更に水600 量部を混合し、コンクリートミキサーで充 に混練することにより混合組成物を得た。
 即ち、本比較例において得られた組成物に 、安定化剤が配合されていない。

 有害物質を含有する土壌1m 3 に対し、前記実施例1で得られた組成物、及 比較例で得られた組成物をそれぞれ200kg混合 した。

 これら処理後10日間経過後の各土壌につき それぞれ有害物質の溶出試験を行った。
 その結果を表1に示す。

 表1に示す結果から解るように、実施例1 係る組成物で処理した土壌については、有 物質(重金属)の溶出が極微量であり、充分な 有害物質溶出防止効果を認めることができた 。

 一方、比較例に係る組成物で処理した土 については、有害物質の溶出が比較的多く 有害物質の溶出を防止する効果を認めるこ はできなかった。

 これらの結果より、本発明の土壌改質工 における土壌中の有害物質の安定化及び溶 防止効果を確認することができた。

 次に、底部に通水孔を有する大型の容器 に、前記実施例1の組成物で処理した土壌を 投入し、中央部に適当な穴を設け、当該穴に 処理していない有害物質を含有する土壌を投 入した。

 この容器の上から散水し、通水孔から排 される水を採取し、この水に対し有害物質 溶出試験を毎日行ったところ、幾日経過し も、採取した水中には有害物質の溶出を殆 ど確認することができなかった。

 この結果より、本発明の土地遮蔽工法に ける有害物質の流出防止効果を確認するこ ができた。

<固化性固定化担体>
 固化性固定化担体として、市販のポルトラ ドセメント(比重:3.16、比表面積:3300cm 2 /g)及び二水石膏を用いた。

<吸着性固定化担体>
 吸着性固定化担体として、消石灰を用いた

<安定化剤>
 安定化剤として、フッ化カルシウム、塩化 トリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウ 及び塩化カルシウムの重量比0.1:1:1:1:1の混 物をイオン水に50重量%溶解したもの70重量部 に0.1%硫酸溶液を30重量部配合したものを用い た。

<有害物質を含有する土壌>
 廃油により汚染された土壌を採取すること より得た。

 前記固化性固定化担体としてのセメント5 0重量部及び二水石膏50重量部、及び前記吸着 性固定化担体(消石灰)100重量部を混合し、こ に前記安定化剤の水溶液30重量部、及び水 水800重量部を混合し、コンクリートミキサ で充分に混練することにより混合組成物を た。

 有害物質を含有する土壌1m 3 に対し、前記実施例1で得られた組成物を400kg 混合した。

 次いで、処理後10日間経過後の土壌につき 有害物質の溶出試験を行った。
 その結果を表2に示す。

 表2に示す結果から解るように、実施例2 係る組成物で処理した土壌は、有機物の溶 が処理前と比較して格段に減少し、油膜及 油臭の発生共に改善していることが確認さ た。

 この結果より、本発明の土壌改質工法にお る土壌中の有機物に対する安定化及び溶出 止効果を確認することができた。